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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-23
(45)【発行日】2025-06-02
(54)【発明の名称】KIF18A阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/12 20060101AFI20250526BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20250526BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20250526BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20250526BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20250526BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20250526BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20250526BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20250526BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20250526BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20250526BHJP
【FI】
C07D401/12
C07D401/14
C07D413/14 CSP
A61K31/444
A61K31/4545
A61K31/497
A61K31/5377
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 111
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021534697
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 US2019068172
(87)【国際公開番号】W WO2020132651
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-11-14
(31)【優先権主張番号】62/783,069
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タマヨ,ヌリア・エイ
(72)【発明者】
【氏名】バナジー,アビシェク
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ジェームズ・アレグザンダー
(72)【発明者】
【氏名】フローン,マイケル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジアン・ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】リー,カーシュエ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,チンイエン
(72)【発明者】
【氏名】ロウ,ジョナサン・ダンテ
(72)【発明者】
【氏名】マー,ブー
(72)【発明者】
【氏名】ペタス,リピング・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ウォルトン,メアリー・キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】ミナッティ,アナ・エレナ
(72)【発明者】
【氏名】ブルボー,マシュー・ポール
(72)【発明者】
【氏名】ジア,レイ
(72)【発明者】
【氏名】グエン,トーマス・ティー
(72)【発明者】
【氏名】西村 信子
(72)【発明者】
【氏名】シュエ,チウフェン・メイ
(72)【発明者】
【氏名】アレン,ジョン・ゴードン
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/011760(WO,A2)
【文献】特表2009-514866(JP,A)
【文献】国際公開第2011/085261(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【化1】
[式中、
は、N又は-CRであり;
は、基-Z-R12であるが、ここで、Zが、-C0~4alk-、-NR11-、-NR11SO-C0~4alk-、-SONR11-C0~4alk-、-NR11SONR11-、-NR11SONR11-C(=O)-O-、-C0~4alk-S(=O)(=NH)-、C0~4alk-NR11-S(=O)(=NH)、-C0~4alk-S-、-C0~4alk-S(=O)-、-C0~4alk-SO-、C0~4alk-O-、-P-、-P(=O)、-P(=O)、-(C=O)-、-(C=O)NR11-、-C=N(OH)-、又は-NR11(C=O)であるか;又は、
前記基-Z-R12が、-N=S(=O)-(R12であって、ここで、2個のR12のペアが、二者択一的に、それらそれぞれに結合されている硫黄原子を用いて結合して、0、1、2、又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0、1、又は2個の原子を含む、飽和若しくは部分的に飽和の3員、4員、5員、又は6員の単環式環を形成してもよく;
は、ハロ又は基-Y-R13であるが、ここで、Yが、-C0~4alk-、-N(C0~1alk)-C0~4alk-、-C(=O)NR(C1~4alk)-、-O-C0~4alk-、-S-、-S=O、-S(=O)-、-SON(C0~1alk)-C0~4alk-、-N(C0~1alk)-SO-C0~4alk-、-C0~4alk-S(=O)(=NH)-、-(C=O)-、-C0~4alk-(C=O)-O-であるか;又は
前記基-Y-R13が、-N=S(=O)-(R13であって、ここで、2個のR13のペアが、二者択一的に、それらそれぞれに結合されている硫黄原子を用いて結合して、0、1、2、又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0、1、又は2個の原子を含む、飽和若しくは部分的に飽和の3員、4員、5員、又は6員の単環式環を形成してもよく;
は、H、メチル、又はエチルであり;
は、H、ハロ、CN、C1~4alk、又はC1~4haloalkであり;
は、H、ハロ、C1~8alk、又はC1~4haloalkであり;
は、H、ハロ、CN、C1~8alk、C1~4haloalk、又はR6aであり;
は、H、ハロ、C1~8alk、又はC1~4haloalkであり;
は、H、ハロ、C1~8alk、又はC1~4haloalkであり;
は、H、ハロ、C1~8alk、又はC1~4haloalkであり;
は、
【化2】
であり、
11 は、H又はC1~8alkであり;
12は、H、R12a、又はR12bであり;
13は、R13a又はR13bであり;
6a 12a、及びR13aは、独立して、それぞれの場合において、0、1、2、又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0、1、又は2個の原子を含む、飽和、部分的に飽和又は不飽和の3員、4員、5員、6員、又は7員の単環式環、又は4員、5員、6員、7員、8員、9員、10員、11員、又は12員の二環式環からなる群から選択されるが、それらは、以下のものから選択される0、1、2、又は3個の基によって置換され:F、Cl、Br、C1~6alk、C1~4haloalk、-OR、-OC1~4haloalk、CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、-C(=NR)NR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-OC2~6alkNR、-OC2~6alkOR、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-S(=O)NR、-NR、-N(R)C(=O)R、-N(R)C(=O)OR、-N(R)C(=O)NR、-N(R)C(=NR)NR、-N(R)S(=O)、-N(R)S(=O)NR、-NR2~6alkNR、-NR2~6alkOR、-C1~6alkNR、-C1~6alkOR、-C1~6alkN(R)C(=O)R、-C1~6alkOC(=O)R、-C1~6alkC(=O)NR、-C1~6alkC(=O)OR、R14、及びオキソ;
12b 、及びR13bは、独立して、それぞれの場合において、F、Cl、Br、-C(=O)OR、-OR、-C1~2haloalk、-OC1~4haloalk、CN、NH、NH(CH)、又はN(CHから選択される0、1、2、3、4、又は5個の基によって置換されたC1~6alkからなる群から選択され;
14は、独立して、それぞれの場合において、0、1、2、又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0、1、又は2個の原子を含む、飽和、部分的に飽和又は不飽和の3員、4員、5員、6員、又は7員の単環式環、又は4員、5員、6員、7員、8員、9員、10員、11員、又は12員の二環式環からなる群から選択されるが、それらは、以下のものから選択される0、1、2、又は3個の基によって置換され:F、Cl、Br、C1~6alk、C1~4haloalk、-OR、-OC1~4haloalk、CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、-C(=NR)NR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-OC2~6alkNR、-OC2~6alkOR、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-S(=O)NR、-NR、-N(R)C(=O)R、-N(R)C(=O)OR、-N(R)C(=O)NR、-N(R)C(=NR)NR、-N(R)S(=O)、-N(R)S(=O)NR、-NR2~6alkNR、-NR2~6alkOR、-C1~6alkNR、-C1~6alkOR、-C1~6alkN(R)C(=O)R、-C1~6alkOC(=O)R、-C1~6alkC(=O)NR、-C1~6alkC(=O)OR、及びオキソ;
は、独立して、それぞれの場合において、H又はRであり;
は、独立して、それぞれの場合において、C1~6alk、フェニル、又はベンジルであるが、ここで前記C1~6alkが、ハロ、-OH、-OC1~4alk、-NH、-NHC1~4alk、-OC(=O)C1~4alk、又は-N(C1~4alk)C1~4alkから選択される0、1、2、又は3個の置換基によって置換され、前記フェニル又はベンジルが、ハロ、C1~4alk、C1~3haloalk、-OH、-OC1~4alk、-NH、-NHC1~4alk、-OC(=O)C1~4alk、又は-N(C1~4alk)C1~4alkから選択される0、1、2、又は3個の置換基によって置換されている]
【請求項2】
が、H又はメチルである、請求項に記載の化合物。
【請求項3】
Zが、存在せず、NH-、-NHSO-(CH0~4-、-N(CH)-SO-(CH0~4-、-NCHSONH、-NHSONH-C(=O)-O-、-SONH-(CH0~4-、-(CH0~2-S(=O)(=NH)-、-(CH0~2-S-、-(CH0~2-S(=O)-、(CHCH)-S(=O)-、-(CH0~2-SO-、-O-、-P(=O)、-(C=O)-、又は-NH(C=O)である、請求項1~のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項4】
が、-Z-R12であり、ここでZが、存在せず、NH-、-NHSO-(CH0~4-、-N(CH)-SO-(CH0~4-、-NCHSONH、-NHSONH-C(=O)-O-、-SONH-(CH0~4-、-(CH0~2-S(=O)(=NH)-、-(CH0~2-S-、-(CH0~2-S(=O)-、(CHCH)-S(=O)-、-(CH0~2-SO-、-O-、-P(=O)、-(C=O)-、又は-NH(C=O)であり、
12が、
(a)H;
(b)シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、アゼチジニル、イミダゾリル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペラジニル、
【化3】
[ここで、それぞれの前記環が、OH、F、メチル、-CHOH、-C(=O)OCH、-C(=O)OC(CH、NH、CN、及びオキソから選択される、0、1、2、又は3個の基によって置換されている];又は、
(c)0、1、2、又は3個のOH、F、-C(=O)OCH、-NH、-NH(CH)、又は-N(CHによって置換された、C1~6alk
から選択されるか、又は
が、基-Z-R12であり、ここで、Zが、-NHSO-又は-SONH-であり、R12が、オキセタニル、シクロプロピルであるか、又はR12が、0、1、2、又は3個のOH基によって置換されたC1~6alkであるか、又は
が基-Z-R12であり、ここでZが-NHSO-であり、R12が-CH-CH-OHである、
請求項1~のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
が、ハロ又は基-Y-R13であり、ここでYが、存在せず、-SONH-(CH0~4-、NH-、-NH-SO-(CH)0~4-、-O-(CH0~4、-O-(CH(CH))-、-(CH0~4-S(=O)(=NH)-、-(C=O)-、-(CH0~4-(C=O)-O-、又は-(CH1~4であり;
13が、F、Cl、Br、C1~6alk、C1~4haloalk、-OH、-OC1~4haloalk、CN、R14、及びオキソから選択される、0、1、2、又は3個の基によって置換された、0、1、2、又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0個又は1個の原子を含む、飽和、部分的に飽和又は不飽和の、3員、4員、5員、6員、若しくは7員の単環式環、又は8員、9員、10員、11員、若しくは12員の二環式環であるか;又は;
13が、F、Cl、Br、-OH、-OC1~4haloalk、又はCNから選択される、0、1、2、3、4、又は5個の基によって置換されたC1~6alkであるか、又は、
が、飽和の5員又は6員の単環式環であって、それぞれの前記環が、0、1、又は2個のN原子、及び0又は1個のO原子を含み、それぞれの前記環が、F、Cl、Br、C1~6alk、C1~4haloalk、-OH、-OCH、-OC1~4haloalk、CN、R14、及びオキソから選択される、0、1、2、又は3個の基によって置換されているか、又は
が、
(a)F、Br;
(b)基-Y-R13[ここでYが、存在せず、R13が、モルホリニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピリジニル、ピリミジニル、3,6-ジヒドロ-2H-ピラニル、
【化4】
であるが、ここで、それぞれ前記環が、F、Cl、Br、メチル、CF、CHOH、CH(CH)OH、C(CHOH、-OH、-OCHF、CN、オキソ、又はシクロプロピルから選択される0、1、2、又は3個の基によって置換されている];又は
(c)基-Y-R13[ここでYが、存在せず、-SONH-、NH、-O-、S(=O)(=NH)-、-O-(CH)、-O-(CH(CH))-、C(=O)-、C(=O)-O-、-CHC(=O)-O-、又は-CH-であり、ここでR13が、以下のものであるか、
【化5】
(式中、それぞれの環が、F、Cl、Br、メチル、CF、-OH、又はCNから選択される、0、1、2、3、4、又は5個の基によって置換されている)、
又はR13が、H、又はF、Cl、Br、メチル、CF、-OH、又はCNから選択される、0、1、2、3、4、又は5個の基によって置換されたC1~6alkである]であるか、又は
が、(a)ハロ;(b)基-Y-R13[式中、Yが存在せず、R13が、モルホリニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピペラジニル、又はテトラヒドロフラニルであるが、ここで、それぞれの前記環が、F、Cl、Br、メチル、CF、-OH、-OCHF、CN、及びオキソから選択される、0、1、2、又は3個の基によって置換されている];又は(c)基-Y-R13[ここで、Yが、NH、-O-、-O-(CH)-、-O-(CH)-(CH)-、又は-O-(CH)-(CH)-(CH)-であり、ここでR13が、
【化6】
であるか、又はR13が、F、Cl、Br、メチル、CF、-OH、又はCNから選択される、0、1、2、3、4、又は5個の基によって置換されたC1~6alkである]であるか、又は
が、F、Cl、Br、メチル、CF、-OH、-OCHF、CN、又はオキソから選択される0、1、2、又は3個の基によって置換された、モルホリニル又はピペリジニルであるか、又は
が、1、2又は3個のメチル基によって置換されたモルホリニルである、
請求項1~のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
が、H、F、メチル、CN、又はBrから選択されるか、又は
がHである、
請求項1~のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
がHである、請求項1~のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
が、H、メチル、シクロプロピル、CN、CF、又はアゼチジニルである、請求項1~のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
がHである、請求項1~のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
が、H又はFである、請求項1~のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
が、H又はFである、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
次のものからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【請求項13】
医薬品組成物であって、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩、及び医薬的に許容される希釈剤又はキャリヤーを含む、医薬品組成物。
【請求項14】
KIF18a阻害剤によって処置することが可能な病状を処置する方法において使用するための薬剤であって、
前記薬剤が、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物、又は請求項13に記載の組成物を含み、前記方法が、治療有効量の前記化合物、又は前記組成物を、それを必要としている患者に対して投与することを含み、
前記病状が、(a)膀胱、子宮内膜、肺扁平上皮細胞、乳房、大腸、腎臓、肝臓、肺、小細胞肺がん、食道、胆嚢、脳、頭及び首、卵巣、膵臓、胃、頸部、甲状腺、前立腺、及び皮膚のがんから選択される、固形又は血液学的由来の腫瘍、(b)白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞-リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、毛様細胞リンパ腫、及びバーケットリンパ腫から選択される、リンパ系の造血器腫瘍、(c)急性及び慢性の骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、及び前骨髄球性白血病から選択される、骨髄系の造血器腫瘍、(d)線維肉腫及び横紋筋肉腫から選択される、間充組織由来の腫瘍、(e)星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、及び神経鞘腫から選択される、中枢神経系及び末梢神経系の腫瘍、又は(f)悪性黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞性がん、又はカポジ肉腫、からなる群から選択されるがんである、薬剤。
【請求項15】
対象における固形腫瘍のサイズを縮小させる方法において使用するための薬剤であって、前記薬剤が、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物、又は請求項13に記載の組成物を含み、前記方法が、治療有効量の前記化合物、又は前記組成物を、それを必要としている患者に対して投与することを含む、薬剤。
【請求項16】
対象における細胞増殖障害を処置する方法において使用するための薬剤であって、前記薬剤が、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物、又は請求項13に記載の組成物を含み、前記方法が、治療有効量の前記化合物、又は前記組成物を、それを必要としている患者に対して投与することを含む、薬剤。
【請求項17】
細胞におけるKIF18Aを阻害する方法において使用するための薬剤であって、前記薬剤が、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩、又は請求項13に記載の組成物を含み、前記方法は、前記細胞を、前記化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩、又は前記組成物と接触させることを含む、薬剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品の分野に関し、より具体的には、KIF18Aを調節するのに有用な化合物及び組成物を対象とし、そして、細胞増殖を支配するため及びがんを処置するための使用及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
がんは、人類を苦しめる最も広まった疾患の一つであり、世界中での主たる死因である。この20年ほどにわたって、各種の多くのがんの一つ又は複数に対する有効な処置又は治療を見出すための努力において、数多くのグループが、多大な時間と努力と費用を注ぎ込んできた。しかしながら、今日までのところ、有用ながんの処置法及び治療法に関しては、ある程度の成功が得られたのは、ほんのわずかしかない。
【0003】
がんは、多くの場合、細胞増殖が調節できないことを特徴としている。細胞周期及び中心体周期を介して増殖の進行を制御する、細胞経路に関わる一つ又は複数の遺伝子が損傷されると、細胞増殖の正常な制御が失われる原因となりうる。それらの調節が解除された遺伝子は、諸現象のカスケードに与る各種の腫瘍抑制遺伝子又はがん遺伝子のタンパク質をコードすることが可能であって、それにより、細胞周期の進行及び細胞増殖が抑制されなくなる。各種のキナーゼ及びキネシンタンパク質が、正常な分裂細胞及びがん細胞の細胞周期並びに細胞分裂の制御及び進行に重要な役割を果たしていることが、明らかになってきた。
【0004】
キネシンは、細胞分裂並びに細胞内の小胞及びオルガネラトランスポートで、重要な役割を果たす分子モーターである。細胞分裂のキネシンは、紡錘体形成、染色体の分離、中心体の分離、及び動力学など、いくつかの態様に機能している(総説:O.Rath and F.Kozielski,Nature Review Cancer,12:527~39,2012)。ヒトのキネシンは、いわゆる「モータードメイン」の内部の配列相同性に基づいて14のサブファミリーに分類されているが、このドメインのATPアーゼ活性が、微小管(MT)に沿っての一方向の移動をもたらしている。これらのタンパク質の非モータードメインは、カーゴアタッチメントを担当しているが、「カーゴ(cargo)」は、各種異なった、膜のオルガネラ、シグナルトランスダクション、足場系、及び染色体のいずれか一つを含むことができる。キネシンは、ATPの加水分解のエネルギーを使用して、分極した微小管に沿ってカーゴを移動させる。したがって、キネシンは多くの場合、「プラス末端」又は「マイナス末端」の方向を有するモーターと呼ばれる。
【0005】
KIF18A遺伝子は、キネシン-8サブファミリーに属し、プラス端指向のモーターである。KIF18Aは、動原体微小管のプラス端における動力学に影響して、正しい染色体の配置及び紡錘体の張力を調節していると考えられている。ヒトKIF18Aが欠損すると、紡錘体が長くなり、分裂中期における染色体の振動が増大し、ヒーラー子宮頸がん細胞における細胞分裂の紡錘体形成チェックポイントの活性化が起きる(MI Mayr et.al.,Current Biology,17,488~98、2007)。KIF18Aは、がんの処置のための、実行可能な目標とみなされる。KIF18Aは、各種のタイプのがん、非限定的に挙げれば、たとえば大腸、乳房、肺、膵臓、前立腺、膀胱、頭部、首、頸部、及び卵巣のがんにおいて過剰発現されている。さらには、KIF18Aの遺伝子削除又はノックダウン又は阻害は、がん細胞系における細胞分裂紡錘体の器官に影響を与える。具体的には、KIF18Aの阻害が、細胞分裂の細胞周期の停止、アポトーシスを介しての有糸分裂における細胞死、細胞分裂のカタストロフ、又は多極性に起因する致死率、又は界面における細胞分裂のすべりの後の脂肪を促進する可能性がある公知の易損性を誘発することが見出された。したがって、KIF18Aタンパク質の阻害剤の発見に、強い関心を持たれるようになってきた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】O.Rath and F.Kozielski,Nature Review Cancer,12:527~39,2012
【文献】MI Mayr et.al,Current Biology,17,488~98、2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、KIF18AのATPアーゼ活性を阻害することが、新規な抗がん薬を開発するための有望なアプローチ方法である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、がん、炎症、又はシリオパソロジー(ciliopathology)を含めた、KIF18Aに媒介された状態及び/又は疾患を処置するための、KIF18Aタンパク質単独又は微小管と組み合わせた複合体の形で調節するのに有用な新しいタイプの化合物を提供する。
【0009】
本発明によって提供される化合物は、MTベースのKIF18Aの修飾的活性、特にKIF18Aの阻害活性を有している。この目的のために、本発明はさらに、製剤の形態にあるそれらの化合物、さらには医薬的に許容されるそれらの塩の使用、並びにがん(これだけに限定される訳ではない)を含めてKIF18Aにより媒介された急性若しくは慢性の疾患及び障害の治療、予防、処置をするための医薬品組成物又は薬物の生産も提供する。したがって、本発明の化合物は、抗がん用薬物の生産においても有用である。本発明はさらに、式Iの化合物を作製するためのプロセス、さらにはそのようなプロセスにおいて有用な中間体も提供する。
【0010】
実施態様1においては、本発明は、式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩を提供する:
【化1】
[式中、
は、N又は-CRであり;
は、基-Z-R12であるが、ここで、Zが、-C0~4alk-、-NR11-、-NR11SO-C0~4alk-、-SONR11-C0~4alk-、-NR11SONR11-、-NR11SONR11-C(=O)-O-、-C0~4alk-S(=O)(=NH)-、C0~4alk-NR11-S(=O)(=NH)、-C0~4alk-S-、-C0~4alk-S(=O)-、-C0~4alk-SO-、C0~4alk-O-、-P-、-P(=O)、-P(=O)、-(C=O)-、-(C=O)NR11-、-C=N(OH)-、又は-NR11(C=O)であるか;又は、
基-Z-R12が、-N=S(=O)-(R12であって、ここで、その2個のR12のペアが、二者択一的に、それらそれぞれに結合されている硫黄原子と結合して、0、1、2、又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0、1、又は2個の原子を含む、飽和若しくは部分的に飽和の3員、4員、5員、又は6員の単環式環を形成してもよく;
は、ハロ又は基-Y-R13であるが、ここで、Yが、-C0~4alk-、-N(C0~1alk)-C0~4alk-、-C(=O)NR(C1~4alk)-、-O-C0~4alk-、-S-、-S=O、-S(=O)-、-SON(C0~1alk)-C0~4alk-、-N(C0~1alk)-SO-C0~4alk-、-C0~4alk-S(=O)(=NH)-、-(C=O)-、-C0~4alk-(C=O)-O-であるか;又は
基-Y-R13が、-N=S(=O)-(R13であって、ここで、その2個のR13のペアが、二者択一的に、それらそれぞれに結合されている硫黄原子と結合して、0、1、2、又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0、1、又は2個の原子を含む、飽和若しくは部分的に飽和の3員、4員、5員、又は6員の単環式環を形成してもよく;
は、H、メチル、又はエチルであり;
は、H、ハロ、CN、C1~4alk、又はC1~4haloalkであり;
は、H、ハロ、C1~8alk、又はC1~4haloalkであり;
は、H、ハロ、CN、C1~8alk、C1~4haloalk、-O-C0~6alk-、又はR6aであり;
は、H、ハロ、C1~8alk、又はC1~4haloalkであり;
は、H、ハロ、C1~8alk、又はC1~4haloalkであり;
は、H、ハロ、C1~8alk、又はC1~4haloalkであり;
は、次のものからなる群から選択され、
【化2】
10a、R10b、R10c、R10d、R10e、R10f、R10g、R10h、R10i、及びR10jのそれぞれが、H、ハロ、R10k、又はR10lであるか;又は、二者択一的に、R10aとR10bとのペア、R10cとR10dとのペア、R10eとR10fとのペア、R10gとR10hとのペア、又はR10iとR10jとのペアのそれぞれが、独立して、それらそれぞれに結合している炭素原子と結合して、Rの環に対する飽和若しくは部分的に飽和の3員、4員、5員、6員の単環式環スピロを形成してもよいが、ここで、前記3員、4員、5員、6員の単環式環は、0、1、2、又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0、1、又は2個の原子を含み、そしてさらにここで、前記3員、4員、5員、6員の単環式環が、F、Cl、Br、C1~6alk、C1~4haloalk、-OR、-OC1~4haloalk、CN、-NR、又はオキソから選択される0、1、2、又は3個の基によって置換され;
11は、H又はC1~8alkであり;
12は、H、R12a、又はR12bであり;
13は、R13a又はR13bであり;
6a、R10k、R12a、及びR13aは、独立して、それぞれの場合において、0、1、2、又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0、1、又は2個の原子を含む、飽和、部分的に飽和又は不飽和の3員、4員、5員、6員、又は7員の単環式環、又は4員、5員、6員、7員、8員、9員、10員、11員、又は12員の二環式環からなる群から選択されるが、それらは、以下のものから選択される0、1、2、又は3個の基によって置換され:F、Cl、Br、C1~6alk、C1~4haloalk、-OR、-OC1~4haloalk、CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、-C(=NR)NR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-OC2~6alkNR、-OC2~6alkOR、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-S(=O)NR、-NR、-N(R)C(=O)R、-N(R)C(=O)OR、-N(R)C(=O)NR、-N(R)C(=NR)NR、-N(R)S(=O)、-N(R)S(=O)NR、-NR2~6alkNR、-NR2~6alkOR、-C1~6alkNR、-C1~6alkOR、-C1~6alkN(R)C(=O)R、-C1~6alkOC(=O)R、-C1~6alkC(=O)NR、-C1~6alkC(=O)OR、R14、及びオキソ;
10l、R12b、及びR13bは、独立して、それぞれの場合において、F、Cl、Br、-C(=O)OR、-OR、-C1~2haloalk、-OC1~4haloalk、CN、NH、NH(CH)、又はN(CHから選択される0、1、2、3、4、又は5個の基によって置換されたC1~6alkからなる群から選択され;
14は、独立して、それぞれの場合において、0、1、2、又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0、1、又は2個の原子を含む、飽和、部分的に飽和又は不飽和の3員、4員、5員、6員、又は7員の単環式環、又は4員、5員、6員、7員、8員、9員、10員、11員、又は12員の二環式環からなる群から選択されるが、それらは、以下のものから選択される0、1、2、又は3個の基によって置換され:F、Cl、Br、C1~6alk、C1~4haloalk、-OR、-OC1~4haloalk、CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、-C(=NR)NR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-OC2~6alkNR、-OC2~6alkOR、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-S(=O)NR、-NR、-N(R)C(=O)R、-N(R)C(=O)OR、-N(R)C(=O)NR、-N(R)C(=NR)NR、-N(R)S(=O)、-N(R)S(=O)NR、-NR2~6alkNR、-NR2~6alkOR、-C1~6alkNR、-C1~6alkOR、-C1~6alkN(R)C(=O)R、-C1~6alkOC(=O)R、-C1~6alkC(=O)NR、-C1~6alkC(=O)OR、及びオキソ;
は、独立して、それぞれの場合において、H又はRであり;そして
は、独立して、それぞれの場合において、C1~6alk、フェニル、又はベンジルであるが、ここでそのC1~6alkが、ハロ、-OH、-OC1~4alk、-NH、-NHC1~4alk、-OC(=O)C1~4alk、又は-N(C1~4alk)C1~4alkから選択される0、1、2、又は3個の置換基によって置換され、そして、そのフェニル又はベンジルが、ハロ、C1~4alk、C1~3haloalk、-OH、-OC1~4alk、-NH、-NHC1~4alk、-OC(=O)C1~4alk、又は-N(C1~4alk)C1~4alkから選択される0、1、2、又は3個の置換基によって置換されている]。
【0011】
実施態様2においては、本発明は、Rが次式である化合物を提供する;
【化3】
【0012】
実施態様3においては、本発明は、Xが-CRであって、式(Ia)を有する化合物を提供する:
【化4】
【0013】
実施態様4においては、本発明は、XがNであって、式(Ib)を有する化合物を提供する:
【化5】
【0014】
実施態様5においては、本発明は、その中でRが、H又はメチルである、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する。
【0015】
実施態様6においては、本発明は、以下のような、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する:その中で、R10c、R10d、R10e、R10f、R10g、R10h、R10i、及びR10jのそれぞれが、H、ハロ、C1~6alk、又はC1~4haloalkであり、そしてR10aとR10bとのペアのそれぞれが、それらそれぞれに結合している炭素原子と結合して、Rの環に対する飽和の3員、4員、又は5員の単環式環スピロを形成するが、ここで前記環には、0、1、2、又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0又は1個の原子が含まれる。
【0016】
実施態様7においては、本発明は、以下のような、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する:その中で、R10c、R10d、R10e、R10f、R10g、R10h、R10i、及びR10jが、H、メチル、又はエチルであり、そしてR10aとR10bとのペアのそれぞれが、それらそれぞれに結合している炭素原子と結合して、Rの環に対してスピロであるシクロプロピル、シクロブチル、又はシクロペンチル環を形成する。
【0017】
実施態様8においては、本発明は、その中でRが以下のものから選択される、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する。
【化6】
【0018】
実施態様9においては、本発明は、その中でRが次のものである、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する。
【化7】
【0019】
実施態様10においては、本発明は、以下のような、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する:Zが、存在せず、NH-、-NHSO-(CH0~4-、-N(CH)-SO-(CH0~4-、-NCHSONH、-NHSONH-C(=O)-O-、-SONH-(CH0~4-、-(CH0~2-S(=O)(=NH)-、-(CH0~2-S-、-(CH0~2-S(=O)-、(CHCH)-S(=O)-、-(CH0~2-SO-、-O-、-P(=O)、-(C=O)-、又は-NH(C=O)-である。
【0020】
実施態様11においては、本発明は、以下のような、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する:基-Z-R12が、-N=S(=O)-(R12であり、そこで、2個のR12のペアが、二者択一的に、それらそれぞれに結合されている硫黄原子と結合して、0、1、2、又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0、1、又は2個の原子を含む、飽和若しくは部分的に飽和の3員、4員、5員、又は6員の単環式環で、以下のものから選択されるものを形成することが可能である。
【化8】
【0021】
実施態様12においては、本発明は、以下のような、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する:Rが-Z-R12であり、Zが、存在せず、NH-、-NHSO-(CH0~4-、-N(CH)-SO-(CH0~4-、-NCHSONH、-NHSONH-C(=O)-O-、-SONH-(CH0~4-、-(CH0~2-S(=O)(=NH)-、-(CH0~2-S-、-(CH0~2-S(=O)-、(CHCH)-S(=O)-、-(CH0~2-SO-、-O-、-P(=O)、-(C=O)-、又は-NH(C=O)-であり:そしてR12が、以下のものから選択される:
(a)H;
(b)シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、アゼチジニル、イミダゾリル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペラジニル、
【化9】
[式中、前記環のそれぞれは、OH、F、メチル、-CHOH、-C(=O)OCH、-C(=O)OC(CH、NH、CN、及びオキソから選択される0、1、2、又は3個の基、又は、0、1、2、又は3個のOH、F、-C(=O)OCH、-NH、-NH(CH)、又は-N(CHによって置換されたC1~6alkによって置換される]。
【0022】
実施態様13においては、本発明は、以下のような、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する:その中で、Rが基-Z-R12であり、ここでZが、-NHSO-又は-SONH-であり、そしてR12が、オキセタニル、シクロプロピルであるか、又はR12が、0、1、2、又は3個のOH基によって置換されたC1~6alkである。
【0023】
実施態様14においては、本発明は、以下のような、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する:その中で、Rが基-Z-R12であり、ここで、Zが、
-NHSO-であり、そしてR12が、-CH-CH-OHである。
【0024】
実施態様15においては、本発明は、以下のような、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する:その中で、
が、ハロ又は基-Y-R13であり、ここでYが、存在せず、-SONH-(CH0~4-、NH-、-NH-SO-(CH)0~4-、-O-(CH0~4、-O-(CH(CH))-、-(CH0~4-S(=O)(=NH)-、-(C=O)-、-(CH0~4-(C=O)-O-、又は-(CH1~4であり;
13が、0、1、2、又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0個又は1個の原子を含む、飽和、部分的に飽和又は不飽和の3員、4員、5員、6員、又は7員の単環式環、又は8員、9員、10員、11員、又は12員の二環式環であって、それが、F、Cl、Br、C1~6alk、C1~4haloalk、-OH、-OC1~4haloalk、CN、R14、及びオキソから選択される0、1、2、又は3個の基によって置換されているか、又は、R13が、F、Cl、Br、-OH、-OC1~4haloalk、又はCNから選択される0、1、2、3、4、又は5個の基によって置換されたC1~6alkである。
【0025】
実施態様16においては、本発明は、次のような、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する:その中で、Rが、飽和の5員又は6員の単環式環であって、ここで、それぞれの前記環が、0、1、又は2個のN原子及び0又は1個のO原子を含み、そしてここで、それぞれの前記環が、F、Cl、Br、C1~6alk、C1~4haloalk、-OH、-OCH、-OC1~4haloalk、CN、R14、及びオキソから選択される0、1、2、又は3個の基によって置換されている。
【0026】
実施態様17においては、本発明は、その中でRが次のものである、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する:
(a)F、Br;
(b)基-Y-R13[ここでYが、存在せず、そしてR13が、モルホリニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピリジニル、ピリミジニル、3,6-ジヒドロ-2H-ピラニル、
【化10】
であるが、ここで、それぞれ前記環が、F、Cl、Br、メチル、CF、CHOH、CH(CH)OH、C(CHOH、-OH、-OCHF、CN、オキソ、又はシクロプロピルから選択される0、1、2、又は3個の基によって置換されている];又は
(c)基-Y-R13[ここでYが、存在せず、-SONH-、NH、-O-、S(=O)(=NH)-、-O-(CH)、-O-(CH(CH))-、C(=O)-、C(=O)-O-、-CHC(=O)-O-、又は-CH-であり、そしてここでR13が、
【化11】
であるが、ここでそれぞれの環が、F、Cl、Br、メチル、CF、-OH、又はCNから選択される、0、1、2、3、4、又は5個の基によって置換されるか、又はR13が、H又は、F、Cl、Br、メチル、CF、-OH、又はCNから選択される、0、1、2、3、4、又は5個の基によって置換されたC1~6alkである]。
【0027】
実施態様18においては、本発明は、実施態様1~17に記載された化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供するが、ここでRが、以下のものである:(a)ハロ;(b)基-Y-R13[ここで、Yが存在せず、そしてR13が、モルホリニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、
【化12】
であるが、ここで、それぞれの前記環が、F、Cl、Br、メチル、CF、-OH、-OCHF、CN、及びオキソから選択される、0、1、2、又は3個の基によって置換されている);又は(c)基-Y-R13(ここで、Yが、NH、-O-、-O-(CH)-、-O-(CH)-(CH)-、又は-O-(CH)-(CH)-(CH)-であり、そしてここでR13が、
【化13】
であるか、又はR13が、F、Cl、Br、メチル、CF、-OH、又はCNから選択される、0、1、2、3、4、又は5個の基によって置換されたC1~6alkである]。
【0028】
実施態様19においては、本発明は、その中でRが次のものである、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する。
【化14】
【0029】
実施態様20においては、本発明は、その中でRが、F、Cl、Br、メチル、CF、-OH、-OCHF、CN、又はオキソから選択される0、1、2、又は3個の基によって置換されたモルホリニル又はピペリジニルである。上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する。
【0030】
実施態様21においては、本発明は、その中でRが、1、2又は3個のメチル基によって置換されたモルホリニルである、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する。
【0031】
実施態様22においては、本発明は、その中でRが、H、F、メチル、CN、又はBrから選択される、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する。
【0032】
実施態様23においては、本発明は、その中でRがHである、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する。
【0033】
実施態様24においては、本発明は、その中でRがHである、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する。
【0034】
実施態様25においては、本発明は、その中でRが、H、メチル、シクロプロピル、CN、CF、又はアゼチジニルである、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する。
【0035】
実施態様26においては、本発明は、その中でRがHである、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する。
【0036】
実施態様27においては、本発明は、その中でRが、H又はFである、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する。
【0037】
実施態様28においては、本発明は、その中でRが、H又はFである、上述の実施態様のいずれかに記載の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する。
【0038】
実施態様29においては、本発明は、次の表から選択される化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する:
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
実施態様30においては、本発明は、実施態様1~29のいずれか1項に記載の化合物又は医薬的に許容されるそれらの塩、及び医薬的に許容される希釈剤又はキャリヤーを含む医薬品組成物を提供する。
【0045】
実施態様31においては、本発明は、KIF18a阻害剤を用いて処置することが可能な状態を処置するための方法、それを必要としている患者に対して、実施態様1~29に記載の化合物又は実施態様30に記載の組成物の治療有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0046】
実施態様32においては、本発明は、前記状態が、次のものからなる群から選択されるがんである、実施態様31の方法を提供する:(a)膀胱、子宮内膜、肺扁平上皮細胞、乳房、大腸、腎臓、肝臓、肺、小細胞肺がん、食道、胆嚢、脳、頭及び首、卵巣、膵臓、胃、頸部、甲状腺、前立腺、及び皮膚のがんから選択される、固形又は血液学的由来の腫瘍、(b)白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞-リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、毛様細胞リンパ腫、及びバーケットリンパ腫から選択される、リンパ系の造血器腫瘍、(c)急性及び慢性の骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、及び前骨髄球性白血病から選択される、骨髄系の造血器腫瘍、(d)線維肉腫及び横紋筋肉腫から選択される、間充組織由来の腫瘍、(e)星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、及び神経鞘腫から選択される、中枢神経系及び末梢神経系の腫瘍、又は(f)悪性黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症(xenoderoma pigmentosum)、角化棘細胞腫(keratoctanthoma)、甲状腺濾胞性がん、又はカポジ肉腫。
【0047】
サブ実施態様32aにおいては、本発明は、前記状態が、悪性黒色腫、前立腺がん、子宮頸がん、乳がん、結腸がん、肉腫、又は白血病からなる群から選択されるがんである、実施態様31の方法を提供する。参照:Zhang C.,et.al.,「Kif18A is involved in human breast carcinogenesis」,2010 Sep;31(9):1676~84.doi:10,1093/carcin/bgq134.Epub 2010 Jul 1。さらに以下の文献も参照:(1)https://www.proteinatlas.org/ENSG00000121621-KIF18A/pathology;(2)Nagahara,M.,et.al.,「Kinesin 18A expression:clinical relevance to colorectal cancer progression」,Int.J.Cancer:129,2543~2552(2011)VC 2011 UIC;及び(3)Yu.Y.,et.al.,「The Role of Kinesin Family Proteins in Tumorigenesis and Progression - Potential Biomarkers and Molecular Targets for Cancer Therapy」,Cancer 2010;116:5150~60.,VC 2010 American Cancer Society。
【0048】
実施態様33においては、本発明は、対象における固形腫瘍のサイズを縮小させる方法を提供するが、その方法には、それを必要とする対象に対して、実施態様1~29に記載の化合物又は、実施態様30に記載の組成物の治療有効量を投与することが含まれる。
【0049】
実施態様34においては、本発明は、対象における細胞増殖障害を処置する方法を提供するが、その方法には、それを必要とする対象に対して、実施態様1~29に記載の化合物又は、実施態様30に記載の組成物の治療有効量を投与することが含まれる。
【0050】
実施態様35においては、本発明は、細胞においてKIF18Aを阻害する方法を提供するが、その方法には、その細胞を、実施態様1~29に記載の化合物若しくは医薬的に許容されるそれらの塩、又は実施態様30に記載の組成物と接触させることが含まれる。
【0051】
実施態様36においては、本発明は、本明細書に記載された式(I)の化合物を調製する方法を提供する。
【0052】
実施態様37においては、本発明は、本明細書に記載された式(I)の化合物を調製する方法において使用される中間体化合物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明には、すべての医薬的に許容される、同位元素標識した本発明の化合物が含まれるが、そこでは、1種又は複数の原子が、同じ原子番号ではあるが、天然では多数を占めている原子質量又は質量数とは異なった原子質量又は質量数を有する原子と置き換えられる。
【0054】
本発明の化合物の中に組み入れるのに適した同位元素の例としては、以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:水素の同位元素たとえば、H及びH、炭素たとえば、11C、13C及び14C、塩素たとえば、38Cl、フッ素たとえば、18F、ヨウ素たとえば、123I及び125I、窒素たとえば、13N及び15N、酸素たとえば、15O、17O、及び18O、リンたとえば、32P、並びに硫黄たとえば、35S。
【0055】
ある種の同位元素標識した本発明の化合物、たとえば、放射性同位元素を組み入れたものは、薬物及び/又は基質組織の分布の研究には有用である。放射性同位元素のトリチウムすなわち、H、及び炭素-14すなわち、14Cは、それらの取込みが容易であること、及び検出手段が容易であることから、この目的には特に有用である。
【0056】
より重い同位元素たとえば、重水素すなわちHを用いた置換により、代謝安定性の増大、たとえばインビボでの半減期の増大又は必要用量の低減からのある種の治療面での利点が得られ、そのため、いくつかの環境では好ましいものとなる可能性がある。
【0057】
陽電子を放出する同位元素たとえば、11C、18F、15O、及び13Nを用いた置換は、基質の受容体占有率を調べるための、陽電子放出断層撮影法(PET)の検討において有用となり得る。
【0058】
同位元素標識した発明の化合物は、一般的には、当業者には公知の慣用される技法によるか、又は、以前に採用した標識化されていない試薬に代えて適切な同位元素で標識された試薬を使用した、添付の「実施例及び調製法」の項で記述しているのと類似のプロセスによって調製することができる。
【0059】
本発明における、医薬的に許容される溶媒和化合物としては、結晶化の溶媒が、同位元素で置換された、たとえば、DO、d-アセトン、d-DMSOなどであってよいようなものが挙げられる。
【0060】
本発明の所定の実施態様に含まれているのは、以下の実施例で例に挙げた化合物及びそれらの医薬的に許容される塩、錯体、溶媒和化合物、多形、立体異性体、代謝産物、プロドラッグ、及びその他のそれらの誘導体である。
【0061】
特に断らない限り、以下の定義が、本明細書及び特許請求項に見出される用語に適用される。
【0062】
「Cα~βalk」は、分岐状又は直鎖状の関係にある、最小でα個且つ最高でβ個の炭素原子を含むアルキル基、又はそれらの三つの各種の組合せを意味しているが、ここで、α及びβは整数を表している。このセクションで記述されるアルキル基には、一つ又は二つの二重結合又は三重結合が含まれていてもよい。Calkの表記は、直接の結合を示唆している。C1~6アルキルの例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:
【化15】
【0063】
単独又は組み合わせた形での、「ベンゾ基」は、二価の基C=を意味しているが、それの一つの表示が、CH=CH-CH=CHであり、それは、他の環に近接して結合されている場合に、ベンゼン様の環(たとえば、テトラヒドロナフチレン、インドールなど)を形成する。
【0064】
「オキソ」及び「チオキソ」という用語は、それぞれ、=O(たとえばカルボニルの中)、及び=S(たとえばチオカルボニルの中)の基を表している。
【0065】
「ハロ」又は「ハロゲン」は、F、Cl、Br、及びIから選択されるハロゲン原子を意味している。
【0066】
「Cα~βhaloalk」は、上で記述したalk基であって、そのalk鎖に結合された各種の数(少なくとも1個)の水素原子が、F、Cl、Br、又はIによって置き換えられたものを意味している。
【0067】
基N(R)Rなどには、その2個のR基が合体して、場合によってはN、O、又はS原子を含む、環を形成する置換基が含まれ、たとえば、次のような基が含まれる:
【化16】
【0068】
基N(Cα~βalk)Cα~βalk(ここで、α及びβは上で定義されたものである)には、その2個のCα~βalk基が合体して、場合によってはN、O、又はS原子を含む、環を形成する置換基が含まれ、たとえば、次のような基が含まれる:
【化17】
【0069】
「二環式環」は、二つの結合した環を特徴とする基を意味している。二環式環は、炭素環(環の原子が全部炭素である)であっても、又は複素環(その環の原子が、炭素原子に加えて、たとえば、1、2、又は3個のヘテロ原子たとえば、N、O、又はSからなっている)であってもよい。その2個の環は、脂肪族(たとえば、デカリン、及びノルボルナン)、又は芳香族(たとえばナフタレン)、又は脂肪族と芳香族との組合せ(たとえば、テトラリン)のいずれであってもよい。二環式環としては、以下のものが挙げられる:
(a)スピロ環式化合物、この場合、2個の環が、ただ一つの単一原子、すなわちスピロ原子(通常は四級炭素である)を共有している。スピロ環式化合物としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:
【化18】
(b)縮合した二環式化合物、この場合は、2個の環が、二つの隣接した原子を共有している。別の言い方をすれば、それらの環は、1個の共有結合を共有している、すなわち、その橋頭原子が、直接結合されている(たとえば、α-ツジェン及びデカリン)。縮合した二環式環の例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:
【化19】
(c)橋架けした二環式化合物、この場合、2個の環が、3個以上の原子を共有して、少なくとも1個の原子を含む橋によって2個の橋頭原子を分離している。たとえば、ノルボルナンは、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとも呼ばれ、1対のシクロペンタン環がそれぞれ、それらの5個の炭素原子を共有していると考えることも可能である。橋架けした二環式環の例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:
【化20】
【0070】
「炭素環(carbocycle又はcarbocyclic)」は、単独若しくは他の用語と組み合わせた形を含む環を意味し、別であると断らない限り、「Cα~βalk」の環状版を表している。炭素環の例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロブチレン、シクロヘキシレンなどが挙げられる。
【0071】
「複素環(heterocycle又はheterocyclic)」は、少なくとも1個の炭素原子と、N、O及びSから選択される少なくとも1個の他の原子とを含む環を意味している。請求項に見出すことが可能な複素環としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:
【化21】
【0072】
「医薬的に許容される塩(pharmaceutically-acceptable salt)」は、慣用される手段により調製された塩を意味していて、当業者には周知である。「薬理学的に許容される塩(pharmacologically acceptable salt)」としては、無機酸及び有機酸、非限定的に挙げれば、たとえば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、リンゴ酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、マレイン酸、サリチル酸、安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸などの塩基性塩が挙げられる。本発明の化合物に、カルボキシ基のような酸性の官能基が含まれている場合、そのカルボキシ基のための適切な医薬的に許容されるカチオンペアは当業者には公知であり、たとえば、アルカリ、アルカリ土類、アンモニウム、四級アンモニウムカチオンなどが挙げられる。「薬理学的に許容される塩」のさらなる例は、以下の記述及び、Berge et al.,J.Pharm.Sci.,66:1(1977)を参照されたい。
【0073】
「飽和、部分的に飽和、又は不飽和の」には、水素で飽和された置換基、水素で完全には飽和されていない換基、そして水素で部分的に飽和された置換基が含まれる。
【0074】
「脱離基(leaving group)」は、一般的には、求核試薬、たとえばアミン、チオール又はアルコールの求核試薬によって、容易に置き換えることが可能な基を指している。そのような脱離基は、当業者には周知である。そのような脱離基の例としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:N-ヒドロキシスクシンイミド、N-ヒドロキシベンゾトリアゾール、ハライド、トリフレート、トシレートなど。好ましい脱離基は、本明細書の適切なところに、記載されている。
【0075】
「保護基(protecting group)」は、一般的には、選択された反応性の基、たとえばカルボキシ、アミノ、ヒドロキシ、メルカプトなどが、求核反応、求電子反応、酸化反応、還元反応などの望ましくない反応をすることを防止するために使用される、当業者には周知の基を指している。好ましい保護基は、本明細書の適切なところに、記載されている。アミノ保護基の例としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:アラルキル、置換されたアラルキル、シクロアルケニルアルキル及び置換されたシクロアルケニルアルキル、アリル、置換されたアリル、アシル、アルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、シリルなど。アラルキルの例としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:ベンジル、オルト-メチルベンジル、トリチル、及びベンズヒドリル(これらは、場合によっては、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、アシルアミノ、アシルなど、並びに塩、たとえばホスホニウム塩及びアンモニウム塩で置換されていてもよい)。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、インダニル、アントラセニル、9-(9-フェニルフルオレニル)、フェナントレニル、デュレニルなどが挙げられる。好ましくは6~10個の炭素原子を有するシクロアルケニルアルキル又は置換されたシクロアルキレニルアルキル基の例としては、シクロヘキセニルメチルなどが挙げられるが、それらに限定される訳ではない。好適なアシル、アルコキシカルボニル、及びアラルコキシカルボニル基としては、ベンジルオキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、イソ-ブトキシカルボニル、ベンゾイル、置換されたベンゾイル、ブチリル、アセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、フタロイルなどが挙げられる。同一のアミノ基を保護するために、保護基を混合して使用することも可能であり、たとえば一級アミノ基を、アラルキル基とアラルコキシカルボニル基との両方で保護することもできる。アミノ保護基はさらに、その窒素を用いて、それらが結合しているものたとえば、1,2-ビス(メチレン)ベンゼン、フタルイミジル、スクシンイミジル、マレイミジルなどと複素環式環を形成することも可能であり、それらの複素環基はさらに、アリール及びシクロアルキル環を取り込むことも可能である。それに加えて、複素環基は、一置換、二置換又は三置換された、たとえばニトロフタルイミジルであってもよい。アミノ基はさらに、たとえば塩酸塩、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などとの付加塩を形成することによって、たとえば酸化のような望ましくない反応から保護してもよい。アミノ保護基の多くのものは、カルボキシ基、ヒドロキシ基、及びメルカプト基を保護するのにも適している。たとえば、アラルキル基。アルキル基、たとえばtert-ブチルは、さらに、ヒドロキシ基及びメルカプト基を保護するのに適した基である。
【0076】
シリル保護基は、場合によっては、1個又は複数のアルキル、アリール、及びアラルキル基で置換されたケイ素原子である。好適なシリル保護基としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、1,2-ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、1,2ビス(ジメチルシリル)エタン、及びジフェニルメチルシリル。アミノ基のシリル化によって、モノ-若しくはジ-シリルアミノ基が得られる。アミノアルコール化合物のシリル化では、N,N,O-トリシリル誘導体が得られる。シリルエーテル官能基からのシリル官能基の除去は、たとえば、金属水酸化物又はフッ化アンモニウム試薬を用いて、別途の反応ステップとして、或いはアルコール基との反応の際にインサイチューでのいずれの方法でも、処理することによって容易に達成される。好適なシリル化剤としては、たとえば以下のものが挙げられる:塩化トリメチルシリル、塩化tert-ブチル-ジメチルシリル、塩化フェニルジメチルシリル、塩化ジフェニルメチルシリル、又はそれらをイミダゾール又はDMFと組み合わせた反応生成物。アミンのシリル化方法及びシリル保護基の脱離方法は、当業者には周知である。相当するアミノ酸、アミノ酸アミド、又はアミノ酸エステルからそれらのアミン誘導体を調製する方法もまた、アミノ酸/アミノ酸エステル又はアミノアルコール化学も含めて、有機化学の分野の熟練者には周知である。
【0077】
保護基は、その分子の残りの部分に影響を与えないような条件下で除去する。それらの方法は当業者には周知であり、酸加水分解、水素化分解などが挙げられる。好ましい方法としては、たとえば、適切な溶媒系たとえばアルコール、酢酸など又はそれらの混合物の中での、パラジウム/カーボンを使用した水素化分解によって、ベンジルオキシカルボニル基を除去する、保護基の除去が挙げられる。t-ブトキシカルボニル保護基は、適切な溶媒系たとえば、ジオキサン又は塩化メチレンの中で、無機酸又は有機酸、たとえばHCl又はトリフルオロ酢酸を使用して、除去することができる。そのようにして得られたアミノ塩は、容易に中和されて、遊離のアミンを与えることができる。カルボキシ保護基、たとえばメチル、エチル、ベンジル、tert-ブチル、4-メトキシフェニルメチルなどは、当業者には周知の加水分解及び水素化分解条件下で除去することができる。
【0078】
ここで注目するべきことは、本発明の化合物には、互変異性体の形態、たとえば環状及び非環状のアミジン及びグアニジン基、ヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基(Y’=O、S、NR)などの形態で存在することが可能な基を含んでいてよいということであって、それらは、次の例で説明される:
【化22】
そして、本明細書で、一つの形で、呼んだり、記述したり、表示したり、特許請求したりしたとしても、すべの互変異性体の形態が、そのような名称、記述、表示及び/又は請求項に、本来的に含まれていることが意図されている。
【0079】
本発明の化合物のプロドラッグもまた、本発明によって想定されている。プロドラッグとは、そのプロドラッグを患者に投与した後で、インビボの生理的な作用、たとえば加水分解、代謝などによって化学的に変性されて、本発明の化合物となるような、活性又は非活性な化合物である。プロドラッグを作製し使用することに含まれる適合性及び技法は、当業者には周知である。エステルも含めたプロドラッグについての総説は、次の文献を参照されたい:Svensson and Tunek,Drug Metabolism Reviews,165(1988)、及びBundgaard,Design of Prodrugs,Elsevier(1985)。マスクされたカルボキシレートアニオンの例としては、たとえば以下のような各種のエステルが挙げられる:アルキル(たとえば、メチル、エチル)、シクロアルキル(たとえば、シクロヘキシル)、アラルキル(たとえば、ベンジル、p-メトキシベンジル)、及びアルキルカルボニルオキシアルキル(たとえば、ピバロイルオキシメチル)。アミンがアリールカルボニルオキシメチル置換誘導体としてマスクされ、それがインビボで、エステラーゼによって解離されて遊離の薬剤及びホルムアルデヒドを放出した(Bungaard,J.Med.Chem.,2503(1989))。さらに、酸性のNH基、たとえばイミダゾール、イミド、インドールなどを含む薬剤が、N-アシルオキシメチル基を用いてマスクされた(Bundgaard,Design of Prodrugs,Elsevier(1985))。ヒドロキシ基は、エステル及びエーテルとしてマスクされてきた。欧州特許第039,051号明細書(Sloan及びLittle、81年4月11日)には、マンニッヒ塩基のヒドロキサム酸プロドラッグ、それらの調製法、及び使用が開示されている。
【0080】
その明細書及び特許請求項には、「...及び...から選択された」、及び「は、...又は...である」という表現を使用した化学種のリストが含まれている(場合によっては、マーカッシュグループと呼ばれる)。この分野でこの表現が使用された場合、特に断らない限り、それは、そのグループ全体、又はそれらの各種単一のメンバー、或いはそれらの各種サブグループが含まれていることを意味している。この表現を使用することは、単に、省略することが目的であって、いかなる点においても、必要に応じて、個々の要素又はサブグループの排除を制限することを意味するものではない。
【0081】
医薬品組成物、投与量、及び投与経路
ここでさらに提供されるのは、本明細書に開示された化合物を、医薬的に許容される医薬品添加物たとえば、希釈剤又はキャリヤーと共に含む医薬品組成物である。本発明で使用するのに適した化合物及び医薬品組成物には、その化合物を、その意図した目的を達成するために、有効量で投与することが可能なものが含まれる。化合物の投与については、以下でさらに詳しく説明する。
【0082】
投与経路及び所望される用量に応じて、当業者によって、適切な医薬配合を決定することができる。参照:たとえば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,1435~712(18th ed.,Mack Publishing Co,Easton,Pennsylvania,1990)。配合物は、投与した薬剤の、物理的性状、安定性、インビボでの放出速度、及びインビボでの排出速度に影響する可能性がある。投与経路に応じて、体重、体表面積又は器官サイズに合わせて、適切な投与量を計算することができる。適切な治療投与量を決めるのに必要な計算法のさらなる微調整は、本明細書に開示された用量についての情報及びアッセイ、さらには動物又はヒトの臨床試験を通して得ることが可能な薬物動態学的なデータを考慮して、当業者によって、過度な実験をすることなく日常的に実施される。
【0083】
「医薬的に許容される(pharamaceutically acceptable)」又は、「薬理学的に許容される(pharmacologically acceptable)」という文言は、動物又はヒトに投与したときに、副反応、アレルギー反応、又はその他の有害な反応を起こさない、分子的実体及び組成物を指している。本明細書で使用するとき、「医薬的に許容される医薬品添加物」には、以下のもののいずれか又は全てが含まれる:溶媒、分散媒、コーティング、抗菌薬及び抗真菌薬、等張剤、並びに吸収遅延剤など。薬剤的に活性な物質のためにそのような医薬品添加物を使用することは、当業者には周知である。いずれかの慣用される媒体又は薬剤が、その治療用組成物と相容れないような場合は例外として、治療用組成物においてそれを使用することは、想定されている。その組成物の中には、補助的な有効成分を組み入れることも可能である。例示的な実施態様においては、その配合物には、以下のものを含むことができる:コーンシロップ固形物、高オレイン含有サフラワー油、ヤシ油、ダイズ油、L-ロイシン、三塩基性リン酸カルシウム、L-チロシン、L-プロリン、L-リシンアセテート、DATEM(乳化剤)、L-グルタミン、L-バリン、二塩基性リン酸カリウム、L-イソロイシン、L-アルギニン、L-アラニン、グリシン、L-アスパラギン一水和物、L-セリン、クエン酸カリウム、L-トレオニン、クエン酸ナトリウム、塩化マグネシウム、L-ヒスチジン、L-メチオニン、アスコルビン酸、炭酸カルシウム、L-グルタミン酸、L-シスチン二塩酸塩、L-トリプトファン、L-アスパラギン酸、塩化コリン、タウリン、m-イノシトール、硫酸第一鉄、パルミチン酸アスコルビル、硫酸亜鉛、L-カルニチン、酢酸アルファ-トコフェロール、塩化ナトリウム、ナイアシンアミド、混合トコフェロール、パントテン酸カルシウム、硫酸第二銅、塩化チアミン塩酸塩、ビタミンAパルミテート、硫酸マンガン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、葉酸、ベータ-カロチン、ヨウ化カリウム、フィロキノン、ビオチン、セレン酸ナトリウム、塩化クロム、モリブデン酸ナトリウム、ビタミンD3、及びシアノコバラミン。
【0084】
その化合物は、医薬品組成物の中に、医薬的に許容される塩として存在させることができる。本明細書で使用するとき、「医薬的に許容される塩」としては、たとえば、塩基付加塩及び酸付加塩が挙げられる。
【0085】
医薬的に許容される塩基付加塩は、金属又はアミン、たとえばアルカリ金属及びアルカリ土類金属又は有機アミンを用いて形成させるのがよい。医薬的に許容される化合物の塩は、医薬的に許容されるカチオンを用いて調製することもまた可能である。好適な医薬的に許容されるカチオンは、当業者には周知であって、アルカリ、アルカリ土類、アンモニウム、及び四級アンモニウムカチオンが挙げられる。炭酸塩又は炭酸水素塩もまた可能である。カチオンとして使用される金属の例は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、カルシウム、又は第二鉄などである。好適なアミンの例としては、以下のものが挙げられる:イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、及びプロカイン。
【0086】
医薬的に許容される酸付加塩としては、無機酸塩又は有機酸塩が挙げられる。好適な酸性塩の例としては、以下のものが挙げられる:塩酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、サリチル酸塩、硝酸塩、リン酸塩。その他の好適な医薬的に許容される塩も当業者には周知であって、たとえば以下のものが挙げられる:ギ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、酒石酸、又はマンデル酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸若しくはリン酸;有機カルボン酸、スルホン酸、スルホ若しくはホスホ酸若しくはN-置換されたスルファミン酸、たとえば、酢酸、トリフルオロ酢酸(TFA)、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、シュウ酸、グルコン酸、グルカル酸、グルクロン酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、2-フェノキシ安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、エンボン酸(embonic acid)、ニコチン酸、又はイソニコチン酸との塩;並びにアミノ酸、たとえば天然のタンパク質の合成に含まれる20種のアルファアミノ酸、たとえば、グルタミン酸又はアスパラギン酸との、並びにさらに、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン1,2-ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-メチルベンゼンスルホン酸、ナフタレン2-スルホン酸、ナフタレン1,5-ジスルホン酸、2-若しくは3-ホスホグリセレート、グルコース6-ホスフェート、N-シクロヘキシルスルファミン酸(シクラメートの生成を伴う)、又は他の酸の有機化合物、たとえばアスコルビン酸との塩。
【0087】
本明細書に開示された化合物を含む医薬品組成物は、慣用される方法、たとえば、慣用される混合法、溶解法、造粒法、糖衣錠化法、湿式粉砕法、乳化法、カプセル化法、封入法、又は凍結乾燥法によって生産することができる。適切な配合物は、選択される投与経路に依存する。
【0088】
経口投与のための、好適な組成物は、本明細書に開示された化合物を、医薬的に許容される医薬品添加物たとえば当業者には周知のキャリヤーと組み合わせることにより、容易に配合することができる。そのような医薬品添加物及びキャリヤーによって、本発明の化合物を、治療を受ける患者によって経口摂取されるための、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などとして処方することが可能となる。経口使用のための製剤は、本明細書に開示された化合物を固形の医薬品添加物に加える工程、場合によっては得られた混合物を摩砕する工程、並びに所望により、錠剤又は糖衣錠のコアを得るために、適切な助剤を加えた後に、顆粒混合物を処理する工程、によって得ることが可能である。好適な医薬品添加物としては、たとえば、充填剤及びセルロース調製物が挙げられる。所望により、崩壊剤を加えることも可能である。各種のタイプの配合物のための医薬的に許容される成分は公知であり、たとえば、以下のようなものであってよい:バインダー(たとえば、天然又は合成のポリマー)、滑沢剤、界面活性剤、甘味料及び香味料、コーティング剤、保存剤、色素、粘稠化剤、アジュバント、抗菌剤、抗酸化剤、及び各種の配合物おタイプのためのキャリヤー。
【0089】
本明細書に開示された化合物の治療有効量を経口的に投与する場合には、その組成物は、典型的には、固形製剤(たとえば、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、又はトローチ錠)又は液体配合物(たとえば、水性懸濁剤、溶液剤、エリキシル剤、又はシロップ剤)の形態とする。
【0090】
錠剤の形態で投与する場合には、その組成物にはさらに、機能性の固形物及び/又は固形キャリヤーたとえば、ゼラチン又はアジュバントを含ませることもできる。錠剤、カプセル剤、又は散剤には、約1%~約95%の化合物、好ましくは約15%~約90%の化合物を含むことができる。
【0091】
液剤又は懸濁剤の形態で投与する場合には、機能性の液体及び/又は液状キャリヤーたとえば、水、石油、又は動物若しくは植物由来の油を添加してもよい。組成物の液剤の形態にはさらに、生理食塩水溶液、糖アルコール溶液、ブドウ糖又はその他の糖類の溶液、又はグリコールを含んでいてもよい。液剤又は懸濁剤の形態で投与する場合には、その組成物には、約0.5~約90重量%の本明細書に開示された化合物、好ましくは約1~約50%の本明細書に開示された化合物を含んでいてもよい。考えられる一つの実施態様においては、その液状キャリヤーが、非水性であるか、又は実質的に非水性である。液剤の形態で投与するためには、その組成物を、投与の直前に溶解又は懸濁させるための、急速溶解性の固形配合物として供給してもよい。
【0092】
本明細書に開示された化合物の治療有効量を静脈注射、皮膚注射、又は皮下注射によって投与する場合には、その組成物は、発熱性物質を含まない、非経口的に許容される水溶液の形態にある。pH、等張性、安定性などを十分に考慮した、そのような非経口的に許容される水剤の製剤は、当業者の技術範囲内である。静脈注射、皮膚注射、又は皮下注射のために好ましい組成物には、典型的には、本明細書に開示された化合物に加えて、等張ビヒクルが含まれる。そのような組成物は、界面活性剤、たとえばヒドロキシプロピルセルロースを用いて混合して、水中の遊離塩基又は薬理学的に許容される塩の溶液として投与のために調製することができる。グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物の中、及び油の中の分散液もまた、調製することができる。通常の貯蔵及び使用条件下では、これらの製剤には、場合によっては、微生物の増殖を防止するための保存剤が含まれていてもよい。
【0093】
注射剤組成物には、無菌の水溶液、懸濁液、又は分散液、及び無菌注射溶液、懸濁液、又は分散液を調製するために即時に調合するための無菌の粉体が含まれていてよい。すべての実施態様において、その形態は無菌でなければならず、そして注射筒の中に容易に吸入できる程度の流動性を有していなければならない。それは、生産及び貯蔵条件下では安定でなければならず、そして任意成分の保存剤を含有させることによって、微生物たとえば、細菌及び真菌の汚染作用に抵抗しなければならない。そのキャリヤーは、それらの混合物に適した、たとえば、水、エタノール、ポリオール(たとえば、グリセロール、プロピレングリコール、液状ポリエチレングリコールなど)を含む溶媒又は分散媒、及び植物油などであってよい。考えられる一つの実施態様においては、そのキャリヤーが、非水性であるか、又は実質的に非水性である。そのような適切な流動性は、たとえば、コーティング、たとえばレシチンを使用することによって、その分散液の実施態様における化合物の、必要とされる粒径を維持することによって、そして、界面活性剤を使用することによって、維持することができる。微生物の作用の予防は、各種の抗菌薬及び抗真菌薬、たとえば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによって、もたらすことができる。多くの実施態様において、等張剤、たとえば糖類又は塩化ナトリウムを含んでいるのが好ましいであろう。注射剤組成物の持続的吸収は、その組成物の中で、吸収遅延剤たとえば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを使用することによってもたらすことができる。
【0094】
無菌の注射水剤は、各種の先に列挙した成分と共に、必要量の有効成分の化合物を適切な溶媒の中に組み入れ、必要であれば、それに続けて濾過滅菌することによって調製される。一般的には、分散液は、各種の滅菌した有効成分を、基本の分散媒と、必要とされる先に列挙したものからの他の成分とを含む滅菌ビヒクルの中に組み入れることにより調製する。無菌の注射水剤を調製するための無菌の粉末の実施態様においては、調製のための好ましい方法は、真空乾燥及び凍結乾燥法であって、それによって、有効成分プラス追加の所望の成分(それらの溶液から予め滅菌濾過したもの)の粉体を得る。
【0095】
徐放性(slow release)又は持続放出性(sustained release)配合物は、消化管の中で体液と接触状態にある有効成分の化合物の放出制御性を達成するため、及び血漿中において有効成分の化合物を実質的に一定且つ有効な水準を与えるために調製するのがよい。たとえば、放出は、溶解、拡散、及びイオン交換の一つ又は複数によって制御することができる。それに加えて、徐放性のアプローチによって、消化管の内部の可飽和経路又は制限経路を介して、吸収を増強させることができる。たとえば、この目的のために、化合物を、生分解性ポリマー、水溶性ポリマー、又は両者の混合物のポリマーマトリックス、及び場合によっては適切な界面活性剤の中に包埋させてもよい。「包埋する(embedding)」は、この文脈においては、ポリマーのマトリックスの中にミクロ粒子を取り込むことを意味している。放出制御性配合物はさらに、公知の分散液又はエマルションコーティング技術を使用して、分散させたミクロ粒子又は乳化させたミクロ液滴をカプセル化させることによっても得ることができる。
【0096】
吸入法により投与するためには、本発明の化合物を、加圧パック又はネブライザーから、適切な噴射剤を使用して、エアロゾル噴霧組成の形態で投与するのが好都合である。加圧エアロゾルの実施態様においては、その投与単位は、所定の量を送達するためのバルブを備えることによって決めることができる。吸入器又は注入器の中で使用するための、たとえばゼラチンのカプセル及びカートリッジは、その化合物と、適切な散剤ベースたとえば、ラクトース又はデンプンとの粉体混合物を含むように、処方することができる。
【0097】
本明細書に開示された化合物は、注射による(たとえば、ボーラス注射又は連続注入による)非経口投与のための処方とすることもできる。注射のための配合物は、保存剤を添加して、単位剤形の形(たとえば、アンプルの形、又は多回投与容器の形)で提供することができる。その組成物は、油性若しくは水性ビヒクルの中の懸濁剤、水剤、又は乳濁剤としてのような形態をとることが可能であり、そして配合剤たとえば、懸濁剤、安定剤、及び/又は分散剤を含むことができる。
【0098】
非経口投与のための医薬製剤には、水溶性の形態にあるその化合物の水溶液が含まれる。さらには、その化合物の懸濁剤も、適切な油性の注射用懸濁剤として調製することができる。好適な親油性の溶媒又はビヒクルとしては、脂肪油又は合成の脂肪酸エステルが挙げられる。水性注射用懸濁剤には、その懸濁剤の粘度を高める物質を含んでいてもよい。場合によっては、その懸濁剤にはさらに、適切な安定剤、又は化合物の溶解度を高め、高濃度の溶液が調製できるようにする薬剤が含まれていてもよい。それとは別な方法で、存在させる組成物が、使用直前に、適切なビヒクル(たとえば、無菌の発熱性物質を含まない水)を用いて構成するための粉体の形態であってもよい。
【0099】
本明細書に開示された化合物は、たとえば坐剤又は滞留型(retention)浣腸剤(たとえば、慣用される坐剤基剤を含む)として、直腸組成物の形で処方することも可能である。これまで記述してきた配合物に加えて、その化合物はさらに、デポ製剤として処方することも可能である。そのような長時間作用性の配合物は、(たとえば、皮下又は筋肉内に)埋設するか、筋肉内注射をすることによって、投与することができる。したがって、たとえば、それらの化合物を、適切なポリマー性又は疎水性の物質(たとえば、許容される油の中の乳濁液として)若しくはイオン交換樹脂と共に、又は難溶性の誘導体として、たとえば難溶性の塩として処方することもできる。
【0100】
具体的には、本明細書に開示された化合物は、たとえばデンプン又はラクトースのような医薬品添加物を含む錠剤の形態で、又は単独若しくは医薬品添加物との添加物の形でのカプセル剤若しくはオビュール剤(ovule)の形態で、又は香味料若しくは着色料を含むエリキシル剤若しくは懸濁剤の形態で、経口的、口腔的、又は舌下的に投与することができる。そのような液状製剤は、医薬的に許容される添加物たとえば、懸濁剤と共に調製することができる。化合物はさらに、非経口的に、たとえば、静脈内、筋肉内、皮下、又は冠動脈内に注射することも可能である。非経口投与するためには、その化合物は、無菌水溶液の形態で使用するのがベストであるが、それには、その溶液を血液と等張にするための他の物質、たとえば、塩、糖アルコールたとえば、マンニトール又はグルコースが含まれていてもよい。
【0101】
獣医学的に使用するためには、本明細書に開示された化合物を、通常の獣医学的実施方法に従って好適に許容される配合物として投与する。獣医は、特定の動物に最も適した用法及び投与経路を容易に決めることができる。
【0102】
いくつかの実施態様においては、KIF18A関連の障害を処置するために必要な成分のすべてを、本明細書に開示された化合物を、単独又は他の薬剤若しくはそのような疾患の処置のために従来から使用されてきたインターベンションとの組合せた形で使用して、パッケージングしてキットの形にしてもよい。具体的には、本発明は、本明細書に開示された化合物、さらには前記薬物を送達可能な形態に調剤するためのバッファー及びその他の成分、及び/又はそのような薬物を投与するための用具、及び/又は本明細書に開示された化合物との併用療法で使用される各種の薬剤、及び/又はその薬物と共にパッケージされた、その疾患を処置するための説明書を含む、包装された薬物のセットを含む、疾患の治療用インターベンションにおいて使用するためのキットを提供する。その説明書は、各種の手にとることができる媒体、たとえば、印刷された紙、又はコンピューターで読み取ることが可能な磁気的又は光学的媒体に収めてあってもよいし、又はたとえばインターネットを介して、ワールドワイドウェブのページのような、遠隔コンピュータデータベースを参照する説明書であってもよい。
【0103】
「治療有効量(therapeutically effective amount)」は、処置される対象を、治療するか、又は進行を防止するか、又は既存の症状を緩和させるのに有効な量を意味している。その有効量の定量は、特に本明細書で提示される詳細な開示を参照すれば、十分に当業者の能力の範囲内である。一般的には、「治療有効用量(therapeutically effective dose)」は、所望の効果の達成がもたらされる、その化合物の量を指している。たとえば、一つの好ましい実施態様においては、本明細書に開示された化合物の治療有効量は、対照と比較して、KIF18Aの活性を、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、又は少なくとも90%低下させる。
【0104】
投与される化合物の量は、処置される対象に依存し、対象の年齢、健康状態、性別、及び体重、並行処置の種類(あれば)、その疾患の重症度、望まれている効果の特性、処置の方式及び頻度、並びに処方する医師の判断に依存する可能性がある。投与の頻度はさらに、動脈の酸素圧力に及ぼす薬力学的な効果にも依存する可能性がある。個別に必要量が異なるものの、化合物の有効量の最適範囲を決めることは、当業者の技術の内である。そのような投与量を、単一用量で投与してもよいし、或いは多数回の投与に分割してもよい。
【0105】
「がん(cancer)」又は「がんの(cancerous)」という用語は、本明細書で使用する場合、典型的には、無秩序な細胞の増殖を特徴とする、哺乳類における生理学的条件を指すか、又は記述する。がんの例としては、がん腫、リンパ腫、肉腫、芽細胞腫、及び白血病が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。そのようながんの、より具体的な例としては、以下のものが挙げられる:扁平上皮がん、肺がん、膵臓がん、子宮頸がん、膀胱がん、肝細胞腫、乳がん、結腸がん、並びに頭部及び頚部がん、卵巣がん、並びに子宮内膜がん。「がん」という用語は、本明細書で使用するとき、疾患の特異的形態のいずれか一つに限定されるのではなく、本発明の方法が、哺乳類における適切な染色体の分離及び生存における、KIF18Aの無秩序なレベルに伴うか、又はKIF18Aに依存することが見出されたがんに対して特に有効であろうと考えられる。
【0106】
「処置(treat)」、「処置する(treating)」、及び「処置(treatment)」という用語は、本明細書で使用するとき、療法(therapy)を指していて、治療的療法、及び予防療法(prophylactic therapy、preventative therapy)が含まれるが、これらに限定される訳ではない。予防処置は、一般的には、個々における、障害の発症を全体的に防止するか、又は障害の前臨床的に明らかなステージの発現を遅らせるかのいずれかで構成されている。
【0107】
「患者(patient)」、「対象(subject)」、又は「哺乳類(mammal)」という用語は、本明細書で使用するとき、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、及びネコの、いずれの「患者」、「対象」、又は「哺乳類」も指している。本発明の一つの実施態様においては、その哺乳類がヒトである。
【0108】
「含む(comprising)」という用語は、オープンエンドであること意味していて、表示された要素を含むが、他の要素も排除しないということが含まれている。
【0109】
「式I」という用語には、各種の下位の式も含まれている。
【0110】
KIF18A阻害剤の使用方法
本発明の開示は、一般的にはMTベースのKIF18Aの修飾的活性、特には阻害活性を有する化合物を提供する。本発明の一つの実施態様においては、対象におけるKIF18Aタンパク質を調節するする方法が提供されるが、その方法には、対象に対して、式Iの化合物の有効投与量を投与することが含まれる。そういうことなので、本発明の化合物は、制御されない細胞増殖、異常な細胞周期調節、中心体異常性(構造的及び/又は数的なフラグメンテーション)も含めた、細胞増殖障害を処置するために使用することができる。余分な中心体の蓄積(>2)に関連するその他の疾患又は障害としては、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)感染症(HPV関連異常増殖も含む)が挙げられる。それらの化合物はさらに、繊毛関連の疾患、さらには男性用避妊薬としての可能性があるハプロイド生殖細胞集団の切断にも有用である。
【0111】
それに加えて、本発明の化合物は、がん及びその他のKIF18A性の疾患又は障害の予防及び処置(それらに限定される訳ではない)に有用である。たとえば、本発明の化合物は、たとえば以下の、各種の固形及び血液学的に誘導される腫瘍の処置に有用であろう:がん腫であって、非限定的に挙げれば、膀胱、乳房、大腸、腎臓、肝臓、肺(扁平上皮細胞及び小細胞肺がんを含む)、食道、胆嚢、卵巣、膵臓、胃、頸部、甲状腺、前立腺、及び皮膚(扁平上皮がんを含む)のがんを含む;リンパ系の造血器腫瘍(白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞-リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、毛様細胞リンパ腫、及びバーケットリンパ腫を含む);骨髄系の造血器腫瘍(急性及び慢性の骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、及び前骨髄球性白血病を含む);間充組織由来の腫瘍(線維肉腫及び横紋筋肉腫、及びその他の肉腫、たとえば、軟組織及び骨を含む);中枢神経系及び末梢神経系腫瘍(星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫及び神経鞘腫を含む);並びにその他の腫瘍(悪性黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞性がん、及びカポジ肉腫を含む)。
【0112】
本発明の化合物はさらに、たとえば、固形腫瘍、肉腫(特にユーイング肉腫及び骨肉腫)、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、神経芽細胞腫、造血性悪性病変(白血病及びリンパ腫を含む)、腫瘍誘発性の胸膜液又は心膜液の浸出、及び悪性腹水のような、がん関連適応症の処置においても有用である。
【0113】
キネシン衝撃性の血管新生を調節する性能に基づけば、本発明の化合物はさらに、増殖性疾患の処置及び療法においても有用である。特に、これらの化合物は、以下のような炎症性疾患を処置するためにも使用することができる:特に運動器官で発現するたとえば、各種の炎症性のリウマチ様の疾患、特に慢性関節リウマチ、若年性関節炎、又は乾癬性関節症も含めた慢性の多発性関節炎;腫瘍随伴症候群又は腫瘍誘発炎症性疾患、混濁滲出、膠原病たとえば、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、皮膚筋炎、全身性靱帯硬化症、又は混合型膠原病;感染後の関節炎(身体の感染した部位又はその中に、生きている病原性の微生物が見いだせない場合)、血清陰性の脊椎関節炎、たとえば強直性脊椎炎;脈管炎、サルコイドーシス、又は関節症;又はさらなるそれらの各種組合せ。
【0114】
本発明の化合物はさらに、以下のような疾病病状に対する活性薬剤として使用することもできる:関節炎、アテローム性動脈硬化症、乾癬、血管腫、心筋血管新生、冠状動脈及び大脳の側枝、虚血性四肢血管新生、創傷治癒、消化性潰瘍ヘリコバクター関連疾患、骨折、ネコひっかき熱、ルベオーシス、新生血管緑内障、及び網膜症(たとえば、糖尿病性網膜症又は黄斑変性症に関連したもの)。それに加えて、これらの化合物のいくつかは、固形腫瘍、悪性腹水、造血系のがん、及び高増殖性障害たとえば、甲状腺過形成(特に、グレーブス病)、嚢胞(たとえば、卵巣のストローマの血管過多、多嚢胞性卵巣症候群(シュタイン・レーベンタール症候群)に特徴的)に対する活性薬剤として使用することができるが、その理由は、そのような疾患では、増殖及び/又は転移のためには、血管細胞の増殖が必要だからである。
【0115】
ヒトの処置で有用であることに加えて、それらの化合物は、哺乳類、げっ歯類なども含めて、ペット、珍しい動物、及び家畜の獣医学的処置でも有用である。たとえば、ウマ、イヌ、及びネコも含めた動物を、本発明によって提供される化合物を用いて処置することができる。
【0116】
併用療法
本発明の化合物は、単独の活性医薬品として投薬又は投与することができるけれども、本発明の1種又は複数の化合物と組合せたり、他の薬剤と同時に使用したりすることもまた可能である。組合せとして投与する場合には、それらの治療剤を、別々の組成物として処方して、同時に若しくは時間を変えて順次に投与するか、又はそれらの治療剤を単回の組成物として与えることができる。
【0117】
「共療法(co-therapy)」(又は、「併用療法(combination therapy)」)という文言は、本発明の化合物と、また別の医薬品との使用の定義において、療法においてそれぞれの薬剤を、順次のやり方で投与して、薬物を組合せた有益な効果を得ようとすることを包含することが意図されているか、同様にしてそれらの薬剤を、実質的に同時のやり方で、たとえば、一定の比率でそれらの活性薬剤を含む単回用カプセルの形態で、又は、複数のそれぞれの薬剤のための別々のカプセル剤の形態で、共投与することを包含することが意図されている。
【0118】
具体的には、本発明の化合物の投与を、がんの予防又は処置における、当業者には公知の追加の治療、たとえば、放射線療法、小分子を目標とした薬剤(たとえば、PARP阻害剤、キナーゼ阻害剤)、腫瘍性若しくは細胞毒性物質と組み合わせた治療用抗体(たとえば、むきだしの薬物抱合体)免疫療法抗体(チェックポイント阻害剤、二重特異性T細胞誘導)と組合せることができる。
【0119】
一定の投与量として処方するのなら、そのような併用製剤では、本発明の化合物を、その許容される用量範囲で採用する。組合せた配合物が不適切な場合には、式Iの化合物を、公知の抗がん剤又は細胞毒性物質と順次に投与してもよい。本発明では、投与の順には制限はなく、本発明の化合物を、公知の抗がん剤又は細胞毒性物質の投与の前、同時、又は投与の後のいずれで投与してもよい。
【0120】
商用使用段階、臨床評価段階、及び前臨床開発段階にある、利用可能な抗がん剤が多数存在し、それらが、併用薬物化学療法による異常増殖の処置のために選択されるであろう。そのような薬剤は、以下のような、いくつかの主要なカテゴリーに分類される:抗生物質タイプの薬剤、アルキル化及びアルキル化様薬剤、有糸分裂阻害剤、目標小分子剤(targeted small molecule agent)、代謝拮抗剤、ホルモン剤、免疫剤、抗血管形成剤、インターフェロンタイプの薬剤及び、種々のカテゴリーの薬剤。
【0121】
本発明の開示はさらに、他の経路、又は同じ経路の他の成分を調節することが知られている薬剤、又は目標の酵素の重複するセットさえも、本開示の化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩と組み合わせて使用される、併用治療についての方法もまた提供する。一つの態様においては、そのような療法には、本開示の1種又は複数の化合物を、化学療法剤、治療用抗体、目標小分子剤、及び放射線治療と組み合わせて、相乗的又は相加的な治療効果を与えることが含まれているが、これらに限定される訳ではない。
【0122】
当業界では、現在でも多くの化学療法薬が公知であり、本開示の化合物と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施態様においては、その化学療法薬は、次のものからなる群から選択される:有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、挿入抗生物質、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調節剤、抗ホルモン剤、血管新生阻害剤、及び抗アンドロゲン剤。非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:化学療法剤、細胞毒性物質、及び非ペプチド小分子たとえば、Gleevec(登録商標)(イマチニブメシレート)、Kyprolis(登録商標)(カーフィルゾミブ)、Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)、Casodex(ビカルタミド)、Iressa(登録商標)(ゲフィチニブ)、及びアドリアマイシン、さらには化学療法剤のホスト。化学療法剤の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:アルキル化剤たとえば、チオテパ及びチオテパ及びシクロスホスファミド(CYTOXAN(商標));アルキルスルホネートたとえば、ブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファン;アジリジンたとえば、ベンゾドーパ、カルボクオン、メツレドーパ及びウレドーパ;エチレンイミン及びメチルアメルアミンたとえば、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド及びトリメチロロメラミン;ナイトロジェンマスタード、たとえば、クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、酸化メクロルエタミン塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロソウレアたとえば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン;抗生物質たとえば、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、Casodex(商標)、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗物質たとえば、メトトレキサート及び5-フルオロウラシル(5-FU);葉酸類似体たとえば、デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート;プリン類似体たとえば、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジン類似体たとえば、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクシウリジン、アンドロゲンたとえば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗副腎剤たとえば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸補充剤たとえば、フロリン酸;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート;デフォファミン;デメコルシン;ジアジクオン;エルフォルニチン;酢酸エリプチニウム;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメト;ピラルビシン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK;ラゾキサン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2”-トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキサン、たとえばパクリタキセル及びドセタキセル、Nab-パクリテキセル;レチノイン酸;エスペラマイシン;カペシタビン;並びに、各種上記のものの医薬的に許容される塩、酸、又は誘導体。
【0123】
適切な化学療法用細胞コンディショナー(cell conditioner)として挙げられるのは、以下のものである:腫瘍に対するホルモンの作用を調節又は阻害するための作用をする抗ホルモン剤、たとえば抗エストロゲンのたとえば、タモキシフェン、(Nolvadex(商標))、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害4(5)-イミダゾール、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY 117018、オナプリストン及びトレミフェン(Fareston);並びに抗アンドロゲン剤たとえば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ルプロリド及びゴセレリン;クロラムブシル;ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;プラチナ類似体たとえば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン;エトポシド(VP-16);イホスファミド;マイトマイシン C;ミトキサントロン;ビンブラスチンビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;トポテカン;カンプトテシン-11(CPT-11);トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO)。
【0124】
所望であれば、本開示の化合物又は医薬品組成物を、たとえば以下に示すような、一般的に処方される抗がん剤と組み合わせて使用することもできる:Herceptin(登録商標)、Avastin(登録商標)、Erbitux(登録商標)、Rituxan(登録商標)、Taxol(登録商標)、Abraxane、Arimidex(登録商標)、Taxotere(登録商標)、ABVD、AVICINE、アバゴボマブ、アクリジンカルボキサミド、アデカツマブ、17-N-アリールアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン、アルファラジン、アルボシジブ、3-アミノピリジン-2-カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン、アモナフィド、アントラセンジオン、アモナフォド、アントラセンジオン、抗CD22免疫毒素、抗腫瘍薬、抗腫瘍性ハーブ、アパジクオン、アティプリモド、アザチオプリン、ベロテカン、ベンダムスチン、BIBW 2992、ビリコダール、ブロスタリシン、ブリオスタチン、ブチオニンスルホキシミン、CBV(化学療法)、カリクリン、細胞サイクル非特異的抗腫瘍剤、ジクロロ酢酸、ジスコーダーモリド、エルサミトルシン、エノシタビン、エポチロン、エリブリン、エベロリムス、エクセアテカン、エクシスリンド、フェルギノール、フォロデシン、フォスフェストロール、ICE化学療法レジメン、IT-101、イメクソン、イミキモド、インドロカルバゾール、イロフルヴェン、ラニキダル、ラロタキセル、レナリドミド、ルカントン、ルルトテカン、マフォスファミド、ミトゾロミデ、ナフォクシジン、ネダプラチン、オラパリブ、タラゾパリブ、ニラパリブ、オルタタキセル、PAC-1、ポーパウ、ピクサントロン、プロテアソーム阻害剤、レベッカマイシン、レシキモド、ルビテカン、SN-38、サリノスポラミドA、サパチタビン、スタンフォードV、スワインソニン、タラポルフィン、タリキダール、テガフル-ウラシル、テモダール、テセタキセル、トリプラチン・テトラ硝酸塩、トリス(2-クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラムスティン、ヴァディメザン、ヴィンフルニン、ZD6126又はゾスキダル、CDK4/6阻害剤(パルボシクリブ、イブランス;リボシクリブ、キスカリ;アベマシクリブ、ベルツェニオ)。
【0125】
本開示はさらに、哺乳類における異常な細胞増殖を阻害したり、高増殖性障害を処置したりするために、本明細書において提供される化合物又は医薬品組成物を、放射線療法と組み合わせて使用するための方法にも関するが、放射線療法を施す技法は当業者には公知であり、それらの技法は、本明細書に記載された併用療法においても使用することができる。この併用療法における本開示の化合物の投与は、本明細書に記載されたようにして、決めることができる。
【0126】
放射線療法は、いくつかの方法の一つ、又は複数の方法を組み合わせて実施することができるが、そのような方法としては以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:外部ビーム療法,内部放射線療法、インプラント放射線療法、定位的放射線手術、全身放射線療法、放射線療法、及び永続的若しくは一時的組織内近接照射療法。「近接照射療法(brachytherapy)」という用語は、本明細書で使用するとき、身体の内部、腫瘍又はその他の増殖性の組織疾患部位の場所若しくはその近傍に挿入された、空間的に閉じ込められた放射性物質によって送達される放射線療法を指している。その用語は、放射性同位元素(たとえば、At-211、I-131、I-125、Y-90、Re-186、Re-188、Sm-153、Bi-212、P-32、及びLuの放射性同位元素)に対して曝露させることを含むことが意図されているが、これに限定される訳ではない。本開示の細胞コンディショナーとして使用するのに適切な放射線源としては、固体及び液体の両方が挙げられる。非限定的に例を挙げれば、その放射線源は、放射性核種、たとえば固体の線源としての、I-125、I-131、Yb-169、Ir-192、固体の線源としてのI-125、又は光子、ベータ粒子、ガンマ放射線、又はその他の治療用放射線を放出するその他の放射性核種であってよい。放射性物質はまた、放射性核種の各種の溶液、たとえば、I-125又はI-131の溶液から作製した流体であってもよいか、或いは、たとえばAu-198、Y-90のような固体の放射性核種の小さな粒子を含む適切な流体のスラリーを使用して、放射性流体を作製することもできる。さらには、放射性核種を、ゲル又は放射性のマイクロスフィアの形態で具現させることも可能である。
【0127】
本開示の化合物又は医薬品組成物は、抗血管新生剤、シグナル伝達阻害剤、抗増殖剤、解糖阻害剤、又はオートファジー阻害剤から選択される一つ又は複数の物質の一定量と組み合わせて使用することができる。
【0128】
抗血管新生剤、たとえばMMP-2(マトリックス-メタロプロテイナーゼ2)阻害剤、MMP-9(マトリックス-メタロプロテイナーゼ9)阻害剤、及びCOX-11(シクロオキシゲナーゼ11)阻害剤を、本開示の化合物及び本明細書に記載された医薬品組成物と組み合わせて使用することもできる。抗血管新生剤としては、たとえば、以下のものが挙げられる:ラパマイシン、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD001)、ソラフェニブ、スニチニブ、及びベバシズマブ。有用なCOX-II阻害剤の例としては、アレコキシブ、バルデコキシブ、及びロフェコキシブが挙げられる。有用なマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤の例は、以下の特許に記載されている:国際公開第96/33172号パンフレット、国際公開第96/27583号パンフレット、欧州特許第0818442号明細書、欧州特許第1004578号明細書、国際公開第98/07697号パンフレット、国際公開第98/03516号パンフレット、国際公開第98/34918号パンフレット、国際公開第98/34915号パンフレット、国際公開第98/33768号パンフレット、国際公開第98/30566号パンフレット、欧州特許出願公開第606046号明細書、欧州特許出願公開第931788号明細書、国際公開第90/05719号パンフレット、国際公開第99/52910号パンフレット、国際公開第99/52889号パンフレット、国際公開第99/29667号パンフレット、国際公開第1999007675号パンフレット、欧州特許第1786785号明細書、欧州特許第1181017号明細書、米国特許出願公開第20090012085号明細書、米国特許第5863949号明細書、米国特許第5861510号明細書、及び欧州特許第0780386号明細書(これらすべてを、参照することにより、本明細書に組み入れたこととする)。好ましいMMP-2及びMMP-9阻害剤は、MMP-1を阻害する活性を、ほとんど或いは全く有さないものである。より好ましいのは、他のマトリックス-メタロプロテイナーゼ(すなわち、MAP-1、MMP-3、MMP-4、MMP-5、MMP-6、MMP-7、MMP-8、MMP-10、MMP-11、MMP-12、及びMMP-13)に対して、MMP-2及び/又はAMP-9を選択的に阻害するものである。本開示において有用なMMP阻害剤のいくつかの具体例は、AG-3340、RO32-3555、及びRS13-0830である。
【0129】
本発明の化合物を、他の抗悪性腫瘍剤と共に共治療に使用することもできるが、そのような抗悪性腫瘍剤としては、たとえば以下のものが挙げられる:アセマンナン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミホスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、ANCER、アンセスチム、ARGLABIN、三酸化ヒ素、BAM002(Novelos)、ベキサロテン、ビカルタミド、ブロクスリジン、カペシタビン、セルモロイキン、セトロレリクス、クラドリビン、クロトリマゾール、シタラビンオクホスフェート、DA3030(Dong-A)、ダクリズマブ、デニロイキンジフチトクス、デスロレリン、デクスラゾキサン、ジラゼップ、ドセタキセル、ドコサノール、ドキセルカルシフェロール、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ブロモクリプチン、カルムスチン、シタラビン、フルオロウラシル、HITジクロフェナク、インターフェロンアルファ、ダウノルビシン、ドキソルビシン、トレチノイン、エデルフォシン、エドレコロマブ、エフォルニチン、エミテフル、エピルビシン、エポエチンベータ、エトポシドリン酸塩、エキセメスタン、エクシスリンド、ファドロゾール、フィルグラスチム、フィナステリド、フドラビンリン酸塩、フォルメスタン、フォテムスチン、硝酸ガリウム、ゲムシタビン、ゲムツズマブゾガミシン、ジメラシル/オテラシル/テガフールの組み合わせ、グリコピン、ゴセレリン、ヘプタプラチン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ヒト胎児アルファフェトプロテイン、イバンドロン酸、イダルビシン、(イミキモド、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ、ナチュラル、インターフェロンアルファ-2、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-N1、インターフェロンアルファ-n3、インターフェロンアルファコン-1、インターフェロンアルファ、ナチュラル、インターフェロンベータ、インターフェロンベータ-1a、インターフェロンベータ-1b、インターフェロンガンマ、天然インターフェロンガンマ-1a、インターフェロンガンマ-1b、インターロイキン-1ベータ、イオベングアン、イリノテカン、イルソグラジン、ランレオチド、LC9018(ヤクルト)、レフルノミド、レノグラスティム、レンティナン硫酸塩、レトロゾール、ロイコサイトアルファインターフェロン、リュープロレリン、レバミソール+フルオロウラシル、リアロゾール、ロバプラチン、ロニダミン、ロバスタチン、マソプロコール、メラソプロール、メトクロプラミド、ミフェプリストン、ミルテフォシン、ミリモスチム、ミスマッチ二本鎖RNA、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトキサントロン、モルグラモスティム、ナファレリン、ナロキソン+ペンタゾシン、ナルトグラスティム、ネダプラチン、ニルタミド、ノスカピン、新規赤血球生成促進タンパク質、NSC631570オクトレオチド、オプレルベキン、オサテロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロン酸、ペガスパーガゼ、ペグインターフェロンアルファ-2b、ペントサンポリサルフェートナトリウム、ペントスタチン、ピシバニル、ピラルビシン、ウサギアンチチモサイトポリクローナル抗体、ポリエチレングリコールインターフェロンアルファ-2a、ポルフィマーナトリウム、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラスブリエンボディメント、レニウムRe 186エチドロネート、RIIレチナミド、リツキシマブ、ロムルチド、サマリウム(153 Sm)レキシドロナム、サルグラモチム、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソネルミン、ストロンチウム-89塩化物、スラミン、タソネルミン、タザロテン、テガフール、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、サリドマイド、チマルファシン、チロトロピンアルファ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ-ヨウ素131、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリメトレキサート、トリプトレリン、腫瘍壊死因子アルファ、ナチュラル、ウベニメックス、膀胱がんワクチン、丸山ワクチン、黒色腫ライセートワクチン、バルビシン、ベルテポルフィン、ビノレルビン、VIRULIZIN、ジノスタチンスティマラマー、又はゾレドロン酸;アバレリクス;AE941(Aeterna)、アンバムスチン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、bcl-2(Genta)、APC8015(Dendreon)、セツキシマブ、デシタビン、デクスアミノグルテチミド、ジアジクォン、EL532(Elan)、EM800(Endorecherche)、エニルウラシル、エタニダゾール、フェンレチニド、フィルグラスチムSD01(Amgen)、フルベストラント、ガロシタビン、ガストリン17イムノゲン、HLA-B7遺伝子治療(Vical)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、ヒスタミン二塩酸塩、イブリツモマブチウキセタン、イロマスタット、IM862(Cytran)、インターロイキン2、イプロキシフェン、LDI200(Milkhaus)、レリジスチム、リンツズマブ、CA125MAb(Biomira)、がんMAb(Japan Pharmaceutical Development)、HER-2及びFcMAb(Medarex)、イディオティピック105AD7MAb(CRC Technology)、イディオティピックCEA MAb(Trilex)、LYM-1-ヨウ素131MAb(Techniclone)、多型性上皮ムチンイットリウム90MAb(Antisoma)、マリマスタット、メノガリル、ミツモマブ、モテキサフィンガドリニウム、MX6(Galderma)、ネララビン、ノラトレキセド、P30タンパク質、ペグビソマント、ペメトレキセド、ポルフィロマイシン、プリノマスタット、RL 0903(Shire)、ルビテカン、サトラプラチン、フェニル酢酸ナトリウム、スパルホス酸、SRL172(SR Pharma)、SU 5416(SUGEN)、TA 077(Tanabe)、テトラチオモリブデート、タリブラスチン、トロンボポエチン、スズエチルエチオプルプリン、チラパザミン、がんワクチン(Biomira)、メラノーマワクチン(New York University)、メラノーマワクチン(Sloan Kettering Institute)、メラノーマ腫瘍崩壊物ワクチン(New York Medical College)、ウイルス性メラノーマ細胞溶菌液ワクチン(Royal Newcastle Hospital)、又はバルスポダール。
【0130】
本発明の化合物はさらに、VEGFR阻害剤と併用することも可能である。以下の特許及び特許出願に記載されているその他の化合物も、併用療法において使用することができる:米国特許第6,258,812号明細書、米国特許第2003/0105091号明細書、国際公開第01/37820号パンフレット、米国特許第6,235,764号明細書、国際公開第01/32651号パンフレット、米国特許第6,630,500号明細書、米国特許第6,515,004号明細書、米国特許第6,713,485号明細書、米国特許第5,521,184号明細書、米国特許第5,770,599号明細書、米国特許第5,747,498号明細書、国際公開第02/68406号パンフレット、国際公開第02/66470号パンフレット、国際公開第02/55501号パンフレット、国際公開第04/05279号パンフレット、国際公開第04/07481号パンフレット、国際公開第04/07458号パンフレット、国際公開第04/09784号パンフレット、国際公開第02/59110号パンフレット、国際公開第99/45009号パンフレット、国際公開第00/59509号パンフレット、国際公開第99/61422号パンフレット、米国特許第5,990,141号明細書、国際公開第00/12089号パンフレット、及び国際公開第00/02871号パンフレット。
【0131】
いくつかの実施態様においては、その組合せに、少なくとも1種の抗血管形成剤と組み合わせた本発明の組成物が含まれる。薬剤としては、以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:インビトロで合成的に調製された組成物、抗体、抗原結合領域、放射性核種、並びに、それらの組合せ及び抱合体。薬剤は、アゴニスト、アンタゴニスト、アロステリックモジュレーター、トキシンであってよく、より一般的には、そのターゲットに阻害又は刺激作用(たとえば、受容体又は酵素の活性化若しくは阻害)を及ぼし、それによって、細胞死を促進したり、細胞増殖を停止させたりしてもよい。
【0132】
抗血管形成剤の例としては、以下のものが挙げられる:ERBITUX(商標)(IMC-C225)、KDR(キナーゼドメイン受容体)阻害剤(たとえば、キナーゼドメイン受容体に特異的に結合している抗体及び抗原結合領域)、抗VEGF剤(たとえば、VEGF、又は可溶性のVEGF受容体、又はそれらのリガンド結合領域に特異的に結合している抗体又は抗原結合領域)たとえば、AVASTIN(商標)又はVEGF-TRAP(商標)、及び抗VEGF受容体薬剤(たとえば、それらに特異的に結合している抗体又は抗原結合領域)、EGFR阻害剤(たとえば、それらに特異的に結合している抗体又は抗原結合領域)たとえば、Vectibix(パニツムマブ)、IRESSA(商標)(ゲフィチニブ)、TARCEVA(商標)(エルロチニブ)、抗Ang1及び抗Ang2剤(たとえば、それら、又はそれらの受容体たとえば、Tie2/Tekに特異的に結合している抗体又は抗原結合領域)、並びに抗Tie2キナーゼ阻害剤(たとえば、それらに特異的に結合している抗体又は抗原結合領域)。本発明の医薬品組成物にはさらに、増殖因子、たとえば肝細胞増殖因子(HGF、「散乱因子」とも呼ばれている)、及びその受容体「c-met」に特異的に結合している抗体又は抗原結合領域に結合して活性を阻害する、1種又は複数の薬剤(たとえば、抗体、抗原結合領域、又は可溶性の受容体)を含んでいてもよい。
【0133】
その他の抗血管形成剤としては、以下のものが挙げられる:Campath、IL-8、B-FGF、Tekアンタゴニスト(Cerettiら、米国特許出願公開第2003/0162712号明細書;米国特許第6,413,932号明細書)、抗TWEAK剤(たとえば、特異的に結合する抗体又は抗原結合領域、又は可溶性のTWEAK受容体アンタゴニスト;参照、Wiley、米国特許第6,727,225号明細書)、インテグリンのそのリガンドへの結合に拮抗するADAMディスインテグリンドメイン(Fanslowら、米国特許出願公開第2002/0042368号明細書)、特異的に結合する抗eph受容体及び/又は抗エフリン抗体又は抗原結合領域(米国特許第5,981,245;5,728,813号明細書;米国特許第5,969,110号明細書;米国特許第;6,596,852号明細書;米国特許第;6,232,447号明細書;米国特許第6,057,124号明細書、それらの特許ファミリーのメンバー)、並びに抗PDGF-BBアンタゴニスト(たとえば、特異的に結合する抗体又は抗原結合領域)、さらにはPDGF-BBリガンドに特異的に結合する抗体又は抗原結合領域、及びPDGFRキナーゼ阻害剤(たとえば、それらに特異的に結合する抗体又は抗原結合領域)。
【0134】
さらなる抗血管形成/抗腫瘍剤としては、以下のものが挙げられる:SD-7784(Pfizer、USA);シレンギチド(Merck KGaA、Germany、欧州特許第770622号明細書);ペガプタニブ八ナトリウム、(Gilead Sciences、USA);アルファスタチン、(BioActa、UK);m-PGA、(Celgene、USA、米国特許第5712291号明細書);イロマスタット、(Arriva、USA、米国特許第5892112号明細書);エマキサニブ、(Pfizer、USA、米国特許第5792783号明細書);バタラニブ、(Novartis、Switzerland);2-メトキシエストラジオール、(EntreMed、USA);TLC ELL-12、(Elan、Ireland);酢酸アネコルタブ、(Alcon、USA);アルファ-D148 Mab、(Amgen、USA);CEP-7055、(Cephalon、USA);抗Vn Mab、(Crucell、Netherland)DAC:抗血管形成、(ConjuChem、Canada);アンジオシジン、(InKine Pharmaceutical、USA);KM-2550、(Kyowa Hakko、Japan);SU-0879、(Pfizer、USA);CGP-79787、(Novartis、Switzerland、欧州特許第970070号明細書);ARGENT technology、(Ariad、USA);YIGSR-Stealth、(Johnson & Johnson、USA);フィブリノーゲン-Eフラグメント、(BioActa、UK);血管新生阻害剤、(Trigen、UK);TBC-1635、(Encysive Pharmaceuticals、USA);SC-236、(Pfizer、USA);ABT-567、(Abbot、USA);メタスタチン、(EntreMed、USA);血管新生阻害剤、(Tripep、Sweden);マスピン、(Sosei、Japan);2-メトキシエストラジオール、(Oncology Sciences Corporation、USA);ER-68203-00、(IVAX、USA);ベネフィン、(Lane Labs、USA);Tz-93、(Tsumura、Japan);TAN-1120、(Takeda、Japan);FR-111142、(Fujisawa、Japan、特開02-233610号公報);platelet factor 4、(RepliGen、USA、欧州特許第407122号明細書);血管内皮増殖因子アンタゴニスト、(Borean、Denmark);ベバシズマブ(pINN)、(Genentech、USA);血管新生阻害剤、(SUGEN、USA);XL 784、(Exelixis、USA);XL 647、(Exelixis、USA);MAb、アルファ5ベータ3インテグリン、第二世代、(Applied Molecular Evolution、USA、及びMedImmune、USA);遺伝子治療、網膜症、(Oxford BioMedica、UK);エンザスタウリン塩酸塩(USAN)、(Lilly、USA);CEP 7055、(Cephalon、USA、及びSanofi-Synthelabo、France);BC 1、(Genoa Institute of Cancer Research、Italy);血管新生阻害剤、(Alchemia、Australia);VEGFアンタゴニスト、(Regeneron、USA);rBPI 21及びBPI-由来抗血管形成、(XOMA、USA);PI 88、(Progen、Australia);シレンギチド(pINN)、(Merck KGaA、German;Munich Technical University、Germany、Scripps Clinic and Research Foundation、USA);セツキシマブ(INN)、(Aventis、France);AVE 8062、(Ajinomoto、Japan);AS 1404、(Cancer Research Laboratory、New Zealand);SG 292、(Telios、USA);エンドスタチン、(Boston Childrens Hospital、USA);ATN 161、(Attenuon、USA);ANGIOSTATIN、(Boston Childrens Hospital、USA);2-メトキシエストラジオール、(Boston Childrens Hospital、USA);ZD 6474、(AstraZeneca、UK);ZD 6126、(Angiogene Pharmaceuticals、UK);PPI 2458、(Praecis、USA);AZD9935、(AstraZeneca、UK);AZD2171、(AstraZeneca、UK);バタラニブ(pINN)、(Novartis、Switzerland、及びSchering AG、Germany);組織因子経路阻害剤、(EntreMed、USA);ペガプタニブ(Pinn)、(Gilead Sciences、USA);キサントロリゾール、(Yonsei University、South Korea);ワクチン、遺伝子ベース、VEGF-2、(Scripps Clinic and Research Foundation、USA);SPV5.2、(Supratek、Canada);SDX 103、(University of California at San Diego、USA);PX 478、(ProlX、USA);METASTATIN、(EntreMed、USA);トロポニン I、(Harvard University、USA);SU 6668、(SUGEN、USA);OXI 4503、(OXiGENE、USA);o-グアニジン、(Dimensional Pharmaceuticals、USA);モツポラミン C、(British Columbia University、Canada);CDP 791、(Celltech Group、UK);アチプリモド(pINN)、(GlaxoSmithKline、UK);E 7820、(Eisai、Japan);CYC 381、(Harvard University、USA);AE 941、(Aeterna、Canada);ワクチン、血管新生、(EntreMed、USA);ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子阻害剤、(Dendreon、USA);オグルファニド(pINN)、(Melmotte、USA);HIF-1アルファ阻害剤、(Xenova、UK);CEP 5214、(Cephalon、USA);BAY RES 2622、(Bayer、Germany);アンジオシジン、(InKine、USA);A6、(オングストローム、USA);KR 31372、(Korea Research Institute of Chemical Technology、South Korea);GW 2286、(GlaxoSmithKline、UK);EHT 0101、(ExonHit、France);CP 868596、(Pfizer、USA);CP 564959、(OSI、USA);CP 547632、(Pfizer、USA);786034、(GlaxoSmithKline、UK);KRN 633、(Kirin Brewery、Japan);薬物送達システム、眼内、2-メトキシエストラジオール、(EntreMed、USA);アンジネクス、(Maastricht University、Netherland、及びMinnesota University、USA);ABT 510、(Abbot、USA);AAL 993、(Novartis、Switzerland);VEGI、(ProteomTech、USA);腫瘍壊死因子-アルファ阻害剤、(National Institute on Aging、USA);SU 11248、(Pfizer、USA、及びSUGEN、USA);ABT 518、(Abbot、USA);YH16、(Yantai Rongchang、China);S-3APG、(Boston Childrens Hospital、USA、及びEntreMed、USA);MAb、KDR、(ImClone Systems、USA);MAb、アルファ5ベータ1、(Protein Design、USA);KDRキナーゼ阻害剤、(Celltech Group、UK、及びJohnson & Johnson、USA);GFB 116、(South Florida University、USA、及びYale University、USA);CS 706、(Sankyo、Japan);コンブレタスタチン A4 プロドラッグ、(Arizona State University、USA);コンドロイチナーゼ AC、(IBEX、Canada);BAY RES 2690、(Bayer、Germany);AGM 1470、(Harvard University、USA、Takeda、Japan、及びTAP、USA);AG 13925、(Agouron、USA);テトラチオモリブデート、(University of Michigan、USA);GCS 100、(Wayne State University、USA);CV 247、(Ivy Medical、UK);CKD 732、(Chong Kun Dang、South Korea);MAb、脈管内皮増殖因子、(Xenova、UK);イルソグラジン(INN)、(Nippon Shinyaku、Japan);RG 13577、(Aventis、France);WX 360、(Wilex、Germany);スクアラミン(pINN)、(Genaera、USA);RPI 4610、(Sirna、USA);cancer therapy、(Marinova、Australia);ヘパラナーゼ阻害剤、(InSight、Israel);KL 3106、(Kolon、South Korea);ホノキオール、(Emory University、USA);ZK CDK、(Schering AG、Germany);ZK アンジオ、(Schering AG、Germany);ZK 229561、(Novartis、Switzerland、及びSchering AG、Germany);XMP 300、(XOMA、USA);VGA 1102、(Taisho、Japan);VEGF受容体モジュレーター、(Pharmacopeia、USA);VE-カドヘリン-2アンタゴニスト、(ImClone Systems、USA);バソスタチン、(National Institutes of Health、USA);ワクチン、Flk-1、(ImClone Systems、USA);TZ 93、(Tsumura、Japan);ツムスタチン、(Beth Israel Hospital、USA);トランケートされた可溶性FLT 1(血管内皮成長因子レセプター1)、(Merck & Co、USA);Tie-2 リガンド、(Regeneron、USA);及び、トロンボスポンジン 1 阻害剤、(Allegheny Health,Education and Research Foundation、USA)。
【0135】
オートファジー阻害剤としては、以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:クロロキン、3-メチルアデニン、ヒドロキシクロロキン(Plaquenil(商標))、バフィロマイシン A1、5-アミノ-4-イミダゾールカルボキサミドリボシド(AICAR)、オカダ酸、2A型又は1型のタンパク質ホスファターゼを阻害するオートファジー抑制藻類毒素、cAMPの類似体、並びにcAMPのレベルを上昇させる薬剤たとえば、アデノシン、LY204002、N6-メルカプトプリンリボシド、及びビンブラスチン。それに加えて、タンパク質の発現を阻害するアンチセンス又はsiRNA、非限定的に挙げれば、たとえばATG5(これは、オートファジーに関連する)を使用してもよい。
【0136】
がんを処置するのに使用可能で、且つ本発明の1種又は複数の化合物と組み合わせて使用可能な、追加の薬剤的に活性な化合物/薬剤としては、以下のものを挙げることができる:エポエチンアルファ;ダルベポエチンアルファ;パニツムマブ;ペグフィルグラスチム;パリフェルミン;フィルグラスチム;デノスマブ;アンセスチム;AMG 102;AMG 386;AMG 479;AMG 655;AMG 745;AMG 951;及びAMG 706、又は医薬的に許容されるそれらの塩。
【0137】
ある種の実施態様においては、本明細書で提供される組成物が、化学療法剤と併用して投与される。好適な化学療法剤としては、以下のものが挙げられる:天然物たとえば、ビンカアルカロイド(たとえば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、及びビノレルビン)、パクリテキセル、エピジポドフィロトキシン(たとえば、エトポシド、及びテニポシド)、抗生物質(たとえば、ダクチノマイシン(アクチノマイシン D)、ダウノルビシン、ドキソルビシン、及びイダルビシン)、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、マイトマイシン、酵素(たとえば、L-アスパラギナーゼ、このものは、L-アスパラギンを全身的に代謝し、自身のアスパラギンを合成する能力を有さない細胞から奪い去る)。アスパラギン)、抗血小板剤、抗増殖性/抗細胞分裂性のアルキル化剤たとえば、ナイトロジェンマスタード(たとえば、メクロレタミン、シクロホスファミド及び類似体、メルファラン、及びクロラムブシル)、エチレンイミン、及びメチルメラミン(たとえば、ヘキサメチルメラミン、及びチオテパ)、CDK阻害剤(たとえば、セリシクリブ、UCN-01、P1446A-05、PD-0332991、ジナシクリブ、P27-00、AT-7519、RGB 286638、及びSCH727965)、アルキルスルホネート(たとえば、ブスルファン)、ニトロソウレア(たとえば、カルムスチン(BCNU)及び類似体、並びにストレプトゾシン)、トラゼン-ダカルバジン(DTIC)、抗増殖性/抗細胞分裂性の代謝拮抗剤たとえば、葉酸類似体(たとえば、メトトレキサート)、ピリミジン類似体(たとえば、フルオロウラシル、フロクスウリジン、及びシタラビン)、プリン類似体及び関連の阻害剤(たとえば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン、及び2-クロロデオキシアデノシン)、アロマターゼ阻害剤(たとえば、アナストロゾール、エキセメスタン、及びレトロゾール)、及び白金配位錯体(たとえば、シスプラチン、及びカルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシウレア、ミトタン、アミノグルテチミド、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤(たとえば、トリコスタチン、酪酸ナトリウム、アピシダン、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、ボリノスタット、LBH 589、ロミデプシン、ACY-1215、及びパノビノスタット)、mTor阻害剤(たとえば、テムシロリムス、エベロリムス、リダホロリムス、及びシロリムス)、KSP(Eg5)阻害剤(たとえば、Array 520)、DNA結合剤(たとえば、ザリプシス)、PI3Kデルタ阻害剤(たとえば、GS-1101及びTGR-1202)、PI3Kデルタ及びガンマ阻害剤(たとえば、CAL-130)、マルチ-キナーゼ阻害剤(たとえば、TG02及びソラフェニブ)、ホルモン(たとえば、エストロゲン)及びホルモンアゴニストたとえば、黄体化ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト(たとえば、ゴセレリン、リュープロリド、及びトリプトレリン)、BAFF-中和抗体(たとえば、LY2127399)、IKK阻害剤、p38MAPK阻害剤、抗IL-6(たとえば、CNTO328)、テロメラーゼ阻害剤(たとえば、GRN 163L)、オーロラキナーゼ阻害剤(たとえば、MLN8237、AMG 900、AZD-1152)、細胞表面モノクローナル抗体(たとえば、抗CD38(HUMAX-CD38)、抗CS1(たとえば、エロツズマブ)、HSP90阻害剤(たとえば、17 AAG及びKOS 953)、P13K/Akt阻害剤(たとえば、ペリフォシン)、Akt阻害剤(たとえば、GSK-2141795)、PKC阻害剤(たとえば、エンザスタウリン)、FTI(たとえば、Zarnestra(商標))、抗CD138(たとえば、BT062)、Torc1/2特異的キナーゼ阻害剤(たとえば、INK128)、キナーゼ阻害剤(たとえば、GS-1101)、ER/UPR標的剤(たとえば、MKC-3946)、cFMS阻害剤(たとえば、ARRY-382)、JAK1/2阻害剤(たとえば、CYT387)、PARP阻害剤(たとえば、オラパリブ、タラゾパリブ、ニラパリブ、ベリパリブ(ABT-888))、BCL-2アンタゴニスト。その他の化学療法剤としては、以下のものが挙げられる:メクロレタミン、カンプトテシン、イホスファミド、タモキシフェン、ラロキシフェン、ゲムシタビン、ナベルビン、ソラフェニブ、又はそれらの類似体若しくは誘導変異体。
【0138】
本発明の化合物はさらに、放射線療法、ホルモン療法、手術、及び免疫療法と組み合わせて使用してもよいが、それらの治療法は、当業者には周知である。
【0139】
ある種の実施態様においては、本明細書で提供される医薬的組成物が、ステロイドと併用して投与される。好適なステロイドとしては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:21-アセトキシプレグネノロン、アルクロメタゾン、アルゲストン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニゾン、クロベタゾール、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコステロン、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコート、デソニド、デソキシメタソン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルプレドネート、エノキソロン、フルアザコート、フルクロロニド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオロメトロン、酢酸フルペロロン、酢酸フルプレドニデン、フルプレドニソロン、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカゾン、ホルモコルタール、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、ロテプレドノールエタボネート、マジプレドン、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、フロン酸モメタゾン、パラメサゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾロン25-ジエチルアミノアセテート、リン酸プレドニゾロンナトリウム、プレドニゾン、プレドニバル、プレドニリデン、リメキソロン、チキソコルトール、トリアムシノロン、[トリアムシノロンアセトニド/トリアムシノロンアセトニド]、トリアムシノロンベネトニド、トリアムシノロンヘキサセトニド、並びにそれらの塩及び/又は誘導体。特定の実施態様においては、本発明の化合物を、悪心を処置するための、追加の医薬的に活性な薬剤と組み合わせて使用することもできる。悪心を処置するために使用することが可能な薬剤の例としては、以下のものが挙げられる:ドロナビノール;グラニセトロン;メトクロプラミド;オンダンセトロン;及びプロクロルペラジン;又は医薬的に許容されるそれらの塩。
【0140】
本開示の化合物又は医薬品組成物は、以下のものから選択される1種又は複数の物質の一定量と組み合わせて使用することもできる:EGFR阻害剤、MEK阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、TOR阻害剤、及び免疫両方、たとえば抗PD-1、抗PDL-1、抗CTLA4、抗LAG1、及び抗OX40剤、GITRアゴニスト、CAR-T細胞、及びBiTE。
【0141】
EGFR阻害剤としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:小分子アンタゴニスト、抗体阻害剤、又は特異的アンチセンスヌクレオチド若しくはsiRNA。EGFRの有用な抗体阻害剤としては、以下のものが挙げられる:セツキシマブ(Erbitux)、パニツムマブ(Vectibix)、ザルツムマブ、ニモツズマブ、及びマツズマブ。EGFRの小分子アンタゴニストとしては、ゲフィチニブ、エルロチニブ(Tarceva)、及び最近のものとしては、ラパチニブ(TykerB)が挙げられる。たとえば以下の文献を参照されたい:Yan L.,et.al.,「Pharmacogenetics and Pharmacogenomics in Oncology Therapeutic Antibody Development」、Bio Techniques,2005;39(4):565~8、及びPaez J.G.,et.al.,「EGFR Mutations In Lung Cancer Correlaion With Clinical Response To Gefitinib Therapy」、Science、2004;304(5676):1497~500。
【0142】
小分子のEGFR阻害剤の非限定的な例としては、以下の公開特許に記載された各種のEGFR阻害剤、並びに前記EGFR阻害剤のすべての医薬的に許容される塩及び溶媒和化合物が挙げられる:欧州特許出願公開第520722号明細書(公開日:1992年12月30日);欧州特許出願公開第566226号明細書(公開日:1993年10月20日;国際公開第96/33980号パンフレット(公開日:1996年10月31日);米国特許第5,747,498号明細書(発行日:1998年5月5日);国際公開第96/30347号パンフレット(公開日:1996年10月3日);欧州特許出願公開第787772号明細書(公開日:1997年8月6日);国際公開第97/30034号パンフレット(公開日:1997年8月21日);国際公開第97/30044号パンフレット(公開日:1997年8月21日);国際公開第97/38994号パンフレット(公開日:1997年10月23日);国際公開第97/49688号パンフレット(公開日:1997年12月31日);欧州特許出願公開第837063号明細書(公開日:1998年4月22日);国際公開第98/02434号パンフレット(公開日:1998年1月22日);国際公開第97/38983号パンフレット(公開日:1997年10月23日);国際公開第95/19774号パンフレット(公開日:1995年7月27日);国際公開第95/19970号パンフレット(公開日:1995年7月27日);国際公開第97/13771号パンフレット(公開日:1997年4月17日);国際公開第98/02437号パンフレット(公開日:1998年1月22日);国際公開第98/02438号パンフレット(公開日:1998年1月22日);国際公開第97/32881号パンフレット(公開日:1997年9月12日);独国特許出願公開第19629652号明細書(公開日:1998年1月29日);国際公開第98/33798号パンフレット(公開日:1998年8月6日);国際公開第97/32880号パンフレット(公開日:1997年9月12日);国際公開第97/32880号パンフレット(公開日:1997年9月12日);欧州特許出願公開第682027号明細書(公開日:1995年11月15日);国際公開第97/02266号パンフレット(公開日:1997年1月23日);国際公開第97/27199号パンフレット(公開日:1997年7月31日);国際公開第98/07726号パンフレット(公開日:1998年2月26日);国際公開第97/34895号パンフレット(公開日:1997年9月25日);国際公開第96/31510号パンフレット(公開日:1996年10月10日);国際公開第98/14449号パンフレット(公開日:1998年4月9日);国際公開第98/14450号パンフレット(公開日:1998年4月9日);国際公開第98/14451号パンフレット(公開日:1998年4月9日);国際公開第95/09847号パンフレット(公開日:1995年4月13日);国際公開第97/19065号パンフレット(公開日:1997年5月29日);国際公開第98/17662号パンフレット(公開日:1998年4月30日);米国特許第5,789,427号明細書(発行日:1998年8月4日);米国特許第5,650,415号明細書(発行日:1997年7月22日);米国特許第5,656,643号明細書(発行日:1997年8月12日);国際公開第99/35146号パンフレット(公開日:1999年7月15日);国際公開第99/35132号パンフレット(公開日:1999年7月15日);国際公開第99/07701号パンフレット(公開日:1999年2月18日);及び国際公開第92/20642号パンフレット(公開日:1992年11月26日)。小分子EGFR阻害剤のさらなる非限定的な例としては、以下の文献に記載の各種EGFR阻害剤が挙げられる:Traxler,P.,1998,Exp.Opin.Ther.Patents、8(12):1599~1625。
【0143】
抗体ベースのEGFR阻害剤としては、天然リガンドによってEGFR活性化を部分的又は全面的に遮断することができる、各種の抗EGFR抗体又は抗体フラグメントが挙げられる。抗体ベースのEGFR阻害剤の非限定的な例としては、以下の文献に記載のものを挙げることができる:Modjtahedi,H.et.al.,1993,Br.J.Cancer,67:247~253;Teramoto,T.,et.al.,1996,Cancer,77:639~645;Goldstein et.al.,1995,Clin.Cancer Res.,1:1311~1318;Huang,S.M.,et.al.,1999,Cancer Res.,15:59(8):1935~40;及びYang,X.,et.al.,1999,Cancer Res.,59:1236~1243。したがって、EGFR阻害剤は、モノクローナル抗体Mab E7.6.3(Yang,1999、前出)、若しくはMab C225(ATCCアクセッションNo.HB-8508)、又はそれらの結合特異性を有する抗体若しくは抗体フラグメントであり得る。
【0144】
MEK阻害剤としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:CI-1040、AZD6244、PD318088、PD98059、PD334581、RDEA119、ARRY-142886、ARRY-438162、及びPD-325901。
【0145】
PI3K阻害剤としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:ワートマニン、17-ヒドロキシワートマニン類似体(国際公開第06/044453号パンフレットに記載)、4-[2-(1H-インダゾル-4-イル)-6-[[4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル]メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]モルホリン(GDC 0941としても知られ、国際公開第09/036,082号パンフレット及び国際公開第09/055,730号パンフレットに記載されている)、2-メチル-2-[4-[3-メチル-2-オキソ-8-(キノリン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル]フェニル]プロピオニトリル(BEZ 235又はNVP-BEZ 235としても知られ、国際公開第06/122806号パンフレットに記載されている)、(S)-1-(4-((2-(2-アミノピリミジン-5-イル)-7-メチル-4-モルホリノチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシプロパン-1-オン(国際公開第2008/070740号パンフレットに記載されている)、LY294002(2-(4-モルホリニル)-8-フェニル-4H-1-ベンゾピラン-4-オン、Axon Medchemから入手可能)、PI 103塩酸塩(3-[4-(4-モルホリニルピリド-[3’,2’:4,5]フロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]フェノール塩酸塩、Axon Medchemから入手可能)、PIK 75(N’-[(1E)-(6-ブロモイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチレン]-N,2-ジメチル-5-ニトロベンゼンスルホノ-ヒドラジド塩酸塩(Axon Medchemから入手可能)、PIK 90(N-(7,8-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-イミダゾ[1,2-c]キナゾリン-5-イル)-ニコチン酸アミド(Axon Medchemから入手可能)、GDC-0941ビスメシレート(2-(1H-インダゾル-4-イル)-6-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イルメチル)-4-モルホリン-4-イル-チエノ[3,2-d]ピリミジンビスメシレート(Axon Medchemから入手可能)、AS-252424(5-[1-[5-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-フラン-2-イル]-メト-(Z)-イリデン]-チアゾリジン-2,4-ジオン(Axon Medchemから入手可能)、及びTGX-221(7-メチル-2-(4-モルホリニル)-9-[1-(フェニルアミノ)エチル]-4H-ピリド-[1,2-a]ピリミジン-4-オン(Axon Medchemから入手可能)、XL-765、及びXL-147。その他のPI3K阻害剤としては、以下のものが挙げられる:デメトキシビリジン、ペリフォシン、CAL101、PX-866、BEZ235、SF1126、INK1117、IPI-145、BKM120、XL147、XL765、Palomid 529、GSK1059615、ZSTK474、PWT33597、IC87114、TG100-115、CAL263、PI-103、GNE-477、CUDC-907、及びAEZS-136。
【0146】
AKT阻害剤としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:Akt-1-1(Akt1を阻害)(Barnett et.al.,(2005)Biochem.J.,385(Pt.2),399~408);Akt-1-1,2(AK1及び2を阻害)(Barnett et.al.,(2005)Biochem.J.,385(Pt.2),399~408);API-59CJ-Ome(たとえば、Jin et.al.,(2004)Br.J.Cancer,91,1808~12);1-H-イミダゾ[4,5-c]ピリジニル化合物(たとえば、国際公開第05011700号パンフレット);インドール-3-カルビノール及びその誘導体(たとえば、米国特許第6,656,963号明細書);Sarkar and Li,(2004)J.Nutr.,134(12 suppl),3493S~3498S);ペリフォシン(たとえば、Akt膜の局在化を妨害する);Dasmahapatra et.al.,(2004)Clin.Cancer Res.,10(15),5242~52、2004);ホスファチジルイノシトールエーテル脂質類似体(たとえば、Gills and Dennis、(2004)Expert.Opin.Investig.Drugs,13,787~97);及びトリシリビン(TCN又はAPI-2、又はNCI識別子:NSC 154020;Yang et.al.,(2004)Cancer Res.,64,4394~9)。
【0147】
TOR阻害剤としては、以下のものを含む阻害剤が挙げられるが、それらに限定される訳ではない:AP-23573、CCI-779、エベロリムス、RAD-001、ラパマイシン、テムシロリムス、ATP競合性TORC1/TORC2阻害剤(PI-103、PP242、PP30及びTorin 1を含む)。FKBR12エンハンサーにおけるその他のTOR阻害剤;以下のものを含むラパマイシン及びその誘導体:CCI-779(テムシロリムス)、RAD001(エベロリムス;国際公開第9409010号パンフレット)、及びAP23573;ラパログ、たとえば国際公開第98/02441号パンフレット及び国際公開第01/14387号パンフレットに開示されているもの、たとえば、AP23573、AP23464、又はAP23841;40-(2-ヒドロキシエチル)ラパマイシン、40-[3-ヒドロキシ(ヒドロキシメチル)メチルプロパノエート]-ラパマイシン(CC1779とも呼ばれる)、40-エピ-(テトラゾリル)-ラパマイシン(ABT578とも呼ばれる)、32-デオキソラパマイシン、16-ペンチニルオキシ-32(S)-ジヒドロラパニシン、並びに国際公開第05005434号パンフレットに開示されているその他の誘導体:以下の特許に開示されている誘導体:米国特許第5,258,389号明細書、国際公開第94/090101号パンフレット、国際公開第92/05179号パンフレット、米国特許第5,118,677号明細書、米国特許第5,118,678号明細書、米国特許第5,100,883号明細書、米国特許第5,151,413号明細書、米国特許第5,120,842号明細書、国際公開第93/111130号パンフレット、国際公開第94/02136号パンフレット、国際公開第94/02485号パンフレット、国際公開第95/14023号パンフレット、国際公開第94/02136号パンフレット、国際公開第95/16691号パンフレット、国際公開第96/41807号パンフレット、国際公開第96/41807号パンフレット及び米国特許第5,256,790号明細書;リン含有ラパマイシン誘導体(たとえば、国際公開第05016252号パンフレット);4H-1-ベンゾピラン-4-オン誘導体(たとえば、米国仮特許出願第60/528,340号明細書)。
【0148】
免疫療法としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:抗PD-1剤、抗PDL-1剤、抗CTLA-4剤、抗LAG1剤、及び抗OX40剤。抗PD-1抗体及びそれらの使用方法の例は、以下の文献に記載されている:Goleberg et.al.,Blood,110(1):186~192(2007)、Thompson et.al.,Clin.Cancer Res.,13(6):1757~1761(2007)、及びKorman et.al.,国際出願番号日本国2006/309606(=国際公開第2006/121168A1号パンフレット)(それらは、本明細書に引用することにより、明白に、取り入れたものとする)。さらに以下のものが挙げられる:Yervoy(商標)(イピリムマブ)又はトレメリムマブ(対CTLA-4)、ガリキシマブ(対B7.1)、BMS-936558(対PD-1)、MK-3475(対PD-1)、AMP224(対B7DC)、BMS-936559(対B7-H1)、MPDL3280A(対B7-H1)、MEDI-570(対ICOS)、AMG557(対B7H2)、MGA271(対B7H3)、IMP321(対LAG-3)、BMS-663513(対CD137)、PF-05082566(対CD137)、CDX-1127(対CD27)、抗OX40(Providence Health Services)、huMAbOX40L(対OX40L)、アタシセプト(対TACI)、CP-870893(対CD40)、ルカツムマブ(対CD40)、デカツズマブ(対CD40)、ムロモナブ-CD3(対CD3)、イピルムマブ(対CTLA-4)。免疫療法にはさらに、遺伝子操作されたT細胞(たとえば、CAR-T細胞)及び二重特異性抗体(たとえば、BiTE)などが含まれる。
【0149】
GITRアゴニストとしては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:GITR融合タンパク質及び抗GITR抗体(たとえば、二価の抗GITR抗体)、たとえば米国特許第6,111,090box.c号明細書、欧州特許第090505B1号明細書、米国特許第8,586,023号明細書、国際公開第2010/003118号パンフレット、及び国際公開第2011/090754号パンフレットに記載されているGITR融合タンパク質、又は、たとえば以下の特許に記載されている抗GITR抗体:米国特許第7,025,962号明細書、欧州特許第1947183B1号明細書、米国特許第7,812,135号明細書、米国特許第8,388,967号明細書、米国特許第8,591,886号明細書、欧州特許第1866339号明細書、国際公開第2011/028683号パンフレット、国際公開第2013/039954号パンフレット、国際公開第2005/007190号パンフレット、国際公開第2007/133822号パンフレット、国際公開第2005/055808号パンフレット、国際公開第99/40196号パンフレット、国際公開第2001/03720号パンフレット、国際公開第99/20758号パンフレット、国際公開第2006/083289号パンフレット、国際公開第2005/115451号パンフレット、米国特許第7,618,632号明細書、及び国際公開第2011/051726号パンフレット。
【0150】
本明細書に記載された化合物は、処置するべき状態に応じて、本明細書に開示された薬剤又はその他適切な薬剤と組み合わせて使用することができる。したがって、いくつかの実施態様においては、本開示の1種又は複数の化合物が、先に記したようにして、他の薬剤と共投与されるであろう。併用療法において使用する場合、本明細書に記載された化合物は、その第二の薬剤と、同時又は別途に投与される。この組み合わせた形の投与には、同じ剤形の2種の薬剤を同時に投与すること、別の剤形にあるものを同時に投与すること、そして、別途に投与することを含むことができる。すなわち、本明細書に記載された化合物と、先に述べた各種の薬剤を、同一の剤形の中に共に配合し、同時に投与することができる。二者択一的に、本開示の化合物と各種の先に述べた薬剤とを、両方の薬剤を別の配合物の中に存在させて、同時に投与することもできる。また別の方法においては、本開示の化合物を投与した後で、先に述べた各種の薬剤を投与したり、その逆を行ったりすることもできる。分離投与プロトコルのいくつかの実施態様においては、本開示の化合物と先に述べた各種の薬剤とを、数分、数時間、又は数日の間隔を空けて投与する。
【0151】
本発明の一つの態様として、薬剤的に活性な化合物の組合せを用いて、別途に投与してもよい、疾患の処置を想定しているが、本発明はさらに、別々の医薬品組成物のキットの形態での組合せにも関する。そのキットには、本発明の化合物と第二の医薬品化合物との、2種の別々の医薬品組成物が含まれている。そのキットには、それら別々の組成物を、たとえば別々のボトル、又は別々のフォイルの袋に含む容器が含まれる。容器のまた別な例としては、注射筒、箱、及びバッグが挙げられる。いくつかの実施態様においては、そのキットには、それら別々の成分の使用についての説明書が含まれる。そのようなキットは、次のような場合には、特に有利である:それら別々の成分を、異なった剤形で(たとえば、経口と、非経口)投与するのが好ましい場合、異なった服用間隔で投与する場合、或いは、処方する健康管理専門家によって、それらの組合せの個々の成分の滴定(titration)をすることが望まれるような場合。
【0152】
実験
【0153】
【表6】
【0154】
【表7】
【0155】
【表8】
【0156】
特に断らない限り、すべての原料は市場の供給業者から入手したものであって、さらなる精製をすることなく使用した。特に断らない限り、全ての「部」は、重量基準であり、そして温度は℃の単位である。マイクロ波を援用した反応ではすべて、Biotage(商標)製のSmith Synthesizer(商標)を用いて実施した。すべての化合物が、それらに相当する構造に一致したNMRスペクトルを示した。融点は、Buchiの装置で求めたが、補正はしていない。質量スペクトルデータは、エレクトロスプレーイオン化法により求めた。すべての例で、高速液体クロマトグラフィーで測定して90%を越える純度にまで精製した。別であると断らない限り、反応は、室温で実施した。
【0157】
本発明の化合物を合成するにあたっては、ある種の脱離基を使用するのが望ましい。「脱離基(leaving group=「LG」)」という用語は、一般的には、求核試薬によって置換することが可能な基を指している。そのような脱離基は、当業者には公知である。脱離基の例としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:ハライド(たとえば、I、Br、F、Cl)、スルホネート(たとえば、メシレート、トシレート)、スルフィド(たとえば、SCH)、N-ヒドロキシスクシンイミド、N-ヒドロキシベンゾトリアゾールなど。求核試薬の例としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:アミン、チオール、アルコール、グリニャール試薬、アニオン性化学種(たとえば、アルコキシド、アミド、カルバニオン)など。
【0158】
以下で示す実施例で、本発明に特有の実施態様を説明する。それらの実施例は、代表的であるという意味合いを有しているが、いかなる点においても、本発明請求項の範囲を限定する意図はない。
【0159】
液体に関連してパーセント(%)を使用した場合には、それは、その溶液に関しての容積パーセントである。固形物に関連して使用した場合には、それは、その固体の組成に関連したパーセントである。市場の供給業者から得た原料は、典型的には、さらなる精製をすることなく、使用した。空気又は水分の影響を受けやすい反応剤を含む反応は、典型的には、窒素又はアルゴンの雰囲気下で実施した。純度は、254nm及び215nmでのUV検出を用いた、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)系を使用して測定した(システムA:Agilent Zorbax Eclipse XDB-C8、4.6×150mm、5μm、5~100%CHCN(HO中)、0.1%TFA、1.5mL/minで15min;システムB:Zorbax SB-C8、4.6×75mm、10~90%CHCN(HO中)、0.1%ギ酸、1.0mL/minで12min)(Agilent Technologies、Santa Clara、CA)。シリカゲルクロマトグラフィーは、一般的には、プレパッケージしたシリカゲルカートリッジ(Biotage、Uppsala、Sweden、又はTeledyne-Isco、Lincoln、NE)を用いて実施した。H NMRスペクトルは、Bruker AV-400(400MHz)分光計(Bruker Corporation、Madison、WI)、又はVarian(Agilent Technologies、Santa Clara、CA)の400MHz分光計で、周囲温度で記録した。観察されたすべてのプロトンを、示した適切な溶媒の中でのテトラメチルシラン(TMS)又は他の内部標準から下方の百万分率(ppm)として示す。データは次のように報告する:化学シフト、多重度(s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、br=ブロード、m=マルチプレット)、結合定数、及びプロトンの数。低分離度質量スペクトル(MS)のデータは、Agilent 1100シリーズ(Agilent Technologies、Santa Clara、CA)のLC/MSを使用し、254nm及び215nmでのUV検出を用い、低共振エレクトロスプレーモード(ESI)で測定した。
【0160】
この一般的な合成セクションを明確にするために、発明の概要で定義された式(I)の化合物を、次のように、模式的に、Ring ArとRing Arとを含むようにして描くことができる:
【化23】
ここで、基-NR-(C=O)-は、リンカーであり、Ring Arは、リンカーの左側に位置し、そしてRing Arは、リンカーの右側に位置している。一般的には、式(I)の化合物は、次のような三つの一般的なステップを介して、合成することができる:
【0161】
ステップ1:Ring Ar化合物の調製。
【0162】
ステップ2:Ring Ar化合物の調製。
【0163】
ステップ3:Ring Ar化合物のRing Ar化合物へのカップリング。
【0164】
以下に示す一般的なスキームA~Eは、通常の技能を有する合成化学者に指針を与えることを意味しており、彼らは容易に、溶媒、濃度、反応剤、保護基、合成のステップの順序、時間、温度などを決め、必要に応じて、通常の熟練者の技能と判断の内で、修正することができるであろう。
【0165】
スキームA
スキームAにおいて、一つの実施態様においては、本明細書に開示された式(I)の化合物を、以下のようにして合成することができる:
【0166】
ステップ1a:Ring Ar化合物の調製:
【化24】
ステップ1a:Ring Ar化合物の調製:
化合物A-1(式中、Wは、ハロゲン、たとえばフルオロ、クロロ、又はブロモである)を、適切な塩基の存在下、適切な有機溶媒たとえば、NMP、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレンなどの中で、R基を含む反応剤と反応させて、化合物A-2を形成させることができる。化合物A-1は、市場で入手可能であるか、又は当業者には公知の方法で合成することができる。化合物A-1の例としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:6-フルオロピリジン-2-アミン、6-フルオロ-4-メチルピリジン-2-アミン、6-クロロ-5-メチルピリジン-2-アミン、6-ブロモ-5-メチルピリジン-2-アミン、又は6-クロロピラジン-2-アミン。R反応剤の例としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:(1)(R)-2-メチルモルホリン、(2)4,4-ジフルオロピペリジン塩酸塩、(3)3,3-ジフルオロアゼチジン塩酸塩、又は(4)3,3,3-トリフルオロプロパン-1-オール。塩基の例としては以下のものが挙げられるが、それらに限定される訳ではない:ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、又は水素化ナトリウム。
【0167】
ステップ1b:Ring Ar化合物の調製:
【化25】
別な方法として、ステップ1aで定義された化合物A-1を、適切なオルガノボロンのR反応剤(R-BY、ここでYは、有機官能基である)たとえば、2-(4,4-ジフルオロシクロヘクス-1-エン-1-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン又は2-(4-フルオロシクロペンテ-1-エン-1-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、並びに適切なパラジウム触媒及び塩基、たとえば、PdCl(dppf)-DCMアダクト及び三塩基性リン酸カリウムを用いた、鈴木クロスカップリング反応を介して、ステップ1aで定義された化合物A-2に転換させることができる。このステップに続けて、適切なパラジウム触媒及び水素源、たとえば水素ガスの存在下にPd/Cを用いて、還元して、化合物A-2を形成させる。この二者択一の鈴木反応は、基Rが、炭素-炭素結合を介してAr環に結合されている場合に、使用することができる。
【0168】
ステップ2a:Ring Ar化合物の調製:
【化26】
ステップ2aにおいては、化合物A-3(ここで、W及びWのそれぞれは、独立して、ハロゲン、たとえばフルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードである)を、適切な有機溶媒たとえば、NMP、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレン、DMSOなどの中で、R反応剤、たとえば(1)6-アザスピロ[2.5]オクタン塩酸塩、(2)4,4-ジメチルピペリジン塩酸塩、(3)3,4,4-トリメチルピペリジン塩酸塩、(4)4-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン塩酸塩、又は(5)7-アザスピロ[3.5]ノナン塩酸塩と反応させて、化合物A-4を形成させることができる。
【0169】
ステップ3a:Ring Ar化合物のRing Ar化合物へのカップリングと、それの続けてのRの導入:
【化27】
ステップ3aにおいては、化合物A-4(ステップ2aで得られたもの)を、適切な有機溶媒たとえば、テトラヒドロフラン、塩化メチレンなどの中で、活性化剤たとえば、酸クロリドの(COCl)又はSOClと反応させて酸クロリド誘導体を形成させ、次いでそれを、化合物A-2と反応させて、化合物A-5を形成させることができる。別な方法として、化合物A-2を、適切な有機溶媒たとえば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレンなどの中で、カップリング反応剤、たとえば、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド、ベンゾトリアゾル-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、O-(ベンゾトリアゾル-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、カルボニルジイミダゾール、及びポリ無水ホスホン酸の存在下に、化合物A-4(ステップ2aから得られたもの)と直接カップリング反応させることもできる。通常の技能を有する合成化学者ならば、他のカップリング剤を使用することも可能であることは、容易に理解するであろう。変換反応たとえば、適切な有機溶媒たとえば、DMSO、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレンなどの中で、金属触媒及びR反応剤、たとえば、(1)1-メチルシクロプロパン-1-スルホンアミド、(2)3-メチルオキセタン-3-アミン、(3)3-メルカプトアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル、(4)2-スルファモイルプロパン酸エチル、(5)2-ヒドロキシプロパン-1-スルホンアミド、(6)2-ヒドロキシエタン-1-スルホンアミド、(7)ヨード酢酸エチル、(8)2-メルカプトプロパン-1-オール、(9)2-メルカプト-2-メチルプロパン-1-オール、(10)2-アミノエタン-1-オール、又は(11)シクロプロパンチオールの存在下での、金属触媒を使用したスルホアミド化、スルフィン化、又はスルホニル化を使用して、ハロゲン基Wをさらに処理することにより、化合物(I)を形成させることができる。通常の技能を有する化学者ならば、ステップ3aに示したようなカップリング反応を、各種の公知の条件下で実施できるということを容易に理解するであろう。
【0170】
スキームB
ステップ1a又は1b:Ring Ar化合物の調製:参照:上記スキームA
ステップ2b:Ring Ar化合物の調製:
【化28】
スキームBは、本明細書に開示された式(I)の化合物を形成させるための、また別な方法を提供する。スキームAで記述したステップ1a又はステップ1bの後で、別な方法として、スキームAにおけるステップ3aに代えて、ステップ2bにおいて基Rを、Ring Arに導入することができる。ステップ2bにおいて、化合物B-1(ここで、W及びWのそれぞれは、独立して、ハロゲン、たとえばフルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードである)を、塩基たとえば炭酸カリウムの存在下に、適切なカルボン酸保護基(PG1反応剤)、たとえば、ヨウ化メチルと反応させて、メチルエステルを形成させることができるし、或いは、適切な有機溶媒たとえば、NMP、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレンなどの中で、他の適切な保護基と反応させて、他のエステルたとえばベンジルエステルを形成させたり、化合物B-2を形成させたりすることができるが、ここで、W及びWのそれぞれは、化合物B-1において定義されたものである。次いで、化合物B-2を、適切な有機溶媒たとえば、NMP、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレン、DMSOなどの中で、R反応剤、たとえば6-アザスピロ[2.5]オクタンと反応させて、化合物B-3を形成させることができるが、ここでWは、化合物B-1において定義されたものである。次いで、化合物B-3を、適切な有機溶媒たとえば、DMSO、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMFなどの中で、金属触媒、たとえばヨウ化銅、Pd(dba)の存在下に、R反応剤と、変換反応たとえば、金属触媒を使用したスルホアミド化、スルフィン化、又はスルホニル化させることによって、化合物B-4を形成させることができ、次いでそれをさらに、適切なカルボン酸の脱保護剤を用いてさらに反応させて、化合物B-5を形成させることができる。適切なカルボン酸保護基及び脱保護剤は、当業者には公知であり、たとえば「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」で論じられている。
【0171】
ステップ3b:Ring Ar化合物のRing Ar化合物へのカップリング:
【化29】
ステップ3bは、先にステップ3aに記述したのと類似のカップリング反応である。
【0172】
スキームC
スキームCは、本明細書に開示された式(I)の化合物を形成させるための、さらにまた別な方法を提供する。スキームCにおいて、ステップ1aは、スキームAにおける記述と同様にし、それに続けて、スキームBにおいて記述したようなステップ2bを実施することができる。
【0173】
ステップ3c:Ring Ar化合物のRing Ar化合物へのカップリング:
【化30】
ステップ3c、化合物A-1a(スキームAの化合物A-1であり、そこでXが、N又はCRであり、そしてWが、ハロゲン、たとえばフルオロ又はクロロである)を、先のステップ3a及び3bと類似の条件下で活性化剤の存在下に、スキームBのステップ2bから得られた化合物B-5と反応させて、化合物C-1(ここでWは、化合物A-1aで定義されたものである)を形成させることができるが、次いでそれを、適切な塩基、たとえばジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、又は水素化ナトリウムの存在下、適切な有機溶媒たとえば、NMP、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレンなどの中で、R基を含む反応剤、たとえば(1)(R)-2-メチルモルホリン、(2)4,4-ジフルオロピペリジン塩酸塩、(3)3,3-ジフルオロアゼチジン塩酸塩、又は(4)3,3,3-トリフルオロプロパン-1-オールと反応させて、式(I)の化合物を形成させることができる。
【0174】
スキームD
スキームDは、本明細書に開示された式(I)の化合物を形成させるための、さらにまた別な方法を提供する。スキームDにおいて、ステップ1aまた1bは、スキームAにおける記述と同様にし、それに続けて、スキームBにおいて記述したようなステップ2bを実施することができる。
【0175】
ステップ3d:Ring Ar化合物のRing Ar化合物へのカップリング:
【化31】
ステップ3dにおいては、化合物A-1a(スキームAの化合物A-1であり、そこでXがN又はCRであり、そしてWがハロゲン、たとえばフルオロ又はクロロである)を、活性化剤の存在下、先のステップ3a及び3bと類似の条件下で、スキームAのステップ2aから得られた化合物B-5と反応させて、化合物D-1を形成させることができるが、(ここで、Wは、化合物A-1aで定義されたものであり、そしてWは化合物B-5で定義されたものである)、次いでそれを、R基を含む反応剤、たとえば(1)(R)-2-メチルモルホリン、(2)4,4-ジフルオロピペリジン塩酸塩、(3)3,3-ジフルオロアゼチジン塩酸塩、又は(4)3,3,3-トリフルオロプロパン-1-オールと、場合によっては、適切な塩基、たとえばジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、又は水素化ナトリウムの存在下、適切な有機溶媒たとえば、NMP、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMFなどの中で反応させて、化合物A-5aを形成させることができるが、(これは、化合物A-5であって、そこで、XがNであり、そしてWが化合物B-5で定義されたものである)、次いでそれを、適切な有機溶媒たとえば、DMSO、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMFなどの中、金属触媒の存在下に、変換反応たとえば、金属触媒を使用したスルホアミド化、スルフィン化、又はスルホニル化反応によって、R基を含む反応剤と反応させて、化合物の式(I)を形成させることができる。
【0176】
スキームE
スキームEは、本明細書に開示された式(I)の化合物を形成させるための、さらにまた別な方法を提供する。スキームEにおいては、ステップ1a又は1bを、化合物A-2を調製するための、スキームAに記述されたようにして実施することができる。化合物E-1(ここでWは、ハロゲン、たとえばフルオロ又はクロロであり、2-フルオロ-4-ニトロ安息香酸、2,5-ジフルオロ-4-ニトロ安息香酸、又は2,6-ジフルオロ-4-ニトロ安息香酸を含むが、これらに限定される訳ではない)は、市場で入手可能であるか、又は当業者には公知の方法により合成することができる。
【0177】
ステップ3e:Ring Ar化合物のRing Ar化合物へのカップリング
【化32】
ステップ3eにおいては、化合物A-2を、活性化反応剤の存在下、先のステップ3a及び3bと類似の条件下で、化合物E-1と反応させて、化合物E-2を形成させることが可能であり、次いでそれを、ステップ2aで記述したのと類似の方法でR反応剤と反応させて、化合物E-3を形成させることができる。次いで、化合物E-4の上のニトロ基を、還元剤(パラジウム/カーボン及び水素ガスを含むが、これらに限定される訳ではない)と反応させることによってアミノ基に転換させて、化合物E-4を形成させることができるが、次いでそれを、適切な有機溶媒たとえば、DMSO、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMFなどの中、金属触媒の存在下での、金属触媒を使用したスルホアミド化、スルフィン化、又はスルホニル化のような変換反応によって、R反応剤、たとば(1)1-メチルシクロプロパン-1-スルホンアミド、(2)3-メチルオキセタン-3-アミン、(3)3-メルカプトアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル、(4)2-スルファモイルプロパン酸エチル、(5)2-ヒドロキシプロパン-1-スルホンアミド、(6)2-ヒドロキシエタン-1-スルホンアミド、(7)ヨード酢酸エチル、(8)2-メルカプトプロパン-1-オール、(9)2-メルカプト-2-メチルプロパン-1-オール、(10)2-アミノエタン-1-オール、又は(11)シクロプロパンチオールと反応させて、化合物(I)を形成させることができる。
【0178】
実施例
合成中間体の調製
Ring Ar中間体:
中間体1:6-アミノ-N-(tert-ブチル)ピリジン-2-スルホンアミド
【化33】
ステップ1:
ジクロロメタン(10mL)の中の、6-ブロモピリジン-2-スルホニルクロリド(0.50g、1.9mmol、Suzhou sibian、China)の氷冷した溶液に、トリエチルアミン(0.543mL、3.90mmol)及びtert-ブチルアミン(0.310mL、2.92mmol)を、窒素雰囲気下でこの順で添加した。その反応混合物を、室温で1.5h撹拌した。反応が完結したら、水(10mL)を用いて、反応混合物を反応停止させ、ジクロロメタン(3×15mL)を用いてその2相混合物を抽出した。その有機抽出物を合わせて、飽和食塩水溶液(15mL)を用いて洗浄し、無水NaSOの上で乾燥させた。その溶液を濾過し、減圧下で濃縮すると、粗製物が淡黄色の油状物として得られた。その粗製物を、シリカゲルのプラグ(plug)の上に吸収させ、Isolera-Biotageにより、石油エーテル中17%~22%の酢酸エチルを用いて溶出させて精製すると、6-ブロモ-N-(tert-ブチル)ピリジン-2-スルホンアミド(0.35g、1.19mmol、61%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 7.98(dd,J=7.6,0.9Hz,1H),7.75(t,J=7.8Hz,1H),7.65(dd,J=8.0,0.9Hz,1H),4.96(s,1H),及び1.27(s,9H).
【0179】
ステップ2:
500mLの封管の中で、6-ブロモ-N-(tert-ブチル)ピリジン-2-スルホンアミド(14.5g、49.5mmol)、N1,N2-ジメチルエタン-1,2-ジアミン(0.436g、4.95mmol)、KCO(1.367g、9.89mmol)、及びヨウ化銅(I)(0.471g、2.47mmol)の混合物を、アンモニア水(21%、100mL、970mmol)及びエチレングリコール(100mL)の中に加えた。窒素雰囲気下、ねじ蓋を用いて、その管を封じた。そのようにして得られた反応混合物を、60℃で18h撹拌した。その反応混合物を放冷して室温とし、水(150mL)を用いて希釈し、EtOAc(3×100mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせて、飽和食塩水溶液(50mL)を用いて洗浄し、無水NaSOの上で乾燥させた。その溶液を濾過し、減圧下で濃縮すると、粗製物が淡黄色の油状物として得られた。その粗製物をシリカゲルのプラグの上に吸収させ、Isolera-Biotageにより、クロロホルム中5%~6%のメタノールを用いて溶出させて精製すると、6-アミノ-N-(tert-ブチル)ピリジン-2-スルホンアミド(6.94g、30.3mmol、61%収率)がオフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 7.54(ddd,J=8.4,7.2,1.3Hz,1H),7.21(s,1H),7.03(dt,J=7.3,0.9Hz,1H),6.59(dt,J=8.4,1.0Hz,1H),6.33(s,2H),及び1.12(d,J=1.3Hz,9H).m/z(ESI):230.1(M+H)
【0180】
中間体2:4-メチル-6-モルホリノピリジン-2-アミン
【化34】
250mLの加圧管に、6-フルオロ-4-メチルピリジン-2-アミン(10.0g、79mmol、Sibian chemicals、China)、モルホリン(8.29g、95mmol)、及びDIPEA(41.5mL、238mmol)を加えた。その混合物を、150℃で18h加熱した。水(100mL)を用いてその反応混合物を反応停止させ、EtOAc(2×250mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせ、食塩水(200mL)を用いて洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残基を、シリカゲルのプラグの上に吸収させ、Redi-Sepのプレパックしたシリカゲルカラム(40g)を通す、フラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン中EtOAcを1%から15%までグラジエントさせて溶出させて精製すると、表題化合物(8.5g、44.0mmol、56%収率)が、褐色の半固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 5.75(s,1H),5.67(s,1H),5.44(s,2H),3.65(t,J=8.4Hz,4H),3.30(t,J=8.4Hz,4H),2.06(s,3H).m/z(ESI):194.2(M+H)
【0181】
中間体3:(R)-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-アミン
【化35】
500mLの加圧管に、水(60mL)中、6-フルオロピリジン-2-アミン(30.0g、268mmol、Combi-Blocks、San Diego、CA)、(R)-2-メチルモルホリン塩酸塩(44.2g、321mmol、F chemicals、China)、及びDIPEA(140mL、803mmol)を加えた。その混合物を、180℃で18h加熱した。その反応混合物を冷却させて室温とし、水(100mL)を用いて希釈した。その混合物を、EtOAc(2×250mL)を用いて抽出し、食塩水(200mL)を用いて洗浄した。その有機抽出物を合わせて、無水のNaSOの上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残基を、シリカゲルのプラグの上に吸収させ、Redi-Sepのプレパックしたシリカゲルカラム(330g)を通す、フラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン中EtOAcを1%から20%までグラジエントさせて溶出させて精製すると、表題化合物(38.0g、197mmol、74%収率)が、黄色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 7.20-7.14(m,1H),5.89(d,J=8.0Hz,1H),5.79(d,J=7.8Hz,1H),5.53(s,2H),4.07-3.97(m,1H),3.98-3.82(m,2H),3.55-3.45(m,2H),2.71-2.58(m,1H),2.35-2.29(m,1H),1.13(d,J=6.2Hz,3H).m/z(ESI):194.2(M+H)
【0182】
中間体4:(R)-4-メチル-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-アミン
【化36】
DIPEA(312mL、11.78mol)の中の、6-フルオロ-4-メチルピリジン-2-アミン(75.0g、595mmol)と(R)-2-メチルモルホリン塩酸塩(84g、832mmol)との混合物を、オートクレーブ(600mL)中で、150℃で48h加熱した。水(1000mL)を用いてその反応混合物を反応停止させ、EtOAc(2×2500mL)を用いて抽出した。その有機層を合わせて、食塩水溶液(1000mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残分を、シリカゲル(60~120メッシュ)上、ヘキサン中30~100%の酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(62g、50%収率)がオフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ 5.74(s,1H),5.63(s,1H),5.43(s,2H),3.98(dt,J=12.8,2.5Hz,1H),3.90-3.80(m,2H),3.53-3.44(m,2H),2.62(ddd,J=15.9,8.0,3.7Hz,1H),2.29(ddd,J=13.4,10.5,3.1Hz,1H),2.04(s,3H),1.11(d,J=6.3Hz,3H).m/z(ESI):208.1(M+H)
【0183】
【表9】
【0184】
中間体5:6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-アミン
【化37】
ステップ1:
オートクレーブに、NMP(800mL)中、2,6-ジクロロ-4-メチルピリジン(80g、490mmol)、4,4-ジフルオロピペリジン塩酸塩(86g、540mmol)、及びDIPEA(342mL、1980mmol)を添加した。その反応混合物を、180℃で24h加熱した。その反応混合物を冷却して室温とし、10%NaHCO水溶液を使用して、pH約9の塩基性にした。その反応混合物を、酢酸エチル(2×1500mL)を用いて抽出し、水(1500mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製物を、シリカゲル(60~120メッシュ)上、ヘキサン中5~10%の酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーで精製すると、2,6-ジクロロ-4-メチルピリジンと2-クロロ-6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-4-メチルピリジンとの1:3の比率の混合物(102g)が、淡褐色の油状物として得られた。この混合物(102g)を、溶出液として水中60%のアセトニトリルを使用した逆相クロマトグラフィーによってさらに精製すると、2-クロロ-6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-4-メチルピリジン(70g、58%収率)が、淡褐色の液状物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 6.76(s,1H),6.57(s,1H),3.66(t,J=5.6Hz,4H),2.22(s,3H),2.03-1.91(m,4H).m/z(ESI):247.1(M+H)
【0185】
ステップ-2:
1,4-ジオキサン(300mL)の中の、2-クロロ-6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-4-メチルピリジン(30.0g、122mmol)の溶液に、(4-メトキシフェニル)メタンアミン(23.8mL、182mmol)及びCsCO(79g、240mmol)を添加した。その反応混合物を脱気し、窒素を用いて30minパージした。その反応混合物に、BINAP(7.57g、12.2mmol)及び酢酸パラジウム(II)(2.73g、12.2mmol)を添加し、100℃で16h撹拌した。その反応混合物を冷却して室温とし、CELITE(登録商標)のベッドを通して濾過し、酢酸エチル(100mL)を用いて洗浄した。その濾液を、減圧下で濃縮した。その残分を、EtOAc(2×500mL)を用いて抽出し、水(500mL)、次いで食塩水(500mL)を用いて洗浄した。その有機抽出物を合わせて、乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残分を、シリカゲル(60~120メッシュ)上、ヘキサン中5~8%の酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーで精製すると、6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-N-(4-メトキシベンジル)-4-メチルピリジン-2-アミン(48g、76%収率)が黄色の油状物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 7.22(d,J=7.2Hz,2H),6.85(d,J=7.2Hz,2H),6.64(t,J=6.0Hz,1H),5.84(s,1H),5.68(s,1H),4.31(d,J=6.0Hz,2H),3.71(s,3H),3.56(t,J=5.6Hz,4H),2.05(s,3H),1.90-1.80(m,4H).m/z(ESI):348.1(M+H)
【0186】
ステップ-3:
乾燥ジクロロメタン(480mL)の中の、6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-N-(4-メトキシベンジル)-4-メチルピリジン-2-アミン(48.0g、138mmol)の溶液に、アニソール(30.2mL、276mmol)及びTFA(240mL、3120mmol)を添加した。その反応混合物を、55℃で4h撹拌し、減圧下で濃縮した。その残分を、水(200mL)の中に溶解させ、10%重炭酸ナトリウム水溶液を用いてpH約8の塩基性にし、酢酸エチル(2×500mL)を用いて抽出した。その有機層を合わせて、水(200mL)、次いで食塩水(200mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残分を、シリカゲル上、ヘキサン中25%~35%の酢酸エチル用いたカラムクロマトグラフィーにより精製すると、6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-アミン(LCMS、約85%)が、褐色の油状物として得られた。この物質をさらに、水中50~60%のアセトニトリルを使用した逆相クロマトグラフィーにより精製すると、6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-アミン(16.5g、72mmol、53%収率)が、褐色の油状物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 5.86(s,1H),5.65(s,1H),5.48(s,2H),3.56(t,J=5.2Hz,4H),2.06(s,3H),1.96-1.87(m,4H).m/z(ESI):228.2(M+H)
【0187】
【表10】
【0188】
中間体6:6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-アミン
【化38】
1,4-ジオキサン(500mL)の中の、6-フルオロピリジン-2-アミン(50g、450mmol、Combi-Blocks)の溶液に、窒素雰囲気下で、3,3,3-トリフルオロプロパン-1-オール(102g、892mmol、Apollo)を添加し、その反応液を、冷却して0℃とした。NaH(鉱油中60%、42.8g、1780mmol)を、0℃で、その反応混合物に添加し、そのようにして得られた混合物を、90℃で2h撹拌した。冷水(500mL)を用いてその反応混合物を反応停止させ、酢酸エチル(2×1000mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせて、乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残分を、ヘキサン中10%の酢酸エチルを用いた、シリカゲル(60~120メッシュ)上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物(45g、50%収率)が、淡褐色の油状物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 7.30-7.26(t,J=7.8Hz,1H),6.02-6.00(dd,J=7.8,0.8Hz,1H),5.89-5.86(m,3H),4.36-4.33(t,J=6.2Hz,2H),2.79-2.67(qt,J=11.5,6.2Hz,2H).m/z(ESI):207.1(M+H)
【0189】
中間体7:6-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-4-メチルピリジン-2-アミン
【化39】
ステップ1:
ジクロロメタン(30mL)の中の、3,3-ジフルオロシクロブタン-1-カルボン酸(3.0g、22.mmol、Combi-Blocks)及びDMAP(0.269g、2.20mmol)の溶液に、0℃で、tert-ブタノール(4.22mL、44.1mmol)、次いで、ジシクロヘキシルカルボジイミド(5.00g、24.2mmol)を添加した。その反応混合物を、RTで18h撹拌してから、その反応混合物に0℃で、ジエチルエーテル(20mL)を添加した。沈殿した固形物を濾過除去し、その濾液を、1.5NのHCl(100mL)、水、及び食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、3,3-ジフルオロシクロブタン-1-カルボン酸tert-ブチル(2.78g、14.5mmol、65.6%収率)が、透明な油状物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 2.93(dddd,J=14.8,7.5,3.8,2.1Hz,1H),2.63-2.87(m,4H),1.42(d,J=2.3Hz,9H).
【0190】
ステップ2:
トルエン(35mL)の中の、2-ブロモ-6-フルオロ-4-メチルピリジン(1.5g、7.9mmol、TCI Chemicals)及び3,3-ジフルオロシクロブタン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.82g、9.47mmol)の溶液に、0℃で、THF中のナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(11.84mL、11.84mmol、1M、Symeax laboratories)を滴下により添加し、その反応混合物を、0℃で20min、そしてrtで4h撹拌した。NHClの飽和水溶液(50mL)を用いて、その反応混合物を反応停止させ、EtOAc(2×50mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせて、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その残分を、石油エーテル中EtOAcを0%から20%までグラジエントさせて溶出させて、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、1-(6-ブロモ-4-メチルピリジン-2-イル)-3,3-ジフルオロシクロブタン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.6g、3.2mmol、41%収率)が、透明な黄色の油状物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 7.48(t,J=1.0Hz,1H),7.34(t,J=1.0Hz,1H),3.15-3.31(m,2H),2.63-2.89(m,2H),2.34(s,3H),1.36(s,9H).m/z(ESI):362.0(M+H)
【0191】
ステップ3:
ジクロロメタン(24mL)の中の、1-(6-ブロモ-4-メチルピリジン-2-イル)-3,3-ジフルオロシクロブタン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.4g、2.8mmol)の溶液に、RTで、TFA(0.87mL、11.3mmol)を添加した。その反応混合物を18h撹拌してから、濃縮すると、1-(6-ブロモ-4-メチルピリジン-2-イル)-3,3-ジフルオロシクロブタン-1-カルボン酸(0.90g、2.2mmol、77%収率)が、褐色の粘着性のある液体として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 7.47(s,1H),7.38(s,1H),3.25(q,J=12.8Hz,2H),2.66-2.85(m,2H),2.33(s,3H).m/z(ESI):306.0(M+H)
【0192】
ステップ4:
2-キシレン(7.0mL)の中の、1-(6-ブロモ-4-メチルピリジン-2-イル)-3,3-ジフルオロシクロブタン-1-カルボン酸(0.60g、1.4mmol)の溶液を、120℃で2h撹拌した。その反応混合物を、水(50mL)を用いて希釈し、EtOAc(2×50mL)を用いて抽出し、水(50mL)及び食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中でEtOAcを0%から5%までグラジエントさせた、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、2-ブロモ-6-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-4-メチルピリジン(0.41g、1.2mmol、85%収率)が、淡黄色の油状物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 7.39(s,1H),7.25(s,1H),3.47(qt,J=9.1,4.5Hz,1H),2.73-2.97(m,4H),2.29(s,3H).m/z(ESI):262.0(M+H)
【0193】
ステップ5:
1,4-ジオキサン(4mL)の中の、2-ブロモ-6-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-4-メチルピリジン(0.400g、1.53mmol)、(4-メトキシフェニル)メタンアミン(0.314g、2.29mmol)、CsCO(1.49g、4.58mmol)、BINAP(0.095g、0.153mmol)、及びPd(OAc)(0.034g、0.15mmol)の混合物を、100℃で16h撹拌した。その反応混合物を濾過し、EtOAcを用いて希釈した。そのようにして得られた溶液を、水及び食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中で酢酸エチルを0%から10%までグラジエントさせた、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、6-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-N-(4-メトキシベンジル)-4-メチルピリジン-2-アミン(0.360g、1.131mmol、74%収率)が、黄色の油状物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 7.22-7.31(m,2H),6.85(dt,J=8.5,2.1Hz,2H),6.26(s,1H),6.15(s,1H),4.38(d,J=6.0Hz,2H),3.71(s,3H),3.14-3.22(m,1H),2.71-2.86(m,4H),2.09(s,3H).m/z(ESI):319.1(M+H)
【0194】
ステップ6:
ジクロロメタン(4mL)の中の、6-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-N-(4-メトキシベンジル)-4-メチルピリジン-2-アミン(0.355g、1.12mmol)及びアニソール(0.244mL、2.23mmol)の混合物に、0℃で、トリフルオロ酢酸(1.8mL、23mmol)を添加した。その反応混合物を、55℃で16h撹拌してから、濃縮し、次いでDCM(20mL)を用いて希釈した。その有機層を、NaHCO溶液の飽和水溶液(3mL)、水、及び食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中でEtOAcを10%から20%までグラジエントさせた、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、6-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-4-メチルピリジン-2-アミン(0.090g、0.45mmol、41%収率)が、淡黄色の油状物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 6.27(s,1H),6.12(s,1H),3.18(td,J=8.8,3.1Hz,1H),2.69-2.85(m,4H),2.10(d,J=2.1Hz,3H).m/z(ESI):199.1(M+H)
【0195】
中間体8:5-メチル-6-モルホリノピリジン-2-アミン
【化40】
DMF(2mL)の中の、6-クロロ-5-メチルピリジン-2-アミン(0.1g、0.70mmol)、モルホリン(0.092g、1.05mmol)、KCO(0.145g、1.052mmol)、ヨウ化銅(I)(0.027g、0.140mmol)、及び(1R,2R)-N1,N2-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(0.020g、0.140mmol)の混合物を、マイクロ波中、150℃で4h加熱した。次いで、その反応混合物を、セライトのプラグを通過させて濾過し、そしてその濾液を、EtOAcを用いて希釈し、水、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中15%の酢酸エチルを用いて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、5-メチル-6-モルホリノピリジン-2-アミン(10mg、0.052mmol、7%収率)が、淡黄色固形物として得られた。m/z(ESI):194.2(M+H)
【0196】
Ring AR中間体の調製:
中間体9:4-ヨード-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸
【化41】
DMSO(2.1L)の中の、2-フルオロ-4-ヨード安息香酸(300g、1.13mol、Combi-Blocks、San Diego、CA)の溶液に、20℃で、6-アザスピロ[2.5]オクタン塩酸塩(216g、1.47mol、Wuxi AppTec)を添加した。次いで、KCO(468g、3.38mol)を加え、その反応溶液を、N下、140℃で48h撹拌した。その反応溶液を、氷水(4.20L)の中に徐々に注入してから、ヘキサン(2L×3)を用いて抽出した。その水相を取り出し、HCl(2.00mol/L、aq)を用いて、pHを6に調節した。沈殿物が得られたので、濾過により捕集した。その固形物を、水(700mL×3)を用いて洗浄し、濾過した。その湿った固形物を大きな時計皿の上に拡げ、大気中、25℃で乾燥させた。4-ヨード-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(280g、777mmol、68.9%収率)が、淡黄色の固形物として得られた。400MHz DMSO-dδ ppm 8.07(s,1H),7.76-7.66(m,2H),3.10(t,J=5.2Hz,4H),1.55(br s,4H),0.41(s,4H).
【0197】
【表11】
【0198】
中間体10:4-(メチルスルホニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸
【化42】
ステップ-1:
DMF(1L)の中の、2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)安息香酸(90.0g、412mmol)の溶液に、0℃で、臭化ベンジル(78.1g、454mmol)及び炭酸ナトリウム(52.5g、495mmol)を添加した。その反応混合物を、室温で12h撹拌した。水(1L)を用いてその反応混合物を反応停止させ、MTBE(3×1L)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせ、食塩水(1L)を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残分を、ヘキサン中0~30%の酢酸エチルを用いた、シリカゲル(230~400メッシュ)上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)安息香酸ベンジル(100g、79%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ 8.16(dd,J=8.2,6.9Hz,1H),7.98-7.86(m,2H),7.48-7.31(m,5H),5.40(s,2H),3.33(s,3H).
【0199】
ステップ-2:
ジメチルスルホキシド(550mL)の中の、2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)安息香酸ベンジル(55g、180mmol)の溶液に、DIPEA(57.6g、446mmol)、次いで6-アザスピロ[2.5]オクタン(29.8g、268mmol)を添加し、その反応混合物を、100℃で24h撹拌した。水(1L)を用いてその反応混合物を反応停止させ、MTBE(3×1L)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせ、食塩水(1L)を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗生成物を、ヘキサン中0~10%の酢酸エチルを用いた、シリカゲル(230~400メッシュ)上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、4-(メチルスルホニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸ベンジル(55g、77%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 7.76(d,J=8.0Hz,1H),7.52-7.45(m,4H),7.43-7.35(m,3H),5.35(s,2H),3.25(s,3H),3.05(t,J=5.3Hz,4H),1.36(t,J=5.3Hz,4H),0.30(s,4H).m/z(ESI):400.1(M+H)
【0200】
ステップ-3:
THF(108mL)及びメタノール(36mL)の中の、4-(メチルスルホニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸ベンジル(65g、160mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム(1N、407mL)を添加し、その反応混合物を、60℃で12h撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮して、THF及びメタノールを除去した。1.5NのHCl溶液を用いて、その残った水溶液を、pH約2に酸性化した。その沈殿物を濾過し、水(200mL)、次いでヘキサン(200mL)を用いて洗浄し、真空下に乾燥させると、4-(メチルスルホニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(42g、83%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 16.13(s,1H),8.04(d,J=8.0Hz,1H),7.99(s,1H),7.75(d,J=8.0Hz,1H),3.29(s,3H),3.17(b s,4H),1.55(b s,4H),0.41(s,4H).m/z(ESI):308.1(M+H)
【0201】
中間体11:4-((1-メチルシクロプロパン)-1-スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸
【化43】
ステップ1:
250mLの封管に、1,4-ジオキサン(90mL)中、4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸ベンジル(9g、22.48mmol、中間体9-5)、1-メチルシクロプロパン-1-スルホンアミド(3.95g、29.2mmol、Combi-Blocks、San Diego、CA)、及びKCO(6.21g、45.0mmol)を加えた。その反応物を脱気し、窒素を用いて5minパージした。この反応混合物に、Xantphos(1.301g、2.248mmol)、次いでPd(dba)(1.029g、1.12mmol)を添加し、その封管を閉じて、110℃で18h撹拌した。水(250mL)を用いてその反応混合物を反応停止させ、酢酸エチル(2×150mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせ、水(100mL)を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残分を、ヘキサン中でEtOAcを0%から15%までのグラジエントさせて溶出させた、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、4-((1-メチルシクロプロパン)-1-スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸ベンジル(6.1g、59%収率)が、オレンジ色の油状物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 10.06(s,1H),7.62(d,J=8.5Hz,1H),7.48-7.31(m,5H),6.98(s,1H),6.81(d,J=8.5Hz,1H),5.27(s,2H),2.92(t,J=4.96Hz,4H),1.40-1.30(m,7H),1.16(dd,J=6.4,4.7Hz,2H),0.81(dd,J=6.4,4.7Hz,2H),0.28(s,4H).m/z(ESI):455.2(M+H)
【0202】
ステップ2:
MeOH(20mL)及び酢酸エチル(10mL)の中の、4-((1-メチルシクロプロパン)-1-スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸ベンジル(2.1g、4.6mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で、10%Pd-C(1.05g、50%(wt/wt))を添加した。その反応混合物を水素(1気圧、風船圧力)下で脱気し、4h撹拌した。その反応混合物を、セライトベッドを通過させて濾過し、メタノール(20mL)を用いて洗浄した。その濾液を、減圧下で濃縮した。その残分を、ジエチルエーテル(50mL)を用いてトリチュレートすると、4-((1-メチルシクロプロパン)-1-スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(1.2g、71%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 13.20(s,1H),10.33(s,1H),7.95(d,J=8.6Hz,1H),7.41(s,1H),7.20(d,J=8.6Hz,1H),2.99(s,4H),1.56(s,4H),1.39(s,3H),1.18(t,J=4.8Hz,2H),0.83(t,J=4.7Hz,2H),0.42(s,4H).m/z(ESI):363.2(M-H)
【0203】
中間体12:4-(N-(3-メチルオキセタン-3-イル)スルファモイル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸
【化44】
ステップ1:
DCM(200mL)の中の、3-メチル-3-オキセタンアミン塩酸塩(5.50g、44.5mmol)及びDIPEA(23.3mL、134mmol)の溶液に、0℃で、4-(クロロスルホニル)-2-フルオロ安息香酸メチル(12.4g、49.0mmol)を添加し、その混合物を、0℃~室温で1h撹拌した。その混合物を、1.0NのHCl(200mL)を用いて希釈し、ジクロロメタン(150mL×2)を用いて抽出した。その有機層を合わせて、食塩水を用いて洗浄し、無水の硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、粗生成物が得られた。その粗生成物を、ヘプタン中0~30%のEtOAc-EtOH(3:1)を用いて溶出させる、Biotage SNAP 100gカラムを用いて精製すると、2-フルオロ-4-(N-(3-メチルオキセタン-3-イル)スルファモイル)安息香酸メチル(13.6g、44.8mmol、100%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 8.67(s,1H),8.11(t,J=7.37Hz,1H),7.76-7.82(m,1H),7.69-7.76(m,1H),4.56(d,J=6.23Hz,2H),4.18(d,J=6.75Hz,2H),3.90(s,3H),1.42(s,3H).
【0204】
ステップ2:
無水のジオキサンの中で、DIPEA(16mL、93mmol)、6-アザスピロ[2.5]オクタン(6.22g、55.9mmol)、と2-フルオロ-4-(N-(3-メチルオキセタン-3-イル)スルファモイル)安息香酸メチル(14.1g、46.6mmol)との混合物を、100℃で20h撹拌した。その混合物を冷却して室温とし、水を用いて反応停止させ、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を合わせて、食塩水を用いて洗浄し、乾燥させ、そして減圧下で乾燥するまで蒸発させた。その粗生成物を、ヘプタン中0~40%のEtOAc-EtOH(3:1)を用いて溶出させる、Biotage SNAP 340gカラムを使用して精製すると、4-(N-(3-メチルオキセタン-3-イル)スルファモイル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸メチル(14.2g、35.9mmol、77%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 8.42(s,1H),7.72(d,J=8.04Hz,1H),7.47(d,J=1.56Hz,1H),7.36(dd,J=1.82,8.04Hz,1H),4.55(d,J=5.97Hz,2H),4.14(d,J=6.49Hz,2H),3.85(s,3H),3.02-3.09(m,4H),1.44-1.50(m,4H),1.42(s,3H),0.35(s,4H).
【0205】
ステップ3:
THF-水-MeOH(1:1:1、300mL)の中の、4-(N-(3-メチルオキセタン-3-イル)スルファモイル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸メチル(14.2g、35.9mmol)及び水酸化リチウム一水和物(22.6g、538mmol)の混合物を、室温で16h撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮して、有機溶剤を部分的に除去した。2NのHClを用いて、その溶液を、pH3未満に達するまで、酸性化させた。その沈殿物を濾過し、大気中で乾燥させると、4-(N-(3-メチルオキセタン-3-イル)スルファモイル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(9.94g、26.1mmol、73%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 8.51(s,1H),8.04(d,J=8.04Hz,1H),7.89(d,J=1.30Hz,1H),7.66(dd,J=1.69,8.17Hz,1H),4.55(d,J=6.23Hz,2H),4.09-4.17(m,2H),3.06-3.19(m,4H),1.56(t,J=5.19Hz,4H),1.40(s,3H),0.36-0.46(s,4H).
【0206】
中間体13:4-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸
【化45】
ステップ1:DMF(600mL)の中の、4-ブロモ-2-フルオロ安息香酸(40g、180mmol)の溶液に、0℃で、炭酸ナトリウム(23.2g、219mmol)及び臭化ベンジル(22.8mL、192mmol)を添加した。その反応混合物を室温で16h撹拌してから、水(1.5L)を用いて反応停止させ、酢酸エチル(3×500mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせ、水(1500mL)及び食塩水(500mL)を用いて洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残分を、ヘキサン中10%の酢酸エチルを用いた、シリカゲル(60~120メッシュ)上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、4-ブロモ-2-フルオロ安息香酸ベンジル(50g、89%収率)が、淡黄色の液状物として得られた。H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ 7.86(dd,J=8.0,7.4Hz,1H),7.50-7.35(m,7H),5.40(s,2H).
【0207】
ステップ2:
DMSO(300mL)の中の、4-ブロモ-2-フルオロ安息香酸ベンジル(30g、97mmol)の溶液に、室温で、6-アザスピロ[2.5]オクタン(15.1g、136mmol)及びDIPEA(33.9mL、194mmol)を添加した。その反応混合物を、90℃で16h撹拌した。水(500mL)を用いてその反応混合物を反応停止させ、酢酸エチル(2×500mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせ、食塩水(600mL)を用いて洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残分を、ヘキサン中0%~10%の酢酸エチルを用いた、シリカゲル(60~120メッシュ)上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸ベンジル(25g、64%収率)が、淡黄色の油状物として得られた。H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ 7.61(d,J=8.4Hz,1H),7.47(d,J=8.0Hz,2H),7.43-7.35(m,3H),7.22(s,1H),7.09(d,J=8.4Hz,1H),5.36(s,2H),3.09(t,J=5.3Hz,4H),1.49(t,J=5.3Hz,4H),0.34(s,4H).m/z(ESI):400.1(M-H)
【0208】
ステップ3:
1,4-ジオキサン(250mL)の中の、4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸ベンジル(25g、62mmol)、DIPEA(21.8mL、125mmol)、xantphos(1.81g、3.12mmol)、Pd(dba)(1.14g、1.25mmol)及びベンジルメルカプタン(10g、81mmol)の溶液を、脱気し、窒素を用いて15minパージした。その反応混合物を、密封した圧力容器の中で、100℃で16h加熱した。水(500mL)を用いてその反応混合物を反応停止させ、酢酸エチル(2×500mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせて、無水のNaSOの上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残分を、ヘキサン中5%~10%の酢酸エチルを用いた、シリカゲル(60~120メッシュ)上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、4-(ベンジルチオ)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸ベンジル(20g、72%収率)が、淡黄色の液状物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 7.57-7.53(m,1H),7.48-7.26(m,10H),6.93-6.87(m,2H),5.27(s,2H),4.32(s,2H),2.95-2.87(m,4H),1.35(t,J=5.3Hz,4H),0.28(s,4H).m/z(ESI):442.2(M-H)
【0209】
ステップ4&5:
DCM(160mL)及び水(40mL)の中の、4-(ベンジルチオ)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸ベンジル(20g、45mmol)の溶液に、0℃で、塩化スルフリル(18.3mL、225mmol)を添加した。その反応混合物を1h撹拌してから、水(200mL)を用いて希釈し、DCM(200mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を、無水のNaSO上で乾燥させ、濾過し、冷却して0℃とした。上述の溶液に、tert-ブチルアミン(47.8mL、451mmol)を添加した。その反応混合物を、室温で1h撹拌してから、水(200mL)を用いて反応停止させ、DCM(2×100mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせて、無水のNaSOの上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残分を、ヘキサン中15%の酢酸エチルを用いた、シリカゲル(60~120メッシュ)上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、4-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸ベンジル(12g、61%収率)が、淡黄色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 7.71(d,J=8.0Hz,1H),7.63(s,1H),7.55-7.46(m,3H),7.45-7.33(m,4H),5.33(s,2H),3.01(b s,4H)1.38(b s,4H),1.10(s,9H),0.31(2,4H).m/z(ESI):457.2(M-H)
【0210】
ステップ6:
エタノール(50mL)及び酢酸エチル(50mL)の中の、4-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸ベンジル(10g、21.9mmol)の溶液に、室温で、窒素雰囲気下に、10%パラジウム/カーボン(4.66g、4.38mmol)を添加した。その反応混合物を脱気し、水素雰囲気下(1気圧)、室温で16h撹拌した。その反応混合物を、セライトベッドを通過させて濾過し、その濾床を、酢酸エチル(200mL)を用いて洗浄した。その濾液を、減圧下で濃縮した。その粗製残分を、ジエチルエーテル(200mL)を用いてトリチュレートすると、表題化合物(6.0g、75%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 8.06(d,J=8.2Hz,1H),7.98(s,1H),7.73-7.68(m,2H),3.12(t,J=5.3Hz,4H),1.57(t,J=5.3Hz,4H),1.10(s,9H),0.43(s,4H).m/z(ESI):367.2(M-H)
【0211】
中間体14:4-((メチルスルホニル)メチル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸
【化46】
ステップ1:
四塩化炭素(200mL)の中の、2-フルオロ-4-メチル安息香酸メチル(10.0g、59.5mmol)の溶液に、rtで、NBS(11.6g、65.4mmol)及びAIBN(0.976g、5.95mmol)を添加した。その反応混合物を、70℃で3h撹拌してから、水(250mL)を用いて反応停止させ、ジクロロメタン(2×200mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせて、食塩水(150mL)を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、2-フルオロ-4-メチル安息香酸メチル(14.0g、粗製物)が、淡黄色の油状物として得られた。H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ 8.04-7.88(m,1H),7.27-7.13(m,2H),4.46(s,2H),3.96(s,3H).
【0212】
ステップ2:
DMF(42mL)の中の、2-フルオロ-4-メチル安息香酸メチル(14.0g、56.7mmol)及びメタンスルホン酸ナトリウム(12.15g、119mmol)の混合物を、電子レンジ(Biotage initiator+)の中、120℃で30min照射した。水(150mL)を用いてその反応混合物を反応停止させ、酢酸エチル(2×200mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせて、飽和食塩水溶液(150mL)を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、2-フルオロ-4-((メチルスルホニル)メチル)安息香酸メチル(6g、粗製物)が、オフホワイト色の固形物として得られた。
【0213】
ステップ3:
DMSO(30mL)の中の、2-フルオロ-4-((メチルスルホニル)メチル)安息香酸メチル(6.0g、24mmol)及び6-アザスピロ[2.5]オクタン(2.71g、24.4mmol)の混合物を、電子レンジの中で、150℃で1h照射した。水(50mL)を用いてその反応混合物を反応停止させ、酢酸エチル(2×50mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせ、食塩水(50mL)を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、4-((メチルスルホニル)メチル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸メチル(4.0g、粗製物)が、オフホワイト色の固形物として得られた。その物質は、そのままで、さらなる精製を加えることなく、次のステップへ進めた。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 7.72(d,J=7.8Hz,1H),7.11(s,1H),6.96(dd,J=7.8,1.6Hz,1H),4.24(s,2H),3.93(s,3H),3.12(t,J=5.4Hz,4H),2.78(s,3H),1.55(t,J=5.5Hz,4H),0.37(s,4H).m/z(ESI):338.1(M-H)
【0214】
ステップ4:
THF(15mL)の中の、4-((メチルスルホニル)メチル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸メチル(2.0g、3.0mmol)の溶液に、水(7mL)中の水酸化ナトリウム(0.474g、11.8mmol)を添加し、室温で12h撹拌した。その反応混合物を、1.5NのHCl溶液を用いて酸性化してpH約3とし、酢酸エチル(5×20mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせて、食塩水溶液(20mL)を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、4-((メチルスルホニル)メチル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(1.0g、3ステップで、10%収率)が、白色の固形物として得られた。m/z(ESI):324.1(M-H)
【0215】
中間体15:4-((1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-3-イル)スルホニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸
【化47】
ステップ1:
ジオキサンの中の、4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸メチル(10.5g、32.4mmol、中間体9-2)、DIPEA(8.37mL、64.8mmol)、Xantphos(1.87g、3.24mmol)、及びPd(dba)(2.97g、3.24mmol)の混合物を、アルゴンの気流を用いて泡立てから、3-メルカプトアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(7.66mL、40.5mmol)を添加した。その混合物を、100℃で18h撹拌した。その混合物を冷却して室温とし、濃縮し、そしてヘプタン中0~25%のEtOAc-EtOH(3:1)を用いて溶出させる、Biotage SNAP 340gカラムを使用して精製すると、3-((4-(メトキシカルボニル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)チオ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(13.8g、32.0mmol、99%収率)が、淡黄色の粘着性の固形物として得られた。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 7.55(d,J=8.04Hz,1H),6.79(s,1H),6.76(d,J=8.14Hz,1H),4.34-4.43(m,2H),4.27-4.34(m,1H),3.79(s,3H),3.70(dd,J=4.67,8.56Hz,2H),2.97-3.04(m,4H),1.41-1.51(m,4H),1.38(s,9H),0.29-0.37(m,1H).
【0216】
ステップ2:
1,4-ジオキサン(300mL)の中の、3-((4-(メトキシカルボニル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)チオ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(13.85g、32.0mmol)の溶液に、150mLの水中のモノ過硫酸オキソン(39.4g、64.0mmol)を添加した。その反応混合物を、室温で5h撹拌してから、150mLの酢酸エチル及び150mLの水を添加した。この混合物を、10min撹拌し、その有機層を分離し、その水層を、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機物を合わせ、食塩水を用いて洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。その粗製物を、ヘプタン中EtOAc-EtOH(3:1)を0から25%までグラジエントさせて溶出させる、Biotage SNAP 340gカラムを使用して精製すると、3-((4-(メトキシカルボニル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルホニル)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(12.8g、27.5mmol、86%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 7.75(d,J=8.04Hz,1H),7.44-7.50(m,2H),4.48-4.55(m,1H),4.09(br.s.,2H),3.97-4.02(m,2H),3.86(s,3H),3.04-3.17(m,4H),1.42-1.51(m,4H),1.38(s,9H),0.35(s,4H).
【0217】
ステップ3:
THF-水-MeOH(1:1:1、230mL)の中の、3-((4-(メトキシカルボニル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルホニル)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(12.77g、27.5mmol)及び水酸化リチウム一水和物(11.53g、275mmol)の混合物を、室温で15h撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮して、幾分かの有機溶剤を除去した。2NのHClを用いて、その溶液を、pH3未満にまで、酸性化させた。その沈殿物を濾過し、乾燥させると、4-((1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-3-イル)スルホニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(10.6g、23.5mmol、86%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 8.03(d,J=8.30Hz,1H),7.93(d,J=1.82Hz,1H),7.72(dd,J=1.69,8.17Hz,1H),4.48-4.60(m,1H),4.10(br.s.,2H),3.99-4.06(m,2H),3.14-3.22(m,4H),1.49-1.59(m,4H),1.38(s,9H),0.41(s,4H).
【0218】
中間体16:4-(シクロプロパンスルホンイミドイル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸
【化48】
ステップ1:
1,4-ジオキサンの中の、4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸メチル(3.69g、11.4mmol、中間体9-2)、DIPEA(2.94mL、22.8mmol)、Xantphos(0.659g、1.14mmol)、及びPd(dba)(1.04g、1.14mmol)の混合物に、シクロプロパンチオール(0.928mL、12.5mmol)を添加した。その混合物を、100℃で16h撹拌した。その混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、乾燥させ、濃縮した。その混合物を、ヘプタン中EtOAc-EtOH(3:1)を0%から20%までグラジエントさせて溶出させる、Biotage SNAP 100gカラムを使用して精製すると、4-(シクロプロピルチオ)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸メチル(3.42g、10.8mmol、95%収率)が、黄色の油状物として得られた。H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 7.57(d,J=8.04Hz,1H),7.00(d,J=1.82Hz,1H),6.93(d,J=8.21Hz,1H),3.79(s,3H),2.95-3.04(m,4H),2.26-2.36(m,1H),1.43-1.49(m,4H),1.07-1.16(m,2H),0.55-0.66(m,2H),0.33(s,4H).
【0219】
ステップ2:
DCM中の、4-(シクロプロピルチオ)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸メチル(3.35g、10.6mmol)の混合物に、0℃で、3-クロロペルオキシ安息香酸(2.367g、13.72mmol)を添加した。その混合物を、0℃で30min撹拌した。飽和NaHCOを用いてその反応を反応停止させ、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、乾燥させ、濃縮した。その混合物を、ヘプタン中EtOAc-EtOH(3:1)を0%から40%までグラジエントさせて溶出させる、Biotage SNAP 100gカラムを使用して精製すると、4-(シクロプロピルスルフィニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸メチル(3.34g、10.0mmol、95%収率)が、黄色の油状物として得られた。H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 7.70(d,J=8.04Hz,1H),7.30-7.47(m,1H),7.22(d,J=8.02Hz,1H),3.84(s,3H),3.03-3.11(m,4H),2.52-2.55(m,1H),1.43-1.51(m,4H),0.88-1.01(m,3H),0.77-0.88(m,1H),0.34(s,4H).
【0220】
ステップ3:
メタノール中の、4-(シクロプロピルスルフィニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸メチル(3.33g、9.99mmol)の溶液に、ヨードベンゼンジアセテート(6.43g、20.0mmol)及びカルバミン酸アンモニウム(3.12g、39.9mmol)を、0℃で添加し、その混合物を、0℃で1h撹拌した。水を用いてその反応を反応停止させ、酢酸エチル及びDCMを用いて抽出した。有機抽出物を合わせ、食塩水を用いて洗浄し、乾燥させ、濃縮した。その混合物を、ヘプタン中EtOAc-EtOH(3:1)を0から60%までグラジエントさせて溶出させる、Biotage SNAP 100gカラムを使用して精製すると、4-(シクロプロパンスルホンイミドイル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸メチル(1.89g、5.42mmol、54.3%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 7.70(d,J=8.04Hz,1H),7.53(d,J=1.56Hz,1H),7.43(dd,J=1.56,8.04Hz,1H),4.29(s,1H),3.85(s,3H),3.01-3.13(m,4H),2.67-2.75(m,1H),1.43-1.51(m,4H),1.05-1.14(m,1H),0.87-1.00(m,3H),0.35(s,4H).
【0221】
ステップ4:
THF-水-MeOH(2:1:1、32mL)の中の4-(シクロプロパンスルホンイミドイル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸メチル(1.89g、5.42mmol)及び水酸化リチウム一水和物(0.683g、16.3mmol)の混合物を、室温で15h撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮して、幾分かの有機溶剤を除去した。2NのHClを用いて、その溶液を、pH3未満にまで、酸性化させた。その混合物を、DCM(2×)を用いて抽出した。その抽出物を合わせ、食塩水を用いて洗浄し、乾燥させ、濃縮させると、4-(シクロプロパンスルホンイミドイル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(1.80g、5.38mmol、99%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 8.08(d,J=8.30Hz,1H),8.01(d,J=1.56Hz,1H),7.78(dd,J=1.56,8.04Hz,1H),4.44(br.s.,1H),3.16(t,J=5.32Hz,4H),2.74-2.81(m,1H),1.58(t,J=5.19Hz,4H),1.11-1.22(m,1H),0.89-1.04(m,3H),0.43(s,4H).
【0222】
Ar及びArを含む化合物
中間体17:N-(6-フルオロピリジン-2-イル)-4-((1-メチルシクロプロパン)-1-スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化49】
DCM(20mL)の中の、4-((1-メチルシクロプロパン)-1-スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(1.0g、2.74mmol、中間体11)の溶液に、6-フルオロピリジン-2-アミン(0.308g、2.74mmol、Combi-Blocks)、TP(酢酸エチル中50%、1.3mL、4.1mmol)、及びDIPEA(0.958mL、5.49mmol)を添加した。そのようにして得られた混合物を、室温で16h撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO溶液(10mL)を用いて反応停止させ、DCM(2×25mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせ、食塩水(20mL)を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残分を、ヘキサン中20%の酢酸エチルを使用して、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物(0.65g、52%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 13.09(s,1H),10.28(s,1H),8.20(dd,J=8.0,2.4Hz,1H),8.12-7.92(m,2H),7.36(d,J=2.2Hz,1H),7.17(dd,J=8.6,2.2Hz,1H),6.89(dd,J=8.0,2.4Hz,1H),2.97(t,J=5.4Hz,4H),1.79-1.56(m,4H),1.41(s,3H),1.32-1.14(m,2H),0.90-0.79(m,2H),0.41(s,4H).m/z(ESI):459.1(M-H)
【0223】
【表12】
【0224】
【表13】
【0225】
中間体38:4-ヨード-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)ベンズアミド
【化50】
4-ヨード-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(3.0g、8.4mmol、中間体9)を、アルゴン下に、DCM(10mL)の中に懸濁させた。塩化チオニル(1.463g、12.29mmol、Sigma-Aldrich Corporation)を添加し、その混合物を、rtで15min撹拌した。その混合物を、減圧下で蒸発乾固させた。その粗製残分を、トルエン(2×100mL)と共沸させ、アルゴン下でジクロロメタン(50mL)の中に懸濁させた。ジクロロメタン(10mL)の中の、6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-アミン(2.0g、9.7mmol、中間体6)及び2,6-ルチジン(3.68g、34.3mmol、Sigma-Aldrich Corporation)の溶液を、一度に添加した。その黄色の混合物を、rtで20min撹拌してから、減圧下で蒸発乾固させた。その粗製の固形物を、メタノール(30mL)の中で20minトリチュレートしてから、焼結ガラスフリットを通して濾過した。その固形物を、窒素気流の下で乾燥させると、4-ヨード-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(3.8g、7.0mmol、83%収率)が得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 0.36(s,4H)1.58-180(m,4H)2.83(dt,J=10.94,5.42Hz,2H)2.91-3.13(m,4H)4.49(t,J=5.29Hz,2H)6.58(d,J=7.88Hz,1H)7.60-8.00(m,5H)13.20(br s,1H)
【0226】
【表14】
【0227】
中間体39:4-ブロモ-N-(6-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化51】
DMSO(50mL)の中の、4-ブロモ-N-(6-ブロモ-4-メチルピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(5.0g、10mmol、中間体22)、3,3-ジフルオロアゼチジン塩酸塩(2.027g、15.65mmol、Combi-Blocks)、及びCsF(9.51g、62.6mmol)の混合物を、145℃で60h撹拌した。その反応混合物を、氷水(200mL)を用いて希釈し、30min撹拌した。その沈殿物を濾過し、石油エーテル中でEtOAcを0%から5%までグラジエントさせた、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、4-ブロモ-N-(6-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(2.4g、4.8mmol、46%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 13.05(s,1H),8.03(d,J=8.7Hz,1H),7.67(s,1H),7.53-7.56(m,2H),6.21(s,1H),4.32-4.41(m,4H),3.33(t,J=5.1Hz,4H),2.28(s,3H),1.72(br s,4H),0.37(s,4H).m/z(ESI):491.1(M+H)
【0228】
中間体40:2-スルファモイルプロパン酸エチル
【化52】
ステップ1:
テトラヒドロフラン(4000mL)の中の、N,N-ビス(4-メトキシベンジル)エタンスルホンアミド(200.0g、572.0mmol)の溶液に、n-BuLi(ヘキサン中1.6M、608.0mL、973.0mmol)を-78℃で、徐々に添加し、30min撹拌した。その反応混合物に、THF(50mL)中のクロロギ酸エチル(92.0mL、973.0mmol)を添加し、-78℃で1h撹拌した。HCl(1.5N、3000mL)を用いて、その反応混合物を反応停止させ、EtOAc(2×3000mL)を用いて抽出した。その有機出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下に濃縮すると、2-(N,N-ビス(4-メトキシベンジル)スルファモイル)プロパン酸エチル(250.0g、60%純度)の粗製物が、黄色の油状物として得られた。そのH-NMRは、望み通りのピークを示したので、何の精製もすることなく、次のステップに進めた。
【0229】
ステップ2:
トリフルオロ酢酸(2.50L、32.45mol)の中の2-(N,N-ビス(4-メトキシベンジル)スルファモイル)プロパン酸エチル(600.0g、1.4mol)の溶液に、アニソール(500.0mL、4.57mol)を添加し、室温で3h撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮し、10%の冷NaHCO水溶液(3L)を用いて反応停止させ、EtOAc(2×3L)を用いて抽出した。その有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残分を、ヘキサン中25%の酢酸エチルを用いた、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、淡黄色の固形物(168g)が得られたので、それをDCM(1L)の中に溶解させ、ヘキサン(3000mL)を添加することによって沈殿させた。その固形物を濾過し、真空下に乾燥させると、表題化合物(109.0g、42%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 7.14(s,2H),4.15(q,J=7.1Hz,2H),3.98(q,J=7.0Hz,1H),1.45(d,J=7.0Hz,3H),1.21(t,J=7.1Hz,3H).m/z(ESI):180.1(M-H)
【実施例
【0230】
一般的な方法及び代表的な実施例
方法A(Pd-触媒作用によるBr-Sカップリング)
実施例1:4-(N-(2-ヒドロキシエチル)スルファモイル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)ベンズアミド
【化53】
ガラスバイアルに以下のものを充填した:4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(348mg、0.70mmol、中間体38-1)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンビス(二酸化硫黄)アダクト(DABSO)(101mg、0.42mmol、Sigma-Aldrich)、ジアセトキシパラジウム(16mg、0.07mmol、Strem)、rac-((3R,5R,7R)-アダマンタン-1-イル)((3S,5S,7S)-アダマンタン-1-イル)(ブチル)ホスファン(cataCXium(登録商標)A)(38mg、0.11mmol、Strem)、トリエチルアミン(194uL、1.40mmol)、及びiPrOH(3mL)。そのチューブを3minかけて脱気し、密封し、油浴中、80℃で3h加熱した。その不均一な混合物を冷却してRTとし、2-アミノエタン-1-オール(85mg、1.4mmol、Sigma-Aldrich)、それに続けて次亜塩素酸ナトリウム溶液(10重量%、1040mg、1.40mmol、Sigma-Aldrich)を用いて処理し、RTで18h撹拌した。その不均一な混合物に、EtOAc(20mL)及び水(5mL)を添加した。不溶性の固形物を、濾過分離した。その濾過ケークを、2×2mLの水、それに続けて2×4mLのEtOAcを用いて洗浄した。その有機抽出物を合わせて、分離し、濃縮した。その残分を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン中20%~80%EtOAc)により精製すると、4-(N-(2-ヒドロキシエチル)スルファモイル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(106mg、0.19mmol、28%収率)が、淡黄色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 13.04(s,1H),8.26(d,J=8.09Hz,1H),7.91(d,J=7.67Hz,1H),7.77-7.87(m,3H),7.72(d,J=7.26Hz,1H),6.62(d,J=8.09Hz,1H),4.71(t,J=5.08Hz,1H),4.53(t,J=6.01Hz,2H),3.33-3.44(m,2H),3.09(m,4H),2.77-2.93(m,4H),1.73(s,4H),0.39(s,4H).m/z(ESI):(M+H) 543.2.
【0231】
【表15】
【0232】
【表16】
【0233】
【表17】
【0234】
方法B(スルホンの形成)
実施例2:(R)-4-(イソプロピルスルホニル)-N-(6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化54】
DMSO(2mL)の中の、(R)-4-ヨード-N-(6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(89mg、0.17mmol、中間体29)、トリフェニルホスフィン(6mg、0.025mmol、Aldrich、St.Louis、MO、USA)、1,10-フェナントロリン(24mg、0.132mmol、Aldrich、St.Louis、USA)、酢酸パラジウム(ii)(5mg、0.025mmol、Strem Chemicals Inc.、Newburyport、MA、USA)、ギ酸ナトリウム(25mg、0.37mmol、Thermo Fisher Scientific、Grand Island、NY、USA)、及び臭化テトラブチルアンモニウム(59mg、0.18mmol、Aldrich、St.Louis、MO、USA)の混合物を、N下、70℃で3h撹拌した。次いで、その混合物を冷却して室温とし、ヨウ化イソプロピル(0.025mL、0.25mmol、Aldrich、St.Louis、MO、USA)を添加した。次いでその混合物を、室温で18h撹拌した。次いで、その混合物を、水(20mL)を用いて希釈し、次いでEtOAc(2×40mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせて、次いで、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。その残分のクロマトグラフィーによる精製(シリカゲル、0%~30%EtOAc/ヘプタン)により、(R)-4-(イソプロピルスルホニル)-N-(6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(46mg、0.09mmol、36%収率)が、淡黄色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 12.63(s,1H),8.31(d,J=8.22Hz,1H),7.82(d,J=1.37Hz,1H),7.77(dd,J=1.56,8.22Hz,1H),7.57-7.66(m,2H),6.64(d,J=7.83Hz,1H),4.17(br d,J=11.93Hz,1H),4.08(br d,J=12.52Hz,1H),3.93(dd,J=3.33,11.35Hz,1H),3.49-3.67(m,3H),3.37(quin,J=6.65Hz,1H),3.10(br t,J=5.18Hz,4H),2.85(dt,J=3.52,12.32Hz,1H),1.72(br s,4H),1.13-1.28(m,9H),0.39(s,4H).m/z(ESI):513.2(M+H)+.
【0235】
【表18】
【0236】
方法C(SNAr)
実施例3:(R)-N-(6-(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-4-((1-メチルシクロプロパン)-1-スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化55】
DMSO(2mL)の中の、N-(6-フルオロピリジン-2-イル)-4-((1-メチルシクロプロパン)-1-スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.20g、0.44mmol、中間体17)の溶液に、(R)-ピペリジン-3-オール塩酸塩(0.060g、0.44mmol、Essen Scientific)及び三塩基性リン酸カリウム(0.278g、1.31mmol)を添加した。その反応混合物を、130℃で16h撹拌してから、冷却し、水(5mL)を用いて反応停止させ、酢酸エチル(2×10mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせ、食塩水溶液(10mL)を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残分を、ヘキサン中30~50%の酢酸エチルを使用して、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物(0.1g、43%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 12.85(s,1H),10.23(s,1H),8.06(d,J=8.6Hz,1H),7.52(d,J=6.1Hz,2H),7.34(s,1H),7.14(d,J=8.6Hz,1H),6.65-6.34(m,1H),4.78(d,J=4.6Hz,1H),4.13(d,J=11.7Hz,1H),4.05-3.85(m,1H),3.63-3.46(m,1H),3.10-2.74(m,6H),1.99-1.58(m,5H),1.42(d,J=13.8Hz,5H),1.20(s,3H),0.84(d,J=5.6Hz,2H),0.38(s,4H).m/z(ESI):540.2(M+H)+.
【0237】
【表19】
【0238】
【表20】
【0239】
【表21】
【0240】
【表22】
【0241】
方法D(アミドカップリング)
実施例4:(R)-N-(6-(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-4-((メチルスルホニル)メチル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化56】
DMF(3mL)の中の、4-((メチルスルホニル)メチル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(200mg、0.618mmol、中間体14)の溶液に、(R)-1-(6-アミノピリジン-2-イル)ピペリジン-3-オール(0.143g、0.742mmol、中間体4-5)、HATU(353mg、0.928mmol)、及びDIPEA(216μL、1.24mmol)を添加し、室温で12h撹拌した。水(20mL)を用いてその反応混合物を反応停止させ、酢酸エチル(3×20mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせ、食塩水(20mL)を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残分を、ヘキサン中50%の酢酸エチルを使用して、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物(0.20g、65%収率)が、黄色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 13.06(s,1H),8.15-8.13(m,1H),7.58-7.50(m,3H),7.37(d,J=7.8Hz,1H),6.55(d,J=8.2Hz,1H),4.80(dd,J=7.0,3.6Hz,1H),4.59(s,2H),4.13(d,J=12.4Hz,1H),3.94(d,J=12.4Hz,1H),3.60-2.80(m,7H),1.73(b s,4H),1.42(b s,4H),1.42(q,J=6.4Hz,3H),0.39(s,4H).m/z(ESI):499.1(M+H)+.
【0242】
【表23】
【0243】
【表24】
【0244】
【表25】
【0245】
方法E(Cu-触媒作用によるスルホンアミドの形成)
実施例5:4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)ベンズアミド
【化57】
2-ヒドロキシエタン-1-スルホンアミド(0.741g、5.92mmol、Wuxi AppTec)、サルコシン(0.172g、1.93mmol、Ark Pharm、Inc.)、ヨウ化銅(I)(0.241g、1.26mmol、Sigma-Aldrich Corporation)、炭酸カリウム(2.78g、20.1mmol、Thermo Fisher Scientific)及び4-ヨード-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(2.74g、5.02mmol、中間体38)を、アルゴン下で、脱気した乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)の中で組み合わせて、130℃で50min加熱した。その反応液を冷却して周囲温度とし、水(100mL)及び酢酸エチル(150mL)を添加し、それらの相を混合し、分離させた。その有機層を、飽和NHCl:NHOH:HO(1:1:8、2×75mL)を用いて洗浄し、減圧下で蒸発乾固させた。その粗生成物を、トルエン(30mL)の中に懸濁させ、90℃で15min加熱した。混合物を冷却して周囲温度とし、その固形物を濾過分離し、窒素気流下で乾燥させた。その白色の固形物を、水(100mL)の中に懸濁させ、90℃で20min加熱した。その混合物を冷却して周囲温度とし、その固形物を窒素気流下に乾燥させると、4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(2.41g、4.44mmol、88%収率)が得られた。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 13.18(s,1H),10.19(br s,1H),8.08(d,J=8.72Hz,1H),7.91(d,J=7.80Hz,1H),7.76(t,J=7.96Hz,1H),7.29(d,J=1.99Hz,1H),7.14(dd,J=2.07,8.64Hz,1H),6.57(d,J=7.96Hz,1H),4.93(br s,1H),4.52(t,J=6.12Hz,2H),3.77(t,J=6.43Hz,2H),3.37(t,J=6.43Hz,2H),3.00(br t,J=4.74Hz,4H),2.80-2.87(m,2H),1.74(br s,4H),0.39(s,4H).m/z(ESI):543.2.2(M+H)
【0246】
実施例6:N-(6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化58】
DMF(20mL)の中の、4-ブロモ-N-(6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(1.0g、1.9mmol、中間体27)、2-スルファモイル酢酸メチル(0.361g、2.89mmol、Wuxi AppTec)、リン酸カリウム(1.23g、5.78mmol)、(1R,2R)-N1,N2-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(0.137g、0.963mmol)、及びヨウ化銅(I)(0.183g、0.963mmol)の混合物を、90℃で16h加熱した。次いで、その反応混合物を、セライトのプラグを通過させて濾過した。その濾液を、EtOAcを用いて希釈し、水、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その残分を、石油エーテル中でEtOAcを0%から40%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、N-(6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.580g、1.02mmol、53%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 12.85(s,1H),8.04(d,J=8.6Hz,1H),7.51(s,1H),7.23(d,J=2.2Hz,1H),7.09(dd,J=8.7,2.1Hz,1H),6.56(s,1H),3.74(dt,J=12.5,6.2Hz,6H),2.97(t,J=5.2Hz,4H),2.26(s,3H),1.99(tt,J=13.6,5.4Hz,3H),1.79(s,4H),1.60(br s,4H),0.38(s,4H).m/z(ESI):564.2(M+H)
【0247】
【表26】
【0248】
【表27】
【0249】
【表28】
【0250】
【表29】
【0251】
【表30】
【0252】
実施例8-1:(R)-4-((2-ヒドロキシ-1-メチルエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、及び実施例8-2:(S)-4-((2-ヒドロキシ-1-メチルエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)ベンズアミド
【化59】
ステップ1:
DMF(10mL)の中の、4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(0.63g、1.3mmol、中間体38-1)、2-スルファモイルプロパン酸エチル(0.275g、1.52mmol、中間体40)、三塩基性リン酸カリウム(0.537g、2.53mmol)、(1R,2R)-N1,N2-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(0.090g、0.63mmol)、及びヨウ化銅(0.241g、1.26mmol)の混合物を、90℃で16h加熱した。次いで、その反応混合物を濾過し、EtOAcを用いて希釈し、水、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中でEtOAcを0%から50%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、2-(N-(3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-4-((6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)カルバモイル)フェニル)スルファモイル)プロパン酸エチル(0.56g、0.94mmol、74%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 13.19(s,1H),10.68(s,1H),8.09(d,J=8.7Hz,1H),7.91(d,J=7.9Hz,1H),7.77(t,J=7.9Hz,1H),7.32(d,J=2.2Hz,1H),7.16(dd,J=8.6,2.2Hz,1H),6.58(d,J=8.0Hz,1H),4.51(t,J=6.1Hz,2H),4.32(q,J=6.9Hz,1H),4.07(qd,J=7.1,5.2Hz,2H),3.00(d,J=5.0Hz,4H),2.84(qt,J=11.5,6.0Hz,2H),1.74(s,4H),1.49(d,J=6.9Hz,3H),1.14(t,J=7.1Hz,3H),0.39(s,4H).m/z(ESI):598.8(M+H)
【0253】
ステップ-2:
THF(12mL)の中の、2-(N-(3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-4-((6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)カルバモイル)フェニル)スルファモイル)プロパン酸エチル(0.56g、0.94mmol)の溶液に、LiBH(1.871mL、3.74mmol)を-78℃で添加した。次いで、その反応混合物を、2hかけて徐々に温めて室温としてから、NHCl(20mL)の飽和溶液を用いて反応停止させ、EtOAc(2×25mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせて、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中でEtOAcを0%から50%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、4-((2-ヒドロキシ-1-メチルエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(0.45g、0.81mmol、86%収率)が、白色の固形物として得られた。m/z(ESI):557.2(M+H)。そのラセミ混合物を、SFCによるキラル分離にかけた(使用カラム-Lux A1(250×21.2mm、5μm)、移動相:80:20(A:B)、A=液化CO、B=メタノール、流速:80mL/min)。
【0254】
実施例8-1:(R)-4-((2-ヒドロキシ-1-メチルエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)ベンズアミド。第一溶出ピーク。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 13.18(s,1H),10.22(s,1H),8.07(d,J=8.6Hz,1H),7.90(d,J=7.8Hz,1H),7.76(t,J=8.0Hz,1H),7.31(d,J=2.2Hz,1H),7.16(dd,J=8.6,2.1Hz,1H),6.57(dd,J=8.1,0.8Hz,1H),5.03(s,1H),4.51(t,J=6.1Hz,2H),3.85(dd,J=11.1,4.4Hz,1H),3.49(dd,J=11.1,7.6Hz,1H),3.30(m,1H),2.87-3.24(m,4H),2.83(tt,J=11.5,6.0Hz,2H),1.74(br s,4H),1.30(d,J=6.9Hz,3H),0.39(s,4H).m/z(ESI):557.1(M+H)
【0255】
実施例8-2:(S)-4-((2-ヒドロキシ-1-メチルエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)ベンズアミド。第二溶出ピーク。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 13.18(s,1H),10.22(s,1H),8.07(d,J=8.6Hz,1H),7.78-8.03(m,1H),7.75(d,J=7.9Hz,1H),7.31(d,J=2.2Hz,1H),7.16(dd,J=8.7,2.2Hz,1H),6.57(d,J=8.0Hz,1H),5.03(s,1H),4.51(t,J=6.0Hz,2H),3.85(dd,J=11.1,4.4Hz,1H),3.48-3.57(m,2H),3.30(td,J=6.9,4.3Hz,1H),2.99(t,J=5.3Hz,4H),2.82(tt,J=11.4,5.9Hz,2H),1.74(br s,4H),1.29(d,J=6.9Hz,3H),0.39(s,4H).m/z(ESI):557.1(M+H)
【0256】
その立体化学は、任意にアサインした。
【0257】
【表31】
【0258】
【表32】
【0259】
【表33】
【0260】
実施例10:N-(6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-イル)-4-((1-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン)-1-スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化60】
ステップ1:
DCM(50mL)中の、ビス(4-メトキシベンジル)アミン(8.95g、34.8mmol)の溶液に、DIPEA(6.06mL、43.5mmol)及び2-(クロロスルホニル)酢酸メチル(5.0g、29mmol)を0℃で添加した。その反応混合物を、室温で16h撹拌してから、氷水を用いて反応停止させ、DCMを用いて抽出した。その有機層を、重炭酸ナトリウム飽和水溶液、水、そして食塩水を用いて洗浄した。その有機抽出物を、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中15%酢酸エチルのグラジエントで使用したフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、2-(N,N-ビス(4-メトキシベンジル)スルファモイル)酢酸メチル(5.5g、14mmol、48%収率)が、淡黄色のゴム状物質として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 7.14(d,J=8.4Hz,4H),6.86(d,J=8.4Hz,4H),4.31(s,2H),4.25(s,4H),3.73(s,6H),3.70(s,3H).m/z(ESI):392.1(M-H)
【0261】
ステップ2:
DMF(5mL)の中の、2-(N,N-ビス(4-メトキシベンジル)スルファモイル)酢酸メチル(1.0g、2.5mmol)、KCO(1.054g、7.62mmol)及び1,2-ジブロモエタン(0.716g、3.81mmol)の混合物を、65℃で16h撹拌した。氷水を用いて、その反応混合物を反応停止させ、EtOAcを用いて抽出した。その有機抽出物を、水及び食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中5%酢酸エチルのグラジエントで使用したフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、1-(N,N-ビス(4-メトキシベンジル)スルファモイル)シクロプロパン-1-カルボン酸メチル(750mg、1.79mmol、70%収率)が、淡黄色のゴム状物質として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ ppm 7.04-7.21(m,4H),6.83-6.94(m,4H),4.32(s,4H),3.72(s,6H),3.69(s,3H),1.67(q,J=4.8,3.6Hz,2H),1.56(q,J=5.7,4.8Hz,2H).
【0262】
ステップ3:
1-(N,N-ビス(4-メトキシベンジル)スルファモイル)シクロプロパン-1-カルボン酸メチル(2.33g、5.55mmol)、TFA(23mL)及びアニソール(3.03mL、27.8mmol)の混合物を、室温で16h撹拌した。その反応混合物を濃縮し、その濃縮物を、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液を用いて処理し、ジクロロメタンを用いて抽出した。その有機抽出物を、水及び食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中50%酢酸エチルのグラジエントで使用したフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、1-スルファモイルシクロプロパン-1-カルボン酸メチル(0.59g、3.3mmol、59%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 7.08(br s,2H),3.70(s,3H),1.48-1.52(m,4H).m/z(ESI):180.0(M+H)
【0263】
ステップ4:
DMF(3mL)の中の、4-ブロモ-N-(2-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-6-メチルピリジン-4-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.20g、0.38mmol、中間体27)、1-スルファモイルシクロプロパン-1-カルボン酸メチル(0.103g、0.578mmol)、ヨウ化銅(I)(0.073g、0.38mmol)、三塩基性リン酸カリウム(0.163g、0.770mmol)、(1R,2R)-N1,N2-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(0.027g、0.19mmol)の混合物を、90℃で16h加熱した。次いで、その反応物を、セライトのプラグを通過させて濾過し、そしてその濾液を、EtOAcを用いて希釈し、水及び食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中でEtOAcを28%から35%までグラジエントさせて使用させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、1-(N-(4-((6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルファモイル)シクロプロパン-1-カルボン酸メチル(0.15g、0.24mmol、63.1%収率)が、白色の固形物として得られた。m/z(ESI):618.2(M+H)
【0264】
ステップ5:
THF(8mL)の中の、1-(N-(4-((6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルファモイル)シクロプロパン-1-カルボン酸メチル(0.150g、0.243mmol)の溶液に、-78℃で、水素化ホウ素リチウム(0.486mL、0.971mmol)を添加した。その反応混合物を徐々に温めて、2hかけて室温としてから、塩化アンモニウムの飽和水溶液を用いて反応停止させ、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機層を、水及び食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中でEtOAcを40%から45%までグラジエントさせる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、N-(6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-イル)-4-((1-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン)-1-スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.090g、0.15mmol、63%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 12.89(s,1H),10.13(s,1H),8.04(d,J=8.6Hz,1H),7.51(s,1H),7.32(d,J=2.2Hz,1H),7.13(dd,J=8.6,2.1Hz,1H),6.57(s,1H),4.98(t,J=6.2Hz,1H),3.55-3.86(m,6H),2.96(s,4H),2.26(s,3H),1.98(q,J=8.7,7.5Hz,4H),1.65-1.75(m,4H),1.06-1.19(m,2H),0.93-1.06(m,2H),0.39(s,4H).m/z(ESI):590.2(M+H)
【0265】
【表34】
【0266】
方法E(Cu-触媒作用によるスルホンアミドの形成と、それに続く還元)
実施例11:N-(6-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化61】
ステップ1:
DMF(4mL)の中の、4-ブロモ-N-(6-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.17g、0.35mmol、中間体39)、2-スルファモイル酢酸メチル(0.079g、0.52mmol)、ヨウ化銅(I)(0.066g、0.35mmol)、三塩基性リン酸カリウム(0.147g、0.692mmol)、(1R,2R)-N1,N2-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(0.025g、0.17mmol)の混合物を、90℃で16h加熱した。次いで、その反応混合物を、セライトのプラグを通過させて濾過した。その濾液を、EtOAcを用いて希釈し、水及び食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中でEtOAcを0%から30%までグラジエントさせる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、2-(N-(4-((6-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルファモイル)酢酸メチル(0.16g、0.28mmol、82%収率)が、半固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ ppm 13.12(br s,1H),10.65(s,1H),8.07(dd,J=8.6,1.8Hz,1H),7.57(s,1H),7.28(t,J=2.0Hz,1H),7.15(dt,J=8.6,2.0Hz,1H),6.19(s,1H),4.32-4.46(m,6H),3.64(s,3H),2.98(t,J=5.0Hz,4H),2.28(s,3H),1.76(br s,4H),0.39(s,4H).m/z(ESI):564.2(M+H)
【0267】
ステップ2:
THF(3.2mL)の中の、2-(N-(4-((6-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルファモイル)酢酸メチル(0.16g、0.28mmol)の溶液に、THF中2Mの水素化ホウ素リチウムの溶液(0.284mL、0.568mmol)を、0℃で、滴下により添加した。その反応混合物を徐々に温めて、1hかけて室温としてから、塩化アンモニウムの飽和水溶液を用いて反応停止させ、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機層を、水及び食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、水中0~60%のアセトニトリルのグラジエントを使用した、逆相カラムクロマトグラフィーにより精製すると、N-(6-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.095g、0.18mmol、62%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 13.08(s,1H),10.20(s,1H),8.05(d,J=8.6Hz,1H),7.56(s,1H),7.26(d,J=2.2Hz,1H),7.12(dd,J=8.6,2.2Hz,1H),6.18(s,1H),4.93(br s,1H),4.36(t,J=12.4Hz,4H),3.75(q,J=6.0Hz,2H),3.35(t,J=6.5Hz,2H),2.96(t,J=5.3Hz,4H),2.27(s,3H),1.74(br s,4H),0.38(s,4H).m/z(ESI):564.2(M+H)
【0268】
実施例12-1及び12-2:2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-4-(S-シクロプロピルスルホンイミドイル)-N-(6-((2R)-2-メチル-4-モルホリニル)-2-ピリジニル)ベンズアミド、及び2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-4-(R-シクロプロピルスルホンイミドイル)-N-(6-((2R)-2-メチル-4-モルホリニル)-2-ピリジニル)ベンズアミド
【化62】
ステップ1:
THF(20mL)の中の、(R)-4-ブロモ-N-(6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(1.0g、2.1mmol、中間体30)の溶液に、ジブチルマグネシウム(THF中1.0M溶液、1.24mL、1.24mmol)を、0℃で滴下により添加し、10min撹拌した。その反応混合物を冷却して-78℃とし、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M溶液、0.989mL、2.47mmol)を添加し、10min撹拌した。1,2-ジシクロプロピルジスルファン(0.301g、2.06mmol、Wuxi AppTec)を滴下により添加し、室温で2h撹拌した。2NのHCl(20mL)を用いてその反応混合物を反応停止させ、酢酸エチル(2×20mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせ、食塩水(20mL)を用いて洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残分を、ヘキサン中酢酸エチルが30%のグラジエントを用いて溶出させる、Redi-Sepのプレパックしたシリカゲルカラム(40g)を通すフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-4-(シクロプロピルチオ)-N-(6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.90g、91%収率)が、淡黄色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 12.91(s,1H),8.06(d,J=8.4Hz,1H),7.70-7.59(m,2H),7.40-7.26(m,2H),6.61-6.58(m,1H),4.11(dd,J=25.9,12.9Hz,2H),3.93(dd,J=11.5,3.2Hz,1H),3.62-3.55(m,2H),3.03(t,J=5.5Hz,4H),2.83(td,J=12.2,3.4Hz,1H),2.38(dq,J=7.3,3.8,3.2Hz,1H),1.72(s,4H),1.20-1.16(m,6H),0.66-0.62(m,2H),0.38(d,J=1.6Hz,4H).m/z(ESI):479.2(M+H)
【0269】
ステップ2:
ジクロロメタン(10mL)の中の、(R)-4-(シクロプロピルチオ)-N-(6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.90g、1.9mmol)の溶液に、0℃で、m-CPBA(43.3mg、0.188mmol)を添加し、同じ温度で3h撹拌した。10%の重炭酸ナトリウム水溶液(15mL)を用いて、その反応混合物を反応停止させ、DCM(2×20mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせ、食塩水溶液(20mL)を用いて洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残分を、ヘキサン中酢酸エチルが1%~50%のグラジエントを用いて溶出させる、Redi-Sepのプレパックしたシリカゲルカラム(40g)を通すフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、4-(シクロプロピルスルフィニル)-N-(6-((R)-2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(650mg、70%収率)が、淡黄色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ 12.89(s,1H),8.23(d,J=8.3Hz,1H),7.81(dd,J=7.9,4.6Hz,1H),7.57(td,J=8.0,3.3Hz,1H),7.30(dd,J=8.3,1.8Hz,1H),7.25(d,J=1.8Hz,1H),6.42(dd,J=8.2,3.7Hz,1H),4.18-3.95(m,3H),3.81-3.65(m,2H),3.09(q,J=6.3,5.6Hz,4H),2.97(tt,J=12.8,11.7,2.7Hz,1H),2.63(ddd,J=12.7,10.4,1.9Hz,1H),2.23(tt,J=7.3,4.4Hz,1H),1.31-1.27(m,4H),1.19-1.15(m,5H),0.77-0.73(m,2H),0.40(d,J=1.7Hz,4H).m/z(ESI):495.2(M+H)
【0270】
ステップ3:
MeOH(20mL)の中の、4-(シクロプロピルスルフィニル)-N-(6-((R)-2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.65g、1.30mmol)の溶液に、ヨードベンゼンジアセテート(1.27g、3.94mmol)及びカルバミン酸アンモニウム(410mg、5.26mmol)を0℃で添加し、10min経過してから、温めて室温とし、12h撹拌した。水(10mL)を用いてその反応混合物を反応停止させ、酢酸エチル(2×10mL)を用いて抽出した。その有機抽出物を合わせ、食塩水溶液(10mL)を用いて洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残分を、ヘキサン中酢酸エチルが40%のグラジエントを用いて溶出させる、Redi-Sepのプレパックしたシリカゲルカラム(40g)を通すフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、4-(シクロプロパンスルホンイミドイル)-N-(6-((R)-2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(150mg、ラセミ体)が、淡黄色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ 12.67(s,1H),8.45(dd,J=8.3,1.2Hz,1H),7.93(t,J=1.5Hz,1H),7.84(dt,J=8.3,1.5Hz,1H),7.82-7.72(m,1H),7.66-7.56(m,1H),6.46(d,J=8.2Hz,1H),4.22-3.92(m,3H),3.92-3.62(m,2H),3.33-3.11(m,4H),2.99(td,J=12.2,3.5Hz,1H),2.77-2.55(m,2H),2.01-1.69(m,4H),1.47(ddt,J=9.9,7.0,5.0Hz,1H),1.30(dd,J=6.2,1.0Hz,3H),1.28-1.20(m,2H),1.18-1.08(m,1H),1.00(qd,J=8.0,6.0Hz,1H),0.43(d,J=1.1Hz,4H).m/z(ESI):510.2(M+H)
そのラセミ混合物を、SFCによるキラル分離により分離した((S,S)Whelk-01(250×30mm、5μm)カラム使用、移動相:70:30(A:B)、A=液化CO、B=メタノール、流速:70mL/min)。
【0271】
実施例12-1:2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-4-(S-シクロプロピルスルホンイミドイル)-N-(6-((2R)-2-メチル-4-モルホリニル)-2-ピリジニル)ベンズアミド。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 12.64(s,1H),8.44(d,J=8.1Hz,1H),7.93(d,J=1.7Hz,1H),7.83(dd,J=8.3,1.8Hz,1H),7.77(d,J=7.8Hz,1H),7.60(t,J=8.0Hz,1H),6.46(d,J=8.1Hz,1H),4.13-4.01(m,3H),3.80-3.64(m,2H),3.19-3.13(m,4H),2.98(td,J=12.2,3.6Hz,1H),2.67-2.60(m,2H),2.01-1.50(m,3H),1.47(ddt,J=9.7,6.8,4.8Hz,1H),1.32-1.26(m,6H),1.15(qd,J=7.9,4.9Hz,1H),1.05-0.95(m,1H),0.42(s,4H).m/z(ESI):510.2(M+H)
【0272】
実施例12-2:2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-4-(R-シクロプロピルスルホンイミドイル)-N-(6-((2R)-2-メチル-4-モルホリニル)-2-ピリジニル)ベンズアミド。H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ 12.65(s,1H),8.44(d,J=8.2Hz,1H),7.93(d,J=1.7Hz,1H),7.83(dd,J=8.2,1.8Hz,1H),7.77(d,J=7.8Hz,1H),7.59(t,J=8.1Hz,1H),6.45(d,J=8.3Hz,1H),4.13-3.95(m,3H),3.73(dddd,J=17.1,9.9,8.1,5.2Hz,2H),3.19-3.13(m,4H),2.98(td,J=12.3,3.6Hz,1H),2.63(dq,J=10.8,3.9Hz,2H),2.01-1.50(m,3H),1.47(dtd,J=10.2,4.8,2.4Hz,1H),1.32-1.29(m,2H),1.29(d,J=6.2Hz,4H),1.14(ddd,J=10.1,7.9,3.8Hz,1H),0.99(dtd,J=9.0,7.4,4.9Hz,1H),0.42(s,4H).m/z(ESI):510.2(M+H)
【0273】
その立体化学は、任意にアサインした。
【0274】
【表35】
【0275】
実施例14:N-(6-(シクロプロピルメトキシ)ピリジン-2-イル)-4-((1-メチルシクロプロパン)-1-スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化63】
ステップ1:
DCM(50mL)の中の、4-((1-メチルシクロプロパン)-1-スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(5.0g、14mmol、中間体11)の溶液を、DIPEA(7.19mL、41.2mmol)、6-フルオロピリジン-2-アミン(1.84g、16.5mmol)、それに続けてTP(17.46g、27.4mmol、EtOAc中50%、Spectrochem)を用いてrtで処理した。次いで、その反応混合物を16h撹拌してから、水を用いて反応停止させ、DCMを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中でEtOAcを15%から20%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、N-(6-フルオロピリジン-2-イル)-4-((1-メチルシクロプロパン)-1-スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(3.0g、6.5mmol、48%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 13.09(s,1H),10.28(s,1H),8.20(d,J=7.7Hz,1H),8.03(t,J=9.0Hz,2H),7.36(s,1H),7.17(d,J=8.5Hz,1H),6.89(d,J=8.0Hz,1H),2.97(t,J=5.3Hz,4H),1.67(s,4H),1.41(s,3H),1.21(s,2H),0.81-0.89(m,2H),0.41(s,4H).m/z(ESI):459.1(M+H)
【0276】
ステップ2:
DMF(1.5mL)の中の、シクロプロピルメタノール(23.59mg、0.327mmol)の溶液を、0℃、N雰囲気下で、水素化ナトリウム(13.08mg、0.327mmol、鉱油中60%)を用いて処理し、10min撹拌した。次いで、その反応混合物に、DMF(0.5mL)の中の、N-(6-フルオロピリジン-2-イル)-4-((1-メチルシクロプロパン)-1-スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(100mg、0.218mmol)の溶液を添加した。そのようにして得られた溶液を、rtで2h撹拌してから、NHClの飽和水溶液を用いて反応停止させ、EtOAcを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、逆相HPLCによって精製すると、N-(6-(シクロプロピルメトキシ)ピリジン-2-イル)-4-((1-メチルシクロプロパン)-1-スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミドが、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 13.20(s,1H),10.22(br s,1H),8.08(d,J=8.6Hz,1H),7.85(d,J=7.8Hz,1H),7.72(t,J=7.9Hz,1H),7.36(d,J=2.2Hz,1H),7.17(dd,J=8.7,2.2Hz,1H),6.56(d,J=8.0Hz,1H),4.12(d,J=7.2Hz,2H),2.98(d,J=5.3Hz,4H),1.71(br s,4H),1.41(s,3H),1.24-1.35(m,1H),1.17-1.27(m,2H),0.80-0.88(m,2H),0.55-0.64(m,2H),0.39(s,4H),0.28-0.36(m,2H).m/z(ESI):511.2(M+H)
【0277】
実施例15:N-(6-(シクロプロピルメトキシ)ピリジン-2-イル)-4-((1-メチルシクロプロパン)-1-スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化64】
ステップ1:
MeOH(83mL)の中の、6-ヒドロキシピコリン酸(5.0g、36mmol)の溶液に、rtで、HSO(4.79mL、90mmol)を滴下により添加した。次いで、その反応混合物を、還流状態で18h加熱してから、揮発分を蒸発させ、その濃縮物を、NaHCO(100mL)溶液を用いて、徐々に中和させて、pHを7~8に保っった。次いで、その反応混合物を、CHClを用いて抽出した。その有機層を、水及び食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテルを用いてトリチュレートすると、6-ヒドロキシピコリン酸メチル(4.2g、27mmol、76%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 11.54(s,1H),7.64(dd,J=8.9,7.0Hz,1H),7.16(dd,J=7.0,1.0Hz,1H),6.73(dd,J=8.9,1.0Hz,1H),3.84(s,3H).m/z(ESI):154.1(M+H)
【0278】
ステップ2:
アセトニトリル(25mL)の中の、6-ヒドロキシピコリン酸メチル(1.0g、6.4mmol)及び2-クロロ-2,2-ジフルオロ酢酸ナトリウム(1.971g、12.93mmol、TCI India)の溶液を、85℃で72h加熱した。次いで、その反応混合物を冷却してrtとし、蒸発乾固させると、6-(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸メチル(2.1g、6.3mmol、98%収率)が黄色の油状物として得られたが、さらなる精製をすることなく、それを次のステップで使用した。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 8.12(ddd,J=11.3,6.7,2.7Hz,1H),7.92-7.97(m,1H),7.50-7.91(m,1H),7.34-7.42(m,1H),3.89(s,3H).m/z(ESI):204.1(M+H)
【0279】
ステップ3:
THF(90mL)の中の、6-(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸メチル(2.0g、5.9mmol)の溶液に、LiOH(11.81mL、23.63mmol、HO中2M溶液)を添加した。その反応混合物を、rtで16h撹拌してから、1NのHClを用いて(pH=2~3)、反応停止させ、CHClを用いて抽出した。その有機層を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、6-(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸が、淡黄色の固形物として得られたが、それを、精製することなく、次のステップで使用した。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ ppm 13.34(s,1H),8.02-8.19(m,1H),7.91(d,J=7.4Hz,1H),7.79(t,J=72.6Hz,1H),7.34(d,J=8.2Hz,1H).m/z(ESI):190.0(M+H)
【0280】
ステップ4:
tert-ブタノール(2.5mL)及びトルエン(28mL)の混合物の中の、6-(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸(0.80g、4.1mmol)の溶液に、rt、N雰囲気下で、EtN(2.30mL、16.51mmol)、それに続けてジフェニルホスホルアジデート(1.31mL、6.19mmol)を添加した。その反応混合物を、100℃で16h加熱してから、NaHCO水溶液(100mL)を用いて中和し、EtOAc(2×50mL)を用いて抽出した。その有機層を合わせて、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中でEtOAcを2%から5%までグラジエントさせる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(0.51g、1.9mmol、47%収率)が、淡黄色の油状物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 9.85(s,1H),7.83(t,J=8Hz,1H),7.73-7.36(m,2H),6.66(d,J=12Hz,1H),1.47(s,9H).m/z(ESI):204.1(M-Bu),161.1(M-Boc)
【0281】
ステップ5:
1,4-ジオキサン(3.0mL)の中の、(6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(0.50g、1.9mmol)の溶液に、rtで5minかけて、ジオキサン中の4.0MのHCl(9.98mL、39.9mmol)を添加した。その反応混合物を6h撹拌してから、NaHCO溶液(100mL)の飽和水溶液を用いて反応停止させ、CHClを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-2-アミン(0.31g、1.8mmol、95%収率)がオレンジ色の油状物として得られたので、それを、精製することなく、次のステップで使用した。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ ppm 7.21-7.79(m,2H),6.23(d,J=7.7Hz,3H),6.05(d,J=7.7Hz,1H).m/z(ESI):161.1(M+H)
【0282】
ステップ6:
DCM(5.0mL)の中の、4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(0.40g、1.3mmol、中間体9-1)の溶液に、rtで、DIPEA(0.676mL、3.87mmol)、それに続けてTP(2.28mL、3.87mmol、酢酸エチル中50%)を添加し、15min撹拌した。次いで、その反応混合物に、ジクロロメタン(2.0mL)中の6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-2-アミン(0.327g、1.93mmol)の溶液を添加した。そのようにして得られた混合物を、rtで16h撹拌してから、水(50mL)を用いて反応停止させ、CHClを用いて抽出した。その有機層を合わせて、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中でEtOAcを0%から17%までグラジエントさせる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、4-ブロモ-N-(6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.30g、0.62mmol、48%収率)が、淡黄色のゴム状の液状物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ ppm 13.45(s,1H),7.92-8.17(m,3H),7.70-7.80(m,1H),7.57(d,J=6.7Hz,2H),6.84(d,J=7.9Hz,1H),3.05(t,J=5.3Hz,4H),1.69(s,4H),0.38(s,4H).m/z(ESI):452.0,454.0(M+H)
【0283】
ステップ7:
DMF(3.0mL)中の、4-ブロモ-N-(6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.30g、0.66mmol)、2-ヒドロキシエタン-1-スルホンアミド(0.125g、0.995mmol)、リン酸カリウム(0.422g、1.99mmol)、(1R,2R)-N1,N2-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(0.094g、0.66mmol)、及びヨウ化銅(I)(0.126g、0.663mmol)の混合物を、90℃で16h加熱した。その反応混合物を、セライトのプラグを通過させて濾過し、その濾液を、EtOAcを用いて希釈した。その有機層を、水、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中でEtOAcを5%から44%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、N-(6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.18g、0.36mmol、54%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 13.50(s,1H),10.26(s,1H),8.11(t,J=8.0Hz,2H),7.96(t,J=8.0Hz,1H),7.30(d,J= 2.2Hz,1H),7.16(dd,J=8.7,2.2Hz,1H),6.81(d,J=8.0Hz,1H),4.96(t,J=5.6Hz,1H),3.77(q,J=6.0Hz,2H),3.38(d,J=6.4Hz,2H),2.99(t,J=5.5Hz,4H),1.72(br s,4H),0.40(s,4H).m/z(ESI):497.1(M+H)
【0284】
実施例16:N-(6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)ピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化65】
ステップ1:
THF(100mL)の中の、2-ヒドロキシ酢酸エチル(5.0g、48mmol、Combi-Blocks)の溶液に、メチルクロロマグネシウム(48.0mL、THF中3.0M、144mmol)を添加し、その反応混合物を、0℃で30min撹拌した。その反応混合物を、飽和NHCl水溶液を用いて反応停止させ、EtOAcを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、2-メチルプロパン-1,2-ジオール(2.3g、26mmol、53%収率)が、淡黄色の油状物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ ppm 4.49(t,J=5.8Hz,1H),4.10(br s,1H),3.12-3.16(m,2H),1.03(s,6H).
【0285】
ステップ2:
ジオキサン(7mL)の中の、6-フルオロピリジン-2-アミン(0.700g、6.24mmol)及び2-メチルプロパン-1,2-ジオール(0.844g、9.37mmol)の溶液に、rtで、NaH(鉱油中60%、0.749g、18.7mmol)を添加した。その反応混合物を、80℃で4h撹拌し、冷却してrtとし、飽和NHCl水溶液を用いて反応停止させ、EtOAcを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを10%から80%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、1-((6-アミノピリジン-2-イル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-オール(0.60g、3.3mmol、53%収率)が、オレンジ色の油状物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 7.25-7.29(m,1H),5.97(d,J=7.8Hz,1H),5.87(d,J=7.8Hz,1H),5.82(s,2H),4.56(s,1H),3.88(s,2H),1.15(s,6H).m/z(ESI):183.2(M+H)
【0286】
ステップ3:
DCM(3mL)中の、4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(0.30g、0.97mmol、中間体9-1)、DIPEA(0.203mL、1.16mmol)、TP(酢酸エチル中50%、0.691mL、1.16mmol)、及び1-((6-アミノピリジン-2-イル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-オール(0.211g、1.16mmol)の混合物を、室温で4h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを5%から30%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると4-ブロモ-N-(6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.20g、0.42mmol、44%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 13.08(s,1H),8.05(d,J=8.4Hz,1H),7.85(d,J=7.8Hz,1H),7.69-7.76(m,2H),7.55-7.59(m,1H),6.59(d,J=8.0Hz,1H),4.60(s,1H),4.06(s,2H),3.06(t,J=5.3Hz,4H),1.73(br s,4H),1.22(s,6H),0.39(s,4H).m/z(ESI):476.1(M+H)
【0287】
ステップ4:
DMF(4mL)の中の、4-ブロモ-N-(6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.27g、0.57mmol)、2-スルファモイル酢酸メチル(0.131g、0.854mmol)、リン酸カリウム(0.302g、1.42mmol)、(1R,2R)-N1,N2-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(0.040g、0.28mmol)、及びヨウ化銅(I)(0.108g、0.569mmol)の混合物を、90℃で16h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして、石油エーテル中で酢酸エチルを10%から80%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、2-(N-(4-((6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルファモイル)酢酸メチル(0.25g、0.46mmol、80%収率)が、淡黄色の油状物として得られた。m/z(ESI):547.2(M+H)
【0288】
THF(3.75mL)の中の、2-(N-(4-((6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルファモイル)酢酸メチル(0.24g、0.44mmol)の溶液に、-30℃で、LiBH(0.439mL、0.878mmol)を添加し、そのようにして得られた混合物を、室温で2h撹拌した。その反応混合物を、飽和NHCl水溶液を用いて反応停止させ、EtOAcを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを30%から90%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、N-(6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)ピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.091g、0.18mmol、40%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 13.10(br s,1H),8.07(d,J=8.7Hz,1H),7.84(d,J=7.6Hz,1H),7.72(t,J=7.9Hz,1H),7.28(d,J=2.2Hz,1H),7.12(dd,J=8.6,2.1Hz,1H),6.55(d,J=8.0Hz,1H),4.58(s,1H),4.05(s,2H),3.76(t,J=6.5Hz,2H),3.35(t,J=6.5Hz,2H),2.99(t,J=5.2Hz,4H),1.75(br s,4H),1.21(s,6H),0.39(s,4H).m/z(ESI):519.2(M+H)
【0289】
【表36】
【0290】
【表37】
【0291】
実施例17:4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-N-(4-メチル-6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化66】
ステップ1:
1,4-ジオキサン(10mL)の中の、3,3,3-トリフルオロプロパン-1-オール(0.550g、4.83mmol)の溶液に、10℃で、水素化ナトリウム(0.386g、9.64mmol、油中60%)を添加し、室温で30min撹拌した。その反応混合物に、ジオキサン(4mL)中の2-ブロモ-6-フルオロ-4-メチルピリジン(0.61g、3.2mmol、Combi-Blocks)の溶液を添加した。そのようにして得られた溶液を、室温で2h撹拌してから、氷冷水を用いて反応停止させ、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを0%から4%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、2-ブロモ-4-メチル-6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン(0.76g、85%収率)が、透明な油状物として得られた。H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ ppm 6.96(s,1H),6.53(s,1H),4.51-4.56(m,2H),2.56-2.66(m,2H),2.29(s,3H).m/z(ESI):284.0(M+H)
【0292】
ステップ2:
1,4-ジオキサン(14mL)の中の、2-ブロモ-4-メチル-6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン(0.71g、2.5mmol)、(4-メトキシフェニル)メタンアミン(0.514g、3.75mmol)、炭酸セシウム(2.443g、7.50mmol)、xantphos(0.289g、0.500mmol)、及びPd(dba)(0.023g、0.025mmol)の混合物を、100℃で16h撹拌した。その反応混合物を、セライトベッドを通過させて濾過し、その濾液を、水、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中6%酢酸エチルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、N-(4-メトキシベンジル)-4-メチル-6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-アミン(0.65g、1.91mmol、76%収率)が、黄色の固形物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 7.23(d,J=8.7Hz,2H),6.94(t,J=5.9Hz,1H),6.82-6.90(m,2H),5.89(s,1H),5.71(s,1H),4.33(t,J=6.1Hz,4H),3.71(s,3H),2.56-2.66(m,2H),2.07(s,3H).m/z(ESI):341.1(M+H)
【0293】
ステップ3:
ジクロロメタン(3mL)の中の、N-(4-メトキシベンジル)-4-メチル-6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-アミン(0.30g、0.88mmol)、アニソール(0.193mL、1.76mmol)、TFA(1.5mL、19mmol)の溶液を、55℃で1.5h撹拌した。次いで、その反応混合物を濃縮し、その残分を、水の中に溶解させ、10%重炭酸ナトリウムを用いてpH約8の塩基性とし、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを10%から20%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、4-メチル-6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-アミン(0.16g、0.73mmol、82%収率)が、黄色の油状物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 5.88(s,1H),5.74(s,1H),4.30(t,J=6.1Hz,2H),2.60-2.68(m,2H),2.05(s,3H).m/z(ESI):221.1(M+H)
【0294】
ステップ4:
1,2-ジメトキシエタン(4mL)の中の、4-メチル-6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-アミン(0.16g、0.73mmol)、4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(0.270g、0.872mmol、中間体9-1)、EtN(0.304mL、2.18mmol)及びTP(酢酸エチル中50%溶液、1.386g、2.180mmol)の混合物を、80℃で16h加熱した。その反応混合物を、氷冷水を用いて反応停止させ、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを0%から8%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、4-ブロモ-N-(4-メチル-6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.20g、0.39mmol、54%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 13.04(s,1H),8.02(d,J=8.5Hz,1H),7.77(s,1H),7.68(d,J=2.0Hz,1H),7.56(dd,J=8.4,1.9Hz,1H),6.45(s,1H),4.49(t,J=6.1Hz,2H),3.05(t,J=5.3Hz,4H),2.82(dt,J=11.5,5.8Hz,2H),2.31(s,3H),1.66-1.78(m,4H),0.37(s,4H).m/z(ESI):512.1(M+H)
【0295】
ステップ5:
DMF(3mL)の中の、4-ブロモ-N-(4-メチル-6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.20g、0.39mmol)、2-ヒドロキシエタン-1-スルホンアミド(0.073g、0.59mmol)、三塩基性リン酸カリウム(0.166g、0.781mmol)、ヨウ化銅(I)(0.074g、0.39mmol)及び(1R,2R)-N,N’-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン(0.028g、0.20mmol)の混合物を、95℃で16h撹拌した。その反応混合物を、氷冷水を用いて反応停止させ、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして水中65%アセトニトリルのグラジエントを使用した逆相カラムクロマトグラフィーによって精製すると、4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-N-(4-メチル-6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.166g、0.298mmol、76%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 13.09(s,1H),10.21(br s,1H),8.06(d,J=8.6Hz,1H),7.78(s,1H),7.27(d,J=2.1Hz,1H),7.13(dd,J=8.6,2.1Hz,1H),6.42(s,1H),4.96(br s,1H),4.49(t,J=6.1Hz,2H),3.76(t,J=6.4Hz,2H),3.38-3.40(m,2H),2.96-3.20(m,4H),2.76-2.88(m,2H),2.31(s,3H),1.60-1.80(m,4H),0.38(s,4H).m/z(ESI):557.2(M+H)
【0296】
【表38】
【0297】
実施例18:4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-N-(5-メチル-6-モルホリノピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化67】
ステップ1:
DMF(15mL)の中の、4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸ベンジル(1.0g、2.5mmol、中間体9-4)、2-スルファモイル酢酸エチル(0.626g、3.75mmol)、リン酸カリウム(1.06g、5.00mmol)、ヨウ化銅(I)(0.476g、2.50mmol)、(1R,2R)-N1,N2-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(0.178g、1.25mmol)の混合物を、90℃で16h加熱した。次いで、その反応混合物を、セライトのプラグを通過させて濾過し、そしてその濾液を、EtOAcを用いて希釈し、水、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中でEtOAcを0%から25%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、4-((2-エトキシ-2-オキソエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸ベンジル(0.75g、1.5mmol、53%収率)が、オレンジ色の油状物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 10.45(s,1H),7.64(d,J=8.5Hz,1H),7.29-7.48(m,5H),6.93(d,J=2.1Hz,1H),6.79(dd,J=8.5,2.0Hz,1H),5.28(s,2H),4.31(s,2H),4.05(dq,J=19.5,7.1Hz,2H),2.94(t,J=5.3Hz,4H),1.37(t,J=5.3Hz,4H),1.16(dt,J=11.2,7.1Hz,3H),0.28(s,4H).m/z(ESI):487.2(M+H)
【0298】
ステップ2:
酢酸エチル(3mL)及びメタノール(6mL)の中の、4-((2-エトキシ-2-オキソエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸ベンジル(0.55g、1.1mmol)の溶液に、パラジウム/カーボン(10%、0.28g、0.26mmol)を添加し、水素雰囲気下(1気圧)での撹拌を2h続けた。次いで、その反応混合物を、セライトベッドを通過させて濾過し、メタノール(150mL)を用いて洗浄した。その濾液を濃縮し、EtOを用いてトリチュレートすると、4-((2-エトキシ-2-オキソエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(0.55g、1.4mmol、90%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 10.69(s,1H),7.93(d,J=8.6Hz,1H),7.31(d,J=2.1Hz,1H),7.12(dd,J=8.7,2.1Hz,1H),4.31(s,2H),4.07(q,J=7.1Hz,2H),3.00(t,J=5.4Hz,4H),1.57(s,4H),1.14(t,J=7.1Hz,3H),0.42(s,4H).m/z(ESI):397.1(M+H)
【0299】
ステップ3:
DMF(3mL)の中の、5-メチル-6-モルホリノピリジン-2-アミン(45.0mg、0.232mmol、中間体8)の溶液に、室温で、4-((2-エトキシ-2-オキソエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(92mg、0.23mmol)、DIPEA(48.8μL、0.279mmol)、及びHATU(106mg、0.279mmol)を添加した。次いで、その反応混合物を12h撹拌してから、水を用いて反応停止させ、EtOAcを用いて抽出した。その有機層を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中15%酢酸エチルを用いて溶出させるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、2-(N-(4-((5-メチル-6-モルホリノピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルファモイル)酢酸エチル(50mg、0.087mmol、38%収率)が、淡黄色の固形物として得られた。m/z(ESI):572.2(M+H)
【0300】
ステップ4:
THF(10mL)の中の、2-(N-(4-((5-メチル-6-モルホリノピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルファモイル)酢酸エチル(50mg、0.087mmol)の溶液に、0℃で、水素化ホウ素リチウム(65.6μL、0.131mmol、THF中2M)を添加した。次いで、その反応混合物を、rtで3h撹拌してから、塩化アンモニウムの飽和水溶液を用いて反応停止させ、EtOAcを用いて抽出した。その有機層を合わせて、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中30%酢酸エチルを用いて溶出させるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-N-(5-メチル-6-モルホリノピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(30mg、0.057mmol、64.8%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 13.10(d,J=5.4Hz,1H),10.21(s,1H),8.08(dd,J=9.6,3.7Hz,1H),7.83(t,J=6.8Hz,1H),7.55(dd,J=9.2,4.2Hz,1H),7.26(d,J=5.4Hz,1H),7.13(dd,J=8.7,2.3Hz,1H),4.95(s,1H),3.75(m,6H),3.11(q,J=4.4Hz,4H),2.97(d,J=6.6Hz,4H),2.69(d,J=2.9Hz,2H),2.22(s,3H),1.77(br s,4H),0.38(d,J=5.7Hz,4H).m/z(ESI):530.2(M+H)
【0301】
実施例19:(R)-N-(4-シクロプロピル-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化68】
ステップ1:
1,4-ジオキサン(10mL)中の、2,6-ジクロロ-4-ヨードピリジン(1.8g、6.6mmol、Combi-Blocks)、シクロプロピルボロン酸(0.565g、6.57mmol、Combi-Blocks)、炭酸カリウム(0.908g、6.57mmol)、及びXphos-Pd-G3(0.278g、0.329mmol、Strem chemicals)の混合物を、100℃で3h撹拌した。その反応混合物を、セライトベッドを通過させて濾過した。その濾液を濃縮し、その残分を、ジエチルエーテルを用いてトリチュレートすると、2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルピリジン(0.95g、5.0mmol、77%収率)が、褐色の半固形物として得られた。
【0302】
ステップ2:
DMSO(9mL)の中の、2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルピリジン(0.90g、4.8mmol)及び(R)-2-メチルモルホリン塩酸塩(0.988g、7.18mmol、Suzhou chemicals)及びCsF(2.91g、19.1mmol)の混合物を、145℃で16h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを5%から50%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-4-(6-クロロ-4-シクロプロピルピリジン-2-イル)-2-メチルモルホリン(1.1g、4.4mmol、91%収率)が、オレンジ色の油状物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 6.50(s,1H),6.39(s,1H),3.84-4.11(m,4H),3.50(dt,J=11.7,2.6Hz,2H),2.78(td,J=12.3,3.5Hz,1H),1.87(td,J=8.5,4.3Hz,1H),1.15(d,J=6.2Hz,3H),0.98(dt,J=8.4,3.3Hz,2H),0.78-0.85(m,2H).m/z(ESI):253.1(M+H)
【0303】
ステップ3:
ジオキサン(15mL)の中の、(R)-4-(6-クロロ-4-シクロプロピルピリジン-2-イル)-2-メチルモルホリン(1.0g、4.0mmol)、(4-メトキシフェニル)メタンアミン(0.775mL、5.93mmol)、CsCO(2.58g、7.91mmol)、BINAP(0.246g、0.396mmol)、及び酢酸パラジウム(II)(0.089g、0.40mmol)の混合物を、100℃で16h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを5%から40%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-4-シクロプロピル-N-(4-メトキシベンジル)-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-アミン(1.2g、3.4mmol、86%収率)が、オレンジ色の油状物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 7.15-7.28(m,2H),6.74-6.92(m,2H),6.48(t,J=6.0Hz,1H),5.61(s,1H),5.54(s,1H),4.29(d,J=6.0Hz,2H),3.79-4.06(m,4H),3.71(s,3H),3.40-3.52(m,2H),2.26-2.36(m,1H),1.63(td,J=8.0,4.0Hz,1H),1.11(d,J=6.2Hz,3H),0.80-0.89(m,2H),0.58-0.66(m,2H).m/z(ESI):354.2(M+H)
【0304】
ステップ4:
ジクロロメタン(20mL)の中の、(R)-4-シクロプロピル-N-(4-メトキシベンジル)-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-アミン(1.0g、2.8mmol)及びHSO(1.51mL、28.3mmol)の混合物を、室温で2h撹拌した。その反応混合物を、1NのNaOHを用いて塩基性とし(pH=9)、EtOAcを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、(R)-4-シクロプロピル-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-アミンが、褐色の粘着性のある液体として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 5.64-5.78(m,1H),5.52(d,J=2.4Hz,1H),5.39(br s,2H),4.00(d,J=12.6Hz,1H),3.81-3.94(m,2H),3.46-3.52(m,2H),2.62(td,J=12.3,3.3Hz,1H),2.29(td,J=12.7,2.2Hz,1H),1.61-1.69(m,1H),1.13(d,J=6.2Hz,3H),0.84-0.88(m,2H),0.62-0.66(m,2H).m/z(ESI):234.2(M+H)
【0305】
ステップ5:
ジクロロメタン(15mL)の中の、4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(0.50g、1.6mmol、中間体9-1)、及びDIPEA(0.845mL、4.84mmol)、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド(酢酸エチル中50%、1.452mL、4.84mmol)、及び(R)-4-シクロプロピル-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-アミン(0.40g、1.7mmol)の混合物を、室温で16h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを10%から80%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-4-ブロモ-N-(4-シクロプロピル-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.50g、0.94mmol、58%収率)が、白色の粘着性の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 12.67(s,1H),8.00(d,J=8.5Hz,1H),7.63(s,1H),7.53(d,J=8.5Hz,1H),7.34(s,1H),6.35(s,1H),4.01-4.18(m,3H),3.90(dd,J=11.1,3.1Hz,1H),3.51-3.63(m,2H),3.01(t,J=5.5Hz,4H),2.78(td,J=12.3,3.5Hz,1H),1.87(td,J=8.5,4.3Hz,1H),1.69(br s,4H),1.16(d,J=6.3Hz,3H),0.98-1.04(m,2H),0.72-0.80(m,2H),0.35(s,4H).m/z(ESI):525.1(M+H)
【0306】
ステップ6:
N,N-ジメチルホルムアミド(9mL)の中の、(R)-4-ブロモ-N-(4-シクロプロピル-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.30g、0.57mmol)、2-ヒドロキシエタン-1-スルホンアミド(0.107g、0.856mmol)、リン酸三カリウム(0.303g、1.43mmol)、(1R,2R)-N1,N2-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(0.041g、0.28mmol)、及びヨウ化銅(I)(0.109g、0.571mmol)の混合物を、90℃で16h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて反応停止させ、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを20%から80%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-N-(4-シクロプロピル-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.155g、0.272mmol、48%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 12.73(s,1H),8.04(dd,J=8.7,2.9Hz,1H),7.37(d,J=2.8Hz,1H),7.23(t,J=2.6Hz,1H),7.10(dt,J=8.7,2.6Hz,1H),6.34(d,J=2.7Hz,1H),4.14(d,J=12.9Hz,1H),4.10(d,J=12.9Hz,1H),3.91(d,J=11.3Hz,1H),3.76(t,J=6.5Hz,2H),3.53-3.61(m,2H),3.01(t,J=5.5Hz,4H),2.79(td,J=9.2,4.6Hz,1H),2.42-2.48(m,2H),1.82-1.92(m,2H),1.68(br s,4H),1.18(d,J=6.2Hz,3H),1.00(d,J=8.2Hz,2H),0.77(d,J=5.2Hz,2H),0.37(s,4H).m/z(ESI):570.2(M+H)
【0307】
実施例20:(R)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-N-(6-(2-メチルモルホリノ)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化69】
ステップ1:
エタノール(30mL)の中の、2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン(6.0g、28mmol、Combi-Blocks)、(R)-2-メチルモルホリン塩酸塩(4.59g、33.3mmol)、DIPEA(9.70mL、55.6mmol)の混合物を、マイクロ波の中で、100℃で1h加熱した。その反応混合物を濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを0%から20%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-4-(6-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-2-メチルモルホリン(6.0g、21mmol、77%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 7.11(s,1H),6.97(s,1H),4.02-4.25(m,2H),3.76-3.97(m,1H),3.39-3.63(m,2H),2.92(td,J=3.5,12.5Hz,1H),2.60(dd,J=10.4,13.0Hz,1H),1.15(d,J=6.2Hz,3H).m/z(ESI):281.1(M+H)
【0308】
ステップ2:
NMP(10mL)の中で、(R)-4-(6-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-2-メチルモルホリン(2.0g、7.1mmol)、(4-メトキシフェニル)メタンアミン(1.173g、8.55mmol)、及びDIPEA(2.489mL、14.25mmol)の混合物を、マイクロ波の中で、180℃で1h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを0%から25%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-N-(4-メトキシベンジル)-6-(2-メチルモルホリノ)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミン(1.5g、2.8mmol、39%収率)が、無色の油状物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 7.25(dd,J=4.7,7.1Hz,2H),6.76-6.98(m,2H),6.05(d,J=6.4Hz,2H),4.37(d,J=5.8Hz,2H),3.89-4.15(m,2H),3.75-3.95(m,1H),3.73(s,3H),3.38-3.60(m,2H),2.63-2.89(m,1H),2.41(dd,J=10.3,12.7Hz,1H),1.22(d,J=6.2Hz 3H).m/z(ESI):382.1(M+H)
【0309】
ステップ3:
ジクロロメタン(50mL)の中の、(R)-N-(4-メトキシベンジル)-6-(2-メチルモルホリノ)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミン(1.5g、3.9mmol)及びHSO(2.096mL、39.3mmol)の混合物を、室温で5h撹拌した。その反応混合物を濃縮し、その残分を氷冷水の中に溶解させ、10%NaOHを用いて塩基性(pH10)とし、EtOAcを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして水中でアセトニトリルを0%から80%までグラジエントさせて溶出させる、逆相カラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-6-(2-メチルモルホリノ)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミン(0.30g、1.1mmol、29%収率)が、淡黄色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 6.13(br s,2H),6.08(s,1H),5.98(d,J=1.1Hz,1H),4.05-4.16(m,1H),3.94-4.05(m,1H),3.87(ddd,J=1.4,3.6,11.5Hz,1H),3.41-3.59(m,2H),2.74(ddd,J=3.5,11.8,12.8Hz,1H),2.42(dd,J=10.4,12.8Hz,1H),1.13(d,J=6.2Hz,3H).m/z(ESI):262.1(M+H)
【0310】
ステップ4:
ジクロロメタン(5mL)の中の、4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(0.20g、0.64mmol、中間体9-1)、(R)-6-(2-メチルモルホリノ)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミン(0.253g、0.967mmol)、DIPEA(0.338mL、1.93mmol)、及びTP(EtOAc中50%、1.231g、1.934mmol)の混合物を、室温で16h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを0%から30%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-4-ブロモ-N-(6-(2-メチルモルホリノ)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.30g、0.54mmol、84%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 13.20(s,1H),8.04(d,J=8.4Hz,1H),7.82(s,1H),7.71(d,J=2.0Hz,1H),7.57(dd,J=1.9,8.5Hz,1H),6.92(s,1H),4.24(dd,J=12.9,21.6Hz,2H),3.94(d,J=11.4Hz,1H),3.33-3.72(m,2H),3.06(s,4H),2.52(m,1H),2.93(t,J=11.6Hz,1H),1.70(s,4H),1.38(d,J=5.1Hz,3H),0.38(s,4H).m/z(ESI):553.1,555.1(M+H)
【0311】
ステップ5:
N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)の中の、(R)-4-ブロモ-N-(6-(2-メチルモルホリノ)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.30g、0.54mmol)、2-スルファモイル酢酸メチル(0.125g、0.813mmol)、リン酸カリウム(0.230g、1.08mmol)、(1R,2R)-N1,N2-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(0.039g、0.27mmol)、及びヨウ化銅(I)(0.103g、0.542mmol)の混合物を、90℃で16h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを0%から40%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-2-(N-(4-((6-(2-メチルモルホリノ)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルファモイル)酢酸メチル(0.25g、0.40mmol、74%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 13.21(s,1H),10.69(s,1H),8.04(d,J=8.6Hz,1H),7.77(s,1H),7.25(d,J=2.2Hz,1H),7.12(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.82(s,1H),4.45(s,2H),4.02-4.27(m,2H),3.90(dd,J=3.4,11.5Hz,1H),3.51-3.65(m,4H),2.91-3.02(m,4H),2.55-2.64(m,1H),1.96(s,2H),1.66(s,4H),1.15(dd,J=4.3,6.7Hz,3H),0.34(s,4H).m/z(ESI):626.1(M+H)
【0312】
ステップ6:
THF(5mL)の中の、(R)-2-(N-(4-((6-(2-メチルモルホリノ)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルファモイル)酢酸メチル(0.25g、0.40mmol)の溶液に、-78℃で、LiBH(THF中2.0M、0.599mL、1.20mmol)を添加し、室温で1h撹拌した。その反応混合物を、NHClの飽和水溶液を用いて反応停止させ、EtOAcを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして水中でアセトニトリルを0%から60%までグラジエントさせて溶出させる、逆相カラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-N-(6-(2-メチルモルホリノ)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.10g、0.17mmol、42%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 13.22(s,1H),10.23(s,1H),8.07(d,J=8.6Hz,1H),7.83(s,1H),7.27(d,J=2.2Hz,1H),7.13(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.88(s,1H),4.94(s,1H),4.14-4.34(m,2H),3.93(d,J=10.7Hz,1H),3.76(t,J=6.5Hz,2H),3.57(t,J=11.4Hz,2H),3.36(t,J=6.4Hz,2H),2.86-3.06(m,5H),2.60(m,1H),1.71(s,4H),1.18(d,J=6.2Hz,3H),0.38(s,4H).m/z(ESI):598.2(M+H)
【0313】
実施例21:N-(5-シアノ-6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化70】
ステップ1:
アセトニトリル(50mL)の中の、6-フルオロピリジン-2-アミン(5.0g、45mmol、Combi-Blocks)及びN-ヨードスクシンイミド(10.5g、46.8mmol)の混合物を、10℃で30min、次いで室温で1h、撹拌した。その反応混合物を濃縮し、その残分を、水を用いて希釈した。その沈殿物を濾過し、そして石油エーテル中でEtOAcを0%から30%までで溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、6-フルオロ-5-ヨードピリジン-2-アミン(8.9g、37mmol、84%収率)が、褐色の固形物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 7.74(t,J=8.8Hz,1H),6.53(s,2H),6.19(dd,J=8.3,2.3Hz,1H).m/z(ESI):238.9(M+H)
【0314】
ステップ2:
ジオキサン(9mL)及び水(1mL)の中の、6-フルオロ-5-ヨードピリジン-2-アミン(1.0g、4.2mmol)、Zn(CN)(0.296g、2.52mmol)、Pd(dba)(0.192g、0.210mmol)、及びdppf(0.233g、0.420mmol)の混合物を、100℃で16h撹拌した。その反応混合物を、セライトベッドを通過させて濾過し、その濾液を、水、食塩水を用いて洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させ、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中で酢酸エチルを0%から50%まで使用する、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、6-アミノ-2-フルオロニコチノニトリル(0.51g、3.7mmol、89%収率)が、褐色の固形物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 7.81(t,J=9.1Hz,1H),7.64(s,1H),7.51(s,2H).m/z(ESI):138.1(M+H)
【0315】
ステップ3:
DMSO(5mL)の中の、6-アミノ-2-フルオロニコチノニトリル(0.50g、3.6mmol)、4,4-ジフルオロピペリジン塩酸塩(1.322g、8.39mmol)、及びDIPEA(5.10mL、29.2mmol)の混合物を、145℃で16h撹拌した。その反応混合物を濃縮し、そして石油エーテル中でEtOAcを15%から25%までで溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、6-アミノ-2-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)ニコチノニトリル(0.60g、2.5mmol、69.1%収率)が、黄色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 7.52(d,J=8.4Hz,1H),6.82(s,2H),5.99(d,J=8.5Hz,1H),3.60-3.68(m,4H),2.00-2.10(m,4H).m/z(ESI):239.1(M+H)
【0316】
ステップ4:
ジクロロメタン(5mL)の中の、4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(0.3g、0.967mmol、中間体9-1)、塩化オキサリル(0.127mL、1.451mmol)、及びDMF(1滴)の混合物を、0℃で2h撹拌した。その反応混合物を濃縮し、その残分を、ジオキサン(10mL)の中に溶解させた。上述の溶液に、1,4-ジオキサン(3mL)の中の6-アミノ-2-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)ニコチノニトリル(0.230g、0.967mmol)及びトリエチルアミン(0.404mL、2.90mmol)の溶液を添加し、そのようにして得られた混合物を、100℃で16h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを5%から15%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、4-ブロモ-N-(5-シアノ-6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.19g、0.36mmol、37%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 13.40(s,1H),8.14(d,J=8.4Hz,1H),8.03(d,J=8.5Hz,1H),7.84(d,J=8.5Hz,1H),7.73(d,J=2.0Hz,1H),7.58(dd,J=8.5,1.9Hz,1H),3.76-3.83(m,4H),3.06(t,J=5.3Hz,4H),2.08-2.20(m,4H),1.68(br s,4H),0.39(s,4H).m/z(ESI):532.1(M+H)
【0317】
ステップ5:
N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)の中の、4-ブロモ-N-(5-シアノ-6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.19g、0.36mmol)、2-ヒドロキシエタン-1-スルホンアミド(0.067g、0.54mmol)、三塩基性リン酸カリウム(0.152g、0.716mmol)、(1R,2R)-N1,N2-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(0.025g、0.18mmol)、及びヨウ化銅(I)(0.068g、0.36mmol)の混合物を、90℃で16h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてアセトニトリル及び水中0.1%TFAを使用する分取用HPLCにより精製すると、N-(5-シアノ-6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド2,2,2-トリフルオロアセテート(0.040g、0.058mmol、16%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 13.45(s,1H),10.28(s,1H),8.09(dd,J=12.7,8.5Hz,2H),7.84(d,J=8.4Hz,1H),7.28(d,J=2.2Hz,1H),7.14(dd,J=8.7,2.1Hz,1H),4.95(br s,1H),3.72-3.82(m,6H),3.37(t,J=6.4Hz,2H),2.92-3.00(m,4H),2.08-2.18(m,4H),1.70(br s,4H),0.39(s,4H).m/z(ESI):575.2(M+H)
【0318】
実施例22:N-(6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化71】
ステップ1:
NMP(6.5mL)の中の、6-ブロモ-5-メチルピリジン-2-アミン(650mg、3.48mmol、Sibian chemicals)、4,4-ジフルオロピペリジン塩酸塩(1643mg、10.43mmol、Combi-Blocks)、及びDIPEA(3035μL、17.38mmol)の混合物を、180℃で8h加熱した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを0%から30%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-アミン(350mg、1.54mmol、44.3%収率)が、淡黄色のゴム状物質として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 7.12(dd,J=7.9,2.3Hz,1H),6.05(dd,J=8.0,2.2Hz,1H),5.47(s,2H),3.08(q,J=3.9,2.5Hz,4H),1.26-2.48(m,7H).m/z(ESI):228.1(M+H)
【0319】
ステップ2:
DCM(5mL)の中の、4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(573mg、1.85mmol、中間体9-1)、トリエチルアミン(644μL、4.62mmol)、TP(酢酸エチル中50%、1.47g、2.31mmol)、及び6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-アミン(350mg、1.54mmol)の混合物を、室温で16h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを0%から15%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、4-ブロモ-N-(6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(500mg、0.96mmol、62.5%収率)が、淡黄色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 13.01(s,1H),8.04(d,J=8.6Hz,1H),7.85(d,J=8.0Hz,1H),7.67(d,J=2.0Hz,1H),7.15-7.66(m,2H),3.09-3.32(m,4H),3.04(t,J=5.3Hz,4H),2.24(s,3H),1.91-2.23(m,4H),1.21-1.99(m,4H),0.38(s,4H).m/z(ESI):519.1(M+H)
【0320】
ステップ3:
N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)の中の、4-ブロモ-N-(6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(200mg、0.385mmol)、2-ヒドロキシエタン-1-スルホンアミド(72.3mg、0.578mmol)、三塩基性リン酸カリウム(163mg、0.770mmol)、(1R,2R)-N,N’-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン(27.4mg、0.193mmol)、及びヨウ化銅(I)(73.3mg、0.385mmol)の混合物を、100℃で16h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを0%から30%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、N-(6-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(100mg、0.177mmol、46.1%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 13.03(s,1H),10.21(br s,1H),8.07(d,J=8.6Hz,1H),7.86(d,J=8.0Hz,1H),7.57(d,J=8.1Hz,1H),7.26(d,J=2.2Hz,1H),7.12(dd,J=8.7,2.1Hz,1H),4.95(br s,1H),3.74-4.80(m,2H),3.36-3.40(m,2H),3.20-3.28(m,4H),2.92-3.02(m,4H),2.24(s,3H),2.09-2.16(m,4H),1.70-1.90(m,4H),0.38(s,4H).m/z(ESI):564.2(M+H)
【0321】
実施例23:N-(6-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-4-メチルピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化72】
ステップ1:
THF(10mL)の中の、4,4-ジフルオロシクロヘキサン-1-オン(1.0g、7.5mmol、Combi-Blocks)の溶液に、-78℃で、LiHMDS(THF中1.0M、8.95mL、8.95mmol)を添加した。その反応混合物を、1h撹拌してから、1,1,1-トリフルオロ-N-フェニル-N-((トリフルオロメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(2.93g、8.20mmol)を、-78℃で添加し、そのようにして得られた溶液を、徐々に温めて室温とし、16h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて反応停止させ、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。1,4-ジオキサン(20mL)中のその残分の溶液に、酢酸カリウム(1.46g、14.91mmol)、ビスピナコラト二ホウ素(2.272g、8.95mmol)、及びPdCl(dppf)(0.546g、0.746mmol)を添加した。その反応混合物を、100℃で16h撹拌してから、水を用いて希釈し、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを10%から20%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、2-(4,4-ジフルオロシクロヘクス-1-エン-1-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(900mg、3.69mmol、49.5%収率)が、黄色の油状物として得られた。H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ ppm 6.41(t,J=3.7Hz,1H),2.53-2.68(m,2H),2.43(t,J=6.7Hz,2H),1.91-2.06(m,2H),1.29(s,12H).
【0322】
ステップ2:
1,4-ジオキサン(9mL)及び水(3mL)の中の、6-ブロモ-4-メチルピリジン-2-アミン(800mg、4.28mmol)、2-(4,4-ジフルオロシクロヘクス-1-エン-1-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(1.148g、4.70mmol)、三塩基性リン酸カリウム(1907mg、8.98mmol)、及びPdCl(dppf)-CHClアダクト(349mg、0.428mmol)の混合物を、100℃で16h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを20%から30%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、6-(4,4-ジフルオロシクロヘクス-1-エン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-アミン(800mg、3.57mmol、83%収率)が、褐色のゴム状の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 6.49(d,J=2.4Hz,1H),6.41(dt,J=5.0,3.0Hz,1H),6.18(s,1H),5.73(s,2H),2.59-2.77(m,4H),2.12(s,3H),2.0-2.10(m,2H).m/z(ESI):225.1(M+H)
【0323】
ステップ3:
DMF(5mL)の中の、4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(200mg、0.645mmol、中間体9-1)、DIPEA(338μL、1.93mmol)、HATU(368mg、0.967mmol)、及び6-(4,4-ジフルオロシクロヘクス-1-エン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-アミン(217mg、0.967mmol)の混合物を、100℃で16h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを10%から20%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、4-ブロモ-N-(6-(4,4-ジフルオロシクロヘクス-1-エン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(150mg、0.290mmol、45.0%収率)が、灰色の固形物として得られた。H NMR(300MHz,クロロホルム-d):δ ppm 13.21(s,1H),8.09-8.26(m,2H),7.37-7.55(m,2H),7.04(t,J=1.0Hz,1H),6.52-6.60(m,1H),3.10(t,J=5.4Hz,4H),2.74-2.90(Wm,4H),2.40(s,3H),2.14-2.28(m,2H),1.70-1.90(m,4H),0.43(s,4H).m/z(ESI):516.1(M+H)
【0324】
ステップ4:
DMF(5mL)の中の、4-ブロモ-N-(6-(4,4-ジフルオロシクロヘクス-1-エン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(150mg、0.290mmol)、2-ヒドロキシエタン-1-スルホンアミド(54mg、0.436mmol)、三塩基性リン酸カリウム(154mg、0.726mmol)、(1R,2R)-N1,N2-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(21mg、0.145mmol)、及びヨウ化銅(I)(55.3mg、0.290mmol)の混合物を、100℃で16h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを30%から40%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、N-(6-(4,4-ジフルオロシクロヘクス-1-エン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(150mg、0.268mmol、92%収率)が、黄色の油状物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 13.35(s,1H),8.02-8.12(m,2H),7.96(s,1H),7.27(s,1H),7.22(s,1H),7.13(d,J=8.9Hz,1H),6.63(m,1H),3.76(d,J=6.6Hz,2H),2.99(s,2H),2.90(s,4H),2.81(s,1H),2.74(s,1H),2.47(d,J=2.4Hz,2H),2.37(s,2H),2.19(s,3H),1.70-1.90(m,4H),0.40(s,4H).m/z(ESI):561.2(M+H)
【0325】
ステップ5:
エタノール(5mL)の中の、N-(6-(4,4-ジフルオロシクロヘクス-1-エン-1-イル)-4-メチルピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(100mg、0.178mmol)、及び10%Pd/C(50mg、0.047mmol)の混合物を、水素雰囲気下(14psi)、室温で6h撹拌した。その反応混合物を、セライトベッドを通過させて濾過した。その濾液を濃縮し、その残分を、ジエチルエーテル及びヘキサンを用いてトリチュレートすると、N-(6-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-4-メチルピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(10.6mg、0.019mmol、1011%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 13.28(s,1H),7.98(t,J=6.0Hz,2H),7.15(d,J=2.2Hz,1H),6.98-7.05(m,1H),6.86(s,1H),3.73(t,J=6.6Hz,2H),3.24(t,J=6.6Hz,2H),2.95(d,J=5.5Hz,4H),2.72-2.80(m,1H),2.31(s,3H),1.90-2.12(m,8H),1.70-1.84(m,4H),0.36(s,4H).m/z(ESI):563.2(M+H)
【0326】
実施例24:(R)-N-(5-フルオロ-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化73】
ステップ1:
1,4-ジオキサン(15mL)の中の、6-ブロモ-5-フルオロピコリン酸(3.0g、14mmol、Combi-Blocks)、(R)-2-メチルモルホリン塩酸塩(2.25g、16.36mmol、Combi-Blocks)、酢酸カリウム(2.94g、30.0mmol)、及び銅の粉体(0.867g、13.6mmol)の混合物を、90℃で16h撹拌した。その反応混合物を、セライトベッドを通過させて濾過し、水を用いて希釈し、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを40%から75%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-5-フルオロ-6-(2-メチルモルホリノ)ピコリン酸(1.3g、5.4mmol、40%収率)が、淡黄色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 12.91(b s,1H),7.65(dd,J=13.1,8.1Hz,1H),7.54(dd,J=8.0,3.0Hz,1H),3.94(t,J=2.2Hz,1H),3.80-3.92(m,2H),3.64(tdd,J=11.9,5.7,2.6Hz,2H),2.96(ddd,J=12.9,11.7,3.4Hz,1H),2.65(dd,J=12.8,10.2Hz,1H),1.15(d,J=6.2Hz,3H).m/z(ESI):241.1(M+H)
【0327】
ステップ2:
tert-ブタノール(13mL)の中の、(R)-5-フルオロ-6-(2-メチルモルホリノ)ピコリン酸(1.3g、5.4mmol)、トリエチルアミン(1.095g、10.82mmol)、及びジフェニルホスホルアジデート(1.787g、6.49mmol)の混合物を、90℃で16h撹拌した。その反応混合物を濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを0%から30%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-(5-フルオロ-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(1.2g、3.8mmol、71%収率)が、淡黄色の固形物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ ppm 9.91(s,1H),7.40-7.58(m,1H),7.20(d,J=19.6Hz,1H),3.82-3.94(m,1H),3.67-3.80(m,2H),3.58-3.69(m,2H),2.83-3.09(m,1H),2.63(dt,J=12.2,9.5Hz,1H),1.20(d,J=18.9Hz,9H),1.12(d,J=6.2Hz,3H).m/z(ESI):312.1(M+H)
【0328】
ステップ3:
ジクロロメタン(12mL)の中の、(R)-(5-フルオロ-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(1.2g、3.8mmol)の溶液に、1,4-ジオキサン(10mL、20mmol)の中の塩酸を、0℃で添加し、室温で4h撹拌した。その反応混合物を濃縮し、その残分を、氷水(50mL)を用いて希釈し、10%重炭酸ナトリウム水溶液を用いて塩基性にし(pH9)、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを40%から60%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-5-フルオロ-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-アミン(0.63g、3.0mmol、77%収率)が、褐色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 7.28-7.43(m,1H),7.18(t,J=7.7Hz,1H),6.07(dd,J=8.5,2.1Hz,2H),3.85(dd,J=11.5,3.1Hz,1H),3.60-3.83(m,2H),3.58(dd,J=11.7,2.7Hz,2H),2.92(td,J=12.2,3.3Hz,1H),2.61(dd,J=12.7,10.2Hz,1H),1.11(d,J=6.1Hz,3H). m/z(ESI):212.1(M+H)
【0329】
ステップ4:
CHCl(10mL)の中の4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(1.057g、3.41mmol、中間体9-1)の溶液に、DIPEA(1.101g、8.52mmol)、TP(2.71g、4.26mmol、EtOAc中50%)、及び(R)-5-フルオロ-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-アミン(0.60g、2.8mmol)を室温で添加し、16h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そしてCHClを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中で酢酸エチルを60%から80%までグラジエントさせた、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-4-ブロモ-N-(5-フルオロ-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.38g、0.76mmol、27%収率)が、淡褐色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 13.01(s,1H),8.04(d,J=8.4Hz,1H),7.75(dd,J=8.5,2.5Hz,1H),7.69(d,J=1.9Hz,1H),7.44-7.66(m,2H),3.89(d,J=13.1Hz,1H),3.83(d,J=11.7Hz,2H),3.67(t,J=10.9Hz,2H),3.05(d,J=6.1Hz,4H),2.95(t,J=10.8Hz,1H),2.60-2.68(m,1H),1.70(s,4H),1.16(d,J=6.2Hz,3H),0.39(s,4H).m/z(ESI):504.1(M+H)
【0330】
ステップ5:
N,N-ジメチルホルムアミド(3.8mL)の中の、(R)-4-ブロモ-N-(5-フルオロ-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(380mg、0.755mmol)、2-スルファモイル酢酸メチル(139mg、0.906mmol)、リン酸カリウム(320mg、1.51mmol)、(1R,2R)-N1,N2-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(129mg、0.906mmol)、及びヨウ化銅(I)(28.8mg、0.151mmol)の混合物を、90℃で6h撹拌した。その反応混合物を、セライトベッドを通過させて濾過し、水を用いて希釈し、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを40%から70%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-2-(N-(4-((5-フルオロ-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルファモイル)酸メチル(200mg、0.347mmol、46.0%収率)が、淡黄色のゴム状の液状物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 13.03(d,J=4.4Hz,1H),10.66(s,1H),8.09(d,J=8.6Hz,1H),7.71-7.95(m,1H),7.58(dd,J=12.8,8.6Hz,1H),7.28(dd,J=11.2,2.2Hz,1H),7.14(ddd,J=7.3,5.5,1.9Hz,1H),4.41(s,1H),4.03(q,J=7.1Hz,2H),3.80-3.97(m,3H),3.65-3.67(m,2H),3.60(s,3H),2.93-2.99(m,3H),1.99(s,2H),1.73(s,4H),1.16(d,J=5.8Hz,3H),0.40(s,4H).m/z(ESI):576.2(M+H)
【0331】
ステップ6:
THF(4mL)の中の、(R)-2-(N-(4-((5-フルオロ-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルファモイル)酸メチル(200mg、0.347mmol)の溶液に、0℃で、水素化ホウ素リチウム(THF中2.0M、0.521mL、1.04mmol)を添加し、室温で2h撹拌した。その反応混合物を、氷冷水を用いて希釈し、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを40%から80%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-N-(5-フルオロ-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(70mg、0.13mmol、37%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 12.76-13.48(m,1H),10.22(s,1H),7.88-8.42(m,1H),7.76(dt,J=9.3,4.6Hz,1H),7.57(ddt,J=12.9,9.1,3.9Hz,1H),7.27(d,J=6.1Hz,1H),7.13(q,J=7.8,5.2Hz,1H),4.95(s,1H),3.91(s,1H),3.79-3.81(m,4H),3.68(s,4H),2.91-2.97(m,5H),2.64(d,J=9.0Hz,1H),1.86(br s,4H),0.95-1.31(m,3H),0.38(br s,4H).m/z(ESI):548.2(M+H)
【0332】
実施例25:(R)-N-(4-シアノ-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化74】
ステップ1:
ジメチルスルホキシド(30mL)の中の、2,6-ジクロロイソニコチノニトリル(3.0g、17mmol、Combi-Blocks)、(4-メトキシフェニル)メタンアミン(2.379g、17.34mmol)、及びDIPEA(3.03mL、17.34mmol)の混合物を、110℃で16h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを0%から20%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、2-クロロ-6-((4-メトキシベンジル)アミノ)イソニコチノニトリル(3.8g、14mmol、80%収率)が、黄色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 7.96-8.02(m,1H),7.22-7.30(m,2H),6.94,(s,1H),6.86-6.92(m,2H),6.84(s,1H),4.36(d,J=5.8Hz,2H),3.72(s,3H).m/z(ESI):274.1(M+H)
【0333】
ステップ2:
エタノール(20mL)の中の、2-クロロ-6-((4-メトキシベンジル)アミノ)イソニコチノニトリル(1.85g、6.76mmol)、(R)-2-メチルモルホリン塩酸塩(2.139g、15.55mmol、Combi-Blocks)、及びDIPEA(9.44mL、54.1mmol)の混合物を、150℃で76h撹拌し。その反応混合物を濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを0%から10%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-2-((4-メトキシベンジル)アミノ)-6-(2-メチルモルホリノ)イソニコチノニトリル(0.59g、1.7mmol、26%収率)が、黄色の油状物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 7.28(br s,1H),7.22-7.24(m,2H),6.83-6.91(m,2H),6.21(s,1H),6.06(s,1H),4.35(d,J=5.9Hz,2H),3.97-4.10(m,2H),3.80-3.88(m,1H),3.72(s,3H),3.39-3.52(m,2H),2.75(td,J=12.3,3.5Hz,1H),2.42(dd,J=12.8,10.4Hz,1H),1.12(d,J=6.2Hz,3H).m/z(ESI):339.2(M+H)
【0334】
ステップ3:
ジクロロメタン(6mL)の中の、(R)-2-((4-メトキシベンジル)アミノ)-6-(2-メチルモルホリノ)イソニコチノニトリル(0.59g、1.7mmol)、及びTFA(2.821mL、36.61mmol)の混合物を、室温で16h撹拌した。その反応混合物を濃縮し、10%NaHCO溶液を用いて中和し(pH7)、ジクロロメタンを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを0%から20%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-2-アミノ-6-(2-メチルモルホリノ)イソニコチノニトリル(0.325g、1.49mmol、85%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 6.23(s,1H),6.15(s,2H),5.97(s,1H),4.07(dt,J=12.7,2.1Hz,1H),3.92-4.02(m,2H),3.38-3.53(m,2H),2.72(td,J=12.2,3.6Hz,1H),2.34-2.42(m,1H),1.10(d,J=6.2Hz,3H).m/z(ESI):219.1(M+H)
【0335】
ステップ4:
ジクロロメタン(4mL)の中の、4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(0.25g、0.81mmol、中間体9-1)、DIPEA(0.422mL、2.42mmol)、TP(酢酸エチル中50%、1.539g、2.418mmol)、及び(R)-2-アミノ-6-(2-メチルモルホリノ)イソニコチノニトリル(0.211g、0.967mmol)の混合物を、室温で18h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そしてジクロロメタンを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを0%から20%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-4-ブロモ-N-(4-シアノ-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.263g、0.515mmol、63.9%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 13.21(s,1H),8.00-8.10(m,1H),7.76(s,1H),7.71(d,J=1.9Hz,1H),7.57(dd,J=8.5,1.9Hz,1H),7.13(s,1H),4.23(d,J=12.8Hz,1H),4.17(d,J=12.9Hz,1H),3.93(d,J=9.9Hz,1H),3.50-3.61(m,2H),3.0-3.08(m,4H),2.89-2.99(m,1H),2.58-2.64(m,1H),1.68(br s,4H),1.17(d,J=6.2Hz,3H),0.37(s,4H).m/z(ESI):512.2(M+H)
【0336】
ステップ5:
DMF(2mL)の中の、(R)-4-ブロモ-N-(4-シアノ-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(260mg、0.509mmol)、2-スルファモイル酢酸メチル(156mg、1.02mmol)、三塩基性リン酸カリウム(216mg、1.02mmol)、ヨウ化銅(I)(194mg、1.02mmol)、及び(1R,2R)-N,N’-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン(72.4mg、0.509mmol)の混合物を、90℃で16h撹拌した。その反応混合物を、セライトパッドを通過させて濾過した。その濾液を、水(15mL)、食塩水(15mL)を用いて洗浄し、硫酸ナトリウムの上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中でEtOAcを40%のグラジエントで使用する、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-2-(N-(4-((4-シアノ-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルファモイル)酢酸メチル(250mg、0.429mmol、84%収率)が、淡黄色のゴム状物質として得られた。m/z(ESI):583.2(M+H)
【0337】
ステップ6:
THF(2mL)の中の、(R)-2-(N-(4-((4-シアノ-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルファモイル)酢酸メチル(250mg、0.429mmol)の溶液に、-30℃で、LiBH(THF中2.0M、429μL、0.858mmol)を添加した。次いで、その混合物を、0℃で30min撹拌した。その反応混合物を、NHClの飽和水溶液を用いて反応停止させ、EtOAcを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを20%から50%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-N-(4-シアノ-6-(2-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(120mg、0.216mmol、50.4%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 13.25(s,1H),10.23(br s,1H),8.07(dd,J=8.7,2.9Hz,1H),7.78(d,J=2.8Hz,1H),7.28(d,J=3.1Hz,1H),7.07-7.17(m,2H),4.96(br s,1H),4.13-4.26(m,2H),3.93(d,J=11.4Hz,1H),3.76(td,J=6.6,2.5Hz,2H),3.57(d,J=11.7Hz,2H),3.37(dd,J=6.7,2.7Hz,2H),2.88-3.02(m,5H),2.54-2.62(m,1H),1.71(br s,4H),1.17(d,J=6.3Hz,3H),0.39(s,4H).m/z(ESI):555.2(M+H)
【0338】
実施例26:4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-N-(6-(2-メチルプロパン-2-イルスルホンイミドイル)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド
【化75】
ステップ1:
ジクロロメタン(100mL)の中の、6-フルオロピリジン-2-アミン(5.0g、45mmol、Apollo scientific)の溶液に、0℃で、EtN(15.54mL、112mmol)及び塩化アセチル(4.76mL、66.9mmol)を添加した。その反応混合物を、室温で16h撹拌してから、水を用いて希釈し、ジクロロメタンを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを0%から20%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、N-(6-フルオロピリジン-2-イル)アセトアミド(4.0g、26mmol、58%収率)が、淡黄色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 10.65(s,1H),7.93-8.01(m,2H),6.29(d,J=2.6Hz,1H),2.09(s,3H).m/z(ESI):155.1(M+H)
【0339】
ステップ2:
DMF(60mL)の中の、N-(6-フルオロピリジン-2-イル)アセトアミド(4.0g、26mmol)、炭酸セシウム(16.91g、51.9mmol)及び2-メチルプロパン-2-チオール(3.51g、38.9mmol)の混合物を、80℃で24h撹拌した。その反応混合物を、氷冷水を用いて反応停止させ、その沈殿した固形物を濾過し、乾燥させると、N-(6-(tert-ブチルチオ)ピリジン-2-イル)アセトアミド(4.0g、18mmol、69%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 10.34(s,1H),7.86(d,J=8.5Hz,1H),7.61(t,J=8.0Hz,1H),7.02(d,J=7.6Hz,1H),2.11(s,3H),1.48(s,9H).m/z(ESI):225.1(M+H)
【0340】
ステップ3:
ジクロロメタン(75mL)の中の、N-(6-(tert-ブチルチオ)ピリジン-2-イル)アセトアミド(3.5g、16mmol)の溶液に、0℃で、m-CPBA(75%、3.59g、15.6mmol)を添加し、室温で16h撹拌した。その反応混合物を、10%重炭酸ナトリウムを用いて反応停止させ、ジクロロメタンを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてジエチルエーテルを用いてトリチュレートすると、N-(6-(tert-ブチルスルフィニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド(3.3g、13mmol、88%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 10.68(s,1H),8.18(d,J=8.3Hz,1H),8.03(t,J=8.0Hz,1H),7.52(d,J=7.5Hz,1H),2.12(s,3H),1.15(s,9H).m/z(ESI):241.1(M+H)
【0341】
ステップ4:
メタノール(75mL)の中の、N-(6-(tert-ブチルスルフィニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド(3.3g、13mmol)、ヨードベンゼンジアセテート(17.69g、54.9mmol)、及び炭酸アンモニウム(5.36g、68.7mmol)の混合物を、室温で24h撹拌した。その反応混合物を濃縮し、その残分を水を用いて処理し、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてジエチルエーテルを用いてトリチュレートすると、N-(6-(2-メチルプロパン-2-イルスルホンイミドイル)ピリジン-2-イル)アセトアミド(2.1g、8.2mmol、60%収率)が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 10.82(s,1H),8.29(d,J=8.4Hz,1H),8.03(t,J=8.0Hz,1H),7.75(dd,J=7.6,0.9Hz,1H),4.11(s,1H),2.14(s,3H),1.29(s,9H).
【0342】
ステップ5:
CHCl(50mL)の中の、N-(6-(2-メチルプロパン-2-イルスルホンイミドイル)ピリジン-2-イル)アセトアミド(2.24g、8.77mmol)、イミダゾール(1.194g、17.55mmol)、DMAP(0.536g、4.39mmol)、及びTBS-Cl(1.587g、10.53mmol)の溶液を、室温で2.5h撹拌した。冷水を用いて、その反応混合物を反応停止させ、CHClを用いて抽出した。その有機抽出物を、水、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その濃縮物を、石油エーテル中でEtOAcを15%のグラジエントで使用する、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、N-(6-(N-(tert-ブチルジメチルシリル)-2-メチルプロパン-2-イルスルホンイミドイル)ピリジン-2-イル)アセトアミド(2.7g、7.3mmol、83%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 10.70(s,1H),8.27(d,J=8.4Hz,1H),8.01-8.07(m,1H),7.68(d,J=7.6Hz,1H),2.15(s,3H),1.28(s,9H),0.86(s,9H),-0.07(d,3H),-0.11(d,3H).m/z(ESI):256(M-2Bu)
【0343】
ステップ6:
メタノール(30mL)の中の、N-(6-(N-(tert-ブチルジメチルシリル)-2-メチルプロパン-2-イルスルホンイミドイル)ピリジン-2-イル)アセトアミド(1.5g、4.1mmol)及び水酸化ナトリウム水溶液(2.5M、32.5mL、81mmol)の混合物を、室温で15h撹拌した。その反応混合物を濃縮し、その残分を、水を用いて処理した。その沈殿した固形物を濾過し、乾燥させると、(6-アミノピリジン-2-イル)(tert-ブチル)((tert-ブチルジメチルシリル)イミノ)-λ-スルファノン(1.2g、3.7mmol、90%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 7.58(t,J=7.8Hz,1H),7.09(d,J=7.3Hz,1H),6.60(d,J=8.3Hz,1H),6.35(s,2H),1.26(s,9H),0.85(s,9H),-0.07(s,3H),-0.13(s,3H).m/z(ESI):214.1(M-2Bu)
【0344】
ステップ7:
ジクロロメタン(10mL)中の、4-ブロモ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(0.50g、1.6mmol、中間体9-1)、DIPEA(0.845mL、4.84mmol)、TP(酢酸エチル中50%溶液、3.08g、4.84mmol)、及び(6-アミノピリジン-2-イル)(tert-ブチル)((tert-ブチルジメチルシリル)イミノ)-λ-スルファノン(0.634g、1.93mmol)の混合物を、室温で48h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そしてジクロロメタンを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして石油エーテル中で酢酸エチルを0%から15%までグラジエントさせて溶出させる、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、4-ブロモ-N-(6-(N-(tert-ブチルジメチルシリル)-2-メチルプロパン-2-イルスルホンイミドイル)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.20g、0.32mmol、20%収率)が、淡黄色のゴム状物質として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 12.86(s,1H),8.51(d,J=8.4Hz,1H),8.13(t,J=8.0Hz,1H),8.00(d,J=8.4Hz,1H),7.77(d,J=7.6Hz,1H),7.68(d,J=1.8Hz,1H),7.55(dd,J=8.5,1.8Hz,1H),2.97-3.10(m,4H),1.60(br s,4H),1.33(s,9H),0.82(s,9H),0.33(s,4H),-0.12(s,3H).-0.14(s,3H).m/z(ESI):507.0(M-2Bu)
【0345】
ステップ8:
DMF(4mL)の中の、4-ブロモ-N-(6-(N-(tert-ブチルジメチルシリル)-2-メチルプロパン-2-イルスルホンイミドイル)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.20g、0.32mmol)、2-スルファモイル酢酸メチル(0.074g、0.48mmol)、三塩基性リン酸カリウム(0.137g、0.645mmol)、ヨウ化銅(I)(0.061g、0.32mmol)、及び(1R,2R)-N,N’-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン(0.023g、0.16mmol)の混合物を、90℃で16h撹拌した。その反応混合物を、水を用いて希釈し、そして酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、2-(N-(4-((6-(N-(tert-ブチルジメチルシリル)-2-メチルプロパン-2-イルスルホンイミドイル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルファモイル)酢酸メチル(0.18g、0.26mmol、81%収率)が、淡黄色のゴム状物質として得られた。m/z(ESI):692.2(M+H)
【0346】
ステップ9:
THF(4mL)の中の、2-(N-(4-((6-(N-(tert-ブチルジメチルシリル)-2-メチルプロパン-2-イルスルホンイミドイル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルファモイル)酢酸メチル(0.18g、0.260mmol)、及びフッ化テトラブチルアンモニウム(THF中1M溶液、0.390mL、0.390mmol)の混合物を、室温で3h撹拌した。その反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液を用いて反応停止させ、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、2-(N-(4-((6-(2-メチルプロパン-2-イルスルホンイミドイル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルファモイル)酢酸メチル(0.10g、0.17mmol、66%収率)が、淡黄色のゴム状物質として得られた。m/z(ESI):578.1(M+H)
【0347】
ステップ10:
THF(3mL)の中の、2-(N-(4-((6-(2-メチルプロパン-2-イルスルホンイミドイル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)フェニル)スルファモイル)酢酸メチル(0.10g、0.17mmol)の溶液に、0℃で、LiBH(THF中2.0M溶液、0.173mL、0.346mmol)を添加し、室温で1.5h撹拌した。その反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液を用いて反応停止させ、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機抽出物を、食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして分取用HPLCにより精製すると、4-((2-ヒドロキシエチル)スルホンアミド)-N-(6-(2-メチルプロパン-2-イルスルホンイミドイル)ピリジン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ベンズアミド(0.016g、0.029mmol、16%収率)が、白色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 13.16(s,1H),10.26(s,1H),8.53(d,J=8.4Hz,1H),8.17-8.05(m,2H),7.82(dd,J=7.5,0.9Hz,1H),7.29(d,J=2.2Hz,1H),7.14(dd,J=8.6,2.1Hz,1H),4.95(br s,1H),4.04(s,1H),3.76-3.80(m,2H),3.37(t,J=6.5Hz,2H),2.99(t,J=5.4Hz,4H),1.60-1.70(m,3H),1.35(s,9H),0.36(s,4H).m/z(ESI):550.2(M+H)
【0348】
実施例27-1及び27-2:2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-4-(S-シクロプロピルスルホンイミドイル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)-2-ピリジニル)ベンズアミド、及び2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-4-(R-シクロプロピルスルホンイミドイル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)-2-ピリジニル)
【化76】
4-(シクロプロパンスルホンイミドイル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(0.200g、0.598mmol、中間体16)、6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-アミン(0.160g、0.78mmol、中間体6)、TATU(0.250g、0.776mmol、Combi-Blocks)、DMF(6mL)、及びDIPEA(0.309g、0.426mL、2.39mmol、Aldrich)の混合物を、室温で18h撹拌した。その混合物を、飽和NaCO及びEtOAcを用いて希釈した。その有機相を、NaCO、水、及び食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、真空中で濃縮した。その粗製反応物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン中、0~100%EtOAc)により精製した。反応生成物が、オフホワイト色の固形物として得られた。m/z(ESI):523.1(M+H)。そのラセミ混合物を、キラルSFC(Regis(S,S)Whelk-01(250×21mm、5mm)使用、移動相:65%液化CO及び35%MeOH、流速80mL/min)により、精製した。
【0349】
実施例27-1:
2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-4-(S-シクロプロピルスルホンイミドイル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)-2-ピリジニル)ベンズアミド。第一溶出ピーク(68mg、ee>99%)。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 12.92(s,1H),8.45(d,J=8.29Hz,1H),8.00(d,J=7.67Hz,1H),7.95(d,J=1.66Hz,1H),7.85(dd,J=1.76,8.19Hz,1H),7.66(t,J=7.88Hz,1H),6.55(d,J=8.09Hz,1H),4.54(t,J=6.63Hz,2H),3.15(t,J=5.29Hz,4H),2.55-2.72(m,3H),1.66-1.98(m,5H),1.46(tdd,J=5.05,6.87,10.18Hz,1H),1.24(tdd,J=4.90,6.95,10.21Hz,1H),1.13(dq,J=5.18,7.95Hz,1H),0.94-1.04(m,1H),0.42(s,4H).19F NMR(377MHz,クロロホルム-d)δ -64.71(s,3F).
【0350】
実施例27-2:
2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-4-(R-シクロプロピルスルホンイミドイル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)-2-ピリジニル)。第二溶出ピーク(67mg、ee、99.3%)。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 12.92(s,1H),8.45(d,J=8.29Hz,1H),8.00(d,J=7.88Hz,1H),7.95(d,J=1.66Hz,1H),7.85(dd,J=1.66,8.29Hz,1H),7.66(t,J=7.98Hz,1H),6.55(d,J=8.09Hz,1H),4.54(t,J=6.74Hz,2H),3.15(t,J=5.29Hz,4H),2.54-2.73(m,3H),1.69-1.80(m,4H),1.41-1.49(m,1H),1.19-1.29(m,2H),1.08-1.17(m,1H),0.98(dq,J=5.29,7.98Hz,1H),0.42(s,4H).19F NMR(376MHz,クロロホルム-d)δ -64.70(s,3F).
【0351】
その立体化学は、任意にアサインした。
【0352】
【表39】
【0353】
実施例31:4-(アゼチジン-3-イルスルホニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-N-(6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)ベンズアミドトリフルオロアセテート
【化77】
ステップ-1:
4-((1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-3-イル)スルホニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)安息香酸(0.200g、0.444mmol、中間体15)、6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-アミン(0.119g、0.577mmol、中間体6)、DMF(4mL)、ヒューニッヒ塩基(0.229g、0.316mL、1.78mmol、Aldrich)、及びTATU(0.250g、0.776mmol、Combi-Blocks)の混合物を、室温で一夜撹拌した。その混合物を、飽和NaCO及びEtOAcを用いて希釈した。その有機相を取り出し、NaCO、水、及び食塩水を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥させ、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(0~100%EtOAc-ヘプタン)により精製すると、3-((3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-4-((6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)カルバモイル)フェニル)スルホニル)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチルが、オフホワイト色の固形物として得られた。m/z(ESI):639.2(M+H)
【0354】
ステップ-2:
3-((3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-4-((6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリジン-2-イル)カルバモイル)フェニル)スルホニル)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(0.118g、0.184mmol)を、DCM(8mL)及びTFA(4mL)の中に溶解させた。その反応混合物を、RTで30min撹拌し、真空中で濃縮した。そのTFA塩にEtOAcを加え、蒸発させた。反応生成物が、オフホワイト色の固形物として得られた。H NMR(400MHz,メタノール-d)δ 8.38(d,J=8.09Hz,1H),7.90-7.96(m,2H),7.85(dd,J=1.66,8.29Hz,1H),7.74(t,J=7.98Hz,1H),6.60(d,J=8.09Hz,1H),4.57(t,J=6.32Hz,2H),4.42(d,J=7.46Hz,4H),3.14-3.23(m,4H),2.66-2.80(m,2H),1.81(br s,4H),0.44(s,4H).19F NMR(376MHz,メタノール-d)δ -66.16(s,3F),-76.96(s,3F).m/z(ESI):539.2(M+H)
【0355】
生物学的実験例
以下のアッセイを使用して、本発明の代表例化合物の試験をした。以下に記述する手順に従って試験したそれらの例についてのデータを、下の表Aに示す。
【0356】
KIF18Aの酵素アッセイ:
微小管誘導ATPアーゼ活性のアッセイを使用して、化合物を用いて処置した後のKIF18A酵素活性を測定する。化合物は、22点濃度範囲にわたって、DMSO(Sigma Inc)の中で、連続2倍段階希釈した。バキュロウィルス系を使用して、遺伝子組換え型ヒトKIF18A(1-467Hisタグ化)タンパク質を発現させ、アフィニティークロマトグラフィー(Amgen Inc.)によって精製した。反応における、KIF18Aタンパク質、微小管(MT)、及びATPの濃度は、ADP-Glo(商標)キナーゼ/ATPアーゼアッセイキット(Promega Inc)を使用した、標準化均質酵素アッセイのために最適化した。そのアッセイでは、ATPアーゼ反応から形成されたADPを測定する。反応バッファー[(15mMのTris、pH7.5(Teknova Inc)、10mMのMgCl(JT Baker Inc)、0.01%のPluronic F-68(Life Technologies Inc)、1μMのTaxol(Cytoskeleton Inc)、及び30μg/mLのピグ微小管(Cytoskeleton Inc)]を準備する。準備した反応バッファーに、化合物及びKIF18Aタンパク質(30nM)を添加し、室温で15minインキュベートし、次いでその反応混合物に、ATP(Km、75μM)を添加して、室温でさらに15minインキュベートする。5μLのADP-Glo(商標)反応剤と2.5μLの反応混合物とを混合し、室温で40minインキュベートする。10μlのADP-Glo(商標)検出反応剤を添加し、室温で40minインキュベートする。ウルトラ-ルミネセンスモジュールを備えたEnVJisionマイクロリーダー(Perkin Elmer Inc)を使用してルミネセンスを読み取る。濃度反応曲線のあてはめ、そしてIC50の定量は、4パラメーターロジスティック回帰あてはめモデルを用いた、Genedata Screener Software(Standard15.0.1、Genedata Inc)を使用して実施した。
【0357】
表Aで、本出願及びその優先権文書で例を挙げた化合物についてのデータを、本発明の代表的な化合物として、以下のように、化合物名及び生物学的データとして提供する(IC50の単位はuM(利用可能な場合)。例#は、実施例番号を指す。)
【0358】
【表40】
【0359】
【表41】
【0360】
【表42】
【0361】
【表43】
【0362】
【表44】
【0363】
【表45】
【0364】
【表46】
【0365】
【表47】
【0366】
【表48】
【0367】
【表49】
【0368】
【表50】
【0369】
【表51】
【0370】
上述の発明は、明確さ及び理解のために、説明及び例を挙げて、ある程度詳しく記述してきた。当業者の理解するところであるが、添付の請求項の範囲内で、変更や修正を実施することが可能である。したがって、これまでの記述は、説明のためであって、限定するためではないということは理解されたい。したがって、本発明の範囲は、これまでの記述を参照して決めるべきではなく、代わりに、以下の添付の請求項を参照し、そのような請求項が権利を受けるのと等価の全範囲と共に、決めるべきものである。
【0371】
本明細書に引用した、すべての特許、特許出願、及び公刊物は、参照することにより、すべての目的のために、それらのすべてを、あたかも、それぞれ個々の特許、特許出願、又は公刊物が、個々にそのように表示したかの程度に、本明細書に取り入れたものとする。