(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-23
(45)【発行日】2025-06-02
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/43 20240101AFI20250526BHJP
【FI】
G06Q50/43
(21)【出願番号】P 2022036026
(22)【出願日】2022-03-09
【審査請求日】2024-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゾリーグ アナラ
(72)【発明者】
【氏名】三宅 基治
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-196768(JP,A)
【文献】特開2022-139230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって指定された位置を、或る更新期間において車両への乗車又は降車を行うことが可能な乗降車地点として設定する乗降車地点設定部と、
設定された前記乗降車地点における車両の利用実績に応じて、当該乗降車地点の設定を更新するために当該乗降車地点を指定した前記ユーザが支払う更新料金を決定する更新料金決定部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記更新料金決定部は、
前記乗降車地点における前記利用実績が第1の閾値以上の場合には、当該乗降車地点が前記ユーザの指定に応じて最初に設定されたときに当該ユーザが支払った設定料金よりも低い更新料金を決定し、又は、
前記乗降車地点における前記利用実績が第2の閾値未満の場合に、当該乗降車地点が前記ユーザの指定に応じて最初に設定されたときに当該ユーザが支払った設定料金よりも高い更新料金を決定する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記更新料金決定部は、前記乗降車地点における前記利用実績が第3の閾値以上の場合には、前記乗降車地点における前記利用実績が前記第3の閾値未満の場合よりも低い更新料金を決定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
ユーザが前記乗降車地点において車両を利用するために支払う利用料金を決定する利用料金決定部を備え、
前記利用料金決定部は、前記乗降車地点設定部により設定された前記乗降車地点を指定した前記ユーザが、当該乗降車地点にて車両を利用するときの利用料金として、当該乗降車地点以外の乗降車地点にて車両を利用するときの利用料金よりも低い料金を決定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記利用料金決定部は、前記乗降車地点における前記利用実績が第4の閾値以上の場合には、前記乗降車地点における前記利用実績が前記第4の閾値未満の場合よりも低い利用料金を決定する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記乗降車地点における車両の利用実績は、当該乗降車地点を指定した前記ユーザによる車両の利用実績、又は、当該乗降車地点を指定した前記ユーザ以外のユーザによる車両の利用実績を含む
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記乗降車地点設定部は、前記期間のうち前記ユーザによって指定された日又は時を限定して前記乗降車地点を設定する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記乗降車地点設定部は、前記ユーザによって指定された車両の種類に限定して前記乗降車地点を設定する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記乗降車地点の更新期間の長さを決定する更新期間決定部を備え、
前記更新期間決定部は、
或る更新期間において前記乗降車地点における前記利用実績が第5の閾値以上の場合には、当該或る更新期間よりも長い期間を、次の更新期間として決定し、又は、前記或る更新期間において前記乗降車地点における前記利用実績が第6の閾値未満の場合には、当該或る更新期間よりも短い期間を、次の更新期間として決定するする
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記更新料金決定部は、更新期間が長いほど単位期間あたりの更新料金が低くなるような更新料金を決定する
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが車両に乗降車する地点を設定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
オンデマンド型の交通サービスについて様々な実証実験が各地で行われている。オンデマンド型の交通サービスにおいては、例えばユーザが複数の乗降車地点群から選択した任意の乗車地点から任意の降車地点までの乗車を要求すると、その要求に合致する車両が選択され、選択された車両の運転者は、上記乗車地点を経由して上記降車地点に至るまでの経路に従って車両を運転する。
【0003】
この種の交通サービスにおいて乗降車地点を設定するための技術として、特許文献1には、基本路線に沿って設定されているバス停留所とは別に、その基本路線の外のユーザを迎えに行くための仮想的に設置された仮想バス停を設定し、ユーザが仮想バス停からバスに乗車した場合には、その仮想バス停の位置に応じたインセンティブをユーザに付与する、という仕組みが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユーザが利用しやすい乗降車地点の位置は、そのユーザの居住地や勤務地、或いはそのユーザがよく行く場所等によって異なる。従って、各々のユーザが自身にとって都合がよい任意の位置に乗降車地点を設定することができれば、利便性が高い。
【0006】
ただし、このような乗降車地点が無秩序に多数設定されてしまうと、システム上の管理が煩雑になってしまう。そこで、その乗降車地点が有効な期間を設けておき、その期間を更新するときにユーザが更新料金を支払うようにすれば、不要なバス停が乱立せず、一定の合理性があると考えられる。
【0007】
本発明は、上述した背景に鑑みてなされたものであり、乗降車地点の設定を更新するための更新料金を適切に決定する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、ユーザによって指定された位置を、或る更新期間において車両への乗車又は降車を行うことが可能な乗降車地点として設定する乗降車地点設定部と、設定された前記乗降車地点における車両の利用実績に応じて、当該乗降車地点の設定を更新するために当該乗降車地点を指定した前記ユーザが支払う更新料金を決定する更新料金決定部とを備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、乗降車地点の設定を更新するための更新料金を、その乗降車地点における車両の利用実績に応じて適切に決定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車両管理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】同実施形態に係るユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】同実施形態に係る車載端末20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】同実施形態に係るサーバ装置30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】サーバ装置30の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】同実施形態に係る乗降車地点情報記憶部323が記憶する乗降車地点情報を例示する図である。
【
図7】同実施形態において乗降車地点設定部33が記憶する料金決定テーブルを例示する図である。
【
図8】サーバ装置30の乗降車地点の設定/更新に関する動作を例示するフローチャートである。
【
図9】サーバ装置30の運行管理に関する動作を例示するフローチャートである。
【
図10】変形例において乗降車地点情報記憶部323が記憶する乗降車地点情報を例示する図である。
【
図11】変形例において乗降車地点設定部33が記憶する料金決定テーブルを例示する図である。
【
図12】変形例において乗降車地点設定部33が記憶する料金決定テーブルを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[構成]
図1は、本実施形態の車両管理システム1の一例を示す図である。車両管理システム1は、オンデマンド型の交通サービスを提供するためのシステムである。この車両管理システム1は、車両に乗降する複数の乗客(つまり交通サービスの提供対象となるユーザ)がそれぞれ利用する通信端末としてそれぞれ機能する複数のユーザ端末10と、複数の車両において各運転者が利用する通信端末としてそれぞれ機能する複数の車載端末20と、本発明に係る情報処理装置として機能するサーバ装置30とを備える。ネットワーク2は、これらユーザ端末10、車載端末20及びサーバ装置30を相互に通信可能に接続する。ネットワーク2は、例えばLAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)、若しくはこれらの組み合わせであり、有線区間又は無線区間を含んでいる。ネットワーク2は、例えば第5世代移動通信システムに準拠したネットワークを含むことが望ましいが、必ずしもこれに限らない。
【0012】
車両管理システム1において、ユーザは自身のユーザ端末10を操作して、複数の乗降車地点群から選択した任意の乗車地点から任意の降車地点までの乗車を要求する。この乗車要求はユーザ端末10からサーバ装置30にネットワーク2経由で送信される。車載端末20をそれぞれ搭載した複数の車両は分散して走行又は待機しており、サーバ装置30はユーザの乗車要求に合致する車両を選択する。サーバ装置30は、選択した車両の現在地点から上記乗車地点を経由して上記降車地点に至るまでの経路を特定して、その経路に関する情報を、その車両の車載端末20に通知する。この車載端末20が搭載された車両の運転者は、通知された経路に従って車両を運転する。また、サーバ装置30は、上記ユーザのユーザ端末10に対して、そのユーザが乗車するべき車両や、その車両が乗車地点及び降車地点に到着する予定時刻に関する情報を通知する。ユーザは、通知された乗車地点に通知された車両の乗車予定時刻までに徒歩等で移動して、その乗車地点において車両に乗車し、降車予定時刻に降車地点にて車両から降車する。なお、本実施形態における乗降車地点とは、ユーザが車両に乗車する乗車地点であってもよいし、ユーザが車両から降車する降車地点であってもよい。つまり、乗降車地点は、ユーザが車両に乗車可能な地点であるとともに車両から降車可能な地点であってもよいし、ユーザが車両に乗車することのみ可能な地点であってもよいし、ユーザが車両から降車することのみ可能な地点であってもよい。
【0013】
本実施形態において、乗降車地点群は、システム管理者が車両に対する需要及び供給の観点に基づいて設定した乗降車地点のほか、各ユーザが指定した任意の位置(例えばユーザの居住地や勤務地の近傍などユーザにとって乗降車しやすい地点)に設定された乗降車地点を含む。以下では、前者の乗降車地点をシステム設定乗降車地点といい、後者の乗降車地点を、ユーザ設定乗降車地点という。本実施形態では、複数のユーザが1台の車両に同時に乗り合って利用することを許容している。従って、本実施形態におけるユーザ設定乗降車地点は、そのユーザ設定乗降車地点を指定したユーザ(以下、乗降車地点設定ユーザという)だけではなく、その乗降車地点設定ユーザ以外のユーザも利用可能としている。
【0014】
ユーザ設定乗降車地点には、ユーザが車両に乗降車することが可能な期間(本実施形態では1か月とし、以下、この期間を更新期間という)が設定されている。乗降車地点設定ユーザは、更新料金をシステム管理者に支払うことで、ユーザ設定乗降車地点の設定を更新することができる。この更新料金は、ユーザ設定乗降車地点の上記期間内における利用実績によって変動する。ここでいる利用実績は、乗降車地点設定ユーザによる利用実績のほか、それ以外のユーザによる利用実績をも含むものとする。更新料金を決定するときの基本的なポリシーは、利用実績が多い場合には、利用実績が少ない場合に比べて、更新料金を低くするということである。これにより、利用実績の多いユーザ設定乗降車地点を更新するときの金銭的な負担が小さくなり、利用実績の多いユーザ設定乗降車地点が更新される可能性が高くなる。その結果、利用実績の少ないユーザ設定乗降車地点が多数乱立する可能性も小さくなる。
【0015】
図2は、ユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。ユーザ端末10は、例えばスマートホン、携帯電話機、タブレット、ウェアラブル端末又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータである。ユーザ端末10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。ユーザ端末10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0016】
ユーザ端末10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0017】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。また、例えばベースバンド信号処理部や呼処理部などがプロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0018】
プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、後述する動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。ユーザ端末10の機能ブロックは、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。各種の処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワーク2からユーザ端末10に送信されてもよい。
【0019】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0020】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0021】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インターフェースなどは、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部は、出力部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0022】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キー、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ、GPS(Global Positioning Unit)ユニットなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチスクリーン)であってもよい。
【0023】
プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバスによって接続される。バスは、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0024】
また、ユーザ端末10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0025】
図3は、車載端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。車載端末20は、例えばカーナビゲーション装置、スマートホン、携帯電話機、タブレット、ウェアラブル端末又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータである。車載端末20は、車両に一体化又は固定されている端末であってもよいし、運転者が携帯可能で車両に持ち込むことができるような端末であってもよい。車載端末20のハードウェア構成は、
図3に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されて、車載端末20を構成してもよい。
【0026】
車載端末20は、物理的にはユーザ端末10と同様に、プロセッサ2001、メモリ2002、ストレージ2003、通信装置2004、入力装置2005、出力装置2006及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。車載端末20における各機能は、プロセッサ2001、メモリ2002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ2001が演算を行い、通信装置2004による通信を制御したり、メモリ2002及びストレージ2003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。プロセッサ2001、メモリ2002、ストレージ2003、通信装置2004、入力装置2005、出力装置2006、及びこれらを接続するバスは、ユーザ端末10について説明したプロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、及びこれらを接続するバスと、ハードウェアとしては同様であるため、その説明を省略する。
【0027】
図4は、サーバ装置30のハードウェア構成を示す図である。サーバ装置30のハードウェア構成は、
図4に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されて、サーバ装置30を構成してもよい。
【0028】
サーバ装置30は、物理的には、プロセッサ3001、メモリ3002、ストレージ3003、通信装置3004、及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。サーバ装置30における各機能は、プロセッサ3001、メモリ3002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ3001が演算を行い、通信装置3004による通信を制御したり、メモリ3002及びストレージ3003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。プロセッサ3001、メモリ3002、ストレージ3003、通信装置3004、及びこれらを接続するバスは、ユーザ端末10について説明したプロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、及びこれらを接続するバスと、ハードウェアとしては同様であるため、その説明を省略する。ただし、通信装置3004は、無線通信の通信規格に従って通信を行うためのハードウェアである必要はなく、任意の有線通信の通信規格に従ってネットワーク2を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であってもよい。
【0029】
図5は、車両管理システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、サーバ装置30において、取得部31と、配車管理部32と、乗降車地点設定部33と、更新料金決定部34と、利用料金決定部35と、出力部36という機能が実現される。配車管理部32は、スケジュール決定部321と、地図情報記憶部322と、乗降車地点情報記憶部323と、車両情報記憶部324という機能を含んでいる。
【0030】
取得部31は、ユーザ端末10又は車載端末20から各種の情報を取得する。例えばユーザが自身のユーザ端末10を操作して、任意の乗車地点から任意の降車地点までの乗車を要求すると、この乗車要求はユーザ端末10からネットワーク2経由でサーバ装置30に送信されて、取得部31により取得される。また、車載端末20は、定期的に、GPSユニットやいわゆる基地局測位等によって自端末の位置を測位し、その位置を示す位置情報をネットワーク2経由でサーバ装置30に送信し、取得部31はこの車両の位置情報を取得する。また、ユーザが自身のユーザ端末10を操作して、任意の位置を指定してユーザ設定乗降車地点に設定することを要求すると、この設定要求はユーザ端末10からネットワーク2経由でサーバ装置30に送信され、取得部31により取得される。また、ユーザ設定乗降車地点を設定したユーザがそのユーザ設定乗降車地点の設定を更新することを要求すると、この更新要求はユーザ端末10からネットワーク2経由でサーバ装置30に送信され、取得部31により取得される。
【0031】
配車管理部32は、車両の配車に関する管理を行う。より具体的には、配車管理部32は、上記乗車要求に含まれる乗車地点の近辺に居る車両群又はその乗車地点の近辺を走行する予定の車両群から、そのユーザの乗車要求に合致する車両を選択する。配車管理部32は、選択した車両の現在地点から上記乗車地点を経由して上記降車地点に至るまでの運行スケジュールを決定する。この運行スケジュールは、どの車両がいつどの位置を通過するといった、時間軸に沿った経路を表す情報を含んでおり、例えば、ユーザが乗車する車両として選択された車両がそのユーザの乗車地点に到着する乗車予定時刻や、その車両がそのユーザの降車地点に到着する降車予定時刻などを含んでいる。このような運行スケジュールに関する履歴は、各ユーザによる各車両の利用実績として、ユーザ設定乗降車地点の更新料金を決定するときに用いられるほか、乗降車地点設定ユーザが設定したユーザ設定乗降車地点において車両に対する乗降車を行うときの利用料金を決定するときに用いられる。
【0032】
配車管理部32の地図情報記憶部322は、車両管理システム1によってサービスが提供される交通サービスエリア内の地図データ及び交通データを記憶している。地図データには、交通サービスエリア内の各道路の位置、各道路において走行可能な方向及び車線数、及び各道路における信号等に関する情報が含まれる。交通データには、交通サービスエリア内の各道路における渋滞や事故等に関する情報が含まれる。また、交通データには、各地域において所定のセンシング装置によってセンシングされた交通量に関する情報や、日時等の条件に応じて道路上の車両群がどのような移動をするのかというマクロ的な観点からの統計情報を含んでいてもよい。これら地図データ及び交通データは、車両の経路及びその経路を車両が移動するときの所要時間の特定に用いられる。
【0033】
配車管理部32の乗降車地点情報記憶部323は、システム設定乗降車地点及びユーザ設定乗降車地点を含む全ての乗降車地点に関する乗降車地点情報を記憶している。
【0034】
図6は、乗降車地点情報記憶部323に記憶された乗降車地点情報を例示する図である。
図6に例示するように、乗降車地点情報は、各乗降車地点を識別する地点ID、各乗降車地点の位置、各乗降車地点を設定した主体を識別する設定主体ID、各乗降車地点における更新期間の期限となる更新期限、各乗降車地点における利用実績、ユーザが希望する地点をユーザ設定乗降車地点として設定するためにそのユーザがシステム管理者に支払う設定料金、ユーザ設定乗降車地点の設定を更新するために乗降車地点設定ユーザがシステム管理者に支払う更新料金、及び、ユーザが各乗降車地点を利用する(つまり、車両に対する乗車又は降車)たびにそのユーザがシステム管理者に支払う利用料金を含む。
【0035】
図6の例において、地点ID「B00001」及び「B00003」に対応する設定者ID「U0012」及び「U0105」はいずれも、ユーザを識別するユーザIDである。つまり、これらの地点IDに対応する乗降車地点はユーザ設定乗降車地点である。一方、地点ID「B00002」に対応する設定者ID「sys」はシステム管理者を意味している。つまり、この地点IDに対応する乗降車地点は、システム設定乗降車地点である。
【0036】
ユーザ設定乗降車地点に対応する利用実績及び利用料金は、そのユーザ設定乗降車地点を設定した乗降車地点設定ユーザとそれ以外のユーザとで区別されて記憶されている。例えば地点ID「B00001」のユーザ設定乗降車地点において、更新期間内の利用実績は、乗降車地点設定ユーザが15回で、それ以外のユーザが3回の合計18回であり、利用料金は、乗降車地点設定ユーザが80円で、それ以外のユーザが100円である。これに対し、システム設定乗降車地点に対応する利用実績及び利用料金は全ユーザで共通である。例えば地点ID「B00002」のシステム設定乗降車地点において、更新期間内の利用実績は、全ユーザによるものが250回で、利用料金は、全ユーザについて一律100円である。
【0037】
図5の説明に戻り、配車管理部32の車両情報記憶部324は、各車両に関する車両情報を記憶している。この車両情報には、各車両のID、位置情報及び現在の乗車状況などが含まれている。本実施形態においては、車載端末20の情報が車両の位置とみなされる。よって、車両情報記憶部324において、車両の位置情報は、車載端末20からサーバ装置30に送信されてくる位置情報によって更新される。
【0038】
スケジュール決定部321は、取得部31が取得した乗車希望に応じて、上記の地図情報記憶部322、乗降車地点情報記憶部323及び車両情報記憶部324の記憶内容を参照してユーザが乗車する車両を選択し、その車両を乗車確定車両として運行スケジュールを決定し、決定した運行スケジュールをその車両のIDと対応付けて記憶する。前述したように、この運行スケジュールには、どの車両がどの位置をいつ通過するか、また、どの車両においてどのユーザがどの乗車地点から乗車するか/どの降車地点において降車するか等の、各車両の経路に関する情報が含まれている。
【0039】
乗降車地点設定部33は、ユーザによって指定された位置を、本実施形態では1か月という更新期間において乗降車が可能なユーザ設定乗降車地点として設定する。つまり、乗降車地点設定部33は、ユーザ設定乗降車地点に関する乗降車地点情報を乗降車地点情報記憶部323に書き込むことで、ユーザ設定乗降車地点の設定を行う。
【0040】
更新料金決定部34は、ユーザ設定乗降車地点における利用実績に応じて、その乗降車地点の設定を更新するためにその乗降車地点を設定した乗降車地点設定ユーザが支払う更新料金を決定する。具体的には、更新料金決定部34は、ユーザ設定乗降車地点における利用実績が閾値(第1の閾値)以上の場合には、そのユーザ設定乗降車地点がユーザの指定に応じて最初に設定されたときにそのユーザが支払った設定料金よりも低い更新料金を決定する。一方、更新料金決定部34は、ユーザ設定乗降車地点における利用実績が閾値(第2の閾値)未満の場合に、そのユーザ設定乗降車地点がユーザの指定に応じて最初に設定されたときにそのユーザが支払った設定料金よりも高い更新料金を決定する。また、更新料金決定部34は、ユーザ設定乗降車地点における利用実績が閾値(第3の閾値)以上の場合には、ユーザ設定乗降車地点における利用実績が閾値(第3の閾値)未満の場合よりも低い更新料金を決定する。上記の閾値(第1の閾値)、閾値(第2の閾値)及び閾値(第3の閾値)は任意に決められるものであり、これらは同じ値であってもよい。
【0041】
利用料金決定部35は、ユーザが複数の乗降車地点の間で車両を利用するために支払う利用料金を決定する。具体的には、利用料金決定部35は、ユーザ設定乗降車地点を指定した乗降車地点設定ユーザが、そのユーザ設定乗降車地点にて車両を利用するときの利用料金として、そのユーザ設定乗降車地点以外の乗降車地点にて車両を利用するときの利用料金よりも低い料金を決定する。また、利用料金決定部35は、ユーザ設定乗降車地点における利用実績が閾値(第4の閾値)以上の場合には、ユーザ設定乗降車地点における利用実績が閾値(第4の閾値)未満の場合よりも低い利用料金を決定する。一方、利用料金決定部35は、乗降車地点設定ユーザ以外のユーザがユーザ設定乗降車地点にて車両を利用するときの利用料金として、予め決められた固定料金(例えば100円)を決定する。また、利用料金決定部35は、全ユーザがシステム設定乗降車地点にて車両を利用するときの利用料金として、予め決められた固定料金(例えば100円)を決定する。
【0042】
図7は、ユーザ設定乗降車地点についての更新料金及び利用料金を決定するための規則が記述された料金決定テーブルを例示する図である。
図7の例では、各ユーザ設定乗降車地点についての利用実績が5回未満である場合はそのユーザ設定乗降車地点の設定を更新するための更新料金が110円で、そのユーザ設定乗降車地点を利用するための利用料金が90円であり、利用実績が5回以上20回未満である場合は更新料金が100円で利用料金が80円であり、利用実績が20回以上100回未満である場合は更新料金が80円で利用料金が70円であり、利用実績が100回以上である場合は更新料金が50円で利用料金が60円である。
【0043】
ここで、ユーザ設定乗降車地点を新規に設定するための設定料金は、1つのユーザ設定乗降車地点について100円という固定料金である。乗降車地点における利用実績が閾値(第1の閾値、ここでは20回)以上の場合には、設定料金100円よりも低い80円又は50円が更新料金となる。一方、乗降車地点における利用実績が閾値(第2の閾値、ここでは5回)未満の場合には、設定料金100円よりも高い110円が更新料金となる。さらに、利用実績が閾値(第3の閾値、ここでは20回)以上のときの更新料金80円は、利用実績が20回未満のときの利用料金100円よりも低い。同様の考え方で、この閾値(第3の閾値)を100回としたとき、ユーザ設定乗降車地点における利用実績が100回以上のときの更新料金50円は、利用実績が100回未満のときの利用料金80円よりも低い。
【0044】
また、前述したように、乗降車地点設定ユーザが、自ら設定したユーザ設定乗降車地点以外の乗降車地点を利用するときは、1回100円という固定料金である。これに対し、乗降車地点設定ユーザが自ら設定したユーザ設定乗降車地点にて車両を利用するときの利用料金は高くても90円(利用実績5回未満の場合)であるから、自ら設定したユーザ設定乗降車地点以外の乗降車地点(つまり、他のユーザが設定したユーザ設定乗降車地点及びシステム設定乗降車地点)にて車両を利用するときの利用料金100円よりも低い。
【0045】
また、ユーザ設定乗降車地点における利用実績が閾値(第4の閾値、ここでは5回)以上のときの利用料金80円は、利用実績が5回未満のときの利用料金90円よりも低い。同様の考え方で、この閾値(第4の閾値)を20回としたとき、ユーザ設定乗降車地点における利用実績が20回以上のときの利用料金70円は、利用実績が20回未満のときの利用料金80円よりも低く、また、この閾値(第4の閾値)を100回としたとき、ユーザ設定乗降車地点における利用実績が100回以上のときの利用料金60円は、利用実績が20回未満のときの利用料金70円よりも低い。
【0046】
なお、
図7に例示した料金決定テーブルにおける閾値及び料金は一例に過ぎず、システム管理者はこれら閾値及び料金についての規則を任意に決めることができる。
【0047】
出力部36は、各種の情報をネットワーク2経由でユーザ端末10又は車載端末20に送信する。出力部36からユーザ端末10に送信される情報は、例えば、そのユーザ端末10のユーザが乗車するべき車両やその車両が乗車地点及び降車地点に到着する降車予定時刻等に関する情報とか、乗降車地点の設定に関する情報等である。出力部36から車載端末20に送信される情報は、例えば、車両に乗車するユーザに関する情報や、車両の現在地点から上記乗車地点を経由して上記降車地点に至るまでの経路に関する情報等である。
【0048】
[動作]
次に、サーバ装置30の動作について説明する。
図8,9に示す各処理の手順は、サーバ装置30のストレージ3003等に記憶されているプログラムに記述されている。なお、以下の説明において、サーバ装置30を処理の主体として記載する場合には、具体的にはプロセッサ3001、メモリ3002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ3001が演算を行い、通信装置3004による通信や、メモリ3002及びストレージ3003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することにより、処理が実行されることを意味する。ユーザ端末10及び車載端末20についても同様である。
【0049】
[乗降車地点の設定/更新に関する動作]
次に、乗降車地点を設定/更新するときの処理について説明する。
図8において、まず、サーバ装置30(取得部31)は、ユーザ端末10から送信されてくる、ユーザ設定乗降車地点の設定又は更新に関する要求をネットワーク2経由で取得する(ステップS101)。ユーザ設定乗降車地点の設定に関する設定要求には、ユーザ設定乗降車地点を指定するユーザのユーザID及びそのユーザが所望する地点の位置が少なくとも含まれている。また、ユーザ設定乗降車地点の更新に関する更新要求は、そのユーザ設定乗降車地点を設定してその更新を希望するユーザのユーザID、及びそのユーザ設定乗降車地点の地点IDが少なくとも含まれている。
【0050】
ユーザ設定乗降車地点の設定に関する要求である場合には(ステップS102;設定)、サーバ装置30(乗降車地点設定部33)は、ユーザ設定乗降車地点を設定するための条件(設定料金として100円を支払いを行うことなど)を生成し、サーバ装置30(出力部36)がその条件をユーザ端末10に送信する(ステップS103)。ユーザがこの条件を承諾すると、サーバ装置30(乗降車地点設定部33)は、ユーザ設定乗降車地点に関する乗降車地点情報を乗降車地点情報記憶部323に書き込むことで、ユーザ設定乗降車地点の設定を行う(ステップS104)。
【0051】
ステップS102において、ユーザ設定乗降車地点の更新に関する要求である場合には(ステップS102;更新)、サーバ装置30(乗降車地点設定部33)は、乗降車地点情報記憶部323の記憶内容や料金決定テーブルの内容を参照して、ユーザ設定乗降車地点を更新するための条件(更新料金として○○円の支払いを行うことなど)を生成し、サーバ装置30(出力部36)がその条件をユーザ端末10に送信する(ステップS105)。ユーザがこの条件を承諾すると、サーバ装置30(乗降車地点設定部33)は、ユーザ設定乗降車地点に関する乗降車地点情報を乗降車地点情報記憶部323に書き込むことで、ユーザ設定乗降車地点の更新を行う(ステップS106)。
【0052】
[運行管理に関する動作]
次に、ユーザが車両に乗車するときの処理について説明する。
図9において、まず、サーバ装置30(取得部31)は、ユーザ端末10から送信されてくる乗車要求をネットワーク2経由で取得する(ステップS11)。この乗車要求には、乗車を希望するユーザによって指定された乗車地点及び降車地点に関する情報が少なくとも含まれている。
【0053】
次に、サーバ装置30(スケジュール決定部321)は、取得部31により取得された乗車要求に応じて、新規ユーザが乗車する候補となる乗車候補車両を特定する(ステップS12)。具体的には、スケジュール決定部321は、乗車要求における乗車地点から閾値距離以内に居る車両又はその乗車地点の閾値距離以内を走行する予定の車両であり、且つ、乗車要求における降車地点の閾値距離以内を走行する予定の車両を、乗車候補車両として特定する。
【0054】
ここで、乗車候補車両として特定された車両が無ければ(ステップS13;NO)、サーバ装置30(出力部36)は、例えば乗車可能な車両が無い旨をユーザ端末10に送信するなどの、所定のNG処理を行って処理を終了する(ステップS14)。
【0055】
一方、乗車候補車両として特定された車両が1台以上あれば(ステップS13;YES)、サーバ装置30(スケジュール決定部321)は、運行スケジュールを決定し(ステップS15)、サーバ装置30(出力部36)は、決定した運行スケジュールに関する情報を車載端末20及びユーザ端末10に送信する(ステップS16)。
【0056】
このような運行スケジュールに従って車両の運行が完了すると、乗降車地点情報記憶部323の記憶内容や料金決定テーブルの内容に基づいて算出された利用料金が所定の方法でユーザから徴収される。
【0057】
以上説明した実施形態によれば、ユーザ設定乗降車地点の利用実績が多い場合にはその更新料金を当初の設定料金よりも安くする一方、ユーザ設定乗降車地点の利用実績が少ない場合にはその更新料金を当初の設定料金よりも高くする。また、ユーザ設定乗降車地点における利用実績が多い場合には、その利用実績が少ない場合よりも更新料金を低くする。これにより、ユーザ設定乗降車地点の更新料金をその地点における利用実績に応じて適切に決定することが可能となる。
【0058】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態を以下のように変形してもよい。また、以下の2つ以上の変形例を組み合わせて実施してもよい。
[変形例1]
ユーザ設定乗降車地点を設定乃至更新する場合に、そのユーザ設定乗降車地点を利用可能な日又は時や、そのユーザ設定乗降車地点において利用可能な車両の種類を限定してもよい。
【0059】
図10は、変形例において乗降車地点情報記憶部323が記憶する乗降車地点情報を例示する図である。
図10に例示するように、ユーザ設定乗降車地点の乗降車地点情報は、ユーザ設定乗降車地点を利用可能な日又は時に関する時間条件と、ユーザ設定乗降車地点において利用可能な車両の種類に関する車種条件とを含む。
図10の例示では、地点ID「B00001」のユーザ設定乗降車地点は、「平日7:00-19:00」において「乗降車補助機能有り」の車両のみ利用可能となっており、また、「休日」において「8人乗り」の車両のみ利用可能となっている。このような時間条件及び車種条件に応じて、ユーザ設定乗降車地点の設定料金、更新料金又は利用料金が決まるようにしてもよい。このように、乗降車地点設定部は、期間のうちユーザによって指定された日又は時を限定してユーザ設定乗降車地点を設定したり、ユーザによって指定された車両の種類に限定してユーザ設定乗降車地点を設定したりするようにしてもよい。これにより、例えば平日や出金時のみユーザ設定乗降車地点を利用可能としたり、例えば大型車のみユーザ設定乗降車地点を利用可能としたりすることが可能となる。
【0060】
[変形例2]
ユーザ設定乗降車地点の利用実績に応じて更新期間の長さを変えるようにしてもよい。具体的には、ユーザ設定乗降車地点の利用実績が多い場合には、更新期間を長くし、ユーザ設定乗降車地点の利用実績が少ない場合には、更新期間を短くすればよい。
図11は、この変形例において乗降車地点設定部33が記憶する料金決定テーブルを例示する図である。
図11において、或る更新期間における利用実績が20回以上の場合は、20回未満の場合より更新期間が長くなる。また、或る更新期間における利用実績が100回以上の場合は、100回未満の場合より更新期間がさらに長くなる。このように、サーバ装置30は、ユーザ設定乗降車地点の更新期間の長さを決定する更新期間決定部を備えるようにしてもよい。この更新期間決定部は、或る更新期間においてユーザ設定乗降車地点における利用実績が閾値(第5の閾値)以上の場合には、その或る更新期間よりも長い期間を、次の更新期間として決定するようにしてもよい。また、更新期間決定部は、或る更新期間においてユーザ設定乗降車地点における利用実績が閾値(第6の閾値)未満の場合には、その或る更新期間よりも短い期間を、次の更新期間として決定するようにしてもよい。これにより、ユーザ設定乗降車地点の更新期間をその地点における利用実績に応じて適切に決定することが可能となる。なお、上記の閾値(第5の閾値)及び閾値(第6の閾値)は任意に決められるものであり、これらは同じ値であってもよい。
【0061】
[変形例3]
更新料金を更新期間の長さに応じて変えるようにしてもよい。具体的には、更新期間が長い場合には、更新料金を低くし、更新期間が短い場合には、更新料金を高くすればよい。
図12は、この変形例において乗降車地点設定部33が記憶する料金決定テーブルを例示する図である。
図12においては乗降車地点設定ユーザが更新期間として1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月の3種類から選択できるようになっており、更新期間1ヶ月の場合は更新料金が100円であり、更新期間が3ヶ月の場合は更新料金が250円であり、更新期間が6ヶ月の場合は更新料金が400円である。つまり、
図12の例では、更新期間が長いほど、単位期間あたりの更新料金(例えば1ヶ月あたりの更新料金)が低くなっている。このように、更新料金決定部34は、更新期間が長いほど単位期間あたりの更新料金が低くなるような更新料金を決定するようにしてもよい。これにより、長い更新期間を設定した乗降車地点設定ユーザに対しては割安となるような有利な条件で更新料金を決定することが可能となる。
【0062】
[変形例4]
上述した実施形態においては、ユーザ設定乗降車地点における車両の利用実績は、そのユーザ設定乗降車地点を指定した乗降車地点設定ユーザによる車両の利用実績、及び、それ以外のユーザによる車両の利用実績を含んでいたが、ユーザ設定乗降車地点において対象とする利用実績はこの例に限定されない。例えばユーザ設定乗降車地点における車両の利用実績は、そのユーザ設定乗降車地点を指定した乗降車地点設定ユーザによる車両の利用実績のみを含んでいてもよいし、また、乗降車地点設定ユーザ以外のユーザによる車両の利用実績のみを含んでいてもよい。
【0063】
[変形例5]
本発明に係る情報処理装置の一例としてサーバ装置30を例示したが、
図5に例示した機能ブロックを実現するコンピュータであれば本発明を適用可能である。また、サーバ装置30が乗降車地点情報を記憶している必要はなく、サーバ装置以外の他の装置が記憶してもよい。この場合、サーバ装置が他の装置に対して、乗降車地点情報の検索を要求してその検索結果を取得したり、乗降車地点情報の更新を指示したりすればよい。
【0064】
[そのほかの変形例]
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0065】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、出力部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0066】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0067】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0068】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0069】
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0070】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0071】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0072】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0073】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0074】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0075】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0076】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0077】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0078】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0079】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0080】
ユーザ端末10又は車載端末20は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。
【0081】
「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0082】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」され経路考えることができる。
【0083】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0084】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0085】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0086】
本開示において、例えば、英語でのa,an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0087】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1…車両管理システム、2…ネットワーク、10…ユーザ端末、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…ストレージ、1004…通信装置、1005…入力装置、1006…出力装置、20…車載端末、2001…プロセッサ、2002…メモリ、2003…ストレージ、2004…通信装置、2005…入力装置、2006…出力装置、30…サーバ装置、31…取得部、32…配車管理部、321…スケジュール決定部、322…地図情報記憶部、323…乗降車地点情報記憶部、324…車両情報記憶部、33…乗降車地点設定部、34…更新料金決定部、35…利用料金決定部、36…出力部、3001…プロセッサ、3002…メモリ、3003…ストレージ、3004…通信装置。