IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クリナップ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-収納庫 図1
  • 特許-収納庫 図2
  • 特許-収納庫 図3
  • 特許-収納庫 図4
  • 特許-収納庫 図5
  • 特許-収納庫 図6
  • 特許-収納庫 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】収納庫
(51)【国際特許分類】
   A47B 87/02 20060101AFI20250527BHJP
   A47B 97/00 20060101ALI20250527BHJP
   A47B 55/00 20060101ALI20250527BHJP
【FI】
A47B87/02
A47B97/00 M
A47B55/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021139040
(22)【出願日】2021-08-27
(65)【公開番号】P2023032742
(43)【公開日】2023-03-09
【審査請求日】2024-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000104973
【氏名又は名称】クリナップ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 美香
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴之
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-167549(JP,U)
【文献】実公平1-18781(JP,Y2)
【文献】実開昭50-83814(JP,U)
【文献】実開昭58-82140(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 87/02
A47B 97/00
A47B 55/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面が開口する箱型の左下キャビネットと、
当該左下キャビネットの右側に配置され正面が開口する箱型の右下キャビネットと、
前記左下キャビネットの上段に配置され正面が開口する箱型の左上キャビネットと、
当該左上キャビネットの右側に配置されかつ前記右下キャビネットの上段に配置されて正面が開口する箱型の右上キャビネットと、
前記左下キャビネット、前記右下キャビネットの正面を開閉可能に互いに引き違い状にスライドする一対の引き違い戸とを備え、
前記左下キャビネットと前記右下キャビネットは、前記一対の引き違い戸における一方の引き違い戸の戸先と他方の引き違い戸の戸尻との間の引き残し幅部とそれに連続する前記他方の引き違い戸の戸先と前記一方の引き違い戸の戸尻との間の引き残し幅部の間に形成される間隔空間をあけて配置され、
配線コードが床面から当該間隔空間を通り前記左上キャビネット又は前記右上キャビネットに延び、前記左上キャビネット又は前記右上キャビネットに取り付けられる外部端子と接続することを特徴とする収納庫。
【請求項2】
前記左上キャビネットと前記右上キャビネットは、側面同士が接触して配置され、前記配線コードは、前記左上キャビネット又は前記右上キャビネットの背面側から前記外部端子と接続することを特徴とする請求項1に記載の収納庫。
【請求項3】
前記間隔空間を形成するスペーサが前記左下キャビネットと前記右下キャビネットとの間に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の収納庫。
【請求項4】
正面が開口する箱型の左下キャビネットと、
当該左下キャビネットの右側に配置され正面が開口する箱型の右下キャビネットと、
前記左下キャビネットの上段に配置され正面が開口する箱型の左上キャビネットと、
当該左上キャビネットの右側に配置されかつ前記右下キャビネットの上段に配置されて正面が開口する箱型の右上キャビネットと、
前記左下キャビネット、前記右下キャビネットの正面を開閉可能に互いに引き違い状にスライドする一対の引き違い戸とを備える収納庫に取り付けられる外部端子につながる配線コードの配線方法において、
前記左下キャビネットと前記右下キャビネットは、前記一対の引き違い戸における一方の引き違い戸の戸先と他方の引き違い戸の戸尻との間の引き残し幅部とそれに連続する前記他方の引き違い戸の戸先と前記一方の引き違い戸の戸尻との間の引き残し幅部の間に形成される間隔空間をあけて配置し、
床面から延びる前記配線コードを、当該間隔空間を通り前記左上キャビネット又は前記右上キャビネットに延長し、前記左上キャビネット又は前記右上キャビネットに設置される前記外部端子と接続することを特徴とする配線方法。
【請求項5】
前記左上キャビネットと前記右上キャビネットをその側面同士が接触して連結するように配置することを特徴とする請求項4に記載の配線方法。
【請求項6】
前記左下キャビネットの側面とそれに面する前記右下キャビネットの側面との間にスペーサを配置することにより前記間隔空間を形成することを特徴とする請求項4又は5に記載の配線方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収納する収納庫に関し、特に、互いに引き違い状にスライド可能な左右一対の引き違い戸により収納空間を開閉する収納庫に関する。
【背景技術】
【0002】
キッチンに配置されるいわゆるカップボードのような収納庫において、収納容積や使用用途に応じて、複数の収納キャビネットを複数段積み重ねて組み合わせたシステム構成が採用されている。
【0003】
図7は、複数の収納キャビネットを組み合わせて構成された収納庫の概略的な外観を示す斜視図である。図7(a)の例では、収納庫1は、左右に並べられた2つの収納キャビネット2が3段積み重ねられて構成され、扉として、例えば、段ごとの左右の収納キャビネット2に対して左右一対の引き違い状にスライドする引き違い戸3によって、各段の収納キャビネット2の正面側開口を開閉する。
【0004】
図7(b)に示されるように、収納庫1には、外部端子4、例えば調理家電などの電気器具を使用するために電源供給のためのコンセント4が設けられている。コンセント4を所定の上方位置、例えば2段目より上の収納キャビネット2に設置する場合、コンセント4まで延びる配線コード(図示せず)を、床からコンセント4の設置位置まで収納キャビネット2の背面付近を通して立ち上げ、コンセント4と接続する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1は、収納機能を有する間仕切り装置に関する発明において、例えば人が立っている状態で手の届く程度の高さである上方位置にコンセント(コネクタ21)が設けられ、そのコンセントに延びる配線コードを立ち上げるための下部配線空間29や上部配線空間20を設ける構成について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2005-218701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のように、配線コードを所定高さ位置まで立ち上げるために、下段側において、最奥側の背板の手前方向に間隔をあけて手前側背板を設置して、配線コードを通す配線空間を形成すると、下段の収納キャビネットの奥行方向長さが短くなり、収納空間が奥行方向に狭くなる。
【0008】
特に、下段の収納キャビネットには、ゴミ箱やキャスター付きワゴンのような比較的大型で奥行方向に長い収納物を収納するケースを考慮する必要があり、上記配線空間のために収納空間の奥行き方向長さが短くなると、このような大型の収納物では、手前側にはみ出して扉が閉まらないようなケースがあり得る、若しくは収納物の大きさに制限を受けるため、そのような収納物を選択できない不都合が生じる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、複数の収納キャビネットを複数段に積み重ねて構成される収納庫において、下段の収納キャビネットの奥行方向を狭めることなく、上方位置に取り付けられたコンセントなどの外部端子に延びる配線コードを配線することができる収納庫を提供することにある。
【0010】
より具体的には、本発明の目的は、収納キャビネットを段重ねして形成される収納庫であって、引違い戸により開閉される引違い扉式収納庫において、下段の収納キャビネットの奥行方向の収納空間を減少させることなく、配線コードを配線することができる収納庫及び配線方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明の収納庫は、正面が開口する箱型の左下キャビネットと、当該左下キャビネットの右側に配置され正面が開口する箱型の右下キャビネットと、前記左下キャビネットの上段に配置され正面が開口する箱型の左上キャビネットと、当該左上キャビネットの右側に配置されかつ前記右下キャビネットの上段に配置されて正面が開口する箱型の右上キャビネットと、前記左下キャビネット、前記右下キャビネットの正面を開閉可能に互いに引き違い状にスライドする一対の引き違い戸とを備え、前記左下キャビネットと前記右下キャビネットは、前記一対の引き違い戸における一方の引き違い戸の戸先と他方の引き違い戸の戸尻との間の引き残し幅部とそれに連続する前記他方の引き違い戸の戸先と前記一方の引き違い戸の戸尻との間の引き残し幅部の間に形成される間隔空間をあけて配置され、配線コードが床面から当該間隔空間を通り前記左上キャビネット又は前記右上キャビネットに延び、前記左上キャビネット又は前記右上キャビネットに取り付けられる外部端子と接続することを特徴とする。
【0012】
好ましくは、上記収納庫において、前記左上キャビネットと前記右上キャビネットは、側面同士が接触して配置され、前記配線コードは、前記左上キャビネット又は前記右上キャビネットの背面側から前記外部端子と接続する。また、前記間隔空間を形成するスペーサが前記左下キャビネットと前記右下キャビネットとの間に配置される。
【0013】
また、本発明の配線方法は、正面が開口する箱型の左下キャビネットと、当該左下キャビネットの右側に配置され正面が開口する箱型の右下キャビネットと、前記左下キャビネットの上段に配置され正面が開口する箱型の左上キャビネットと、当該左上キャビネットの右側に配置されかつ前記右下キャビネットの上段に配置されて正面が開口する箱型の右上キャビネットと、前記左下キャビネット、前記右下キャビネットの正面を開閉可能に互いに引き違い状にスライドする一対の引き違い戸とを備える収納庫に取り付けられる外部端子につながる配線コードの配線方法において、前記左下キャビネットと前記右下キャビネットは、前記一対の引き違い戸における一方の引き違い戸の戸先と他方の引き違い戸の戸尻との間の引き残し幅部とそれに連続する前記他方の引き違い戸の戸先と前記一方の引き違い戸の戸尻との間の引き残し幅部の間に形成される間隔空間をあけて配置し、床面から延びる前記配線コードを、当該間隔空間を通り前記左上キャビネット又は前記右上キャビネットに延長し、前記左上キャビネット又は前記右上キャビネットに設置される前記外部端子と接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の収納庫によれば、床から延びる配線コードを、引き違い戸の引き残し幅に対応する間隔空間を利用して、収納庫の上方位置にある上段の収納キャビネットにに取り付けられる外部端子に接続するように配線することで、下段の収納キャビネットの奥行方向を狭めることなく、上方位置に取り付けられたコンセントなどの外部端子に延びる配線コードを配線することができる。また、下段の収納キャビネットの奥行方向の収納空間を減少させることなく、配線コードを収納庫の上側部分に配線することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態における収納庫を示す図である。
図2】下段の収納キャビネットの配置構成を示す図である。
図3】下段の収納キャビネットの配置間隔を示す図である。
図4】下段の収納キャビネットに収納された収納物の配置を示す模式図である。
図5】収納庫を構成する収納キャビネット20を背面側から見た斜視図である。
図6図5の一部分を拡大して示す図である。
図7】複数の収納キャビネットを組み合わせて構成された収納庫の概略的な外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の実施の形態について、具体的な図に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態における収納庫を示す図であり、図1(a)は収納庫の外観を示す概略斜視図、図1(b)は収納庫の一部分であって、収納庫内に配置されたコンセントを示す図である。収納庫10は、複数の収納キャビネット20を左右に並べかつ上下に積み重ねて構成される。図1の例では、収納庫10は、左右に並べられた2つの収納キャビネット20a、20b、20c及び20dが2段積み重ねられて構成され、より具体的には、下段左側収納キャビネット(左下キャビネット)20aと下段右側収納キャビネット(右下キャビネット)20bが左右に並べて配置され、その上に、上段左側収納キャビネット(左上キャビネット)20cと上段右側収納キャビネット(右上キャビネット)20dが左右に並べて配置される。なお、収納庫10は、左右の収納キャビネット20(各収納キャビネット20a、20b、20c、20dを総称して収納キャビネット20と称する)が3段以上積み重ねられて構成されてもよいが、本実施の形態例では、最も少ない段数構成である2段構成の収納庫10を例に説明する。
【0018】
各収納キャビネット20は、それぞれ、天面、底面、左側面、右側面、背面にて構成される箱型形状であり、正面側が開口する。その正面側を開閉するための扉として、段毎に、互いに引き違い状にスライド可能な左右一対の引き違い戸30が、左右の収納キャビネット20の開口を開閉可能に取り付けられる。若しくは、扉は、上下段を同時に開閉する左右一枚ずつの引き違い戸30であって、左側の収納キャビネット20a、20cをともに開閉し、また右側の収納キャビネット20b、20dをともに開閉するものであってもよく、少なくとも下段(最下段)の左下キャビネット20aと右下キャビネット20dが引き違い戸30により開閉される。例えば、下段の収納キャビネット20a、20bは引き違い戸30により開閉され、上段の収納キャビネット20c、20dは両開き扉で開閉される構成であってもよい。通常、一対の引き違い戸30において、左側の引き違い戸30aに対して右側の引き違い戸30bが手前側をスライドする。
【0019】
収納キャビネット20には、電源用のコンセント40が配置され、好ましくは、図1(b)に示されるように、少なくとも1つのコンセント40が上段の収納キャビネット、すなわち左上キャビネット20c又は右上キャビネット20dの背板に設置され(図1(b)では右上キャビネット20dに設置される例を示す)、電源プラグが差し込まれる接続口が背板の外側に露出して、収納キャビネット20の正面方向に向いて取り付けられている。
【0020】
図2は、下段の収納キャビネットの配置構成を示す図であり、図3は、下段の収納キャビネットの配置間隔を示す図である。また、図4は、下段の収納キャビネットに収納された収納物の配置を示す模式図である。
【0021】
特に図3に示すように、下段の収納キャビネット20である左下キャビネット20aと右下キャビネット20bは、左右一対の引き違い戸30の一方の引き違い戸(例えば正面から見て左側引き違い戸)30aの戸先と他方の引き違い戸(例えば正面から見て右側引き違い戸)30bの戸尻との間の左側引き残し幅部L1(その位置と長さの両方を表す)と、それに連続する上記他方の引き違い戸(例えば右側引き違い戸)30bの戸先と上記一方の引き違い戸(例えば左側引き違い戸)30aの戸尻との間の右側引き残し幅部L2(その位置と長さの両方を表す)とを合わせた左右引き残し幅部L(その位置と長さの両方を表す)以内の左右幅を有する間隔空間Sをあけて設置される。間隔空間Sの左右幅Lを形成するスペーサ22が配置される。左下キャビネット20aの側面とそれに面する右下キャビネット20bの側面との間にスペーサ22を配置して間隔空間Sを形成する。
【0022】
間隔空間Sは、左右引き残し幅部Lを最大幅寸法とする左右幅で左右引き残し幅部Lの間に形成され、その左右幅と左下キャビネット20aの右側板及び右下キャビネット20bの左側板により囲まれる空間である。なお、左右一対の2枚の引き違い戸において引き残し幅が発生するのは以下の理由による。すなわち、2枚の引き違い戸を完全に重ねると、後ろ側の引き違い戸の取手部分が隠れてしまい、取手部分に手をかけられなくなり、開閉に不都合が生じる。そのため、取手部分が重ならないように、引き違い戸が全開状態から所定長さ分手前で止まるようにして、後ろ側の引き違い戸の取手部分に手がかけられるようにする余裕代として引き残し幅が発生するように設計される。
【0023】
一対の引き違い戸30の左右引き残し幅部Lによって形成される間隔空間Sは、収納キャビネット20を正面から見た場合に引き違い戸30に隠れて収納物を正面方向にまっすぐにスライドさせて引き出す(又は押し入れる)ことのできない領域となる。例えば、図4に示すように、下段の収納キャビネット20にゴミ箱やキャスター付きワゴンなどの比較的大型の収納物50などを収納した場合、その収納物50を手前方向に引き出す際に引き違い戸30に当たらないような位置に収納物50は配置される。そのため、引き違い戸30の左右引き残し幅部Lに対応する空間は実質的にデッドスペースとなり、下段の収納キャビネット20の側板を左右方向に引き残し幅部L分ずらして間隔空間Sを形成しても、実質的に収納領域は減少しない。したがって、下段の収納キャビネット20a、20bの収納容積を実質的に減少させることなく、配線のための間隔空間を形成することができる。
【0024】
本実施の形態例における収納庫20では、コンセント40に延びる配線コードをこの間隔空間Sを通して配線し、床から上段の収納キャビネット20に立ち上げられる。
【0025】
図5は、収納庫を構成する収納キャビネット20を背面側から見た斜視図であり、図6は、その一部拡大図である。図5及び図6に示すように、床から延びる配線コード42は、下段の収納キャビネット20a、20b間に設けられた間隔空間Sを通って上段の収納キャビネット20c、20dに立ち上げられ、上段の収納キャビネット20c、20d(図5図6では、右上キャビネット20d)の背面からコンセント(図5図6に図示せず)に接続される。コンセント40は、上段の収納キャビネット20c、20dの背板に設けられる孔部44に取り付けられる。
【0026】
このように、床から延びる配線コード42を、引き違い戸30の引き残し幅部Lに対応する間隔空間Sを利用して、収納庫10の比較的高い位置にある上段の収納キャビネット20c、20dに設けられるコンセント40に接続するように配線することで、発明が解決しようとする課題の欄で説明したように、下段の収納キャビネット20a、20bの収納空間の奥行方向を短くすることなく配線コード42を通す配線空間Sを形成することができる。そのため、収納キャビネット20の収納容積を減少させることなく、配線コード42を収納庫10の上側部分に配線することができる。
【0027】
特に図6に示されるように、上段の収納キャビネット20c、20dの背板は、下段の収納キャビネット20a、20bの背板よりもごくわずかに手前側に配置されるようにしてもよい。これにより、配線コード42が、上段の収納キャビネット20c、20dの背面でコンセント40に接続するための領域を確保することができる。また、上段の収納キャビネット20c、20dは、互いに面する側板が接して配置される。上段の収納キャビネット20c、20dでは、間隔空間Sを必ずしも設ける必要はなく、引き残し幅部Lに相当する空間も収納空間として利用される。上段の収納キャビネット20c、20dでは、下段と比較して収納物の種類、用途が異なる傾向があり、より広い収納空間を確保することが優先される。もちろん、上段の収納キャビネット20c、20dにおいても、その互いに面する側板間に間隔を設けて配置されてもよく、その間隔は、下段の収納キャビネット20a、20b間の間隔空間Sと連続する上段側の間隔空間であり、配線コード42は、その上段側の間隔空間を通って延び、上段の収納キャビネット20c、20dの側面に配置されるコンセント40と接続するものであってもよい。
【0028】
上述では、収納キャビネットに設置される電源用のコンセントに接続する配線コードの配線構成について例示したが、コンセントに限られるものではなく、他の外部端子、例えば、LAN(Local Area Network)ケーブルのような通信ネットワークやコンピュータ装置などの情報処理装置との間で信号伝送するための通信用外部端子であってもよく、配線コードは、上述した本発明の配線構成により収納キャビネットに設けられた通信用外部端子と接続する。
【0029】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0030】
10:収納庫、20(20a、20b、20c、20d):収納キャビネット、22:スペーサ、30(30a、30b):引き違い戸、40:コンセント(外部端子)、42:配線コード、44:孔部、S:間隔空間、L(L1、L2):引き残し幅部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7