(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】単位セル検査装置、それを含む電極組立体の製造設備及び製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20250527BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20250527BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/48 A
(21)【出願番号】P 2023553183
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(86)【国際出願番号】 KR2022011540
(87)【国際公開番号】W WO2023027373
(87)【国際公開日】2023-03-02
【審査請求日】2023-09-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0113449
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、クワン ウー
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ハ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョン ミュン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヒュン ジャエ
【審査官】冨士 美香
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-135019(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単位セルのエッジ部を
赤外線で撮影して前記単位セルに含まれた電極のエッジ部の位置を測定する検査ユニットを含み、
前記検査ユニットは、
前記単位セルのエッジ部を加熱して前記単位セルに含まれた電極エッジ部の温度を上昇させるメインヒーティング部と、
前記単位セルのエッジ部を
赤外線で撮影して前記単位セルに含まれた前記電極のエッジ部に対する熱写真を取得する撮影部と、
前記撮影部により撮影された熱写真で前記電極のエッジ部を測定し、測定された前記電極エッジ部を介して電極位置を測定する検査部と、を含
み、
前記撮影部は、前記単位セルのエッジ部をそれぞれ撮影する4つの赤外線カメラに設けられ、
前記メインヒーティング部は、前記単位セルのエッジ部をそれぞれ高温の光で加熱して前記単位セルに含まれた電極の温度を上昇させる4つの赤外線ランプに設けられ、
前記4つの赤外線ランプは、前記4つの赤外線カメラにそれぞれ結合される、
単位セル検査装置。
【請求項2】
前記単位セルは、分離膜と分離膜の間に電極が配置される構造を有し、
前記撮影部は、前記
赤外線で前記分離膜を透過して前記単位セルに含まれた電極のエッジ部に対する熱写真を取得する、請求項1に記載の単位セル検査装置。
【請求項3】
前記検査ユニットは、前記撮影部に位置する前記単位セルの両端部を支持することと同時に加熱することにより、前記単位セルに含まれた電極のエッジ部温度を上昇させる補助ヒーティング部をさらに含む、請求項1に記載の単位セル検査装置。
【請求項4】
前記単位セル検査装置は、前記単位セルを前記検査ユニットまで移送する移送ユニットをさらに含む、請求項1に記載の単位セル検査装置。
【請求項5】
前記単位セル検査装置は、前記検査ユニットと前記移送ユニットが設置される本体ユニットをさらに含み、
前記本体ユニットは、前記移送ユニットが設置される下部本体と、前記下部本体の上部に設置される上部本体と、前記検査ユニットを前記上部本体に結合する第1ブラケットと、を含み、
前記第1ブラケットは、前記上部本体に結合される上下結合部、前記上下結合部に結合される左右結合部、一端は前記左右結合部に結合され、他端に前記撮影部が結合される前後結合部を含む、請求項
4に記載の単位セル検査装置。
【請求項6】
前記上下結合部は、前記上部本体に前記単位セルの厚さ方向に高さ調節が可能に結合されながら前記単位セルに基づいて前記撮影部の高さが調節され、
前記左右結合部は、前記上下結合部に前記単位セルの全長方向に位置調節が可能に結合されながら前記単位セルの全長方向に前記撮影部の位置が調節され、
前記撮影部は、前記前後結合部に前記単位セルの全幅方向に位置調節が可能に結合されながら前記単位セルの全幅方向に前記撮影部の位置が調節される、請求項
5に記載の単位セル検査装置。
【請求項7】
前記本体ユニットは、上下方向に位置する前記前後結合部と補助ヒーティング部を連結して前記前後結合部の固定力を高める第2ブラケットをさらに含み、
前記前後結合部は、前記第2ブラケットに前記単位セルの厚さ方向に高さ調節が可能に結合される、請求項
6に記載の単位セル検査装置。
【請求項8】
前記検査部は、前記撮影部により撮影された熱写真と予め入力された電極のエッジ部の正常写真を対比することにより、前記電極エッジ部の変形可否をさらに検査する、請求項1に記載の単位セル検査装置。
【請求項9】
前記電極は、負極である、請求項1に記載の単位セル検査装置。
【請求項10】
単位セルを供給する単位セル供給装置と、
前記単位セル供給装置により供給された前記単位セルのエッジ部を
赤外線で撮影して前記単位セルに含まれた電極のエッジ部位置を測定し、測定された電極エッジ部を介して電極の位置を測定する請求項1から
9のいずれか一項に記載の単位セル検査装置と、
前記単位セル検査装置により測定された電極の位置に基づいて単位セルを順次配置する単位セル配置装置と、を含む電極組立体の製造設備。
【請求項11】
前記単位セル配置装置は、電極位置が測定された単位セルを順次配置する単位セル配置ユニットと、順次配置される単位セルの配置状態を検査する単位セル検査ユニットを含む、請求項1
0に記載の電極組立体の製造設備。
【請求項12】
(a)単位セルを供給する段階と、
(b)供給された単位セルのエッジ部を
赤外線で撮影して前記単位セルに含まれた電極のエッジ部を測定し、測定された電極エッジ部を介して電極位置を測定する段階と、
(c)前記電極位置が測定された単位セルを順次配置して電極組立体を製造する段階と、を含み、
前記(b)段階は、
前記(a)段階で供給された単位セルを移送する移送工程と、
移送された単位セルのエッジ部を加熱して前記単位セルに含まれた電極の温度を上昇させるヒーティング工程と、
前記単位セルのエッジ部を
赤外線で撮影して前記単位セルに含まれた電極のエッジ部に対する熱写真を取得する撮影工程と、
前記電極のエッジ部の熱写真で前記電極のエッジ部を測定し、測定された電極エッジ部を介して電極位置を測定する検査工程と、を含
み、
前記ヒーティング工程は、4つの赤外線ランプを使用して前記単位セルのエッジ部を加熱し、
前記撮影工程は、前記4つの赤外線ランプにそれぞれ結合される4つの赤外線カメラを使用して前記単位セルのエッジ部を撮影する、
電極組立体の製造方法。
【請求項13】
前記単位セルは、分離膜と分離膜の間に電極が配置される構造を有し、前記電極は負極で設けられ、
前記撮影工程は、
赤外線を使用して前記分離膜を透過した後に負極のエッジ部を撮影する、請求項1
2に記載の電極組立体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年8月26日に出願された韓国特許出願第10-2021-0113449号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、長波長赤外線を使用して、単位セルに含まれた電極を測定して検査する単位セル検査装置、それを含む電極組立体の製造設備及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的には、二次電池(secondary battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電及び放電が可能な電池をいい、このような二次電池は、携帯電話、ノートパソコン、及びコムコーダーなどの先端電子機器の分野で広く使用されている。
【0004】
前記二次電池は、電極組立体が金属缶に内蔵される缶型二次電池と、電極組立体がパウチに内蔵されるパウチ型二次電池に分類される。そして、前記パウチ型二次電池は、電極組立体、電解液、前記電極組立体と前記電解液を収容するパウチを含む。
【0005】
そして、前記電極組立体は、1つ以上の単位セルを含み、前記単位セルは、分離膜を介在した状態で第1電極と第2電極が交互に配置される構造を有する。ここで、第1電極は正極であり、第2電極は負極である。特に、負極は、正極よりも大きな面積を有する。
【0006】
ここで、前記電極組立体は、単位セルの最外殻に配置された電極に基づいて単位セルを多段に配置し、この際、単位セルの最外殻に正極が配置される場合、正極は負極よりも面積が小さいので、単位セルと単位セル間の全長及び全幅公差が大幅に発生するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、長波長赤外線を使用して単位セルに含まれた負極の位置を正確に測定することができることから、負極に基づいて単位セルを多段に配置することができ、その結果、単位セルと単位セル間の全長及び全幅公差を大幅に減少させることができる。すなわち、単位セルの内部に負極が配置されても、長波長赤外線を使用して負極の位置を正確に測定することができる単位セル検査装置、それを含む電極組立体の製造設備及び製造方法を解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の単位セル検査装置は、単位セルのエッジ部を長波長赤外線で撮影して前記単位セルに含まれた電極のエッジ部位置を測定する検査ユニットを含み、前記検査ユニットは、前記単位セルのエッジ部を加熱して前記単位セルに含まれた電極エッジ部の温度を上昇させるメインヒーティング部、前記単位セルのエッジ部を長波長赤外線で撮影して前記単位セルに含まれた電極のエッジ部に対する熱写真を取得する撮影部;及び前記撮影部により撮影された熱写真で前記電極のエッジ部を測定し、測定された電極エッジ部を介して電極位置を測定する検査部を含んでよい。
【0009】
前記単位セルは、分離膜と分離膜の間に電極が配置される構造を有し、前記撮影部は、長波長赤外線で前記分離膜を透過して前記単位セルに含まれた電極のエッジ部に対する熱写真を取得してよい。
【0010】
前記撮影部は、前記単位セルのエッジ部をそれぞれ撮影する4つの長波長赤外線カメラに設けられ、前記メインヒーティング部は、前記単位セルのエッジ部をそれぞれ高温の光で加熱して前記単位セルに含まれた電極の温度を上昇させる4つの長波長赤外線ランプに設けられ、4つの長波長赤外線ランプは、前記4つの長波長赤外線カメラにそれぞれ結合されてよい。
【0011】
前記検査ユニットは、前記撮影部に位置する前記単位セルの両端部を支持すると同時に加熱することにより、前記単位セルに含まれた電極のエッジ部温度を上昇させる補助ヒーティング部をさらに含んでよい。
【0012】
前記単位セル検査装置は、前記単位セルを前記検査ユニットまで移送する移送ユニットをさらに含んでよい。
【0013】
前記単位セル検査装置は、前記検査ユニットと前記移送ユニットが設置される本体ユニットをさらに含み、前記本体ユニットは、前記移送ユニットが設置される下部本体と、前記下部本体の上部に設置される上部本体と、前記検査ユニットを前記上部本体に結合する第1ブラケットを含み、前記第1ブラケットは、前記上部本体に結合される上下結合部、前記上下結合部に結合される左右結合部、一端は左右結合部に結合され、他端に前記撮影部が結合される前後結合部を含んでよい。
【0014】
前記上下結合部は、前記上部本体に前記単位セルの厚さ方向に高さ調節が可能に結合されながら前記単位セルに基づいて前記撮影部の高さが調節され、前記左右結合部は、前記上下結合部に前記単位セルの全長方向に位置調節が可能に結合されながら前記単位セルの全長方向に前記撮影部の位置が調節され、前記撮影部は、前記前後結合部に前記単位セルの全幅方向に位置調節が可能に結合されながら前記単位セルの全幅方向に前記撮影部の位置が調節されてよい。
【0015】
前記本体ユニットは、上下方向に位置する前後結合部と補助ヒーティング部を連結して前記前後結合部の固定力を高める第2ブラケットをさらに含み、前記前後結合部は、前記第2ブラケットに前記単位セルの厚さ方向に高さ調節が可能に結合されてよい。
【0016】
前記検査部は、前記撮影部により撮影された熱写真と予め入力された電極のエッジ部の正常写真を対比することにより、前記電極エッジ部の変形可否をさらに検査してよい。
【0017】
前記電極は、負極であってよい。
【0018】
一方、本発明の電極組立体の製造設備は、単位セルを供給する単位セル供給装置;前記単位セル供給装置により供給された前記単位セルのエッジ部を長波長赤外線で撮影して前記単位セルに含まれた電極のエッジ部位置を測定し、測定された電極エッジ部を介して電極の位置を測定する請求項1による単位セル検査装置;及び前記単位セル検査装置により測定された電極の位置に基づいて単位セルを順次配置する単位セル配置装置を含んでよい。
【0019】
前記単位セル配置装置は、電極位置が測定された単位セルを順次配置する単位セル配置ユニットと、順次配置される単位セルの配置状態を検査する単位セル検査ユニットを含んでよい。
【0020】
一方、本発明の電極組立体の製造方法は、(a)単位セルを供給する段階;(b)供給された単位セルのエッジ部を長波長赤外線で撮影して前記単位セルに含まれた電極のエッジ部を測定し、測定された電極エッジ部を介して電極位置を測定する段階;及び(c)前記電極位置が測定された単位セルを順次配置して電極組立体を製造する段階を含み、前記(b)段階は、前記(a)段階で供給された単位セルを移送する移送工程;移送された単位セルのエッジ部を加熱して前記単位セルに含まれた電極の温度を上昇させるヒーティング工程;前記単位セルのエッジ部を長波長赤外線で撮影して前記単位セルに含まれた電極のエッジ部に対する熱写真を取得する撮影工程;及び前記電極のエッジ部の熱写真で前記電極のエッジ部を測定し、測定された電極エッジ部を介して電極位置を測定する検査工程を含んでよい。
【0021】
前記ヒーティング工程は、長波長赤外線ランプを使用して前記単位セルのエッジ部を加熱し、前記撮影工程は、長波長赤外線カメラを使用して前記単位セルのエッジ部を撮影してよい。
【0022】
前記単位セルは、分離膜と分離膜の間に電極が配置される構造を有し、前記電極は負極で設けられ、前記撮影工程は、長波長赤外線を使用して前記分離膜を透過した後に負極のエッジ部を撮影してよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の単位セル検査装置は、検査ユニットを含むことで単位セルのエッジ部を長波長赤外線で撮影することができ、前記単位セルに含まれた電極(すなわち、負極)エッジ部の位置を正確に測定することができ、さらに電極エッジ部の変形可否を検査することができる。
【0024】
また、本発明の電極組立体の製造設備は、単位セル検査装置を含むことで単位セルに含まれた負極に基づいて単位セルを多段に配置することができることから、単位セルと単位セル間の全長及び全幅公差を大幅減少させることができ、その結果、単位セル配置の不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1実施形態による電極組立体を示した側面図。
【
図2】本発明の第2実施形態による単位セル検査装置を示した正面斜視図。
【
図3】本発明の第2実施形態による単位セル検査装置を示した背面斜視図。
【
図4】本発明の第2実施形態による単位セル検査装置を示した正面図。
【
図5】本発明の第2実施形態による単位セル検査装置を示した背面図。
【
図6】本発明の第2実施形態による単位セル検査装置を示した側面図。
【
図7】本発明の第2実施形態による単位セル検査装置を示した平面図。
【
図8】本発明の第2実施形態による単位セル検査装置の第2ブラケットを示した斜視図。
【
図9】本発明の第2実施形態による単位セル検査装置を介して単位セルエッジ部を撮影する状態を示した平面図。
【
図10】本発明の第3実施形態による電極組立体の製造設備を示した側面図。
【
図11】本発明の第3実施形態による電極組立体の製造方法を示した順序図。
【
図12】本発明の実験例として、撮影する単位セルのエッジ部を表示した平面図。
【
図13】本発明の比較例と製造例により撮影された単位セルエッジ部に対する熱写真。
【
図14】本発明の比較例と製造例により撮影された単位セルエッジ部に対する熱写真。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付した図面を参照して、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施形態を詳しく説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態に具現されてよく、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、図面で本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて同様の部分に対しては同様の図面符号を付ける。
【0027】
[本発明の第1実施形態による電極組立体]
本発明の第1実施形態による電極組立体1は、
図1に示されたように、1つ又は2つ以上の単位セル10が上下方向に配置される構造を有し、前記単位セル10は、電極11と分離膜12が交互に配置される構造を有する。
【0028】
前記電極11は、正極11aと負極11bを含み、前記負極11bは、前記正極11aよりも大きな面積を有する。勿論、分離膜12は、負極11bよりも大きな面積を有する。
【0029】
例えば、電極組立体1は、
図1を参照すれば、3つ以上の単位セル10が上下方向に配置される構造を有し、前記単位セル10は、正極11a、分離膜12、負極11b、及び分離膜12が上下方向に沿って順次配置される4層構造を有する。
【0030】
このような構造を有する本発明の第1実施形態による電極組立体1は、単位セルに含まれた負極11bに基づいて単位セル10が多段に配置される。
【0031】
すなわち、
図1を参照すれば、本発明の第1実施形態による電極組立体1において、単位セル10は、分離膜12と分離膜12の間に配置された負極11bに基づいて配置されることから、単位セルは、「α」垂直線に基づいて整列されるので、単位セル10と単位セル10の間の全幅公差及び全長公差を減少することができ、その結果、単位セル10の配置不良を防止することができる。
【0032】
ここで、分離膜12と分離膜12の間に配置された負極11bは、本発明の第2実施形態による単位セル検査装置を介して測定される。特に、本発明の第2実施形態による単位セル検査装置200は、単位セル10の内部に配置された負極11bの位置を正確に測定することができ、特に、負極11bエッジ部の変形可否も検査することができる。
【0033】
以下、本発明の第2実施形態による単位セル検査装置200を、添付した図面を参照して詳しく説明する。
【0034】
一方、本発明は、正極11a、分離膜12、負極11b、及び分離膜12が上下方向に沿って順次配置される4層構造の単位セル10を1つの実施形態として説明する。
【0035】
[本発明の第2実施形態による単位セル検査装置]
本発明の第2実施形態による単位セル検査装置200は、長波長赤外線を使用して単位セル10のエッジ部を撮影することにより、前記単位セル10に含まれた電極(すなわち、負極)の位置を測定することができ、電極11のエッジ部の変形可否も検査することができる。
【0036】
すなわち、本発明の第2実施形態による単位セル検査装置200は、
図2~
図9に示されたように、移送ユニット210、検査ユニット220、及び本体ユニット230を含む。
【0037】
移送ユニット
移送ユニット210は、供給された単位セル10を検査ユニットまで移送するためのものである。
【0038】
すなわち、移送ユニット210は、供給された単位セル10を検査ユニット220まで移送するコンベアーベルトと、コンベアーベルトに一定の間隔で備えられ、コンベアーベルトに沿って単位セル10が移送されるようにコンベアーベルトに単位セル10をくっつける吸着部を含む。ここで、吸着部は、空気吸入力を用いて単位セル10を吸着することにより、単位セル10をコンベアーベルトにくっつける。
【0039】
このような構造を有する移送ユニット210は、単位セル10が供給されると、吸着部によって単位セル10がコンベアーベルトにくっつくようになり、コンベアーベルトにくっついた単位セル10は、コンベアーベルトによって検査ユニット220まで移送される。この際、吸着部の吸入力が除去されながら、単位セル10はコンベアーベルトから離れる。
【0040】
検査ユニット
検査ユニット220は、長波長赤外線を介して単位セル10のエッジ部を撮影して前記単位セル10に含まれた電極11、好ましくは負極11bエッジ部を測定し、測定された負極11bエッジ部を介して負極11bの位置を測定する構造を有する。特に、検査ユニット220は、負極11bエッジ部を測定するときに、負極11bエッジ部の変形可否も検査する。
【0041】
すなわち、検査ユニット220は、メインヒーティング部221、撮影部222、検査部223、及び補助ヒーティング部224を含む。
【0042】
メインヒーティング部221は、長波長赤外線で電極11のエッジ部を撮影するために、単位セル10に含まれた電極11のエッジ部の温度を上昇させるためのものである。
【0043】
すなわち、メインヒーティング部221は、移送ユニット210から移送された単位セル10エッジ部を加熱して、前記単位セル10に含まれた電極11の温度を上昇させる。ここで、電極11は、正極11aと負極11bを含む。これにより、メインヒーティング部221は、単位セル10に含まれた正極11aエッジ部と負極11bエッジ部の温度を上昇させる。
【0044】
一方、メインヒーティング部221は、前記単位セル10のエッジ部をそれぞれ高温の光で加熱して前記電極11のエッジ部の温度を上昇させる4つの長波長赤外線ランプに設けられる。
【0045】
一方、長波長赤外線(long-wave infrared)ランプは、長波長赤外線を発散して光源で物体を照明及び加熱する。ここで、長波長赤外線は、波長約700nmに至る電磁気波の総称であって、光のスペクトラムにおける赤色部分の外側に該当する。すなわち、単位セルに含まれた電極11は、長波長赤外線を吸収すると、電極11内の熱運動によって温度が上昇する。
【0046】
撮影部222は、前記単位セルのエッジ部を長波長赤外線で撮影して前記単位セル10に含まれた電極11のエッジ部に対する熱写真を取得するためのものである。
【0047】
すなわち、撮影部222は、
図2を参照すれば、前記単位セル10のエッジ部の上部に備えられ、前記単位セル10のエッジ部をそれぞれ撮影する4つの長波長赤外線カメラに設けられる。前記4つの長波長赤外線カメラは、前記単位セル10のエッジ部に位置する電極11のエッジ部に対する熱写真をそれぞれ取得する。言い換えれば、
図1を参照すれば、撮影部222は、単位セル10の最上端に配置された正極11aエッジ部と単位セル10の内部に配置された負極11bエッジ部の熱写真を取得する。この際、負極11bは、正極11aよりも大きな面積を有するので、熱写真には正極11aエッジ部と負極11bエッジ部が重なった状態で表示される(
図13及び
図14参照)。
【0048】
一方、長波長赤外線(long-wave infrared)カメラは、熱画像赤外線カメラともいい、物体から発散する熱を容易に探知する機能を有する。
【0049】
これにより、4つの長波長赤外線カメラは、単位セル10の分離膜12と分離膜12の間に配置された負極11bエッジ部から発生する熱を容易に探知することができることから、負極11bエッジ部の熱写真を撮影することができる。
【0050】
このような構造を有する前記撮影部222は、単位セル10の最上端に配置された正極11aエッジ部と単位セル10の内部に配置された負極11bエッジ部の熱写真を正確に撮影することができる。
【0051】
一方、4つの長波長赤外線ランプは、前記4つの長波長赤外線カメラにそれぞれ結合される。すなわち、長波長赤外線ランプは、長波長赤外線カメラと単位セル10エッジ部の間に配置された状態で長波長赤外線カメラの下部に結合される。これにより、長波長赤外線ランプと長波長赤外線カメラで組み合わせられた組立体で構成することができる。
【0052】
検査部223は、前記撮影部222により撮影された熱写真で前記電極11のエッジ部イメージを測定し、測定された電極11のエッジ部を介して電極11の位置を測定する。すなわち、4つの長波長赤外線カメラで撮影された4つの熱写真で電極11のエッジ部イメージを測定し、測定された4つの電極11のエッジ部を連結して電極11の位置(又は、イメージ)を測定する。
【0053】
特に、検査部223は、分離膜12と分離膜12の間に配置された電極11の位置(又は、イメージ)を正確に測定することができる。
【0054】
一方、検査部223は、前記撮影部222により撮影された熱写真と予め入力された電極のエッジ部の正常写真を対比することにより、前記電極11のエッジ部変形可否を検査することができる。すなわち、検査部223は、撮影された熱写真で電極11のエッジ部のイメージを測定した後、予め入力された正常電極のエッジ部を対比する。この際、測定電極11のエッジ部が折れるか、シワが発生するか、浮き上がりが発生して正常範囲から外れると不良と判断し、正常範囲内に位置すると正常と判断する。
【0055】
一方、検査ユニット220は、電極エッジ部の加熱性を高めるために、補助ヒーティング部224をさらに含んでよい。すなわち、メインヒーティング部221は、電極11のエッジ部上面を加熱し、補助ヒーティング部224は、電極11のエッジ部底面を加熱する。
【0056】
より詳しく説明すると、前記補助ヒーティング部224は、前記撮影部222に位置する前記単位セル10の全長方向に両端をそれぞれ支持する支持板224aと、支持板224aに支持された単位セル10の両端をそれぞれ加熱する加熱片224bを含む。すなわち、補助ヒーティング部224は、前記単位セル10の両端が支持板224aに支持されると、加熱片224bが支持板224aに支持された単位セル10の両端を加熱して前記単位セル10に含まれた電極11のエッジ部温度を上昇させる。
【0057】
したがって、本発明の検査ユニット220は、長波長赤外線を適用することにより、単位セル10に含まれた電極11、特に、分離膜12と分離膜12の間に配置された電極である負極11bの位置を正確に測定することができ、特に、電極11のエッジ部の変形可否を容易に検査することができる。
【0058】
本体ユニット
本体ユニット230は、前記検査ユニット220と前記移送ユニット210が設置されるものであって、移送ユニット210が設置される下部本体231と、下部本体231の上部に設置される上部本体232及び検査ユニット220を上部本体232に結合する第1ブラケット233を含む。
【0059】
ここで、第1ブラケット233は、前記上部本体232に結合される上下結合部233a、前記上下結合部233aに結合される左右結合部233b、一端は左右結合部233bに結合され、他端は前記単位セル10の移送方向に長く延びながら前記撮影部222が結合される前後結合部233cを含む。
【0060】
特に、上下結合部233aは、前記上部本体232に結合され、前記単位セル10に向かう方向(
図2からみて上下方向)又は反対方向に高さ調節が可能に結合される構造を有することから、前記単位セル10に基づいて前記撮影部222の高さを調節することができる。例えば、前記上下結合部233aに単位セル10の厚さ方向に長く第1長ホール233a-1が形成され、上部本体232に前記第1長ホールを貫通して第1ナット233a-3が結合される第1ボルト233a-2が形成される。これにより、第1ナットの締めと弛みに応じて前記第1長ホール内で上下結合部233aを上昇させるか又は下降させることができることから、上下結合部233aと連動して撮影部222が移動しながら前記単位セル10に基づいて前記撮影部222の高さを調節することができる。
【0061】
また、左右結合部233bは、前記上下結合部233aに結合され、前記単位セル10の全長方向(
図2を参照すれば、単位セルの全長方向)に位置調節が可能に結合される構造を有する。これにより、前記単位セル10の全長方向に前記撮影部222の位置を調節することができる。例えば、前記左右結合部233bに単位セル10の全長方向に長く第2長ホール233b-1が形成され、前記上下結合部233aは、前記左右結合部233bの第2長ホールを貫通して第2ナット233b-3が結合される第2ボルト233b-2が形成される。これにより、第2ナットの締めと弛みに応じて前記第2長ホール内で前記左右結合部233bを単位セル10の全長方向に移動させることができ、その結果、左右結合部233bと連動して前記単位セル10の全長方向に前記撮影部222の位置を調節することができる。
【0062】
また、前記撮影部222は、前記前後結合部233cに結合され、前記単位セル10の全幅方向(
図2を参照すれば、単位セルの全幅方向)に位置調節が可能に結合される構造を有する。これにより、単位セル10の全幅方向に撮影部222の位置を調節することができる。例えば、前記前後結合部233cに単位セル10の全幅方向に長く第3長ホール233c-1が形成され、前記撮影部222は、前記前後結合部233cの第3長ホールを貫通して第3ナット233c-3が結合される第3ボルト233c-3が形成される。これにより、第3ナットの締めと弛みに応じて前記第3長ホール内で前記撮影部222を単位セル10の全幅方向に位置を調節することができる。
【0063】
したがって、本発明は、第1ブラケット233を含むことで単位セル10のエッジ部に合うように撮影部222の位置を正確に調節することができる。
【0064】
一方、本体ユニット230は、上下方向に位置する前後結合部233cと補助ヒーティング部224を連結して、前記前後結合部233cに結合された前記撮影部222の固定力を高める第2ブラケット234をさらに含む。
【0065】
すなわち、第2ブラケット234は、撮影部222の固定力を高めるためのものであって、前後結合部233cの端部を補助ヒーティング部224に連結させることにより、撮影部222の固定力を高めることができる。
【0066】
一方、前後結合部233cは、第2ブラケット234に上下方向に高さ調節が可能に結合される構造を有する。例えば、第2ブラケット234には、単位セル方向に長く第4長ホール234aが形成され、前記前後結合部233cの端部には、第4長ホールを貫通して第4ナット234cが結合される第4ボルト234bが形成される。これにより、第4ナットの締め及び弛みに応じて前後結合部233cを第2ブラケット234の第4長ホール内で移動させることができる。
【0067】
したがって、本発明の第2実施形態による単位セル検査装置200は、長波長赤外線を使用することにより、単位セル10に含まれた電極11、特に負極11bエッジ部を正確に測定することができ、特に負極11bの変形可否を正確に検査することができる。
【0068】
以下、本発明の第2実施形態による単位セル検査装置200の検査方法を説明する。
【0069】
先ず、単位セル10が供給されると、移送ユニット210は、単位セル10を検査ユニット220まで移送する。この際、単位セル10の両端は、補助ヒーティング部224にそれぞれ支持される。このような状態で、検査ユニット220のメインヒーティング部221と補助ヒーティング部224は、単位セル10の両端を加熱して単位セル10に含まれた電極11の温度を上昇させる。ここで、前記メインヒーティング部221は、4つの長波長赤外線ランプに設けられ、単位セル10に含まれた電極11のエッジ部温度を効果的に上昇させることができる。
【0070】
電極11の温度が上昇すると、撮影部222は、単位セルのエッジ部を長波長赤外線で撮影して前記単位セル10に含まれた電極11、好ましくは負極11bエッジ部に対する熱写真を取得する。この際、撮影部222は、負極11bが単位セル10の最上端に位置すると、直接熱写真を取得し、単位セル10内に位置すると、分離膜12を透過して負極11bの熱写真を取得する。
【0071】
次に、検査部223は、取得した負極11bエッジ部の熱写真で負極11bエッジ部を測定し、測定された負極11bエッジ部を連結して負極11b位置を測定することができる。特に、検査部223は、負極11bエッジ部の熱写真と入力された電極11のエッジ部の正常写真を対比することにより、前記電極11のエッジ部の変形可否を検査する。すなわち、検査部223は、負極11bエッジ部が折れるか、シワが発生するか破断されるなどの変形が発生する場合、不良と判別することがある。
【0072】
以下、本発明の他の実施形態を説明するに当たって、前述した実施形態と同一の構成と機能を有する構成に対しては同一の構成符号を使用し、重複する説明は省略する。
【0073】
[本発明の第3実施形態による電極組立体の製造設備]
本発明の第3実施形態による電極組立体の製造設備は、
図10に示されたように、前述した第2実施形態による検査装置を含む構造を有することから、単位セル10に含まれた電極である負極11bに基づいて単位セル10を多段に配置して電極組立体1を製造することができる。
【0074】
すなわち、本発明の第3実施形態による電極組立体の製造設備は、単位セル10を供給する単位セル供給装置100、前記単位セル供給装置100から供給された前記単位セル10のエッジ部を長波長赤外線で撮影して前記単位セル10に含まれた電極11のエッジ部位置を測定し、測定された電極11のエッジ部を介して電極11の位置を測定する単位セル検査装置200、及び前記単位セル検査装置200によって検査が完了した単位セル10を順次配置して電極組立体1を製造する単位セル配置装置300を含む。
【0075】
一方、前記単位セル検査装置200は、第2実施形態の単位セル検査装置200と同一の構成と機能を有することから、重複する説明は省略する。
【0076】
前記単位セル配置装置300は、単位セル検査装置200で測定された単位セルに含まれた電極である負極11bに基づいて単位セル10を配置することから、単位セル10と単位セル10の間の全長及び全幅公差を減少させることができる。
【0077】
例えば、前記単位セル配置装置300は、前記単位セル検査装置200によって検査が完了した単位セル10を単位セル10に含まれた負極11bに基づいて配置する単位セル配置ユニット310と、前記単位セル配置ユニット310によって順次配置される単位セル10の配置状態を検査する単位セル検査ユニット320を含む。
【0078】
すなわち、単位セル検査ユニット320は、最上端に配置された単位セル10を撮影して単位セル10の位置及び形態を測定する。次に、前記最上端単位セル10の上に他の単位セル10を積層する。次に、最上端単位セル10の上に配置された他の単位セル10を撮影して他の単位セル10の位置及び形態を測定する。次に、最上端単位セル10と他の単位セル10を対比して蛇行不良(歪などの不良)を検査する。
【0079】
一方、単位セル検査ユニット320は、上部本体232に結合され、ビジョンカメラを使用する。
【0080】
一方、単位セル配置ユニット310は、最上端に配置される単位セル10の高さを一定に維持させるために単位セル10が配置される配置板を設定された間隔で下降させてよい。
【0081】
一方、単位セル検査ユニット320は、配置される単位セル10を照明する単位セル照明部321をさらに含み、前記単位セル照明部321は、前記上部本体232にヒンジ結合され、
図3からみて、ヒンジを中心に上又は下に回転可能に結合される。これにより、単位セル10を安定して照明することができる。
【0082】
したがって、本発明の第3実施形態による電極組立体の製造設備は、負極11bに基づいて単位セル10を配置することにより、整列度を高めることができ、単位セル10と単位セル10の間の全長及び全幅公差を最小化することができる。
【0083】
以下、本発明の第3実施形態による電極組立体の製造設備を用いた製造方法を説明する。
【0084】
[本発明の第3実施形態による電極組立体の製造方法]
本発明の第3実施形態による電極組立体の製造方法は、
図11に示されたように、(a)単位セル10を供給する段階、(b)供給された単位セル10に含まれた電極11のエッジ部を測定し、測定された電極11のエッジ部を介して電極11の位置を測定する段階、及び(c)正常と判別された単位セル10を順次配置して電極組立体を製造する段階を含む。
【0085】
一方、本発明の第3実施形態による電極組立体の製造方法は、電極組立体の製造設備を使用し、前記電極組立体の製造設備は、単位セル供給装置100、単位セル検査装置200、及び単位セル配置装置300を含む。
【0086】
(a)段階は、単位セル供給装置100を使用して単位セル10を供給する。一方、単位セル10は、電極11と分離膜12が交互に配置される構造を有し、前記電極11は、正極11a及び負極11bを含む。一方、負極11bは、正極11aよりも大きな面積を有し、分離膜12は、負極11bよりも大きな面積を有する。
【0087】
ここで、単位セル10は、正極11a、分離膜12、負極11b、及び分離膜12が上下方向に沿って順次配置される4層構造を有する。
【0088】
(b)段階は、単位セル検査装置200を用いて、(a)段階で供給された単位セルのエッジ部を長波長赤外線で撮影して前記単位セル10に含まれた電極のうちの負極11bエッジ部を測定し、測定された負極11bエッジ部を介して負極11b位置を測定する。
【0089】
例えば、(b)段階は、移送工程、ヒーティング工程、撮影工程、及び検査工程を含み、単位セル検査装置200は、移送ユニット210、検査ユニット220を含み、前記検査ユニット220は、移送部、メインヒーティング部221、撮影部222、検査部223、及び補助ヒーティング部224を含む。
【0090】
移送工程は、移送ユニット210を介して前記(a)段階で供給された単位セル10を検査ユニット220まで移送する。
【0091】
ヒーティング工程は、検査ユニット220に移送された単位セル10の両端(好ましくは、単位セルのエッジ部)をメインヒーティング部221で加熱して単位セル10に含まれた電極11の温度を上昇させる。この際、ヒーティング工程において、メインヒーティング部221は、長波長赤外線ランプを使用して前記単位セル10のエッジ部を加熱する。
【0092】
特に、ヒーティング工程は、補助ヒーティング部224を使用して検査ユニット220に移送された単位セル10の端部底面を加熱して単位セル10に含まれた電極11の温度を上昇させる。
【0093】
撮影工程は、撮影部222を介して前記単位セル10のエッジ部を長波長赤外線で撮影して前記単位セル10に含まれた電極11のエッジ部に対する熱写真を取得する。すなわち、正極11aエッジ部の熱写真と負極11bエッジ部の熱写真を取得する。
【0094】
この際、撮影部222は、長波長赤外線カメラを使用して前記単位セル10のエッジ部を正確に撮影する。
【0095】
まとめると、前記撮影工程は、長波長赤外線を使用して前記正極11aのエッジ部は直接撮影し、前記負極11bエッジ部は、長波長赤外線を使用して前記分離膜12を透過した後に撮影する。
【0096】
検査工程は、検査部223を介して前記電極のうちの負極11bエッジ部の熱写真で負極11bエッジ部を測定し、測定された負極11bエッジ部を連結して負極11bの位置を測定する。この際、負極11bの位置は、負極11bの全体面積であってよく、負極11bの中心点であってよい。
【0097】
特に、検査工程は、電極エッジ部に対する熱写真と予め入力された電極のエッジ部に対する正常写真を対比することにより、前記電極のエッジ部変形可否を検査する。
【0098】
(c)段階は、単位セル配置装置300を介して前記(b)段階で正常と判別された単位セル10を順次配置して電極組立体1を製造する。この際、単位セル10は、負極11bに基づいて配置される。
【0099】
ここで、単位セル配置装置300は、単位セル配置ユニット310と単位セル検査ユニット320を含む。
【0100】
すなわち、(c)段階は、前記単位セル検査装置200によって検査が完了した単位セル10を単位セル配置ユニット310を介して順次積層して電極組立体1を製造する。
【0101】
この際、(c)段階は、単位セル検査ユニット320を介して積層される単位セル10の蛇行不良(すなわち、歪)を検査する。
【0102】
前記のような段階が完了すると、完成品の電極組立体1を製造することができる。
【0103】
[実験例]
正極11a、分離膜12、負極11b、及び分離膜12が上下方向に沿って順次配置される4層構造の単位セル10を複数個準備する。
【0104】
比較例
光学系熱画像カメラを準備し、
図12に示されたように、単位セル10のエッジ部10aを撮影する。
【0105】
製造例
光学系長波長赤外線カメラを準備し、
図12に示されたように、単位セル10のエッジ部10aを撮影する。一方、製造例の光学系長波長赤外線カメラは、本発明の第2実施形態に含まれた撮影部222と同一の構造を有する。
【0106】
実験結果
単位セル10のエッジ部を撮影した比較例の写真と製造例の写真の一部を対比すると、
図13及び
図14と同様である。
【0107】
図13において、単位セル10の同一のエッジ部を撮影した比較例の写真と製造例の写真を対比すると、正極11aのエッジ部11a-1、分離膜12及び負極11bのエッジ部11b-1が撮影されたことを確認することができ、特に製造例は、比較例よりも正極11aのエッジ部11a-1、分離膜12及び負極11bのエッジ部11b-1が正確かつ鮮明に撮影されたことを確認することができる。特に製造例は、負極11bのエッジ部11b-1に折れが発生したことを正確に確認することができる。
【0108】
図14において、比較例の写真と製造例の写真で正極11aのエッジ部11a-1、分離膜12及び負極11bのエッジ部11b-1が撮影されたことを確認することができ、特に製造例は、比較例よりも正極11aのエッジ部、分離膜12及び負極11bエッジ部が正確に撮影されたことを確認することができる。特に製造例は、負極11bのエッジ部11b-1にシワが発生したことを正確に確認することができる。
【0109】
したがって、光学系長波長赤外線カメラを使用する製造例は、比較例よりも負極11bエッジ部を正確に撮影できることを確認することができる。
【0110】
本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導出される様々な実施形態が可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 電極組立体
10 単位セル
10a 単位セルエッジ部
11 電極
11a 正極
11a-1 正極エッジ部
11b 負極
11b-1 負極エッジ部
12 分離膜
100 単位セル供給装置
200 単位セル検査装置
210 移送ユニット
220 検査ユニット
221 メインヒーティング部
222 撮影部
223 検査部
224 補助ヒーティング部
224a 支持板
224b 加熱片
230 本体ユニット
231 下部本体
232 上部本体
233 第1ブラケット
233a 上下結合部
233b 左右結合部
233c 前後結合部
234 第2ブラケット
300 単位セル配置装置
310 単位セル配置ユニット
320 単位セル検査ユニット
321 単位セル照明部