(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20250527BHJP
【FI】
G06Q50/40
(21)【出願番号】P 2021151452
(22)【出願日】2021-09-16
【審査請求日】2024-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 和幸
(72)【発明者】
【氏名】田中 由里香
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
(72)【発明者】
【氏名】田中 剛
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宏光
【審査官】成瀬 博之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0041852(US,A1)
【文献】特開2021-128460(JP,A)
【文献】国際公開第2019/181899(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる荷物の預け入れが可能な格納装置を搭載した自律走行可能な車両、前記ユーザが所持する端末、および、気象情報を管理するサーバと通信する通信回路と、
前記車両を識別する車両識別子と、前記車両識別子に関連付けられた、前記車両の現在地と、前記車両識別子に関連付けられた、前記車両の移動ルートとを含む車両情報が格納される車両データベース、前記車両識別子と、前記車両識別子に関連付けられ、前記ユーザを識別するユーザ識別子と、前記車両識別子に関連付けられ、前記ユーザが前記格納装置に前記荷物を預け入れる預け入れ地点および預け入れ日時と、前記車両識別子に関連付けられ、前記ユーザが前記格納装置から前記荷物を引き取る引き取り地点および引き取り日時とを含む荷物情報が格納される荷物情報データベース、前記車両が停車可能な地点であって屋根のある地点の所在地を含む停車地点情報が格納された停車地点情報データベース、および、地図情報が格納された地図情報データベースを有する記憶媒体と、
前記車両を制御する制御部であって、
複数の前記車両の各々から周期的に送信された、前記車両の車両識別子および前記車両の現在地を、前記通信回路を介して受信することと、
前記車両識別子および前記現在地を、前記車両情報の一部として前記車両データベースに格納することと、
第1のユーザが所持する第1の端末から送信された、前記第1のユーザを識別する第1のユーザ識別子と、前記第1のユーザが希望する第1の荷物の第1の預け入れ日時および第1の預け入れ地点とを含む第1の預け入れ要求を、前記通信回路を介して受信することと、
前記第1の預け入れ要求、前記車両情報および前記荷物情報に基づいて、前記複数の車両の中から、前記第1の預け入れ日時に前記第1の預け入れ地点に移動可能であり、且つ前記格納装置に空きがある車両を、前記第1の荷物を預け入れる第1の車両として選定することと、
前記サーバから送信された、前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の天気を、前記通信回路を介して受信することと、
前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の前記天気が、雨または雪であるか否かを判定することと、
前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記第1の預け入れ要求および前記停車地点情報に基づいて、前記第1の
預け入れ地点から所定の距離内の地点であって前記屋根がある地点を、前記第1の車両の第1の預け入れ派遣地点として決定することと、
前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記通信回路を介して前記第1の端末に前記第1の預け入れ派遣地点を送信することと、
前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の前記天気が、雨および雪のどちらでもない場合に、前記第1の預け入れ要求に基づいて、前記第1の預け入れ地点を、前記第1の車両の第1の預け入れ派遣地点として決定することと、
前記車両情報、前記停車地点情報および前記地図情報に基づいて、前記第1の車両が、前記第1の車両の現在地を出発して、前記第1の預け入れ日時に前記第1の預け入れ派遣地点を経由して走行する第1の預け入れ移動ルートを含む第1の預け入れ運行指令を生成することと、
前記通信回路を介して前記第1の車両に前記第1の預け入れ運行指令を送信して、前記第1の車両に、前記第1の預け入れ移動ルートに沿って自律走行させることと、
前記第1の預け入れ移動ルートを前記第1の車両の第1の車両識別子に関連付けて、前記車両情報の一部として前記車両データベースに格納することと、
前記第1のユーザ識別子、前記第1の預け入れ日時、および、前記第1の預け入れ地点を前記第1の車両識別子に関連付けて、前記荷物情報の一部として前記荷物情報データベースに格納することと、
前記第1の車両識別子に関連付けられた、前記第1のユーザ識別子、前記第1の預け入れ日時、および、前記第1の預け入れ地点を前記荷物情報データベースに格納した後に、前記第1の端末から送信された、前記第1のユーザ識別子と、前記第1のユーザが希望する前記第1の荷物の第1の引き取り日時および第1の引き取り地点とを含む第1の引き取り要求を、前記通信回路を介して受信することと、
前記第1の引き取り要求および前記荷物情報に基づいて、前記第1の引き取り要求における前記第1のユーザ識別子と同じ前記荷物情報における前記第1のユーザ識別子を特定し、更に前記荷物情報における前記第1のユーザ識別子に対応する前記荷物情報における前記第1の車両識別子を特定することにより、前記第1のユーザが前記第1の荷物を既に預けている前記第1の車両を特定することと、
前記サーバから送信された、前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の天気を、前記通信回路を介して受信することと、
前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の前記天気が、雨または雪であるか否かを判定することと、
前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記第1の引き取り要求および前記停車地点情報に基づいて、前記第1の引き取り地点から所定の距離内の地点であって前記屋根がある地点を、前記第1の車両の第1の引き取り派遣地点として決定することと、
前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の前記天気が、雨または雪のどちらか一方である場合に、前記通信回路を介して前記第1の端末に前記第1の引き取り派遣地点を送信することと、
前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の前記天気が、雨および雪のどちらでもない場合に、前記第1の引き取り要求に基づいて、前記第1の引き取り地点を、前記第1の車両の第1の引き取り派遣地点として決定することと、
前記車両情報、前記停車地点情報および前記地図情報に基づいて、前記第1の車両が、前記第1の車両の現在地を出発して、前記第1の引き取り日時に前記第1の引き取り派遣地点を経由して走行する第1の引き取り移動ルートを含む第1の引き取り運行指令を生成することと、
前記通信回路を介して前記第1の車両に前記第1の引き取り運行指令を送信して、前記第1の車両に、前記第1の引き取り移動ルートに沿って自律走行させることと、
前記第1の引き取り移動ルートを前記第1の車両識別子に関連付けて、前記車両情報
の一部として前記車両データベースに格納することと、
前記第1のユーザ識別子、前記第1の引き取り日時、および、前記第1の引き取り地点を前記第1の車両識別子に関連付けて、前記荷物情報の一部として前記荷物情報データベースに格納することと、
前記第1の車両識別子に関連付けられた、前記第1のユーザ識別子、前記第1の預け入れ日時、前記第1の預け入れ地点、前記第1の引き取り日時、および、前記第1の引き取り地点を前記荷物情報データベースに格納した後に、前記第1の車両から送信された、前記第1の車両識別子を含む前記第1の荷物の前記第1の引き取り完了情報を、前記通信回路を介して受信することと、
前記第1の引き取り完了情報における前記第1の車両識別子と同じ前記荷物情報における前記第1の車両識別子に対応する、前記荷物情報における前記第1のユーザ識別子、前記第1の預け入れ日時、前記第1の預け入れ地点、前記第1の引き取り日時、および、前記第1の引き取り地点をリセットすることと、
を実行する制御部
と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記停車地点情報に含まれる前記屋根のある地点の所在地は、バスまたはタクシーの停留所の位置であり、
前記停車地点情報は、前記停留所において前記バスまたはタクシーが停車しない時間帯を更に含み、
前記制御部は、
前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記停留所の位
置と、前記停留所において前記バスまたはタクシーが停車しない時間
帯とに基づいて、
前記第1の預け入れ派遣地点として、前記バスまたはタクシーが停車しない時間帯の前記停留所の位置を決定
し、
前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記停留所の位置と、前記停留所において前記バスまたはタクシーが停車しない時間帯とに基づいて、前記第1の引き取り派遣地点として、前記バスまたはタクシーが停車しない時間帯の前記停留所の位置を決定する、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記荷物情報は、前記車両識別子に関連付けられ、水に対する耐性に関する情報を含む前記荷物の属性と、前記車両識別子に関連付けられた、前記荷物の優先度とを更に含み、
前記第1の預け入れ要求は、前記第1の荷物の第1の属性を更に含み、
前記制御部は、
前記第1の車両を選定した後に、前記第1の荷物の前記第1の属性に基づいて、前記第1の荷物の第1の優先度を決定することと、
前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記車両情報に含まれる前記移動ルートに基づいて、前記複数の車両の中に、前記第1の預け入れ派遣地点と同じ地点に、前記第1の預け入れ日時と同じ日時に停車する、前記第1の車両以外の第2の車両が存在するか否かを判定することと、
前記第2の車両が存在する場合に、前記荷物情報に基づいて、前記第1の車両が前記第1の預け入れ派遣地点で預け入れを行う前記第1の荷物の前記第1の優先度が、前記第2の車両が前記第1の預け入れ派遣地点と同じ地点である第2の派遣地点で預け入れまたは引き取りを行う第2の荷物の第2の優先度よりも高いか否かを判定することと、
前記第1の優先度が前記第2の優先度よりも高い場合に、前記第1の預け入れ地点から所定の距離内の地点であって前記屋根がある地点である前記第1の車両の前記第1の預け入れ派遣地点を維持して、前記第2の車両の前記第2の派遣地点を変更することと、
前記第1の優先度が前記第2の優先度よりも低い場合に、前記第1の預け入れ地点から所定の距離内の地点であって前記屋根がある地点である前記第1の車両の前記第1の預け
入れ派遣地点を、前記第1の預け入れ地点に変更して、前記第2の車両の前記第2の派遣地点を維持することと、
前記第1の属性および前記第1の優先度を前記第1の車両識別子に関連付けて、前記荷物情報の一部として前記荷物情報データベースに格納することと、
前記第1の車両を特定した後に、前記荷物情報データベースから、前記第1の車両識別子に対応する前記第1の優先度を読み出すことと、
前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記車両情報に含まれる前記移動ルートに基づいて、前記複数の車両の中に、前記第1の引き取り派遣地点と同じ地点に、前記第1の引き取り日時と同じ日時に停車する、前記第1の車両以外の第3の車両が存在するか否かを判定することと、
前記第3の車両が存在する場合に、前記荷物情報に基づいて、前記第1の車両が前記第1の引き取り派遣地点で引き取りを行う前記第1の荷物の前記第1の優先度が、前記第3の車両が前記第1の預け入れ派遣地点と同じ地点である第3の派遣地点で預け入れまたは引き取りを行う第3の荷物の第3の優先度よりも高いか否かを判定することと、
前記第1の優先度が前記第3の優先度よりも高い場合に、前記第1の引き取り地点から所定の距離内の地点であって前記屋根がある地点である前記第1の車両の前記第1の引き取り派遣地点を維持して、前記第3の車両の前記第3の派遣地点を変更することと、
前記第1の優先度が前記第3の優先度よりも低い場合に、前記第1の引き取り地点から所定の距離内の地点であって前記屋根がある地点である前記第1の車両の前記第1の引き取り派遣地点を、前記第1の引き取り地点に変更して、前記第3の車両の前記第3の派遣地点を維持することと、
を更に実行する、
請求項1
または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1の荷物の前記第1の属性に基づいて、雨で濡れることにより不具合が発生する荷物は、雨で濡れても不具合が発生しない荷物よりも優先度が高くなるように、
前記第1の優先度を決定する、
請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが、
ユーザによる荷物の預け入れが可能な格納装置を搭載した
自律走行可能な車両を制御する情報処理方法であって、
前記コンピュータは、
前記車両、前記ユーザが所持する端末、および、気象情報を管理するサーバと通信する通信回路と、
前記車両を識別する車両識別子と、前記車両識別子に関連付けられた、前記車両の現在地と、前記車両識別子に関連付けられた、前記車両の移動ルートとを含む車両情報が格納される車両データベース、前記車両識別子と、前記車両識別子に関連付けられ、前記ユーザを識別するユーザ識別子と、前記車両識別子に関連付けられ、前記ユーザが前記格納装置に前記荷物を預け入れる預け入れ地点および預け入れ日時と、前記車両識別子に関連付けられ、前記ユーザが前記格納装置から前記荷物を引き取る引き取り地点および引き取り日時とを含む荷物情報が格納される荷物情報データベース、前記車両が停車可能な地点であって屋根のある地点の所在地を含む停車地点情報が格納された停車地点情報データベース、および、地図情報が格納された地図情報データベースを有する記憶媒体と
を備え、
前記コンピュータが、
複数の前記車両の各々から周期的に送信された、前記車両の車両識別子および前記車両の現在地を、前記通信回路を介して受信し、
前記車両識別子および前記現在地を、前記車両情報の一部として前記車両データベースに格納し、
第1のユーザが所持する第1の端末から送信された、前記第1のユーザを識別する第1のユーザ識別子と、前記第1のユーザが希望する第1の荷物の第1の預け入れ日時および第1の預け入れ地点とを含む第1の預け入れ要求を、前記通信回路を介して受信し、
前記第1の預け入れ要求、前記車両情報および前記荷物情報に基づいて、前記複数の車両の中から、前記第1の預け入れ日時に前記第1の預け入れ地点に移動可能であり、且つ前記格納装置に空きがある車両を、前記第1の荷物を預け入れる第1の車両として選定し、
前記サーバから送信された、前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の天気を、前記通信回路を介して受信し、
前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の前記天気が、雨または雪であるか否かを判定し、
前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記第1の預け入れ要求および前記停車地点情報に基づいて、前記第1の預け入れ地点から所定の距離内の地点であって前記屋根がある地点を、前記第1の車両の第1の預け入れ派遣地点として決定し、
前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記通信回路を介して前記第1の端末に前記第1の預け入れ派遣地点を送信し、
前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の前記天気が、雨および雪のどちらでもない場合に、前記第1の預け入れ要求に基づいて、前記第1の預け入れ地点を、前記第1の車両の第1の預け入れ派遣地点として決定し、
前記車両情報、前記停車地点情報および前記地図情報に基づいて、前記第1の車両が、前記第1の車両の現在地を出発して、前記第1の預け入れ日時に前記第1の預け入れ派遣地点を経由して走行する第1の預け入れ移動ルートを含む第1の預け入れ運行指令を生成し、
前記通信回路を介して前記第1の車両に前記第1の預け入れ運行指令を送信して、前記第1の車両に、前記第1の預け入れ移動ルートに沿って自律走行させ、
前記第1の預け入れ移動ルートを前記第1の車両の第1の車両識別子に関連付けて、前記車両情報の一部として前記車両データベースに格納し、
前記第1のユーザ識別子、前記第1の預け入れ日時、および、前記第1の預け入れ地点を前記第1の車両識別子に関連付けて、前記荷物情報の一部として前記荷物情報データベースに格納し、
前記第1の車両識別子に関連付けられた、前記第1のユーザ識別子、前記第1の預け入れ日時、および、前記第1の預け入れ地点を前記荷物情報データベースに格納した後に、前記第1の端末から送信された、前記第1のユーザ識別子と、前記第1のユーザが希望する前記第1の荷物の第1の引き取り日時および第1の引き取り地点とを含む第1の引き取り要求を、前記通信回路を介して受信し、
前記第1の引き取り要求および前記荷物情報に基づいて、前記第1の引き取り要求における前記第1のユーザ識別子と同じ前記荷物情報における前記第1のユーザ識別子を特定し、更に前記荷物情報における前記第1のユーザ識別子に対応する前記荷物情報における前記第1の車両識別子を特定することにより、前記第1のユーザが前記第1の荷物を既に預けている前記第1の車両を特定し、
前記サーバから送信された、前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の天気を、前記通信回路を介して受信し、
前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の前記天気が、雨または雪であるか否かを判定し、
前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記第1の引き取り要求および前記停車地点情報に基づいて、前記第1の引き取り地点から所定の距離内の地点であって前記屋根がある地点を、前記第1の車両の第1の引き取り派遣地点として決定し、
前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記通信回路を介して前記第1の端末に前記第1の引き取り派遣地点を送信し、
前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の前記天気が、雨および雪のどちらでもない場合に、前記第1の引き取り要求に基づいて、前記第1の引き取り地点を、前記第1の車両の第1の引き取り派遣地点として決定し、
前記車両情報、前記停車地点情報および前記地図情報に基づいて、前記第1の車両が、前記第1の車両の現在地を出発して、前記第1の引き取り日時に前記第1の引き取り派遣地点を経由して走行する第1の引き取り移動ルートを含む第1の引き取り運行指令を生成し、
前記通信回路を介して前記第1の車両に前記第1の引き取り運行指令を送信して、前記第1の車両に、前記第1の引き取り移動ルートに沿って自律走行させ、
前記第1の引き取り移動ルートを前記第1の車両識別子に関連付けて、前記車両情報の一部として前記車両データベースに格納し、
前記第1のユーザ識別子、前記第1の引き取り日時、および、前記第1の引き取り地点を前記第1の車両識別子に関連付けて、前記荷物情報の一部として前記荷物情報データベースに格納し、
前記第1の車両識別子に関連付けられた、前記第1のユーザ識別子、前記第1の預け入れ日時、前記第1の預け入れ地点、前記第1の引き取り日時、および、前記第1の引き取り地点を前記荷物情報データベースに格納した後に、前記第1の車両から送信された、前記第1の車両識別子を含む前記第1の荷物の前記第1の引き取り完了情報を、前記通信回路を介して受信し、
前記第1の引き取り完了情報における前記第1の車両識別子と同じ前記荷物情報における前記第1の車両識別子に対応する、前記荷物情報における前記第1のユーザ識別子、前記第1の預け入れ日時、前記第1の預け入れ地点、前記第1の引き取り日時、および、前記第1の引き取り地点をリセットする、
情報処理方法。
【請求項6】
前記停車地点情報に含まれる前記屋根のある地点の所在地は、バスまたはタクシーの停留所の位置であり、
前記停車地点情報は、前記停留所において前記バスまたはタクシーが停車しない時間帯を更に含み、
前記コンピュータが、
前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記停留所の位
置と、前記停留所において前記バスまたはタクシーが停車しない時間
帯とに基づいて、
前記第1の預け入れ派遣地点として、前記バスまたはタクシーが停車しない時間帯の前記停留所の位置を決定
し、
前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記停留所の位置と、前記停留所において前記バスまたはタクシーが停車しない時間帯とに基づいて、前記第1の引き取り派遣地点として、前記バスまたはタクシーが停車しない時間帯の前記停留所の位置を決定する、
請求項
5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記荷物情報は、前記車両識別子に関連付けられ、水に対する耐性に関する情報を含む前記荷物の属性と、前記車両識別子に関連付けられた、前記荷物の優先度とを更に含み、
前記第1の預け入れ要求は、前記第1の荷物の第1の属性を更に含み、
前記コンピュータが、
前記第1の車両を選定した後に、前記第1の荷物の前記第1の属性に基づいて、前記第1の荷物の第1の優先度を決定し、
前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の前記天気が、雨または雪で
ある場合に、前記車両情報に含まれる前記移動ルートに基づいて、前記複数の車両の中に、前記第1の預け入れ派遣地点と同じ地点に、前記第1の預け入れ日時と同じ日時に停車する、前記第1の車両以外の第2の車両が存在するか否かを判定し、
前記第2の車両が存在する場合に、前記荷物情報に基づいて、前記第1の車両が前記第1の預け入れ派遣地点で預け入れを行う前記第1の荷物の前記第1の優先度が、前記第2の車両が前記第1の預け入れ派遣地点と同じ地点である第2の派遣地点で預け入れまたは引き取りを行う第2の荷物の第2の優先度よりも高いか否かを判定し、
前記第1の優先度が前記第2の優先度よりも高い場合に、前記第1の預け入れ地点から所定の距離内の地点であって前記屋根がある地点である前記第1の車両の前記第1の預け入れ派遣地点を維持して、前記第2の車両の前記第2の派遣地点を変更し、
前記第1の優先度が前記第2の優先度よりも低い場合に、前記第1の預け入れ地点から所定の距離内の地点であって前記屋根がある地点である前記第1の車両の前記第1の預け入れ派遣地点を、前記第1の預け入れ地点に変更して、前記第2の車両の前記第2の派遣地点を維持し、
前記第1の属性および前記第1の優先度を前記第1の車両識別子に関連付けて、前記荷物情報の一部として前記荷物情報データベースに格納し、
前記第1の車両を特定した後に、前記荷物情報データベースから、前記第1の車両識別子に対応する前記第1の優先度を読み出し、
前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記車両情報に含まれる前記移動ルートに基づいて、前記複数の車両の中に、前記第1の引き取り派遣地点と同じ地点に、前記第1の引き取り日時と同じ日時に停車する、前記第1の車両以外の第3の車両が存在するか否かを判定し、
前記第3の車両が存在する場合に、前記荷物情報に基づいて、前記第1の車両が前記第1の引き取り派遣地点で引き取りを行う前記第1の荷物の前記第1の優先度が、前記第3の車両が前記第1の預け入れ派遣地点と同じ地点である第3の派遣地点で預け入れまたは引き取りを行う第3の荷物の第3の優先度よりも高いか否かを判定し、
前記第1の優先度が前記第3の優先度よりも高い場合に、前記第1の引き取り地点から所定の距離内の地点であって前記屋根がある地点である前記第1の車両の前記第1の引き取り派遣地点を維持して、前記第3の車両の前記第3の派遣地点を変更し、
前記第1の優先度が前記第3の優先度よりも低い場合に、前記第1の引き取り地点から所定の距離内の地点であって前記屋根がある地点である前記第1の車両の前記第1の引き取り派遣地点を、前記第1の引き取り地点に変更して、前記第3の車両の前記第3の派遣地点を維持する、
請求項
5または6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記コンピュータが、
前記第1の荷物の前記第1の属性に基づいて、雨で濡れることにより不具合が発生する荷物は、雨で濡れても不具合が発生しない荷物よりも優先度が高くなるように、
前記第1の優先度を決定する、
請求項
7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
ユーザによる荷物の預け入れが可能な格納装置を搭載した
自律走行可能な車両を制御させるプログラムであって、
前記コンピュータは、
前記車両、前記ユーザが所持する端末、および、気象情報を管理するサーバと通信する通信回路と、
前記車両を識別する車両識別子と、前記車両識別子に関連付けられた、前記車両の現在地と、前記車両識別子に関連付けられた、前記車両の移動ルートとを含む車両情報が格納される車両データベース、前記車両識別子と、前記車両識別子に関連付けられ、前記ユー
ザを識別するユーザ識別子と、前記車両識別子に関連付けられ、前記ユーザが前記格納装置に前記荷物を預け入れる預け入れ地点および預け入れ日時と、前記車両識別子に関連付けられ、前記ユーザが前記格納装置から前記荷物を引き取る引き取り地点および引き取り日時とを含む荷物情報が格納される荷物情報データベース、前記車両が停車可能な地点であって屋根のある地点の所在地を含む停車地点情報が格納された停車地点情報データベース、および、地図情報が格納された地図情報データベースを有する記憶媒体と
を備え、
前記コンピュータに、
複数の前記車両の各々から周期的に送信された、前記車両の車両識別子および前記車両の現在地を、前記通信回路を介して受信させ、
前記車両識別子および前記現在地を、前記車両情報の一部として前記車両データベースに格納させ、
第1のユーザが所持する第1の端末から送信された、前記第1のユーザを識別する第1のユーザ識別子と、前記第1のユーザが希望する第1の荷物の第1の預け入れ日時および第1の預け入れ地点とを含む第1の預け入れ要求を、前記通信回路を介して受信させ、
前記第1の預け入れ要求、前記車両情報および前記荷物情報に基づいて、前記複数の車両の中から、前記第1の預け入れ日時に前記第1の預け入れ地点に移動可能であり、且つ前記格納装置に空きがある車両を、前記第1の荷物を預け入れる第1の車両として選定させ、
前記サーバから送信された、前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の天気を、前記通信回路を介して受信させ、
前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の前記天気が、雨または雪であるか否かを判定させ、
前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記第1の預け入れ要求および前記停車地点情報に基づいて、前記第1の預け入れ地点から所定の距離内の地点であって前記屋根がある地点を、前記第1の車両の第1の預け入れ派遣地点として決定させ、
前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記通信回路を介して前記第1の端末に前記第1の預け入れ派遣地点を送信させ、
前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の前記天気が、雨および雪のどちらでもない場合に、前記第1の預け入れ要求に基づいて、前記第1の預け入れ地点を、前記第1の車両の第1の預け入れ派遣地点として決定させ、
前記車両情報、前記停車地点情報および前記地図情報に基づいて、前記第1の車両が、前記第1の車両の現在地を出発して、前記第1の預け入れ日時に前記第1の預け入れ派遣地点を経由して走行する第1の預け入れ移動ルートを含む第1の預け入れ運行指令を生成させ、
前記通信回路を介して前記第1の車両に前記第1の預け入れ運行指令を送信させて、前記第1の車両に、前記第1の預け入れ移動ルートに沿って自律走行させ、
前記第1の預け入れ移動ルートを前記第1の車両の第1の車両識別子に関連付けさせて、前記車両情報の一部として前記車両データベースに格納させ、
前記第1のユーザ識別子、前記第1の預け入れ日時、および、前記第1の預け入れ地点を前記第1の車両識別子に関連付けさせて、前記荷物情報の一部として前記荷物情報データベースに格納させ、
前記第1の車両識別子に関連付けられた、前記第1のユーザ識別子、前記第1の預け入れ日時、および、前記第1の預け入れ地点を前記荷物情報データベースに格納させた後に、前記第1の端末から送信された、前記第1のユーザ識別子と、前記第1のユーザが希望する前記第1の荷物の第1の引き取り日時および第1の引き取り地点とを含む第1の引き取り要求を、前記通信回路を介して受信させ、
前記第1の引き取り要求および前記荷物情報に基づいて、前記第1の引き取り要求にお
ける前記第1のユーザ識別子と同じ前記荷物情報における前記第1のユーザ識別子を特定させ、更に前記荷物情報における前記第1のユーザ識別子に対応する前記荷物情報における前記第1の車両識別子を特定させることにより、前記第1のユーザが前記第1の荷物を既に預けている前記第1の車両を特定させ、
前記サーバから送信された、前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の天気を、前記通信回路を介して受信させ、
前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の前記天気が、雨または雪であるか否かを判定させ、
前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記第1の引き取り要求および前記停車地点情報に基づいて、前記第1の引き取り地点から所定の距離内の地点であって前記屋根がある地点を、前記第1の車両の第1の引き取り派遣地点として決定させ、
前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記通信回路を介して前記第1の端末に前記第1の引き取り派遣地点を送信させ、
前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の前記天気が、雨および雪のどちらでもない場合に、前記第1の引き取り要求に基づいて、前記第1の引き取り地点を、前記第1の車両の第1の引き取り派遣地点として決定させ、
前記車両情報、前記停車地点情報および前記地図情報に基づいて、前記第1の車両が、前記第1の車両の現在地を出発して、前記第1の引き取り日時に前記第1の引き取り派遣地点を経由して走行する第1の引き取り移動ルートを含む第1の引き取り運行指令を生成させ、
前記通信回路を介して前記第1の車両に前記第1の引き取り運行指令を送信させて、前記第1の車両に、前記第1の引き取り移動ルートに沿って自律走行させ、
前記第1の引き取り移動ルートを前記第1の車両識別子に関連付けさせて、前記車両情報の一部として前記車両データベースに格納させ、
前記第1のユーザ識別子、前記第1の引き取り日時、および、前記第1の引き取り地点を前記第1の車両識別子に関連付けさせて、前記荷物情報の一部として前記荷物情報データベースに格納させ、
前記第1の車両識別子に関連付けられた、前記第1のユーザ識別子、前記第1の預け入れ日時、前記第1の預け入れ地点、前記第1の引き取り日時、および、前記第1の引き取り地点を前記荷物情報データベースに格納させた後に、前記第1の車両から送信された、前記第1の車両識別子を含む前記第1の荷物の前記第1の引き取り完了情報を、前記通信回路を介して受信させ、
前記第1の引き取り完了情報における前記第1の車両識別子と同じ前記荷物情報における前記第1の車両識別子に対応する、前記荷物情報における前記第1のユーザ識別子、前記第1の預け入れ日時、前記第1の預け入れ地点、前記第1の引き取り日時、および、前記第1の引き取り地点をリセットさせる、
プログラム。
【請求項10】
前記停車地点情報に含まれる前記屋根のある地点の所在地は、バスまたはタクシーの停留所の位置であり、
前記停車地点情報は、前記停留所において前記バスまたはタクシーが停車しない時間帯を更に含み、
前記コンピュータに、
前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記停留所の位置と、前記停留所において前記バスまたはタクシーが停車しない時間帯とに基づいて、前記第1の預け入れ派遣地点として、前記バスまたはタクシーが停車しない時間帯の前記停留所の位置を決定させ、
前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の前記天気が、雨または雪で
ある場合に、前記停留所の位置と、前記停留所において前記バスまたはタクシーが停車しない時間帯とに基づいて、前記第1の引き取り派遣地点として、前記バスまたはタクシーが停車しない時間帯の前記停留所の位置を決定させる、
請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記荷物情報は、前記車両識別子に関連付けられ、水に対する耐性に関する情報を含む前記荷物の属性と、前記車両識別子に関連付けられた、前記荷物の優先度とを更に含み、
前記第1の預け入れ要求は、前記第1の荷物の第1の属性を更に含み、
前記コンピュータに、
前記第1の車両を選定させた後に、前記第1の荷物の前記第1の属性に基づいて、前記第1の荷物の第1の優先度を決定させ、
前記第1の預け入れ日時における前記第1の預け入れ地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記車両情報に含まれる前記移動ルートに基づいて、前記複数の車両の中に、前記第1の預け入れ派遣地点と同じ地点に、前記第1の預け入れ日時と同じ日時に停車する、前記第1の車両以外の第2の車両が存在するか否かを判定させ、
前記第2の車両が存在する場合に、前記荷物情報に基づいて、前記第1の車両が前記第1の預け入れ派遣地点で預け入れを行う前記第1の荷物の前記第1の優先度が、前記第2の車両が前記第1の預け入れ派遣地点と同じ地点である第2の派遣地点で預け入れまたは引き取りを行う第2の荷物の第2の優先度よりも高いか否かを判定させ、
前記第1の優先度が前記第2の優先度よりも高い場合に、前記第1の預け入れ地点から所定の距離内の地点であって前記屋根がある地点である前記第1の車両の前記第1の預け入れ派遣地点を維持させて、前記第2の車両の前記第2の派遣地点を変更させ、
前記第1の優先度が前記第2の優先度よりも低い場合に、前記第1の預け入れ地点から所定の距離内の地点であって前記屋根がある地点である前記第1の車両の前記第1の預け入れ派遣地点を、前記第1の預け入れ地点に変更させて、前記第2の車両の前記第2の派遣地点を維持させ、
前記第1の属性および前記第1の優先度を前記第1の車両識別子に関連付けて、前記荷物情報の一部として前記荷物情報データベースに格納させ、
前記第1の車両を特定させた後に、前記荷物情報データベースから、前記第1の車両識別子に対応する前記第1の優先度を読み出させ、
前記第1の引き取り日時における前記第1の引き取り地点の前記天気が、雨または雪である場合に、前記車両情報に含まれる前記移動ルートに基づいて、前記複数の車両の中に、前記第1の引き取り派遣地点と同じ地点に、前記第1の引き取り日時と同じ日時に停車する、前記第1の車両以外の第3の車両が存在するか否かを判定させ、
前記第3の車両が存在する場合に、前記荷物情報に基づいて、前記第1の車両が前記第1の引き取り派遣地点で引き取りを行う前記第1の荷物の前記第1の優先度が、前記第3の車両が前記第1の預け入れ派遣地点と同じ地点である第3の派遣地点で預け入れまたは引き取りを行う第3の荷物の第3の優先度よりも高いか否かを判定させ、
前記第1の優先度が前記第3の優先度よりも高い場合に、前記第1の引き取り地点から所定の距離内の地点であって前記屋根がある地点である前記第1の車両の前記第1の引き取り派遣地点を維持させて、前記第3の車両の前記第3の派遣地点を変更させ、
前記第1の優先度が前記第3の優先度よりも低い場合に、前記第1の引き取り地点から所定の距離内の地点であって前記屋根がある地点である前記第1の車両の前記第1の引き取り派遣地点を、前記第1の引き取り地点に変更させて、前記第3の車両の前記第3の派遣地点を維持させる、
請求項9または10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記コンピュータに、
前記第1の荷物の前記第1の属性に基づいて、雨で濡れることにより不具合が発生する荷物は、雨で濡れても不具合が発生しない荷物よりも優先度が高くなるように、前記第1
の優先度を決定させる、
請求項11に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
気象条件に応じた荷物の取扱所を案内する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
雨または雪が降っているときにユーザが荷物の預け入れ又は荷物の引き取りをすると、荷物が濡れる虞がある。本開示の目的は、荷物が濡れることを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様の一つは、
ユーザによる荷物の預け入れが可能な格納装置を搭載した車両を制御する制御部であって、気象条件に応じて前記荷物の預け入れ地点又は前記荷物の引き取り地点を決定することを実行する制御部を有する情報処理装置である。
【0006】
本開示の態様の一つは、
コンピュータが、
ユーザによる荷物の預け入れが可能な格納装置を搭載した車両を制御する情報処理方法であって、気象条件に応じて前記荷物の預け入れ地点又は前記荷物の引き取り地点を決定する情報処理方法である。
【0007】
本開示の態様の一つは、
コンピュータに、
ユーザによる荷物の預け入れが可能な格納装置を搭載した車両を制御させるプログラムであって、気象条件に応じて前記荷物の預け入れ地点又は前記荷物の引き取り地点を決定させるプログラムである。
【0008】
また、本開示の他の態様は、上記のプログラムを非一時的に記憶した記憶媒体である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、荷物が濡れることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係るシステムの概略構成を示す図である。
【
図3】実施形態に係るシステムを構成する車両、ユーザ端末、及び、サーバのそれぞれの構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図5】車両情報DBのテーブル構成を例示した図である。
【
図6】第1実施形態に係る荷物情報DBのテーブル構成を例示した図である。
【
図7】停車地点情報DBのテーブル構成を例示した図である。
【
図10】実施形態に係るサーバにおける荷物の預け入れ及び引き取り処理のフローチャートである。
【
図11】第1実施形態に係る預け入れ処理のフローチャートである。
【
図12】第1実施形態に係る引き取り処理のフローチャートである。
【
図13】第2実施形態に係るシステム1の概略構成を示す図である。
【
図14】第2実施形態に係る荷物情報DBのテーブル構成を例示した図である。
【
図15】第2実施形態に係る預け入れ処理のフローチャートである。
【
図16】第2実施形態に係る引き取り処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の態様の一つである情報処理装置は、制御部を有する。制御部は、ユーザによる荷物の預け入れが可能な格納装置を搭載した車両を制御する。格納装置は車両に搭載されているため、車両の移動と共に格納装置も移動する。したがって、ユーザは、荷物を預け入れるとき又は荷物を引き取るときに車両ごと格納装置を呼び寄せることができる。そのため、ユーザは、荷物を預けたり引き取ったりするときに、長距離を移動する必要がない。
【0012】
また、制御部は、気象条件に応じて、荷物の預け入れ地点又は荷物の引き取り地点を決定する。ここで、雨が降っている場合には、ユーザが格納装置に荷物を預け入れるとき、又は荷物を受け取るときに、荷物に雨が付着して荷物が濡れる虞がある。荷物に精密機器または電子機器などが含まれると、雨によってそれらの機器が故障する虞がある。また、写真または本などの場合には、雨で濡れることにより破れたりシミになったりする虞がある。これに対して、気象条件に応じて荷物の預け入れ地点または荷物の引き取り地点を決定することにより、例えば雨で荷物が濡れない地点を選択することが可能となる。これにより、荷物が濡れることを抑制できるので、荷物が破損したり故障したりすることを抑制できる。
【0013】
制御部は、例えば、雨が降っている場合には、屋根のある場所で荷物の預け入れ又は荷物の引き取りができるように、屋根のある場所に車両を停止させてもよい。このときには、格納装置の少なくとも荷物を出し入れする箇所を屋根が覆っていればよい。また、屋根のある場所には屋内を含むことができる。
【0014】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。また、以下の実施形態は可能な限り組み合わせることができる。
【0015】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るシステム1の概略構成を示す図である。システム1は、ロッカー18を搭載する車両10にユーザが荷物を保管することが可能なシステムである。ユーザは、サーバ30を介して車両10を呼び出すことで、任意の地点において荷物の預け入れ、および、引き取りを行うことができる。車両10は、例えば自律走行可能な車両であるが、運転者による手動走行可能な車両であってもよく、車両10またはロッカー18を監視する管理者が乗車する車両であってもよい。
【0016】
ロッカー18は、複数の区画を有し、それぞれの区画(ボックス)に荷物を収納することができる装置である。
図2に、ロッカー18の外観を示す。図示したように、ロッカー18は、複数の扉によってそれぞれの区画であるボックス180にアクセスできるよう構
成される。システム1のユーザは、ユーザ端末20を用いて、または、ロッカー18に設けられたインタフェースを介して、指定されたボックス180の解錠操作を行うことができる。ロッカー18は、車両10の車室内に搭載される。なお、ロッカー18は格納装置の一例である。
【0017】
ユーザ端末20は、ユーザが所持する端末である。ユーザは、ユーザ端末20にインストールされている所定のアプリケーションを実行することで、車両10の呼び出し及びロッカーの施解錠を行うことができる。
【0018】
サーバ30は、車両10の運行を管理する装置である。サーバ30は、ユーザ端末20から、車両10の派遣要請を受けた場合に、当該ユーザの元へ派遣する車両10を決定し、当該車両10に対して運行を指示する。
【0019】
サーバ30は、車両10を派遣する場所の気象情報を、例えばネットワークN1に接続された気象情報を管理するサーバから取得する。気象情報を管理するサーバは、例えば、インターネットを介して所定の地点における天気に関する情報を提供する。サーバ30は、荷物が天気の影響を受けないように、車両10の停車位置を決定する。すなわち、雨が降っている地域で荷物の預け入れ又は引き取りが行われる場合には、屋根のある地点で車両10が停車するように停車位置を決定する。これにより、荷物の預け入れ時または荷物の引き取り時に荷物が濡れないようにする。
【0020】
車両10、ユーザ端末20、及び、サーバ30は、ネットワークN1によって相互に接続されている。ネットワークN1は、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網でありWAN(Wide Area Network)やその他の通信網が採用されてもよい。また、ネットワークN1は、携帯電話等の電話通信網、または、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信網を含んでもよい。また、ロッカー18は、近距離無線通信等を含むネットワークN2を介して、ユーザ端末20に接続される。ネットワークN2は、例えば、Bluetooth(登録商標)LowEnergy、NFC(Near Field Communication)、UWB(Ultra Wideband)、Wi-Fi(登録商標)などを利用してデータ通信を行う。
【0021】
図3に基づいて、車両10、ユーザ端末20、及び、サーバ30のハードウェア構成及び機能構成について説明する。
図3は、本実施形態に係るシステム1を構成する車両10、ユーザ端末20、及び、サーバ30のそれぞれの構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0022】
サーバ30は、コンピュータの構成を有している。サーバ30は、プロセッサ31、主記憶部32、補助記憶部33、及び、通信部34を有する。これらは、バスにより相互に接続される。プロセッサ31は、制御部の一例である。主記憶部32及び補助記憶部33は、記憶部の一例である。
【0023】
プロセッサ31は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等である。プロセッサ31は、サーバ30を制御し、様々な情報処理の演算を
行う。主記憶部32は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。補助記憶部33は、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディ
スクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)、リムーバブルメディア等である。補助記憶
部33には、オペレーティングシステム(Operating System :OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。補助記憶部33に格納されたプログラムをプロセッサ31が主記憶部32の作業領域にロードして実行し、このプログラムの実行を通じて各構成部等が制御される。これにより、所定の目的に合致した機能をサーバ30が実現する。主記
憶部32および補助記憶部33は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体である。なお、サーバ30は、単一のコンピュータであってもよいし、複数台のコンピュータが連携したものであってもよい。また、補助記憶部33に格納される情報は、主記憶部32に格納されてもよい。また、主記憶部32に格納される情報は、補助記憶部33に格納されてもよい。
【0024】
通信部34は、ネットワークN1経由で、車両10、及び、ユーザ端末20と通信を行う手段である。通信部34は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、無線通信のための無線通信回路である。LANインターフェースボードや無線通信回路は、ネットワークN1に接続される。
【0025】
次に、車両10は、例えば自律的に走行可能な移動体であり、コンピュータを有している。車両10は、プロセッサ11、主記憶部12、補助記憶部13、通信部14、位置情報センサ15、環境情報センサ16、駆動部17、及び、ロッカー18を有する。これらは、バスにより相互に接続される。プロセッサ11、主記憶部12、及び、補助記憶部13は、サーバ30のプロセッサ31、主記憶部32、及び、補助記憶部33と同様であるため、説明を省略する。
【0026】
通信部14は、車両10をネットワークN1に接続するための通信手段である。通信部14は、例えば、移動体通信サービス(例えば、5G(5th Generation)、4G(4th Generation)、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)等の電話通信網
)、Wi-Fi(登録商標)、または、Bluetooth(登録商標)等の無線通信を利用して、ネットワークN1経由で他の装置(例えばサーバ30等)と通信を行うための回路である。
【0027】
位置情報センサ15は、所定の周期で、車両10の位置情報(例えば緯度、経度)を取得する。位置情報センサ15は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信部
、無線通信部等である。位置情報センサ15で取得された情報は、例えば、補助記憶部13等に記録され、サーバ30に送信される。
【0028】
環境情報センサ16は、車両10の状態をセンシングしたり、または、車両10の周辺をセンシングしたりする手段である。車両10の状態をセンシングするためのセンサとして、ジャイロセンサ、加速度センサ、または、方位角センサが挙げられる。車両10の周辺をセンシングするためのセンサとして、ステレオカメラ、レーザスキャナ、LIDAR、または、レーダなどが挙げられる。
【0029】
駆動部17は、プロセッサ11が生成した制御指令に基づいて、車両10を走行させるための装置である。駆動部17は、例えば、車両10が備えるロータを駆動するための複数のモータ等を含んで構成され、制御指令に従って複数のモータ等が駆動されることで、車両10の自律走行が実現される。
【0030】
ロッカー18は、ユーザの荷物を預かる装置である。ロッカー18は、ユーザの荷物を格納する複数のボックス180を有している。また、ロッカー18は、入出力部182及び通信部183を有する。入出力部182及び通信部183は、バスにより車両10のプロセッサ11等と接続されている。
【0031】
入出力部182は、ユーザが行った入力操作を受け付け、ユーザに対して情報を提示するユニットである。本実施形態では一つのタッチパネルディスプレイからなる。また、入出力部182は、ユーザ端末20との間で認証情報を交換するためのさらなる手段を有していてもよい。例えば、二次元バーコードを読み取るためのカメラなどを有していてもよ
い。
【0032】
通信部183は、ロッカー18をネットワークN2に接続するための通信手段である。通信部183は、例えば、Bluetooth(登録商標)LowEnergy、NFC(Near Field Communication)、UWB(Ultra Wideband)、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信網を利用して、ネットワークN2経由で他の装置(例えばユーザ端末20等)と通信を行うための回路である。
【0033】
次に、ユーザ端末20について説明する。ユーザ端末20は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、個人情報端末、ウェアラブルコンピュータ(スマートウォッチ等)、パーソナルコンピュータ(Personal Computer、PC)といった小型のコンピュータである。ユーザ端末20は、プロセッサ21、主記憶部22、補助記憶部23、入力部24、ディスプレイ25、及び、通信部26を有する。これらは、バスにより相互に接続される。プロセッサ21、主記憶部22、補助記憶部23については、サーバ30のプロセッサ31、主記憶部32、補助記憶部33と同様であるため、説明を省略する。
【0034】
入力部24は、ユーザが行った入力操作を受け付ける手段であり、例えば、タッチパネル、マウス、キーボード、または、押しボタン等である。ディスプレイ25は、ユーザに対して情報を提示する手段であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、または、EL(Electroluminescence)パネル等である。入力部24及びディスプレイ25は、
1つのタッチパネルディスプレイとして構成してもよい。
【0035】
通信部26は、ユーザ端末20をネットワークN1またはネットワークN2に接続するための通信手段である。通信部26は、例えば、移動体通信サービス(例えば、5G(5th Generation)、4G(4th Generation)、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)等の電話通信網)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録
商標)LowEnergy、NFC(Near Field Communication)、UWB(Ultra Wideband)、等の無線通信網を利用して、ネットワークN1またはネットワークN2経由で他の装置(例えば車両10、ロッカー18、または、サーバ30等)と通信を行うための回路である。
【0036】
次に、サーバ30の機能について説明する。
図4は、サーバ30の機能構成を例示した図である。サーバ30は、機能構成要素として、制御部300、ユーザ情報DB311、車両情報DB312、荷物情報DB313、停車地点情報DB314、及び、地図情報DB315を備える。サーバ30のプロセッサ31は、主記憶部32上のコンピュータプログラムにより、制御部300の処理を実行する。ただし、各機能構成素のいずれか、またはその処理の一部がハードウェア回路により実行されてもよい。制御部300には、車両管理部301、荷物管理部302、及び、指令部303が含まれる。
【0037】
ユーザ情報DB311、車両情報DB312、荷物情報DB313、停車地点情報DB314、及び、地図情報DB315は、プロセッサ31によって実行されるデータベース管理システム(Database Management System、DBMS)のプログラムが、補助記憶部33に記憶されるデータを管理することで構築される。ユーザ情報DB311、車両情報DB312、荷物情報DB313、停車地点情報DB314、及び、地図情報DB315は、例えば、リレーショナルデータベースである。
【0038】
なお、サーバ30の各機能構成要素のいずれか、またはその処理の一部は、ネットワークN1に接続される他のコンピュータにより実行されてもよい。
【0039】
車両管理部301は、車両10に関する情報を収集し、後述の車両情報DB312を更新する。具体的には、車両管理部301は、複数の車両10と周期的に通信を行い、車両10に関する情報(以下、車両情報ともいう。)を収集する。収集した情報は、後述する車両情報DB312に反映される。
【0040】
荷物管理部302は、荷物の預け入れを希望するユーザからの預け入れ要求を取得する。預け入れ要求とは、ユーザの希望する地点に荷物を預け入れる車両10を呼び出すための情報である。預け入れ要求は、ユーザ端末20からサーバ30に送信される。預け入れ要求には、ユーザID、預け入れ地点、預け入れ日時、及び、荷物の属性等に関する情報が含まれる。ユーザIDは、ユーザに固有な識別子である。ユーザIDに対応するユーザ情報(例えば、氏名、住所、電話番号、e-mailアドレス等)は、予めユーザがユー
ザ端末20を用いて登録してもよく、または、預け入れ要求と共にユーザ端末20から送信されてもよい。このユーザ情報は、ユーザ情報DB311に格納されている。ユーザ情報DB311は、上記の補助記憶部33にユーザ情報が格納されて形成されており、そこではユーザとユーザ情報の紐付けが行われている。
【0041】
預け入れ地点は、ユーザが車両10のロッカー18に荷物を預け入れることを希望する地点であり、例えば、座標(緯度及び経度)、住所、又は、建物の名称などによって示される。預け入れ日時は、ユーザが車両10のロッカーに荷物を預け入れることを希望する日時である。なお、預け入れ日時は、ある程度の幅を持った時間帯として指定してもよい。荷物の属性は、水に対する耐性に関する情報であり、例えば、荷物が水に濡れても問題ないか否かを判断可能な情報が含まれる。また、荷物の属性には、荷物の大きさなど荷物に関する情報が含まれていてもよい。
【0042】
また、荷物管理部302は、荷物の引き取りを希望するユーザからの引き取り要求を取得する。引き取り要求とは、荷物を引き取る目的のために、ユーザの希望する地点に荷物を載せた車両10を呼び出すための情報である。引き取り要求は、ユーザ端末20からサーバ30に送信される。引き取り要求には、ユーザID、引き取り地点、及び、引き取り日時等に関する情報が含まれる。
【0043】
引き取り地点は、ユーザが車両10のロッカー18から荷物を引き取ることを希望する地点であり、例えば、座標(緯度及び経度)、住所、又は、建物の名称などによって示される。引き取り日時は、ユーザが車両10のロッカー18から荷物を引き取ることを希望する日時である。なお、引き取り日時は、ある程度の幅を持った時間帯として指定してもよい。また、引き取り要求は、預け入れ要求と同時にユーザ端末20から送信されてもよく、預け入れ要求の後に、引き取り要求がユーザ端末20から送信されてもよい。
【0044】
荷物管理部302は、預け入れ要求に含まれる情報、及び、引き取り要求に含まれる情報を後述する荷物情報DB313に格納する。
【0045】
指令部303は、預け入れ要求または引き取り要求を受信した場合に、荷物の預け入れまたは引き取りを行う地点(すなわち、車両10を派遣する地点。以下、派遣地点ともいう。)、および、その日時(以下、派遣日時ともいう。)を決定し、車両10を運行させるための指令である運行指令を生成する。運行指令には、例えば、車両10のルートが含まれる。指令部303は、地図情報DB315に格納されている地図情報に基づいてルートを生成する。指令部303は、例えば、車両10が、現在地から出発して、各派遣地点を派遣日時に経由して走行するように運行指令を生成する。また、運行指令には、各派遣地点において、ユーザから荷物を預かる指令、または、ユーザに荷物を引き渡す指令が含まれる。
【0046】
指令部303は、例えば、ユーザから預け入れ要求を受信した場合には、預け入れ要求に含まれる預け入れ地点、預け入れ日時、及び、荷物の属性などの情報に基づいて、派遣可能な車両10を選定する。派遣可能な車両10は、荷物を預け入れ可能なボックス180の空きがあり、且つ、預け入れ日時に預け入れ地点に移動可能な車両である。
【0047】
また、指令部303は、例えば、ユーザから引き取り要求を受信した場合には、引き取り要求に含まれるユーザID、引き取り地点、及び、引き取り日時などの情報に基づいて、派遣する車両10を選定する。このときに派遣する車両10は、ユーザが既に荷物を預けている車両である。したがって、ユーザIDに基づいてユーザが既に荷物を預けている車両10を特定する。
【0048】
また、指令部303は、預け入れ日時における預け入れ地点の天気、及び、引き取り日時における引き取り地点の天気を取得する。指令部303は、例えば天気についての情報を提供するWebサーバに接続して、預け入れ日時における預け入れ地点の天気、及び、引き取り日時における引き取り地点の天気を取得する。このWebサーバは、天気予報を提供するサーバであってもよい。そして、取得した天気が雨又は雪の場合には、屋根がある地点で荷物の引き渡し又は引き取りが行われるように、車両10の派遣地点を決定する。なお、指令部303は、天気に関する情報を取得すると、その情報を荷物情報DB313に格納する。
【0049】
例えば、屋根がある地点のうち、預け入れ要求に含まれる預け入れ地点から最も近い地点を、車両10の派遣地点として決定する。同様に、例えば、屋根がある地点のうち、引き取り要求に含まれる引き取り地点から最も近い地点を、車両10の派遣地点として決定する。なお、別法として、預け入れ要求に含まれる預け入れ地点、または、引き取り要求に含まれる引き取り地点から所定の距離内に含まれる地点であって、屋根のある地点の中から任意の地点を車両10の派遣地点として決定してもよい。更に、別法として、屋根がある地点の中からユーザが選択した地点を車両10の派遣地点として決定してもよい。また、屋根がある地点での荷物の預け入れ又は引き渡しを望むか否かユーザに問い合わせ、望むとの回答を得た場合に限り、屋根のある地点での預け入れ又は引き渡しを行うようにしてもよい。
【0050】
屋根のある地点は、停車地点情報DB314に記憶されている。屋根のある地点は、サーバ30の管理者によってサーバ30に記憶させてもよい。別法として、ユーザ端末20から屋根のある地点に関する情報を取得してもよい。屋根のある地点は、例えば、座標、住所、または、建造物の名称などによって表される。また、屋根のある地点は、時間によって使用可能な地点であってもよい。例えば、バス又はタクシーの停留所において、バス又はタクシーの運行時間以外の時間に、使用可能としてもよい。また、店舗の屋根などを利用する場合には、店舗の営業時間以外の時間に使用可能としてもよい。このような使用可能な時間についても、停車地点情報DB314に入力される。
【0051】
次に、車両情報DB312に格納される車両情報の構成について、
図5に基づいて説明する。
図5は、車両情報DB312のテーブル構成を例示した図である。車両情報テーブルは、車両ID、現在地、ステータス、及び、ルートの各フィールドを有する。車両IDフィールドには、車両を識別可能な情報(車両ID)が入力される。車両IDは、各車両に例えば車両管理部301によって付与される。現在地フィールドには、車両10の現在地に関する情報(位置情報)が入力される。車両10の現在地は、車両10の位置情報センサ15で検出され、サーバ30に送信される。
【0052】
ステータスフィールドには、車両10の現在の状態を表すデータが入力される。具体的には、車両10のバッテリ残量、または、走行可能距離に関する情報などが格納される。
ルートフィールドには、車両10のルートに関する情報が入力される。車両10のルートは、指令部303によって生成される。
【0053】
次に、荷物情報DB313に格納される荷物情報の構成について、
図6に基づいて説明する。
図6は、第1実施形態に係る荷物情報DB313のテーブル構成を例示した図である。荷物情報テーブルは、車両ID、ボックス番号、ユーザID、荷物属性、預け入れ地点、預け入れ日時、預け入れ地点天気、引き取り地点、引き取り日時、及び、引き取り地点天気の各フィールドを有する。車両IDフィールドには、車両を識別可能な情報(車両ID)が入力される。ボックス番号フィールドには、ボックス180を識別可能な情報(ボックス番号)が入力される。ユーザIDフィールドには、ユーザを識別可能な情報(ユーザID)が入力される。荷物属性フィールドには、荷物の属性に関する情報が入力される。荷物の属性には、例えば、水にぬれても問題のないものか否かを判断可能な情報が入力される。例えば、精密機器、または、電気機器などの分類が行われる。
【0054】
預け入れ地点フィールドには、ユーザが荷物を預け入れる地点に関する情報が入力される。預け入れ地点フィールドには、例えば、座標、住所、または、建物の名称など、車両10のロッカー18にユーザが荷物を預け入れるときに車両10の目的地となり得る地点に関する情報が入力される。預け入れ日時フィールドには、ユーザが荷物を預け入れる日時に関する情報が入力される。預け入れ地点天気フィールドには、ユーザが荷物を預け入れる地点における天気に関する情報が入力される。ここには、例えば、雨または雪が降っているか否か判断可能な情報が入力されてもよい。
【0055】
引き取り地点フィールドには、ユーザが荷物を引き取る地点に関する情報が入力される。引き取り地点フィールドには、例えば、座標、住所、または、建物の名称など、車両10のロッカー18からユーザが荷物を引き取るときに車両10の目的地となり得る地点に関する情報が入力される。引き取り日時フィールドには、ユーザが荷物を引き取る日時に関する情報が入力される。引き取り地点天気フィールドには、ユーザが荷物を引き取る地点における天気に関する情報が入力される。ここには、例えば、雨または雪が降っているか否か判断可能な情報が入力されてもよい。
【0056】
次に、停車地点情報DB314に格納される停車地点情報の構成について、
図7に基づいて説明する。
図7は、停車地点情報DB314のテーブル構成を例示した図である。停車地点情報テーブルは、停車地点ID、所在地、及び、使用可能時間の各フィールドを有する。停車地点IDフィールドには、車両10が停車可能であって屋根のある地点を識別可能な情報(停車地点ID)が入力される。所在地フィールドには、屋根のある停車可能な地点の所在地に関する情報が入力される。この所在地は、例えば座標、住所、または、建造物の名称で表される。使用可能時間フィールドには、その地点を使用可能な時間が入力される。停車地点情報DB314に格納される情報は、例えば、サーバ30の管理者によって入力される。
【0057】
地図情報DB315には、地図情報として、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、各交差点に関する交差点データ、ルートを探索するための探索データ、施設に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等が格納されている。また、各道路に対応する制限速度等に関する情報、または、各道路の属性に関する情報が格納されていてもよい。
【0058】
次に、車両10の機能について説明する。
図8は、車両10の機能構成を示した図である。車両10は、機能構成要素として、走行部101、及び、ロッカー管理部102を有する。車両10のプロセッサ11は、主記憶部12上のコンピュータプログラムにより、走行部101、及び、ロッカー管理部102の処理を実行する。ただし、各機能構成素の
いずれか、またはその処理の一部がハードウェア回路により実行されてもよい。なお、車両10の各機能構成要素のいずれか、またはその処理の一部は、ネットワークN1に接続される他のコンピュータにより実行されてもよい。
【0059】
走行部101は、車両10の自律走行時に車両10の走行を制御する。走行部101は、環境情報センサ16によって検出したデータを用いて、駆動部17を制御するための制御指令を生成する。走行部101は、例えば、複数のモータを制御して複数のロータの回転速度に差を発生させることにより、車両10の速度、及び、舵角などを制御する。
【0060】
走行部101は、例えば、環境情報センサ16によって検出したデータに基づいて車両10の走行軌跡を生成し、当該走行軌跡に沿って走行するように、駆動部17を制御する。なお、車両10を自律走行させる方法については、公知の方法を採用することができる。走行部101は、自律走行時に、環境情報センサ16の検出値に基づいたフィードバック制御を実施してもよい。走行部101は、予め定められたルートを巡るように自律走行する。このルートは、サーバ30から送信される運行指令に含まれる。
【0061】
例えば、走行部101は、サーバ30から受信した運行指令に含まれる走行ルート及び目的地に基づいて車両10を走行させる。そして、派遣地点においてユーザが荷物の預け入れ又は引き取りを行うために車両10を停止させる。
【0062】
また、走行部101は、車両10に関する情報を定期的にサーバ30へ送信する。走行部101は、位置情報センサ15によって取得される現在地及びバッテリの残容量などに関する情報を車両10に関する情報としてサーバ30に送信する。
【0063】
また、ロッカー管理部102は、荷物の預け入れ又は引き取りを行うユーザのユーザ端末20の認証、及び、ボックス180の施解錠などを実行する。ロッカー管理部102は、ネットワークN1を介してサーバ30からユーザ端末20の認証情報を取得する。また、ロッカー管理部102は、ネットワークN2を介してユーザ端末20と通信を確立してユーザ端末20の認証を行う。例えば、サーバ30から取得した認証情報と、ユーザ端末20から取得した認証情報とが一致した場合に、ユーザ端末20の認証が成功する。
【0064】
ユーザ端末20の認証が成功すると、ロッカー管理部102は、ボックス180を解錠すると共に、開扉させる。その後、ユーザがボックス180の扉を閉めると、ボックス180を施錠すると共に、ユーザが荷物を預けたことをサーバ30に通知する。なお、別法として、ユーザが入出力部182に入力した情報にしたがってユーザを認証してもよい。例えば、ユーザが入出力部182に入力したパスワードと、サーバ30から取得したパスワードとが一致した場合に、認証が成功する。このパスワードは、サーバ30が決定してもよい。別法として、ユーザがユーザ端末20に入力したパスワードが、ユーザ端末20からサーバ30へ送信されてもよい。
【0065】
また、荷物の引き取りの場合も同様に、ロッカー管理部102は、ネットワークN1を介してサーバ30からユーザ端末20の認証情報を取得する。また、ロッカー管理部102は、ネットワークN2を介してユーザ端末20と通信を確立してユーザの認証を行う。例えば、サーバ30から取得した認証情報と、ユーザ端末20から取得した認証情報とが一致した場合に、ユーザの認証が成功する。ユーザの認証が成功すると、ユーザが荷物を預け入れたボックス180の解錠及び開扉を行う。ユーザが荷物を預け入れたボックスの番号は、サーバ30から取得してもよい。別法として、ユーザが荷物を預け入れたときに、ユーザが荷物を預け入れたボックスの番号を車両10の補助記憶部13に記憶させてもよい。
【0066】
次に、ユーザ端末20の機能について説明する。
図9は、ユーザ端末20の機能構成を示した図である。ユーザ端末20は、機能構成要素として、ロッカー利用部201を有する。ユーザ端末20のプロセッサ21は、主記憶部22上のコンピュータプログラムにより、ロッカー利用部201の処理を実行する。ただし、ロッカー利用部201の処理の一部がハードウェア回路により実行されてもよい。なお、ロッカー利用部201の処理の一部は、ネットワークN1に接続される他のコンピュータにより実行されてもよい。
【0067】
ロッカー利用部201は、ユーザ端末20の入力部24への入力にしたがって、預け入れ要求及び引き取り要求を生成する。ロッカー利用部201は、ディスプレイ25にロッカー18を利用するための画面を表示させる。そこには、例えば、「預け入れ」及び「引き取り」の文言と共にボタンが表示される。
【0068】
ユーザが「預け入れ」のボタンをタップすると、ロッカー利用部201は、ユーザ情報の入力を求める。なお、ユーザ情報を一度入力すれば、その情報が補助記憶部23に記憶され、その後は例えばパスワードの入力だけでロッカー18を利用できるようにしてもよい。ユーザは、入力部24を介して、預け入れ地点、預け入れ日時、住所、氏名、電話番号、及び、e-mailアドレスなどを入力する。ユーザの入力が完了すると、ロッカー
利用部201は、預け入れ要求を生成してサーバ30へネットワークN1を介して送信する。
【0069】
一方、ユーザが「引き取り」のボタンをタップすると、ロッカー利用部201は、ユーザに対して引き取り地点、及び、引き取り日時などの入力を促す。ユーザが入力部24を介してこれらの入力を完了すると、ロッカー利用部201は、引き取り要求を生成してサーバ30へネットワークN1を介して送信する。
【0070】
預け入れ要求及び引き取り要求を送信すると、サーバ30から荷物の預け入れ又は引き取りに関する情報が送信されてもよい。例えば、ユーザ端末20が送信した条件で荷物の預け入れまたは引き取りが可能であることを示す情報、または、ユーザ端末20が送信した条件では荷物の預け入れまたは引き取りができないことを示す情報がサーバ30から送信される。その情報に応じた画面をロッカー利用部201がディスプレイ25に表示させる。
【0071】
また、ユーザがロッカー18に荷物を預け入れるとき、または、ユーザがロッカー18から荷物を引き取るときには、ロッカー利用部201がロッカー18の通信部26と通信を確立し、ユーザに関する情報をロッカー18に送信する。したがって、ユーザ端末20は、ロッカー18のボックス180を解錠するための鍵として利用される。
【0072】
次に、サーバ30における荷物の預け入れ処理について説明する。
図10は、本実施形態に係るサーバ30における荷物の預け入れ及び引き取り処理のフローチャートである。
図10に示した処理は、サーバ30において、所定の時間毎に実行される。なお、ユーザ情報は予めユーザ情報DB311に格納されているものとして説明する。
【0073】
ステップS101では、荷物管理部302が、ユーザ端末20から預け入れ要求を受信したか否か判定する。ステップS101で肯定判定された場合にはステップS102へ進み、否定判定された場合にはステップS103へ進む。ステップS102では、預け入れ処理が実行される。預け入れ処理については後述する。
【0074】
ステップS103では、荷物管理部302が、ユーザ端末20から引き取り要求を受信したか否か判定する。ステップS103で肯定判定された場合にはステップS104へ進み、否定判定された場合にはステップS105へ進む。ステップS104では、引き取り
処理が実行される。引き取り処理については後述する。
【0075】
ステップS105において荷物管理部302は、荷物の引き取りが完了したか否か判定する。例えば、荷物の引き取りが完了すると、車両ID、ボックス番号、及び、ユーザIDを含む情報が車両10からサーバ30へ送信される。この情報を受信した場合に、荷物の引き取りが完了したと判定する。ステップS105で肯定判定された場合にはステップS106へ進み、否定判定された場合には本ルーチンを終了させる。ステップS106では、荷物管理部302が、荷物情報DB313を更新する。すなわち、車両ID及びボックス番号に対応する、ユーザID、荷物属性、預け入れ地点、預け入れ日時、預け入れ地点天気、引き取り地点、引き取り日時、及び、引き取り地点天気に関する情報をリセットする。
【0076】
次に、
図10のステップS102において実行される預け入れ処理について説明する。
図11は、第1実施形態に係る預け入れ処理のフローチャートである。ステップS201では、荷物管理部302が、ユーザの荷物を預け入れる車両10を選定する。荷物管理部302は、預け入れ要求に含まれる情報と、荷物情報DB313に格納されている情報とに基づいて、預け入れ日時に預け入れ地点に移動可能な車両10、且つ、ボックス180に空きがある車両10を選定する。このときには、荷物を預け入れるボックス180も選定する。
【0077】
ステップS202では、荷物管理部302が、預け入れ日時における預け入れ地点の天気を取得する。荷物管理部302には、天気に関する情報を提供しているサーバにアクセスして、天気に関する情報を取得する。
【0078】
ステップS203では、荷物管理部302が、ステップS202で取得した天気が雨または雪であるか否か判定する。本ステップでは、荷物が濡れる可能性があるか否か判定している。ステップS203で肯定判定された場合にはステップS204へ進み、否定判定された場合にはステップS206へ進む。
【0079】
ステップS204において指令部303は、停車地点情報DB314に格納されている情報に基づいて停車地点を決定する。指令部303は、預け入れ要求に含まれる預け入れ地点と、停車地点情報DB314の所在地フィールドに格納されている所在地とに基づいて、預け入れ地点から最も近い屋根のある地点を抽出し、この地点を車両10が停車する地点(すなわち、派遣地点)として決定する。このときに指令部303は、預け入れ日時が、停車地点情報DB314に格納されている使用可能時間に含まれる停車地点を、車両10が停車する地点として決定する。
【0080】
そして、ステップS205において指令部303は、決定した停車地点をユーザ端末20に通知する。例えば、ユーザが入力した預け入れ地点と停車地点とが離れていると、ユーザが車両10にたどり着けなくなる虞があるため、車両10の停車地点をユーザに通知する。この通知によって、例えば、車両10の停車地点を表した地図がユーザ端末20のディスプレイ25に表示されるようにしてもよい。
【0081】
一方、ステップS206において指令部303は、預け入れ要求に含まれる預け入れ地点を車両10の停車地点として決定する。なお、この場合も、ステップS205と同様にして、決定した停車地点をユーザ端末20に通知してもよい。
【0082】
ステップS207において指令部303は、車両10が、現在地から出発して預け入れ日時に停車地点を経由して走行するように運行指令を生成する。運行指令には、車両10の移動ルートが含まれる。また、指令部303は、停車地点においてユーザ端末20の認
証を行い、ユーザから荷物を預かるように運行指令を生成する。そして、ステップS208において指令部303は、運行指令を車両10へ送信する。さらに、ステップS209において指令部303は、車両情報DB312を更新する。すなわち、ルートフィールドにステップS207で生成したルートを入力する。
【0083】
ステップS210において荷物管理部302は、荷物情報DB313を更新する。すなわち、ユーザID、荷物属性、預け入れ地点、預け入れ日時、及び、預け入れ地点の天気の夫々に関する情報を荷物情報DB313に入力することで、荷物情報DB313を更新する。
【0084】
次に、
図10のステップS104において実行される引き取り処理について説明する。
図12は、第1実施形態に係る引き取り処理のフローチャートである。ステップS301では、荷物管理部302が、ユーザの荷物が預けられている車両10を特定する。荷物管理部302は、引き取り要求に含まれる情報と、荷物情報DB313に格納されている情報とに基づいて、ユーザIDが一致する荷物が預けられている車両10を特定する。
【0085】
ステップS302では、荷物管理部302が、引き取り日時における引き取り地点の天気を取得する。荷物管理部302には、天気に関する情報を提供しているサーバにアクセスして、天気に関する情報を取得する。
【0086】
ステップS303では、荷物管理部302が、取得した天気が雨または雪であるか否か判定する。本ステップでは、荷物が濡れる可能性があるか否か判定している。ステップS303で肯定判定された場合にはステップS304へ進み、否定判定された場合にはステップS306へ進む。
【0087】
ステップS304において指令部303は、停車地点情報DB314に格納されている情報に基づいて停車地点を決定する。指令部303は、引き取り要求に含まれる引き取り地点と、停車地点情報DB314の所在地フィールドに格納されている所在地とに基づいて、引き取り地点から最も近い屋根のある地点を抽出し、この地点を車両10が停車する地点(すなわち、派遣地点)として決定する。このときに指令部303は、引き取り日時が、停車地点情報DB314に格納されている使用可能時間に含まれる停車地点を、車両10が停車する地点として決定する。
【0088】
そして、ステップS305において指令部303は、決定した停車地点をユーザ端末20に通知する。例えば、ユーザが入力した引き取り地点と停車地点とが離れていると、ユーザが車両10にたどり着けなくなる虞があるため、車両10の停車地点をユーザに通知する。この通知によって、例えば、車両10の停車地点を表した地図がユーザ端末20のディスプレイ25に表示されるようにしてもよい。
【0089】
一方、ステップS306において指令部303は、引き取り要求に含まれる引き取り地点を車両10の停車地点として決定する。なお、この場合も、ステップS305と同様にして、決定した停車地点をユーザ端末20に通知してもよい。
【0090】
ステップS307において指令部303は、車両10が、現在地から出発して引き取り日時に停車地点を経由して走行するように運行指令を生成する。運行指令には、車両10の移動ルートが含まれる。また、指令部303は、停車地点においてユーザ端末20の認証を行い、ユーザに荷物を引き渡すように運行指令を生成する。そして、ステップS308において指令部303は、運行指令を車両10へ送信する。さらに、ステップS309において指令部303は、車両情報DB312を更新する。すなわち、ルートフィールドにステップS307で生成したルートを入力する。
【0091】
ステップS310において荷物管理部302は、荷物情報DB313を更新する。すなわち、ユーザID、引き取り地点、引き取り日時、及び、引き取り地点の天気の夫々に関する情報を荷物情報DB313に入力することで、荷物情報DB313を更新する。
【0092】
以上説明したように第1実施形態によれば、荷物の預け入れ又は引き取り時に荷物が雨又は雪で濡れる虞がある場合には、車両10が屋根のある場所に停車するため、荷物が濡れることを抑制できる。
【0093】
<第2実施形態>
第2実施形態では、荷物に優先度を設定し、優先度に応じて屋根のある地点で荷物を受け取れるようにする。
図13は、第2実施形態に係るシステム1の概略構成を示す図である。第2実施形態では、車両10として、第一車両10A及び第二車両10Bを含む。以下では、第一車両10Aと第二車両10Bとを区別しない場合には、単に車両10と称する。
【0094】
ここで、例えば、2台の車両10が同じ時刻に同じ地点で停車する場合、何れかの車両10は屋根の下に停車できない場合もあり得る。このような場合には、優先度の高い荷物の預け入れ又は引き取りを優先させる。例えば、水に濡れた場合に故障または破損しやすい物ほど、優先度を高くする。例えば、第一車両10Aに預け入れられる荷物が電子機器で、第二車両10Bに預け入れられる荷物が生鮮食品の場合には、電子機器のほうが優先度が高くなる。そのため、電子機器が預け入れられる第一車両10Aが屋根のある地点で停車するように運行指令を生成する。一方、第二車両10Bが停車する地点は、例えば、ユーザの希望する地点であってもよく、屋根のある地点に比較的近い地点であってもよい。屋根のある地点に比較的近い地点とは、例えば、2台の車両10が縦列駐車可能な間隔を空けた地点であってもよい。
【0095】
図14は、第2実施形態に係る荷物情報DB313のテーブル構成を例示した図である。荷物情報テーブルは、車両ID、ボックス番号、ユーザID、荷物属性、預け入れ地点、預け入れ日時、預け入れ地点天気、引き取り地点、引き取り日時、引き取り地点天気、及び、優先度の各フィールドを有する。優先度フィールド以外は
図6に示したテーブル構成と同じため、優先度フィールド以外の説明は省略する。
【0096】
優先度フィールドには、水に濡れることを回避する優先度が入力される。優先度は例えば5段階に分類され、1から5の数字によって示される。例えば値が大きいほど優先度が高いものとする。この優先度は、例えば、荷物属性に基づいて荷物管理部302が決定してもよく、ユーザが任意に決定してもよい。ユーザが決定する場合には、ユーザがユーザ端末20に優先度を入力し、預け入れ要求または引き取り要求と共にサーバ30へ送信される。また、荷物属性と優先度との関係を予め補助記憶部33に記憶させておいてもよい。例えば、水に濡れた場合に故障または破損しやすいほど、優先度を高くする。
【0097】
次に、
図10のステップS102において実行される預け入れ処理について説明する。
図15は、第2実施形態に係る預け入れ処理のフローチャートである。ステップS401では、荷物管理部302が、ユーザの荷物を預け入れる車両10(第一車両10A)を選定する。荷物管理部302は、預け入れ要求に含まれる情報と、荷物情報DB313に格納されている情報とに基づいて、預け入れ日時に預け入れ地点に移動可能な車両10、且つ、ボックス180に空きがある車両10を選定する。このときには、荷物を預け入れるボックス180も選定する。このときに選定される車両10を第一車両10Aとする。
【0098】
ステップS402において荷物管理部302は、荷物の優先度を決定する。荷物の優先
度は、預け入れ要求に含まれる荷物属性に基づいて決定される。荷物属性と優先度との関係は予め補助記憶部33に記憶されている。
【0099】
ステップS403では、荷物管理部302が、預け入れ日時における預け入れ地点の天気を取得する。荷物管理部302には、天気に関する情報を提供しているサーバにアクセスして、天気に関する情報を取得する。
【0100】
ステップS404では、荷物管理部302が、取得した天気が雨または雪であるか否か判定する。本ステップでは、荷物が濡れる可能性があるか否か判定している。ステップS404で肯定判定された場合にはステップS405へ進み、否定判定された場合にはステップS406へ進む。
【0101】
ステップS405において指令部303は、停車地点情報DB314に格納されている情報に基づいて第一車両10Aの停車地点を決定する。ここでは、ステップS204と同じ処理が実行される。一方、ステップS406において指令部303は、預け入れ要求に含まれる預け入れ地点を第一車両10Aの停車地点として決定する。
【0102】
ステップS407では、指令部303は、ステップS405で決定した停車地点に同じ日時に停車する他の車両10(第二車両10B)が存在するか否か判定する。ここでは、指令部303は、各車両10の運行指令に基づいた判定を行う。ステップS407で肯定判定された場合にはステップS408へ進み、否定判定された場合にはステップS412へ進む。
【0103】
ステップS408では、指令部303が、第一車両10Aが停車地点で預け入れを行う荷物の優先度が、第二車両10Bが停車地点で預け入れ又は引き取りを行う荷物の優先度よりも高いか否か判定する。この停車地点は、ステップS405で決定された停車地点である。ステップS408で肯定判定された場合にはステップS409へ進み、否定判定された場合にはステップS411へ進む。
【0104】
ステップS409において指令部303は、第二車両10Bの運行指令を生成する。すなわち、第二車両10Bには既に運行指令が送信されているが、第二車両10Bが停車する予定であった地点に第一車両10Aを停車させるため、第二車両10Bは他の地点に停車するように運行指令を生成する。例えば、指令部303は、屋根のある地点から少し離れた地点で第二車両10Bが停車するように運行指令を生成する。すなわち、優先度が高い第一車両10Aを屋根のある地点に停車できるように、第二車両10Bが屋根のある地点に停車しないように運行指令を生成する。そして、ステップS410において指令部303は、第二車両10Bへ運行指令を送信する。
【0105】
一方、ステップS411において指令部303は、預け入れ要求に含まれる預け入れ地点を第一車両10Aの停車地点とするように、停車地点を変更する。すなわち、ステップS405において決定された停車地点を変更する。
【0106】
ステップS412において指令部303は、決定した停車地点をユーザ端末20に通知する。このユーザ端末20は、第一車両10Aを利用するユーザの端末である。なお、第二車両10Bを利用するユーザには、たとえステップS409において第二車両10Bの停車地点が変更されたとしても、元の停車地点のすぐ近くに第二車両10Bが停車するため通知は行わない。なお、別法として、第二車両10Bを利用するユーザのユーザ端末20に停車地点を通知してもよい。
【0107】
ステップS413において指令部303は、第一車両10Aが、現在地から出発して預
け入れ日時に停車地点を経由して走行するように運行指令を生成する。運行指令には、第一車両10Aの移動ルートが含まれる。また、指令部303は、停車地点においてユーザ端末20の認証を行い、ユーザから荷物を預かるように運行指令を生成する。そして、ステップS414において指令部303は、運行指令を第一車両10Aへ送信する。さらに、ステップS415において指令部303は、車両情報DB312を更新する。すなわち、第一車両10Aに対応するルートフィールドにステップS413で生成したルートを入力する。なお、ステップS409において第二車両10Bのルートを変更した場合には、第二車両10Bに対応するルートフィールドにも新たなルートを入力する。
【0108】
ステップS416において荷物管理部302は、荷物情報DB313を更新する。すなわち、ユーザID、荷物属性、預け入れ地点、預け入れ日時、預け入れ地点の天気、及び、優先度の夫々に関する情報を荷物情報DB313に入力することで、荷物情報DB313を更新する。
【0109】
次に、
図10のステップS104において実行される預け入れ処理について説明する。
図16は、第2実施形態に係る引き取り処理のフローチャートである。ステップS501では、荷物管理部302が、ユーザの荷物が預けられている第一車両10Aを特定する。荷物管理部302は、引き取り要求に含まれる情報と、荷物情報DB313に格納されている情報とに基づいて、ユーザIDが一致する荷物が預けられている第一車両10Aを特定する。
【0110】
ステップS502において荷物管理部302は、荷物の優先度を読み込む。荷物の優先度は、荷物情報DB313に記憶されている。
【0111】
ステップS503では、荷物管理部302が、引き取り日時における引き取り地点の天気を取得する。荷物管理部302には、天気に関する情報を提供しているサーバにアクセスして、天気に関する情報を取得する。
【0112】
ステップS504では、荷物管理部302が、取得した天気が雨または雪であるか否か判定する。本ステップでは、荷物が濡れる可能性があるか否か判定している。ステップS504で肯定判定された場合にはステップS505へ進み、否定判定された場合にはステップS506へ進む。
【0113】
ステップS505において指令部303は、停車地点情報DB314に格納されている情報に基づいて第一車両10Aの停車地点を決定する。ここでは、ステップS304と同じ処理が実行される。一方、ステップS506において指令部303は、引き取り要求に含まれる引き取り地点を第一車両10Aの停車地点として決定する。
【0114】
ステップS507では、指令部303は、ステップS505で決定した停車地点に同じ日時に停車する他の車両10(第二車両10B)が存在するか否か判定する。ここでは、指令部303は、各車両10の運行指令に基づいた判定を行う。ステップS507で肯定判定された場合にはステップS508へ進み、否定判定された場合にはステップS512へ進む。
【0115】
ステップS508では、指令部303が、第一車両10Aが停車地点で引き取りを行う荷物の優先度が、第二車両10Bが停車地点で預け入れ又は引き取りを行う荷物の優先度よりも高いか否か判定する。この停車地点は、ステップS505で決定された停車地点である。ステップS508で肯定判定された場合にはステップS509へ進み、否定判定された場合にはステップS511へ進む。
【0116】
ステップS509において指令部303は、第二車両10Bの運行指令を生成する。例えば、指令部303は、屋根のある地点から少し離れた地点で第二車両10Bが停車するように運行指令を生成する。そして、ステップS510において指令部303は、第二車両10Bへ運行指令を送信する。
【0117】
一方、ステップS511において指令部303は、引き取り要求に含まれる引き取り地点を第一車両10Aの停車地点とするように、停車地点を変更する。すなわち、ステップS505において決定された停車地点を変更する。
【0118】
ステップS512において指令部303は、決定した停車地点をユーザ端末20に通知する。このユーザ端末20は、第一車両10Aを利用するユーザの端末である。なお、第二車両10Bを利用するユーザには、たとえステップS509において第二車両10Bの停車地点が変更されたとしても、元の停車地点のすぐ近くに第二車両10Bが停車するため通知は行わない。なお、別法として、第二車両10Bを利用するユーザのユーザ端末20に停車地点を通知してもよい。
【0119】
ステップS513において指令部303は、第一車両10Aが、現在地から出発して引き取り日時に停車地点を経由して走行するように運行指令を生成する。運行指令には、第一車両10Aの移動ルートが含まれる。また、指令部303は、停車地点においてユーザ端末20の認証を行い、ユーザに荷物を引き渡すように運行指令を生成する。そして、ステップS514において指令部303は、運行指令を第一車両10Aへ送信する。さらに、ステップS515において指令部303は、車両情報DB312を更新する。すなわち、第一車両10Aに対応するルートフィールドにステップS513で生成したルートを入力する。なお、ステップS509において第二車両10Bのルートを変更した場合には、第二車両10Bに対応するルートフィールドにも新たなルートを入力する。
【0120】
ステップS516において荷物管理部302は、荷物情報DB313を更新する。すなわち、ユーザID、引き取り地点、引き取り日時、及び、引き取り地点の天気の夫々に関する情報を荷物情報DB313に入力することで、荷物情報DB313を更新する。
【0121】
以上説明したように第2実施形態によれば、優先度の高い荷物を優先して屋根のある場所で預け入れ又は引き取りができるため、濡れると問題の発生し得る荷物が濡れることを抑制できる。
【0122】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。
【0123】
本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0124】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。例えば、車両10の機能の一部を、サーバ30が備えていてもよい。また、例えば、サーバ30の機能の一部または全部を、車両10が備えていてもよい。
【0125】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出
して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0126】
1 システム
10 車両
18 ロッカー
20 ユーザ端末
30 サーバ
31 プロセッサ
32 主記憶部
33 補助記憶部
34 通信部
180 ボックス
182 入出力部
183 通信部