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特許7687259情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20250527BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20250527BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q50/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022062847
(22)【出願日】2022-04-05
(65)【公開番号】P2023153524
(43)【公開日】2023-10-18
【審査請求日】2024-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勝紀
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-002453(JP,A)
【文献】特開2007-021787(JP,A)
【文献】特開平03-156608(JP,A)
【文献】特開平02-033605(JP,A)
【文献】特開2012-108781(JP,A)
【文献】特開平06-250727(JP,A)
【文献】特開2004-145875(JP,A)
【文献】特開2000-339015(JP,A)
【文献】特開2002-319982(JP,A)
【文献】特表2002-509307(JP,A)
【文献】特許第2514910(JP,B2)
【文献】特許第4976169(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2007/0293952(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
G06Q 50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性記憶装置と、
第1のプロセス及び第2のプロセスを実行する演算装置と
を備え、
前記第1のプロセスは、
車両の生産ラインの特定の箇所を通過した車両の数を示す実績情報を用いて、前記第1のプロセスから前記第2のプロセスへ伝達される、前記実績情報を示すプロセス間伝達情報を生成して、前記プロセス間伝達情報を前記不揮発性記憶装置に保存する処理と、
記プロセス間伝達情報が前記不揮発性記憶装置に保存されると、前記第2のプロセスに対する通知手段であるデータの値を、前記プロセス間伝達情報が保存された旨を示す所定の値に変更する処理、又は、前記通知手段である通知プログラムに対し、前記プロセス間伝達情報が保存された旨の通知を指示する処理とを含み、
前記第2のプロセスは、
前記データの値が所定の値に変更されたことを検出すると、又は、前記通知プログラムから前記通知を受信すると、前記不揮発性記憶装置から前記プロセス間伝達情報を取得する処理と、
取得した前記プロセス間伝達情報を用いて、前記車両に対して作業を行う作業機械に対する指示情報を生成する処理と、
生成された前記指示情報を前記作業機械に送信する処理とを含む
情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記車両の複数の生産ラインのそれぞれの複数の個別の前記実績情報を受信し、
前記第1のプロセスは、
前記車両の複数の生産ラインのそれぞれの実績情報を示す複数の個別のプロセス間伝達情報を生成する処理と
生成された前記複数の個別のプロセス間伝達情報を前記不揮発性記憶装置に保存する処理とを含み、
前記第2のプロセスは、
前記不揮発性記憶装置から前記複数の個別のプロセス間伝達情報を取得する処理と、
取得した前記複数の個別のプロセス間伝達情報を用いて、複数の個別の前記指示情報を生成する処理と、
前記複数の個別の前記指示情報を、前記複数の個別の前記指示情報のそれぞれの送信先である前記作業機械に送信する処理と
を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1のプロセスは、前記個別のプロセス間伝達情報を、ファイル形式で前記不揮発性記憶装置に保存する処理を含む、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2のプロセスは、前記個別のプロセス間伝達情報を、前記プロセス間伝達情報が保存された順に取得して、前記指示情報を生成する処理を含む、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、前記コンピュータが、
第1のプロセスと、
第2のプロセスとを実行し、
前記第1のプロセスは、
車両の生産ラインの特定の箇所を通過した車両の数を示す実績情報を用いて、前記第1のプロセスから前記第2のプロセスへ伝達される、前記実績情報を示すプロセス間伝達情報を生成して、前記プロセス間伝達情報を不揮発性記憶装置に保存する処理と、
記プロセス間伝達情報前記不揮発性記憶装置に保存されると、前記プロセス間伝達情報が保存された旨を通知するための通知手段であるデータの値を、前記プロセス間伝達情報が保存された旨を示す所定の値に変更する処理、又は、前記通知手段である通知プログラムに対し、前記プロセス間伝達情報が保存された旨の通知を指示する処理とを含み
前記第2のプロセスは、
前記データの値が所定の値に変更されたことを検出すると、又は、前記通知プログラムから前記通知を受信すると、前記不揮発性記憶装置から前記プロセス間伝達情報を取得する処理と
取得した前記プロセス間伝達情報を用いて、前記車両に対して作業を行う作業機械に対する指示情報を生成する処理と、
生成された前記指示情報を前記作業機械に送信する処理とを含む
情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに対し、
第1のプロセスと、
第2のプロセスとを実行させ、
前記第1のプロセスは、
車両の生産ラインの特定の箇所を通過した車両の数を示す実績情報を用いて、前記第1のプロセスから前記第2のプロセスへ伝達される、前記実績情報を示すプロセス間伝達情報を生成して、前記プロセス間伝達情報を不揮発性記憶装置に保存する処理と、
記プロセス間伝達情報前記不揮発性記憶装置に保存されると、前記プロセス間伝達情報が保存された旨を通知するための通知手段であるデータの値を、前記プロセス間伝達情報が保存された旨を示す所定の値に変更する処理、又は、前記通知手段である通知プログラムに対し、前記プロセス間伝達情報が保存された旨の通知を指示する処理とを含み
前記第2のプロセスは、
前記データの値が所定の値に変更されたことを検出すると、又は、前記通知プログラムから前記通知を受信すると、前記不揮発性記憶装置から前記プロセス間伝達情報を取得する処理と
取得した前記プロセス間伝達情報を用いて、前記車両に対して作業を行う作業機械に対する指示情報を生成する処理と、
生成された前記指示情報を前記作業機械に送信する処理とを含む
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プロセスを実行する情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一対のプロセスの間のデータの受け渡しに関する種々の技術が提案されている。このような技術の一例として、特許文献1は、ファイルやファイルキュー等を用いた通信により、同一デバイス上でプロセスの間のデータ交換を行う演算システムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-177378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1が開示する演算システムが、入力情報に基づいてファイルやファイルキュー等のプロセス間伝達情報を生成して揮発性記憶装置に保存した場合において、演算システムを実装する装置への電力供給が途絶えると、プロセス間伝達情報が消失してしまう。そのため、既に保存されたプロセス間伝達情報を用いて出力情報を生成することができないという問題があった。
【0005】
本開示は、情報処理装置への電力供給が途絶えた場合でも、既に保存された、入力情報に基づくプロセス間伝達情報を用いて、出力情報を生成可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る情報処理装置は、
不揮発性記憶装置と、
入力情報を用いて、入力情報に対応するプロセス間伝達情報を生成して、不揮発性記憶装置に保存する第1のプロセスと、
不揮発性記憶装置に保存されたプロセス間伝達情報を取得して、出力情報を生成する第2のプロセスと、
プロセス間伝達情報が保存された旨を通知するための通知手段とを含み、
第1のプロセスは、プロセス間伝達情報を不揮発性記憶装置に保存した後、通知手段を用いて、プロセス間伝達情報が保存された旨を第2のプロセスに通知し、
第2のプロセスは、第1のプロセスによる通知手段を用いた通知の後、不揮発性記憶装置からプロセス間伝達情報を取得し、取得したプロセス間伝達情報を用いて出力情報を生成する。
【0007】
また、入力情報は、車両の生産ラインの特定の箇所を通過した車両の数を示す実績情報とすることができ、
第1のプロセスは、実績情報を示すプロセス間伝達情報を生成して、不揮発性記憶装置に保存し、
第2のプロセスは、取得したプロセス間伝達情報が示す車両の実績情報に基づき、車両に対して作業を行う作業機械に対する指示情報を生成し、作業機械に指示情報を送信し得る。
【0008】
さらに、情報処理装置は、車両の複数の生産ラインのそれぞれの複数の個別の実績情報を受信し、
第1のプロセスは、車両の複数の生産ラインのそれぞれの実績情報を示す複数の個別のプロセス間伝達情報を生成して、不揮発性記憶装置に保存し、
第2のプロセスは、不揮発性記憶装置から複数の個別のプロセス間伝達情報を取得して、取得した複数の個別のプロセス間伝達情報を用いて、複数の個別の指示情報を生成し、複数の個別の指示情報を、複数の個別の指示情報のそれぞれの送信先である作業機械に送信し得る。
【0009】
さらに、第1のプロセスは、個別のプロセス間伝達情報を、ファイル形式で不揮発性記憶装置に保存し得る。
【0010】
さらに、第2のプロセスは、個別のプロセス間伝達情報を、プロセス間伝達情報が保存された順に取得して、指示情報を生成し得る。
【0011】
一実施形態に係るコンピュータが実行する情報処理方法は、コンピュータが、
入力情報を用いて、入力情報に対応するプロセス間伝達情報を生成して、不揮発性記憶装置に保存する第1のプロセスと、
不揮発性記憶装置に保存されたプロセス間伝達情報を取得して、出力情報を生成する第2のプロセスと
を実行し、
第1のプロセスは、プロセス間伝達情報を不揮発性記憶装置に保存した後、プロセス間伝達情報が保存された旨を通知するための通知手段を用いて、プロセス間伝達情報が保存された旨を第2のプロセスに通知し、
第2のプロセスは、第1のプロセスによる通知手段を用いた通知の後、不揮発性記憶装置からプロセス間伝達情報を取得し、取得したプロセス間伝達情報を用いて出力情報を生成する。
【0012】
一実施形態に係るプログラムは、コンピュータに対し、
入力情報を用いて、入力情報に対応するプロセス間伝達情報を生成して、不揮発性記憶装置に保存する第1のプロセスと、
不揮発性記憶装置に保存されたプロセス間伝達情報を取得して、出力情報を生成する第2のプロセスと
を実行させ、
第1のプロセスは、プロセス間伝達情報を不揮発性記憶装置に保存した後、プロセス間伝達情報が保存された旨を通知するための通知手段を用いて、プロセス間伝達情報が保存された旨を第2のプロセスに通知し、
第2のプロセスは、第1のプロセスによる通知手段を用いた通知の後、不揮発性記憶装置からプロセス間伝達情報を取得し、取得したプロセス間伝達情報を用いて出力情報を生成する。
【発明の効果】
【0013】
本開示により、情報処理装置への電力供給が途絶えた場合でも、既に保存された、入力情報に基づくプロセス間伝達情報を用いて、出力情報を生成可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態に係る生産管理システムの一例を示す図である。
図2】一実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係る情報処理装置が実行する処理のシーケンスの一例を示す図である。
図4】一実施形態に係る情報処理装置が備える主要な構成要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。図1は、一実施形態に係る生産管理システム1の一例を示す図である。生産管理システム1は、製品の生産を管理するためのシステムである。生産管理システム1は、情報処理装置10と、検出装置20と、作業機械30とを含む。なお、図1の例では、単一の検出装置20及び単一の作業機械30が示されているが、生産管理システム1には、複数の検出装置20及び複数の作業機械30が含まれ得る。
【0016】
情報処理装置10は、製品の生産情報を管理する情報処理装置である。情報処理装置10は、LAN(Local Area Network)及び/又はWAN(Wide Area Network)を含み得るネットワーク40を介して、検出装置20及び作業機械30とデータを通信する。情報処理装置10の構成については、図2を参照して後述する。
【0017】
検出装置20は、車両の生産ラインの特定の箇所を通過した車両の数を検出する装置である。車両の生産ラインが複数存在する場合、検出装置20は、生産ライン毎の特定の箇所に設置される。特定の箇所は、生産ラインの任意の位置とすることができる。検出装置20は、当該検出装置20が設置された生産ラインの特定の箇所を通過した車両の数を示す実績情報を、単位時間毎に情報処理装置10に送信する。
【0018】
作業機械30は、情報処理装置10が提供する指示情報に基づき、車両に対して作業を行う機械である。作業機械30は、車両の生産ライン毎に設置される。
【0019】
図2は、一実施形態に係る情報処理装置10の構成を示すブロック図である。情報処理装置10は、プロセッサ100と、通信インタフェース110と、不揮発性記憶装置120とを備える。
【0020】
通信インタフェース110は、情報処理装置10と他の装置との間のデータ通信を行うインタフェースである。通信インタフェース110は、検出装置20が送信した入力情報を受信すると、当該入力情報を第1のプロセス101に提供する。また、通信インタフェース110は、情報処理装置10が生成した出力情報を作業機械30に送信する。
【0021】
不揮発性記憶装置120は、情報処理装置10が実行するプログラム等の種々のデータが保存される不揮発性の記憶装置である。不揮発性記憶装置120には、例えば、入力情報が登録される入力情報データベース、第1のプロセス101から第2のプロセス102へ伝達される情報であるプロセス間伝達情報が保存される。
【0022】
プロセッサ100は、情報処理装置10が備える電子回路及び装置を制御するCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサである。プロセッサ100は、不揮発性記憶装置120からプログラムを読み出して実行することにより、一実施形態に係る情報処理方法を実行する。プロセッサ100は、第1のプロセス101と、第2のプロセス102と、通知手段103とを実現する。
【0023】
第1のプロセス101は、入力情報を入力情報データベースに保存すると共に、入力情報を用いてプロセス間伝達情報を生成するプロセスである。具体的には、第1のプロセス101は、入力情報を受信すると、当該入力情報を入力情報データベースに保存する。本実施形態では、第1のプロセス101は、不揮発性記憶装置120に構築される入力情報データベースに入力情報を保存する。他の実施形態では、第1のプロセス101は、情報処理装置10の外部の記憶装置に構築された入力情報データベースに入力情報を保存してもよい。
【0024】
また、第1のプロセス101は、入力情報を用いて、入力情報に対応するプロセス間伝達情報を生成し、不揮発性記憶装置120に保存する。プロセス間伝達情報の具体例として、例えば、メッセージ等が挙げられる。第1のプロセス101は、個別のプロセス間伝達情報を、ファイル形式で不揮発性記憶装置120に個別に保存することができる。ファイル形式で保存されたプロセス間伝達情報は、属性情報として時刻情報を有する。時刻情報は、例えば、当該プロセス間伝達情報の保存時刻、当該プロセス間伝達情報に関連する入力情報の受信時刻等とすることができる。なお、第1のプロセス101は、これらの属性情報を有しないプロセス間伝達情報を、不揮発性記憶装置120の特定のメモリ領域に、プロセス間伝達情報の生成順に保存してもよい。
【0025】
さらに、第1のプロセス101は、不揮発性記憶装置120にプロセス間伝達情報を保存すると、通知手段103を用いて、プロセス間伝達情報が保存された旨を第2のプロセス102に通知する。
【0026】
第2のプロセス102は、第1のプロセス101によって生成されたプロセス間伝達情報を用いて、出力情報を生成するプロセスである。具体的には、第2のプロセス102は、第1のプロセス101による通知手段103を用いた通知の後、不揮発性記憶装置120からプロセス間伝達情報を取得して、出力情報を生成する第2のプロセス102は、不揮発性記憶装置120から個別のプロセス間伝達情報を、当該プロセス間伝達情報が保存された順に取得する。
【0027】
第2のプロセス102は、不揮発性記憶装置120からプロセス間伝達情報を取得すると、当該プロセス間伝達情報を用いて出力情報を生成し、通信インタフェース110を介して作業機械30に送信する。
【0028】
通知手段103は、第2のプロセス102に対し、プロセス間伝達情報が不揮発性記憶装置120に保存された旨を通知するための手段である。通知手段103として、例えば、セマフォ等のデータを用いることができる。この場合、第1のプロセス101は、プロセス間伝達情報を不揮発性記憶装置120に保存すると、当該データの値を、プロセス間伝達情報が保存された旨を示す第1の値(「1」等)に書き換える。第2のプロセス102は、定期的に当該データの値を参照し、当該データの値が第1の値に書き換えられたことを検出すると、不揮発性記憶装置120からプロセス間伝達情報を取得して、出力情報を生成する。第2のプロセス102は、不揮発性記憶装置120からプロセス間伝達情報を取得すると、当該データの値を、第1の値以外の値(「0」等)に書き換える。
【0029】
また、通知手段103は、プログラムによって実現することもできる。この場合、第1のプロセス101は、プロセス間伝達情報を不揮発性記憶装置120に保存すると、通知手段103に対し、プロセス間伝達情報が保存された旨の通知を指示する。通知手段103は、第1のプロセス101から通知が指示されると、第2のプロセス102に対し、プロセス間伝達情報が保存された旨を通知する。第2のプロセス102は、通知手段103から通知を受信すると、不揮発性記憶装置120からプロセス間伝達情報を取得する。
【0030】
生産管理システム1において車両の生産管理を行う場合、入力情報は、複数の生産ラインのそれぞれの特定の箇所を通過した車両の数を示す実績情報とし得る。情報処理装置10は、複数の生産ラインのそれぞれに設置された検出装置20から各生産ラインの個別の実績情報を、入力情報として受信する。
【0031】
第1のプロセス101は、個別の入力情報毎に個別のプロセス間伝達情報を生成し、各プロセス間伝達情報を不揮発性記憶装置120に保存する。各プロセス間伝達情報は、対応する生産ラインの識別情報と、当該生産ラインの実績情報を含み得る。
【0032】
第2のプロセス102は、不揮発性記憶装置120からプロセス間伝達情報を取得し、当該プロセス間伝達情報が示す生産ラインの実績情報に基づき、当該車両に対して作業を行う作業機械30に対する指示情報を生成する。指示情報には、車両に対して作業機械30が行う作業の実行回数が含まれ得る。
【0033】
次いで、第2のプロセス102は、生成した指示情報を当該指示情報の送信先の作業機械に、出力情報として送信する。不揮発性記憶装置120には、複数の生産ラインの識別情報のそれぞれと、各生産ラインに設置された各作業機械の識別情報とが対応付けられた対応情報が保存される。第2のプロセス102は、この対応情報と、プロセス間伝達情報に含まれる生産ラインの識別情報に基づいて、当該指示情報の送信先の作業機械を特定することができる。
【0034】
図3は、一実施形態に係る情報処理装置10が実行する処理のシーケンスの一例を示す図である。情報処理装置10は、入力情報を受信する度に、図3に示す処理を実行する。
【0035】
ステップS1で第1のプロセス101が入力情報を受信すると、第1のプロセス101は、ステップS2で当該入力情報を入力情報データベースに保存する。ステップS3では、第1のプロセス101は、受信した入力情報を用いてプロセス間伝達情報を生成する。ステップS4では、第1のプロセス101は、生成したプロセス間伝達情報を不揮発性記憶装置120に保存する。ステップS5では、第1のプロセス101は、通知手段103を用いて、プロセス間伝達情報が保存された旨を第2のプロセス102に通知する。
【0036】
第2のプロセス102は、第1のプロセス101による通知手段103を用いた通知の後、ステップS6で不揮発性記憶装置120からプロセス間伝達情報を取得する。なお、第2のプロセス102は、第2のプロセス102は、不揮発性記憶装置120からプロセス間伝達情報を取得すると、当該不揮発性記憶装置120からプロセス間伝達情報を削除してもよい。
【0037】
ステップS7では、第2のプロセス102は、取得したプロセス間伝達情報を用いて出力情報を生成する。ステップS8では、第2のプロセス102は、生成した出力情報を送信する。
【0038】
図4は、情報処理装置10が備える主要な構成要素を示す図である。情報処理装置10は、不揮発性記憶装置120と、入力情報を用いて、入力情報に対応するプロセス間伝達情報を生成して、不揮発性記憶装置120に保存する第1のプロセス101と、不揮発性記憶装置120に保存されたプロセス間伝達情報を取得して、出力情報を生成する第2のプロセス102と、プロセス間伝達情報が保存された旨を通知するための通知手段103とを含む。第1のプロセス101は、プロセス間伝達情報を不揮発性記憶装置120に保存した後、通知手段103を用いて、プロセス間伝達情報が保存された旨を第2のプロセス102に通知する。第2のプロセス102は、第1のプロセス101による通知の後、不揮発性記憶装置120からプロセス間伝達情報を取得し、取得したプロセス間伝達情報を用いて出力情報を生成する。
【0039】
これにより、入力情報に基づくプロセス間伝達情報が不揮発性記憶装置120に保存されるため、情報処理装置10への電力供給が途絶えた場合でも、不揮発性記憶装置120内のプロセス間伝達情報が消失することがない。そのため、情報処理装置10へ電力が再供給された後、第2のプロセス102は、不揮発性記憶装置120からプロセス間伝達情報を取得し、当該プロセス間伝達情報を用いて出力情報を生成することができる。
【0040】
また、入力情報は、車両の生産ラインの特定の箇所を通過した車両の数を示す実績情報とし得る。第1のプロセス101は、実績情報を示すプロセス間伝達情報を生成して、不揮発性記憶装置120に保存する。第2のプロセス102は、取得したプロセス間伝達情報が示す実績情報に基づき、車両に対して作業を行う作業機械30に対する指示情報を生成し、作業機械30に指示情報を送信する。
【0041】
これにより、車両の生産を管理する情報処理装置10への電力供給が途絶えた場合でも、情報処理装置10へ電力が再供給された後、第2のプロセス102は、不揮発性記憶装置120から、車両の生産ラインの車両の実績情報を示すプロセス間伝達情報を取得できる。そして、第2のプロセス102は、車両の実績情報に基づく指示情報を生成し、車両に対して作業を行う作業機械30に指示情報を送信できる。その結果、車両の生産を管理する情報処理装置10への電力供給が途絶えた場合でも、速やかに車両の生産を再開することができる。
【0042】
さらに、情報処理装置10は、車両の複数の生産ラインのそれぞれの複数の個別の実績情報を受信し得る。第1のプロセス101は、車両の複数の生産ラインのそれぞれの実績情報を示す複数の個別のプロセス間伝達情報を生成して、不揮発性記憶装置120に保存する。第2のプロセス102は、不揮発性記憶装置120から複数の個別のプロセス間伝達情報を取得して、取得した複数の個別のプロセス間伝達情報を用いて、複数の個別の指示情報を生成し、複数の個別の指示情報を、これらの複数の個別の指示情報のそれぞれの送信先である作業機械30に送信する。
【0043】
これにより、複数の生産ラインにおける車両の生産を管理する情報処理装置10への電力供給が途絶えた場合でも、情報処理装置10へ電力が再供給された後、第2のプロセス102は、複数の生産ラインのそれぞれにおける車両の通過数に基づく個別の指示情報を生成し、各生産ラインにおいて車両に対して作業を行う作業機械30に指示情報を送信できる。その結果、複数の生産ラインにおける車両の生産を管理する情報処理装置10への電力供給が途絶えた場合でも、速やかに車両の生産を再開することができる。
【0044】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disk(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、又はその他の形式の伝搬信号を含む。コンピュータには、PC(Personal Computer)、サーバ、CPU、MPU、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の種々の装置が含まれる。
【0045】
本開示は、上述した実施形態に限られたものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 生産管理システム
10 情報処理装置
20 検出装置
30 作業機械
40 ネットワーク
100 プロセッサ
101 第1のプロセス
102 第2のプロセス
103 通知手段
110 通信インタフェース
120 不揮発性記憶装置
図1
図2
図3
図4