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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】無人搬送車
(51)【国際特許分類】
   B61B 13/00 20060101AFI20250527BHJP
   B66F 9/06 20060101ALI20250527BHJP
   B61D 47/00 20060101ALI20250527BHJP
【FI】
B61B13/00 A
B66F9/06 Y
B61D47/00 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022078304
(22)【出願日】2022-05-11
(65)【公開番号】P2023167259
(43)【公開日】2023-11-24
【審査請求日】2024-06-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】七原 正輝
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 翔太
(72)【発明者】
【氏名】水本 隼平
(72)【発明者】
【氏名】下垣 勇介
【審査官】近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-011741(JP,A)
【文献】特開2010-076684(JP,A)
【文献】特開2015-111348(JP,A)
【文献】特開2008-230554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61B 13/00
B66F 9/06
B61D 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人搬送車であって、
両端部の各々に車輪が取り付けられた車軸と、
前記車軸を回転可能に支持する車輪駆動ユニットフレームであって、前記車軸が延びる第1方向と直交する第2方向に沿って配置された回転軸を回転可能に支持する車輪駆動ユニットフレームと、
前記車軸上に立設された昇降軸と、前記昇降軸の先端に設けられたベアリングと、前記ベアリングの中心に配置された軸部と、前記ベアリングに支持された天板であって、前記車輪駆動ユニットフレームと対向する対向面を有する天板と、を有する昇降機構と、
前記天板と垂直となるように前記対向面に固定された少なくとも1つの天板バーと、
前記回転軸に固定された車輪フレームと、
前記車輪フレームに設けられた少なくとも1つのガイド部であって、円筒形状を有し、前記少なくとも1つの天板バーの下端が挿通されている少なくとも1つのガイド部と、を備え、
前記昇降軸は、ねじ軸であり、前記第1方向および前記第2方向のそれぞれに直交する第3方向に沿って配置されており、前記先端とは反対側の前記昇降軸の下端部は、前記車輪駆動ユニットフレームに前記昇降軸の軸回りに回転可能に支持されているとともに、前記昇降軸の軸線が前記回転軸の軸線を通るように配置されており、前記昇降軸が前記昇降軸の軸回りに回転することにより、前記ベアリングが前記第3方向に沿って昇降可能に構成されており、
前記軸部は、前記第2方向に沿って配置されており、前記ベアリングの外周面と前記対向面とが接している、無人搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無人搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車輪の各々にモータが取り付けられ、各車輪が独立に駆動される無人搬送車がある(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の無人搬送車では、車輪の接地性を向上させるために、各モータが取り付けられているモータ支持部材が、本体に揺動可能に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-111348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、荷物を積載し、積載した荷物を昇降可能な無人搬送車について、安定して荷物を搬送することができる無人搬送車が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
本開示の一形態によれば、無人搬送車が提供される。この無人搬送車は、両端部の各々に車輪が取り付けられた車軸と、前記車軸を回転可能に支持する車輪駆動ユニットフレームであって、前記車軸が延びる第1方向と直交する第2方向に沿って配置された回転軸を回転可能に支持する車輪駆動ユニットフレームと、前記車軸上に立設された昇降軸と、前記昇降軸の先端に設けられたベアリングと、前記ベアリングの中心に配置された軸部と、前記ベアリングに支持された天板であって、前記車輪駆動ユニットフレームと対向する対向面を有する天板と、を有する昇降機構と、前記天板と垂直となるように前記対向面に固定された少なくとも1つの天板バーと、前記回転軸に固定された車輪フレームと、前記車輪フレームに設けられた少なくとも1つのガイド部であって、円筒形状を有し、前記少なくとも1つの天板バーの下端が挿通されている少なくとも1つのガイド部と、を備え、前記昇降軸は、ねじ軸であり、前記第1方向および前記第2方向のそれぞれに直交する第3方向に沿って配置されており、前記先端とは反対側の前記昇降軸の下端部は、前記車輪駆動ユニットフレームに前記昇降軸の軸回りに回転可能に支持されているとともに、前記昇降軸の軸線が前記回転軸の軸線を通るように配置されており、前記昇降軸が前記昇降軸の軸回りに回転することにより、前記ベアリングが前記第3方向に沿って昇降可能に構成されており、前記軸部は、前記第2方向に沿って配置されており、前記ベアリングの外周面と前記対向面とが接している。
【0006】
本開示の一形態によれば、無人搬送車両が提供される。この無人搬送車は、両端部の各々に車輪が取り付けられた車軸と、前記車軸を揺動可能に支持するフレームと、前記車軸上に立設された昇降軸と、前記昇降軸の先端に設けられたベアリングと、前記ベアリングに支持された天板と、を有する昇降機構と、前記フレームに設けられ、前記天板を昇降可能に支持するガイド部と、を備える。この形態によれば、車軸が揺動することにより、凸凹の走行面を安定して走行することができる。そして、車軸が水平方向に対して傾いた場合であっても、天板はガイド部により支持されているため、車軸の傾きに追従しての天板の傾きを抑制することができる。よって、天板に積載された荷物を安定して搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】無人搬送車の斜視図。
図2】無人搬送車の平面図。
図3】無人搬送車の側面図。
図4】車輪ユニットの斜視図。
図5】車輪ユニットの側面図。
図6】昇降機構と共に示す車輪ユニットの正面図。
図7図4のVII-VII線断面図。
図8図2のVIII-VIII線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.実施形態:
A1.全体構成:
図1は、無人搬送車1の斜視図である。図2は、無人搬送車1の平面図である。図3は、無人搬送車1の側面図である。図4は、車輪ユニット20の斜視図である。図5は、車輪ユニット20の側面図である。図6は、昇降機構60と共に示す車輪ユニット20の正面図である。図7は、図4のVII-VII線断面図である。図8は、図2のVIII-VIII線断面図である。図1図8には、互いに直交する前後方向、左右方向、上下方向が示されている。前方向は無人搬送車1の前進方向である。無人搬送車1は、乗員による運転操作を介さず、自動運転により路面を走行可能な搬送車である。以下、前後方向および左右方向が水平方向に平行であり、上下方向が鉛直方向に平行な場合を例示して説明する。図1に示すように、無人搬送車1は、フレームユニット10と、2つの車輪ユニット20と、2つの昇降機構60と、電源80とを有する。
【0009】
2つの車輪ユニット20は、無人搬送車1の前方と後方に間隔を空けて配置されている。図2に示すように、各車輪ユニット20は、車輪駆動ユニットフレーム21と、2つの車輪駆動ユニット30とを有する。後に詳述するように、車輪駆動ユニット30は、左右方向に延びる車輪軸31と、車輪軸31の端部に取り付けられた車輪32とを有する。そして、同一の車輪ユニット20に含まれる2つの車輪軸31は、同軸上に位置するように、車輪駆動ユニットフレーム21に固定されている。
【0010】
図1に示すフレームユニット10は、2つの車輪フレーム12と、電池フレーム14とを有する。車輪フレーム12は、概ね車輪ユニット20を囲う直方体の各辺に配置された角柱部材が接続されて構成されている。電池フレーム14は、2つの車輪フレーム12を連結する。具体的には、電池フレーム14は、各車輪フレーム12の下方に配置された左右方向に延びる角柱部材を連結する角柱部材により構成されている。
【0011】
同一の車輪ユニット20に含まれる2つの車輪32の間に昇降機構60が配置されている。図3に示すように、2つの昇降機構60の各々は、天板61を有し、互いに独立して天板61を上下方向に昇降可能に構成されている。なお、図1および図3に示すように、昇降機構60は、カバー60aの内部に、後述する昇降機構60の構成部品が収納されている。また、図6では、天板61が最下部に位置している状態が示されている。対して、図7および図8などでは、天板61が上方に位置している状態が示されている。
【0012】
図1に示すように、電池フレーム14の上に電源80が配置されている。電源80は、例えば電池であり、車輪ユニット20および昇降機構60に電力を供給する。電源80の上部に図示しない無人搬送車1の作動を制御する制御部が配置されている。
【0013】
無人搬送車1は、昇降機構60上に配置された荷物Wを搬送する。搬送開始点にて、昇降機構60上に荷物Wが載せられた後、無人搬送車1は目的地まで走行する。そして、目的地に到着すると、荷物Wの下面に、図示しない荷受け用アームが挿入された状態で、昇降機構60が下がることで、荷物Wは荷受け用アームに渡される。図1では、2つの昇降機構60に亘って積載された1つの荷物Wが描かれている。荷物Wの積載形態はこれに限られず、例えば、2つの昇降機構60の各々に別個の荷物Wが積載される形態や、2つの昇降機構60のいずれか一方にのみ積載される形態や、2つの昇降機構60に亘ってプレートが載せされ、プレート上の電源80の上方に荷物Wが積載される形態などがある。本実施形態では、荷物Wの重量は、数トン程度である。
【0014】
A2.車輪ユニットの構成:
図2に示すように、車輪駆動ユニット30は、上記構成に加え、モータ33と、減速機34と、第1プーリー35と、ベルト36と、第2プーリー37と、電磁ブレーキ38と、速度制御用のエンコーダ39とを有する。モータ33と、減速機34と、第1プーリー35と、電磁ブレーキ38と、エンコーダ39とは、第1中心軸AX1上に設けられている。モータ33の回転力は、減速機34により減速され、図示しない出力軸に出力される。減速機34の出力軸と一体に設けられている第1プーリー35と、車輪軸31と一体に設けられた第2プーリー37とには、ベルト36が掛け渡されている。これにより、減速機34により減速されたモータ33の回転力は、車輪軸31に伝達される。このように、第1プーリー35および第2プーリー37と、ベルト36とを用いることにより、車輪軸31の中心軸である第2中心軸AX2から離れた位置にモータ33を配置することができる。そして、2つの車輪32の間に昇降機構60を配置することができる。
【0015】
同一の車輪ユニット20に含まれる2つの車輪駆動ユニット30は、それぞれの第1中心軸AX1が第2中心軸AX2を挟んで対向するように配置されている。また、図5に示すように、モータ33の中心軸である第1中心軸AX1と、車輪の中心軸である第2中心軸AX2とは、上下方向について、異なる位置に配置されている。図4に示すように、本実施形態では、車輪32はメカナムホイールで実現されている。また、本実施形態では、第1プーリー35およびベルト36は、ケース41内に収納されている。
【0016】
図4に示すように、フレームとしての車輪駆動ユニットフレーム21は、概ね、前後方向および左右方向に平行な板状部材である。車輪駆動ユニットフレーム21にL字状部材を介して車輪駆動ユニット30が固定されている。図8に示すように、車輪軸31は、車輪駆動ユニットフレーム21に固定された固定部材21aに軸受機構22を介して支持されている。軸受機構22は、3つの軸受を有する。同一の車輪ユニット20に含まれる2つの車輪軸31は、第2中心軸AX2上に位置するように車輪駆動ユニットフレーム21に対して固定されている。すなわち、車軸としての、2つの車輪軸31および車輪駆動ユニットフレーム21の両端部の各々に車輪32が取り付けられている。このように、車軸とは、一つの軸部材だけでなく、本実施形態のように、複数の車輪軸31が同一軸上に配置されて互いに連結された形態も含む概念である。
【0017】
A3.揺動機構:
本実施形態では、図1に示す2つの車輪ユニット20のうち、前方の車輪ユニット20は、前後方向に延びる無人搬送車1の第3中心軸AX3を中心として揺動し、後方の車輪ユニット20は、第3中心軸AX3を中心として揺動しないように構成されている。これにより、走行面に凹凸がある場合であっても、4つの車輪32のうち、少なくとも3つの車輪32が走行面と接することができるため、無人搬送車1の走行を安定させることができる。なお、前方および後方の車輪ユニット20のいずれも第3中心軸AX3に対して揺動可能に構成してもよい。
【0018】
図4に示すように、車輪駆動ユニットフレーム21は、第3中心軸AX3を中心として回転可能に取り付けられている。具体的には、図7に示すように、車輪駆動ユニットフレーム21の前後方向の両端部の各々には、回転軸支持部材25が固定されている。そして、第3中心軸AX3に沿って配置された2つの回転軸24の各々が回転軸支持部材25に回転可能に支持されている。これにより、車輪駆動ユニットフレーム21は、回転軸24を中心として回転することができる。よって、車輪駆動ユニットフレーム21に取り付けられた車輪駆動ユニット30は、回転軸24を中心軸として回転することができる。
【0019】
回転軸支持部材25には、回転軸24を挿通させる前後方向に延びる貫通孔が形成されている。回転軸24と回転軸支持部材25の貫通孔の内周面との間にはラジアル軸受26aが配置されている。回転軸24は、頭部と、頭部から延びる軸部とを有しており、軸部の先端の外周面とナット29a,29bの内周面とがねじ締結されている。第3中心軸AX3方向について、ナット29a,29bと、回転軸24の頭部との間に回転軸支持部材25が配置されている。ナット29a,29bと、回転軸支持部材25のナット29a,29bとの対向面との間にスラスト軸受26bが配置されている。回転軸24の頭部と、回転軸支持部材25の回転軸24の頭部との対向面との間にはスペーサー27が配置されている。第3中心軸AX3方向について、スペーサー27と、回転軸支持部材25の端面との間にはスラスト軸受26cが配置されている。これにより、車輪ユニット20は、第3中心軸AX3に対して揺動することができる。なお、図4に示すように、車輪ユニット20は、車輪32上方に設けられたストッパ41により、揺動する範囲が制限されている。
【0020】
A4.昇降機構:
図7に示すように、昇降機構60は、車輪駆動ユニットフレーム21に取り付けられている。昇降機構60は、ボールねじにより、天板61を昇降させる。昇降機構60は、天板61と、昇降モータ62と、昇降減速機63と、ベアリングホルダー64と、昇降軸としてのねじ軸65と、昇降ナット66と、ハウジング67と、カムフォロアー68とを有する。ねじ軸65は、車軸上に立設されている。具体的には、ねじ軸65は、第2中心軸AX2を通り上下方向と平行な第4中心軸AX4と軸方向が一致するように配置されている。これにより、昇降機構60に積載される荷物Wの荷重を車軸、本実施形態では車輪駆動ユニットフレーム21で受けることができる。
【0021】
ねじ軸65の下端部は、車輪駆動ユニットフレーム21に取り付けられたベアリングホルダー64に回転可能に支持されている。ねじ軸65の上部にハウジング67に保持された昇降ナット66が取り付けられている。ハウジング67は、ねじ軸65を受け入れるための下方に向かって開口する凹部を有し、上方の先端にカムフォロアー68が取り付けられている。カムフォロアー68は、軸部68aと、軸部68aの両端部に配置された2つのベアリング68bとを有する。カムフォロアー68は、ねじ軸65が上下方向に沿った姿勢である場合、軸部68aの軸方向が前後方向と平行に取り付けられている。そして、カムフォロアー68のベアリング68bに天板61の下面が支持されている。これにより、後に詳述するように、前方の車輪ユニット20が第3中心軸AX3に対して揺動した場合であっても、天板61の水平面に対する傾きを抑制することができる。
【0022】
ねじ軸65と、昇降ナット66と、図示しないボールにより、ボールねじが構成されている。昇降モータ62の回転力は、昇降減速機63により減速された後、ねじ軸65に伝達される。ねじ軸65が一方の方向に回転することにより、昇降ナット66が上昇し、ねじ軸65が他方の方向に回転することにより、昇降ナット66が下降する。昇降ナット66の昇降に伴い、カムフォロアー68に支持された天板61が昇降する。
【0023】
A5.天板の支持構造:
車輪フレーム12は、回転軸24に固定されている。具体的には、回転軸24には、第1回転軸連結部28aと、第2回転軸連結部28bとが固定されている。図6に示すように、第1回転軸連結部28aは、円形の平板部材である。第2回転軸連結部28bは、矩形の平板部材である。第1回転軸連結部28aと、第2回転軸連結部28bとは、厚さ方向に貫通する貫通孔が形成されている。図7に示すように、第2回転軸連結部28bに嵌め込まれた第1回転軸連結部28aの貫通孔に回転軸24が挿通されて、回転軸24に第1回転軸連結部28aが固定されている。そして、図6に示すように、第2回転軸連結部28bに枠状フレーム12aを介して車輪フレーム12が固定されている。このように、本実施形態では、車輪フレーム12が固定されている回転軸24に車輪駆動ユニットフレーム21が揺動可能に取り付けられている。これにより、車軸がフレームとしてのフレームユニット10に揺動可能に支持されている。
【0024】
天板61は、車輪フレーム12に対して平行に昇降するように構成されている。車輪フレーム12には、4つのガイド部16が取り付けられている。図6に示すように、2つのガイド部16は、車輪フレーム12の左右方向の両端部に取り付けられている。図7に示すように、2つのガイド部16は、車輪フレーム12の前後方向の両端部に取り付けられている。図8に示すように、ガイド部16は、円筒形状を有し、軸方向が上下方向と平行に、上端部が車輪フレーム12の上端に固定されている。天板61の下面には、4つのガイド部16に対応して、4つの天板バー61aが取り付けられている。天板バー61aは、天板61と略垂直に固定されている。天板バー61aは、上端が天板61の下面に固定され、下端はガイド部16に挿通されている。天板61に固定された各天板バー61aは、上下方向の移動がガイド部16に案内される。このため、天板61は、車輪フレーム12の前後方向および左右方向に平行な面と平行に昇降する。
【0025】
図8に示すように、走行面に凹凸がある場合、車輪駆動ユニットフレーム21は、第3中心軸AX3を中心として揺動する。これに伴い、昇降機構60のねじ軸65は、上下方向に対して傾斜する。このため、ねじ軸65の上端に取り付けられたベアリング68bと天板61の下面との接点は、破線で示す軌道OB上を動くことになる。なお、軌道OBは、第3中心軸AX3を中心とする円弧である。ここで、本実施形態では、ベアリング68bと天板61の下面との接点が、第3中心軸AX3を通る上下方向に平行な鉛直線LV上からずれた場合であっても、天板61の水平方向に対する傾斜を抑制することができる。天板61は、ガイド部16に案内されて車輪フレーム12と平行に移動するからである。なお、ベアリング68bと天板61の下面との接点が、鉛直線LV上からずれた場合には、ベアリング68bが下方に移動するのに伴い、天板61は下方に移動する。
【0026】
本実施形態とは異なり、ねじ軸65に天板61が固定されている構成の場合には、ねじ軸65が鉛直線LVに対して傾いた場合、天板61も連動して、水平面に対して傾くこととなる。この点、本実施形態によれば、天板61は、ベアリング68bに支持されており、天板61は、ガイド部16に案内されて、平行に上下動するため、天板61の水平方向に対する傾きを抑制することができる。これにより、荷物Wを安定して搬送することができる。
【0027】
また、上記のように、ねじ軸65は、車軸上に立設されている。これにより、荷物Wの荷重を車軸としての車輪駆動ユニットフレーム21で受けることができる。平面視でねじ軸65を車軸位置である第2中心軸AX2と異なる位置に配置した場合には、ねじ軸65と車軸とを連結する連結部材が必要となり、連結部材には、荷重に耐え得る剛性が必要となる。この点、本実施形態では、荷重を車軸で受けることができるため、コンパクトな構成で、荷物Wを搬送する無人搬送車1を実現することができる。また、バネなどの弾性体を用いたサスペンションによらずに、車軸を揺動させる構成であるため、荷物Wの荷重による、天板61の上下方向における位置変動が生じにくい。よって、荷物Wの受け渡しを円滑に行うことができる。
【0028】
以上説明した実施形態によれば、無人搬送車1は、車輪軸31および車輪駆動ユニットフレーム21と、車輪フレーム12と、昇降機構60と、ガイド部16と、を備える。これにより、無人搬送車1が凸凹の走行面を走行する場合に、車輪軸31が水平方向に対して傾いた場合であっても、天板61はガイド部16により車輪フレーム12と平行に移動するように案内されるため、車輪軸31の傾きに追従しての天板61の傾きを抑制することができる。
【0029】
B.他の実施形態:
(B1)上記実施形態では、2つの車輪軸31が車輪駆動ユニットフレーム21にて連結されて車軸が構成されている。他の形態として、1つの車軸の両端に車輪32が取り付けられる形態としてもよい。
【0030】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0031】
1…無人搬送車、10…フレームユニット、12…車輪フレーム、12a…枠状フレーム、14…電池フレーム、16…ガイド部、20…車輪ユニット、21…車輪駆動ユニットフレーム、21a…固定部材、22…軸受機構、24…回転軸、25…回転軸支持部材、26a…ラジアル軸受、26b,26c…スラスト軸受、27…スペーサー、28a…第1回転軸連結部、28b…第2回転軸連結部、29a,29b…ナット、30…車輪駆動ユニット、31…車輪軸、32…車輪、33…モータ、34…減速機、35…第1プーリー、36…ベルト、37…第2プーリー、38…電磁ブレーキ、39…エンコーダ、41…ストッパ、60…昇降機構、60a…カバー、61…天板、61a…天板バー、62…昇降モータ、63…昇降減速機、64…ベアリングホルダー、65…ねじ軸、66…昇降ナット、67…ハウジング、68…カムフォロアー、68a…軸部、68b…ベアリング、80…電源、AX1…第1中心軸、AX2…第2中心軸、AX3…第3中心軸、AX4…第4中心軸、LV…鉛直線、OB…軌道、W…荷物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8