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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   A01D 67/00 20060101AFI20250527BHJP
   A01D 41/02 20060101ALI20250527BHJP
【FI】
A01D67/00 G
A01D41/02 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023124075
(22)【出願日】2023-07-31
(65)【公開番号】P2025020594
(43)【公開日】2025-02-13
【審査請求日】2023-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003834
【氏名又は名称】弁理士法人新大阪国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥村 和哉
(72)【発明者】
【氏名】三宅 達也
(72)【発明者】
【氏名】西崎 宏
(72)【発明者】
【氏名】五島 一実
(72)【発明者】
【氏名】森本 寛之
(72)【発明者】
【氏名】山本 次郎
(72)【発明者】
【氏名】栗原 大器
(72)【発明者】
【氏名】仙波 篤志
(72)【発明者】
【氏名】板山 真
(72)【発明者】
【氏名】藤井 克朋
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-049245(JP,A)
【文献】特許第3673656(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 67/00-69/12
A01D 41/00-41/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業装置(6,15)を装備し、操作席(21)の近くに操作部(38,39,42)を備える操作パネル(35)を設けた作業車両において、該操作パネル(35)が作業を行なう作業状態とメンテナンスを行なう非作業状態に切換可能であり、操作パネル(35)を非作業状態としたときに、制御装置が機体の作動を停止させると共に、操作部(38,39,42)の一部または全ての操作を無効とし、
操作パネル(35)を後部が枢支軸(34)にて枢支されて前部が上方に向けて回動して起立した非作業状態に開く構成とし、作業状態と非作業状態の判定を枢支軸(34)側に設けたスイッチや回動角度の検出、または、操作パネル(35)前側に設けたスイッチや前側が固定部に接してボディアースしたことの検出で行ない、
操作パネル(35)の前側に切換え操作及び把持に用いる把持グリップ(36)を操作パネル(35)よりも上方に向けて突出して設け、該把持グリップ(36)が主変速レバー(38)よりも機体前側に位置し、主変速レバー(38)の上下高さ内に収まることを特徴とする作業車両。
【請求項2】
操作パネル(35)の右側を操作席(21)に向けて突出し、内方ほど低くなるように傾斜した内側突出部(37)を設け、該内側突出部(37)の操作席(21)に近い側にエンジンの出力を調節するアクセルボリューム(39)を設けたことを特徴とする請求項に記載の作業車両。
【請求項3】
操作パネル(35)の前側、把持グリップ(36)よりも後側、且つ主変速レバー(38)の右側に走行速度を低速に固定する低速スイッチ(42)を備えるスイッチパネル(37)を設け、低速スイッチ(42)がスイッチパネル(37)の前側の左右どちらかに形成した一段低い低速スイッチ取付け面(41)に設けられ、低速スイッチ(42)の上端部がスイッチパネル(37)の上面と同じ高さとしたことを特徴とする請求項に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業装置を装備した作業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
操作席の左側に主変速レバー等の各種操作レバーやダイヤル等の操作部材を集中配置した操作部を設けたコンバインが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-094105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
操作部の内部の各種電装部品やケーブル及びリンク等の機械伝達部材のメンテナンス作業は、操作部の側面カバー等を外して内部を露出させて行なうが、操作席が近くにあり、メンテナンス作業が行いにくい課題がある。
【0005】
また、メンテナンス作業中にメインスイッチをオンまたはエンジンを作動させていると、不用意な操作で機体が移動したり、刈取装置や脱穀装置が動きだしたりして、安全性に課題があると共に、機体が破損するおそれもある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、メンテナンスの作業性及び安全性を向上した作業車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明は、
作業装置(6,15)を装備し、操作席(21)の近くに操作部(38,39,42)を備える操作パネル(35)を設けた作業車両において、該操作パネル(35)が作業を行なう作業状態とメンテナンスを行なう非作業状態に切換可能であり、操作パネル(35)を非作業状態としたときに、制御装置が機体の作動を停止させると共に、操作部(38,39,42)の一部または全ての操作を無効とし、
操作パネル(35)を後部が枢支軸(34)にて枢支されて前部が上方に向けて回動して起立した非作業状態に開く構成とし、作業状態と非作業状態の判定を枢支軸(34)側に設けたスイッチや回動角度の検出、または、操作パネル(35)前側に設けたスイッチや前側が固定部に接してボディアースしたことの検出で行ない、
操作パネル(35)の前側に切換え操作及び把持に用いる把持グリップ(36)を操作パネル(35)よりも上方に向けて突出して設け、該把持グリップ(36)が主変速レバー(38)よりも機体前側に位置し、主変速レバー(38)の上下高さ内に収まることを特徴とする作業車両である。
第1の本発明によれば、操作部38,39,42が不安定となることに起因する機体の不用意な作動を防止して安全性が向上し、機体の破損も防止できる。さらに、電気的な検知により作業状態と非作業状態を判定することにより、操作パネル35が作業状態であるにもかかわらず、誤検知により機体の操作が受け付けられず、作業に余分な時間を費やすことを防止できる。さらに、把持グリップ36を把持して操作パネル35を作用状態と非作業状態に容易に切換えることができ、作用状態では操縦者が操作席21から立ち上がって各部を操作する際に把持グリップ36を握ることにより転倒防止用のグリップとして機能し安全である。
第2の本発明は、
操作パネル(35)の右側を操作席(21)に向けて突出し、内方ほど低くなるように傾斜した内側突出部(37)を設け、該内側突出部(37)の操作席(21)に近い側にエンジンの出力を調節するアクセルボリューム(39)を設けたことを特徴とする第1の本発明の作業車両である。
第3の本発明は、
操作パネル(35)の前側、把持グリップ(36)よりも後側、且つ主変速レバー(38)の右側に走行速度を低速に固定する低速スイッチ(42)を備えるスイッチパネル(37)を設け、低速スイッチ(42)がスイッチパネル(37)の前側の左右どちらかに形成した一段低い低速スイッチ取付け面(41)に設けられ、低速スイッチ(42)の上端部がスイッチパネル(37)の上面と同じ高さとしたことを特徴とする第1の本発明の作業車両である。
本発明に関連する第1の発明は、作業装置6,15を装備し、操作席21の近くに操作部38,39,42を備える操作パネル35を設けた作業車両において、該操作パネル35が作業を行なう作業状態とメンテナンスを行なう非作業状態に切換可能であり、操作パネル35を非作業状態としたときに、制御装置が機体の作動を停止させると共に、操作部38,39,42の一部または全ての操作を無効とする作業車両である。
【0008】
本発明に関連する第1の発明によれば、操作パネル35を非作業状態としたときに、制御装置が機体の作動を停止させると共に、操作部38,39,42の一部または全ての操作を無効とするので、操作部38,39,42が不安定となることに起因する機体の不用意な作動を防止して安全性が向上し、機体の破損も防止できる。
【0009】
本発明に関連する第2の発明は、操作パネル35を後部が枢支軸34にて枢支されて前部が上方に向けて回動して起立した非作業状態に開く構成とし、作業状態と非作業状態の判定を枢支軸34側に設けたスイッチや回動角度の検出、または、操作パネル35前側に設けたスイッチや前側が固定部に接してボディアースしたことの検出で行なう本発明に関連する第1の発明の作業車両である。
【0010】
本発明に関連する第2の発明によれば、操作パネル35を後部が枢支軸34にて枢支されて前部が上方に向けて回動して起立した非作業状態に開く構成とし、作業状態と非作業状態の判定を枢支軸34側に設けたスイッチや回動角度の検出、または、操作パネル35前側に設けたスイッチや前側が固定部に接してボディアースしたことの検出で行なうので、電気的な検知により作業状態と非作業状態を判定することにより、操作パネル35が作業状態であるにもかかわらず、誤検知により機体の操作が受け付けられず、作業に余分な時間を費やすことを防止できる。
【0011】
また、操作パネル35が非作業状態であるにもかかわらず、誤検知により機体の操作が受け付けられて機体が作動するような事態を適確に防止でき、作業の安全性が確保される。
【0012】
本発明に関連する第3の発明は、操作パネル35の前側に切換え操作及び把持に用いる把持グリップ36を操作パネル35よりも上方に向けて突出して設け、該把持グリップ36が主変速レバー38よりも機体前側に位置し、主変速レバー38の上下高さ内に収まる本発明に関連する第1または2の発明の作業車両である。
【0013】
本発明に関連する第3の発明によれば、操作パネル35の前側に切換え操作及び把持に用いる把持グリップ36を操作パネル35よりも上方に向けて突出して設けたので、把持グリップ36を把持して操作パネル35を作用状態と非作業状態に容易に切換えることができ、作用状態では操縦者が操作席21から立ち上がって各部を操作する際に把持グリップ36を握ることにより転倒防止用のグリップとして機能し安全である。
【0014】
また、把持グリップ36が主変速レバー38よりも機体前側に位置し、主変速レバー38の上下高さ内に収まるので、把持グリップ36を過度に大型化する必要がなく、重量の増加やコスト増を防止できる。
【0015】
本発明に関連する第4の発明は、操作パネル35の右側を操作席21に向けて突出し、内方ほど低くなるように傾斜した内側突出部37を設け、該内側突出部37の操作席21に近い側にエンジンの出力を調節するアクセルボリューム39を設けた本発明に関連する第3の発明の作業車両である。
【0016】
本発明に関連する第4の発明によれば、操作パネル35の右側を操作席21に向けて突出し、内方ほど低くなるように傾斜した内側突出部37を設け、該内側突出部37の操作席21に近い側にエンジンの出力を調節するアクセルボリューム39を設けたので、使用頻度の多いアクセルボリューム39を操作席21に着座した操縦者の手の届きやすい範囲に配置でき、視認性及び操作性が良い。
【0017】
本発明に関連する第5の発明は、操作パネル35の前側、把持グリップ36よりも後側、且つ主変速レバー38の右側に走行速度を低速に固定する低速スイッチ42を備えるスイッチパネル37を設け、低速スイッチ42がスイッチパネル37の前側の左右どちらかに形成した一段低い低速スイッチ取付け面41に設けられ、低速スイッチ42の上端部がスイッチパネル37の上面と同じ高さとした本発明に関連する第3の発明の作業車両である。
【0018】
本発明に関連する第5の発明によれば、低速スイッチ42を設けたので、作業の開始位置等に移動する際に操縦者が走行速度を微調整する必要がなく操作性及び作業性が向上する。
【0019】
また、操作パネル35の前側、把持グリップ36よりも後側、且つ主変速レバー38の右側に走行速度を低速に固定する低速スイッチ42を備えるスイッチパネル37を設け、低速スイッチ42がスイッチパネル37の前側の左右どちらかに形成した一段低い低速スイッチ取付け面41に設けられ、低速スイッチ42の上端部がスイッチパネル37の上面と同じ高さとしたので、操縦者が姿勢を崩さずに容易に操作でき、低速スイッチ42の操作状態を目線の変更のみで確認でき、誤操作が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態にかかるコンバインの側面図である。
図2】キャビン内の平面図である。
図3】キャビン内の斜視図である。
図4】キャビン内の側面図である。
図5】キャビン内の正断面図である。
図6】キャビン内の作用説明用の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態である作業車両の一例であるコンバイン1について添付図面を参照して説明する。なお、理解を容易にするために、操縦者から見て、前方を前側、後方を後側、右手側を右側、左手側を左側として便宜的に方向を示して説明しているが、これらにより構成が限定されるものではない。
【0022】
<コンバインの全体構成>
図1に示すように、コンバイン1は、車台2の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3を張設した走行装置4を配設すると共に、該車台2上の左右に、フィードチェン5に挟持して搬送供給される穀稈を脱穀選別処理する作業装置としての脱穀装置6と、その穀粒を一時貯留する貯留装置としてのグレンタンク7と、このグレンタンク7に貯留された穀粒を機外へ排出する排穀オーガ8を載置配設し、この脱穀装置6の後端部に排藁処理装置9を装架する。排穀オーガ8は、穀粒の排出時にオーガ昇降シリンダを作動して起伏する。
【0023】
脱穀装置6の前方に、前端側から未刈穀稈を分草する分草体11と、分草した穀稈を引き起こす引起部12と、引き起こした穀稈を刈り取る刈刃部13と、刈り取った穀稈を掻き込むと共に搬送途中において扱深さを調節して前記フィードチェン5へ引き継ぎを行う供給調節搬送部等を有する作業装置としての刈取装置15を、刈取昇降シリンダにより土壌面に対して昇降自在なるよう車台2の前端部へ懸架配設して構成する。
【0024】
前記刈取装置15の右後側上部にコンバイン1の操作制御を行う操作部20と操縦者が座る操作席21を設け、この操作席21の下方側にエンジンを搭載し、後方側に前記グレンタンク7を配置すると共に、該操作部20と操作席21を覆うキャビン23を設け、これら走行装置4,脱穀装置6,刈取装置15,操作部20,エンジン,キャビン23等をコンバインの車台2に装着する。
【0025】
キャビン23は、車台2に基部が固定されたキャビンフレーム24の上部にキャビンルーフ25を設けて箱状に構成し、右側面に右ガラス窓26aを設けた前側が開閉するドア26、左側面に左ガラス窓27,前側面にフロントガラス窓28及び後側面にリヤガラス窓29を装備する。
【0026】
<操作部20>
図2図6に示すように、操作部20は、キャビン23内で操作席21の前方に設けたフロント操作部20Fと操作席21の左側方に設けたサイド操作部20Sから構成される。
【0027】
フロント操作部20Fには、左右側への傾倒操作により左右走行クローラ3,3の左右サイドクラッチ及び左右サイドブレーキを操作する左右走行アクチュエータを作動させて直進時の左右操向及び各種旋回モードによる旋回を行わせ、前後方向の操作で刈取昇降シリンダを作動させて刈取装置15を昇降させる操向レバー30と、該操向レバー30を操作する際に操作席21に着座した操縦者が手を置くアームレスト31と、満杯センサがグレンタンク7内に穀粒が満杯になったことを検出するとグレンタンク満杯の警報や燃料切れセンサが燃料タンク内の燃料が残り少なくなったことを検出すると燃料切れの警報や制御装置からの各種支持事項等が表示されるメインモニタ32が設けられている。
【0028】
なお、メインモニタ32は、後述の操作パネル35の前部右側に固定されて設けられており、操作パネル35を起立した非作業状態に開くと一体に上動回動する。
【0029】
サイド操作部20Sには、上部に後部が機体左右方向の枢支軸34にて枢支されて前部が上方に向けて回動して起立した非作業状態に開く操作パネル35が設けられている。
【0030】
操作パネル35の前端部には、樹脂製の逆U字状の把持グリップとしての回動グリップ36が設けられ、該回動グリップ36を把持して操作パネル35前部を上方に持ち上げるように回動させて起立したメンテナンス作業を行なう非作業状態に開く。
【0031】
また、操作パネル35を閉じた作業状態では、回動グリップ36がサイド操作部20Sの前端(主変速レバー38よりも右側前方で主変速レバー38のグリップ38aよりも低い位置)でフロント操作部20Fの左側前部に位置しているので、視認性が良く、操縦者が操作席21から立ち上がって各部を操作する際に該回動グリップ36を握ることにより転倒防止用のグリップとしても機能し安全である。
【0032】
操作パネル35の前部右側は、キャビン23内方(操作席21)に向けて突出し、且つ、内方ほど低くなるように傾斜した内側突出部であるスイッチパネル37が設けられている。
【0033】
操作パネル35の前部左側には、操作席21に着座した操縦者による前後操作により前後進及び停止の切換えと主変速切換えを行う変速アクチュエータ(HST)を作動させる主変速レバー38が設けられている。
【0034】
スイッチパネル37には、突出部側の操作席21に着座した操縦者の膝の上方のすぐ近くに位置する部位にエンジンの出力を調節するアクセルボリューム39が設けられている。
【0035】
また、アクセルボリューム39は、主変速レバー38の中立位置よりも前進操作方向側で主変速レバー38の操作移動経路を妨げない側方(操縦者側)に配置されている。
【0036】
従って、アクセルボリューム39がスイッチパネル37の操作席21に着座した操縦者に一番近い位置に設けられているので、視認性及び操作性が良い。
【0037】
スイッチパネル37のアクセルボリューム39が設けられた後方側には、アクセルボリューム39よりも操作席21から遠い側に機体の左右傾斜を操作するローリングボリューム40a及び刈取装置15の対地作業高さを操作する昇降ボリューム40bが設けられている。
【0038】
スイッチパネル37前部の操作席21から遠い側を斜めに切り欠いたようにして一段低い低速スイッチ取付け面41を設け、該低速スイッチ取付け面41に走行速度を低速に固定する低速スイッチ42を設ける。
【0039】
なお、低速スイッチ取付け面41は、低速スイッチ42よりも広く構成されており、操縦者が軍手をしていても押し操作できる構成となっている。
【0040】
低速スイッチ42を押し操作すると、変速アクチュエータ(HST)を所定の低速状態に作動させて、走行速度を低速に固定する。
【0041】
従って、低速スイッチ42を設けたので、作業の開始位置等に移動する際に操縦者が走行速度を微調整する必要がなく操作性及び作業性が向上する。
【0042】
また、低速スイッチ42は、主変速レバー38よりも右側(キャビン23内側)で主変速レバー38を最も前側に操作した前進最速位置よりも機体前側に位置し、操縦者が姿勢を崩さずに容易に操作でき、低速スイッチ42の操作状態を目線の変更のみで確認できる。
【0043】
また、低速スイッチ42は、回動グリップ36上端よりも低い位置に設けられ、押し操作していない状態で低速スイッチ42上端がスイッチパネル37上面と同じ高さまたは少し突出しており、押し操作すると低速スイッチ42上端がスイッチパネル37上端より低くなり、誤操作が防止できる。
【0044】
そして、スイッチパネル37の後方には、刈取装置15の作動を入り切りする刈取操作レバー43が設けられている。
【0045】
また、主変速レバー38の後方には、ドリンクホルダ44や12Vソケット45が設けられている。
【0046】
なお、主変速レバー38、アクセルボリューム39、ローリングボリューム40a、昇降ボリューム40b、低速スイッチ42、刈取操作レバー43等が、本発明の操作部である。
【0047】
一方、操作パネル35が閉じた作業状態であるか後部の枢支軸34にて前部が上方に向けて回動して開いて起立した非作業状態であるかを判定する判定装置が設けられている。
【0048】
判定装置は、操作パネル35後部の枢支軸34部に設けられたスイッチで、操作パネル35が閉じた作業状態を検出して判定し、判定情報を制御装置に送る。
【0049】
なお、操作パネル35後部の枢支軸34部に設けられたスイッチに換えて、ポテンショメータや角度センサ等の可変センサを用いても良い。
【0050】
また、判定装置は、操作パネル35が閉じた作業状態の際に操作パネル35前部の下側を検出する固定部に設けたスイッチであっても良く、また、操作パネル35前部下側の塗装していない部分に制御装置に接続したジャンパー線を組み付けて操作パネル35前部下側の塗装していない部分が固定部に接してボディアースしたことを検出して判定しても良い。
【0051】
そして、メンテナンスの為に操作パネル35を開いて起立した非作業状態にすると、判定装置が操作パネル35の非作業状態であることの判定情報を制御装置に送り、制御装置がエンジンを停止状態(エンジンの始動を不可とし、エンジンが作動していれば停止する)とし、各種操作レバーやスイッチ類が不安定となることに起因する機体の不用意な作動を防止して安全性が向上し、機体の破損も防止できる。
【0052】
また、メンテナンスの為に操作パネル35を開いて起立した非作業状態にすると、判定装置が操作パネル35の非作業状態であることの判定情報を制御装置に送り、制御装置がメインスイッチのオンを不可としても良い。
【0053】
また、メンテナンスの為に操作パネル35を開いて起立した非作業状態にすると、判定装置が操作パネル35の非作業状態であることの判定情報を制御装置に送り、制御装置が操作パネル35の主変速レバー38等の各操作レバーやアクセルボリューム39等の各種電装品の使用を無効にしても良い。
【0054】
図中、キャビン23内のフロア50部には、ブレーキペダル51やフットレスト52が設けられ、フロント操作部20Fの右端部には、リモコン53が装備されている。また、ドア26の外側には、乗降りステップ54や手摺55やサイドミラー56や前照灯57が設けられている。
【符号の説明】
【0055】
6 作業装置(脱穀装置)
15 作業装置(刈取装置)
21 操作席
34 枢支軸
35 操作パネル
36 把持グリップ(回動グリップ)
37 内側突出部(スイッチパネル)
38 操作部(主変速レバー)
39 操作部(アクセルボリューム)
41 低速スイッチ取付け面
42 操作部(低速スイッチ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6