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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】送信装置、送信方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 47/36 20220101AFI20250527BHJP
   H04L 47/38 20220101ALI20250527BHJP
【FI】
H04L47/36
H04L47/38
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023525252
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 JP2021021051
(87)【国際公開番号】W WO2022254623
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】小林 航生
(72)【発明者】
【氏名】網中 洋明
(72)【発明者】
【氏名】大竹 一昭
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 真次
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 吉克
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-094950(JP,A)
【文献】特開2011-182243(JP,A)
【文献】特開2012-004969(JP,A)
【文献】特開2008-177719(JP,A)
【文献】特開2004-040666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
H04L 41/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信データを、ネットワークを介して1以上の受信装置に送信する送信装置であって、
前記通信データのあて先となる前記受信装置の数を示す受信装置数を特定する特定手段と、
前記受信装置数が第1の数である場合に、前記受信装置数が前記第1の数よりも少ない第2の数である場合よりも小さなデータサイズまたは低いビットレートとなるように前記通信データのデータサイズまたはビットレートを決定する決定手段と、
前記決定したデータサイズまたはビットレートを用いて前記通信データを生成する生成手段と、
前記生成した通信データを、前記あて先となる1以上の前記受信装置あてに、前記ネットワークを介して送信する送信手段と
前記通信データのあて先となる1以上の前記受信装置を、経由する前記ネットワーク内の中継装置が同一となるサブグループに分類する分類手段と、を備え、
前記特定手段は、前記サブグループ毎に前記受信装置数を特定し、
前記決定手段は、前記サブグループ毎に特定された前記受信装置数のうち、特定の前記サブグループの前記受信装置数を用いて、前記通信データのデータサイズまたはビットレートを決定する、
送信装置。
【請求項2】
前記通信データのあて先は、1以上の前記受信装置からなる端末グループであって、
前記特定手段は、前記端末グループを識別するグループ識別情報をもとに前記受信装置数を特定する、
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記特定手段は、前記端末グループに属する前記受信装置数を、前記端末グループに関する情報を管理するサーバから取得する、
請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記ネットワークは無線ネットワークを含み、
前記中継装置は、前記無線ネットワークの無線アクセスノードである、
請求項からの何れか1項に記載の送信装置。
【請求項5】
前記通信データは、送信端末から受信した通信データであり、
前記決定手段は、前記送信端末から受信した前記通信データに適用するデータサイズまたはビットレートを決定する、
請求項1からの何れか1項に記載の送信装置。
【請求項6】
通信データを、ネットワークを介して1以上の受信装置に送信する送信装置において実行される送信方法であって、
前記通信データのあて先となる1以上の前記受信装置を、経由する前記ネットワーク内の中継装置が同一となるサブグループに分類し、
前記サブグループ毎に前記通信データのあて先となる前記受信装置の数を示す受信装置数を特定し、
前記受信装置数が第1の数である場合に、前記受信装置数が前記第1の数よりも少ない第2の数である場合よりも小さなデータサイズまたは低いビットレートとなるように前記通信データのデータサイズまたはビットレートを決定し、
前記サブグループ毎に特定された前記受信装置数のうち、特定の前記サブグループの前記受信装置数を用いて、前記通信データのデータサイズまたはビットレートを決定し、
前記決定したデータサイズまたはビットレートを用いて前記通信データを生成し、
前記生成した通信データを、前記あて先となる1以上の前記受信装置あてに、前記ネットワークを介して送信する、送信方法。
【請求項7】
通信データを、ネットワークを介して1以上の受信装置に送信するコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記通信データのあて先となる1以上の前記受信装置を、経由する前記ネットワーク内の中継装置が同一となるサブグループに分類し、
前記サブグループ毎に前記通信データのあて先となる前記受信装置の数を示す受信装置数を特定し、
前記受信装置数が第1の数である場合に、前記受信装置数が前記第1の数よりも少ない第2の数である場合よりも小さなデータサイズまたは低いビットレートとなるように前記通信データのデータサイズまたはビットレートを決定し、
前記サブグループ毎に特定された前記受信装置数のうち、特定の前記サブグループの前記受信装置数を用いて、前記通信データのデータサイズまたはビットレートを決定し、
前記決定したデータサイズまたはビットレートを用いて前記通信データを生成し、
前記生成した通信データを、前記あて先となる1以上の前記受信装置あてに、前記ネットワークを介して送信する、ことをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は送信装置、通信システム、送信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信ネットワークに多数の通信端末が接続されており、通信ネットワークに接続している通信端末には様々な通信サービスが提供されている。例えば、一台の通信端末が、通信ネットワークを介して複数の通信端末へ同一のデータ提供する通信サービスが存在する。一台の通信端末が複数の通信端末へ提供するデータには、例えば、テキストデータ、画像データ、もしくは映像データ等が含まれる。
【0003】
特許文献1には、送信装置と受信装置とが一対N(Nは2以上の整数)の通信態様として、マルチキャストの構成が開示されている。送信装置は、インターネットを介してノード装置へデータを送信し、ノード装置は、無線アクセスポイント装置に接続している受信装置へデータを送信する。マルチキャストグループあての通信フローに割り当てられる通信帯域の値は、無線アクセスポイント装置が形成するセルの最大通信帯域と、マルチキャストグループに参加している受信装置の数とに応じて定められる。ノード装置は、定められた通信帯域に応じて、通信フローに通信帯域を割り当てる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-040666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1においては、マルチキャストグループに参加している受信装置の数に応じて、通信フローに割り当てられる通信帯域の値が定められるため、例えば、受信装置の数が増加するにつれて、通信ネットワーク内において転送されるデータの数が増加する。その結果、受信装置の数の増加が通信ネットワークの輻輳を引き起こすという問題がある。
【0006】
本開示の目的は、上述の課題に鑑み、受信装置の数が増加した場合に、通信ネットワークの負荷を抑制することができる送信装置、通信システム、送信方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様にかかる送信装置は、通信データを、ネットワークを介して1以上の受信装置に送信する送信装置であって、前記通信データのあて先となる前記受信装置の数を示す受信装置数を特定する特定手段と、前記受信装置数が第1の数である場合に、前記受信装置数が前記第1の数よりも少ない第2の数である場合よりも小さなデータサイズまたは低いビットレートとなるように前記通信データのデータサイズまたはビットレートを決定する決定手段と、前記決定したデータサイズまたはビットレートを用いて前記通信データを生成する生成手段と、前記生成した通信データを、前記あて先となる1以上の前記受信装置あてに、前記ネットワークを介して送信する送信手段と、を有する送信装置。
【0008】
本開示の第2の態様にかかる通信システムは、通信データを、ネットワークを介して1以上の受信装置に送信するように構成された送信装置と、前記通信データのあて先となる前記受信装置の数を示す受信装置数を特定し、前記通信データのあて先となる前記受信装置の数が第1の数である場合に、前記受信装置数が前記第1の数よりも少ない第2の数である場合よりも小さなデータサイズまたは低いビットレートとなるように前記通信データのデータサイズまたはビットレートを決定し、前記決定されたデータサイズまたはビットレートを前記送信装置へ送信するように構成されたサーバと、を備え、前記送信装置は、前記決定されたデータサイズまたはビットレートを用いて前記通信データを生成し、前記生成した通信データを、前記あて先となる1以上の前記受信装置あてに、前記ネットワークを介して送信する。
【0009】
本開示の第3の態様にかかる送信方法は、通信データを、ネットワークを介して1以上の受信装置に送信する送信装置において実行される送信方法であって、前記通信データのあて先となる前記受信装置の数を示す受信装置数を特定し、前記受信装置数が第1の数である場合に、前記受信装置数が前記第1の数よりも少ない第2の数である場合よりも小さなデータサイズまたは低いビットレートとなるように前記通信データのデータサイズまたはビットレートを決定し、前記決定したデータサイズまたはビットレートを用いて前記通信データを生成し、前記生成した通信データを、前記あて先となる1以上の前記受信装置あてに、前記ネットワークを介して送信する。
【0010】
本開示の第4の態様にかかるプログラムは、通信データを、ネットワークを介して1以上の受信装置に送信するコンピュータに実行させるプログラムであって、前記通信データのあて先となる前記受信装置の数を示す受信装置数を特定し、前記受信装置数が第1の数である場合に、前記受信装置数が前記第1の数よりも少ない第2の数である場合よりも小さなデータサイズまたは低いビットレートとなるように前記通信データのデータサイズまたはビットレートを決定し、前記決定したデータサイズまたはビットレートを用いて前記通信データを生成し、前記生成した通信データを、前記あて先となる1以上の前記受信装置あてに、前記ネットワークを介して送信する、ことをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示により、受信装置の数が増加した場合に、通信ネットワークの負荷を抑制することができる送信装置、通信システム、送信方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1にかかる送信装置の構成図である。
図2】実施の形態2にかかる通信システムの構成図である。
図3】実施の形態2にかかる送信装置における送信処理の流れを示す図である。
図4】実施の形態3にかかる通信システムの構成図である。
図5】実施の形態3にかかる送信装置の構成図である。
図6】実施の形態3にかかるサーバ装置の構成図である。
図7】実施の形態3にかかる通信データの送信処理の流れを示す図である。
図8】実施の形態4にかかる通信システムの構成図である。
図9】実施の形態4にかかる送信装置の構成図である。
図10】それぞれの実施の形態にかかる送信装置及びサーバ装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。図1を用いて実施の形態1にかかる送信装置10の構成例について説明する。送信装置10は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。送信装置10は、スマートフォン端末、タブレット型端末等の携帯端末であってもよく、ラップトップ型の端末等であってもよい。送信装置10は、送信端末と言い換えられてもよい。もしくは、送信装置10は、エンドツーエンドのデータ通信を中継する中継装置であってもよく、例えば、モバイルネットワーク内のデータ通信を中継する中継装置であってもよい。もしくは、送信装置10は、サーバ装置であってもよい。送信装置10がサーバ装置として用いられる場合、送信装置10は、スマートフォン端末等の送信端末から通信データを受信し、他の通信装置へ通信データを送信する。
【0014】
送信装置10は、通信データを、ネットワークを介して1以上の受信装置に送信する。通信データは、例えば、テキストデータ、画像データ、音データ、もしくは映像データ等であってもよく、これらのデータが組み合わされてもよい。ネットワークは、いわゆるインターネットであってもよく、もしくは通信事業者が管理するネットワークをその一部に含んでいてもよい。通信事業者が管理するネットワークは、例えば、モバイルネットワークと称されてもよい。受信装置は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。受信装置は、スマートフォン端末、タブレット型端末等の携帯端末であってもよく、ラップトップ型の端末等であってもよい。受信装置は、受信端末と言い換えられてもよい。
【0015】
送信装置10は、特定部11、決定部12、生成部13、及び送信部14を有している。特定部11、決定部12、生成部13、及び送信部14等の送信装置10の構成要素は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、送信装置10の構成要素は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。
【0016】
特定部11は、通信データのあて先となる受信装置の数を示す受信装置数を特定する。例えば、特定部11は、同一の通信データについて、そのあて先となる受信装置の数を示す受信装置数を特定する。特定部11は、送信装置10に搭載されているアプリケーションから、受信装置数に関する情報を取得してもよい。アプリケーションは、1以上の受信装置へ通信データを送信することを可能とするメッセージ通信に関するアプリケーションであってもよい。もしくは、特定部11は、1以上の受信装置へ通信データを送信するサービスを提供するサーバ装置等から、受信装置数に関する情報を受信してもよい。
【0017】
決定部12は、受信装置数が第1の数である場合に、受信装置数が第1の数よりも少ない第2の数である場合よりも小さなデータサイズまたは低いビットレートとなるように通信データのデータサイズまたはビットレートを決定する。決定部12が決定するデータサイズやビットレートは絶対値である必要はなく、相対的なものであってもよい。例えば、データサイズやビットレートを「小さくする」「大きくする」といった変更の方向性を決定してもよく、「半分にする」「1.5倍にする」といった変更の割合を決定してもよい。
【0018】
第2の数は、例えば、閾値として用いられてもよい。つまり、決定部12は、受信装置数が、閾値である第2の数よりも多いか否かに応じて、通信データのデータサイズまたはビットレートを決定してもよい。決定部12は、受信装置数が第2の数よりも少ない場合、受信装置数が第2の数である場合よりも大きいデータサイズまたは高いビットレートとなるように通信データのデータサイズまたはビットレートを決定してもよい。
【0019】
生成部13は、決定したデータサイズまたはビットレートを用いて通信データを生成する。データサイズは、例えば、アプリケーションにおいて生成されるアプリケーションデータのサイズであってもよい。ビットレートは、スループットと言い換えられてもよい。
【0020】
また、送信装置10が、スマートフォン端末等の送信端末から通信データを受信した場合、受信した通信データに対して、決定したデータサイズまたはビットレートを適用する。
【0021】
送信部14は、生成部13において生成された通信データを、あて先となる1以上の受信装置あてに、ネットワークを介して送信する。
【0022】
以上説明したように、送信装置10は、受信装置の数に応じて、通信データのデータサイズまたはビットレートを決定し、通信データを受信装置へ送信する。具体的には、送信装置10は、受信装置の数が増加するにつれて、データサイズを小さくする、もしくは、ビットレートを低くする。その結果、受信装置の数が増加した場合に伝送されるデータ量の増加を抑えることができる。このように伝送されるデータ量の増加を抑えることは、受信装置の数の増加に応じて通信帯域を小さくする処理を実行する場合と比較して、パケットロスの発生及び遅延の増大を抑制することができる。また、受信装置の数が増加するにつれて、データサイズを小さくする、もしくは、ビットレートを低くすることによって、受信装置の数が増加した場合であっても、ネットワークにおいて中継されるデータ量は、受信装置の数の増加に比例して増加することはない。そのため、送信装置10を用いることによって、受信装置の数が増加することを要因とするネットワーク輻輳の発生の可能性を抑え、ネットワークの負荷を抑えることができる。
【0023】
(実施の形態2)
続いて、図2を用いて実施の形態2にかかる通信システムの構成例について説明する。図2の通信システムは、送信装置10がネットワーク30を介して受信装置21~23と通信することを示している。送信装置10、受信装置21~23は、無線通信回線を介してネットワーク30へ接続してもよく、有線通信回線を介してネットワーク30へ接続してもよい。図2には、3台の受信装置が示されているが、送信装置10は、3台以上の受信装置へ通信データを送信してもよく、2台以下の受信装置へ通信データを送信してもよい。
【0024】
続いて、図3を用いて実施の形態2にかかる送信装置10における送信処理の流れについて説明する。はじめに、特定部11は、通信データのあて先となる受信装置の数を特定する(S11)。例えば、送信装置10を使用するユーザは、メッセージ通信に関するアプリケーションを起動し、メッセージとともに受信装置毎のあて先を入力する。特定部11は、アプリケーションから、ユーザが入力したあて先に関する情報を取得することによって、通信データのあて先となる受信装置の数を特定してもよい。ユーザによって入力されたあて先と関連付けられる複数の受信装置は、それぞれ同一の通信データを受信する。あて先は、ユーザによって入力される場合に限定されず、例えば、特定部11は、アプリケーションに保持されているあて先に関する情報を取得してもよい。
【0025】
あて先は、例えば、受信装置21~23を識別する情報であってもよい。受信装置21~23を識別する情報は、例えば、ネットワーク30に接続されているそれぞれの受信装置を一意に識別する情報である。具体的には、あて先は、電話番号、メールアドレス、IPアドレス、MAC(Media Access Control)アドレス、FQDN(Fully Qualified Domain Name)、もしくはメッセージ通信に関するサービスを提供する事業者から割り当てられた識別情報であってもよい。
【0026】
または、一つの識別情報に、複数の受信装置に関する識別情報が関連付けられてもよい。例えば、一つの識別情報は、グループアドレスと称されてもよい。グループアドレスと、複数の受信装置に関する識別情報とが関連付けられた情報は、送信装置10内のメモリ等に格納されていてもよい。
【0027】
ユーザがグループアドレスを入力した場合、特定部11は、グループアドレスに関連付けられている受信装置の識別情報をメモリ等から抽出し、抽出した識別情報の数を特定してもよい。
【0028】
次に、決定部12は、受信装置数に応じて、通信データのデータサイズまたはビットレートを決定する(S12)。具体的には、決定部12は、ネットワーク30において伝送されるデータ量を減少させるために、受信装置数が多くなるにつれて、データサイズを小さくするかまたはビットレートを低くする。データサイズは、例えば、一つのパケットもしくはフレームの大きさである。データサイズは、例えば、複数のパケットもしくは複数のフレームを合計した場合のデータの大きさであってもよい。ビットレートは、送信装置10からネットワーク30へと、単位時間当たりに送出されるデータ量であり、スループットと称されてもよい。
【0029】
決定部12は、例えば、受信装置の増加数に比例して増加するデータ量よりも、増加するデータ量を少なくするように、データサイズを小さくするかまたはビットレートを低くしてもよい。もしくは、決定部12は、受信装置数が多くなった場合であっても、ネットワーク30において伝送されるデータ量が変化しないように、データサイズを小さくするかまたはビットレートを低くしてもよい。受信装置数をN、データサイズまたはビットレートをR、NからRを導出する関数をF(R=F(N))とした場合、関数Fとして任意の単調減少関数を用いてもよい。
【0030】
決定部12は、例えば、受信装置数、通信データ種別、及びデータサイズを関連付けた情報をメモリ等に格納しておいてもよい。通信データ種別は、例えば、テキストデータ、画像データ、音データ、もしくは映像データを示す情報であってもよい。例えば、通信データ種別が映像データであり、受信装置数がN台(Nは1以上の整数)である場合、データサイズはXbit(Xは正の実数)、のように決定されていてもよい。データサイズは、受信装置数が増加するにしたがって小さくなる。
【0031】
もしくは、決定部12は、映像データのデータサイズを、受信装置数が予め定められた閾値を超えている場合は、X_1bit、閾値を超えていない場合は、X_2bit(X_1 < X_2)のようにデータサイズを定めてもよい。つまり、決定部12は、受信装置数と閾値とを比較し、受信装置数が閾値を超えているか否かに応じてデータサイズを定めてもよい。
【0032】
もしくは、決定部12は、ネットワーク30の輻輳状況を考慮して、データサイズを決定してもよい。輻輳状況は、ネットワーク30内のネットワーク装置の負荷状況、ネットワーク30内において伝送されているデータ量等であってもよい。例えば、ネットワーク30内のネットワーク装置もしくはネットワーク30を管理する管理装置等から、ネットワーク30の輻輳状況に関する情報を取得してもよい。
【0033】
ネットワーク30が輻輳している状態もしくはネットワーク装置の負荷が閾値よりも高い状態における受信装置数と、ネットワーク30が輻輳していない状態もしくはネットワーク装置の負荷が閾値よりも低い状態における受信装置数とが同じであるとする。このような場合、決定部12は、ネットワーク30が輻輳している状態における通信データのデータサイズを、ネットワーク30が輻輳していない状態の通信データの出たサイズよりも小さくしてもよい。
【0034】
決定部12は、受信装置数に応じて、データサイズの代わりにビットレート(bps:bit/sec)を決定してもよい。
【0035】
次に、生成部13は、ステップS12において決定されたデータサイズまたはビットレートを用いて通信データを生成する(S13)。例えば、生成部13は、ステップS12において決定されたデータサイズまたはビットレートを適用した通信データのヘッダに、当該通信データのあて先を示すアドレス情報を付加して、通信データを生成してもよい。生成部13は、無線通信回線を介してネットワーク30と接続する場合には、通信データを無線伝送用に変調等したものを通信データとして生成してもよい。
【0036】
生成部13は、受信装置毎に通信データを生成する。つまり、生成部13は、あて先を受信装置21とする通信データ、あて先を受信装置22とする通信データ、さらに、あて先を受信装置23とする通信データをそれぞれ生成する。生成部13は、あて先を変えて、当該通信データのあて先となる受信装置数分の通信データを生成してもよいし、一つの通信データに複数のあて先を含めてもよい。また、当該通信データのあて先となる1以上の受信端末を識別するグループ識別情報をあて先にした通信データを生成してもよい。
【0037】
生成部13は、画像データ、音データ、もしくは映像データの圧縮パラメータを変更することによって、通信データに適用するデータサイズもしくはビットレートを変更してもよい。圧縮パラメータは、例えば、圧縮率、量子化精度、サンプリングレート、解像度、もしくは圧縮プロトコル等であってもよい。圧縮パラメータは、非可逆圧縮のパラメータであってもよいし、可逆圧縮のパラメータであってもよい。例えば、映像データの場合、非可逆圧縮の圧縮率を高める、量子化精度を下げる、サンプリングレートを下げる、解像度を下げる、より圧縮率の高い圧縮プロトコルを用いる、といった方法により、データサイズもしくはビットレートを下げることができる。ここで、量子化精度とは、画像1ピクセル当たりに割り当てる情報量を意味する。また、サンプリングレートとは、単位時間当たりの映像フレーム数を意味し、フレームレートと称されてもよい。また、解像度とは、画像の縦方向及び横方向のピクセル数を意味する。また、圧縮プロトコルとは、H.264やH.265といった動画圧縮規格を意味する。画像データ、音データ等の場合であっても、上述の映像データの場合と同様に、圧縮パラメータの変更によってデータサイズもしくはビットレートを変更することができる。
【0038】
次に、送信部14は、ステップS13において生成された通信データを、ネットワーク30を介して受信装置21~23へ送信する(S14)。例えば、送信部14は、それぞれの受信装置に対してユニキャスト通信を用いて通信データを送信する。送信部14は、それぞれの受信装置に対してマルチキャスト通信を用いて通信データを送信してもよい。
【0039】
以上説明したように、送信装置10は、受信装置の数に応じて、通信データのデータサイズまたはビットレートを決定し、通信データを受信装置へ送信する。また、送信装置10は、ネットワーク30の負荷状況等を考慮して、通信データのデータサイズまたはビットレートを決定する。これによって、ネットワーク30の負荷が高い状況においては、ネットワーク30を伝送する通信データのデータ量を減少させることができるため、受信装置の数が増加しても、ネットワーク30の負荷を抑制することができる。
【0040】
(実施の形態3)
続いて、図4を用いて実施の形態3にかかる通信システムの構成例について説明する。図4の通信システムは、図2の通信システムに、サーバ装置40が追加された構成となっている。また、図4の通信システムは、図2の送信装置10が、送信装置50に置き換えられている。サーバ装置40は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。サーバ装置40は、ネットワーク30を介して送信装置50と通信する。
【0041】
続いて、図5を用いて実施の形態3にかかる送信装置50の構成例について説明する。送信装置50は、生成部51及び送信部52を有している。生成部51及び送信部52は、図1の生成部13及び送信部14に相当する。以下においては、生成部51及び送信部52について、主に生成部13及び送信部14と異なる動作もしくは機能等について説明する。また、送信部52は、通信部と置き換えられてもよい。つまり、送信部52は、データを送信するとともにデータの受信に用いられてもよい。
【0042】
生成部51は、ユーザから入力されたグループアドレスを含む問い合わせメッセージを生成する。グループアドレスには、1以上の受信装置の識別情報が関連付けられている。問い合わせメッセージは、グループアドレスに関連付けられている1以上の受信装置の識別情報をサーバ装置40へ問い合わせるために用いられる。そのため、生成部51は、問い合わせメッセージのあて先にサーバ装置40のアドレスを設定する。
【0043】
送信部52は、生成部51において生成された問い合わせメッセージのあて先に従って、問い合わせメッセージをサーバ装置40へ送信する。また、送信部52は、問い合わせメッセージに対する応答メッセージをサーバ装置40から受信する。応答メッセージには、グループアドレスに関連付けられている受信装置の識別情報、及び、受信装置へ送信する通信データに適用するデータサイズもしくはビットレートの情報が含まれている。
【0044】
生成部51は、複数の受信装置の識別情報が含まれている場合、あて先を識別情報とする通信データを受信装置毎に生成する。さらに、生成部51は、通信データのデータサイズもしくはビットレートとして、サーバ装置40から通知されたデータサイズもしくはビットレートを適用する。
【0045】
送信部52は、生成部51において生成された、受信装置毎の通信データを、ネットワーク30を介してそれぞれの受信装置へ送信する。
【0046】
続いて、図6を用いて実施の形態3にかかるサーバ装置40の構成例について説明する。サーバ装置40は、特定部41、決定部42、及び通信部43を有している。特定部41及び決定部42は、図1の特定部11及び決定部12に相当する。特定部41、決定部42、及び通信部43は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、特定部41、決定部42、及び通信部43は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。
【0047】
特定部41は、グループアドレスと、複数の受信装置に関する識別情報とを関連付けて管理している。例えば、グループアドレスと、複数の受信装置に関する識別情報とを関連付けた情報は、サーバ装置40内のメモリ等に格納されていてもよい。
【0048】
特定部41は、通信部43を介して、送信装置50からグループアドレスを受信すると、グループアドレスに関連付けられている受信装置の識別情報をメモリから抽出する。さらに、特定部41は、抽出した識別情報の数を、あて先となる受信装置の数として特定する。
【0049】
決定部42は、受信装置数に応じて、通信データのデータサイズまたはビットレートを決定する。決定部42は、ネットワーク30において伝送されるデータ量を減少させるために、受信装置数が多くなるにつれて、データサイズを小さくするかまたはビットレートを低くする。例えば、決定部42は、受信装置の増加数に比例して増加するデータ量よりも、増加するデータ量を少なくするように、データサイズを小さくするかまたはビットレートを低くしてもよい。もしくは、決定部42は、受信装置数が多くなった場合であっても、ネットワーク30において伝送されるデータ量が変化しないように、データサイズを小さくするかまたはビットレートを低くする。
【0050】
また、決定部42は、ネットワーク30の輻輳状況を考慮して、データサイズを決定してもよい。輻輳状況は、ネットワーク30内のネットワーク装置の負荷状況、ネットワーク30内において伝送されているデータ量等であってもよい。例えば、サーバ装置40は、ネットワーク30内のネットワーク装置もしくはネットワーク30の輻輳状況もしくはネットワーク装置の負荷状況を監視していてもよい。例えば、サーバ装置40は、定期的に、ネットワーク30内の1以上のネットワーク装置から、負荷状況、通信データの処理数、通信データの中継数、中継した通信データのデータ量、等に関する情報を受信してもよい。
【0051】
通信部43は、特定部41において抽出された受信装置の識別情報、及び、通信データに適用されるデータサイズまたはビットレート、を含む応答メッセージを送信装置50へ送信する。
【0052】
続いて、図7を用いて実施の形態3にかかる通信データの送信処理の流れについて説明する。はじめに、送信装置50は、サーバ装置40へ問い合わせメッセージを送信する(S21)。問い合わせメッセージには、ユーザによって入力されたグループアドレスを含む。
【0053】
次に、サーバ装置40は、グループアドレスに関連付けられた受信装置の識別情報を抽出し、受信装置の数を特定する(S22)。ここでは、グループアドレスに、受信装置21~23が関連付けられているとする。次に、サーバ装置40は、受信装置の識別情報、及び、通信データに適用されるデータサイズまたはビットレート、を含む応答メッセージを送信装置50へ送信する(S23)。
【0054】
次に、送信装置50は、応答メッセージに含まれる受信装置毎に通信データを生成し、生成した通信データを受信装置21~23へ送信する(S24~S26)。それぞれの通信データには、それぞれの受信装置の識別情報があて先として設定されている。さらに、通信データのデータサイズもしくはビットレートは、応答メッセージに含まれるデータサイズもしくはビットレートが適用される。
【0055】
以上説明したように、送信装置50は、サーバ装置40において決定された通信データのデータサイズもしくはビットレートを適用した通信データを、1以上の受信装置へ送信する。一般的に、送信装置50の処理能力、メモリ量等は、サーバ装置40よりも低いもしくは少ない。そのため、サーバ装置40がデータサイズもしくはビットレートを決定する処理を実行することによって、送信装置50がデータサイズもしくはビットレートを決定する場合と比較して、送信装置50の処理負担を軽減させることができる。また、サーバ装置40は、受信装置数と、データサイズあるいはビットレートとの関係性のポリシーを一元管理できる。この場合、複数の送信装置50が存在する場合であっても、同一ポリシーを複数の送信装置50に適用することが可能となる。さらに、ポリシー変更を行う場合に、サーバ装置40において管理されているポリシーを変更するのみでよくなる。
【0056】
(実施の形態3の変形例)
実施の形態3においては、送信装置50が生成部51及び送信部52を有し、サーバ装置40が特定部41及び決定部42を有する構成について説明したが、例えば、特定部41は、送信装置50が有してもよい。この場合、送信装置50は、問い合わせメッセージに特定した受信装置の数に関する情報を含めてサーバ装置40へ送信する。さらに、サーバ装置40は、問い合わせメッセージに含まれる受信装置の数を用いて、通信データに適用されるデータサイズもしくはビットレートを決定する。
【0057】
もしくは、サーバ装置40は、特定部41、決定部42、生成部51、及び送信部52を有してもよい。例えば、送信装置50は、サーバ装置40を介して、1以上の受信装置へ通信データを送信する。この場合、送信装置50は、サーバ装置40へ、通信データ及び通信データのあて先となる1以上の受信装置の識別情報を送信してもよい。なお、送信装置50は、通信データのあて先となる1以上の受信装置の識別情報の代わりに、通信データのあて先となる1以上の受信装置に対応したグループアドレスを、通信データとともにサーバ装置40へ送信してもよい。サーバ装置40は、送信装置50から受信した、通信データのあて先となる1以上の受信装置の識別情報を用いて、受信装置の数を特定する。さらに、サーバ装置40は、受信装置の数に応じて通信データのデータサイズまたはビットレートを決定し、決定したデータサイズまたはビットレートを適用した通信データを生成する。さらに、サーバ装置40は、生成した通信データを、通信データのあて先となる1以上の受信装置へ送信する。また、送信装置50が図1の特定部11、決定部12、生成部13、及び送信部14を有する送信装置10である場合であっても、送信装置10は、グループアドレスをサーバ装置40へ送信してもよい。この場合、サーバ装置40は、グループアドレス及び通信データを受信してから、通信データを通信データのあて先となる1以上の受信装置へと送信してもよい。
【0058】
以上説明したように、特定部41、決定部42、生成部51、及び送信部52の送信装置50及びサーバ装置40への機能配置には、複数のバリエーションが存在する。このように、機能配置に関する複数のバリエーションを有することによって、柔軟なネットワーク設計が可能となる。
【0059】
(実施の形態4)
続いて、図8を用いて実施の形態4にかかる通信システムの構成例について説明する。図8の通信システムは、図2の通信システムに、中継装置61、中継装置62、受信装置24、及び受信装置25が追加されている。また、図8の通信システムは、送信装置10が送信装置70に置き換えられている。
【0060】
中継装置61及び中継装置62は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。中継装置61及び中継装置62は、4G、5G等に代表されるモバイル網における基地局であってもよい。また、中継装置61及び中継装置62は、複数の基地局を集約するゲートウェイ装置、例えば、4G網におけるP-GWやS-GW、5G網におけるUPF等であってもよい。基地局は、通信エリアであるセルを形成し、セル内に在圏する受信装置に関する通信データを中継する。
【0061】
図8の受信装置21~25は、送信装置70から送信された通信データを受信する。受信装置21~25のそれぞれが受信する通信データは、同一であるとする。
【0062】
中継装置61が複数の基地局を集約するゲートウェイ装置である場合、受信装置21~23は、同一のセルに在圏してもよく、それぞれが異なるセルに在圏してもよく、受信装置21~23のうち2つの受信装置が同一のセルに在圏してもよい。また、中継装置62がゲートウェイ装置である場合、受信装置24~25は、同一のセルに在圏してもよく、それぞれが異なるセルに在圏してもよい。
【0063】
中継装置61が基地局である場合、受信装置21~23は、同一のセルに在圏する。また、中継装置62が基地局である場合、受信装置24~25は、同一のセルに在圏する。
【0064】
ここで、図9を用いて送信装置70の構成例について説明する。送信装置70は、図1の送信装置10に、分類部71が追加されている。送信装置70の特定部11は、例えば、アプリケーションから、同一の通信データのあて先に関する情報を取得する。分類部71は、通信データのあて先となる受信装置21~25を、経由する中継装置が同一となるサブグループに分類する。具体的には、分類部71は、通信データのあて先となる受信装置21~25を、中継装置61を経由する受信装置21~23を含むサブグループと、中継装置62を経由する受信装置24~25を含むサブグループとに分類する。例えば、分類部71は、受信装置21~25のそれぞれに搭載されているアプリケーションから、受信装置21~25のそれぞれが帰属するセルの情報を取得してもよい。もしくは、分類部71は、モバイル網内のネットワーク装置から、受信装置21~25のそれぞれが帰属するセルの情報を取得してもよい。モバイル網内のネットワーク装置は、中継装置61及び中継装置62であってもよく、5GネットワークにおけるNEF(Network Exposure Function)エンティティ等であってもよい。分類部71は、受信装置21~25が帰属するセルの情報を用いて、受信装置21~25をサブグループに分類してもよい。特定部11は、分類部71における分類結果を用いて、サブグループ毎に受信装置の数を特定する。つまり、図8の例においては、特定部11は、中継装置61が形成するサブグループには、3台の受信装置が属しており、中継装置62が形成するサブグループには、2台の受信装置が属していることを特定する。例えば、メッセージ通信に関するサービスを提供するサーバ装置が、端末グループ及びサブグループを管理している場合、特定部11は、それぞれのサブグループに属する受信装置に関する情報を、サーバ装置から取得してもよい。もしくは、モバイル通信事業者が管理するコアネットワーク装置が端末グループ及びサブグループを管理していてもよい。この場合、特定部11は、それぞれのサブグループに属する受信装置に関する情報を、コアネットワーク装置から取得してもよい。もしくは、特定部11は、同一の端末グループに属するそれぞれの受信装置の位置を認識している場合、それぞれの受信装置の位置に基づいて、受信装置をサブグループに分類してもよい。例えば、特定部11は、ある基地局が形成するセル内に在圏する1以上の受信装置を、同じサブグループに分類する。サーバ装置もしくはコアネットワーク装置も、同様に、受信装置の位置に基づいて受信装置をサブグループに分類してもよい。もしくは、分類部71は、他の情報に基づいて受信装置をサブグループに分類してもよい。他の情報は、例えば、受信装置が移動端末か、固定端末かを示す情報であってもよく、IoT端末か、それ以外の端末かを示す情報であってもよい。
【0065】
決定部12は、サブグループ毎に通信データのデータサイズまたはビットレートを決定してもよい。具体的には、図8に示すように、中継装置61が形成するサブグループに属する受信装置の数が、中継装置62が形成するサブグループに属する受信装置の数よりも多いとする。この場合、決定部12は、受信装置21~23をあて先とする通信データのデータサイズを、受信装置24~25をあて先とする通信データのデータサイズよりも小さくしてもよい。もしくは、決定部12は、受信装置21~23をあて先とする通信データのビットレートを、受信装置24~25をあて先とする通信データのビットレートよりも低くしてもよい。
【0066】
このようにサブグループ毎に通信データのデータサイズまたはビットレートを変更することによって、サブグループに属する受信装置が増加した場合の中継装置の処理負荷を抑えることができる。
【0067】
もしくは、決定部12は、通信データのあて先となる受信装置21~25すべてに対して共通に適用するデータサイズまたはビットレートを決定してもよい。具体的には、決定部12は、まずサブグループ毎にデータサイズまたはビットレートを決定する。ここでは、サブグループが計P個あり、それぞれのサブグループについて決定されたデータサイズまたはビットレートをQ1、Q2、・・・、Qpとする。このとき、決定部12は、Q1~Qpの最小値を共通に適用するデータサイズまたはビットレートとして決定してもよい。あるいは、Q1~Qpの中央値を共通に適用するデータサイズまたはビットレートとして決定してもよい。あるいは、決定部12は、Q1~Qpに対して任意の統計値を算出することによって、共通に適用するデータサイズまたはビットレートとして決定してもよい。このようにした場合、通信データのあて先となる受信装置21~25すべてに対して共通のデータサイズまたはビットレートを適用できる。そのため、サブグループ毎に通信データのデータサイズまたはビットレートを決定する場合と比較し、通信データの生成に係る処理負荷を軽減することができる。
【0068】
図8の例においては、サーバ装置が存在しない構成例について説明したが、図8の通信システムには、図4のようにサーバ装置40が追加され、送信装置50が用いられてもよい。
【0069】
図10は、送信装置10、サーバ装置40、及び送信装置50(以下、送信装置10等とする)の構成例を示すブロック図である。図10を参照すると、送信装置10等は、ネットワークインタフェース1201、プロセッサ1202、及びメモリ1203を含む。ネットワークインタフェース1201は、他のネットワークノードと通信するために使用されてもよい。ネットワークインタフェース1201は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0070】
プロセッサ1202は、メモリ1203からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてフローチャートを用いて説明された送信装置10等の処理を行う。プロセッサ1202は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU、又はCPUであってもよい。プロセッサ1202は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0071】
メモリ1203は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1203は、プロセッサ1202から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1202は、図示されていないI/O(Input/Output)インタフェースを介してメモリ1203にアクセスしてもよい。
【0072】
図10の例では、メモリ1203は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1202は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1203から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された送信装置10等の処理を行うことができる。
【0073】
図10を用いて説明したように、上述の実施形態における送信装置10等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。
【0074】
プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0075】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0076】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
通信データを、ネットワークを介して1以上の受信装置に送信する送信装置であって、
前記通信データのあて先となる前記受信装置の数を示す受信装置数を特定する特定手段と、
前記受信装置数が第1の数である場合に、前記受信装置数が前記第1の数よりも少ない第2の数である場合よりも小さなデータサイズまたは低いビットレートとなるように前記通信データのデータサイズまたはビットレートを決定する決定手段と、
前記決定したデータサイズまたはビットレートを用いて前記通信データを生成する生成手段と、
前記生成した通信データを、前記あて先となる1以上の前記受信装置あてに、前記ネットワークを介して送信する送信手段と
を有する送信装置。
(付記2)
前記通信データのあて先は、1以上の前記受信装置からなる端末グループであって、
前記特定手段は、前記端末グループを識別するグループ識別情報をもとに前記受信装置数を特定する、
付記1に記載の送信装置。
(付記3)
前記特定手段は、前記端末グループに属する前記受信装置数を、前記端末グループに関する情報を管理するサーバから取得する、
付記2に記載の送信装置。
(付記4)
前記通信データのあて先となる1以上の前記受信装置を、経由する前記ネットワーク内の中継装置が同一となるサブグループに分類する分類手段を更に備え、
前記特定手段は、前記サブグループ毎に前記受信装置数を特定し、
前記決定手段は、前記サブグループ毎に特定された前記受信装置数を用いて、前記通信データのデータサイズまたはビットレートを決定する、
付記1から3の何れか1項に記載の送信装置。
(付記5)
前記決定手段は、前記サブグループ毎に特定された前記受信装置数のうち、特定の前記サブグループの前記受信装置数を用いて、前記通信データのデータサイズまたはビットレートを決定する、
付記4に記載の送信装置。
(付記6)
前記決定手段は、前記サブグループ毎に、該サブグループ内の前記受信装置数が第3の数である場合に、該サブグループ内の前記受信装置数が前記第1の数よりも少ない第4の数である場合よりも小さなデータサイズまたは低いビットレートとなるように前記通信データのデータサイズまたはビットレートを決定する、
付記4に記載の送信装置。
(付記7)
前記ネットワークは無線ネットワークを含み、
前記中継装置は、前記無線ネットワークの無線アクセスノードである、
付記4から6の何れか1項に記載の送信装置。
(付記8)
前記通信データは、送信端末から受信した通信データであり、
前記決定手段は、前記送信端末から受信した前記通信データに適用するデータサイズまたはビットレートを決定する、
付記1から7の何れか1項に記載の送信装置。
(付記9)
前記通信データは、音、画像、または映像を含むデータであり、
前記生成手段は、前記データサイズまたは前記ビットレートを、前記データの圧縮パラメータの変更により制御する、
付記1から8の何れか1項に記載の送信装置。
(付記10)
通信データを、ネットワークを介して1以上の受信装置に送信するように構成された送信装置と、
前記通信データのあて先となる前記受信装置の数を示す受信装置数を特定し、前記受信装置数が第1の数である場合に、前記受信装置数が前記第1の数よりも少ない第2の数である場合よりも小さなデータサイズまたは低いビットレートとなるように前記通信データのデータサイズまたはビットレートを決定し、前記決定されたデータサイズまたはビットレートを前記送信装置へ送信するように構成されたサーバと、を備え、
前記送信装置は、
前記決定されたデータサイズまたはビットレートを用いて前記通信データを生成し、前記生成した通信データを、前記あて先となる1以上の前記受信装置あてに、前記ネットワークを介して送信する、通信システム。
(付記11)
前記通信データのあて先は、1以上の前記受信装置からなる端末グループであって、
前記サーバは、前記端末グループを識別するグループ識別情報をもとに前記受信装置数を特定する、
付記10に記載の通信システム。
(付記12)
通信データを、ネットワークを介して1以上の受信装置に送信する場合に、前記通信データのあて先となる前記受信装置の数を示す受信装置数を特定するように構成された送信装置と、
前記受信装置数が第1の数である場合に、前記受信装置数が前記第1の数よりも少ない第2の数である場合よりも小さなデータサイズまたは低いビットレートとなるように前記通信データのデータサイズまたはビットレートを決定し、前記決定されたデータサイズまたはビットレートを前記送信装置へ送信するように構成されたサーバと、を備え、
前記送信装置は、
前記決定されたデータサイズまたはビットレートを用いて前記通信データを生成し、前記生成した通信データを、前記あて先となる1以上の前記受信装置あてに、前記ネットワークを介して送信する、通信システム。
(付記13)
前記通信データのあて先は、1以上の前記受信装置からなる端末グループであって、
前記送信装置は、前記端末グループを識別するグループ識別情報をもとに前記受信装置数を特定する、
付記12に記載の通信システム。
(付記14)
通信データを、ネットワークを介して1以上の受信装置に送信する送信装置において実行される送信方法であって、
前記通信データのあて先となる前記受信装置の数を示す受信装置数を特定し、
前記受信装置数が第1の数である場合に、前記受信装置数が前記第1の数よりも少ない第2の数である場合よりも小さなデータサイズまたは低いビットレートとなるように前記通信データのデータサイズまたはビットレートを決定し、
前記決定したデータサイズまたはビットレートを用いて前記通信データを生成し、
前記生成した通信データを、前記あて先となる1以上の前記受信装置あてに、前記ネットワークを介して送信する、送信方法。
(付記15)
通信データを、ネットワークを介して1以上の受信装置に送信するコンピュータに実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記通信データのあて先となる前記受信装置の数を示す受信装置数を特定し、
前記受信装置数が第1の数である場合に、前記受信装置数が前記第1の数よりも少ない第2の数である場合よりも小さなデータサイズまたは低いビットレートとなるように前記通信データのデータサイズまたはビットレートを決定し、
前記決定したデータサイズまたはビットレートを用いて前記通信データを生成し、
前記生成した通信データを、前記あて先となる1以上の前記受信装置あてに、前記ネットワークを介して送信する、ことをコンピュータに実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0077】
10 送信装置
11 特定部
12 決定部
13 生成部
14 送信部
21 受信装置
22 受信装置
23 受信装置
24 受信装置
25 受信装置
30 ネットワーク
40 サーバ装置
41 特定部
42 決定部
43 通信部
50 送信装置
51 生成部
52 送信部
61 中継装置
62 中継装置
70 送信装置
71 分類部
1201 ネットワークインタフェース
1202 プロセッサ
1203 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10