(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20250527BHJP
B41J 29/13 20060101ALI20250527BHJP
G03G 15/16 20060101ALI20250527BHJP
【FI】
G03G21/16 152
B41J29/13
G03G15/16
G03G21/16 138
(21)【出願番号】P 2023554612
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(86)【国際出願番号】 JP2022038200
(87)【国際公開番号】W WO2023068156
(87)【国際公開日】2023-04-27
【審査請求日】2024-04-15
(31)【優先権主張番号】P 2021171735
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】谷口 進
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-175146(JP,A)
【文献】特開2000-338795(JP,A)
【文献】特開昭61-239276(JP,A)
【文献】特開2013-234052(JP,A)
【文献】米国特許第4526464(US,A)
【文献】特開2017-151196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/13
G03G 13/00
G03G 13/02
G03G 13/045
G03G 13/14 - 13/16
G03G 15/00
G03G 15/02
G03G 15/045
G03G 15/14 - 15/16
G03G 21/00
G03G 21/06 - 21/08
G03G 21/16 - 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する本体と、
前記本体に設けられ、トナー像を担持する像担持体と、
前記開口部に設けられ、開閉可能な開閉ユニットと、
前記開閉ユニットに設けられ、前記開閉ユニットが閉じられた場合に前記像担持体に接触する転写ローラーと、
前記開閉ユニットに揺動可能に設けられ、前記像担持体と前記転写ローラーとの接触領域にシートを案内するガイド部材と、
前記ガイド部材を覆う導電性シートと、
前記開閉ユニットに設けられ、前記開閉ユニットが閉じられた場合に、前記導電性シートを介して前記ガイド部材を前記像担持体側に付勢することで前記ガイド部材を前記本体側の接触部に押し当てる導電性ばねと、を備え、
前記開閉ユニットが開けられた場合に、前記導電性ばねに前記ガイド部材が重力によって接触することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記開閉ユニットに設けられ、前記導電性ばねの前記ガイド部材側への弾性変形を所定量に規制する第1規制部材を備え、
前記開閉ユニットが開けられた場合に、前記所定量まで弾性変形した前記導電性ばねに前記ガイド部材が重力によって接触することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記開閉ユニットに設けられ、前記開閉ユニットが開けられた場合に、前記所定量まで弾性変形した前記導電性ばねに前記ガイド部材が重力によって接触した状態で前記ガイド部材の前記像担持体側への揺動を規制する第2規制部材を備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記像担持体は、複数のローラーに巻き掛けられた中間転写ベルトであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記開閉ユニットは、前記本体に回動可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記導電性ばねは、前記ガイド部材の揺動軸に巻かれたねじりコイルばねであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においては、シートの帯電が画質に影響を及ぼすため、従来、シートの除電のための技術が検討されている。例えば、特許文献1には、金属製の筐体に向けて突出したボスをその側面に有し、ボスを介して筐体に支持されており、用紙の搬送面を有する樹脂製のガイド部材と、ガイド部材の端面に設けられており、用紙に帯電した電荷を除去する除電部材と、ボスの長さよりも大きな自然長を有しており、ボスを囲繞し、筐体と除電部材とを接続して除電部材を接地する金属製の圧縮コイルばねとを具備する用紙搬送ガイドが記載されている。特許文献2には、記録材を案内する搬送ガイドと、搬送ガイドを回動可能に支持する支持部を有する支持部材と、搬送ガイドの回動方向に搬送ガイドを付勢する第1ねじりコイルバネと、搬送ガイドを支持部の軸方向に付勢する第2ねじりコイルバネと、を備え、第1ねじりコイルバネと第2ねじりコイルバネは、導電性を有し、各々が異なる電位を搬送ガイドに印加するガイド装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-126696号公報
【文献】特開2018-25626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シートにトナー像を転写する前の除電の手段として、転写ローラーのニップ部にシートを案内するガイド部材を利用することが考えられる。例えば、カラー画像形成装置の場合には、中間転写ベルトと2次転写ローラーとのニップ部のシート搬送方向上流側にガイド部材が設けられている。ガイド部材の表面は接地された導電性シートで覆われており、導電性シートにシートが接触することでシートが除電される。
【0005】
多くの場合、シートが詰まった場合の復旧作業を考慮して、2次転写ローラー付近の搬送路を開放する構成が採用される。例えば、画像形成装置の本体にヒンジ結合された開閉ユニットに2次転写ローラーが設けられ、シート詰まりが発生した場合に開閉ユニットを開けることで中間転写ベルトから2次転写ローラーを離間させるように構成される。
【0006】
ここで、導電性シートを確実に接地するには、導電性を有するばねを導電性シートに押し当てる構成が望ましい。しかし、この構成では、開閉ユニットを開閉する際に、開閉ユニットに生じる歪みにより導電性ばねと導電性シートとの位置関係がわずかに変化することで、導電性ばねと導電性シートとの間に摩擦が発生する。導電性シートは摩擦に弱いため、開閉を繰り返すうちに擦り切れるおそれがある。
【0007】
本発明は、上記事情を考慮し、開閉ユニットを開閉する際の導電性シートと導電性ばねとの摩擦を抑制することのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、開口部を有する本体と、前記本体に設けられ、トナー像を担持する像担持体と、前記開口部に設けられ、開閉可能な開閉ユニットと、前記開閉ユニットに設けられ、前記開閉ユニットが閉じられた場合に前記像担持体に接触する転写ローラーと、前記開閉ユニットに揺動可能に設けられ、前記像担持体と前記転写ローラーとの接触領域にシートを案内するガイド部材と、前記ガイド部材を覆う導電性シートと、前記開閉ユニットに設けられ、前記開閉ユニットが閉じられた場合に、前記導電性シートを介して前記ガイド部材を前記像担持体側に付勢することで前記ガイド部材を前記本体側の接触部に押し当てる導電性ばねと、を備え、前記開閉ユニットが開けられた場合に、前記導電性ばねに前記ガイド部材が重力によって接触することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、開閉ユニットを開閉する際の導電性シートと導電性ばねとの摩擦を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構成を模式的に示す正面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る開閉ユニットの斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るガイド部材とその周辺部の断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るガイド部材とその周辺部の斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るガイド部材とその周辺部の斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るガイド部材とその周辺部の断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る開閉ユニットが閉じられた場合の断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る開閉ユニットが開けられた場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
最初に、画像形成装置100の全体の構成について説明する。
図1は、画像形成装置100の外観を示す斜視図である。
図2は、画像形成装置100の内部構成を模式的に示す正面図である。以下、
図2における紙面手前側を画像形成装置100の正面側(前側)とし、左右の向きは画像形成装置100を正面から見た方向を基準として説明する。各図において、U、Lo、L、R、Fr、Rrは、それぞれ上、下、左、右、前、後を示す。
【0012】
画像形成装置100は、プリンター1と、スキャナー110と、原稿搬送装置120と、を備える。プリンター1の上方にスキャナー110が設けられ、スキャナー110の上方に原稿搬送装置120が設けられている。原稿搬送装置120は、スキャナー110の読取位置を経由する搬送路に沿って原稿を搬送する。スキャナー110は、フラットベッド型のイメージスキャナーであり、原稿を読み取って画像データを生成する。プリンター1は、画像データに基づく画像をシートSに形成する。
【0013】
プリンター1は、直方体状の本体ハウジング3(本体の一例)を備える。本体ハウジング3の内部の下部には、シートSが収容される給紙カセット4と、給紙カセット4からシートSを右方に送り出す給紙ローラー5が設けられている。給紙カセット4の上方には、電子写真方式にてトナー像を形成する作像装置6が設けられ、作像装置6の右上方には、トナー像をシートSに定着させる定着装置7が設けられている。定着装置7の上方には、トナー像が定着されたシートSを排出する排紙ローラー8と、排出されたシートSが積載される排紙トレイ9が設けられている。
【0014】
本体ハウジング3の内部には、給紙ローラー5から作像装置6、定着装置7を経て排紙ローラー8に至る搬送路10が設けられている。搬送路10は、シートSを通過させる間隙を空けて互いに対向する板状部材を主体として形成されており、シートSを挟持して搬送する搬送ローラー17が搬送方向Yの複数箇所に設けられている。作像装置6よりも搬送方向Y上流側には、レジストローラー18が設けられている。定着装置7の右方には、定着装置7よりも搬送方向Y下流側で搬送路10から分岐し、レジストローラー18よりも搬送方向Y上流側で搬送路10に合流する反転搬送路10Rが設けられている。
【0015】
作像装置6は、光の照射により電位が変化する感光体ドラム11、感光体ドラム11を帯電させる帯電装置12、画像データに応じたレーザー光を出射する露光装置13、感光体ドラム11にトナーを供給する現像装置14、感光体ドラム11からシートSへトナー像を転写する中間転写ユニット15、及び、感光体ドラム11に残留したトナーを除去するクリーニング装置16を備える。中間転写ユニット15は、駆動ローラー15Dと従動ローラー15Nに巻き掛けられた無端の中間転写ベルト15B、感光体ドラム11に対応する位置で中間転写ベルト15Bの内周面に対向し、1次転写バイアスを発生する1次転写ローラー151、及び、駆動ローラー15Dに対応する位置で中間転写ベルト15Bの外周面に対向し、2次転写バイアスを発生する2次転写ローラー152を備える。現像装置14には、現像装置14にトナーを供給するトナーコンテナ20が接続されている。
【0016】
作像装置6は、感光体ドラム11、帯電装置12、露光装置13、現像装置14、1次転写ローラー151、クリーニング装置16及びトナーコンテナ20を4組備え、4色のトナー像を中間転写ベルト15Bに重ねることでカラー画像を形成する。なお、3色以下又は5色以上のトナーでカラー画像を形成する画像形成装置に本発明が適用されてもよい。
【0017】
制御部2は、演算部と記憶部とを備える。演算部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。記憶部は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の記憶媒体を含む。演算部は、記憶部に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することで各種処理を実施する。なお、制御部2は、ソフトウェアを用いずに、集積回路のみによって実現されてもよい。
【0018】
スキャナー110の前側には、操作パネル19が設けられている。操作パネル19は、表示パネルと、表示パネルの表示面に重ねて設けられたタッチパネルと、表示パネルに隣接するキーパッドと、を備える。制御部2は、プリンター1及びスキャナー110の操作メニューやステータス等を表す画面を表示パネルに表示させ、タッチパネル及びキーパッドで検知された操作に応じてプリンター1及びスキャナー110の各部を制御する。
【0019】
プリンター1の基本的な画像形成動作は、次のとおりである。外部のコンピューター等からプリンター1に片面印刷の印刷ジョブが入力されると、給紙ローラー5が給紙カセット4から搬送路10にシートSを送り出し、回転が停止されたレジストローラー18がシートSの斜行を補正し、レジストローラー18が所定のタイミングで作像装置6にシートSを送り出す。作像装置6においては、帯電装置12が感光体ドラム11を所定の電位に帯電させ、露光装置13が感光体ドラム11に潜像を書き込み、現像装置14がトナーコンテナ20から供給されたトナーを用いて潜像を現像することでトナー像を形成し、1次転写ローラー151がトナー像を中間転写ベルト15Bに転写し、2次転写ローラー152がトナー像をシートSに転写する。続いて、定着装置7がシートSを挟持して搬送しながらトナー像を溶融させることでトナー像をシートSに定着させ、排紙ローラー8が排紙トレイ9にシートSを排出する。クリーニング装置16は、感光体ドラム11に残留したトナーを除去する。両面印刷の場合、第1面にトナー像が定着されたシートSが反転搬送路10Rを経由して搬送路10に送り込まれることで、第2面にトナー像が転写される。
【0020】
次に、画像形成装置100について詳細に説明する。
図3は、開閉ユニット30の斜視図である。
図4は、ガイド部材31とその周辺部の断面図である。
図5、6は、ガイド部材31とその周辺部の斜視図である。
図7は、ガイド部材31とその周辺部の断面図である。
図8は、開閉ユニット30が閉じられた場合の断面図である。
図9は、開閉ユニット30が開けられた場合の断面図である。
【0021】
画像形成装置100は、開口部3Aを有する本体ハウジング3(本体の一例)と、トナー像を担持する中間転写ベルト15B(像担持体の一例)と、開口部3Aに設けられ、開閉可能な開閉ユニット30と、開閉ユニット30に設けられ、開閉ユニット30が閉じられた場合に中間転写ベルト15Bに接触する2次転写ローラー152(転写ローラーの一例)と、開閉ユニット30に揺動可能に設けられ、中間転写ベルト15Bと2次転写ローラー152との接触領域にシートSを案内するガイド部材31と、ガイド部材31を覆う導電性シート32と、開閉ユニット30に設けられ、開閉ユニット30が閉じられた場合に、導電性シート32を介してガイド部材31を中間転写ベルト15B側に付勢することでガイド部材31を本体ハウジング3側の接触部3Eに押し当てる導電性ばね33と、を備え、開閉ユニット30が開けられた場合に、導電性ばね33にガイド部材31が重力によって接触する。
【0022】
本体ハウジング3の右側面には、矩形の開口部3Aが設けられている(
図1、2参照)。開口部3Aには、開閉可能な矩形のカバー3Cが設けられている。カバー3Cの下端部は、ヒンジ3Hを介して開口部3Aの下端部に結合されている。カバー3Cを開けることで、搬送路10に詰まったシートSの除去や内部のメンテナンスが可能となる。
【0023】
[開閉ユニット]
カバー3Cの左方には、開閉可能な開閉ユニット30(
図3参照)が設けられている。開閉ユニット30の下端部は、本体ハウジング3にヒンジ(図示省略)を介して結合されている。カバー3Cを開けると、開閉ユニット30を開けることが可能となる。なお、開閉ユニット30はカバー3Cと一体化されていてもよい。
【0024】
開閉ユニット30は、反転搬送路10Rと、2次転写ローラー152と、レジストローラー18を構成する1対のローラーの一方と、ガイド部材31と、搬送路10を構成する左右に対向する板状部材10Pのうち右方の板状部材10Pと、を備える(
図2、3参照)。レジストローラー18の一方のローラーの上方に2次転写ローラー152とガイド部材31が設けられている。開閉ユニット30が閉じられると、2次転写ローラー152が中間転写ベルト15Bに接触し、開閉ユニット30が開けられると、2次転写ローラー152が中間転写ベルト15Bから離間する。
【0025】
[ガイド部材]
図3に示されるように、ガイド部材31は、2次転写ローラー152と中間転写ベルト15Bとの接触領域よりもシートSの搬送方向Y上流側に設けられている。ガイド部材31は、
図6や
図8及び
図9に示されるように、搬送方向Yと交差するシートSの幅方向を長手方向とする細長い湾曲部31Cと、湾曲部31Cの下端部から右方に突出した底部31Bと、湾曲部31Cの幅方向の両端部から中間転写ベルト15B側に突出した突起部31Pと、湾曲部31Cの幅方向の両端部の下部に設けられた支持部31Sと、を有する。支持部31Sが、幅方向を軸方向とする揺動軸31Aを介して開閉ユニット30に結合されている。湾曲部31Cは、幅方向の断面が中間転写ベルト15B側に膨出するように湾曲しており、下方から搬送されてくるシートSの右側の面に湾曲部31Cが接触することでシートSを案内する。本体ハウジング3には、開閉ユニット30が閉じられた場合に突起部31Pが接触する接触部3Eが設けられている。
【0026】
[導電性シート]
導電性シート32は、例えば、導電性を有する樹脂製のシートであり、ガイド部材31を覆っている。
図8及び
図9に示されるように、導電性シート32は、ガイド部材31の湾曲部31Cと、底部31Bの下面、右面、上面にわたって設けられている。
【0027】
[導電性ばね]
導電性ばね33は、例えば、金属製のねじりコイルばねであり、
図6や
図7に示されるように、ガイド部材31の揺動軸31Aに巻かれている。導電性ばね33を構成する鋼線の第1端部331は上方に配置され、ガイド部材31の底部31Bの右面に接触している。鋼線の第2端部332は右方に配置され、開閉ユニット30に設けられた板ばね状のアース部材34(
図6参照)に接触している。第2端部332がアース部材34から反力を得ることで、第1端部331がガイド部材31の底部31Bを左方に付勢する。
【0028】
[第1規制部材]
第1規制部材41は、開閉ユニット30に設けられ、導電性ばね33のガイド部材31側への弾性変形を所定量に規制する。
図7に示されるように、第1規制部材41は、ガイド部材31の底部31Bと揺動軸31Aとの間に配置されている。開閉ユニット30が閉じられた場合(
図8参照)に、第1規制部材41は、導電性ばね33の第1端部331との間に所定量の間隔を空けて対向している。開閉ユニット30が開けられた場合(
図9参照)に、第1規制部材41に導電性ばね33が接触することで、導電性ばね33のガイド部材31側への弾性変形が所定量に規制される。
【0029】
[第2規制部材]
第2規制部材42は、開閉ユニット30に設けられ、開閉ユニット30が開けられた場合に、所定量まで弾性変形した導電性ばね33にガイド部材31が重力によって接触した状態でガイド部材31の中間転写ベルト15B側への揺動を規制する。
図8及び
図9に示されるように、第2規制部材42は、導電性ばね33の右方、且つ、揺動軸31Aよりも上方に設けられている。ガイド部材31には、第2規制部材42に対向する対向部31F(
図9参照)が設けられている。開閉ユニット30が閉じられた場合(
図8参照)に、対向部31Fと第2規制部材42は、間隔を空けて対向している。開閉ユニット30が開けられた場合(
図9参照)に、対向部31Fが第2規制部材42に接触することで、ガイド部材31の中間転写ベルト15B側への揺動が規制される。
【0030】
次に、上記構成の動作について説明する。
図8に示されるように、開閉ユニット30が閉じられると、ガイド部材31の突起部31Pが接触部3Eに押し当てられる(
図4参照)とともに、導電性ばね33が導電性シート32に押し当てられる。このとき、第1規制部材41は、導電性ばね33の第1端部331との間に所定量の間隔を空けて対向している。また、対向部31Fと第2規制部材42は、間隔を空けて対向している。ガイド部材31の湾曲部31Cを覆う導電性シート32と中間転写ベルト15Bとの間に所定の間隙が設けられ、導電性シート32に接触しながらシートSが搬送されることでシートSが除電される。
【0031】
一方、開閉ユニット30が開けられると、
図9に示されるように、ガイド部材31の突起部31Pが接触部3Eから離間するため、導電性ばね33がガイド部材31を中間転写ベルト15B側へ押し出す。このとき、第1規制部材41に導電性ばね33が接触することで、導電性ばね33のガイド部材31側への弾性変形が所定量に規制される。また、対向部31Fが第2規制部材42に接触することで、ガイド部材31の中間転写ベルト15B側への揺動が規制される。ガイド部材31の底部31Bが導電性シート32を介して導電性ばね33に重力によって接触した状態となるため、導電性シート32と導電性ばね33との間には、重力による荷重のみが作用する。このように、開閉ユニット30が開けられた場合に導電性ばね33がガイド部材31を付勢しなくなるから、開閉ユニット30を開閉する際の導電性シート32と導電性ばね33との摩擦を抑制することができる。
【0032】
以上説明した本実施形態に係る画像形成装置100によれば、開口部3Aを有する本体ハウジング3(本体の一例)と、トナー像を担持する中間転写ベルト15B(像担持体の一例)と、開口部3Aに設けられ、開閉可能な開閉ユニット30と、開閉ユニット30に設けられ、開閉ユニット30が閉じられた場合に中間転写ベルト15Bに接触する2次転写ローラー152(転写ローラーの一例)と、開閉ユニット30に揺動可能に設けられ、中間転写ベルト15Bと2次転写ローラー152との接触領域にシートSを案内するガイド部材31と、ガイド部材31を覆う導電性シート32と、開閉ユニット30に設けられ、開閉ユニット30が閉じられた場合に、導電性シート32を介してガイド部材31を中間転写ベルト15B側に付勢することでガイド部材31を本体ハウジング3側の接触部3Eに押し当てる導電性ばね33と、を備え、開閉ユニット30が開けられた場合に、導電性ばね33にガイド部材31が重力によって接触する。この構成によれば、開閉ユニット30が開けられた場合に導電性ばね33がガイド部材31を付勢しなくなるから、開閉ユニット30を開閉する際の導電性シート32と導電性ばね33との摩擦を抑制することができる。
【0033】
また、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、開閉ユニット30に設けられ、導電性ばね33のガイド部材31側への弾性変形を所定量に規制する第1規制部材41を備え、開閉ユニット30が開けられた場合に、所定量まで弾性変形した導電性ばね33にガイド部材31が重力によって接触するから、導電性ばね33の弾性変形が所定量に規制されない場合と比べて、導電性シート32と導電性ばね33との摩擦を抑制することができる。
【0034】
また、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、開閉ユニット30に設けられ、開閉ユニット30が開けられた場合に、所定量まで弾性変形した導電性ばね33にガイド部材31が重力によって接触した状態でガイド部材31の中間転写ベルト15B側への揺動を規制する第2規制部材42を備えるから、ガイド部材31の揺動が規制されない場合と比べて、導電性シート32と導電性ばね33との摩擦を防ぐことができる。
【0035】
また、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、像担持体は、複数のローラーに巻き掛けられた中間転写ベルト15Bであるから、カラー画像を形成する画像形成装置100において、開閉ユニット30を開閉する際の導電性シート32と導電性ばね33との摩擦を抑制することができる。
【0036】
上記実施形態が以下のように変形されてもよい。
【0037】
上記実施形態では、導電性ばね33がねじりコイルばねである例が示されたが、導電性ばね33として、圧縮コイルばね、板ばね等が用いられてもよい。
【0038】
上記実施形態では、カバー3Cが下端部に設けられたヒンジ3Hを中心として揺動する例が示されたが、カバー3Cがスライドレール(図示省略)を介して左右方向にスライドすることで開閉されるように構成されていてもよい。
【0039】
上記実施形態では、像担持体が中間転写ベルト15Bである例が示されたが、像担持体は、モノクロ画像を形成する画像形成装置に設けられた感光体ドラムでもよい。