(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】通知装置、通知方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20240101AFI20250527BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20250527BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023555975
(86)(22)【出願日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 JP2021039784
(87)【国際公開番号】W WO2023073857
(87)【国際公開日】2023-05-04
【審査請求日】2024-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】谷 真宏
(72)【発明者】
【氏名】児島 一郁
(72)【発明者】
【氏名】池田 圭佑
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-031992(JP,A)
【文献】特開2016-212751(JP,A)
【文献】特開2019-109730(JP,A)
【文献】特開2013-122630(JP,A)
【文献】国際公開第2021/028988(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/187107(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/234827(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部サーバからトラブルの発生場所を示すトラブル情報を取得する手段と、
前記トラブルの発生場所に基づき通知対象エリアを決定する手段と、
アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている公開情報に基づき、前記アカウントのユーザの活動範囲を示す場所情報を生成する活動範囲推定手段と、
前記ユーザの活動範囲と前記通知対象エリアとの位置関係が第1の通知条件を満たす前記アカウントのユーザに、通知情報を送信する通知手段と、
を有する通知装置。
【請求項2】
前記アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている投稿物に基づき、第2の通知条件を満たす投稿を行っている前記アカウントを抽出する投稿物解析手段をさらに有し、
前記通知手段は、前記場所情報が前記第1の通知条件を満たし、かつ、前記第2の通知条件を満たす投稿を行っている前記アカウントのユーザに、前記通知情報を送信する請求項1に記載の通知装置。
【請求項3】
前記公開情報に基づき、前記アカウントのユーザの属性情報を特定する属性特定手段と、
前記アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている投稿物に基づき、第2の通知条件を満たす投稿を行っている前記アカウントを抽出する投稿物解析手段と、
をさらに有し、
前記通知手段は、前記場所情報が前記第1の通知条件を満たし、前記属性情報が第3の通知条件を満たし、かつ、前記第2の通知条件を満たす投稿を行っている前記アカウントのユーザに、前記通知情報を送信する請求項1に記載の通知装置。
【請求項4】
前記第2の通知条件を満たす投稿は、所定のキーワードを含むテキストデータの投稿、所定の内容のテキストデータの投稿、前記所定のキーワードを含む音声データの投稿、前記所定の内容の音声データの投稿、所定の状況を示す静止画像データの投稿、及び前記所定の状況を示す動画像データの投稿の中の少なくとも1つを含む請求項2又は3に記載の通知装置。
【請求項5】
前記第2の通知条件を満たす投稿は、直近所定期間以内における、前記所定のキーワードを含むテキストデータの投稿、及び前記所定のキーワードを含む音声データの投稿の中の少なくとも1つを含み、
前記所定期間は、前記所定のキーワード毎に異なる請求項4に記載の通知装置。
【請求項6】
前記第2の通知条件を満たす投稿は、直近所定期間以内における、前記所定の内容のテキストデータの投稿、及び前記所定の内容の音声データの投稿の中の少なくとも1つを含み、
前記所定期間は、前記所定の内容毎に異なる請求項4に記載の通知装置。
【請求項7】
前記第2の通知条件を満たす投稿は、直近所定期間以内における、前記所定の状況を示す静止画像データの投稿、及び前記所定の状況を示す動画像データの投稿の中の少なくとも1つを含み、
前記所定期間は、前記所定の状況毎に異なる請求項4に記載の通知装置。
【請求項8】
前記通知手段は、前記場所情報が前記第1の通知条件を満たす前記アカウントのユーザに加えて、前記場所情報が前記第1の通知条件を満たす前記アカウントのユーザと所定関係を満たすユーザにも前記通知情報を送信する請求項1から7のいずれか1項に記載の通知装置。
【請求項9】
コンピュータが、
外部サーバからトラブルの発生場所を示すトラブル情報を取得する工程と、
前記トラブルの発生場所に基づき通知対象エリアを決定する工程と、
アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている公開情報に基づき、前記アカウントのユーザの活動範囲を示す場所情報を生成する活動範囲推定工程と、
前記ユーザの活動範囲と前記通知対象エリアとの位置関係が第1の通知条件を満たす前記アカウントのユーザに、通知情報を送信する通知工程と、
を実行する通知方法。
【請求項10】
コンピュータを、
外部サーバからトラブルの発生場所を示すトラブル情報を取得する手段、
前記トラブルの発生場所に基づき通知対象エリアを決定する手段、
アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている公開情報に基づき、前記アカウントのユーザの活動範囲を示す場所情報を生成する活動範囲推定手段、
前記ユーザの活動範囲と前記通知対象エリアとの位置関係が第1の通知条件を満たす前記アカウントのユーザに、通知情報を送信する通知手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知装置、通知方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する技術が、特許文献1乃至6、非特許文献1乃至6に開示されている。
【0003】
特許文献1は、SNS(Social Networking Service)等のソーシャルメディアに投稿されたメッセージ等から、災害発生を検知する技術を開示している。
【0004】
特許文献2は、災害が発生した場合、ソーシャルメディアに投稿されたメッセージ等に基づき、ハザードマップを生成する技術を開示している。
【0005】
特許文献3、非特許文献1乃至非特許文献4は、ソーシャルメディアにアカウントを有するユーザの活動範囲を、友人関係に基づき推定する技術を開示している。
【0006】
特許文献4乃至特許文献6、非特許文献5及び非特許文献6は、同一人物によって所有されているソーシャルメディアのアカウントを特定する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2016-212751号公報
【文献】特開2019-109730号公報
【文献】国際公開第2021/028988号公報
【文献】国際公開第2019/187107号公報
【文献】国際公開第2019/234827号公報
【文献】特開2013-122630号公報
【非特許文献】
【0008】
【文献】池田 圭佑、児島 一郁、谷 真宏著「友人群の地理的近接性に着目した居住エリア推定手法の検討」、電子情報通信学会、信学技報、Vol. 119、No. 317、pp. 37-42、AI2019-36、2019年11月
【文献】Dan Xu, Peng Cui, Wenwu Zhu, Shiqiang Yang著, "Graph-based residence location inference for social media users", IEEE Computer Society, IEEE MultiMedia, Volume 21, Issue 4, pp 76-83, 2014年10月
【文献】Backstrom Lars, Eric Sun, Cameron Marlow著, "Find me if you can: Improving geographical prediction with social and spatial proximity" Proceedings of the 19th international conference on World Wide Web, 2010, pp.61-70
【文献】Liu Zhi, Yan Huang 著, "Closeness and structure of friends help to estimate user locations", International Conference on Database Systems for Advanced Applications, Springer, pp. 33-48
【文献】Y. Li, Y. Peng、W. Ji, Z. Zhang、及び Q. Xu、「User Identification Based on Display Names Across Online Social Networks」、IEEE Access、vol. 5、pp. 17342-17353、2017年8月25日
【文献】X. Han, X Liang and et al. "Linking social network accounts by modeling user spatiotemporal habits", Intelligence and Security Informatics (ISI), IEEE International Conference on, 2017
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
適切なユーザに適切な情報を通知することで、そのユーザが災害、事故、事件、渋滞等のトラブルに巻き込まれる不都合を抑制することができる。すべてのユーザにすべての情報を通知する場合、情報を通知する処理を実行するコンピュータの処理負担が大きくなる。また、ユーザには、関係ある情報のみならず、関係ない情報も通知されることとなる。結果、通知される情報に対するユーザの注意力が低下し、重要な情報を見落とす等の不都合が発生し得る。特許文献1乃至6及び非特許文献1乃至6はいずれも、当該課題を開示していない。
【0010】
本発明の課題は、適切なユーザに適切な情報を通知することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、
アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている公開情報に基づき、前記アカウントのユーザの活動範囲を示す場所情報を生成する活動範囲推定手段と、
前記場所情報が第1の通知条件を満たす前記アカウントのユーザに、通知情報を送信する通知手段と、
を有する通知装置が提供される。
【0012】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている公開情報に基づき、前記アカウントのユーザの活動範囲を示す場所情報を生成する活動範囲推定工程と、
前記場所情報が第1の通知条件を満たす前記アカウントのユーザに、通知情報を送信する通知工程と、
を実行する通知方法が提供される。
【0013】
また、本発明によれば、
コンピュータを、
アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている公開情報に基づき、前記アカウントのユーザの活動範囲を示す場所情報を生成する活動範囲推定手段、
前記場所情報が第1の通知条件を満たす前記アカウントのユーザに、通知情報を送信する通知手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、適切なユーザに適切な情報を通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態の通知装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態の通知装置の機能ブロック図の一例である。
【
図3】本実施形態の通知装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図4】本実施形態の通知装置の機能ブロック図の一例である。
【
図5】本実施形態の通知装置が処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図6】本実施形態の通知装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】本実施形態の通知装置の機能ブロック図の一例である。
【
図8】本実施形態の通知装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態の通知装置の機能ブロック図の一例である。
【
図10】本実施形態の通知装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0017】
<第1の実施形態>
「概要」
最初に、本実施形態の通知装置の概要を説明する。通知装置は、SNS等のソーシャルメディアのアカウントに紐付けてインターネット上で公開されている公開情報に基づき、アカウントのユーザの実世界の活動範囲を示す場所情報を生成する。そして、通知装置は、当該場所情報が第1の通知条件を満たすアカウントのユーザに、通知情報を送信する。このように、本実施形態の通知装置は、ソーシャルメディアで公開されている公開情報に基づき推定された活動範囲が所定の条件を満たすアカウントのユーザに通知情報を送信する。このような構成により、適切なユーザに適切な情報を通知することが可能となる。
【0018】
「ハードウエア構成」
次に、通知装置のハードウエア構成の一例を説明する。通知装置の各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0019】
図1は、通知装置のハードウエア構成を例示するブロック図である。
図1に示すように、通知装置は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。通知装置は周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、通知装置は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。この場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0020】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ、カメラ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク、物理ボタン、タッチパネル等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0021】
「機能構成」
次に、通知装置の機能構成を説明する。
図2に、通知装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、通知装置10は、活動範囲推定部11と、通知部12とを有する。
【0022】
活動範囲推定部11は、ソーシャルメディアのアカウントに紐付けてインターネット上で公開されている公開情報に基づき、アカウントのユーザの活動範囲を示す場所情報を生成する。
【0023】
「公開情報」は、ソーシャルメディアで各ユーザに紐付けて公開されているあらゆる情報を含むことができる。例えば、公開情報は、各ユーザのプロフィール、各ユーザが投稿した投稿物、ソーシャルメディア上での他のユーザとの関係を示す関係情報、ソーシャルメディア上で各ユーザと所定の関係を有する他のユーザのプロフィール、当該他のユーザが投稿した投稿物の中の少なくとも一つを含む。
【0024】
「プロフィール」に含まれる項目はソーシャルメディア毎に異なり得るが、例えば、ユーザ名、ニックネーム、性別、生年月日、国籍、年齢(又は年代)、出身地、現在の居住地、所属、出身校等を含んでもよい。
【0025】
「投稿物」は、メッセージ、静止画像、動画像、音声等である。
【0026】
「関係情報」は、ソーシャルメディア上での他のユーザとの繋がりを示す情報である。例えば、関係情報は、各ユーザと相互フォローの関係にある他のユーザ、各ユーザがフォローしている他のユーザ、各ユーザをフォローしている他のユーザ、各ユーザとメッセージの交換歴のある他のユーザの中の少なくとも1つを示してもよい。
【0027】
「各ユーザと所定の関係を有する他のユーザ」は、例えば、各ユーザと相互フォローの関係にある他のユーザ、各ユーザがフォローしている他のユーザ、及び各ユーザをフォローしている他のユーザ、各ユーザとメッセージの交換歴のある他のユーザの中の少なくとも1つである。
【0028】
「活動範囲」は、実世界においてユーザが活動する地理的範囲であり、市区町村やそれよりも広い範囲、又はそれよりも狭い範囲で示される。
【0029】
活動範囲推定部11は、ソーシャルメディアのサービスを提供するサーバから、上記公開情報を取得する。そして、活動範囲推定部11は、取得した公開情報に基づき、各アカウントのユーザの活動範囲を示す場所情報を生成する。各アカウントのユーザの活動範囲の算出の仕方は特段制限されず、例えば特許文献3、非特許文献1乃至非特許文献4に開示されている技術等のあらゆる技術を採用することができる。
【0030】
なお、活動範囲推定部11は、同一ユーザによって所有されている複数のアカウントを特定してもよい。そして、あるアカウントのユーザの活動範囲の算出において、そのアカウントに紐付けて公開されている公開情報のみならず、そのユーザの他のアカウントに紐付けて公開されている公開情報もさらに利用してもよい。より多くの公開情報を利用することで、活動範囲の推定精度が向上する。同一ユーザによって所有されている複数のアカウントの特定の仕方は特段制限されず、例えば特許文献4乃至特許文献6、非特許文献5及び非特許文献6に開示されている技術等のあらゆる技術を採用することができる。
【0031】
通知部12は、活動範囲推定部11によって生成された場所情報が第1の通知条件を満たすアカウントのユーザに、通知情報を送信する。
【0032】
「通知情報」は、災害、事故、事件、火事、渋滞等のトラブルに巻き込まれないように注意喚起する情報である。通知情報は、テキストデータ、静止画像データ、動画像データ、音声データ等で構成される。
【0033】
「第1の通知条件」は、場所情報で示される活動範囲が通知対象エリアと所定の関係にあることであり、例えば「場所情報で示される活動範囲の少なくとも一部が通知対象エリアに含まれる」又は「場所情報で示される活動範囲の全てが通知対象エリアに含まれる」等である。
【0034】
「通知対象エリア」は、通知の対象となるエリアである。通知装置10が外部サーバ等から取得した所定の情報に基づき通知対象エリアを決定してもよいし、通知装置10のオペレータが通知対象エリアを示す情報を通知装置10に入力してもよい。
【0035】
ここで、通知情報と通知対象エリアの例を説明する。
【0036】
-例1-
この例の場合、通知情報は、地震発生に応じて注意喚起する情報である。この場合の通知情報の例として、「9時15分に地震が発生しました。震源は〇〇であり、〇〇市の震度は4です。余震に注意してください。」等が例示される。この場合の通知対象エリアは、その地震の影響を受けるエリアであり、例えば震度が基準値以上のエリアであってもよい。
【0037】
この例の場合、通知部12は、外部サーバ(地震情報を提供するサーバ)から各地域の震度を示す情報を取得し、その情報に基づき、通知対象エリアを決定してもよい。その他、通知装置10のオペレータが、通知対象エリアを示す情報を通知装置10に入力してもよい。
【0038】
-例2-
この例の場合、通知情報は、交通事故、道路工事、道路清掃等の道路上での作業発生に応じて注意喚起する情報である。この場合の通知情報の例として、「10時3分に〇〇交差点で交通事故が発生しました。しばらくの間、周辺で渋滞が予測されます。」、「10時~15時の間、〇〇交差点で道路工事を行います。その間、周辺で渋滞が予測されます。」、「10時~11時の間、〇〇交差点で道路清掃を行います。その間、周辺で渋滞が予測されます。」等が例示される。この場合の通知対象エリアは、その作業発生地点の周辺エリアである。
【0039】
この例の場合、通知部12は、外部サーバ(交通事故情報を提供するサーバ、道路工事や道路清掃のスケジュールを提供するサーバ)から交通事故、道路工事、道路清掃等に関する情報(発生地点を示す情報、スケジュール等)を取得し、その情報に基づき、通知対象エリアを決定してもよい。その他、通知装置10のオペレータが、通知対象エリアを示す情報を通知装置10に入力してもよい。
【0040】
-例3-
この例の場合、通知情報は、ひったくり、強盗、空き巣、誘拐等の事件発生に応じて注意喚起する情報である。この場合の通知情報の例として、「10時18分に〇〇町でひったくり事件が発生しました。注意してください。」等が例示される。この場合の通知対象エリアは、その事件発生地点の周辺エリアである。
【0041】
この例の場合、通知部12は、外部サーバ(事件情報を提供するサーバ)から事件に関する情報(発生地点を示す情報等)を取得し、その情報に基づき、通知対象エリアを決定してもよい。その他、通知装置10のオペレータが、通知対象エリアを示す情報を通知装置10に入力してもよい。
【0042】
-例4-
この例の場合、通知情報は、火事発生に応じて注意喚起する情報である。この場合の通知情報の例として、「10時21分に〇〇町で火事が発生しました。危険ですので注意してください。また、周辺で渋滞が予測されます。」等が例示される。この場合の通知対象エリアは、その火事発生地点の周辺エリアである。
【0043】
この例の場合、通知部12は、外部サーバ(火事情報を提供するサーバ)から火事に関する情報(発生地点を示す情報等)を取得し、その情報に基づき、通知対象エリアを決定してもよい。その他、通知装置10のオペレータが、通知対象エリアを示す情報を通知装置10に入力してもよい。
【0044】
-例5-
この例の場合、通知情報は、闇バイト、振り込め詐欺等に巻き込まれないように注意喚起する情報である。定期的に(1週間に1回、1日1回)、当該通知情報が送信されてもよいし、通知装置10のオペレータが送信指示を入力したタイミングで当該通知情報が送信されてもよい。この場合の通知情報の例として、「最近、闇バイトに関連する事件が増えています。巻き込まれないように気を付けてください。」、「最近、振り込め詐欺が増えています。巻き込まれないように気を付けてください。」等が例示される。この場合の通知対象エリアは、例えば通知情報を用いた注意喚起を行う機関の管轄区域である。
【0045】
この例の場合、通知装置10のオペレータが、通知対象エリアを示す情報を通知装置10に入力してもよい。
【0046】
所定のユーザへの通知情報の送信は、ソーシャルメディアのサービスを利用して実現されてもよい。すなわち、通知情報送信用として、ソーシャルメディアのアカウントが予め用意されていてもよい。そして、通知部12は、当該アカウントを利用して、所定のユーザのアカウントに通知情報を送信してもよい。その他、各アカウントのユーザのその他の連絡先(例えば、電子メールアドレス、電話番号、他のアプリケーションのユーザ識別情報等)が取得可能である場合(例えば、アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている公開情報に含まれる、予め通知装置10に登録されている等)、通知部12は、電子メールの送信、電話の発信、他のアプリケーションを利用した通知(プッシュ通知等)等の手段で、通知情報を所定のユーザに通知してもよい。
【0047】
次に、
図3のフローチャートを用いて、通知装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0048】
所定のイベントの発生に応じて、以下の処理が開始される。所定のイベントは、災害、事故、事件、火事、渋滞等のトラブルの発生、道路工事や道路清掃等の開始、道路工事や道路清掃等の開始より所定時間前の時点の到達(開始30分前等)、オペレータによる処理開始指示入力、予め定められたタイミングの到来等である。
【0049】
処理が開始されると、通知装置10は、アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている公開情報に基づき、アカウントのユーザの活動範囲を示す場所情報を生成する(S10)。そして、通知装置10は、場所情報が第1の通知条件を満たすアカウントを抽出する(S11)。次いで、通知装置10は、抽出したアカウントのユーザに通知情報を送信する(S12)。
【0050】
なお、ここでは所定のイベントの発生に応じてS10の処理を実行したが、変形例として、所定のイベントの発生前にS10の処理を実行し、複数のアカウントのユーザ各々の活動範囲を示す場所情報を生成しておいてもよい。そして、所定のイベントの発生に応じて、予め生成しておいた場所情報に基づき、S11及びS12の処理を実行してもよい。
【0051】
「作用効果」
本実施形態の通知装置10によれば、アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている公開情報に基づきアカウントのユーザの活動範囲を示す場所情報を生成し、場所情報が第1の通知条件を満たすアカウントのユーザに通知情報を送信することができる。このような通知装置10によれば、適切なユーザのみに適切な情報を通知することができる。結果、すべてのユーザにすべての情報を通知する場合に比べて、コンピュータの処理負担を軽減できる。また、ユーザに送信する情報を真に必要な情報のみに絞ることができるので、通知される情報に対するユーザの注意力が低下する不都合を抑制し、通知される情報をユーザが見落とす不都合を抑制できる。
【0052】
なお、GPS(global positioning system)を利用して取得したユーザの位置情報でなく、インターネット上で公開されている公開情報に基づき推定したユーザの活動範囲が所定条件を満たすか否か判断する場合、通知対象であるユーザの絞り込みの精度が上がるという効果が得られる。
【0053】
<第2の実施形態>
本実施形態の通知装置10は、第1の実施形態で説明した活動範囲の条件を満たし、かつ、所定の条件を満たす投稿を行っているアカウントのユーザに、通知情報を送信する。すなわち、通知情報を送信するユーザがより絞り込まれる。このような通知装置10によれば、より適切なユーザのみに適切な情報を通知することができる。
【0054】
図4に、通知装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、通知装置10は、活動範囲推定部11と、通知部12と、投稿物解析部13とを有する。
【0055】
投稿物解析部13は、アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている投稿物に基づき、第2の通知条件を満たす投稿を行っているアカウントを抽出する。投稿物は、メッセージ、静止画像、動画像、音声等である。
【0056】
「第2の通知条件を満たす投稿」は、所定のキーワードを含むテキストデータの投稿、所定の内容のテキストデータの投稿、所定のキーワードを含む音声データの投稿、所定の内容の音声データの投稿、所定の状況を示す静止画像データの投稿、及び所定の状況を示す動画像データの投稿の中の少なくとも1つを含む。
【0057】
「所定のキーワード」は、災害、事故、事件、火事、渋滞等に関連するキーワードであり、「地震」、「火事」、「台風」、「豪雨」、「交通事故」、「〇〇町」、「〇〇交差点」、「ひったくり」、「強盗」、「空き巣」、「誘拐」、「闇バイト」、「振り込め詐欺」等が例示されるが、これらに限定されない。
【0058】
「所定の内容」は、災害、事故、事件、火事、渋滞等を示す内容である。あらゆる自然言語処理の技術を利用して、テキストデータや音声データに含まれるメッセージの内容を特定することができる。
【0059】
「所定の状況」は、災害、事故、事件、火事、渋滞等である。あらゆる画像解析技術(機械学習、ディープラーニング、特徴量マッチング等)を利用して、静止画像データや動画像データがこれらの状況を示している特定することができる。
【0060】
なお、第2の通知条件を満たす投稿は、上記条件に加えて、さらに時間的条件を満たす投稿であってもよい。時間的条件は、例えば「直近所定期間以内に投稿されたこと」である。
【0061】
「所定期間」は、発生したトラブルに関連した投稿が行われる期間、発生したトラブルの影響が継続する時間等を考慮して予め設定される。所定期間は、通知情報毎に設定されてもよい。例えば、地震の発生に応じて送信される通知情報に対応する所定期間、ひったくり、強盗、空き巣、誘拐等の各種事件各々の発生に応じて送信される通知情報に対応する所定期間、闇バイトや振り込め詐欺等の各種キーワード各々の検出に応じて送信される通知情報に対応する所定期間のように、通知情報毎に所定期間が設定されてもよい。
【0062】
例えば、第2の通知条件を満たす投稿は、直近所定期間以内における所定のキーワードを含むテキストデータの投稿、及び直近所定期間以内における所定のキーワードを含む音声データの投稿の中の少なくとも1つを含んでもよい。そして、所定期間は、所定のキーワード毎に異なってもよい。
図5に、各種キーワード毎に所定期間を定めた情報の一例を模式的に示す。投稿物解析部13は、例えば
図5に示すような情報に基づき、所定期間を特定することができる。
【0063】
その他、第2の通知条件を満たす投稿は、直近所定期間以内における所定の内容のテキストデータの投稿、及び直近所定期間以内における所定の内容の音声データの投稿の中の少なくとも1つを含んでもよい。そして、所定期間は、所定の内容毎に異なってもよい。
【0064】
その他、第2の通知条件を満たす投稿は、直近所定期間以内における所定の状況を示す静止画像データの投稿、及び直近所定期間以内における所定の状況を示す動画像データの投稿の中の少なくとも1つを含んでもよい。そして、所定期間は、所定の状況毎に異なってもよい。
【0065】
通知部12は、場所情報が第1の通知条件を満たし、かつ、第2の通知条件を満たす投稿を行っているアカウントのユーザに、通知情報を送信する。
【0066】
次に、
図6のフローチャートを用いて、通知装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0067】
所定のイベントの発生に応じて、以下の処理が開始される。所定のイベントは、災害、事故、事件、火事、渋滞等のトラブルの発生、道路工事や道路清掃等の開始、道路工事や道路清掃等の開始より所定時間前の時点の到達(開始30分前等)、オペレータによる処理開始指示入力、予め定められたタイミングの到来等である。
【0068】
処理が開始されると、通知装置10は、アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている投稿物に基づき、第2の通知条件を満たす投稿を行っているアカウントを抽出する(S20)。
【0069】
次いで、通知装置10は、S20で抽出したアカウントに紐付けてインターネット上で公開されている公開情報に基づき、S20で抽出したアカウントのユーザの活動範囲を示す場所情報を生成する(S21)。そして、通知装置10は、S20で抽出したアカウントの中から、場所情報が第1の通知条件を満たすアカウントを抽出する(S22)。次いで、通知装置10は、抽出したアカウントのユーザに通知情報を送信する(S23)。
【0070】
なお、ここでは所定のイベントの発生に応じてS21の処理を実行したが、変形例として、所定のイベントの発生前にS21の処理を実行し、複数のアカウントのユーザ各々の活動範囲を示す場所情報を生成しておいてもよい。そして、所定のイベントの発生に応じて、予め生成しておいた場所情報に基づき、S20、S22及びS23の処理をこの順に実行してもよい。
【0071】
本実施形態の通知装置10のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0072】
本実施形態の通知装置10によれば、第1の実施形態の通知装置10と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の通知装置10によれば、活動範囲の条件を満たし、かつ、所定の条件を満たす投稿を行っているアカウントのユーザに、通知情報を送信することができる。結果、より適切なユーザのみに適切な情報を通知することが可能となる。
【0073】
<第3の実施形態>
本実施形態の通知装置10は、第1の実施形態で説明した活動範囲の条件を満たし、かつ、公開情報に基づき特定される属性情報が所定の条件を満たすアカウントのユーザに、通知情報を送信する。すなわち、通知情報を送信するユーザがより絞り込まれる。このような通知装置10によれば、より適切なユーザのみに適切な情報を通知することができる。
【0074】
図7に、通知装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、通知装置10は、活動範囲推定部11と、通知部12と、属性特定部14とを有する。
【0075】
属性特定部14は、アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている公開情報に基づき、アカウントのユーザの属性情報を特定する。公開情報は、第1の実施形態で説明した通りである。
【0076】
「属性情報」は、性別、生年月日、国籍、年齢(又は年代)、出身地、現在の居住地、所属、出身校等を含む。所属は、学生、社会人等、ユーザが所属するカテゴリを示す。
【0077】
通知部12は、場所情報が第1の通知条件を満たし、かつ、属性情報が第3の通知条件を満たすアカウントのユーザに、通知情報を送信する。
【0078】
「第3の通知条件」は、属性情報に含まれる項目に基づき決定される。第3の通知条件の一例として、「未成年」、「学生」、「未成年の女性」、「学生の女性」、「未成年の男性」、「学生の男性」等が例示されるが、これらに限定されない。
【0079】
なお、第3の通知条件は、通知情報毎に設定されてもよい。例えば、地震の発生に応じて送信される通知情報に対応する第3の通知条件、ひったくり、強盗、空き巣、誘拐等の各種事件各々の発生に応じて送信される通知情報に対応する第3の通知条件、闇バイトや振り込め詐欺等の各種キーワード各々の検出に応じて送信される通知情報に対応する第3の通知条件等のように、通知情報毎に第3の通知条件が設定されてもよい。
【0080】
次に、
図8のフローチャートを用いて、通知装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0081】
所定のイベントの発生に応じて、以下の処理が開始される。所定のイベントは、災害、事故、事件、火事、渋滞等のトラブルの発生、道路工事や道路清掃等の開始、道路工事や道路清掃等の開始より所定時間前の時点の到達(開始30分前等)、オペレータによる処理開始指示入力、予め定められたタイミングの到来等である。
【0082】
処理が開始されると、通知装置10は、アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている公開情報に基づき、アカウントのユーザの活動範囲を示す場所情報を生成するとともに、ユーザの属性情報を特定する(S30)。そして、通知装置10は、場所情報が第1の通知条件を満たし、かつ、属性情報が第3の通知条件を満たすアカウントを抽出する(S31)。次いで、通知装置10は、抽出したアカウントのユーザに通知情報を送信する(S32)。
【0083】
なお、ここでは所定のイベントの発生に応じてS30の処理を実行したが、変形例として、所定のイベントの発生前にS30の処理を実行し、複数のアカウントのユーザ各々の活動範囲を示す場所情報を生成しておいてもよい。そして、所定のイベントの発生に応じて、予め生成しておいた場所情報に基づき、S31及びS32の処理を実行してもよい。
【0084】
本実施形態の通知装置10のその他の構成は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0085】
本実施形態の通知装置10によれば、第1及び第2の実施形態の通知装置10と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の通知装置10によれば、活動範囲の条件を満たし、かつ、属性情報の条件を満たすアカウントのユーザに、通知情報を送信することができる。結果、より適切なユーザのみに適切な情報を通知することが可能となる。
【0086】
<第4の実施形態>
本実施形態の通知装置10は、第1の実施形態で説明した活動範囲の条件を満たし、第2の実施形態で説明した投稿の条件を満たし、かつ、第3の実施形態で説明した属性情報の条件を満たすアカウントのユーザに、通知情報を送信する。すなわち、通知情報を送信するユーザがより絞り込まれる。このような通知装置10によれば、より適切なユーザのみに適切な情報を通知することができる。
【0087】
図9に、通知装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、通知装置10は、活動範囲推定部11と、通知部12と、投稿物解析部13と、属性特定部14とを有する。
【0088】
次に、
図10のフローチャートを用いて、通知装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0089】
所定のイベントの発生に応じて、以下の処理が開始される。所定のイベントは、災害、事故、事件、火事、渋滞等のトラブルの発生、道路工事や道路清掃等の開始、道路工事や道路清掃等の開始より所定時間前の時点の到達(開始30分前等)、オペレータによる処理開始指示入力、予め定められたタイミングの到来等である。
【0090】
処理が開始されると、通知装置10は、アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている投稿物に基づき、第2の通知条件を満たす投稿を行っているアカウントを抽出する(S40)。
【0091】
次いで、通知装置10は、S40で抽出したアカウントに紐付けてインターネット上で公開されている公開情報に基づき、S40で抽出したアカウントのユーザの活動範囲を示す場所情報を生成するとともに、ユーザの属性情報を特定する(S41)。そして、通知装置10は、S40で抽出したアカウントの中から、場所情報が第1の通知条件を満たし、かつ、属性情報が第3の通知条件を満たすアカウントを抽出する(S42)。次いで、通知装置10は、抽出したアカウントのユーザに通知情報を送信する(S43)。
【0092】
なお、ここでは所定のイベントの発生に応じてS41の処理を実行したが、変形例として、所定のイベントの発生前にS41の処理を実行し、複数のアカウントのユーザ各々の活動範囲を示す場所情報を生成しておいてもよい。そして、所定のイベントの発生に応じて、予め生成しておいた場所情報に基づき、S40、S42及びS43の処理をこの順に実行してもよい。
【0093】
本実施形態の通知装置10のその他の構成は、第1乃至第3の実施形態と同様である。
【0094】
本実施形態の通知装置10によれば、第1乃至第3の実施形態の通知装置10と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の通知装置10によれば、活動範囲の条件を満たし、投稿の条件を満たし、かつ、属性情報の条件を満たすアカウントのユーザに、通知情報を送信することができる。結果、より適切なユーザのみに適切な情報を通知することが可能となる。
【0095】
<第5の実施形態>
本実施形態の通知装置10は、第1乃至第4の実施形態で説明した手法で特定したアカウントのユーザに加えて、そのユーザと所定関係を満たすユーザにも通知情報を送信する点で、第1乃至第4の実施形態と異なる。
【0096】
通知部12は、第1乃至第4の実施形態で説明した通り、「場所情報が第1の通知条件を満たすアカウントのユーザ」、「場所情報が第1の通知条件を満たし、かつ、第2の通知条件を満たす投稿を行っているアカウントのユーザ」、「場所情報が第1の通知条件を満たし、かつ、属性情報が第3の通知条件を満たすアカウントのユーザ」又は「場所情報が第1の通知条件を満たし、属性情報が第3の通知条件を満たし、かつ、第2の通知条件を満たす投稿を行っているアカウントのユーザ」に、通知情報を送信する。
【0097】
そして、通知部12は、上記アカウントのユーザに加えて、そのユーザと所定関係を有するユーザにも通知情報を送信する。
【0098】
「そのユーザと所定関係を有するユーザ」は、そのユーザと相互フォローの関係にあるユーザ、そのユーザがフォローしているユーザ、そのユーザをフォローしているユーザ、そのユーザとメッセージの交換歴のあるユーザの中の少なくとも1つであってもよい。
【0099】
本実施形態の通知装置10のその他の構成は、第1乃至第4の実施形態と同様である。
【0100】
本実施形態の通知装置10によれば、第1乃至第4の実施形態の通知装置10と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の通知装置10によれば、活動範囲の条件等を満たすアカウントのユーザに加えて、そのユーザと所定関係を有するユーザにも、通知情報を送信することができる。結果、より適切なユーザのみに適切な情報を通知することが可能となる。
【0101】
<適用例>
以下、第1乃至第5の実施形態の通知装置10を適用した例を説明する。なお、あくまで一例であり、当該例に限定されない。
【0102】
-適用例1-
当該例では、通知装置10は、「地震」、「台風」及び「豪雨」等のキーワードを含むテキストデータや音声データ、またはそのような状況を示す静止画像や動画像を投稿しており、かつ活動範囲が「津波」、「川の氾濫」、「浸水」、「土砂崩れ」等のリスクが所定レベル以上であるエリアに含まれるアカウントのユーザに、通知情報を送信するよう構成される。通知装置10は、例えば所定のサーバが提供している情報を取得し、その情報に基づき、「津波」、「川の氾濫」、「浸水」、「土砂崩れ」等のリスクが所定レベル以上であるエリアを特定することができる。所定のサーバが提供している情報は、例えば上記リスクが所定レベル以上であるエリアを示す情報である。
【0103】
-適用例2-
当該例では、通知装置10は、通知情報を用いた注意喚起を行う保険会社からの依頼に基づき、通知処理を行う。通知装置10は、「地震」、「台風」及び「豪雨」等のキーワードを含むテキストデータや音声データ、またはそのような状況を示す静止画像や動画像を投稿しており、かつ活動範囲が「津波」、「川の氾濫」、「浸水」、「土砂崩れ」等のリスクが所定レベル以上であるエリアに含まれ、かつ属性情報が「保険契約者」を満たすアカウントのユーザに、通知情報を送信するよう構成される。通知装置10は、例えば所定のサーバが提供している情報を取得し、その情報に基づき、「津波」、「川の氾濫」、「浸水」、「土砂崩れ」等のリスクが所定レベル以上であるエリアを特定することができる。所定のサーバが提供している情報は、例えば上記リスクが所定レベル以上であるエリアを示す情報である。属性情報が保険契約者を満たすアカウントのユーザの検出は、例えば予め用意された保険契約者のデータベースを用いて実現される。当該データベースには、保険契約者のアカウント情報やメールアドレス等が登録されている。通知装置10は、このデータベースに登録されているか否かを判定することにより、各アカウントのユーザが保険契約者か否かを判定できる。
【0104】
-適用例3-
当該例では、通知装置10は、「闇バイト」、「振り込め詐欺」、「ドラッグ」等のキーワードを含むテキストデータを投稿しており、かつ活動範囲が通知情報を用いた注意喚起を行う機関の管轄区域であり、かつ属性情報が「学生」及び「未成年」の少なくとも一方を満たすアカウントのユーザに、通知情報を送信するよう構成される。
【0105】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。上述した実施形態の構成は、互いに組み合わせたり、一部の構成を他の構成に入れ替えたりしてもよい。また、上述した実施形態の構成は、趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。また、上述した各実施形態や変形例に開示される構成や処理を互いに組み合わせてもよい。
【0106】
なお、本明細書において、「取得」とは、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータを取りに行くこと(能動的な取得)」、たとえば、他の装置にリクエストまたは問い合わせして受信すること、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等、および、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置に他の装置から出力されるデータを入力すること(受動的な取得)」、たとえば、配信(または、送信、プッシュ通知等)されるデータを受信すること、また、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、及び、「データを編集(テキスト化、データの並び替え、一部データの抽出、ファイル形式の変更等)などして新たなデータを生成し、当該新たなデータを取得すること」の少なくともいずれか一方を含む。
【0107】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている公開情報に基づき、前記アカウントのユーザの活動範囲を示す場所情報を生成する活動範囲推定手段と、
前記場所情報が第1の通知条件を満たす前記アカウントのユーザに、通知情報を送信する通知手段と、
を有する通知装置。
2. 前記アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている投稿物に基づき、第2の通知条件を満たす投稿を行っている前記アカウントを抽出する投稿物解析手段をさらに有し、
前記通知手段は、前記場所情報が前記第1の通知条件を満たし、かつ、前記第2の通知条件を満たす投稿を行っている前記アカウントのユーザに、前記通知情報を送信する1に記載の通知装置。
3. 前記公開情報に基づき、前記アカウントのユーザの属性情報を特定する属性特定手段をさらに有し、
前記通知手段は、前記場所情報が前記第1の通知条件を満たし、かつ、前記属性情報が第3の通知条件を満たす前記アカウントのユーザに、前記通知情報を送信する1に記載の通知装置。
4. 前記アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている投稿物に基づき、第2の通知条件を満たす投稿を行っている前記アカウントを抽出する投稿物解析手段をさらに有し、
前記通知手段は、前記場所情報が前記第1の通知条件を満たし、前記属性情報が前記第3の通知条件を満たし、かつ、前記第2の通知条件を満たす投稿を行っている前記アカウントのユーザに、前記通知情報を送信する3に記載の通知装置。
5. 前記第2の通知条件を満たす投稿は、所定のキーワードを含むテキストデータの投稿、所定の内容のテキストデータの投稿、前記所定のキーワードを含む音声データの投稿、前記所定の内容の音声データの投稿、所定の状況を示す静止画像データの投稿、及び前記所定の状況を示す動画像データの投稿の中の少なくとも1つを含む2又は4に記載の通知装置。
6. 前記第2の通知条件を満たす投稿は、直近所定期間以内における、前記所定のキーワードを含むテキストデータの投稿、及び前記所定のキーワードを含む音声データの投稿の中の少なくとも1つを含み、
前記所定期間は、前記所定のキーワード毎に異なる5に記載の通知装置。
7. 前記第2の通知条件を満たす投稿は、直近所定期間以内における、前記所定の内容のテキストデータの投稿、及び前記所定の内容の音声データの投稿の中の少なくとも1つを含み、
前記所定期間は、前記所定の内容毎に異なる5に記載の通知装置。
8. 前記第2の通知条件を満たす投稿は、直近所定期間以内における、前記所定の状況を示す静止画像データの投稿、及び前記所定の状況を示す動画像データの投稿の中の少なくとも1つを含み、
前記所定期間は、前記所定の状況毎に異なる5に記載の通知装置。
9. 前記通知手段は、前記場所情報が前記第1の通知条件を満たす前記アカウントのユーザに加えて、前記場所情報が前記第1の通知条件を満たす前記アカウントのユーザと所定関係を満たすユーザにも前記通知情報を送信する1から8のいずれかに記載の通知装置。
10. コンピュータが、
アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている公開情報に基づき、前記アカウントのユーザの活動範囲を示す場所情報を生成する活動範囲推定工程と、
前記場所情報が第1の通知条件を満たす前記アカウントのユーザに、通知情報を送信する通知工程と、
を実行する通知方法。
11. コンピュータを、
アカウントに紐付けてインターネット上で公開されている公開情報に基づき、前記アカウントのユーザの活動範囲を示す場所情報を生成する活動範囲推定手段、
前記場所情報が第1の通知条件を満たす前記アカウントのユーザに、通知情報を送信する通知手段、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0108】
10 通知装置
11 活動範囲推定部
12 通知部
13 投稿物解析部
14 属性特定部
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス