(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】ヘッドホンシステムとヘッドホンとヘッドホン用充電器
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20250527BHJP
H04R 1/10 20060101ALI20250527BHJP
【FI】
H02J7/02 U
H04R1/10 101B
H04R1/10 104E
(21)【出願番号】P 2024543328
(86)(22)【出願日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 JP2023044996
(87)【国際公開番号】W WO2024202306
(87)【国際公開日】2024-10-03
【審査請求日】2024-07-24
(31)【優先権主張番号】P 2023047756
(32)【優先日】2023-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000128566
【氏名又は名称】株式会社オーディオテクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】犬伏 直生
(72)【発明者】
【氏名】森本 康之
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-057961(JP,A)
【文献】国際公開第2020/017128(WO,A1)
【文献】特開2014-085298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/02
H04R 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドホンと、
前記ヘッドホンを充電する充電器と、
前記ヘッドホンと前記充電器との少なくともいずれか一方の充電状態を点滅して表示する表示灯と、
を有してなり、
前記表示灯は、前記ヘッドホンと前記充電器との少なくともいずれか一方が備え、
前記点滅の期間は、
前記表示灯の輝度が漸次増加する第1期間と、
前記輝度が漸次減少する第2期間と、
を含み、
前記第1期間と前記第2期間とは、交互に繰り返されて、
前記第1期間の長さは、前記第2期間の長さと異なる、
ことを特徴とするヘッドホンシステム。
【請求項2】
前記第1期間と前記第2期間との設定値を取得する取得部と、
前記設定値に基づいて、前記第1期間の長さと前記第2期間の長さとを決定する決定部と、
前記第1期間の長さと、前記第2期間の長さと、を記憶する記憶部と、
を有してなる、
請求項1記載のヘッドホンシステム。
【請求項3】
前記ヘッドホンと前記充電器とのいずれか一方は、
前記取得部と、
前記決定部と、
前記記憶部と、
を備える、
請求項2記載のヘッドホンシステム。
【請求項4】
前記取得部は、前記設定値を、ユーザに操作される外部機器から取得する、
請求項2記載のヘッドホンシステム。
【請求項5】
前記第1期間の開始時点と前記第2期間の終了時点とにおける前記表示灯は、点灯していて、
前記第1期間の
前記開始時点と前記第2期間の
前記終了時点とにおける前記輝度は、前記第1期間の終了時点と前記第2期間の開始時点とにおける前記輝度の5%から15%の間である、
請求項1記載のヘッドホンシステム。
【請求項6】
前記第1期間は、
前記点滅の期間における1回目の前記第1期間と、
前記点滅の期間における2回目の前記第1期間と、
を含み、
前記1回目の前記第1期間の終了時点における前記表示灯の前記輝度は、前記2回目の前記第1期間の終了時点における前記表示灯の前記輝度より小さい、
請求項1記載のヘッドホンシステム。
【請求項7】
前記第1期間の長さは、1秒で、
前記第2期間の長さは、2秒である、
請求項1記載のヘッドホンシステム。
【請求項8】
充電式蓄電池と、
前記充電式蓄電池の充電状態を点滅して表示する表示灯と、
を有してなり、
前記点滅の期間は、
前記表示灯の輝度が漸次増加する第1期間と、
前記輝度が漸次減少する第2期間と、
を含み、
前記第1期間と前記第2期間とは、交互に繰り返されて、
前記第1期間の長さは、前記第2期間の長さと異なる、
ことを特徴とするヘッドホン。
【請求項9】
ヘッドホンに供給される電力を蓄電する充電式蓄電池と、
前記充電式蓄電池の充電状態を点滅して表示する表示灯と、
を有してなり、
前記点滅の期間は、
前記表示灯の輝度が漸次増加する第1期間と、
前記輝度が漸次減少する第2期間と、
を含み、
前記第1期間と前記第2期間とは、交互に繰り返されて、
前記第1期間の長さは、前記第2期間の長さと異なる、
ことを特徴とするヘッドホン用充電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドホンシステムとヘッドホンとヘッドホン用充電器とに関する。
【背景技術】
【0002】
完全ワイヤレスヘッドホン(イヤホン)は、ケーブルで接続されていない左右の放音ユニットを、備える。各放音ユニットは、自身の動作用の電力を蓄電するバッテリーを、備える。
【0003】
各放音ユニットや充電器は、バッテリーの充電時に点滅する表示灯を、備える。
【0004】
バッテリーの充電時に点滅する表示灯を備えるヘッドホンシステムに関する技術は、これまでにも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ここで、例えば、表示灯の点滅は、表示灯に内蔵された光源の光の明るさ(輝度)の漸次増加と漸次減少とが繰り返されて、実現される。
【0006】
輝度が漸次増加する期間(以下「ランプアップタイム」という。)の長さは、輝度が漸次減少する期間(以下「ランプダウンタイム」という。)の長さと、等しい。ランプアップタイムの長さと、ランプダウンタイムの長さと、が等しいとき、表示灯の点滅は、ユーザに、人工的な印象を、与える。すなわち、ユーザは、同点滅を心地よく感じない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、バッテリーの充電時の新たな点滅態様を備えるヘッドホンシステムとヘッドホンとヘッドホン用充電器とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るヘッドホンシステムは、ヘッドホンと、ヘッドホンを充電する充電器と、ヘッドホンと充電器との少なくともいずれか一方の充電状態を点滅して表示する表示灯と、を有してなり、表示灯は、ヘッドホンと充電器との少なくともいずれか一方が備え、点滅の期間は、表示灯の輝度が漸次増加する第1期間と、輝度が漸次減少する第2期間と、を含み、第1期間と第2期間とは、交互に繰り返されて、第1期間の長さは、第2期間の長さと異なる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、バッテリーの充電時の新たな点滅態様を備えるヘッドホンシステムとヘッドホンとヘッドホン用充電器とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係るヘッドホンシステムの実施の形態を示す斜視図である。
【
図2】
図1のヘッドホンシステムの機能ブロック図である。
【
図3】
図1のヘッドホンシステムと接続する情報処理装置の操作画面の模式図である。
【
図4】
図1のヘッドホンシステムが備える表示灯の点滅態様を示すグラフである。
【
図5】上記表示灯の別の点滅態様を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係るヘッドホンシステム(以下「本システム」という。)とヘッドホン(以下「本ヘッドホン」という。)とヘッドホン用充電器(以下「本充電器」という。)との実施の形態は、以下に、図面と共に説明される。
【0013】
本システムは、本ヘッドホンと、本充電器と、を有してなる。本システムは、ヘッドホンシステム用プログラムが動作する情報処理装置と、通信ネットワークを介して接続する。
【0014】
●本システムの実施の形態(1)●
●本システム(1)の構成
以下の説明は、本ヘッドホンが本充電器に収容されて充電されている間に、本充電器が備える表示灯が点滅する例である。
【0015】
図1は、本システムの実施の形態を示す斜視図である。
【0016】
同図は、本システム1を構成するヘッドホン2(左放音ユニット20Lと、右放音ユニット20R)が、本システム1を構成する充電器3に収容されている状態を、示す。ヘッドホン2は、本ヘッドホンの例である。充電器3は、本充電器の例である。
【0017】
同図は、充電器3の蓋が開いている状態を、示す。
【0018】
図2は、本システムの実施の形態を示す機能ブロック図である。
【0019】
図中、実線の矢印は、信号の流れを、示す。破線の矢印は、電力の流れを、示す。実線の両矢印は、電気的な接続を、示す。
【0020】
図中、S1は、検知信号を、示す。S2は、給電指示信号を、示す。S3は、点滅指示信号を、示す。S4は、点滅制御信号を、示す。各信号の詳細は、後述される。
【0021】
ヘッドホン2は、携帯型楽音再生機(再生装置)などの音源(不図示)からの音声信号に応じた音波を、出力する。ヘッドホン2は、左放音ユニット20Lと、右放音ユニット20Rと、を有してなる。各放音ユニット(20L,20R)は、接続部21と、受電部22と、蓄電池23と、を備える。
【0022】
充電器3は、ヘッドホン2を充電する。充電器3は、ヘッドホン2(左放音ユニット20L, 右放音ユニット20R)を、収容する。ヘッドホン2が充電器3に収容されたとき、ヘッドホン2は、充電器3と、接続する。ヘッドホン2と充電器3との接続(接触または非接触)は、電気的である。充電器3と接続したヘッドホン2は、充電される。充電器3は、検知部31と、蓄電池32と、送電部33と、充電制御部34と、受信部35と、決定部36と、記憶部37と、表示制御部38と、表示灯39と、を備える。
【0023】
スマートフォン4は、本システム1のユーザが後述されるランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2と、を設定するために操作する情報処理装置である。スマートフォン4は、本システム1と通信ネットワークを介して接続する。スマートフォン4は、入力部41と、特定部42と、送信部43と、を備える。情報処理装置であるスマートフォン4は、外部機器の例である。
【0024】
電源5は、蓄電池32に電力を給電する電力源である。
【0025】
●表示灯の点滅態様
図3は、本システムと接続する情報処理装置の操作画面の模式図である。
【0026】
同画面は、ユーザの指Fによるタッチ操作により、ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2とが入力(設定)される点灯間隔設定画面P1である。
【0027】
ランプアップタイムT1は、表示灯39に内蔵された光源の光の明るさ(以下、「輝度」という。)が漸次増加する期間である。ユーザは、本システム1と接続するスマートフォン4の操作画面に表示された点灯間隔設定画面P1に、ランプアップタイムT1を、入力する。ランプアップタイムT1は、本発明における第1期間の例である。
【0028】
ランプダウンタイムT2は、輝度が漸次減少する期間である。ユーザは、本システム1と接続するスマートフォン4の操作画面に表示された点灯間隔設定画面P1に、ランプダウンタイムT2を、入力する。ランプダウンタイムT2の長さは、ランプアップタイムT1の長さと、異なる。ランプダウンタイムT2は、本発明における第2期間の例である。
【0029】
同図は、ランプアップタイムT1として「1秒」が入力されていることを、示す。
同図は、ランプダウンタイムT2として「2秒」が入力されていることを、示す。
【0030】
図4は、本システムが備える表示灯の点滅態様を示すグラフである。
図中、縦軸は、輝度(cd/m
2)の割合(%)を、示す。横軸は、経過時間(s)を、示す。
【0031】
ここで、輝度の割合は、表示灯39の最大輝度に対する割合である。すなわち、例えば、「輝度の割合が10%」は、表示灯39の輝度が最大輝度の10%であることを、示す。
【0032】
表示灯39の点滅は、輝度の漸次増加と輝度の漸次減少とが繰り返されて、実現される。すなわち、表示灯39の1回の点滅は、1のランプアップタイムT1と、1のランプダウンタイムT2と、で構成される。つまり、ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2とは、表示灯39の点滅の期間中、交互に繰り返される。換言すれば、表示灯39の点滅の期間は、ランプアップタイムT1と、ランプダウンタイムT2と、を含み得る。
【0033】
t0は、表示灯39の点灯時刻である。表示灯39の点灯時刻の輝度の割合は、0%である。
【0034】
t1とt3とは、ランプアップタイムT1の開始時刻(開始時点)である。ランプアップタイムT1の開始時刻の輝度の割合は、10%である。
【0035】
t2とt4とは、ランプダウンタイムT2の開始時刻である。ランプダウンタイムT2の開始時刻の輝度の割合は、100%である。
【0036】
t5は、ヘッドホン2の充電の完了時刻である。ヘッドホン2の充電の完了時刻の輝度の割合は、10%である。ヘッドホン2の充電が完了すると、表示灯39の点滅は、終了する。ヘッドホン2の充電が完了すると、輝度の割合は、100%に、変化する。表示灯39は、輝度の割合が100%のままで、所定時間(T3:時刻t5から時刻t6まで)点灯する。
【0037】
t6は、表示灯39の消灯時刻である。表示灯39が消灯するときの輝度の割合は、100%から0%に、変化する。
【0038】
時間T0は、時刻t0から時刻t1の期間である。輝度の割合は、所定時間(T0)、0%から10%まで漸次増加する。
【0039】
時間T1は、ランプアップタイムT1である。時間T1は、時刻t1から時刻t2までと、時刻t3から時刻t4までそれぞれの期間である。ランプアップタイムT1の開始時刻の輝度の割合は、10%である。輝度の割合は、ランプアップタイムT1の終了時刻(終了時点)まで漸次増加する。ランプアップタイムT1の終了時刻の輝度の割合は、100%である。
【0040】
時間T2は、ランプダウンタイムT2である。時間T2は、時刻t2から時刻t3までと、時刻t4から時刻t5までそれぞれの期間である。ランプダウンタイムT2の開始時刻の輝度の割合は、100%である。輝度の割合は、ランプダウンタイムT2の終了時刻まで漸次減少する。ランプダウンタイムT2の終了時刻の輝度の割合は、10%である。
【0041】
時間T3は、時刻t5から時刻t6までの期間である。輝度の割合は、所定時間(T3)、100%である。
【0042】
●ヘッドホンの構成
図2に戻る。
ヘッドホン2の具体的な構成は、以下に説明される。
【0043】
左放音ユニット20Lは、ユーザの左耳に装着されて、音源からの音声信号に応じた音波を出力する。左放音ユニット20Lは、充電器3に、収容される。
【0044】
右放音ユニット20Rは、ユーザの右耳に装着されて、音源からの音声信号に応じた音波を出力する。右放音ユニット20Rは、充電器3に、収容される。
【0045】
接続部21は、検知部31と、接続する。接続部21は、検知部31の検知端子(不図示)と接続する接続端子(不図示)を、備える。接続端子と検知端子との接続(接触または非接触)は、電気的である。接続部21の接続端子は、ヘッドホン2が充電器3に収容されたとき、検知部31の検知端子と、接続する。
【0046】
受電部22は、送電部33から電力を、受電する。受電部22に受電された電力は、蓄電池23に、給電される。
【0047】
蓄電池23は、受電部22から電力を、受電する。蓄電池23は、受電部22から受電した電力を、蓄電する。ヘッドホン2は、蓄電池23に蓄電された電力により、駆動する。蓄電池23は、本発明におけるヘッドホンが備える充電式蓄電池(バッテリー)の例である。
【0048】
●充電器の構成
充電器3の具体的な構成は、以下に説明される。
【0049】
検知部31は、ヘッドホン2が充電器3に収容されたことを、検知する。検知部31は、接続部21の接続端子と接続する検知端子を、備える。検知部31は、ヘッドホン2が充電器3に収容されている間、すなわち、検知部31の検知端子が接続部21の接続端子と接続している間、定期的に検知信号S1を、充電制御部34に、送信する。
【0050】
蓄電池32は、電源5から電力を、受電する。蓄電池32は、電源5から受電した電力を、蓄電する。蓄電池32に蓄電された電力は、送電部33を介してヘッドホン2に、給電される。蓄電池32は、本発明における充電器が備える充電式蓄電池(バッテリー)の例である。
【0051】
送電部33は、蓄電池32に蓄電されている電力を、受電部22に、給電する。
【0052】
充電制御部34は、送電部33から受電部22への電力の給電を、制御する。充電制御部34は、検知部31から検知信号S1を、受信する。充電制御部34は、検知信号S1を受信している間、定期的に給電指示信号S2を、送電部33に、送信する。給電指示信号S2は、受電部22に電力を給電するように、送電部33に指示する信号である。充電制御部34は、検知信号S1を受信している間、定期的に点滅指示信号S3を、表示制御部38に、送信する。点滅指示信号S3は、表示灯39に点滅制御信号S4を送信するように、表示制御部38に指示する信号である。点滅制御信号S4は、表示灯39の点滅・点灯を制御する信号である。
【0053】
受信部35は、ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2との設定値(以下、単に「設定値」という。)を、送信部43から、受信する。受信部35は、本発明における取得部の例である。
【0054】
決定部36は、設定値に基づいて、ランプアップタイムT1の長さと、ランプダウンタイムT2の長さと、を決定する。
【0055】
記憶部37は、決定部36により決定されたランプアップタイムT1の長さと、ランプダウンタイムT2の長さと、輝度に関する情報とを、ヘッドホン2の充電前にあらかじめ記憶している。輝度に関する情報は、ランプアップタイムT1やランプダウンタイムT2それぞれの開始時刻からの経過時間ごとの輝度の割合を、示す。輝度に関する情報は、ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2とに基づいて、決定部36に決定される。すなわち、例えば、決定部36は、ランプアップタイムT1が「1秒」のとき、輝度に関する情報として、ランプアップタイムT1の開始時刻から0.1秒ごとに輝度の割合が9%ずつ増加するように決定する。
【0056】
表示制御部38は、表示灯39の点滅を、制御する。表示制御部38は、点滅指示信号S3を、充電制御部34から受信する。表示制御部38は、点滅指示信号S3を受信している間、定期的に点滅制御信号S4を、表示灯39に、送信する。
【0057】
表示制御部38は、記憶部37に記憶されているランプアップタイムT1の長さと、ランプダウンタイムT2の長さと、輝度に関する情報と、を取得する。表示制御部38は、ランプアップタイムT1の長さとランプダウンタイムT2の長さと輝度に関する情報とを用いて、表示灯39の点滅を、制御する。すなわち、表示制御部38は、点滅期間中の表示灯39の輝度を制御する。
【0058】
表示灯39は、ヘッドホン2が備える蓄電池23の充電状態(充電中か否か)を、点滅して表示する。表示灯39は、LED(Light-Emitting Diode)である。表示灯39は、蓄電池23の充電状態が充電中であるとき、点滅する。表示灯39の点滅は、ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2とが繰り返されて、実現される。表示灯39は、蓄電池23が充電中ではないとき、消灯する。
表示灯39は、点滅制御信号S4を、表示制御部38から受信する。表示灯39は、点滅制御信号S4を受信している間、点滅する。すなわち、蓄電池23の充電状態は、表示灯39が点滅制御信号S4を受信しているとき、充電中である。
【0059】
このように、表示制御部38は、記憶部37に記憶されているランプアップタイムT1の長さと、ランプダウンタイムT2の長さと、輝度に関する情報と、を用いて、表示灯39を点滅させる。換言すれば、表示灯39は、記憶部37に記憶されている、ランプアップタイムT1の長さと、ランプダウンタイムT2の長さと、輝度に関する情報と、に基づいて、点滅する。
【0060】
表示灯39は、ヘッドホン2の充電の開始時刻から所定時間(T0)と、ヘッドホン2の充電の完了時刻から所定時間(T3)と、点灯する。表示灯39は、ヘッドホン2の充電の完了時刻から所定時間(T3)が経過した時、消灯する。
【0061】
●情報処理装置の構成
情報処理装置の具体的な構成は、以下に説明される。
【0062】
入力部41は、本システム1のユーザに、設定値を、入力させる。設定値は、本システム1がランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2との特定に用いる情報である。入力部41は、本発明における操作部の例である。
【0063】
設定値は、ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2それぞれの数値(秒数)である。ユーザは、設定値として、任意の数値(秒数)を、入力する。ユーザは、ランプアップタイムT1の長さとして、例えば「1秒」を、入力する。ユーザは、ランプダウンタイムT2の長さとして、例えば「2秒」を、入力する。
【0064】
ここで、設定値は、ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2との比の値でもよい。すなわち、ユーザは、設定値として、ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2との比の値を、入力する。ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2との比の値は、例えば、「2」である。ここで、ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2との比の値が「2」は、ランプダウンタイムT2の長さがランプアップタイムT1の長さの2倍であることを、示す。すなわち、例えば、記憶部37は、ランプアップタイムT1の長さとして「1秒」を、あらかじめ記憶している。決定部36は、記憶部37に記憶されているランプアップタイムT1の長さ「1秒」と、ユーザに入力されたランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2との比の値「2」とを用いて、ランプダウンタイムT2の長さとして「2秒」を、決定する。
【0065】
また、設定値は、ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2との周期(1回のランプアップタイムT1の長さと、1回のランプダウンタイムT2の長さと、の合計の時間(秒数))でもよい。すなわち、ユーザは、設定値として周期を、入力する。周期は、例えば、「3秒」である。ここで、例えば、記憶部37は、ランプアップタイムT1の長さとして「1秒」、または、ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2との比の値として「2」を、あらかじめ記憶している。決定部36は、記憶部37に記憶されているランプアップタイムT1の長さ「1秒」、または、ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2との比の値「2」と、ユーザに入力された周期「3秒」と、を用いてランプダウンタイムT2の長さとして「2秒」を、決定する。
【0066】
さらに、設定値は、数値(秒数)と、比の値と、の組み合わせでもよい。すなわち、例えば、ユーザは、ランプアップタイムT1の長さとして「1秒」と、ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2との比の値として「2」と、を入力する。
【0067】
さらにまた、設定値は、ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2とのいずれか一方の値が固定化されていてもよい。すなわち、例えば、ランプアップタイムT1の長さが「1秒」に固定化されているとき、ユーザは、ランプダウンタイムT2の長さのみを、入力する。
【0068】
さらにまた、設定値は、ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2との少なくともいずれか一方でもよい。すなわち、例えば、ユーザは、設定値としてランプアップタイムT1のみを、入力する。ユーザにより入力されなかったランプダウンタイムT2は、ランプアップタイムT1に基づいて、決定部36により所定の値に、決定される。
【0069】
さらにまた、設定値は、ユーザにより入力されなくてもよい。すなわち、ランプアップタイムT1の長さの固定値とランプダウンタイムT2の長さの固定値とは、あらかじめ記憶部37に記憶されていてもよい。ランプアップタイムT1の長さの固定値は、例えば、「1秒」である。ランプダウンタイムT2の長さの固定値は、例えば、「2秒」である。
【0070】
特定部42は、入力部41に対する入力操作に基づいて、設定値を、特定する。
【0071】
送信部43は、特定部42により特定された設定値を、受信部35に、送信する。
【0072】
●本システム(1)の充電時の動作
本システム1の充電時の動作は、以下に説明される。
【0073】
ここで、本システム1は、すでに、ヘッドホン2の充電時の表示灯39の点滅に必要な情報を決定しているものとする。すなわち、以下の説明において、ランプアップタイムT1の長さと、ランプダウンタイムT2の長さと、輝度に関する情報とは、すでに決定されて、記憶部37に記憶されている。つまり、ランプアップタイムT1の長さとランプダウンタイムT2の長さと輝度に関する情報とが記憶部37に記憶されるタイミングは、ヘッドホン2の充電が開始されるタイミングより前である。
【0074】
先ず、ヘッドホン2(左放音ユニット20L、右放音ユニット20R)は、充電器3に、収容される。
【0075】
次いで、充電器3に収容されたヘッドホン2は、充電器3と、接続する。
【0076】
次いで、検知部31は、ヘッドホン2が充電器3と接続したことを、検知する。
【0077】
次いで、ヘッドホン2と充電器3との接続を検知した検知部31は、充電制御部34への検知信号S1の定期的な送信を、開始する。
【0078】
次いで、検知信号S1を受信した充電制御部34は、送電部33への給電指示信号S2の送信を、開始する。検知信号S1を受信した充電制御部34は、表示制御部38への点滅指示信号S3の送信を、開始する。充電制御部34からの各信号(S2,S3)の送信は、充電制御部34が検知信号S1を受信している間、定期的に実行される。
【0079】
ここで、各信号(S2、S3)が送信されたときのヘッドホン2の充電と、表示灯39の点滅とは、以下に説明される。
【0080】
●ヘッドホンの充電
給電指示信号S2を受信した送電部33は、受電部22に、蓄電池32に蓄電されている電力を、給電する。
【0081】
次いで、受電部22に受電された電力は、蓄電池23に、給電される。
【0082】
次いで、蓄電池23に給電された電力は、蓄電池23に、蓄電される。ヘッドホン2(20L,20R)は、電力が蓄電池23に蓄電されている間、充電される。
【0083】
●表示灯の点滅
点滅指示信号S3を受信した表示制御部38は、記憶部37に記憶されているランプアップタイムT1の長さと、ランプダウンタイムT2の長さと、輝度に関する情報と、に基づいて、点滅制御信号S4を、表示灯39に、送信する。すなわち、表示制御部38は、ランプアップタイムT1またはランプダウンタイムT2の開始時刻からの経過時間と、輝度に関する情報と、に基づいて、表示灯39の輝度を示す情報を含む点滅制御信号S4を、表示灯39に送信する。
【0084】
ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2との期間内において、定期的に点滅制御信号S4を受信する表示灯39は、受信した点滅制御信号S4に含まれる輝度を示す情報に基づいて、その輝度の光を発光する。ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2との期間内において、表示灯39が発光する光の輝度は、漸次増加または漸次減少して変化する。このように、表示灯39が発光する光の輝度が漸次増加または漸次減少することで、表示灯39の点滅は、実現される。
【0085】
●ヘッドホンの充電と表示灯の点滅との関係
図4に戻る。
以下の説明は、ヘッドホン2の充電開始からヘッドホン2の充電完了までの例である。以下の説明は、ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2とが2回繰り返された後、ヘッドホン2の充電が完了する場合の例である。
【0086】
先ず、表示灯39は、ヘッドホン2の充電が開始したとき、所定時間(T0:時刻t0から時刻t1まで)点灯する。輝度の割合は、0%(時刻t0の時)から10%(時刻t1の時)に、変化する。
【0087】
次いで、輝度の割合は、所定時間(T1:時刻t1から時刻t2まで)で、10%から100%に漸次増加する(1回目のランプアップタイムT1)。
【0088】
次いで、輝度の割合は、所定時間(T2:時刻t2から時刻t3まで)で、100%から10%に漸次減少する(1回目のランプダウンタイムT2)。
【0089】
次いで、輝度の割合は、所定時間(T1:時刻t3から時刻t4まで)で、10%から100%に漸次増加する(2回目のランプアップタイムT1)。
【0090】
次いで、輝度の割合は、所定時間(T2:時刻t4から時刻t5まで)で、100%から10%に漸次減少する(2回目のランプダウンタイムT2)。
【0091】
次いで、ヘッドホン2の充電が完了したとき、輝度の割合は、100%に、変化する。
ここで、本システム1は、ヘッドホン2の充電が完了したこと、つまり、蓄電池23がいわゆるフル充電の状態となったことを検知する手段(不図示)を備えている。蓄電池23のフル充電が検知されたとき、充電制御部34は、給電指示信号S2の送電部33への送信を停止すると共に、蓄電池23がフル充電であることを示す信号を表示制御部38へ送信する。表示制御部38は、蓄電池23がフル充電であることを示す信号を受信すると、表示灯39の輝度の割合を100%に変化させる。
【0092】
次いで、表示灯39は、輝度の割合が100%のままで、所定時間(T3:時刻t5から時刻t6まで)点灯する。
【0093】
次いで、表示灯39は、消灯する。輝度の割合は、100%から0%に、変化する。
ユーザは、点滅していた表示灯39が消灯したことで、ヘッドホン2の充電が完了したこと(蓄電池23がフル充電であること)を、把握できる。
【0094】
●まとめ(1)
以上の説明のとおり、本システム1は、ヘッドホン2と、充電器3と、表示灯39と、を有してなる。表示灯39は、ヘッドホン2の充電状態を点滅して表示(報知)する。すなわち、表示灯39の点滅を視認するユーザは、ヘッドホン2が充電中であることを、把握できる。点滅の期間は、輝度が漸次増加する期間であるランプアップタイムT1と、輝度が漸次減少する期間であるランプダウンタイムT2と、を含む。ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2とは、交互に繰り返される。ランプアップタイムT1の長さは、ランプダウンタイムT2の長さと、異なる。その結果、表示灯39の点滅は、ユーザに、ランプアップタイムT1の長さとランプダウンタイムT2の長さとが等間隔であるときのような人工的な印象を、与えない。
【0095】
以上の説明のとおり、ランプアップタイムT1の開始時刻とランプダウンタイムT2の終了時刻とにおける表示灯39は、点灯している。ランプアップタイムT1の開始時刻とランプダウンタイムT2の終了時刻とにおける輝度の割合は、10%である。すなわち、表示灯39は、表示灯39が点滅している間、消灯しない(輝度の割合が0%にならない)。
【0096】
以上の説明において、ランプアップタイムT1の開始時刻とランプダウンタイムT2の終了時刻とにおける輝度の割合は、10%であった。しかし、本発明における同時刻(同開始時刻と同終了時刻)の輝度の割合は、10%に限定されない。すなわち、例えば、本発明における同時刻の輝度の割合は、第1期間の終了時刻と第2期間の開始時刻とにおける輝度の割合の5%から15%の間でもよい。なお、同時刻の輝度の割合は、あらかじめ記憶部に記憶されていて、表示制御部は、記憶部に記憶されている輝度に関する情報(例えば、10%)を用いて、表示灯の点滅を、制御する。
【0097】
なお、以上の説明は、ヘッドホン2の充電の完了時刻が、ランプダウンタイムT2の終了時刻と一致する場合の例であった。しかし、本発明において、本ヘッドホンの充電の完了時刻は、第2期間の終了時刻と一致するとは限らない。すなわち、本発明における本ヘッドホンの充電の完了時刻は、第1期間または第2期間のいずれの期間内でもよい。つまり、本ヘッドホンの充電の完了時刻における輝度の割合は、10%から100%までの範囲である。
【0098】
●本システムの実施の形態(2)●
以下に説明される本システムの別の実施の形態(2)は、先に説明された本システムの実施の形態(1)と異なる点を中心に説明される。
【0099】
実施の形態(2)は、ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2との周期毎の輝度の割合の最大値(%)(以下「最大輝度値」という。)が点滅の期間内において漸次増加する点において、最大輝度値が点滅の期間内において一定(100%)である実施の形態(1)と相違する。
【0100】
●本システム(2)の構成
図5は、本システムが備える表示灯の別の点滅態様を示すグラフである。
図中、縦軸は、輝度の割合を、示す。横軸は、経過時間を、示す。
【0101】
t0は、ヘッドホン2の充電の開始時刻である。表示灯39は、時刻t0の時、点灯する。ヘッドホン2の充電の開始時刻の輝度の割合は、0%である。
【0102】
t1と、t3と、t5とは、ランプアップタイムT1の開始時刻である。ランプアップタイムT1の開始時刻の輝度の割合は、10%である。
【0103】
t2と、t4と、t6とは、ランプダウンタイムT2の開始時刻である。各時刻のランプダウンタイムT2の開始時刻の輝度の割合は、t2の時90%、t4の時95%、t6の時100%である。
【0104】
t7は、ヘッドホン2の充電の完了時刻である。ヘッドホン2の充電の完了時刻の輝度の割合は、10%である。ヘッドホン2の充電が完了すると、表示灯39の点滅は、終了する。ヘッドホン2の充電が完了すると、輝度の割合は、100%に、変化する。表示灯39は、輝度の割合が100%のままで、所定時間(T3:時刻t7から時刻t8まで)点灯する。
【0105】
t8は、表示灯39の消灯時刻である。表示灯39が消灯するときの輝度の割合は、100%から0%に、変化する。
【0106】
時間T0は、時刻t0から時刻t1の期間である。輝度の割合は、所定時間(T0)、0%から10%まで漸次増加する。
【0107】
時間T1は、ランプアップタイムT1である。時間T1は、時刻t1から時刻t2までと、時刻t3から時刻t4までと、時刻t5から時刻t6までそれぞれの期間である。ランプアップタイムT1の開始時刻の輝度の割合は、10%である。輝度は、ランプアップタイムT1の終了時刻まで漸次増加する。ランプアップタイムT1の終了時刻の輝度の割合は、表示灯39の点滅の期間(ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2と)が繰り返される度に、増加する。すなわち、ランプアップタイムT1の終了時刻の輝度の割合は、表示灯39の点滅の期間(ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2と)が繰り返された回数により、異なる。
【0108】
時間T2は、ランプダウンタイムT2である。時間T2は、時刻t2から時刻t3までと、時刻t4から時刻t5までと、時刻t6から時刻t7までそれぞれの期間である。ランプダウンタイムT2の開始時刻の輝度の割合は、表示灯39の点滅の期間(ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2と)が繰り返された回数により、異なる。輝度は、ランプダウンタイムT2の終了時刻まで漸次減少する。ランプダウンタイムT2の終了時刻の輝度の割合は、10%である。
【0109】
時間T3は、時刻t7から時刻t8までの期間である。輝度の割合は、所定時間(T3)、100%である。
【0110】
●本システム(2)の動作
●ヘッドホンの充電と表示灯の点滅との関係
以下の説明は、ヘッドホン2の充電開始からヘッドホン2の充電完了までの例である。以下の説明は、ランプアップタイムT1とランプダウンタイムT2とが3回繰り返された後、ヘッドホン2の充電が完了する場合の例である。
【0111】
先ず、表示灯39は、ヘッドホン2の充電が開始したとき、所定時間(T0:時刻t0から時刻t1まで)点灯する。輝度の割合は、0%(時刻t0の時)から10%(時刻t1の時)に、変化する。
【0112】
次いで、輝度の割合は、所定時間(T1:時刻t1から時刻t2まで)で、10%から90%に漸次増加する(1回目のランプアップタイムT1)。
【0113】
次いで、輝度の割合は、所定時間(T2:時刻t2から時刻t3まで)で、90%から10%に漸次減少する(1回目のランプダウンタイムT2)。
【0114】
次いで、輝度の割合は、所定時間(T1:時刻t3から時刻t4まで)で、10%から95%に漸次増加する(2回目のランプアップタイムT1)。
【0115】
次いで、輝度の割合は、所定時間(T2:時刻t4から時刻t5まで)で、95%から10%に漸次減少する(2回目のランプダウンタイムT2)。
【0116】
次いで、輝度の割合は、所定時間(T1:時刻t5から時刻t6まで)で、10%から100%に漸次増加する(3回目のランプアップタイムT1)。
【0117】
次いで、輝度の割合は、所定時間(T2:時刻t6から時刻t7まで)で、100%から10%に漸次減少する(3回目のランプダウンタイムT2)。
【0118】
次いで、ヘッドホン2の充電が完了したとき、輝度の割合は、100%に、変化する。
【0119】
次いで、表示灯39は、輝度の割合が100%のままで、所定時間(T3:時刻t7から時刻t8まで)点灯する。
【0120】
次いで、表示灯39は、消灯する。輝度の割合は、100%から0%に、変化する。
【0121】
●まとめ(2)
以上の説明のとおり、ランプアップタイムT1は、点滅の期間における1回目のランプアップタイムT1と、点滅の期間における2回目のランプアップタイムT1と、を含み、1回目のランプアップタイムT1の終了時刻t2における表示灯39の輝度の割合は、2回目のランプアップタイムT1の終了時刻t4における表示灯39の輝度の割合より小さい。すなわち、表示灯39は、ランプアップタイムT1の終了時刻における表示灯39の輝度で、ヘッドホン2の充電量(フル充電に対する割合)を、示す。
【0122】
なお、以上の説明は、ヘッドホン2の充電の完了時刻が、ランプダウンタイムT2の終了時刻と一致する場合の例であった。しかし、本発明において、本ヘッドホンの充電の完了時刻は、第2期間の終了時刻と一致するとは限らない。すなわち、本発明における本ヘッドホンの充電の完了時刻は、第1期間または第2期間のいずれの期間内でもよい。第1期間と第2期間との周期毎の最大輝度値は、表示灯の点滅の期間(第1期間と第2期間と)が繰り返された回数により、漸次増加する。最大輝度値は、表示灯の点滅期間が繰り返されたとき、100%となり得る。つまり、本ヘッドホンの充電の完了時刻における輝度の割合は、10%から100%までの範囲である。
【0123】
●まとめ●
以上説明された実施の形態において、充電器3は、表示灯39を、備えた。しかし、本発明において、本充電器が表示灯を備えるのに代えて、本ヘッドホンが表示灯を備えてもよい。
【0124】
以上説明された実施の形態において、充電器3は、受信部35と、決定部36と、記憶部37とを、備えた。しかし、本発明において、本充電器が取得部と決定部と記憶部とを備えるのに代えて、本ヘッドホンが取得部と決定部と記憶部とを備えてもよい。
【0125】
以上説明された実施の形態において、表示灯39は、ヘッドホン2のバッテリーの充電状態(充電中か否か)を、点滅して表示した。しかし、本発明における表示灯が点滅して表示するバッテリーの充電状態は、本ヘッドホンのバッテリーの充電状態に限られない。すなわち、例えば、表示灯は、本充電器のバッテリーの充電状態を、点滅して表示してもよい。また、表示灯は、本ヘッドホンのバッテリーと本充電器のバッテリーそれぞれの充電状態を、点滅して表示してもよい。本システムは、表示灯による点滅表示の対象として、本ヘッドホンのバッテリーの充電状態と、本充電器のバッテリーの充電状態と、を切り替える切替操作手段を、備えてもよい。ユーザは、切替操作手段を操作して、本ヘッドホン、または、本充電器の充電状態を表示灯に表示させる。
【0126】
以上説明された実施の形態において、表示灯39は、ヘッドホン2のバッテリーの充電状態(どれくらい充電されているか)を、点滅して表示した。表示灯39の点滅時の色は、変化しなかった。しかし、本発明における表示灯の点滅時の色は、単色に限られない。すなわち、例えば、表示灯の点滅時の色は、複数の色を含んでもよい。表示灯の点滅時の色は、本ヘッドホンのバッテリーの充電状態に応じて、変化してもよい。
【0127】
以上説明された実施の形態において、ヘッドホン2は、充電器3により、充電された。しかし、本発明において、本ヘッドホンを充電するものは、本充電器に限定されない。すなわち、例えば、本ヘッドホンは、電源により、充電されてもよい。
【0128】
以上説明された実施の形態において、表示灯39の数は、1であった。しかし、本発明における表示灯の数は、1に限定されない。すなわち、例えば、本発明における表示灯の数は、複数(例えば、本ヘッドホンの充電状態を表示する表示灯と、本充電器の充電状態を表示する表示灯)でもよい。
【0129】
●本システムと本ヘッドホンと本充電器の特徴●
これまでに説明された本システムと本ヘッドホンと本充電器との特徴は、以下にまとめて記載される。
【0130】
●本システムの特徴
本システム(例えば、ヘッドホンシステム1)は、
ヘッドホン(例えば、ヘッドホン2)と、
前記ヘッドホンを充電する充電器(例えば、充電器3)と、
前記ヘッドホンと前記充電器との少なくともいずれか一方の充電状態を点滅して表示する表示灯(例えば、表示灯39)と、
を有してなり、
前記表示灯は、前記ヘッドホンと前記充電器との少なくともいずれか一方が備え、
前記点滅の期間は、
前記表示灯の輝度が漸次増加する第1期間(例えば、ランプアップタイムT1)と、
前記輝度が漸次減少する第2期間(例えば、ランプダウンタイムT2)と、
を含み、
前記第1期間と前記第2期間とは、交互に繰り返されて、
前記第1期間の長さは、前記第2期間の長さと異なる、
ことを特徴とする。
【0131】
本システムは、
前記第1期間と前記第2期間との設定値を取得する取得部(例えば、受信部35)と、
前記設定値に基づいて、前記第1期間の長さと前記第2期間の長さとを決定する決定部(例えば、決定部36)と、
前記第1期間の長さと、前記第2期間の長さと、を記憶する記憶部(例えば、記憶部37)と、
を有してなる、
ものでもよい。
【0132】
本システムにおいて、
前記ヘッドホンと前記充電器とのいずれか一方は、
前記取得部と、
前記決定部と、
前記記憶部と、
を備える、
ものでもよい。
【0133】
本システムにおいて、
前記取得部は、前記設定値を、ユーザに操作される外部機器から取得する、
ものでもよい。
【0134】
本システムにおいて、
前記第1期間の開始時点と前記第2期間の終了時点とにおける前記表示灯は、点灯していて、
前記第1期間の前記開始時点と前記第2期間の前記終了時点とにおける前記輝度は、前記第1期間の終了時点と前記第2期間の開始時点とにおける前記輝度の5%から15%の間である、
ものでもよい。
【0135】
本システムにおいて、
前記第1期間は、
前記点滅の期間における1回目の前記第1期間と、
前記点滅の期間における2回目の前記第1期間と、
を含み、
前記1回目の前記第1期間の終了時点における前記表示灯の前記輝度は、前記2回目の前記第1期間の終了時点における前記表示灯の前記輝度より小さい、
ものでもよい。
【0136】
本システムにおいて、
前記第1期間の長さは、1秒で、
前記第2期間の長さは、2秒である、
ものでもよい。
【0137】
●本ヘッドホンの特徴
本ヘッドホンは、
充電式蓄電池(例えば、蓄電池23)と、
前記充電式蓄電池の充電状態を点滅して表示する表示灯と、
を有してなり、
前記点滅の期間は、
前記表示灯の輝度が漸次増加する第1期間と、
前記輝度が漸次減少する第2期間と、
を含み、
前記第1期間と前記第2期間とは、交互に繰り返されて、
前記第1期間の長さは、前記第2期間の長さと異なる、
ことを特徴とする。
【0138】
●本充電器の特徴
本充電器は、
ヘッドホンに供給される電力を蓄電する充電式蓄電池(例えば、蓄電池32)と、
前記充電式蓄電池の充電状態を点滅して表示する表示灯と、
を有してなり、
前記点滅の期間は、
前記表示灯の輝度が漸次増加する第1期間と、
前記輝度が漸次減少する第2期間と、
を含み、
前記第1期間と前記第2期間とは、交互に繰り返されて、
前記第1期間の長さは、前記第2期間の長さと異なる、
ことを特徴とする。
【符号の説明】
【0139】
1 ヘッドホンシステム
2 ヘッドホン
20L 左放音ユニット
20R 右放音ユニット
21 接続部
22 受電部
23 蓄電池
3 充電器
31 検知部
32 蓄電池
33 送電部
34 充電制御部
35 受信部
36 決定部
37 記憶部
38 表示制御部
39 表示灯
4 スマートフォン
41 入力部
42 特定部
43 送信部
5 電源
S1 検知信号
S2 給電指示信号
S3 点滅指示信号
S4 点滅制御信号
T1 ランプアップタイム
T2 ランプダウンタイム