(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】接続システム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/10 20180101AFI20250527BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20250527BHJP
H04W 92/20 20090101ALI20250527BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W84/12
H04W92/20
(21)【出願番号】P 2021058838
(22)【出願日】2021-03-30
【審査請求日】2023-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】石橋 弘務
(72)【発明者】
【氏名】山本 心司
(72)【発明者】
【氏名】中野 真一
【審査官】松▲崎▼ 祐季
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-046290(JP,A)
【文献】特開2014-192667(JP,A)
【文献】特開2016-163178(JP,A)
【文献】特開2020-053888(JP,A)
【文献】特開2001-156804(JP,A)
【文献】特開2021-040176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4、6
CT WG1、4
IEEE 802.11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアクセスポイントを備え、
前記複数のアクセスポイントのうちの
第1のアクセスポイントは、通信端末と前記
第1のアクセスポイントとの無線接続に用いられる第1接続情報を、前記複数のアクセスポイントのうちの
第2のアクセスポイントに送信し、
前記
第2のアクセスポイントは、前記第1接続情報を用いて前記通信端末と前記
第2のアクセスポイントとの無線接続が可能となるように設定を行
い、
前記第2のアクセスポイントは、前記第1接続情報を、前記複数のアクセスポイントのうちの第3のアクセスポイントに送信し、
前記第3のアクセスポイントは、前記第1接続情報を用いて前記通信端末と前記第3のアクセスポイントとの無線接続が可能となるように設定を行う、
接続システム。
【請求項2】
前記
第2のアクセスポイントは、前記
第2のアクセスポイントに固有の第2接続情報を用いて前記通信端末との無線接続が可能である、
請求項1に記載の接続システム。
【請求項3】
前記複数のアクセスポイントは、相互に有線接続される、
請求項1または2に記載の接続システム。
【請求項4】
前記複数のアクセスポイントのそれぞれは、前記通信端末から受信した電波の受信強度を算出し、
前記複数のアクセスポイントのうち前記受信強度が最も大きいアクセスポイントが、前記通信端末と無線接続する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の接続システム。
【請求項5】
前記複数のアクセスポイントのそれぞれは、少なくとも一部が建物の壁部に埋め込まれる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の接続システム。
【請求項6】
複数のアクセスポイントのうちの
第1のアクセスポイントが、通信端末と前記
第1のアクセスポイントとの無線接続に用いられる第1接続情報を、前記複数のアクセスポイントのうちの
第2のアクセスポイントに送信し、
前記
第2のアクセスポイントが、前記第1接続情報を用いて前記通信端末と前記
第2のアクセスポイントとの無線接続が可能となるように設定を行
い、
前記第2のアクセスポイントが、前記第1接続情報を、前記複数のアクセスポイントのうちの第3のアクセスポイントに送信し、
前記第3のアクセスポイントが、前記第1接続情報を用いて前記通信端末と前記第3のアクセスポイントとの無線接続が可能となるように設定を行う、
接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信端末をネットワークに接続するためのアクセスポイントが知られている。この種の従来技術の一例として、特許文献1には、無線機の種類を判断する無線子機判断部を有し、無線子機判断部が判断した無線子機の種類等に対して予め定めた最適な設定情報に最も近い設定情報を有するSSIDに応じた応答を送信するアクセスポイント装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通信端末と複数のアクセスポイントのそれぞれとを無線接続する場合、複数のアクセスポイントのそれぞれに対して無線接続の処理を行わなければならず、手間がかかる。
【0005】
そこで、本発明は、通信端末と複数のアクセスポイントのそれぞれとを無線接続する際の手間を抑制できる接続システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る接続システムは、複数のアクセスポイントを備え、前記複数のアクセスポイントのうちの一のアクセスポイントは、通信端末と前記一のアクセスポイントとの無線接続に用いられる第1接続情報を、前記複数のアクセスポイントのうちの他のアクセスポイントに送信し、前記他のアクセスポイントは、前記第1接続情報を用いて前記通信端末と前記他のアクセスポイントとの無線接続が可能となるように設定を行う。
【発明の効果】
【0007】
本発明の接続システムは、通信端末と複数のアクセスポイントのそれぞれとを無線接続する際の手間を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態に係る接続システムを示す図である。
【
図2】
図2は、
図1の接続システムのアクセスポイントを前方側から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2のIII-III線における断面図である。
【
図4】
図4は、
図1の接続システムのアクセスポイントを前方側から見た分解斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1の接続システムのアクセスポイントを後方側から見た斜視図である。
【
図6】
図6は、
図1の接続システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、
図1の接続システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、第2の実施の形態に係るアクセスポイントを前方側から見た斜視図である。
【
図9】
図9は、第3の実施の形態に係るアクセスポイントを前方側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0010】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る接続システム10を示す図である。
図1を参照して、接続システム10について説明する。
【0013】
図1に示すように、接続システム10は、通信端末11と複数のアクセスポイント12a~12cのそれぞれとを無線接続するためのシステムである。複数のアクセスポイント12a~12cのそれぞれは外部のネットワークに接続されており、通信端末11と複数のアクセスポイント12a~12cのいずれかとを無線接続することによって、通信端末11を外部のネットワークに接続することができる。接続システム10は、通信端末11と、複数のアクセスポイント12a~12cと、通信線13とを備えている。
【0014】
通信端末11は、無線通信が可能な端末である。たとえば、通信端末11は、持ち運び可能な携帯端末である。具体的には、たとえば、通信端末11は、スマートフォンまたはタブレット等である。
【0015】
複数のアクセスポイント12a~12cのそれぞれは、通信端末11と無線接続が可能なアクセスポイントである。たとえば、複数のアクセスポイント12a~12cは、建物内の異なる位置に設けられている。通信線13は、複数のアクセスポイント12a~12cを相互に通信可能に接続するためのケーブルであり、複数のアクセスポイント12a~12cは、通信線13によって、相互に有線接続されている。たとえば、通信線13は、LANケーブル等である。
【0016】
図2は、
図1の接続システム10のアクセスポイント12aを前方側から見た斜視図である。
図3は、
図2のIII-III線における断面図である。
図4は、
図1の接続システム10のアクセスポイント12aを前方側から見た分解斜視図である。
図5は、
図1の接続システム10のアクセスポイント12aを後方側から見た斜視図である。
図2から
図5を参照して、アクセスポイント12aについて説明する。なお、
図3では、図面が煩雑になることを避けるため、取付部14および本体部16の図示を簡略化しており、取付部14および本体部16のハッチングを省略している。また、アクセスポイント12aが埋め込まれている壁部1から見て、室内側を前方側(X軸のプラス側)とし、室内とは反対側を後方側(X軸のマイナス側)として説明する。
【0017】
図2から
図5に示すように、アクセスポイント12aは、取付部14と、本体部16と、モジュラジャック18と、接続情報表示部20と、スイッチ22と、ランプ24と、カバー26と、通信線接続部28と、電源線接続部30とを有している。
【0018】
取付部14は、壁部1に固定されており、本体部16を壁部に取り付けるための部材である。
【0019】
本体部16は、取付部14を介して壁部1に取り付けられており、少なくとも一部が壁部1に埋め込まれている。つまり、アクセスポイント12aは、埋め込み型のアクセスポイントである。また、本体部16は、壁部1よりも前方に突出している。本体部16は、壁部1よりも前方に突出している突出部32と、壁部に埋め込まれている埋込部34とを有している。
【0020】
突出部32は、前面36と、第1側面38と、第2側面40と、第3側面42と、第4側面44とを有している。前面36は、本体部16の前面である。
【0021】
前面36は、前後方向(X軸方向)に直交する方向に広がる平面である。前面36は、前後方向と直交する第1方向(Z軸方向)に延びており、前後方向から見たとき長方形状である。この実施の形態では、第1方向は、鉛直上下方向である。なお、前面36は、曲面であってもよい。また、前面36は、前後方向から見たとき、正方形状、多角形状、円形状、または楕円形状等であってもよい。
【0022】
第1側面38は、第1方向における前面36の一端部に沿って設けられ、当該一端部から後方に突出している。第1側面38は、第1方向に直交する平面である。第1側面38は、前後方向と直交しかつ第1方向と直交する第2方向(Y軸方向)に延びており、第1方向から見たとき長方形状である。この実施の形態では、第2方向は、水平方向と平行な方向である。
【0023】
第2側面40は、第1方向における前面36の他端部に沿って設けられ、当該他端部から後方に突出している。第2側面40は、第1方向に直交する平面である。第2側面40は、第2方向に延びており、第1方向から見たとき長方形状である。
【0024】
第3側面42は、第2方向における前面36の一端部に沿って設けられ、当該一端部から後方に突出している。第3側面42は、第2方向に直交する平面である。第3側面42は、第1方向に延びており、第2方向から見たとき長方形状である。
【0025】
第4側面44は、第2方向における前面36の他端部に沿って設けられ、当該他端部から後方に突出している。第4側面44は、第2方向に直交する平面である。第4側面44は、第1方向に延びており、第2方向から見たとき長方形状である。
【0026】
埋込部34は、上述したように壁部1に埋め込まれており、室内側から見えないように設けられている。詳細は後述するが、埋込部34には、通信線接続部28、および電源線接続部30が設けられている。
【0027】
モジュラジャック18は、LANケーブル等のケーブルが接続されるコネクタである。たとえば、一端部がパソコン等に接続されているLANケーブルの他端部がモジュラジャック18に差し込まれる。これによって、当該パソコン等をアクセスポイント12aを介してネットワークに接続することができる。モジュラジャック18は、突出部32の前面36に設けられている。具体的には、モジュラジャック18は、前面36において開口するように設けられており、ケーブルを後方に向かって差し込むことによってケーブルを接続可能に設けられている。
【0028】
接続情報表示部20は、通信端末11をアクセスポイント12aに無線接続するための接続情報である第1接続情報を表示する部材である。たとえば、第1接続情報は、SSID(Service Set Identifier)およびパスワードを含んでいる。接続情報表示部20は、突出部32の前面36に設けられている。たとえば、接続情報表示部20は、第1接続情報を表す文字であり、前面36に印字されている。なお、たとえば、接続情報表示部20は、第1接続情報を表す文字が印字されたラベル等であり、前面36に貼り付けられていてもよい。
【0029】
スイッチ22は、アクセスポイント12aを制御するための操作を受け付ける操作受付部である。たとえば、スイッチ22は、アクセスポイント12aの動作モードを切り替えるための操作を受け付ける。スイッチ22は、突出部32の前面36に設けられている。スイッチ22は、前面36を貫通する貫通部46と、貫通部46をスライド可能に設けられる摺動部48とを有しており、スライド式のスイッチである。摺動部48は、前面36よりも前方に突出している。なお、たとえば、スイッチ22は、プッシュ式のスイッチであってもよい。
【0030】
ランプ24は、アクセスポイント12aの状態を示す光を発する発光部である。たとえば、ランプ24は、アクセスポイント12aの動作状態に応じて、異なる色の光を発する。ランプ24は、突出部32の前面36に設けられている。なお、たとえば、複数のランプ24が前面36に設けられていてもよい。
【0031】
カバー26は、モジュラジャック18、接続情報表示部20、スイッチ22、およびランプ24を覆う部材である。また、カバー26は、本体部16の突出部32の第1側面38、第2側面40、第3側面42、および第4側面44を覆う部材である。カバー26は、前方に凹みかつ本体部16の突出部32と着脱可能に嵌合する凹形状を有しており、前方から突出部32に嵌め込まれることによって、本体部16に着脱可能に取り付けられている。カバー26は、前部50と、第1側部52と、第2側部54と、第3側部56と、第4側部58とを有している。
【0032】
前部50は、前面36と対向するように設けられており、前方からモジュラジャック18、接続情報表示部20、スイッチ22、およびランプ24を覆うように設けられている。第1側部52は、第1方向における前部50の一端部から後方に突出し、第1側面38と対向するように設けられており、第1側面38を覆っている。第2側部54は、第1方向における前部50の他端部から後方に突出し、第2側面40と対向するように設けられており、第2側面40を覆っている。第3側部56は、第2方向における前部50の一端部から後方に突出し、第3側面42と対向するように設けられており、第3側面42を覆っている。第4側部58は、第2方向における前部50の他端部から後方に突出し、第4側面44と対向するように設けられており、第4側面44を覆っている。
【0033】
カバー26は、前部50と第1側部52と第2側部54とによって形成されかつ前方に凹む凹形状を有している。また、カバー26は、前部50と第3側部56と第4側部58とによって形成されかつ前方に凹む凹形状を有している(
図3を参照)。つまり、カバー26は、前部50と、第1側部52、第2側部54、第3側部56、および第4側部58とによって形成されかつ前方に凹む凹形状を有しており、当該凹形状は、突出部32と着脱可能に嵌合している。
【0034】
カバー26は、交換可能である。つまり、カバー26は、本体部16に取り付け可能な複数のカバーのうちの1つであり、カバー26を他のカバーに交換可能である。たとえば、複数のカバーは、カバー26と同様の形状を有しており、相互に色が異なっている。
【0035】
カバー26の少なくとも一部は、金属製である。たとえば、カバー26における、前部50は金属製であり、前部50以外の部分は樹脂製である。なお、カバー26の全部が金属製であってもよい。
【0036】
通信線接続部28は、アクセスポイント12aがアクセスポイント12bおよびアクセスポイント12cと通信を行うための通信線13が接続される接続部である。通信線接続部28は、埋込部34に設けられている。
【0037】
電源線接続部30は、電源(図示せず)からの電力をアクセスポイント12aに供給するための電源線(図示せず)が接続される接続部である。電源線接続部30は、埋込部34に設けられている。
【0038】
以上、アクセスポイント12aについて説明した。アクセスポイント12bおよびアクセスポイント12cは、アクセスポイント12aと同様の構成を有しているため、上述したアクセスポイント12aの説明を参照することによって、アクセスポイント12bおよびアクセスポイント12cの詳細な説明を省略する。
【0039】
図6は、
図1の接続システム10の機能構成を示すブロック図である。
図6を参照して、接続システム10の機能構成について説明する。
【0040】
図6に示すように、通信端末11は、操作受付部60と、通信部62と、制御部64と、記憶部66とを有している。
【0041】
操作受付部60は、通信端末11を制御するための操作を受け付ける。たとえば、操作受付部60は、ハードウェアボタンまたはタッチパネル等によって実現される。
【0042】
通信部62は、通信端末11が複数のアクセスポイント12a~12cのそれぞれと無線通信を行うための通信回路である。通信部62は、複数のアクセスポイント12a~12cに向けて電波を発信する。また、通信部62は、複数のアクセスポイント12a~12cから電波を受信する。
【0043】
制御部64は、通信端末11を制御するための情報処理を行う。たとえば、制御部64は、マイクロコンピュータまたはプロセッサ等によって実現される。また、たとえば、制御部64の機能は、制御部64を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサが記憶部66に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0044】
記憶部66は、上記情報処理に必要な情報、および上記コンピュータプログラム等が記憶されている記憶装置である。たとえば、記憶部66は、半導体メモリ等によって実現される。
【0045】
アクセスポイント12aは、上述したように、スイッチ22を有している。また、アクセスポイント12aは、通信部68と、制御部70と、記憶部72とをさらに有している。
【0046】
アクセスポイント12aの通信部68は、アクセスポイント12aが通信端末11と無線通信を行うための通信回路である。アクセスポイント12aの通信部68は、通信端末11に向けて電波を発信する。また、アクセスポイント12aの通信部68は、通信端末11から電波を受信する。
【0047】
アクセスポイント12aの制御部70は、アクセスポイント12aを制御するための情報処理を行う。具体的には、たとえば、アクセスポイント12aの制御部70は、通信端末11とアクセスポイント12aとの無線接続に用いられる第1接続情報を、アクセスポイント12bおよびアクセスポイント12cに送信する。また、たとえば、アクセスポイント12aの制御部70は、アクセスポイント12aの通信部68が通信端末11から受信した電波の受信強度を算出する。また、たとえば、アクセスポイント12aの制御部70は、通信線13を介して、算出した受信強度を示す情報をアクセスポイント12bおよびアクセスポイント12cに送信する。たとえば、アクセスポイント12aの制御部70は、マイクロコンピュータまたはプロセッサ等によって実現される。また、たとえば、アクセスポイント12aの制御部70の機能は、制御部70を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサがアクセスポイント12aの記憶部72に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0048】
アクセスポイント12aの記憶部72は、上記情報処理に必要な情報、および上記コンピュータプログラム等が記憶されている記憶装置である。たとえば、アクセスポイント12aの記憶部72は、半導体メモリ等によって実現される。
【0049】
アクセスポイント12bおよびアクセスポイント12cは、アクセスポイント12aと同様の構成を有しているため、上述したアクセスポイント12aの説明を参照することによって、アクセスポイント12bおよびアクセスポイント12cの詳細な説明を省略する。
【0050】
図7は、
図1の接続システム10の動作の一例を示すシーケンス図である。
図7を参照して、接続システム10の動作の一例について説明する。
【0051】
図7に示すように、アクセスポイント12aは、ユーザによる所定の操作を受け付けると(ステップS1)、設定モードに遷移する(ステップS2)。たとえば、ユーザがアクセスポイント12aのスイッチ22を操作すると、アクセスポイント12aは、通信端末11と無線接続を行うための設定を行う設定モードに遷移する。
【0052】
通信端末11は、ユーザによる所定の操作を受け付けると(ステップS3)、通信端末11とアクセスポイント12aとを無線接続するための第1接続情報の設定指令を、アクセスポイント12aに送信する(ステップS4)。
【0053】
アクセスポイント12aは、通信端末11から設定指令を受信すると、第1接続情報を設定する(ステップS5)。たとえば、アクセスポイント12aは、通信端末11がアクセスポイント12aに無線接続するために用いられるアクセスポイント12aのSSIDおよびパスワードを第1接続情報として設定する。
【0054】
アクセスポイント12aは、第1接続情報を設定すると、設定した第1接続情報とともに設定指令をアクセスポイント12bに送信する(ステップS6)。
【0055】
アクセスポイント12bは、アクセスポイント12aから設定指令を受信すると、第1接続情報を用いて通信端末11とアクセスポイント12bとの無線接続が可能となるように設定を行う(ステップS7)。たとえば、アクセスポイント12bは、アクセスポイント12aと同一のSSIDをアクセスポイント12bのSSIDとして設定し、アクセスポイント12aと同一のパスワードをアクセスポイント12bのパスワードとして設定する。これによって、通信端末11は、アクセスポイント12bと無線接続を行うための処理を行うことなく、第1接続情報を用いてアクセスポイント12bとも無線接続が可能となる。
【0056】
なお、たとえば、アクセスポイント12bは、アクセスポイント12bに固有の第2接続情報を用いて通信端末11と無線接続が可能である。つまり、通信端末11は、第1接続情報および第2接続情報のどちらを用いても、アクセスポイント12bに無線接続が可能である。
【0057】
アクセスポイント12bは、第1接続情報を設定すると、設定した第1接続情報とともに設定指令をアクセスポイント12cに送信する(ステップS8)。なお、たとえば、アクセスポイント12aが、設定した第1接続情報とともに設定指令をアクセスポイント12cに送信してもよい。
【0058】
アクセスポイント12cは、アクセスポイント12bから設定指令を受信すると、第1接続情報を用いて通信端末11とアクセスポイント12cとの無線接続が可能となるように設定を行う(ステップS9)。たとえば、アクセスポイント12cは、アクセスポイント12bと同一のSSIDをアクセスポイント12cのSSIDとして設定し、アクセスポイント12bと同一のパスワードをアクセスポイント12cのパスワードとして設定する。これによって、通信端末11は、アクセスポイント12cと無線接続を行うための処理を行うことなく、第1接続情報を用いてアクセスポイント12cとも無線接続が可能となる。
【0059】
なお、たとえば、アクセスポイント12cは、アクセスポイント12cに固有の第3接続情報を用いて通信端末11と無線接続が可能である。つまり、通信端末11は、第1接続情報および第3接続情報のどちらを用いても、アクセスポイント12cに無線接続が可能である。
【0060】
アクセスポイント12aは、第1接続情報を設定すると、通信端末11から発信された電波を受信し、受信した電波の受信強度を算出する(ステップS10)。
【0061】
アクセスポイント12bは、第1接続情報を設定すると、通信端末11から発信された電波を受信し、受信した電波の受信強度を算出する(ステップS11)。
【0062】
アクセスポイント12cは、第1接続情報を設定すると、通信端末11から発信された電波を受信し、受信した電波の受信強度を算出する(ステップS12)。
【0063】
複数のアクセスポイント12a~12cのそれぞれは、算出した受信強度を複数のアクセスポイント12a~12cのうちの他のアクセスポイントに送信する(ステップS13、ステップS14)。
【0064】
通信端末11は、アクセスポイント12aと無線接続するための第1接続情報の入力をユーザから受け付けると(ステップS15)、複数のアクセスポイント12a~12cのいずれかと無線接続する(ステップS16)。たとえば、複数のアクセスポイント12a~12cのうち通信端末11から受信した電波の受信強度が最も高いアクセスポイントが、通信端末11と無線接続を優先的に行う。たとえば、複数のアクセスポイント12a~12cのうち通信端末11から受信した電波の受信強度が最も高いアクセスポイントがアクセスポイント12aである場合、アクセスポイント12aが通信端末11と無線接続を優先的に行い、通信端末11は、アクセスポイント12aと無線接続する。なお、通信端末11が移動して、複数のアクセスポイント12a~12cのうち通信端末11から受信した電波の受信強度が最も高いアクセスポイントがアクセスポイント12bになった場合、アクセスポイント12bが通信端末11と無線接続を優先的に行い、通信端末11は、アクセスポイント12bと無線接続する。このように、複数のアクセスポイント12a~12cは、通信端末11から受信した電波の受信強度を共有し、通信端末11から受信した電波の受信強度が最も高いアクセスポイントが通信端末11と無線接続する。
【0065】
以上、第1の実施の形態に係る接続システム10について説明した。
【0066】
第1の実施の形態に係る接続システム10は、複数のアクセスポイント12a~12cを備え、複数のアクセスポイント12a~12cのうちの一のアクセスポイント12aは、通信端末11と一のアクセスポイント12aとの無線接続に用いられる第1接続情報を、複数のアクセスポイント12a~12cのうちの他のアクセスポイント12bに送信し、他のアクセスポイント12bは、第1接続情報を用いて通信端末11と他のアクセスポイント12bとの無線接続が可能となるように設定を行う。
【0067】
これによれば、一のアクセスポイント12aは、第1接続情報を他のアクセスポイント12bに送信し、他のアクセスポイント12bは、第1接続情報を用いて通信端末11と他のアクセスポイント12bとの無線接続が可能となるように設定を行うので、ユーザが通信端末11と他のアクセスポイント12bとを無線接続するための設定を行うことなく、通信端末11と他のアクセスポイント12bとを無線接続させることができる。したがって、通信端末11と複数のアクセスポイント12a~12cのそれぞれとを無線接続する際の手間を抑制できる。
【0068】
また、第1の実施の形態に係る接続システム10において、他のアクセスポイント12bは、他のアクセスポイント12bに固有の第2接続情報を用いて通信端末11との無線接続が可能である。
【0069】
これによれば、第1接続情報および第2接続情報のどちらを用いても通信端末11と他のアクセスポイント12bとを無線接続できるので、通信端末11と他のアクセスポイント12bとを容易に無線接続できる。
【0070】
また、第1の実施の形態に係る接続システム10において、複数のアクセスポイント12a~12cは、相互に有線接続される。
【0071】
これによれば、複数のアクセスポイント12a~12cの間で、第1接続情報の送受信等を容易に行うことができるので、通信端末11と複数のアクセスポイント12a~12cとを無線接続しやすい。
【0072】
また、第1の実施の形態に係る接続システム10において、複数のアクセスポイント12a~12cのそれぞれは、通信端末11から受信した電波の受信強度を算出し、複数のアクセスポイントのうち受信強度が最も大きいアクセスポイントが、通信端末11と無線接続する。
【0073】
これによれば、複数のアクセスポイントのうち受信強度が最も大きいアクセスポイントと通信端末11とを無線接続させることができるので、通信端末11を効率よく無線接続させることができる。
【0074】
また、第1の実施の形態に係る接続システム10において、複数のアクセスポイント12a~12cのそれぞれは、少なくとも一部が建物の壁部1に埋め込まれる。
【0075】
これによれば、ユーザが通信端末11と他のアクセスポイント12b,12cとを無線接続するための設定を行うことなく、通信端末11と他のアクセスポイント12b,12cとを無線接続させることができるので、複数のアクセスポイント12a~12cが建物の壁部1に埋め込まれて移動することができない場合であっても、通信端末11と複数のアクセスポイント12a~12cのいずれかとを容易に無線接続できる。
【0076】
(第2の実施の形態)
図8は、第2の実施の形態に係るアクセスポイント74を前方側から見た斜視図である。
図8を参照して、アクセスポイント74について説明する。なお、以下の説明では、アクセスポイント12aとの相違点を主に説明する。
【0077】
図8に示すように、アクセスポイント74は、本体部16に代えて本体部76を有し、カバー26に代えてカバー78を有している点において、アクセスポイント12aと主に異なっている。カバー78は、本体部76に対してスライド可能であるスライドカバーである。
【0078】
本体部76は、第3側面42に形成されている凹部80と、第4側面44に形成されている凹部82とを有している。この実施の形態では、凹部80および凹部82のそれぞれが、第1凹部に相当する。
【0079】
凹部80は、第3側面42において凹んでおり、第1方向に延びている。凹部80は、第1方向における第3側面42の一端部から他端部まで形成されている。凹部82は、第4側面44において凹んでおり、第1方向に延びている。凹部82は、第1方向における第4側面44の一端部から他端部まで形成されている。
【0080】
カバー78は、凹部80にスライド可能に嵌合する凸部84と、凹部82にスライド可能に嵌合する凸部86とを有している。この実施の形態では、凸部84および凸部86のそれぞれが、第2凸部に相当する。
【0081】
凸部84は、カバー78が本体部76に取り付けられている状態において、本体部76の第3側面42と対向する第3側部56の内面において突出しており、第1方向に沿って形成されている。
【0082】
凸部86は、カバー78が本体部76に取り付けられている状態において、本体部76の第4側面44と対向する第4側部58の内面において突出しており、第1方向に沿って形成されている。
【0083】
カバー78を第1方向の一方側から他方側に向けてスライドさせることによって、カバー78を本体部76に取り付けることができる。
【0084】
なお、たとえば、本体部76は、第3側面42に形成されている第1凸部と、第4側面44に形成されている第1凸部とを有しており、カバー78は、第3側面42に形成されている第1凸部とスライド可能に嵌合する第2凹部と、第4側面44に形成されている第1凸部とスライド可能に嵌合する第2凹部とを有していてもよい。
【0085】
以上、第2の実施の形態に係るアクセスポイント74について説明した。
【0086】
第2の実施の形態に係るアクセスポイント74において、本体部76は、第3側面42に形成される凹部80および第4側面44に形成される凹部82を有し、カバー78は、凹部80とスライド可能に嵌合する凸部84および凹部82とスライド可能に嵌合する凸部86を有する。
【0087】
これによれば、カバー78を本体部76に対して容易にスライドさせることができる。したがって、モジュラジャック18等を使用する場合に、カバー78をスライドさせることによって、カバー78に覆われているモジュラジャック等を容易に露出させることができる。
【0088】
(第3の実施の形態)
図9は、第3の実施の形態に係るアクセスポイント88を前方側から見た斜視図である。
図9を参照して、アクセスポイント88について説明する。なお、以下の説明では、アクセスポイント12aとの相違点を主に説明する。
【0089】
図9に示すように、アクセスポイント88は、本体部16に代えて本体部90を有し、カバー26に代えてカバー92を有している点において、アクセスポイント12aと主に異なっている。カバー92は、本体部90に回動可能に連結されている。
【0090】
本体部90は、カバー92を回動可能に支持する支持部94を有している。支持部94は、前面36の上端部に設けられている。支持部94の構成については、公知のヒンジ部の構成等を適用できるため、支持部94の詳細な説明は省略するが、たとえば、支持部94は、カバー92に形成されている孔(図示せず)に挿通される軸体96を回動可能に支持することによって、カバー92を回動可能に支持する。カバー92は、軸体96回りに回動可能である(
図9の矢印A参照)。
【0091】
カバー92を支持部94に対して回動させることによって、カバー92を前面36と対向する位置に移動させることができ、モジュラジャック18等をカバー92で覆うことができる。
【0092】
以上、第3の実施の形態に係るアクセスポイント88について説明した。
【0093】
第3の実施の形態に係るアクセスポイント88において、カバー92は、本体部90に回動可能に連結される。
【0094】
これによれば、モジュラジャック18等を使用する場合に、カバー92を回動させることによって、カバー92に覆われているモジュラジャック18等を容易に露出させることができる。
【0095】
(他の実施の形態等)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0096】
上記の実施の形態では、本体部16が、壁部1よりも前方に突出している場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、本体部16は、壁部1よりも前方に突出していなくてもよく、本体部16の全体が壁部1に埋め込まれていてもよい。
【0097】
また、上記の実施の形態では、本体部16の前面36に、モジュラジャック18、接続情報表示部20、スイッチ22、およびランプ24が設けられる場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、本体部16の前面36には、モジュラジャック18、接続情報表示部20、スイッチ22、およびランプ24のうちの少なくとも1つが設けられていればよい。
【0098】
また、上記の実施の形態では、カバー26が、モジュラジャック18、接続情報表示部20、スイッチ22、およびランプ24を覆う場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、カバー26は、モジュラジャック18、接続情報表示部20、スイッチ22、およびランプ24のうちの少なくとも1つを覆っていればよい。
【0099】
また、上記の実施の形態における情報の伝達経路については一例であり、特に限定されるものではない。上記実施の形態において2つの装置が通信により情報の送受信を行う場合、2つの装置間には図示されない中継装置が介在してもよい。
【0100】
また、上記の実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0101】
また、上記の実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0102】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。たとえば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0103】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されてもよい。また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0104】
たとえば、本発明は、接続システム等のコンピュータによって実行される方法として実現されてもよいし、このような方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0105】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0106】
10 接続システム
11 通信端末
12a,12b,12c,74,88 アクセスポイント