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特許7687922制御ユニット用の低減された高さを有する積み重ね可能なブロック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】制御ユニット用の低減された高さを有する積み重ね可能なブロック
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/04 20060101AFI20250527BHJP
   H01H 9/02 20060101ALI20250527BHJP
【FI】
H01H13/04 A
H01H9/02 D
H01H9/02 J
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021155761
(22)【出願日】2021-09-24
(65)【公開番号】P2022054454
(43)【公開日】2022-04-06
【審査請求日】2024-03-18
(31)【優先権主張番号】2009766
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594083128
【氏名又は名称】シュネーデル、エレクトリック、インダストリーズ、エスアーエス
【氏名又は名称原語表記】SCHNEIDER ELECTRIC INDUSTRIES SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】パトリス、ティゾン
(72)【発明者】
【氏名】ティエリー、フォル
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー、ブーシェリー
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-207295(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0307710(US,A1)
【文献】特開昭55-139720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/00 - 9/28
H01H 13/00 - 13/88
H01H 89/00 - 89/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御ユニットまたは信号伝達ユニットを構成する第1の構成要素および第2の構成要素に積み重ね可能な電気接点ブロック(100)または信号伝達ブロック(300)であって、その容積を画定するケーシング(102、304)を備え、前記ケーシング(102、304)は、前記第1の構成要素に前記ブロックを接続するための上面(112、312)前記第2の構成要素に前記ブロックを接続するための下面(114、314)と、を有し、
前記ケーシングは、
-前記ブロックを前記第1の構成要素に固定するためのねじ(106、313)と、
-前記ケーシングの前記下面(114、314)に取り付けられた前記第2の構成要素に並進力を伝達するために、休止位置から作動位置に移動することができる押圧ロッド(130、306)であって、押しボタン(202、502)と並進的に係合することができるか、または回転ノブと回転式に係合することができるくさびの形態の作動ヘッド(140、340)を備える押圧ロッド(130、306)と、
を収容し、
前記ケーシング(102、304)は、前記押圧ロッドをその休止位置と作動位置との間で案内するためのキャビティ(115、315)を備え、このキャビティ内に前記押圧ロッド(130、306)が収容され、
前記作動ヘッドを通過する整合案内スロット(150、350)内に収容された少なくとも1つの案内タブ(119、319)を備える案内キャビティ内に前記押圧ロッドを案内するための装置(119、150;319、350)を特徴とする、
積み重ね可能な電気接点ブロック(100)または信号伝達ブロック(300)。
【請求項2】
前記押圧ロッド(130、306)が、前記作動ヘッドを支持するベース(142)を備え、前記案内スロット(150、350)もまた前記ベースを通過する、請求項1に記載のブロック(100、300)。
【請求項3】
前記案内装置が、2つの案内タブ(119、319)を備え、前記案内タブの各々は、前記作動ヘッドを通過する整合案内スロット(150、350)内に収容される、請求項1から2のいずれか一項に記載のブロック(100、300)。
【請求項4】
各案内タブ(119、319)が前記ケーシングの一部を形成する、請求項1から3のいずれか一項に記載のブロック(100、300)。
【請求項5】
前記押圧ロッド(130、306)が、略H字形の横断面を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のブロック(100、300)。
【請求項6】
前記押圧ロッド(130、306)が、外面(144)と、内面(146)と、2つの側面(148)とを有し、各案内スロット(150、350)が、前記側面(148)のうちの1つに形成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のブロック(100、300)。
【請求項7】
前記ケーシング(102、304)はまた、前記押圧ロッド用の少なくとも1つの戻しばね(110、308)を収容し、前記戻しばね(110、308)は、前記押圧ロッドの前記側面(148)のうちの1つに隣接して位置される、請求項6に記載のブロック(100、300)。
【請求項8】
前記ケーシングが、前記押圧ロッド用の2つの別個の戻しばね(110)を収容し、前記2つの戻しばねの一方が、前記押圧ロッドの前記2つの側面(148)の一方に隣接して配置され、前記戻しばねの他方は、前記押圧ロッドの前記2つの側面(148)の他方に隣接して配置される、請求項7に記載のブロック(100)。
【請求項9】
前記ブロックが電気接点ブロックであり、前記押圧ロッド(130)が、前記押圧ロッドと共に移動する可動電気接点ブリッジ(136)を支持する、請求項1から8のいずれか一項に記載のブロック(100)。
【請求項10】
前記可動ブリッジ(136)が、略U字形を有する、請求項9に記載のブロック(100)。
【請求項11】
前記可動ブリッジ(136)の行程が、前記ケーシングの案内壁(156)によって案内される、請求項9または10に記載のブロック(100)。
【請求項12】
-前記ケーシング(102)はまた、2つの電気端子(108)を収容し、前記可動ブリッジ(136)は、その移動によって、前記2つの電気端子(108)間の電気的接触を遮断または確立するように適合され、
-前記2つの電気端子(108)および前記可動ブリッジ(136)は、消弧チャンバ(154)内に一緒に配置され、
-前記消弧チャンバ(154)は、前記ケーシングの一部を形成する電気絶縁筐体によって囲まれている、
請求項9から11のいずれか一項に記載のブロック(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、積み重ね可能な電気接点ブロックまたは信号伝達ブロックであって、その容積を画定するケーシングを備え、ケーシングは、ブロックを他の構成要素に接続するための上面および下面を有し、
ケーシングは、
ブロックを他の構成要素に固定するためのねじと、
ケーシングの下面に取り付けられた構成要素に並進力を伝達するために、休止位置から作動位置に移動することができる押圧ロッドであって、押しボタンと並進的に係合することができるか、または回転ノブと回転式に係合することができるくさびの形態の作動ヘッドを備えた押圧ロッドと、
を収容し、
ケーシングは、押圧ロッドをその休止位置と作動位置との間で案内するためのキャビティを備え、そのキャビティ内に押圧ロッドが収容される、
積み重ね可能な電気接点ブロックまたは信号伝達ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
このような電気接点ブロックは既知である。一例は、出願人によって参照番号ZB2BEで販売されている電気接点ブロックである。図1図3は、この既知の電気接点ブロックを示している。図1は接点ブロックの概略斜視図であり、図2図1の矢印II-IIに沿った断面図であり、図3は分解図である。
【0003】
この電気接点ブロック100は、制御および信号伝達ユニットの構成要素として使用される。それは、電気接点が確立または遮断されることを可能にする。従来では、例えば、非常停止ボタン内に応用することができる。そのようなボタンは、特に、事故または損傷の場合に設備または機械の電源を迅速に遮断するために使用される。
【0004】
図1から図3に示す接点ブロック100は、「ノーマルオープン」タイプ(NOタイプ)である。これは、ケーシング102に統合された2つの電気端子101および103を備える。ケーシング102には、固定ねじまたは延長可能ねじ104が設けられている。固定ねじ104により、接点ブロック100を、例えばボタン本体などの他の構成要素に固定することができる。
【0005】
ケーシング102内には、押圧ロッド106が摺動自在に配置されている。押圧ロッド106は、作動ヘッド108を備える。作動ヘッド108を押すと、押圧ロッド106はケーシング102内に押し込まれる。これにより、2つの電気端子101、103の間に電気接点が確立される。
【0006】
この既知の接点ブロック100は、特定の利点を有する。これは積み重ね可能であり、押しボタンおよび回転ノブと互換性がある。さらに、延長可能ねじによって、それは非常に信頼性の高い固定手段を有する。さらに、その電気絶縁距離は、標準電源電圧230Vでの用途に十分である。
【0007】
しかしながら、この既知の接点ブロックは、かなりの高さを必要とするという欠点を有する。実際、押圧ロッド106は、案内キャビティ内で適切に摺動することを可能にするために、顕著な高さ、すなわち、なめらかな形態(sleek form)を有さなければならない。押圧ロッドが十分に高くない場合、そのとき、それはキャビティ内に押し込まれる危険性があり、それは接点ブロック100の故障につながる。したがって、それが動作し続けるためには、既知の接点ブロック100は最小の高さを有さなければならない。この最小の高さに起因して、2つ以上の接点ブロック100を同じ制御ユニット内に積み重ねることはしばしば不可能である。
【0008】
制御ユニットおよび信号伝達ユニットの構成要素としても使用される信号伝達ブロックについても同じ問題が発生する。実際、結果として生じる積み重ね体の高さが過剰であるために、1つの信号伝達ブロックおよび2つ以上の接点ブロック100の積み重ね体は、しばしば考察され得ない。
【0009】
上記のすべては、小型化についての市場の現在の傾向と矛盾する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本開示の目的は、積み重ね可能な電気接点ブロックまたは信号伝達ブロックを提案することであり、このブロックは、その構造により、その高さに関してそのような制限がなく、上記の既知のブロックの利点を可能な限り維持する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示によれば、この目的は、段落[0001]で定義された電気接点ブロックまたは信号伝達ブロックに、作動ヘッドを通過する整合案内スロット内に収容された案内タブを備える案内キャビティ内に押圧ロッドを案内するための装置を提供することによって達成される。
【0012】
整合タブおよびスロットアセンブリの形態であって、スロットが作動ヘッドを通過するこの案内装置は、特に前記押圧ロッドの高さが低い場合に、押圧ロッドの正確で信頼性の高い案内を提供する。したがって、押圧ロッドが押し込まれる危険性はもはやなくなり、これにより、接点ブロックまたは信号伝達ブロックを大幅に小さくすることができる。
【0013】
以下の段落で開示される特徴は、任意選択的に実施することができる。それらは、互いに独立して、または互いに組み合わせて実施することができる。
【0014】
押圧ロッドが、作動ヘッドを支持するベースを備え、案内スロットもまたベースを通過する。
【0015】
案内装置が2つの案内タブを備え、各案内タブは、作動ヘッドを通過する、整合案内スロット内に収容される。
【0016】
各案内タブは、ケーシングの一部を形成する。
【0017】
押圧ロッドは、略H字形の横断面を有する。
【0018】
押圧ロッドは、外面と、内面と、2つの側面とを有し、各案内スロットは、側面のうちの1つに形成される。
【0019】
ケーシングはまた、押圧ロッド用の少なくとも1つの戻しばねを収容し、戻しばねは、押圧ロッドの側面のうちの1つに隣接して配置される。
【0020】
ケーシングは、押圧ロッド用の2つの別個の戻しばねを収容し、2つの戻しばねの一方が、押圧ロッドの2つの側面の一方に隣接して配置され、戻しばねの他方は、押圧ロッドの2つの側面の他方に隣接して配置される。
【0021】
ブロックは、電気接点ブロックであり、押圧ロッドは、押圧ロッドと共に移動する可動電気接点ブリッジを支持する。
【0022】
可動ブリッジは、略U字状である。
【0023】
可動ブリッジの行程は、ケーシングの案内壁によって案内される。
【0024】
ケーシングはまた、2つの電気端子を収容し、可動ブリッジは、その移動によって、2つの電気端子間の電気的接触を遮断または確立するように適合され、2つの電気端子および可動ブリッジは、消弧チャンバ内に一緒に配置され、消弧チャンバは、ケーシングの一部を形成する電気絶縁チャンバによって囲まれる。
【0025】
本開示はまた、その容積を画定するケーシングを備える積み重ね可能な電気接点ブロックに関し、ケーシングは、ブロックを他の構成要素に接続するための上面および下面を有し、ケーシングは、
-ブロックを他の構成要素に固定するためのねじと、
-ケーシングの下面に取り付けられた構成要素に並進力を伝達するために休止位置から作動位置に移動することができる押圧ロッドと、
を収容し、
押圧ロッドは、押圧ロッドと共に移動する可動電気接点ブリッジを支持し、可動ブリッジは、略U字形状を有する。
【0026】
好ましくは、U字形の可動ブリッジの行程は、ケーシングの案内壁によって案内される。
【0027】
さらなる特徴、詳細および利点は、以下の詳細な説明を読むこと、および添付の図面を分析することから明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】従来技術による電気接点ブロックを示す図である。
図2図1の既知の接点ブロックの断面図である。
図3図1の既知の接点ブロックの分解図である。
図4】本開示の一実施形態による電気接点ブロックの概略斜視図である。
図5】ケーシングの一部が取り外された、図4の接点ブロックの矢印Vに沿った正面図である。
図6】ケーシングの一部が取り外された、図4の接点ブロックの矢印VIに沿った底面図である。
図7】ケーシングの一部が取り外された、図4の接点ブロックの矢印VIIに沿った上面図である。
図8】いくつかの要素が省略された、図4の接点ブロックの分解図である。
図9図4の接点ブロックの可動接点ユニットの斜視図である。
図10図4による4つの積み重ねられた接点ブロックを備えるボタン制御ユニットの側面図である。
図11図10の制御ユニットの断面図である。
図12】本開示の一実施形態による信号伝達ブロックの概略斜視図である。
図13図12の信号伝達ブロックの矢印XIIIに沿った縦断面図である。
図14図12および図13の信号伝達ブロックの矢印XIVに沿った横断面図である。
図15】いくつかの要素が省略された、図12および図13の信号伝達ブロックの矢印XVに沿った底面図である。
図16図12の信号伝達ブロックの分解図である。
図17図12による信号伝達ブロックと、図4による2つの積み重ねられた接点ブロックとを備えるボタン制御ユニットの側面図である。
図18図17の制御ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
最初に、図4図9を参照する。これらの図は、本開示による積み重ね可能な電気接点ブロックの実施形態100を示す。
【0030】
電気接点ブロック100の目的は、制御ユニットに統合されることである。電気接点ブロック100を作動させることにより、接点ブロックに含まれる2つの電気端子間に電気接点を確立することが可能である。したがって、産業用途では、電気設備に電流を供給することが可能である。
【0031】
従来、電気接点ブロックには、ノーマルオープン(NO)の電気接点ブロックとノーマルクローズ(NC)の電気接点ブロックの2種類がある。
【0032】
図4から図9の電気接点ブロック100は、ノーマルオープンタイプ(NOタイプ)である。もちろん、本開示は、ノーマルクローズタイプ(NCタイプ)の電気接点ブロックにも適用可能である。
【0033】
図4および図5を参照すると、電気接点ブロック100は、ケーシング102と、可動接点ユニット104と、固定ねじ106と、2つの電気端子108と、1対の戻しばね110とを備える。
【0034】
ケーシング102は、第1の部分102aと第2の部分102bとの2つの部分から形成されている。2つの部分102aおよび102bは取り外し可能であり、それによって電気接点ブロック100の内部へのアクセスを与える。図5図8では、ケーシング102の第2の部分102bが欠落していることに留意されたい。したがって、これらの図では、ケーシング102の第1の部分102aのみが見える。ケーシング102の第1の部分102aは、固定ねじ106を収容する。
【0035】
ケーシング102は、電気接点ブロック100の容積を画定する。それは、略直方体の形状を有する。それは、電気接点ブロック100を他の構成要素に接続するための上面112および下面114を有する。それはまた、外面103、内面105、および2つの側面107を有する。
【0036】
ケーシング102の外面103は、電気接点ブロック100が積み重ねられた場合に積み重ね体の外側に位置する面として画定される(図10および図11を参照)。ケーシング102の内面105は、積み重ね体の中心に位置する面である。ケーシング102の上面112は、電気接点ブロック100がその組み立て中に積み重ね体の残りの部分に固定される面である。下面114は、既に積み重ねられた電気接点ブロック100に他の構成要素を接続することを可能にする。
【0037】
ケーシング102は、電気接点ブロック100の様々な要素を収容するための複数の区域を有する。図8は、電気端子108を収容するための第1の区域116と、可動接点ユニット104を収容するための第2の区域118と、固定ねじ106を収容するための第3の区域120と、戻しばね110を収容するための第4の区域122とを示す。
【0038】
図4に見られるように、固定ねじ106は、ケーシング102の貫通孔124内に収容される。
【0039】
固定ねじ106は、延長可能ねじであることが好ましい。言い換えると、ねじ106の頭部126はねじ山128を有する。ねじ山128によって、他の構成要素のねじをねじ山128にねじ込むことによって、他の構成要素を電気接点ブロック100に接続することが可能である。したがって、特に、このようにして複数の電気接点ブロック100を接続または積み重ねることが可能である。この場合の固定ねじ106の頭部126は、ケーシング102の下面114側に位置している。
【0040】
図8を参照すると、2つの電気端子108はそれぞれ、電気導体108aおよびクランプねじ108bを備える。電気導体108aは、収容区域116内のケーシング102内に設置されている。クランプねじ108bを用いることにより、各導体108aに電線を接続することができる。この場合の各導体108aは、折り曲げられた金属シートで形成されている。各金属シート108aは、クランプねじ108bと係合する固定部109と、好ましくはストリップの形態の電気接点部111とを有する。各ストリップ111は、その自由端に電気接点113を有する。
【0041】
可動接点ユニット104は、ケーシング102の内部を移動可能である。これは、図9に斜視図として示されている。この可動接点ユニット104は、押圧ロッド130と、2つのばね止め部132と、ブリッジ支持部134と、ブリッジ支持部134によって支持された可動電気接点ブリッジ136と、可動ブリッジばね138とを備える。
【0042】
押圧ロッド130は、くさびの形態の作動ヘッド140と、作動ヘッド140を支持するベース142とを備える。押圧ロッド130は、外面144と、内面146と、2つの側面148とを有する。
【0043】
正面図において、図5を参照すると、作動ヘッド140のくさび形状は三角形の形態である。言い換えると、作動ヘッド140は、矢印先端の形状である。2つの横方向傾斜部を有するこの特定の形状は、押圧ロッド130が押しボタンおよび回転ノブの両方と係合することを可能にする。したがって、電気接点ブロック100は、押しボタンまたは回転ノブを選択することによって作動させることができる。回転ノブを用いる用途の場合、作動ヘッド140は、回転ノブの回転運動を可動接点ユニット104の並進運動に変換することを可能にするカムのように作用する。
【0044】
押圧ロッド130は、2つの案内スロット150によって横断されることに留意されたい(図7参照)。各案内スロット150は、押圧ロッド130の側面148のうちの一方に形成される。案内スロット150は、作動ヘッド140を通過し、好ましくはベース142も通過する。
【0045】
図6および図7に見られるように、押圧ロッド130は、略H字形の横断面を有する。言い換えれば、押圧ロッドの横断面は、横材によって接続された2つの枝部で作製されている。2つの枝部間の隙間は、案内スロット150に相当する。
【0046】
図示の例では、押圧ロッド130、止め部132、およびブリッジ支持部134は、単一の一体部品の形態で形成されることに留意されたい。
【0047】
支持部134によって、押圧ロッド130は可動ブリッジ136を支持する。可動ブリッジ136は、押圧ロッド130の別個の部分である。この場合、それは略U字形である(図5参照)。可動ブリッジ136は、中央接点プレート136aを備え、中央接点プレート136aは、その端部のそれぞれで、可動ブリッジ136を支持部134に固定するための枝部136bまで延在する。中央プレート136aの底部が図6に示されている。図6では、2つの電気接点137が識別されており、これらの点は電気端子108の接点113と係合することができる(図5参照)。
【0048】
好ましくは、可動ブリッジ136は、電流を伝導しなければならないため、金属製である。
【0049】
可動ブリッジばね138は、押圧ばねである。押圧ばね138は、可動ブリッジ136を下方に押し下げ、したがって、電気接点ブロック100の作動中に可動ブリッジ136と端子108との間の信頼性の高い接触を確実にする。
【0050】
ばね止め部132は、2つの戻しばね110を支持するために使用される。それらは、押圧ロッド130の両側に配置されている。言い換えると、止め部132は、押圧ロッド130を囲む。各止め部132は、支持部134からケーシング102の外面103に向かって延びる突出部の形態で形成される(図7参照)。
【0051】
各戻しばね110は、押圧ロッド130の側面148のうちの一方に隣接して配置される。各ばね110の上端110aは、可動接点ユニット104の一方の止め部132に当接する。各戻しばね110の下端110bは、ケーシング102の底部152を押圧する(図5参照)。各戻しばね110は、ケーシング102の対応するハウジング122内に収容されている。
【0052】
ケーシング102の第1の部分102aは、押圧ロッド130を案内するためのキャビティ115を備える(図7および図8参照)。押圧ロッド130は、案内キャビティ115内に移動可能に収容される。これは、案内キャビティ115内で並進的に移動することができる。案内キャビティ115は、矩形の横断面を有する。これは、長方形(oblong)の開口部117を介してケーシング102の残りの部分に接続する。長方形の開口部117は、スロットの形態である。これは、案内キャビティ115を部分的に画定する2つの案内タブ119の範囲によって画定される。2つの案内タブ119は、互いに対向して配置され、長方形の開口部117によって分離されている。
【0053】
各案内タブ119は、押圧ロッド130の2つの案内スロット150のうちの一方に収容される。各案内タブ119の形状は、その関連する案内スロット150の形状と整合する。言い換えれば、各案内タブ119は、その整合案内スロット150内に挿入される。したがって、タブ119とスロット150の2つの対が存在する。これらの2つの対119、150は共に、押圧ロッド130を案内キャビティ115内に案内するための装置を形成する。各案内タブ119は、ケーシング102と一体的に形成され、したがってその一体部分を形成することに留意されたい。
【0054】
図5に見られるように、2つの電気導体108aおよび可動ブリッジ136は、消弧チャンバ154内に一緒に配置される。消弧チャンバ154は、ケーシングの一部を形成する電気絶縁筐体によって囲まれている。図5および図8は、ケーシング102の第1の部分102aの2つの隔壁156を示す。これらの隔壁156は、電気絶縁筐体の一部を形成する。
【0055】
図6を参照すると、ケーシング102の第1の部分102aの下部が中央レセプタクル121を備えることが分かる。このレセプタクル121は、ケーシング102の下面114に接続された他の構成要素の作動ヘッドを収容するために使用される。この場合の作動ヘッドレセプタクル121は、矩形筐体の形態である。筐体121の壁は、ケーシング102の第1の部分102aに形成されている。図6は、案内タブ119が筐体131内に延在することを示す。作動ヘッドがレセプタクル121内に挿入されると、このレセプタクルは、レセプタクル121の壁によってすべての側面で囲まれる。したがって、レセプタクル121は、挿入された作動ヘッドを消弧チャンバ154から電気的に絶縁する電気絶縁ケージを画定する。この絶縁ケージは、プロテクタ123を備える。図示の例では、図6を参照すると、プロテクタ123はガードプレートの形態で形成される。このガードプレート123は、案内キャビティ115の下部を隠す。ガードプレート123は、ケーシング102の第1の部分102aの本体に対して突出している。ガードプレート123により、技術者は、不注意に指の1つまたは指に接続された金属部品をレセプタクル121内に挿入した場合に、感電する危険性を回避する。
【0056】
次に、図4図9の電気接点ブロック100の動作を説明する。
【0057】
作動ヘッド140を押すと、押圧ロッド130は休止位置から作動位置に移動する(図は休止位置を示すことのみに留意されたい)。押圧ロッドがその作動位置に向かって移動すると、押圧ロッドはケーシング102内に押し込まれる。押圧ロッド130のこの並進運動を実行するために、2つの戻しばね110の抵抗を克服する必要がある。押圧ロッド130、したがって可動接点ユニット104は、可動ブリッジ136の接点137と電気導体108aの接点113との間に機械的接点および電気接点が確立されるまで、ケーシング102の下面114に向かって摺動する。押圧ロッド130が解放されると、前記押圧ロッドは、戻しばね110の作用によってその休止位置に戻る。したがって、可動ブリッジ136は、押圧ロッド130と共に移動し、2つの電気端子108間の電気的接触を遮断または確立する。
【0058】
本開示による案内装置、すなわちタブ119およびスロット150の2つの対によって、ケーシング102内の押圧ロッド130の往復運動が良好に制御される。特に、可動接点ユニット104は、その並進運動中に、特に作動ヘッド140が回転ノブによって回転式に応力を受けている場合に、ケーシング内に留まる、または動けなくなることは不可能である。整合するタブおよびスロットを有する案内装置は、押圧ロッド130の遊びおよび自由度を最小限に抑え、したがって、所望の並進運動に正確に追従することを余儀なくされる。これにより、押圧ロッド130の高さ、したがって電気接点ブロック100の高さを低減することができる。
【0059】
図5に見られるように、休止位置と作動位置との間の行程中、可動ブリッジ136は隔壁156によって案内され、したがって可動ブリッジ136の移動のための案内壁を形成する。
【0060】
図10および図11は、図4図9に示すタイプの4つの電気接点ブロック100の積み重ね体を備える制御ユニット200の一例を示す。制御ユニット200は、押しボタン202と、ベースプレート204と、4つの電気接点ブロック100の積み重ね体206とで構成されている。図10は、制御ユニット200の側面図である。図11は、縦断面図である。4つの電気接点ブロック100は、それらの延長可能ねじ106によって互いに接続されている。より具体的には、積み重ね体206の2つの上側接点ブロックは、それらの延長可能ねじ106を使用してベースプレート204の下面にねじ込まれる。それらに関して、積み重ね体206の2つの下側接点ブロックの延長可能ねじ106は、上側接点ブロックのうちの一方の延長可能ねじ106のねじ山にねじ込まれる。
【0061】
図11は、4つの押圧ロッド130を明確に識別している。下側押圧ロッドの作動ヘッド140は、上側接点ブロックのレセプタクル121内に配置される。さらに、下側押圧ロッド130の作動ヘッド140は、上側押圧ロッドのベース142に接触する。
【0062】
したがって、押しボタン202を垂直方向に押すと(図11の矢印Vを参照)、2つの上側押圧ロッドは、戻しばね110に対してそれらの接点ブロック内に押し込まれる。この動作中、上側押圧ロッドは、それらの休止位置からそれらの作動位置に移動し、並進力を積み重ね体206の下側接点ブロックの押圧ロッド130に伝達する。下側接点ブロックの押圧ロッドもまた、それらの作動位置に向かって移動される。したがって、押しボタン202を押すことにより、4つの電気接点ブロック100のすべてが同時に作動する。
【0063】
図12図16は、本開示による積み重ね可能な信号伝達ブロックの実施形態300を示す。それは、それが含まれる制御ユニットの動作状態を示すために光信号を送信することができるインジケータブロックを含む。
【0064】
図16を参照すると、インジケータブロック300は、ライト案内302と、ケーシング304と、戻しばね308を有する2つの押圧ロッド306と、クランプねじ311を有する2つの電気端子310と、2つの固定ねじ313と、発光ダイオード318を支持するプリント回路316と、カバー320とを備える。
【0065】
ケーシング304は、インジケータブロック300を例えば図4から図9の電気接点ブロック100などの他の構成要素に接続するための上面312および下面314を有する。インジケータブロック300の2つの押圧ロッド306はそれぞれ、図4図9の電気接点ブロック100の作動ヘッド140と同じ形状の作動ヘッド340を有する。したがって、作動ヘッド340はまた、くさびの形態であり、2つの対向する案内スロット350によって横断される。押圧ロッド306を案内するための装置は、電気接点ブロック100のものと同様である。したがって、各押圧ロッド306に対して2つの案内タブ319も存在する。図15に見られるように、各押圧ロッド306はまた、略H字形の横断面を有する。
【0066】
各押圧ロッド306は、その戻しばね308のための支持部として作用する止め要素332を有する。各戻しばね308の長手方向軸は、対応する押圧ロッド306の長手方向軸に対してオフセットされていることに留意されたい。さらに、各戻しばね308は、その押圧ロッド306に対して横方向に配置されている。
【0067】
ケーシング304には、押圧ロッド306ごとに1つずつ、2つの案内キャビティ315が設けられている。
【0068】
図14は、積み重ね作業中に、他のブロックの押圧ロッドの作動ヘッド440がインジケータブロック300内にどのように収容されるかを示す。これは、作動ヘッド440がインジケータブロック300のケーシング304のレセプタクル321内にどのように挿入されるかを明確に示している。作動ヘッド440の先端は、インジケータブロック300の押圧ロッド306のベースに接触する。
【0069】
図17および図18は、2つの電気接点ブロック100およびインジケータブロック300を組み込んだ制御ユニットの実施形態500を示す。図10および図11の制御ユニット200に関して、制御ユニット500は、押しボタン502およびベースプレート504を備える。インジケータブロック300は、その延長可能ねじ313によってベースプレート504にねじ込まれる。2つの電気接点ブロック100は、それらの延長可能ねじ106を使用してインジケータブロック300の下面314にねじ込まれる。
【0070】
押しボタン502を垂直方向に押すと(図18の矢印Vを参照)、2つの押圧ロッド306はインジケータブロック300内に押し込まれる。押圧ロッド306は、この並進力を接点ブロック100の押圧ロッド130に伝達する。
【0071】
したがって、その押圧ロッド306によって、インジケータブロック300は接点ブロック100と積み重ねられ得ることを理解されたい。
【0072】
制御ユニット500は、押しボタン502を押すことによって電気接点を確立することを可能にするだけでなく、インジケータブロック300のLEDによって、すべて非常にコンパクトかつ一体的な様式でその状態をユーザに表示することもできる。
【0073】
本開示による電気接点および信号伝達ブロックは、特に以下の技術的利点、
-限られたスペースに多数のブロックを積み重ねることができる低い高さ、
-固定ねじによってブロックに基づいて形成された積み重ね体の高い強度、
-作動ヘッドのくさび形状による押しボタンおよび回転ノブとの適合性、
-コンパクトで高さが低いにもかかわらず、規格に従った電気絶縁、
という技術的利点を有する。
【0074】
本開示は、単に例として上述した実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲によって定義されるように、求められる保護の範囲内で当業者によって企図され得るすべての変形を包含するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図14
図15
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