(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】車両用照明装置、車両用照明制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/50 20060101AFI20250527BHJP
【FI】
B60Q1/50 Z
(21)【出願番号】P 2023169686
(22)【出願日】2023-09-29
【審査請求日】2024-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】槌谷 裕志
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼本 毅
(72)【発明者】
【氏名】河村 和幸
(72)【発明者】
【氏名】勘解由 明広
(72)【発明者】
【氏名】忍田 圭
【審査官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-069800(JP,A)
【文献】特開2009-040227(JP,A)
【文献】特開2011-084106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前方を照射する左右一対のヘッドライトと、
車両の
側方の外装部
の外縁に沿って設けられ
、前記ヘッドライトとは異なる第1エクステリアライトと、
前記左右一対のヘッドライトの間で、前記車両の
前正面の外装部に
車幅方向に沿って設けられ
、前記ヘッドライトとは異なる第2エクステリアライトと、
前記車両の進行経路に存在する対象物を認識する認識部と、
前記車両の運転者の視認方向を検出する検出部と、
前記認識部が前記対象物を認識した場合、
前記ヘッドライトを点灯または消灯させている状態で、前記第2エクステリアライトを動作させ、前記検出部が検出した前記視認方向に応じて、前記第1エクステリアライトを動作させる制御部と、
を備える車両用照明装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記車両が交差点または横断歩道の手前で停車し、かつ前記認識部が前記対象物を認識した場合、前記第2エクステリアライトを動作させ、前記検出部が検出した前記視認方向に応じて、前記第1エクステリアライトを動作させる、
請求項1記載の車両用照明装置。
【請求項3】
前記第1エクステリアライトは、フェンダーに配置され、
前記第2エクステリアライトは、グリルに配置される、
請求項1記載の車両用照明装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記対象物を追従するように前記第2エクステリアライトを点灯させる、
請求項1記載の車両用照明装置。
【請求項5】
前記制御部は、複数の前記対象物が認識された場合、前記第2エクステリアライトにおける複数の前記対象物に対応する位置を点灯させる、
請求項1記載の車両用照明装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記車両と複数の前記対象物それぞれの位置関係に応じて前記第2エクステリアライトを点灯する形態を変える、
請求項1記載の車両用照明装置。
【請求項7】
車両前方を照射する左右一対のヘッドライトと、車両の
側方の外装部
の外縁に沿って設けられ
、前記ヘッドライトとは異なる第1エクステリアライトと
、前記左右一対のヘッドライトの間で、前記車両の
前正面の外装部に
車幅方向に沿って設けられ
、前記ヘッドライトとは異なる第2エクステリアライトとを備える車両用照明装置のプロセッサが、
前記車両の進行経路に存在する対象物を認識する処理と、
前記車両の運転者の視認方向を検出す
る処理と、
前記対象物を認識した場合、
前記ヘッドライトを点灯または消灯させている状態で、前記第2エクステリアライトを動作させ、検出した前記視認方向に応じて、前記第1エクステリアライトを動作させる処理と、
を実行する車両用照明制御方法。
【請求項8】
車両前方を照射する左右一対のヘッドライトと、車両の
側方の外装部
の外縁に沿って設けられ
、前記ヘッドライトとは異なる第1エクステリアライトと
、前記左右一対のヘッドライトの間で、前記車両の
前正面の外装部に
車幅方向に沿って設けられ
、前記ヘッドライトとは異なる第2エクステリアライトとを備える車両用照明装置のプロセッサに、
前記車両の進行経路に存在する対象物を認識する処理と、
前記車両の運転者の視認方向を検出す
る処理と、
前記対象物を認識した場合、
前記ヘッドライトを点灯または消灯させている状態で、前記第2エクステリアライトを動作させ、検出した前記視認方向に応じて、前記第1エクステリアライトを動作させる処理と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用照明装置、車両用照明制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の車体前後に設けられた方向指示器以外の灯体は、夜間における前方の視界を確保したり、後続車両に自身の位置を知らせたりするために用いられる。近年、車両や歩行者の安全をさらに確保するために、上述のような燈体に、従来の役割に加え歩行者等への報知機能を持たせる技術が提案されている。
【0003】
例えば、自動運転モードで走行している車両が歩行者を認識していることを歩行者に対して提示可能な車両用照明装置(車両用照明システム)が提案されている(特許文献1参照)。このものは、車両の前方から視認可能なコミュニケーションランプと、車両が歩行者を検出した場合にコミュニケーションランプの照明状態を変化させる照明制御装置と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、車両そのものが相手(歩行者)を認識しているか否かを相手に報知するものの、運転者が相手を認識しているか否か、並びに車両システムが相手を認識しているか否かを反映させることはできない。このため、相手との間で包括的なコミュニケーションを取ることができず、車両や相手に対する交通の安全性を確保するために改善の余地があった。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、相手との間で包括的なコミュニケーションを取ることができ、車両や相手に対する交通の安全性をより一層改善して持続可能な輸送システムの発展に寄与できる車両用照明装置、車両用照明制御方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る車両用照明装置、車両用照明制御方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る車両用照明装置は、車両の外装部に設けられた第1エクステリアライトと、前記車両の外装部に設けられた第2エクステリアライトと、前記車両の進行経路に存在する対象物を認識する認識部と、前記車両の運転者の視認方向を検出する検出部と、前記認識部が前記対象物を認識した場合、前記第2エクステリアライトを動作させ、前記検出部が検出した前記視認方向に応じて、前記第1エクステリアライトを動作させる制御部とを備える車両用照明装置である。
【0008】
(2):上記(1)の態様において、前記制御部は、前記車両が交差点または横断歩道の手前で停車し、かつ前記認識部が前記対象物を認識した場合、前記第2エクステリアライトを動作させ、前記検出部が検出した前記視認方向に応じて、前記第1エクステリアライトを動作させるものである。
【0009】
(3):上記(1)の態様において、前記第1エクステリアライトは、前記車両の側方における外縁に沿って設けられ、前記第2エクステリアライトは、前記車両の前正面に車幅方向に沿って設けられるものである。
【0010】
(4):上記(1)の態様において、前記制御部は、前記対象物を追従するように前記第2エクステリアライトを点灯させるものである。
【0011】
(5):上記(1)の態様において、前記制御部は、複数の前記対象物が認識された場合、前記第2エクステリアライトにおける複数の前記対象物に対応する位置を点灯させるものである。
【0012】
(6):上記(1)の態様において、前記制御部は、前記車両と複数の前記対象物それぞれの位置関係に応じて前記第2エクステリアライトを点灯する形態を変えるものである。
【0013】
(7):この発明の一態様に係る車両用照明制御方法は、車両の外装部に設けられた第1エクステリアライトと、前記車両の外装部に設けられた第2エクステリアライトと、を備える車両用照明装置のプロセッサが、前記車両の進行経路に存在する対象物を認識する処理と、前記車両の運転者の視認方向を検出する検出する処理と、前記対象物を認識した場合、前記第2エクステリアライトを動作させ、前記検出部が検出した前記視認方向に応じて、前記第1エクステリアを動作させる処理と、を実行する車両用照明制御方法である。
【0014】
(8):この発明の一態様に係るプログラムは、車両の外装部に設けられた第1エクステリアライトと、前記車両の外装部に設けられた第2エクステリアライトと、を備える車両用照明装置のプロセッサに、前記車両の進行経路に存在する対象物を認識する処理と、前記車両の運転者の視認方向を検出する検出する処理と、前記対象物を認識した場合、前記第2エクステリアライトを動作させ、前記検出部が検出した前記視認方向に応じて、前記第1エクステリアを動作させる処理と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
(1)~(8)の態様によれば、車両用照明装置が、対象物の位置と運転者の視認方向に応じて各ライトを制御することにより、相手との間で包括的なコミュニケーションを取ることができ、車両や相手に対する交通の安全性をより一層改善して持続可能な輸送システムの発展に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】車両用照明装置1が搭載された車両200の斜視図である。
【
図3】第2エクステリアライト50の正面図である。
【
図4】第2エクステリアライト50の拡大図である。
【
図5】外界センサ20の認識範囲と運転者の視界範囲を示す図である。
【
図6】車両200が走行中の場合の各ライトの点灯の形態の一例を示す図である。
【
図7】車両200の右側から歩行者が接近し始めた場合の各ライトの点灯の状態の一例を示す図である。
【
図8】
図7の状態に各ライトが制御される場合の、車両200の運転者の視点から見た歩行者Hの一例を示す図である。
【
図9】車両200の右側から歩行者Hが接近している場合の各ライトの点灯の状態の一例を示す図である。
【
図10】
図9の状態に各ライトが制御される場合の、車両200の運転者の視点から見た歩行者Hの一例を示す図である。
【
図11】車両200の正面右側に歩行者Hが接近している場合の各ライトの点灯の状態の一例を示す図である。
【
図12】
図11の状態に各ライトが制御される場合の、車両200の運転者の視点から見た歩行者Hの一例を示す図である。
【
図13】車両200の左側に歩行者Hが接近している場合の各ライトの点灯の状態の一例を示す図である。
【
図14】
図13の状態に各ライトが制御される場合の、車両200の運転者の視点から見た歩行者Hの一例を示す図である。
【
図15】車両200の左側に歩行者Hが遠ざかっている場合の各ライトの点灯の状態の一例を示す図である。
【
図16】
図15の状態に各ライトが制御される場合の、車両200の運転者の視点から見た歩行者Hの一例を示す図である。
【
図17】車両200の左側に歩行者Hが遠ざかっている場合の各ライトの点灯の状態の一例を示す図である。
【
図18】
図17の状態に各ライトが制御される場合の、車両200の運転者の視点から見た歩行者Hの一例を示す図である。
【
図19】対象物が複数存在する一例を示す図である。
【
図20】
図19の場合に制御される車両用照明装置1の点灯の形態を示す車両200の正面図である。
【
図21】車両200が停止している場合の車両用照明装置1の点灯の形態の一例を示す図である。
【
図22】第2エクステリアライト50の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照し、本発明の車両用照明装置、車両用照明制御方法、およびプログラムの実施形態について説明する。
【0018】
車両用照明装置1は、例えば、車両に搭載される照明装置である。車両とは、例えば、四輪車や自動二輪車、マイクロモビなどである。以下の説明では、四輪車の場合について説明する。車両用照明装置1は、例えば、車両が走行している道路を歩行者や自転車、車いす、家畜などの対象物が横断する場合、その対象物の動きに応じて照明を点灯するように動作する。車両用照明装置1は、例えば、対象物をカメラなどで検出し、更に車両の運転者の視認する方向を検出することで対象物の動きを表現する。
【0019】
図1は、車両用照明装置1の構成図である。車両用照明装置1は、例えば、位置測位装置10と、外界センサ20と、車内カメラ30と、第1右エクステリアライト40Rと、第1左エクステリアライト40Lと、第2エクステリアライト50と、右ヘッドライト60Rと、左ヘッドライト60Lと、車内通信網70と、制御装置100とを備える。
【0020】
位置測位装置10は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機である。位置測位装置10は、車両200の位置を測位して制御装置100に出力する。
【0021】
外界センサ20は、例えば、車外の情報を取得するためのカメラ、レーダ装置、LIDAR(Light Detection and Ranging)、ソナーなどである。外界センサ20は、検出した情報を表す信号を制御装置100に送信する。
【0022】
車内カメラ30は、例えば、可視光カメラである。車内カメラ30は、車両200の車室201内に設けられ、運転者の顔を撮像するように設置されている。
【0023】
図2は、車両用照明装置1が搭載された車両200の斜視図である。第1右エクステリアライト40Rと第1左エクステリアライト40Lのそれぞれは、車両200の側方における外縁に沿って設けられる発光装置である。第1右エクステリアライト40Rと第1左エクステリアライト40Lのそれぞれは、例えば、フェンダーに沿って設けられる。第1右エクステリアライト40Rと第1左エクステリアライト40Lのそれぞれは、車両200の左右のボンネットフード202とフロントフェンダ203との境界に沿って設けられている。第1右エクステリアライト40Rと第1左エクステリアライト40Lのそれぞれは、制御装置100によって動作制御される。
【0024】
第2エクステリアライト50は、車両200の前正面に車幅方向に沿って設けられる発光装置である。第2エクステリアライト50は、例えば、車両200の前部を構成するフロントグリルに設けられている。第2エクステリアライト50は、右ヘッドライト60R、左ヘッドライト60Lの間に、車幅方向に延在するように設けられている。
【0025】
右ヘッドライト60Rと左ヘッドライト60Lのぞれぞれは、車両200の前部における車幅方向の左右両側に設けられる。
【0026】
図3は、第2エクステリアライト50の正面図である。第2エクステリアライト50は、車両200の前方(点灯表示方向)を向く複数の筒部51が上下方向と車幅方向に配置されている。また、右ヘッドライト60Rと左ヘッドライト60Lのそれぞれは、ヘッドライト本体61と、ヘッドライト本体61の周囲を取り囲む複数の状態表示ライト62と、により構成される。ヘッドライト本体61は、夜間時等に前方を照射するライトである。状態表示ライト62は、前方からみて円環状に複数配置される。状態表示ライト62は、方向指示器として機能する。状態表示ライト62は、一つずつのライトごとに点灯/消灯を制御される。
図2では、車両200の前方を矢印FRで示す。車両200の上方を矢印UPで示す。車両200の前方を向いた状態での左方を矢印LHで示す。
【0027】
図4は、第2エクステリアライト50の拡大図である。各筒部51は、周壁52aが六角形状に形成されている。複数の筒部51は、上下方向と車幅方向に千鳥状に配置されている。各筒部51の前部側(点灯表示方向側)には、六角形状の周壁52aの一つおきに離れた頂部52tを連結するY字状の連結壁53が設けられている。このため、筒部集合壁の各筒部51の周壁52aが連続したハニカム形状を形成することになる。こうして点灯した光源の光は筒部集合壁の筒部51を通して車両前方側に出射する。車外の視認者は、筒部内で点灯する光源の光によって表示された文字や図形等を認識することができる。そして、光源を点灯しない場合には、光源が筒部51の周壁52aによって隠され、外部から見えにくくなる。
【0028】
図5は、外界センサ20の認識範囲と運転者の視界範囲を示す図である。Aは、運転者の視界範囲を示し、Bは、外界センサ20の認識範囲である。本発明が適用される車両では、運転者の視界Aの方が外界センサの認識範囲Bよりも広くなっている。後述するように、車両200が交差点や横断歩道付近に停車し、外界センサ20の認識範囲Bに歩行者や、他の車両などの対象物が存在すると、認識部110が外界センサ20を用いて対象物を認識する。運転者の視界範囲Aに存在し、かつ外界センサ20の認識範囲外に対象物が存在した場合、運転者が気づき対象物を注視することで、検出部120が車内カメラ30を用いて運転者の視認方向を検出し、対象物が存在すると推定する。
【0029】
図1に示すように、制御装置100は、例えば、認識部110と、検出部120と、制御部130と、記憶部140とを備える。記憶部140以外の構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0030】
認識部110は、対象物を認識する。認識部110は、外界センサ20から入力される情報に基づいて、車両200の進行経路に存在する対象物を認識する。例えば、カメラの撮像した画像を、対象物を認識するための学習済モデルに入力することで、画像上の対象物の位置を認識し、それを上空から見た仮想平面上の位置に変換することで車両200の進行経路に存在する対象物を認識する。認識部110は、認識した認識情報を制御部130に送信する。認識情報は、例えば、認識した対象物の位置情報である。
【0031】
検出部120は、車内カメラ30により運転者の視認方向を検出する。視認方向とは、例えば車両200の運転者の視線の向く方向である。視認方向は、運転者が注視している方向に限らず、漠然と見ている方向であってもよい。検出部120は、例えば、赤外線を運転者の角膜で反射させて運転者の視線方向を検出する角膜反射法や、角膜と強膜との光に対する反射率の差を利用するリンバストラッキング法、眼球の映像をカメラで撮像して画像処理により視線を検出する画像解析法等を用いて運転者の視認方向を検出する。
【0032】
検出部120は、例えば、車内カメラ30を用いて運転者の目を撮影し、目頭と虹彩の位置関係から視認方向を検出する。検出部120は、視認方向の動きが止まると経過時間を計測する。検出部120は、運転者の視認方向が同じ方向に(所定の角度範囲内に)一定時間向いていることを検出した場合、その方向を視認方向(検出情報)として制御部130に送信する。
【0033】
制御部130は、認識部110および検出部120から送信された認識情報、検出情報と車両200の運転状況、および車両が置かれたシーン(場面)の情報に基づいて、第1右エクステリアライト40Rと、第1左エクステリアライト40Lと、第2エクステリアライト50と、右ヘッドライト60Rと、左ヘッドライト60Lを制御する。運転状況とは、例えば、車両200が走行している、停止している、右折/左折しようとしているなどの情報である。
【0034】
運転状況は、例えば、車内通信網70から取得する。車内通信網70は、例えば、CAN(Controller Area Network)である。車内通信網70は、車両200のセンサやECU(Electronic Control Unit)などに接続され、車両制御に用いられる各種の状態情報が伝達されている。
【0035】
シーン(場面)とは、車両200が交差点または横断歩道にいるかどうかを示す情報である。制御部130は、位置測位装置10の測位した車両200の位置情報の履歴と、記憶部140が記憶する地図情報142の情報を比較して、シーンを判断する。
【0036】
記憶部140は、地図情報142を記憶する。地図情報142は、適宜最新の地図を記憶しており、交差点または横断歩道の場所を記憶する。記憶部140は、上記の各種記憶装置、或いはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)等により実現されてもよい。
【0037】
また、認識部110は、外界センサ20による対象物の認識の他に、歩行者の携帯端末や他の車両との通信によって、車両200の周辺に対象物が存在すると認識してもよい。
【0038】
認識部110が対象物を認識した場合、制御部130は、第2エクステリアライト50と、右ヘッドライト60Rと、左ヘッドライト60Lを動作させる。制御部130は、検出部120が検出した運転者の視認方向に更に基づいて、第2エクステリアライト50を動作させてもよい。一方、制御部130は、検出部120が検出した運転者の視認方向に基づいて、第1右エクステリアライト40Rと、第1左エクステリアライト40Lを動作させる。また、認識部110が対象物を認識し、制御部130が、車両200が交差点または横断歩道の手前にいると判断した場合、各ライトを動作させてもよい。以下、第1右エクステリアライト40Rと、第1左エクステリアライト40Lと、第2エクステリアライト50と、右ヘッドライト60Rおよび左ヘッドライト60Lの点灯の形態について説明する。
【0039】
図6は、車両200が走行中の場合の各ライトの点灯の形態の一例を示す図である。「走行中」とは、道路上で進行方向に向かって車速が所定速度以上で走行することである。車両200が走行中の場合、制御部130は、第1右エクステリアライト40Rと、第1左エクステリアライト40Lとを消灯させる。制御部130は、第2エクステリアライト50を、一本線に点灯させる。制御部130は、右ヘッドライト60Rと、左ヘッドライト60Lのヘッドライト本体61を消灯させ、状態表示ライト62を点灯させる。
図6に示す各ライトの点灯の形態を、第1点灯形態とする。車両200が道路を通常走行している場合、制御部130は、各ライトを第1点灯形態に制御する。車両200が通常走行しているという判断は、制御部130が車内通信網70から運転状況を取得して判断する。例えば、制御部130は、車両200の車速が所定速度以上である場合に走行中と判断する。
【0040】
図7は、車両200が右折中に車両200の右側から歩行者が接近し始めた場合の各ライトの点灯の状態の一例を示す図である。
図8は、
図7の状態に各ライトが制御される場合の、車両200の運転者の視点から見た歩行者Hの一例を示す図である。
図8に示すように、歩行者Hは、運転者から向かって右側から横断歩道を渡ろうとしている。運転者は、歩行者Hを視認することができる。運転者が歩行者Hを視認したことを検出部120で検出した場合において、
図7に示すように、制御部130は、第1右エクステリアライト40Rを第1色に点灯させる。第1色は、例えば、緑色であってもよいし他の色であってもよい。制御部130は、第1左エクステリアライト40Lの消灯を継続させる。制御部130は、第1右エクステリアライト40Rが点灯信号に基づいて、第2エクステリアライト50の右側を、くの字に点灯させ、左側になるにつれライトが暗く点灯させる。制御部130は、第2エクステリアライト50を、右側のみ点灯させ、中央と左側は消灯させる。制御部130は、右ヘッドライト60Rと、左ヘッドライト60Lのヘッドライト本体61を消灯させ、状態表示ライト62を点灯させる。
図7に示す各ライトの点灯の形態を、第2点灯形態とする。
【0041】
図8に示すように横断歩道付近において歩行者Hが接近を始めると、運転者は、衝突しないように注意するため車両200を停止させ、歩行者Hの方向を視認する。検出部120は、運転者の視認方向を検出する。検出部120が運転者の視認方向を検出し、その検出した視認方向と経過時間から右側を注視していることがわかると、制御部130は、各ライトの点灯形態を第2点灯形態にする。制御部130が各ライトを第2点灯形態に点灯するように制御することで、運転者が歩行者Hを視認したことが歩行者Hに伝わり、歩行者Hが安心感を得ることができる。
【0042】
図9は、車両200の右側から歩行者Hが接近している場合の各ライトの点灯の状態の一例を示す図である。
図10は、
図9の状態に各ライトが制御される場合の、車両200の運転者の視点から見た歩行者Hの一例を示す図である。
図10で示すように、歩行者Hは、運転者から向かって右側の横断歩道を歩行しており、
図8の時点よりも前進している。歩行者Hは、前進したことにより、車両200により近い場所を歩行している。
図9に示すように、制御部130は、第1右エクステリアライト40Rを、第1色に点灯しながら第2色が右方向から左方向へ移動するように点灯させる。第2色は、例えば、白色であってもよいし、他の色であってもよいし、第1色とは違う色である。制御部130は、第2エクステリアライト50を、
図8の第2エクステリアライト50と同じ状態で点灯を継続させる。制御部130は、右ヘッドライト60Rと、左ヘッドライト60Lを、
図8と同様にヘッドライト本体61の消灯を継続させ、状態表示ライト62の点灯を継続させる。
図9に示す各ライトの点灯の形態を、第3点灯形態とする。
【0043】
運転者は、横断歩道を歩行する歩行者Hを引き続き注視する。運転者の視認方向は、歩行者Hが前進するとともに、左方向へ動く。制御部130は、例えば、検出部120が、運転者が歩行者Hを1~2秒注視したことを検出すると、第1右エクステリアライト40Rを第2色に点灯させ、運転者の視認方向に追従するように点灯させる。第2色は、例えば、徐々に左方向へ移動し、点灯していた箇所は減光する。制御部130は、減光した箇所に第1色を点灯させる。
【0044】
制御部130が、各ライトを第3点灯形態に点灯するように制御することで、運転者の視認方向が歩行者Hを追っていることが歩行者Hに伝わり、歩行者Hが安心感を得ることができる。
【0045】
図11は、車両200の正面右側に歩行者Hが接近している場合の各ライトの点灯の状態の一例を示す図である。
図12は、
図11の状態に各ライトが制御される場合の、車両200の運転者の視点から見た歩行者Hの一例を示す図である。
図12に示すように、歩行者Hは更に前進し、車両200の正面右側方向の横断歩道を歩行する。
図11に示すように、制御部130は、第1右エクステリアライト40Rを、第1色に点灯しながら第2色が左端にて点灯させる。制御部130は、第1右エクステリアライト40Rを、第2色が点灯させた箇所は徐々に減光させ、第1色のみを点灯させる。制御部130は、第2エクステリアライト50を、右端のみ点灯させる。第2エクステリアライト50の点灯の形状は、例えば、
図11のような六角形でもよいし、人型でもよいし、点であってもよい。制御部130は、右ヘッドライト60Rと、左ヘッドライト60Lの、ヘッドライト本体61と状態表示ライト62を右側の一部分消灯させ、状態表示ライト62の他の部分を点灯させる。制御部130は、第1左エクステリアライト40Lを、消灯させる。
図11に示す各ライトの点灯の状態を、第4点灯形態とする。
【0046】
図12に示すように、歩行者Hが前進したため、運転者の視認方向は徐々に車両200の正面へ移動する。制御部130は、その視認方向に応じて、各ライトの点灯状態を制御し、第4点灯形態に点灯する。
【0047】
制御部130が、各ライトを第4点灯形態に点灯するように制御することで、運転者の視認方向が引き続き歩行者Hを追従していることが歩行者Hに伝わり、歩行者Hは安心感を得ることができる。
【0048】
図13は、車両200の左側に歩行者Hが接近している場合の各ライトの点灯の状態の一例を示す図である。
図14は、
図13の状態に各ライトが制御される場合の、車両200の運転者の視点から見た歩行者Hの一例を示す図である。歩行者Hは、更に前進し、運転者から見て左側を歩行する。運転者の視認方向は、左側へ移動する。
図13に示すように、制御部130は、第1右エクステリアライト40Rの第1色を減光させる。制御部130は、第1左エクステリアライト40Lを、消灯させる。制御部130は、第2エクステリアライト50の左側を、六角形に点灯させる。制御部130は、右ヘッドライト60Rと左ヘッドライト60Lのヘッドライト本体61を消灯させ、状態表示ライト62のみ点灯させる。
図13に示す各ライトの点灯の状態を、第5点灯状態とする。
【0049】
図14において、歩行者Hは左側に移動し、それに伴い運転者の視認方向が左に移動したことで、制御部130は第2エクステリアライト50の点灯する部分が左側になるように制御する。また、制御部130は、第1右エクステリアライト40Rの点灯を減光させる。
【0050】
制御部130が、各ライトを第5点灯形態に点灯するように制御することで、歩行者Hは、道路の左側へ移動に合わせて各ライトの動きが追従していることが、歩行者Hに伝わるため、安心感を得ることができる。
【0051】
図15は、車両200の左側に歩行者Hが遠ざかっている場合の各ライトの点灯の状態の一例を示す図である。
図16は、
図15の状態に各ライトが制御される場合の、車両200の運転者の視点から見た歩行者Hの一例を示す図である。歩行者Hは、更に前進して、横断歩道を渡り終えようとしており、車両200からは遠ざかっていく。
図15に示すように、制御部130は、第1右エクステリアライト40Rを、消灯させる。制御部130は、第1左エクステリアライト40Lを、第1色に点灯させ、歩行者Hの動きに応じて第2色が移動しながら点灯させる。制御部130は、第2エクステリアライト50の左側を、くの字に点灯させる。制御部130は、右ヘッドライト60Rと左ヘッドライト60Lのヘッドライト本体61と状態表示ライト62の左側を消灯させ、その他の状態表示ライト62を点灯させる。
図15に示す各ライトの点灯の状態を、第6点灯形態とする。
【0052】
制御部130が、各ライトを第6点灯形態に点灯するように制御することで、歩行者Hが横断歩道を渡り終えようとする場合でも各ライトの動きが追従していることが、歩行者Hに伝わるため、歩行者Hは安心感を得ることができる。
【0053】
図17は、車両200の左側に歩行者Hが遠ざかっている場合の各ライトの点灯の状態の一例を示す図である。
図18は、
図17の状態に各ライトが制御される場合の、車両200の運転者の視点から見た歩行者Hの一例を示す図である。歩行者Hは、更に前進して、横断歩道を渡り終える。
図17に示すように、制御部130は、第1右エクステリアライト40Rの消灯を、継続させる。制御部130は、第1左エクステリアライト40Lの第2色の光を左側へ移動させる。制御部130は、第2エクステリアライト50の左側をくの字に点灯するように継続させる。制御部130は、右ヘッドライト60Rと左ヘッドライト60Lのヘッドライト本体61を消灯させ、状態表示ライト62を点灯させる。
図17が示す各ライトの点灯の状態を、第7点灯状態とする。
【0054】
運転者は、歩行者Hが遠ざかり、衝突の危険性がなくなったと判断し、再び進路方向に視認方向を移し、運転を継続する。車両用照明装置1の各ライトは、第1点灯形態に戻る。
【0055】
車両200が、交差点または横断歩道付近にて停車し、認識部110が、対象物を認識し、かつ検出部120が、運転者の視認方向が対象物の方向である場合に、車両用照明装置1は、第2点灯形態から第7点灯形態に点灯する。車両用照明装置1は、必ずしも第1点灯形態から順番に移り変わるのではなく、あくまでも対象物が車両200の付近に存在し、運転者がその対象物の方向に視認方向を移したことが検出された場合に、対象物の位置と視認方向によって点灯の形態を変える。車両用照明装置1が、対象物の位置と視認方向によって点灯の形態を変えることによって、車両200の外にも運転者の視認方向が伝わるようになり、包括的なコミュニケーションを行うことができる。
【0056】
対象物が複数ある場合、制御部130は、対象物それぞれが、車両200にとって危険度リスクが高いほうを強調する形態に点灯させる。危険度リスクとは、制御部130が、車両200との衝突の危険性である。危険度リスクとは、例えば、対象物と車両200のラップ率が高い、対象物の車両200との距離が近いという条件などから算出される。ラップ率とは、車両200が道路を走行した場合における車両200の左端と対象物の中心の横の差分から車両200の全幅で除して算出される値である。
【0057】
図19は、対象物が複数存在する一例を示す図である。車両200の進行方向に歩行者Cと歩行者Dが存在する。歩行者Cと歩行者Dは、車両200の外界センサ20が認識する範囲に存在する。制御部130は、歩行者Cと歩行者Dの危険度リスクをそれぞれ算出する。危険度リスクは、車両200と対象物のラップ率が最も高く、かつ車両200と対象物の距離が最も近い場合、最も高く算出される。
図19の場合、歩行者Cが、最も危険度リスクが高く算出される。
【0058】
図20は、
図19の場合に制御される車両用照明装置1の点灯の形態を示す車両200の正面図である。制御部130は、第1右エクステリアライト40Rと、第1左エクステリアライト40Lを、消灯させる。制御部130は、第2エクステリアライト50を、歩行者Cと歩行者Dに対応した箇所を長方形の形状に点灯させる。制御部130は、第2エクステリアライト50を、危険度リスクが高い歩行者Cに対応する長方形が濃く点灯させ、危険度リスクが低い歩行者Dに対応する長方形が薄く点灯させる。制御部130は、右ヘッドライト60Rと左ヘッドライト60Lのヘッドライト本体61を消灯させ、状態表示ライト62が点灯さえる。
【0059】
制御部130は、対象物の位置関係に応じて第2エクステリアライト50の中の点灯する位置を制御し、かつ対象物の危険度リスクに応じて点灯の形態を制御する。
【0060】
図21は、車両200が停止している場合の車両用照明装置1の点灯の形態の一例を示す図である。「停止」とは、車両200所定速度未満で停車していることである。車両200が停止している場合、制御部130は、第1右エクステリアライト40Rと、第1左エクステリアライト40Lと、第2エクステリアライト50を、消灯させる。制御部130は、右ヘッドライト60Rと左ヘッドライト60Lの状態表示ライト62の下半分のみが点灯させ、他の部分は消灯させる。
図21に示す点灯の形態を第8点灯形態とする。
【0061】
図22は、第2エクステリアライト50の動作の一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
図22のフローチャートにおいて、対象物は一つであるものとする。
【0062】
まず、制御部130は、車両200の車速が所定速度以上であるか否かを判定する(ステップS100)。所定速度は、例えば、1[km/h]程度の値であり、車両200が停止している、或いはそれに近い状態であるか否かを判断するための値である。
【0063】
車両200が所定速度以上である場合、制御部130は、第2エクステリアライト50を第1点灯形態に制御する(ステップS120)。
【0064】
車両200が所定速度未満の場合、制御部130は、車両200が交差点または横断歩道付近に存在するか否かを判定する(ステップS110)。
【0065】
ステップS110の処理において、車両200が交差点または横断歩道付近に停車していると判断した場合(すなわち車両200が停止に近い状態で交差点または横断歩道付近に存在する場合)、認識部110は、対象物が存在するか否か判定する(ステップS130)。
【0066】
対象物が存在しない場合、制御部130は、第2エクステリアライト50を第8点灯形態に制御する(ステップS140)。
【0067】
対象物が存在する場合、制御部130は、運転者の視認方向と対象物の位置に応じて第2エクステリアライト50を第2点灯形態から第7点灯形態に制御する(ステップS150)。
【0068】
以上説明した実施形態によれば、対象物の位置と運転者の視認方向に応じて各ライトを制御することにより、相手との間で包括的なコミュニケーションを取ることができ、車両や相手に対する交通の安全性をより一層改善して持続可能な輸送システムの発展に寄与できる。
【0069】
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
コンピュータによって読み込み可能な命令(computer-readable instructions)を格納する記憶媒体(storage medium)と、
車両の外装部に設けられた第1エクステリアライトと、
前記車両の外装部に設けられた第2エクステリアライトと、
前記記憶媒体に接続されたプロセッサと、を備え、
前記車両用照明装置プロセッサは、前記コンピュータによって読み込み可能な命令を実行することにより(the processor executing the computer-readable instructions to:)
前記車両の進行経路に存在する対象物を認識する処理と、
前記車両の運転者の視認方向を検出する検出する処理と、
前記対象物を認識した場合、前記第2エクステリアライトを動作させ、前記検出部が検出した前記視認方向に応じて、前記第1エクステリアを動作させる処理と、
を実行する車両用照明装置。
【0070】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。なお、第2点灯形態から第7点灯形態の間は、車両200の前方への移動(対象物に近づく方向への移動)を禁止することが望ましい。また、第2点灯形態から第7点灯形態に合わせて図示しない外部スピーカーを用いて効果音や音声を連動させてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 車両用照明装置
10 位置測位装置
20 外界センサ
30 車内カメラ
40R 第1右エクステリアライト
40L 第1左エクステリアライト
50 第2エクステリアライト
60R 右ヘッドライト
60L 左ヘッドライト
70 車内通信網
100 制御装置
110 認識部
120 検出部
130 制御部
140 記憶部
142 地図情報