(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】膜付部材
(51)【国際特許分類】
C04B 41/87 20060101AFI20250527BHJP
C04B 41/89 20060101ALI20250527BHJP
C04B 35/111 20060101ALI20250527BHJP
【FI】
C04B41/87 F
C04B41/89 A
C04B35/111
(21)【出願番号】P 2023524228
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(86)【国際出願番号】 JP2022021566
(87)【国際公開番号】W WO2022250115
(87)【国際公開日】2022-12-01
【審査請求日】2023-11-21
(31)【優先権主張番号】P 2021089977
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003029
【氏名又は名称】弁理士法人ブナ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中本 勝也
(72)【発明者】
【氏名】石川 和洋
【審査官】田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-057528(JP,A)
【文献】国際公開第2016/159005(WO,A1)
【文献】特開2001-342017(JP,A)
【文献】特開平02-258250(JP,A)
【文献】特開2006-131966(JP,A)
【文献】特開2002-138156(JP,A)
【文献】特開2016-150853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 41/87 - 41/89
C04B 35/111
C03C 17/22
C03C 17/245
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックスからなる基材と、
該基材の少なくともいずれかの表面の一部に希土類元素の酸化
物の膜とを備えてなる膜付部材であって、
前記基材の表面の露出部は純水に対する静的接触角が90°未満の親水性を有し、前記膜の表面は純水に対する静的接触角が90°より大きい撥水性を有し、
前記基材は酸化アルミニウムを主成分とし、前記露出部は算術平均粗さ(Ra)の平均値が0.004μm以上0.17μm以下の研磨面であり、
前記膜は物理蒸着法を使って成膜した酸化イットリウムからなり、X線回折によって得られる前記酸化イットリウムの(222)面における回折ピークの半値幅が0.12°以下であり、前記半値幅の変動係数が0.03以下である、膜付部材。
【請求項2】
セラミックスからなる基材と、
該基材の少なくともいずれかの表面の一部に希土類元素の酸化
物の膜とを備えてなる膜付部材であって、
前記基材の表面の露出部は純水に対する静的接触角が90°未満の親水性を有し、前記膜の表面は純水に対する静的接触角が90°より大きい撥水性を有し、
前記基材は酸化アルミニウムを主成分とし、前記露出部は算術平均粗さ(Ra)の平均値が0.004μm以上0.17μm以下の研磨面であり、
前記膜は物理蒸着法を使って成膜した酸化イットリウムからなり、前記膜の表面内で生じる圧縮応力σ11と、前記表面内で前記圧縮応力σ11に垂直な方向に生じる圧縮応力σ2との相乗平均は120MPa以上であり、前記相乗平均の変動係数が0.2以下である、膜付部材。
【請求項3】
セラミックスからなる基材と、
該基材の少なくともいずれかの表面の一部に希土類元素の酸化
物の膜とを備えてなる膜付部材であって、
前記基材の表面の露出部は純水に対する静的接触角が90°未満の親水性を有し、前記膜の表面は純水に対する静的接触角が90°より大きい撥水性を有し、
前記基材は酸化アルミニウムを主成分とし、前記露出部は算術平均粗さ(Ra)の平均値が0.004μmμm以上0.17μm以下の研磨面であり、
前記膜は物理蒸着法を使って成膜した酸化イットリウムからなり、前記膜の表面は平面状であって、前記膜の平面度は3μm以上の凸状である、膜付部材。
【請求項4】
前記膜の表面は、粗さ曲線における2乗平均平方根傾斜(RΔq)の平均値が0.3以下である、請求項1~3のいずれかに記載の膜付部材。
【請求項5】
前記膜の表面は、粗さ曲線における25%の負荷長さ率での切断レベルと、前記粗さ曲線における75%の負荷長さ率での切断レベルとの差を表す、切断レベル差(Rδc)の平均値が0.17μm以下である、請求項1~3のいずれかに記載の膜付部材。
【請求項6】
前記基材の表面の露出部は、粗さ曲線における2乗平均平方根傾斜(RΔq)の平均値が0.001以上である、請求項1~3のいずれかに記載の膜付部材。
【請求項7】
前記基材の表面の露出部は、粗さ曲線における25%の負荷長さ率での切断レベルと、前記粗さ曲線における75%の負荷長さ率での切断レベルとの差を表す、切断レベル差(Rδc)の平均値が0.01μm以上である、請求項1~3のいずれかに記載の膜付部材。
【請求項8】
石英からなる基材と、
該基材の少なくともいずれかの表面の一部に希土類元素の酸化
物の膜とを備えてなる膜付部材であって、
前記基材の表面の露出部は純水に対する静的接触角が90°未満の親水性を有し、前記膜の表面は純水に対する静的接触角が90°より大きい撥水性を有し、
前記露出部は、粗さ曲線における2乗平均平方根傾斜(RΔq)の平均値が0.002以上である研磨面であり、
前記膜は物理蒸着法を使って成膜した酸化イットリウムからなり、X線回折によって得られる前記酸化イットリウムの(222)面における回折ピークの半値幅が0.12°以下であり、前記半値幅の変動係数が0.03以下である、膜付部材。
【請求項9】
石英からなる基材と、
該基材の少なくともいずれかの表面の一部に希土類元素の酸化
物の膜とを備えてなる膜付部材であって、
前記基材の表面の露出部は純水に対する静的接触角が90°未満の親水性を有し、前記膜の表面は純水に対する静的接触角が90°より大きい撥水性を有し、
前記露出部は、粗さ曲線における2乗平均平方根傾斜(RΔq)の平均値が0.002以上である研磨面であり、
前記膜は物理蒸着法を使って成膜した酸化イットリウムからなり、前記膜の表面内で生じる圧縮応力σ11と、前記表面内で前記圧縮応力σ11に垂直な方向に生じる圧縮応力σ2との相乗平均は120MPa以上であり、前記相乗平均の変動係数が0.2以下である、膜付部材。
【請求項10】
石英からなる基材と、
該基材の少なくともいずれかの表面の一部に希土類元素の酸化
物の膜とを備えてなる膜付部材であって、
前記基材の表面の露出部は純水に対する静的接触角が90°未満の親水性を有し、前記膜の表面は純水に対する静的接触角が90°より大きい撥水性を有し、
前記露出部は、粗さ曲線における2乗平均平方根傾斜(RΔq)の平均値が0.002以上である研磨面であり、
前記膜は物理蒸着法を使って成膜した酸化イットリウムからなり、前記膜の表面は平面状であって、前記膜の平面度は3μm以上の凸状である、膜付部材。
【請求項11】
前記膜の表面は、粗さ曲線における2乗平均平方根傾斜(RΔq)の平均値が0.009以下である、請求項8~10のいずれかに記載の膜付部材。
【請求項12】
前記膜の表面は、粗さ曲線における25%の負荷長さ率での切断レベルと、前記粗さ曲線における75%の負荷長さ率での切断レベルとの差を表す、切断レベル差(Rδc)の平均値が0.01μm以下である、請求項8~10のいずれかに記載の膜付部材。
【請求項13】
前記基材の表面の露出部は、粗さ曲線における25%の負荷長さ率での切断レベルと、前記粗さ曲線における75%の負荷長さ率での切断レベルとの差を表す、切断レベル差(Rδc)の平均値が0.004μm以上である、請求項8~10のいずれかに記載の膜付部材。
【請求項14】
前記膜の表面は研磨面である、請求項1~3、8~10のいずれかに記載の膜付部材。
【請求項15】
前記膜の表面は、前記膜を備えた前記基材の表面の露出部よりも面積が大きい、請求項1~3、8~10のいずれかに記載の膜付部材。
【請求項16】
前記膜の厚みは5μm以上である、請求項1~3、8~10のいずれかに記載の膜付部材。
【請求項17】
請求項1~3、8~10のいずれかに記載の膜付部材を含む、防汚性部材。
【請求項18】
請求項1~3、8~10のいずれかに記載の膜付部材を含む、プラズマ処理装置用部材。
【請求項19】
請求項18に記載のプラズマ処理装置用部材を備える、プラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、膜付部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、窓ガラス等の表面に撥水性を付与する場合、低分子フッ素化合物、フッ素樹脂、シリコーン等を塗布または化学蒸着して膜を形成する方法が一般的に用いられている。しかし、このような方法では、大きな水滴は流れ落ちるものの、小さな水滴は流れ落ちずに留まり、視認性が低下するという問題があった。このため、撥水性を維持するとともに、付着した水滴が速やかに流れ落ちる性質(滑水性)を備えた部材が求められている。
【0003】
滑水性を高くするために、例えば、特許文献1では、基体と、その少なくとも一方の面に形成された撥水膜とを備え、撥水膜は、第1の撥水性領域と、この第1の撥水性領域に接する第2の撥水性領域とを含み、第1の撥水性領域の水接触角が40°~110°であり、第2の撥水性領域の水接触角が第1の撥水性領域の水接触角より20°以上高い撥水性基体が提案されている。
【0004】
そして、第1の撥水性領域は、ポリフルオロアルキル基またはポリフルオロエーテルアルキル基を有する化合物、ハフニウムを含む酸化物、ジルコニウムを含む酸化物、およびアルミニウムを含む酸化物から選ばれる少なくとも1種を含む層からなり、第2の撥水性領域は、ポリフルオロアルキル基またはポリフルオロエーテルアルキル基を有する化合物を含む層からなることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
本開示に係る膜付部材は、セラミックスからなる基材と、基材の少なくともいずれかの表面の一部に希土類元素の酸化物、弗化物、酸弗化物または窒化物の膜とを備えてなる。基材の表面の露出部は親水性を有し、膜の表面は撥水性を有する。
【0007】
本開示に係る膜付部材は、石英からなる基材と、基材の少なくともいずれかの表面の一部に希土類元素の酸化物、弗化物、酸弗化物または窒化物の膜とを備えてなる。基材の表面の露出部は親水性を有し、膜の表面は撥水性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の限定されない実施形態の膜付部材を示す平面図である。
【
図2】本開示の限定されない実施形態の膜付部材を示す平面図である。
【
図3】本開示の限定されない実施形態のプラズマ処理装置用部材を示す平面図である。
【
図4】本開示の限定されない実施形態の膜付部材を示す平面図である。
【
図5】本開示の限定されない実施形態の膜付部材を示す平面図である。
【
図6】本開示の限定されない実施形態の膜付部材を得るためのスパッタ装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
特許文献1のように、第1の撥水性領域や第2の撥水性領域がポリフルオロアルキル基等の有機成分を含む層によって形成されていると、紫外線やプラズマが照射される環境下で用いられた場合、短期間で劣化するという問題があった。
【0010】
本開示は、紫外線やプラズマが照射される環境下で用いられても、長期間に亘って滑水性を維持することができる膜付部材を提供する。
【0011】
本開示に係る膜付部材は、紫外線やプラズマが照射される環境下で用いられても、長期間に亘って滑水性を維持することができる。
【0012】
<膜付部材>
以下、本開示の限定されない実施形態の膜付部材について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図では、説明の便宜上、実施形態を説明する上で必要な主要部材のみが簡略化して示される。したがって、膜付部材は、参照する各図に示されない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0013】
膜付部材1Aは、
図1に示す一例のように、セラミックスからなる基材2Aと、基材2Aの少なくともいずれかの表面の一部に希土類元素の酸化物、弗化物、酸弗化物または窒化物の膜3とを備えてなる。そして、基材2Aの表面の露出部21は親水性を有し、膜3の表面は撥水性を有する。これらの場合には、基材2A、膜3とも無機化合物から形成されているので、紫外線やプラズマが照射される環境下で用いられても、長期間に亘って滑水性を維持することができる。
【0014】
基材2Aの材質であるセラミックスは、酸化アルミニウムを主成分としてもよい。主成分とは、セラミックスを構成する全成分の合計100質量%のうち、最も多い成分のことを意味してもよい。主成分は、例えば、80質量%以上であってもよい。セラミックスの主成分が酸化アルミニウムである場合には、珪素、マグネシウムおよびカルシウムの少なくともいずれかを酸化物として含んでいてもよい。
【0015】
セラミックスを構成する各成分は、CuKα線を用いたX線回折装置で同定することができる。同定された各成分の含有量は、例えばICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置または蛍光X線分析装置により求めればよい。
【0016】
膜3の材質である希土類元素の酸化物、弗化物、酸弗化物または窒化物としては、例えば、イットリア(酸化イットリウム:Y2O3-x(0≦x≦1))、弗化イットリウム(YF3)、オキシ弗化イットリウム(YOF、Y5O4F7、Y5O6F7、Y6O5F8、Y7O6F9、Y17O14F23)、窒化イットリウム(YN)等が挙げられ得る。
【0017】
膜3を構成する成分は、薄膜X線回折装置を用いて同定すればよい。
【0018】
膜3は、希土類元素の化合物以外を含まないというものではなく、膜3の形成で用いるターゲットの純度および装置構成などにより、希土類元素以外に、フッ素(F)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、珪素(Si)、リン(P)、硫黄(S)、塩素(Cl)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ストロンチウム(Sr)などが含まれる場合がある。
【0019】
親水性および撥水性は、純水に対する静的接触角(以下、単に「接触角」とも言う。)で評価してもよい。「親水性を有する」とは、純水に対する静的接触角<90°のことを意味してもよく、また、「撥水性を有する」とは、純水に対する静的接触角>90°のことを意味してもよい。静的接触角は、例えば、表面接触角測定装置「CA-X型」またはその後継機種(協和界面科学(株)社製)を用い、以下の測定条件で求めればよい。
溶媒:純水
液滴量:1mm3
保持時間:5秒
成膜後、48時間経過後、測定
【0020】
セラミックスが酸化アルミニウムを主成分とする場合には、純水に対する基材2Aの表面の露出部21の接触角は、60°以上80°以下であってもよい。また、膜3の材質がイットリアである場合には、純水に対する膜3の表面の接触角は、92°以上110°以下であってもよい。
【0021】
膜3の表面は、粗さ曲線における2乗平均平方根傾斜(RΔq)の平均値が0.3以下であってもよい。この場合には、純水に対する膜3の表面の接触角が93°以上と大きくなるので、膜3に付着した水滴を容易にはじくことができる。なお、膜3の表面は、粗さ曲線における2乗平均平方根傾斜(RΔq)の平均値が0.001以上であってもよい。
【0022】
膜3の表面は、粗さ曲線における25%の負荷長さ率での切断レベルと、粗さ曲線における75%の負荷長さ率での切断レベルとの差を表す、切断レベル差(Rδc)の平均値(以下、単に「切断レベル差(Rδc)の平均値」とも言う。)が、0.17μm以下であってもよい。この場合には、純水に対する膜3の表面の接触角が98°以上と大きくなるので、膜3に付着した水滴をさらに容易にはじくことができる。なお、膜3の表面は、切断レベル差(Rδc)の平均値が0.01μm以上であってもよい。
【0023】
2乗平均平方根傾斜(RΔq)および切断レベル差(Rδc)は、例えば、JIS B 0601:2001に準拠し、以下の測定対象とする線を測定範囲で略等間隔に4本引いて線粗さ計測を行い、それぞれ平均値を算出してもよい。この場合、各面毎の測定対象とする線は合計12本となる。測定条件は、例えば、以下のように設定してもよい。
測定機:形状解析レーザ顕微鏡((株)キーエンス製の「VK-X1100」またはその後継機種)
照明:同軸落射照明
カットオフ値λs:なし
カットオフ値λc:0.08mm
カットオフ値λf:なし
終端効果の補正:あり
測定倍率:480倍(20×24)
測定箇所:3箇所
測定範囲:710μm×533μm/1箇所
測定対象とする線の長さ:560μm/1本
【0024】
基材2Aの表面の露出部21は、粗さ曲線における2乗平均平方根傾斜(RΔq)の平均値が0.001以上であってもよい。この場合には、純水に対する基材2Aの表面の露出部21の接触角が78°以下と小さくなるので、水滴を容易に流すことができる。なお、基材2Aの表面の露出部21は、粗さ曲線における2乗平均平方根傾斜(RΔq)の平均値が0.284以下であってもよく、特に、0.2以下であるとよい。
【0025】
基材2Aの表面の露出部21は、切断レベル差(Rδc)の平均値が0.01μm以上であってもよい。この場合には、純水に対する基材2Aの表面の露出部21の接触角が66°以下と小さくなるので、水滴をさらに容易に流すことができる。なお、基材2Aの表面の露出部21は、切断レベル差(Rδc)の平均値が0.14μm以下であってもよい。
【0026】
基材2Aは、透光性を有してもよい。例えば、基材2Aが透光性セラミックスからなる場合には、基材2Aが透光性を有するようになる。また、後述する石英からなる基材2Bも、透光性を有する。なお、透光性セラミックスとは、全光線透過率が93%以上であるセラミックスを言い、例えば、透光性アルミナ、透光性イットリア、透光性YAG等である。全光線透過率は、JIS K7361-1:1997に準拠して求めればよい。
【0027】
基材2Aの表面の露出部21の算術平均粗さ(Ra)の平均値は、0.004μm以上0.17μm以下であってもよい。算術平均粗さ(Ra)は、例えば、JIS B 0601:2001に準拠し、上述した測定条件で測定される値であってもよい。
【0028】
膜3の表面は、研磨面であってもよい。この場合には、純水に対する膜3の表面の接触角を成膜面(AS-DEPO面)よりも大きくすることができる。
【0029】
膜3の表面は、膜3を備えた基材2Aの表面の露出部21よりも面積が大きくてもよい。この場合には、水膜が発生するおそれが減少するので、洗浄効率が向上する。また、基材2Aが透光性セラミックスからなる場合には、視認性が確保される。この点は、後述する石英からなる基材2Bにおいても同様である。すなわち、石英からなる基材2Bにおいても、視認性が確保される。
【0030】
膜3の厚みは、5μm以上であってもよい。この場合には、プラズマに晒される環境下で用いても長期間に亘って用いることができる。なお、膜3の厚みは、8μm以上であってもよい。膜3の厚みは、50μm以下であってもよい。
【0031】
膜3の表面は平面状であってもよく、膜3の平面度は3μm以上の凸状であってもよい。この場合には、膜3の中央部から周縁部に向かって水滴が移動しやすくなるので、滑水性が向上する。なお、膜3の平面度は70μm以下であってもよい。平面度は、例えば、3次元測定器((株)ミツトヨ製のCRYSTA-Apex S9106またはその後継機種)を用い、膜3が、例えば、円形状である場合、円の中心、内周および外周の各高さを測定し、各高さの差の最大値を膜3の平面度とみなせばよい。この測定で用いるスタイラスの先端径は、例えば、1mmである。
【0032】
測定数は、膜3の直径に応じて異なり、例えば膜3の直径が400mm以上600mm以下の場合、円の中心から放射状に、例えば、29箇所測定すればよい。膜3の直径が400mm以上600mm以下で、貫通孔が中心に形成されている場合、円の中心から放射状に、例えば、28箇所測定すればよい。
【0033】
膜3は、物理蒸着(PVD)法で成膜されてもよい。言い換えれば、膜3は、PVD膜であってもよい。
【0034】
図1に示す一例のように、露出部21は、複数であってもよい。平面視において、複数の露出部21は、直線状(帯状)であってもよい。膜3は、互いに隣り合う露出部21の間に位置してもよい。すなわち、露出部21および膜3が、平面視において縞状であってもよい。
【0035】
次に、本開示の限定されない実施形態の膜付部材1Bについて、図面を用いて説明する。以下では、膜付部材1Bにおける膜付部材1Aとの相違点について主に説明し、膜付部材1Aと同様の構成を有する点については詳細な説明を省略する場合がある。
【0036】
膜付部材1Bは、
図2に示す一例のように、石英からなる基材2Bと、基材2Bの少なくともいずれかの表面の一部に希土類元素の酸化物、弗化物、酸弗化物または窒化物の膜3とを備えてなる。そして、基材2Bの表面の露出部21は親水性を有し、膜3の表面は撥水性を有する。これらの場合には、基材2B、膜3とも無機化合物から形成されているので、紫外線やプラズマが照射される環境下で用いられても、長期間に亘って滑水性を維持することができる。
【0037】
純水に対する基材2Bの表面の露出部21の接触角は、50°以上63°以下であってもよい。
【0038】
膜付部材1Bにおける膜3の表面は、粗さ曲線における2乗平均平方根傾斜(RΔq)の平均値が0.009以下であってもよい。この場合には、純水に対する膜3の表面の接触角が102°以上と大きくなるので、膜3に付着した水滴を容易にはじくことができる。なお、膜付部材1Bにおける膜3の表面は、粗さ曲線における2乗平均平方根傾斜(RΔq)の平均値が0.001以上であってもよい。
【0039】
膜付部材1Bにおける膜3の表面は、切断レベル差(Rδc)の平均値が0.01μm以下であってもよい。この場合には、純水に対する膜3の表面の接触角が103°以上と大きくなるので、膜3に付着した水滴をさらに容易にはじくことができる。なお、膜付部材1Bにおける膜3の表面は、切断レベル差(Rδc)の平均値が0.006μm以上であってもよい。
【0040】
基材2Bの表面の露出部21は、粗さ曲線における2乗平均平方根傾斜(RΔq)の平均値が0.002以上であってもよい。この場合には、純水に対する基材2Bの表面の露出部21の接触角が60°以下と小さくなるので、水滴を容易に流すことができる。なお、基材2Bの表面の露出部21は、粗さ曲線における2乗平均平方根傾斜(RΔq)の平均値が0.004以下であってもよい。
【0041】
基材2Bの表面の露出部21は、切断レベル差(Rδc)の平均値が0.004μm以上であってもよい。この場合には、純水に対する基材2Bの表面の露出部21の接触角が8°以下と小さくなるので、水滴をさらに容易に流すことができる。なお、基材2Bの表面の露出部21は、切断レベル差(Rδc)の平均値が0.006μm以下であってもよい。
【0042】
膜付部材1Aおよび膜付部材1Bは、以下の構成を有してもよい。
膜3は、酸化イットリウムからなり、X線回折によって得られる酸化イットリウムの(222)面における回折ピークの半値幅(FWHM:Full Width at Half Maximum)が0.12°以下であり、半値幅の変動係数が0.03以下であってもよい。半値幅およびその変動係数がこの範囲であると、結晶性が高く、残留応力が小さく、しかもそのばらつきも抑制されるため、微小な亀裂が膜3に生じるおそれが少ない。なお、半値幅およびその変動係数は上限しか規定していないが、半値幅がゼロということはあり得ず、ゼロを含まないものであることはいうまでもない。特に、半値幅は0.06°以上0.1°以下であるとよい。
【0043】
X線回折に用いる装置は、例えば、EmPyrean(スペクトリス(株)製)であり、この装置を用いる場合、測定条件は以下の通りである。
測定範囲2θ :20~80°
X線出力設定 :40mA、45kV
スキャンステップ時間:29秒
ステップサイズ :0.013°
発散スリットタイプ :固定
発散スリットサイズ :0.25°
放射光 :CuKα1(Kα2除去)
【0044】
半値幅の変動係数を算出する場合、半値幅の測定数は、例えば、9である。膜3が円形状である場合、X線の照射位置は、例えば、中心、内周側の仮想円周上の90°間隔毎の位置および外周側の仮想円周上の90°間隔毎の位置である。
【0045】
膜3の表面内で生じる圧縮応力σ11と、表面内で圧縮応力σ11に垂直な方向に生じる圧縮応力σ2との相乗平均は120MPa以上であり、相乗平均の変動係数が0.2以下であってもよい。
【0046】
相乗平均は120MPa以上であると、膜3の硬度が高くなるので、プラズマ処理装置内を浮遊するパーティクルの衝撃を受けても膜3から粒子が脱離しにくくなり、この脱離した粒子が浮遊してプラズマ処理装置内を汚染するおそれが低減する。
【0047】
相乗平均の変動係数が0.2以下であると、昇温、降温を繰り返す環境で用いられても膜3の内部に生じる引張応力に耐えることができ、膜3が破損するおそれを抑制することができる。
【0048】
圧縮応力σ11および圧縮応力σ22のそれぞれの値は、X線回折装置を用いて、2D法により求めればよい。
【0049】
相乗平均の変動係数を算出する場合、圧縮応力σ11および圧縮応力σ22の測定数は、例えば、9である。膜3が円形状である場合、X線の照射位置は、例えば、中心、内周側の仮想円周上の90°間隔毎の位置および外周側の仮想円周上の90°間隔毎の位置である。
【0050】
<膜付部材の製造方法>
次に、本開示の限定されない実施形態の膜付部材の製造方法について、膜付部材1Aを製造する場合を例に挙げて説明する。
【0051】
まず、セラミックスからなる基材2Aを準備してもよい。次に、準備した基材2Aの少なくともいずれかの表面の一部に、PVD法によって膜3を成膜し、膜付部材1Aを得てもよい。
【0052】
具体的に、酸化アルミニウムを主成分とするセラミックスからなる基材の製造方法について説明する。
【0053】
平均粒径が0.4μm~0.6μmの酸化アルミニウム(Al2O3)A粉末および平均粒径が1.2μm~1.8μm程度の酸化アルミニウムB粉末を準備する。また、Si源として酸化珪素(SiO2)粉末、Ca源として炭酸カルシウム(CaCO3)粉末を準備する。なお、酸化珪素粉末は、平均粒径が0.5μm以下の微粉のものを準備する。また、Mgを含むアルミナ質セラミックスを得るには、水酸化マグネシウム粉末を用いる。なお、以下の記載において、酸化アルミニウムA粉末および酸化アルミニウムB粉末以外の粉末を総称して、第1の副成分粉末と称す。
【0054】
そして、第1の副成分粉末をそれぞれ所定量秤量する。次に、酸化アルミニウムA粉末と、酸化アルミニウムB粉末との質量比率を40:60~60:40とし、得られるセラミックスを構成する成分100質量%のうち、AlをAl2O3換算した含有量が99.4質量%以上となるように秤量し、酸化アルミニウム調合粉末とする。また、第1の副成分粉末については、酸化アルミニウム調合粉末におけるNa量をまず把握し、セラミックスとした場合におけるNa量からNa2Oに換算し、この換算値と、第1の副成分粉末を構成する成分(この例においては、SiやCa等)を酸化物に換算した値との比が1.1以下となるように秤量する。
【0055】
そして、酸化アルミニウム調合粉末および第1の副成分粉末との合計100質量部に対し、1~1.5質量部のPVA(ポリビニールアルコール)などのバインダと、100質量部の溶媒と、0.1~0.55質量部の分散剤とを攪拌装置に入れて混合・攪拌してスラリーを得る。
【0056】
その後、スラリーを噴霧造粒して顆粒を得た後、この顆粒を粉末プレス成形装置、静水圧プレス成形装置等により所定形状に成形し、必要に応じて切削加工を施して基板状の成形体を得る。
【0057】
次に、焼成温度を1500℃以上1700℃以下、保持時間を4時間以上6時間以下として焼成して焼結体を得る。そして、膜を形成する側の焼結体の表面を研削して研削面を得た後、平均粒径が4μm以上のダイヤモンド砥粒と、鋳鉄からなる研磨盤とを用いて研削面を粗研磨する。粗研磨は、平均粒径の大きいダイヤモンド砥粒を用いた後、平均粒径の小さいダイヤモンド砥粒を用いてもよい。その後、平均粒径が1μm以上5μm以下のダイヤモンド砥粒と、錫からなる研磨盤とを用いて仕上研磨することにより基材2A(2B)を得ることができる。仕上研磨した後、コロイダル状のシリカ、セリアまたはアルミナの砥粒と、ポリエステル繊維を成形した不織布にポリウレタンを含浸させた研磨パッドとを用いて研磨してもよい。コロイダル状の上記砥粒の平均粒径は、例えば、20μm以上50μm以下である。
【0058】
次に、膜の形成方法について、
図6を用いて説明する。
図6は、スパッタ装置20を示す模式図であり、スパッタ装置20は、チャンバ9と、チャンバ9内に繋がるガス供給源13と、チャンバ9内に位置する陽極14および陰極12と、さらに、陰極12側に接続されるターゲット11とを備える。
【0059】
膜の形成方法としては、上述した方法で得られた基材2A(2B)をチャンバ9内の陽極14側に設置する。また、チャンバ9内の反対側に希土類元素、ここでは金属イットリウムを主成分とするターゲット11を陰極12側に設置する。この状態で、排気ポンプによりチャンバ9内を減圧状態にして、ガス供給源13からガスGとしてアルゴンおよび酸素を供給する。ここで、供給するアルゴンガスの圧力は、0.1Pa以上2Pa以下とし、酸素ガスの圧力は1Pa以上5Pa以下とする。
【0060】
そして、電源により陽極14と陰極12との間に電界を印加し、プラズマP1を発生させてスパッタリングすることにより、基材2A(2B)の表面に金属イットリウム膜を形成する。なお、1回の形成における厚みはサブnmである。次に、プラズマP2を発生させて、金属イットリウム膜を酸化する。そして、膜の厚みの合計が5μm以上50μm以下となるように、金属イットリウム膜の形成と、酸化工程とを交互に行って積層することにより、イットリウムの酸化物の膜を備えた膜付部材1A(1B)を得ることができる。なお、
図6に示す符号Pは、プラズマP1またはプラズマP2である。
【0061】
プラズマP1は、プラズマP1の分光スペクトルのうち、最も強度の高い第1スペクトルが、波長390nm~430nmに位置し、その他の分光スペクトル(強度の高い順に第2スペクトル、第3スペクトルおよび第4スペクトル)は、波長300nm~700nmに位置する。
【0062】
プラズマP2は、プラズマP2の分光スペクトルのうち、最も強度の高い第1スペクトルが、波長500nm~550nmに位置し、その他の分光スペクトル(強度の高い順に第2スペクトル、第3スペクトルおよび第4スペクトル)は、波長380nm~820nmに位置する。
【0063】
また、イットリウムの弗化物の膜を形成するには、酸化工程を弗化工程に代えればよい。
【0064】
また、イットリウムの酸弗化物の膜を形成するには、金属イットリウム膜の形成、酸化工程および弗化工程をこの順序で交互に行って積層すればよい。
【0065】
また、イットリウムの窒化物の膜を形成するには、酸化工程を窒化工程に代えればよい。
【0066】
なお、電源から投入する電力は、高周波電力および直流電力のいずれでもよい。
【0067】
なお、膜付部材1Bの製造方法は、セラミックスからなる基材2Aに代えて石英からなる基材2Bを準備する以外は、膜付部材1Aと同様の製造方法が挙げられ得る。
【0068】
<防汚性部材>
次に、本開示の限定されない実施形態の防汚性部材について説明する。
本開示の限定されない実施形態の防汚性部材は、膜付部材1Aを含む。この場合には、紫外線やプラズマが照射される環境下で用いられても、長期間に亘って滑水性を維持することができる。
【0069】
防汚性部材は、流水環境下で用いられる部材であってもよい。防汚性部材としては、例えば、便器、便器のサナ、洗面台の洗面器、キッチンシンク、シャワーノズル、食器、便器配管、水道配管、水栓金具、局部洗浄ノズル、洗濯水槽、食器洗浄機、屋根、建物の外壁、舗装等の流水環境下で用いられる部材や、洗浄等で流水を利用する食器、浴槽、浴室壁、浴室床、浴室備品、自動車、鉄道車両、航空機、タイル等が挙げられ得る。なお、防汚性部材は、膜付部材1Aに代えて、膜付部材1Bを含んでもよい。
【0070】
<プラズマ処理装置用部材>
次に、本開示の限定されない実施形態のプラズマ処理装置用部材について、上記の膜付部材1Aを含む場合を例に挙げて、図面を用いて説明する。
【0071】
図3に示す一例のプラズマ処理装置用部材10は、プラズマ処理装置における処理容器の天板であって、膜付部材1Aを含む。この場合には、紫外線やプラズマが照射される環境下で用いられても、長期間に亘って滑水性を維持することができる。
【0072】
膜付部材1Aがプラズマ処理装置用部材10に含まれる場合には、基材2Aは円板状であってもよい。また、露出部21は、平面視において基材2Aの周縁部に沿った円環状であってもよい。膜3の表面の面積は、中央部に位置するものが最も大きくてもよい。なお、プラズマ処理装置用部材10は、膜付部材1Aに代えて、膜付部材1Bを含んでもよい。
【0073】
上述した本開示の膜付部材1A、1Bは、長期間に亘って滑水性を維持することができることから、例えば、プラズマを発生させるための高周波を透過させる高周波透過用窓部材、半導体ウエハーを載置するためのサセプター等、プラズマによる反応生成物が付着しやすく、繰り返し取り外して洗浄が求められるプラズマ処理装置用部材に含まれていてもよい。さらに、プラズマ処理装置用部材は、プラズマ処理するための内部空間を有するチャンバの天板、側壁等であってもよい。
【0074】
<プラズマ処理装置>
次に、本開示の限定されない実施形態のプラズマ処理装置について説明する。
本開示の限定されない実施形態のプラズマ処理装置は、上記したプラズマ処理装置用部材10を備える。この場合には、紫外線やプラズマが照射される環境下で用いられても、長期間に亘って滑水性を維持することができる。
【0075】
以上、本開示に係る実施形態について例示したが、本開示は上記の実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることはいうまでもない。
【0076】
例えば、平面視における露出部21の形状は、例示した形状に限定されない。
図4および
図5は、露出部21の形状のバリエーションを示す図である。
図4に示す一例のように、膜付部材1Cにおける露出部21は、平面視において格子状であってもよい。
図5に示す一例のように、膜付部材1Dにおける露出部21は、平面視において格子状であって、中央部を囲むように位置してもよい。また、膜3の表面の面積は、中央部に位置するものが最も大きくてもよい。膜の形状は、
図1、2では、矩形状、
図3では円状および環状、
図5では正方形が示されているが、螺旋状であってもよく、これらの形状が組み合わされていてもよい。
【0077】
以下、実施例を挙げて本開示を詳細に説明するが、本開示は以下の実施例に限定されない。
【実施例】
【0078】
[試料No.1~4]
<試験片の作製>
まず、表1に示す基材を準備した。なお、基材は、酸化アルミニウムを99.6質量%含むセラミックスおよび石英からなる板状のものを準備した。また、表1に示す酸化アルミニウム(1)、(2)は、以下のとおりである。
酸化アルミニウム(1):算術平均粗さ(Ra)の平均値が0.1μm
酸化アルミニウム(2):算術平均粗さ(Ra)の平均値が0.03μm
なお、算術平均粗さ(Ra)は、JIS B 0601:2001に準拠して測定した値である。測定機は、形状解析レーザ顕微鏡((株)キーエンス製の「VK-X1100」)を用い、その他の測定条件は、上述した通りである。
【0079】
次に、基材の一方の表面に膜を成膜し、試験片を得た。成膜方法、膜の材質、膜の厚さは、以下のとおりである。
成膜方法: 上記製法
膜の材質:イットリア
膜の厚さ:10μm
【0080】
<評価>
得られた試験片について、純水に対する静的接触角を、成膜後、48時間経過後に測定した。測定方法を以下に示す。
【0081】
(純水に対する静的接触角)
測定装置:協和界面科学(株)社製の表面接触角測定装置「CA-X型」
溶媒:純水
液滴量:1mm3
保持時間:5秒
その他:測定は、n=5で行い、平均値および標準偏差を算出した。その結果を表1の「接触角」の欄に示す。
【0082】
【0083】
本開示の試料No.1~3は、基材の表面の露出部(膜なし)が親水性を有し、膜の表面(膜あり)が48時間経過後と短時間であるにも関わらず、撥水性を有していた。この結果から、試料No.1~3は滑水性を有していると言える。
【符号の説明】
【0084】
1A・・・膜付部材
1B・・・膜付部材
2A・・・セラミックスからなる基材
2B・・・石英からなる基材
21・・・露出部
3・・・膜
10・・・プラズマ処理装置用部材