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7688127ロボットシステムで発生した異常に対する手順を提供する異常処理装置、ネットワークシステム、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】ロボットシステムで発生した異常に対する手順を提供する異常処理装置、ネットワークシステム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20250527BHJP
【FI】
G05B23/02 X
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023529232
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(86)【国際出願番号】 JP2021023453
(87)【国際公開番号】W WO2022269706
(87)【国際公開日】2022-12-29
【審査請求日】2024-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】栗原 眞二
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-307612(JP,A)
【文献】特開2018-013919(JP,A)
【文献】特開2000-267726(JP,A)
【文献】特許第6152499(JP,B1)
【文献】特開2020-052459(JP,A)
【文献】特開2019-191799(JP,A)
【文献】米国特許第10335962(US,B1)
【文献】特開2009-099135(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00 -23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットシステムで発生した異常に対処する手順を提供する異常処理装置であって、
複数種類の前記異常にそれぞれ対処するための複数の前記手順を、該異常を特定する異常特定情報と関連付けて記憶する記憶部と、
前記ロボットシステムの動作状態データに基づいて、前記異常を検知する異常検知部と、
前記異常検知部が検知した前記異常の前記異常特定情報を取得するとともに、前記異常への対処の可否を判定するための可否判定情報を取得するデータ取得部であって、該異常特定情報は、前記複数種類の異常に個別に付与された異常識別コードを含み、該可否判定情報は、ロボット、又は、該ロボットが実行する作業、を識別する識別コードを含む、データ取得部と、
前記データ取得部が前記異常特定情報として取得した前記異常識別コードが、作業ラインから前記ロボットを切り離す必要があるとして予め分類された識別コードに該当するか否かを判定することで、該切り離す必要があるか否かを判定するロボット切り離し判定部と、
前記データ取得部が前記可否判定情報として取得した前記識別コードが、前記異常への対処不可としてデータテーブルに格納された識別コードに該当するか否かを判定することで、前記異常検知部が検知した前記異常へ対処可能か否かを判定する可否判定部と
記データ取得部が取得した前記異常特定情報に対応する前記手順を、前記記憶部に記憶された前記複数の手順の中から取得する手順取得部と、を備え
前記手順取得部は、
前記ロボット切り離し判定部が、第1の前記異常特定情報に含まれる前記異常識別コードに基づいて前記切り離す必要がないと判定した場合、該第1の異常特定情報に対応する第1の前記手順を取得し、
前記ロボット切り離し判定部が、第2の前記異常特定情報に含まれる前記異常識別コードに基づいて前記切り離す必要があると判定し、且つ、前記可否判定部が、前記異常へ対処可能と判定した場合、該第2の異常特定情報に対応する第2の前記手順を取得する、異常処理装置。
【請求項2】
前記手順及び前記異常特定情報の入力を受け付ける入力受付部をさらに備え、
前記記憶部は、前記入力受付部が受け付けた前記手順及び前記異常特定情報を互いに関連付けて記憶する、請求項1に記載の異常処理装置。
【請求項3】
前記手順取得部が取得した前記手順を、画像として表示装置に表示させる表示制御部をさらに備える、請求項1又は2に記載の異常処理装置。
【請求項4】
前記可否判定部が前記異常へ対処不可と判定した場合に、該異常への対処が不可であることを通知する通知データを生成する通知生成部をさらに備える、請求項1~のいずれか1項に記載の異常処理装置。
【請求項5】
前記通知生成部が生成した前記通知データを、前記異常処理装置の外部機器に送信する通信制御部をさらに備える、請求項4に記載の異常処理装置。
【請求項6】
ロボット、及び該ロボットを制御する制御装置を有するロボットシステムと、
請求項1~のいずれか1項に記載の異常処理装置と、を備える、ネットワークシステム。
【請求項7】
通信ネットワークを介して前記制御装置に通信可能に接続され、該制御装置から前記動作状態データを入手する予防保全装置を備え、
前記異常処理装置は、前記予防保全装置に実装される、請求項に記載のネットワークシステム。
【請求項8】
通信ネットワークを介して前記制御装置に通信可能に接続され、該制御装置から前記動作状態データを入手する予防保全装置を備え、
前記異常処理装置の前記記憶部、前記データ取得部、及び前記手順取得部は、前記予防保全装置に実装される一方、前記異常処理装置の前記異常検知部は、前記制御装置に実装され、
前記制御装置は、前記異常検知部が検知した前記異常の前記異常特定情報を、前記通信ネットワークを介して前記予防保全装置に提供する、請求項に記載のネットワークシステム。
【請求項9】
ロボットシステムで発生した異常に対する手順を提供する方法であって、
プロセッサが、
複数種類の前記異常にそれぞれ対処するための複数の前記手順を、該異常を特定するための異常特定情報と関連付けて記憶部に記憶し、
前記ロボットシステムの動作状態データに基づいて前記異常を検知し、
検知した前記異常の前記異常特定情報であって、前記複数種類の異常に個別に付与された異常識別コードを含む、異常特定情報を取得するとともに、前記異常への対処の可否を判定するための可否判定情報であって、ロボット、又は、該ロボットが実行する作業、を識別する識別コードを含む、可否判定情報を取得し、
前記異常特定情報として取得した前記異常識別コードが、作業ラインから前記ロボットを切り離す必要があるとして予め分類された識別コードに該当するか否かを判定することで、該切り離す必要があるか否かを判定し、
前記可否判定情報として取得した前記識別コードが、前記異常への対処不可としてデータテーブルに格納された識別コードに該当するか否かを判定することで、検知した前記異常へ対処可能か否かを判定し、
前記異常へ対処可能と判定した場合に、取得した前記異常特定情報に対応する前記手順を、前記記憶部に記憶された前記複数の手順の中から取得し、
第1の前記異常特定情報に含まれる前記異常識別コードに基づいて前記切り離す必要がないと判定した場合、該第1の異常特定情報に対応する第1の前記手順を取得し、
第2の前記異常特定情報に含まれる前記異常識別コードに基づいて前記切り離す必要があると判定し、且つ、前記異常へ対処可能と判定した場合、該第2の異常特定情報に対応する第2の前記手順を取得する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボットシステムで発生した異常に対する手順を提供する異常処理装置、ネットワークシステム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットシステムで異常が発生したときに、作業ラインでオペレータが担うべき作業手順を表示する装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-223694号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロボットシステムでは、ロボットの動作不良、及びロボットに設けられた種々のセンサの検出値の異常等、多様な異常が発生し得る。従来、このような多様な異常に対して適切に対処可能とする技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ロボットシステムで発生した異常に対処する手順を提供する異常処理装置は、複数種類の異常にそれぞれ対処するための複数の手順を、該異常を特定する異常特定情報と関連付けて記憶する記憶部と、ロボットシステムの動作状態データに基づいて、異常を検知する異常検知部と、異常検知部が検知した異常の異常特定情報を取得するデータ取得部と、データ取得部が取得した異常特定情報に対応する手順を、記憶部に記憶された複数の手順の中から取得する手順取得部とを備える。
【0006】
ロボットシステムで発生した異常に対する手順を提供する方法は、複数種類の異常にそれぞれ対処するための複数の手順を、該異常を特定するための異常特定情報と関連付けて記憶部に記憶し、ロボットシステムの動作状態データに基づいて異常を検知し、検知した異常の異常特定情報を取得し、取得した異常特定情報に対応する手順を、記憶部に記憶された複数の手順の中から取得する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ロボットシステムで発生し得る種々の異常に対処するための手順を自動で取得して提供することが可能となる。したがって、多様な異常に対して適切且つ容易に対処することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係るネットワークシステムのブロック図である。
図2図1に示すロボットシステムの一例である。
図3】他の実施形態に係るネットワークシステムのブロック図である。
図4】ロボットシステムで発生した異常に対する手順を提供する方法の一例を示すフローチャートである。
図5】ロボットシステムで発生した異常に対する手順を提供する方法の他の例を示すフローチャートである。
図6】さらに他の実施形態に係るネットワークシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する種々の実施形態において、同様の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。まず、図1を参照して、一実施形態に係るネットワークシステム10について説明する。ネットワークシステム10は、ロボットシステム12、予防保全装置14、外部機器16、及び通信ネットワーク18を備える。
【0010】
ロボットシステム12は、ワークに対して所定の作業を行う産業用ロボットシステムである。予防保全装置14は、ロボットシステム12の動作状態を表す動作状態データODを該ロボットシステム12から入手し、該動作状態データODに基づいて該ロボットシステムで発生する異常ABを監視する。
【0011】
外部機器16は、デスクトップ型又は携帯型のPC、若しくはサーバ等のコンピュータである。通信ネットワーク18は、例えば、LAN(イントラネット等)、又はインターネットであって、ロボットシステム12、予防保全装置14、及び外部機器16を互いに通信可能に接続する。一例として、ロボットシステム12は、作業ラインが設けられた第1の建物内に設置され、予防保全装置14は、第1の建物とは別の第2の建物内に設置され、外部機器16は、第1の建物及び第2の建物とは別の第3の建物内に設置され得る。
【0012】
図2に、ロボットシステム12の一例を示す。ロボットシステム12は、ロボット20、センサ22(図1)、及び制御装置24を備える。図2に示す例では、ロボット20は、垂直多関節ロボットであって、搬送車26、ロボットベース28、旋回胴30、下腕部32、上腕部34、手首部36、及びエンドエフェクタ38を有する。搬送車26は、例えば、制御装置24からの指令に応じて自走する無人搬送車(AGV)であってもよいし、又は、オペレータA1によって手動で移動される手動搬送車であってもよい。搬送車26によってロボット20を任意の位置に移動させることができるようになっている。
【0013】
ロボットベース28は、搬送車26の上に固定されている。旋回胴30は、鉛直軸周りに旋回可能となるようにロボットベース28に設けられている。下腕部32は、水平軸周りに回動可能となるように旋回胴30に設けられ、上腕部34は、該下腕部32の先端部に回動可能に設けられている。
【0014】
手首部36は、互いに直交する2つの軸の周りに回動可能となるように上腕部34の先端部に設けられている。エンドエフェクタ38は、手首部36の先端部(いわゆる、手首フランジ)に着脱可能に取り付けられている。エンドエフェクタ38は、例えば、ロボットハンド、切削工具、又は溶接トーチ等であって、ワークに対して所定の作業(ワークハンドリング、切削加工、又は溶接等)を行う。なお、ロボットハンドは、ワークを把持する複数の指部を有するものであってもよいし、又は、ワークとの間で負圧を発生させて該ワークを吸着保持する吸着パッドを有するものであってもよい。
【0015】
ロボット20の各コンポーネント(搬送車26、ロボットベース28、旋回胴30、下腕部32、上腕部34、手首部36)には、サーボモータ40(図1)が設けられている。サーボモータ40は、制御装置24からの指令に応じて、ロボット20の可動コンポーネント(搬送車26、旋回胴30、下腕部32、上腕部34、手首部36)を駆動する。
【0016】
センサ22は、動作状態データODを検出する。例えば、動作状態データODは、サーボモータ40の回転位置Pm、回転速度Vm、回転加速度αm、電流値I、及び負荷トルクτを含んでもよい。この場合、センサ22は、サーボモータ40の回転位置を検出する回転検出センサ22A(エンコーダ、又はホール素子等)、サーボモータ40の電流値を検出する電流センサ22B、及び、サーボモータ40の負荷トルクを検出するトルクセンサ22Cを有してもよい。
【0017】
また、動作状態データODは、ロボット20の可動コンポーネント(例えば、エンドエフェクタ38)の位置Pc、速度Vc、及び加速度αcを含んでもよい。ロボット20の可動コンポーネント(エンドエフェクタ38)の位置Pc、速度Vc、及び加速度αcは、例えば、回転検出センサ22Aの検出値(具体的には、回転位置Pm)から取得することができる。
【0018】
また、エンドエフェクタ38が複数の指部を有するロボットハンドである場合、動作状態データODは、該複数の指部を開閉させるシリンダの圧力Pを含んでもよい。また、エンドエフェクタ38が吸着パッドを有するロボットハンドである場合、動作状態データODは、該吸着パッドに生じる圧力Pを含んでもよい。これらの場合、センサ22は、圧力Pを検出する圧力センサ22Dを有してもよい。
【0019】
また、動作状態データODは、制御装置24又は回転検出センサ22Aを動作させるための電池の電圧Eを含んでもよい。この場合、センサ22は、電圧Eを検出する電圧センサ22Eを有してもよい。また、動作状態データODは、ロボット20に掛かる外力Fを含んでもよい。この場合、センサ22は、外力Fを検出する力センサ22Fを有してもよい。
【0020】
また、センサ22は、ロボット20に対して既知の位置に配置される視覚センサ22Gを有し、該視覚センサ22Gは、動作状態データODとして、ワークの画像データIDを撮像し、制御装置24に供給してもよい。この場合において、視覚センサ22Gは、ワークの画像データIDを適切に撮像したか否かを判定する判定情報を、画像データIDとともに制御装置24に提供してもよい。
【0021】
このように、センサ22は、少なくとも1つのセンサ22A、22B、22C、22D、22E及び22Fを有し、少なくとも1つの動作状態データOD(回転位置Pm、回転速度Vm、回転加速度αm、電流値I、負荷トルクτ、位置Pc、速度Vc、加速度αc、圧力P、電圧E、外力F、及び画像データID)を検出する。なお、動作状態データODは、上述した例に限らず、他の如何なるデータを含んでもよく、センサ22は、該データを検出するように構成されてもよい。
【0022】
制御装置24は、ロボット20の外部(又は、搬送車26の内部)に設置され、ロボット20の動作を制御する。図1に示すように、制御装置24は、プロセッサ42、記憶部44、I/Oインターフェース46、入力装置48、及び表示装置50等を有するコンピュータである。プロセッサ42は、CPU又はGPU等を有し、バス52を介して、記憶部44、I/Oインターフェース46、入力装置48、及び表示装置50に通信可能に接続されている。
【0023】
記憶部44は、RAM又はROM等を有し、プロセッサ42が実行する演算処理で利用される各種のデータ、及び該演算処理の途中で生成される各種データを、一時的又は恒久的に記憶する。I/Oインターフェース46は、例えば、イーサネット(登録商標)ポート、USBポート、光ファイバコネクタ、又はHDMI(登録商標)端子を有し、プロセッサ42からの指令の下、外部機器との間でデータを有線又は無線で通信する。本実施形態においては、I/Oインターフェース46は、通信ネットワーク18、センサ22、及びサーボモータ40に接続されている。
【0024】
入力装置48は、キーボード、マウス、又はタッチパネル等を有し、オペレータからデータ入力を受け付ける。表示装置50は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等を有し、各種データを表示する。入力装置48及び表示装置50は、制御装置24の筐体とは別体として設けられてもよいし、又は、制御装置24の筐体に一体に組み込まれてもよい。
【0025】
プロセッサ42は、センサ22から動作状態データOD(回転位置Pm、回転速度Vm、回転加速度αm、電流値I、負荷トルクτ、位置Pc、速度Vc、加速度αc、圧力P、電圧E、外力F、画像データID等)を取得し、取得した動作状態データODを、通信ネットワーク18を介して、予防保全装置14に連続的(例えば周期的)に送信する。
【0026】
予防保全装置14は、プロセッサ62、記憶部64、I/Oインターフェース66、入力装置68、及び表示装置70等を有するコンピュータである。なお、プロセッサ62、記憶部64、I/Oインターフェース66、入力装置68、及び表示装置70の構成は、上述のプロセッサ42、記憶部44、I/Oインターフェース46、入力装置48、及び表示装置50と同様であるので、重複する説明を省略する。
【0027】
プロセッサ62は、バス72を介して、記憶部64、I/Oインターフェース66、入力装置68、及び表示装置70に通信可能に接続されている。I/Oインターフェース66は、通信ネットワーク18に接続され、プロセッサ62は、通信ネットワーク18を通して、制御装置24から動作状態データODを入手し、記憶部64に記憶する。
【0028】
プロセッサ62は、入手した動作状態データODに基づいて、ロボットシステム12の異常ABを検知する。一例として、プロセッサ62は、動作状態データODが予め定めた基準と異なっているか否かを判定する。具体的には、プロセッサ62は、センサ22から取得した動作状態データOD(回転位置Pm、回転速度Vm、回転加速度αm、電流値I、負荷トルクτ、位置Pc、速度Vc、加速度αc、圧力P、又は電圧E)の値が、予め定めた基準値βを超えた(OD>β、又はOD<β)か否かを判定し、動作状態データODの値が基準値βを超えた場合に、該動作状態データODが基準と異なっていると判定する。
【0029】
例えば、エンドエフェクタ38が吸着パッドを有するロボットハンドである場合、圧力センサ22Dから取得した圧力Pを監視することによって、エンドエフェクタ38が吸着パッドでワークを適切に把持したか否かを判定できる。プロセッサ62は、圧力Pが基準値βを超えて上昇(P>β)又は低下(P<β)した場合に、エンドエフェクタ38で把持不良の異常AB1が発生したことを検知できる。また、プロセッサ62は、電圧センサ22Eから取得した電圧Eが基準値βを超えて低下(E<β)した場合に、制御装置24又は回転検出センサ22Aの電池に電圧低下の異常AB2が発生したことを検知できる。
【0030】
また、プロセッサ62は、力センサ22Fから取得した外力Fが基準値βF1を超えた場合(F<βF1又はF>βF1)に、力センサ22Fの動作不良(つまり、故障)の異常AB3、又は、ロボット20が周辺環境物(又はオペレータA1)と衝突した異常AB4を検知できる。
【0031】
また、プロセッサ62は、動作状態データODとして視覚センサ22Gが撮像した画像データIDを取得した場合に、該画像データIDに含まれる判定情報を参照し、該判定情報が、画像データIDを適切に撮像していないことを示す場合に、動作状態データOD(画像データID)が基準と異なっていると判定してもよい。これにより、プロセッサ62は、視覚センサ22Gに撮像不良の異常AB5が発生していることを検知できる。
【0032】
代替的には、画像データIDに判定情報が含まれていない場合、プロセッサ62は、画像データIDに基づいて、該画像データIDが基準と異なっているか否かを判定してもよい。具体的には、ロボットシステム12の制御装置24は、ロボット20による作業を実行している間に、視覚センサ22Gによって、ロボット20に対して既知の位置に設けられたマーカを撮像する。
【0033】
プロセッサ62は、撮像されたマーカの画像データIDをロボットシステム12から入手し、該画像データIDにおけるマーカの位置を取得する。このマーカの位置が、予め定めた基準点からずれている場合に、画像データIDが基準と異なっていると判定してもよい。こうして、プロセッサ62は、画像データIDに基づいて、視覚センサ22Gに撮像不良の異常AB5が発生していることを検知できる。
【0034】
他の例として、プロセッサ62は、機械学習によって構築された学習モデルLMを用いて、ロボットシステム12の異常ABを検知してもよい。この学習モデルLMは、動作状態データOD(例えば、圧力P)と、ロボットシステム12で生じる異常AB(例えば、エンドエフェクタ38の把持不良の異常AB1)との相関性を示すものであって、例えば、動作状態データODと、異常ABの有無を表す判定データとの学習データセットDS1を、機械学習装置に反復して与えることによって(例えば、教師あり学習)、構築することができる。
【0035】
プロセッサ62は、ロボットシステム12から連続的に入手した動作状態データODを、学習モデルLMに順次入力する。学習モデルLMは、所定の期間に入力された動作状態データODの変化と高い相関性を有する異常ABがある場合に、該異常ABを特定して出力する。
【0036】
こうして、プロセッサ62は、動作状態データOD及び学習モデルLMから、ロボットシステム12で生じる異常ABを検知できる。この学習モデルLMを用いることで、プロセッサ62は、異常ABの発生によってロボットシステム12のコンポーネント(例えば、サーボモータ40、又はセンサ22)が故障してしまうのを予知できるようになる。なお、プロセッサ62は、上述の機械学習装置の機能を実行するように構成されてもよい。
【0037】
以上のように、本実施形態においては、プロセッサ62は、動作状態データODに基づいて異常ABを検知する異常検知部74(図1)として機能する。ここで、本実施形態においては、記憶部64は、ロボットシステム12で生じ得る複数種類の異常ABにそれぞれ対処するための複数の手順PRを、該異常ABを特定する異常特定情報SIと関連付けて記憶する。
【0038】
一例として、異常特定情報SIは、複数種類の異常AB(例えば、異常AB1、AB2、AB3、AB4、・・・)に個別に付与された異常識別コードSI1を有する。具体的には、異常識別コードSI1は、複数の文字列からなり(いわゆる、エラーコード)、複数種類の異常AB毎に固有に付与される。
【0039】
例えば、エンドエフェクタ38の把持不良の異常AB1には、「AB001」という文字列の異常識別コードSI1が付与され、電池の電圧低下の異常AB2には、「AB002」という文字列の異常識別コードSI1が付与され、力センサ22Fの動作不良の異常AB3には、「AB003」という文字列の異常識別コードSI1が付与され、ロボット20と周辺環境物との衝突の異常AB4には、「AB004」という文字列の異常識別コードSI1が付与され、視覚センサ22Gの撮像不良の異常AB5には、「AB005」という文字列の異常識別コードSI1が付与される。
【0040】
一方、各種の異常ABに対処するための手順PRは、異常AB毎に予め用意される。例えば、手順PRは、該手順PRを文字で説明するテキストの画像データ、又は、オペレータA1が該手順PRを実行する動作を表す静止画又は動画の画像データを有し、オペレータA1が異常ABに対処するための手順を、テキスト、静止画又は動画で説明する。例えば、吸着パッドを有するエンドエフェクタ38の把持不良の異常AB1に対処するための手順PR1は、吸着パッド、又は該吸着パッドに負圧を発生させるエアバルブの確認を行う手順を説明する画像データを有する。
【0041】
また、電池の電圧低下の異常AB2に対処するための手順PR2は、該電池を交換する手順を説明する画像データを有する。また、ロボット20が周辺環境物と衝突した異常AB4に対処するための手順PR4は、該衝突の有無を確認する手順を説明する画像データを有する。また、視覚センサ22Gの撮像不良の異常AB5に対処するための手順PR5は、視覚センサ22Gの設置位置の確認、視覚センサ22Gの部材(例えば、レンズ)の確認、及び視覚センサ22Gのキャリブレーションを行う手順を説明する画像データを有する。
【0042】
記憶部64は、手順PR(例えば、手順PR1、PR2、・・・)と、異常特定情報SI(例えば、異常識別コードSI1:「AB001」、「AB002」、「AB003」、・・・)とを、互いに関連付けて記憶する。予防保全装置14のオペレータA2(例えば、作業ラインの設計者)は、入力装置68を操作して、複数の手順PR(手順PR1等)と、該手順PRに関連付ける異常特定情報SI(異常識別コードSI1:「AB001」等)とを入力する。
【0043】
プロセッサ62は、入力装置68を通して、手順PR及び異常特定情報SIの入力を受け付ける。したがって、本実施形態においては、プロセッサ62は、手順PR及び異常特定情報SIの入力を受け付ける入力受付部76(図1)として機能する。記憶部64は、プロセッサ62が受け付けた手順PR及び異常特定情報SIを互いに関連付けて記憶する。こうして、手順PRと異常特定情報SI(具体的には、異常識別コードSI1)とが、記憶部64に予め格納される。
【0044】
プロセッサ62は、異常検知部74として機能して異常ABを検知したとき、該異常ABを特定する異常特定情報SIを取得する。一例として、異常ABの種類(例えば、把持不良の異常AB1)と、該異常ABに付与されている異常識別コードSI1(例えば、「AB001」)とが互いに関連付けて格納されたデータテーブルDT1が、記憶部64にさらに格納される。プロセッサ62は、データテーブルDT1を参照して、検知した異常ABに付与された異常識別コードSI1を、異常特定情報SIとして取得する。
【0045】
他の例として、プロセッサ62は、上述の学習モデルLMを用いて、動作状態データODから異常ABを特定するとともに、該異常ABに付与された異常識別コードSI1を取得してもよい。この場合の学習モデルLMは、動作状態データODと、異常ABの有無を表す判定データと、該異常ABに付与された異常識別コードSI1との学習データセットDS2を、機械学習装置に反復して与えることによって構築することができる。
【0046】
プロセッサ62は、ロボットシステム12から入手した動作状態データODを、学習モデルLMに順次入力し、学習モデルLMは、特定した異常ABとともに、該異常ABに付与された異常識別コードSI1を出力する。こうして、プロセッサ62は、動作状態データODから、ロボットシステム12で発生する異常ABと異常識別コードSI1とを取得できる。このように、本実施形態においては、プロセッサ62は、検知した異常ABの異常特定情報SI(具体的には、異常識別コードSI1)を取得するデータ取得部78(図1)として機能する。
【0047】
次いで、プロセッサ62は、取得した異常特定情報SIに対応する手順PRを、記憶部64に記憶された複数の手順PRの中から取得する。例えば、プロセッサ62は、把持不良の異常AB1を検知し、異常特定情報SIとして異常AB1に付与されている異常識別コードSI1:「AB001」を取得した場合、記憶部64に記憶された複数の手順PRn(n=1,2,3,・・)の中から、異常識別コードSI1:「AB001」に関連付けられた手順PR1の画像データを検索して取得する。このように、本実施形態においては、プロセッサ62は、取得した異常特定情報SIに対応する手順PRを取得する手順取得部80(図1)として機能する。
【0048】
そして、プロセッサ62は、取得した手順PRの画像データを、バス72を通して表示装置70に供給し、該手順PRを画像として表示装置70に表示させる。また、プロセッサ62は、取得した手順PRの画像データを、I/Oインターフェース66を通して通信ネットワーク18に送信し、該通信ネットワークを介して、制御装置24に供給する。制御装置24のプロセッサ42は、I/Oインターフェース46を介して手順PRの画像データを入手し、該手順PRを画像として表示装置50に表示する。
【0049】
このように、本実施形態においては、プロセッサ62は、取得した手順PRを、画像として表示装置50及び70に表示させる表示制御部82(図1)として機能する。なお、プロセッサ62は、表示制御部82として機能し、取得した手順PRを、表示装置50の代わりに(又は加えて)、作業ラインに設置した表示装置(図示せず)に表示させてもよい。
【0050】
以上のように、本実施形態においては、記憶部64は、複数の手順PRを異常特定情報SIと関連付けて記憶し、プロセッサ42は、異常検知部74、入力受付部76、データ取得部78、手順取得部80、及び表示制御部82として機能して、ロボットシステム12で発生した異常ABに対処する手順PRを提供する。
【0051】
したがって、記憶部64、及びプロセッサ42(異常検知部74、入力受付部76、データ取得部78、手順取得部80、及び表示制御部82)は、異常ABに対処する手順PRを提供する異常処理装置90(図1)を構成する。このように、本実施形態においては、異常処理装置90は、予防保全装置14に実装されている。
【0052】
異常処理装置90においては、記憶部64が、複数の手順PRを異常特定情報SIと関連付けて記憶し、異常検知部74が、動作状態データODに基づいて異常ABを検知し、データ取得部78が、異常検知部74が検知した異常ABの異常特定情報SI(具体的には、異常識別コードSI1)を取得し、データ取得部78が取得した異常特定情報SIに対応する手順PRを、記憶部64に記憶された複数の手順PRの中から取得する。この構成によれば、ロボットシステム12で発生し得る種々の異常ABに対処するための手順PRを、自動で取得して提供することが可能となる。したがって、多様な異常ABに対して適切且つ容易に対処することが可能となる。
【0053】
また、異常処理装置90においては、入力受付部76は、手順PR及び異常特定情報SI(異常識別コードSI1)の入力を受け付け、記憶部64は、入力受付部76が受け付けた手順PR及び異常特定情報SIを互いに関連付けて記憶する。この構成によれば、オペレータA2は、手順PR及び異常特定情報SIを任意に入力することができるので、手順PR及び異常特定情報SIを、必要に応じて追加、削除又は編集することによって、最新のデータに更新することができる。
【0054】
また、異常処理装置90においては、異常特定情報SIは、複数種類の異常ABに個別に付与された異常識別コードSI1を有し、データ取得部78は、異常検知部74が検知した異常ABに付与された異常識別コードSI1を、異常特定情報SIとして取得する。この構成によれば、プロセッサ62は、手順取得部80として機能して、発生した異常ABに対処するための手順PRを、異常識別コードSI1によって容易且つ迅速に検索することができる。
【0055】
また、異常処理装置90においては、表示制御部82は、手順取得部80が取得した手順PRを、画像として表示装置50及び70に表示させる。このように表示装置50及び70に表示された手順PRの画像を視認することによって、作業ラインのオペレータA1と、予防保全装置14のオペレータA2とは、異常ABに対処するための手順PRを容易に理解することができる。そして、オペレータA1は、専門的な知識が無くとも、表示装置50に表示された手順PRに従って、作業ラインで異常ABに適切に対処することができる。
【0056】
なお、プロセッサ62は、表示制御部82として機能し、手順取得部80が取得した手順PRの画像データを、通信ネットワーク18を介して外部機器16に送信し、該外部機器16に設けられた表示装置(図示せず)に表示させてもよい。この場合、外部機器16のオペレータA3(例えば、作業ラインの管理者)も、異常ABに対処するための手順PRを容易に理解することができる。
【0057】
なお、手順PRは、画像データの代わりに(又は加えて)、該手順PRを音声で説明する音声データを有してもよい。この場合、プロセッサ62は、手順PRの音声データを、予防保全装置14(又は制御装置24)に設けられたスピーカを通して出力してもよい。手順PRが音声データのみを有する場合、異常処理装置90から表示制御部を省略できる。
【0058】
また、異常処理装置90から入力受付部76を省略することもできる。例えば、手順PR及び異常特定情報SIは、異常処理装置90の外部機器16を用いて用意され、通信ネットワーク18(又は、外付けメモリ)を介して予防保全装置14にダウンロードされてもよい。
【0059】
なお、発生した異常ABの種類によっては、オペレータA1がロボット20を作業ラインから切り離す必要があり得る。例えば、電池の電圧低下の異常AB2は、オペレータA1が電池を交換することにより、作業ラインで対処可能である一方、力センサ22Fの動作不良の異常AB3については、力センサ22Fの交換が不可であることからオペレータA1が作業ラインで対処できない場合がある。
【0060】
このような場合、作業ラインで作業を継続するためには、力センサ22Fが設けられたロボット20を作業ラインから切り離す必要がある。そこで、力センサ22Fの動作不良の異常AB3に対処するための手順PR3は、例えば、ロボット20を作業ラインから切り離す手順PR3_1と、作業ラインでロボット20が実行していた作業を、オペレータA1に手動で代行させるための手順PR3_2とを有する。
【0061】
具体的には、ロボット20を切り離す手順PR3_1は、搬送車26を操作してロボット20を作業ラインから退去させる手順を文字で説明するテキストの画像データ、又は、該手順をオペレータA1が実行する動作を表す静止画又は動画の画像データを有し得る。また、ロボット20を切り離す手順PR3_1は、制御装置24と、該制御装置24の上位コントローラ(図示せず)との通信接続を遮断する手順を文字で説明するテキストの画像データ、又は、該手順をオペレータA1が実行する動作を表す静止画又は動画の画像データを有し得る。
【0062】
一方、オペレータA1に作業を代行させる手順PR3_2は、ロボット20の切り離し後に作業ラインでオペレータA1がロボット20の代わりに実行すべき作業の手順(例えば、ワークハンドリングの手順)を文字で説明するテキストの画像データ、又は、該手順をオペレータA1が実行する動作を表す静止画又は動画の画像データを有し得る。
【0063】
プロセッサ62は、力センサ22Fの動作不良の異常AB3を検知した場合、データ取得部78として機能して、該異常AB3に付与された異常識別コードSI1:「AB003」を取得し、手順取得部80として機能して、異常識別コードSI1:「AB003」に関連付けられた手順PR3を記憶部64から検索して取得する。そして、プロセッサ62は、表示制御部82として機能し、表示装置50及び70に手順PR3の画像データを供給し、表示装置50及び70に、手順PR3_1の画像と、手順PR3_2の画像とを、順に表示させる。
【0064】
この構成によれば、オペレータA1及びA2は、異常AB3に対処するために、作業ラインからのロボット20の切り離しの手順PR3_1と、切り離し後にオペレータA1が代行すべき作業の手順PR3_2とを、容易に理解することができる。その結果、オペレータA1がロボット20の作業を代行することよって、作業ラインでの作業を継続することができる。
【0065】
なお、ロボット20の切り離しと作業代行の手順PR3を要する異常ABは、力センサ22Fの動作不良の異常AB3の他にも存在し得る。例えば、視覚センサ22Gの撮像不良の異常AB5が繰り返し発生する異常AB5’、及び、センサ22の検出値の異常AB6(例えば、検出値が継続的にゼロ)も、手順PR3を提供する必要があり得る。手順PR3は、これら異常AB3、AB5’及びAB6等に付与された異常識別コードSI1(例えば、「AB003」、「AB005’」、及び「AB006」)に関連付けられて、記憶部64に記憶される。
【0066】
次に、図3を参照して、予防保全装置14の他の機能について説明する。本実施形態においては、プロセッサ62は、上述の異常検知部74、入力受付部76、データ取得部78、手順取得部80、及び表示制御部82に加えて、可否判定部84、通知生成部86、及び通信制御部88として機能する。以下、図4を参照して、予防保全装置14の動作フローについて説明する。図4に示すフローは、プロセッサ62が、オペレータA2、上位コントローラ、又はコンピュータプログラムから動作開始指令を受け付けたときに、開始される。
【0067】
ステップS1において、プロセッサ62は、動作状態データODを取得する動作を開始する。具体的には、プロセッサ62は、上述したように、通信ネットワーク18を通して、制御装置24から動作状態データODを連続的(例えば、周期的)に入手する動作を開始する。
【0068】
ステップS2において、プロセッサ62は、異常検知部74として機能し、上述した方法により、動作状態データODに基づいて異常ABを検知したか否かを判定する。プロセッサ62は、異常ABを検知した場合はYESと判定し、ステップS3へ進む一方、異常ABを検知していない場合はNOと判定し、ステップS5へ進む。
【0069】
ステップS3において、プロセッサ62は、異常特定情報SIに基づいて、作業ラインからロボット20を切り離す必要があるか否かを判定する。具体的には、プロセッサ62は、データ取得部78として機能し、直近のステップS2で検知した異常ABの異常識別コードSI1を、異常特定情報SIとして取得する。
【0070】
そして、プロセッサ62は、取得した異常識別コードSI1が、ロボット20を作業ラインから切り離す必要があるコードSI1に該当するか否かを判定する。例えば、上述した異常AB3、AB5’及びAB6に付与された異常識別コードSI1:「AB003」、「AB005’」、及び「AB006」は、コードSI1に分類される。
【0071】
プロセッサ62は、このステップS3において、コードSI1に分類されている異常識別コードSI1(例えば、「AB003」、「AB005’」、又は「AB006」)を取得した場合はYESと判定し、ステップS6へ進む一方、コードSI1に分類されていない異常識別コードSI1を取得した場合はNOと判定し、ステップS4へ進む。
【0072】
ステップS4において、プロセッサ62は、手順取得部80として機能して、上述した方法により、直近のステップS3で取得した異常特定情報SI(具体的には、異常識別コードSI1)に対応する手順PRを、記憶部64に記憶された複数の手順PRの中から取得する。そして、プロセッサ62は、表示制御部82として機能して、取得した手順PRを、画像として表示装置50及び70(並びに、外部機器16の表示装置)に表示させる。
【0073】
ステップS5において、プロセッサ62は、オペレータA2、上位コントローラ、又はコンピュータプログラムから、動作終了指令を受け付けたか否かを判定する。プロセッサ62は、動作終了指令を受け付けた場合はYESと判定し、図4に示すフローを終了する一方、動作終了指令を受け付けていない場合はNOと判定し、ステップS2へ戻る。
【0074】
一方、ステップS3でYESと判定した場合、プロセッサ62は、ステップS6において、直近のステップS2で検知した異常ABへ対処可能か否かを判定する。ここで、オペレータA1がロボット20を作業ラインから切り離すことができない場合(例えば、オペレータA1が搬送車26の操作を許可されていない場合、又は、そもそもロボット20が搬送車26を有しておらず、作業ラインに固定されて移動できない場合)がある。
【0075】
また、ロボット20を切り離したとしても、該ロボット20が実行していた作業をオペレータA1が代行できない場合(例えば、ロボット20がレーザ加工を実行する場合)もある。これらの場合、オペレータA1は、検知された異常ABに対し作業ラインで対処することができない。
【0076】
そこで、プロセッサ62は、このステップS6において、異常特定情報SIとともに、異常ABへの対処の可否を判定するための可否判定情報DIを取得し、該可否判定情報DIに基づいて、異常ABへ対処可能か否かを判定する。一例として、可否判定情報DIは、ロボット20を識別する識別コードDI1(製造番号、型番等)と、作業ラインから切り離し不可であるロボットの識別コードDI1を格納したデータテーブルDT2とを含む。
【0077】
他の例として、可否判定情報DIは、ロボット20が実行する作業を識別する識別コードDI2(例えば、レーザ加工を表す識別コード)と、オペレータA1が代行不可である作業の識別コードDI2を格納したデータテーブルDT3とを含む。これら識別コードDI1及びDI2、並びに、データテーブルDT2及びDT3は、例えば、制御装置24の記憶部44に予め格納される。
【0078】
プロセッサ62は、データ取得部78として機能して、直近のステップS2で検知した異常ABの異常特定情報SI(異常識別コードSI1)を取得するとともに、識別コードDI1(又はDI2)、及びデータテーブルDT2(又はDT3)を、制御装置24から通信ネットワーク18を介して入手する。
【0079】
そして、プロセッサ62は、取得した識別コードDI1(又はDI2)が、データテーブルDT2(又はDT3)に含まれる識別コードDI1(又はDI2)に該当するか否かを判定し、該当する場合はYESと判定してステップS8へ進む一方、該当しない場合はNOと判定してステップS7へ進む。このように、本実施形態においては、プロセッサ62は、可否判定情報DIに基づいて異常ABへ対処可能か否かを判定する可否判定部84(図3)として機能する。
【0080】
ステップS7において、プロセッサ62は、手順取得部80として機能して、直近のステップS3で取得した異常特定情報SI(例えば、異常識別コードSI1:「AB003」、「AB005’」、又は「AB006」)に対応する、ロボット20の切り離しと作業代行の手順PR3(具体的には、手順PR3_1及びPR3_2)を取得する。
【0081】
そして、プロセッサ62は、表示制御部82として機能して、取得した手順PR3を、画像として表示装置50及び70(並びに、外部機器16の表示装置)に表示させる。その結果、作業ラインのオペレータA1は、ロボット20を作業ラインから切り離す手順PR3_1と、ロボット20の切り離し後に代行すべき作業の手順PR3_2とを、容易に理解することができ、専門的な知識が無くとも、これら手順PR3_1及びPR3_2を作業ラインで実行できる。
【0082】
ステップS8において、プロセッサ62は、直近のステップS2で検知した異常ABへの対処が不可であることを通知する通知データNDを生成し、外部機器16へ送信する。具体的には、プロセッサ62は、例えば「ロボットシステムで対処不可の異常が発生」という警告を表す通知データNDを、画像データ又は音声データとして生成する。このように、本実施形態においては、プロセッサ62は、ステップS6で異常ABへの対処が不可である(つまり、YES)と判定した場合に通知データNDを生成する通知生成部86(図3)として機能する。
【0083】
そして、プロセッサ62は、生成した通知データNDを、送信先として記憶部64に予め登録された外部機器16へ、通信ネットワーク18を介して送信する。なお、プロセッサ62は、Eメールの形式で通知データNDを外部機器16へ送信してもよい。
【0084】
これにより、外部機器16のオペレータA3(例えば、作業ラインの管理者)は、ロボットシステム12で対処不可な異常ABが発生していることを容易に認識できる。このように、本実施形態においては、プロセッサ62は、生成した通知データNDを外部機器16に送信する通信制御部88(図3)として機能する。ステップS8を実行後、プロセッサ62は、図4のフローを終了する。
【0085】
以上のように、本実施形態においては、プロセッサ42は、異常検知部74、入力受付部76、データ取得部78、手順取得部80、表示制御部82、可否判定部84、通知生成部86、及び通信制御部88として機能して、記憶部64に記憶された手順PRを提供している。
【0086】
したがって、記憶部64及びプロセッサ42(異常検知部74、入力受付部76、データ取得部78、手順取得部80、表示制御部82、可否判定部84、通知生成部86、及び通信制御部88)は、異常ABに対処する手順PRを提供する異常処理装置100(図1)を構成する。このように、本実施形態においては、異常処理装置100は、予防保全装置14に実装されている。
【0087】
異常処理装置100においては、データ取得部78は、異常特定情報SIとともに可否判定情報DIを取得し、可否判定部84は、可否判定情報DIに基づいて異常ABへ対処可能か否かを判定し、通知生成部86は、可否判定部84が異常ABへ対処不可と判定した場合にその旨を通知する通知データNDを生成する。この構成によれば、オペレータA1が作業ラインで対処できない異常ABがロボットシステム12で生じたときに、その旨を自動で通知できる。
【0088】
また、異常処理装置100においては、通信制御部88は、通知生成部86が生成した通知データNDを、異常処理装置100の外部機器16に送信する。この構成によれば、対処不可の異常ABが生じたことを、外部機器16のオペレータA3(例えば、作業ラインの管理者)に自動で通知できる。
【0089】
なお、上述のステップS4において、プロセッサ62は、手順PRを、オペレータからの入力データIPに応じて段階的に提供してもよい。例えば、視覚センサ22Gの撮像不良の異常AB5に対処するための手順PR5は、視覚センサ22Gの設置位置(又は部材)の確認を行う手順PR5_1と、視覚センサ22Gのキャリブレーションを行う手順PR5_2とを有する。
【0090】
この場合において、プロセッサ62は、ステップS4において、まず、手順PR5_1を取得して表示装置50に表示させる。このとき、プロセッサ62は、視覚センサ22Gの設置位置のずれの有無を入力するための入力画像を表示装置50に表示させる。オペレータA1は、手順PR5_1に従って視覚センサ22Gの設置位置のずれの有無を確認し、該ずれを解消できた場合、入力装置48を操作して、表示装置50に表示された入力画像に異常AB5に対処できたことを示す入力データIP1を入力する。
【0091】
一方、オペレータA1は、視覚センサ22Gの設置位置のずれが無かった場合、入力装置48を操作して、表示装置50に表示された入力画像に該ずれが無かったことを示す入力データIP2を入力する。プロセッサ62は、制御装置24から入力データIP1を受け付けた場合はステップS4を終了する一方、制御装置24から入力データIP2を受け付けた場合は、キャリブレーションを行う手順PR5_2を取得して表示装置50に表示させる。このようにステップS4で手順PRを段階的に提供することによって、オペレータA1は、ロボットシステム12の状況に応じて適切な対処を行うことができる。
【0092】
次に、図5を参照して、図3に示す予防保全装置14のさらに他の機能について説明する。なお、図5に示すフローにおいて、図4に示すフローと同様のプロセスには同じステップ番号を付し、重複する説明を省略する。図5に示すフローを開始後、プロセッサ62は、図4のフローと同様に、ステップS1~S4を実行する。
【0093】
ステップS4の後、ステップS3’において、プロセッサ62は、オペレータA1からの入力データIPに基づいて、作業ラインからロボット20を切り離す必要があるか否かを判定する。ここで、ステップS4で異常ABに対処するための手順PRをオペレータA1に提供し、オペレータA1が該手順PRを実行したとしても、異常ABに対処できない場合がある。
【0094】
一例として、ステップS2において、プロセッサ62は、力センサ22Fが取得した外力Fが基準値βF2を超えて増加(F>βE2)することを検知し、これにより、ロボット20が周辺環境物と衝突した異常AB4を検知したとする。この場合、プロセッサ62は、ステップS3でNOと判定し、ステップS4において、異常AB4に対処するための手順PR4(つまり、衝突の有無を確認する手順を説明する画像データ)を取得し、制御装置24の表示装置50に表示させる。
【0095】
これとともに、プロセッサ62は、ロボット20と周辺環境物との衝突の有無を入力するための入力画像を制御装置24に供給し、表示装置50に表示させる。オペレータAは、手順PR4に従ってロボット20と周辺環境物との衝突の有無を確認し、該衝突があった場合は、周辺環境物を退去させる等、衝突を解消するための処置を行う。これにより、異常AB4に対処することができる。この場合、オペレータAは、入力装置48を操作して、表示装置50に表示された入力画像に、周辺環境物との衝突があったことを示す入力データIP1を入力する。
【0096】
一方、オペレータAは、手順PR4に従ってロボット20と周辺環境物との衝突の有無を確認した結果、該衝突が無かった場合は、外力Fが基準値βF2を超えて増加した異常が、オペレータAが対処不可である、力センサ22Fの動作不良の異常AB3に起因し得る。この場合、オペレータAは、入力装置48を操作して、表示装置50に表示された入力画像に、周辺環境物との衝突が無かったことを示す入力データIP2を入力する。
【0097】
他の例として、プロセッサ62が、ステップS2において、視覚センサ22Gの撮像不良の異常AB5を検知したとする。この場合、プロセッサ62は、ステップS3でNOと判定し、ステップS4において、異常AB5に対処するための手順PR5(つまり、視覚センサ22Gの確認、及びキャリブレーションを行う手順を説明する画像データ)を取得し、制御装置24の表示装置50に表示させる。
【0098】
これとともに、プロセッサ62は、異常AB5が解消したか否かを入力するための入力画像を制御装置24に供給し、表示装置50に表示させる。オペレータAは、手順PR5に従ってキャリブレーション等の必要な処置を行う。その結果、異常AB5を解消できた場合、オペレータAは、入力装置48を操作して、表示装置50に表示された入力画像に、異常AB5が解消したことを示す入力データIP1を入力する。
【0099】
一方、オペレータA1は、手順PR5に従って処置を行ったとしても異常AB5が解消できなかった場合、オペレータAが対処不可である異常AB5’が発生していることになる。この場合、オペレータA1は、入力装置48を操作して、表示装置50に表示された入力画像に、異常AB5が解消していないことを示す入力データIP2を入力する。制御装置24のプロセッサ42は、上述のようにオペレータA1によって入力された入力データIP1又はIP2を、通信ネットワーク18を介して、予防保全装置14に送信する。
【0100】
プロセッサ62は、このステップS3’において、制御装置24から入力データIP2を受け付けた場合は、ロボット20を切り離す必要がある(すなわち、YES)と判定し、ステップS6へ進む一方、予防保全装置14から入力データIP1を受け付けた場合は、ロボット20を切り離す必要がない(すなわち、NO)と判定し、ステップS5へ進む。そして、プロセッサ62は、図4のフローと同様に、ステップS6~S8、又はステップS5を順次実行する。
【0101】
以上のように、本実施形態においては、プロセッサ62は、ステップS3で異常特定情報SIに基づいてロボット20の切り離しの要否を判定し、ステップS4で手順PRを提供した後、ステップS3’において、オペレータA1からの入力データIPに基づいてロボット20の切り離しの要否を再度判定している。この構成によれば、仮に、ステップS4で提示された手順PRによって異常ABに対処できなかった場合でも、ステップS7でロボット20の切り離しを行うことで作業を継続でき得る。よって、作業が中断してしまう可能性を低減できる。
【0102】
なお、上述の実施形態においては、異常処理装置90及び100が予防保全装置14に実装される場合について述べた。しかしながら、これに限らず、異常処理装置90又は100のコンポーネント(すなわち、記憶部64、異常検知部74、入力受付部76、データ取得部78、手順取得部80、表示制御部82、可否判定部84、通知生成部86、及び通信制御部88)の少なくとも1つが制御装置24に実装されてもよい。
【0103】
このような形態を、図6に示す。図6に示すネットワークシステム10においては、異常処理装置100の記憶部64、入力受付部76、データ取得部78、手順取得部80、表示制御部82、可否判定部84、通知生成部86、及び通信制御部88は、予防保全装置14に実装される一方、異常処理装置100の異常検知部74は、制御装置24に実装されている。
【0104】
図6に示すネットワークシステム10においては、制御装置24のプロセッサ42と、予防保全装置14のプロセッサ62とが、互いに通信しつつ、図4又は図5に示すフローを実行する。具体的には、制御装置24のプロセッサ42は、ステップS1において、センサ22から動作状態データODを取得する動作を開始し、ステップS2において、異常検知部74として機能して、上述の実施形態と同様に、動作状態データODに基づいて異常ABを検知したか否かを判定する。
【0105】
ステップS2で異常ABを検知(すなわち、YESと判定)すると、制御装置24のプロセッサ42は、検知した異常ABの異常特定情報SI(具体的には、異常識別コードSI1)を、通信ネットワーク18を介して予防保全装置14に提供する、予防保全装置14のプロセッサ62は、データ取得部78として機能して、制御装置24から異常特定情報SIを取得し、上述の実施形態と同様にステップS3~S8を順次実行する。
【0106】
なお、異常処理装置90又は100は、制御装置24に実装されてもよい。この場合、制御装置24の記憶部44は、複数の手順PRを異常特定情報SIと関連付けて記憶し、制御装置24のプロセッサ42は、異常検知部74、入力受付部76、データ取得部78、手順取得部80、表示制御部82、可否判定部84、通知生成部86、及び通信制御部88として機能する。
【0107】
なお、異常特定情報SIは、異常識別コードSI1に限らず、異常ABを特定するための他の如何なるデータを含んでもよい。例えば、異常特定情報SIは、センサ22が検出する複数種類の動作状態データOD(例えば、回転位置Pm、回転速度Vm、回転加速度αm、電流値I、負荷トルクτ、位置Pc、速度Vc、加速度αc、圧力P、電圧E、外力F、及び画像データID等)に個別に付与されたデータ識別コードSI2を含んでもよい。
【0108】
記憶部64(又は44)は、複数の手順PRを、データ識別コードSI2と関連付けて記憶する。例えば、電圧センサ22Eによって検出される電圧Eに対し、データ識別コードSI2:「DATA-E」が付与され、電圧Eの異常AB2に関する手順PR2(電池を交換する手順を説明する画像データ)は、データ識別コードSI2:「DATA-E」と関連付けられて記憶部64に記憶され得る。
【0109】
また、1つの種類の動作状態データODに対し、その変化の態様に応じて、複数のデータ識別コードSI2が付与されてもよい。例えば、力センサ22Fによって検出される外力Fについて、基準値βF1を超えて低下した外力F1には、データ識別コードSI2:「DATA-F1」が付与される一方、基準値βF2を超えて増加した外力F2には、データ識別コードSI2:「DATA-F2」が付与されてもよい。
【0110】
この場合、外力低下の異常AB3に関する手順PR3(ロボット20の切り離し、及び代行作業を説明する画像データ)は、データ識別コードSI2:「DATA-F1」と関連付けられて、記憶部64に記憶され得る。また、外力増加の異常AB4に関する手順PR4(衝突の有無を確認する手順を説明する画像データ)は、データ識別コードSI2:「DATA-F2」と関連付けられて、記憶部64に記憶され得る。
【0111】
プロセッサ62(又は42)は、データ取得部78として機能し、異常特定情報SIとして、上述の異常識別コードSI1の代わりに(又は加えて)、データ識別コードSI2を取得する。例えば、プロセッサ62(又は42)は、電圧Eが低下する異常AB2を検知したときに、データ取得部78として機能して、電圧Eに付与されたデータ識別コードSI2:「DATA-E」を、異常特定情報SIとして取得する。
【0112】
また、異常特定情報SIは、複数種類のセンサ22(例えば、回転検出センサ22A、電流センサ22B、トルクセンサ22C、圧力センサ22D、電圧センサ22E、力センサ22F、視覚センサ22G)に個別に付与されたセンサ識別コードSI3を含んでもよい。記憶部64(又は44)は、複数の手順PRを、センサ識別コードSI3と関連付けて記憶する。
【0113】
例えば、電圧センサ22Eに対し、センサ識別コードSI3:「SENSOR-E」が付与され、電圧センサ22Eによって検出される電圧Eの異常AB2に関する手順PR2は、センサ識別コードSI3:「SENSOR-E」と関連付けられて、記憶部64に記憶され得る。
【0114】
プロセッサ62(又は42)は、データ取得部78として機能し、異常特定情報SIとして、上述の異常識別コードSI1の代わりに(又は加えて)、センサ識別コードSI3を取得する。例えば、プロセッサ62(又は42)は、電圧Eが低下する異常AB2を検知したときに、データ取得部78として機能して、電圧Eを検出した電圧センサ22Eに付与されたセンサ識別コードSI3:「SENSOR-E」を、異常特定情報SIとして取得する。なお、異常識別コードSI1、データ識別コードSI2、及びセンサ識別コードSI3は、文字列に限らず、例えば記号(〇、△、□、+、-、*等)の組み合わせであってもよい。また、手順PRは、多言語のテキストのデータを含んでもよい。
【0115】
また、異常AB及び手順PRは、上述の実施形態で例示したもの以外にも種々あり得る。例えば、異常ABは、センサ22又はサーボモータ40と制御装置24(I/Oインターフェース46)との通信障害の異常AB6を含み得る。この異常AB6は、例えば、センサ22又はサーボモータ40の検出値を監視することで、検知できる。この異常AB6に対処するための手順PR6は、例えば、センサ22又はサーボモータ40と制御装置24との通信ケーブルの接続を確認する手順を説明した画像データ又は音声データを含む。
【0116】
なお、ロボット20は、図2に示すような垂直多関節ロボットに限らず、水平多関節ロボット、パラレルリンクロボット、又は、複数のボールねじ機構を有するワークテーブル装置等、如何なるタイプのロボットであってもよい。以上、実施形態を通じて本開示を説明したが、上述の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0117】
10 ネットワークシステム
12 ロボットシステム
14 予防保全装置
16 外部機器
18 通信ネットワーク
20 ロボット
22 センサ
24 制御装置
42,62 プロセッサ
74 異常検知部
76 入力受付部
78 データ取得部
80 手順取得部
82 表示制御部
84 可否判定部
86 通知生成部
88 通信制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6