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  • 特許-洗浄組成物の作製及び汚れの検出の方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】洗浄組成物の作製及び汚れの検出の方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/53 20060101AFI20250527BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20250527BHJP
   C11D 7/42 20060101ALI20250527BHJP
   C12Q 1/68 20180101ALI20250527BHJP
   C12N 15/115 20100101ALN20250527BHJP
【FI】
G01N33/53 D
G01N33/53 M
G01N33/53 S
C11D3/386
C11D7/42
C12Q1/68
C12N15/115 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023563800
(86)(22)【出願日】2022-05-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(86)【国際出願番号】 US2022027561
(87)【国際公開番号】W WO2022235720
(87)【国際公開日】2022-11-10
【審査請求日】2023-10-18
(31)【優先権主張番号】21172342.4
(32)【優先日】2021-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ラント、ニール・ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】モミン、ナザルモハマド・グラムフセイン
(72)【発明者】
【氏名】モラレス・ガルシア、アナ・エル
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ、キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】ウィラッツ、ウィリアム・ジー・ティー
(72)【発明者】
【氏名】ヤウ、ハミッシュ・チュン・ラム
【審査官】海野 佳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-531604(JP,A)
【文献】特表2015-525876(JP,A)
【文献】A L Morales-Garcia et al,The application of a nuclease enzyme to clean stubborn soils and odors in laundry,Journal of Surfactants and Detergents,2020年02月19日,vol.23,797-807
【文献】高岡弘光、植原鉱行,室内干し衣料の臭気成分と洗剤による抑臭効果,FRAGRANCE JOURNAL ,2002年07月15日,Vol.30,No.7,P.79-83
【文献】植原鉱行、園田明子,部屋干し臭を抑制する洗剤について,香りの本,2004年09月,No.223,P.109-116
【文献】S Vidal-Melgosa et al,A new versatile microarray-based method for high throughput screening of carbohydrate-active enzymes,The Journal of Biological Chemistry,2014年12月05日,Vol.290, No.14,9020-9036
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48-33/98
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面上の残留物及び/又は残留物中の残留物成分を同定する方法であって、(i)第1の工程において、前記残留物を、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも3つの分子プローブと接触させることと、(ii)第2の工程において、1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、前記少なくとも3つの分子プローブからの集合的応答が、前記残留物及び/又は前記残留物中の残留物成分の同定に関する情報を提供する、検出することと、を含み、前記残留物及び/又は前記残留物中の残留物成分がポリマー成分を含む、方法。
【請求項2】
前記残留物を、前記表面においてその位置で前記3つ以上の分子プローブと接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(i)の前に、前記残留物を残留物抽出工程で前記表面から抽出する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
表面上の残留物及び/又は残留物中の残留物成分を同定する方法であって、(i)抽出工程において前記表面から前記残留物を抽出することと、(ii)抽出された残留物を支持体表面に固定化することと、(iii)前記抽出された残留物を、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも2つの分子プローブと接触させることと、(iv)1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、前記応答が、前記残留物及び/又はその構成成分である残留物成分の同定に関する情報を提供する、検出することと、を含み、前記残留物及び/又は前記 残留物成分がポリマー成分を含む、方法。
【請求項5】
前記残留物が、汚れを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
洗浄組成物を作製する方法であって、(1)表面上の残留物及び/又は残留物中の残留物成分を同定することであって、(i)第1の工程において、前記残留物を、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも3つの分子プローブと接触させることと、(ii)第2の工程において、1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、前記少なくとも3つの分子プローブからの集合的応答が、前記残留物及び/又は前記残留物中の残留物成分の同定に関する情報を提供する、検出することと、を含む、同定することと、(2)前記応答によって提供された前記情報に基づいて、前記残留物及び/又は残留物成分の除去を促進することができる第1の洗浄成分を選択することと、(3)前記第1の洗浄成分を洗浄補助剤と混合して洗浄組成物を形成することと、を含み、前記残留物及び/又は前記残留物中の残留物成分がポリマー成分を含む、方法。
【請求項7】
洗浄組成物を作製する方法であって、(1)汚れた表面を、洗浄組成物又はその成分を任意に含む水性洗浄液で洗浄して、前記表面から汚れ残留物を部分的に除去し、任意に前記表面を乾燥させることと、(2)前記表面上の残っている汚れ中の残留物及び/又は残留物成分を同定することであって、(i)第1の工程において、前記残留物を、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも3つの分子プローブと接触させ、(ii)第2の工程において、1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、前記少なくとも3つの分子プローブからの集合的応答が、前記残留物及び/又は前記残留物中の残留物成分の同定に関する情報を提供する、検出することによって、同定することと、(3)前記応答によって提供された情報に基づいて、前記残留物成分の除去を促進することができる第1の洗浄成分を選択することと、(4)前記第1の洗浄成分を洗浄補助剤と混合して洗浄組成物を形成することと、を含み、前記残留物及び/又は前記残留物中の残留物成分がポリマー成分を含む、方法。
【請求項8】
洗浄組成物を作製する方法であって、(1)表面上の汚れ中の残留物及び/又は残留物成分を同定することであって、(i)抽出工程において前記表面から前記汚れを抽出し、(ii)抽出された前記汚れを支持体表面に固定化し、(iii)前記抽出された汚れを、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも2つの分子プローブと接触させ、(iv)1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、前記応答が、前記汚れ中の残留物及び/又は残留物成分の同定に関する情報を提供する、検出することによって、同定することと、(2)前記応答によって提供された前記情報に基づいて、前記残留物成分の除去を促進することができる第1の洗浄成分を選択することと、次いで、(3)前記第1の洗浄成分を洗浄補助剤と混合して洗浄組成物を形成することと、を含み、前記残留物及び/又は前記残留物中の残留物成分がポリマー成分を含む、方法。
【請求項9】
工程(1)又は工程(i)の前の工程において、前記表面が、洗浄又は処理工程、好ましくは、任意に洗浄組成物を含む洗浄工程を受けている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
洗浄組成物を作製する方法であって、(1)汚れた表面を、洗浄組成物又は洗浄成分を任意に含む水性洗浄液で洗浄して、前記表面から汚れ残留物を部分的に除去し、任意に前記表面を乾燥させることと、(2)前記表面上の残っている汚れ中の前記汚れ残留物及び/又は残留物成分を同定することであって、(i)抽出工程において前記残っている汚れを前記表面から抽出して、抽出された汚れを得て、(ii)前記抽出された汚れを支持体表面に固定化し、(iii)前記抽出された汚れを、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも2つの分子プローブと接触させ、(iv)1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、前記応答が、前記残っている汚れ中の前記汚れ残留物及び/又は残留物成分の同定に関する情報を提供する、検出することによって、同定することと、(3)前記応答によって提供された情報に基づいて、前記汚れ残留物及び/又は残留物成分の除去を促進することができる第1の洗浄成分を選択することと、次いで、(4)前記第1の洗浄成分を洗浄補助剤と混合して洗浄組成物を形成することと、を含み、前記残留物及び/又は前記残留物中の残留物成分がポリマー成分を含む、方法。
【請求項11】
前記水性洗浄液が、洗浄組成物又は洗浄成分を含む、請求項7又は10に記載の方法。
【請求項12】
工程(1)において、第1の洗浄組成物を含む水性洗浄液で汚れた表面を洗浄することを含み、工程(4)において、前記洗浄補助剤が前記第1の洗浄組成物を含む、洗浄組成物の洗浄性能を改善するための、請求項7又は10に記載の方法。
【請求項13】
前記分子プローブが、結合時に比色応答を提供する分子プローブを含む、請求項1、4、6、7、8及び10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記支持体表面が、荷電表面を含む、好ましくは膜、好ましくはセルロース基質を含む膜、最も好ましくはニトロセルロースを含む膜を含む、荷電表面を含む、請求項1、4、6、7、8及び10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記抽出された残留物が、アレイ、好ましくはマイクロアレイの形態の前記支持体表面上に存在する、請求項1、4、6、7、8及び10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
同定された残留物又は残留物成分が、酵素の基質である、請求項1、4、6、7、8及び10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の洗浄成分が、酵素又は酵素前駆体を含む、請求項7、8及び10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
洗浄プロセス又は洗浄組成物の相対的な性能を判定又は改善する方法であって、(i)任意に洗浄又は処理組成物の存在下で洗浄プロセスにおいて汚れた表面を洗浄して、洗浄された表面を提供することと、(ii)請求項1、4、6、7、8及び10のいずれかに従って、前記洗浄された表面上に残っている残留物及び/又は残留物成分を同定及び/又は定量することと、(iii)洗浄時間、温度、洗浄工程の数若しくは順序、洗浄水の体積、並びに/又は他の物理的条件、並びに/又は洗浄組成物、並びに/又は前洗浄、洗浄、及び/若しくはすすぎ工程における洗浄組成物成分の添加の順序を変更して、第2の洗浄プロセスを提供することと、(iv)前記第2の洗浄プロセスにおいて前記汚れた表面を洗浄することと、(v)前記第2の洗浄プロセス後に前記残留物及び/又は残留物成分を同定及び/又は定量して、前記プロセス若しくは組成物及び/又は前記残留物成分を低減するプロセス若しくは組成物の相対的な性能を判定することと、を含む、方法。
【請求項19】
表面処理組成物及び/又は表面処理組成物を表面に付着させることを含むプロセスの相対的な性能を判定又は改善する方法であって、(i)表面処理成分又は組成物で表面を処理することと、(ii)請求項1、4,6、7、8及び10のいずれかに従って、分子プローブを用いて前記表面上に残っている表面処理成分である残留物及び/又は残留物成分を同定及び/又は定量することと、(iii)温度、洗浄、すすぎ及び/若しくは処理の工程の数若しくは順序、洗浄若しくはすすぎ水の体積、並びに/又は他の物理的条件、並びに/又は前洗浄、洗浄、及び/若しくはすすぎ工程における表面処理組成物及び/若しくは表面処理成分の添加の順序を変更して、第2の表面処理プロセスを提供することと、(iv)前記第2の表面処理プロセスに従って前記表面を処理することと、(iv)前記第2の表面処理プロセス後に前記残留物及び/又は残留物成分を同定及び/又は定量して、前記組成物及び/若しくは前記プロセスの相対的な性能を判定するか、又は付着を増加させるプロセス若しくは組成物を決定することと、
を含む方法。
【請求項20】
前記残留物成分を更に定量することを含む、請求項1、4、6、7、8及び10のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面、特に布地又は硬質表面上の残留物中の成分を特定する方法に関する。残留物は、表面上の汚れであってもよく、又は表面に付着した表面処理組成物であってもよく、又はこれらの混合物であってもよい。残留物は、典型的には、複雑な多成分残留物である。本発明はまた、洗浄及び/又は処理組成物を作製する方法、並びに洗浄及び/又は処理組成物を使用する方法、並びに洗浄及び/又は処理のプロセス及び/又は組成物及び/又はその構成要素の有効性を判定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄及び処理用途では、改善された有効性を提供することが常に課題となる。化学物質の使用、低い洗浄温度(例えば、冷水)の使用の増加、より短い洗浄時間、及びより少ない洗浄水体積(これらは全て有効性の低下の原因となり得る)の観点で環境的に責任も持てる効果的な洗浄プロセス及び組成物を提供するという要望の増加によって、課題は複雑になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、今日の洗浄及び処理の課題に対して標的とされる性能を有しつつ、有効性を最大化する洗浄及び処理組成物の調製を可能にすることである。本発明者らは、表面上の残留物についての理解を向上させることによって、これらの課題に対処できることを見出した。しかしながら、表面残留物は極めて複雑であり得、特に経時的に、時間が経ったときに化学反応が起こって残留物の性質が変化し、その複雑さが増す。従来の分析ツールは、成分の分離が必要になる場合があり、かつ/又は特に複雑な混合物では、そして、特に残留物が複数のポリマー成分を含む場合には、残留物中の異なる成分間を区別することができない場合がある。したがって、有効な洗浄及び処理組成物並びにプロセスを開発することを可能にするために、複雑な混合物を含む表面残留物、特に複数のポリマー成分を含む表面残留物の特性評価が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、表面上の残留物及び/又は残留物中の残留物成分を同定する方法であって、(i)第1の工程において、残留物を、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも3つの分子プローブと接触させることと、(ii)第2の工程において、1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、当該少なくとも3つの分子プローブからの集合的応答が、残留物及び/又は残留物中の残留物成分の同定、及び任意に量に関する情報を提供する、検出することと、を含む方法を提供する。残留物は、汚れを含んでいてもよい。
【0005】
本発明はまた、洗浄組成物を作製する方法であって、(i)第1の工程において、表面上の残留物及び/又は残留物中の残留物成分を、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも3つの分子プローブと接触させることと、(ii)第2の工程において、1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、当該少なくとも3つの分子プローブからの集合的応答が、残留物及び/又は残留物中の残留物成分の同定に関する情報を提供して、同定された残留物及び/又は同定された残留物成分を提供する、検出することと、(iii)同定された残留物及び/又は同定された残留物成分の除去を促進することができる第1の洗浄成分を選択することと、(iv)第1の洗浄成分を洗浄補助剤と混合して洗浄組成物を形成することと、を含む方法を提供する。
【0006】
好ましくは、同定された残留物又は残留物成分は、酵素の基質であり、第1の洗浄成分は、当該基質のための酵素又は酵素前駆体を含む。
【0007】
本発明はまた、洗浄プロセス又は洗浄組成物の相対的な性能を判定し、任意に改善する方法であって、(i)洗浄時間、温度、洗浄工程の数若しくは順序、洗浄水の体積、並びに/又は他の物理的条件、並びに/又は洗浄組成物及び/若しくはその濃度、並びに/又は前洗浄、洗浄、及び/若しくはすすぎ工程における洗浄組成物成分の添加の順序を含むリストから選択される1つ以上の洗浄条件を有する第1の洗浄工程において汚れた表面を洗浄して、洗浄された表面を提供することと、(ii)上記のように洗浄された表面上に残っている残留物及び/又は残留物成分を同定することと、(iii)任意に、そのような残留物及び/又は残留物成分を定量することと、(iv)1つ以上の洗浄条件を変更して、第2の洗浄プロセスを提供することと、(v)当該第2の洗浄プロセスにおいて汚れた表面を洗浄することと、(vi)上記のように洗浄された表面上に残っている残留物及び/又は残留物成分を同定することと、(vii)任意に、当該第2の洗浄プロセス後に、そのような残留物及び/又は残留物成分を定量することと、(viii)第1の洗浄プロセス後及び第2の洗浄プロセス後に残っている残留物及び/又は残留物成分並びに任意にその量を比較して、第1の洗浄プロセス及び/又はそこで使用された洗浄組成物、並びに第2の洗浄プロセス及び/又はそこで使用された洗浄組成物の相対的な性能を判定し、それによって、最も有効な洗浄プロセスの決定を可能にすることと、を含む方法を提供する。
【0008】
本発明はまた、表面処理組成物及び/若しくは表面処理成分を表面に付着させることを含むプロセスの相対的な性能を判定又は改善する方法であって、(i)温度、処理工程の数若しくは順序、洗浄及び/若しくはすすぎ工程の数若しくは順序、洗浄及び/若しくはすすぎ水の体積、並びに/又は他の物理的条件、並びに/又は表面処理組成物及び/若しくはその濃度、並びに/又は前洗浄、洗浄、及び/若しくはすすぎ工程における表面処理成分の添加の順序から選択される1つ以上の処理条件を有する第1の表面処理プロセスにおいて表面を処理することと、(ii)上記のように表面上に残っている表面処理成分である残留物及び/又は残留物成分を同定及び/又は定量することと、(iii)処理条件のうちの少なくとも1つを変更して、第2の表面処理プロセスを提供することと、(iv)第2の表面処理プロセスで表面を処理することと、(v)第2の表面処理プロセス後の残留物及び/又は残留物成分を同定及び/又は定量することと、(vi)第1の処理プロセス後及び第2の処理プロセス後に残っている残留物及び/又は残留物成分、並びに任意にその量を比較して、第1の処理プロセス及び第2の処理プロセスの相対的な性能を判定することと、を含む方法を提供する。
【0009】
本発明の方法は、残留物及び/又は残留物成分を定量する追加の工程を含んでいてもよい。好ましくは、分子プローブは、結合時に比色応答を提供する分子プローブを含む。好ましくは、表面、特に支持体表面は、マイクロアレイの形態である。
【0010】
したがって、本発明は、表面上の残留物及び/又は残留物中の残留物成分を同定する方法であって、(i)第1の工程において、残留物を、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも3つの分子プローブと接触させることと、(ii)第2の工程において、1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、当該少なくとも3つの分子プローブからの集合的応答が、残留物及び/又は残留物中の残留物成分の同定に関する情報を提供する、検出することと、を含む方法を提供する。本発明はまた、例えば、異なる汚し及び/又は処理及び/又はエージング工程後の表面上の異なる残留物及び/又は残留物成分を比較するために使用することもできる。
【0011】
残留物は、表面上においてその位置で3つ以上の分子プローブと接触させてよい。あるいは、残留物は、少なくとも3つの分子プローブを接触させる前に、残留物抽出工程において表面から抽出される。
【0012】
本発明は、好ましくは1つを超えるポリマー残留物成分を含む複雑な汚れ残留物中の残留物及び/又は残留物成分を同定/特性評価するのに特に有用である。特に、本発明は、残留物成分の分離を必要とすることなく残留物及び/又は残留物成分を特性評価する方法を提供する。
【0013】
本発明はまた、残留物中に比較的低いレベルで、例えば残留物の全重量パーセントに基づいて10重量%未満、又は5重量%未満、又は2重量%未満、又は1重量%未満、又は更に0.5重量%未満の量で存在する残留物成分を同定/特性評価するのに特に有用である。これが有用であるのは、特定の残留物成分、特にポリマー成分は、残留物中に低レベルでしか存在しないにもかかわらず、汚れ残留物の付着に強く関与し得るためである。
【0014】
本発明は、洗浄組成物を作製する方法であって、(1)表面上の残留物及び/又は残留物中の残留物成分を同定することであって、(i)第1の工程において、残留物を、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも3つの分子プローブと接触させること、(ii)第2の工程において、1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、当該少なくとも3つの分子プローブからの集合的応答が、残留物及び/又は残留物中の残留物成分の同定に関する情報を提供する、検出すること、を含む、同定することと、(2)応答によって提供された情報に基づいて、残留物及び/又は残留物成分の除去を促進することができる第1の洗浄成分を選択することと、(3)第1の洗浄成分を洗浄補助剤と混合して洗浄組成物を形成することと、を含む方法を提供することを含む。
【0015】
洗浄組成物を作製するための好ましい方法では、この方法は、(1)汚れた表面を、洗浄組成物又はその成分を任意に含む水性洗浄液で洗浄して、表面から汚れ残留物を部分的に除去し、任意に表面を乾燥させることと、(2)表面上の残っている汚れ中の残留物及び/又は残留物成分を同定することであって、(i)第1の工程において、残留物を、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも3つの分子プローブと接触させ、(ii)第2の工程において、1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、当該少なくとも3つの分子プローブからの集合的応答が、残留物及び/又は残留物中の残留物成分の同定に関する情報を提供する、検出することによって、同定することと、(3)応答によって提供された情報に基づいて、残留物成分の除去を促進することができる第1の洗浄成分を選択することと、(4)第1の洗浄成分を洗浄補助剤と混合して洗浄組成物を形成することと、を含む。
【0016】
本発明はまた、洗浄成分、組成物、又はプロセスの相対的な性能を判定する方法であって、(i)第1の洗浄プロセスにおいて、任意に洗浄又は処理組成物又は成分の存在下で洗浄プロセスにおいて汚れた表面を洗浄して、洗浄された表面を提供することと、(ii)上記のように洗浄された表面上に残っている残留物及び/又は残留物成分を同定及び/又は定量することと、(iii)洗浄時間、温度、洗浄工程の数若しくは順序、洗浄水の体積、並びに/又は他の物理的条件、並びに/又は洗浄組成物及び/若しくは洗浄成分、並びに/又は前洗浄、洗浄、及び/若しくはすすぎ工程における洗浄組成物及び/若しくは成分の添加の工程若しくは順序を変更して、第2の洗浄プロセスを提供することと、(iv)第2の洗浄プロセスにおいて汚れた表面を洗浄することと、(v)第2の洗浄プロセス後の残留物及び/又は残留物成分を同定及び/又は定量することと、(vi)第1の洗浄プロセスと第2の洗浄プロセスとの間の残留物及び/又は1つ以上の残留物成分の減少の程度を比較して、プロセス又は洗浄組成物若しくは洗浄成分の相対的な性能を判定することと、を含む方法を提供することを含む。
【0017】
本発明は、洗浄プロセス、洗浄組成物、及び/又は洗浄成分を改善する方法であって、これらの工程を実施し、残留物の除去及び/又は1つ以上の残留物成分の除去が最大になるプロセス、組成物、及び/又は成分を選択することによる方法を提供することを含む。
【0018】
本発明は、表面処理組成物、成分、及び/又は表面処理組成物若しくは成分を表面上に付着させることを含むプロセスの相対的な性能を判定又は改善する方法であって、(i)第1の処理プロセスにおいて、表面処理プロセス、成分、又は組成物で表面を処理することと、(ii)上記のように分子プローブを用いて、表面上に残っている表面処理成分である残留物及び/又は残留物成分を同定及び/又は定量することと、(iii)温度、洗浄、すすぎ及び/若しくは処理の工程の数若しくは順序、洗浄若しくはすすぎ水の体積、並びに/又は他の物理的条件、並びに/又は前洗浄、洗浄、及び/若しくはすすぎ工程における表面処理組成物及び/若しくは表面処理成分及び/若しくは添加の順序を変更して、第2の表面処理プロセスを提供することと、(iv)第2の表面処理プロセスに従って表面を処理することと、(iv)第2の表面処理プロセス後の残留物及び/又は残留物成分を同定及び/又は定量することと、(vi)第1の洗浄プロセスと第2の洗浄プロセスとの間で残留物及び/又は1つ以上の残留物成分を比較して、表面処理プロセス工程及び/又は組成物及び/又は表面処理成分の相対的な性能を判定することと、を含む方法を提供することを含む。
【0019】
本発明は、これらの工程を実施し、最も有効な表面処理をもたらすプロセス、組成物、及び/又は成分を選択することによって表面処理プロセス、組成物、及び/又は成分を改善する方法を提供することを含む。
【0020】
本発明の方法は、表面上の残留物及び/又は残留物中の残留物成分を同定することであって、(i)抽出工程において表面から残留物を抽出することと、(ii)抽出された残留物を支持体表面に固定化することと、(iii)抽出された残留物を、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも2つの分子プローブと接触させることと、(iv)1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、当該応答が、残留物中の残留物成分の同定に関する情報を提供する、検出することと、を含む、同定することによって実施され得る。
【0021】
好ましくは、残留物は、汚れを含む。好ましくは、表面は、布地表面、硬質表面、又は皮膚、歯、若しくは毛髪の表面、好ましくは布地表面又は硬質表面を含む。好ましくは、残留物は、工程(i)の前に、残留物除去工程において表面から抽出される。
【0022】
洗浄組成物を作製する方法は、(1)表面上の汚れ中の残留物及び/又は残留物成分を同定することであって、(i)抽出工程において表面から汚れを抽出し、(ii)抽出された汚れを支持体表面に固定化し、(iii)抽出された汚れを、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも2つの分子プローブと接触させ、(iv)1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、当該応答が、汚れ中の残留物及び/又は残留物成分の同定に関する情報を提供する、検出することによって、同定することと、(2)応答によって提供された情報に基づいて、残留物及び/又は残留物成分の除去を促進することができる第1の洗浄成分を選択することと、次いで、(3)第1の洗浄成分を洗浄補助剤と混合して洗浄組成物を形成することと、を含み得る。
【0023】
洗浄組成物を作製するための好ましい方法では、この方法は、(1)汚れた表面を、洗浄組成物又は成分を任意に含む水性洗浄液で洗浄して、表面から汚れ残留物を部分的に除去し、任意に表面を乾燥させることと、(2)表面上の残っている汚れ中の残留物及び/又は残留物成分を同定することであって、(i)抽出工程において残っている汚れを表面から抽出して、抽出された汚れを得て、(ii)抽出された汚れを支持体表面に固定化し、(iii)抽出された汚れを、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも2つの分子プローブと接触させ、(iv)1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、当該応答が、残っている汚れ中の残留物及び/又は残留物成分の同定に関する情報を提供する、検出することによって、同定することと、(3)応答によって提供された情報に基づいて、残留物及び/又は残留物成分の除去を促進することができる第1の洗浄成分を選択することと、次いで、(4)第1の洗浄成分を洗浄補助剤と混合して洗浄組成物を形成することと、を含む。
【0024】
本発明の方法はまた、残留物及び/又は1つ以上の残留物成分を定量するために使用することもできる。定量情報は、絶対的であっても又は相対的であってもよい。本発明はまた、表面洗浄若しくは処理プロセス、組成物、及び/又は成分の有効性を判定するために使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】周囲室温での連続抽出工程後の分子プローブ分析によって明らかになった、対象サンプル(汚れた及び汚れていない綿)において同定された汚れ残留物の相対存在量を反映するヒートマップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
表面残留物は、典型的には複雑な混合物である。それは、例えば、汚れた表面上の汚れ、及び/又は表面に利益を付与するために前の処理工程で付着した表面付着組成物若しくはその成分を含んでいる場合もある。特に、表面残留物は、汚れた表面上の複合汚れを含む。
【0027】
表面は、例えば、布地表面、硬質表面、又は皮膚、歯、若しくは毛髪の表面、好ましくは布地又は硬質表面、特に布地表面であってよい。任意の布地表面が好適であり、例えば、綿若しくはセルロース(紙を含む)、絹、羊毛等の天然布地、又はナイロン、ポリエステル、ポリコットン、若しくはLycra(商標)等のポリウレタン等の合成若しくは混合布地を含む布地である。硬質表面とは、床、壁、浴室及び台所の表面、例えばタイル張りされた表面及びカウンター等の家庭において洗浄される表面、特に食器洗浄表面を意図する。したがって、本発明は、例えば、皮脂等の身体分泌物、及び/又は食品等の偶発的な染み、並びに使用及び/又は処理によって生じる微粒子汚れを含み得る複合汚れを除去するという課題に対処するのに特に有用である。このような汚れは除去するのが困難であり、特に時間がたった汚れは、経時的に汚れ中の成分が酸化、加水分解、重合、及び縮合等の化学反応を受けて、汚れを表面により強固に付着させる傾向があるポリマーを含む複合成分の存在を増加させる場合があるので、特に困難であり得る。
【0028】
分子プローブは、非ポリマー成分を含む残留物中のポリマー又は他の成分の特定の基質又はエピトープに対して親和性を有する分子である。特異的プローブが結合するか否か、及び任意に特異的プローブの結合の程度もまた、残留物内の特定の化学部分又は結合の存在についての特定の情報を提供し、プローブの集合的応答は、残留物及び/又は残留物内の残留物成分の同定についての情報を明らかにする。本明細書で使用するとき、「同定」又は「特性評価」(本明細書では互換的に使用される)は、残留物又は残留物成分の同定に関する情報、例えば、化学、すなわち残留物成分内の化学部分又は結合に関する情報を提供することを意味する。この情報は、残留物成分の化学的タイプ/クラス、又は残留物中の残留物成分の立体配置/構造若しくはモチーフ、並びにそのような化学部分、結合、及び/又はクラス、立体配置/構造及び/又はモチーフの量又は相対量の指標を提供し得る。集合的な結合パターンはプロファイルと呼ばれ、それらは、1つ以上の残留物成分/汚れ成分を含む所与の残留物/汚れごとに異なる。プローブの集合的応答は、洗浄中に表面から除去することが特に困難なポリマー成分を同定するのに特に有用である。例えば、複数のプローブは、ペクチン(ホモガラクツロナン、アラビナン、ガラクタン、キシロガラクツロナン部分等)、非セルロース系ポリマー(キシラン、マンナン、キシログルカン、混合結合グルカン部分等)、糖タンパク質を含むタンパク質(アラビノガラクタンタンパク質、ヒドロキシプロリンリッチタンパク質等)、セルロース系ポリマー(炭水化物結合モジュール等)、及び核酸を検出することができる。
【0029】
プローブは、プローブが基質に結合したときに検出可能なシグナルが提供されて、検出が可能になり、任意に、その分子プローブの基質である残留物成分の量又は相対量に関する情報を提供するようなものである。定量情報が相対的である場合、それは、異なる分子プローブに応答する残留物中の第2の残留物成分若しくは第2の化学部分、並びに/又は異なる洗浄プロセス、組成物、又は成分を使用した結果としての残留物及び/若しくは残留物成分の量と比較される。標準的な分子プローブ検出技術が好適である。1つの好ましい検出可能なシグナルは、分子プローブに共役した化学タグによって提供される。例えば、タグは、それ自体が検出可能な変化を提供してもよく、又は別の検出可能な基質に比色変化又は蛍光変化等の変化を付与してもよい。結合パートナーの検出を可能にする任意のタグが、本発明において企図される。関連するタグは、分子プローブにおいて一般的に使用される全てのタグ、例えば、遺伝子又は発現パターンを検出するためのマイクロアレイ、免疫学的アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ、蛍光プローブ、放射性標識等において一般的に使用されるものを含む。分子プローブを残留物と接触させた後、分子プローブ-残留物媒体を、分子プローブに結合する二次抗体と接触させて、分子プローブの結合及び/又は結合の程度を示すシグナルの検出を可能にすることが必要になる場合がある。
【0030】
基質又はエピトープへの結合に対して比色応答を提供する分子プローブが好ましい。
【0031】
プローブの基質への結合の検出及び任意選択の基質の定量はまた、表面プラズモン共鳴を使用して達成することもできる。
【0032】
好適な分子プローブは、抗体(モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体を含む)、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択され、市販されているか、又は特定の部分を検出するように設計及び作製することができる。
【0033】
分子プローブは、タンパク質、炭水化物、ヌクレオチド、核酸、ペプチド、アミノ酸、抗生物質、高分子量(例えば、900ダルトン~)若しくは低分子量(例えば、900ダルトン未満)であり得る有機又は無機の化合物又はイオン、脂質、小分子、細菌、及び/又はウイルスのための分子プローブを含み得る。上記のように、分子プローブは、特定の基質又はそのエピトープのいずれかに対する親和性を有する。好ましくは、本発明の方法では、分子プローブは、タンパク質、炭水化物、及び/又は核酸に対するプローブを含む。好ましくは、分析される残留物の複雑さに依存して、3超、又は4超、又は5超、又は6超、又は7超、又は8超、又は9超、又は10超、又は15超、又は20超、又は25超、又は30超の分子プローブが使用される。
【0034】
表1は、本発明において使用するのに好適な市販のプローブの例を提供する。
【0035】
【表1】
【0036】
残留物は、汚れた又は処理された表面上で直接分析することができる。例えば、残留物が布地の表面上にある場合、布地を分子プローブと直接接触させてもよい。好ましくは、分析のために表面から残留物を抽出する。抽出工程は、液体抽出、沈殿抽出、又は物理的抽出を含み得る。抽出工程は、以下の各工程のうちの1つ以上を含み得る:(i)酸抽出、(ii)塩基抽出、(iii)キレート剤抽出、(iv)酵素抽出、(v)塩抽出、(vi)溶媒抽出、及び/又は(vi)物理的抽出工程;好ましくは、抽出工程は、これらの工程のうちの2つ以上の組み合わせを伴う多工程逐次抽出である。好ましい多工程抽出は、好ましくは溶媒として水を使用する溶媒抽出、キレート剤抽出、塩基抽出、塩抽出、及び酵素抽出から選択される2つ以上の抽出工程を、好ましくはこの順序で含む。
【0037】
酸抽出工程は、残留物を含む表面を水性酸性組成物と接触させ、任意に撹拌することを含む。任意の酸、例えばシュウ酸アンモニウム、酢酸、クエン酸、塩酸、硫酸、リン酸を使用することができる。
【0038】
塩基抽出工程は、残留物を含む表面を水性アルカリ組成物と接触させ、任意に撹拌することを含む。任意の塩基、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムを使用することができる。好ましくは、水性アルカリ性組成物は、更に、水素化ホウ素ナトリウムを含む。
【0039】
キレート剤抽出工程は、残留物を含む表面を、キレート剤を含む水性組成物と接触させ、任意に撹拌することを含む。任意のキレート剤を使用してよい。好適なキレート剤は、例えば、CDTA(トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン-N,N,N’,N’-四酢酸一水和物又はその塩)、EDTA(エチレンジアミン四酢酸又はその塩)、MGDA(メチルグリシン二酢酸又はその塩)、GLDA(N,N-ジカルボキシメチルグルタミン酸又はその塩)である。CDTA及びEDTAが特に好ましい。
【0040】
酵素抽出工程は、残留物を含む表面を、1つ以上の酵素を含む水性組成物と、一緒に又は逐次のいずれかで接触させることを含む。
【0041】
塩抽出工程は、残留物を含む表面を、好ましくは2モル/リットル超又は2.5モル/リットル超等の高塩濃度の塩溶液と接触させることを含む。任意の塩、例えば塩化ナトリウム及び硫酸アンモニウムを使用することができる。
【0042】
好ましい溶媒抽出は、残留物を含む表面を、任意に撹拌しながら脱イオン水と接触させることを含む。他の溶媒、例えばアセトン、クロロホルム、メタノール、カドキセンを使用することができる。
【0043】
物理的抽出工程では、例えば表面から掻き取ることによって残留物を物理的に除去する。物理的抽出工程は、硬質表面からの残留物に特に好ましい。次いで、残留物を水中に入れ、任意に撹拌することによって水性液を調製する。
【0044】
抽出工程は、表面を少なくとも部分的に分解し、それによって分析のための表面からの残留物の放出を増加させるように選択してよい。したがって、例えば、特に表面がセルロース表面である場合、セルラーゼ酵素が特に好ましい場合があり、特に残留物がポリエステル表面上にある場合、ポリエステラーゼ酵素が特に好ましい場合がある。
【0045】
抽出工程では、残留物を表面から少なくとも部分的に除去して、溶媒(好ましくは水であるが、上記のように、他の溶媒を使用することもできる)及び残留物成分を含む残留物抽出液を生成する。
【0046】
次いで、残留物抽出物を分子プローブと接触させる。1回より多い抽出工程を実施する場合、各抽出工程からの溶媒及び残留物成分を含む液を一緒に混合し、混合液を分子プローブと接触させてもよく、又は好ましくは、別々の抽出工程からの溶媒及び残留物含有液をそれぞれ別々に分子プローブと接触させる。
【0047】
好ましくは水性である残留物含有液のサンプルを水性媒体中の分子プローブと直接混合することによって、残留物を分子プローブと接触させてよい。
【0048】
残留物をプローブと接触させるための好ましい方法では、残留物含有液を膜又はスライド等の表面上に印刷することによって、残留物をマイクロアレイの形態の表面上に固定化/付着させる。好適な表面は、酸化ポリスチレン(例えば、MaxiSorp Slides,Willats2002(Willats,Rasmussen et al.,2002))、ニトロセルロースコーティングガラス(例えば、Fast Slides,Schleicher & Schuell,Wang2002(Wang,Liu et al.,2002))、及びニトロセルロース膜等のナノ多孔性膜を含む。
【0049】
付着又は印刷は、好ましくは非接触システム、例えばインクジェット印刷を使用して、好ましくはハイスループット印刷システムを使用して、マイクロアレイを調製するための任意の従来の手段によって行うことができる。他の非接触印刷技術としては、光化学ベースの技術、レーザー書き込み、及びエレクトロスプレー付着が挙げられる。ピン印刷及びマイクロスタンピング等の接触印刷技術を使用することもできる。ピンを問題の汚れの溶液に浸漬し、次いで、固定化された基材と接触させるピンベースのシステムを使用することもできる。印刷の好ましい形態は、非接触インクジェット圧電印刷である。好ましくはアレイ上に並べてサンプルを印刷することにより、多くのサンプルの同時分析を可能にする。
【0050】
次いで、任意の結合を生じさせるのに十分な接触時間にわたって任意に撹拌しながら、典型的には水溶液中の分子プローブのそれぞれとマイクロアレイを接触させることによって、マイクロアレイを分析する。必要であれば、次いで、マイクロアレイを溶液中に入れる、及び/又は使用される特定のプローブに応じて、結合の程度の視覚的指標を提供するための関連する処理工程又は複数の工程を行う。これは、例えば、二次抗体とのインキュベーションを含み得る。
【0051】
次いで、残留溶液と接触させたときに基材に結合した分子プローブに関するデータ、そして、好ましくは結合の程度に関する情報も分析する。例えば、グレースケール設定を使用してフラットベッドデスクトップスキャナでアレイを個々にスキャンしてよく、スキャンされた画像を、ソフトウェア、例えば、ImaGene又はArray-Pro Analyserで解釈してよい。例えば、半自動グリッドを使用し、スポットデータを、色強度が溶液中の残留物成分の相対レベルに比例する色強度ヒートマップに変換することによって、スポットを定量することができる。プローブの結合シグナルは、結合の強度に依存して、より明るい又はより暗いスポットによって表され得る。より暗いスポットは、特定のエピトープ又は化学部分の相対量がより多いことを示す。特定の分子プローブに対するエピトープ又は化学部分がサンプル中に存在しない場合、結合は存在せず、スポットも見ることができない。異なる抽出工程からのそれぞれの残留溶液中の特定の分子プローブからのデータも有用であり得る。
【0052】
残留物を分子プローブと接触させるための好ましいマイクロアレイを使用すると、非常に少量の残留物及び/又は少ない体積の残留物抽出物を使用して、数百の化学部分、結合等及び/又は分子の相対存在量を同時に求めることが可能である。本発明の方法は、(i)布地上の汚れ及び他の残留物、更には洗浄工程後の布地上の残留汚れの同定、(ii)食器を含む硬質表面上の汚れ及び他の残留物、更には洗浄工程後の残留汚れの同定、(iii)皮膚上の汚れ及び他の残留物、更には洗浄工程後の皮膚上の残留汚れの同定、(iv)毛髪上の汚れ及び他の残留物、更には洗浄工程後の毛髪上の残留汚れの同定、並びに(v)洗浄組成物の開発を提供する。分子プローブを使用する分析を、他の従来の分析ツールと組み合わせてもよい。
【0053】
本発明はまた、(i)上記のような残留物及び/又は残留物成分を同定すること、(ii)応答によって提供される情報に基づいて、例えば残留物成分の分解又は破壊によって除去を促進することができる第1の洗浄成分を選択すること、次いで、(iii)第1の洗浄成分を洗浄補助剤と混合することを含む、洗浄組成物を作製する方法を提供する。
【0054】
同定された残留物成分に応じて、第1の洗浄成分を選択し、洗浄補助剤と混合して、洗浄組成物を作製する。残留物及び/又は残留物成分の除去を促進する第1の洗浄成分の能力は、上述のように、分子プローブを使用して、第1の洗浄成分を用いた及び用いなかった洗浄工程の後に表面に残っている残留物又は残留物成分の存在及び/又は量/相対量を比較することによって判定することができる。あるいは、残留物又は残留物成分の化学部分、結合、モチーフ等の同定において、第1の洗浄成分は、従来の方法でそのような部分、結合、モチーフ、構造等を崩壊又は破壊する成分又は成分の混合物の選択に基づいて選択され得る。このような選択の有効性は、本明細書に記載される方法を使用して確認することができる。例えば、特定の脂質が同定された場合、界面活性剤又はリパーゼ酵素をスクリーニングして、その脂質に好適な第1の洗浄成分を見出すことができる。
【0055】
本発明は、同定された残留物又は残留物成分が酵素の基質である場合に特に有用である。次いで、好ましくは、同定された基質に好適な酵素のクラスから第1の成分として酵素を選択する。次いで、任意に酵素スクリーニングを行って、その酵素のクラス、又はその残留物及び/若しくは残留物成分の最大/最も有効な除去を促進する酵素の混合物から酵素を同定することもできる。酵素のスクリーニングは、本発明の方法を使用して実施することができ、酵素のクラスからの別の酵素の性能/有効性を比較する。好ましい第1の洗浄成分は、酵素、又は酵素前駆体、胞子、細菌、又はそれらの組み合わせを含む。
【0056】
第1の洗浄成分として好適な酵素は、アミノペプチダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、アルファ-ガラクトシダーゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、アルファ-グルコシダーゼ、ベータ-グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンナナーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペプチドグルタミナーゼ、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ、アルギン酸リアーゼ、キシラナーゼ、キサンタンリアーゼ、キサンタナーゼ、エンド-β-1,3-グルカナーゼ、及びこれらの混合物を含む群から選択される酵素を含む。酵素は、例えば、アスペルギルス属(Aspergillus)、例えば、アスペルギルス・アクレタス、アスペルギルス・アワモリ、アスペルギルス・フォエティダス、アスペルギルス・フミガーツフ、アスペルギルス・ジャポニクス、アスペルギルス・ニデュランス、アスペルギルス・ニガー、若しくはアスペルギルス・オリザエ;フザリウム属(Fusarium)、例えば、フザリウム・バクトリジオイデス、フザリウム・セレアリス、フザリウム・クロークウェレンス、フザリウム・クルモラム、フザリウム・グラミネアルム、フザリウム・グラミナム、フザリウム・ヘテロスポラム、フザリウム・ネグンジ、フザリウム・オキシスポラム、フザリウム・レチクラタム、フザリウム・ロセウム、フザリウム・サムブシナム、フザリウム・サルコクロウム、フザリウム・スルフレウム、フザリウム・トルロサム、フザリウム・トリコテシオイデス、若しくはフザリウム・ベンニタム;フミコーラ属(Humicola)、例えば、フミコーラ・インソレンス若しくはフミコーラ・ラヌギノサ;又はトリコデルマ属(Trichoderma)、例えば、トリコデルマ・ハルジアナム、トリコデルマ・コニンギイ、トリコデルマ・ロンギブラキアタム、トリコデルマ・レーシ、若しくはトリコデルマ・ビリデに属する微生物によって産生され得る。
【0057】
以下の細菌又は以下の属からの胞子のいずれかを第1の洗浄成分として使用してよい:アセトネマ、アルカリバチルス、アンモニフィラス、アムピバチルス、アナエロバクター、アナエロスポラ、アネウリバチルス、アノキシバチルス、バチルス、ブレビバチルス、カルダナエロバクター、カロラマター、カミニセラ、セラシバチルス、クロストリジウム、クロストリジイサリバクター、コーネラ、デンドロスポロバクター、デスルホトマクルム、デスルホスポロムサ、デスルホスポロシヌス、デスルホビルグラ、デスルフニスポラ、デスルフリスポラ、フィリファクター、フィロバチルス、ゲルリア、ゲオバチルス、ゲオスポロバクター、グラシリバチルス、ハロナトローナム、ヘリオバクテリウム、ヘリオフィラム、ラセエラ、レンチバチルス、ライシニバチルス、マヘラ、メタバクテリウム、モーレラ、ナトロニエラ、オセアノバチルス、オレニア、オルニチンバチルス、オキサロファーガス、オキソバクター、パエニバチルス、パラリオバチルス、ペロスポラ、ペロトマクルム、ピスシバチルス、プラニフィラム、ポンチバチルス、プロピオニスポラ、サリニバチルス、サルスギニバチルス、セイノネラ、シマズエラ、スポラセチゲニウム、スポロアナエロバクター、スポロバクター、スポロバクテリウム、スポロハロバクター、スポロラクトバチルス、スポロムサ、スポロサルチア、スポロタレア、スポロトマキュラム、シントロフォモナス、シントロフォスポラ、テヌイバチルス、テピディバクター、テリバチルス、タラソバチルス、サーモアセトゲニウム、サーモアクチノマイセス、サーモアルカリバチルス、サーモアナエロバクター、サーモアナエロモナス、サーモバチルス、サーモフラビミクロビウム、サーモベナブラム、チュベリバチルス、バルジバチルス、及び/又はブルカノバチルス。
【0058】
好ましくは、胞子を形成し得る細菌は、バシラス科(family Bacillaceae)、例えば、アエリバチルス属、アリイバチルス属、アルカリバチルス属、アルカリコッカス属、アルカリハロバチルス属、アルカリラクチバチルス属、アロバチルス属、アルテリバチルス属、アルテリバクター属、アムピバチルス属、アナエロバチルス属、アノキシバチルス属、アクイバチルス属、アクイサリバチルス属、アウレイバチルス属、バチルス属、カルダルカリバチルス属、カルジバチルス属、カルディテリコラ属、カリディフォンティバチルス属、カメリイバチルス属、セラシバチルス属、コンポスティバチルス属、サイトバチルス属、デゼルティバチルス属、ドミバチルス属、エクトバチルス属、エバンセラ属、ファルシバチルス属、フェルディナンドコヒナ属、フェルメンティバチルス属、フィクチバチルス属、フィロバチルス属、ゲオバチルス属、ゲオミクロビウム属、ゴットフリーディア属、グラシリバチルス属、ハルアルカリバチルス属、ハロバチルス属、ハロラクチバチルス属、ヘインドリクキシア属、ヒドロゲニバチルス属、レデルベルジア属、レンチバチルス属、リッチフィエルディア属、ロッティデバチルス属、マルガリーチア属、マリノコッカス属、メルギリバチルス属、メソバチルス属、メタバチルス属、ミクロアエロバクター属、ナトリバチルス属、ナトロノバチルス属、ネオバチルス属、ニアリア属、オセアノバチルス属、オルニチニバチルス属、パラゲオバチルス属、パラリオバチルス属、パラルカリバチルス属、パウシサリバチルス属、ペラギラブドス属、ペリバチルス属、ピスシバチルス属、ポリゴニバチルス属、ポンチバチルス属、プラドシア属、プリエスチア属、シュードグラシリバチルス属、プエリバチルス属、ラディオバチルス属、ロベルトムラヤ属、ロゼルロモレア属、サッカロコッカス属、サリバクテリウム属、サリミクロビウム属、サリニバチルス属、サリパルディバチルス属、サリラブダス属、サリセディミニバクテリウム属、サリテリバチルス属、サルシューギニバチルス属、セディミニバチルス属、シミノビチア属、シニバチルス属、シノバカ属、ストレプトハロバチルス属、サクリフィエラ属、スウィオニバチルス属、テニューイバチルス属、テピディバチルス属、テルリバチルス属、テルリラクチバチルス属、テクスココニバチルス属、タラソバチルス属、タラソラブドス属、サーモロンギバチルス属、バルジバチルス属、バルディバシル属、ブルカニバチルス属、ヴァイツマニア属の種由来である。様々な例では、細菌は、バチルス属のバチルス・アキディコラ、バチルス・アエオリウス、バチルス・アエリウス、バチルス・アエロフィルウス、バチルス・アルブス、バチルス・アルティチュジニス、バチルス・アルベアユエンシス、バチルス・アミロリクエファシエンセクス、バチルス・アンスラシス、バチルス・アクイフラビ、バチルス・アトロファエウス、バチルス・アウストラリマリス、バチルス・バディウス、バチルス・ベンゾエボランス、バチルス・カブリアレシイ、バチルス・カナベラリウス、バチルス・カッパリディス、バチルス・カルボニフィルス、バチルス・セレウス、バチルス・チャガンゲンシス、バチルス・コアフイレンシス、バチルス・サイトトキシクス、バチルス・デシシフロンディス、バチルス・エクトイニフォルマンス、バチルス・エンクレンシス、バチルス・フェングクエンシス、バチルス・フンゴルム、バチルス・グリチニフェルメンタンス、バチルス・ゴビエンシス、バチルス・ハロトレランス、バチルス・ハイネシイ、バチルス・ホルティ、バチルス・イナクォソルム、バチルス・インファンチス、バチルス・インフェルナス、バチルス・イサベリアエ、バチルス・ケクェアエ、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・ルティ、バチルス・マヌセンシス、バチルス・マリニセディメントーラム、バチルス・メソフィルス、バチルス・メタノリカス、バチルス・モビリス、バチルス・モジャベンシス、バチルス・ミコイデス、バチルス・ナカムライ、バチルス・ヌジオピクス、バチルス・ニトラチレデゥセンス、バチルス・オレイボランス、バチルス・パシフィクス、バチルス・パキスタネンシス、バチルス・パラリケニフォルミス、バチルス・パラミコイデス、バチルス・パランスラシス、バチルス・ペルバグス、バチルス・ピスチコラ、バチルス・プロテオリティクス、バチルス・シュードミコイデス、バチルス・プミルス、バチルス・サフェンシス、バチルス・サラセティス、バチルス・サリナス、バチルス・サリトレランス、バチルス・セオハエアネンシス、バチルス・シバジイ、バチルス・シアメンシス、バチルス・スミティ、バチルス・ソリマングロビ、バチルス・ソングクレンシス、バチルス・ソノレンシス、バチルス・スピジゼニイ、バチルス・スポンギアエ、バチルス・ステアルコリス、バチルス・ストラトスフェリクス、バチルス・スブチリス、バチルス・スウェヅェイ、バチルス・タエアネンシス、バチルス・タマリシス、バチルス・テキレンシス、バチルス・サーモクロアカエ、バチルス・サーモトレランス、バチルス・チューリンギエンシス、バチルス・チアンシェニイ、バチルス・トヨネンシス、バチルス・トロピカス、バチルス・バリスモルティス、バチルス・ベレズエンシス、バチルス・ヴィエドマンニイ、バチルス・ヴダリアンキエンシス、バチルス・キアメネンシス、バチルス・キアプエンシス、バチルス・ザングゾウエンシス、又はそれらの組み合わせの株であってよい。
【0059】
いくつかの例では、胞子を形成する細菌株は、バチルス属の株であってよく、バチルス種株SD-6991、バチルス種株SD-6992、バチルス種株NRRL B-50606、バチルス種株NRRL B-50887、バチルス・プミルス株NRRL B-50016、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50017、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7792(以前はバチルス・アトロファエウスと分類されていた)、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7543(以前はバチルス・アトロファエウスと分類されていた)、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50018、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7541、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7544、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7545、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7546、バチルス・スブチリス株PTA-7547、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7549、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7793、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7790、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7791、バチルス・スブチリス株NRRL B-50136(DA-33Rとしても知られている、ATCC受託番号55406)、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50141、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50399、バチルス・リケニフォルミス株NRRL B-50014、バチルス・リケニフォルミス株NRRL B-50015、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50607、バチルス・スブチリス株NRRL B-50147(300Rとしても知られている)、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50150、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50154、バチルス・メガテリウムPTA-3142、バチルス・アミロリクエファシエンス株ATCC受託番号55405(300としても知られている)、バチルス・アミロリクエファシエンス株ATCC受託番号55407(PMXとしても知られている)、バチルス・プミルス NRRL B-50398(ATCC 700385、PMX-1、及びNRRL B-50255としても知られている)、バチルス・セレウスATCC受託番号700386、バチルス・チューリンギエンシスATCC受託番号700387(上記の株は全て、Novozymes,Inc.,USAから入手可能である)、バチルス・アミロリクエファシエンスFZB24(例えば、Novozymes製の分離株である、NRRL B-50304及びNRRL B-50349 TAEGRO(登録商標))、バチルス・スブチリス(例えば、Bayer CropScience製のRHAPSODY(登録商標)、SERENADE(登録商標)MAX、及びSERENADE(登録商標)ASOにおける分離株NRRL B-21661)、バチルス・プミルス(例えば、Bayer CropScience製の分離株NRRL B-50349)、バチルス・アミロリクエファシエンス TrigoCor(「TrigoCor 1448」としても知られている、例えば、Cornell University,USAから入手可能なEmbrapa Trigo受託番号144/88.4Lev、Cornell受託番号Pma007BR-97、及びATCC受託番号202152の分離株)、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。好適な市販のバチルス胞子ブレンドとしては、限定されるわけではないが、Novozymes Biologicals,Inc.から入手可能なFenshen Free(商標)CAN(10X)、Genesis Biosciences,Inc.から入手可能なEvogen(登録商標)Renew Plus(10X)、及び全てGenesis Biosciences,Inc.から入手可能なEvogen(登録商標)GT(10X、20X、及び110X)が挙げられる。前述のリストでは、括弧内の表記(10X、20X、及び110X)は、バチルス胞子の相対濃度を示す。
【0060】
第1の洗浄成分は、以下に記載する洗浄補助剤から選択してよい。第1の洗浄成分は、1つの化学物質であってもよく、又は化学物質の混合物であってもよい。しかしながら、上述したように、第1の洗浄成分を提供するために、第1の洗浄成分は、分子プローブの応答に基づいて同定された残留物及び/又は残留物成分の除去を促進できることに基づいて選択される。あるいは、処理成分は、有効な表面処理を提供できることに基づいて選択される。
【0061】
次いで、第1の洗浄成分を洗浄補助剤と混合することによって、洗浄組成物を作製することができる。
【0062】
洗浄補助剤は、界面活性剤、ビルダー、漂白剤成分、着色剤、キレート剤、転染剤、付着助剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒材料、蛍光増白剤、光活性剤、蛍光剤、布地色相剤(シェーディング染料)、布地調整剤、予形成過酸、ポリマー分散剤、泥汚れ除去/再付着防止剤、フィラー塩、ヒドロトロープ、光沢剤、抑泡剤、構造伸縮剤、布地柔軟剤、防腐剤、酸化防止剤、収縮防止剤、殺菌剤、殺真菌剤、変色防止剤、防食剤、アルカリ度源、可溶化剤、キャリア、加工助剤、顔料、染料、香料、及びpH調整剤、カプセル化剤、ポリマー、並びにこれらの混合物を含む群から選択してよい。例えば、これらは、漂白活性化剤などの漂白剤成分、イミン漂白促進剤などの漂白促進剤、漂白触媒、過酸化水素、過炭酸塩及び/又は過ホウ酸塩などの過酸化水素源、特に炭酸塩及び/又は硫酸塩などの材料でコーティングされた過炭酸塩、ケイ酸塩、ホウケイ酸塩、及びそれらの任意の混合物、カプセル化形態の予備形成過酸を含む予備形成過酸、遷移金属触媒;抑泡剤又は抑泡剤系、例えば、シリコーン系抑泡剤及び/若しくは脂肪酸系抑泡剤;粘土、シリコーン、及び/又は四級アンモニウム化合物などの布地柔軟剤;ポリエチレンオキシドなどの凝集剤;ポリビニルピロリドン、ポリ4-ビニルピリジンN-オキシド、及び/又はビニルピロリドンとビニルイミダゾールとのコポリマーなどの移染阻害剤;イミダゾールとエピクロロヒドリンとの縮合によって産生されるオリゴマーなどの布地一体性成分;アルコキシル化ポリアミン及びエトキシル化エチレンイミンポリマーなどの汚れ分散剤及び汚れ再付着防止助剤;ポリエステルなどの再付着防止成分;カルボキシレートポリマー、例えば、マレイン酸ポリマー、又はマレイン酸とアクリル酸とのコポリマー;香料、例えば、香料マイクロカプセル、デンプン封入アコード、香料噴霧剤;石鹸リング;美容粒子;審美染料;硫酸ナトリウム及び/又は柑橘類繊維などのフィラー(ただし、組成物はフィラーを実質的に含まないことが好ましい場合がある);1.6R及び2.0Rケイ酸ナトリウムを含むケイ酸ナトリウム、又はメタケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩;ジカルボン酸とジオールとのコポリエステル;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエトキシセルロース、又は他のアルキル若しくはアルキルアルコキシセルロースなどのセルロース系ポリマー;1,2プロパンジオール、モノエタノールアミンなどの溶媒;ジエチレングリコール、エタノール、及びこれらの任意の混合物;ヒドロトロープ、例えば、クメンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、及び任意の混合物;有機酸及びその塩、例えばクエン酸/クエン酸塩、水、並びにそれらの任意の組み合わせを含み得る。好ましくは、洗浄補助剤は、少なくとも1つの非水洗浄補助剤を含む。組成物は、好ましくは、界面活性剤と、任意に、以下からなる群から選択される1つ以上の洗浄補助剤と、を含む:(i)香料マイクロカプセル、(ii)布地色相剤、(iii)プロテアーゼ、(iv)アミラーゼ、(v)リパーゼ、(vi)セルラーゼ、(vii)ヌクレアーゼ、(vii)両親媒性洗浄ポリマー、(viii)汚れ放出ポリマー、又は(ix)これらの混合物。
【0063】
好ましくは、組成物は、典型的には組成物の1~60重量%の量の界面活性剤を含む。アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性、又は双性イオン性等の任意の界面活性剤が好適であり得る。
【0064】
好ましいアニオン性界面活性剤は、スルホネート及びサルフェート界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホネート及び/又は(任意にアルコキシル化された)アルキルサルフェートである。特に好ましいアニオン性界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LAS)を含む。好ましいアルキルサルフェートは、アルキルエーテルサルフェート、特にC-9~15アルコールエーテルサルフェート、特に0.5~7、好ましくは1~5の平均エトキシル化度を有するもの、C8~C16エステルサルフェート、及びモノドデシルエステルサルフェートなどのC10~C14エステルサルフェートを含む。好ましい組成物では、アニオン性界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネートと、任意に加えて、好ましくは0~7、より好ましくは0.5~3のエトキシル化度を有する任意にエトキシル化されたアルキルサルフェートとを含む。LASの異性体、分岐アルキルベンゼンスルホネート(BABS)、フェニルアルカンスルホネート、アルファ-オレフィンスルホネート(AOS)、オレフィンスルホネート、アルケンスルホネート、アルカン-2,3-ジイルビス(サルフェート)、ヒドロキシアルカンスルホネート及びジスルホネート、アルキルサルフェート(AS)、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、脂肪族アルコールサルフェート(FAS)、一級アルコールサルフェート(PAS)、アルコールエーテルサルフェート(AES又はAEOS又はFES、アルコールエトキシサルフェート又は脂肪族アルコールエーテルサルフェートとしても知られている)、二級アルカンスルホネート(SAS)、パラフィンスルホネート(PS)、エステルスルホネート、スルホン化脂肪酸グリセロールエステル、アルファ-スルホ脂肪酸メチルエステル(アルファ-SFMe又はSES)(メチルエステルスルホネート(MES)を含む)、アルキル-又はアルケニルコハク酸、ドデセニル/テトラデセニルコハク酸(DTSA)、アミノ酸の脂肪酸誘導体、スルホコハク酸のジエステル及びモノエステル、又は脂肪酸の塩(石鹸)、並びにこれらの組み合わせも好適なアニオン性界面活性剤である。
【0065】
アニオン性界面活性剤は、好ましくは、塩の形態で洗浄組成物に添加される。好ましいカチオンは、ナトリウム及びカリウムなどのアルカリ金属イオンである。しかしながら、界面活性剤の酸形態を水酸化ナトリウムなどのアルカリ、又はモノ-、ジ-、若しくはトリエタノールアミンなどのアミンで中和することによって、アニオン性界面活性剤の塩形態がその位置で形成されてもよい。組成物は、好ましくは、組成物の1~60重量%、又は1~50重量%、又は2、又は5~40重量%のアニオン性界面活性剤を含む。界面活性剤は、好ましくは、アニオン性界面活性剤と、更に、半極性及び/又はカチオン性及び/又は双性イオン性及び/又は両性及び/又は半極性非イオン性及び/又はこれらの混合物を含む非イオン性であり得る1つ以上の追加の界面活性剤を含む界面活性剤系を含む。好ましい界面活性剤は、アニオン性及び非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0066】
好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコールエトキシレート(AE)、アルコールプロポキシレート、プロポキシル化脂肪族アルコール(PFA)、アルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、例えばエトキシル化及び/又はプロポキシル化脂肪酸アルキルエステル、アルキルフェノールエトキシレート(APE)、ノニルフェノールエトキシレート(NPE)、アルキルポリグリコシド(APG)、アルコキシル化アミン、脂肪酸モノエタノールアミド(FAM)、脂肪酸ジエタノールアミド(FADA)、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(EFAM)、プロポキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(PFAM)、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、又はグルコサミンのN-アシルN-アルキル誘導体(グルカミド、GA、又は脂肪酸グルカミド、FAGA)、並びに商標名SPAN及びTWEEN(登録商標)として入手可能な製品、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。アルコールエトキシレートが特に好ましく、好ましくはC9~18又は好ましくはC12~15のアルキル鎖を有し、好ましくは3~9、より好ましくは3~7の平均エトキシル化度を有する。市販されている非イオン性界面活性剤洗浄としては、BASF製のPlurafac(商標)、Lutensol(商標)、及びPluronic(商標)、Cognis製のDehypon(商標)シリーズ、並びにClariant製のGenapol(商標)シリーズが挙げられる。
【0067】
洗浄組成物は、約0.5重量%~約40重量%の非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0068】
好ましくは、組成物は、プロテアーゼ又は2つ以上のプロテアーゼの混合物、リパーゼ又は2つ以上のリパーゼの混合物、ペルオキシダーゼ又は2つ以上のペルオキシダーゼの混合物、1つ以上のデンプン分解酵素、例えば、アルファ-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、マルトース生成アミラーゼ、及び/又はセルラーゼ又はこれらの混合物を含む。
【0069】
概して、選択された酵素の性質は、選択された洗剤と適合すべきであり(すなわち、pH最適条件、他の酵素及び非酵素成分との適合性など)、酵素は、有効量で存在すべきである。好ましくは、本発明の製品は、組成物1グラム当たり、少なくとも0.01mg、好ましくは約0.05~約10、より好ましくは約0.1~約6、とりわけ約0.2~約5mgの更なる活性酵素を含む。
【0070】
プロテアーゼ:本発明の組成物は、好ましくはプロテアーゼを含む。2つ以上のプロテアーゼの混合物は、より広い温度、サイクル持続時間、及び/又は基質範囲にわたって洗浄の向上に寄与することができる。好適なプロテアーゼとしては、メタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが挙げられ、例えば、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼを含む。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物起源のものが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものであってもよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に修飾された変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであってよい。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下が挙げられる:
サブチリシン(EC 3.4.21.62)、特に国際公開第2004/067737号、同第2015/091989号、同第2015/091990号、同第2015/024739号、同第2015/143360号、米国特許第6,312,936(B1)号、同第5,679,630号、同第4,760,025号、独国特許公開第102006022216(A1)号、同第102006022224(A1)号、国際公開第2015/089447号、同第2015/089441号、同第2016/066756号、同第2016/066757号、同第2016/069557号、同第2016/069563号、同第2016/069569号、及び同第2016/174234号に記載されているバチルス属由来のもの、例えば、バチルス属の種、B.レンタス、B.アルカロフィラス、B.サブチリス、B.アミロリケファシエンス、B.プミルス、B.ギブソニイ、及びB.アキバイ。具体的には、変異S9R、A15T、V66A、A188P、V199I、Q239R、N255D(savinase付番システム)。
国際公開第89/06270号に記載されているフザリウム属プロテアーゼ、並びに国際公開第05/052161号及び同第05/052146号に記載されているセルロモナス属に由来するキモトリプシンプロテアーゼを含むトリプシン(例えば、ブタ又はウシ起源)などのトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ。
メタロプロテアーゼ、特に国際公開第07/044993(A2)号に記載されているバチルス・アミロリケファシエンス由来のもの、国際公開第2014/194032号、同第2014/194054号及び同第2014194117号に記載されているバチルス、ブレビバチルス、サーモアクチノミセス、ゲオバチルス、パエニバチルス、リシニバチルス又はストレプトミセス種由来のもの、国際公開第2015/193488号に記載されているクリベラ・アルミノサ由来のもの、並びに国際公開第2016/075078号に記載されているストレプトミセス及びリソバクター由来のもの。
国際公開第92/17577号(Novozymes A/S)に記載されているバチルス種TY145、NCIMB 40339由来のサブチラーゼに対して少なくとも90%の同一性を有するプロテアーゼ(国際公開第2015024739号及び同第2016066757号に記載されている、このバチルス種TY145サブチラーゼのバリアントを含む)。
【0071】
本発明の洗浄組成物に特に好ましいプロテアーゼは、バチルス・レンタス由来の野生型酵素と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%、更により好ましくは少なくとも99%、とりわけ100%同一性を有し、以下の位置:S9R、A15T、V68A、N76D、N87S、S99D、S99SD、S99A、S101G、S101M、S103A、V104N/I、G118V、G118R、S128L、P129Q、S130A、Y167A、R170S、A194P、V205I、Q206L/D/E、Y209W、M222S、Q245R、及び/又はM222S(参照により本明細書に組み込まれる国際公開第00/37627号に例示されるBPN’付番システム及びアミノ酸略語を使用する)のうちの1つ以上、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上に変異を含む、ポリペプチドである。
【0072】
最も好ましくは、プロテアーゼは、PB92野生型(国際公開第08/010925号の配列番号2)又はサブチリシン309野生型(N87Sの自然変異を含む以外はPB92主鎖による配列)のいずれかに対して以下の変異(BPN付番システム)を含むプロテアーゼの群から選択される。
(i)G118V+S128L+P129Q+S130A
(ii)S101M+G118V+S128L+P129Q+S130A
(iii)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A+S188D+N248R
(iv)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A+S188D+V244R
(v)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A
(vi)V68A+N87S+S101G+V104N
(vii)S99AD
(viii)S9R+A15T+V68A+N218D+Q245R
【0073】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、商品名Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)、Coronase(登録商標)、Blaze(登録商標)、Blaze Ultra(登録商標)及びEsperase(登録商標)としてNovozymes A/S(Denmark)によって販売されているもの;商品名Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)、Ultimase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)としてDupontによって販売されているもの;商品名Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)としてSolvay Enzymesによって販売されているもの;並びにHenkel/Kemiraから入手可能なもの、すなわち、BLAP(配列は米国特許第5,352,604号の図29に示され、S99D+S101R+S103A+V104I+G159Sの変異を有する、本明細書において以降BLAPと称する)、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、並びにKao製のKAP(変異A230V+S256G+S259Nを有するバチルス・アルカロフィラスのサブチリシン)が挙げられる。
【0074】
Properase(登録商標)、Blaze(登録商標)、Ultimase(登録商標)、Everlase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Excellase(登録商標)、Blaze Ultra(登録商標)、BLAP及びBLAPバリアントからなる群から選択される市販のプロテアーゼは、本明細書に用いるのに特に好ましい。
【0075】
本発明の製品中のプロテアーゼの好ましい濃度としては、組成物1g当たり約0.05~約10mg、より好ましくは約0.5~約7mg、特に約1~約6mgの活性プロテアーゼが挙げられる。
【0076】
リパーゼ:組成物は、好ましくはリパーゼを含む。油及び/又は脂の存在は、マンナン及び他の多糖類を含む染みの復元力を更に増大させ得る。したがって、酵素パッケージ中にリパーゼが存在すると、このような染みの除去を更に改善することができる。好適なリパーゼとしては、細菌又は真菌又は合成起源のものが挙げられる。化学修飾された又はタンパク質が遺伝子操作を受けた変異体が含まれる。有用なリパーゼの例としては、例えば、H.ラヌギノサ(H. lanuginosa)(T.ラヌギノサス(T. lanuginosus))又はH.インソレンス(H. insolens)等のフミコーラ属(別名サーモマイセス属(Thermomyces))由来のリパーゼ;例えば、P.アルカリゲネス(P. alcaligenes)又はP.シュードアルカリゲネス(P. pseudoalcaligenes)、P.セパシア(P. cepacia)、P.スタットゼリ(P. stutzeri)、P.フルオレセンス(P. fluorescens)、シュードモナス属菌種(Pseudomonas sp.)SD705株、P.ウィスコシネンシス(P. wisconsinensis)等のシュードモナス属のリパーゼ;例えば、B.サブチリス(Dartois et al.(1993),Biochemica et Biophysica Acta,1131,253-360)、B.ステアロサーモフィルス、又はB.プミルス等のバチルス属のリパーゼが挙げられる。
【0077】
リパーゼは、米国特許第6,939,702(B1)号、及び米国特許出願第2009/0217464号に記載されているような「第1サイクルのリパーゼ」であってもよい。一態様では、リパーゼは、第1の洗浄用リパーゼであり、好ましくは、T231R及びN233R変異を含むサーモマイセス・ラヌギノサス由来の野生型リパーゼのバリアントである。野生型配列は、(サーモマイセス・ラヌギノサス(フミコーラ・ラヌギノサ)に由来する)Swissprot受託番号Swiss-Prot O59952の269個のアミノ酸(アミノ酸23~291)である。好ましいリパーゼとしては、Lipex(登録商標)、Lipolex(登録商標)、及びLipoclean(登録商標)の商品名で販売されているものが挙げられる。
【0078】
他の好適なリパーゼとしては、例えば国際公開第2013/171241号に記載されているようなLiprl 139、例えば国際公開第2011/084412号及び同第2013/033318号に記載されているようなTfuLip2、例えば国際公開第2018/228880号に記載されているようなシュードモナス・スツッツェリ(Pseudomonas stutzeri)リパーゼ、例えば国際公開第2018/228881号に記載されているようなマイクロバルビファー・サーモトレランス(Microbulbifer thermotolerans)リパーゼ、例えば欧州特許第3299457号に記載されているようなスルホバチルス・アシドカルダリウス(Sulfobacillus acidocaldarius)リパーゼ、例えば国際公開第2018/209026号に記載されているようなLIP062リパーゼ、例えば国際公開第2017/036901号に記載されているようなPinLipリパーゼ、並びに例えば国際公開第2017/005798号に記載されているようなアブシディア属(Absidia)の種のリパーゼが挙げられる。
【0079】
好適なリパーゼは、
(a)置換T231R
(b)置換N233R又はN233C
(c)E1C、D27R、N33Q、G38A、F51V、G91Q、D96E、K98L、K98I、D111A、G163K、H198S、E210Q、Y220F、D254S、I255A、及びP256Tから選択される少なくとも3つの更なる置換、を含む配列番号5のバリアントであり、
ここでは、位置は配列番号5の位置に対応し、リパーゼバリアントは、配列番号5のアミノ酸配列を有するポリペプチドと少なくとも90%であるが100%未満の配列同一性を有し、バリアントはリパーゼ活性を有する。
【0080】
1つの好ましいリパーゼは、以下の置換を含む配列番号5のバリアントである:T231R、N233R、D27R、G38A、D96E、D111A、G163K、D254S、及びP256T
【0081】
1つの好ましいリパーゼは、以下の置換を含む配列番号5のバリアントである:T231R、N233R、N33Q、G91Q、E210Q、I255A。
【0082】
好適なリパーゼは、Novozymesから、例えば、Lipex Evity 100L、Lipex Evity 200L(いずれも液体原料)、及びLipex Evity 105T(顆粒)として市販されている。これらのリパーゼは、本発明の範囲外である製品Lipex 100L、Lipex 100T、及びLipex Evity 100Tとは異なる構造を有する。
【0083】
セルラーゼ:好適なセルラーゼとしては、細菌由来又は真菌由来のセルラーゼが挙げられる。化学修飾された又はタンパク質が遺伝子操作を受けた変異体が含まれる。好適なセルラーゼとしては、バチルス属、シュードモナス属、フミコーラ属、フザリウム属、チェラビア属(Thielavia)、アクレモニウム属(Acremonium)由来のセルラーゼ、例えば、米国特許第4,435,307号、同第5,648,263号、同第5,691,178号、同第5,776,757号、及び同第5,691,178号に開示されているフミコーラ・インソレンス、ミセリオフィソーラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、及びフザリウム・オキシスポラムから生成される真菌セルラーゼが挙げられる。
【0084】
一態様では、好ましい酵素としては、エンド-ベータ-1,4-グルカナーゼ活性(E.C.3.2.1.4)を呈する微生物由来のエンドグルカナーゼが挙げられ、好ましくは、以下を含む群から選択される:
(a)米国特許第7,141,403(B2)号における配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%、94%、97%、更には99%同一性の配列を有するバチルス属のメンバーに対して内因性の細菌ポリペプチド、好ましい置換は、配列番号2の成熟ポリペプチドの292、274、266、265、255、246、237、224、及び221位に対応する1つ以上の位置を含み、バリアントはセルラーゼ活性を有する;
(b)キシログルカン及び非晶質セルロース基質の両方に対して酵素活性を有するグリコシルヒドロラーゼであって、GHファミリー5、7、12、16、44又は74から選択されるグリコシルヒドロラーゼ;
(c)国際公開第09/148983号の配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも90%、94%、97%、及び更には99%同一性の配列を有するグリコシルヒドロラーゼ;
(d)国際公開第2017/106676号における配列番号5と少なくとも70%の同一性を示すバリアント。好ましい置換は、4、20、23、29、32、36、44、51、77、80、87、90、97、98、99、102、112、116、135、136、142、153、154、157、161、163、192、194、204、208、210、212、216、217、221、222、225、227、及び232位に対応する1つ以上の位置を含む;
(e)並びにこれらの混合物。
【0085】
好適なエンドグルカナーゼは、商品名Celluclean(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))として販売されている。例としては、Celluclean(登録商標)5000L、Celluclean(登録商標)Classic 400L、Celluclean(登録商標)Classic 700T、Celluclean(登録商標)4500T、Whitezyme(登録商標)1.5T、Whitezyme(登録商標)2.0Lが挙げられる。
【0086】
他の市販のセルラーゼとしては、Celluzyme(登録商標)、Carezyme(登録商標)、Carezyme(登録商標)Premium(Novozymes A/S)、Clazinase(登録商標)、Puradax HA(登録商標)、Revitalenz(登録商標)1000、Revitalenz(登録商標)2000(Genencor International Inc.)、KAC-500(B)(登録商標)(Kao Corporation)、Biotouch(登録商標)FCL、Biotouch(登録商標)DCL、Biotouch(登録商標)DCC、Biotouch(登録商標)NCD、Biotouch(登録商標)FCC、Biotouch(登録商標)FLX1(AB Enzymes)が挙げられる。
【0087】
好適なグルカナーゼとしては、好ましくはE.C.クラス3.2.1.39由来のエンド-β-1,3-グルカナーゼが挙げられ、好ましくはパエニバチルス属の種(Paenibacillus sp)、ゾベリア・ガラクタニボラン(Zobellia galactanivorans)、サーモトガ・ペトロフィラ(Thermotoga petrophila)、又はトリコデルマ属の種の微生物、好ましくはパエニバチルス属の種又はゾベリア・ガラクタニボラン、最も好ましくはパエニバチルス属の種から得られる。
【0088】
アミラーゼ:好ましくは、本発明の組成物は、アミラーゼを含む。好適なアルファ-アミラーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学的又は遺伝的に修飾された変異体(バリアント)が含まれる。好ましいアルカリ性アルファ-アミラーゼは、バチルス属の菌種、例えば、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・ステアロサーモフィラス、バチルス・サブチリス、又は他のバチルス属の種、例えば、バチルス属の種NCBI12289、NCBI12512、NCBI12513、DSM9375(米国特許第7,153,818号)、DSM12368、DSMZ番号12649、KSM AP1378(国際公開第97/00324号)、KSM K36、又はKSM K38(欧州特許第1,022,334号)に由来する。好ましいアミラーゼとしては、以下が挙げられる。
(a)米国特許第5,856,164号、並びに国際公開第99/23211号、同第96/23873号、同第00/60060号、同第06/002643号、及び同第2017/192657号に記載のバリアント、特に、国際公開第06/002643号において配列番号12として記載されているAA560酵素に対して以下の位置:
26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、202、214、231、246、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484位に1つ以上の置換を有し、好ましくは、D183及びG184の欠失も含むバリアント。
(b)国際公開第06/002643号における配列番号4と少なくとも85%、好ましくは90%の同一性を示すバリアント、バチルス属SP722由来の野生型酵素、特に183及び184位が欠失しているバリアント、並びに国際公開第00/60060号、同第2011/100410号、及び同第2013/003659号に記載のバリアント、特に、参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第06/002643号における配列番号4に対して以下の位置:
51、52、54、109、304、140、189、134、195、206、243、260、262、284、347、439、469、476、及び477位に1つ以上の置換を有するもの。
(c)バチルス属の種707(米国特許第6,093,562号における配列番号7)由来の野生型酵素と少なくとも90%の同一性を示すバリアント、特に以下の変異:M202、M208、S255、R172、及び/又はM261のうちの1つ以上を含むもの。好ましくは、当該アミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qのうちの1つ以上を含む。M202L又はM202T変異を含むものが、特に好ましい。SP707骨格に基づく追加の関連変異/欠失は、W48、A51、V103、V104、A113、R118、N125、V131、T132、E134、T136、E138、R142、S154、V165、R182、G182、H183、E190、D192、T193、I206、M208、D209、E212、V213、V214、N214、L217、R218、N219、V222、T225、T227、G229、I235、K242、Y243、S244、F245、T246、I250、S255、A256、H286、V291、T316、V317、V318、N417、T418、A419、H420、P421、I428、M429、F440、R443、N444、K445、Q448、S451、A465、N470、S472を含む。
(d)国際公開第09/149130号に記載のバリアント、好ましくは同第09/149130号における配列番号1又は配列番号2、ゲオバチルス・ステアロファーモフィラス(Geobacillus Stearophermophilus)由来の野生型酵素、又はその切断バージョンと少なくとも90%の同一性を示すもの。
(e)国際公開第10/115021号に記載のバリアント、特に国際公開第10/115021号における配列番号2、バチルス属の種TS-23由来のアルファ-アミラーゼと少なくとも75%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%を示すもの。
(f)国際公開第2016/091688号における配列番号1と少なくとも89%の同一性を示すバリアント、特にH183+G184位に欠失を含み、更に405、421、422、及び/又は428位に1つ以上の変異を含むもの。
(g)国際公開第2014/099523号に記載のバリアント、特にパエニバチルス・カードラノリティカス(Paenibacillus curdlanolyticus)YK9由来の「PcuAmyl α-アミラーゼ」(国際公開第2014099523号における配列番号3)と少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を示すもの。
(h)国際公開第2014/099523号に記載のバリアント、特にサイトファーガ属(Cytophaga)の種由来の「CspAmy2アミラーゼ」(国際公開第2014/164777号における配列番号1及び6と少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を示すもの。特に、国際公開第2014/164777号における配列番号1に基づく以下の欠失及び/又は変異のうちの1つ以上を含むもの:R178、G179、T38N、N88H、N126Y、T129I、N134M、F153W、L171R、T180D、E187P、I203Y、G476K、G477E、Y303D。
(i)バチルス・サブチリス(国際公開第2009/149271号における配列番号1)と少なくとも85%の同一性を示すバリアント。
(j)受託番号AB051102によるBacillus sp.KSM-K38由来の野生型アミラーゼと少なくとも90%の同一性を示すバリアント。
(k)国際公開第2016/180748号に記載のバリアント、特に、国際公開第2016/180748号における配列番号7のバチルス属の種由来のAAI10の成熟アミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を示すもの;国際公開第2016/180748号の配列番号8におけるアリシクロバチルス属(Alicyclobacillus)の種のアミラーゼの成熟アミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を示すもの、及び国際公開第2016/180748号における配列番号13の成熟アミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を示すもの、特に、以下の変異H、N54S、V56T、K72R、G109A、F113Q、R116Q、W167F、Q172G、A174S、G184T、N195F、V206L、K391A、P473R、G476Kのうちの1つ以上を含むもの。
(l)国際公開第2018/060216号に記載のバリアント、特に、国際公開第2018/060216号における配列番号4の成熟アミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を示すバリアント、バチルス・アミロリケファシエンス及びバチルス・リケニフォルミスの融合分子。特に、H1、N54、V56、K72、G109、F113、R116、T134、W140、W159、W167、Q169、Q172、L173、A174、R181、G182、D183、G184、W189、E194、N195、V206、G255、N260、F262、A265、W284、F289、S304、G305、W347、K391、Q395、W439、W469、R444、F473、G476、及びG477位に1つ以上の置換を含むもの。
【0089】
好ましいアミラーゼは、漂白酸化しやすいアミノ酸の1つ以上が、酸化されにくいアミノ酸で置換された、遺伝子操作を受けた酵素である。具体的には、メチオニン残基は、任意の他のアミノ酸で置換されることが好ましい。具体的には、最も酸化しやすいメチオニンが置換されることが好ましい。好ましくは、配列番号11における202に相当する位置のメチオニンが置換される。好ましくは、この位置のメチオニンは、スレオニン又はロイシン、好ましくはロイシンで置換される。
【0090】
好適な市販のアルファ-アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、ATLANTIC(登録商標)、ACHIEVE ALPHA(登録商標)、AMPLIFY(登録商標)PRIME、INTENSA(登録商標)及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH(Wehlistrasse 27b A-1200 Wien Austria))、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)、PREFERENZ S(登録商標)シリーズ(PREFERENZ S1000(登録商標)及びPREFERENZ S2000(登録商標)を含む)、並びにPURASTAR OXAM(登録商標)(DuPont.(Palo Alto,California))、並びにKAM(登録商標)(Kao(14-10 Nihonbashi Kayabacho,1-chome,Chuo-ku Tokyo 103-8210,Japan))が挙げられる。
【0091】
好ましくは、組成物は、組成物1g当たり少なくとも0.01mg、好ましくは約0.05~約10、より好ましくは約0.1~約6、特に約0.2~約5mgの活性アミラーゼを含む。
【0092】
ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ:好適なペルオキシダーゼ/オキシダーゼとしては、植物、細菌、又は真菌起源のものが挙げられる。化学修飾された又はタンパク質が遺伝子操作を受けた変異体が含まれる。有用なペルオキシダーゼの例としては、コプリナス(Coprinus)属のペルオキシダーゼ、例えば、国際公開第93/24618号、同第95/10602号、及び同第98/15257号に記載のようなC.サイネレウス(C. cinereus)及びそのバリアント由来のペルオキシダーゼが挙げられる。
【0093】
市販のペルオキシダーゼとしては、GUARDZYME(登録商標)(Novozymes A/S)が挙げられる。
【0094】
ペクチン酸リアーゼ:好適なペクチン酸リアーゼとしては、Pectawash(登録商標)、Pectaway(登録商標)、X-Pect(登録商標)、(全てNovozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))Preferenz(登録商標)F1000(DuPont Industrial Biosciences)の商品名で販売されているものが挙げられる。
【0095】
マンナナーゼ。組成物は、好ましくは、1つ以上の追加のマンナナーゼ酵素を含む。本明細書で使用するとき、「マンナナーゼ」又は「ガラクトマンナナーゼ」という用語は、マンナンエンド-1,4-ベータ-マンノシダーゼとして当該技術分野において既知のものに従って定義され、別名ベータ-マンナナーゼ及びエンド-1,4-マンナナーゼを有し、マンナン、ガラクトマンナン、グルコマンナン、及びガラクトグルコマンナンにおける1,4-ベータ-D-マンノシド連結の加水分解を触媒するマンナナーゼ酵素を意味する。マンナナーゼは、酵素命名法に従ってEC3.2.1.78として分類され、グリコシルヒドロラーゼファミリー5、26、及び113に属する。多くの好適なマンナナーゼは、グリコシルヒドロラーゼファミリー5に属する。市販のマンナナーゼとしては、Mannaway(登録商標)200L及びMannaway Evity4.0Tなど商品名Mannaway(登録商標)(Novozymes A/S)で販売されている全てのものが挙げられる。他の市販のマンナナーゼとしては、Effectenz(登録商標)M1000、Mannastar(登録商標)375、Preferenz M100、及びPurabrite(登録商標)(全てDuPont Industrial Biosciences)及びBiotouch M7(AB Enzymes)が挙げられる。他の好適なマンナナーゼは、国際公開第2018/191135号、同第2015/040159号、同第2017/021515号、同第2017/021516号、同第2017/021517号、及び同第2019/081515号に記載されているものなどグリコシルヒドロラーゼファミリー26に属する。マンナナーゼの好適な混合物としては、国際公開第2019/081515号に記載されているグリコシルヒドロラーゼファミリー5マンナナーゼ及びグリコシルヒドロラーゼファミリー26マンナナーゼの組み合わせが挙げられる。
【0096】
キサンタンガム分解酵素:組成物は、1つ以上のキサンタンガム分解酵素を含み得る。キサンタンガム系汚れの分解に好適な酵素としては、キサンタンエンドグルカナーゼが挙げられ、任意にキサンタンリアーゼと組み合わされる。本明細書で使用するとき、用語「キサンタンエンドグルカナーゼ」は、任意に好適なキサンタンリアーゼ酵素と共に、キサンタンガムの1,4-連結型β-D-グルコースポリマー骨格の加水分解を触媒することができるエンド-β-1,4-グルカナーゼ活性を示す酵素を意味する。好適なキサンタンエンドグルカナーゼは、国際公開第2013/167581号、同第2015/181299号、同第2015/181292号、同第2017/046232号、同第2017/046260号、同第2018/37062号、同第2018/37065号、同第2019/038059号、及び同第2019/162000号に記載されている。本明細書で使用するとき、用語「キサンタンリアーゼ」は、キサンタンガムのβ-D-マンノシル-β-D-1,4-グルクロノシル結合を切断する酵素を意味する。そのような酵素は、E.C.4.2.2.12に属する。好適なキサンタンリーゼは、国際公開第2015/001017号、同第2018/037061号、同第2018/37064号、同第2019/038060号、同第2019/162000号、及び同第2019/038057号に記載されている。
【0097】
ヌクレアーゼ:好ましくは、組成物は、RNase若しくはDNaseなどのヌクレアーゼ、又はこれらの混合物を含む。ヌクレアーゼ酵素は、核酸のヌクレオチドサブユニット間のホスホジエステル結合を切断することができる酵素である。本明細書におけるヌクレアーゼ酵素は、好ましくは、デオキシリボヌクレアーゼ若しくはリボヌクレアーゼ酵素又はこれらの機能的フラグメントである。機能的フラグメント又は部分とは、DNA骨格におけるホスホジエステル結合の切断を触媒するヌクレアーゼ酵素の部分を意味し、したがって、触媒活性を保持する当該ヌクレアーゼタンパク質の領域である。したがって、それは、その機能が維持されている酵素及び/又はバリアント及び/又は誘導体及び/又はホモログの、切頭されているが、機能的なバージョンを含む。
【0098】
好ましくは、ヌクレアーゼ酵素は、好ましくは、以下の分類のいずれかから選択されるデオキシリボヌクレアーゼである:E.C.3.1.21.x(式中、x=1、2、3、4、5、6、7、8又は9である)、E.C.3.1.22.y(式中、y=1、2、4又は5である)、E.C.3.1.30.z(式中、z=1又は2である)、E.C.3.1.31.1、及びこれらの混合物。
【0099】
DNase:好適なDNaseとしては、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2017/162836号(Novozymes)における配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、及び9によって定義されるDNaseの野生型及びバリアント、並びに国際公開第2018/011277号(Novozymes)に記載されているものを含むバチルス・シビ(Bacillus cibi)DNaseのバリアントが挙げられる。好ましいDNaseは、同時係属中の欧州特許出願第18202967号に特許請求されているとおりである。
【0100】
RNase:好適なRNaseとしては、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2018/178061号(Novozymes)における配列番号3、6、9、12、15、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、72、及び73により定義されるDNaseの野生型及びバリアントが挙げられる。
【0101】
ヘキソサミニダーゼ:組成物は1つ以上のヘキソサミニダーゼを含み得る。「ヘキソサミニダーゼ」という用語は、「分散剤」及び略語「Dsp」を含み、つまり、微生物起源の汚れに見られるN-アセチル-グルコサミンポリマーのβ-1,6-グリコシド結合の加水分解を触媒するヘキソサミニダーゼ活性を有するポリペプチド(EC3.2.1)を意味する。用語「ヘキソサミニダーゼ」は、N-アセチルグルコサミニダーゼ活性及びβ-N-アセチルグルコサミダーゼ活性を有するポリペプチドを含む。ヘキソサミニダーゼ活性は、国際公開第2018/184873号に記載のアッセイIIに従って判定され得る。好適なヘキソサミニダーゼとしては、国際公開第2017/186936号、同第2017/186937号、同第2017/186943号、同第2017/207770号、同第2018/184873号、同第2019/086520号、同第2019/086528号、同第2019/086530号、同第2019/086532号、同第2019/086521号、同第2019/086526号、同第2020/002604号、同第2020/002608号、同第2020/007863号、同第2020/007875号、同第2020/008024号、同第2020/070063号、同第2020/070249号、同第2020/088957号、同第2020/088958号、及び同第2020/207944号に開示されているものが挙げられる。国際公開第2020/207944号の配列番号1によって定義されるテリバチルス・サッカロフィルスヘキソサミニダーゼのバリアント、特に、その公開に開示されている、改善された熱安定性を有するバリアントが好ましい場合がある。
【0102】
ガラクタナーゼ:好ましくは、組成物は、ガラクタナーゼ、すなわち、エンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ酵素を含む細胞外ポリマー分解酵素を含む。用語「エンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ」又は「エンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ活性を有するポリペプチド」は、3よりも高い重合度(DP)を有する1,6-3-D-ガラクトオリゴ糖、及び4-O-メチルグルコシルウロネート又はグルコシルウロネート基を非還元末端に有するその酸性誘導体の加水分解性切断を触媒するグリコシドヒドロラーゼファミリー30由来のエンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ活性(EC3.2.1.164)を意味する。本開示の目的のために、エンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ活性は、アッセイIにおいて、国際公開第2015/185689号に記載の手順に従って求められる。分類EC3.2.1.164由来の好適な例は、国際公開第2015/185689号に記載されており、例えば、成熟ポリペプチド配列番号2である。任意の酵素は、酵素を含有する別個の酵素添加剤、又は組成物中に存在する酵素のうちの2つ若しくはいくつか若しくは全てを含む複合酵素添加剤を添加することによって、洗浄組成物に含めてよい。そのような酵素添加剤は、顆粒、液体、又はスラリーの形態であってよく、好ましくは追加的に酵素安定剤を更に含む。
【0103】
好ましくは、酵素又は各酵素は、組成物の重量に基づいて約0.0001重量%~約0.01重量%、約0.001重量%~約0.01重量%、又は約0.001重量%~約0.01重量%等の少なくとも0.0001重量%~約0.1重量%の量の純粋活性酵素タンパク質で組成物中に存在する。
【0104】
布地色相剤。組成物は、布地色相剤(色合い剤、青味剤、又は白化剤/染料と称される場合もある)を含み得る。典型的には、色調剤は、布地に青又は紫の色合いをもたらす。色相剤は、単独又は組み合わせのいずれかで使用され、特定の色相の色合いを作り出し、かつ/又は異なる種類の布地に色合いを付けることができる。これは、例えば赤と緑-青の染料とを混合して青又は紫の色合いを生じさせることによりもたらされ得る。色相剤は、アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン、前金属化した(premetallized)アゾを含むアゾ(例えば、モノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、並びにこれらの混合物を含むが、これらに限定されない任意の既知の染料の化学分類から選択され得る。アゾ染料、特にモノアゾ染料又はビスアゾ染料、トリアリールメタン染料及びアントラキノン染料が好ましい。
【0105】
好適な布地色相剤としては、染料、染料-粘土共役体、並びに有機及び無機顔料が挙げられる。好適な染料としては、小分子染料及びポリマー染料が挙げられる。好適な小分子染料としては、直接染料、塩基性染料、反応性染料、又は加水分解反応性染料、溶剤染料、又は分散染料の色指数(C.I.)分類に分類される染料からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。好適な小分子染料の例としては、例えば、カラーインデックス(染色業者及びカラーリスト協会(Society of Dyers and Colourists,Bradford,UK))番号が、ダイレクトバイオレット染料9、35、48、51、66、及び99など、ダイレクトブルー染料1、71、80、及び279など、アシッドレッド染料17、73、52、88、及び150など、アシッドバイオレット染料15、17、24、43、49、50及び51など、アシッドブルー染料15、17、25、29、40、45、75、80、83、90、及び113など、アシッドブラック染料1など、ベーシックバイオレット染料1、3、4、10、及び35など、ベーシックブルー染料3、16、22、47、66、75、及び159など、欧州特許第1794275号又は同第1794276号に記載されるものなどの分散又は溶剤染料、あるいは米国特許第7,208,459(B2)号に開示されている染料、並びにこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。
【0106】
共有結合している(共役していると称されることもある)色素原を含有するポリマー(染料-ポリマー共役体)、例えば、ポリマーの骨格に共重合した色素原を有するポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料を含むポリマー染料が好ましい。ポリマー染料としては、国際公開第2011/98355号、同第2011/47987号、米国特許出願公開第2012/090102号、国際公開第2010/145887号、同第2006/055787号、及び同第2010/142503号に記載されているものが挙げられる。
【0107】
好ましいポリマー染料は、アルコキシル化、好ましくは、エトキシル化アゾ又はアントラキノン、トリアリールメタン染料を含む。エトキシル化チオフェンアゾ染料、例えば、Liquitint(登録商標)(Milliken(Spartanburg,South Carolina,USA))の名称で販売されている布地直接着色剤、少なくとも1種の反応性染料と、ヒドロキシル部分、一級アミン部分、二級アミン部分、チオール部分、及びこれらの混合部分からなる群から選択される部分を含むポリマーからなる群から選択されるポリマーと、から形成される染料-ポリマー共役体からなる群から選択されるポリマー染料が特に好ましい。好適なポリマー染料としては、Liquitint(登録商標)バイオレットCT、カルボキシメチルセルロース(CMC)(Megazyme(Wicklow,Ireland)により商品名AZO-CM-CELLULOSE、商品コードS-ACMCとして販売されているC.I.リアクティブブルー19と共役しているCMCなど、リアクティブブルー、リアクティブバイオレット、又はリアクティブレッドの染料に共有結合しているもの)、アルコキシル化トリフェニル-メタンポリマー着色剤、アルコキシル化チオフェンポリマー着色剤、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。
【0108】
好ましい色相染料としては、米国特許出願公開第2008/0177090号に見出されるアルコキシル化チオフェンアゾ増白剤が挙げられ、場合により、国際公開第2011/011799号の表5中の実施例1~42から選択されるものなどのように、アニオン性であり得る。他の好ましい染料は、米国特許第8138222号に開示されている。
【0109】
好適な顔料としては、ウルトラマリンブルー(C.I.ピグメントブルー29)、ウルトラマリンバイオレット(C.I.ピグメントバイオレット15)及びこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。顔料及び/又は染料はまた、審美的理由で色を加えるために添加されてもよい。好ましいのは、有機青、紫、及び/又は緑色顔料である。
【0110】
ビルダー:洗浄組成物は、ゼオライトA、ゼオライトMAP(Maximum Aluminium type P)などゼオライトであり得る、炭酸塩、重炭酸塩、又はケイ酸塩に基づくビルダーなどのビルダーを更に含有し得る。洗濯に使用可能なゼオライトは、好ましくは、式Na12(AlO2)12(SiO2)12・27H2Oを有し、粒径は、通常、ゼオライトAでは1~10μm、ゼオライトMAPでは0.7~2umである。他のビルダーは、メタケイ酸ナトリウム(Na2SiO3・nH2O又はNa2Si2O5・nH2O)であり、強アルカリ性であり、好ましくは食器洗浄に使用される。好ましい実施形態では、洗剤ビルダーの量は、5%超、10%超、20%超、30%超、40%超、又は50%超であってもよく、また80%未満、65%未満であってもよい。食器洗浄洗剤において、ビルダーの濃度は、典型的には、40~65%、特に50~65%、又は更には75~90%である。
【0111】
カプセル化剤:組成物は、コアと、内面及び外面を有するシェルとを含み、当該シェルが当該コアをカプセル化する、カプセル化された有益剤を含み得る。コアは、香料;増白剤;染料;防虫剤;シリコーン;ワックス;着香剤;ビタミン;布地柔軟化剤;スキンケア剤、一態様では、パラフィン;酵素;抗菌剤;漂白剤;感覚剤;及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含み得る。シェルは、ポリエチレン;ポリアミド;ポリスチレン;ポリイソプレン;ポリカーボネート;ポリエステル;ポリアクリレート;アミノプラスト(一態様では、当該アミノプラストは、ポリ尿素、ポリウレタン、及び/又はポリ尿素ウレタンを含んでもよく、一態様では、当該ポリ尿素は、ポリオキシメチレン尿素及び/又はメラミンホルムアルデヒドを含んでもよい);ポリオレフィン;多糖類、(一態様では、当該多糖類は、アルギン酸塩及び/又はキトサンを含んでもよい);ゼラチン;シェラック;エポキシ樹脂;ビニルポリマー;水不溶性無機材料;シリコーン;並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料を含み得る。好ましいカプセル化剤は、香料を含むコアを含む。このようなカプセル化剤は、香料マイクロカプセルである。
【0112】
酵素安定剤:組成物は、酵素安定剤を含み得る。好適な酵素安定剤は、以下からなる群から選択され得る:(a)カルシウム塩、マグネシウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される無機塩;(b)オリゴ糖、多糖類及びこれらの混合物、並びに糖又は糖アルコールからなる群より選択される炭水化物;(c)フェニルボロン酸及びその誘導体、例えば芳香族ホウ酸エステル、又はフェニルボロン酸誘導体、例えば4-ホルミルフェニルボロン酸、又はペプチドアルデヒド、例えばジ-、トリ-又はテトラペプチドアルデヒド又はアルデヒド類似体(いずれかの形態B1-B0-R[式中、RはH、CH3、CX3、CHX2又はCH2X(X=ハロゲン)であり、B0は単一アミノ酸残基(好ましくは任意に置換された脂肪族又は芳香族側鎖)であり;B1は、N末端保護基を任意に含む、1つ以上のアミノ酸残基(好ましくは1つ、2つ又は3つ)からなる]、又は国際公開第09118375号、同第98/13459号に記載されているとおりである)からなる群から選択される質量効率のよい可逆的プロテアーゼ阻害剤;(d)可逆的プロテアーゼ阻害剤、例えばホウ素含有化合物;(e)ポリオール、例えばプロピレングリコール又はグリセロール1-2プロパンジオール;(f)ギ酸カルシウム及び/又はギ酸ナトリウム;(g)RASI、BASI、WASI(イネ、オオムギ及びコムギの二機能性アルファ-アミラーゼ/サブチリシン阻害剤)又はCl2又はSSIなどのタンパク質型のプロテアーゼ阻害剤、並びに(h)それらの任意の組み合わせ。
【0113】
構造化剤:一態様では、組成物は、ジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微結晶セルロース、セルロースベースの材料、マイクロファイバーセルロース、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、並びにこれらの混合物からなる群から選択される構造剤を含み得る。
【0114】
ポリマー:組成物は、好ましくは、1つ以上のポリマーを含む。好ましい例には、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニル-ピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン-N-オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリレートなどのポリカルボキシレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、及びメタクリル酸ラウリル/アクリル酸コポリマー、及び両親媒性ポリマー、並びにこれらの混合物がある。
【0115】
両親媒性洗浄ポリマー:好ましくは、両親媒性洗浄ポリマーは、以下の一般構造:ビス((C2H5O)(C2H4O)n)(CH3)-N+-CxH2x-N+-(CH3)-bis((C2H5O)(C2H4O)n)(式中、n=20~30であり、x=3~8である)を有する化合物、又はその硫酸化若しくはスルホン化バリアントである。
【0116】
本発明の両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーは、布地及び表面からグリース粒子を除去するように、親水性と疎水性との特性が釣り合っている任意のアルコキシル化ポリマーを示す。本発明の両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーの具体的な実施形態は、コア構造及びそのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基を含む。これらは、好ましくは内側ポリエチレンオキシドブロック及び外側ポリプロピレンオキシドブロックを有するアルコキシル化ポリアルキレンイミンを含んでいてもよい。
【0117】
コア構造は、縮合形態で式(I)、(II)、(III)、及び(IV)の繰り返し単位を含むポリアルキレンイミン構造を含んでもよい:
【0118】
【化1】
(式中、#は、いずれの場合も、窒素原子と、式(I)、(II)、(III)又は(IV)の2つの隣接する繰り返し単位の基A1の遊離結合位置との間の結合の半分を示し;は、いずれの場合も、アルコキシレート基の1つとの結合の半分を示し;A1は、独立して、直鎖又は分岐鎖C2~C6アルキレンから選択され;ポリアルキレンイミン構造は、式(I)の1の繰り返し単位、式(II)のxの繰り返し単位、式(III)のyの繰り返し単位及び式(IV)のy+1の繰り返し単位からなり、x及びyは、各場合において、0~約150の範囲の値を有し;ポリアルキレンイミンコア構造の平均重量平均分子量Mwは、約60~約10,000g/モルの範囲の値である)。
【0119】
代替的に、コア構造は、式(I.a)及び/又は(I.b)のN-(ヒドロキシアルキル)アミンから選択される少なくとも1つの化合物の縮合生成物のポリアルカノールアミン構造を含む
【0120】
【化2】
(式中、Aは、独立して、C1~C6アルキレンから選択され;R1、R1、R2、R2、R3、R3、R4、R4、R5、及びR5は、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、又はアリールから選択され、上記最後の3つのラジカルは、任意に置換されてもよく;R6は、水素、アルキル、シクロアルキル、又はアリールから選択され、上記最後の3つのラジカルは、任意に置換されてもよい)。
【0121】
コア構造に結合した複数のアルキレンオキシ基は、式(V)のアルキレンオキシ単位から独立して選択される
【0122】
【化3】
(式中は、各場合において、式(I)、(II)、又は(IV)の繰り返し単位の窒素原子に対する結合の半分を示し;A2は、いずれの場合も、独立して、1,2-プロピレン、1,2-ブチレン及び1,2-イソブチレンから選択され;A3は、1,2-プロピレンであり;Rは、いずれも場合も、独立して、水素及びC1~C4アルキルから選択され;mは、0~約2の範囲の平均値を有し;nは、約20~約50の範囲の平均値を有し;pは、約10~約50の範囲の平均値を有する)。
【0123】
カルボキシレートポリマー:組成物は、好ましくは、マレエート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーなどの1つ以上のカルボキシレートポリマーを含み得る。一態様では、カルボキシレートポリマーは、4,000Da~9,000Da又は6,000Da~9,000Daの分子量を有するポリアクリレートホモポリマーである。
【0124】
汚れ放出ポリマー:組成物は、好ましくは、以下の構造(I)、(II)又は(III)のうちの1つによって定義される構造を有する1つ以上の汚れ放出ポリマーも含む:
(I)-[(OCHR1-CHR2)a-O-OC-Ar-CO-]d
(II)-[(OCHR3-CHR4)b-O-OC-sAr-CO-]e
(III)-[(OCHR5-CHR6)c-OR7]f
式中、
a、b及びcは、1~200であり、
d、e及びfは、1~50であり、
Arは、1,4-置換フェニレンであり、
sArは、5位がSO3Meで置換されている1,3-置換フェニレンであり、
Meは、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ-、ジ-、トリ-若しくはテトラアルキルアンモニウムであり、アルキル基は、C1~C18アルキル若しくはC2~C10ヒドロキシアルキル、又はこれらの混合物であり、
R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、独立して、H、又はC1~C18n-若しくはイソ-アルキルから選択され、
R7は、直鎖若しくは分岐鎖C1~C18アルキル、又は直鎖若しくは分岐鎖C2~C30アルケニル、又は5~9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はC8~C30アリール基、又はC6~C30アリールアルキル基である。
【0125】
好適な汚れ放出ポリマーは、Rhodiaによって供給されているRepel-o-tex SF、SF-2及びSRP6を含むRepel-o-texポリマーなどのポリエステル汚れ放出ポリマーである。他の好適な汚れ放出ポリマーとしては、Clariantによって供給されているTexcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325を含むTexcareポリマーが挙げられる。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Marloquestポリマー(例えば、Sasolにより供給されているMarloquest SLなど)である。
【0126】
セルロース系ポリマー:組成物は、好ましくは、アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロースから選択されるものを含む、1つ以上のセルロース系ポリマーを含み得る。一態様では、セルロース系ポリマーは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物を含む群から選択される。一態様では、カルボキシメチルセルロースは、0.5~0.9のカルボキシメチル置換度及び100,000Da~300,000Daの分子量を有する。
【0127】
漂白系:組成物は、例えば、テトラアセチルエチレンジアミン又はノナノイルオキシベンゼンスルホネート等の過酸形成漂白活性化剤と合わせてもよい過ホウ酸塩又は過炭酸塩等のH2O2源を含む漂白系を含有し得る。あるいは、漂白系は、例えば、アミド、イミド、又はスルホン型のペルオキシ酸を含んでもよい。一般的に、漂白剤が使用される場合、本発明の組成物は、標記洗浄組成物の約0.1重量%~約30重量%、又は更に約0.1重量%~約25重量%の漂白剤を含んでもよい。
【0128】
キレート剤:組成物は、好ましくは組成物の0.005重量%~約15重量%、又は更には約3.0重量%~約10重量%のキレート剤の量で、キレート剤を含むことが好ましい。好適なキレート剤としては、銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。好ましいキレート剤(錯化剤)としては、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、HEDP(ヒドロキシエタンジホスホン酸)、DTPMP(ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸))、1,2-ジヒドロキシベンゼン-3,5-ジスルホン酸二ナトリウム塩水和物、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、N-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸(EDTP)、メチル-グリシン-二酢酸(MGDA)、グルタミン酸-N,N-二酢酸(GLDA)、イミノジコハク酸(IDS)、カルボキシメチルイヌリン、並びにこれらの塩、誘導体及びこれらの混合物が挙げられる。好ましいキレート剤は、メチル-グリシン-二酢酸(MGDA)、その塩及びその誘導体、グルタミン酸-N、N-二酢酸(GLDA)、その塩及びその誘導体、イミノジコハク酸(IDS)、その塩及びその誘導体、カルボキシメチルイヌリン、その塩及びその誘導体、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。MGDA及びその塩が特に好ましく、特にMGDAの三ナトリウム塩を含む。
【0129】
組成物はまた、例えば、粘土を含む布地調整剤、起泡力増進剤、石鹸泡抑制剤、防食剤、土壌沈殿防止剤、土壌再堆積防止剤、染料、殺菌剤、蛍光増白剤、ヒドロトロープ、曇り防止剤、エタノールなどの有機溶媒、又は香料などの他の従来の洗剤成分も含有し得る。
【0130】
洗浄組成物は、主洗浄工程で使用するための組成物の形態であってもよく、又は民生用若しくは業務用の前処理若しくはすすぎ添加洗浄組成物としての形態であってもよい。
【0131】
典型的には、洗浄補助剤は、第1の洗浄成分の量及び洗浄補助剤の量が全洗浄組成物となるような量で、上記の洗浄補助剤材料のうちの2つ以上を含む混合物を含む。
【実施例
【0132】
(実施例1)
汚れた及び汚れていない綿布の包括的マイクロアレイポリマープロファイリング
4つの異なる抽出工程:水性抽出工程、キレート剤抽出工程、アルカリ抽出工程、高塩抽出工程をこの順序で用いて、汚れた及び汚れていない綿布から汚れ残留物を抽出した。
【0133】
全てのサンプルについて同じ布地重量対抽出剤比を使用した。抽出工程では、サンプルを4~5個のホウケイ酸ガラスビーズと一緒に、それぞれの抽出剤と共に1~2時間連続的にインキュベートし、物理的撹拌に供する必要があった。遠心分離によって汚れ残留物含有上清を得た。
【0134】
これらの上清抽出物をニトロセルロースマイクロアレイ上に印刷し、対象分子プローブでプロービングし、Vidal-Melgosa et al.,2015(PMID 25657012)に記載のとおり分析した。
【0135】
図1は、周囲室温で実施したi)水、ii)50mMシクロヘキサン-ジアミン-四酢酸(CDTA)pH7.5、iii)4M水酸化ナトリウム(NaOH)、0.1%(w/v)水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、iv)3M塩化ナトリウム(NaCl)を用いた連続抽出工程後の分子プローブ分析によって明らかになった対象サンプル(汚れた及び汚れていない綿)において同定された汚れ残留物の相対存在量を反映するヒートマップを示す。
【0136】
このスクリーニングに使用した分子プローブのリストを上記の表1に示す。
【0137】
3回の独立した反復実験を通じたこれらのサンプルの分析は、毎回同様の基質プロファイルを示した。分析したサンプルでは、汚れていない綿には存在していなかったマンナン残留物が、汚れた綿サンプルにおいて検出された。こうして、マンナナーゼ酵素を洗剤組成物に添加することによって、改善された染み除去のための洗剤組成物を調製し、改善された汚れ除去を提供する。
【0138】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
本明細書は以下の発明を開示する。
[1]
表面上の残留物及び/又は残留物中の残留物成分を同定する方法であって、(i)第1の工程において、前記残留物を、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも3つの分子プローブと接触させることと、(ii)第2の工程において、1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、前記少なくとも3つの分子プローブからの集合的応答が、前記残留物及び/又は前記残留物中の残留物成分の同定に関する情報を提供する、検出することと、を含む、方法。
[2]
前記残留物を、前記表面においてその位置で前記3つ以上の分子プローブと接触させる、[1]に記載の方法。
[3]
工程(i)の前に、前記残留物を残留物抽出工程で前記表面から抽出する、[1]に記載の方法。
[4]
表面上の残留物及び/又は残留物中の残留物成分を同定する方法であって、(i)抽出工程において前記表面から前記残留物を抽出することと、(ii)抽出された残留物を支持体表面に固定化することと、(iii)前記抽出された残留物を、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも2つの分子プローブと接触させることと、(iv)1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、前記応答が、前記残留物及び/又はその構成成分である残留物成分の同定に関する情報を提供する、検出することと、を含む方法。
[5]
前記残留物が、汚れを含む、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]
洗浄組成物を作製する方法であって、(1)表面上の残留物及び/又は残留物中の残留物成分を同定することであって、(i)第1の工程において、前記残留物を、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも3つの分子プローブと接触させることと、(ii)第2の工程において、1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、前記少なくとも3つの分子プローブからの集合的応答が、前記残留物及び/又は前記残留物中の残留物成分の同定に関する情報を提供する、検出することと、を含む、同定することと、(2)前記応答によって提供された前記情報に基づいて、前記残留物及び/又は残留物成分の除去を促進することができる第1の洗浄成分を選択することと、(3)前記第1の洗浄成分を洗浄補助剤と混合して洗浄組成物を形成することと、を含む、方法。
[7]
洗浄組成物を作製する方法であって、(1)汚れた表面を、洗浄組成物又はその成分を任意に含む水性洗浄液で洗浄して、前記表面から汚れ残留物を部分的に除去し、任意に前記表面を乾燥させることと、(2)前記表面上の残っている汚れ中の残留物及び/又は残留物成分を同定することであって、(i)第1の工程において、前記残留物を、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも3つの分子プローブと接触させ、(ii)第2の工程において、1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、前記少なくとも3つの分子プローブからの集合的応答が、前記残留物及び/又は前記残留物中の残留物成分の同定に関する情報を提供する、検出することによって、同定することと、(3)前記応答によって提供された情報に基づいて、前記残留物成分の除去を促進することができる第1の洗浄成分を選択することと、(4)前記第1の洗浄成分を洗浄補助剤と混合して洗浄組成物を形成することと、を含む、方法。
[8]
洗浄組成物を作製する方法であって、(1)表面上の汚れ中の残留物及び/又は残留物成分を同定することであって、(i)抽出工程において前記表面から前記汚れを抽出し、(ii)抽出された前記汚れを支持体表面に固定化し、(iii)前記抽出された汚れを、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも2つの分子プローブと接触させ、(iv)1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、前記応答が、前記汚れ中の残留物及び/又は残留物成分の同定に関する情報を提供する、検出することによって、同定することと、(2)前記応答によって提供された前記情報に基づいて、前記残留物成分の除去を促進することができる第1の洗浄成分を選択することと、次いで、(3)前記第1の洗浄成分を洗浄補助剤と混合して洗浄組成物を形成することと、を含む、方法。
[9]
工程(1)又は工程(i)の前の工程において、前記表面が、洗浄又は処理工程、好ましくは、任意に洗浄組成物を含む洗浄工程を受けている、[8]に記載の方法。
[10]
洗浄組成物を作製する方法であって、(1)汚れた表面を、洗浄組成物又は洗浄成分を任意に含む水性洗浄液で洗浄して、前記表面から汚れ残留物を部分的に除去し、任意に前記表面を乾燥させることと、(2)前記表面上の残っている汚れ中の前記汚れ残留物及び/又は残留物成分を同定することであって、(i)抽出工程において前記残っている汚れを前記表面から抽出して、抽出された汚れを得て、(ii)前記抽出された汚れを支持体表面に固定化し、(iii)前記抽出された汚れを、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、炭水化物結合モジュール、及びこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも2つの分子プローブと接触させ、(iv)1つ以上のプローブから陽性応答を検出することであって、前記応答が、前記残っている汚れ中の前記汚れ残留物及び/又は残留物成分の同定に関する情報を提供する、検出することによって、同定することと、(3)前記応答によって提供された情報に基づいて、前記汚れ残留物及び/又は残留物成分の除去を促進することができる第1の洗浄成分を選択することと、次いで、(4)前記第1の洗浄成分を洗浄補助剤と混合して洗浄組成物を形成することと、を含む、方法。
[11]
前記水性洗浄液が、洗浄組成物又は洗浄成分を含む、[7]又は[10]に記載の方法。
[12]
工程(1)において、第1の洗浄組成物を含む水性洗浄液で汚れた表面を洗浄することを含み、工程(4)において、前記洗浄補助剤が前記第1の洗浄組成物を含む、洗浄組成物の洗浄性能を改善するための、[7]、[10]、又は[11]に記載の方法。
[13]
前記分子プローブが、結合時に比色応答を提供する分子プローブを含む、[1]~[12]のいずれかに記載の方法。
[14]
前記支持体表面が、荷電表面を含む、好ましくは膜、好ましくはセルロース基質を含む膜、最も好ましくはニトロセルロースを含む膜を含む、荷電表面を含む、請求項[1]~[13]のいずれかに記載の方法。
[15]
前記抽出された残留物が、アレイ、好ましくはマイクロアレイの形態の前記支持体表面上に存在する、[1]~[14]のいずれかに記載の方法。
[16]
同定された残留物又は残留物成分が、酵素の基質である、[1]~[15]のいずれかに記載の方法。
[17]
前記第1の洗浄成分が、酵素又は酵素前駆体を含む、[7]~[16]のいずれかに記載の方法。
[18]
洗浄プロセス又は洗浄組成物の相対的な性能を判定又は改善する方法であって、(i)任意に洗浄又は処理組成物の存在下で洗浄プロセスにおいて汚れた表面を洗浄して、洗浄された表面を提供することと、(ii)[1]~[17]のいずれかに従って、前記洗浄された表面上に残っている残留物及び/又は残留物成分を同定及び/又は定量することと、(ii)洗浄時間、温度、洗浄工程の数若しくは順序、洗浄水の体積、並びに/又は他の物理的条件、並びに/又は洗浄組成物、並びに/又は前洗浄、洗浄、及び/若しくはすすぎ工程における洗浄組成物成分の添加の順序を変更して、第2の洗浄プロセスを提供することと、(iii)前記第2の洗浄プロセスにおいて前記汚れた表面を洗浄することと、(iv)前記第2の洗浄プロセス後に前記残留物及び/又は残留物成分を同定及び/又は定量して、前記プロセス若しくは組成物及び/又は前記残留物成分を低減するプロセス若しくは組成物の相対的な性能を判定することと、を含む、方法。
[19]
表面処理組成物及び/又は表面処理組成物を表面に付着させることを含むプロセスの相対的な性能を判定又は改善する方法であって、(i)表面処理成分又は組成物で表面を処理することと、(ii)[1]~[17]のいずれかに従って、分子プローブを用いて前記表面上に残っている表面処理成分である残留物及び/又は残留物成分を同定及び/又は定量することと、(iii)温度、洗浄、すすぎ及び/若しくは処理の工程の数若しくは順序、洗浄若しくはすすぎ水の体積、並びに/又は他の物理的条件、並びに/又は前洗浄、洗浄、及び/若しくはすすぎ工程における表面処理組成物及び/若しくは表面処理成分の添加の順序を変更して、第2の表面処理プロセスを提供することと、(iv)前記第2の表面処理プロセスに従って前記表面を処理することと、(iv)前記第2の表面処理プロセス後に前記残留物及び/又は残留物成分を同定及び/又は定量して、前記組成物及び/若しくは前記プロセスの相対的な性能を判定するか、又は付着を増加させるプロセス若しくは組成物を決定することと、
を含む方法。
[20]
前記残留物成分を更に定量することを含む、[1]~[19]のいずれかに記載の方法。
図1