(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】有機インターポーザー構造及びその作製方法並びにパッケージング構造
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20250527BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20250527BHJP
【FI】
H01L23/12 501B
H01L23/12 N
H05K3/46 B
(21)【出願番号】P 2024038706
(22)【出願日】2024-03-13
【審査請求日】2024-03-13
(31)【優先権主張番号】202310247350.7
(32)【優先日】2023-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521133551
【氏名又は名称】ズハイ アクセス セミコンダクター シーオー.,エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】Zhuhai Access Semiconductor Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【氏名又は名称】中島 彩夏
(74)【代理人】
【識別番号】100231647
【氏名又は名称】千種 美也子
(72)【発明者】
【氏名】シェンミン チェン
(72)【発明者】
【氏名】イェジ ホン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ホアン
(72)【発明者】
【氏名】ベンシア ホアン
(72)【発明者】
【氏名】シャオウェイ シュウ
【審査官】森岡 俊行
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-270346(JP,A)
【文献】特開2013-251437(JP,A)
【文献】特開2015-119195(JP,A)
【文献】特開2018-032660(JP,A)
【文献】特開2021-150306(JP,A)
【文献】特開2007-173622(JP,A)
【文献】特開2012-248891(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0054890(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)載置板を提供するステップと、
(b)前記載置板に仮ボンディング層を付与するステップと、
(c)前記仮ボンディング層に感光性媒体層を付与するステップと、
(d)前記感光性媒体層にウィンドウを作り金属化を行って、回路層を形成させることであって、前記ウィンドウはビアピラーを形成させるステップと、
(e)前記回路層に、目標層数に達するまでステップ(c)及び(d)を繰り返すステップと、
(f)前記仮ボンディング層をデボンディングし、前記載置板を取り除いて前記ビアピラーを露出させるステップと、
(g)露出したビアピラーを薄くして第1パッドを形成させ、最も外側の露出した回路層の表面にソルダマスク層を形成させることであって、前記ソルダマスク層は、一部の回路層を露出させて第2パッドを形成させるステップと、
(h)前記第1パッド及び前記第2パッドに対して金属表面処理を行うステップとを含むことを特徴とする有機インターポーザー構造の作製方法。
【請求項2】
前記載置板の材料は、ガラス又はアクリル系材料であることを特徴とする請求項1に記載の作製方法。
【請求項3】
前記載置板の厚さは、200~1000μmであることを特徴とする請求項1に記載の作製方法。
【請求項4】
前記仮ボンディング層は、紫外線分解型粘着テープ、熱剥離型粘着テープ又は弱粘着テープから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の作製方法。
【請求項5】
ステップ(c)は、具体的には、
前記仮ボンディング層に感光性媒体材料を付与して感光性媒体層を形成させるステップと、
露光・現像の方式で前記感光性媒体層にウィンドウを形成させるステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の作製方法。
【請求項6】
ステップ(d)は、具体的には、
前記感光性媒体層に金属シード層を付与するステップと、
前記金属シード層の表面にフォトレジスト層を設け、露光・現像を経て回路層パターンを形成させるステップと、
前記回路層パターンを電気メッキしてビアピラー及び回路層を形成させるステップと、
前記フォトレジスト層を取り除くステップと、
露出した金属シード層をエッチングするステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の作製方法。
【請求項7】
ステップ(h)における表面処理は、OSP、ENEPIG又はボールアタッチを含むことを特徴とする請求項1に記載の作製方法。
【請求項8】
前記ソルダマスク層は、感光性媒体層であることを特徴とする請求項1に記載の作製方法。
【請求項9】
前記第1パッドは、チップを接続するために用いられ、前記第2パッドは、パッケージング基板を接続するために用いられることを特徴とする請求項1に記載の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体の技術分野に関し、特に、有機インターポーザー構造及びその作製方法並びにパッケージング構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ムーアの法則が終焉を迎えようとする今、先端的なパッケージング技術は、チップの更なる性能向上を後押しし半導体パッケージング構造のより高い密度の集積を実現するための重要な要因の1つとなっている。近年、2Dパッケージング、2.5Dパッケージングなど、様々な先端的なパッケージング技術が提案され、幅広く用いられるようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに鑑みて、本開示の目的は、有機インターポーザー構造及びその作製方法並びにパッケージング構造を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的から、第1態様として、本開示は、
(a)載置板を提供するステップと、
(b)前記載置板に仮ボンディング層を付与するステップと、
(c)前記仮ボンディング層に感光性媒体層を付与するステップと、
(d)前記感光性媒体層にウィンドウを作り金属化を行って、回路層を形成させることであって、前記ウィンドウはビアピラーを形成させるステップと、
(e)前記回路層に、目標層数に達するまでステップ(c)及び(d)を繰り返すステップと、
(f)前記仮ボンディング層をデボンディングし、前記載置板を取り除いて前記ビアピラーを露出させるステップと、
(g)露出したビアピラーを薄くして第1パッドを形成させ、最も外側の露出した回路層の表面にソルダマスク層を形成させることであって、前記ソルダマスク層は、一部の回路層を露出させて第2パッドを形成させるステップと、
(h)前記第1パッド及び前記第2パッドに対して金属表面処理を行うステップとを含む、有機インターポーザー構造の作製方法を提供する。
【0005】
いくつかの実施例では、前記載置板の材料が、ガラス又はアクリル系材料である。
【0006】
いくつかの実施例では、前記載置板の厚さが、200~1000μmである。
【0007】
いくつかの実施例では、前記仮ボンディング層の材料が、紫外線分解型粘着テープ、熱剥離型粘着テープ又は弱粘着テープから選ばれる。
【0008】
いくつかの実施例では、ステップ(c)が、具体的には、
前記仮ボンディング層に感光性媒体材料を付与して有機感光性媒体層を形成させるステップと、
露光・現像の方式で前記有機感光性媒体層に前記ウィンドウを形成させるステップとを含む。
【0009】
いくつかの実施例では、ステップ(d)が、具体的には、
前記感光性媒体層に金属シード層を付与するステップと、
前記金属シード層の表面にフォトレジスト層を設け、露光・現像を経て回路層パターンを形成させるステップと、
前記回路層パターンを電気メッキしてビアピラー及び回路層を形成させるステップと、
前記フォトレジスト層を取り除くステップと、
露出した金属シード層をエッチングするステップとを含む。
【0010】
いくつかの実施例では、ステップ(h)における表面処理が、OSP、ENEPIG又はボールアタッチを含む。
【0011】
いくつかの実施例では、前記ソルダマスク層の材料が、感光性媒体材料である。
【0012】
いくつかの実施例では、前記第1パッドが、チップを接続するために用いられ、前記第2パッドが、パッケージング基板を接続するために用いられる。
【0013】
第2態様として、本開示は、
少なくとも2つの積層された配線ユニットを含み、各配線ユニットは、媒体層と、前記媒体層上の回路層とを含み、前記媒体層内には前記回路層を導通して接続させたビアピラーが設けられる再配線層と、
前記再配線層の表面の回路層を覆うソルダマスク層と、
前記再配線層の表面に露出したビアピラーによって形成された第1パッド及び前記ソルダマスク層に露出した回路層において形成された第2パッドであって、前記第1パッドの高さは、前記媒体層の高さより低い第1パッド及び第2パッドとを含む、有機インターポーザー構造を提供する。
【0014】
いくつかの実施例では、前記第1パッドが、チップを接続するために用いられ、前記第2パッドが、パッケージング基板を接続するために用いられる。
【0015】
いくつかの実施例では、前記ソルダマスク層の材料が、感光性媒体材料である。
【0016】
第3態様として、本開示は、第2態様のいずれか一項に記載の有機インターポーザー構造を含むパッケージング構造を提供する。
【0017】
いくつかの実施例では、チップ及びパッケージング基板をさらに含み、ただし、前記チップは、前記第1パッドに接続され、前記パッケージング基板は、前記第2パッドに接続される。
【発明の効果】
【0018】
上記の記載から分かるように、本開示によって提供される有機インターポーザー構造及びその作製方法並びにパッケージング構造は、感光性媒体材料を利用して有機インターポーザーを形成させ、そして超微細回路、微小なソルダマスクウィンドウの作製を実現し、高密度I/Oチップのフリップチップパッケージングを満たすとともに加工の難易度が低く、コストが安いという技術的効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下、本開示又は関連技術における技術的解決手段をより明瞭に説明するために、実施例又は関連技術の記述で使用する図面を簡単に紹介する。言うまでもないが、以下に記述される図面は、本開示の実施例に過ぎず、当業者は、新規性のある作業をすることなく、これらの図面から他の図面を得ることができる。図面では、より一層の理解及び記述しやすさのために、いくつかの層及び領域の厚さ及び形状を誇張してもよい。
【
図1(a)】
図1(a)は、本開示の一実施例の有機インターポーザー構造の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図1(b)】
図1(b)は、本開示の一実施例の有機インターポーザー構造の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図1(c)】
図1(c)は、本開示の一実施例の有機インターポーザー構造の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図1(d)】
図1(d)は、本開示の一実施例の有機インターポーザー構造の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図1(e)】
図1(e)は、本開示の一実施例の有機インターポーザー構造の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図1(f)】
図1(f)は、本開示の一実施例の有機インターポーザー構造の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図1(g)】
図1(g)は、本開示の一実施例の有機インターポーザー構造の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図1(h)】
図1(h)は、本開示の一実施例の有機インターポーザー構造の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図1(i)】
図1(i)は、本開示の一実施例の有機インターポーザー構造の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図1(j)】
図1(j)は、本開示の一実施例の有機インターポーザー構造の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図1(k)】
図1(k)は、本開示の一実施例の有機インターポーザー構造の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図1(l)】
図1(l)は、本開示の一実施例の有機インターポーザー構造の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図2】
図2は、本開示の一実施例の有機インターポーザー構造の構造模式図である。
【
図3】
図3は、本開示の一実施例のパッケージング構造の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の目的、技術的解決手段及び利点が一層明瞭になるよう、特定の実施例を用いて、図面を参照しながら、本開示をより詳細に説明する。
【0021】
なお、特に定義がない限り、本開示の実施例で使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解している一般的な意味を有する。本開示の実施例で使用される「第1」「第2」及び類似する用語は、順番、数量又は重要度を一切表さず、異なる構成部分を区別するために使用される。「含む」又はこれに類似する用語は、当該用語より先に現れる素子又は物体が、当該用語の次に列挙される素子又は物体及びその同等なものをカバーし、ただし他の素子又は物体は除外しないことを意味する。「接続」又はこれに類似する用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接か間接かを問わず電気的接続を含んでもよい。「上」「上方」「下方」「横」などの用語を使用して2つの部品の位置関係を記述する場合は、これらの用語が用語「すぐ隣」又は「直接」と共に使用されない限り、1つ又は複数の部品が2つの部品の間に位置してもよい。1つの素子又は層が別の素子又は層の「上」に設けられる場合は、別の層又は素子は、直接当該別の素子の上に又はそれらの間に挿入されてもよい。
【0022】
現在、2Dパッケージング技術は、異なるタイプの複数のチップを基板の表面に直接集積させてパッケージングすることであり、チップの相互接続は、基板の配線によって実現され、信頼性が良いが、複数のチップの相互接続の密度は、パッケージング基板の工程能力から制限されているため、集積密度が低い。高密度のヘテロジニアス集積を実現するために、線幅/線間隔(linewidth/linespace、略記L/S)がより精密で、層数がより多く、ユニットサイズがより大きいパッケージング基板が必要であるが、基板の工程能力はなかなかかなわない。
【0023】
2.5Dパッケージングは、パッケージング基板とチップとの間にインターポーザーを設け、インターポーザーは、シリコン貫通電極(TSV)によってチップとチップとの相互接続、チップとパッケージング載せ板との相互接続を実現する。シリコン貫通電極を含むインターポーザーは、微細配線を実現できるが、高度な加工設備が必要であるため、大型パネルの作製が実現できず、且つシリコンウェハーのコストは高く、加工コストは高い。
【0024】
これに鑑みて、本開示の実施例の第1態様は、有機インターポーザー構造の作製方法を提供する。
図1(a)~
図1(l)は、本開示の一実施例の有機インターポーザー構造の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【0025】
前記作製方法は、以下のステップを含む。
図1(a)に示されるとおり、載置板100を提供する(ステップ(a))。
【0026】
いくつかの実施例では、載置板100の材料が、ガラス又はアクリル系材料である。ガラス又はアクリル系材料の滑らかな表面は、超微細回路の作製を実現するために役立つ。
【0027】
なお、載置板100の厚さは、ニーズに応じて決定してもよく、本開示はこれについて限定しない。例示的に、載置板100の厚さは、200~1000μmであり、例えば、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、800μm、1000μmである。
【0028】
続いて、
図1(b)に示されるとおり、載置板100に仮ボンディング層101を形成させる(ステップ(b))。一般的には、仮ボンディング層101は、弱い粘性を有しており、部品を粘着するために用いることができ、デボンディング後に粘性が弱まるため、載置板100を取り除くために役立ち、液状樹脂のスピンコート又は/及び塗布の方式で仮ボンディング層101を形成させてもよいし、ドライフィルムを圧着する方式で仮ボンディング層101を形成させてもよい。
【0029】
任意に、仮ボンディング層の材料は、紫外線分解型粘着テープ、熱剥離型粘着テープ又は弱粘着テープから選ばれる。
【0030】
次に、
図1(c)、
図1(d)に示されるとおり、仮ボンディング層101に、ウィンドウを備える有機感光性媒体層201を形成させる(ステップ(c))。
【0031】
いくつかの実施例では、
図1(c)に示されるとおり、ステップ(c)が、具体的には、仮ボンディング層101に感光性媒体材料を付与して有機感光性媒体層201を形成させるステップを含む。ここで、有機感光性媒体層201の形成方式は、圧着又はコーティングであってもよく、本開示はこれについて限定しない。続いて、
図1(d)に示されるとおり、露光・現像の方式で有機感光性媒体層201にウィンドウ202を形成させる。なお、感光性媒体材料の分解能は非常に優れている。一例として、微小なウィンドウの作製を実現するために、厚さ25μmの感光性媒体材料を付与して直径25μmのウィンドウを形成させることができる。
【0032】
続いて、
図1(e)に示されるとおり、ウィンドウ202の位置にビアピラー203を形成させ、有機感光性媒体層201に回路層204を形成させる(ステップ(d))。
【0033】
特定の実施例として、ステップ(d)は、具体的には、次を含む。有機感光性媒体層201に金属シード層を付与し、続いて、金属シード層の表面にフォトレジスト層を設け、露光・現像を経て回路層パターンを形成させ、次に、電気メッキしてビアピラー203及び回路層204を形成させ、続いて、フォトレジスト層を取り除き、最後に、金属シード層をエッチングして有機感光性媒体層201を露出させる。
【0034】
なお、上記の実施例は例示的なものに過ぎず、当業者は、実際の生産条件に基づいて、ビアピラー203及び回路層204を形成させるための適切なプロセスを選択してもよい。
【0035】
次に、
図1(f)~
図1(h)に示されるとおり、前記回路層に、目標層数に達するまでステップ(c)及び(d)を繰り返す(ステップ(e))。
【0036】
以下、
図1(f)~
図1(h)を参照して、目標層数が3層であるのを例に、ステップ(c)及び(d)を繰り返す実施形態を詳細に説明する。なお、第1有機感光性媒体層、第1ビアピラー、第1回路層の作製は、それぞれ、有機感光性媒体層201、ビアピラー203及び回路層204に対応しており、詳しい説明は省略する。
【0037】
図1(f)に示されるとおり、第1回路層に感光性媒体材料を付与して、第2ウィンドウ302を備える第2有機感光性媒体層301を形成させる。
図1(g)に示されるとおり、ウィンドウ302の位置に第2ビアピラー303を形成させ、第2有機感光性媒体層301に第2回路層304を形成させる。
図1(h)に示されるとおり、同じ方法を用いて、第2回路層304に第3感光性媒体層401、第3ビアピラー403及び第3回路層404を形成させる。
【0038】
ここで、第1感光性媒体層、第2感光性媒体層301、第3感光性媒体層401の材料は、同じでもよいし異なってもよく、本開示はこれについて限定しない。
【0039】
任意に、第1回路層、第2回路層304、第3回路層404の材料は、銅であってもよい。任意に、第1ビアピラー203、第2ビアピラー303及び第3ビアピラー403の材料は、銅であってもよい。
【0040】
続いて、
図1(i)に示されるとおり、仮ボンディング層101をデボンディングし、載置板100を取り除く(ステップ(f))。なお、仮ボンディング層101の材料によって、デボンディングの方式を決定する。例えば、仮ボンディング層101が紫外線分解型粘着テープである場合は、紫外線の照射によってデボンディングし、また、仮ボンディング層101が熱剥離型粘着テープである場合は、加熱によってデボンディングする。
【0041】
次に、
図1(j)、
図1(k)に示されるとおり、露出したビアピラーを薄くして第1パッド501を形成させ、露出した回路層の表面にウィンドウを備えるソルダマスク層503を形成させて、一部の回路層を露出させて第2パッド502を形成させる(ステップ(g))。ここで、ビアピラーを薄くする方式は、エッチングであってもよい。
【0042】
任意に、ソルダマスク層503の材料は、感光性媒体材料であり、感光性媒体材料の高い分解能を利用して、微小なソルダマスクウィンドウの作製を実現する。例示的に、露光・現像の方式でウィンドウを形成させる。
【0043】
最後に、
図1(l)に示されるとおり、第1パッド501及び第2パッド502の表面を処理し、これは、それぞれ、チップ、パッケージング基板をパッケージングするためである(ステップ(h))。
【0044】
いくつかの実施例では、ステップ(h)における表面処理が、有機はんだ付け性保存剤(Organic Solderability Preservative、略称OSP)、無電解ニッケル無電解パラジウム浸漬金(Electroless Nickel Electroless Palladium Immersion Gold、略称ENEPIG)及びボールアタッチのうちの一方又は多方を含む。
【0045】
任意に、第1パッド501は、チップをパッケージングするために用いられ、第2パッド502は、パッケージング基板をパッケージングするために用いられる。ここで、第1パッド501は、小さいサイズ、狭ピッチを実現でき、複数の高密度I/Oチップのフリップチップパッケージングに用いることができる。
【0046】
以上から分かるように、本開示の有機インターポーザー構造の作製方法は、パネルレベルの加工を実現でき、加工効率が高く、加工コストが安く、且つ有機インターポーザー構造は、2.5Dパッケージングを実現でき、シリコンインターポーザーと比べて、加工の難易度が低く、コストが安いため、低コストで高密度の集積パッケージングを実現する。
【0047】
第2態様として、本開示の実施例は、また、有機インターポーザー構造を提供する。
図2に示されるとおり、有機インターポーザー構造は、少なくとも2つの配線ユニットを含み(本例では、3つの配線ユニットを備える)、各配線ユニットは、媒体層301と、媒体層301上の回路層304とを含み、前記媒体層301内には回路層304を導通して接続させたビアピラー303が設けられる再配線層300を含む。なお、
図2に示されている再配線層300は、3層の構造であり、残りの媒体層、回路層、ビアピラーは図中では表示されず、ソルダマスク層504は、再配線層300の表面の回路層に位置し、そして、再配線層300の表面に露出したビアピラーによって形成された第1パッド501及びソルダマスク層504に露出した回路層において形成された第2パッド502があり、そのうち、第1パッド501は露出したビアピラーをエッチングして形成されているため、第1パッド501の高さは、それが位置する媒体層の高さよりも低い。このような媒体層の中に窪んだ第1パッド501は、はんだを収容する穴を備えてもよく、微細回路構造にはチップの端子のはんだを収容できるため、第1パッド501は、チップの端子をよりよく固定して接続することができ、これによってチップの端子とパッドの接続工程を簡素化することができる。
【0048】
このような技術的解決手段では、再配線層300は、有機感光性媒体材料を用いて媒体層301を作製してもよいため、高い分解能を有し、微細回路の作製を実現し、2.5Dパッケージングを実現することができ、且つ加工の難易度は低く、コストは安い。
【0049】
いくつかの実施例では、第1パッド501が、チップを接続するために用いられ、第2パッド502が、パッケージング基板を接続するために用いられる。
【0050】
いくつかの実施例では、ソルダマスク層504の材料が、感光性媒体材料であり、微小なソルダマスクウィンドウの作製を実現できる。
【0051】
図3に示されるとおり、第3態様として、本開示の実施例は、また、前述したいずれかの有機インターポーザー構造を含むパッケージング構造を提供する。任意に、パッケージング構造は、チップ及びパッケージング基板をさらに含み、ただし、チップは、第1パッド501に接続され、パッケージング基板は、第2パッド502に接続される。チップの数は、複数であってもよく、ここでは限定しない。
【0052】
当業者は、上記のいずれの実施例の記述も例示的なものに過ぎず、本開示の範囲(請求項を含む)がこれらの例に限られることを示唆するものではないということを理解できるだろう。本開示の趣旨の下で、上記の実施例又は異なる実施例の技術的特徴を互いに組み合わせることができ、ステップを任意の順番で実施してもよく、上記の本開示の実施例の異なる態様の多くの他の変化が存在してもよく、簡素化のためにそれらは詳細な説明において提供されていない。
【0053】
本開示の実施例は、特許請求の範囲の広い範囲に入るそのような差し替え、補正及び変形の全てを含もうとする。したがって、本開示の実施例の趣旨と原則において、いかなる省略、補正、同等な差し替え、改善などを行っても、それは本開示の請求範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0054】
100 載置板、101 仮ボンディング層、201 有機感光性媒体層、202 ウィンドウ、203 ビアピラー,第1ビアピラー、204 回路層、300 再配線層、301 媒体層,第2有機感光性媒体層,第2感光性媒体層、302 ウィンドウ,第2ウィンドウ、303 ビアピラー,第2ビアピラー、304 第2回路層,回路層、401 第3感光性媒体層、403 第3ビアピラー、404 第3回路層、501 第1パッド、502 第2パッド、503 ソルダマスク層、504 ソルダマスク層