(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】通信装置、通信方法、及び商品管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20250527BHJP
【FI】
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2024509958
(86)(22)【出願日】2023-03-07
(86)【国際出願番号】 JP2023008545
(87)【国際公開番号】W WO2023181909
(87)【国際公開日】2023-09-28
【審査請求日】2024-09-12
(31)【優先権主張番号】P 2022046813
(32)【優先日】2022-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】高木 一行
(72)【発明者】
【氏名】岡田 圭介
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 隆史
【審査官】北村 みのり
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-197870(JP,A)
【文献】特開2010-93612(JP,A)
【文献】特開2020-36157(JP,A)
【文献】国際公開第2021/024851(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/024852(WO,A1)
【文献】特開2016-116019(JP,A)
【文献】特開2013-258024(JP,A)
【文献】特開2015-136044(JP,A)
【文献】特開2015-149526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部と、制御部と、を備える通信装置であって、
前記通信部は、第1信号を送信し、
前記制御部は、
前記第1信号を受信した端末装置から送信された第2信号を前記通信部により受信し、前記第1信号に含まれる
商品情報と前記第2信号に含まれる
商品情報とが一致する場合に、前記通信部による前記第1信号の送信を継続させ、
前記第2信号を受信しない場合、及び前記第2信号を前記通信部により受信したものの前記第2信号に含まれる
商品情報と前記第1信号に含まれる
商品情報とが一致しない場合のいずれかの場合に、前記通信部による前記第1信号の送信を停止させる、
通信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記通信部による前記第1信号の送信を継続させるともに、前記通信部による前記第2信号の受信を停止させる、
請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記通信部による前記第1信号の送信を停止させるとともに、前記通信部による前記第2信号の受信を停止させる、
請求項1記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信装置は、
商品及び前記商品のラベルのいずれかに取り付け可能な通信装置である、
請求項1記載の通信装置。
【請求項5】
前記
商品情報は、
商品識別子である、
請求項1記載の通信装置。
【請求項6】
通信部と制御部とを有する通信装置における通信方法であって、
前記通信部により、第1信号を送信することと、
前記制御部により、
前記第1信号を受信した端末装置から送信された第2信号を前記通信部により受信し、前記第2信号に含まれる
商品情報と、前記第1信号に含まれる
商品情報とが一致する場合に、前記通信部による前記第1信号の送信を継続させること、又は
前記第2信号を受信しない場合、及び前記第2信号を前記通信部により受信したものの前記第2信号に含まれる
商品情報と前記第1信号に含まれる
商品情報とが一致しない場合のいずれかの場合に、前記通信部による前記第1信号の送信を停止させることと、を有する
通信方法。
【請求項7】
通信装置と端末装置とを備える商品管理システムにおいて、
前記通信装置は、第1信号を送信し、
前記通信装置は、
前記第1信号を受信した前記端末装置から送信された第2信号を受信し、前記第2信号に含まれる
商品情報と、前記第1信号に含まれる
商品情報とが一致する場合に、前記第1信号の送信を継続させ、
前記第2信号を受信しない場合、及び前記第2信号を受信したものの前記第2信号に含まれる
商品情報と前記第1信号に含まれる
商品情報とが一致しない場合のいずれかの場合に、前記第1信号の送信を停止させる、
商品管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、通信方法、及び商品管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
基地局がDRX(Discontinuous Reception)パラメータを配下の移動局へ送信することで、配下の全ての移動局に対して非アクティブ状態の期間を長くさせることができ、基地局と移動局とにおいて高い省電力機能を実現した間欠受信制御装置がある(例えば、以下の特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
第1の態様に係る通信装置は、通信部と、制御部と、を備える通信装置である。通信部は、第1信号を送信する。制御部は、第1信号を受信した端末装置から送信された第2信号を通信部により受信し、第1信号に含まれる保持用器具情報と第2信号に含まれる保持用器具情報とが一致する場合に、通信部による第1信号の送信を継続させる。また、制御部は、第2信号を受信しない場合、及び第2信号を通信部により受信したものの第2信号に含まれる保持用器具情報と第1信号に含まれる保持用器具情報とが一致しない場合のいずれかの場合に、通信部による第1信号の送信を停止させる。
【0005】
第2の態様に係る通信方法は、通信部と制御部とを有する通信装置における通信方法である。前記通信方法は、通信部により、第1信号を送信するステップを有する。また、前記通信方法は、制御部により、第1信号を受信した端末装置から送信された第2信号を通信部により受信し、第2信号に含まれる保持用器具情報と、第1信号に含まれる保持用器具情報とが一致する場合に、通信部による第1信号の送信を継続させるステップを有する。又は、前記通信方法は、制御部により、第2信号を受信しない場合、及び第2信号を通信部により受信したものの第2信号に含まれる保持用器具情報と第1信号に含まれる保持用器具情報とが一致しない場合のいずれかの場合に、通信部による第1信号の送信を停止させるステップを有する。
【0006】
第3の態様に係る商品管理システムは、通信装置と端末装置とを備える商品管理システムである。前記商品管理システムにおいて通信装置は、第1信号を送信する。前記商品管理システムにおいて、通信装置は、第1信号を受信した端末装置から送信された第2信号を受信し、第2信号に含まれる保持用器具情報と、第1信号に含まれる保持用器具情報とが一致する場合に、第1信号の送信を継続させる。又は、前記商品管理システムにおいて、通信装置は、第2信号を受信しない場合、及び第2信号を受信したものの第2信号に含まれる保持用器具情報と第1信号に含まれる保持用器具情報とが一致しない場合のいずれかの場合に、第1信号の送信を停止させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る商品管理システムの構成例を表す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る商品管理システムの適用シナリオの一例を表す図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る器具通信装置の構成例を表す図である。
【
図4】
図4(A)は第1実施形態に係る端末装置の構成例、
図4(B)は第1実施形態に係る商品管理装置の構成例をそれぞれ表す図である。
【
図5】
図5は、所定のアプリケーションプログラムがインストールされた端末装置をユーザが所持する場合の動作例を表す図である。
【
図6】
図6は、所定のアプリケーションプログラムがインストールされていない端末装置をユーが所持する場合の動作例を表す図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係るユーザの動作パターンを分類した図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る器具通信装置の動作例を表す図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る器具通信装置の動作例を表す図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る器具通信装置の動作例を表す図である。
【
図11】
図11(A)から
図11(C)は、第1実施形態に係る効果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
しかしながら、上述した間欠受信制御装置では、DRXパラメータによって、移動局における非アクティブ状態の期間を長くすることができたとしても、アクティブ状態へ移行した移動局では、基地局と通信を行うことができない場合もある。移動局は、基地局と通信を行うことができないにもかかわらず、アクティブ状態に移行すると、電力が無駄に消費される場合がある。
【0009】
そこで、一態様は、消費電力を抑制することを目的とする。
【0010】
[第1実施形態]
例えば、以下のような技術がある。すなわち、商品を保持する保持用器具(例えば、ハンガー)に設けられた器具通信装置が、陳列ゾーンから取り出されたことを検知すると、ビーコンを送信する。ユーザ通信装置は、当該ビーコンを受信すると、当該ビーコンから器具識別子を取り出して、当該器具識別子とともにユーザ識別子を商品管理装置へ送信する。そして、商品管理装置では、器具識別子とユーザ識別子とを管理する。
【0011】
しかし、上述した技術では、ユーザ通信装置は、ビーコンに対する処理を行う機能を有していることが前提である。ユーザ通信装置において、当該機能を有していない場合、器具通信装置がビーコンを送信しても、ユーザ通信装置はビーコンを受信することもできない。この場合、器具通信装置は、ビーコン送信による電力消費が無駄になる。
【0012】
そこで、第1実施形態では、通信装置の消費電力を抑制することを目的としている。
【0013】
以下、図面を参照しながら、実施形態について具体的に説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0014】
(商品管理システムの構成例)
図1は、第1実施形態に係る商品管理システム10の構成例を表す図である。
【0015】
商品管理システム10は、複数の保持用器具H(H1,H2,H3,…)と、端末装置200と、商品管理装置300とを有する。各保持用器具H(H1,H2,H3,…)には、器具通信装置100(100-1,100-2,100-3,…)を有する。
【0016】
一実施形態において、保持用器具Hと端末装置200は、店舗S内に存在する。店舗Sはアパレル店舗である。店舗Sは、商品を販売する店舗であればよく、例えば、スーパー、八百屋などであってもよい。なお、保持用器具Hと端末装置200は、陳列ゾーンに存在してもよい。陳列ゾーンは、商品Pを陳列するゾーンであればよく、例えば、陳列ラックが設けられているゾーン、陳列棚、又はショーケースなどであってもよい。陳列ゾーンは、店舗S内において複数存在してもよい。
【0017】
保持用器具Hは、例えば、商品を保持するハンガーである。保持用器具Hは、商品を保持する器具であればどのような器具でもよく、例えば、マネキンなどの商品固定具、トレー等でもよい。保持用器具Hは、商品Pとともに(又は商品Pが掛けられていない状態で)陳列ラックに掛けることが可能である。陳列ラックは、1又は複数の保持用器具Hを保持できる。
【0018】
器具通信装置100は、保持用器具Hに設けられている通信装置である。器具通信装置100は、保持用器具Hの内部に組み込まれてもよい。また、器具通信装置100は、保持用器具Hの表面に取り付けられてもよい。器具通信装置100は、ビーコンを送信するビーコン送信部と、ビーコンを受信するビーコン受信部とを有する。
【0019】
なお、ビーコンとは、例えば、識別子を含む信号である。ビーコンに含まれる識別子は、例えば、器具識別子(又はハンガーID)である。以下においては、ビーコンがブルートゥース(登録商標)の規格に基づくBTビーコンである一例について主に説明する。但し、ビーコンはBTビーコンに限定されるものではなく、BT以外の規格に基づくビーコンを適用してもよい。
【0020】
端末装置200は、ユーザが所持し、ユーザが使用可能な通信装置である。ユーザとは、商品管理システム10を利用する人物をいい、例えば、店舗Sにおいて商品Pを購入し得る顧客である。以下では、ユーザと顧客とを区別しないで用いる場合がある。端末装置200は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末などである。端末装置200は、無線回線を介してネットワークNWに接続可能である。端末装置200は、ネットワークNWを介して、商品管理装置300と通信を行うことが可能である。ただし、端末装置200は、店舗S以外でも、ネットワークNWを介して商品管理装置300と通信が可能である。また、端末装置200は、店舗S内において、器具通信装置100と通信を行うことも可能である。この場合、端末装置200は、器具通信装置100との間でビーコンを送受信することが可能である。
【0021】
商品管理装置300は、商品Pを管理する装置である。商品管理装置300は、有線回線又は無線回線を介してネットワークNWと接続される。商品管理装置300は、ネットワークNWを介して、端末装置200と通信が可能である。商品管理装置300は、一例として、店舗Sの外部に設けられている例について説明するが、店舗Sに設けられてもよい。商品管理装置300は、必ずしも専用の装置又はサーバではなくてもよい。商品管理装置300は、例えば、器具通信装置100の供給業者のサーバ、Eコマース専用のサーバ、又は店舗販売業者のサーバであってもよい。
【0022】
(商品管理システムの適用シナリオの一例)
図2は、第1実施形態に係る商品管理システム10の適用シナリオの一例を表す図である。
【0023】
図2に示すように、端末装置200を所持するユーザUが店舗Sに入店している。店舗Sには、商品P及び保持用器具Hのセットが陳列ラックLに複数配置されている。
【0024】
ユーザUは、陳列ゾーンZにある複数の商品Pのうち興味のある商品Pを選択し、選択した商品P及び対応する保持用器具Hを陳列ラックLから取り外す。ユーザUは、商品Pを確認して、商品Pを購入したり、又は、商品P及び保持用器具Hを元の陳列ラックLに戻したりする。
【0025】
(器具通信装置の構成例)
図3は、第1実施形態に係る器具通信装置100の構成例を表す図である。保持用器具Hに取り付けられた通信装置を「器具通信装置」と称する場合がある。
図3は、通信装置の一例でもある。以下では、通信装置の一例として器具通信装置100を例にして説明する。
【0026】
図3に示すように、器具通信装置100は、ビーコン送信部110と、ビーコン受信部120と、制御部130と、検知部140と、バッテリ150とを有する。
【0027】
ビーコン送信部110は、制御部130による制御の下、ビーコン(例えば、第1信号)を送信する。第1実施形態では、ビーコンには保持用器具情報が含まれる。保持用器具情報は、保持用器具Hに関する情報であって、他の保持用器具情報を識別する情報であればよい。このような保持用器具情報として、器具識別子(又はハンガーID)がある。ビーコン送信部110は、保持用器具Hに関する保持用器具情報を含むビーコンを送信する。
【0028】
ビーコン受信部120は、制御部130による制御の下、ビーコン(例えば、第2信号)を受信する。ビーコン受信部120は、受信したビーコンを制御部130へ出力する。第1実施形態において、ビーコン受信部120が受信するビーコンには、例えば、3種類のビーコンが存在する。
【0029】
第1に、受信したビーコンに、ビーコン送信部110が送信したビーコンに含まれる保持用器具情報と同一の保持用器具情報が含まれる場合である。つまり、受信したビーコンに、自身の保持用器具情報と同一の保持用器具情報が含まれる場合である。これは、端末装置200において、ビーコン送信部110が送信した当該保持用器具情報を含むビーコン(例えば、第1信号)に応答して、当該保持用器具情報を含む新たなビーコン(例えば、第2信号)を送信し、当該ビーコンをビーコン受信部120で受信した場合である。
【0030】
第2に、受信したビーコンに保持用器具情報が含まれるが、ビーコン送信部110が送信した保持用器具情報と一致しない場合である。つまり、受信したビーコンに、自身の保持用器具情報と一致しない保持用器具情報が含まれる場合である。保持用器具H1の器具通信装置100-1におけるビーコン送信部110が送信する保持用器具情報と、保持用器具H2の器具通信装置100-2におけるビーコン送信部110が送信する保持用器具情報とは異なる。例えば、保持用器具H1と近接する保持用器具H2の器具通信装置100-2から送信されたビーコンに応答して端末装置200から送信された新たなビーコンを、保持用器具H1の器具通信装置100-1の当該ビーコン受信部120が受信するケースを考える。この場合、保持用器具H1の当該ビーコン受信部120では、保持用器具H2から送信された保持用器具情報を受信するため、保持用器具H1自身の保持用器具情報とは一致しない。
【0031】
第3に、受信したビーコンに保持用器具情報そのものが含まれない場合である。端末装置200から送信されるビーコンには保持用器具情報が必ずしも含まれない場合もあり得る。
【0032】
なお、ビーコン送信部110とビーコン受信部120は、ビーコン(例えば、第1信号)を送信したり、端末装置200から送信されたビーコン(例えば、第2信号)を受信したりする通信部として機能する。
【0033】
制御部130は、器具通信装置100における各種の機能を制御する。制御部130は、少なくとも1つのメモリ132と、メモリ132と電気的に接続された少なくとも1つのプロセッサ131とを有する。メモリ132は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含み、プロセッサ131における処理に用いる情報と、プロセッサ131により実行されるプログラムとを記憶する。プロセッサ131は、メモリ132に記憶されたプログラムを実行することにより各種の処理を行ってもよい。また、メモリ132は、保持用器具情報を記憶する。例えば、制御部130は、メモリ232に記憶された保持用器具情報を読み出して、当該保持用器具情報を含むビーコンを生成し、当該ビーコンをビーコン送信部110へ出力する。また、例えば、制御部130は、ビーコン受信部120からビーコンを入力し、当該ビーコンから保持用器具情報を抽出する。そして、制御部130は、抽出した保持用器具情報とメモリ132に記憶した保持用器具情報とを比較することで、ビーコン送信部110が送信したビーコンに含まれる保持用器具情報と、ビーコン受信部120で受信したビーコンに含まれる保持用器具情報とが一致するか否かを判定する。なお、以下に示す器具通信装置100における動作又は処理は、制御部130で行われてもよい。
【0034】
検知部140は、保持用器具Hが移動したことを検知し、検知結果を示す信号(又はセンサー情報)を制御部130に出力する。例えば、検知部140は、保持用器具H(ハンガー)が移動したことに応じてオン/オフするスイッチ、及び/又は保持用器具H(ハンガー)が陳列ラックLから移動した際の物理量(例えば、加速度等)の変化を検知するセンサーを含んでもよい。このようなセンサーとして、加速度センサーがある。検知部140は、種々のセンサーからセンサー情報を取得して、検知結果を示す信号として制御部130へ出力してもよい。検知部140がセンサーであってもよい。
【0035】
バッテリ150は、電力を蓄え、器具通信装置100の各部に当該電力を供給する。
【0036】
このように構成された器具通信装置100において、制御部130は、保持用器具Hが移動したことを検知部140が検知したとき、保持用器具情報を含むビーコンを送信するようビーコン送信部110を制御する。これにより、器具通信装置100は、保持用器具Hが移動したことに応じて、保持用器具情報を含むビーコンを送信できる。
【0037】
なお、以下では、ユーザUが商品Pを保持した保持用器具Hを持つことと、ユーザUが保持用器具Hに保持された商品Pを持つことは、同じ意味で用いる場合がある。また、ユーザUが商品Pを持つことと、ユーザUが保持用器具Hに保持された商品Pを持つことも、同じ意味で用いる場合がある。
【0038】
(端末装置の構成例)
図4(A)は、第1実施形態に係る端末装置200の構成例を表す図である。
【0039】
図4(A)に示すように、端末装置200は、ビーコン送受信部210と、無線通信部220と、制御部230と、表示部240とを有する。
【0040】
ビーコン送受信部210は、制御部230による制御の下、器具通信装置100との間でビーコンを送受信する。すなわち、ビーコン送受信部210は、器具通信装置100から送信されたビーコンを受信し、受信したビーコンを制御部130に出力する。また、ビーコン送受信部210は、制御部230から出力されたビーコンを送信する。ビーコン送受信部210が送受信するビーコンは、器具通信装置100が送受信するビーコンと同一規格のビーコンである。
【0041】
なお、端末装置200におけるビーコン送受信部210は、例えば、所定のアプリケーションプログラムを端末装置200においてインストールし、当該所定のアプリケーションプログラムが実行可能な状態となった場合に動作(又は機能)する。所定のアプリケーションプログラムは、ユーザUが店舗S内で様々なサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムであってもよい。また、当該所定のアプリケーションプログラムは、ビーコン送受信部210を動作(又は機能)させるためのアプリケーションプログラムであってもよい。端末装置200では、このような所定のアプリケーションプログラムが実行可能な場合に、ビーコン送受信部210が動作し、器具通信装置100と通信が行われるようにしてもよい。なお、端末装置200は、所定のアプリケーションプログラムを、商品管理装置300からダウンロードしてもよい。また、端末装置200は、商品管理装置300以外の他のサーバからダウンロードしてもよい。
【0042】
無線通信部220は、無線回線を介してネットワークNWに接続可能であり、ネットワークNWを介して商品管理装置300と通信可能である。
【0043】
制御部230は、端末装置200における各種の機能を制御する。制御部230は、少なくとも1つのメモリ232と、メモリ232と電気的に接続された少なくとも1つのプロセッサ231とを有する。メモリ232は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含み、プロセッサ231における処理に用いる情報と、プロセッサ231により実行されるプログラムとを記憶する。メモリ232は、上述した所定のアプリケーションプログラムを記憶してもよい。プロセッサ231は、メモリ232に記憶されたプログラムを実行することにより各種の処理を行ってもよい。メモリ232は、ユーザU又は端末装置200に関するユーザ識別情報を記憶する。ユーザ識別情報は、他のユーザ又は他のユーザ通信装置と識別可能であれば、どのような情報でもよい。ユーザ識別情報は、例えば、ユーザ識別子(又はユーザID)である。例えば、制御部130では以下のような処理が行われる。すなわち、制御部230は、ビーコン送受信部210からビーコンを入力すると、当該ビーコン受信に応答して、当該ビーコンに含まれる保持用器具情報をメモリ232に記憶するとともに、当該保持用器具情報を含む新たなビーコンを生成し、生成したビーコンをビーコン送受信部210へ出力する。また、制御部130は、メモリ232に記憶した保持用器具情報とユーザ識別情報とを読み出して、当該保持用器具情報と当該ユーザ識別情報とを無線通信部220へ出力する。これにより、当該保持用器具情報と当該ユーザ識別情報とが商品管理装置300へ送信される。なお、以下に示す端末装置200の動作又は処理は、制御部230において行われてもよい。
【0044】
表示部240は、制御部230の制御下で各種の情報を表示する。
【0045】
このように構成された端末装置200は、器具通信装置100から送信されたビーコン(例えば、第1信号)を受信すると、当該ビーコンの受信に応答して、新たなビーコン(例えば、第2信号)を生成し、当該ビーコンを送信することができる。端末装置200は、受信したビーコンに含まれる保持用器具情報を新たなビーコンに含めて送信する。また、端末装置200は、受信したビーコンに含まれる保持用器具情報と自身のユーザ識別情報とを商品管理装置300へ送信することができる。
【0046】
(商品管理装置の構成例)
図4(B)は、第1実施形態に係る商品管理装置300の構成例を表す図である。
【0047】
図4(B)に示すように、商品管理装置300は、通信インターフェイス310と制御部320とを有する。
【0048】
通信インターフェイス310は、有線回線又は無線回線を介してネットワークNWと接続される。通信インターフェイス310は、端末装置200から送信された保持用器具情報とユーザ識別情報とを受信する。通信インターフェイス310は、保持用器具情報とユーザ識別情報とを制御部320へ出力する。
【0049】
制御部320は、商品管理装置300における各種の機能を制御する。制御部320は、少なくとも1つのメモリ322と、メモリ322と電気的に接続された少なくとも1つのプロセッサ321とを有する。プロセッサ321は、メモリ322に記憶されたプログラムを実行することにより各種の処理を行ってもよい。制御部320は、保持用器具情報とユーザ識別情報とを紐づけてメモリ322に記憶してもよい。
【0050】
店舗S内においては、様々なユーザUが来店する。例えば、ユーザUには、店舗S内でサービスの提供を受けるための所定のアプリケーションプログラムをインストールした端末装置200を所持するユーザもいれば、当該所定のアプリケーションプログラムをインストールしていない端末装置200を所持するユーザもいる。当該所定のアプリケーションプログラムをインストールしていない端末装置200は、器具通信装置100からビーコンを送信しても、ビーコンを受信することができない場合がある。器具通信装置100にとって、このような端末装置200にビーコンを送信し続けることは、ビーコン送信による消費電力が無駄になる場合がある。
【0051】
そこで、第1実施形態では、器具通信装置100が保持用器具情報を含むビーコンを送信し、端末装置200から受信したビーコンに当該保持用器具情報が含まれる場合、ビーコンの送信を継続する。器具通信装置100では、自身の保持用器具情報と同一の保持用器具情報を受信することで、端末装置200において所定のアプリケーションプログラムがインストールされていると判断できるからである。一方、器具通信装置100は、ビーコンを受信しない場合、ビーコンの送信を停止する。また、器具通信装置100は、ビーコンを受信するものの、当該ビーコンに含まれる保持用器具情報と器具通信装置100が送信したビーコンに含まれる保持用器具情報とが一致しない場合も、ビーコンの送信を停止する。器具通信装置100では、自身の保持用器具情報と同一の保持用器具情報を含むビーコンを受信しない場合、端末装置200において所定のアプリケーションプログラムがインストールされていないと判断できるからである。このような場合、器具通信装置100では、ビーコンの送信を停止させることで、ビーコンの送信を継続させる場合と比較して、消費電力を抑制させることが可能となる。
【0052】
具体的には、第1に、通信装置(例えば、器具通信装置100)の通信部(例えば、ビーコン送信部110)は、第1信号(例えば、ビーコン)を送信する。第2に、通信装置の制御部(例えば、制御部130)は、第1信号を受信した端末装置(例えば、端末装置200)から送信された第2信号(例えば、ビーコン)を受信し、第2信号に含まれる保持用器具情報と、第1信号に含まれる保持用器具情報とが一致する場合に、前記第1信号の送信を継続させる。第3に、制御部は、第2信号を受信しない場合、及び第2信号を受信したものの第2信号に含まれる保持用器具情報と第1信号に含まれる保持用器具情報とが一致しない場合のいずれかの場合に、第1信号の送信を停止させる。
【0053】
これにより、消費電力の抑制を図ることが可能となる。
【0054】
(第1実施形態に係る動作例)
次に、第1実施形態に係る動作例について説明する。
【0055】
第1実施形態に係る動作例は、最初に、
(1)所定のアプリケーションプログラムがインストールされた端末装置200をユーザUが所持する場合の動作例と、
(2)当該所定のアプリケーションプログラムがインストールされていない端末装置200をユーザUが所持する場合の動作例とに分けて説明する。
【0056】
次に、
(3)器具通信装置100における全体動作例について説明する。
【0057】
(1)所定のアプリケーションプログラムがインストールされた端末装置200をユーザUが所持する場合
図5は、所定のアプリケーションプログラムがインストールされた端末装置200をユーザU(又は顧客U)が所持する場合の動作例を表す図である。
【0058】
図5に示すように、ステップS10において、ユーザUが保持用器具H(例えば、ハンガー)を持つ。
【0059】
ステップS11において、器具通信装置100の検知部140が保持用器具Hの移動を検知したことに応じて、器具通信装置100は、ビーコンを送信する。このとき、ステップS12において、器具通信装置100は、ビーコンの受信を開始する。送信するビーコンには、保持用器具情報(例えば、ハンガーID)が含まれる。保持用器具情報は第1通知情報であってもよい。なお、ステップS11とステップS12とは順番は逆でもよい。
【0060】
ステップS13において、器具通信装置100は、端末装置200から送信されたビーコンを受信する。ビーコンには、保持用器具情報が含まれる。保持用器具情報は第2通知情報であってもよい。
【0061】
ステップS14において、器具通信装置100は、ステップS11で送信したビーコンに含まれる保持用器具情報と、ステップS13で受信したビーコンに含まれる保持用器具情報とが一致する場合、ビーコンの送信を継続し、ステップS12で開始したビーコンの受信を停止する。
【0062】
(2)所定のアプリケーションプログラムがインストールされていない端末装置200をユーザUが所持する場合
図6は、所定のアプリケーションプログラムがインストールされていない端末装置200をユーザUが所持する場合の動作例である。
【0063】
図6に示すように、ステップS10からステップS12は、所定のアプリケーションプログラムがインストールされた端末装置200をユーザUが所持する場合の動作例(
図5)と同一である。
【0064】
ステップS15において、器具通信装置100は、ビーコン送信(ステップS11)後、所定時間経過しても、端末装置200からビーコンを受信しない場合、ビーコンの送信及びビーコンの受信を停止する。また、ステップS15において、器具通信装置100は、端末装置200からビーコンを受信しても、当該ビーコンに含まれる保持用器具情報と、ステップS11で送信したビーコンに含まれる保持用器具情報とが同一でない場合、ビーコンの送信及び受信を停止する。
【0065】
(ユーザUの動作パターンによる分類)
図7は、第1実施形態に係るユーザUの動作パターンを分類した図である。
【0066】
図7に示すように、ユーザUの動作パターンとしては、
(A)所定のアプリケーションプログラムをインストールした端末装置200を所持するユーザUが商品Pを1回だけ触る場合、
(B)所定のアプリケーションプログラムをインストールした端末装置200を所持するユーザUが商品Pを持つ場合、
(C)所定のアプリケーションプログラムをインストールしていない端末装置200を所持するユーザUが商品Pを1回だけ触る場合、及び
(D)所定のアプリケーションプログラムをインストールしていない端末装置200を所持するユーザUが商品Pを持つ場合、がある。
【0067】
器具通信装置100では、初回処理として、ビーコンの送信とビーコンの受信とをいずれもONにする。
【0068】
パターン(A)の場合、ユーザUは、商品Pを1回だけ触り、保持用器具H(例えば、ハンガー)を動かさない。そのため、器具通信装置100は、ビーコンの送信及び受信を「OFF」にする。
【0069】
パターン(B)の場合、ユーザUは、商品Pを持っている間、保持用器具Hを動かす。そのため、器具通信装置100は、ビーコンの送信及び受信を「ON」にする。そして、器具通信装置100は、自身が送信した保持用器具情報と同一の保持用器具情報を含むビーコンを受信すると、ビーコンの送信を「ON」のまま継続し、ビーコンの受信を「OFF」にする。
【0070】
パターン(C)の場合、ユーザUは商品Pを1回触っただけであり、保持用器具Hを動かさない。そのため、器具通信装置100は、ビーコンの送信及び受信を「OFF」にする。
【0071】
パターン(D)の場合、ユーザUは、商品Pを持っている間、保持用器具Hを動かす。そのため、器具通信装置100は、ビーコンの送信及び受信を「ON」にする。その後、器具通信装置100は、ビーコンを送信しても、当該ビーコンに含まれる保持用器具情報と同一の保持用器具情報を含むビーコンを受信することがないため、所定時間経過後、ビーコンの送信及び受信を停止する。
【0072】
(3)器具通信装置100における全体動作例
次に、器具通信装置100の全体動作例について説明する。
【0073】
図8と
図9と
図10は、第1実施形態に係る器具通信装置の動作例を表す図である。このうち、
図8は、メインタスクの動作例を表す。また、
図9は、ビーコン受信タスクの動作例を表す。更に、
図10は、タイマー満了タスクの動作例を表す。
【0074】
図9に示すビーコン受信タスクは、ビーコン受信を開始したタイミング(
図5のステップS12)で動作を開始してもよい。また、
図10に示すタイマー満了タスクは、タイマーによるカウント値が所定値(すなわち、タイマー満了)になったタイミングで動作を開始してもよい。
【0075】
図8に示すように、ステップS20において、器具通信装置100はメインタスクを開始する。
【0076】
ステップS21において、器具通信装置100は、センサー情報を取得する。例えば、制御部130は、検知部140から出力されたセンサー情報を取得する。
【0077】
ステップS22において、器具通信装置100は、保持用器具Hに保持された商品Pを触ったか否か、又は保持用器具Hに保持された商品Pを持ったか否かを判定する。例えば、制御部130は、保持用器具Hの移動を検知した検知部140から、商品Pを持ったこと(又は保持用器具Hを移動させたこと)を示すセンサー情報を取得した場合、商品Pを持った(ステップS22でY)と判定する。また、制御部130は、例えば、検知部140からそのようなセンサー情報を取得しなかった場合、商品Pを持っていない(ステップS22でN)と判定する。ステップS22において、ユーザUが商品Pを持ったと器具通信装置100が判定すると(ステップS22でY)、処理はステップS23へ移行する。
【0078】
一方、ユーザUが商品Pを持っていないと器具通信装置100が判定すると(ステップS22でN)、処理はステップS34へ移行する。ここでは、ユーザUが、保持用器具Hに保持された商品Pを持って移動させた(ステップS22でY)として以下説明する。
【0079】
ステップS23において、器具通信装置100は、ハンガー連続動作フラグがONか否かを判定する。ハンガー連続動作フラグは、器具通信装置100が設けられた保持用器具Hの移動が行われたか否かを示すフラグである。例えば、制御部130は、メモリ132に記憶されたハンガー連続動作フラグがONになっているか否かを確認する。ハンガー連続動作フラグがOFFの場合(ステップS23でN)、処理はステップS24へ移行する。一方、ハンガー連続動作フラグがONの場合(ステップS23でY)、処理はステップS30へ移行する。ここでは、器具通信装置100は、ビーコンの送信及び受信をまだ行っていない状態であるとして以下説明する。このような状態の器具通信装置100は、ハンガー連続動作フラグがOFFのままとなっているため(ステップS23でN)、ステップS24以降の処理を行う。
【0080】
ステップS24において、器具通信装置100は、ビーコンの受信を開始する。
【0081】
ステップS25において、器具通信装置100は、ビーコン受信フラグをONにする。例えば、制御部130は、メモリ132に記憶されたビーコン受信フラグをONにする。
【0082】
ステップS26において、器具通信装置100は、タイマーをスタートする。タイマーは制御部130内に設けられてもよい。また、当該タイマーは制御部130の外部に設けられてもよい。
【0083】
ステップS27において、器具通信装置100は、ビーコンを送信する。
【0084】
ステップS28において、器具通信装置100は、ビーコン送信フラグをONにする。例えば、制御部130は、メモリ132に記憶されたビーコン送信フラグをONにする。
【0085】
ステップS29において、器具通信装置100は、ハンガー連続動作フラグをONにする。例えば、制御部130は、メモリ132に記憶されたハンガー連続動作フラグをONにする。
【0086】
器具通信装置100は、ビーコン受信を開始したため(ステップS24)、メインタスク(
図8)とは別に(又はメインタスクと並列に)、
図9に示すビーコン受信タスクを実行する。ここで、ビーコン受信タスクについて説明する。
【0087】
図9に示すように、ステップS40において、器具通信装置100は、ビーコン受信タスクを開始する。
【0088】
ステップS41において、器具通信装置100は、ビーコン受信フラグがONになっている否かを判定する。ビーコン受信フラグがONになっていると器具通信装置100が判定すると(ステップS41でY)、処理はステップS42へ移行する。一方、ビーコン受信フラグがOFFになっていると器具通信装置100が判定すると(ステップS41でN)、器具通信装置100はステップS41を繰り返す。ここでは、メインタスクでビーコン受信フラグをONにしたため(
図8のステップS25)、ビーコン受信フラグがONになっている(ステップS41でY)として以下説明する。
【0089】
ステップS42において、器具通信装置100は、ビーコンを受信したか否かを判定する。ビーコンを受信したと器具通信装置100が判定すると(ステップS42でY)、処理はステップS43へ移行する。一方、ビーコンを受信していないと器具通信装置100が判定すると(ステップS42でN)、処理はステップS41へ移行する。ここでは、器具通信装置100は、ビーコンを受信した(ステップS42でY)として以下説明する。
【0090】
ステップS43において、器具通信装置100は、受信したビーコンに保持用器具情報(例えば、ハンガーID)が含まれているか否かを判定する。受信したビーコンに保持用器具情報が含まれてないと器具通信装置100が判定した場合(ステップS43でY)、処理はステップS44へ移行する。一方、受信したビーコンに保持用器具情報が含まれないと器具通信装置100が判定した場合(ステップS43でN)、処理はステップS41へ移行する。ここでは、器具通信装置100は、受信したビーコンに保持用器具情報が含まれる(ステップS43でY)として以下説明する。
【0091】
ステップS44において、器具通信装置100は、受信したビーコンに含まれる保持用器具情報が自身の保持用器具情報と一致するか否かを判定する。つまり、器具通信装置100は、自身が送信したビーコンに含まれる保持用器具情報(
図8のステップS27)と、受信したビーコンに含まれる保持用器具情報(ステップS42)とが一致するか否かを判定している。受信したビーコンに含まれる保持用器具情報が自身の保持用器具情報と一致する場合(ステップS44でY)、処理はステップS45へ移行する。一方、受信したビーコンに含まれる保持用器具情報が自身の保持用器具情報と一致しない場合(ステップS44でN)、処理はステップS41へ移行する。
【0092】
このように、器具通信装置100は、ビーコンを受信しない場合(ステップS42でN)、ビーコンを受信するまでステップS41とステップS42とを繰り返す。また、器具通信装置100は、ビーコンを受信したけれども保持用器具情報が含まれていない場合(ステップS43でN)、保持用器具情報を含むビーコンを受信するまでステップS41とステップS42とステップS43とを繰り返す。更に、器具通信装置100は、受信したビーコンに含まれる保持用器具情報が自身の保持用器具情報と一致しない場合(ステップS44でN)、一致するまで、ステップS41からステップS44を繰り返す。
【0093】
しかし、器具通信装置100は、ビーコンを送信しても、特定のアプリケーションプログラムをインストールしていない端末装置200は当該ビーコンを受信することができない。或いは、器具通信装置100がビーコンを送信しても、特定のアプリケーションプログラムをインストールしていない端末装置200は当該ビーコンに応答して、新たなビーコンを送信することはない。
【0094】
そのため、器具通信装置100では、ステップS41からステップS44の処理を繰り返し続ける場合がある。そのため、器具通信装置100では、タイマーによるカウント値が所定値になると、器具通信装置100は、
図10に示すタイマー満了タスクを実行する。ここでは、器具通信装置100は、
図9のステップS41からステップS44を繰り返して、タイマーによるカウント値が所定値になった(すなわち、タイマーが満了した)ものとして以下説明する。
【0095】
なお、タイマー満了タスクと、ビーコン受信タスクと、メインタスクとは、それぞれ別々に(又は並列に)処理が行われる。
【0096】
図10に示すように、ステップS50において、器具通信装置100は、タイマー満了タスクの処理を開始する。
【0097】
ステップS51において、器具通信装置100は、ビーコン受信フラグをOFFにする。例えば、制御部130は、メモリ132に記憶されたビーコン受信フラグをON(
図8のステップS25)からOFFにする。
【0098】
ステップS52において、器具通信装置100は、ビーコン送信フラグをOFFにする。例えば、制御部130は、メモリ132に記憶されたビーコン送信フラグをON(
図8のステップS28)からOFFにする。
【0099】
ステップS53において、器具通信装置100は、ビーコンの送信及び受信を停止する。
【0100】
ステップS54において、器具通信装置100は、タイマーをクリアにする。
【0101】
そして、ステップS55において、器具通信装置100は、タイマー満了タスクを終了する。
【0102】
このように、器具通信装置100は、ビーコン受信タスク(
図9)のステップS41からステップS44の処理を繰り返し続けてタイマーが満了した場合、ビーコン受信フラグとビーコン送信フラグとをともにOFFにするとともに(ステップS51とステップS52)、ビーコンの送信及び受信を停止している(ステップS53)。
【0103】
一方、器具通信装置100は、ビーコン受信タスク(
図9)において、受信したビーコンに含まれる保持用器具情報が自身の保持用器具情報と一致する場合(ステップS44でY)、ステップS45において、ビーコン送信フラグをONにする。
【0104】
ステップS46において、器具通信装置100は、ビーコンの受信を停止する。器具通信装置100では、受信したビーコンに含まれる保持用器具情報と自身の保持用器具情報とが一致することを確認できれば、ビーコンを受信する必要もなくなる。そこで、器具通信装置100では、ビーコン受信を停止させる。これにより、器具通信装置100では、ビーコン受信を継続させる場合よりも、消費電力の削減を図ることが可能となる。
【0105】
ステップS47において、器具通信装置100は、ビーコン受信フラグをOFFにする。例えば、制御部130は、メモリ132に記憶されたビーコン受信フラグをON(
図8のステップS25)からOFFにする。
【0106】
ステップS48において、器具通信装置100は、タイマーをクリアする。タイマーがクリアされることで、タイマー満了とならず、タイマー満了タスク(
図10)が実行されないことになる。
【0107】
そして、処理はステップS41へ移行し、上述した処理を繰り返す。
【0108】
このように、器具通信装置100では、受信したビーコンに含まれる保持用器具情報と自身の保持用器具情報とが一致する場合(ステップS44でY)、ビーコン受信を停止させ(ステップS46)、ビーコンの送信を継続させるようにしている。
【0109】
一方、メインタスク(
図8)では、器具通信装置100がハンガー連続動作フラグをONにした(ステップS29)後、ステップS21以降の処理を繰り返す。ここでは、器具通信装置100は、ハンガー連続動作フラグをONにしたため(ステップS29)、ハンガー連続動作フラグがONであると判定した場合(ステップS23でY)以降について説明する。
【0110】
ステップS30において、器具通信装置100は、ビーコン受信フラグがONであるか否かを判定する。
【0111】
器具通信装置100は、タイマー満了前において、ビーコン受信タスク(
図9)のステップS41からステップS44を繰り返している場合(受信したビーコンに含まれる保持用器具情報と自身の保持用器具情報とが一致しない場合など)、ビーコン受信フラグはONのままである(
図8のステップS25)。そのため、このような場合、器具通信装置100は、ステップS30において、ビーコン受信フラグがONであると判定する(ステップS30でY)。
【0112】
一方、ビーコン受信タスク(
図9)のステップS41からステップS44を繰り返して、タイマーが満了した場合、器具通信装置100は、ビーコン受信フラグをOFFにしている(
図10のステップS51)。そのため、このような場合、器具通信装置100は、ステップS30では、ビーコン受信フラグがOFFであると判定する(ステップS30でY)。
【0113】
また、受信したビーコンに含まれる保持用器具情報と自身の保持用器具情報とが一致した場合(
図9のステップS44でY)、器具通信装置100は、ビーコン受信フラグをOFFにしている(
図9のステップS47)。そのため、この場合も、ステップS30では、器具通信装置100は、ビーコン受信フラグがOFFであると判定する(ステップS30でY)。
【0114】
ステップS30において、ビーコン受信フラグがONのとき(ステップS30でY)、処理はステップS31へ移行する。一方、ステップS30において、ビーコン受信フラグがOFFのとき(ステップS30でN)、処理はステップS32へ移行する。
【0115】
ステップS31において、器具通信装置100は、ビーコンを送信する。すなわち、器具通信装置100は、タイマー満了前において、ビーコン受信タスク(
図9)のステップS41からステップS44を繰り返している場合、ビーコンの送信を継続する(ステップS31)。器具通信装置100では、タイマー満了前において、自身の保持用器具情報と一致する保持用器具情報を含むビーコンを受信していないため、ビーコンの送信を継続することで、端末装置200に対してビーコンの送信を促すようにしている。そして、処理は、ステップS21へ移行して、上述した処理を繰り返す。
【0116】
一方、ステップS32において、器具通信装置100は、ビーコン送信フラグがONであるか否かを確認する。
【0117】
器具通信装置100は、受信したビーコンに含まれる保持用器具情報と自身の保持用器具情報とが一致した場合(
図9のステップS44でY)、器具通信装置100は、ビーコン受信フラグをOFFにするとともに(
図9のステップS47、
図8のステップS30でN)、ビーコン送信フラグをONにしている(
図9のステップS45)。従って、このような場合、器具通信装置100は、ステップS32において、ビーコン送信フラグがONと判定する(ステップS32でY)。
【0118】
一方、
図9のステップS41からステップS44を繰り返して、タイマーが満了した場合、器具通信装置100は、ビーコン受信フラグをOFFにし(
図10のステップS51)、更に、ビーコン送信フラグもOFFにしている(ステップS52)。従って、このような場合、器具通信装置100は、ステップS32において、ビーコン送信フラグがOFFと判定する(ステップS32でN)。そして、処理は、ステップS21へ移行して上述した処理を繰り返す。
【0119】
すなわち、ステップS32において、器具通信装置100において自身の保持用器具情報と一致する保持用器具情報を含むビーコンを端末装置200から受信していれば(
図9のステップS44でY)、ステップS31へ移行してビーコン送信を継続する。その後、ユーザUが商品Pを持ち続けたとしても、ステップS32では、ビーコン送信フラグがONと判定される(ステップS32でY)。そのため、器具通信装置100は、ビーコンの送信を継続する(ステップS31)もののビーコンの受信を停止した(
図9のステップS46)まま、メインタスクの処理を繰り返すことになる。
【0120】
一方、器具通信装置100が自身の保持用器具情報と一致する保持用器具情報を含むビーコンを端末装置200から受信することなくタイマーが満了した場合(
図10)、ビーコン送信及び受信を停止(
図10のステップS53)したまま、ステップS32からステップS21へ移行する。その後、ユーザUが商品Pを持ち続けたとしても、ステップS32では、ビーコン送信フラグがOFFと判定される(ステップS32でN)。そのため、器具通信装置100は、ビーコンの送信及び受信を停止(
図10のステップS53)したまま、メインタスクの処理を繰り返すことになる。
【0121】
メインタスク(
図8)において、器具通信装置100は、ユーザUが商品Pを持ったと判定しなかった場合(ステップS22でN)、ステップS34において、ハンガー連続動作フラグをOFFにする。例えば、制御部130は、メモリ132に記憶されたハンガー連続動作フラグをON(ステップS29)からOFFにする。
【0122】
ステップS35において、器具通信装置100は、ビーコン受信フラグをOFFにする。
【0123】
ステップS36において、器具通信装置100は、ビーコン送信フラグをOFFにする。
【0124】
ステップS37において、器具通信装置100は、ビーコンの受信を停止する。
【0125】
ステップS38において、器具通信装置100は、タイマーをクリアする。そして、処理は、ステップS21へ移行し、上述した処理を繰り返す。
【0126】
(第1実施形態の効果)
次に、第1実施形態の効果について説明する。
【0127】
図11(A)から
図11(C)は、第1実施形態に係る効果を説明するための図である。
【0128】
図11(A)は、特定のアプリケーションプログラムをインストールする端末装置200であっても、そうでない端末装置200であっても、器具通信装置100からビーコンの送信を続ける場合の器具通信装置100における消費電力の例を表している。一方、
図11(B)は、第1実施形態に係る器具通信装置100における消費電力の例を表している。
【0129】
図11(B)に示すように、第1実施形態に係る器具通信装置100は、特定のアプリケーションプログラムをインストールしていない端末装置200に対しては、最初に、ビーコンの送信及び受信による消費電力が発生するものの、それ以降は、ビーコンの送信及び受信を停止させる。そのため、器具通信装置100では、ビーコンの送信及び受信による電力消費は発生しない。従って、特定のアプリケーションプログラムをインストールしていない端末装置200に対してもビーコンの送信を続ける
図11(A)の例と比較して、第1実施形態に係る器具通信装置100は、消費電力の抑制を図ることが可能となる。
【0130】
(第1実施形態の変形例)
第1実施形態に係る通信装置は、保持用器具Hの外部に取り付けられる器具通信装置100を例にして説明したが、これに限定されない。
【0131】
例えば、通信装置は、保持用器具の内部に取り付けられる器具通信装置100でもよい。また、例えば、通信装置は、商品Pに取り付け可能な通信装置であってもよい。通信装置は、商品Pのラベルに取り付けられてもよい。また、当該通信装置は商品Pに直接取り付けられてもよい。この場合、通信装置は、保持用器具情報に代えて、商品情報を含むビーコンを送信してもよい。商品情報は、商品Pを他の商品と区別するための情報であって、商品識別子又は商品IDであってもよい。
【0132】
また、例えば、通信装置は、商品Pを梱包する箱又は段ボールに取り付けられてもよい。通信装置は、当該箱又は当該段ボールの表面に取り付けられてもよい。また通信装置は、当該箱又は当該段ボールの内部に取り付けられてもよい。この場合、通信装置は、保持用器具情報に代えて、梱包情報を含むビーコンを送信してもよい。梱包情報は、当該箱又は当該段ボールを他の箱又は段ボールと区別するための情報であって、梱包識別子又は梱包IDであってもよい。
【0133】
[その他の実施形態]
上述した各処理(又は各動作)をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能媒体を用いれば、コンピュータにインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROM、又はDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。このような記録媒体は、器具通信装置100の制御部130、端末装置200の制御部230、及び商品管理装置300の制御部320に含まれてもよい。器具通信装置100の制御部130、端末装置200の制御部230、及び商品管理装置300の制御部320は、記録媒体からプログラムを読み出して、当該プログラムを実行することで、上述した実施形態で説明した機能(又は処理、或いは動作)を実現してもよい。
【0134】
本開示で使用されている「に基づいて(based on)」、「に応じて(depending on)」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」、「のみに応じて」を意味しない。「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」及び「に少なくとも部分的に基づいて」の両方を意味する。同様に、「に応じて」という記載は、「のみに応じて」及び「に少なくとも部分的に応じて」の両方を意味する。また、「含む(include)」、「備える(comprise)」、及びそれらの変形の用語は、列挙する項目のみを含むことを意味せず、列挙する項目のみを含んでもよいし、列挙する項目に加えてさらなる項目を含んでもよいことを意味する。また、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。さらに、本開示で使用されている「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。本開示において、例えば、英語でのa,an,及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
【0135】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。また、上述した実施形態、動作、又は処理は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせることも可能である。
【0136】
本願は、日本国特許出願第2022-046813号(2022年3月23日出願)の優先権を主張し、その内容の全てが本願明細書に組み込まれている。
【0137】
(付記)
上述の実施形態に関する特徴について付記する。
【0138】
(1)
通信部と、制御部と、を備える通信装置であって、
前記通信部は、第1信号を送信し、
前記制御部は、
前記第1信号を受信した端末装置から送信された第2信号を前記通信部により受信し、前記第1信号に含まれる保持用器具情報と前記第2信号に含まれる保持用器具情報とが一致する場合に、前記通信部による前記第1信号の送信を継続させ、
前記第2信号を受信しない場合、及び前記第2信号を前記通信部により受信したものの前記第2信号に含まれる保持用器具情報と前記第1信号に含まれる保持用器具情報とが一致しない場合のいずれかの場合に、前記通信部による前記第1信号の送信を停止させる、
通信装置。
【0139】
(2)
前記制御部は、前記通信部による前記第1信号の送信を継続させるともに、前記通信部による前記第2信号の受信を停止させる、
上記(1)に記載の通信装置。
【0140】
(3)
前記制御部は、前記通信部による前記第1信号の送信を停止させるとともに、前記通信部による前記第2信号の受信を停止させる、
上記(1)又は(2)に記載の通信装置。
【0141】
(4)
前記通信装置は、保持用器具の内部及び外部のいずれかに取り付け可能な通信装置である、
上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の通信装置。
【0142】
(5)
前記保持用器具情報は、器具識別子である、
上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の通信装置。
【0143】
(6)
通信部と制御部とを有する通信装置における通信方法であって、
前記通信部により、第1信号を送信するステップと、
前記制御部により、
前記第1信号を受信した端末装置から送信された第2信号を前記通信部により受信し、前記第2信号に含まれる保持用器具情報と、前記第1信号に含まれる保持用器具情報とが一致する場合に、前記通信部による前記第1信号の送信を継続させるステップ、又は
前記第2信号を受信しない場合、及び前記第2信号を前記通信部により受信したものの前記第2信号に含まれる保持用器具情報と前記第1信号に含まれる保持用器具情報とが一致しない場合のいずれかの場合に、前記通信部による前記第1信号の送信を停止させるステップと、を有する
通信方法。
【0144】
(7)
通信装置と端末装置とを備える商品管理システムにおいて、
前記通信装置は、第1信号を送信し、
前記通信装置は、
前記第1信号を受信した前記端末装置から送信された第2信号を受信し、前記第2信号に含まれる保持用器具情報と、前記第1信号に含まれる保持用器具情報とが一致する場合に、前記第1信号の送信を継続させ、
前記第2信号を受信しない場合、及び前記第2信号を受信したものの前記第2信号に含まれる保持用器具情報と前記第1信号に含まれる保持用器具情報とが一致しない場合のいずれかの場合に、前記第1信号の送信を停止させる、
商品管理システム。
【符号の説明】
【0145】
10 :商品管理システム
100 :器具通信装置
110 :ビーコン送信部
120 :ビーコン受信部
130 :制御部
140 :検知部
150 :バッテリ
200 :端末装置
210 :ビーコン送受信部
220 :無線通信部
230 :制御部
240 :表示部
300 :商品管理装置
H :保持用器具
S :店舗
U :ユーザ