(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-27
(45)【発行日】2025-06-04
(54)【発明の名称】ダイアタッチシステム、フリップチップボンディングシステム、クリップアタッチシステムなどの装置のためのオーブンおよびその関連方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/52 20060101AFI20250528BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20250528BHJP
【FI】
H01L21/52 F
H01L21/60 311T
(21)【出願番号】P 2022577443
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(86)【国際出願番号】 US2021037705
(87)【国際公開番号】W WO2021257748
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2024-06-14
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506395943
【氏名又は名称】クリック アンド ソッファ インダストリーズ、インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ルチンガー、クリストフ、ベンノ
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-148513(JP,A)
【文献】特開2011-245527(JP,A)
【文献】国際公開第2015/097796(WO,A1)
【文献】特開平06-310759(JP,A)
【文献】実開昭62-034430(JP,U)
【文献】特開2010-161207(JP,A)
【文献】実公平06-019546(JP,Y2)
【文献】実開昭63-039937(JP,U)
【文献】特開2005-244228(JP,A)
【文献】米国特許第05632617(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0186019(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピースにおける導電性接合部の形成を支援するオーブンであって、
(i)オーブンプレートおよび(ii)カバーによって少なくとも部分的に画定されたチャンバ
であって、前記オーブンプレートは複数の溝部を画定するものである、前記チャンバと、
導電性接合部の形成処理に関連して前記ワークピースを前記オーブンを通して移動させるマテリアルハンドリングシステムと、
前記チャンバ内の少なくとも1つの真空チャンバと
を有し、
当該オーブンは、前記オーブンプレートに沿った複数の温度ゾーンを含む段階的温度プロファイルを提供するものであ
り、
前記複数の溝部によって前記オーブンプレートに沿った前記複数の温度ゾーンが画定されるものであり、
前記複数の溝部のサブセットは、前記オーブンプレートに沿った前記複数の温度ゾーンの各温度ゾーン間に画定されるものであり、前記サブセットは2つ以上の溝部を含むものである、
オーブン。
【請求項2】
請求項1記載のオーブンにおいて、前記ワークピースは、(i)複数のダイと、(ii)基板と、(iii)前記オーブン内でのはんだリフロー処理によって前記複数のダイの各ダイと前記基板との間に導電結合を提供するように構成された複数の導電性クリップとを含むものである、オーブン。
【請求項3】
請求項1記載のオーブンにおいて、前記ワークピースは、(i)複数のダイと、(ii)前記オーブン内でのはんだリフロー処理によって前記複数のダイの各ダイと導電結合されるように構成された複数の導電性クリップとを含むものである、オーブン。
【請求項4】
請求項1記載のオーブンにおいて、前記ワークピースは、(i)ダイと、(ii)基板と、(iii)前記オーブン内でのはんだリフロー処理によって前記ダイと前記基板との間に導電結合を提供するように構成された少なくとも1つの導電性クリップとを含むものである、オーブン。
【請求項5】
請求項1記載のオーブンにおいて、前記ワークピースは、(i)ダイと、(ii)前記オーブン内でのはんだリフロー処理によって前記ダイと導電結合されるように構成された少なくとも1つの導電性クリップとを含むものである、オーブン。
【請求項6】
請求項1記載のオーブンにおいて、前記ワークピースは、複数のダイと、基板とを含み、前記複数のダイは、前記オーブン内でのはんだリフロー処理によって前記基板に導電結合されるように構成されているものである、オーブン。
【請求項7】
請求項1記載のオーブンにおいて、前記ワークピースは、ダイと、基板とを含み、前記ダイは、前記オーブン内でのはんだリフロー処理によって前記基板に導電結合されるように構成されているものである、オーブン。
【請求項8】
請求項1記載のオーブンにおいて、前記段階的温度プロファイルは、望ましい段階的温度プロファイルを提供するために所与の用途に応じてカスタマイズされるものである、オーブン。
【請求項9】
請求項1記載のオーブンにおいて、当該オーブンは、前記複数の温度ゾーンの各温度ゾーン内において実質的に均一な温度を提供するものである、オーブン。
【請求項10】
請求項
1記載のオーブンにおいて、前記サブセットの少なくとも1つの溝部は能動冷却流体とともに提供されるものである、オーブン。
【請求項11】
請求項
10記載のオーブンにおいて、前記サブセットの別の少なくとも1つの溝部は前記能動冷却流体を含まないものである、オーブン。
【請求項12】
請求項1記載のオーブンにおいて、前記複数の温度ゾーンの各温度ゾーンに対して少なくとも2つの加熱素子が提供されるものであり、前記少なくとも2つの加熱素子は独立して制御可能なものである、オーブン。
【請求項13】
請求項1記載のオーブンにおいて、前記ワークピースに関連して前記オーブンに提供される前記導電性接合部の形成処理は、焼結接合処理およびはんだ接合処理のうちの少なくとも1つを含むものである、オーブン。
【請求項14】
請求項1記載のオーブンにおいて、前記ワークピースに関連して前記オーブンに提供される前記導電性接合部の形成処理は、はんだリフロー接合処理を含むものである、オーブン。
【請求項15】
請求項1記載のオーブンにおいて、前記オーブンプレートは一体の材料片から形成されるものである、オーブン。
【請求項16】
請求項1記載のオーブンにおいて、前記オーブンプレートは複数の材料片から形成されるものである、オーブン。
【請求項17】
ダイアタッチシステムであって、
複数のダイを含むダイ供給源と、
ワークピースを支持する支持構造と、
前記複数のダイのうち少なくとも1つのダイを前記ダイ供給源から前記ワークピースに移送する配置システムと、
前記配置システムによって前記複数のダイのうち前記少なくとも1つのダイが配置された後に前記ワークピースにおける導電性接合部の形成を支援するオーブンであって、
(a)(i)オーブンプレートおよび(ii)カバーによって少なくとも部分的に画定されたチャンバ
であって、前記オーブンプレートは複数の溝部を画定するものである、前記チャンバと、
(b)導電性接合部の形成処理に関連して前記ワークピースを前記オーブンを通して移動させるマテリアルハンドリングシステムと、
(c)前記チャンバ内の少なくとも1つの真空チャンバと
を含み、
当該オーブンは、前記オーブンプレートに沿った複数の温度ゾーンを含む段階的温度プロファイルを提供するものであ
り、
前記複数の溝部によって前記オーブンプレートに沿った前記複数の温度ゾーンが画定されるものであり、
前記複数の溝部のサブセットは、前記オーブンプレートに沿った前記複数の温度ゾーンの各温度ゾーン間に画定されるものであり、前記サブセットは2つ以上の溝部を含むものである、
前記オーブンと
を有する、ダイアタッチシステム。
【請求項18】
フリップチップボンディングシステムであって、
複数のダイを含むダイ供給源と、
ワークピースを支持する支持構造と、
前記複数のダイのうち少なくとも1つのダイを前記ダイ供給源から前記ワークピースに移送するフリップチップ配置システムと、
前記フリップチップ配置システムによって前記複数のダイのうち前記少なくとも1つのダイが配置された後に前記ワークピースにおける導電性接合部の形成を支援するオーブンであって、
(a)(i)オーブンプレートおよび(ii)カバーによって少なくとも部分的に画定されたチャンバ
であって、前記オーブンプレートは複数の溝部を画定するものである、前記チャンバと、
(b)導電性接合部の形成処理に関連して前記ワークピースを前記オーブンを通して移動させるマテリアルハンドリングシステムと、
(c)前記チャンバ内の少なくとも1つの真空チャンバと
を含み、
当該オーブンは、前記オーブンプレートに沿った複数の温度ゾーンを含む段階的温度プロファイルを提供するものであ
り、
前記複数の溝部によって前記オーブンプレートに沿った前記複数の温度ゾーンが画定されるものであり、
前記複数の溝部のサブセットは、前記オーブンプレートに沿った前記複数の温度ゾーンの各温度ゾーン間に画定されるものであり、前記サブセットは2つ以上の溝部を含むものである、
前記オーブンと
を有する、フリップチップボンディングシステム。
【請求項19】
クリップアタッチシステムであって、
複数の導電性クリップを含むクリップ供給源と、
ワークピースを支持する支持構造と、
前記複数の導電性クリップのうち少なくとも1つのクリップを前記ワークピース上に配置するクリップ配置システムと、
前記クリップ配置システムによって前記複数の導電性クリップのうち前記少なくとも1つのクリップが配置された後に前記ワークピースにおける導電性接合部の形成を支援するオーブンであって、
(a)(i)オーブンプレートおよび(ii)カバーによって少なくとも部分的に画定されたチャンバ
であって、前記オーブンプレートは複数の溝部を画定するものである、前記チャンバと、
(b)導電性接合部の形成処理に関連して前記ワークピースを前記オーブンを通して移動させるマテリアルハンドリングシステムと、
(c)前記チャンバ内の少なくとも1つの真空チャンバと
を含み、
当該オーブンは、前記オーブンプレートに沿った複数の温度ゾーンを含む段階的温度プロファイルを提供するものであ
り、
前記複数の溝部によって前記オーブンプレートに沿った前記複数の温度ゾーンが画定されるものであり、
前記複数の溝部のサブセットは、前記オーブンプレートに沿った前記複数の温度ゾーンの各温度ゾーン間に画定されるものであり、前記サブセットは2つ以上の溝部を含むものである、
前記オーブンと
を有する、クリップアタッチシステム。
【請求項20】
請求項
19記載のクリップアタッチシステムにおいて、さらに、
複数のダイを含むダイ供給源と、
前記複数のダイのうち少なくとも1つのダイを前記ダイ供給源から前記ワークピースに移送する配置システムと
を有するものである、クリップアタッチシステム。
【請求項21】
請求項
19記載のクリップアタッチシステムにおいて、さらに、
複数のダイを含むダイ供給源と、
前記複数のダイのうち少なくとも1つのダイを前記ダイ供給源から前記ワークピースに移送するフリップチップ配置システムと
を有するものである、クリップアタッチシステム。
【請求項22】
導電性接合部を形成するためのオーブンを設計する方法であって、
(a)前記オーブンのチャンバ内に提供される段階的温度プロファイルを決定する工程であって、前記チャンバは、(i)前記オーブンのオーブンプレートおよび(ii)前記オーブンのカバーによって少なくとも部分的に画定されるとともに、少なくとも1つの真空チャンバを含むものである、前記決定する工程と、
(b)前記段階的温度プロファイルが前記オーブンプレートに沿った複数の温度ゾーンを含むように、前記オーブンの設計内容を提供する工程
であって、前記工程(b)は、
複数の溝部が画定されるように前記オーブンプレートを設計する工程であって、前記複数の溝部によって前記オーブンプレートに沿った前記複数の温度ゾーンが画定されるものであり、前記複数の溝部のサブセットは、前記オーブンプレートに沿った前記複数の温度ゾーンの各温度ゾーン間に画定されるものである、前記オーブンプレートを設計する工程を含むものである、
前記オーブンの設計内容を提供する工程と
を有する、方法。
【請求項23】
請求項
22記載の方法において、前記オーブンは、前記複数の温度ゾーンの各温度ゾーン内において実質的に均一な温度を提供するように構成されているものである、方法。
【請求項24】
請求項
22記載の方法において、前記工程(b)は、前記複数の溝部のサブセットの少なくとも1つの溝部が能動冷却流体とともに提供されるように前記オーブンプレートを設計する工程を含むものである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月18日付で出願した米国特許仮出願第63/040,576号に対して利益を主張するものであり、その内容がこの参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ダイアタッチシステム、フリップチップボンディングシステム、クリップアタッチシステムなどの装置のためのオーブンおよびその関連方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電子機器組立産業(例えば、ダイアタッチ、フリップチップボンディング、クリップアタッチ等を含む)では、はんだ材料を含む接続が頻繁に使用される。例えば、従来の特定のダイアタッチの用途では、軟質はんだ配線が使用される場合がある。特定のクリップアタッチの用途における別の例では、はんだリフロー配線が使用される場合がある。
【0004】
このようなダイアタッチおよびクリップアタッチの用途では、(例えば、リフローはんだ付けに関連して)配線処理においてオーブンが使用されることがある。
【0005】
このようなオーブンを設計する際には考慮すべき要因が多数ある。例えば特に、ワークピースの処理時間(例えば、1時間当たりの数量)、ワークピースがオーブン内を移動する際の温度制御、(例えば、維持管理、清掃などのための)オーブンの構成要素へのアクセス容易性などの要因がある。
【0006】
したがって、電子機器組立産業において使用される改良されたオーブンとともに、その関連装置および方法を提供することが望ましい。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許出願公開第2017/0203377号明細書
(特許文献2) 特開平08-191059号公報
(特許文献3) 米国特許出願公開第2019/0088516号明細書
(特許文献4) 韓国公開特許第10-2006-0133485号公報
(特許文献5) 米国特許出願公開第2015/0027372号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な1実施形態によれば、ワークピースにおける導電性接合部の形成を支援するオーブンが提供される。前記オーブンは、(a)(i)オーブンプレートおよび(ii)カバーによって少なくとも部分的に画定されたチャンバと、(b)導電性接合部の形成処理に関連して前記ワークピースを前記オーブンを通して移動させるマテリアルハンドリングシステムと、(c)前記チャンバ内の少なくとも1つの真空チャンバとを含む。前記オーブンは、前記オーブンプレートに沿った複数の温度ゾーンを含む段階的温度プロファイルを提供する。
【0008】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、ダイアタッチシステムが提供される。前記ダイアタッチシステムは、複数のダイを含むダイ供給源と、ワークピースを支持する支持構造と、前記複数のダイのうち少なくとも1つのダイを前記ダイ供給源から前記ワークピースに移送する配置システムと、前記配置システムによって前記複数のダイのうち前記少なくとも1つのダイが配置された後に前記ワークピースにおける導電性接合部の形成を支援するオーブンとを含む。前記オーブンは、(a)(i)オーブンプレートおよび(ii)カバーによって少なくとも部分的に画定されたチャンバと、(b)導電性接合部の形成処理に関連して前記ワークピースを前記オーブンを通して移動させるマテリアルハンドリングシステムと、(c)前記チャンバ内の少なくとも1つの真空チャンバとを含む。前記オーブンは、前記オーブンプレートに沿った複数の温度ゾーンを含む段階的温度プロファイルを提供する。
【0009】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、フリップチップボンディングシステムが提供される。前記フリップチップボンディングシステムは、複数のダイを含むダイ供給源と、ワークピースを支持する支持構造と、前記複数のダイのうち少なくとも1つのダイを前記ダイ供給源から前記ワークピースに移送するフリップチップ配置システムと、前記フリップチップ配置システムによって前記複数のダイのうち前記少なくとも1つのダイが配置された後に前記ワークピースにおける導電性接合部の形成を支援するオーブンとを含む。前記オーブンは、(a)(i)オーブンプレートおよび(ii)カバーによって少なくとも部分的に画定されたチャンバと、(b)導電性接合部の形成処理に関連して前記ワークピースを前記オーブンを通して移動させるマテリアルハンドリングシステムと、(c)前記チャンバ内の少なくとも1つの真空チャンバとを含む。前記オーブンは、前記オーブンプレートに沿った複数の温度ゾーンを含む段階的温度プロファイルを提供する。
【0010】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、クリップアタッチシステムが提供される。前記クリップアタッチシステムは、複数の導電性クリップを含むクリップ供給源と、ワークピースを支持する支持構造と、前記複数の導電性クリップのうち少なくとも1つのクリップを前記ワークピース上に配置するクリップ配置システムと、前記クリップ配置システムによって前記複数の導電性クリップのうち前記少なくとも1つのクリップが配置された後に前記ワークピースにおける導電性接合部の形成を支援するオーブンとを含む。前記オーブンは、(a)(i)オーブンプレートおよび(ii)カバーによって少なくとも部分的に画定されたチャンバと、(b)導電性接合部の形成処理に関連して前記ワークピースを前記オーブンを通して移動させるマテリアルハンドリングシステムと、(c)前記チャンバ内の少なくとも1つの真空チャンバとを含む。前記オーブンは、前記オーブンプレートに沿った複数の温度ゾーンを含む段階的温度プロファイルを提供する。
【0011】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、導電性接合部を形成するためのオーブンを設計する方法が提供される。前記方法は、(a)前記オーブンのチャンバ内に提供される段階的温度プロファイルを決定する工程であって、前記チャンバは、(i)前記オーブンのオーブンプレートおよび(ii)前記オーブンのカバーによって少なくとも部分的に画定されるとともに、少なくとも1つの真空チャンバを含むものである、前記決定する工程と、(b)前記段階的温度プロファイルが前記オーブンプレートに沿った複数の温度ゾーンを含むように、前記オーブンの設計内容を提供する工程とを含む。
【0012】
本明細書に記載する任意のオーブンの細部を、上記の導電性接合部を形成するためのオーブンを設計する方法に組み込むことができる。このようなオーブンの非限定的な細部は、前記複数の温度ゾーンの各温度ゾーン内において実質的に均一な温度を提供するように構成されたオーブンと、複数の溝部を画定するように設計されたオーブンプレートであって、前記複数の溝部は前記オーブンプレートに沿った前記複数の温度ゾーンを画定するものである、前記オーブンプレートと、前記複数の溝部のうちの単一の溝部が前記オーブンプレートに沿った前記複数の温度ゾーンの各温度ゾーン間に画定されるように設計されたオーブンプレートと、前記複数の溝部のサブセットが前記オーブンプレートに沿った前記複数の温度ゾーンの各温度ゾーン間に画定されるように設計されたオーブンプレートと、前記複数の溝部のサブセットの少なくとも1つの溝部が能動冷却流体とともに提供されるように設計されたオーブンプレートとを含む。
【0013】
本発明の方法の観点はまた、段階的温度プロファイルのカスタマイズに関する。オーブンの設計においては、例えば特に、溝部の細部、能動冷却流体の細部、加熱器の動作(例えば、個々の加熱ブロックの動作)など多くの可変要素がある。例えば、少なくとも2つの加熱素子(例えば、加熱器、加熱ブロックなど)が複数の温度ゾーンの各温度ゾーンに提供されてもよく、この少なくとも2つの加熱素子は独立して制御可能である。このような可変要素は、段階的温度プロファイルを所与の用途に応じてカスタマイズして望ましい段階的温度プロファイルを提供できるように最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明は、以下の詳細な説明を添付の図面とともに一読することにより最も良く理解される。一般的な慣行に従い、図面の種々の構成要素は原寸に比例したものではない。むしろ、種々の構成要素の寸法は、明確化のため、任意に拡大または縮小されている。本図には以下の図面が含まれる。
【
図1A】
図1Aは、本発明の例示的な1実施形態によるオーブンの上面ブロック図である。
【
図1C】
図1Cは、
図1Aのオーブンの複数の温度帯を含む、例示的な段階的温度プロファイルである。
【
図2A】
図2Aは、本発明の別の例示的な実施形態による別のオーブンの上面ブロック図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明のさらに別の例示的な実施形態によるさらに別のオーブンの上面ブロック図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明のさらに別の例示的な実施形態によるさらに別のオーブンの上面ブロック図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明のさらに別の例示的な実施形態によるさらに別のオーブンの上面ブロック図である。
【
図6A】
図6A~
図6Hは、
図1Aのオーブンの一連の上面および側面ブロック図であり、本発明の例示的な1実施形態による、オーブンの動作方法を示す。
【
図6B】
図6A~
図6Hは、
図1Aのオーブンの一連の上面および側面ブロック図であり、本発明の例示的な1実施形態による、オーブンの動作方法を示す。
【
図6C】
図6A~
図6Hは、
図1Aのオーブンの一連の上面および側面ブロック図であり、本発明の例示的な1実施形態による、オーブンの動作方法を示す。
【
図6D】
図6A~
図6Hは、
図1Aのオーブンの一連の上面および側面ブロック図であり、本発明の例示的な1実施形態による、オーブンの動作方法を示す。
【
図6E】
図6A~
図6Hは、
図1Aのオーブンの一連の上面および側面ブロック図であり、本発明の例示的な1実施形態による、オーブンの動作方法を示す。
【
図6F】
図6A~
図6Hは、
図1Aのオーブンの一連の上面および側面ブロック図であり、本発明の例示的な1実施形態による、オーブンの動作方法を示す。
【
図6G】
図6A~
図6Hは、
図1Aのオーブンの一連の上面および側面ブロック図であり、本発明の例示的な1実施形態による、オーブンの動作方法を示す。
【
図6H】
図6A~
図6Hは、
図1Aのオーブンの一連の上面および側面ブロック図であり、本発明の例示的な1実施形態による、オーブンの動作方法を示す。
【
図7A】
図7A~
図7Dは、
図1Aのオーブンの一連の上面および側面ブロック図であり、本発明の別の例示的な実施形態による、オーブンの別の動作方法を示す。
【
図7B】
図7A~
図7Dは、
図1Aのオーブンの一連の上面および側面ブロック図であり、本発明の別の例示的な実施形態による、オーブンの別の動作方法を示す。
【
図7C】
図7A~
図7Dは、
図1Aのオーブンの一連の上面および側面ブロック図であり、本発明の別の例示的な実施形態による、オーブンの別の動作方法を示す。
【
図7D】
図7A~
図7Dは、
図1Aのオーブンの一連の上面および側面ブロック図であり、本発明の別の例示的な実施形態による、オーブンの別の動作方法を示す。
【
図8】
図8は、本発明の例示的な1実施形態によるダイアタッチシステムのブロック図である。
【
図9】
図9は、本発明の例示的な1実施形態によるフリップチップボンディングシステムのブロック図である。
【
図10】
図10は、本発明の例示的な1実施形態によるクリップアタッチシステムのブロック図である。
【
図11】
図11は、本発明の例示的な1実施形態による別のクリップアタッチシステムのブロック図である。
【
図12】
図12は、本発明の例示的な1実施形態によるさらに別のクリップアタッチシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の観点は、ワークピースに対する導電性接合部の形成処理を支援するオーブンに関する。このようなオーブンは、様々な種類の用途において有用である。例えば、導電性接合部の形成処理は、ダイアタッチシステム、フリップチップボンディングシステム、および(ダイアタッチシステム、フリップチップボンディングシステム等を含む)クリップアタッチシステムに関連する。
【0016】
導電性接合部の形成処理は、例えば、焼結接合処理およびはんだ接合処理(例えば、はんだリフロー接合処理(solder reflow coupling process)など)のうちの少なくとも1つを含む。また、その他の導電性接合部の形成処理も考えられる。
【0017】
このような導電性接合部の形成処理が行われるワークピースは多岐にわたる。例えば、ワークピースは、(i)複数のダイと、(ii)基板と、(iii)オーブン内でのはんだリフロー処理によって複数のダイの各ダイと基板との間に導電結合を提供するように構成された複数の導電性クリップとを含んでもよい。別の例では、ワークピースは、(i)複数のダイと、(ii)オーブン内でのはんだリフロー処理によって複数のダイの各々に導電結合されるように構成された複数の導電性クリップとを含んでもよい。さらに別の例では、ワークピースは、(i)ダイと、(ii)基板と、(iii)オーブン内でのはんだリフロー処理よって前記ダイと前記基板との間に導電結合を提供するように構成された少なくとも1つの導電性クリップとを含んでもよい。さらに別の例では、ワークピースは、(i)ダイと、(ii)オーブン内でのはんだリフロー処理によって前記ダイに導電結合を提供するように構成された少なくとも1つの導電性クリップとを含んでもよい。さらに別の例では、ワークピースは、複数のダイと基板とを含んでもよく、複数のダイは、オーブン内でのはんだリフロー処理によって基板に導電結合されるように構成されている。さらに別の例では、ワークピースは、ダイと基板とを含んでもよく、前記ダイは、オーブン内でのはんだリフロー処理によって基板に導電結合されるように構成されている。その他のタイプのワークピース(および導電接続)も考えられる。
【0018】
本発明の観点は、広範囲の温度プロファイルに対して好適制御を実現することで、はんだリフローの支援の最適化を図るオーブン(および当該オーブンを動作させる方法)に関する。
【0019】
本発明の観点は、真空下ではんだリフロー処理を実施して空洞率を大幅に減少させることではんだ層の完全性を向上させる用途に関連して特に有用である。特定の部分のみに真空下ではんだリフロー処理が行われる場合であっても通常、ワークピース全体が同時に真空下にある。その結果、連続した温度プロファイルに沿った段階的な搬送が中断される可能性がある。リードフレームの全部分がオーブンの残りの部分に沿って同じ温度プロファイルとなるように、プロファイルは「階段」形状を有することが望ましく、段状領域における温度は±5°Cであることが望ましい。また、段状領域は少なくとも1つのリードフレームの幅に等しい長さを有し、かつ段状領域間は急激な移行部を有する必要がある。
【0020】
しかしながら、オーブンプレートの横方向の熱伝導性のため、低熱伝導率を有する鋼鉄を使用する場合であっても、連続したオーブンプレート上でこのようなプロファイルを実現することは困難である。代替設計法の1つとしては、オーブンプレートを筐体として使用し、大部分がオーブンプレートから熱的に隔離された個別加熱ブロックにより各加熱ゾーン(heating zone)を生成する方法がある。この設計法の欠点は、加熱素子が、密閉された電源および熱電対線とともにオーブン内にあることにある。また、多数の空洞を有するオーブンは、(例えば、汚染除去処理のための)洗浄を行うことが困難である。さらに、ガスの消費を抑えて制御されたガス流を提供することが非常に困難である。
【0021】
本発明の例示的な実施形態は、加熱ゾーン間を十分に熱分離することにより、広範囲な温度差を有する加熱ゾーンにわたってすべての温度プロファイル要件(例えば、各加熱ゾーン内において均一的に±5°C)を満たすことを可能とする分離概念に関し、これにより、既知のリフロー温度プロファイルが全面的に支援される。
【0022】
本発明の観点は、真空リフローゾーン/チャンバの実装を可能とすること、ワークピースまたはリードフレーム上およびリードフレームにわたる任意の部分の温度プロファイルに対する制御を向上させること、および/または指標段階数を最小限にすることで(すなわち、ワークピースがオーブンプレートに接触する時間を最大化することで)加熱効率を向上させることにある。
【0023】
本明細書に記載されたオーブン(またはオーブンの特徴)のいずれも、本発明の範囲内で、ダイアタッチシステム、フリップチップボンディングシステム、クリップアタッチシステム、またはその他の装置(例えば、配置装置)に組み込むことができる。本発明によるシステム(例えば、ダイアタッチシステム、フリップチップボンディングシステム、クリップアタッチシステムなど)のいずれも、単一のオーブンに関連して複数の配置システム(ダイピックアンドプレースシステム、フリップチップピックアンドプレースシステム、クリップアタッチシステムなどの同じタイプ複数の配置システム)(ダイピックアンドプレースシステムおよびクリップアタッチシステムなどの異なるタイプの複数の配置システム)を含むことができる。
【0024】
本発明によれば、ダイアタッチと、クリップアタッチ(および/またはフリップチップボンディングおよびクリップアタッチ)とを含む複合システムは、単一の場所または異なる場所に配置されてもよい(例えば、ダイアタッチシステムは、クリップアタッチシステムとは異なる場所に配置されてもよい。)。
【0025】
本発明の特定の例示的な態様によれば、オーブンのオーブンプレートに沿って溝部(またはその他の温度分離機構)が提供される。本発明の特定の実施形態は、オーブンプレートに沿って複数の温度ゾーンを有することに関する。例えば、溝部(またはその他の温度分離機能)の目的は、溝部の一方の側から別の側への(例えば、1の温度ゾーンから別の温度ゾーンへの)熱流を最小化することにある。このような目的は、溝部が提供する熱抵抗を制御する設計選択を行うことで達成することができる。例えば、熱流のための経路が長い(例えば、溝部が長いまたは深い)ほど熱抵抗は増加する。
【0026】
ここで
図1A~1Dを参照して、オーブン100を示す。
図1Aは、オーブン100の上面図であり、簡略化のためにカバー110は取り外されている。
図1Bは、オーブン100の側面図である。オーブン100は、オーブンプレート102と、カバー110とを含む。オーブン100はまた、オーブンプレート102とカバー110によって少なくとも部分的に画定されたチャンバ103を含む。チャンバ103は、オーブン100の一部を包囲することで、例えば、制御環境を提供する。また、オーブン100は、導電性接合部の形成処理に関連して、オーブン100を通してワークピースを移動させるためのマテリアルハンドリングシステム160(例えば、コンベヤーシステム、ウォーキングビーム式運動システム、グリッパ式システムなど)を含む。
【0027】
オーブン100は、オーブンプレート102に沿って複数の温度ゾーン101a、101b、101c、101dなどを含むように構成されている。オーブンプレート102は、複数の溝部104を画定し、複数の溝部104の各々は、隣接する温度ゾーンを分離する。例えば、温度ゾーン101aは、複数の溝部104のうちの1つによって温度ゾーン101bから分離される。
【0028】
複数の加熱ブロック116は、
図1Bに示すように、オーブンプレート102の下方かつ、溝部104の間に配置されている。加熱ブロック116は、加熱ロッド118(すなわち、加熱素子)を使用して加熱され、それぞれの温度ゾーン(例えば、101a、101bなど)の温度を制御する。
図1Bに示す本発明の実施形態では、(互いに、およびオーブン100に含まれる他の加熱ブロック116から独立して制御可能な)2つの加熱ブロック116が、複数の温度ゾーンの各ゾーンの下方に設けられている(但し、真空チャンバ112aおよび112bの温度ゾーンを除く)。
【0029】
オーブン100はまた、チャンバ103内の真空チャンバ112aおよび112bを含む領域106を含む。領域106は、オーブンプレート102に設けられた真空インサート102aを含む。すなわち、オーブンプレート102は、オーブン100の全長に沿って連続的である代わりに、領域106に追加の要素(すなわち、真空インサート102a)が設けられる。このように、真空インサート102aは、ワークピースが領域106内において移動可能な表面を提供する。
【0030】
オーブン100は、真空チャンバ112aと真空チャンバ112bとを含み、双方のチャンバは領域106内にある。真空チャンバ112aは、真空インサート102aの一部分を覆うカバー108aを含む。真空チャンバ112bは、真空インサート102aの別の部分を覆うカバー108bを含む。領域106は、(オーブン100の残りの部分に含まれる加熱ブロック116とは異なり)加熱ブロック116aおよび116bを含む。具体的には、加熱ブロック116aは、真空チャンバ112aを加熱するために設けられ、加熱ブロック116bは、真空チャンバ112bを加熱するために設けられている。加熱ブロック116a、116bは、互いに独立して制御されてもよく、また、オーブン100に含まれる他の加熱ブロック116から独立して制御されてもよい。
【0031】
本発明の特定の例示的な実施形態によれば、1若しくはそれ以上の真空チャンバがオーブンプレートに沿って提供されてもよい(例えば、
図1A~1D、2A~2C、3A~3C、4A~4C、および5A~5Cに関連して説明した種々の真空チャンバを参照)。このような真空チャンバ(真空チャンバ112a、112bなど)は、真空下でのはんだリフローを可能にし、空洞率を大幅に減少させることではんだ層の完全性を向上させる。リフロー処理は、真空下において特定の部分(例えば、本明細書に記載された様々な真空チャンバ内)のみで行われるが、ワークピース全体が同時に真空下に置かれることが望ましい。
【0032】
本発明の特定の例示的な実施形態によれば、オーブン100は、複数の温度ゾーン(例えば、温度ゾーン101a、101b、101c、101dなど)を含む段階的温度プロファイルをオーブンプレート102に沿って提供することができる。このような段階的温度プロファイルは、オーブンプレート102に溝104部を含めるとともに、加熱器116(および加熱器116a、116b)を制御することによって提供することができる。
【0033】
オーブン100はまた、入口冷却ブロック114aと、出口冷却ブロック114bとを含み、(複数の温度ゾーン101a、101b、101c、101dなどを)がそれらの間に提供される。
図1Cは、(複数の温度ゾーンの各々で制御された温度を有し、「段階的」構成における各段階で実質的に一定の温度を有する)例示的な段階的温度プロファイルを示す。本発明による段階的温度プロファイルは、所望の段階的温度プロファイルを提供するために所与の用途に応じてカスタマイズすることができる。すなわち、所与の用途(例えば、特定のはんだリフロー用途)では、ワークピースがオーブン内を移動する間に、特定の温度が特定の期間にわたって望ましい場合がある。段階的温度プロファイルのカスタマイズは、例えば、加熱器116の熱出力を制御すること、所定の用途によって必要とされる、特に溝部104の細部(例えば、溝部の配置、溝部の数、溝部の幅、1若しくはそれ以上の溝部内に提供される冷却流体の細部など)を調整することによって実現可能である。
図1Dは、溝部104の側断面図である。溝部104は、
図1Dに示すように、幅W
1と、高さh
1と、下方壁の厚さth
1とを有する。
【0034】
ここで
図2A~2Cを参照すると、オーブン200が示され、当該オーブンは、単一の真空チャンバ212a、および異なる溝部の構成を有することを除いては、オーブン100と類似する(ここで、類似要素は同じ参照番号、または「1」の代わりに「2」で始まる番号を有する)。オーブン200は、(
図1Bに示されるカバー110と同様の)カバーを含むが、簡略化のため図面から省略されている。
図2Aにおいて溝構造204が付記され(また
図2Cの断面図において詳細に示されて)おり、溝構造204は、溝部のサブセット(例えば、204a、204b、および204c)を含む。この溝部のサブセット204a、204b、204cは、複数の温度ゾーン201a、201b、201c、201dなどの間で段階的温度プロファイルを提供するために用いられる(「段階的」構成において、複数の温度ゾーンの各々で制御された温度を有する)。溝部204aは、幅W
2aと、高さh
2とを有し、溝部204bは、幅W
2b、と高さh
2とを有し、溝部204cは、幅W
2cと、高さh
2とを有する。溝部204a、204b、204cは、厚さth
2aを有する上壁部と、厚さth
2bを有する下壁部と、厚さth
2cを有する側壁部とを含む壁部によって画定される。
【0035】
ここで
図3A~3Cを参照すると、オーブン300が示され、当該オーブンは、異なる溝部の構成、および(オーブン100と比較して)単一の真空チャンバ312aを有することを除いては、オーブン100またはオーブン200と類似する(ここで、類似要素は同じ参照番号、または「2」若しくは「1」の代わりに「3」で始まる番号を有する)。オーブン300は、(
図1Bに示されるカバー110と同様の)カバーを含むが、簡略化のため図面から省略されている。
図3Aにおいて溝構造304が付記され(また
図3Cの断面図において詳細に示されて)おり、溝構造304は、溝部のサブセット(例えば、304a、304b、304c、304dおよび304e)を含む。この溝部のサブセット304a、304b、304c、304d、304eは、複数の温度ゾーン301a、301b、301c、301dなどの間で段階的温度プロファイルを提供するために用いられる(「段階的」構成において、複数の温度ゾーンの各々で制御された温度を有する)。溝部304aは、幅W
3aと、高さh
3とを有し、溝部304bは、幅W
3b、と高さh
3とを有し、溝部304c、304d、および304eは、同様の寸法に設定されている。溝部304a、304b、304c、304dおよび304eは、厚さth
3aを有する上壁部と、厚さth
3bを有する下壁部と、厚さth
3cまたはth
3dを有する側壁部とを含む壁部によって画定される。
【0036】
ここで
図4A~4Cを参照すると、オーブン400が示され、当該オーブンは、能動冷却流体(active cooling fluid)を含む異なる溝部の構成(溝構造404を参照)、および(オーブン100と比較して)単一の真空チャンバ412aを有することを除いては、オーブン100、200または300と類似する(ここで、類似要素は同じ参照番号、または「3」、「2」若しくは「1」の代わりに「4」で始まる番号を有する)。オーブン400は、(
図1Bに示されるカバー110と同様の)カバーを含むが、簡略化のため図面から省略されている。
図4Aにおいて溝構造404が付記され(また
図4Cの断面図において詳細に示されて)おり、溝構造404は、溝部のサブセット(例えば、404a、404b、および404c)を含む。この溝部のサブセット404a、404b、および404cは、複数の温度ゾーン401a、401b、401c、401dなどの間で段階的温度プロファイルを提供するために用いられる(「段階的」構成において、複数の温度ゾーンの各々で制御された温度を有する)。溝部404aは、幅W
4aと、高さh
4とを有し、溝部404bは、幅W
4b、と高さh
4とを有し、溝部404cは、幅W
4cと、高さh
4とを有する。溝部404a、404b、および404cは、厚さth
4aを有する上壁部と、厚さth
4bを有する下壁部と、厚さth
4cまたはth
4dを有する側壁部とを含む壁部によって画定される。構造体490によって閉鎖された溝部404aは、当該溝部内に提供される能動冷却流体480とともに示されている。能動冷却流体480(例えば、強制空気、水、またはその他の冷却流体)は、段階的温度プロファイルを提供する際に使用され、溝部404aに選択的(または常時)提供される。
【0037】
ここで
図5A~5Cを参照すると、オーブン500が示され、当該オーブンは、中央溝部504cに能動冷却流体を含む異なる溝部の構成(溝構造504を参照)、および(オーブン100と比較して)単一の真空チャンバ512aを有することを除いては、オーブン100、200、300、400と実質的に類似する(ここで、類似要素は同じ参照番号、または「4」、「3」、「2」若しくは「1」の代わりに「5」で始まる番号を有する)。オーブン500は、(
図1Bに示されるカバー110と同様の)カバーを含むが、簡略化のため図面から省略されている。
図5Aにおいて溝構造504が付記され(また
図5Cの断面図において詳細に示されて)おり、溝構造504は、溝部のサブセット(例えば、504a、504b、504c、504d、および504e)を含む。この溝部のサブセット504a、504b、504c、504d、および504eは、複数の温度ゾーン501a、501b、501c、501dなどの間で段階的温度プロファイルを提供するために用いられる(「段階的」構成において、複数の温度ゾーンの各々で制御された温度を有する)。溝部504aは、幅W
5aと、高さh
5とを有し、溝部504bは、幅W
5b、と高さh
5とを有し、溝部504cは、幅W
5cと、高さh
5とを有し、溝部504dおよび504eは、同様の寸法に設定されている。溝部504a、504b、504c、504d、および504eは、厚さth
5aを有する上壁部と、厚さth
5bを有する下壁部と、厚さth
5cまたはth
5dを有する側壁部とを含む壁部によって画定される。構造体590によって閉鎖された溝部504cは、当該溝部内に提供される能動冷却流体580とともに示されている。能動冷却流体580(例えば、強制空気、水、またはその他の冷却流体)は、段階的温度プロファイルを提供する際に使用され、溝部504cに選択的(または常時)提供される。
【0038】
図6A~6Hは、(
図1A~1Dに関連して上記で説明した)オーブン100内での導電性接合部の形成処理に関連して処理される複数のワークピース650を示す。当業者によって理解されるように、
図6A~6Hに関連して本明細書に提供される詳細は、例えば、
図2A~2Cに示すオーブン200、
図3A~3Cに示すオーブン300、
図4A~4Cに示すオーブン400、
図5A~5Cに示すオーブン500、および本発明の範囲内の任意の他のオーブンなど、他のオーブンに適用することができる。
図6A~6Bは、入口冷却ブロック114a上の初期位置にある、幅Wおよび長さLを有する第1のワークピース650を示す。
図6C~6Dは、オーブンプレート102に沿って(例えば、マテリアルハンドリングシステム160によって)温度ゾーン101aに移動された第1のワークピース650、および初期位置ある第2のワークピース650を示す。
図6E~6Fは、複数のワークピース650がオーブン100内に移動されたことを示し、第1のワークピース650はオーブンプレート102に沿って移動され、真空チャンバ112a内に移動される前の状態にある。
図6G~6Hは複数のワークピース650を示し、第1のワークピース650はオーブンプレート102(および真空インサート102a)に沿って真空チャンバ112b内の位置まで移動され、第2のワークピース650は真空チャンバ112a内の位置まで移動された状態にある。
【0039】
図7A~7Dは、(
図1A~1Dに関連して上記で説明した)オーブン100内での導電性接合部の形成処理に関連して処理される複数のワークピース750を示す。当業者によって理解されるように、
図7A~7Dに関連して本明細書に提供される詳細は、例えば、
図2A~2Cに示すオーブン200、
図3A~3Cに示すオーブン300、
図4A~4Cに示すオーブン400、
図5A~5Cに示すオーブン500、および本発明の範囲内の任意の他のオーブンなど、他のオーブンに適用することができる。
図7A~7Bは、ワークピース750の第1および第2のグループ(すなわち、1グループは3つのワークピースを含む)を示し、各ワークピースは、それぞれ幅W'および長さL'を有する。
図7A~7Bは、入口冷却ブロック114a上の初期位置にあるワークピース750の第2のグループ、およびオーブンプレート102に沿って(例えば、マテリアルハンドリングシステム160によって)温度ゾーン101aに移動されたワークピース750の第1のグループを示す。
図7C~7Dは、ワークピース750の複数のグループがオーブン100内に移動されたことを示し、ワークピースの第1のグループはオーブンプレート102(および真空インサート102a)に沿って真空チャンバ112b内の位置まで移動され、ワークピースの第2のグループは真空チャンバ112a内の位置まで移動された状態にある。
【0040】
上記のように、
図1A~1D、
図2A~2C、
図3A~3C、
図4A~4C、
図5A~5C、
図6A~6H、および
図7A~7Dは、本発明の範囲内の様々なオーブンに関連して記載されている。このようなオーブン(例えば、オーブン100、オーブン200、オーブン300、オーブン400、オーブン500、および本発明の範囲内の任意の他のオーブン)は、様々なタイプの機械またはシステムに関連して使用することができる。そのような機械/システムの例には、特に、ダイアタッチシステム、フリップチップボンディングシステム、クリップアタッチシステム、その組み合わせを含む。
図8~
図12は、ワークピース投入処理装置824、オーブン800、ワークピース出力処理装置834を示す。これらの例示的な要素は、
図8~12の各々において同様の要素である。例えば、オーブン800は、(
図1A~1Dの)オーブン100、(
図2A~2Cの)オーブン200、(
図3A~3Cの)オーブン300、(
図4A~4Cの)オーブン400、(
図5A~5Cの)オーブン500、および本発明の範囲内の任意の他のオーブンであってもよい。
【0041】
ここで
図8を参照すると、ダイアタッチシステム801が示されている。ダイアタッチシステム801は、ワークピース投入処理装置824と、ダイボンダ820と、オーブン800、およびワークピース出力処理装置834とを含む。ダイボンダ820は、複数のダイ832を含むダイ供給源(die source)830と、ワークピース850を支持する支持構造822(マテリアルハンドリングシステムを含む)と、ワークピース850上にアタッチ材料836を分配する分配装置826と、複数のダイ832のうちの少なくとも1つをダイ供給源830からワークピース850に移送するための配置システム828とを含む。さらに、ダイアタッチシステム801は、ワークピース850を提供するワークピース投入処理装置824を含む。支持構造822のマテリアルハンドリングシステム(基板搬送または処理装置とも言及される)は、ダイボンダ820を介してワークピース850を搬送する。分配装置826は、ワークピース850上にアタッチ材料836を提供する。ダイ配置システム828は、ダイ供給源830からワークピース850のアタッチ材料836が配置されている領域にダイ832を搬送する。支持構造822のマテリアルハンドリングシステムは、ワークピース850をオーブン800に搬送する。ワークピース850は、オーブンチャンバ803内を通って搬送される。完成したワークピース850は、ワークピース出力処理装置834によってオーブン800から取り出される。
【0042】
ここで
図9を参照すると、フリップチップボンディングシステム901が示されている。フリップチップボンディングシステム901は、
図8のダイアタッチシステム801といくつかの点で類似している(同様の要素は同じ参照番号を有する)。しかしながら、フリップチップボンディングシステム901は、(
図8に示すダイボンダ820とは異なり)フリップチップボンダ920を含む。図示するように、フリップチップボンダ920は、(複数のダイ932を含む)ダイ供給源930と、(はんだ材料などの材料936をワークピース850上に分配する)分配装置926と、フリップチップ配置システム928と、反転装置(flipper)938とを含む。反転装置938は、ダイ932上の導電性構造をワークピース850上の導電性構造に接合するために、ダイ932(または別の半導体素子)を反転して位置決めするために使用される。
【0043】
ここで
図10を参照すると、クリップアタッチシステム1001が示されている。クリップアタッチシステム1001は、
図8のダイアタッチシステム801といくつかの点で類似している(同様の要素には同じ参照番号を有するか、若しくは「8」の代わりに「10」で始まる番号を有する)。しかしながら、クリップアタッチシステム1001は、(
図8に示すダイボンダ820とは異なり)クリップボンダ1040を含む。クリップボンダ1040は、(はんだ材料などの材料936をワークピース850上に分配する)分配装置1026と、クリップ配置システム1042と、(例えば、リールおよびスタンピングユニット、ボウルフィーダーなどの)クリップ投入・供給装置1044とを含む。支持構造1022のマテリアルハンドリングシステム(基板搬送または処理装置とも言及される)は、クリップボンダ1040を介してワークピース850を搬送する。分配装置1026は、ワークピース850上に材料1036を提供する。クリップ配置システム1042は、クリップ投入・供給装置1044からワークピース850の材料1036が配置されている領域にクリップ1052を搬送する。支持構造1022のマテリアルハンドリングシステムは、ワークピース850をオーブン800に搬送する。ワークピース850は、オーブンチャンバ803内を通って搬送されてボンディングされる。完成したワークピース850は、基板出力処理装置834によってオーブン800から取り出される。
【0044】
ここで
図11を参照すると、クリップアタッチシステム1101が示されている。クリップアタッチシステム1101は、
図10に関連して説明したクリップアタッチシステム1001と実質的に類似している。しかしながら、クリップアタッチシステム1101は、
図8に関連して先に説明したダイボンダ820も含む。
図11は、(主にダイボンダ820による)ダイアタッチ処理、(主にクリップボンダ1040による)クリップアタッチ処理、および(オーブン800によって提供される)導電性構造の形成処理が行われる際の異なる位置に配置された複数のワークピース850を示す。ダイボンダ820の左側の第1の位置では、ワークピース850において、分配装置826によってその上面の2個所にアタッチ材料836が配置されたワークピース850が示されている。ダイボンダ820の右側の第2の位置では、ワークピース850上の4つの異なる位置にアタッチ材料836が配置され、かつダイ配置システム828(ダイ832はダイ供給源830から得られる)によりワークピース850上の(アタッチ材料836上の)2個所に2つのダイ832が配置されたワークピース850が示されている。クリップボンダ1040の左側の第3の位置では、ワークピース850において、その上面の4個所にアタッチ材料836が配置されたワークピース850が示されており、また4つのダイ832がワークピース850上に配置されている。第3の位置では、ワークピース850は、材料1036が分配装置1026によって2個所に配置された状態で示されている。クリップボンダ1040の右側の第4の位置では、ワークピース850において、その上面の4個所にアタッチ材料836が配置されたワークピース850が示されており、また4つのダイ832がワークピース850上に配置されるとともに、材料1036がワークピース850上の4個所に配置され、(クリップ投入・供給装置1044から供給された)2つのクリップ1052がクリップ配置システム1042によってワークピース850上の材料1036の2個所に配置されている。第5の位置では、ワークピース850が、導電性構造接合部の形成処理のためにオーブン800に導入される前の状態を示す。第6の位置では、ワークピース850が、導電性構造接合部の形成処理のためにオーブンチャンバ803内にある状態を示す。
【0045】
ここで
図12を参照すると、クリップアタッチシステム1201が示されている。クリップアタッチシステム1201は、
図10に関連して説明したクリップアタッチシステム1001と実質的に類似している。しかしながら、クリップアタッチシステム1201は、
図9に関連して先に説明したフリップチップボンダ920も含む。
図12は、(主にフリップチップボンダ920による)フリップチップボンディング処理、(主にクリップボンダ1040による)クリップアタッチ処理、および(オーブン800によって提供される)導電性構造の形成処理が行われる際の異なる位置に配置された複数のワークピース850を示す。フリップチップボンダ920の左側の第1の位置では、ワークピース850において、分配装置926によってその上面の2個所に材料936が配置されたワークピース850が示されている。フリップチップボンダ920の右側の第2の位置では、ワークピース850上の4つの異なる位置に材料936が配置され、かつフリップチップ配置システム928(ダイ932はダイ供給源930から得られる)によりワークピース850上の(材料936上の)2個所に2つのダイ832が配置されたワークピース850が示されている。クリップボンダ1040の左側の第3の位置では、ワークピース850において、その上面の4個所に材料936が配置されたワークピース850が示されており、また4つのダイ932がワークピース850上に配置されている。第3の位置では、ワークピース850は、材料1036が分配装置1026によって2個所に配置された状態で示されている。クリップボンダ1040の右側の第4の位置では、ワークピース850において、その上面の4個所に材料1036が配置されたワークピース850が示されており、また4つのダイ932がワークピース850上に配置されるとともに、材料1036がワークピース850上の4個所に配置され、(クリップ投入・供給装置1044から供給された)2つのクリップ1052がクリップ配置システム1042によってワークピース850上の材料1036の2個所に配置されている。第5の位置では、ワークピース850が、導電性構造接合部の形成処理のためにオーブン800に導入される前の状態を示す。第6の位置では、ワークピース850が、導電性構造接合部の形成処理のためにオーブンチャンバ803内にある状態を示す。
【0046】
図12は、
図8および
図11に示すダイボンダ820などのダイボンダを含まないが、このようなダイボンダは、クリップアタッチシステム1201(例えば、フリップチップボンダ920の上流または下流)に統合可能であると理解される。このように、ダイボンダ、フリップチップボンダ、およびクリップボンダの任意の組み合わせを、本発明の範囲内で単一のクリップアタッチシステム(またはその他のシステム)に統合することができる。具体的には、複数のタイプのダイを単一のワークピースに統合することができる。したがって、クリップアタッチシステム(またはダイアタッチシステム、またはフリップチップボンディングシステム、または本発明の範囲内のその他のシステム)は、所与の用途において好適な、様々なタイプの複数のボンダを含んでもよい。
【0047】
本明細書に記載した本発明の態様は、一体の材料片から形成されたオーブンプレートを含むオーブンに関するものであるが、これに限定されるものではない。本明細書に記載した様々なオーブンプレートは、一体の材料片から形成されてもよいし、複数の材料片から形成されてもよい。例えば、オーブンプレートが複数の材料片から形成される場合、複数の材料片の各々は、空隙によって複数の材料片のうち隣接する材料片から分離されてもよい。別の例では、オーブンプレートが複数の材料片から形成されている場合、複数の材料片の各々の間に低熱伝導性材料が設けられてもよい。
【0048】
本明細書に記載した本発明の態様は、特定の溝部の構成(例えば、単一の溝または複数の溝部を有する構成)(例えば、特定の幅、高さ、壁厚などを有する溝部)(例えば、能動冷却を有する溝部および能動冷却を有さない溝部)に関するものであるが、かかる構成は本質的に例示的であり、本発明はこれに限定されるものではない。このような溝部の任意の細部については、本発明の範囲内で変更することができる。例えば、オーブンプレートは、当該オーブンプレートの長さに沿って適宜選択的に配置された、複数の単一の溝部(例えば、
図1A~1Dに関連して説明した溝部104など)からなるいくつかの溝構造、および複数の溝部を有するその他の溝構造(例えば、
図4A~4Cに関連して説明した溝構造404などの溝部のサブセット)を有することができる。別の例では、溝構造の幅、高さ、および壁厚は異なってもよい。すなわち、、単一の溝構造において、各溝の幅、高さ、および壁厚は互いに異なってもよい。さらに別の例では、能動冷却を伴う(および能動冷却を伴わない)溝部を、(複数の溝部を有する)単一の溝構造内に適宜配置してもよく、および/またはオーブンプレートの長さに沿って適宜配置することもできる。このように、本明細書に示す溝部(および溝構造)の細部は、本質的に例示的なものであることは明らかである。
【0049】
特定の詳細な例では、本発明の範囲内のオーブンプレート(および本明細書に記載の任意のオーブンに適用可能なオーブンプレート)は、オーブンプレートの各端部に複数の溝部を有する溝構造(溝構造404もしくは504、または複数の溝部を有する任意の他の溝構造など)、およびオーブンプレートの長さに沿った単一の溝部(
図1A~1Dと関連して説明した溝部104など)(但し、この場合、オーブンプレートの各端部に複数の溝部を有する溝構造が配置される)を含むことができる。
【0050】
本発明を本明細書において特定の実施形態と関連して図示および説明したが、本発明は示された詳細に限定されることを意図するものではない。むしろ、特許請求の範囲および均等物の範囲内で、本発明から逸脱することなく、詳細において種々の変更が可能である。