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特許7688766情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-27
(45)【発行日】2025-06-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20250528BHJP
【FI】
G06F16/90 100
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2024119443
(22)【出願日】2024-07-25
【審査請求日】2024-10-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 知彦
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第118152551(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第117726346(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第117421397(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113688216(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110008320(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06N 3/00-99/00
G06F 3/00- 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置が表示する表示画像をキャプチャしたキャプチャ画像を取得する第1取得部と、
前記第1取得部が取得した前記キャプチャ画像に基づいて当該キャプチャ画像の表示内容を説明する画像説明文を生成する生成部と、
前記生成部が生成した前記画像説明文の中から、前記表示装置又は前記表示装置に前記表示画像を表示させる表示制御装置に関する説明文である部分説明文を取得し、ユーザからの前記表示装置の状況に関する説明情報の入力に対し前記説明情報に対する回答を出力する機械学習モデルに対し、前記生成部が生成した画像説明文から取得した当該部分説明文をユーザからの説明情報として入力し、前記機械学習モデルから、当該部分説明文に対応する回答を取得する第2取得部と、
前記第2取得部が取得した前記回答を出力する出力部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記第2取得部は、前記説明情報の入力に対し、前記回答として前記説明情報に対応する前記ユーザからの問い合わせの候補を一以上出力する前記機械学習モデルに対し、前記部分説明文を入力し、前記機械学習モデルから、当該部分説明文に対応する一以上の前記問い合わせの候補を取得し、
前記出力部は、前記第2取得部が取得した前記一以上の前記問い合わせの候補を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2取得部は、前記説明情報の入力に対し、前記回答として前記説明情報に対応する前記ユーザからの一以上の問い合わせの候補と、当該一以上の問い合わせの候補それぞれに対応する当該問い合わせに対する回答である問合せ回答とを出力する機械学習モデルに対し、前記部分説明文を入力し、前記機械学習モデルから、当該部分説明文に対応する一以上の前記問い合わせと、当該一以上の問い合わせそれぞれに対応する問い合わせ回答とを取得する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1取得部は、前記表示装置のユーザの、前記表示装置に前記表示画像を表示させるための契約情報を取得し、
前記第2取得部は、ユーザからの前記説明情報と当該ユーザに対応する前記契約情報との入力に対し前記回答を出力する機械学習モデルに対し、前記部分説明文と前記第1取得部が取得した前記契約情報とを入力し、前記機械学習モデルから、当該部分説明文に対応する回答を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1取得部は、前記ユーザの前記表示装置又は前記表示装置に前記表示画像を表示させる表示制御装置の使用に係る前記契約情報を取得する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1取得部は、前記表示装置又は前記表示装置に前記表示画像を表示させる表示制御装置を識別するための装置識別情報を取得し、
前記第2取得部は、ユーザからの前記説明情報と当該ユーザに対応する前記装置識別情報との入力に対し前記回答を出力する機械学習モデルに対し、前記部分説明文と前記第1取得部が取得した前記装置識別情報とを入力し、前記機械学習モデルから、当該部分説明文に対応する回答を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1取得部は、前記表示装置における前記表示画像が表示されるまでの操作ログ、又は、前記表示装置に前記表示画像を表示させる表示制御装置における、前記表示装置に前記表示画像が表示されるまでの操作ログを示す操作ログ情報を取得し、
前記第2取得部は、ユーザからの前記説明情報と当該ユーザに対応する前記操作ログ情報との入力に対し前記回答を出力する機械学習モデルに対し、前記部分説明文と前記第1取得部が取得した前記操作ログ情報とを入力し、前記機械学習モデルから、当該部分説明文に対応する回答を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第2取得部は、前記画像説明文に含まれる複数の部分説明文それぞれに対応する前記キャプチャ画像における位置を特定し、前記複数の部分説明文それぞれの前記位置に基づいて、前記画像説明文の中から、前記表示装置又は前記表示装置に前記表示画像を表示させる表示制御装置に関する説明文である部分説明文を取得する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1取得部は、前記表示装置又は前記表示装置に前記表示画像を表示させる表示制御装置が自身の不具合を検出したことに応じて、前記表示装置又は前記表示制御装置から、前記不具合を検出した時点において前記表示装置が表示する表示画像をキャプチャしたキャプチャ画像を取得し、
前記生成部は、前記第1取得部が前記キャプチャ画像を取得したことに応じて前記画像説明文を生成し、
前記第2取得部は、前記生成部が前記画像説明文を生成したことに応じて、前記機械学習モデルに当該画像説明文の中から取得した前記部分説明文を入力し、前記機械学習モデルから、当該部分説明文に対応する回答を取得し、
前記出力部は、前記第2取得部が回答を取得したことに応じて、当該回答を前記表示装置に出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第2取得部は、前記キャプチャ画像及び前記説明情報の入力に対し前記回答を出力する機械学習モデルに対し、前記第1取得部が取得した前記キャプチャ画像及び前記部分説明文を入力し、前記機械学習モデルから、当該キャプチャ画像及び当該部分説明文に対応する回答を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
表示装置と情報処理装置とを有する情報処理システムであって、
前記表示装置は、
表示部と、
前記表示部に表示された表示画像をキャプチャしたキャプチャ画像を生成する画像生成部と、
前記画像生成部が生成した前記キャプチャ画像を前記情報処理装置に送信する送信部と、
前記情報処理装置は、
前記キャプチャ画像を取得する第1取得部と、
前記第1取得部が取得した前記キャプチャ画像に基づいて当該キャプチャ画像の表示内容を説明する画像説明文を生成する生成部と、
前記生成部が生成した前記画像説明文の中から、前記表示装置又は前記表示装置に前記表示画像を表示させる表示制御装置に関する説明文である部分説明文を取得し、ユーザからの前記表示装置の状況に関する説明情報の入力に対し前記説明情報に対する回答を出力する機械学習モデルに対し、前記生成部が生成した画像説明文から取得した当該部分説明文をユーザからの説明情報として入力し、前記機械学習モデルから、当該部分説明文に対応する回答を取得する第2取得部と、
前記第2取得部が取得した前記回答を前記表示装置に出力する出力部と、
を有し、
前記表示装置は、
前記情報処理装置から出力された前記回答を前記表示部に表示させる表示制御部をさらに有する、
情報処理システム。
【請求項12】
前記画像生成部は、前記表示装置を操作する操作部により所定の操作が行われたことに応じて前記キャプチャ画像を生成する、
請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
コンピュータが実行する、
表示装置が表示する表示画像をキャプチャしたキャプチャ画像を取得するステップと、
取得した前記キャプチャ画像に基づいて当該キャプチャ画像の表示内容を説明する画像説明文を生成するステップと、
生成した前記画像説明文の中から、前記表示装置又は前記表示装置に前記表示画像を表示させる表示制御装置に関する説明文である部分説明文を取得し、ユーザからの前記表示装置の状況に関する説明情報の入力に対し前記説明情報に対する回答を出力する機械学習モデルに対し、生成した画像説明文から取得した当該部分説明文をユーザからの説明情報として入力し、前記機械学習モデルから、当該部分説明文に対応する回答を取得するステップと、
取得した前記回答を出力するステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザからの問い合わせに対して自動的に回答を提示することが行われている。例えば、特許文献1には、ユーザから新規質問文章が入力されると、当該文章に類似する過去の質問文章に関連付けられている、当該過去の質問文章に対する過去の回答文章を提示する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2024-9724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが表示装置の不具合等の問い合わせを行い、不具合等の事象を解決する場合、ユーザは、自身で表示装置の不具合時の状況を示す文章を作成する必要があり、ユーザにとって負担が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、不具合等の事象の発生時におけるユーザの負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、表示装置が表示する表示画像をキャプチャしたキャプチャ画像を取得する第1取得部と、前記第1取得部が取得した前記キャプチャ画像に基づいて当該キャプチャ画像の表示内容を説明する画像説明文を生成する生成部と、ユーザからの前記表示装置の状況に関する説明情報の入力に対し前記説明情報に対する回答を出力する機械学習モデルに対し、前記生成部が生成した画像説明文をユーザからの説明情報として入力し、前記機械学習モデルから、当該画像説明文に対応する回答を取得する第2取得部と、前記第2取得部が取得した前記回答を出力する出力部と、を有する。
【0007】
前記第2取得部は、前記説明情報の入力に対し、前記回答として前記説明情報に対応する前記ユーザからの問い合わせの候補を一以上出力する前記機械学習モデルに対し、前記生成部が生成した画像説明文を入力し、前記機械学習モデルから、当該説明情報に対応する一以上の前記問い合わせの候補を取得し、前記出力部は、前記第2取得部が取得した前記一以上の前記問い合わせの候補を出力してもよい。
【0008】
前記第2取得部は、前記説明情報の入力に対し、前記回答として前記説明情報に対応する前記ユーザからの一以上の問い合わせの候補と、当該一以上の問い合わせの候補それぞれに対応する当該問い合わせに対する回答である問合せ回答とを出力する機械学習モデルに対し、前記生成部が生成した画像説明文を入力し、前記機械学習モデルから、当該画像説明文に対応する一以上の前記問い合わせと、当該一以上の問い合わせそれぞれに対応する問い合わせ回答とを取得してもよい。
【0009】
前記第1取得部は、前記表示装置のユーザの、前記表示装置に前記表示画像を表示させるための契約情報を取得し、前記第2取得部は、ユーザからの前記説明情報と当該ユーザに対応する前記契約情報との入力に対し前記回答を出力する機械学習モデルに対し、前記生成部が生成した画像説明文と前記第1取得部が取得した前記契約情報とを入力し、前記機械学習モデルから、当該画像説明文に対応する回答を取得してもよい。
【0010】
前記第1取得部は、前記ユーザの前記表示装置又は前記表示装置に前記表示画像を表示させる表示制御装置の使用に係る前記契約情報を取得してもよい。
【0011】
前記第1取得部は、前記表示装置又は前記表示装置に前記表示画像を表示させる表示制御装置を識別するための装置識別情報を取得し、前記第2取得部は、ユーザからの前記説明情報と当該ユーザに対応する前記装置識別情報との入力に対し前記回答を出力する機械学習モデルに対し、前記生成部が生成した画像説明文と前記第1取得部が取得した前記装置識別情報とを入力し、前記機械学習モデルから、当該画像説明文に対応する回答を取得してもよい。
【0012】
前記第1取得部は、前記表示装置における前記表示画像が表示されるまでの操作ログ、又は、前記表示装置に前記表示画像を表示させる表示制御装置における、前記表示装置に前記表示画像が表示されるまでの操作ログを示す操作ログ情報を取得し、前記第2取得部は、ユーザからの前記説明情報と当該ユーザに対応する前記操作ログ情報との入力に対し前記回答を出力する機械学習モデルに対し、前記生成部が生成した画像説明文と前記第1取得部が取得した前記操作ログ情報とを入力し、前記機械学習モデルから、当該画像説明文に対応する回答を取得してもよい。
【0013】
前記第2取得部は、前記画像説明文の中から、前記表示装置又は前記表示装置に前記表示画像を表示させる表示制御装置に関する説明文である部分説明文を取得し、前記機械学習モデルに対し、前記生成部が生成した画像説明文から取得した部分説明文を入力し、前記機械学習モデルから、当該部分説明文に対応する回答を取得してもよい。
【0014】
前記第2取得部は、前記画像説明文に含まれる複数の部分説明文それぞれに対応する前記キャプチャ画像における位置を特定し、前記複数の部分説明文それぞれの前記位置に基づいて、前記画像説明文の中から、前記表示装置又は前記表示装置に前記表示画像を表示させる表示制御装置に関する説明文である部分説明文を取得してもよい。
【0015】
前記第1取得部は、前記表示装置又は前記表示装置に前記表示画像を表示させる表示制御装置が自身の不具合を検出したことに応じて、前記表示装置又は前記表示制御装置から、前記不具合を検出した時点において前記表示装置が表示する表示画像をキャプチャしたキャプチャ画像を取得し、前記生成部は、前記第1取得部が前記キャプチャ画像を取得したことに応じて前記画像説明文を生成し、前記第2取得部は、前記生成部が前記画像説明文を生成したことに応じて、前記機械学習モデルに当該画像説明文を入力し、前記機械学習モデルから、当該画像説明文に対応する回答を取得し、前記出力部は、前記第2取得部が回答を取得したことに応じて、当該回答を前記表示装置に出力してもよい。
【0016】
前記第2取得部は、前記キャプチャ画像及び前記画像説明文の入力に対し前記回答を出力する機械学習モデルに対し、前記第1取得部が取得した前記キャプチャ画像及び前記生成部が生成した画像説明文を入力し、前記機械学習モデルから、当該キャプチャ画像及び当該画像説明文に対応する回答を取得してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様に係る情報処理システムは、表示装置と情報処理装置とを有する情報処理システムであって、前記表示装置は、表示部と、前記表示部に表示された表示画像をキャプチャしたキャプチャ画像を生成する画像生成部と、前記画像生成部が生成した前記キャプチャ画像を前記情報処理装置に送信する送信部と、前記情報処理装置は、前記キャプチャ画像を取得する第1取得部と、前記第1取得部が取得した前記キャプチャ画像に基づいて当該キャプチャ画像の表示内容を説明する画像説明文を生成する生成部と、ユーザからの前記表示装置の状況に関する説明情報の入力に対し前記説明情報に対する回答を出力する機械学習モデルに対し、前記生成部が生成した画像説明文をユーザからの説明情報として入力し、前記機械学習モデルから、当該画像説明文に対応する回答を取得する第2取得部と、前記第2取得部が取得した前記回答を前記表示装置に出力する出力部と、を有し、前記表示装置は、前記情報処理装置から出力された前記回答を前記表示部に表示させる表示制御部をさらに有してもよい。
【0018】
前記画像生成部は、前記表示装置を操作する操作部により所定の操作が行われたことに応じて前記キャプチャ画像を生成してもよい。
【0019】
本発明の第3の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、表示装置が表示する表示画像をキャプチャしたキャプチャ画像を取得するステップと、取得した前記キャプチャ画像に基づいて当該キャプチャ画像の表示内容を説明する画像説明文を生成するステップと、ユーザからの前記表示装置の状況に関する説明情報の入力に対し前記説明情報に対する回答を出力する機械学習モデルに対し、生成した画像説明文をユーザからの説明情報として入力し、前記機械学習モデルから、当該画像説明文に対応する回答を取得するステップと、取得した前記回答を出力するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、不具合等の事象の発生時におけるユーザの負担を軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】情報処理システムの概要を示す図である。
図2】情報処理装置の機能構成を示す図である。
図3】画像説明文の生成例を示す図である。
図4】第2の生成AI(Artificial Intelligence)から取得した問い合わせの候補を示す図である。
図5】表示装置に表示されている表示画像に候補情報が重畳表示された例を示す図である。
図6】セットトップボックスの機能構成を示す図である。
図7】情報処理システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を示す図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、セットトップボックス(Set Top Box;以下「STB」と記載する。)2と、表示装置3とを有し、表示装置3又はSTB2に不具合等が発生した際に、ユーザに対し、STB2のカスタマサポートへの当該不具合等に係る問い合わせの候補を出力するシステムである。
【0023】
ユーザは、STB2又は表示装置3に不具合等が発生した場合に、STB2のリモートコントローラ24においてサポートボタンの押下等の所定の操作を行う。STB2は、所定の操作を受け付けると、表示装置3に表示されている表示画像をキャプチャしたキャプチャ画像を生成し(図1における(1))、生成したキャプチャ画像を情報処理装置1に送信する(図1における(2))。
【0024】
情報処理装置1は、STB2からキャプチャ画像を取得すると、キャプチャ画像に基づいて、キャプチャ画像の表示内容を説明する画像説明文を生成する(図1における(3))。情報処理装置1は、予め教師データを用いて学習した、ユーザからの表示装置の状況に関する説明情報の入力に対し、回答として問い合わせの候補を一以上出力する機械学習モデルを記憶している。情報処理装置1は、生成した画像説明文をユーザからの説明情報として機械学習モデルに入力し、機械学習モデルから、当該画像説明文に対応する回答としての一以上の問い合わせの候補を取得し(図1における(4))、取得した問い合わせの候補を示す候補情報をSTB2に出力する(図1における(5))。
【0025】
STB2は、候補情報を取得すると、取得した候補情報が示す問合せの候補を表示装置3に表示させる(図1における(6))。これにより、ユーザは、表示装置3又はSTB2の不具合等が発生した場合に、カスタマサポートに問い合わせる内容を示すメッセージを作成したり、カスタマサポートに不具合等の事象を説明したりすることなく、表示装置3に表示された候補情報が示す問い合わせの候補から、自身が問い合わせる内容を選択し、問い合わせることができる。したがって、情報処理システムSは、表示装置3又はSTB2の不具合等の発生時におけるユーザの負担を軽減することができる。
【0026】
[情報処理装置1の機能構成]
続いて、情報処理システムSが有する情報処理装置1及びSTB2の機能について説明する。まず、情報処理装置1の機能構成について説明する。図2は、情報処理装置1の機能構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0027】
通信部11は、インターネットや携帯電話回線等の通信ネットワークを介してSTB2等の外部装置とデータを送受信するための通信インターフェースである。
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、制御部13を、として機能させるプログラムを記憶する。
【0028】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、第1取得部131、生成部132、第2取得部133、出力部134、及び第3取得部135として機能する。
【0029】
第1取得部131は、表示装置3が表示する表示画像をキャプチャしたキャプチャ画像を取得する。例えば、第1取得部131は、STB2から、STB2によりキャプチャされたキャプチャ画像と、STB2を識別するためのSTBID(Identification)とを取得する。例えば、記憶部12には、STBIDと、表示装置3に表示画像を表示させるための契約情報としての、STB2の使用に関するユーザの契約情報とを関連付けたSTBユーザ情報が記憶されており、第1取得部131は、STBユーザ情報を参照し、取得したSTBIDに対応する、表示装置3のユーザの契約情報を取得する。
【0030】
STB2の使用に関するユーザの契約情報には、STB2のサービスの提供元からのユーザへの貸与に係る契約情報、STB2により提供される映像配信サービスに係る契約情報、STB2を介して配信される複数の有料チャンネルのうち、ユーザが指定したチャンネルを表示装置3に表示させるための契約情報が含まれている。なお、表示装置3に表示画像を表示させるための契約情報には、インターネット回線の使用に係る契約情報も含まれていてもよい。
【0031】
生成部132は、第1取得部131が取得したキャプチャ画像に基づいて、当該キャプチャ画像の表示内容を説明する画像説明文を生成する。生成部132は、第1取得部131がキャプチャ画像を取得したことに応じて、当該キャプチャ画像に対応する画像説明文を生成する。例えば、生成部132は、キャプチャ画像の入力を受け付け、当該キャプチャ画像に対応する画像説明文を出力する第1の生成AIに対し、第1取得部131が取得したキャプチャ画像を入力し、第1の生成AIから、画像説明文を取得することにより、当該キャプチャ画像に対応する画像説明文を生成する。
【0032】
第1の生成AIは、記憶部12に記憶されている第1の生成AIに係るプログラムを実行することにより実現されるものとするが、これに限らない。第1の生成AIは、情報処理装置1とは異なる外部装置により提供されてもよい。この場合、生成部132は、外部装置にアクセスし、キャプチャ画像に対応する画像説明文を取得することにより、キャプチャ画像に対応する画像説明文を生成する。
【0033】
図3は、画像説明文の生成例を示す図である。図3(a)は、キャプチャ画像の一例を示しており、図3(b)は、第1の生成AIに図3(a)に示すキャプチャ画像が入力された場合に第1の生成AIから出力された画像説明文を示している。図3(b)に示すように、図3(a)が示すキャプチャ画像に対応する画像説明文が生成されていることが確認できる。
【0034】
第2取得部133は、ユーザからの表示装置の状況に関する説明情報の入力に対し、当該説明情報に対する回答として、説明情報に対応するユーザからの問い合わせの候補を一以上出力する機械学習モデルに対し、生成部132が生成した画像説明文をユーザからの表示装置3の状況に関する説明情報として入力し、当該機械学習モデルから、当該画像説明文に対応する回答としての一以上の問い合わせの候補を取得する。第2取得部133は、生成部132が画像説明文を生成したことに応じて、機械学習モデルに当該画像説明文を入力し、当該機械学習モデルから、当該画像説明文に対応する一以上の問い合わせの候補を取得する。
【0035】
機械学習モデルは、キャプチャ画像に対応する画像説明文と、表示装置3にキャプチャ画像に対応する表示画像を表示させるためのユーザの契約情報との入力に対し、問い合わせの候補を一以上出力する第2の生成AIである。例えば、第2の生成AIは、表示制御装置2に関するFAQに対応する質問を入力データ、当該質問に対する回答の少なくとも一部を出力データとしたデータセットを教師データとして予め学習しているものとする。第2の生成AIは、これに限らず、過去にユーザから受け付けた表示装置の状況に関する説明情報を入力データ、当該説明情報に対応する問い合わせの候補を出力データとした教師データにより学習したものであってもよい。また、第2の生成AIは、キャプチャ画像に対応する画像説明文を入力データ、当該画像説明文に対して出力された一以上の問合せ情報からユーザが選択した問合せ情報を出力データとして追加学習してもよい。
【0036】
また、第2の生成AIは、ユーザから受け付けた表示装置の状況に関する説明情報と契約情報とを入力データ、当該キャプチャ画像に対応する表示装置に関するユーザからの問い合わせを出力データとしたデータセットを教師データとして学習していてもよい。
【0037】
ここで、第2の生成AIは、記憶部12に記憶されている第2の生成AIに係るプログラムを実行することにより実現されるものとするが、これに限らない。第2の生成AIは、情報処理装置1とは異なる外部装置により提供されてもよい。また、外部装置により第2の生成AIが提供される場合、第2の生成AIは、大規模言語モデル等の汎用的な自然言語処理モデルであってもよい。この場合、第2取得部133は、外部装置にアクセスし、画像説明文に対応する一以上の問い合わせの候補を取得することにより、当該画像説明文に対応する一以上の問い合わせの候補を取得する。
【0038】
画像説明文に対応する一以上の問い合わせの候補を取得するにあたり、まず、第2取得部133は、契約情報と画像説明文とを含む、第2の生成AIに対して入力する入力情報を生成する。例えば、第2取得部133は、以下に示すような入力情報を生成する。
【0039】
2019年から見放題に加入中のお客様が、動画コンテンツサービスの利用時に以下の画面で何か問題がおきました。FAQで想定される問題をリストアップしてください。
「動画配信サービスのコンテンツ選択画面です。中央に現在フォーカスされているアニメ映画「晴れの子」の作品情報が大きく表示されており、評価、あらすじ、出演声優などの詳細が記載されています。」
【0040】
上記の入力情報のうち、「2019年から見放題に加入中」、「動画コンテンツサービスの利用」は、ユーザの契約情報に基づく情報である。また、上記の入力情報のうち、「動画配信サービスのコンテンツ選択画面です。中央に現在フォーカスされているアニメ映画「晴れの子」の作品情報が大きく表示されており、評価、あらすじ、出演声優などの詳細が記載されています。」との文言は、画像説明文に含まれている。
【0041】
そして、第2取得部133は、第2の生成AIに対し、生成部132が生成した画像説明文と、第1取得部131が取得した契約情報とを含む入力情報を入力し、当該第2の生成AIから、当該画像説明文及び契約情報に対応する一以上の問い合わせの候補を取得する。図4は、第2の生成AIから取得した問い合わせの候補を示す図である。図4には、問い合わせの候補が複数表示されていることが確認できる。
【0042】
問い合わせの内容には、STBに関するサービスに対して加入しているはずなのに見ることができない、サービスに加入できないといった問い合わせがある。これに対し、情報処理装置1は、STB2の使用に係る契約情報を第2の生成AIに対して入力し、当該契約情報を考慮した問い合わせの候補を取得することができるので、STB2のユーザの契約状態に対応してユーザに対応する確率が高い問い合わせの候補を取得することができる。
【0043】
なお、第2の生成AIは、キャプチャ画像に対応する画像説明文と契約情報とを含む入力情報の入力に対し、当該キャプチャ画像に対応する表示装置に関するユーザからの問い合わせの候補を一以上出力するものとしたが、これに限らない。
【0044】
第2の生成AIは、ユーザから受け付けた表示装置の状況に関する説明情報と、STBを識別するための装置識別情報としてのSTBの型番との入力に対し、問い合わせの候補を一以上出力してもよい。この場合、第2の生成AIは、FAQに対応する質問又は過去にユーザから受け付けた表示装置の状況に関する説明情報とSTBの型番とを入力データ、当該質問又は説明情報に対応する表示装置に関するユーザからの問い合わせを出力データとしたデータセットを教師データとして予め学習しているものとする。
【0045】
例えば、第1取得部131は、STB2から、キャプチャ画像と、STB2を識別するためのSTB2の型番とを取得する。そして、第2取得部133は、第2の生成AIに対し、生成部132が生成した画像説明文と、第1取得部131が取得したSTB2の型番とを入力し、当該第2の生成AIから、当該画像説明文及びSTB2の型番に対応する一以上の問い合わせの候補を取得する。
【0046】
STBの型番により、不具合等の事象が異なるところ、情報処理装置1は、STB2の型番を第2の生成AIに対して入力し、当該型番のSTB2に対応する不具合等の問い合わせの候補を取得することができるので、ユーザが使用するSTB2に対応する確率が高い問い合わせの候補を取得することができる。
【0047】
また、第2の生成AIは、ユーザからの表示装置の状況に関する説明情報と、キャプチャ画像に対応する表示画像が表示装置3に表示されるまでのSTB2における操作ログを示す操作ログ情報との入力に対し、問い合わせの候補を一以上出力するものであってもよい。この場合、第2の生成AIは、FAQに対応する質問又は過去にユーザから受け付けた表示装置の状況に関する説明情報と、当該キャプチャ画像に対応する表示画像が表示装置に表示されるまでに行われた所定回数のSTBの操作ログを示す操作ログ情報と、を入力データ、当該質問又は説明情報に対応する表示装置に関するユーザからの問い合わせを出力データとしたデータセットを教師データとして予め学習しているものとする。
【0048】
例えば、第1取得部131は、STB2から、キャプチャ画像と、当該キャプチャ画像に対応する表示画像が表示装置3に表示されるまでのSTB2における操作ログを示す操作ログ情報として、当該表示画像が表示装置3に表示されるまでに行われた所定回数のSTB2の操作ログを示す操作ログ情報とを取得する。そして、第2取得部133は、第2の生成AIに対し、生成部132が生成した画像説明文と、第1取得部131が取得した操作ログ情報とを入力し、当該第2の生成AIから、当該画像説明文及び操作ログ情報に対応する一以上の問い合わせの候補を取得する。
【0049】
キャプチャ画像に対応する表示画像が表示されるまで操作が行われた結果、当該表示画像が表示されている確率が高いところ、当該操作を示す操作ログは、表示画像が表示された時点における不具合等の発生原因を示している確率が高い。これに対し、情報処理装置1は、キャプチャ画像に対応する表示画像が表示されるまでのSTB2の操作ログを第2の生成AIに対して入力し、ユーザの問い合わせの候補を取得することができるので、当該STB2を使用するユーザに対応する確率が高い問い合わせの候補を取得することができる。
【0050】
また、第2の生成AIは、キャプチャ画像に対応する画像説明文に含まれる、表示装置又はSTBに関する説明文である部分説明文との入力に対し、問い合わせの候補を一以上出力するものであってもよい。
【0051】
第2取得部133は、生成部132が生成した画像説明文の中から、表示装置3又はSTB2に関する説明文である部分説明文を取得する。第2取得部133は、画像説明文に含まれる複数の部分説明文それぞれに対応するキャプチャ画像における位置を特定し、複数の部分説明文それぞれの位置に基づいて、画像説明文の中から、表示装置3又はSTB2に対応する部分説明文を取得する。
【0052】
この場合、生成部132は、複数の部分説明文を含む画像説明文を生成する。部分説明文のそれぞれには、キャプチャ画像における、部分説明文に対応する位置又は領域を示す位置情報が関連付けられている。例えば、第2取得部133は、複数の部分説明文のうち、キャプチャ画像における、予め定められている所定の位置又は所定の領域に対応する部分説明文を、表示装置3又はSTB2に対応する部分説明文として取得する。そして、第2取得部133は、第2の生成AIに対し、当該部分説明文を入力し、第2の生成AIから、当該部分説明文に対応する一以上の問い合わせの候補を取得する。部分説明文は、表示装置3又はSTB2の不具合等を示している確率が高いことから、第2取得部133は、ユーザの問合せ情報の候補を精度良く取得することができる。
【0053】
また、第2の生成AIは、キャプチャ画像と、キャプチャ画像に対応する表示装置の状況に関する説明情報との入力に対し、問い合わせの候補を一以上出力するものであってもよい。この場合、第2の生成AIは、キャプチャ画像と、当該キャプチャ画像に対応する表示装置の状況に関する説明情報とを入力データ、当該キャプチャ画像及び当該説明情報に対応する表示装置に関するユーザからの問い合わせを出力データとしたデータセットを教師データとして予め学習しているものとする。そして、第2取得部133は、第1取得部131が取得したキャプチャ画像と、生成部132が生成した画像説明文とを第2の生成AIに入力し、第2の生成AIから、当該キャプチャ画像及び画像説明文に対応する一以上の問い合わせの候補を取得する。このようにすることで、第2取得部133は、画像説明文に含まれないキャプチャ画像の要素も考慮して、ユーザの問合せ情報の候補を取得することができる。
【0054】
また、第2の生成AIは、画像説明文の入力に対し、画像説明文に対応する一以上の問い合わせの候補のみを出力したが、これに限らない。第2の生成AIは、画像説明文の入力に対し、画像説明文に対応する一以上の問い合わせの候補と、一以上の問い合わせの候補それぞれに対応する回答である問い合わせ回答とを出力してもよい。
【0055】
この場合、第2の生成AIは、ユーザからの表示装置の状況に関する説明情報を入力データ、当該説明情報に対応する表示装置に関するユーザからの問い合わせと、当該問い合わせに対応する問い合わせ回答とを出力データとしたデータセットを教師データとして予め学習しているものとする。そして、第2取得部133は、生成部132が生成した画像説明文を第2の生成AIに入力し、第2の生成AIから、当該画像説明文に対応する一以上の問い合わせの候補と、当該一以上の問い合わせの候補それぞれに対応する問い合わせ回答とを取得する。
【0056】
このようにすることで、情報処理装置1は、問い合わせ候補と、問い合わせ候補に対応する問い合わせ回答とを一度に表示装置3に表示させて、ユーザが問い合わせ候補の中から自身に対応する問い合わせを選択することなく、ユーザに回答を把握させることができる。
【0057】
出力部134は、第2取得部133が取得した回答としての一以上の問い合わせの候補を出力する。出力部134は、第2取得部133が一以上の問い合わせの候補を取得したことに応じて、当該一以上の問い合わせの候補を表示装置3に出力する。例えば、出力部134は、第2取得部133が取得した一以上の問い合わせの候補を示す候補情報をSTB2に出力する。これにより、STB2は、候補情報を、表示装置3に表示されているキャプチャ画像に対応する表示画像に重畳して候補情報を表示させることができる。
【0058】
図5は、表示装置3に表示されている表示画像に候補情報が重畳表示された例を示す図である。これにより、ユーザは、自身が表示装置3及びSTB2の状況を説明することなく、候補情報の中から表示装置3及びSTB2の状況に対応する問い合わせ項目を選択することができる。
【0059】
第3取得部135は、ユーザにより選択された、候補情報が示す一以上の問い合わせの候補から選択された問い合わせ項目を示す選択情報を取得する。第3取得部135は、取得した選択情報が示す問い合わせ項目に対応する回答を示す問い合わせ回答情報を取得する。
【0060】
例えば、記憶部12には、選択情報が示す問い合わせ項目に対応する問い合わせ内容の入力に対し、当該問い合わせ内容に対応する問い合わせ回答を示す問い合わせ回答情報を出力する機械学習モデルである第3の生成AIとして機能するプログラムが設けられている。ここで、第3の生成AIは、問い合わせ内容を入力データ、当該問い合わせ内容に対応する問い合わせ回答情報を出力データとしたデータセットを教師データとして予め学習しているものとする。
【0061】
第3取得部135は、第3の生成AIとして機能するプログラムを実行し、制御部13を第3の生成AIとして機能させる。第3取得部135は、第3の生成AIに対し、選択情報が示す問い合わせ項目に対応する問い合わせ内容を入力し、第3の生成AIから、当該問い合わせ内容に対応する問い合わせ回答情報を取得する。
【0062】
出力部134は、第3取得部135が問い合わせ回答情報を取得したことに応じて、当該問い合わせ回答情報を表示装置3に出力する。例えば、出力部134は、第3取得部135が取得した問い合わせ回答情報をSTB2に出力する。これにより、STB2は、表示装置3に表示されているキャプチャ画像に対応する表示画像に重畳して問い合わせ回答情報を表示させることができる。
【0063】
[STB2の機能構成]
続いて、STB2の機能構成について説明する。ここでは、STB2が備えるセットトップボックスとしての一般的な機能についての説明は省略し、本発明に係るSTB2の機能について説明を行う。図6は、STB2の機能構成を示す図である。STB2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを有する。
【0064】
通信部21は、インターネットや携帯電話回線等の通信ネットワークを介して情報処理装置1等の外部装置とデータを送受信するための通信インターフェースである。
記憶部22は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM、RAM等を有する。記憶部22は、制御部23が実行するプログラムを記憶する。記憶部22は、制御部23を、画像生成部231、送信部232、受信部233、表示制御部234及び選択受付部235として機能させるプログラムを記憶する。
【0065】
制御部23は、例えばCPUである。制御部23は、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、画像生成部231、送信部232、受信部233、表示制御部234及び選択受付部235として機能する。
【0066】
画像生成部231は、STB2により表示装置3に表示された表示画像をキャプチャしたキャプチャ画像を生成する。例えば、STB2の操作部としてのリモートコントローラ24には、STB2のカスタマサポートが、STB2において不具合等が発生した際にユーザに対してサポートを行うためのサポートボタンが設けられている。画像生成部231は、リモートコントローラ24のサポートボタンが押下されたことを検出する。画像生成部231は、サポートボタンが押下されたことに応じて、表示装置3に表示された表示画像をキャプチャしたキャプチャ画像を生成する。
【0067】
送信部232は、画像生成部231がキャプチャ画像を生成したことに応じて、当該キャプチャ画像を情報処理装置1に送信する。また、送信部232は、STB2を識別するためのSTBIDを情報処理装置1に送信する。なお、第2の生成AIの入力情報として、装置の型番が用いられる場合、送信部232は、STB2の装置識別情報としての型番を情報処理装置に送信してもよい。また、第2の生成AIの入力情報として操作ログ情報が用いられる場合、送信部232は、STB2の操作ログを示す操作ログ情報を情報処理装置1に送信してもよい。
【0068】
受信部233は、情報処理装置1から出力された一以上の問い合わせの候補を示す候補情報を受信する。表示制御部234は、受信部233が受信した候補情報が示す一以上の問い合わせの候補を表示装置3に表示させる。
【0069】
選択受付部235は、リモートコントローラ24を介して、表示制御部234が表示装置3に表示させた問い合わせの候補からの選択を受け付ける。送信部232は、選択受付部235が、問合せの候補からの選択を受け付けたことに応じて、選択された問い合わせ項目を示す選択情報を情報処理装置1に送信する。
【0070】
受信部233は、情報処理装置1から出力された、選択情報が示す問い合わせ項目に対応する問い合わせ回答情報を受信する。表示制御部234は、受信部233が受信した問い合わせ回答情報を表示装置3に表示させる。
【0071】
[情報処理システムSにおける処理の流れ]
続いて、情報処理システムSにおける処理の流れについて説明する。図7は、情報処理システムSにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
まず、画像生成部231は、リモートコントローラ24のサポートボタンが押下されたことに応じて、表示装置3に表示された表示画像をキャプチャしたキャプチャ画像を生成する(S1)。続いて、送信部232は、画像生成部231により生成されたキャプチャ画像と、STB2を識別するためのSTBIDとを情報処理装置1に送信する(S2)。情報処理装置1の第1取得部131は、STB2から、キャプチャ画像とSTBIDとを取得する。
【0072】
続いて、第1取得部131は、STBIDと、ユーザの契約情報とを関連付けて記憶する管理サーバを参照し、取得したSTBIDに対応するユーザの契約情報を取得する(S3)。
続いて、生成部132は、第1取得部131が取得したキャプチャ画像に基づいて、当該キャプチャ画像の表示内容を説明する画像説明文を生成する(S4)。
【0073】
続いて、第2取得部133は、第2の生成AIに対し、キャプチャ画像に対応する画像説明文と、ユーザの契約情報とを含む入力情報を入力し、第2の生成AIから一以上の問い合わせの候補を取得する(S5)。
続いて、出力部134は、第2取得部133が取得した問い合わせの候補を示す候補情報をSTB2に送信する(S6)。
【0074】
STB2の受信部233は、情報処理装置1から出力された一以上の問い合わせの候補を示す候補情報を受信する。表示制御部234は、受信部233が受信した候補情報が示す一以上の問い合わせの候補を表示装置3に表示させる(S7)。
【0075】
選択受付部235は、リモートコントローラ24を介して、表示制御部234が表示装置3に表示させた問い合わせの候補からの選択を受け付ける(S8)。送信部232は、選択受付部235が、問合せの候補からの選択を受け付けたことに応じて、選択された問い合わせ項目を示す選択情報を情報処理装置1に送信する(S9)。
【0076】
情報処理装置1の第3取得部135は、ユーザにより選択された、候補情報が示す一以上の問い合わせの候補から選択された問い合わせ項目を示す選択情報を取得すると、取得した選択情報が示す問い合わせ項目に対応する問い合わせ回答を示す問い合わせ回答情報を取得する(S10)。出力部134は、第3取得部135が問い合わせ回答情報を取得したことに応じて、当該回答情報をSTB2に出力する(S11)。
【0077】
STB2の受信部233は、情報処理装置1から出力された問い合わせ回答情報を受信する。表示制御部234は、受信部233が受信した問い合わせ回答情報を表示装置3に表示させる(S12)。
【0078】
[変形例1]
上述の実施の形態において、STB2と表示装置3とは異なる装置であることとしたが、これに限らない。表示装置3は、STB2に係る機能を有していてもよい。この場合、第1取得部131は、STB2の契約情報の代わりに、ユーザの表示装置3の使用に係る契約情報を取得してもよい。
【0079】
また、第2の生成AIの入力情報として、装置の型番が用いられる場合、第1取得部131は、STB2の装置識別情報としてのSTB2の型番を取得する代わりに、表示装置3の型番を取得してもよいし、STB2の型番と、表示装置3の型番との2つの型番を取得してもよい。また、第2の生成AIの入力情報として操作ログ情報が用いられる場合、第1取得部131は、STB2の操作ログを示す操作ログ情報を取得する代わりに、表示装置3におけるキャプチャ画像に係る表示画像が表示されるまでの操作ログを示す操作ログ情報を取得してもよい。
【0080】
[変形例2]
また、上述の実施の形態では、ユーザがリモートコントローラ24のサポートボタンを押下したことに応じて、STB2の画像生成部231がキャプチャ画像を生成し、当該キャプチャ画像を情報処理装置1の第1取得部131が取得したが、これに限らない。画像生成部231は、STB2の不具合等を検出したことに応じて、キャプチャ画像を生成してもよい。ここで、STB2の不具合等には、STB2が受信する放送信号の信号レベルが第1の閾値未満となったこと、STB2のメモリ残量が第2の閾値未満になったこと、Wifi(登録商標)又はBLE(登録商標)信号の信号レベルが第3の閾値未満となったこと、STB2のCPUの温度が第4の閾値を超えたことが含まれていてもよい。
【0081】
そして、送信部232は、STB2の不具合等の検出に応じて生成されたキャプチャ画像を情報処理装置1に送信する。情報処理装置1の第1取得部131は、当該キャプチャ画像を取得する。このようにすることで、情報処理装置1は、STB2の不具合等の発生時に、自動的に問合せの候補を表示装置3に表示させることができる。
【0082】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、本実施の形態に係る情報処理装置1は、表示装置3が表示する表示画像をキャプチャしたキャプチャ画像を取得し、当該キャプチャ画像の表示内容を説明する画像説明文を生成する。そして、情報処理装置1は、機械学習モデルに対し、ユーザからの表示装置3の状況に関する説明情報として、生成した画像説明文を入力し、当該機械学習モデルから、当該画像説明文に対応する回答として一以上の問い合わせの候補を取得し、取得した一以上の問い合わせの候補を出力する。このようにすることで、情報処理装置1は、不具合等の事象の発生時におけるユーザの負担を軽減することができる。
【0083】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0084】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0085】
1 情報処理装置
2 セットトップボックス
3 表示装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
24 リモートコントローラ
131 第1取得部
132 生成部
133 第2取得部
134 出力部
135 第3取得部
231 画像生成部
232 送信部
233 受信部
234 表示制御部
235 選択受付部

【要約】
【課題】不具合等の事象の発生時におけるユーザの負担を軽減する。
【解決手段】情報処理装置1は、表示装置3が表示する表示画像をキャプチャしたキャプチャ画像を取得する第1取得部131と、取得されたキャプチャ画像に基づいて当該キャプチャ画像の表示内容を説明する画像説明文を生成する生成部132と、キャプチャ画像に対応する画像説明文と、ユーザからの表示装置の状況に関する説明情報の入力に対し説明情報に対する回答を出力する機械学習モデルに対し、生成した画像説明文をユーザからの説明情報として入力し、機械学習モデルから、当該画像説明文に対応する回答を取得する第2取得部133と、第2取得部133が取得した回答を出力する出力部134と、を有する。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7