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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-28
(45)【発行日】2025-06-05
(54)【発明の名称】荷物掛フック
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/00 20060101AFI20250529BHJP
【FI】
A47G29/00 C
A47G29/00 B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020104987
(22)【出願日】2020-06-18
(62)【分割の表示】P 2019563648の分割
【原出願日】2019-07-03
(65)【公開番号】P2020163183
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-05-16
【審判番号】
【審判請求日】2023-11-08
(31)【優先権主張番号】P 2018127084
(32)【優先日】2018-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】517267787
【氏名又は名称】株式会社ビー・インターナショナルグループ
(74)【代理人】
【識別番号】100181434
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 正明
(74)【代理人】
【識別番号】100180035
【弁理士】
【氏名又は名称】生塩 智邦
(72)【発明者】
【氏名】太田 欽也
【合議体】
【審判長】山本 信平
【審判官】河端 賢
【審判官】倉橋 紀夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/009154(WO,A1)
【文献】特開2007-268083号公報(JP,A)
【文献】特開2004-230060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部に着脱自在に取り付けられる荷物掛フックであって、
前記被取付部に着脱自在に巻き付けられるベルト(10)が取り付けられているベース(20)と、
基端部が前記ベース(20)に取り付けられ下方向に延出された円柱状の主ネック部(61)とこの主ネック部(61)の下端に取り付けられ上方向に開放する略C字状の形状を有する主フック本体(64)とを有する主フック部材(60)と、
前記主ネック部(61)に取り付けられた副ネック部(72)と、この副ネック部に取り付けられ上方向に開放する副フック本体(73)とを有する副フック部材(70)と
を具備し、
前記主フック本体(64)と前記副フック本体(73)は、
前記ベース(20)に対してどちらか一方若しくは両方が相対的に回転するように構成されており、かつ
前記主フック本体(64)と前記副フック本体(73)の上下方向の位置が部分的に重なるように設けられるが、前記副フック本体(73)の基端部が前記主フック本体(64)の基端部の外側に広がる方向に延出され、前記ベース(20)に対してどちらか一方若しくは両方を相対的に回転させた場合にでも、前記主フック本体(64)と前記副フック本体(73)が互いに干渉しないように構成され、かつ
回転方向の位置を互いに一致させた場合、前記副フック本体(73)が前記主フック本体(64)の開放部(65)を狭塞するように構成されている、
ことを特徴とする荷物掛フック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベビーカーやショッピングカートに取り付け、バッグ類や買物袋等の荷物を引っ掛ける荷物掛フックに関し、特に、使い勝手を向上させたものに関する。
【背景技術】
【0002】
ベビーカーやショッピングカートを使用する際、バッグ類や買物袋をハンドルバーに吊り下げることが行われている。このような場合、着脱自在の荷物掛フックを取り付け、この荷物掛フックにバッグ類を引っ掛けることができれば便利である。このため、荷物掛フックとして、様々なものが提案されている。
【0003】
このような荷物掛フックは、ハンドルバーに留め付ける取付部品と、この取付部品に取り付けられたS字状あるいは下方半S字状のフック部品とが組み合わせられて構成されている。フック部品は、取付部品に揺動自在に取り付けられ、バッグ類を所望の方向で吊り下げることができる(例えば、特許文献2参照。)。しかし、1つのフック部品には1つの荷物しか引っ掛けられず、荷物が複数ある場合には追加の荷物掛フックを用意する必要があった。また、フック部品が固定されていると荷物を掛ける向きが固定されてしまうため、鉛直軸周りに回転できるようにするものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかし、荷物の重心位置によっては回転軸を中心にフック部品が廻ってしまい荷物が安定しないという問題があった。さらに、ハンドルバーに留め付ける際に、面ファスナを用いるタイプもある(例えば、特許文献3参照)。しかし、構造は簡単であるが、使用者が巻き付ける都度、面ファスナの表と裏とを確認しなければならず、荷物が多い時や急いでいる時に扱いづらかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-314528号公報(段落番号[0023]、図5及び図7
【文献】国際公開2014/030402パンフレット(段落番号[0007]及び図35
【文献】特開2006-305286号公報(段落番号[0019]及び図3図5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、このような荷物掛フックは、様々なタイプのものが開発されているが、使い勝手が悪く、使い辛いという問題があった。
【0007】
本発明は、上記のような従来課題に鑑みてなされたものであり、使い勝手を向上させることができる荷物掛フックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を解決するため、本発明に係る荷物掛フックは、被取付部に着脱自在に取り付けられる荷物掛フックであって、ベース(20)と、前記ベース(20)に取り付けられ、前記被取付部に巻き付けられるベルト(10)と、基端部が前記ベース(20)に取り付けられた円柱状の主ネック部(61)とこの主ネック部(61)の下端に取り付けられ上方向に開放する主フック本体(64)とを有する主フック部材(60)と、前記主ネック部(61)に取り付けられた副ネック部(72)とこの副ネック部に取り付けられ上方向に開放する副フック本体(73)とを有する副フック部材(70)と、を具備し、前記主フック本体(64)と副フック本体(73)は、前記ベース(20)に対してどちらか一方若しくは両方が相対的に回転するように構成されており、かつ上記高さ方向の位置が部分的に重なるように設けられるが、前記ベース(20)に対してどちらか一方若しくは両方を相対的に回転させた場合にでも互いに干渉しないように構成され、かつ回転方向の位置を互いに一致させた場合、前記副フック本体(73)が前記主フック本体(64)の開放部(65)を狭塞するように構成されている、ようにしてもよいまた、本発明に係る荷物掛けフックは、前記副フック本体の外形は前記主フック本体の外形より小さくなるように形成されている、ようにしてもよい。本発明に係る荷物掛けフックは、前記主フック本体の中心は前記回転中心軸から前記主フック本体の開放部側にずれており、前記副フック本体の中心は前記回転中心軸から前記副フック本体の開放部側にずれている、ようにしてもよい。本発明に係る荷物掛けフックは、前記主フック本体は、回転軸を挟んで異なる方向に張り出し且つ上方向に開放する略C字形の形状を有し、前記副フック部材は、回転軸の一方側にのみ張り出し且つ上方向に開放するJ字形の形状を有する、ようにしてもよい。本発明に係る荷物掛けフックは、前記主フック部材を前記ベースに相対的に回転させるための必要回転トルクは5~40cN・mである、ようにしてもよい。本発明に係る荷物掛けフックは、前記副フック部材を前記主フック部材に相対的に回転させるための必要回転トルクは5~40cN・mである、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、使い勝手を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る荷物掛フックが取り付けられたベビーカーを示す斜視図である。
【0011】
図2図1の荷物掛フックを示す平面図である。
【0012】
図3図1の荷物掛フックを示す平面図である。
【0013】
図4図2の荷物掛フックの取付ベース及びフックユニットを示す斜視図である。
【0014】
図5図2の荷物掛フックの使用方法を説明するための補足図である。
【0015】
図6図2の荷物掛フックのベルトユニットの捲回方法の一例を示す平面図である。
【0016】
図7図2の荷物掛フックのベルトユニットの捲回方法の他の例を示す平面図である。
【0017】
図8】本発明の他の実施形態にかかる荷物掛フックを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は本発明の一実施形態に係る荷物掛フック10が取り付けられたベビーカーKを示す斜視図、図2図3は荷物掛フック10を示す平面図、図4は荷物掛フック10のベース本体30及びフックユニット50を示す斜視図、図5は荷物掛フック10の使用方法を説明するための補足図である。なお、これらの図中Wはバッグ類や買い物袋等の荷物を示している。図2は副フック本体73が主フック本体64と同方向を向いた状態を示し、図3は副フック本体73が主フック本体64と逆方向を向いた状態を示している。
【0019】
図1に示すように、荷物掛フック10は、ベビーカーKのハンドルバー(被取付部)Kaに着脱自在に取り付けられている。図2図3に示すように、荷物掛フック10は、ハンドルバーKaに対向配置される取付ベース20と、この取付ベース20に対し回転軸R周りに回転自在に設けられたフックユニット50と、取付ベース20に取り付けられ、ハンドルバーKaに巻き付けられるベルト81と、ハンドルバーKaに巻き付けられたベルト81の結合部分を補強するための補強ベルト83とを備える。
【0020】
取付ベース20は、プレート状のベース本体30と、このベース本体30に対し、揺動自在に取り付けられた揺動ベース40とを備えている。ベース本体30は、板状のプレート部材31を有している。プレート部材31には、後述するベルト81を通す第1孔32及び第2孔33と、後述する接続ピン62を通す貫通孔34が形成されている。
【0021】
揺動ベース40は、プレート部材41を備えている。このプレート部材41は、基端側において棒状の揺動ピン42によってプレート部材31に対し、揺動自在に取り付けられている。
【0022】
プレート部材41には、プレート部材41の厚み方向に沿ってあけられた後述するベルト81を通す第1孔43と、この第1孔43に連通し、プレート部材41の長さ方向に沿って、先端側に開口して後述する補強ベルト83を通す横孔44が形成されている。
【0023】
フックユニット50は、主フック部材60及び副フック部材70を備えている。
主フック部材60は、円柱状の主ネック部61と、主ネック部61の下端に接続された一部が開放された円環状の主フック本体64とを有する。主ネック部61の上端面にはピン孔が形成されている。このピン孔をベース本体30の貫通孔34に位置合わせした状態で、接続ピン62により、主フック部材60はベース本体30にほぼ垂直に回転自在に装着される。主ネック部61の中心線は回転中心軸Rである。
【0024】
ここで、接続ピン62の外径と貫通孔34の内径との間には僅かな隙間が形成されている。これにより、上記主フック部材60全体を上記ベース本体30に対して中心軸R回りに人の手で回すことが可能になっている。また、上記主フック部材60を回す際、一定のトルクが必要であることが好ましい。たとえば、上記接続ピン62と貫通孔34の嵌め合いを止まり嵌めとするか、あるいは、前記接続ピン62の締め付け力を調整することによってその抵抗を実現することができる。この実施形態では、上記主フック部材60を回すのに必要なトルクは、5~40cN・m、さらに好ましくは10~35cN・m、さらに好ましくは15~30cN・m、さらに好ましくは20~25cN・mである。ここで、図2に示すように上記中心軸R~主フック部材60の力点までの距離h1は4cmであり、この例のトルクは24cN・mである。
【0025】
なお、この実施形態では、上記主ネック部61と主フック本体64が一体的に構成され、上記主ネック部が上記ベース本体30に回転可能に取り付けらているが、主ネック部とベース本体30が一体的に形成され、上記主フック本体と主ネック部材が互いに回転可能なように取り付けられていても良い。
【0026】
主ネック部61の円周面には外側に張り出す鍔部63が形成されている。鍔部63は上述した副フック部材70を支持する機能を有している。主フック本体64の開放部65は、荷物Wの脱落防止のためにやや上向きに形成されている。また、主フック本体64の円環の中心位置C1は、回転中心軸Rから開放部65側にややシフトしている。
【0027】
副フック部材70は、円筒状の副ネック部71を有する。副ネック部71の内径は、主ネック部61の外径と等価又は若干大きい。これにより、副ネック部71は、主ネック部61に回転自在に嵌め込まれる。ここでも、副ネック部材70を回すには一定のトルクが必要であることが好ましく、この実施形態では、5~40cN・m、さらに好ましくは10~35cN・m、さらに好ましくは15~30cN・m、さらに好ましくは20~25cN・mである。ここで、図2に示すように上記中心軸R~主フック部材60の力点までの距離h2は3.5cmであり、この例のトルクは20cN・mである。
【0028】
副ネック部71は、円周面から突出したブラケット72を有する。このブラケット72には一部が開放した円環状の副フック本体73が接続される。副フック本体73の開放部74は、荷物の脱落防止のためにやや上向きに形成されている。また、副フック本体73の円環の中心位置C2は、回転中心軸Rからシフトしている。
【0029】
主フック部材60の主ネック部61と副フック部材70の副ネック部71とは互いに回転中心軸R周りに回転自在である。
【0030】
このため、主フック本体64と副フック本体73とが異なる方向を向いた場合、主フック本体64の開放部65から副フック本体73は離間する(図5の実線参照)。主フック本体64と副フック本体73とが同じ方向を向いた場合、つまり主フック本体64と副フック本体73とが揃ったとき、主フック本体64の開放部65を副フック本体73が狭塞するように、副フック本体73は主フック本体64よりも小型であり、主フック本体64の上部に部分的に重なる形状(重なり量は図2に示すt1)を有する(図5の破線参照)。具体的には、副フック部材70の上端から下端にかけての高さは、主ネック部61の高さと略等価又は主ネック部61の高さよりも若干高い。
【0031】
ここで、主フック本体64と副フック本体73とが同じ方向を向いた場合の、副フック本体73による主フック本体64開放部65の狭塞寸法D2は、元の開放寸法D1の50%以下、好ましくは25%以下、さらに好ましくは10%以下に設定されていることが好ましく、この実施形態では、元の開放寸法は2cmであり、狭塞された際の開放寸法は4mmになるように設計されている。
【0032】
この実施形態では、また、ブラケット72から副フック本体73にかけての連続する直線部分は、回転中心軸Rに対して傾斜している。換言すると、副フック本体73の最下点G2と副フック本体73の円環中心C2とを通る直線は、回転中心軸Rに対して傾斜している。これにより、副フック本体73が回転したときに、副フック本体73は主フック部材60に干渉しない(図2の寸法D3参照)。
【0033】
ベルト81は、補強ベルト83とともにベルトユニット80を構成する。ベルト81は、全体としてハンドルバーKaに巻き付けるための十分な長さを有している。ベルト81の結合部Pにおいて、補強ベルト83の一端がベルト81の表面に縫い付けられ、結合されている。なお、結合部Pにおいて、ベルト81の表面に補強ベルト83が縫い合わされているため、結合部分が厚くなり、ベルト81が第2孔33から抜けることがなく、ベルトユニット80が取付ベース20から脱落することを防止できる。
【0034】
ベルト81の表面81aには全面に面ファスナのループ面が形成され、裏面81bには全面に面ファスナのフック面が形成されている。なお、図中81cはベルト81の一端、81dは他端を示している。面ファスナのフック面とループ面は押し付けることによって結合し一定の結合力を有し、剥がすには一定の強い力が必要となる。
【0035】
補強ベルト83の表面83aは何も形成されておらず、裏面83bの先端83c側には面ファスナのフック面が形成されている。なお、図中83cは補強ベルト83の先端を示している。補強ベルト83の長さは、結合部Pからベルト81の他端81dまでの長さより長く形成されている。
【0036】
このように構成された荷物掛フック10は、例えば、図6示すようにして用いられる。最初に荷物掛フック10をベビーカーKのハンドルバーKaに固定する。固定する際、取付ベース20をハンドルバーKaに近づけ、ベルト81の一端81c側をハンドルバーKaに巻き付ける。ハンドルバーKaに巻き付けられたベルト81の一端81c側の上から、ベルト81の他端81d側を巻き付ける。この時、ベルト81の一端81c側の表面81aのループ面にベルト81の他端81d側の裏面81bのフック面が係合し、結合する。さらに、その上から補強ベルト83をハンドルバーKaに巻き付けると、補強ベルト83の裏面83bのフック面が先端83c側でベルト81の他端81d側の表面81aのループ面に係合し、結合する。
【0037】
すなわち、ベルト81の表面81aと裏面81bとが結合し、ベルト81の表面81aと補強ベルト83の裏面83bが結合し、ベルトユニット80の全体がハンドルバーKaに巻き付けられて固定される。図6はこの状態を模式的に示す説明図である。
【0038】
図6を参照して、ベルト81の一端81c側を先にハンドルバーKaに巻き付ける例を説明したが、ベルト81の他端81d側を先にハンドルバーKaに巻き付けることもできる。図7 に示すように、固定する際、取付ベース20をハンドルバーKaに近づけ、ベルト81の他端81d側をハンドルバーKaに巻き付ける。ハンドルバーKaに巻き付けられたベルト81の他端81d側の上から、ベルト81の一端81c側を巻き付ける。この時、ベルト81の他端81d側の表面81aのループ面にベルト81の一端81c側の裏面81bのフック面が係合し、結合する。さらに、その上から補強ベルト83をハンドルバーKaに巻き付けると、補強ベルト83の裏面83bのフック面が先端83c側でベルト81の一端81c側の表面81a のループ面に係合し、結合する。
【0039】
次に、図5中実線で示す位置にある主フック部材60の主フック本体64に荷物Wを引っ掛ける。荷物Wの荷重は主フック本体64の最下点G1にかかる。図2図3に示すように、最下点G1は、円環中心C1を通る鉛直軸上に位置する。したがって、最下点G1と回転中心軸Rとの間にはズレがあるため、主フック本体64は図5中Fに示す方向に揺動し、図5中破線の位置まで移動する。このとき、接続ピン62は貫通孔34内で傾く。接続ピン62の外径と貫通孔34の内径との間には僅かな隙間しかないため、接続ピン62が貫通孔34の内壁に引っ掛かり、接続ピン62の自由な回転が規制される。したがって、荷物Wが掛けられている主フック本体64の主ネック部61は回転せず、安定する。
【0040】
一方、主ネック部61に対して回転自在に取り付けられている副ネック部71は、ブラケット72及び副フック本体73の自重によって回転し、図5中破線の位置まで回転移動する。つまり、前述したように、主フック本体64と副フック本体73とが同じ方向を向いて安定する。このとき、主フック本体64の開放部65を副フック本体73が狭塞するため、荷物Wが開放部65から脱落することを抑制することができる。さらに、副フック本体73の回転位置も安定するため、他の荷物を引っ掛けるために、使用者は副フック本体73の向きを変更する必要がなく、使い勝手がよい。
【0041】
このように構成された荷物掛フック10は、ハンドルバーKaに巻き付ける際、ベルト81は表裏面に面ファスナが形成されているため、ベルト81のどちら側を先にハンドルバーKaに巻き付けてもよい。したがって、使用者は向きを気にすること無く、固定作業を行うことが できる。なお、補強ベルト83がさらに上側に巻き付けることで、面ファスナによる結合部位の面積を増やすことができ、さらに安定的に固定することができ、使い勝手が向上する。
【0042】
また、主フック部材60の主フック本体64に荷物Wを掛けることによって、主フック本体64が傾いて主ネック部61の回転を規制して安定させることができる。また、この際、副フック部材70の副フック本体73が主フック本体64の開放部65を閉塞することでさらに荷物Wの脱落を抑制できる。さらに、副フック本体73によって他の荷物を引っ掛けることができ、使い勝手が向上する。
【0043】
以上本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0044】
例えば、上記実施形態では、主フック本体64と副フック本体73との形状を一部を開放した円環体としたが、フックの形状はこれに限定されない。例えば、一部が開放された三角形状、四角形状等の多角形状であってもよいし、一部が開放された楕円環体であってもよい。
【0045】
また、図8に示すように、上記フック本体64の形状をチャネル状としても良い。
【0046】
さらに、前記実施形態では、揺動ベース40は取り付けベース20にピン42によって連結されていたが、図8に示すように両者は互いに連結されている必要はない。
【符号の説明】
【0047】
10…荷物掛フック、20…取付ベース、30…ベース本体、31…プレート部材、32… 第1孔、33…第2孔、34…貫通孔、40…揺動ベース、41…プレート部材、42…揺動ピン、43…第1孔、44…横孔、50…フックユニット、60…主フック部材、61…主ネック部、62…接続ピン、63…鍔部、64…主フック本体、65…開放部、70…副フック部材、71…副ネック部、72…ブラケット、73…副フック本体、74…開放部、80…ベルトユニット、81…ベルト、81a…表面、81b…裏面、81c…一端、81d…他端、83…補強ベルト、83a…表面、83b…裏面、83c…先端。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8