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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-28
(45)【発行日】2025-06-05
(54)【発明の名称】圧着プライヤダイおよび圧着プライヤ
(51)【国際特許分類】
   B25B 25/00 20060101AFI20250529BHJP
   B25B 7/02 20060101ALI20250529BHJP
   H01R 43/042 20060101ALI20250529BHJP
【FI】
B25B25/00 D
B25B7/02
H01R43/042
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021071496
(22)【出願日】2021-04-21
(65)【公開番号】P2021171916
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-10-23
(31)【優先権主張番号】10 2020 111 522.9
(32)【優先日】2020-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】523076368
【氏名又は名称】ウェザーク・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】グロックセイセン,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ジンサー,ロマン
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/105703(WO,A1)
【文献】特開2009-220270(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111546253(CN,A)
【文献】独国特許出願公開第19728685(DE,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03179580(EP,A1)
【文献】特開2018-113244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B1/00-11/02
B25B25/00-33/00
H01R43/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイド(51)を使って互いに相関して圧着ストロークに亘って導入され、それぞれ1つのダイの片方(5)を有する2つのダイの片方ユニット(2、3)を有する圧着プライヤダイ(1)であり、
前記ガイド(51)は、一方のダイの片方ユニット(2;3)に保持され、他方のダイの片方ユニット(3;2)のガイド凹部(50)に導入される、少なくとも1つのガイドロッド(43)を有し、
a)前記ダイの片方(5)の圧着面(39、40)が互いに係合するリブ(37)の前面によって形成され、
b)前記ガイドロッド(43)が厚く膨らんだ部分(42)によってダイの片方(5)の少なくとも1つのリブ(37)の端領域に形成され、および/または前記ガイド凹部(50)が、ダイの片方(5)の少なくとも1つのリブ(37)の端領域から発するガイド凹部領域(45)によって成形され、前記ガイド凹部領域(45)が、円筒セグメント状のガイド面(49)を有する断面で縁が開いたガイド凹部(50)を形成することを特徴とする圧着プライヤダイ(1)。
【請求項2】
少なくとも1つのダイの片方(5)が粉末射出成形部品として形成されることを特徴とする請求項1に記載の圧着プライヤダイ(1)。
【請求項3】
少なくとも1つのダイの片方ユニット(2;3)が軸受部品(6)を有し、それを使って前記ダイの片方ユニット(2;3)がプライヤジョー(68;69)の旋回面に垂直に配置された回転軸(72)を中心に旋回可能に前記プライヤジョー(68;69)に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の圧着プライヤダイ(1)。
【請求項4】
前記軸受部品(6)が、軸受体(7)を有し、前記軸受体(7)は、
a)ガイド直径を有する円筒セグメント状のガイド面(20)、および、
b)挿入面(21)であって、前記挿入面(21)の領域では、前記軸受体(7)の延在がガイド直径よりも小さい、挿入面(21)
を備えることを特徴とする請求項3に記載の圧着プライヤダイ(1)。
【請求項5】
a)前記ダイの片方ユニット(2;3)が保持体(4)を有し、
b)前記ダイの片方(5)が回転軸受(34)を介し、前記ガイドロッド(43)および/または前記ガイド凹部(50)のガイド軸に平行に配向された回転軸(35)を中心に回転可能に、前記保持体(4)に軸支されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の圧着プライヤダイ(1)。
【請求項6】
前記保持体(4)と前記ダイの片方(5)との間に、係止装置(36)または錠止装置が配置され、それが前記ダイの片方(5)を前記保持体(4)と前記ダイの片方(5)の間の前記回転軸(35)を中心とした所定の相対回転角度中で係止または錠止することを特徴とする請求項5に記載の圧着プライヤダイ(1)。
【請求項7】
a)前記保持体(4)および前記ダイの片方(5)がガイド面(12;23)を有し、 aa)前記ガイド面(12;23)は、前記回転軸(35)に垂直に配向され、
ab)前記ガイド面(12;23)で、前記保持体(4)および前記ダイの片方(5)が前記回転軸(35)を中心とした回転の間、互いに対して案内され、
b)一方の前記ガイド面(12)は凹部(13;14)を有し、その中にはバネ(17)を介して印加される係止要素(18)または錠止要素が配置され、
c)他方の前記ガイド面(23)は係止凹部(24)または錠止要素を有し、それらの中に前記係止要素(18)または錠止要素が係止または錠止のための所定の相対回転角度で配置されることを特徴とする請求項6に記載の圧着プライヤダイ(1)。
【請求項8】
前記回転軸受(34)の成形のために前記保持体(4)が前記ガイドロッド(43)および/または前記ガイド凹部(50)の前記ガイド軸に平行に配向された軸受突起部(27)を有し、それが前記ダイの片方(5)の回転軸受孔(30)を通り延在し、軸方向の固定要素(32)を有することを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の圧着プライヤダイ(1)。
【請求項9】
前記ダイの片方ユニット(2;3)が、加工物がどれだけ深く前記ダイの片方(5)によって形成されるダイ受け(38)に挿入されることができるかを設定する挿入止め(60)を有することを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の圧着プライヤダイ(1)。
【請求項10】
止め体(52)が設けられ、
前記止め体(52)が、
a)止め体回転軸受(53)を介して止め体回転軸(54)を中心に回転可能に前記ダイの片方(5)に軸支され、前記止め体回転軸(54)は前記ダイ受け(38)の受け軸に平行に配向され、
b)前記止め体回転軸(54)の周囲に分配配置される複数の挿入止め(60a、60b…)を有することを特徴とする請求項9に記載の圧着プライヤダイ(1)。
【請求項11】
前記止め体(52)が前記止め体(52)の所定の止め体回転角度で前記ダイの片方(5)に対して係止または錠止する、止め体係止装置(61)または止め体錠止装置が設けられることを特徴とする請求項10に記載の圧着プライヤダイ(1)。
【請求項12】
a)前記止め体(52)および前記ダイの片方(5)が止め体ガイド面を有し、
aa)前記止め体ガイド面は、前記止め体回転軸(54)に垂直に配向され、
ab)前記止め体ガイド面で、前記止め体(52)および前記ダイの片方(5)が互いに対して前記止め体回転軸(54)を中心とした回転中に案内され、
b)一方の前記止め体ガイド面が凹部(62)を有し、その中にバネ(63)を介して印加された止め体係止要素(64)または止め体錠止要素が配置され、
c)他方の前記止め体ガイド面が止め体係止凹部(66a、66b…)または止め体錠止凹部を有し、その中に前記止め体係止要素(64)または止め体錠止要素が、所定の相対的な止め体回転角度で係止または錠止のために配置されることを特徴とする請求項11に記載の圧着プライヤダイ(1)。
【請求項13】
前記止め体回転軸受(53)の成形のために、前記ダイの片方(5)が止め体軸受突起部(55)を有し、それは前記止め体(52)の止め体回転軸受孔(57)を通って延在し、前記止め体(52)の前記ダイの片方(5)とは反対側に軸方向の固定要素(58)を有することを特徴とする請求項10に記載の圧着プライヤダイ(1)。
【請求項14】
方の前記ダイの片方ユニット(2、3)、および/または、
方の前記ダイの片方(5)が、
同一であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の圧着プライヤダイ(1)。
【請求項15】
両方の前記軸受部品(6)が、同一であることを特徴とする請求項3または4に記載の圧着プライヤダイ(1)。
【請求項16】
請求項1~7のいずれか1項に記載の圧着プライヤダイ(1)のダイの片方ユニット(2、3)が保持されるプライヤジョー(68、69)を有する圧着プライヤ(67)。
【請求項17】
少なくとも1つのダイの片方ユニット(2;3)が力距離補償要素(86)を介して支持されることを特徴とする請求項16に記載の圧着プライヤ(67)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧着プライヤ中での使用に定められた圧着プライヤダイに関する。圧着プライヤダイは2つのダイの片方ユニットを備え、それらの圧着面はダイ受けを画定し、その中に加工物が導入可能であり、それはその後ダイの片方ユニットの圧着面間で圧着される。例えば圧着プライヤダイは加工物の圧着に使用され、その加工物はその中に配置されたケーブルを有する(絶縁カラーのあるまたはない)エンドスリーブである。さらに本発明はこのような圧着プライヤダイを備えた圧着プライヤに関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許第0516598号明細書は2つのダイの片方ユニットを有する圧着プライヤダイを開示する。ダイの片方ユニットは、それぞれ圧着プライヤのプライヤジョーのベアリングアイ中の旋回ピンを介して、プライヤジョーの旋回面に垂直に配置された旋回軸を中心に旋回可能にプライヤジョーに軸支される。ダイの片方ユニットは、それぞれダイの一方の側面上にガイドロッドを、並びにダイの片方のもう一方の側面上にガイド孔として形成されたガイド凹部を備える。するとダイの片方ユニットのガイドロッドは、もう一つのダイの片方ユニットの割り当てられたガイド孔に圧着軸の方向にスライド式に導入され、それによって回転防止装置が成形され、それを介して両ダイの片方ユニットが互いに相対的に圧着ストロークに亘って導入される。回転防止装置によって規定される両ダイの片方ユニットの相対位置で、両ダイの片方ユニットは、圧着軸に同軸に延びる回転軸を中心に一緒に回転できる。すると、この回転軸を中心としたダイの片方ユニットの回転角度に準じて、両ダイの片方によって画定されたダイ受けの長手軸の第1旋回位置への配向が行われることができ、その中でダイ受けは圧着プライヤの長手方向に配向され、プライヤジョーの回転面中に延び、並びに第2回転位置への配向も行われ、その中でダイ受けがプライヤジョーの旋回面に垂直に配向される。第1回転位置中で加工物が正面から圧着プライヤおよびそのダイ受けに導入可能であることに対し、第2回転位置中では加工物のダイ受けへの横方向への導入が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】欧州特許第0516598号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は特に以下の観点で改善された圧着プライヤダイを提供することを課題とする。
-ダイの片方、ダイ受けおよび圧着面の形成、および/または
-圧着プライヤダイによって圧着されるべき加工物のための可能性の拡大、および/または
-ダイの片方の構造的形成、および/または
-ガイド、特に回転防止装置の構造的形成、および/または
-ダイの片方用に使用可能な製造方法、および/または
-圧着プライヤダイの部材による様々なベアリングの形成、および/または
-組み立ての簡易化、および/または
-圧着プライヤダイの望ましい動作位置の確実な保証。
そこで本発明は、相応に改善された圧着プライヤダイを備えた圧着プライヤを提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の課題は本発明により独立請求項の特徴によって解決される。本発明のさらなる好適な実施形態は従属請求項から読み取ることができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、2つのダイの片方ユニットを有する圧着プライヤダイを提案する。両方のダイの片方ユニットはガイドを使い、互いに相対的に圧着ストロークに亘って導入される。ダイの片方ユニットはそれぞれ1つのダイの片方を有し、それは加工物に圧着力を加えるために加工物と直接相互作用をする圧着面を形成する。本発明の圧着プライヤダイでは、ガイドが少なくとも1つのダイの片方ユニットに保持されるガイドロッドを有する。このガイドロッドはもう1つのダイの片方ユニットのガイド凹部の中に導入される。ガイドロッドおよびガイド凹部は、これらが圧着ストロークに亘る長手ガイドを保証する限り、任意の断面を有することができる。好ましくはガイドロッドは(部分)円形のガイド断面を有する。
【0007】
その後相応のガイド凹部に導入される2つのガイドロッドが備わることも可能である。ここでは両ガイドロッドが1つのダイの片方ユニットに設けられことができ、するとそれに対して両ガイド凹部がもう1つのダイの片方ユニットに配置される。しかしそれぞれ1つのダイの片方ユニットがガイドロッドおよびガイド凹部を備えることも可能である。
【0008】
欧州特許第0516598号明細書では、ダイの片方が面の大きい圧着面で大きく形成されている。この圧着面は欧州特許第0516598号明細書によると一貫的に形成されている。欧州特許第0516598号明細書の1つのダイの片方の一貫的な圧着面は凸面を形成し、欧州特許第0516598号明細書のもう1つのダイの片方は凹面を形成している。それに対して本発明は、ガイドを有するダイの片方ユニットの中に、例えば欧州特許第0516598号明細書に相応し、別タイプのダイの片方、つまりそれぞれ複数のリブを有するダイの片方を使用することを提案する。するとダイの片方のリブは圧着ストロークに亘って変化する係合の進展とともに互いに係合する。この場合、ダイの片方の圧着面はリブの前面によって形成される。それによりこのタイプのダイは、ダイの片方間での加工物の大きな面での一貫的な圧着を生じさせず、圧着はダイの片方の間隔を置いたリブの前面領域にある複数の互いから間隔を置いて配置された部分領域の中で発生する。このようなダイの片方の使用は、特にケーブルによってワイヤのエンドスリーブを圧着するための、特別なタイプの加工物の場合に有利であることが証明されている。このように互いに係合するリブを有するダイの片方は、例えば「CS10-AE22」の標識を有する申請者の工具、または欧州特許出願公開第3179580号明細書、米国特許出願公開第4283933号明細書、および米国特許出願公開第6151950号明細書から公知である。驚くべきことにこれらのような公知の互いに係合するリブを有するダイの片方の使用は、例えば欧州特許第0516598号明細書から公知であるように、ダイの片方ユニットのガイドを有する圧着プライヤダイにも使用可能であることが判明した。
【0009】
欧州特許第0516598号明細書では、ダイの片方がそこからもう1つのダイの片方の方向に延びる基板を備える。欧州特許第0516598号明細書では、ダイの1つの面にダイ板がガイド凹部を有し、欧州特許第0516598号明細書では、ダイ輪郭体のもう1つの面にガイドロッドが基板に固定されている。本発明の第1変形ではこれとは異なり、ガイドロッドがダイの片方の、少なくとも1つのリブの厚みのある端領域によって形成される。ダイの片方の少なくとも1つのリブへのガイドロッドのこの接続は、代替的にまたは累積的に基板への接続のために行うことができる。しかし少なくとも1つのリブの厚みのある端領域によるガイドロッドの形成により、特にコンパクトな形態が生じる。ガイドロッドが少なくとも1つのリブに内合する構成要素になりうるため、製造の簡易化も可能である。これによって組み立ての煩雑さが削減され、圧着プライヤダイの構造の多様
性が抑制されることも可能である。むしろガイドロッドは(単数および複数の)リブの圧着軸の方向への延在の少なくとも1つの部分を介して板状の基体に接続し、それによって特に剛性のある支持が生じうる。それによってガイドロッドは基板に自由に片持ち梁式に保持されないため、場合によりガイドの精度が向上し、その機械的強度が向上する。
【0010】
代替的または累積的に、本発明の第2の変形例では、ガイド凹部が、少なくとも1つのリブの端部領域に配置され、好ましくはダイの片方の2つのリブの端部領域を結合するガイド凹部領域、または接続領域によって形成されうる。この場合、ガイド凹部領域は、少なくとも円筒形のセグメント形状のガイド面、およびガイド面によって画定されるガイド凹部を形成し、ガイド凹部は断面の縁で開いており、すなわち、2つのリブ間の空間の方向に開いている。その場合、ガイド凹部領域は、ガイドロッドが挿入される円筒セグメント形状のガイド表面を有する。ここで円筒セグメントは、180°以上(好ましくは200°以上、220°以上、240°以上、260°以上、280°以上)の円筒セグメント角度を有し、これは円筒セグメント形状のガイド面を使って、ガイド軸を横切る平面内で直交する方向の支持を行うことができるという結果を生じさせうる。ガイド凹部領域を2つのリブに接続することで、非常に剛性の高い支持を保証することができる。
【0011】
ダイの片方(および圧着プライヤダイの他の構成要素も)は、任意の製造方法、例えば、鋳造法、射出成形法、および/または材料除去製造法またはフライス加工製造法を使用して製造されることができる。本発明の特別な提案では、ダイの片方が粉末射出成形部品として形成されている。PIMプロセス(パワー射出成形の英語power injection mouldingの略称)またはMIMプロセス(金属射出成形の英語metal injection mouldingの略称)とも呼ばれる粉末射出成形は、金属部品を製造するための主要な成形プロセスである。粉末射出成形では、金属微粉末を有機バインダーと混合し射出成形機で成形する。次に有機バインダーが除去され、部材が炉内で高温焼結される。場合により(1つまたは複数の)射出成形プロセスでの製造後に後処理を実行できる。粉末射出成形プロセスは、ダイの片方の製造、および複数の互いに対して平行に配置されたリブおよび/またはガイドの複雑な形状の生成に有利であることが示された。
【0012】
本発明のさらなる提案では、少なくとも1つのダイの片方のユニットがベアリング部品を有する。ベアリング部品を使って、ダイの片方ユニットは割り当てられたプライヤジョーに旋回可能に取り付けられることができる。この場合、取り付けは、プライヤジョーの旋回面に対して垂直に配置された旋回軸によって行われる。2つのダイの片方ユニットの旋回軸によって設定される自由度を利用することにより、ダイの片方ユニットの互いに対するプライヤジョーでの整列が、ガイドロッドがガイド凹部に対して同軸に配置されることによって行われることができ、それによってダイの片方ユニットの、一方では互いの中への挿入がガイドロッドのガイド凹部への進入によって、および場合により、もう一方ではリブの互いの中への係合によって可能になる。
【0013】
ベアリング部品は基本的に欧州特許第0516598号明細書に準拠し、プライヤジョーのベアリングアイで受け取られる旋回ピンとして設計される。特に簡略な組み立ては、本発明のさらなる提案のためにベアリング部品がベアリング体を有するとき、必要な部材の削減によって生じる。ベアリング体はこの場合、ガイド直径を備えた円筒セグメント状のガイド面を有することができる。さらにベアリング体は挿入面を有する。挿入面の領域でベアリング体の延在はガイド直径より小さい。その後ベアリング体がプライヤジョーの断面で縁の開いたベアリングアイの縁開口部を通って挿入されるべきとき、ベアリング部品のベアリング体は、ベアリング体が挿入面領域でのより小さい延在により縁開口部を通ってベアリングアイに挿入されることができるように回転する。そのようにしてベアリング体がベアリングアイ中にあるとき、円筒セグメント状のガイド面のより大きなガイ
ド直径が、ベアリング体の縁開口部からの脱落がもはや不可能であるように作用するように、ベアリング体が回転する。この目的のためにプライヤジョーのベアリングアイの縁開口部は、ガイド直径より小さく、挿入面領域でベアリング体の延在より大きい延在を有する。
【0014】
圧着プライヤダイの形成のためにダイの片方ユニットはベアリング部品をも形成しうるか、またはベアリング部品を保持しうる保持体を有する。この実施形態のためにダイの片方は回転軸受を介して保持体に軸支される。回転軸受はガイドロッドおよび/またはガイド凹部のガイド軸に平行に配向される回転軸を有する。それによって回転軸はガイドのガイド軸に並行にまたは同軸に延びる。回転軸は圧着プライヤの圧着軸と一致しうる。回転軸受を使って、例えば正面からのまたは側面からの加工物の挿入が可能であるように、加工物がさまざまな方向でダイ受けに挿入されることができるよう、ダイの片方ユニットのプライヤジョーに相関する同時回転が行われることが保証されうる。
【0015】
保持体とダイの片方の間に係止装置または錠止装置が配置されることも可能である。すると係止装置または錠止装置はダイの片方を、保持体とダイの片方の間の回転軸を中心とした所定の相関的な回転角度で係止または錠止することができる。それによって係止装置または錠止装置は、圧着プライヤダイの作動位置を確保することができる。ここで係止は、使用者が回転軸を中心とした十分に大きな回転力を加えることで解除することができ、それに対して錠止は、回転軸を中心にトルクを加えるだけでは解除できず、むしろ錠止解除要素が付加的に手動で作動されなければならない。
【0016】
その際、保持体およびダイ面がガイド面を備えることが可能である。このガイド面は回転軸に垂直に配向される。ガイド面には保持体およびダイ面が向き合って、回転軸を中心とした回転の間に挿入される。他方で、ガイド面を介して保持体とダイの片方の間の圧着力の支持も行われうる。ガイド面はこの場合、凹部を有する。凹部の中にはその後印加されたバネで圧力が加えられた係止、または錠止要素が配置される。するともう1つのガイド面は係止または錠止凹部を備える。ダイの片方の保持体に対して所定の相対回転角度で、係止または錠止要素が(少なくとも部分的に)割り当てられた係止または錠止凹部に配置され、それによって係止または錠止が提供される。このような方法で構造的に簡略に、しかし確実に係止または錠止が提供されうる。
【0017】
基本的に回転軸受は、ダイの片方に対する保持体の回転可能な軸受のために任意に形成されうる。本発明の提案では回転軸受の成形のために保持体が軸受突起部を有する。軸受突起部はガイドロッドのガイド軸、および/またはダイの片方ユニットのガイド凹部に平行に配向される。軸受突起部はダイの片方の回転軸受孔を通って延在し、軸方向の固定要素を有する。するとダイの片方の材料領域は基体または保持体の基板と軸方向の固定要素の間に把持されることができ、それによって軸受突起部がダイの片方の回転軸受孔から脱出することが防止される。例えばダイの片方は、保持体に向き合う前面と圧着面の間に側面のスリットを有する。軸受突起部の端部はリング溝を有する。軸受突起部がダイの片方の回転軸受孔の中に挿入された状態で、軸受突起部の端面のリング溝は側面のスリットを介して進入可能であり、固定リングとして形成された軸方向の固定要素は、側面のスリットを通って導入されることができ、リング溝にパチンと嵌まる。
【0018】
いくつかの実施形態では、圧着プライヤまたは圧着プライヤダイに、それを介して加工物のダイ受けへの挿入サポートが提供される、挿入止めが提供されることが望ましい可能性がある。好ましくは、加工物がどれだけ深く加工物の長手軸方向にダイ受けの中に、ダイ受けの長手軸方向に挿入されることができるかが、挿入止めを介して設定される。本発明の提案では挿入止めがダイの片方ユニットに設けられ、挿入止めはダイの片方に配置されるか、またはこれに内含されて形成されることも可能である。これは例えば、回転軸受を介してダイの片方が、圧着軸に平行に配向された回転軸を中心に、保持体に対して回転可能に軸支されるときに有利になる。保持体とダイの片方の間の相関回転角が変化すると、この実施形態では挿入止めが一緒に回転され、これは挿入止めが、相関回転角度が使用者によって設定され使用されるものとは独立して使用されることができるという利点を有する。
【0019】
本発明は、1つのみの挿入止めが固定位置でダイの片方ユニットまたはダイの片方に相関して配置される実施形態を含む。挿入止めが設定可能であることもある。圧着プライヤダイの特別な実施形態では止め体、特に止め盤が設けられる。以下で止め盤が関連付けられるとき、それは任意の他の回転可能な止め体でありうる(または逆である)。止め体は、止め体回転軸受を介して止め体回転軸を中心に回転可能に、ダイの片方に軸支される。止め体回転軸は、ダイ受けの長手軸または受け軸に平行に配向される。止め体は複数の導入止めを有する。この導入止めは、様々な加工物、例えばワイヤのエンドスリーブの様々な大きさおよび軸方向長さに適合する。それによって様々な導入止めが、加工物のダイ受けへの挿入深さのための様々な導入深さを設定しうる。導入止めは(均一または不均一に)周囲および止め体回転軸に亘って分配配置される。止め体回転軸を中心とした止め体の回転により、様々な挿入止めを作用させることができるため、使用者は止め体を回転することにより、圧着プライヤダイの適合を、すなわち挿入深さを調整することにより、様々な加工物、特に様々なタイプまたは大きさのワイヤのエンドスリーブに、行うことができる。
【0020】
止め体の回転位置を摩擦結合的に固定するか、または他の方法で固定することが可能である。圧着プライヤダイの実施形態では、止め体係止装置、または止め体錠止装置が設けられる。止め体係止装置または止め体錠止装置を、所定の止め体の回転角度で、止め体がダイの片方に対して係止または錠止し、それによって止め体の作動位置が固定される。
【0021】
止め体係止装置または止め体錠止装置の実施形態には多様な可能性がある。本発明の提案では止め体およびダイの片方がそれぞれ止め体ガイド面を有する。止め体ガイド面は、止め体回転軸に垂直に配向される。止め体ガイド面には、止め体およびダイの片方が、止め体回転軸を中心とした回転中に互いに相関して挿入される。この場合止め体ガイド面は凹部を有する。この凹部の中にバネで加圧された止め体係止要素、または止め体錠止要素が配置される。もう1つの止め体ガイド面は、複数の止め体係止凹部、または止め体錠止凹部を有する。これらの中には係止または錠止のために少なくとも部分的に止め体係止要素または止め体錠止要素が、その中に止め体回転角に割り当てられた挿入止めがダイ受けに対して正しい位置に配置された、所定の相対止め体回転角の中に配置される。このような方法で、使用者によって設定された止め体の作動位置が固定される。
【0022】
止め体回転軸受の形態の種類には多様な可能性がある。可能な実施形態では、ダイの片方が止め体軸受突起部を有することが提案される。この止め体軸受突起部は、止め体の止め体回転軸受孔を通って延在する。ダイの片方とは反対の止め体の側で、止め体軸受突起部は軸方向の固定要素を有し、それは止め体軸受突起部のリング溝中に受けられた固定リングでありうる。この形態では、止め体が軸方向にダイの片方の基体と軸方向の固定要素の間で把持されることができ、それによって止め体軸受突起部の止め体からの脱出に対する固定が提供される。
【0023】
圧着プライヤダイの中でダイの片方ユニットが様々に形成されることが可能である。相違は一方ではダイの輪郭および圧着面の設計に関連しうる。しかしそのことからまた、ガイドまたはさらなる部材またはダイの片方ユニットの設計基準が互いから逸脱することもありうる。本発明を限定しない例のみを挙げると、ダイの片方ユニットは2つのガイドロッドを有することができ、このダイの片方ユニットはガイド凹部を形成せず、するともう
一つのダイの片方ユニットはガイド凹部のみを有することができる。しかし本発明の特別な実施形態では、両方のダイの片方ユニット、両方の軸受部品および/または両方のダイの片方が同一に形成され、それによって構造の多様性が抑制され、製造コストが削減されることができ、より多くの交換可能性が保証されることができ、備蓄の手間も省くことができる。
【0024】
本発明の課題のさらなる解決法は圧着プライヤを示す。この圧着プライヤの場合、圧着プライヤのプライヤジョーに圧着プライヤダイのダイの片方ユニットが、これが上記で説明されたように保持される。
【0025】
基本的に圧着プライヤダイは任意の設計の圧着プライヤにおいて、例えば以下の観点で可能でありうる。
-作動運動学、
-電子ユニットを搭載した形態、
-圧着経路および/または圧着力を検知するためのセンサーの統合、
-強制ロック、
-圧着プライヤダイの交換のための可能性、
-ラチェットドライブギア、
-圧着ストローク全体を少なくとも2つの部分圧着ストロークに分割し、ハンドレバーの割り当てられた閉動作を行い、次の部分圧着ストロークでハンドレバーを再び開閉することにより、さまざまな圧着段階を可能にすることなど。
【0026】
本発明の実施形態では、圧着プライヤ中に少なくとも1つのダイの片方ユニットを力距離補償要素を介して支持する。このような力距離補償要素は合目的的に使用者が圧着プライヤのハンドレバーに加えた作動力のプライヤジョーおよびダイの片方ユニットへの経路に柔軟性を提供する。この柔軟性は、圧着プライヤおよびそのダイの片方ユニットを使って圧着されうる加工物の、可能な形状の範囲が拡大されうるように利用されることができる。基本的に圧着プライヤが比較的小さい形状の加工物の圧着のために設計されているとき、比較的大きい形状の加工物の圧着プライヤ、およびそのダイの片方ユニットを使った圧着は、必要な圧着力が、ハンドレバーが完全に閉鎖される前にすでに生じるという結果を引き起こす。力距離補償要素がないと、それによってハンドレバーの閉位置が達成されえない。しかし圧着プライヤの中に強制ロックも使われていれば、圧着プライヤを再び開くために閉位置が達成されることが絶対に必要となる。力距離補償要素を使用する場合、圧着プライヤへのさらに強い作動力が力距離補償要素の柔軟な譲歩に対して生じ、そのことからハンドレバーの完全閉鎖が可能になり、それによってハンドレバーの再開も強制ロックによって許可されることができるという結果を生む。このような力距離補償要素の可能な形態については、例示的に欧州特許第3012923号明細書、または欧州特許第0732779号明細書、欧州特許第0158611号明細書、独国特許発明第3109289号明細書、独国実用新案第202012102561号明細書、独国実用新案第202009005811号明細書、独国特許出願公開102013100801号明細書および欧州特許第2905848号明細書で公知である力距離補償要素を参照されたい。
【0027】
本発明の有利な発展形態は、特許請求の範囲、明細書、および図面から明らかになる。
【0028】
明細書中に挙げられた特徴、および複数の特徴の組合せの利点は単に例示的なものであり、代替的または累積的に効果を表してもよく、その際、これらの利点が本発明による実施形態によって必ずしも達成される必要はない。
【0029】
出願時の出願書類および特許の-保護範囲ではなく-開示内容に関しては次のとおりである:さらなる特徴は、図面、-特に複数の構造要素の図示された形状および相対寸法、
ならびにそれらの相対配置および作用結合から読み取れる。本発明の異なる実施形態の特徴、または異なる請求項の特徴の組合せが同様に、請求項の選択された引用との逸脱も可能であり、当該組み合わせによって示唆される。このことは、別個の図面に示されているか、またはこれらの図面の説明に挙げられた特徴にも関する。これらの特徴は、異なる請求項の特徴と組み合わせることもできる。同様に、特許請求の範囲に記載された本発明の他の実施形態に係る特徴が省略されてもよいが、これは付与された特許の独立請求項には適用されない。
【0030】
請求項および明細書に挙げられた特徴は、その数に関して、まさにその数または挙げられた数よりも大きい数が存在することと解されるべきである。その際に「少なくとも」という副詞の明示的な使用は必要でない。すなわち、例えば要素のことが問題である場合、これは正確に1つの要素、2つの要素、またはそれ以上の要素が存在し得ると解されるべきである。これらの特徴に別の特徴が補足されてもよいし、それぞれの成果物をなす特徴だけであってもよい。
【0031】
請求項に含まれる参照符号は、請求項により保護される対象の範囲を限定するものではない。これらの参照符号は、請求項を容易に理解する目的で用いられるにすぎない。
【0032】
以下に本発明が図示された好適な実施形態例を元にさらに解説され説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は圧着プライヤダイを空間分解図で示す。
図2図2図1の圧着プライヤダイを別の視点からの空間分解図で示す。
図3図3図1および図2の組み立てられた圧着プライヤダイを空間分解図で示す。
図4図4図1から図3の圧着プライヤダイを有する圧着プライヤの部分断面の略図を示す。
図5図5図4の圧着プライヤの、圧着プライヤダイの圧着プライヤのプライヤジョーとの接続領域を部分IVで示す。
図6図6図1から図3の圧着プライヤダイを有する圧着プライヤの空間分解図を示す。
図7図7図6の組み立てられた圧着プライヤを空間図で、前方の固定プライヤ部品板なしの空間的概観で示す。
図8図8はハンドレバーおよびプライヤジョーの開位置にある圧着プライヤを示す。
図9図9図8の圧着プライヤをハンドレバーおよびプライヤジョーの閉位置で示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本図面の説明では形状および/または機能という観点で同一または類似の構成要素については、部分的に同じ参照番号が使用され、これらの構成要素が付加的な文字a、b、…によって区別されることもある。するとこれらの付加的な文字がある、またはない構成要素が関連付けられ、それによってそのような構成要素、複数の構成要素、または全構成要素を指すことができる。
【0035】
図1は圧着プライヤダイ1を空間分解図で示す。圧着プライヤダイ1は上部ダイの片方ユニット2および下部ダイの片方ユニット3を備え、それらは同一に形成されるため、それらについての下記の説明は優先的にダイの片方ユニット2に関連付けられ、同じことがもう1つのダイの片方ユニット3にも当てはまる。
【0036】
ダイの片方ユニット2は保持体4およびダイの片方5を有する。
【0037】
保持体は軸受体7および、ここでは軸受体7の両側に配置されるウエブ10、11として形成される止め8、9を有する軸受部品6を備える。軸受体7およびウエブ10、11を有する軸受部品6は保持体4のダイの片方5とは反対側に配置される。
【0038】
ダイの片方5に向き合う側の上に、保持体4がガイド面12を形成する。ガイド面12から、ここでは止まり孔15、16として形成された、少なくとも1つの凹部13、14が発する。凹部14の土台にバネ17があり、バネ17を介してここでは錠止ボール19である錠止要素18が支持される。設置状況に応じて錠止要素18を有するバネ17がもう1つの凹部13に配置されることも可能であり、または両方の凹部13、14の中に割り当てられた錠止要素を有するバネが割り当てられることもできる。
【0039】
軸受体7は円筒セグメント状のガイド面20および、例えば平坦部22でありうる挿入面21を備える。
【0040】
ダイの片方5は保持体4に向き合う側にガイド面23を備える。組み立てられた状態でダイの片方5のガイド面23は保持体4のガイド面12に着接し、ガイド面12、23を介してダイの片方5と保持体4の間での圧着力の支持も行われる。他方で、ガイド面12、23が、以下に説明されるダイの片方5の保持体4に対する相対的回転中のガイドを保証し、ガイド面12、23はこの相対的回転とは独立して、ダイの片方5の保持体4に対する所望の(好ましくは圧着軸105の方向への)配向を保証する。
【0041】
ダイの片方5のガイド面23から錠止凹部24a、24b…が発する。錠止凹部24はダイの片方5の基板25の止まり孔、または貫通孔として形成される。保持体4とダイの片方5の間の相対的な回転角度の錠止のために、錠止要素18がバネ17によって保持体4からダイの片方5の錠止凹部24中に加圧され、(少なくとも部分的に)錠止凹部24の中に進入することができ、それによってダイの片方5と保持体4の間の相対的な回転角度が固定される。
【0042】
保持体4の基板26から、ここでは車軸ジャーナルとして形成され、基板26とは反対側の端領域にリング溝29を有する軸受突起部27が延在する。軸受突起部27は組み立てられた状態でダイの片方5の回転軸受孔30の中に受けを有する。組み立てられた状態で軸受突起部27はダイの片方5の側面スリット31まで延在する。スリット31を通して軸受突起部27のリング溝29が外から進入できるため、固定要素32の固定リング33としての設計のために固定リング33がリング溝29の中に嵌まることにより、ここでは固定リング33である軸方向の固定要素32が側面スリット31を通って軸受突起部27と接続されることが可能になる。このような方法で保持体4の軸受突起部27はダイの片方5が再び脱出することを防ぐ。
【0043】
保持体4の軸受突起部27の受けは回転軸受孔30の中に回転軸受34を成形する。回転軸受34はダイの片方5の保持体4に対する、圧着軸105に対して平行または同軸に配向される回転軸35を中心とした相対的回転を可能にする。回転軸35を中心とする保持体4とダイの片方5の間の様々な相対的回転角度のために係止要素19の係止凹部24a、24b、…への進入による固定が行われることができ、それによって係止装置36が成形される。
【0044】
ダイの片方5は複数の板状の、平行に互いに対して同じ間隔を空けて配置されるリブ37a、37b、…を備える。リブ37はダイの片方5の基板25に垂直に延在する。リブ37は回転軸5および圧着軸105に平行に延在する。リブ37a、37b、…の間隔はリブ37a、37b、…の厚さより僅かに大きい。リブ37a、37b、…は全て同じ厚さを有する。両方のダイの片方5のリブ37a、37b、…は互いの中に挿入されること
ができ、1つのダイの片方ユニット2のダイの片方5のリブ37は、もう1つのダイの片方ユニット3のダイの片方5のリブ37の間隙に配置される。好ましくはダイの片方ユニット2、3のダイの片方5のリブ37は可能な限り緊密に、しかし互いに対する摩擦は少なく着接するため、ここでは中間嵌めまたは隙間嵌めがありうる。リブ37の相対運動は、これによって圧着軸105および回転軸35の方向に可能となる。リブ37の延在面に垂直な方向に、場合により小さな遊びがダイの片方ユニット2、3の保持体4の相関運動のために生じる。
【0045】
視点をダイの片方5によって成形されるダイ受け38の方向に向けると、リブ37は基本的に直角三角形に相応して形成される。ここでは三角形の直角によって画定される辺が交互にダイの片方5の基板25と接続され、それはリブ37によって成形される隣接するリブ37の圧着面39、40が一種のV字型または直角を成形するという結果をもたらす。ダイの片方ユニット2、3の両方のダイの片方5の圧着面39、40は、図2に見られるダイ受け38の正方形、長方形、またはひし形の断面輪郭を画定する。ここではダイの片方ユニット2、3の圧着軸105の方向への相対運動によってダイ受け38の大きさが圧着ストロークにわたって縮小されることができ、しかし引き続き正方形、長方形、またはひし形の断面輪郭は維持されたままである。
【0046】
ダイは(圧着面39、40を有する側を除き)ダイ受け38の形成のために基本的に直方体型の外観形状を有し、これはリブ37間の間隙領域では開いている。
【0047】
(好ましくは真ん中の)リブ37は、直方体型の外観に亘ってストリップ状または板状の延長部41および端側の厚く膨らんだ部分42とともに延在する。厚く膨らんだ部分42はガイドロッド43を成形する。ガイドロッド43は、圧着軸105の方向に、割り当てられたリブ37の全延在に亘る延長部41に亘り、リブ37に接合する。延長部41および厚く膨らんだ部分42は圧着軸105の方向に同一に保たれ、延長部41の領域に2つの互いに対して平行に配置されるガイド面によって成形される断面を有する。厚く膨らんだ部分42の領域中に断面は部分円状に形成され、それによりガイドロッド43は円筒セグメント状のガイド面44を形成する。
【0048】
向き合う側で、ガイド面43を形成するリブ37に直接着接し、またはこれを画定する、2つのリブ37が、直方体型の形状の外部に配置された接続領域またはガイド凹部領域45を形成する。ガイド凹部領域45は2つの板状またはストリップ状の延長部46、47並びにガイド凹部部分48を備える。延長部46、47は互いに平行に配置されたガイド面を形成し、ガイド凹部部分は内部にあって円筒セグメント状のガイド面49を形成する。ガイド面49はガイド凹部50または(縁の開いた)ガイド孔を成形する。ガイド凹部領域45は割り当てられたリブ37の圧着軸105の方向への全延在に亘って延在し、定常的断面に亘る全延在を備える。
【0049】
ガイド51の成形のために、組み立てられた圧着プライヤダイ1は、ダイの片方ユニット2のダイの片方5のガイドロッド43をもう1つのダイの片方ユニット3のダイの片方5のガイド凹部50で受け、およびその逆を行う。ガイド51を使用して、以下が保証される。
-両方のダイの片方ユニット2、3のダイの片方5が回転軸35を中心として一緒に回転され、
-圧着軸105を横切る、およびリブ37の主要延在面でのダイの片方ユニット2、3のダイの片方5の変位が、限定または中断され、および/または、
-ダイの片方ユニット2、3のダイの片方5の支持が、リブ37の主要延在面に垂直な方向で提供される。
【0050】
選択的に圧着プライヤダイ1の少なくとも1つのダイの片方5は、ここでは止め盤とし
て形成される止め体52を備えることができる。止め体52は止め体回転軸受53を介してダイの片方5の基体またはリブ37に回転可能に軸支され、止め体回転軸受53は、リブ37の主要延在面に垂直に配向された止め体回転軸54を備える。図示された実施形態では止め体回転軸受53が、ダイの片方5の基体またはリブ37から発し、端面に止め体リング溝56を備えた止め体軸受突起部55とともに成形される。止め体52は止め体回転軸受孔57を備える。組み立てられた状態で、ダイの片方5の止め体軸受突起部55は、止め体52の止め体回転軸受孔57を通って延在する。軸方向の止め体固定要素58(ここでは止め体固定リング59、受けは止め体リング溝56中にある)を介して止め体52は軸方向にダイの片方5に固定される。ここでは止め体52が軸方向に止め体固定要素58とダイの片方5の基体またはリブ37の間に把持される。
【0051】
止め体52は複数の止め体回転軸54の周囲に亘って分配配置された導入止め60a、60bを備え、それらは止め体52のダイの片方5に対する止め体回転軸54を中心とした様々な相関回転角度で作動位置にもたらされることができ、その中でこれらは加工物の挿入のためのそれぞれ1つの挿入位置をダイ受け38の中に設定する。ここでは、導入止め60a、60bが図示されたように様々な通過凹部を備えることが可能であり、それらは例えばダイの片方5とは反対側に円錐形に形成されることができ、または円形断面から逸脱した斜角のガイド面を有する長い断面を備えることもできる。個々の挿入止め60が様々な止め位置を止め体回転軸54の観点から備えることも可能であり、様々な止め位置は、様々な挿入止め60のためにそれらの作動位置の中にワイヤのエンドスリーブが様々な深さでダイ受け38の中に挿入されるという結果を生む。様々な挿入位置により例えば、ワイヤのエンドスリーブの内部にある端領域がダイ受け38の所定の位置、特にリブ37への所定の相対位置にあることが保証される。
【0052】
選択的に図示された実施形態例では圧着プライヤダイ1が止め体係止装置61を備える。ここではダイの片方5が、その底にバネ63が、およびバネ63を介して、係止ボール65としての形態の止め体係止要素64が支持される凹部62を備える。ダイの片方5に向き合う側で止め体52は複数の周囲に亘って分配された止め体係止凹部66を備え、その中に止め体係止要素64が挿入止め60の様々な作動位置で係止されることができる。
【0053】
図4および図5は、圧着プライヤダイ1のダイの片方ユニット2、3がプライヤジョー68、69に取り付けられた(前方の固定プライヤ部品板なしの)圧着プライヤ67を示す。ここで図5は圧着プライヤダイ1の接続領域の部分IVをプライヤジョー68、69と共に示す。プライヤジョー68、69はそれぞれ1つのベアリングアイ70を形成し、それはダイの片方ユニット2、3の軸受体7と共に回転軸受71を回転軸72と共に成形し、それは図4および図5の図面の面に垂直に、並びにプライヤジョー68、69の旋回面に対して垂直に配向される。ベアリングアイ70は縁開口部74を有する軸受孔73を備える。縁開口部74のために軸受孔73は円筒セグメント状に、180°より大きい、例えば190°から240°のセグメント角度で形成される。そのため縁開口部74の横方向の境界75、76は軸受孔73のガイド直径より小さい間隔を有する。軸受部品6の軸受体7をベアリングアイ70の中に挿入するために、(これに保持されるもう1つのダイの片方ユニット3なしの)ダイの片方ユニット2の軸受体7が図5の位置に対してプライヤジョー68、69の旋回面に垂直に、軸受体7がここでは平坦部22である挿入面21と共に縁開口部74を通過できるように回転する。軸受体7がベアリングアイ70の中にあるとき、軸受体7はプライヤジョー68、69の旋回面に垂直に、挿入面21がベアリングアイ70の内部に配置されるように旋回される。軸受体7の円筒セグメント状のガイド面20のより大きなガイド直径は、この回転角度および隣接した圧着ストローク中に通過した回転角度により、ベアリング体7がベアリングアイ70から再び脱出することを防ぐ。好ましくは、軸受体7がベアリングアイ70に挿入されおよびそこから脱出可能であるための軸受体7の回転角度は、この回転角度がそれに保持される圧着プライヤダ
イ1を有する組み立てられた圧着プライヤ67にとっては到達されることがなく、この回転角度が少なくとも部分的に解体された圧着プライヤ67にとってのみ可能であるように選択される。
【0054】
図6は、その中で圧着プライヤダイ1を使用できる圧着プライヤ67の可能な実施形態を空間分解図で示す。圧着プライヤは固定プライヤ部品67を備える。固定プライヤ部品67は固定ハンドレバー68を形成する。固定プライヤ部品67は前方および後方の固定プライヤ部品板79を備える。固定プライヤ部品77には旋回ピン80を介し、好ましくはハンドレバー78の領域で、旋回可能に弾性プライヤジョー81が支持される。付加的に弾性プライヤジョー81はさらなる旋回ピン82を介して旋回可能に固定プライヤ部品77に軸支される。ここではボットピン82が代替的に弾性プライヤジョー81の第1長手延在83または第2長手延在84の領域に配置されうる。第1長手延在は例えば弾性プライヤジョー81の長手延在のおよそ半分に相応することができ、第2長手延在84は例えば弾性プライヤジョー81の旋回ピン80からの間隔の3分の1から4分の1で配置されることができる。それによって弾性プライヤジョー81は、その中の自由な端領域にベアリングアイ70が配置される、自由に突出するプライヤジョー部分85を備える。材料の弾性、特に剛性および/または弾性プライヤジョー81の断面および断面二次モーメントは、十分に大きな圧着力がある場合に、弾性プライヤジョー81の弾性曲げまたは回避運動および、ベアリングアイ70のそれが共に生じうるように選択される。この方法で力距離補償要素86が提供される。
【0055】
可動ハンドレバー87は端領域で回転軸受88を介して旋回ピン89により可動プライヤジョー90に関節結合される。そのことから可動プライヤジョー90は回転軸受91を介して旋回ピン92により固定プライヤジョー77に旋回可能に軸支される。そのことから可動ハンドレバー87は回転軸受93を介しても旋回ピン94により圧力レバー95と接続される。圧力レバー95は端領域で回転軸受96を介して旋回ピン97により固定プライヤ部品77に関節結合される。可動プライヤジョー90と弾性プライヤジョー81の間で開放バネ104が作用する。可動ハンドレバー87、圧力レバー95および可動ハンドレバー87の可動プライヤジョー90への関節結合がトグルレバー駆動98を成形する。トグルレバー駆動98のトグル継手99は回転軸受93によって成形され、第1トグルレバーは圧力レバー95により回転軸受93、96の間の部分に成形され、第2トグルレバーは可動ハンドレバー87により回転軸受88、93の間の部分に成形される。可動プライヤジョー90および弾性プライヤジョー81は鋏顎の領域の端領域にそれぞれ1つのベアリングアイ70を形成する。ベアリングアイ70の中には圧着プライヤダイ1のダイの片方ユニット2、3の軸受体7が取り付けられる。
【0056】
図6および図7では、圧着プライヤ87がパネル構造で形成され、個々のパネルが複数形成されうることが見て取れる。
【0057】
圧着プライヤ67は図示された実施形態例で強制ロック100も備える。強制ロック100は、圧着ストロークの実施が複数の部分圧着段階によっても可能になることを防止し、それぞれの部分圧着段階の後、圧着プライヤ67の開放は強制ロック100により防止される。圧着プライヤ67の開放はむしろ強制ロック100により、圧着ストロークおよびそれと共に全部分圧着段階が完全に遂行されたときのみに可能になる。図示された実施形態例では強制ロック100が圧力レバー95の外部ギアリング101、爪102、爪バネ103を備える。
【0058】
図8は圧着プライヤ67をそれに保持された圧着プライヤダイ1と共に開位置で示し、図9は圧着プライヤ67を閉位置で示す。開位置ではダイの片方ユニット2、3のガイドロ
ッド43が部分的にダイの片方ユニット2、3のガイド凹部50の外に配置され、ダイ受け38の大きな断面が生じ、図9ではガイドロッド43がさらに、または完全にガイド凹部50の中に進入し、ダイ受け38の小さな断面が生じることがわかる。両方のダイの片方ユニット2、3の回転軸72の接続軸は圧着軸105を成形し、その方向に圧着力が生成され、それは圧着面39、40を介して、ダイ受け38の中に配置された加工物の外面にもたらされる。
【0059】
ガイド51の実施形態はダイの片方5の、特にリブダイとしてではなくリブ37と共に形成されたダイの片方5の任意の実施形態のためにも使用される。
【0060】
図示された実施形態例では、ガイドロッド43を成形する厚く膨らんだ部分42が、1つのみのリブ37の側方端領域によって形成される。同様に本発明の枠内で、側方端領域の厚く膨らんだ部分42が、2つの直接近接するまたは間隔を置いたリブ37またはより多くのリブ37によっても合同で形成されることが可能である。
【0061】
図示された実施形態例では、側方端領域のガイド凹部50が2つの直接近接するリブ37によって形成される。同様に本発明の枠内で、ガイド凹部50が、その側方端領域がガイドロッド43を側方から抱含する1つのみのリブ37により形成されるか、または端領域のガイド凹部50が、2つの直接近接しないリブ37(または2つ以上のリブ37)によって形成されることも可能である。
【0062】
図示された実施形態例では、ダイの片方5の回転軸35を中心とする共同の回転を可能にする回転軸受34は本発明の圧着プライヤダイ1の構成要素である。このように成形された圧着プライヤダイ1は保持体4を介して圧着プライヤのプライヤジョーに関節結合され、それは図示された実施形態例では付加的な旋回自由度を伴って行われる。しかし本発明は2つのダイの片方5を有する圧着プライヤダイの実施形態も含み、圧着プライヤダイ1は完全な回転軸受34ではなく、回転軸受34の回転軸受要素106のみを成形する。図示された実施形態例では、回転軸受要素106は例えば回転軸受孔30のようなベアリングアイ(またはベアリングジャーナル)でありうる。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下を含む。
1.
ガイド(51)を使って互いに相関して圧着ストロークに亘って導入され、それぞれ1つのダイの片方(5)を有する2つのダイの片方ユニット(2、3)を有する圧着プライヤダイ(1)であり、
前記ガイド(51)は、一方のダイの片方ユニット(2;3)に保持され、他方のダイの片方ユニット(3;2)のガイド凹部(50)に導入される、少なくとも1つのガイドロッド(43)を有し、
a)前記ダイの片方(5)の圧着面(39、40)が互いに係合するリブ(37)の前面によって形成され、
b)前記ガイドロッド(43)が厚く膨らんだ部分(42)によってダイの片方(5)の少なくとも1つのリブ(37)の端領域に形成され、および/または前記ガイド凹部(50)が、ダイの片方(5)の少なくとも1つのリブ(37)の端領域から発するガイド凹部領域(45)によって成形され、前記ガイド凹部領域(45)が、円筒セグメント状のガイド面(49)を有する断面で縁が開いたガイド凹部(50)を形成することを特徴とする圧着プライヤダイ(1)。
2.
少なくとも1つのダイの片方(5)が粉末射出成形部品として形成されることを特徴とする上記1の圧着プライヤダイ(1)。
3.
少なくとも1つのダイの片方ユニット(2;3)が軸受部品(6)を有し、それを使って前記ダイの片方ユニット(2;3)がプライヤジョー(68;69)の旋回面に垂直に配置された回転軸(72)を中心に旋回可能に前記プライヤジョー(68;69)に取り付けられることを特徴とする上記1の圧着プライヤダイ(1)。
4.
前記軸受部品(6)が、軸受体(7)を有し、前記軸受体(7)は、
a)ガイド直径を有する円筒セグメント状のガイド面(20)、および、
b)挿入面(21)であって、前記挿入面(21)の領域では、前記軸受体(7)の延在がガイド直径よりも小さい、挿入面(21)
を備えることを特徴とする上記3の圧着プライヤダイ(1)。
5.
a)前記ダイの片方ユニット(2;3)が保持体(4)を有し、
b)前記ダイの片方(5)が回転軸受(34)を介し、前記ガイドロッド(43)および/または前記ガイド凹部(50)のガイド軸に平行に配向された回転軸(35)を中心に回転可能に、前記保持体(4)に軸支されることを特徴とする上記1~4のいずれか1つの圧着プライヤダイ(1)。
6.
前記保持体(4)と前記ダイの片方(5)との間に、係止装置(36)または錠止装置が配置され、それが前記ダイの片方(5)を前記保持体(4)と前記ダイの片方(5)の間の前記回転軸(35)を中心とした所定の相対回転角度中で係止または錠止することを特徴とする上記5の圧着プライヤダイ(1)。
7.
a)前記保持体(4)および前記ダイの片方(5)がガイド面(12;23)を有し、
aa)前記ガイド面(12;23)は、前記回転軸(35)に垂直に配向され、
ab)前記ガイド面(12;23)で、前記保持体(4)および前記ダイの片方(5)が前記回転軸(35)を中心とした回転の間、互いに対して案内され、
b)一方の前記ガイド面(12)は凹部(13;14)を有し、その中にはバネ(17)を介して印加される係止要素(18)または錠止要素が配置され、
c)他方の前記ガイド面(23)は係止凹部(24)または錠止要素を有し、それらの中に前記係止要素(18)または錠止要素が係止または錠止のための所定の相対回転角度で配置されることを特徴とする上記6の圧着プライヤダイ(1)。
8.
前記回転軸受(34)の成形のために前記保持体(4)が前記ガイドロッド(43)および/または前記ガイド凹部(50)の前記ガイド軸に平行に配向された軸受突起部(27)を有し、それが前記ダイの片方(5)の回転軸受孔(30)を通り延在し、軸方向の固定要素(32)を有することを特徴とする上記5~7のいずれか1つの圧着プライヤダイ(1)。
9.
前記ダイの片方ユニット(2;3)が、加工物がどれだけ深く前記ダイの片方(5)によって形成されるダイ受け(38)に挿入されることができるかを設定する挿入止め(60)を有することを特徴とする上記5~7のいずれか1つの圧着プライヤダイ(1)。
10.
止め体(52)が設けられ、
前記止め体(52)が、
a)止め体回転軸受(53)を介して止め体回転軸(54)を中心に回転可能に前記ダイの片方(5)に軸支され、前記止め体回転軸(54)は前記ダイ受け(38)の受け軸に平行に配向され、
b)前記止め体回転軸(54)の周囲に分配配置される複数の挿入止め(60a、60b…)を有することを特徴とする上記9の圧着プライヤダイ(1)。
11.
前記止め体(52)が前記止め体(52)の所定の止め体回転角度で前記ダイの片方(5)に対して係止または錠止する、止め体係止装置(61)または止め体錠止装置が設けられることを特徴とする上記10の圧着プライヤダイ(1)。
12.
a)前記止め体(52)および前記ダイの片方(5)が止め体ガイド面を有し、
aa)前記止め体ガイド面は、前記止め体回転軸(54)に垂直に配向され、
ab)前記止め体ガイド面で、前記止め体(52)および前記ダイの片方(5)が互いに対して前記止め体回転軸(54)を中心とした回転中に案内され、
b)一方の前記止め体ガイド面が凹部(62)を有し、その中にバネ(63)を介して印加された止め体係止要素(64)または止め体錠止要素が配置され、
c)他方の前記止め体ガイド面が止め体係止凹部(66a、66b…)または止め体錠止凹部を有し、その中に前記止め体係止要素(64)または止め体錠止要素が、所定の相対的な止め体回転角度で係止または錠止のために配置されることを特徴とする上記11の圧着プライヤダイ(1)。
13.
前記止め体回転軸受(53)の成形のために、前記ダイの片方(5)が止め体軸受突起部(55)を有し、それは前記止め体(52)の止め体回転軸受孔(57)を通って延在し、前記止め体(52)の前記ダイの片方(5)とは反対側に軸方向の固定要素(58)を有することを特徴とする上記10の圧着プライヤダイ(1)。
14.
a)両方の前記ダイの片方ユニット(2、3)、および/または、
b)両方の前記軸受部品(6)、および/または、
c)両方の前記ダイの片方(5)が、
同一であることを特徴とする上記1~7のいずれか1つの圧着プライヤダイ(1)。
15.
上記1~7のいずれか1つの圧着プライヤダイ(1)のダイの片方ユニット(2、3)が保持されるプライヤジョー(68、69)を有する圧着プライヤ(67)。
16.
少なくとも1つのダイの片方ユニット(2;3)が力距離補償要素(86)を介して支持されることを特徴とする上記15の圧着プライヤ(67)。
【符号の説明】
【0063】
1 圧着プライヤダイ
2 ダイの片方ユニット
3 ダイの片方ユニット
4 保持体
5 ダイの片方
6 軸受部品
7 軸受体
8 止め
9 止め
10 ウエブ
11 ウエブ
12 ガイド面
13 凹部
14 凹部
15 止まり孔
16 止まり孔
17 バネ
18 係止要素
19 係止ボール
20 ガイド面
21 挿入面
22 平坦部
23 ガイド面
24 係止凹部
25 基板
26 基板
27 軸受突起部
28 車軸ジャーナル
29 リング溝
30 回転軸受孔
31 側面スリット
32 固定要素
33 固定リング
34 回転軸受
35 回転軸
36 係止装置
37 リブ
38 ダイ受け
39 圧着面
40 圧着面
41 延長部
42 厚く膨らんだ部分
43 ガイドロッド
44 ガイドロッド
45 ガイド凹部領域
46 延長部
47 延長部
48 ガイド凹部部分
49 ガイド面
50 ガイド凹部
51 ガイド
52 止め体
53 止め体回転軸受
54 止め体回転軸
55 止め体軸受突起部
56 止め体リング溝
57 止め体回転軸受孔
58 止め体固定要素
59 止め体固定リング
60 挿入止め
61 止め体係止装置
62 凹部
63 バネ
64 止め体係止要素
65 係止ボール
66 止め体係止凹部
67 圧着プライヤ
68 プライヤジョー
69 プライヤジョー
70 ベアリングアイ
71 回転軸受
72 回転軸
73 軸受孔
74 縁開口部
75 境界
76 境界
77 固定プライヤ部品
78 固定ハンドレバー
79 固定プライヤ部品板
80 旋回ピン
81 弾性プライヤジョー
82 旋回ピン
83 第1長手延在
84 第2長手延在
85 プライヤジョー部
86 力距離補償要素
87 可動ハンドレバー
88 回転軸受
89 旋回ピン
90 可動プライヤジョー
91 回転軸受
92 旋回ピン
93 回転軸受
94 旋回ピン
95 圧力レバー
96 回転軸受
97 旋回ピン
98 トグルレバー駆動
99 トグル継手
100 強制ロック
101 外部ギアリング
102 爪
103 爪バネ
104 開放バネ
105 圧着軸
106 回転軸受要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9