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特許7688944石材類からなる扉と、その扉に取り付けるための取り付け部と、を有する取り付け装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-28
(45)【発行日】2025-06-05
(54)【発明の名称】石材類からなる扉と、その扉に取り付けるための取り付け部と、を有する取り付け装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 13/00 20060101AFI20250529BHJP
   E06B 3/70 20060101ALI20250529BHJP
   E05D 3/02 20060101ALI20250529BHJP
【FI】
E04H13/00 G
E06B3/70 Z
E05D3/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023520982
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(86)【国際出願番号】 JP2022019399
(87)【国際公開番号】W WO2022239686
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2023-10-11
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2021/018057
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507099583
【氏名又は名称】有限会社河野石材店
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】弁理士法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】河野 誠
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-223355(JP,A)
【文献】登録実用新案第3135973(JP,U)
【文献】特開2014-058819(JP,A)
【文献】特開2012-211499(JP,A)
【文献】特開平08-144572(JP,A)
【文献】特開2022-069324(JP,A)
【文献】特開2021-169721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 13/00
E06B 3/70
E05D 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
石材類からなり、下端部を具備する扉と、
前記扉を取り付けるために取り付け下端部を具備する取り付け部と、を有し、
前記取り付け部は、その取り付け下端部に外方に突出する取り付け突起部と、をさらに有し、
前記取り付け突起部は、前記下端部と係合することで、前記石材類からなる扉を支持する取り付け装置。
【請求項2】
石材類からなる扉と、
前記扉に取り付けるための取り付け部と、を有し、
前記扉は、その上端部に内方に突出する突起部と、をさらに有し、
前記突起部は、前記取り付け部と係合することで、前記石材類からなる扉を支持するとともに、
石材類からなる固定部材と、
前記固定部材に固定される支持部材と、
前記支持部材と、前記取り付け部とを開閉可能に支持するヒンジ部材と、をさらに有する石材類からなる扉を取り付ける取り付け装置。
【請求項3】
石材類からなる固定部材と、
前記固定部材に固定される支持部材と、
前記取り付け部は一方のヒンジ部と、
前記支持部材は他方のヒンジ部と、
棒状の軸部と、を有し、
前記一方のヒンジ部と、他方のヒンジ部は、前記棒状の軸部を介して回動可能に回転する請求項1記載の石材類からなる扉を取り付ける取り付け装置。
【請求項4】
底面を有する空所に配置するために、前記支持部材は、前記底面に接する脚部と、
前記脚部から立設するように配置されたヒンジ取り付け部と、
前記固定部材は、前記底面に配置する底面部と、を有し、
前記底面部は、へこみとなる凹部と、をさらに有し、
前記凹部に、前記脚部を配置する請求項2または3記載の取り付け装置。
【請求項5】
前記脚部は、孔となる孔部と、を有し、前記孔部を介して前記底面と前記凹部とを接着する請求項4記載の取り付け装置。
【請求項6】
石材類からなる扉と、
前記扉に取り付けるための取り付け部と、を有し、
前記扉は、溝状の扉溝部と、をさらに有し、
前記扉溝部は、前記取り付け部と嵌合することで、前記石材類からなる扉を支持するとともに、
石材類からなる固定部材と、
前記固定部材に固定される支持部材と、
前記支持部材と、前記取り付け部とを開閉可能に支持するヒンジ部材と、をさらに有する石材類からなる扉を取り付ける取り付け装置。
【請求項7】
前記支持部材を取り付ける支持部材取り付け部と、を有し、
前記支持部材は、前記支持部材取り付け部に接する脚部と、
前記脚部から立設するように配置されたヒンジ取り付け部と、を有し、
前記固定部材は、前記支持部材取り付け部に配置する底面部と、を有し、
前記底面部は、へこみとなる凹部と、をさらに有し、
前記凹部に、前記脚部を配置する請求項6記載の取り付け装置。
【請求項8】
前記脚部は、孔となる孔部と、を有し、前記孔部を介して前記支持部材取り付け部と前記凹部とを接着する請求項7記載の取り付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石材類からなる扉と、その扉に取り付けるための取り付け部と、を有する取り付け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、墓石を囲んで配置される石材製の構築物である外柵に、墓参に使用する物品を収納するための内部空間を設けたものが存在していた。この内部空間に墓参に必要な線香、ローソクなどを収納することができた。しかしながら、その内部空間にごみや埃の進入又は蜂の巣を作るといった問題が起こることにより、これを防ぐ必要に迫られることになった。
【0003】
そこで特開2018-62795号において、「墓所設備において燈明を配置するために墓所設備に設けた空所と、上記空所に燈明を配置するために空所を囲む閉塞面と、上記閉塞面に形成した開閉手段と、上記燈明に着火するために開閉手段に制限的に形成した着火口と、上記着火口を開閉する開閉部材とを具える」という手段を講じた発明が開示されている。
【0004】
これは、本願発明者が発明したものであり、上記公報における段落「0030」および図6に開示されているように、「空所21の開口に固定されるフレーム34と、空所21を開閉する空所開閉体35とを有している。空所開閉体35はフレーム34に納まる大きさの板状に形成されるとともに、フレーム34に軸支されるヒンジ軸39aを中心に回転するように設けられた、ヒンジ軸39aの軸受け部39bを一側辺に有している。なお、ヒンジ軸39aは軸受け39cに取り付けられ、軸受け部39bと共にヒンジ部39を構成する。」というものである。
【0005】
しかしながら、ヒンジ軸39aと、軸受け部39bとのクリアランスが大きすぎるとその回転軸であるヒンジ軸39aと軸受け部39bが一直線上にないため空所開閉体35が傾斜した状態で開閉する場合がある。このとき、空所21の開口部とその空所開閉体35の位置合わせが必要となり、現場においての加工性に問題が生じる場合がある。
【0006】
また、図示しないが、石材製の開閉扉に回転軸となる凸部を開閉扉の上下に回転軸として構成すると共に、その開閉扉の回転軸としての上述の凸部が嵌合する凹部を空所の入り口の上下に配置するということもできる。しかしながら、凹部を構成する上部の部材と下部の部材を独立して構成しそれらを開口部に取り付けると共に、開閉扉の回転軸としての凸部を、その凹部に取りつける必要がある。その場合、独立した上部部材と下部部材を、空所の入り口の上下に配置するときに、その凹部に、開閉扉の回転軸としての上述の凸部を嵌合するように取り付けるが、それらの位置あわせを現場においてすることは施工性において問題がある。
【0007】
そこで、市販されているヒンジを使用することができれば、現場においての加工性の問題が生じないものの、市販されているヒンジは金属製であるために、石材である扉に固定するためには問題が生じる場合がある。
【0008】
すなわち、金属製のヒンジを石材に固定する方法として接着剤を使用する場合があるが、金属と石材との温度による収縮率の相違から、長年の使用により、金属製のヒンジ石材類の扉とが剥離する場合があり、長期にわたって使用する石材類においては適当ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2018-62795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、石材類の扉を支持することができる石材類からなる扉と、その扉に取り付けるための取り付け部と、を有する取り付け装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題を解決するために、第1観点の取り付け装置は、石材類からなる扉と、扉に取り付けるための取り付け部と、を有し、扉は、その上端部に内方に突出する突起部と、をさらに有し、突起部は、取り付け部と係合することで、石材類からなる扉を支持するというものである。
【0012】
また、第2観点の取り付け装置は、石材類からなり、下端部を具備する扉と、扉を取り付けるために取り付け下端部を具備する取り付け部と、を有し、取り付け部は、その取り付け下端部に外方に突出する取り付け突起部と、をさらに有し、取付け突起部は、下端部と係合することで、石材類からなる扉を支持するというものである。
【0013】
また、第3観点の取り付け装置は、第1観点において、石材類からなる固定部材と、固定部材に固定される支持部材と、支持部材と、取り付け部とを開閉可能に支持するヒンジ部材と、をさらに有するというものである。
【0014】
また、第4観点の取り付け装置は、第2観点において、石材類からなる固定部材と、固定部材に固定される支持部材と、取り付け部は一方のヒンジ部と、支持部材は他方のヒンジ部と、棒状の軸部と、を有し、一方のヒンジ部と、他方のヒンジ部は、棒状の軸部を介して回動可能に回転するというものである。
【0015】
また、第5観点の取り付け装置は、第3観点または第4観点において、底面を有する空所に配置するために、支持部材は、底面に接する脚部と、脚部から立設するように配置されたヒンジ取り付け部と、固定部材は、底面に配置する底面部と、を有し、底面部は、へこみとなる凹部と、をさらに有し、凹部に、脚部を配置するというものである。
【0016】
また、第6観点の取り付け装置は、第5観点において、脚部は、孔となる孔部と、を有し、孔部を介して底面と凹部とを接着するというものである。
【0017】
また、第7観点の取り付け装置は、石材類からなる扉と、扉に取り付けるための取り付け部と、を有し、扉は、溝状の扉溝部と、をさらに有し、扉溝部は、取り付け部と嵌合することで、石材類からなる扉を支持するというものである。
【0018】
また、第8観点の取り付け装置は、第7観点において、石材類からなる固定部材と、固定部材に固定される支持部材と、支持部材と、取り付け部とを開閉可能に支持するヒンジ部材と、をさらに有するというものである。
【0019】
また、第9観点の取り付け装置は、第8観点において、支持部材を取り付ける支持部材取り付け部と、を有し、支持部材は、支持部材取り付け部に接する脚部と、脚部から立設するように配置されたヒンジ取り付け部と、を有し、固定部材は、支持部材取り付け部に配置する底面部と、を有し、底面部は、へこみとなる凹部と、をさらに有し、凹部に、脚部を配置するというものである。
【0020】
また、第10観点の取り付け装置は、第9観点において、脚部は、孔となる孔部と、を有し、孔部を介して支持部材取り付け部と凹部とを接着するというものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであるから、石材類の扉を支持することができる石材類からなる扉と、その扉に取り付けるための取り付け部と、を有する取り付け装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】墓所設備の全体図斜視図である。
図2】Aは、第1実施例の取り付け装置の概念図である。Bは、第2実施例の取り付け装置の概念図である。Cは、第3実施例の取り付け装置の概念図である。
図3】開いた状態における第1実施例の扉を有する第1実施例の取り付け装置を示した概念図である。
図4】第1実施例の取り付け装置を示した分解斜視図である。
図5】第2実施例の取り付け装置を示した分解斜視図である。
図6】第3実施例の取り付け装置を示した分解斜視図である。
図7】Aは、第4実施例の取り付け装置の概念図である。Bは、第5実施例の取り付け装置の概念図である。Cは、第6実施例の取り付け装置の概念図である。
図8】開いた状態における第1実施例の扉を有する第4実施例の取り付け装置を示した概念図である。
図9】第4実施例の取り付け装置を示した分解斜視図である。
図10】第5実施例の取り付け装置を示した分解斜視図である。
図11】第6実施例の取り付け装置を示した分解斜視図である。
図12】第7実施例の取り付け装置の概念図である。
図13】第7実施例の取り付け装置を示した分解斜視図である。
図14】第8実施例の取り付け装置の概念図である。
図15】開いた状態の第8実施例の取り付け装置の概念図である。
図16】第8実施例の取り付け装置を示した分解斜視図である。
図17】閉じた状態の第9実施例の取り付け装置の概念図である。
図18】開いた状態の第9実施例の取り付け装置の概念図である。
図19】第9実施例の取り付け装置を示した分解斜視図である。
図20】閉じた状態の第10実施例の取り付け装置の概念図である。
図21】第10実施例の取り付け装置を示した分解斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
墓所設備1000において、花立950、950に、それぞれ石材類からなる第1実施例の取り付け装置10を有する。第1実施例の取り付け装置10は、第1実施例の扉100と、その扉100を支持する取り付け部200を有する。取り付け部200は、ヒンジ部材300、300が取り付けられており、そのヒンジ部材300、300は、支持部材320に取り付けられている。また、支持部材320は、固定部材350に取り付けられている。支持部材320は、ヒンジ部材300を支持するためのものであり、扉100は、空間である空所400を閉塞するためのものであり、文字通りその空所400を閉じる扉として機能するものである。なお、第1実施例の他の取り付け装置10’については、第1実施例の取り付け装置10と鏡面対象であるので、その説明を省略する場合がある。
【0024】
なお、上述の空所400に、墓参に必要な線香、ローソクなどを収納することができる。また、空所400は、少なくとも底部である底面410を有する空間である。この空所400は石材類をくりぬいて作成することができる。ここで、石材類とは、花崗岩・閃緑岩・斑レイ岩・安山岩・玄武岩および、結晶質石灰岩の大理石が含まれる。また大理石には、人造大理石あるいは人工大理石も含まれる趣旨である。
【0025】
また、この空所400は、例えば、石材製の構築物である外柵に設けることもできるがこれに限られず、例えば、石材類で構成されている、集団の納骨堂、または、ホテルやバーなどで使用され、石材類で構成されている物入にも適用することができる。もっともこれに限られないことは言うまでもない。
【0026】
なお、図2Aは、花立950のみを抜き出して概念的に説明するためのものであり、空間である空所400を閉塞するための第1実施例の取り付け装置10における第1実施例の扉100が閉じた状態を示している。また、図2Bも同様に花立950のみを抜き出して概念的に説明するためのものであり、空間である空所400を閉塞するための第2実施例の取り付け装置12における第2実施例の扉120が閉じた状態を示している。さらに、図2Cも同様に花立950のみを抜き出して概念的に説明するためのものであり、空間である空所400を閉塞するための第3実施例の取り付け装置13における第3実施例の扉140が閉じた状態を示している。
【0027】
第1実施例の取り付け装置10における第1実施例の扉100は、石材類からなり、矩形状であって平板状を呈するものが好ましく、その上部の辺である上端部101に、内方に突出する突起部102を有する。突起部102は、庇状を呈し、取り付け部200と係合するものである。すなわち、取り付け部200の上端である取り付け上端部210を有し、その上端部210は、突起部102と係合するものが好ましい。なお、内方とは、空所400に閉じた扉100を取り付けたときに空所400に向かう方向をいう。
【0028】
また、第1実施例の取り付け装置10における取り付け部200は、石材類からなる第1実施例の扉100の裏面部103と接着剤で接着することが好ましく、この石材類を接着する接着剤は例えば、アイカ工業株式会社製免震墓石プロなどの変成シリコーン系もしくは、株式会社オーシカ製 EP4800 などのエポキシ樹脂系の単体使用あるいは両者の併用が好ましい。また、その時に、扉100における突起部102と、取り付け部200の上端である取り付け上端部210と、を係合するように取り付ける。このように、取り付け部200を扉100に取り付けることで、扉100を、取り付け部200が支持することで、上述の接着した部分に荷重がかかることを軽減することができ、長年の使用に耐えることができる。
【0029】
また、第1実施例の取り付け装置10は、さらにヒンジ部材300を有する場合があり、そのヒンジ部材300は、市販品を使用することができ、一方のヒンジ脚部301と他方のヒンジ脚部302とを有するものである。一方のヒンジ脚部301は、螺子Pによって取り付け部200に取り付けることができる。また、他方のヒンジ脚部302は、螺子Pによって支持部材320に取り付けることができる。なお、ヒンジ部材300はタキゲン製造株式会社製のステンレス四軸蝶番内扉タイプあるいは、スガツネ工業株式会社製の面付丁番2000-150型あるいは、2000-MIGNON型が好ましい。もっともこれらに限られることはない。
【0030】
また、第1実施例の取り付け装置10は、さらに支持部材320を有する場合があり、その支持部材320は、平板状の部材を屈曲させるように加工したL字状を呈するものであり、その支持部材320は、脚部325と、その脚部325から立設するように配置し、ヒンジ部材300を取り付けるためのヒンジ取り付け部330と、を有するものである。このヒンジ部材300と、支持部材320は、ステンレス又は、アルミニウムなどの金属性が好ましい。
【0031】
また、脚部325は、固定部350に配置するためのものであり、貫通する孔となる孔部335を有することも好ましい。この孔部335についてはさらに後述する。
【0032】
また、第1実施例の取り付け装置10は、さらに固定部材350を有する場合があり、その固定部材350は、ほぼ直方体形状を呈するものである。従って、空所400における底部である底面410と接するとともにその空所400の壁である壁面450と接する。すなわち、固定部材350は、底面である底面部351と側面である側面部355とを有し、上述のとおり底面部351は、底面410と接し、側面部355は、壁面450と接するというものである。また、固定部材350は、上面である上面部353を有する。また、固定部材350は、上述の石材類で構成されている。
【0033】
また、固定部材350における底面部351に、脚部325を配置するためのへこみである凹部352を有する。この凹部352の溝形状および溝の深さは、脚部325の形状および厚みと同様に構成することが好ましく、脚部325を凹部352に配置し、上述の空所400に配置した場合に、固定部材350における底面部351との間に挟みこむようにその脚部325を配置することができる。
【0034】
従って、脚部325を凹部352に配置した状態で、底面部351を空所400における底面410に配置し、底面部351と底面410とを、石材用の接着剤で接着し固定することにより、その脚部325を固定部材350と底面部351とで挟み込んで固定することができる。また、側面部355と空所400の壁である壁面450とを、石材用の接着剤で接着し固定する。これにより固定部材350を石材類の空所400内に確実に配置することができる。
【0035】
なお、従来は、金属製の支持部材320と石材類からなる底面部351を、接着剤等で固定する場合はその耐久性に難があり、長年の使用によりそれらが剥離する場合がある。また、空所400における底面410に図示しないボルト穴をあけ、図示しないボルトを使用することにより脚部325を固定する場合が考えられる。しかしながら、そのボルト孔に水分が侵入し、結氷することによりその底面410が、割れてしまうという問題があったが、本実施例の固定部材350は、その取り付けに際し、空所400内を加工することがないのでその問題が解消されることになる。なお、石材類からなる底面410と固定部材350とを接着する接着剤は例えば、株式会社オーシカ製のセレクティEP4800H、あるいは、コニシ株式会社製のボンドEK270または、セメダイン株式会社製のEP1000が好ましく、いずれもエポキシ樹脂系接着剤の接着剤が好ましい。
【0036】
また、さらに、上述の通り、脚部325に貫通する孔となる孔部335を有する場合において、脚部325を凹部352に配置した状態で、底面部351を空所400における底面410に配置し、石材用の接着剤で接着し固定すると、その接着剤が、孔部335に入り込むことによって、さらに上述の石材類である、底面部351と、底面410をその接着剤が直接接着することになり、さらに強固に、脚部325を固定することができる。
【0037】
次に、第2実施例の取り付け装置12について説明する。第2実施例の取り付け装置12は、石材類からなる第2実施例の扉120と、第2取り付け部220と、を有する。第2実施例の扉120は、矩形状の平板状を呈するものが好ましく、その下部の辺である下端部121を第2取り付け部220が支持するというものである。
【0038】
第2実施例の取り付け装置12における第2取り付け部220は、下面である第2取り付け下端部221に外方に突出する取り付け突起部222を有する。取り付け突起部222は、棚状を呈し、下端部121と係合することで、その第2実施例の扉120を支持するものである。なお、外方とは、空所400を閉じた状態の扉120を配置した場合に、外部に露出する方向をいう(図2B参照)。
【0039】
第2取り付け部220は、石材類からなる第2実施例の扉120の裏面部122と接着剤で接着することが好ましく、上述の接着剤を使用することが好ましい。また、その時に、扉120における下面である下端部121と、第2取り付け部220における取り付け下端部221に外方に突出する取り付け突起部222と、が係合するように取り付ける。このように、取り付け突起部222に、第2実施例の扉120を取り付けることで、第2取り付け部220が扉120を支持することができる。したがって、上述の接着に荷重がかかることを軽減することができ、長年の使用に耐えることができる。なお、第2実施例の取り付け装置12は、さらにヒンジ部材300と、支持部材320と、固定部材350とを有する場合があるが、それらは、すでに説明したので、同一の符号を付しその説明は省略する。
【0040】
次に、石材類からなる第3実施例の扉140について説明する。第3実施例の扉140は、矩形状の平板状を呈するものが好ましく、その下部の辺である下端部141と側面部143を後述する第3取り付け部240が支持するというものである。
【0041】
次に、第3実施例の取り付け装置13について説明する。第3実施例の取り付け装置13は、石材類からなる第3実施例の扉140と、第3取り付け部240とを有する。石材類からなる第3実施例の扉140は、矩形状の平板状を呈するものが好ましく、また、第3取り付け部240が支持するものである。
【0042】
第3取り付け部240は、下部の辺である第3取り付け下端部241に、外方に突出する第3取り付け突起部242を有する。第3取り付け突起部242は、棚状を呈し、下端部141と係合することで、その第3実施例の扉140を支持するものである。また、さらに、側部の辺である第4取り付け側部251に外方に突出する第4取り付け突起部252を有する。なお、外方とは、空所400を閉じた状態の扉140を配置した場合に、外部に露出する方向をいう(図2C参照)。
【0043】
第3取り付け部240は、石材類からなる第3実施例の扉140の裏面部142と接着剤で接着することが好ましく、上述の接着剤を使用することが好ましい。また、そのときに、扉140における下面である下端部141と、第3取り付け部240における取り付け下端部241に外方に突出する取り付け突起部242と、が係合するように取り付けるとともに、側面部143に第4取り付け突起部252を取り付ける。このように、第3取り付け部240を第3実施例の扉140に取り付けることで第3取り付け部240が、扉140を支持することで、第3実施例の取り付け装置13は、上述の接着に荷重がかかることを軽減することができ、長年の使用に耐えることができる。なお、第3実施例の取り付け装置13は、さらにヒンジ部材300と、支持部材320と、固定部材350とを有する場合があるが、それらは、すでに説明したので、同一の符号を付しその説明は省略する。
【0044】
次に、第4実施例の取り付け装置14と第5実施例の取り付け装置15と第6実施例の取り付け装置16について順に説明する。第4実施例の取り付け装置14は、上述の第1実施例の扉100と、その扉100を支持する第4取り付け部250を有するものである。なお、図7Aは、花立950のみを抜き出して概念的に説明するためのものであり、空間である空所400を閉塞するために第1実施例の扉100と第4取り付け部250とを有する第4実施例の取り付け装置14を示している。図7Bも同様に、花立950のみを抜き出して概念的に説明するためのものであり、空間である空所400を閉塞するために第2実施例の扉120と第5取り付け部260とを有する第5実施例の取り付け装置15を示している。図7Cも同様に、花立950のみを抜き出して概念的に説明するためのものであり、空間である空所400を閉塞するために第3実施例の扉140と、その扉140を支持する第6取り付け部280を有する第6実施例の取り付け装置16を示している。
【0045】
上記の通り、第4実施例の取り付け装置14は、石材類からなる上述の第1実施例の扉100と、第4取り付け部250とを有する。第4実施例の取り付け装置14における石材類からなる上述の第1実施例の扉100は、第4取り付け部250によって支持することができる。第4取り付け部250は、石材類からなる第1実施例の扉100の裏面部103と接着剤で接着することが好ましく、上述の接着剤を使用することが好ましい。また、そのときに、扉100における突起部102と、第4取り付け部250の上端である取り付け上端部251と、が係合するように取り付ける。このように、第4取り付け部250を扉100に取り付けることで、扉100を、第4取り付け部250が支持することで、上述の接着に荷重がかかることを軽減することができ、長年の使用に耐えることができる。
【0046】
第4取り付け部250はヒンジの一部としての一方のヒンジ部310を有している。また、上述の支持部材320に取り付ける他方のヒンジ部315、315を有している。一方のヒンジ部310は、円筒状の軸受け部311を有し、また、他方のヒンジ部315、315も、円筒状の第2軸受け部316を有するので、それらを重ね、棒状の軸部318を差し入れることによって、一方のヒンジ部310と、他方のヒンジ部315、315は、その棒状の軸部318を介して回動可能に回転する。したがって、第4取り付け部250は、他方のヒンジ部315、315と回動可能に取り付けることができる。この一方のヒンジ部310と、他方のヒンジ部315、315と、棒状の軸部318は、ステンレス又は、アルミニウムなどの金属性が好ましい。
【0047】
他方のヒンジ部315、315は、上述の支持部材320に螺子Pによって取り付けることができる。なお、支持部材320は、すでに説明したので、同一の符号を付しその説明は省略する。また、固定部材350'は、凹部360の形状が異なるほか、他の構成は同一であるために同一の符号を付しその説明は省略する。なお、第4実施例の取り付け装置14は、さらに一方のヒンジ部310と、上述の支持部材320に取り付ける他方のヒンジ部315、315と、棒状の軸部318と、支持部材320と、固定部材350'とを有する場合があるが、それらは、すでに説明したので、同一の符号を付しその説明は省略する。
【0048】
次に、第5実施例の取り付け装置15について説明する。第5実施例の取り付け装置15は、石材類からなる第2実施例の扉120と、その扉120を支持する第5取り付け部260とを有する。第5実施例の取り付け装置15における第5取り付け部260は、下部の辺である第5取り付け下端部261に外方に突出する取り付け突起部262を有する。取り付け突起部262は、棚状を呈し、下端部121と係合することで、その第2実施例の扉120を支持するものである。なお、外方とは、空所400を閉じる扉120として、外部に向かう方向をいう。
【0049】
第5取り付け部260は、石材類からなる第2実施例の扉120の裏面部122と接着剤で接着することが好ましく、上述の接着剤を使用することが好ましい。また、そのときに、扉120における下部の辺である下端部121と、第5取り付け部260における取り付け突起部262と、が係合するように取り付ける。このように、取り付け突起部262に、第2実施例の扉120を取り付けることで、第5取り付け部260が、扉120を支持する。これにより、上述の接着に荷重がかかることを軽減することができ、長年の使用に耐えることができる。なお、第5実施例の取り付け装置15は、さらに一方のヒンジ部310と、上述の支持部材320に取り付ける他方のヒンジ部315、315と、棒状の軸部318と、支持部材320と、固定部材350'とを有する場合があるが、それらは、すでに説明したので、同一の符号を付しその説明は省略する。
【0050】
次に、第6実施例の取り付け装置16について説明する。第6実施例の取り付け装置16は、上述の石材類からなる第3実施例の扉140と、その扉140を支持する第6取り付け部280を有する。第6実施例の取り付け装置16における第3実施例の扉140は、上記のとおりであり、矩形状の平板状を呈するものが好ましく、その下部の辺である下端部141と側面部143を第6取り付け部280が支持するというものである。
【0051】
第6実施例の取り付け装置16における第6取り付け部280は、下部の辺である第6取り付け下端部281に外方に突出する第6取り付け突起部282を有する。第6取り付け突起部282は、棚状を呈し、下端部141と係合することで、その第3実施例の扉140を支持するものである。また、さらに、側部の辺である第6取り付け側部291に、外方に突出する第7取り付け突起部292を有する。なお、外方とは、空所400を閉じる扉100として、外部に向かう方向をいう。
【0052】
第6取り付け部280は、石材類からなる第3実施例の扉140の裏面部142と接着剤で接着することが好ましく、上述の接着剤を使用することが好ましい。また、そのときに、扉140における下部の辺である下端部141と、第6取り付け部280における第6取り付け突起部282と、が係合するように取り付けるとともに、側面部143と第6取り付け部280における第7取り付け突起部292を取り付ける。このように、第3実施例の扉140を、第6取り付け部280における第6取り付け突起部282と、第7取り付け突起部292と、で支持することにより、上述の接着に荷重がかかることを軽減することができ、長年の使用に耐えることができる。なお、第6実施例の取り付け装置16は、さらに一方のヒンジ部310と、上述の支持部材320に取り付ける他方のヒンジ部315、315と、棒状の軸部318と、支持部材320と、固定部材350'とを有する場合があるが、それらは、すでに説明したので、同一の符号を付しその説明は省略する。
【0053】
また、図示しないが、上述の各扉に、飾りとなる透かし状の空隙部を有する場合は、各取り付け部にも同様の飾りとなる透かし状の空隙部を有しそれらが一致するように配置することが好ましい。
【0054】
次に、第7実施例の取り付け装置17について説明する。第7実施例の取り付け装置17は、例えば花立950以外にも、いわゆる観音開きの厨子や仏壇、祠類の石材で作成したものに使用することができる。ここで、第7実施例の取り付け装置17を仏壇960に適用した場合について説明する。
【0055】
ここで、仏壇960は、上述の石材類からなる第7実施例の扉500、500と、その扉500、500と、を支持する第7取り付け部600を有する。仏壇960は、上述の通りいわゆる観音開きであり、2つの扉500を有する。この扉500はともに対称であり、一方の扉500について説明し、他の扉500’については符号を付しその説明を省略する場合がある。
【0056】
第7実施例の取り付け装置17における第7実施例の扉500は、石材類からなり、矩形状であって平板状を呈するものが好ましく、その上部の辺である上端部501に、仏壇960の内方に突出する突起部502を有する。突起部502は、庇状を呈し、後述する第7取り付け部600と係合するものである。また、第7実施例の扉500は、透かし状の装飾となる空隙部503を有していることも好ましい。
【0057】
第7取り付け部600は、上端に配置され横方向に長い帯状の取り付け上端部611と、下端に配置され横方向に長い帯状の取り付け下端部612と、上端部611の一端部611aと、下端部612の一端部612aとを連結する縦方向に長い連結部613とを有するものである。
【0058】
また、第7取り付け部600は、後述するヒンジとなる第7ヒンジ部材630と接続するためのヒンジ接続部材620、620を有する。ヒンジ接続部材620は、連結部613に対し屹立するように配置され、連結部613の上下2か所に設けられている。なおヒンジ接続部材620は、それぞれ2か所の螺子孔620aを有している。
【0059】
第7実施例の取り付け装置17は、さらにヒンジとなる第7ヒンジ部材630を有する。この第7ヒンジ部材630は、例えば、ニシムラ社製のフラッシュ丁番が好ましい。第7ヒンジ部材630は、ヒンジ接続部材620と接続するヒンジ接続部631、631と、後述する支持部材640と、接続する支持部材接続部632とを有する。ヒンジ接続部631、631と、支持部材接続部632が軸部受633内に配置された軸部634によって回動可能に接続されている。
【0060】
また、第7実施例の取り付け装置17は第7支持部材640を有する場合がある。第7支持部材640は、平板状の部材を屈曲させるように加工した凹状を呈するものであり第7脚部645と、第7ヒンジ取り付け部660、660とを有する。この第7支持部材640は、ステンレス又は、アルミニウムなどの金属性が好ましい。
【0061】
また、第7実施例の取り付け装置17は、さらに固定部材760を有する場合がある。なお、上述の第7脚部645は、その固定部材760に配置するためのものであり、貫通する長孔状の長孔部650を有することも好ましい。この長孔部650については上述と同様に、後述する床面部770と、底面810をその接着剤が直接接着することになり、さらに強固に、第7脚部645を固定することができる。
【0062】
固定部材760は、床となる床面部770と壁となる後面部780とを有しそれらが一体として構成されている。このように、床面部770と壁となる後面部780を一体化して固定部材760を構成することにより、石扉を用いることによりその評価が高まる厨子や仏壇、祠や小規模な物入などで上記以外の面の整合が容易となるほか空所800の内部空間の造作あるいは、研磨及び後付けで整合される他垂直面の内面も研磨可能であり、また、第7脚部645を配置するための後述する凹部778のくりぬき加工も容易になる。
【0063】
また、床面部770は、ほぼ直方体形状を呈するものであり、空所800における底部である底面810と接する。また、後壁部780は、空所800の壁である後壁面として構成される。すなわち、固定部材760は、底面である床面部770とその側面である床側面部775とを有し、上述のとおり床面部770は、底面810と接し、床側面部775は、側壁面850と接するというものである。また、固定部材760は、上面である床面部770の上面部776を有する。また、固定部材760は、上述の石材類で構成されている。側壁面850については後述する。
【0064】
また、固定部材760における床面部770は、底面である床底面部777に、第7脚部645を配置するためのへこみである凹部778を有する。この凹部778の溝形状および溝の深さは、第7脚部645の形状および厚みと同様に構成することが好ましく、第7脚部645を凹部778に配置し、上述の空所800に配置した場合に、固定部材760における床底面部777との間に挟みこむようにその第7脚部645を配置することができる。
【0065】
従って、第7脚部645を凹部778に配置した状態で、床面部770を空所800における底面810に配置し、床面部770と底面810とを、石材用の接着剤で接着し固定することにより、その第7脚部645を固定部材760と床面部770とで挟み込んで固定することができる。また、床側面部775と空所800の壁である側壁面850とを、石材用の接着剤で接着し固定する。これにより固定部材760を石材類の空所800内に確実に配置することができる。なお、長孔部650は上述と同様に、床面部770と底面810とを上述の接着剤が直接接着することになり、さらに強固に、第7脚部645を固定することができる。なお、接着剤については述べた通りである。
【0066】
また、側壁面850は、第7ヒンジ取り付け部660を配置するためのへこみである側壁凹部860を有する。側壁凹部860は、第7ヒンジ取り付け部660の形状に倣うように構成することが好ましく、第7ヒンジ取り付け部660を側壁凹部860に埋め込まれるように面一に構成することが好ましい。また軸部633との干渉を防止するために溝部861を設けることもできる。
【0067】
このように側壁面850は、第7ヒンジ取り付け部660を配置するためのへこみである側壁凹部860を有することで、空所800内に突起物がなくなり側壁面850あるいは固定部材760に、化粧用の金箔、化粧パネルを貼り付けることができ、空所800内の装飾が容易となる。
【0068】
次に、第8実施例の取り付け装置18について説明する。第8実施例の取り付け装置18は、第7実施例の取り付け装置17とその構成はほぼ同様であり、異なる点を説明するとともに第7実施例と同様の点は同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
【0069】
第8実施例の取り付け装置18は、仏壇960より横幅の大きな仏壇970に使用するものであり、第1扉810と第2扉820と第3扉830と第4扉840とを有している。第1扉810および第2扉820と、第3扉830および第4扉840とは、いわば折り畳みの2枚扉の屏風式ということができる。
【0070】
ここで、第1扉810と第2扉820は、屏風のように折りたたむことができ、第3扉830と第4扉840も屏風のように折りたたむことができる。第1扉810および第2扉820は、第3扉830と第4扉840と対称であり第1扉810および第2扉820についてのみ説明し、第3扉830と第4扉840の構成については同一の符号を付しその説明を省略することがある。
【0071】
第8実施例の取り付け装置18における第8実施例の第1扉810と第2扉820は、同様の形状を呈しており、それらは、石材類からなり、矩形状であって平板状を呈するものが好ましい。第1扉810は、その上部の辺である上端部811に、内方に突出する突起部812を有する。突起部812は、庇状を呈し、後述する取り付け部850と係合するものである。
【0072】
第2扉820は、その上部の辺である上端部821に、内方に突出する突起部822を有する。突起部822は、庇状を呈し、後述する2番取り付け部890と係合する。
【0073】
取り付け部850は、ほぼロの字状を呈し、上端に配置され横方向に長い帯状の取り付け上端部851と、下端に配置され横方向に長い帯状の取り付け下端部852と、上端部851の一端部851aと、下端部852の一端部852aとを連結する縦方向に長い第1連結部853と、上端部851の他端部851bと、下端部852の他端部852bとを連結する縦方向に長い第2連結部854と、を有するものである。なお、取り付け部850は第1扉810に隠れるようにその外形が、第1扉810の外形よりも小であるように構成されている。なお、取り付け部850がロの字状を呈するのは、軽量化を目的とするものであり、必ずしもこれに限られるものではない。
【0074】
また、取り付け部850は、第7ヒンジ部材630と接続するためのヒンジ接続部870、870を有する。ヒンジ接続部870は、第1連結部853に対し屹立するように配置され、第1連結部853の上下2か所に設けられている。なおヒンジ接続部870は、それぞれ2か所の螺子孔870aを有している。
【0075】
また、第2連結部854は、平型蝶番875を取り付けることができ、2番取り付け部890と接続される。2番取り付け部890は、上端に配置され横方向に配置され、帯状を呈する取り付け上端部891と、下端に配置され帯状を呈する取り付け下端部892と、上端部891の一端部891aと、下端部892の一端部892aとを連結する縦方向に長い連結部893とを有するものである。また、その上端部891は、第2扉820における突起部822と係合するとともに、2番取り付け部890と第2扉820と、を接着することができる。
【0076】
さらに第8実施例の取り付け装置18は、ヒンジとなる第7ヒンジ部材630を有する。これは上述のものと構成は同一であるので同一の符号を付しその説明を省略することがある。また、この第7ヒンジ部材630は、上述の通り、例えば、ニシムラ社製のフラッシュ丁番が好ましい。
【0077】
また、第8実施例の取り付け装置18は上述の第7支持部材640と大きさが異なるものの同一の構成を有する場合がある。もっとも、長孔部650を4か所有する点が異なるものであるが、それ以外の第7支持部材640の構成については上述の通りであるので、同一の符号を付しその説明を省略する場合がある。
【0078】
また、第8実施例の取り付け装置18は、側壁面900を有する場合がある。側壁面900は、第7ヒンジ取り付け部660を配置するためのへこみである側壁凹部910を有する。側壁凹部910は、第7ヒンジ取り付け部660の形状に倣うように構成することが好ましく、第7ヒンジ取り付け部660を側壁凹部910に埋め込まれるように面一に構成することが好ましい。また軸部633との干渉を防止するために溝部911を設けることもできる。
【0079】
また、第8実施例の取り付け装置18は、上述の固定部材760を有することができる。なお固定部材760については、すでに述べているのでその説明を省略する(図15参照)。このように側壁面900は、第7ヒンジ取り付け部660を配置するためのへこみである側壁凹部910を有することで、空所800内に突起物がなくなり側壁面850に化粧用の金箔、化粧パネルを貼り付けることが容易となり、空所800内の装飾が容易となる。
【0080】
次に、第9実施例の取り付け装置19について説明する。第9実施例の取り付け装置19も、例えば花立950以外にも、いわゆる観音開きの厨子や仏壇、祠類の石材で作成したものに使用することができる。ここで、第9実施例の取り付け装置19を仏壇980に適用した場合について説明する。仏壇980は、上述の石材類からなる第9実施例の扉1000、1000と、その扉1000、1000を支持する第9取り付け部1100を有する。
【0081】
また、仏壇980は、上述の通りいわゆる観音開きであり、2つの扉1000、1000を有する。この扉はともに対称であり、一方の扉1000について説明し、他方の扉1000については符号を付しその説明を省略する場合がある。
【0082】
第9実施例の取り付け装置19における第9実施例の扉1000は、石材類からなり、矩形状であって平板状を呈するものが好ましく、その上部の辺である上端部1001に、内方に突出する突起部1002を有する。突起部1002は、庇状を呈し、後述する第9取り付け部1100と嵌合するものである。すなわち、扉1000は、後述する第9取り付け部1100と嵌合する第9取り付け溝部1050を有する。第9取り付け溝部1050は、上記の通り第9取り付け部1100と嵌合するために、その第9取り付け部1100に倣う形状を有している。
【0083】
第9取り付け部1100は、上端に配置され横方向に長い帯状の取り付け上端部1111と、下端に配置され横方向に長い帯状の取り付け下端部1112と、上端部1111の一端部1111aと、下端部1112の一端部1112aとを連結する縦方向に長い連結部1113とを有するものである。
【0084】
第9取り付け部1100における上端部1111は、上述の扉1000における突起部1002と係合することで、その扉1000に取り付けることができ、さらに第9取り付け溝部1050を有するときはその第9取り付け溝部1050と第9取り付け部1100が嵌合することで、その扉1000に取り付けることができる。
【0085】
また、第9取り付け部1100は、第7ヒンジ部材630と、を有する場合があり、第9取り付け部1100は、上述の第7ヒンジ部材630と接続することができ、その第7ヒンジ部700と接続するためのヒンジ接続部1120、1120と、を有する。ヒンジ接続部1120は、連結部1113に対し屹立するように配置され、連結部1113の上下2か所に設けられている。なおヒンジ接続部1120は、それぞれ2か所の螺子孔1120aを有している。
【0086】
また、下端部1112は、後述する平板状のパネル部1150と、そのパネル部に取り付ける棚となる棚部1180とを取り付けるための螺子孔1112c、1112cを有する。
【0087】
平板状のパネル部1150は、扉1000の裏面に取り付けるものであって、ほぼ矩形状であって、その扉1000とほぼ同様の形状を呈する。もっとも、第9取り付け部1100におけるヒンジ接続部1120、1120との干渉を避けるために、上下に2か所の切り空き部1151、1151を有する。また、パネル部1150の下部に、螺子孔1112c、1112cと対応する位置に螺子孔であるパネル螺子孔1150a、1150aを有する。
【0088】
また、棚部1180は、側面視L字状に折り曲げた形状を呈し、棚取り付け部1191と、載置部1192とを有するものである。また、棚取り付け部1191は、螺子孔である棚取り付け部螺子孔を有する。棚部1180は仏壇として使用の際はここに香炉(線香立て)やおりんなど仏具の設置が可能となる。
【0089】
さらにヒンジとなる第7ヒンジ部材630を有する。第7ヒンジ部材630は、すでに説明した通りであるので、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0090】
また、第9取り付け部1100は、上述の第7支持部材640を有する場合がある。第7支持部材640は、平板状の部材を屈曲させるように加工した凹状を呈するものであり第7脚部645と、第7ヒンジ取り付け部660、660とを有する。この第7支持部材640は、ステンレス又は、アルミニウムなどの金属性が好ましい。
【0091】
また、第9実施例の取り付け装置19は、さらに固定部材1210を有する場合がある。固定部材1210は、床となる床面部1250と、床面部1250の上に、物を載置するための台となる台部1270と、壁となる後面部1280とを有しそれらが一体として構成されている。床面部1250は、ほぼ直方体形状を呈するものであり、空所1200における底部である底面1205と接する。また、台部1270は、円弧状を呈し、ここにものを載置することができる。
【0092】
また、後面部1280は、その曲面状の一部を切り取った内周面を有するものである。もっとも、その形状はその内周面を有する形状に限られることなく平面でも好ましい。
【0093】
固定部材1210における床面部1250の裏面にへこみとなる凹部1260を有する。凹部1260の溝形状および溝の深さは、第7脚部645の形状および厚みと同様に構成することが好ましく、第7脚部645を凹部1260に配置し、上述の空所1200に配置した場合に、固定部材1210における床面部1250と底面1205との間に挟みこむようにその第7脚部645を配置することができる。
【0094】
また空所1200を取り囲む側壁となる側壁部1280と天井部1290は、それぞれ矩形状の板状を呈するものであり、側壁部1280に、へこみであるへこみ部1280aを有するものである。このへこみ部1280aは、第7ヒンジ部材630との干渉を避けるためのものである。
【0095】
次に、第10実施例の取り付け装置20について説明する。第10実施例の取り付け装置20は、第10取り付け部1300を有するものであり、第10取り付け部1300は、扉のユニットと呼べるものであり、空所を有する空間部1500を閉塞するためのものである。すなわち、空間部1500は、例えば、ホテルや飲食店を壁の一部をくりぬいた空間部を構成する場合のほか、金属製の扉を配置した野外の永代納骨堂や、バーベキューコンロのピザ焼きの石窯の下部にマキを収納するスペースとなるものでありそれらの空間部を閉塞することができる。
【0096】
第10取り付け部1300は、扉1350と、その扉1350を支持する取り付け部1400とを有する。取り付け部1400は、上述のヒンジ部材630が取り付けられており、そのヒンジ部材630は、第10支持部材1600に取り付けられている。第10支持部材1600は、支持部材取り付け部1700に取り付けられており、支持部材取り付け部1700は石材によって構成されている。この支持部材取り付け部1700が、上述の底面部に代わるものである。
【0097】
第10実施例の取り付け装置20における第10実施例の扉1350は、石材類からなり、矩形状であって平板状を呈するものが好ましく、溝状の扉溝部1360を複数有する。扉溝部1360は、取り付け部1400を取り付けるものであって、その取り付け部1400が嵌合するように、その取り付け部1400に倣う形状を呈することが好ましい。本実施例においては上下方向に3個の扉溝部1360を有する。もっともその数は、扉1350の形状によって増減することは言うまでもない。なお、溝状の扉溝部1360は、例えばサンドブラストや扉溝部の造作に適合したハンドサンダーなど切削工具を用いて造作することができる。
【0098】
取り付け部1400は、平板状の取り付け本体部1410と、ヒンジ取り付け部1420とを有しそれらは一体である。また、ヒンジ取り付け部1420は、取り付け本体部1410に対して折り曲げることで構成することができる。ヒンジ取り付け部1420は、文字通り、ヒンジ部材630を取り付けるためのものである。
【0099】
ヒンジ部材630は、すでに述べた通りであるが、例えば、ニシムラ社製のフラッシュ丁番が好ましい。ヒンジ部材630は、ヒンジ取り付け部1420と接続するヒンジ接続部631、631と、支持部材1600と、接続する支持部材接続部632とを有し、互いに開閉可能に接続されている。
【0100】
第10支持部材1600は、平板状の部材を屈曲させるように加工したL字状を呈するものであり、その第10支持部材1600は、第10脚部1610と、その第10脚部1610から立設するように配置し、ヒンジ部材630を取り付けるための第10ヒンジ取り付け部1620と、を有するものである。この第10支持部材1600は、ステンレス又は、アルミニウムなどの金属性が好ましい。
【0101】
また、第10脚部1610は、支持部材取り付け部1700に配置するためのものであり、貫通する孔となる孔部1650を有することも好ましい。この孔部1650は、上述の孔部と同様のものである。
【0102】
また、第10取り付け部1300は、さらに固定部材1800を有する場合がある。また、その固定部材1800は、ほぼ直方体形状を呈するものであり、支持部材取り付け部1700と接するものである。すなわち、固定部材1800は、上述の底面である底面部に代わる支持部材取り付け部1700に接するように配置されるものである。また、固定部材1800は、上述の石材類で構成されている。
【0103】
また、固定部材1800における底面部1810に、第10脚部1610を配置するためのへこみである凹部1820を有する。この凹部1820の溝形状および溝の深さは、第10脚部1610の形状および厚みと同様に構成することが好ましく、第10脚部1610を凹部1820に配置し、上述の支持部材取り付け部1700上に配置した場合に、固定部材1800における底面部1810との間に挟みこむようにその第10脚部1610を配置することができる。
【0104】
従って、第10脚部1610を凹部1820に配置した状態で、支持部材取り付け部1700に配置し、その支持部材取り付け部1700と、固定部材1800とを、石材用の接着剤で接着し固定することにより、その第10脚部1610を固定部材1800と支持部材取り付け部1700とで挟み込んで固定することができる。
【0105】
また、第10取り付け部1300は、さらに支柱部材1900を有する場合がある。支柱部材1900は、第10支持部材1600における第10ヒンジ取り付け部1620を支持するためのものであり、その第10ヒンジ取り付け部1620が嵌合する溝状のヒンジ取り付け嵌合部1910を有する。ヒンジ取り付け嵌合部1910は、第10ヒンジ取り付け部1620の形状に倣う溝状を呈するものである。また、支柱部材1900は、アンカーボルト等によって土台となる土台部1950に固定することができる。このように第10取り付け部1300は、扉部分のユニットとして機能することにより、空間部1500を有すれば、適用可能となるので上述の通り、ホテルや飲食店を壁の一部をくりぬいた空間部を構成する場合のほか、金属製の扉を配置した野外の永代納骨堂や、バーベキューコンロのピザ焼きの石窯の下の空間部を塞ぐものとして石材で構成された扉1350を適用することができるというものである。
【0106】
このように、上述のいずれかの取り付け装置は、ヒンジ部材あるいは、一方のヒンジ部と他方のヒンジ部と、支持部材と、固定部材と、を有することで、例えば、空所における石材類にアンカーボルトを挿入するための穴を加工することで生じる以下の問題を解決することができる。すなわち、アンカーボルトによって、ヒンジ部材あるいは、一方のヒンジ部と他方のヒンジ部を支持する場合において、アンカーボルトは穴の部分に挿入したそのアンカーボルトの一部が広がることで保持するものである。しかしながら、その穴に圧力がかかる状態のまま外部からの衝撃があった場合、この圧力が逃げようとしてその穴を穿った石材を破損させる恐れを排除することができないという問題がある。また、穴の内部に水分が侵入した場合寒冷地では凍結膨張により更に圧力がかかり、破損のリスクを高める問題があるが、これらの問題を上記の通り解決することもできる。また、さらに、上述のいずれかの取り付け装置は、使用用途により両扉(観音開き)か片扉かを選択することができる。
【符号の説明】
【0107】
10 第1実施例の取り付け装置
12 第2実施例の取り付け装置
13 第3実施例の取り付け装置
14 第4実施例の取り付け装置
15 第5実施例の取り付け装置
16 第6実施例の取り付け装置
17 第7実施例の取り付け装置
18 第8実施例の取り付け装置
19 第9実施例の取り付け装置
20 第10実施例の取り付け装置
100 第1実施例の扉
102 突起部
120 第2実施例の扉
140 第3実施例の扉
200 取り付け部
210 取り付け上端部
220 第2取り付け部
240 第3取り付け部
250 第4取り付け部
260 第5取り付け部
280 第6取り付け部
300 ヒンジ部材
310 一方のヒンジ部材
315 他方のヒンジ部材
320 支持部材
325 脚部
330 ヒンジ取り付け部
330 孔部
350 固定部
352 凹部
400 空所
410 底面
950 花立
1000 墓所設備
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