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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-29
(45)【発行日】2025-06-06
(54)【発明の名称】焼結温度の制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G05D 23/19 20060101AFI20250530BHJP
   G05B 13/02 20060101ALI20250530BHJP
【FI】
G05D23/19 J
G05B13/02 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024517082
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-09
(86)【国際出願番号】 CN2021121510
(87)【国際公開番号】W WO2023039949
(87)【国際公開日】2023-03-23
【審査請求日】2024-03-15
(31)【優先権主張番号】202111092916.0
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】524102718
【氏名又は名称】株洲瑞徳爾智能熱工装備股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】524102729
【氏名又は名称】湖南領▲キン▼新材料有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100194478
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 文彦
(74)【代理人】
【識別番号】100198719
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 良裕
(72)【発明者】
【氏名】李 応新
(72)【発明者】
【氏名】陳 克剣
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-17621(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110542322(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 23/19
G05B 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼結温度の制御方法であって、
焼結運転パラメータ情報を取得することと、
前記焼結運転パラメータ情報に基づいて、目標焼結状態を決定することと、
前記目標焼結状態及び予め設定された焼結温度調整ルールに基づいて、温度制御調整装置の調整・制御を指示するための焼結温度制御パラメータ情報を決定することと、を含み、
前記焼結温度制御パラメータ情報は、前記温度制御調整装置を制御するための制御量を含み、
前記目標焼結状態及び予め設定された焼結温度調整ルールに基づいて、前記焼結温度制御パラメータ情報を決定することは、
前記目標焼結状態に基づいて、少なくとも1つの使用対象の温度制御モデルを含む目標温度制御モデル集合を決定することと、
前記焼結運転パラメータ情報及び前記目標温度制御モデル集合に基づいて、前記焼結温度制御パラメータ情報を決定することと、を含み、
前記目標焼結状態に基づいて、前記目標温度制御モデル集合を決定することは、
前記目標焼結状態に対応する状態特徴情報と、データベースに予め記憶された全てのマッチング対象の温度制御モデル集合に対応するモデル特徴情報とをマッチングして、第2のマッチング結果を得ることと、
前記第2のマッチング結果が、前記目標焼結状態に対応する状態特徴情報とマッチングする目標モデル特徴情報が前記データベースに存在することを示す場合、前記目標モデル特徴情報に対応するマッチング対象の温度制御モデル集合が前記目標温度制御モデル集合であると決定することと、を含み、
前記焼結運転パラメータ情報は、焼結温度を含み、
前記目標温度制御モデル集合は、第1の使用対象の温度制御モデル及び第2の使用対象の温度制御モデルを含み、
前記焼結運転パラメータ情報及び前記目標温度制御モデル集合に基づいて、前記焼結温度制御パラメータ情報を決定する前に、前記方法はさらに、
前記目標温度制御モデル集合に対応する温度制御閾値を取得することを含み、
前記焼結運転パラメータ情報及び前記目標温度制御モデル集合に基づいて、前記焼結温度制御パラメータ情報を決定することは、
前記焼結温度が前記温度制御閾値未満であるか否かを判断して、温度判断結果を得ることと、
前記温度判断結果が、前記焼結温度が前記温度制御閾値以上であることを示す場合、前記第2の使用対象の温度制御モデルが目標温度制御モデルであると決定することと、
前記温度判断結果が、前記焼結温度が前記温度制御閾値未満であることを示す場合、前記第1の使用対象の温度制御モデルが目標温度制御モデルであると決定することと、
前記目標温度制御モデルを利用して前記焼結温度を処理して、前記焼結温度制御パラメータ情報を得ることと、を含み、
前記目標温度制御モデルを利用して前記焼結温度を処理して、前記焼結温度制御パラメータ情報を得る前に、前記方法はさらに、前記目標温度制御モデルに対応する目標温度を取得することを含み、
前記目標温度制御モデルを利用して前記焼結温度を処理して、前記焼結温度制御パラメータ情報を得ることは、前記目標温度制御モデルが前記第1の使用対象の温度制御モデルである場合、前記目標温度制御モデルを利用して、前記目標温度、前記焼結温度及び温度制御量を計算処理して、第1制御量を含む前記焼結温度制御パラメータ情報を得ることを含み、
前記第1制御量は、下記の第1数式を用いて演算され、
【数1】
前記第1数式において、前記uは前記制御量であり、前記λは正規化係数であり、前記x1は前記目標温度制御モデルに対応する前記温度制御量であり、
前記正規化係数は、前記目標温度と前記焼結温度との差に対する前記目標温度の比であり、
前記温度制御量は、前記データベースに予め記憶された予め設定されたプリセット制御量から選択され、
前記目標温度制御モデルを利用して前記焼結温度を処理して、前記焼結温度制御パラメータ情報を得ることは、前記目標温度制御モデルが前記第2の使用対象の温度制御モデルである場合、前記目標温度及び前記焼結温度を処理して偏差及び偏差変化を得ることと、前記目標温度制御モデルを利用して前記偏差及び前記偏差変化を処理して、第2制御量を含む前記焼結温度制御パラメータ情報を得ることを含み、
前記第2の使用対象の温度制御モデルは、第1のファジーモデル、第2のファジーモデル及びパラメータ調整モデルを含み、
前記第2制御量は、
前記目標温度と前記焼結温度との差である前記偏差を計算し、
前記偏差を微分計算して、前記偏差変化を得、
前記第1のファジーモデルを利用して、前記偏差及び前記偏差変化に対してファジー化処理を行い、ファジー偏差及びファジー偏差変化を得、
前記第2のファジーモデルを利用して、前記ファジー偏差及び前記ファジー偏差変化に対してファジィ推論計算を行い、中間ファジーパラメータを得、
前記パラメータ調整モデルを利用して、前記偏差、前記偏差変化及び前記中間ファジーパラメータを整定して得られる、
ことを特徴とする焼結温度の制御方法。
【請求項2】
前記焼結運転パラメータ情報は、位置パラメータ情報を含み、
前記焼結運転パラメータ情報に基づいて、目標焼結状態を決定することは、
前記位置パラメータ情報及び予め設定された状態判断ルールに基づいて、前記目標焼結状態を決定することを含むことを特徴とする請求項1に記載の焼結温度の制御方法。
【請求項3】
前記位置パラメータ情報及び予め設定された状態判断ルールに基づいて、前記目標焼結状態を決定することは、
前記位置パラメータ情報と、予め設定された状態区間情報集合における全ての唯一の焼結状態のみに対応する状態区間情報とをマッチングして、第1のマッチング結果を得ることと、
前記第1のマッチング結果が、前記位置パラメータ情報とマッチングする目標状態区間情報が前記状態区間情報集合に存在することを示す場合、前記目標状態区間情報に対応する焼結状態が目標焼結状態であると決定することと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の焼結温度の制御方法。
【請求項4】
前記目標温度制御モデルが前記第2の使用対象の温度制御モデルである場合、
前記第2のファジーモデルは、第1のファジールールテーブル及び第2のファジールールテーブルを含み、
前記第1のファジールールテーブル内の各変数に対応するファジーサブセットは、以下のとおりであり、
【数2】
前記ファジーサブセットが順に対応するファジー言語変数は、以下のとおりであり、
【数3】
前記第1のファジールールテーブルでは、工学で使用される三角形メンバーシップ関数を使用して、所定の議論領域とファジー言語変数との間の関係を確立し、
前記第2のファジールールテーブル内の各変数に対応するファジーサブセットは、以下のとおりであり、
【数4】
前記ファジーサブセットが順に対応するファジー言語変数は、以下のとおりであり、
【数5】
前記第2のファジールールテーブルでは、工学で使用される三角形メンバーシップ関数を使用して、所定の議論領域とファジー言語変数との間の関係を確立し、
前記中間ファジーパラメータは、第1の中間パラメータ、第2の中間パラメータ、第3の中間パラメータ及び第4の中間パラメータを含み、
前記第1の中間パラメータ、前記第2の中間パラメータ及び前記第3の中間パラメータは、前記第1のファジールールテーブルを利用して、前記ファジー偏差及び前記ファジー偏差変化に対してファジー推論計算を行うことによって得られ、
前記第4の中間パラメータ、前記第2のファジールールテーブルを利用して、前記ファジー偏差及び前記ファジー偏差変化に対してファジー推論計算を行うことによって得られる、
ことを特徴とする請求項1に記載の焼結温度の制御方法。
【請求項5】
前記パラメータ調整モデルは、第1の調整モデル及び第2の調整モデルを含み、
前記第1の調整モデルを利用して、前記第4の中間パラメータ計算し、自己整定パラメータを得、
前記第1の調整モデルの具体的な方法は、以下のとおりであり、
【数6】
前記k は第4の中間パラメータであり、前記k は前記自己整定パラメータであり、
前記第2の調整モデルを利用して、第1の中間パラメータ、第2の中間パラメータ、第3の中間パラメータ及び自己整定パラメータを計算して、前記制御量を得、
前記第2の調整モデルの具体的な方法は、以下のとおりであり、
【数7】
ここで、前記tは時間パラメータであり、前記k は前記第1の中間パラメータであり、前記k は前記第2の中間パラメータであり、前記k は前記第3の中間パラメータである
ことを特徴とする請求項4に記載の焼結温度の制御方法。
【請求項6】
前記偏差の基本議論領域は、e={-10,10}であり、
前記偏差変化の基本議論領域は、ec={-20,20}であり、
前記第1の中間パラメータの定量化議論領域は、k ={-3,3}であり、
前記第2の中間パラメータの定量化議論領域は、k ={-0.006,0.006}であり、
前記第3の中間パラメータの定量化議論領域は、k ={-6,6}であり、
前記第4の中間パラメータの定量化議論領域は、k ={-4,4}であり、
前記第1のファジーモデルは、偏差ファジーモデル及び偏差率ファジーモデルを含み、
前記偏差ファジーモデルを利用して、前記偏差、前記自己整定パラメータ及び前記第1の定量化係数を処理して、前記ファジー偏差を得、
前記偏差ファジーモデルを利用して、前記ファジー偏差を計算する具体的な方法は、以下のとおりであり、
【数8】
ここで、前記k は前記第1の定量化係数であり、前記Eは前記ファジー偏差であり、
前記第1の定量化係数の定量化係数議論領域は、k ={-2,2}であり、
前記偏差率ファジーモデルを利用して、前記偏差変化、前記自己整定パラメータk 及び前記第2の定量化係数を処理して、前記ファジー偏差変化ECを得、
前記偏差率ファジーモデルを利用して、前記ファジー偏差変化を計算する具体的な方法は、以下のとおりであり、
【数9】
ここで、前記k ec は前記第2の定量化係数であり、前記ecは前記偏差変化であり、前記ECはファジー偏差変化であり、
前記第2の定量化係数の定量化議論領域は、k ec ={-10,10}である、
ことを特徴とする請求項5に記載の焼結温度の制御方法。
【請求項7】
焼結温度の制御装置であって、
実行可能なプログラムコードを記憶するメモリと、
前記メモリに結合された、前記メモリに記憶された前記実行可能プログラムコードを呼び出して請求項1~6のいずれか一項に記載の焼結温度の制御方法を実行するプロセッサと、を含むことを特徴とする焼結温度の制御装置。
【請求項8】
コンピュータ記憶媒体であって、前記コンピュータ記憶媒体にコンピュータ命令が記憶されており、前記コンピュータ命令が呼び出されるとき、請求項1~6のいずれか一項に記載の焼結温度の制御方法を実行するために用いられることを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結の技術分野に関し、特に、焼結温度の制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冶金産業では、温度制御は、焼結装置の運転の重要な部分である。焼結生産は物質移動、熱伝達及び物理的・化学的反応に関する複雑な工業工程で、複数種のパラメータに影響され、ランダムな干渉要素が予測されにくいため、現在一般的に使用されている焼結温度の制御方法は、予測精度が高くない等の問題がある。したがって、焼結温度の正確な制御を向上させ、それにより生産品質及び生産効率を向上させるために、焼結温度の制御方法及び装置を提供することは、特に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的課題は、焼結運転パラメータ情報によって目標焼結状態を決定し、さらに焼結温度調整ルールを利用して焼結運転パラメータ情報及び目標焼結状態を分析処理して、温度制御調整装置の調整・制御を指示するための焼結温度制御パラメータ情報を得ることができ、焼結温度の正確な制御の向上に役立ち、それにより生産品質及び生産効率を向上させる、焼結温度の制御方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術的課題を解決するために、本発明の実施例の第1の態様は、焼結温度の制御方法であって、
焼結運転パラメータ情報を取得することと、
前記焼結運転パラメータ情報に基づいて、目標焼結状態を決定することと、
前記目標焼結状態及び予め設定された焼結温度調整ルールに基づいて、温度制御調整装置の調整・制御を指示するための焼結温度制御パラメータ情報を決定することと、を含む焼結温度の制御方法を開示している。
【0005】
任意選択の実施形態として、本発明の実施例の第1の態様では、前記焼結運転パラメータ情報は、位置パラメータ情報を含み、
前記前記焼結運転パラメータ情報に基づいて、目標焼結状態を決定することは、
前記位置パラメータ情報及び予め設定された状態判断ルールに基づいて、目標焼結状態を決定することを含む。
【0006】
任意選択の実施形態として、本発明の実施例の第1の態様では、前記前記位置パラメータ情報及び予め設定された状態判断ルールに基づいて、目標焼結状態を決定することは、
前記位置パラメータ情報と、予め設定された状態区間情報集合における全ての唯一の焼結状態のみに対応する状態区間情報とをマッチングして、第1のマッチング結果を得ることと、
前記第1のマッチング結果が、前記位置パラメータ情報とマッチングする目標状態区間情報が前記状態区間情報集合に存在することを示す場合、前記目標状態区間情報に対応する焼結状態が目標焼結状態であると決定することと、を含む。
【0007】
任意選択の実施形態として、本発明の実施例の第1の態様では、前記前記目標焼結状態及び予め設定された焼結温度調整ルールに基づいて、焼結温度制御パラメータ情報を決定することは、
前記目標焼結状態に基づいて、少なくとも1つの使用対象の温度制御モデルを含む目標温度制御モデル集合を決定することと、
前記焼結運転パラメータ情報及び前記目標温度制御モデル集合に基づいて、焼結温度制御パラメータ情報を決定することと、を含む。
【0008】
任意選択の実施形態として、本発明の実施例の第1の態様では、前記前記目標焼結状態に基づいて、目標温度制御モデル集合を決定することは、
前記目標焼結状態に対応する状態特徴情報と、データベースに予め記憶された全てのマッチング対象の温度制御モデル集合に対応するモデル特徴情報とをマッチングして、第2のマッチング結果を得ることと、
前記第2のマッチング結果が、前記目標焼結状態に対応する状態特徴情報とマッチングする目標モデル特徴情報が前記データベースに存在することを示す場合、前記目標モデル特徴情報に対応するマッチング対象の温度制御モデル集合が目標温度制御モデル集合であると決定することと、を含む。
【0009】
任意選択の実施形態として、本発明の実施例の第1の態様では、前記焼結運転パラメータ情報は、焼結温度を含み、
前記目標温度制御モデル集合は、第1の使用対象の温度制御モデル及び第2の使用対象の温度制御モデルを含み、
前記前記焼結運転パラメータ情報及び前記目標温度制御モデル集合に基づいて、焼結温度制御パラメータ情報を決定する前に、前記方法はさらに、
前記目標温度制御モデル集合に対応する温度制御閾値を取得することを含み、
前記前記焼結運転パラメータ情報及び前記目標温度制御モデル集合に基づいて、焼結温度制御パラメータ情報を決定することは、
前記焼結温度が前記温度制御閾値未満であるか否かを判断して、温度判断結果を得ることと、
前記温度判断結果が、前記焼結温度が前記温度制御閾値以上であることを示す場合、前記第2の使用対象の温度制御モデルが目標温度制御モデルであると決定することと、
前記温度判断結果が、前記焼結温度が前記温度制御閾値未満であることを示す場合、前記第1の使用対象の温度制御モデルが目標温度制御モデルであると決定することと、
前記目標温度制御モデルを利用して前記焼結温度を処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得ることと、を含む。
【0010】
任意選択の実施形態として、本発明の実施例の第1の態様では、前記第2の使用対象の温度制御モデルは、第1のファジーモデル、第2のファジーモデル及びパラメータ調整モデルを含み、
前記前記目標温度制御モデルを利用して前記焼結温度を処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得る前に、前記方法はさらに、
前記目標温度制御モデルに対応する目標温度を取得することを含み、
前記前記目標温度制御モデルを利用して前記焼結温度を処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得ることは、
前記目標温度制御モデルが前記第1の使用対象の温度制御モデルである場合、前記目標温度制御モデルを利用して、前記目標温度、前記焼結温度及び前記目標温度制御モデル集合に対応する温度制御量を計算処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得ることと、
前記目標温度制御モデルが前記第2の使用対象の温度制御モデルである場合、前記目標温度及び前記焼結温度を処理して、偏差及び偏差変化を得ることと、
第1のファジーモデルを利用して、前記偏差及び前記偏差変化を処理して、ファジー偏差及びファジー偏差変化を得ることと、
第2のファジーモデルを利用して、前記ファジー偏差及び前記ファジー偏差変化に対してファジィ推論計算を行い、中間ファジーパラメータを得ることと、
前記パラメータ調整モデルを利用して、前記偏差、前記偏差変化及び前記中間ファジーパラメータを処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得ることと、を含む。
【0011】
本発明の実施例の第2の態様は、焼結温度の制御装置であって、
焼結運転パラメータ情報を取得するための取得モジュールと、
前記焼結運転パラメータ情報に基づいて、目標焼結状態を決定するための第1の決定モジュールと、
前記目標焼結状態及び予め設定された焼結温度調整ルールに基づいて、温度制御調整装置の調整・制御を指示するための焼結温度制御パラメータ情報を決定するための第2の決定モジュールと、を含む焼結温度の制御装置を開示している。
【0012】
任意選択の実施形態として、本発明の実施例の第2の態様では、前記焼結運転パラメータ情報は、位置パラメータ情報を含み、
前記第1の決定モジュールが前記焼結運転パラメータ情報に基づいて、目標焼結状態を決定する具体的な方法は、
前記位置パラメータ情報及び予め設定された状態判断ルールに基づいて、目標焼結状態を決定することである。
【0013】
この任意選択の実施形態として、本発明の実施例の第2の態様では、前記第1の決定モジュールが、前記位置パラメータ情報及び予め設定された状態判定ルールに基づいて、目標焼結状態を決定する具体的な方法は、
前記位置パラメータ情報と予め設定された状態区間情報集合における全ての唯一の焼結状態のみに対応する状態区間情報をマッチングして、第1のマッチング結果を得ることと、
前記第1のマッチング結果が、前記位置パラメータ情報とマッチングする目標状態区間情報が前記状態区間情報集合に存在することを示す場合、前記目標状態区間情報に対応する焼結状態が目標焼結状態であると決定することと、である。
【0014】
この任意選択の実施形態として、本発明の実施例の第2の態様では、前記第2の決定モジュールは、第1の決定サブモジュール及び第2の決定サブモジュールを含み、そのうち、
前記第1の決定サブモジュールは、前記目標焼結状態に基づいて、少なくとも1つの使用対象の温度制御モデルを含む目標温度制御モデル集合を決定するために用いられ、
前記第2の決定サブモジュールは、前記焼結運転パラメータ情報及び前記目標温度制御モデル集合に基づいて、焼結温度制御パラメータ情報を決定するために用いられる。
【0015】
この任意選択の実施形態として、本発明の実施例の第2の態様では、前記第1の決定サブモジュールが、前記目標焼結状態に基づいて、目標温度制御モデル集合を決定する具体的な方法は、
前記目標焼結状態に対応する状態特徴情報と、データベースに予め記憶された全てのマッチング対象の温度制御モデル集合に対応するモデル特徴情報とをマッチングして、第2のマッチング結果を得ることと、
前記第2のマッチング結果が、前記目標焼結状態に対応する状態特徴情報とマッチングする目標モデル特徴情報が前記データベースに存在することを示す場合、前記目標モデル特徴情報に対応するマッチング対象の温度制御モデル集合が目標温度制御モデル集合であると決定することと、である。
【0016】
この任意選択の実施形態として、本発明の実施例の第2の態様では、前記焼結運転パラメータ情報は、焼結温度を含み、
前記目標温度制御モデル集合は、第1の使用対象の温度制御モデル及び第2の使用対象の温度制御モデルを含み、
前記取得モジュールはさらに、前記第2の決定サブモジュールが、前記焼結運転パラメータ情報及び前記目標温度制御モデル集合に基づいて、焼結温度制御パラメータ情報を決定する前に、前記目標温度制御モデル集合に対応する温度制御閾値を取得するために用いられ、
前記第2の決定サブモジュールが、前記焼結運転パラメータ情報及び前記目標温度制御モデル集合に基づいて、焼結温度制御パラメータ情報を決定する具体的な方法は、
前記焼結温度が前記温度制御閾値未満であるか否かを判断し、温度判断結果を得ることと、
前記温度判断結果が、前記焼結温度が前記温度制御閾値以上であることを示す場合、前記第2の使用対象の温度制御モデルが目標温度制御モデルであると決定することと、
前記温度判断結果が、前記焼結温度が前記温度制御閾値未満であることを示す場合、前記第1の使用対象の温度制御モデルが目標温度制御モデルであると決定することと、
前記目標温度制御モデルを利用して前記焼結温度を処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得ることと、である。
【0017】
この任意選択の実施形態として、本発明の実施例の第2の態様では、前記第2の使用対象の温度制御モデルは、第1のファジーモデル、第2のファジーモデル及びパラメータ調整モデルを含み、
前記取得モジュールはさらに、前記第2の決定サブモジュールが、前記目標温度制御モデルを利用して前記焼結温度を処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得る前に、前記目標温度制御モデルに対応する目標温度を取得するために用いられ、
前記第2の決定サブモジュールが、前記目標温度制御モデルを利用して前記焼結温度を処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得る具体的な方法は、
前記目標温度制御モデルが前記第1の使用対象の温度制御モデルである場合、前記目標温度制御モデルを利用して、前記目標温度、前記焼結温度及び前記目標温度制御モデル集合に対応する温度制御量を計算処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得ることと、
前記目標温度制御モデルが前記第2の使用対象の温度制御モデルである場合、前記目標温度及び前記焼結温度を処理して、偏差及び偏差変化を得ることと、
前記第1のファジーモデルを利用して、前記偏差及び前記偏差変化を処理して、ファジー偏差及びファジー偏差変化を得ることと、
前記第2のファジーモデルを利用して、前記ファジー偏差及び前記ファジー偏差変化に対してファジィ推論計算を行い、中間ファジーパラメータを得ることと、
前記パラメータ調整モデルを利用して、前記偏差、前記偏差変化及び前記中間ファジーパラメータを処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得ることと、である。
【0018】
本発明の第3の態様は、別の焼結温度の制御装置であって、
実行可能なプログラムコードを記憶するメモリと、
前記メモリに結合された、前記メモリに記憶された前記実行可能プログラムコードを呼び出して、本発明の実施例の第1の態様に開示された焼結温度の制御方法におけるステップの一部又は全部を実行するプロセッサと、を含む、別の焼結温度の制御装置を開示している。
【0019】
本発明の第4の態様は、コンピュータ記憶媒体であって、前記コンピュータ記憶媒体にコンピュータ命令が記憶されており、前記コンピュータ命令が呼び出されるとき、本発明の実施例の第1の態様に開示された焼結温度の制御方法におけるステップの一部又は全部を実行するために用いられる、コンピュータ記憶媒体を開示している。
【発明の効果】
【0020】
従来技術に比べて、本発明の実施例は、以下の有益な効果を有する。
本発明の実施例では、焼結運転パラメータ情報を取得すること;焼結運転パラメータ情報に基づいて、目標焼結状態を決定すること;目標焼結状態及び予め設定された焼結温度調整ルールに基づいて、焼結温度制御パラメータ情報を決定すること;焼結温度制御パラメータ情報は、温度制御調整装置の調整・制御を指示するために用いられる。以上のことから分かるように、本発明は、焼結運転パラメータ情報によって目標焼結状態を決定し、さらに焼結温度調整ルールを利用して焼結運転パラメータ情報及び目標焼結状態を分析処理して、温度制御調整装置の調整・制御を指示するための焼結温度制御パラメータ情報を得ることができ、焼結温度の正確な制御の向上に役立ち、それにより生産品質及び生産効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に使用する必要がある図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明する図面は本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者が創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【0022】
図1】本発明の実施例に開示された焼結温度の制御方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例に開示された別の焼結温度の制御方法のフローチャートである。
図3】本発明の実施例に開示された焼結温度の制御装置の構造概略図である。
図4】本発明の実施例に開示された別の焼結温度の制御装置の構造概略図である。
図5】本発明の実施例に開示されたさらに別の焼結温度の制御装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
当業者が本発明の解決手段をよりよく理解するために、以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明し、明らかに、説明された実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を要さずに取得した全ての他の実施例は、本発明の技術的範囲に属する。
【0024】
本発明の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における「第1」、「第2」等の用語は、特定の順序を述べるものではなく、異なる対象を区別するためのものである。さらに、「含む」、「有する」という用語及びそれらのいかなる変形も、非排他的な包含を網羅することを意図する。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、装置、製品又は機器は、列挙されたステップ又はユニットに限定されるものではなく、列挙されていないステップ又はユニットをさらに選択可能に含み、或いは、これらのプロセス、方法、製品又は機器に固有の他のステップ又はユニットをさらに選択可能に含む。
【0025】
本明細書で言及される「実施例」は、実施例に関連して説明された特定の特徴、構造又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書の各箇所で出現する該用語は、必ず同じ実施例を指すというわけでなく、他の実施例に対して排他的に独立した又は代替的な実施例であるというわけでもない。本明細書に記載の実施例を他の実施例と組み合わせてよいことが当業者に明示的又は暗示的に理解される。
【0026】
本発明は、焼結運転パラメータ情報によって目標焼結状態を決定し、さらに焼結温度調整ルールを利用して焼結運転パラメータ情報及び目標焼結状態を分析処理して、温度制御調整装置の調整・制御を指示するための焼結温度制御パラメータ情報を得ることができ、焼結温度の正確な制御の向上に役立ち、それにより生産品質及び生産効率を向上させる、焼結温度の制御方法及び装置を開示している。以下、それらについてそれぞれ詳しく説明する。
【0027】
実施例1
図1を参照して、図1は、本発明の実施例に開示された焼結温度の制御方法のフローチャートである。ここで、図1に示される焼結温度の制御方法は、焼結炉の制御システム、例えば、焼結温度の制御管理のためのローカルサーバ又はクラウドサーバ等に適用され、これについては本発明の実施例では限定されない。図1に示すように、該焼結温度の制御方法は、以下の操作を含むことができる。
ステップ101:焼結運転パラメータ情報を取得する。
ステップ102:焼結運転パラメータ情報に基づいて、目標焼結状態を決定する。
ステップ103:目標焼結状態及び予め設定された焼結温度調整ルールに基づいて、焼結温度制御パラメータ情報を決定する。
【0028】
本発明の実施例では、上記焼結温度制御パラメータ情報は、温度制御調整装置の調整・制御を指示するために用いられる。
【0029】
本発明の実施例では、上記焼結運転パラメータ情報は、焼結炉に内蔵されたスマートセンサによって収集・取得された運転監視パラメータデータを処理することによって得られる。
【0030】
さらに、上記運転監視パラメータデータは、クラウドインテリジェントゲートウェイを介して焼結炉運転制御プラットフォームに伝送され、焼結炉運転制御プラットフォームにおいて上記運転監視パラメータデータに対して高度加工を行って焼結運転パラメータ情報を得る。
【0031】
任意選択的に、上記高度加工は、運転監視パラメータデータに対してノイズ低減処理を行い、及び/又は、運転監視パラメータデータに対して収集頻度の統一化処理を行い、及び/又は、運転監視パラメータデータに対してフォーマットの標準化処理を行うことを含み、これについては本発明の実施例では限定されない。
【0032】
任意選択的に、上記焼結運転パラメータ情報が焼結炉運転制御プラットフォームで処理された後に得られた焼結温度制御パラメータ情報は、焼結炉制御システムに伝送され、温度制御調整装置の調整・制御を指示するために用いられる。
【0033】
以上のことから分かるように、本発明の実施例に記載された焼結温度の制御方法の実施により、焼結運転パラメータ情報によって目標焼結状態を決定し、さらに焼結温度調整ルールを利用して、焼結運転パラメータ情報及び目標焼結状態を分析処理して、温度制御調整装置の調整・制御を指示するための焼結温度制御パラメータ情報を得ることができ、焼結温度の正確な制御の向上に役立ち、それにより生産品質と生産効率を向上させる。
【0034】
任意選択の実施例では、上記焼結運転パラメータ情報は、位置パラメータ情報を含み、
上記ステップ102において、焼結運転パラメータ情報に基づいて、目標焼結状態を決定することは、
位置パラメータ情報及び予め設定された状態判断ルールに基づいて、目標焼結状態を決定することを含む。
【0035】
本発明の実施例では、上記位置パラメータ情報は、焼結対象が焼結炉内で現在位置している位置関連情報である。
【0036】
任意選択的に、上記位置パラメータ情報は、絶対位置パラメータ及び/又は相対位置パラメータを含み、これについては本発明の実施例では限定されない。
【0037】
以上のことから分かるように、本発明の実施例に記載された焼結温度の制御方法の実施により、状態判断ルールを利用して焼結対象の位置パラメータ情報を分析処理して、焼結対象の現在の目標焼結杭体を決定することができ、位置パラメータ情報に基づいて目標焼結状態を決定する実現経路を提供しており、焼結温度の正確な制御の向上に役立ち、それにより生産品質及び生産効率を向上させる。
【0038】
別の任意選択の実施例では、上記位置パラメータ情報及び予め設定された状態判断ルールに基づいて、目標焼結状態を決定することは、
位置パラメータ情報と、予め設定された状態区間情報集合における全ての唯一の焼結状態のみに対応する状態区間情報とをマッチングして、第1のマッチング結果を得ることと、
第1のマッチング結果が、位置パラメータ情報とマッチングする目標状態区間情報が状態区間情報集合に存在することを示す場合、目標状態区間情報に対応する焼結状態が目標焼結状態であると決定することと、を含む。
【0039】
本発明の実施例では、上記焼結状態は、焼結、及び/又は、予備焼結、及び/又は、冷却を含み、これについては本発明の実施例では限定されない。
【0040】
任意選択的に、上記状態区間情報は、座標位置区間及び/又は相対位置区間を含み、これについては本発明の実施例では限定されない。
【0041】
任意選択的に、上記座標位置区間は、絶対位置パラメータに対応する。
【0042】
任意選択的に、上記相対位置区間は、相対位置パラメータに対応する。
【0043】
この任意選択の実施例では、任意選択の実施形態として、位置パラメータ情報が絶対位置パラメータであり、状態区間情報が座標位置区間である場合、上記絶対位置パラメータは、絶対横座標及び絶対縦座標を含む。
【0044】
上記位置パラメータ情報と状態区間情報とをマッチングすることによって、目標焼結状態を決定する具体的な方法は、
いずれかの座標位置区間について、絶対横座標が該座標位置区間にあるか否かを判断することと、
上記絶対横座標が座標位置区間にある場合、該座標位置区間に対応する焼結状態が目標焼結状態であることを示すことと、である。
【0045】
この任意選択の実施例では、別の任意選択の実施形態として、位置パラメータ情報が相対位置パラメータであり、状態区間情報が相対位置区間である場合、上記相対位置パラメータは焼結炉のドアに対する焼結対象の距離である。
【0046】
上記位置パラメータ情報と状態区間情報とをマッチングすることによって、目標焼結状態を決定する具体的な方法は、
いずれかの相対位置区間について、相対位置パラメータが該相対位置区間にあるか否かを判断することと、
上記相対位置パラメータが該相対位置区間にある場合、該相対位置区間に対応する焼結状態が目標焼結状態であることを示すことと、である。
【0047】
以上のことから分かるように、本発明の実施例に記載された焼結温度の制御方法の実施により、位置パラメータ情報と状態区間情報とをマッチングすることによって、焼結対象が現在位置している目標焼結状態を決定することができ、焼結温度の正確な制御の向上に役立ち、それにより生産品質及び生産効率を向上させる。
【0048】
実施例2
図2を参照して、図2は、本発明の実施例に開示された別の焼結温度の制御方法のフローチャートである。ここで、図2に示される焼結温度の制御方法は、焼結炉制御システム、例えば焼結温度の制御管理のためのローカルサーバ又はクラウドサーバ等に適用され、これについては本発明の実施例では限定されない。図2に示すように、該焼結温度の制御方法は、以下の操作を含むことができる。
ステップ201:焼結運転パラメータ情報を取得する。
ステップ202:焼結運転パラメータ情報に基づいて、目標焼結状態を決定する。
ステップ203:目標焼結状態に基づいて、目標温度制御モデル集合を決定する。
本発明の実施例では、上記目標温度制御モデル集合は、少なくとも1つの使用対象の温度制御モデルを含む。
ステップ204:焼結運転パラメータ情報及び目標温度制御モデル集合に基づいて、焼結温度制御パラメータ情報を決定する。
【0049】
本発明の実施例では、ステップ201~202の具体的な技術的詳細及び技術用語の説明については、実施例1におけるステップ101~102の詳細な説明を参照することができ、本発明の実施例では贅言しない 。
【0050】
本発明の実施例では、上記使用対象の温度制御モデルは、焼結炉クラウド制御プラットフォームに内蔵され、焼結運転パラメータ情報を計算処理するために用いられ、温度制御調整装置の調整・制御を指示するための焼結温度制御パラメータ情報を得る。
【0051】
任意選択的に、各焼結状態は、いくつかの使用対象の温度制御モデルに対応する。
【0052】
以上のことから分かるように、本発明の実施例に記載された焼結温度の制御方法の実施により、焼結運転パラメータ情報によって目標焼結状態を決定し、さらに目標焼結状態に基づいて、使用対象の温度制御モデルを決定し、最後に、焼結温度調整ルールを利用して、焼結運転パラメータ情報及び使用対象の温度制御モデルを分析処理して、温度制御調整装置の調整・制御を指示するための焼結温度制御パラメータ情報を得ることができ、焼結温度の正確な制御の向上に役立ち、それにより生産品質及び生産効率を向上させる。
【0053】
任意選択の実施例では、上記ステップ203において、目標焼結状態に基づいて、目標温度制御モデル集合を決定することは、
目標焼結状態に対応する状態特徴情報と、データベースに予め記憶された全てのマッチング対象の温度制御モデル集合に対応するモデル特徴情報とをマッチングして、第2のマッチング結果を得ることと、
第2のマッチング結果が、目標焼結状態に対応する状態特徴情報とマッチングする目標モデル特徴情報がデータベースに存在することを示す場合、目標モデル特徴情報に対応するマッチング対象の温度制御モデル集合が目標温度制御モデル集合であると決定することと、を含む。
【0054】
任意選択的に、上記状態特徴情報は、状態名情報、及び/又は、状態コード情報、及び/又は、状態IP情報を含み、これについては本発明の実施例では限定されない。
【0055】
任意選択的に、上記状態特徴情報の形式は、A-Bであり、ここで、Aは状態名情報であり、Bは状態コード情報である。
【0056】
任意選択的に、上記モデル特徴情報は、モデル名情報、及び/又は、モデルコード情報、及び/又は、モデルIP情報を含み、これについては本発明の実施例では限定されない。
【0057】
任意選択的に、上記モデル特徴情報の形式は、C-Dであり、ここで、Cはモデル名情報であり、Dはモデルコード情報である。
【0058】
任意選択的に、上記状態名情報は、モデル名情報に対応する。
【0059】
任意選択的に、上記状態コード情報は、モデルコード情報に対応する。
【0060】
任意選択的に、上記状態IP情報は、モデルIP情報に対応する。
【0061】
任意選択的に、上記目標焼結状態に対応する状態特徴情報とマッチングする目標モデル特徴情報がデータベースに存在する具体的な方法は、
上記状態特徴情報は、A(状態名情報)とC(モデル名情報)とがマッチングし、B(状態コード情報)とD(モデルコード情報)とがマッチングする。
【0062】
以上のことから分かるように、本発明の実施例に記載された焼結温度の制御方法の実施により、状態特徴情報とモデル特徴情報とをマッチングすることによって目標温度制御モデル集合を決定し、すなわち、複数種の情報のマッチングによって目標温度制御モデル集合を決定することができ、マッチングの精度の向上に役立ち、さらに焼結温度の正確な制御の向上に役立ち、それにより生産品質及び生産効率を向上させる。
【0063】
別の任意選択の実施例では、上記焼結運転パラメータ情報は、焼結温度を含み、
上記目標温度制御モデル集合は、第1の使用対象の温度制御モデル及び第2の使用対象の温度制御モデルを含み、
焼結運転パラメータ情報及び目標温度制御モデル集合に基づいて、焼結温度制御パラメータ情報を決定する前に、その方法はさらに、
目標温度制御モデル集合に対応する温度制御閾値を取得することを含み、
焼結運転パラメータ情報及び目標温度制御モデル集合に基づいて、焼結温度制御パラメータ情報を決定することは、
焼結温度が温度制御閾値未満であるか否かを判断して、温度判断結果を得ることと、
温度判断結果が、焼結温度が温度制御閾値以上であることを示す場合、第2の使用対象の温度制御モデルが目標温度制御モデルであると決定することと、
温度判断結果が、焼結温度が温度制御閾値未満であることを示す場合、第1の使用対象の温度制御モデルが目標温度制御モデルであると決定することと、
目標温度制御モデルを利用して焼結温度を処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得ることと、を含む。
【0064】
任意選択的に、各々の目標温度制御モデル集合は、唯一の温度制御閾値のみに対応する。
【0065】
任意選択的に、上記焼結温度は、設定されたサンプリング周期に基づいて焼結炉から現在の焼結対象の所在位置の温度を測定した温度である。
【0066】
任意選択的に、上記サンプリング周期は、0.01秒~1秒の任意の値である。
【0067】
好ましくは、上記サンプリング周期は、0.1秒である。
【0068】
任意選択的に、上記温度制御閾値は、データベースに予め記憶された候補閾値から選択される。
【0069】
任意選択的に、上記候補閾値の数は、3である。
【0070】
任意選択的に、上記第1の使用対象の温度制御モデル及び第2の使用対象の温度制御モデルは、インテリジェント温度制御モデルである。
【0071】
以上のことから分かるように、本発明の実施例に記載された焼結温度の制御方法の実施により、焼結温度及び温度制御閾値を判断・分析して、目標温度制御モデルを決定し、さらに目標温度制御モデルを利用して、焼結温度を処理して焼結温度制御パラメータ情報を得ることができ、焼結温度制御パラメータ情報を決定する実現経路を提供しており、焼結温度の正確な制御の向上にさらに役立ち、それにより生産品質及び生産効率を向上させる。
【0072】
さらに別の任意選択の実施例では、第2の使用対象の温度制御モデルは、第1のファジーモデル、第2のファジーモデル及びパラメータ調整モデルを含み、
目標温度制御モデルを利用して、焼結温度を処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得る前に、その方法はさらに、
目標温度制御モデルに対応する目標温度を取得することを含み、
目標温度制御モデルを利用して前記焼結温度を処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得ることは、
目標温度制御モデルが第1の使用対象の温度制御モデルである場合、目標温度制御モデルを利用して、目標温度、焼結温度及び目標温度制御モデル集合に対応する温度制御量を計算処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得ることと、
目標温度制御モデルが第2の使用対象の温度制御モデルである場合、目標温度及び焼結温度を処理して、偏差及び偏差変化を得ることと、
第1のファジーモデルを利用して、偏差及び偏差変化を処理して、ファジー偏差及びファジー偏差変化を得ることと、
第2のファジーモデルを利用して、ファジー偏差及びファジー偏差変化に対してファジィ推論計算を行い、中間ファジーパラメータを得ることと、
パラメータ調整モデルを利用して、偏差、偏差変化及び中間ファジーパラメータを処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得ることと、を含む。
【0073】
任意選択的に、上記焼結温度制御パラメータ情報は、温度制御調整装置を制御するための制御量を含む。
【0074】
任意選択的に、上記第2の使用対象の温度制御モデルは、第1のファジーモデル、及び/又は、第2のファジーモデル、及び/又は、パラメータ調整モデルを含み、これについては本発明の実施例では限定されない。
【0075】
この任意選択の実施例では、任意選択の実施形態として、目標温度制御モデルが第1の使用対象の温度制御モデルである場合、制御量uの計算方法は、以下のとおりである。
【数1】
式中、λは正規化係数であり、xは目標温度制御モデルに対応する温度制御量である。
【0076】
任意選択的に、上記正規化係数は、目標温度と焼結温度との差に対する目標温度の比である。
【0077】
任意選択的に、上記温度制御量は、データベースに予め記憶された予め設定された制御量から選択される。
【0078】
任意選択的に、上記予め設定された制御量の数は、3である。
【0079】
任意選択的に、上記予め設定された制御量は、0より大きい。
【0080】
この任意選択の実施例では、別の任意選択の実施形態として、目標温度制御モデルが第2の使用対象の温度制御モデルである場合、制御量uの計算方法は、
目標温度と焼結温度との偏差eを計算することと、
偏差eを微分計算して、温度の偏差変化ecを得ることと、
予め設定された第1のファジーモデルに従って、偏差e及び偏差変化ecに対してファジー化処理を行い、ファジー偏差E及びファジー偏差変化ECを得ることと、
予め設定された第2のファジーモデルを利用して、ファジー偏差E及びファジー偏差変化ECに対してファジィ推論計算を行い、中間ファジーパラメータを得ることと、
パラメータ調整モデルを利用して、偏差、偏差変化及び中間ファジーパラメータを整定して、制御量uを得ることと、である。
【0081】
任意選択的に、上記第2のファジーモデルは、第1のファジールールテーブル及び第2のファジールールテーブルを含む。
【0082】
任意選択的に、上記第1のファジールールテーブル内の各変数に対応するファジーサブセットは、以下のとおりである。
【数2】
【0083】
さらに、上記ファジーサブセットが順に対応するファジー言語変数は、以下のとおりである。
【数3】
【0084】
任意選択的に、第1のファジールールテーブルでは、工学で一般的に使用される三角形メンバーシップ関数を使用して、定義された議論領域とファジー言語変数との間の関係を確立する。
【0085】
任意選択的に、上記第2のファジールールテーブル内の各変数に対応するファジーサブセットは、以下のとおりである。
【数4】
【0086】
さらに、上記ファジーサブセットが順に対応するファジー言語変数は、以下のとおりである。
【数5】
【0087】
任意選択的に、第2のファジールールテーブルでは、工学で一般的に使用される三角形メンバーシップ関数を使用して、定義された議論領域とファジー言語変数との間の関係を確立する。
【0088】
任意選択的に、上記中間ファジーパラメータは、第1の中間パラメータk、第2の中間パラメータk、第3の中間パラメータk及び第4の中間パラメータkを含む。
【0089】
任意選択的に、上記第1の中間パラメータk、第2の中間パラメータk及び第3の中間パラメータkは、第1のファジールールテーブルを利用して、ファジー偏差E及びファジー偏差変化ECに対してファジー推論計算を行うことによって得られる。
【0090】
任意選択的に、上記第4の中間パラメータk、第2のファジールールテーブルを利用して、ファジー偏差E及びファジー偏差変化ECに対してファジー推論計算を行うことによって得られる。
【0091】
任意選択的に、上記パラメータ調整モデルは、第1の調整モデル及び第2の調整モデルを含む。
【0092】
任意選択的に、上記第1の調整モデルを利用して、第4の中間パラメータk計算し、自己整定パラメータkを得る。
【0093】
任意選択的に、上記第1の調整モデルの具体的な方法は、以下のとおりである。
【数6】
【0094】
任意選択的に、第2の調整モデルを利用して、第1の中間パラメータk、第2の中間パラメータk、第3の中間パラメータk及び自己整定パラメータkを計算して、制御量uを得る。
【0095】
任意選択的に、上記第2の調整モデルの具体的な方法は、以下のとおりである。
【数7】
【0096】
ここで、上記tは時間パラメータである。
【0097】
任意選択的に、上記偏差eの基本議論領域は、e={-10,10}である。
【0098】
任意選択的に、上記偏差変化ecの基本議論領域は、ec={-20,20}である。
【0099】
任意選択的に、上記第1の中間パラメータkの定量化議論領域は、k={-3,3}である。
【0100】
任意選択的に、上記第2の中間パラメータkの定量化議論領域は、k={-0.006,0.006}である。
【0101】
上記第3の中間パラメータkの定量化議論領域は、k={-6,6}である。
【0102】
任意選択的に、上記第4の中間パラメータkの定量化議論領域は、k={-4,4}である。
【0103】
任意選択的に、上記第1のファジーモデルは、偏差ファジーモデル及び偏差率ファジーモデルを含む。
【0104】
任意選択的に、偏差ファジーモデルを利用して、偏差e、自己整定パラメータk及び第1の定量化係数kを処理して、ファジー偏差Eを得る。
【0105】
任意選択的に、上記偏差ファジーモデルを利用して、ファジー偏差Eを計算する具体的な方法は、以下のとおりである。
【数8】
【0106】
任意選択的に、上記第1の定量化係数kの定量化係数議論領域は、k={-2,2}である。
【0107】
任意選択的に、偏差率ファジーモデルを利用して、偏差変化ec、自己整定パラメータk及び第2の定量化係数kecを処理して、ファジー偏差変化ECを得る。
【0108】
任意選択的に、上記偏差率ファジーモデルを利用して、ファジー偏差変化ECを計算する具体的な方法は、以下のとおりである。
【数9】
【0109】
任意選択的に、上記第2の定量化係数kecの定量化議論領域は、k={-10,10}である。
【0110】
以上のことから分かるように、本発明の実施例に記載された焼結温度の制御方法の実施により、目標温度制御モデルを利用して、焼結温度と目標温度を総合的に処理して焼結温度制御パラメータ情報を得ることができ、焼結温度の正確な制御の向上にさらに役立ち、それにより生産品質及び生産効率を向上させる。
【0111】
実施例3
図3を参照して、図3は、本発明の実施例に開示された焼結温度の制御装置の構造概略図である。ここで、図3に示される装置は、焼結炉制御システム、例えば焼結温度の制御管理のためのローカルサーバ又はクラウドサーバ等に適用されることができ、これについは本発明の実施例では限定されない。図3に示すように、該装置は、
焼結運転パラメータ情報を取得するための取得モジュール301と、
焼結運転パラメータ情報に基づいて、目標焼結状態を決定するための第1の決定モジュール302と、
目標焼結状態及び予め設定された焼結温度調整ルールに基づいて、温度制御調整装置の調整・制御を指示するための焼結温度制御パラメータ情報を決定するための第2の決定モジュール303と、を含むことができる。
【0112】
以上のことから分かるように、図3に記載された焼結温度の制御装置の実施により、焼結運転パラメータ情報によって目標焼結状態を決定し、さらに焼結温度調整ルールを利用して、焼結運転パラメータ情報及び目標焼結状態を分析処理して、温度制御調整装置の調整・制御を指示するための焼結温度制御パラメータ情報を得ることができ、焼結温度の正確な制御の向上に役立ち、それにより生産品質及び生産効率を向上させる。
【0113】
別の任意選択の実施例では、図4に示すように、焼結運転パラメータ情報は、位置パラメータ情報を含み、
第1の決定モジュール302が、焼結運転パラメータ情報に基づいて、目標焼結状態を決定する具体的な方法は、
位置パラメータ情報及び予め設定された状態判断ルールに基づいて、目標焼結状態を決定することである。
【0114】
以上のことから分かるように、図4に記載された焼結温度の制御装置の実施により、状態判断ルールを利用して、焼結対象の位置パラメータ情報を分析処理して、焼結対象の現在の目標焼結杭体を決定することができ、位置パラメータ情報に基づいて目標焼結状態を決定する実現経路を提供しており、焼結温度の正確な制御の向上に役立ち、それにより生産品質及び生産効率を向上させる。
【0115】
さらに別の任意選択の実施例では、図4に示すように、第1の決定モジュール302が、位置パラメータ情報及び予め設定された状態判定ルールに基づいて、目標焼結状態を決定する具体的な方法は、
位置パラメータ情報と、予め設定された状態区間情報集合における全ての唯一の焼結状態のみに対応する状態区間情報とをマッチングして、第1のマッチング結果を得ることと、
第1のマッチング結果が、位置パラメータ情報とマッチングする目標状態区間情報が状態区間情報集合に存在することを示す場合、目標状態区間情報に対応する焼結状態が目標焼結状態であると決定することと、である。
【0116】
以上のことから分かるように、図4に記載された焼結温度の制御装置の実施により、位置パラメータ情報と状態区間情報とをマッチングすることによって、焼結対象が現在位置している目標焼結状態を決定することができ、焼結温度の正確な制御の向上に役立ち、それにより生産品質及び生産効率を向上させる。
【0117】
さらに別の任意選択の実施例では、図4に示すように、第2の決定モジュール303は、第1の決定サブモジュール及び第2の決定サブモジュールを含み、そのうち、
第1の決定サブモジュール3031は、目標焼結状態に基づいて、少なくとも1つの使用対象の温度制御モデルを含む目標温度制御モデル集合を決定するために用いられ、
第2の決定サブモジュール3032は、焼結運転パラメータ情報及び目標温度制御モデル集合に基づいて、焼結温度制御パラメータ情報を決定するために用いられる。
【0118】
以上のことから分かるように、図4に記載された焼結温度の制御装置の実施により、焼結運転パラメータ情報によって目標焼結状態を決定し、さらに目標焼結状態に基づいて、使用対象の温度制御モデルを決定し、最後に、焼結温度調整ルールを利用して、焼結運転パラメータ情報及び使用対象の温度制御モデルを分析処理して、温度制御調整装置の調整・制御を指示するための焼結温度制御パラメータ情報を得ることができ、焼結温度の正確な制御の向上に役立ち、それにより生産品質及び生産効率を向上させる。
【0119】
さらに別の任意選択の実施例では、図4に示すように、第1の決定サブモジュール3031が、目標焼結状態に基づいて、目標温度制御モデル集合を決定する具体的な方法は、
目標焼結状態に対応する状態特徴情報と、データベースに予め記憶された全てのマッチング対象の温度制御モデル集合に対応するモデル特徴情報とをマッチングして、第2のマッチング結果を得ることと、
第2のマッチング結果が、目標焼結状態に対応する状態特徴情報とマッチングする目標モデル特徴情報がデータベースに存在することを示す場合、目標モデル特徴情報に対応するマッチング対象の温度制御モデル集合が目標温度制御モデル集合であると決定することと、である。
【0120】
以上のことから分かるように、図4に記載された焼結温度の制御装置の実施により、状態特徴情報とモデル特徴情報とをマッチングすることによって目標温度制御モデル集合を決定し、すなわち、複数種の情報のマッチングによって目標温度制御モデル集合を決定することができ、マッチングの精度の向上に役立ち、さらに焼結温度の正確な制御の向上に役立ち、それにより生産品質及び生産効率を向上させる。
【0121】
別の任意選択の実施例では、図4に示すように、焼結運転パラメータ情報は、焼結温度を含み、
目標温度制御モデル集合は、第1の使用対象の温度制御モデル及び第2の使用対象の温度制御モデルを含み、
取得モジュール301はさらに、第2の決定サブモジュール3032が、焼結運転パラメータ情報及び目標温度制御モデル集合に基づいて、焼結温度制御パラメータ情報を決定する前に、目標温度制御モデル集合に対応する温度制御閾値を取得するために用いられ、
第2の決定サブモジュール3032が、焼結運転パラメータ情報及び目標温度制御モデル集合に基づいて、焼結温度制御パラメータ情報を決定する具体的な方法は、
焼結温度が温度制御閾値未満であるか否かを判断して、温度判断結果を得ることと、
温度判断結果が、焼結温度が温度制御閾値以上であることを示す場合、第2の使用対象の温度制御モデルが目標温度制御モデルであると決定することと、
温度判断結果が、焼結温度が温度制御閾値未満であることを示す場合、第1の使用対象の温度制御モデルが目標温度制御モデルであると決定することと、
目標温度制御モデルを利用して、焼結温度を処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得ることと、である。
【0122】
以上のことから分かるように、図4に記載された焼結温度の制御装置の実施により、焼結温度及び温度制御閾値を判断・分析して、目標温度制御モデルを決定し、さらに目標温度制御モデルを利用して、焼結温度を処理して焼結温度制御パラメータ情報を得ることができ、焼結温度制御パラメータ情報を決定する実現経路を提供しており、焼結温度の正確な制御の向上にさらに役立ち、それにより生産品質及び生産効率を向上させる。
【0123】
さらに別の任意選択の実施例では、図4に示すように、第2の使用対象の温度制御モデルは、第1のファジーモデル、第2のファジーモデル及びパラメータ調整モデルを含み、
取得モジュール301はさらに、第2の決定サブモジュール3032が目標温度制御モデルを利用して、焼結温度を処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得る前に、目標温度制御モデルに対応する目標温度を取得するために用いられ、
第2の決定サブモジュール3032が目標温度制御モデルを利用して、焼結温度を処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得る具体的な方法は、
目標温度制御モデルが第1の使用対象の温度制御モデルである場合、目標温度制御モデルを利用して、目標温度、焼結温度及び目標温度制御モデル集合に対応する温度制御量を計算処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得ることと、
目標温度制御モデルが第2の使用対象の温度制御モデルである場合、目標温度及び焼結温度を処理して、偏差及び偏差変化を得ることと、
第1のファジーモデルを利用して、偏差及び偏差変化を処理して、ファジー偏差及びファジー偏差変化を得ることと、
第2のファジーモデルを利用して、ファジー偏差及びファジー偏差変化に対してファジィ推論計算を行い、中間ファジーパラメータを得ることと、
パラメータ調整モデルを利用して、偏差、偏差変化及び中間ファジーパラメータを処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得ることと、である。
【0124】
以上のことから分かるように、図4に記載された焼結温度の制御装置の実施により、目標温度制御モデルを利用して、焼結温度と目標温度を総合的に処理して、焼結温度制御パラメータ情報を得ることができ、焼結温度の正確な制御の向上にさらに役立ち、それにより生産品質及び生産効率を向上させる。
【0125】
実施例4
図5を参照して、図5は、本発明の実施例に開示されたさらに別の焼結温度の制御装置の構造概略図である。ここで、図5に示される装置は、焼結炉制御システム、例えば焼結温度の制御管理のためのローカルサーバ又はクラウドサーバ等に適用されることができ、これについては本発明の実施例では限定されない。図5に示すように、該装置は、
実行可能なプログラムコードを記憶するメモリ401と、
メモリ401に結合されたプロセッサ402と、を含むことができ、
プロセッサ402は、メモリ401に記憶された実行可能プログラムコードを呼び出して、実施例1又は2に記載された焼結温度の制御方法におけるステップを実行するために用いられる。
【0126】
実施例5
本発明の実施例は、電子データ交換のためのコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体を開示し、該コンピュータプログラムは、実施例1又は2に記載された焼結温度の制御方法におけるステップをコンピュータに実行させる。
【0127】
実施例6
本発明の実施例は、コンピュータプログラム製品を開示し、該コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムを記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み、該コンピュータプログラムは、実施例1又は2に記載された焼結温度の制御方法におけるステップをコンピュータに実行させるように操作可能である。
【0128】
上述した装置の実施例は、単に例示的なものに過ぎず、別個の構成要素として説明されたモジュールは、物理的に分離されていてもいなくてもよく、モジュールとして示された構成要素は、物理的なモジュールであってもなくてもよく、すなわち、1つの場所に配置されてもよく、又は複数のネットワークモジュールに分散されてもよい。実際のニーズに応じて、そのうちのモジュールの一部又は全部を選択して本実施例の解決手段の目的を実現することができる。当業者は、創造的な労力を要することなく、理解及び実施することができる。
【0129】
上記実施例の詳細な説明により、当業者は、各実施形態が、ソフトウェア及び必要な汎用ハードウェアプラットフォームによって実現されるが、もちろん、ハードウェアによっても実現されることを明確に理解することができる。このような知見に基づいて、上記技術的解決手段の実質的又は従来技術に寄与する部分は、ソフトウェア製品の形式で具体化することができ、該コンピュータソフトウェア製品は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、記憶媒体は、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(Programmable Read-only Memory,PROM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(Erasable Programmable Read Only Memory,EPROM)、ワンタイムプログラマブル読み出し専用メモリ(One-time Programmable Read-Only Memory,OTPROM)、電子消去可能な書き換え可能な読み出し専用メモリ(Electrically-Erasable Programmable Read-Only Memory,EEPROM)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(Compact Disc Read-Only Memory,CD-ROM)又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、磁気テープ記憶装置、又はデータを搬送又は記憶するためのコンピュータ読み取り可能な他の任意の媒体を含む。
【0130】
最後に説明すべきことは以下のとおりである。本発明の実施例に開示された焼結温度の制御方法及び装置に指摘されたものは、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではなく、上記実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、依然として上記各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はそのうちの技術的特徴の一部に対して同等置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本発明の各実施例の技術的解決手段の精神及び範囲から逸脱させるものではないことを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5