(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-29
(45)【発行日】2025-06-06
(54)【発明の名称】ユーザ機器、基地局及び方法
(51)【国際特許分類】
H04W 48/18 20090101AFI20250530BHJP
H04W 68/12 20090101ALI20250530BHJP
H04W 36/14 20090101ALI20250530BHJP
H04W 76/27 20180101ALI20250530BHJP
【FI】
H04W48/18
H04W68/12
H04W36/14
H04W76/27
(21)【出願番号】P 2021048512
(22)【出願日】2021-03-23
【審査請求日】2024-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100119585
【氏名又は名称】東田 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100172199
【氏名又は名称】松山 浩也
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119585
【氏名又は名称】東田 潔
(72)【発明者】
【氏名】山本 智之
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 秀明
【審査官】田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0260311(US,A1)
【文献】特開2014-082799(JP,A)
【文献】国際公開第2013/047835(WO,A1)
【文献】vivo,[post112-e][256][Multi-SIM] Network switching details (vivo) [online],3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #113-e R2-2100474, [検索日 2024.11.26],インターネット <URL: https://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG2_RL2/TSGR2_113-e/Docs/R2-2100474.zip>,2021年01月15日
【文献】Apple Inc,Methods for MUSIM Network Switching [online],3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #113e R2-2100850, [検索日 2022.06.02],インターネット <URL: https://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG2_RL2/TSGR2_113-e/Docs/R2-2100850.zip>,2021年01月15日
【文献】vivo,[AT113-e][242][NR][Multi-SIM] NAS vs. RRC signalling for paging collision and network switching (vivo),3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #113-e R2-2101981, [検索日 2022.06.02],インターネット <URL: https:// www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG2_RL2/TSGR2_113-e/Docs/R2-2101981.zip>,2021年02月10日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
DB名 3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置(200)であって、
前記装置のRRC(Radio Resource Control)状態であって、RRCアイドル状態又はRRC非アクティブ状態である前記RRC状態を示すために用いられる第2の情報を含むUE Assistance Informationメッセージを送信するように前記装置を構成する第1の情報を含むRRC Reconfigurationメッセージを第1のネットワークから受信する通信処理部(233)
を備え、
前記通信処理部は、前記第1のネットワークにおいてRRCコネクテッド状態での前記第1のネットワークから第2のネットワークへの切替の前に、前記第1の情報に基づいて、前記第2の情報を含む前記UE Assistance Informationメッセージを前記第1のネットワークへ送信する、
装置。
【請求項2】
前記装置は、2つ以上のSIM(Subscriber Identity Module)に対応するケイパビリティを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のネットワークは、前記装置の2つ以上のSIMのうちの1つに対応するネットワークであり、
前記第2のネットワークは、前記装置の前記2つ以上のSIMのうちの他の1つに対応するネットワークである、
請求項
2に記載の装置。
【請求項4】
第1のネットワークにおける基地局(100)であって、
装置のRRC(Radio Resource Control)状態であって、RRCアイドル状態又はRRC非アクティブ状態である前記RRC状態を示すために用いられる第2の情報を含むUE Assistance Informationメッセージを送信するように前記装置を構成する第1の情報を含むRRC Reconfigurationメッセージを前記装置へ送信する通信処理部(143)
を備え、
前記通信処理部は、前記第1のネットワークにおいてRRCコネクテッド状態での前記第1のネットワークから第2のネットワークへの切替の前に前記第1の情報に基づいて送信される前記UE Assistance Informationメッセージであって、前記第2の情報を含む当該UE Assistance Informationメッセージを、前記装置から受信する、
基地局。
【請求項5】
前記装置は、2つ以上のSIM(Subscriber Identity Module)に対応するケイパビリティを有する、請求項
4に記載の基地局。
【請求項6】
前記第1のネットワークは、前記装置の2つ以上のSIMのうちの1つに対応するネットワークであり、
前記第2のネットワークは、前記装置の前記2つ以上のSIMのうちの他の1つに対応するネットワークである、
請求項
5に記載の基地局。
【請求項7】
装置(200)により行われる方法であって、
前記装置のRRC(Radio Resource Control)状態であって、RRCアイドル状態又はRRC非アクティブ状態である前記RRC状態を示すために用いられる第2の情報を含むUE Assistance Informationメッセージを送信するように前記装置を構成する第1の情報を含むRRC Reconfigurationメッセージを第1のネットワークから受信することと、
前記第1のネットワークにおいてRRCコネクテッド状態での前記第1のネットワークから第2のネットワークへの切替の前に、前記第1の情報に基づいて、前記第2の情報を含む前記UE Assistance Informationメッセージを前記第1のネットワークへ送信することと、
を含む方法。
【請求項8】
前記装置は、2つ以上のSIM(Subscriber Identity Module)に対応するケイパビリティを有する、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のネットワークは、前記装置の2つ以上のSIMのうちの1つに対応するネットワークであり、
前記第2のネットワークは、前記装置の前記2つ以上のSIMのうちの他の1つに対応するネットワークである、
請求項
8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザ機器、基地局及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)のRelease 17では、複数のSIM(Subscriber Identity Module)カードを搭載したデバイス向けに、複数の通信事業者のネットワークからの着信情報(例えば、音声又はデータ)を監視する機能を策定するためのワークアイテムが立ち上がっている。
【0003】
例えば、非特許文献1によれば、ユーザ機器(User Equipment:UE)がネットワークAにおいてRRC(Radio Resource Control)接続状態である場合でも、ネットワークAにおける通信にギャップを設定することにより上記UEがネットワークBにおけるページングを監視する技術が、検討されている。当該技術は、短時間スイッチング(short-time switching)と呼ばれる。
【0004】
さらに、非特許文献1によれば、ネットワークBにおいて優先度の高い着信があった場合に、一時的にネットワークAから離脱することをUEがネットワークAに通知する技術も、検討されている。これにより、ネットワークAとUEとの間でのRRC状態の不一致が抑制され得る。当該技術は、長時間スイッチング(long-time switching)と呼ばれる。
【0005】
さらに、非特許文献2には、ネットワーク応答なしの離脱通知のために、離脱時にUEが遷移すべきRRC状態をRRCシグナリングを介して事前構成することが、記載されている。また、非特許文献3には、一時停止(即ち、離脱)の際に、UE ASSISTANCE INFORMATIONメッセージを使用して、一時停止(即ち、離脱)の原因や、好ましいRRC状態(例えば、RRCアイドル又はRRC非アクティブ(inactive))等の情報をネットワークに送信することが、記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #113-e, Online, Jan 25th- Feb 05th 2021, R2-2100474, vivo, “[post112-e][256][Multi-SIM] Network switching details (vivo)”
【文献】3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #113 Electronic, Elbonia, 25th of January - 5th of February 2021, R2-2100508, Nokia, Nokia Shanghai Bell, “Switching notification procedure for basic switching scenarios for Single RX UE”
【文献】3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #113e, Electronic, 25-Jan-2021 to 05-Feb-2021, R2-2100850, Apple Inc, “Methods for MUSIM Network Switching”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献2には、離脱時にUEが遷移すべきRRC状態を事前に構成することが記載されているが、無駄なシグナリングなしで確実にそれを実現する具体的な手法が示されていない、という課題を発明者は見出した。さらに、非特許文献3によれば、UEは、ネットワークの切替の際に上記好ましいRRC状態の情報をネットワークに送信し、当該ネットワークでの当該情報の受信を確認し、その後上記切替を行うことになるので、ネットワークの切替に長い時間がかかり得る、という課題を発明者は見出した。
【0008】
本開示の目的は、ユーザ機器によるモバイルネットワークの迅速な切替を無駄なシグナリングなしで確実に実現することを可能にするユーザ機器、基地局及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係るユーザ機器は、第1のモバイルネットワークから第2のモバイルネットワークへの切替時に上記ユーザ機器が遷移するRRC状態を示す状態遷移情報を取得する情報取得部と、上記第2のモバイルネットワークにおける上記ユーザ機器の登録に応じて、上記状態遷移情報を含むUE Assistance Informationメッセージを上記第1のモバイルネットワークの基地局へ送信する通信処理部と、を備える。
【0010】
本開示の一態様に係る第1のモバイルネットワークの基地局は、上記第1のモバイルネットワークから第2のモバイルネットワークへの切替時にユーザ機器が遷移するRRC状態を示す状態遷移情報を含むUE Assistance Informationメッセージであって、上記第2のモバイルネットワークにおける上記ユーザ機器の登録に応じて上記ユーザ機器により送信される当該UE Assistance Informationメッセージを、上記ユーザ機器から受信する通信処理部と、上記状態遷移情報を取得する情報取得部と、を備える。
【0011】
本開示の一態様に係るユーザ機器により行われる方法は、第1のモバイルネットワークから第2のモバイルネットワークへの切替時に上記ユーザ機器が遷移するRRC状態を示す状態遷移情報を取得することと、上記第2のモバイルネットワークにおける上記ユーザ機器の登録に応じて、上記状態遷移情報を含むUE Assistance Informationメッセージを上記第1のモバイルネットワークの基地局へ送信することと、を含む。
【0012】
本開示の一態様に係る第1のモバイルネットワークの基地局により行われる方法は、上記第1のモバイルネットワークから第2のモバイルネットワークへの切替時にユーザ機器が遷移するRRC状態を示す状態遷移情報を含むUE Assistance Informationメッセージであって、上記第2のモバイルネットワークにおける上記ユーザ機器の登録に応じて上記ユーザ機器により送信される当該UE Assistance Informationメッセージを、上記ユーザ機器から受信することと、上記状態遷移情報を取得することと、を含む。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、ユーザ機器によるモバイルネットワークの迅速な切替を無駄なシグナリングなしで確実に実現することが可能になる。なお、本開示により、当該効果の代わりに、又は当該効果とともに、他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の実施形態に係るシステムの概略的な構成の一例を示す説明図である。
【
図2】本開示の実施形態に係るユーザ機器が2つのSIMカードを搭載するケースの例を説明するための説明図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る基地局の概略的な機能構成の例を示すブロック図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る基地局の概略的なハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【
図5】本開示の実施形態に係るユーザ機器の概略的な機能構成の例を示すブロック図である。
【
図6】本開示の実施形態に係るユーザ機器の概略的なハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【
図7】本開示の実施形態に係る処理の概略的な流れの例を説明するためのシーケンス図である。
【
図8】本開示の実施形態の第1の変形例に係る処理の概略的な流れの例を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0016】
説明は、以下の順序で行われる。
1.システムの構成
2.基地局の構成
3.ユーザ機器の構成
4.動作例
5.変形例
【0017】
<1.システムの構成>
図1及び
図2を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の構成の例を説明する。
図1を参照すると、システム1は、基地局100、ユーザ機器(UE)200及びコアネットワーク30を含む。コアネットワーク30は、ネットワークノード300を含む。
【0018】
例えば、システム1は、3GPP(Third Generation Partnership Project)の技術仕様(Technical Specification:TS)に準拠したシステムである。より具体的には、例えば、システム1は、5G又はNR(New Radio)のTSに準拠したシステムである。当然ながら、システム1は、この例に限定されない。
【0019】
(1)基地局100
基地局100は、無線アクセスネットワーク(Radio Access Network:RAN)のノードであり、基地局100のカバレッジエリア10内に位置するUE(例えば、UE200)と通信する。
【0020】
例えば、基地局100は、RANのプロトコルスタックを使用してUE(例えば、UE200)と通信する。例えば、当該プロトコルスタックは、RRC(Radio Resource Control)、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、及び、物理(Physical:PHY)レイヤのプロトコルを含む。あるいは、上記プロトコルスタックは、これらのプロトコルの全てを含まず、これらのプロトコルの一部を含んでもよい。
【0021】
例えば、基地局100は、gNBである。gNBは、UEに対するNRユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル終端(NR user plane and control plane protocol terminations towards the UE)を提供し、NGインターフェースを介して5GC(5G Core Network)に接続されるノードである。あるいは、基地局100は、en-gNBであってもよい。en-gNBは、UEに対するNRユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル終端を提供し、EN-DC(E-UTRA-NR Dual Connectivity)においてセカンダリノードとして動作するノードである。
【0022】
基地局100は、複数のノードを含んでもよい。当該複数のノードは、上記プロトコルスタックに含まれる上位レイヤ(higher layer)をホストする第1のノードと、当該プロトコルスタックに含まれる下位レイヤ(lower layer)をホストする第2のノードとを含んでもよい。上記上位レイヤは、RRC、SDAP及びPDCPを含んでもよく、上記下位レイヤは、RLC、MAC、及びPHYレイヤを含んでもよい。上記第1のノードは、CU(central unit)であってもよく、上記第2のノードは、DU(Distributed Unit)であってもよい。なお、上記複数のノードは、PHYレイヤの下位の処理を行う第3のノードを含んでもよく、上記第2のノードは、PHYレイヤの上位の処理を行ってもよい。当該第3のノードは、RU(Radio Unit)であってもよい。
【0023】
あるいは、基地局100は、上記複数のノードのうちの1つであってもよく、上記複数のノードのうちの他のユニットと接続されていてもよい。
【0024】
基地局100は、IAB(Integrated Access and Backhaul)ドナー又はIABノードであってもよい。
【0025】
(2)UE200
UE200は、基地局と通信する。例えば、UE200は、基地局100のカバレッジエリア10内に位置する場合に、基地局100と通信する。
【0026】
例えば、UE200は、上記プロトコルスタックを使用して基地局(例えば、基地局100)と通信する。
【0027】
とりわけ、UE200は、2つ以上のSIMカードを搭載可能である。即ち、UE200は、マルチSIM UE又はマルチSIMデバイスである。UE200は、上記2つ以上のSIMカードにそれぞれ対応する2つ以上のモバイルネットワークにおいて通信することができる。モバイルネットワークは、単にネットワークと呼ばれ得る。
【0028】
例えば、UE200は、上記2つ以上のSIMカードのうちの1つに対応するモバイルネットワークであって、基地局100及びネットワークノード300を含む当該モバイルネットワーク(以下、「第1のモバイルネットワーク」と呼ぶ)において通信することができる。さらに、UE200は、上記2つ以上のSIMカードのうちの他の1つに対応するモバイルネットワーク(以下、「第2のモバイルネットワーク」と呼ぶ)において通信することができる。
【0029】
図2の例を参照すると、例えば、UE200は、基地局100及びネットワークノード300を含む第1のモバイルネットワークと、基地局40及びネットワークノード50を含む第2のモバイルネットワークとにおいて通信することができる。一例として、UE200は、上記第1のモバイルネットワークではRRC接続状態であり、上記第2のモバイルネットワークではRRCアイドル状態又はRRC非アクティブ状態であり得る。このような場合に、例えば、UE200は、上記第1のモバイルネットワークにおいて基地局100と通信している間に、上記第2のモバイルネットワークにおいて基地局40により送信されるページングメッセージを受信し得る。
【0030】
(3)ネットワークノード300
ネットワークノード300は、コアネットワーク30のネットワーク機能である。例えば、ネットワークノード300は、AMF(Access and Mobility Management Function)である。
【0031】
<2.基地局の構成>
図3及び
図4を参照して、本開示の実施形態に係る基地局100の構成の例を説明する。
【0032】
(1)機能構成
まず、
図3を参照して、本開示の実施形態に係る基地局100の機能構成の例を説明する。
図3を参照すると、基地局100は、無線通信部110、ネットワーク通信部120、記憶部130及び処理部140を備える。
【0033】
無線通信部110は、信号を無線で送受信する。例えば、無線通信部110は、UEからの信号を受信し、UEへの信号を送信する。
【0034】
ネットワーク通信部120は、ネットワークから信号を受信し、ネットワークへ信号を送信する。
【0035】
記憶部130は、様々な情報を記憶する。
【0036】
処理部140は、基地局100の様々な機能を提供する。処理部140は、情報取得部141、通信処理部143及び制御部145を含む。なお、処理部140は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部140は、これらの構成要素の動作以外の動作も行い得る。情報取得部141、通信処理部143及び制御部145の具体的な動作は、後に詳細に説明する。
【0037】
例えば、処理部140(通信処理部143)は、無線通信部110を介してUE(例えば、UE200)と通信する。例えば、処理部140は、ネットワーク通信部120を介して他のノード(例えば、コアネットワーク30内のネットワークノード300又は他の基地局)と通信する。
【0038】
(2)ハードウェア構成
次に、
図4を参照して、本開示の実施形態に係る基地局100のハードウェア構成の例を説明する。
図4を参照すると、基地局100は、アンテナ181、RF回路183、ネットワークインターフェース185、プロセッサ187、メモリ189及びストレージ191を備える。
【0039】
アンテナ181は、信号を電波に変換し、当該電波を空間に放射する。また、アンテナ181は、空間における電波を受信し、当該電波を信号に変換する。アンテナ181は、送信アンテナ及び受信アンテナを含んでもよく、又は、送受信用の単一のアンテナであってもよい。アンテナ181は、指向性アンテナであってもよく、複数のアンテナ素子を含んでもよい。
【0040】
RF回路183は、アンテナ181を介して送受信される信号のアナログ処理を行う。RF回路183は、高周波フィルタ、増幅器、変調器及びローパスフィルタ等を含んでもよい。
【0041】
ネットワークインターフェース185は、例えばネットワークアダプタであり、ネットワークへ信号を送信し、ネットワークから信号を受信する。
【0042】
プロセッサ187は、アンテナ181及びRF回路183を介して送受信される信号のデジタル処理を行う。当該デジタル処理は、RANのプロトコルスタックの処理を含む。プロセッサ187は、ネットワークインターフェース185を介して送受信される信号の処理も行う。プロセッサ187は、複数のプロセッサを含んでもよく、又は、単一のプロセッサであってもよい。当該複数のプロセッサは、上記デジタル処理を行うベースバンドプロセッサと、他の処理を行う1つ以上のプロセッサとを含んでもよい。
【0043】
メモリ189は、プロセッサ187により実行されるプログラム、当該プログラムに関するパラメータ、及び、その他の様々な情報を記憶する。メモリ189は、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでもよい。メモリ189の全部又は一部は、プロセッサ187内に含まれていてもよい。
【0044】
ストレージ191は、様々な情報を記憶する。ストレージ191は、SSD(Solid State Drive)及びHDD(Hard Disc Drive)の少なくとも1つを含んでもよい。
【0045】
無線通信部110は、アンテナ181及びRF回路183により実装されてもよい。ネットワーク通信部120は、ネットワークインターフェース185により実装されてもよい。記憶部130は、ストレージ191により実装されてもよい。処理部140は、プロセッサ187及びメモリ189により実装されてもよい
【0046】
処理部140の一部又は全部は、仮想化されていてもよい。換言すると、処理部140の一部又は全部は、仮想マシンとして実装されてもよい。この場合に、処理部140の一部又は全部は、プロセッサ及びメモリ等を含む物理マシン(即ち、ハードウェア)及びハイパーバイザ上で仮想マシンとして動作してもよい。
【0047】
以上のハードウェア構成を考慮すると、基地局100は、プログラムを記憶するメモリ(即ち、メモリ189)と、当該プログラムを実行可能な1つ以上のプロセッサ(即ち、プロセッサ187)とを備えてもよく、当該1つ以上のプロセッサは、上記プログラムを実行して、処理部140の動作を行ってもよい。上記プログラムは、処理部140の動作をプロセッサに実行させるためのプログラムであってもよい。
【0048】
<3.ユーザ機器の構成>
図5及び
図6を参照して、本開示の実施形態に係るUE200の構成の例を説明する。
【0049】
(1)機能構成
まず、
図5を参照して、本開示の実施形態に係るUE200の機能構成の例を説明する。
図5を参照すると、UE200は、無線通信部210、記憶部220及び処理部230を備える。
【0050】
無線通信部210は、信号を無線で送受信する。例えば、無線通信部210は、基地局からの信号を受信し、基地局への信号を送信する。例えば、無線通信部210は、他のUEからの信号を受信し、他のUEへの信号を送信する。
【0051】
記憶部220は、様々な情報を記憶する。
【0052】
処理部230は、UE200の様々な機能を提供する。処理部230は、情報取得部231、通信処理部233及び制御部235を含む。なお、処理部230は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部230は、これらの構成要素の動作以外の動作も行い得る。情報取得部231、通信処理部233及び制御部235の具体的な動作は、後に詳細に説明する。
【0053】
例えば、処理部230(通信処理部233)は、無線通信部210を介して基地局(例えば、基地局100又は基地局40)又は他のUEと通信する。
【0054】
(2)ハードウェア構成
次に、
図6を参照して、本開示の実施形態に係るUE200のハードウェア構成の例を説明する。
図6を参照すると、UE200は、アンテナ281、RF回路283、プロセッサ285、メモリ287及びストレージ289を備える。
【0055】
アンテナ281は、信号を電波に変換し、当該電波を空間に放射する。また、アンテナ281は、空間における電波を受信し、当該電波を信号に変換する。アンテナ281は、送信アンテナ及び受信アンテナを含んでもよく、又は、送受信用の単一のアンテナであってもよい。アンテナ281は、指向性アンテナであってもよく、複数のアンテナ素子を含んでもよい。
【0056】
RF回路283は、アンテナ281を介して送受信される信号のアナログ処理を行う。RF回路283は、高周波フィルタ、増幅器、変調器及びローパスフィルタ等を含んでもよい。
【0057】
プロセッサ285は、アンテナ281及びRF回路283を介して送受信される信号のデジタル処理を行う。当該デジタル処理は、RANのプロトコルスタックの処理を含む。プロセッサ285は、複数のプロセッサを含んでもよく、又は、単一のプロセッサであってもよい。当該複数のプロセッサは、上記デジタル処理を行うベースバンドプロセッサと、他の処理を行う1つ以上のプロセッサとを含んでもよい。
【0058】
メモリ287は、プロセッサ285により実行されるプログラム、当該プログラムに関するパラメータ、及び、その他の様々な情報を記憶する。メモリ287は、ROM、EPROM、EEPROM、RAM及びフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでもよい。メモリ287の全部又は一部は、プロセッサ285内に含まれていてもよい。
【0059】
ストレージ289は、様々な情報を記憶する。ストレージ289は、SSD及びHDDの少なくとも1つを含んでもよい。
【0060】
無線通信部210は、アンテナ281及びRF回路283により実装されてもよい。記憶部220は、ストレージ289により実装されてもよい。処理部230は、プロセッサ285及びメモリ287により実装されてもよい。
【0061】
処理部230は、プロセッサ285及びメモリ287を含むSoC(System on Chip)により実装されてもよい。当該SoCは、RF回路283を含んでもよく、無線通信部210も、当該SoCにより実装されてもよい。
【0062】
以上のハードウェア構成を考慮すると、UE200は、プログラムを記憶するメモリ(即ち、メモリ287)と、当該プログラムを実行可能な1つ以上のプロセッサ(即ち、プロセッサ285)とを備えてもよく、当該1つ以上のプロセッサは、上記プログラムを実行して、処理部230の動作を行ってもよい。上記プログラムは、処理部230の動作をプロセッサに実行させるためのプログラムであってもよい。
【0063】
<4.動作例>
図7を参照して、本開示の実施形態に係る基地局100及びUE200の動作の例を説明する。
【0064】
(1)状態遷移情報の送受信
UE200(情報取得部231)は、第1のモバイルネットワークから第2のモバイルネットワークへの切替時にUE200が遷移するRRC状態を示す状態遷移情報を取得する。UE200(通信処理部233)は、上記第2のモバイルネットワークにおけるUE200の登録に応じて、上記状態遷移情報を含むUE Assistance Informationメッセージを上記第1のモバイルネットワークの基地局100へ送信する。
【0065】
基地局100(通信処理部143)は、上記状態遷移情報を含む上記UE Assistance InformationメッセージをUE200から受信する。基地局100(情報取得部141)は、上記状態遷移情報を取得する。
【0066】
上記状態遷移情報により示される上記RRC状態は、基地局100及びUE200の各々において、上記切替後のUE200のRRC状態として設定される。
【0067】
-RRC状態
上記RRC状態は、RRCアイドル状態又はRRC非アクティブ状態である。
【0068】
上述したように、上記RRC状態は、上記切替時にUE200が遷移するRRC状態である。UE200は、上記切替時に、自主的にRRC接続をリリースするので、上記RRC状態は、UE200によるRRC接続の自主的なリリースに応じてUE200が遷移するRRC状態とも言える。
【0069】
-状態遷移情報の送信の構成
例えば、基地局100(情報取得部141)は、上記状態遷移情報を送信するようにUE200を構成する構成情報を取得する。基地局100(通信処理部143)は、上記構成情報を含むRRC ReconfigurationメッセージをUE200へ送信する。例えば、基地局100は、UE200がマルチSIMのケイパビリティを有するので、上記構成情報をUE200へ送信する。
【0070】
例えば、UE200(通信処理部233)は、上記構成情報を含む上記RRC Reconfigurationメッセージを基地局100から受信する。UE200(情報取得部231)は、上記構成情報を取得する。例えば、UE200(通信処理部233)は、上記構成情報を受信することを条件に、上記状態遷移情報を基地局100へ送信する。
【0071】
-送信タイミング
上述したように、UE200(通信処理部233)は、上記第2のモバイルネットワークにおけるUE200の登録に応じて、上記状態遷移情報を含む上記UE Assistance Informationメッセージを基地局100へ送信する。より具体的には、UE200(通信処理部233)は、上記登録の完了に応じて、上記UE Assistance Informationメッセージを基地局100へ送信する。
【0072】
例えば、UE200(通信処理部233)は、上記第2のモバイルネットワークへのアタッチ時に、又は、上記第2のモバイルネットワークにおける位置登録時に、上記登録を行う。
【0073】
例えば、UE200(通信処理部233)は、上記第2のモバイルネットワークにおける上記登録のための手続きとして、REGISTRATION REQUESTメッセージを基地局40を介してネットワークノード50へ送信し、REGISTRATION ACCEPTメッセージを基地局40を介してネットワークノード50から受信する。上記REGISTRATION REQUESTメッセージ及び上記REGISTRATION ACCEPTメッセージは、NAS(Non-Access Stratum)メッセージである。
【0074】
以上のように、上記状態遷移情報が送受信される。これにより、例えば、UE200による上記第2のモバイルネットワークへの迅速な切替を無駄なシグナリングなしで確実に実現することが可能になる。より具体的には、上記状態遷移情報は、上記第2のモバイルネットワークにおける上記登録後に基地局100において必要になるので、上記状態遷移情報は、必要になってはじめて送信される。即ち、上記状態遷移情報は必要なしに送信されないので、無断なシグナリングが回避される。また、上記状態遷移情報は、上記第2のモバイルネットワークにおける上記登録に応じて基地局100へ送信されるので、基地局100は、上記第2のモバイルネットワークにおけるUE200へのページングの発生前に、上記状態遷移情報を取得できる。そのため、UE200は、上記第2のモバイルネットワークへの迅速な切替を確実に行うことができる。また、UE200は、UE ASSISTANCE INFORMATIONメッセージを使用することにより、上記第2のモバイルネットワークにおける上記登録に応じて自主的に上記状態遷移情報を基地局100へ送信することができる。
【0075】
(2)ネットワークの切替
例えば、UE200(通信処理部233)は、上記切替の通知のためのメッセージを上記第1のモバイルネットワークへ送信する。
【0076】
-メッセージ
例えば、上記メッセージは、上記切替の通知のためのRRCメッセージである。この場合に、UE200(通信処理部233)は、上記メッセージを基地局100へ送信する。基地局100(通信処理部143)は、上記メッセージをUE200から受信する。
【0077】
-RRC状態の遷移
例えば、UE200(通信処理部233)は、上記切替の通知のための上記メッセージに対応する確認応答(Acknowledge:ACK)の受信に応じて、UE200を上記RRC状態(例えば、RRCアイドル又はRRC非アクティブ)に遷移させる。例えば、当該ACKは、レイヤ2のプロトコルであるRLCレイヤのACKであってもよく、レイヤ2のプロトコルであるMACレイヤのHARQ(hybrid automatic repeat request)のACKであってもよい。これにより、例えば、上記メッセージの受信が最低限確認され、且つ、迅速な切替が行われる。
【0078】
一方、例えば、基地局100(通信処理部143)は、上記メッセージの受信に応じて、基地局100においてUE200を上記RRC状態に遷移させる。即ち、基地局100において維持されているUE200のRRC状態が、上記状態遷移情報により示される上記RRC状態となる。
【0079】
このような切替により、UE200は、上記第1のモバイルネットワークにおいてRRC接続状態であっても、上記第2のモバイルネットワークにおける通信を行うことが可能になる。また、上記状態遷移情報により、上記第1のネットワーク(とりわけ基地局100)とUE200との間でのRRC状態の不一致が抑制され得る。
【0080】
(3)処理の流れ
図7を参照して、本開示の実施形態に係る処理の例を説明する。
【0081】
UE200と基地局100との間で、RRC Reconfiguration手続きが行われる(S401)。例えば、基地局100は、状態遷移情報を送信するようにUE200を構成する構成情報を含むRRC ReconfigurationメッセージをUE200へ送信する。
【0082】
UE200は、第2のモバイルネットワークにおける登録のための手続きを行う(S403)。
【0083】
UE200は、上記登録に応じて、上記第1のモバイルネットワークから上記第2のモバイルネットワークへの切替時にUE200が遷移するRRC状態を示す状態遷移情報を含むUE Assistance Informationメッセージを基地局100へ送信する(S405)。基地局100は、当該UE Assistance Informationメッセージを受信し、上記状態遷移情報を取得する。UE200及び基地局100は、上記RRC状態を、ネットワークの切替後のUE200のRRC状態として設定する(S407)。例えば、上記RRC状態は、RRC非アクティブである。
【0084】
UE200は、ページングメッセージを基地局40から受信する(S409)。当該ページングメッセージは、UE200の識別情報と、対応する優先度の情報とを含む。例えば、当該情報は、高い優先度を示す。UE200は、上記第1のモバイルネットワークから上記第2のモバイルネットワークへの切替を判定する(S411)。例えば、UE200は、当該切替を行うと判定する。
【0085】
UE200は、上記切替の通知のためのメッセージを基地局100へ送信する(S413)。例えば、当該メッセージは、長時間スイッチングのためのRRCメッセージである。UE200は、上記メッセージに対応するACK(例えば、RLC ACK、又は、HARQ ACK)を受信し(S415)、上記RRC状態(例えば、RRC非アクティブ)に遷移する(S417)。
【0086】
UE200は、ページング応答を基地局40へ送信する(S419)。その後、UE200は、上記第2のモバイルネットワークにおける通信を開始する(S421)。
【0087】
基地局100は、UE200からの上記メッセージの受信(S413)に応じて、ネットワークノード300に上記切替を通知し(S423)、ネットワークノード300は、UE200とのデータの送受信を停止する(S425)。基地局100は、上記メッセージへの応答をUE200へ送信し(S427)、基地局100においてUE200をRRC非アクティブに遷移させる(S429)。
【0088】
とりわけ、ステップS417~S421の処理と、ステップS423~S429の処理とは、並列で行われてもよい。
【0089】
<5.変形例>
図8を参照して、本開示の実施形態に係る第1~第4の変形例を説明する。なお、これらの変形例の2つ以上が組み合わせられてもよい。
【0090】
(1)第1の変形例
本開示の実施形態の上述した例では、UE200(通信処理部233)は、上記第1のモバイルネットワークから上記第2のモバイルネットワークへの上記切替の通知のためのメッセージを上記第1のモバイルネットワークへ送信する。上記メッセージは、上記切替の通知のためのRRCメッセージである。しかし、本開示の実施形態に係る上記メッセージは、この例に限定されない。
【0091】
本開示の実施形態の第1の変形例では、上記メッセージは、上記切替の通知のためのNASメッセージであってもよい。この場合に、UE200(通信処理部233)は、上記第1のモバイルネットワークのコアネットワーク30内のネットワークノード300へ上記メッセージを送信してもよい。
【0092】
-処理の流れ
図8を参照して、本開示の実施形態の第1の変形例に係る処理の例を説明する。なお、ここでは、
図8の例と
図7の例との相違点のみを説明し、重複する説明を省略する。
【0093】
UE200は、上記切替の通知のためのメッセージを、基地局100を介してネットワークノード300へ送信する(S513)。例えば、当該メッセージは、長時間スイッチングのためのNASメッセージである。
【0094】
ネットワークノード300は、UE200からの上記メッセージの受信(S513)に応じて、UE200とのデータの送受信を停止し(S523)、上記メッセージへの応答をUE200へ送信する(S525)。さらに、ネットワークノード300は、基地局100に上記切替を通知する(S527)。
【0095】
基地局100は、RRC ReleaseメッセージをUE200へ送信し(S529)、基地局100においてUE200をRRC非アクティブに遷移させる(S531)。
【0096】
とりわけ、ステップS417~S421の処理と、ステップS523~S531の処理とは、並列で行われてもよい。
【0097】
(2)第2の変形例
本開示の実施形態の上述した例では、UE200(通信処理部233)は、上記第2のモバイルネットワークにおけるUE200の上記登録に応じて、上記状態遷移情報を含む上記UE Assistance Informationメッセージを基地局100へ送信する。しかし、本開示の実施形態に係る上記状態遷移情報の送信は、この例のみに限定されない。
【0098】
本開示の実施形態の第2の変形例では、基地局100(通信処理部143)は、上記UE Assistance Informationメッセージの送信のための複数の契機のうちの少なくとも1つを示す契機情報をUE200へ送信してもよい。一例として、基地局100(通信処理部143)は、当該契機情報を含むRRC ReconfigurationメッセージをUE200へ送信してもよい。
【0099】
UE200(通信処理部233)は、上記契機情報を基地局100から受信してもよい。一例として、UE200(通信処理部233)は、上記契機情報を含むRRC Reconfigurationメッセージを基地局100から受信してもよい。UE200(通信処理部233)は、上記契機情報により示される少なくとも1つの契機に応じて、上記UE Assistance Informationメッセージを基地局100へ送信してもよい。
【0100】
上記複数の契機は、上記第2のモバイルネットワークにおけるUE200の上記登録を含んでもよい。
【0101】
これにより、例えば、上記第2のモバイルネットワークにおける登録以外の契機でも、UE200が上記状態遷移情報を基地局100へ送信することが可能になる。
【0102】
(3)第3の変形例
本開示の実施形態の上述した例では、上記第1のモバイルネットワークから上記第2のモバイルネットワークへの切替の際に、UE200は、上記状態遷移情報により示されるRRC状態に遷移する。しかし、本開示の実施形態に係る遷移は、この例のみに限定されない。
【0103】
本開示の実施形態の第3の変形例では、UE200が、上記状態遷移情報を基地局100へ送信しない場合には、UE200は、上記切替の際に、RRCアイドルに遷移してもよい。これにより、例えば、上記状態遷移情報の送信がない場合でも、上記第2のネットワークへの迅速な切替が可能になる。
【0104】
(4)第4の変形例
本開示の実施形態の上述した例では、システム1は、5G又はNRのTSに準拠したシステムである。しかし、本開示の実施形態に係るシステム1は、この例に限定されない。
【0105】
本開示の実施形態の第4の変形例では、システム1は、3GPPの他のTSに準拠したシステムであってもよい。一例として、システム1は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE Advanced)又は4GのTSに準拠したシステムであってもよく、基地局100は、eNB(evolved Node B)であってもよい。あるいは、基地局100は、ng-eNBであってもよい。別の例として、システム1は、3GのTSに準拠したシステムであってもよく、基地局100は、NodeBであってもよい。さらに別の例として、システム1は、次世代(例えば、6G)のTSに準拠したシステムであってもよい。
【0106】
あるいは、システム1は、移動体通信についての他の標準化団体のTSに準拠したシステムであってもよい。
【0107】
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は当該実施形態に限定されるものではない。当該実施形態は例示にすぎないということ、及び、本開示のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。
【0108】
例えば、本明細書に記載されている処理におけるステップは、必ずしもフローチャート又はシーケンス図に記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、処理におけるステップは、フローチャート又はシーケンス図として記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、処理におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。
【0109】
例えば、本明細書において説明した装置の1つ以上の構成要素の動作を含む方法が提供されてもよく、上記構成要素の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供されてもよい。また、当該プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非遷移的実体的記録媒体が提供されてもよい。当然ながら、このような方法、プログラム、及びコンピュータに読み取り可能な非遷移的実体的記録媒体(non-transitory tangible computer-readable storage medium)も、本開示に含まれる。
【0110】
例えば、本開示において、ユーザ機器(UE)は、移動局(mobile station)、移動端末、移動装置、移動ユニット、加入者局(subscriber station)、加入者端末、加入者装置、加入者ユニット、ワイヤレス局、ワイヤレス端末、ワイヤレス装置、ワイヤレスユニット、リモート局、リモート端末、リモート装置、又はリモートユニット等の別の名称で呼ばれてもよい。
【0111】
例えば、本開示において、「送信する(transmit)」は、送信に使用されるプロトコルスタック内の少なくとも1つのレイヤの処理を行うことを意味してもよく、又は、無線又は有線で信号を物理的に送信することを意味してもよい。あるいは、「送信する」は、上記少なくとも1つのレイヤの処理を行うことと、無線又は有線で信号を物理的に送信することとの組合せを意味してもよい。同様に、「受信する(receive)」は、受信に使用されるプロトコルスタック内の少なくとも1つのレイヤの処理を行うことを意味してもよく、又は、無線又は有線で信号を物理的に受信することを意味してもよい。あるいは、「受信する」は、上記少なくとも1つのレイヤの処理を行うことと、無線又は有線で信号を物理的に受信することとの組合せを意味してもよい。上記少なくとも1つのレイヤは、少なくとも1つのプロトコルと言い換えられてもよい。
【0112】
例えば、本開示において、「取得する(obtain/acquire)」は、記憶されている情報の中から情報を取得することを意味してもよく、他のノードから受信した情報の中から情報を取得することを意味してもよく、又は、情報を生成することにより当該情報を取得することを意味してもよい。
【0113】
例えば、本開示において、「~を含む(include)」及び「~を備える(comprise)」は、列挙する項目のみを含むことを意味せず、列挙する項目のみを含んでもよいし、列挙する項目に加えてさらなる項目を含んでもよいことを意味する。
【0114】
例えば、本開示において、「又は(or)」は、排他的論理和を意味せず、論理和を意味する。
【0115】
なお、上述した実施形態に含まれる技術的特徴は、以下のような特徴として表現されてもよい。当然ながら、本開示は以下のような特徴に限定されない。
【0116】
(特徴1)
ユーザ機器(200)であって、
第1のモバイルネットワークから第2のモバイルネットワークへの切替時に前記ユーザ機器が遷移するRRC(Radio Resource Control)状態を示す状態遷移情報を取得する情報取得部(231)と、
前記第2のモバイルネットワークにおける前記ユーザ機器の登録に応じて、前記状態遷移情報を含むUE Assistance Informationメッセージを前記第1のモバイルネットワークの基地局(100)へ送信する通信処理部(233)と、
を備えるユーザ機器。
【0117】
(特徴2)
前記RRC状態は、RRCアイドル状態又はRRC非アクティブ状態である、特徴1に記載のユーザ機器。
【0118】
(特徴3)
前記通信処理部は、前記状態遷移情報を送信するように前記ユーザ機器を構成する構成情報を含むRRC Reconfigurationメッセージを前記基地局から受信する、特徴1又は2に記載のユーザ機器。
【0119】
(特徴4)
前記通信処理部は、前記切替の通知のためのメッセージを前記第1のモバイルネットワークへ送信する、特徴1~3のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【0120】
(特徴5)
前記メッセージは、前記切替の通知のためのRRCメッセージであり、
前記通信処理部は、前記メッセージを前記基地局へ送信する、
特徴4に記載のユーザ機器。
【0121】
(特徴6)
前記メッセージは、前記切替の通知のためのNAS(Non-Access Stratum)メッセージであり、
前記通信処理部は、前記第1のモバイルネットワークのコアネットワーク(30)内のネットワークノード(300)へ前記メッセージを送信する、
特徴4に記載のユーザ機器。
【0122】
(特徴7)
前記切替の通知のための前記メッセージに対応する確認応答(Acknowledge)の受信に応じて、前記ユーザ機器を前記RRC状態に遷移させる制御部(235)、をさらに備える、特徴4~6のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【0123】
(特徴8)
前記通信処理部は、前記UE Assistance Informationメッセージの送信のための複数の契機のうちの少なくとも1つを示す契機情報を前記基地局から受信し、
前記通信処理部は、前記契機情報により示される少なくとも1つの契機に応じて、前記UE Assistance Informationメッセージを前記基地局へ送信し、
前記複数の契機は、前記第2のモバイルネットワークにおける前記ユーザ機器の前記登録を含む、
特徴1~7のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【0124】
(特徴9)
前記ユーザ機器は、2つ以上のSIM(Subscriber Identity Module)カードを搭載可能であり、
前記第1のモバイルネットワークは、前記2つ以上のSIMカードのうちの1つに対応し、
前記第2のモバイルネットワークは、前記2つ以上のSIMカードのうちの他の1つに対応する、
特徴1~8のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【0125】
(特徴10)
第1のモバイルネットワークの基地局(100)であって、
前記第1のモバイルネットワークから第2のモバイルネットワークへの切替時にユーザ機器(200)が遷移するRRC(Radio Resource Control)状態を示す状態遷移情報を含むUE Assistance Informationメッセージであって、前記第2のモバイルネットワークにおける前記ユーザ機器の登録に応じて前記ユーザ機器により送信される当該UE Assistance Informationメッセージを、前記ユーザ機器から受信する通信処理部(143)と、
前記状態遷移情報を取得する情報取得部(141)と、
を備える基地局。
【0126】
(特徴11)
前記通信処理部は、前記状態遷移情報を送信するように前記ユーザ機器を構成する構成情報を含むRRC Reconfigurationメッセージを前記ユーザ機器へ送信する、特徴10に記載の基地局。
【0127】
(特徴12)
前記通信処理部は、前記切替の通知のためのメッセージを前記ユーザ機器から受信し、
前記切替の通知のための前記メッセージの受信に応じて、前記基地局において前記ユーザ機器を前記RRC状態に遷移させる制御部(145)、をさらに備える、
特徴10又は11に記載の基地局。
【0128】
(特徴13)
前記通信処理部は、前記UE Assistance Informationメッセージの送信のための複数の契機のうちの少なくとも1つを示す契機情報を前記ユーザ機器へ送信し、
前記複数の契機は、前記第2のモバイルネットワークにおける前記ユーザ機器の前記登録を含む、
特徴10~12のいずれか1項に記載の基地局。
【0129】
(特徴14)
ユーザ機器(200)により行われる方法であって、
第1のモバイルネットワークから第2のモバイルネットワークへの切替時に前記ユーザ機器が遷移するRRC(Radio Resource Control)状態を示す状態遷移情報を取得することと、
前記第2のモバイルネットワークにおける前記ユーザ機器の登録に応じて、前記状態遷移情報を含むUE Assistance Informationメッセージを前記第1のモバイルネットワークの基地局(100)へ送信することと、
を含む方法。
【0130】
(特徴15)
第1のモバイルネットワークの基地局(100)により行われる方法であって、
前記第1のモバイルネットワークから第2のモバイルネットワークへの切替時にユーザ機器(200)が遷移するRRC(Radio Resource Control)状態を示す状態遷移情報を含むUE Assistance Informationメッセージであって、前記第2のモバイルネットワークにおける前記ユーザ機器の登録に応じて前記ユーザ機器により送信される当該UE Assistance Informationメッセージを、前記ユーザ機器から受信することと、
前記状態遷移情報を取得することと、
を含む方法。
【0131】
(特徴16)
第1のモバイルネットワークから第2のモバイルネットワークへの切替時にユーザ機器(200)が遷移するRRC(Radio Resource Control)状態を示す状態遷移情報を取得することと、
前記第2のモバイルネットワークにおける前記ユーザ機器の登録に応じて、前記状態遷移情報を含むUE Assistance Informationメッセージを前記第1のモバイルネットワークの基地局(100)へ送信することと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【0132】
(特徴17)
第1のモバイルネットワークから第2のモバイルネットワークへの切替時にユーザ機器(200)が遷移するRRC(Radio Resource Control)状態を示す状態遷移情報を含むUE Assistance Informationメッセージであって、前記第2のモバイルネットワークにおける前記ユーザ機器の登録に応じて前記ユーザ機器により送信される当該UE Assistance Informationメッセージを、前記ユーザ機器から受信することと、
前記状態遷移情報を取得することと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【0133】
(特徴18)
第1のモバイルネットワークから第2のモバイルネットワークへの切替時にユーザ機器(200)が遷移するRRC(Radio Resource Control)状態を示す状態遷移情報を取得することと、
前記第2のモバイルネットワークにおける前記ユーザ機器の登録に応じて、前記状態遷移情報を含むUE Assistance Informationメッセージを前記第1のモバイルネットワークの基地局(100)へ送信することと、
をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非遷移的実体的記録媒体。
【0134】
(特徴19)
第1のモバイルネットワークから第2のモバイルネットワークへの切替時にユーザ機器(200)が遷移するRRC(Radio Resource Control)状態を示す状態遷移情報を含むUE Assistance Informationメッセージであって、前記第2のモバイルネットワークにおける前記ユーザ機器の登録に応じて前記ユーザ機器により送信される当該UE Assistance Informationメッセージを、前記ユーザ機器から受信することと、
前記状態遷移情報を取得することと、
をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非遷移的実体的記録媒体。
【符号の説明】
【0135】
1 システム
10 カバレッジエリア
30 コアネットワーク
40 基地局
50 ネットワークノード
100 基地局
141 情報取得部
143 通信処理部
145 制御部
200 ユーザ機器
231 情報取得部
233 通信処理部
235 制御部
300 ネットワークノード