特許 7689635 半導体ガス配管用フィッティング固定具

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2025-05-29

(45)【発行日】2025-06-06

(54)【発明の名称】半導体ガス配管用フィッティング固定具

(51)【国際特許分類】

   F16L 19/025 20060101AFI20250530BHJP

   H01L 21/02 20060101ALI20250530BHJP

【ＦＩ】

F16L19/025

H01L21/02 Z

【請求項の数】 2

(21)【出願番号】P 2024525941

(86)(22)【出願日】2022-08-17

(65)【公表番号】

(43)【公表日】2024-10-18

(86)【国際出願番号】 KR2022012294

(87)【国際公開番号】W WO2023075106

(87)【国際公開日】2023-05-04

【審査請求日】2024-04-26

(31)【優先権主張番号】10-2021-0147185

(32)【優先日】2021-10-29

(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR

(73)【特許権者】

【識別番号】524161793

【氏名又は名称】ディーケーロック コーポレーション

(74)【代理人】

【識別番号】100114627

【弁理士】

【氏名又は名称】有吉 修一朗

(74)【代理人】

【識別番号】100182501

【弁理士】

【氏名又は名称】森田 靖之

(74)【代理人】

【識別番号】100190975

【弁理士】

【氏名又は名称】遠藤 聡子

(72)【発明者】

【氏名】ノ ウンシク

(72)【発明者】

【氏名】イ ソンヨン

【審査官】奈須 リサ

(56)【参考文献】

【文献】韓国登録特許第１０－１９９２０８６（ＫＲ，Ｂ１）

【文献】特開平０７－１０３３３４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平０４－１７５５９５（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平０８－０２８７６３（ＪＰ，Ａ）

【文献】米国特許第０５８２９７９６（ＵＳ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｆ１６Ｌ １／００－５９／２２

Ｈ０１Ｌ ２１／０２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

半導体工程に用いられるガスが流れる一側配管に連結する雌フィッティング部と；
前記一側配管と対向する位置の他側配管に連結して前記雌フィッティング部と連結する雄フィッティング部と；
前記雌フィッティング部が内側に支持される雌ナット部と；
前記雄フィッティング部が内側に支持されて、前記雌ナット部と結合して前記雌フィッティング部と前記雄フィッティング部を連結させる雄ナット部；および
一側部は、前記雌フィッティング部に支持されて、他側部は、前記雄ナット部に支持されて、前記雌フィッティング部と前記雄フィッティング部からガスの漏れを防止するガスケット部とを含み、
前記ガスケット部は、前記雌ナット部の外部へ一側部が露出される突出片を含み、
前記突出片には、露出された前記突出片の領域が表示されるようにガスケット表示部が設けられて、前記ガスケット表示部は、前記ガスケット部の材質に対応するように表示されて、
前記雌ナット部には、前記ガスケット部が挿入されるガスケットスロットが設けられて、
前記ガスケットスロットが設けられた前記雌ナット部の領域には、第１表示部と第２表示部が設けられて、
前記第１表示部と前記第２表示部は、相異なる色合いで表示され、前記雌ナット部の締結の状態が表示され、
前記雌ナット部は、
前記ガスケットスロットが設けられた雌ナットボディーと；
前記ガスケットスロットが設けられた前記雌ナットボディーの一側面に設けられる前記第１表示部；および
前記ガスケットスロットが設けられた前記雌ナットボディーの他側面に設けられ、前記第１表示部と異なる色合いで設けられる第２表示部とを含み、
前記第１表示部に前記突出片が位置すると、前記雌ナット部の前記雄ナット部の締める前の状態を示して、前記第２表示部に前記突出片が位置すると、前記雌ナット部と前記雄ナット部が締結した状態を示す
半導体ガス配管用フィッティング固定具。

【請求項2】

前記ガスケット部は、
前記雌フィッティング部および前記雄フィッティング部と連通するガスケットホールが設けられたガスケットボディーと；
前記ガスケットボディーに設けられて、端部が前記ガスケットスロットの外部へ露出される突出片；および
前記突出片に設けられる前記ガスケット表示部とを含む
請求項１に記載の半導体ガス配管用フィッティング固定具。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、固定具に関する。より詳しくは、半導体の製造工程に用いられるガス配管を連結するのに用いられる半導体ガス配管用フィッティング固定具に関する。

【背景技術】

【0002】

一般的に、半導体を生産する工程は、大きくわけると、蒸着（ｄｅｐｏｓｉｔｉｏｎ）、イオン注入（ｉｏｎ ｉｎｊｅｃｔｉｏｎ）、フォトリソグラフィ（ｐｈｏｔｏ ｌｉｔｈｏｇｒａｐｈｙ）、エッチング（ｅｔｃｈ）、洗浄（ｃｌｅａｎｉｎｇ）などが何回も繰り返すことから成る。

【0003】

前述の工程のうち、ガスが必要な工程は、プラズマ、即ち、イオン化した状態の気体を用いるのであって、Ａｒ、ＳｉＨ_４、Ｎ_２Ｏ、ＰＨ_３、ＳＦ_６、Ｃｌ、Ｏ_２等の様々な気体が用いられている。こういった気体、即ち、ガスの場合、製造原価が相当高価であるのがほとんどであって、また漏れると人体に致命的な影響を及ぼす気体も含まれている。

【0004】

前記のようなガスを流動させるための配管には、両面接続の形のフィッティングが適用される。こういったフィッティングの連結の形態は、一般産業の配管の設備で用いられるパイプ配管のネジ加工密閉の連結の形態よりネジトラップの構造による異物の累積の問題や残留ガスの停滞のような問題を発生させないため、高純度の流体、または、気体が必要な先端産業施設の配管に普遍的に用いられている。

【0005】

また、両面接続フィッティング具は、両面接続フィッティングに含まれる構成部として、雄両面接続具と雌両面接続具とで対辺されて、雄両面接続具は、外周面にネジが形成され、外面は、ボルトの形状を有するか、内部に面加工部材の貫通孔を備える違いを持つメイルナットが含まれ、雌両面接続具は、メイルナットと締結するために内周面にネジが形成された雌ナットが含まれる。

【0006】

一方、以前の両面接続フィッティング具は、ガスケットの挿入可否のみを分かることができて、ナットの過締結、または、未締結を確認できない短所がある。

【0007】

また、締結すると、雄ナットを回転するようにできていて、適用することに制限があって、雄ナットを回転させると漏れが発生して禁止事項になっている。

【0008】

さらに、雌ナットを回転するためには、ガスケットとリテーナーに従って製作しなければならなくて、締結施工するとアイマーキングの作業が必要なので新しい改善策が要求される。

【0009】

前述の技術構成は、本発明の理解を助けるための背景技術であって、本発明が属する技術分野でよく知られた従来技術を意味することではない。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0010】

【文献】韓国登録特許第１０－１９９２０８６号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0011】

従って、本発明が達成しようとする技術的課題は、ガスケットの材質を色合いで確認することができて、標準ＶＣＲタイプのように雌ナットを回転させて、漏洩なく締結ができて、雌ナットに色合いを表示して、作業結果を遠くからも確認することができて、過締結および未締結をすべて確認することができて、締結施工すると、イメージマーキングの要らない半導体ガス配管用フィッティング固定具を提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0012】

本発明の一側面によると、半導体工程に用いられるガスが流れる一側配管に連結する雌フィッティング部；前記一側配管と対向する位置の他側配管に連結して前記雌フィッティング部と連結する雄フィッティング部；前記雌フィッティング部が内側に支持される雌ナット部；前記雄フィッティング部が内側に支持されて、前記雌ナット部と結合して前記雌フィッティング部と前記雄フィッティング部とを連結させる雄ナット部；および一側部は、前記雌フィッティング部に支持されて、他側部は、前記雄ナット部に支持されて、前記雌フィッティング部と前記雄フィッティング部からガスの漏れを防止するガスケット部を含み、前記ガスケット部は、前記雌ナット部の外部へ一側部が露出される突出片を含み、前記突出片には、露出された前記突出片の領域が表示されるようにガスケット表示部が設けられて、前記ガスケット表示部は、前記ガスケット部の材質に対応するように表示されて、前記雌ナット部には、前記ガスケット部が挿入されるガスケットスロットが設けられて、前記ガスケットスロットが設けられた前記雌ナット部の領域には、第１表示部と第２表示部が設けられて、前記第１表示部と前記第２表示部は、相異なる色合いで表示され、前記雌ナット部の締結の状態が表示される半導体ガス配管用フィッティング固定具が提供されることができる。

【0013】

前記ガスケット部は、前記雌フィッティング部および前記雄フィッティング部と連通するガスケットホールが設けられたガスケットボディーと；前記ガスケットボディーに設けられて、端部が前記ガスケットスロットの外部へ露出される突出片；および前記突出片に設けられる前記ガスケット表示部とを含むことができる。

【0014】

前記雌ナット部は、前記ガスケットスロットが設けられた雌ナットボディーと；前記ガスケットスロットが設けられた前記雌ナットボディーの一側面に設けられる前記第１表示部；および前記ガスケットスロットが設けられた前記雌ナットボディーの他側面に設けられ、前記第１表示部と異なる色合いで設けられる第２表示部とを含み、前記第１表示部に前記突出片が位置すると、前記雌ナット部の前記雄ナット部の締める前の状態を示して、前記第２表示部に前記突出片が位置すると、前記雌ナット部と前記雄ナット部が締結した状態を示すことができる。

【発明の効果】

【0015】

本発明の実施例等は、ガスケットの材質を色合いで確認することができて、標準ＶＣＲタイプのように雌ナットを回転させて、漏洩なく締結ができて、雌ナットに色合いを表示して、作業結果を遠くからも確認することができて、過締結および未締結をすべて確認することができて、締結施工すると、イメージマーキングが必要なく、作業時間を短縮することができて、作業結果の造作が不可能である。

【図面の簡単な説明】

【0016】

【図1】本発明の一実施例による半導体ガス配管用フィッティング固定具を概略的に図示した図面である。

【図2】図１の分解斜視図である。

【図3】図１でガスケット部が分離したことを概略的に図示した図面である。

【図4】本実施例の使用状態図である。

【発明を実施するための形態】

【0017】

本発明と本発明の動作上のメリットおよび本発明の実施によって達成する目的を十分に理解するためには、本発明の好ましい実施例を例示する添付図面および添付図面に記載の内容を参照しなければならない。

【0018】

以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明することによって、本発明を詳しく説明する。各図面に提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。

【0019】

図１は、本発明の一実施例による半導体ガス配管用フィッティング固定具を概略的に図示した図面であり、図２は、図１の分解斜視図であり、図３は、図１でガスケット部が分離したことを概略的に図示した図面であり、図４は、本実施例の使用状態図である。

【0020】

これら図面に図示のように、本実施例による半導体ガス配管用フィッティング固定具（１）は、半導体工程に用いられるガスが流れる一側配管に連結する雌フィッティング部（１００）と、一側配管と対向する位置の他側配管に連結して雌フィッティング部（１００）と連結する雄フィッティング部（２００）と、雌フィッティング部（１００）が内側に支持される雌ナット部（３００）と、雄フィッティング部（２００）が内側に支持されて、雌ナット部（３００）と結合して雌フィッティング部（１００）と雄フィッティング部（２００）とを連結させる雄ナット部（４００）と、一側部は、雌フィッティング部（１００）に支持されて、他側部は、雄ナット部（４００）に支持されて、雌フィッティング部（１００）と雄フィッティング部（２００）からガスの漏れを防止するガスケット部（５００）を備える。

【0021】

雌フィッティング部（１００）は、半導体工程に用いられるガスが流れる一側配管に結合して、雄ナット部（４００）と雌ナット部（３００）との結合で、ガスケット部（５００）を挟んで雄フィッティング部（２００）と結合することができる。

【0022】

本実施例で雌フィッティング部（１００）は、図２に図示のように、雌フィッティングボディー（１１０）と、雌フィッティングボディー（１１０）の内部に設けられる第１流路（１２０）を含む。

【0023】

本実施例で雌フィッティングボディー（１１０）の外壁には、多段の段差が設けられて、雌フィッティングボディー（１１０）は、雌ナット部（３００）の雌ナットボディー（３１０）の内部に引っ掛け支持されることができる。

【0024】

雄フィッティング部（２００）は、雌フィッティング部（１００）と対するように配置されて、半導体工程に用いられるガスが流れる他側配管に結合して、雄ナット部（４００）と雌ナット部（３００）との結合で、ガスケット部（５００）を挟んで雌フィッティング部（１００）と結合することができる。

【0025】

本実施例で雄フィッティング部（２００）は、図２に図示のように、雌フィッティングボディー（１１０）と対するように配置される雄フィッティングボディー（２１０）と、雄フィッティングボディー（２１０）の一側部に設けられて、ガスケット部（５００）と接触するガスケット接触部（２２０）と、雄フィッティングボディー（２１０）の内部に設けられる第２流路（２３０）とを含む。

【0026】

雌ナット部（３００）は、雄ナット部（４００）と締結して、ガスケット部（５００）を挟んで雌フィッティング部（１００）と雄フィッティング部（２００）を位置固定させることができる。

【0027】

本実施例で雌ナット部（３００）は、図１に図示のように、雌フィッティング部（１００）と対応する位置に配置されて、雄ナット部（４００）の雄ナットボディー（４１０）と結合する雌ナットボディー（３１０）と、雌ナットボディー（３１０）の外側表面部に設けられて、ガスケット部（５００）の締結位置を示す第１表示部（３２０）と、第１表示部（３２０）と接するように雌ナットボディー（３１０）の外側表面部に設けられて、ガスケット部（５００）の締結位置を示して、第１表示部（３２０）と異なる色合いで設けられる第２表示部（３３０）とを含む。

【0028】

雌ナット部（３００）の雌ナットボディー（３１０）には、図２に図示のように、ガスケットスロット（３１１）が設けられて、ガスケット部（５００）は、ガスケットスロット（３１１）を介して雌ナットボディー（３１０）に引き込むこともできる。

【0029】

本実施例でガスケットスロット（３１１）は、図２に図示のように、第１表示部（３２０）と第２表示部（３３０）が設けられた領域の雌ナットボディー（３１０）に設けることができる。

【0030】

雌ナット部（３００）の第１表示部（３２０）は、例えば、赤色に表示され、遠くからでもガスケット部（５００）の位置を容易く確認するようにガイドすることができる。本実施例で雌ナット部（３００）を雄ナット部（４００）に締結が完了した後にガスケット部（５００）の突出片（５２０）は第１表示部（３２０）に配置することができる。即ち、本実施例で雌ナット部（３００）と雄ナット部（４００）との締結が完了した後にガスケット部（５００）の突出片（５２０）は第１表示部（３２０）に設けられたガスケットスロット（３１１）のもっとも外側の位置に配置することができる。

【0031】

雌ナット部（３００）の第２表示部（３３０）は、例えば、青色に表示され、遠くからでもガスケットの位置を容易く確認するようにガイドすることができる。

【0032】

雄ナット部（４００）は、雌ナット部（３００）と締結して、ガスケット部（５００）を挟んで雌フィッティング部（１００）と雄フィッティング部（２００）を位置固定させることができる。

【0033】

本実施例で雄ナット部（４００）は、図２に図示のように、外壁に雄ナットネジ山（４１１）が設けられた雄ナットボディー（４１０）と、雄ナットボディー（４１０）の一側部に設けられて、締結工具の締結場所として提供される雄ナットヘッド（４２０）とを含む。

【0034】

本実施例で雄ナットボディー（４１０）の内部は空いていて、半導体工程用ガスは、雄ナットボディー（４１０）、雄フィッティングボディー（２１０）、雌フィッティングボディー（１１０）、ガスケット部（５００）のガスケットホール（５１１）、雌フィッティングボディー（１１０）、雌ナットボディー（３１０）の内部へ移動することができる。

【0035】

ガスケット部（５００）は、図３に図示のように、雌ナット部（３００）のガスケットスロット（３１１）を介して雌ナットボディー（３１０）の内部に引き込まれ、ガスケット部（５００）の一側部は、雌ナットボディー（３１０）に支持されて、他側部は、雄フィッティング部（２００）のガスケット接触部（２２０）に支持されて、雌フィッティング部（１００）と雄フィッティング部（２００）からガスが漏れることを防止することができる。

【0036】

本実施例でガスケット部（５００）は、図２に図示のように、中央部にガスケットホール（５１１）が設けられたガスケットボディー（５１０）と、ガスケットボディー（５１０）に設けられて、一側部がガスケットスロット（３１１）の外部へ露出される突出片（５２０）と、突出片（５２０）に設けられて、ガスケットボディー（５１０）の材質を色合いで示すガスケット表示部（５３０）とを含む。

【0037】

本実施例でガスケット表示部（５３０）には、前述の第１表示部（３２０）および第２表示部（３３０）と異なる色合い、例えば、黄色で表示することができる。

【0038】

本実施例は、雌ナットボディー（３１０）を締結すると、突出部が雌ナットボディー（３１０）に引っ掛かって回転するため、雌ナットボディー（３１０）の過締結および未締結をすべて確認することができる。

【0039】

また、本実施例は、ガスケット表示部（５３０）に表示される色合いでガスケット部（５００）の材質を容易く確認することができる。

【0040】

以上のように、本実施例は、ガスケットの材質を色合いで確認することができて、標準ＶＣＲタイプのように雌ナットを回転させて、漏洩なく締結ができて、雌ナットに色合いを表示して、作業結果を遠くからも確認することができて、過締結および未締結をすべて確認することができて、締結施工すると、イメージマーキングが必要なく、作業時間を短縮することができて、作業結果の造作が不可能である。

【0041】

前述のように、本発明は、記載の実施例に限定されることなく、本発明の事象を外れない範囲で色々と修正および変形が可能であることは、本技術分野で通常の知識を有する者には自明なことである。本発明の本質的な特性から外れない範囲で修正および変形が可能なはずである。従って、そういった修正例、または、変形例等は本発明の特許請求の範囲に属するというべきである。

【符号の説明】

【0042】

１００ 雌フィッティング部
１１０ 雌フィッティングボディー
１２０ 第１流路
２００ 雄フィッティング部
２１０ 雄フィッティングボディー
２２０ ガスケット接触部
２３０ 第２流路
３００ 雌ナット部
３１０ 雌ナットボディー
３１１ ガスケットスロット
３２０ 第１表示部
３３０ 第２表示部
４００ 雄ナット部
４１０ 雄ナットボディー
４１１ 雄ナットネジ山
４２０ 雄ナットヘッド
５００ ガスケット部
５１０ ガスケットボディー
５１１ ガスケットホール
５２０ 突出片
５３０ ガスケット表示部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】