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特許7689780航空機による輸送のための極低温での水素貯蔵に用いられる航空用タンク装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-30
(45)【発行日】2025-06-09
(54)【発明の名称】航空機による輸送のための極低温での水素貯蔵に用いられる航空用タンク装置
(51)【国際特許分類】
   B64D 37/06 20060101AFI20250602BHJP
【FI】
B64D37/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024555059
(86)(22)【出願日】2023-03-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2025-04-11
(86)【国際出願番号】 FR2023050320
(87)【国際公開番号】W WO2023175260
(87)【国際公開日】2023-09-21
【審査請求日】2024-11-07
(31)【優先権主張番号】2202234
(32)【優先日】2022-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524343816
【氏名又は名称】アレシア-ビルヌーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】サタ-,グザヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ベルトロ,ジャン-クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ルグラン,パスカル
(72)【発明者】
【氏名】パウン,フロリン-カリン
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー,ニコラス
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特表2022-502316(JP,A)
【文献】特表2016-502054(JP,A)
【文献】特表2013-541665(JP,A)
【文献】特開2005-280698(JP,A)
【文献】国際公開第2021/240106(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0039521(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0256960(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 37/02-37/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機による輸送のための極低温貯蔵性能を備えた着脱可能な航空用タンク装置(30)であって、
前部極低温タンク(36)と、
後部極低温タンク(37)と、
前記前部極低温タンク(36)と前記後部極低温タンク(37)とによって供給されるガスの圧力上昇のための少なくとも1つの一時貯蔵用の中央タンク(7)と、
を備える、航空用タンク装置。
【請求項2】
前記前部極低温タンク(36)及び前記後部極低温タンク(37)のそれぞれは、凸状の外形を有し、
前記前部極低温タンク(36)及び前記後部極低温タンク(37)のそれぞれは、
貯蔵チャンバーを画定する内側ケーシングと、
前記内側ケーシングを収容する外側ケーシングと、
前記内側ケーシングと前記外側ケーシングとの間に画定される断熱チャンバーと、
前記外側ケーシングと前記内側ケーシングとを密閉状態で貫通する着脱可能なマニホールドと、
前記マニホールドによってガスが供給されるパイプと、を備え、
前記一時貯蔵用の中央タンク(7)は、準円環状または準環状の形状を有する、
請求項1に記載の航空用タンク装置。
【請求項3】
前記前部極低温タンク(36)及び前記後部極低温タンク(37)のそれぞれは、伝導、対流、及び放射に対して真空下で断熱されている、
請求項1に記載の航空用タンク装置。
【請求項4】
前記前部極低温タンク(36)と前記後部極低温タンク(37)とは、共通の軸に沿った細長い形状を有する、
請求項1に記載の航空用タンク装置。
【請求項5】
少なくとも2つの球形の前記前部極低温タンク(36)と、少なくとも2つの球形の前記後部極低温タンク(37)と、を備える、
請求項1に記載の航空用タンク装置。
【請求項6】
2つの前記前部極低温タンク(36)の間と、2つの前記後部極低温タンク(37)の間とにそれぞれ配置された複数の一時貯蔵用タンク(39)を備える、
請求項1に記載の航空用タンク装置。
【請求項7】
前記一時貯蔵用の中央タンク(7)は、ガス化手段を構成しており、
前記一時貯蔵用の中央タンク(7)に対して、
前記一時貯蔵用の中央タンク(7)の充填段階中に液体が流れるように開き且つ前記充填段階以外のときには閉じるように設けられた上流バルブ(12)と、
前記一時貯蔵用の中央タンク(7)の排出段階中にガスが流れるように開き且つ前記排出段階以外のときには閉じるように設けられた下流バルブ(13,15)と、が設けられ、
前記上流バルブ(12)と前記下流バルブ(13,15)とは、ガス化段階中に閉じられるように設けられている、
請求項1に記載の航空用タンク装置。
【請求項8】
前記上流バルブ(12)と前記下流バルブ(13,15)とは、オンオフ制御される、
請求項7に記載の航空用タンク装置。
【請求項9】
前記下流バルブ(15)の下流に配置されたコンプレッサ(20)と、前記下流バルブ(13)の下流に配置された圧力レギュレータ(9)と、を備え、
前記排出段階の終了時に、前記一時貯蔵用の中央タンク(7)内の圧力が、前記前部極低温タンク(36)内の圧力と前記後部極低温タンク(37)内の圧力との最低値よりも低い値になるように、前記コンプレッサ(20)が作動するように構成され、
前記排出段階の開始時に、前記一時貯蔵用の中央タンク(7)の出口におけるガスの圧力が、前記一時貯蔵用の中央タンク(7)内の圧力よりも低い値になるように、前記圧力レギュレータ(9)が作動するように構成されている、
請求項7または請求項8に記載の航空用タンク装置。
【請求項10】
前記前部極低温タンク(36)及び前記後部極低温タンク(37)のそれぞれは、8バール未満の使用圧力に適応するように構成されており、
前記一時貯蔵用の中央タンク(7)は、500バールを超える使用圧力に適応するように構成されている、
請求項1に記載の航空用タンク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空産業に関する。
【背景技術】
【0002】
航空産業では、その当初、高オクタン価(ハイオク)のガソリンエンジンが使用されてきた。1945年以降は、ジェットエンジンとタービンの開発により、ケロシン(灯油)が使用されるようになった。ケロシンは、ガソリンよりも分子量が高く、エネルギー密度が高く、効率が高く、可燃性が低い。これらの燃料は、通常、翼、胴体と翼との連結部、又は尾翼に位置するタンクに貯蔵される。
【0003】
二酸化炭素排出量を削減する動向により、燃料消費量の少ないエンジンが開発されている。しかしながら、特定の技術(特に、ブレード先端の速度)の発展につれて、二酸化炭素排出量の削減効果は減少している。このような過去との決別がますます望まれている。
【0004】
このことは、ガス動力の航空機の開発につながった。炭素鎖が短いか又は存在しないガスは、必要に応じて酸素とともに燃焼しても、汚染はほとんど又は全く発生しない。一方、H2、O2、C1、C2のガスは、ガス分子が小さいため、貯蔵が難しく、漏れが発生しやすくなる。
【0005】
このようなガスは、地上では、通常、加圧ケース(この種のケースは、航空機に搭載するには重量、容積、及び圧力エネルギーが大きすぎる)に貯蔵されるか、又は、溶接若しくは接着された極低温タンクに貯蔵される。このようなガスの極低温貯蔵は、貯蔵量に比例して貯蔵期間が制限される。
【0006】
さらに、液体状態で貯蔵された水素、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、酸素は、内燃機関や外燃機関、燃料電池では使用できない。最終的な消費には、気体状態であることが必要である。
【0007】
そこで、航空整備のノウハウを応用しつつ、新たな標準化の必要性を回避しながら、航空機内で消費するための推進用ガスを航空機内に貯蔵する必要が生じている。実際、新たな標準化を確立することは、長く時間のかかるプロセスであり、ガス動力の航空機の市場投入を遅らせるリスクがある。新たな整備ノウハウの習得にも時間とコストがかかるため、抵抗感につながり得る。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、航空機による輸送のための極低温貯蔵性能を備えた着脱可能な航空用タンク装置を提案する。本発明に係る航空用タンク装置は、前部極低温タンクと、後部極低温タンクと、前記前部極低温タンクと前記後部極低温タンクとによって供給されるガスの圧力上昇のための少なくとも1つの一時貯蔵用の中央タンクと、を備える。本発明により、航空用タンク装置の大きさに対する貯蔵エネルギーの比率が高い状態で航空機に搭載可能なように、航空用タンク装置を細長い形状にすることができる。貯蔵とガス化は、個別かつ互いに近くで行われる。上記の「着脱可能」とは、空港の滑走路上において、工具の有無にかかわらず、非常に迅速に航空機に航空用タンク装置を取り付けたり取り外したりできることを意味する。航空用タンク装置の取り付けは、「プラグアンドプレイ」式であることが有利である。
【0009】
部品が数秒間または数十秒間だけ使用される航空宇宙産業とは異なり、航空産業では、数万時間、数万サイクルという長寿命の部品が求められる。
【0010】
一実施形態において、前記前部極低温タンク及び前記後部極低温タンクのそれぞれは、凸状の外形を有し、前記前部極低温タンク及び前記後部極低温タンクのそれぞれは、貯蔵チャンバーを画定する内側ケーシングと、前記内側ケーシングを収容する外側ケーシングと、前記内側ケーシングと前記外側ケーシングとの間に画定される断熱チャンバーと、前記外側ケーシングと前記内側ケーシングとを密閉状態で貫通する着脱可能なマニホールドと、前記マニホールドによってガスが供給されるパイプと、を備え、前記一時貯蔵用の中央タンクは、準(略)円環(トロイダル)状または準(略)環状の形状を有する。これにより、利用可能なスペースの利用が促進される。
【0011】
一実施形態において、前記前部極低温タンク及び前記後部極低温タンクのそれぞれは、伝導、対流、及び放射に対して真空下で断熱されている。これにより、自然蒸発が低減される。
【0012】
一実施形態において、前記航空用タンク装置は、共通の軸に沿った細長い形状を有する前部極低温タンク及び後部極低温タンクを備える。これにより、航空用タンク装置の細長い外形が得られる。
【0013】
一実施形態では、前記航空用タンク装置は、少なくとも2つの球形の前記前部極低温タンクと、少なくとも2つの球形の前記後部極低温タンクと、を備える。これにより、含有重量に対して利用可能なスペースの利用が促進される。
【0014】
一実施形態において、前記航空用タンク装置は、2つの極低温タンクの間(2つの前記前部極低温タンクの間、及び、2つの前記後部極低温タンクの間)にそれぞれ配置された複数の一時貯蔵用タンクを備える。これにより、一時的な貯蔵の容量が増大される。
【0015】
一実施形態において、前記一時貯蔵用の中央タンクは、ガス化部材を形成し、前記一時貯蔵用の中央タンクに対して、上流バルブと下流バルブとが設けられる。前記上流バルブは、前記一時貯蔵用の中央タンクの充填段階中に液体が流れるように開き且つ前記充填段階以外のときには閉じるように設けられる。前記下流バルブは、前記一時貯蔵用の中央タンクの排出段階中にガスが流れるように開き且つ前記排出段階以外のときには閉じるように設けられる。前記上流バルブと前記下流バルブとは、ガス化段階中に閉じられる。このようなシステムにより、極低温タンクの状態に関係なく、一時貯蔵用タンクの容積が航空機に所要の自律性を与えることが保証される。一時貯蔵用タンクは、数百バールのガス圧力に適応するように構成されてもよいが、ガス消費部には所望のガス圧力が供給される。
【0016】
一実施形態では、前記上流バルブと前記下流バルブとはオンオフ方式で制御される。このようなバルブは、信頼性が高い。
【0017】
一実施形態において、前記航空用タンク装置は、前記下流バルブの下流に配置されたコンプレッサと、前記下流バルブの下流に配置された圧力レギュレータと、を備える。前記コンプレッサは、前記排出段階の終了時に作動して、前記一時貯蔵用の中央タンク内の圧力を、前記前部極低温タンク内の圧力と前記後部極低温タンク内の圧力との最低値よりも低い値にする。前記圧力レギュレータは、前記排出段階の開始時に作動して、前記一時貯蔵用の中央タンクの出口におけるガスの圧力を、前記一時貯蔵用の中央タンク内の圧力よりも低い値にする。ガス消費部で利用可能なガスの量を増大させるように、且つ、排出終了時における一時貯蔵用タンク内の圧力を、充填用に指定された現時点での極低温タンク内の圧力よりも低くするように、一時貯蔵用タンクからの排出は十分に行われ得る。一時貯蔵用タンクへの充填は、圧力差の影響下での極低温バルブの動作によって行われる。極低温ポンプの省略によって、重量が軽減され、事故のリスクが軽減される。
【0018】
一実施形態において、前記前部極低温タンク及び前記後部極低温タンクのそれぞれは、8バール未満の使用圧力に適応するように構成されており、前記一時貯蔵用の中央タンクは、500バールを超える使用圧力に適応するように構成されている。これにより、極低温タンクの空重量が軽減される。
【0019】
本発明の他の特徴および利点は、後述の詳細な説明と以下の添付図面とから明らかになり得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一態様に係る航空用極低温タンク装置を概略的に示す側面図である。
図2】本発明の一態様に係る航空用極低温タンク装置を概略的に示す縦断面図である。
図3】本発明の一態様に係る航空用極低温タンク装置を概略的に示す分解図である。
図4】本発明の別の態様に係る航空用極低温タンク装置を概略的に示す縦断面図である。
図5】本発明の別の態様に係る航空用極低温タンク装置を概略的に示す縦断面図である。
図6】本発明の一態様に係る分配回路を概略的に示す図である。
【0021】
添付図面は、本発明の補足だけでなく、必要に応じて本発明の定義への貢献にも役立ち得る。
【発明を実施するための形態】
【0022】
航空用のガス貯蔵装置は、航空機(例えば、飛行機、ドローン、ヘリコプターなど)によって輸送され得るように構成される。航空用のガス貯蔵装置は、液体を収容してガスを供給する。換言すると、当該ガスは、非常に低い温度で液体の状態で極低温タンクに貯蔵される。極低温タンクは、特に10バールを超えるような高圧に耐えることができない。
【0023】
さらに、液体状態で貯蔵されたガスは、内燃機関若しくは外燃機関、又は燃料電池において使用されることができない。最終的な消費には、消費部品の製造元に指定された温度範囲および圧力範囲内のガスが必要である。
【0024】
貯蔵されるガスは、水素、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、及び酸素から選択される。
【0025】
本願出願人は、高い標高における-55℃の周囲大気中でもガス化が急速に起こる現象であることも考慮している。例えば、0℃及び1気圧での気体水素は、-253℃の液体水素と比べて、約800倍低い密度、すなわち、約800倍大きな体積を有する。
【0026】
さらに、航空機の整備規則では、航空機のほとんどの部品が取り外されて修理または交換され得ることが求められている。これにより、航空機のモデルに固有の整備機器を備えていなくても、航空機の重量と着陸要件に適合した場所(飛行機の場合は飛行場、ヘリコプターの場合は離着陸場)であれば、どこにでも航空機が着陸可能となっている。損傷が検出された場合、航空機は、製造元のマニュアル及び航空安全当局によって承認された文書に従って、恒久的または一時的に修理され得るように、又は、故障部品を交換または修理するために分解され得るように構成されている。航空機の部品は、整備作業員によって簡単にアクセスされ得ることが望ましい。交換対象の部品は、取り扱い及び輸送を容易にするために、できるだけ小さく構成されることが望ましい。修理対象の部品は、航空産業で一般的に使用されている実証済みのツール及び方法によって修理され得ることが望ましい。
【0027】
航空機は、例えば毎日、毎週などの頻度で検査を受けるため、その頻度に反比例した期間において、航空機は地上に留まることになる。
【0028】
本願出願人は、特に水素、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、又は酸素の貯蔵のために、航空機に搭載された航空用極低温タンクを使用した貯蔵の必要があることを確認した。
【0029】
別の観点から見ると、現在、飛行機は、ETOPS認証に従って滑走路からの最大距離を規定する規則の対象となっている。この距離は、飛行機の種類によって異なる。
【0030】
高いレベルの安全性を提供すること、及び、この安全性がユーザーに認識されることを目的として、本願出願人は、仮に極低温タンクが損傷して内部のガスが大気中に放出される場合でも飛行する必要があることを認識した。
【0031】
航空用タンク装置(航空用燃料タンク装置)30は、本願出願人によって上記のように分析された複雑な要求を満たすことを目的としている。
【0032】
極低温貯蔵機能を備えた航空用タンク装置30は、航空機で輸送されるために構成されている。航空用タンク装置30は、液体で満たされ、選択された圧力下でガスを供給する。換言すると、燃料または酸化剤は、極低温のタンク内で非常に低い温度で液体の状態で貯蔵される。極低温のタンクは、特に10バールを超えるような高圧に耐えることができない。
【0033】
航空用タンク装置30は、燃料タンクの形状を有する。航空用タンク装置30には、航空機の翼に迅速に取り付けるための取付機構31が設けられている。
【0034】
図1図3に示す実施形態において、航空用タンク装置30は、細長い形状を有する。航空用タンク装置30は、中央本体32と、前端部33と、後端部34とを備える。前端部33と後端部34とは、空気力学的形状を確保するためにシェル(外郭構造)をそれぞれ備える。中央本体32は、1つ又は複数の概ね円筒形のセクション(区画構造)を備える。本実施形態では、中央セクション35、前方セクション、及び、後方セクションの3つのセクションが設けられている。前端部33及びこう端部34のシェルと、中央本体32のセクションとは、着脱可能になっている。前端部33及びこう端部34のシェルと、中央本体32のセクションとは、衝撃(特に、前端での鳥の衝突、及び、取り扱い時の衝撃)に対する機械的保護を提供する。
【0035】
取付機構31は、迅速な組み立て及び分解が可能なように構成されている。これにより、滑走路上で行われる他の作業と同時に、短時間(特に、数分または数十分)で航空機に航空用タンク装置30を取り付けることが可能になっている。ここでいう短時間は、最低乗り継ぎ時間よりも短い。取付機構31は、航空用タンク装置30の長さ方向のほぼ中央、又は、航空用タンク装置30の長さ方向における重心の位置若しくはその近傍の位置に設けられる。本実施形態において、取付機構31は、中央本体32の中央セクション35と一体化している。取付機構31は、ガスライン用のクイックコネクタを備える。中央セクション35は、前方セクションと後方セクションとを支持する。前方セクションは前端部33を支持し、後方セクションは後端部34を支持する。
【0036】
図1に示すように、中央本体32、前端部33、及び、後端部34は、航空機の移動速度での空気の流れに適合した外面(特に、空気力学的表面(空力面))をそれぞれ有する。これらの外面は、フェアリング(流線形の覆い)を形成する。中央本体32と前端部33との間、及び、中央本体32と後端部34との間には、結合部(継手)が設けられてもよい。中央本体32、前端部33、及び/又は、後端部34には、圧力バランス及び通気(換気)のために通気口が設けられている。これにより、結露および霜が防止される。
【0037】
中央本体32は、その内部および端部に配置された部材を支持する。中央本体32は、衝撃および振動を吸収する少なくとも1層の材料を備えてもよい。中央本体32は、取付機構31及び後述される装置の他の部材にかかる応力を制限する衝撃吸収材として機能する。中央本体32は、自立型のフェアリングを形成する。
【0038】
航空用タンク装置30は、前部極低温タンク36と後部極低温タンク37とを備える。中央セクション35は、前部極低温タンク36と後部極低温タンク37とを支持する。
【0039】
前部極低温タンク36と後部極低温タンク37とは、中央本体32のセクションの内部に取り付けられている。前部極低温タンク36と後部極低温タンク37とは、概ね同様の構成を有するが、利用可能な空間を最大限に活用するために、わずかに異なる形状を有してもよい。前部極低温タンク36と後部極低温タンク37とは、航空用タンク装置30の全長に亘って(長さ方向の一端部から他端部にかけて)取り付けられている。図示の例において、前部極低温タンク36と後部極低温タンク37とは、長手方向軸に沿って並ぶように配置されているが、この特徴は任意である。
【0040】
前部極低温タンク36と後部極低温タンク37とは、共通の軸または2つの軸に沿った細長い形状を有してもよい。前部極低温タンク36と後部極低温タンク37とは、それぞれ、凸状に湾曲した前部、凸状に湾曲した後部、及び、回転円筒形中央部を有してもよい。
【0041】
中央本体32の前方セクションは、前部極低温タンク36の略全体を覆う。中央本体32の後方セクションは、後部極低温タンク37の略全体を覆う。中央本体32の中央セクション35は、前部極低温タンク36の後端部と、後部極低温タンク37の前端部と、中央空間38とを実質的に覆う。中央空間38は、概ね環状の形状を有する。中央空間38は大気圧である。中央空間38は換気されるように構成されている。
【0042】
航空用タンク装置30は、少なくとも1つの一時貯蔵用の中央タンク7を備える。図示の例では、2つの中央タンク7が示されている。これらの中央タンク7は並列に設置されている。中央タンク7は、図6に示す分配回路(調整回路)1によって管理される。中央タンク7は、前部極低温タンク36及び後部極低温タンク37のうち少なくとも一方からの液体で交互に満たされ、ガス化後、中央タンク7からガスが排出される。2つの中央タンク7は、ほとんどの運転時間中、一方が充填され、他方が空になるように、交互に動作する。ただし、2つの中央タンク7が満杯の状態で離陸するように設定されてもよい。
【0043】
それぞれの中央タンク7は、ガス化装置(ガス化手段)を形成する。それぞれの中央タンク7は、熱交換器を形成する。それぞれの中央タンク7は、少なくとも1つの極低温液体用の入口と、少なくとも1つのガス用の出口とを備える。中央タンク7に断熱材は設けられていない。中央タンク7は、単純なケーシングで構成されている。中央タンク7は、金属および/または複合材料から作られている。中央タンク7は、全体または一部が導電性材料から作られている。中央タンク7は、極低温に対する耐性を有する。中央タンク7は、低圧である前部極低温タンク36及び後部極低温タンク37と比較して、高い使用圧力に対する耐性を有する。中央タンク7は、長い貯蔵寿命を有する前部極低温タンク36及び後部極低温タンク37と比較して、貯蔵寿命が短い。
【0044】
中央タンク7は、例えば取付機構31とは反対側において、中央空間38に取り付けられている。図2の実施形態において、中央タンク7は、鉛直軸と丸みを帯びた両端部とを備えた円筒形状を有する。
【0045】
中央空間38はコンパクトであるため、液体ライン(液体配管)及びガスライン(ガス配管)の長さが制限される。また、装置の重量が最適化されている。
【0046】
図4に示す実施形態では、航空用タンク装置30は、2つの前部極低温タンク36と2つの後部極低温タンク37とを備えている。前部極低温タンク36と後部極低温タンク37とは、それぞれ球形である。前部極低温タンク36と後部極低温タンク37とは、図示の例では一列に並んで配置されているが、この特徴は任意である。一時貯蔵用の中央タンク7の形状は、環状、特に円環状(トロイダル状)である。さらに、2つの前部極低温タンク36の間、及び、2つの後部極低温タンク37の間には、追加の一時貯蔵用タンク(バッファタンク)としての一時貯蔵用極低温タンク39がそれぞれ配置されている。一時貯蔵用極低温タンク39の形状は、環状、特に円環状(トロイダル状)である。
【0047】
それぞれの極低温タンク(前部極低温タンク36、後部極低温タンク37、及び一時貯蔵用極低温タンク39)は、-253℃で液体燃料または酸化剤を収容し得るように断熱されている。それぞれの極低温タンク(前部極低温タンク36、後部極低温タンク37、及び一時貯蔵用極低温タンク39)は、約6~10バールの最大使用圧力に耐え得る。
【0048】
図5に示す実施形態では、2つの前部極低温タンク36間において、複数の一時貯蔵用極低温タンク(追加のバッファタンク)39が、正多角形の形状に配置されている。それぞれの一時貯蔵用極低温タンク39は、円筒形の本体と、丸みを帯びた両端部とを有する。複数の一時貯蔵用極低温タンク39の本体の軸は、例えば、六角形を規定するように配置されている。
【0049】
2つの後部極低温タンク37間には、複数の一時貯蔵用極低温タンク(追加のバッファタンク)39が、互いに平行に配置されている。それぞれの一時貯蔵用極低温タンク39は、円筒形の本体と、丸みを帯びた両端部とを有する。航空用タンク装置30の長手方向軸と、一時貯蔵用極低温タンク39の軸とは、互いに平行に配置されている。断面図において、複数の一時貯蔵用極低温タンク39の本体の軸は、正多角形の頂点を規定するように配置されている。複数の一時貯蔵用極低温タンク39は、樽のチャンバーのように配置されている。
【0050】
図5は、簡潔化を目的として、2つの実施形態を同時に示しており、具体的には、航空用タンク装置30の前部において多角形の実施形態を示し、航空用タンク装置30の後部において平行な実施形態を示している。実際には、航空用タンク装置30は、これらのうち一方の実施形態(全ての一時貯蔵用極低温タンク39が多角形状に配置される実施形態、又は、全ての一時貯蔵用極低温タンク39が互いに平行に配置される実施形態)のみを有する。いずれの実施形態においても、一時貯蔵用極低温タンク39の構成は、高圧と製造上の制約とに適合した形状であることにより、非常に堅牢である。
【0051】
一実施形態では、少なくとも1つの一時貯蔵用極低温タンク39に、円筒形の本体と丸みを帯びた両端部とが設けられる。
【0052】
[ガス分配回路]
【0053】
図6を参照して、分配回路1が説明される。
【0054】
航空機用の分配回路1には、航空機の1つ又は複数のガス消費部にガスを供給するために極低温タンク36,37によって燃料が供給される。それぞれの極低温タンク36,37の出口には流量計22が配置されている。
【0055】
それぞれの極低温タンク36,37には出口管4が取り付けられている。なお、「上流」及び「下流」という用語は、通常の動作中における流体、液体、又はガスの流れの方向を指す。
【0056】
分配回路1は、極低温タンク36,37毎に、第1のバルブ11を備える。第1のバルブ11は、出口管4に取り付けられている。第1のバルブ11は、開位置と閉位置との間で切り換え可能に制御される。第1のバルブ11の中間位置は、第1のバルブ11が移動中に前記中間位置を通過するという意味で動的である。換言すると、第1のバルブ11は、オンオフ制御されるように構成されている。第1のバルブ11は、流量計22のすぐ下流に配置されてもよい。
【0057】
第1のバルブ11は、極低温分配器5に連通可能である。極低温分配器5は、複数の第1のバルブ11の出口を接続する共通管6を備えてもよい。極低温分配器5は、液体燃料及び/又は酸化剤が通過するという意味において極低温である。
【0058】
極低温分配器5は、複数の出口、具体的には、例えば3つの出口を備えている。極低温分配器5の各出口には、第2のバルブ12が取り付けられている。第2のバルブ12は、開位置と閉位置との間で切り換え可能に制御される。第2のバルブ12の中間位置は、第2のバルブ12が移動中に中間位置を通過するという意味で動的である。換言すると、第2のバルブ12は、オンオフ制御されるように構成されている。図示の例において、第2のバルブ12は3つ設けられている。
【0059】
中央タンク7は、それぞれの第2のバルブ12の下流に取り付けられている。本実施形態では、3つの中央タンク7が設けられている。それぞれの中央タンク7は、ガス化装置(ガス化手段)としても機能する。断熱材は不要である。それぞれの中央タンク7は、液体を受け取り、下流にガスを供給する。それぞれの中央タンク7内では、充填と排出との間に、圧力上昇段階、すなわちガス化段階が生じる。それぞれの中央タンク7は、約300~1000バールの最大使用圧力に耐え得る。それぞれの中央タンク7は、-253℃~+60℃の温度範囲で動作するように構成されている。中央タンク7内は、いくつかの動作段階では気液二相であり、他の動作段階では気体単相である。それぞれの中央タンク7には、加熱部材(ヒーター)8が取り付けられてもよい。
【0060】
それぞれの中央タンク7の下流には、ガスを供給するための第3のバルブ13が設けられ、第3のバルブ13の下流に圧力レギュレータ9が設けられている。圧力レギュレータ9は、ガス消費部3の製造元によって規定された消費圧力でガスを供給するために圧力を下げる。圧力レギュレータ9は、中央タンク7内の圧力が消費圧力よりも高いときに作動し、そうでないときには作動しない。消費圧力は、中央タンク7の最大圧力よりも低い。消費圧力は、極低温タンク36,37の最大圧力とは無関係である。第3のバルブ13は、オンオフ制御されるように構成されている。
【0061】
それぞれの圧力レギュレータ9の下流に、制御可能な第4のバルブ14が設けられてもよい。第4のバルブ14は、オンオフ制御されるように構成されている。
【0062】
第4のバルブ14(すなわち、圧力レギュレータ9)は、選択されたオプションに応じて、マニホールド10に連通可能となっている。マニホールド10は、複数の第4のバルブ14(すなわち、圧力レギュレータ9)の出口を接続する1本の導管で構成されてもよい。ガスは、マニホールド10を流れる。マニホールド10は、下流に向かってガス消費部3への供給ライン(供給配管)23に接続されている。一般に、ガス消費部3毎に1本の供給ライン23が設けられる。それぞれの供給ライン23には、制御可能な供給バルブ24が設けられてもよい。供給バルブ24は、可変流量を有する。
【0063】
分配回路1は、マニホールド10に接続された少なくとも1つのコンプレッサ20を備える。通常、冗長性のために2つのコンプレッサ20が並列に設けられる。コンプレッサ20は、電気式である。コンプレッサ20には、制御可能な上流バルブが設けられてもよい。コンプレッサ20は、マニホールド10にガスを送り込む。特に、ガス消費部3が1つである場合、マニホールド10は、1本のパイプ(導管)で構成される。
【0064】
それぞれの中央タンク7の下流には、ガスを供給するための第5のバルブ15が設けられ、第5のバルブ15の下流には、第2のマニホールドが設けられる。第2のマニホールドは、コンプレッサ20に接続される。第5のバルブ15は、中央タンク7とコンプレッサ20とを分離可能である。第5のバルブ15は、制御可能である。第5のバルブ15は、オンオフ制御されるように構成されている。
【0065】
コンプレッサ20は、ガス消費部3の製造元によって規定された消費圧力に等しい圧力でガスを供給するように、圧力を上昇させる。消費圧力は、中央タンク7の最大圧力よりも低い。コンプレッサ20は、消費圧力よりも低い圧力のガスを中央タンク7から取り出し、マニホールド10及びガス消費部3に供給できるようにする。中央タンク7がより完全に空になると、中央タンク7内に含まれるガスによってもたらされる自律性(供給範囲)の増大、又は、中央タンク7の容積の減少がもたらされる。
【0066】
中央タンク7の内部圧力が複数の極低温タンクのうちの1つのタンク内の圧力よりも低い値になるように、中央タンク7が十分に空になると、空になった後の充填中における圧力差によって、極低温タンクから中央タンク7に液体を移送できるようになる。これにより、極低温タンク内の液体は、圧力平衡に達するまで中央タンク7内に引き込まれる。極低温ポンプの省略が可能になるため、重量が低減され、エネルギー消費が削減される。
【0067】
分配回路1は、極低温タンク毎、中央タンク7毎、及び、ガス消費部3毎の個別の状態の組み合わせを提供する。複数のガス消費部3が同時に作動し得る。通常モードでは、1つの極低温タンクからの排出が行われ、他のタンクは作動することなく閉じられている。ただし、特定の状況では、例えば複数の極低温タンクの圧力を下げるために、複数の極低温タンクからの排出が行われる特定のモードが提供され得る。中央タンク7は、充填モード、ガス化モード、ガス貯蔵モード、及び排出モードを有する。
【0068】
1つの極低温タンクからの排出が行われているとき、対応する第1のバルブ11が開き、他の第1のバルブ11は閉じている。1つのガス消費部3にガスが供給されているとき、対応する供給バルブ24が開いている。
【0069】
1つの中央タンク7が充填モードにある場合、該中央タンク7に接続された第2のバルブ12が開き、少なくとも1つの第1のバルブ11が開く。他の第2のバルブ12は、2つの中央タンク7が同時に充填される場合を除いて閉じられている。前記中央タンク7に接続された第3のバルブ13は閉じられている。前記中央タンク7に接続された第5のバルブは閉じられている。
【0070】
1つの中央タンク7がガス化モードにあるとき、当該中央タンク7に接続された第2のバルブ12、当該中央タンク7に接続された第3のバルブ13、及び、当該中央タンク7に接続された第5のバルブ15は閉じられている。ガス化モードは、特に周囲大気が暖かい場合、及び/又は、中央タンク7が加熱されている場合には、短時間で終了する。
【0071】
1つの中央タンク7が排出モードのとき、当該中央タンク7に接続された第2のバルブ12は閉じられている。排出モードの初期において、中央タンク7内の圧力は消費圧力よりも高い。当該中央タンク7に接続された第3のバルブ13は開き、対応する第4のバルブ14は開き、中央タンク7に接続された第5のバルブは閉じられている。ガスは圧力レギュレータ9において減圧され、消費圧力でマニホールド10に供給される。その後、ガスはガス消費部3によって消費される。
【0072】
任意の時点において、3つの中央タンク7のうち、1つの中央タンク7は充填モードであり、別の中央タンク7はガス化モード、及び、その後の貯蔵モードであり、残りの中央タンク7は排出モードである。モードの継続時間が異なるため、2つの中央タンク7が充填モードであり、残りの中央タンク7が排出モードであること、及び、2つの中央タンク7が排出モードであり、残りの中央タンク7が充填モードであることもある。また、2つの中央タンク7が貯蔵モードであり、残りの中央タンク7が排出モードであること、及び、2つの中央タンク7が排出モードであり、残りの中央タンク7が貯蔵モードであることもある。
【0073】
本実施形態では、それぞれの液体燃料源(酸化剤源)の出口に流量計22が配置されている。流量計22は、上記のような中央タンク7に供給される液体の量に関する十分に正確な情報を提供する。
【0074】
本実施形態において、分配回路1は、例えば航空用タンク装置30の外部のガス消費部3または航空機の中央制御ユニットからの外部コマンドと、流量計22からの液体流量データとを受信する制御ユニット25を備える。制御ユニット25は、上述の制御可能なバルブ(第1、第2、第3、第4、および第5のバルブ、並びに、供給バルブ24)に対して、コマンドを生成して送信する。当該コマンドは、「開く」ための指令、又は、「閉じる」ための指令であってもよい。制御ユニット25は、個々の状態の組み合わせを管理する。
【0075】
代替的に、第1のバルブ11は、複数の入口と1つの出口とを有する少なくとも1つの多方弁に置き換えられてもよい。この場合、混合位置(特に、大気への損失を防止しつつ圧力を下げるように2つ以上の極低温タンクからの排出を同時に行うための少なくとも1つの位置)を備えた多方弁を提供することが有利である。
【0076】
代替的に、第2のバルブ12は、中央タンク7毎に1つずつ、1つの入口と複数の出口とを有する少なくとも1つの多方弁に置き換えられてもよい。当該多方弁は、分配器を形成する。
【0077】
代替的に、複数の圧力レギュレータ9は、第3のバルブ13が連通可能な単一の圧力レギュレータ9に置き換えられてもよい。この場合、第3のバルブ13は、複数の入口と圧力レギュレータ9への1つの出口とを有する少なくとも1つの多方弁に置き換えられてもよい。したがって、複数の第4のバルブ14は、適切な場合には制御されない単一の第4のバルブ14に置き換えられる。
【0078】
代替的に、第5のバルブ15は、複数の入口(中央タンク7毎に1つずつの入口)と、1つ又は複数のコンプレッサ20への1つの出口とを有する少なくとも1つの多方弁に置き換えられてもよい。当該多方弁は、マニホールド10を形成する。
【0079】
極低温タンクは、液体の蒸発にさらされるため、極低温タンクの上部にガス収集回路が設けられてもよい。ガス収集回路は、校正圧力バルブを介して閾値圧力を超えると作動されてもよい。ガス収集回路は、下流(例えば、第5のバルブ15とコンプレッサ20との間)にガスを再注入するためのコンプレッサを備える。
【0080】
任意選択的に、それぞれの一時貯蔵用タンク(バッファタンク)の入口に追加の流量計が配置されてもよい。これにより、液体流量測定の冗長性が確保される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6