(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-30
(45)【発行日】2025-06-09
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 19/48 20100101AFI20250602BHJP
H04W 4/029 20180101ALI20250602BHJP
H04W 4/08 20090101ALI20250602BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20250602BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20250602BHJP
【FI】
G01S19/48
H04W4/029
H04W4/08
H04W84/10 110
H04W92/18
(21)【出願番号】P 2022533796
(86)(22)【出願日】2021-06-10
(86)【国際出願番号】 JP2021022061
(87)【国際公開番号】W WO2022004325
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2024-03-14
(31)【優先権主張番号】P 2020113899
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】田崎 信昭
(72)【発明者】
【氏名】田口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】中坂 綾香
【審査官】佐藤 宙子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-272951(JP,A)
【文献】特開2020-027572(JP,A)
【文献】特開2019-074930(JP,A)
【文献】特開2019-113385(JP,A)
【文献】特開2017-173888(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0134332(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00- 5/14
G01S 19/00-19/55
H04W 4/00-99/00
G08G 1/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
複数のユーザによってシェアされるモビリティの位置を示す位置情報と、前記モビリティが近距離無線通信により他のモビリティから受信した前記他のモビリティの識別情報と、前記モビリティが停止しているか否かを示す停止情報とを複数のモビリティから取得し、
前記複数のモビリティのうち、停止しており且つ前記識別情報を互いに受信している2以上のモビリティを同一のモビリティ群に分類し、
前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報に基づいて、前記モビリティ群が停止している停止場所を特定する、
情報処理方法。
【請求項2】
前記停止場所の特定において、前記2以上のモビリティの座標の中央値を算出し、算出した前記中央値の所定期間内における移動平均を算出し、算出した移動平均値と、前記移動平均値に最も近い停止場所の座標との距離に応じて、前記停止場所に前記モビリティ群が停止している確率を示す停止確率を算出し、前記停止確率が閾値以上である場合、前記移動平均値に最も近い停止場所を、前記モビリティ群が停止している前記停止場所に特定する、
請求項1記載の情報処理方法。
【請求項3】
さらに、前記複数のモビリティのうち、停止しており且つ前記他のモビリティの前記識別情報を受信しておらず且つ所定時間間隔で取得された複数の位置情報にばらつきがある1のモビリティの前記複数の位置情報に基づいて、前記1のモビリティが停止している停止場所を特定する、
請求項1又は2記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記停止場所の特定において、前記1のモビリティの所定時間間隔で取得された複数の座標の中央値を算出し、算出した前記中央値の所定期間内における移動平均を算出し、算出した移動平均値と、前記移動平均値に最も近い停止場所の座標との距離に応じて、前記停止場所に前記1のモビリティが停止している確率を示す停止確率を算出し、前記停止確率が閾値以上である場合、前記移動平均値に最も近い停止場所を、前記1のモビリティが停止している前記停止場所に特定する、
請求項3記載の情報処理方法。
【請求項5】
さらに、前記2以上のモビリティのうちのいずれか1つの識別情報を、前記モビリティ群に分類されていない新たなモビリティから取得した場合、前記新たなモビリティを前記2以上のモビリティと同一の前記モビリティ群に分類し、
さらに、前記モビリティ群が停止している前記停止場所を、前記新たなモビリティが停止している停止場所に特定する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
さらに、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報のばらつきの大きさを算出し、
前記停止場所の特定において、算出した前記ばらつきの大きさが閾値より大きい場合、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報に基づいて、前記モビリティ群が停止している停止場所を特定する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
さらに、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティ同士の距離のばらつきの大きさを算出し、
前記停止場所の特定において、算出した前記ばらつきの大きさが閾値より大きい場合、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報に基づいて、前記モビリティ群が停止している停止場所を特定する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
さらに、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティのそれぞれと、前記2以上のモビリティの周辺に存在する前記停止場所との距離のばらつきの大きさを算出し、
前記停止場所の特定において、算出した前記ばらつきの大きさが閾値より大きい場合、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報に基づいて、前記モビリティ群が停止している停止場所を特定する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
さらに、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報のばらつきの大きさを算出し、
さらに、算出した前記ばらつきの大きさが閾値より大きい場合、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報に基づいて、前記モビリティ群が停止している場所を推定する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
複数のユーザによってシェアされるモビリティの位置を示す位置情報と、前記モビリティが近距離無線通信により他のモビリティから受信した前記他のモビリティの識別情報と、前記モビリティが停止しているか否かを示す停止情報とを複数のモビリティから取得する取得部と、
前記複数のモビリティのうち、停止しており且つ前記識別情報を互いに受信している2以上のモビリティを同一のモビリティ群に分類する分類部と、
前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報に基づいて、前記モビリティ群が停止している停止場所を特定する特定部と、
を備える情報処理装置。
【請求項11】
複数のユーザによってシェアされるモビリティの位置を示す位置情報と、前記モビリティが近距離無線通信により他のモビリティから受信した前記他のモビリティの識別情報と、前記モビリティが停止しているか否かを示す停止情報とを複数のモビリティから取得し、
前記複数のモビリティのうち、停止しており且つ前記識別情報を互いに受信している2以上のモビリティを同一のモビリティ群に分類し、
前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報に基づいて、前記モビリティ群が停止している停止場所を特定するようにコンピュータを機能させる、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数のモビリティが停止している位置を特定する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、モビリティの位置を測定するためにグローバル・ポジショニング・システム(GPS)が利用されている。モビリティが備えるGPS受信機は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信することにより、現在位置を測定している。そのため、GPSを用いた位置の測定精度は、電波状況に依存している。例えば、ビルの下などは電波状況が悪く、GPSによる位置の測定精度は低下する。
【0003】
例えば、特許文献1において、ビーコン装置は、待機場内に設置されており、ビーコン装置を識別するためのビーコン装置IDを含む信号を周囲に送信している。車両が待機場内に入場すると、車両とともに移動する通信端末は、ビーコン装置からの信号を受信し、受信した信号に含まれるビーコン装置IDと、通信端末を識別するための通信端末IDとをサーバへ送信する。サーバは、ビーコン装置IDと通信端末IDとを受信することにより、ビーコン装置IDで特定される待機場内に、通信端末IDで特定される通信端末を搭載した車両が入場したことを検知している。
【0004】
また、例えば、特許文献2において、測位装置は、GPS衛星からGPS信号が4つ受信できなかった場合に、測位装置から見て見通し環境にある携帯端末からのGPS信号を用いて測位装置の位置を測定し、位置情報を得ている。
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、モビリティが停止している停止場所を高い精度で特定するための設備を停止場所付近に設置すること等が必要になり、更なる改善が必要とされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-24644号公報
【文献】特開2019-32310号公報
【発明の概要】
【0007】
本開示は、上記の問題を解決するためになされたもので、2以上のモビリティが停止している停止場所を高い精度で特定することができる技術を提供することを目的とするものである。
【0008】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、モビリティの位置を示す位置情報と、前記モビリティが近距離無線通信により他のモビリティから受信した前記他のモビリティの識別情報と、前記モビリティが停止しているか否かを示す停止情報とを複数のモビリティから取得し、前記複数のモビリティのうち、停止しており且つ前記識別情報を互いに受信している2以上のモビリティを同一のモビリティ群に分類し、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報に基づいて、前記モビリティ群が停止している停止場所を特定する。
【0009】
本開示によれば、2以上のモビリティが停止している停止場所を高い精度で特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施の形態におけるモビリティ管理システムの全体構成を示す図である。
【
図2】本開示の実施の形態におけるモビリティの構成の一例を示す図である。
【
図3】本開示の実施の形態におけるサーバ装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】本開示の実施の形態におけるサーバ装置の動作について説明するための第1のフローチャートである。
【
図5】本開示の実施の形態におけるサーバ装置の動作について説明するための第2のフローチャートである。
【
図6】本開示の実施の形態におけるサーバ装置の動作について説明するための第3のフローチャートである。
【
図7】本実施の形態において、モビリティ群の停止確率の算出方法について説明するための図である。
【
図8】本実施の形態において、1のモビリティの停止確率の算出方法について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示の基礎となった知見)
近年、複数のユーザにより自転車をシェアするサービスが提供されている。このようなサービスでは、自転車は、予め設けられた駐輪場所から貸し出されるとともに、駐輪場所に返却される。自転車にはGPS受信機が搭載されており、自転車の位置は、GPS受信機によって受信されたGPS信号を用いて測定される。自転車を管理するサーバは、自転車から受信した位置情報を用いて自転車の位置を管理している。
【0012】
ここで、駐輪場所がビルの下などの電波状況の悪い場所に設置されている場合、当該駐輪場所に駐車している自転車の位置の測定精度は低下する。この場合、サーバは、予め決められた駐輪場所に自転車が正しく返却されているかを確認することが困難である。
【0013】
上記の特許文献1の技術では、ビーコン装置により車両が待機場に入場したことを確認することができる。しかしながら、この技術が用いられる場合、各駐輪場所にビーコン装置を設置する必要があるとともに、ビーコン装置の電池を交換するタイミングを管理する必要がある。
【0014】
また、上記の特許文献2の技術では、測位装置は、擬似衛星としての他の携帯端末から受信したGPS信号を用いて測位している。しかしながら、この場合、地上への設備設置が必要になり、設備設置にコストがかかる。
【0015】
以上の課題を解決するために、本開示の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、モビリティの位置を示す位置情報と、前記モビリティが近距離無線通信により他のモビリティから受信した前記他のモビリティの識別情報と、前記モビリティが停止しているか否かを示す停止情報とを複数のモビリティから取得し、前記複数のモビリティのうち、停止しており且つ前記識別情報を互いに受信している2以上のモビリティを同一のモビリティ群に分類し、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報に基づいて、前記モビリティ群が停止している停止場所を特定する。
【0016】
この構成によれば、近距離無線通信により互いに通信可能な2以上のモビリティは、同一の場所に存在していると推定され、同一のモビリティ群に分類することができる。そのため、停止場所の電波状況が悪く、停止場所に停止している2以上のモビリティの位置情報にばらつきがあったとしても、同一のモビリティ群に分類された近距離無線通信により識別情報を互いに受信している2以上のモビリティの位置情報に基づいて、モビリティ群が停止している停止場所が特定される。したがって、2以上のモビリティが停止している停止場所を高い精度で特定することができる。
【0017】
また、上記の情報処理方法において、前記停止場所の特定において、前記2以上のモビリティの座標の中央値を算出し、算出した前記中央値の所定期間内における移動平均を算出し、算出した移動平均値と、前記移動平均値に最も近い停止場所の座標との距離に応じて、前記停止場所に前記モビリティ群が停止している確率を示す停止確率を算出し、前記停止確率が閾値以上である場合、前記移動平均値に最も近い停止場所を、前記モビリティ群が停止している前記停止場所に特定してもよい。
【0018】
この構成によれば、2以上のモビリティの座標の中央値の所定期間内における移動平均値と、移動平均値に最も近い停止場所の座標との間の距離が近いほど、停止場所にモビリティ群が停止している確率を示す停止確率は高くなる。したがって、停止確率が閾値と比較されることによって、2以上のモビリティが停止している停止場所を容易に特定することができる。
【0019】
また、上記の情報処理方法において、さらに、前記複数のモビリティのうち、停止しており且つ前記他のモビリティの前記識別情報を受信しておらず且つ所定時間間隔で取得された複数の位置情報にばらつきがある1のモビリティの前記複数の位置情報に基づいて、前記1のモビリティが停止している停止場所を特定してもよい。
【0020】
この構成によれば、停止場所の電波状況が悪く、停止場所に停止している1のモビリティの所定時間間隔で取得された複数の位置情報にばらつきがあったとしても、1のモビリティの複数の位置情報に基づいて、1のモビリティが停止している停止場所が特定される。したがって、1のモビリティが停止している停止場所を高い精度で特定することができる。
【0021】
また、上記の情報処理方法において、前記停止場所の特定において、前記1のモビリティの所定時間間隔で取得された複数の座標の中央値を算出し、算出した前記中央値の所定期間内における移動平均を算出し、算出した移動平均値と、前記移動平均値に最も近い停止場所の座標との距離に応じて、前記停止場所に前記1のモビリティが停止している確率を示す停止確率を算出し、前記停止確率が閾値以上である場合、前記移動平均値に最も近い停止場所を、前記1のモビリティが停止している前記停止場所に特定してもよい。
【0022】
この構成によれば、1のモビリティの所定時間間隔で取得された複数の座標の中央値の所定期間内における移動平均値と、移動平均値に最も近い停止場所の座標との間の距離が近いほど、停止場所に1のモビリティが停止している確率を示す停止確率は高くなる。したがって、停止確率が閾値と比較されることによって、1のモビリティが停止している停止場所を容易に特定することができる。
【0023】
また、上記の情報処理方法において、さらに、前記2以上のモビリティのうちのいずれか1つの識別情報を、前記モビリティ群に分類されていない新たなモビリティから取得した場合、前記新たなモビリティを前記2以上のモビリティと同一の前記モビリティ群に分類し、さらに、前記モビリティ群が停止している前記停止場所を、前記新たなモビリティが停止している停止場所に特定してもよい。
【0024】
この構成によれば、モビリティ群と近距離無線通信により通信可能な距離内に新たなモビリティが停止した場合に、モビリティ群が停止している停止場所が、新たなモビリティが停止している停止場所に特定されるので、新たなモビリティが停止している停止場所を容易に特定することができる。
【0025】
また、上記の情報処理方法において、さらに、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報のばらつきの大きさを算出し、前記停止場所の特定において、算出した前記ばらつきの大きさが閾値より大きい場合、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報に基づいて、前記モビリティ群が停止している停止場所を特定してもよい。
【0026】
すなわち、モビリティ群に分類された2以上のモビリティの位置情報のばらつきの大きさが閾値以下であるということは、2以上のモビリティの位置はばらついておらず、それぞれの位置情報が正しく測定されていることを意味している。そのため、2以上のモビリティの位置情報のばらつきの大きさが閾値以下である場合は、モビリティ群が停止している停止場所を特定するための処理を行わず、2以上のモビリティの位置情報のばらつきの大きさが閾値より大きい場合にのみ、停止場所周辺の電波状況が悪いと判断し、モビリティ群が停止している停止場所を特定するための処理を行うことができる。その結果、コンピュータの処理負荷を軽減することができる。
【0027】
また、上記の情報処理方法において、さらに、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティ同士の距離のばらつきの大きさを算出し、前記停止場所の特定において、算出した前記ばらつきの大きさが閾値より大きい場合、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報に基づいて、前記モビリティ群が停止している停止場所を特定してもよい。
【0028】
すなわち、モビリティ群に分類された2以上のモビリティ同士の距離のばらつきの大きさが閾値以下であるということは、2以上のモビリティの位置はばらついておらず、それぞれの位置情報が正しく測定されていることを意味している。そのため、2以上のモビリティ同士の距離のばらつきの大きさが閾値以下である場合は、モビリティ群が停止している停止場所を特定するための処理を行わず、2以上のモビリティ同士の距離のばらつきの大きさが閾値より大きい場合にのみ、モビリティ群が停止している停止場所を特定するための処理を行うことができる。その結果、コンピュータの処理負荷を軽減することができる。
【0029】
また、上記の情報処理方法において、さらに、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティのそれぞれと、前記2以上のモビリティの周辺に存在する前記停止場所との距離のばらつきの大きさを算出し、前記停止場所の特定において、算出した前記ばらつきの大きさが閾値より大きい場合、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報に基づいて、前記モビリティ群が停止している停止場所を特定してもよい。
【0030】
すなわち、モビリティ群に分類された2以上のモビリティのそれぞれと、2以上のモビリティの周辺に存在する停止場所との距離のばらつきの大きさが閾値以下であるということは、2以上のモビリティの位置はばらついておらず、それぞれの位置情報が正しく測定されていることを意味している。そのため、モビリティ群に分類された2以上のモビリティのそれぞれと、2以上のモビリティの周辺に存在する停止場所との距離のばらつきの大きさが閾値以下である場合は、モビリティ群が停止している停止場所を特定するための処理を行わず、モビリティ群に分類された2以上のモビリティのそれぞれと、2以上のモビリティの周辺に存在する停止場所との距離のばらつきの大きさが閾値より大きい場合にのみ、モビリティ群が停止している停止場所を特定するための処理を行うことができる。その結果、コンピュータの処理負荷を軽減することができる。
【0031】
また、上記の情報処理方法において、さらに、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報のばらつきの大きさを算出し、さらに、算出した前記ばらつきの大きさが閾値より大きい場合、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報に基づいて、前記モビリティ群が停止している場所を推定してもよい。
【0032】
この構成によれば、モビリティ群に分類された2以上のモビリティの位置情報のばらつきの大きさが閾値より大きい場合、モビリティ群に分類された2以上のモビリティの位置情報に基づいて、モビリティ群が停止している場所が推定される。これにより、予め設けられている停止場所だけでなく、停止場所以外のモビリティ群が停止している場所を推定することができる。例えば、停止場所以外の場所で返却されたモビリティの位置を特定することができる。
【0033】
本開示の他の態様に係る情報処理装置は、モビリティの位置を示す位置情報と、前記モビリティが近距離無線通信により他のモビリティから受信した前記他のモビリティの識別情報と、前記モビリティが停止しているか否かを示す停止情報とを複数のモビリティから取得する取得部と、前記複数のモビリティのうち、停止しており且つ前記識別情報を互いに受信している2以上のモビリティを同一のモビリティ群に分類する分類部と、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報に基づいて、前記モビリティ群が停止している停止場所を特定する特定部と、を備える。
【0034】
この構成によれば、近距離無線通信により互いに通信可能な2以上のモビリティは、同一の場所に存在していると推定され、同一のモビリティ群に分類することができる。そのため、停止場所の電波状況が悪く、停止場所に停止している2以上のモビリティの位置情報にばらつきがあったとしても、同一のモビリティ群に分類された近距離無線通信により識別情報を互いに受信している2以上のモビリティの位置情報に基づいて、モビリティ群が停止している停止場所が特定される。したがって、2以上のモビリティが停止している停止場所を高い精度で特定することができる。
【0035】
本開示の他の態様に係る情報処理プログラムは、モビリティの位置を示す位置情報と、前記モビリティが近距離無線通信により他のモビリティから受信した前記他のモビリティの識別情報と、前記モビリティが停止しているか否かを示す停止情報とを複数のモビリティから取得し、前記複数のモビリティのうち、停止しており且つ前記識別情報を互いに受信している2以上のモビリティを同一のモビリティ群に分類し、前記モビリティ群に分類された前記2以上のモビリティの前記位置情報に基づいて、前記モビリティ群が停止している停止場所を特定するようにコンピュータを機能させる。
【0036】
この構成によれば、近距離無線通信により互いに通信可能な2以上のモビリティは、同一の場所に存在していると推定され、同一のモビリティ群に分類することができる。そのため、停止場所の電波状況が悪く、停止場所に停止している2以上のモビリティの位置情報にばらつきがあったとしても、同一のモビリティ群に分類された近距離無線通信により識別情報を互いに受信している2以上のモビリティの位置情報に基づいて、モビリティ群が停止している停止場所が特定される。したがって、2以上のモビリティが停止している停止場所を高い精度で特定することができる。
【0037】
以下添付図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本開示を具体化した一例であって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0038】
(実施の形態)
図1は、本開示の実施の形態におけるモビリティ管理システムの全体構成を示す図である。
【0039】
図1に示すモビリティ管理システムは、複数のモビリティ1及びサーバ装置2を備える。
【0040】
モビリティ1は、例えば、電動アシスト自転車であり、移動中は個人が占有して利用可能である。モビリティ1は、複数のユーザによってシェアされる。モビリティ1は、ユーザによって運転される。モビリティ1は、所定の駐車場所(停止場所)で貸し出され、所定の駐車場所で返却される。市街地には、複数の駐車場所が配置されている。駐車場所では、複数のモビリティ1が駐車可能であるとともに、モビリティ1の充電が可能である。貸し出しされる駐車場所と返却される駐車場所とは必ずしも同じでなくてもよい。モビリティ1は、サーバ装置2とネットワーク3を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク3は、例えばインターネットである。
【0041】
また、モビリティ1は、モビリティ1を識別するためのモビリティIDを、近距離無線通信により定期的に送信する。近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)の通信モードの1つであるBluetooth Low Energy(BLE)である。モビリティ1は、モビリティIDを、近距離無線通信によりブロードキャストする。モビリティ1は、例えば1秒ごとにモビリティIDをブロードキャストする。近距離無線通信の信号到達距離は、例えば10メートルである。モビリティ1は、他のモビリティによって送信されたモビリティIDを受信する。モビリティ1は、他のモビリティによって送信されたモビリティIDを受信することにより、他のモビリティが信号到達距離範囲内に存在していることを認識することができる。
【0042】
例えば、第1モビリティが第1モビリティIDを近距離無線通信によりブロードキャストし、第2モビリティが第2モビリティIDを近距離無線通信によりブロードキャストする。この場合、第2モビリティが、第1モビリティの近距離無線通信の信号到達距離内に入ると、第1モビリティは、第2モビリティによってブロードキャストされた第2モビリティIDを受信する。このとき、第1モビリティも、第2モビリティの近距離無線通信の信号到達距離内に入っているので、第2モビリティは、第1モビリティによってブロードキャストされた第1モビリティIDを受信する。このように、近距離無線通信の信号到達距離内に存在する第1モビリティ及び第2モビリティは、モビリティIDを互いに受信する。
【0043】
なお、モビリティ1は、電動アシストが付いていない自転車であってもよい。また、モビリティ1は、電気自動車、電動バイク、内燃機関を備える自動車、又は内燃機関を備えるバイクであってもよい。
【0044】
ユーザは、モビリティ1を利用する場合、モビリティ1の利用を予約するための予約情報を情報端末(不図示)に入力する。予約情報は、ユーザを識別するためのユーザID、利用開始時刻、利用終了時刻、貸出場所及び返却場所を含む。情報端末は、例えば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ又はパーソナルコンピュータであり、モビリティ1に乗車するユーザにより利用される。情報端末は、モビリティ1の利用を予約するための予約情報のユーザによる入力を受け付ける。情報端末は、入力された予約情報をサーバ装置2へ送信する。
【0045】
サーバ装置2は、例えば、Webサーバである。サーバ装置2は、モビリティ1から種々の情報を受信するとともに、モビリティ1へ種々の情報を送信する。
【0046】
図2は、本開示の実施の形態におけるモビリティの構成の一例を示す図である。
【0047】
図2に示すモビリティ1は、入力部11、プロセッサ12、位置測定部13、第1通信部14、第2通信部15、駆動部16、電子錠17及びメモリ18を備える。
【0048】
入力部11は、ユーザによるモビリティ1の運転操作を受け付ける。また、入力部11は、ユーザによるモビリティ1の解錠操作、施錠操作及び返却操作を受け付ける。例えば、入力部11は、テンキー、解錠ボタン、施錠ボタン及び返却ボタンを含む。テンキーは、モビリティ1を解錠するためのパスワードの入力を受け付ける。解錠ボタンは、パスワードの入力後にユーザによるモビリティ1の解錠操作を受け付ける。施錠ボタンは、ユーザによるモビリティ1の施錠操作を受け付ける。返却ボタンは、施錠後にユーザによるモビリティ1の返却操作を受け付ける。
【0049】
なお、モビリティ1の施錠操作及び解錠操作は、2次元バーコード又はICカードリーダ等によって行われてもよい。
【0050】
位置測定部13は、GPS信号を受信し、受信したGPS信号を用いてモビリティ1の現在位置を測定する。現在位置は、緯度及び経度で表される。上述したように、ビルの下などの電波状況の悪い場所では、GPS信号に時間差が生じたり、GPS信号のS/N比が低下したりすることにより、現在位置の測定精度が低下するおそれがある。
【0051】
第1通信部14は、モビリティ1を識別するためのモビリティIDを近距離無線通信により定期的にブロードキャストする。また、第1通信部14は、他のモビリティ1によってブロードキャストされたモビリティIDを近距離無線通信により受信する。
【0052】
電子錠17は、電気的に施錠及び解錠する。
【0053】
メモリ18は、例えば、半導体メモリであり、モビリティ1を識別するためのモビリティIDを予め記憶する。
【0054】
プロセッサ12は、例えば、中央演算処理装置(CPU)であり、解錠部121、施錠部122、返却部123及び情報送信制御部124を備える。
【0055】
解錠部121は、ユーザによりパスワードが入力されるとともに、解錠ボタンが押下されると、入力されたパスワード及びモビリティ1を識別するためのモビリティIDを、第2通信部15を介してサーバ装置2へ送信する。また、解錠部121は、第2通信部15によって解錠信号が受信された場合、モビリティ1の電子錠17を解錠する。
【0056】
施錠部122は、ユーザにより施錠ボタンが押下されると、モビリティ1の電子錠17を施錠する。
【0057】
なお、本実施の形態において、解錠部121及び施錠部122は、電子錠17の解錠及び施錠の状態を検出できればよく、上記の構成に限定されない。また、本実施の形態におけるモビリティ1は、電子錠17により電気的に施錠及び解錠しているが、本開示は特にこれに限定されず、モビリティ1は、電気的に施錠及び解錠する機能を備えていなくてもよい。
【0058】
返却部123は、ユーザにより返却ボタンが押下されると、モビリティ1の運転を終了してモビリティ1を返却することを示す返却信号を、第2通信部15を介してサーバ装置2へ送信する。
【0059】
情報送信制御部124は、位置測定部13によって測定されたモビリティ1の位置を示す位置情報と、第1通信部14によって受信された他のモビリティのモビリティIDと、モビリティ1が停止しているか否かを示す停止情報とを第2通信部15を介してサーバ装置2へ送信する。なお、情報送信制御部124は、他のモビリティのモビリティIDが受信されていない場合、位置情報及び停止情報のみを第2通信部15を介してサーバ装置2へ送信する。
【0060】
情報送信制御部124は、施錠部122によって施錠されている場合、モビリティ1が停止していると判断し、モビリティ1が停止していることを示す停止情報を生成する。また、情報送信制御部124は、モビリティ1の速度が0である場合、モビリティ1が停止していると判断し、モビリティ1が停止していることを示す停止情報を生成してもよい。また、情報送信制御部124は、モビリティ1のエンジンが停止している場合、モビリティ1が停止していると判断し、モビリティ1が停止していることを示す停止情報を生成してもよい。この場合、モビリティ1は、例えば、自動車又はバイクである。また、情報送信制御部124は、返却信号が送信された場合、モビリティ1が停止していると判断し、モビリティ1が停止していることを示す停止情報を生成してもよい。
【0061】
第2通信部15は、種々の情報をサーバ装置2へ送信するとともに、種々の情報をサーバ装置2から受信する。第2通信部15は、パスワード及びモビリティIDをサーバ装置2へ送信する。第2通信部15は、サーバ装置2によって送信された解錠信号を受信する。また、第2通信部15は、返却信号をサーバ装置2へ送信する。また、第2通信部15は、モビリティ1の位置を示す位置情報と、モビリティ1が近距離無線通信により他のモビリティから受信した他のモビリティのモビリティIDと、モビリティ1が停止しているか否かを示す停止情報とをサーバ装置2へ送信する。なお、第2通信部15は、他のモビリティのモビリティIDが受信されていない場合、位置情報及び停止情報のみをサーバ装置2へ送信する。
【0062】
駆動部16は、例えば、電動モータであり、電動モータを駆動させることによりモビリティ1の車輪を回転させる。
【0063】
図3は、本開示の実施の形態におけるサーバ装置の構成の一例を示す図である。
【0064】
図3に示すサーバ装置2は、通信部21、メモリ22及びプロセッサ23を備える。
【0065】
通信部21は、モビリティ1の位置を示す位置情報と、モビリティ1が近距離無線通信により他のモビリティ1から受信した他のモビリティのモビリティID(識別情報)と、モビリティ1が停止しているか否かを示す停止情報とを複数のモビリティ1から取得する。通信部21は、モビリティ1の位置情報と、他のモビリティのモビリティIDと、モビリティ1の停止情報とを複数のモビリティ1から受信する。
【0066】
また、通信部21は、モビリティ1の電子錠17を解錠するためのパスワードを情報端末へ送信する。通信部21は、モビリティ1によって送信されたパスワード及びモビリティIDを受信する。通信部21は、解錠信号をモビリティ1へ送信する。通信部21は、モビリティ1によって送信された返却信号を受信する。
【0067】
メモリ22は、例えば、半導体メモリ又はハードディスクドライブであり、モビリティ情報と、モビリティ群情報とを記憶する。モビリティ情報は、モビリティのモビリティIDと、モビリティの位置情報と、モビリティが近距離無線通信により受信した他のモビリティのモビリティIDと、モビリティの停止情報とを対応付けた情報である。モビリティ群情報は、モビリティ群を識別するためのモビリティ群IDと、モビリティ群に属する複数のモビリティそれぞれのモビリティIDと、各モビリティの座標の中央値と、中央値の移動平均値とを対応付けた情報である。
【0068】
プロセッサ23は、例えば、CPUであり、モビリティ群分類部231、ばらつき判定部232及び停止場所特定部233を備える。
【0069】
モビリティ群分類部231は、複数のモビリティ1のうち、停止しており且つモビリティIDを互いに受信している2以上のモビリティ1を同一のモビリティ群に分類する。モビリティ群分類部231は、2以上のモビリティ1が分類されたモビリティ群を識別するためのモビリティ群IDを生成し、モビリティ群IDと、モビリティ群に分類された2以上のモビリティ1のモビリティIDとを対応付けたモビリティ群情報をメモリ22に記憶する。
【0070】
なお、停止情報は、モビリティ1が停止しているか否かを示す情報だけでなく、モビリティ1が施錠されているか否かを示す情報であってもよい。この場合、モビリティ群分類部231は、複数のモビリティ1のうち、施錠されており且つモビリティIDを互いに受信している2以上のモビリティ1を同一のモビリティ群に分類する。
【0071】
また、停止情報は、モビリティ1が停止しているか否かを示す情報だけでなく、モビリティ1が返却されているか否かを示す情報であってもよい。この場合、モビリティ群分類部231は、複数のモビリティ1のうち、返却されており且つモビリティIDを互いに受信している2以上のモビリティ1を同一のモビリティ群に分類する。
【0072】
ばらつき判定部232は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティ1の位置情報のばらつきの大きさを算出する。ばらつき判定部232は、算出したばらつきの大きさが閾値より大きいか否かを判定する。なお、ばらつきの大きさは、例えば、標準偏差である。ばらつき判定部232は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティ1の座標の標準偏差を算出し、算出した標準偏差が閾値より大きいか否かを判定する。ばらつきの大きさは、例えば、分散値であってもよい。
【0073】
停止場所特定部233は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティ1の位置情報に基づいて、モビリティ群が停止している停止場所を特定する。停止場所特定部233は、ばらつき判定部232によって算出されたばらつきの大きさが閾値より大きい場合、モビリティ群に分類された2以上のモビリティ1の位置情報に基づいて、モビリティ群が停止している停止場所を特定する。停止場所は、モビリティ1の駐車場所であり、例えば、モビリティ1が返却される駐車場所である。
【0074】
複数の停止場所が予め設けられている。停止場所特定部233は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティ1の位置情報に基づいて、予め設けられた複数の停止場所のうち、モビリティ群が停止している停止場所を特定する。
【0075】
具体的には、停止場所特定部233は、2以上のモビリティ1の座標の中央値を算出する。停止場所特定部233は、算出した中央値の所定期間内における移動平均を算出する。停止場所特定部233は、算出した移動平均値と、移動平均値に最も近い停止場所の座標との距離に応じて、停止場所にモビリティ群が停止している確率を示す停止確率を算出する。停止場所特定部233は、停止確率が閾値以上である場合、移動平均値に最も近い停止場所を、モビリティ群が停止している停止場所に特定する。
【0076】
また、停止場所特定部233は、複数のモビリティ1のうち、停止しており且つ他のモビリティ1のモビリティIDを受信しておらず且つ所定時間間隔で取得された複数の位置情報にばらつきがある1のモビリティ1の複数の位置情報に基づいて、1のモビリティ1が停止している停止場所を特定する。
【0077】
具体的には、停止場所特定部233は、1のモビリティ1の所定時間間隔で取得された複数の座標の中央値を算出する。停止場所特定部233は、算出した中央値の所定期間内における移動平均を算出する。停止場所特定部233は、算出した移動平均値と、移動平均値に最も近い停止場所の座標との距離に応じて、停止場所に1のモビリティ1が停止している確率を示す停止確率を算出する。停止場所特定部233は、停止確率が閾値以上である場合、移動平均値に最も近い停止場所を、1のモビリティ1が停止している停止場所に特定する。
【0078】
また、モビリティ群分類部231は、2以上のモビリティのうちのいずれか1つのモビリティIDを、モビリティ群に分類されていない新たなモビリティ1から取得した場合、新たなモビリティ1を2以上のモビリティと同一のモビリティ群に分類する。そして、停止場所特定部233は、モビリティ群が停止している停止場所を、新たなモビリティ1が停止している停止場所に特定する。
【0079】
続いて、本開示の実施の形態におけるサーバ装置2の動作について説明する。
【0080】
図4は、本開示の実施の形態におけるサーバ装置の動作について説明するための第1のフローチャートであり、
図5は、本開示の実施の形態におけるサーバ装置の動作について説明するための第2のフローチャートであり、
図6は、本開示の実施の形態におけるサーバ装置の動作について説明するための第3のフローチャートである。
【0081】
まず、ステップS1において、サーバ装置2の通信部21は、モビリティ1の位置を示す位置情報、モビリティ1が近距離無線通信により他のモビリティ1から受信した他のモビリティのモビリティID、及びモビリティ1が停止しているか否かを示す停止情報を複数のモビリティ1から取得する。各モビリティ1は、位置情報、他のモビリティのモビリティID、及び停止情報を定期的にサーバ装置2へ送信する。通信部21は、各モビリティ1によって送信された位置情報、他のモビリティのモビリティID、及び停止情報を定期的に受信する。例えば、通信部21は、各モビリティ1によって送信された位置情報、他のモビリティのモビリティID、及び停止情報を1分ごとに受信する。
【0082】
次に、ステップS2において、モビリティ群分類部231は、複数のモビリティ1のうち、停止しており且つモビリティIDを互いに受信している2以上のモビリティ1があるか否かを判断する。
【0083】
なお、モビリティ群分類部231は、モビリティ1の停止情報を参照することにより、停止しているモビリティ1を特定することができる。また、モビリティ群分類部231は、例えば、第1モビリティが第2モビリティのモビリティIDを受信し、第2モビリティが第1モビリティのモビリティIDを受信している場合、第1モビリティ及び第2モビリティを、モビリティIDを互いに受信しているモビリティとして特定することができる。
【0084】
ここで、停止しており且つモビリティIDを互いに受信している2以上のモビリティ1があると判断された場合(ステップS2でYES)、ステップS3において、モビリティ群分類部231は、停止しており且つモビリティIDを互いに受信している2以上のモビリティ1を同一のモビリティ群に分類する。
【0085】
次に、ステップS4において、ばらつき判定部232は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティ1の座標の標準偏差を算出する。
【0086】
なお、モビリティ1が位置情報を測定できず、通信部21が位置情報を取得できなかった場合、モビリティ群分類部231は、メモリ22に記憶されているモビリティ情報から、最後に取得されたモビリティ1の位置情報を読み出して利用してもよい。
【0087】
次に、ステップS5において、ばらつき判定部232は、標準偏差が閾値より大きいか否かを判断する。ここで、標準偏差が閾値以下であると判断された場合(ステップS5でNO)、ステップS1に処理が戻る。すなわち、モビリティ群に分類された2以上のモビリティ1の座標の標準偏差が閾値以下であるということは、2以上のモビリティ1の位置がばらついておらず、それぞれの位置情報が正しく測定されていることを意味している。そのため、2以上のモビリティ1の座標の標準偏差が閾値以下である場合は、モビリティ群が停止している停止場所を特定するための処理は不要である。
【0088】
一方、標準偏差が閾値より大きいと判断された場合(ステップS5でYES)、ステップS6において、停止場所特定部233は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティ1の座標の中央値を算出する。
【0089】
次に、ステップS7において、停止場所特定部233は、算出した中央値の移動平均を算出する。
【0090】
次に、ステップS8において、停止場所特定部233は、中央値の所定期間の移動平均を算出したか否かを判断する。所定期間は、例えば、1時間である。ここで、中央値の所定期間の移動平均を算出していないと判断された場合(ステップS8でNO)、ステップS1に処理が戻る。
【0091】
一方、中央値の所定期間の移動平均を算出したと判断された場合(ステップS8でYES)、ステップS9において、停止場所特定部233は、予め設けられた複数の停止場所のうち、算出した移動平均値に最も近い停止場所を選択する。なお、メモリ22は、予め設けられている複数の停止場所の位置情報(座標)を予め記憶している。
【0092】
次に、ステップS10において、停止場所特定部233は、算出した移動平均値と、選択した停止場所の座標との距離に応じて、停止場所にモビリティ群が停止している確率を示す停止確率を算出する。
【0093】
ここで、モビリティ群の停止確率の算出方法について説明する。
【0094】
図7は、本実施の形態において、モビリティ群の停止確率の算出方法について説明するための図である。
【0095】
図7に示す点301は、停止場所の座標(x,y)を示し、点311~315のそれぞれは、停止しており且つモビリティIDを互いに受信している5つのモビリティの座標(Ax,Ay)~(Ex,Ey)を示し、点321は、5つのモビリティの座標の中央値の移動平均値(Dx,Cy)を示している。また、点線で示す複数の円は、停止場所を中心とし、中心から10m、20m、30m、40m及び50m離れた位置をそれぞれ表している。
【0096】
停止場所特定部233は、算出した移動平均値と、選択した停止場所の座標との距離が10m以下であれば、停止確率を100%とする。また、停止場所特定部233は、算出した移動平均値と、選択した停止場所の座標との距離が10mより大きく20m以下であれば、停止確率を90%とする。このように、停止場所特定部233は、算出した移動平均値と、選択した停止場所の座標との距離が10m離れるごとに、停止確率を10%ずつ減少させる。停止場所特定部233は、算出した移動平均値が、選択した停止場所に近ければ停止確率を高くし、算出した移動平均値が、選択した停止場所から遠ければ停止確率を低くする。
【0097】
図5に戻り、次に、ステップS11において、停止場所特定部233は、算出した停止確率が閾値以上であるか否かを判断する。閾値は、例えば、80%である。
【0098】
ここで、停止確率が閾値以上であると判断された場合(ステップS11でYES)、ステップS12において、停止場所特定部233は、選択した停止場所をモビリティ群の停止場所に特定する。
【0099】
次に、ステップS13において、通信部21は、特定されたモビリティ群の停止場所を複数のモビリティ1の管理者へ通知する。このとき、通信部21は、特定されたモビリティ群の停止場所と、モビリティ群に分類された複数のモビリティ1のモビリティIDとを管理者の情報端末へ送信する。ステップS13の処理の後、ステップS1に処理が戻る。
【0100】
なお、モビリティ群の停止確率が算出された後、モビリティ群を構成する複数のモビリティに変化がない場合、停止場所特定部233は、算出した停止確率を、前回算出した停止確率よりも減少させない。また、モビリティ群の停止確率が算出された後、モビリティ群を構成する複数のモビリティに変化がない場合、停止場所特定部233は、算出した停止確率を利用し続けてもよい。さらに、モビリティ群の停止確率が算出された後、モビリティ群を構成する複数のモビリティが0台になるまで、停止場所特定部233は、算出した停止確率を利用し続けてもよい。さらにまた、モビリティ群の停止確率が算出された後、サーバ装置2が再起動されるまで、停止場所特定部233は、算出した停止確率を利用し続けてもよい。
【0101】
一方、停止確率が閾値より小さいと判断された場合(ステップS11でNO)、ステップS14において、通信部21は、モビリティ群の停止場所を特定できないことを複数のモビリティ1の管理者へ通知する。このとき、通信部21は、モビリティ群の停止場所を特定できないことを示す情報を管理者の情報端末へ送信する。ステップS14の処理の後、ステップS1に処理が戻る。
【0102】
なお、モビリティ群分類部231は、2以上のモビリティのうちのいずれか1つのモビリティIDを、モビリティ群に分類されていない新たなモビリティ1から取得した場合、新たなモビリティ1を2以上のモビリティと同一のモビリティ群に分類してもよい。そして、停止場所特定部233は、モビリティ群が停止している停止場所を、新たなモビリティ1が停止している停止場所に特定してもよい。
【0103】
また、本実施の形態では、停止場所特定部233は、算出した移動平均値と、移動平均値に最も近い停止場所の座標との距離に応じてモビリティ群の停止確率を算出しているが、本開示は特にこれに限定されない。停止場所特定部233は、2以上のモビリティの座標を予測モデルに入力することにより、予測モデルから出力される停止確率を取得してもよい。予測モデルは、停止場所の周囲に存在する2以上のモビリティによって測定された座標と、当該停止場所に2以上のモビリティが停止している停止確率とを教師データとした機械学習により生成される。例えば、予測モデルは、停止場所に停止している2以上のモビリティの座標が入力された場合、100%の停止確率が出力され、停止場所に停止していない2以上のモビリティの座標が入力された場合、0%の停止確率が出力されるように機械学習されてもよい。また、例えば、予測モデルは、停止場所に停止していない2以上のモビリティの座標が入力された場合、2以上のモビリティの座標と停止場所の座標との距離が10m離れる毎にGPSバラツキデータを例えば1時間取得し、正解データとして停止確率を10%ずつ減少させるように機械学習されてもよい。
【0104】
また、停止場所特定部233は、各モビリティが返却されたことを示す返却情報を用いて、停止確率を補正してもよい。例えば、モビリティ群に分類されている5つのモビリティのうち、4つのモビリティが返却され、1つのモビリティが返却されていない場合、返却率は、80%となる。算出した停止確率が60%であり、返却率と停止確率との按分比率が50:50であるとすると、停止場所特定部233は、停止確率を70%に補正してもよい。
【0105】
一方、ステップS2で、停止しており且つモビリティIDを互いに受信している2以上のモビリティ1があるという条件を満たさないと判断された場合(ステップS2でNO)、ステップS15において、モビリティ群分類部231は、複数のモビリティ1のうち、停止しており且つモビリティIDを受信していない1のモビリティ1があるか否かを判断する。
【0106】
ここで、停止しており且つモビリティIDを受信していない1のモビリティ1があるという条件を満たさないと判断された場合(ステップS15でNO)、ステップS1に処理が戻る。
【0107】
一方、停止しており且つモビリティIDを受信していない1のモビリティ1があると判断された場合(ステップS15でYES)、ステップS16において、ばらつき判定部232は、1のモビリティ1の所定数の座標の標準偏差を算出する。例えば、ばらつき判定部232は、メモリ22に記憶されている1のモビリティ1の位置情報の履歴に基づいて、1のモビリティ1の10個の座標の標準偏差を算出する。
【0108】
次に、ステップS17において、ばらつき判定部232は、標準偏差が閾値より大きいか否かを判断する。ここで、標準偏差が閾値以下であると判断された場合(ステップS17でNO)、ステップS1に処理が戻る。すなわち、1のモビリティ1の所定数の座標の標準偏差が閾値以下であるということは、1のモビリティ1の位置がばらついておらず、位置情報が正しく測定されていることを意味している。そのため、1のモビリティ1の所定数の座標の標準偏差が閾値以下である場合は、1のモビリティが停止している停止場所を特定するための処理は不要である。
【0109】
一方、標準偏差が閾値より大きいと判断された場合(ステップS17でYES)、ステップS18において、停止場所特定部233は、所定時間毎に取得された1のモビリティ1の座標の中央値を算出する。
【0110】
次に、ステップS19において、停止場所特定部233は、算出した中央値の移動平均を算出する。
【0111】
次に、ステップS20において、停止場所特定部233は、中央値の所定期間の移動平均を算出したか否かを判断する。所定期間は、例えば、1時間である。ここで、中央値の所定期間の移動平均を算出していないと判断された場合、すなわち、移動平均が所定時間に到達していない場合(ステップS20でNO)、ステップS1に処理が戻る。
【0112】
一方、中央値の所定期間の移動平均を算出したと判断された場合(ステップS20でYES)、ステップS21において、停止場所特定部233は、予め設けられた複数の停止場所のうち、算出した移動平均値に最も近い停止場所を選択する。
【0113】
次に、ステップS22において、停止場所特定部233は、算出した移動平均値と、選択した停止場所の座標との距離に応じて、停止場所に1のモビリティ1が停止している確率を示す停止確率を算出する。
【0114】
ここで、1のモビリティ1の停止確率の算出方法について説明する。
【0115】
図8は、本実施の形態において、1のモビリティの停止確率の算出方法について説明するための図である。
【0116】
図8に示す点401は、停止場所の座標(x,y)を示し、点411~416のそれぞれは、停止しており且つ他のモビリティのモビリティIDを受信していない1のモビリティ1の6個の座標(A1x,A1y)~(A6x,A6y)を示し、点421は、1のモビリティ1の座標の中央値の移動平均値(Ax,Ay)を示している。また、点線で示す複数の円は、停止場所を中心とし、中心から10m、20m、30m、40m及び50m離れた位置をそれぞれ表している。
【0117】
停止場所特定部233は、算出した移動平均値と、選択した停止場所の座標との距離が10m以下であれば、停止確率を100%とする。また、停止場所特定部233は、算出した移動平均値と、選択した停止場所の座標との距離が10mより大きく20m以下であれば、停止確率を90%とする。このように、停止場所特定部233は、算出した移動平均値と、選択した停止場所の座標との距離が10m離れるごとに、停止確率を10%ずつ減少させる。停止場所特定部233は、算出した移動平均値が、選択した停止場所に近ければ停止確率を高くし、算出した移動平均値が、選択した停止場所から遠ければ停止確率を低くする。
【0118】
図6に戻り、次に、ステップS23において、停止場所特定部233は、算出した停止確率が閾値以上であるか否かを判断する。閾値は、例えば、80%である。
【0119】
ここで、停止確率が閾値以上であると判断された場合(ステップS23でYES)、ステップS24において、停止場所特定部233は、選択した停止場所を1のモビリティ1の停止場所に特定する。
【0120】
次に、ステップS25において、通信部21は、特定された1のモビリティ1の停止場所を複数のモビリティ1の管理者へ通知する。このとき、通信部21は、特定された1のモビリティ1の停止場所と、1のモビリティ1のモビリティIDとを管理者の情報端末へ送信する。ステップS25の処理の後、ステップS1に処理が戻る。
【0121】
なお、1のモビリティ1の停止確率が算出された後、1のモビリティ1が移動を開始するまで、停止場所特定部233は、算出した停止確率を利用し続けてもよい。さらにまた、1のモビリティ1の停止確率が算出された後、サーバ装置2が再起動されるまで、停止場所特定部233は、算出した停止確率を利用し続けてもよい。
【0122】
一方、停止確率が閾値より小さいと判断された場合(ステップS23でNO)、ステップS26において、通信部21は、1のモビリティ1の停止場所を特定できないことを複数のモビリティ1の管理者へ通知する。このとき、通信部21は、1のモビリティ1の停止場所を特定できないことを示す情報を管理者の情報端末へ送信する。ステップS26の処理の後、ステップS1に処理が戻る。
【0123】
このように、近距離無線通信により互いに通信可能な2以上のモビリティ1は、同一の場所に存在していると推定され、同一のモビリティ群に分類することができる。そのため、停止場所の電波状況が悪く、停止場所に停止している2以上のモビリティ1の位置情報にばらつきがあったとしても、同一のモビリティ群に分類された近距離無線通信により識別情報を互いに受信している2以上のモビリティ1の位置情報に基づいて、モビリティ群が停止している停止場所が特定される。したがって、2以上のモビリティ1が停止している停止場所を高い精度で特定することができる。
【0124】
なお、電波状況の変化が頻繁ではないため、
図4のステップS4、ステップS5、
図6のステップS16及びステップS17の処理は、リアルタイムに行われるのではなく、所定期間ごと、例えば1週間に1回程度のバッチ処理により行われてもよい。これにより、コンピュータの処理負荷をさらに軽減することができる。
【0125】
なお、本実施の形態では、停止場所特定部233は、算出した移動平均値と、移動平均値に最も近い停止場所の座標との距離に応じて1のモビリティの停止確率を算出しているが、本開示は特にこれに限定されない。停止場所特定部233は、1のモビリティ1の所定時間毎の複数の座標を予測モデルに入力することにより、予測モデルから出力される停止確率を取得してもよい。予測モデルは、停止場所の周囲に存在する1のモビリティによって測定された座標と、当該停止場所に1のモビリティが停止している停止確率とを教師データとした機械学習により生成される。例えば、予測モデルは、停止場所に停止している1のモビリティの座標が入力された場合、100%の停止確率が出力され、停止場所に停止していない1のモビリティの座標が入力された場合、0%の停止確率が出力されるように機械学習されてもよい。また、例えば、予測モデルは、停止場所に停止していない1のモビリティの座標が入力された場合、1のモビリティの座標と停止場所の座標との距離が10m離れる毎にGPSバラツキデータを例えば1時間取得し、正解データとして停止確率を10%ずつ減少させるように機械学習されてもよい。
【0126】
また、本実施の形態では、ばらつき判定部232は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティ1の位置情報のばらつきの大きさを算出しているが、本開示は特にこれに限定されない。ばらつき判定部232は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティ同士の距離のばらつきの大きさを算出してもよい。ばらつき判定部232は、算出したばらつきの大きさが閾値より大きいか否かを判定してもよい。なお、ばらつきの大きさは、例えば、標準偏差又は分散値である。ばらつき判定部232は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティ1の2点間のユークリッド距離を算出し、算出したユークリッド距離の分散値を算出してもよい。ばらつき判定部232は、算出した分散値が閾値より大きいか否かを判定してもよい。停止場所特定部233は、算出したばらつきの大きさが閾値より大きい場合、モビリティ群に分類された2以上のモビリティの位置情報に基づいて、モビリティ群が停止している停止場所を特定してもよい。
【0127】
なお、ばらつき判定部232は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティ同士の距離のばらつきの大きさを下記の式(1)に基づいて算出してもよい。
【0128】
【0129】
上記の式(1)において、Nは、モビリティ群に分類された2以上のモビリティの数を表し、DISTANCE(Bi,Bj)関数は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティのうち、i番目のモビリティとj番目のモビリティとのユークリッド距離を算出する関数である。
【0130】
また、ばらつき判定部232は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティ同士の距離のばらつきの大きさを用いて、外れ値を算出してもよい。そして、ばらつき判定部232は、算出した外れ値に対応するモビリティをモビリティ群から除外してもよい。
【0131】
また、ばらつき判定部232は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティのそれぞれと、2以上のモビリティの周辺に存在する停止場所との距離のばらつきの大きさを算出してもよい。ばらつき判定部232は、算出したばらつきの大きさが閾値より大きいか否かを判定してもよい。なお、ばらつきの大きさは、例えば、標準偏差又は分散値である。ばらつき判定部232は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティ1のそれぞれと、停止場所との2点間のユークリッド距離を算出し、算出したユークリッド距離の分散値を算出してもよい。ばらつき判定部232は、算出した分散値が閾値より大きいか否かを判定してもよい。停止場所特定部233は、算出したばらつきの大きさが閾値より大きい場合、モビリティ群に分類された2以上のモビリティの位置情報に基づいて、モビリティ群が停止している停止場所を特定してもよい。
【0132】
なお、ばらつき判定部232は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティのそれぞれと、2以上のモビリティの周辺に存在する停止場所との距離のばらつきの大きさを下記の式(2)に基づいて算出してもよい。
【0133】
【0134】
上記の式(2)において、Nは、モビリティ群に分類された2以上のモビリティの数を表し、DISTANCE(Bi)関数は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティのうち、i番目のモビリティと停止場所とのユークリッド距離を算出する関数である。
【0135】
また、ばらつき判定部232は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティのそれぞれと、2以上のモビリティの周辺に存在する停止場所との距離のばらつきの大きさを用いて、外れ値を算出してもよい。そして、ばらつき判定部232は、算出した外れ値に対応するモビリティをモビリティ群から除外してもよい。
【0136】
また、ばらつき判定部232は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティ1の座標を予測モデルに入力することにより、停止場所が電波状況の悪い場所に設けられているか否かの判定結果を取得してもよい。予測モデルは、電波状況が良好な停止場所に停止している2以上のモビリティ1によって測定された座標と、電波状況が悪い停止場所に停止している2以上のモビリティ1によって測定された座標と、電波状況が良好であるか否かの判定結果とを教師データとした機械学習により生成される。例えば、予測モデルは、電波状況が良好な停止場所に停止している2以上のモビリティ1によって測定された座標が入力された場合、電波状況が良好であるとの判定結果が出力され、電波状況が悪い停止場所に停止している2以上のモビリティ1によって測定された座標が入力された場合、電波状況が悪いとの判定結果が出力されるように機械学習されてもよい。
【0137】
さらに、本実施の形態では、停止場所特定部233は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティの位置情報のばらつきの大きさが閾値より大きい場合、モビリティ群に分類された2以上のモビリティの位置情報に基づいて、モビリティ群が停止している停止場所を特定しているが、本開示は特にこれに限定されない。停止場所特定部233は、モビリティ群に分類された2以上のモビリティの位置情報のばらつきの大きさが閾値より大きい場合、モビリティ群に分類された2以上のモビリティの位置情報に基づいて、モビリティ群が停止している場所を推定してもよい。これにより、予め設けられている停止場所だけでなく、停止場所以外のモビリティ群が停止している場所を推定することができる。例えば、停止場所以外の場所で返却されたモビリティの位置を特定することができる。
【0138】
また、
図4のステップS9及び
図6のステップS21において、停止場所特定部233は、予め設けられた複数の停止場所のうち、算出した移動平均値に最も近い停止場所を選択しているが、本開示は特にこれに限定されない。停止場所特定部233は、予め設けられた複数の停止場所のうち、算出した移動平均値から近い順に複数の停止場所を選択し、モビリティシェアリングサービスを管理するオペレータの端末に各停止場所への配置確率を提示してもよい。その場合、オペレータは、システムから得られる配置確率に加えて日頃のサービス管理業務から得られる停止位置の傾向を考慮して、提示された複数の停止場所から適切な停止場所を選択することができる。これにより、停止場所の精度を向上させることができる。
【0139】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0140】
本開示の実施の形態に係る装置の機能の一部又は全ては典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0141】
また、本開示の実施の形態に係る装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
【0142】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。
【0143】
また、上記フローチャートに示す各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためのものであり、同様の効果が得られる範囲で上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0144】
本開示に係る技術は、2以上のモビリティが停止している停止場所を高い精度で特定することができるので、複数のモビリティが停止している位置を特定する技術に有用である。