(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-02
(45)【発行日】2025-06-10
(54)【発明の名称】調味液の温度測定装置と供給装置
(51)【国際特許分類】
G01K 1/14 20210101AFI20250603BHJP
【FI】
G01K1/14 E
(21)【出願番号】P 2024576015
(86)(22)【出願日】2023-02-09
(86)【国際出願番号】 JP2023004443
(87)【国際公開番号】W WO2024166322
(87)【国際公開日】2024-08-15
【審査請求日】2025-01-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503287915
【氏名又は名称】株式会社一蘭
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】祖父江 竜介
(72)【発明者】
【氏名】水谷 泰崇
【審査官】岡村 京輔
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-72991(JP,A)
【文献】特開2009-136476(JP,A)
【文献】特開2016-47015(JP,A)
【文献】国際公開第2018/92177(WO,A1)
【文献】中国実用新案第214927150(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
A47J 27/00-27/64
B67D 1/00- 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯留槽に貯留されて加熱される調味液の温度を測定する装置であって、
前記貯留槽の内部に配置されて、前記貯留槽に貯留されている前記調味液の温度を測定する温度センサと、
前記温度センサを保持する保持部と、
前記貯留槽に対する前記温度センサの位置を調整可能にする位置調整部と、
前記貯留槽の上方に配置される遮蔽板と、
を有してな
り、
前記温度センサが前記貯留槽の前記内部に配置されているとき、前記遮蔽板は水平に対して斜めに配置される、
ことを特徴とする調味液の温度測定装置。
【請求項2】
前記位置調整部は、
前記温度センサが前記貯留槽の前記内部と外部との間で進退可能となるように、前記保持部を移動させるレール部と、
前記レール部に対する前記保持部の位置を固定する位置固定部と、
を備える、
請求項1記載の調味液の温度測定装置。
【請求項3】
前記レール部は、
前記貯留槽に対する前記温度センサの位置を位置決めするストッパ、
を備える、
請求項2記載の調味液の温度測定装置。
【請求項4】
前記レール部が取り付けられる筐体、
を有してなり、
前記筐体は、前記レール部が取り付けられる取付箇所を備え、
前記取付箇所は、
第1取付箇所と、
第2取付箇所と、
を含む、
請求項3記載の調味液の温度測定装置。
【請求項5】
前記筐体は、前記貯留槽の前記内部の前記調味液を加熱する加熱装置を収容し、
前記第1取付箇所と前記第2取付箇所とは、前記筐体の平面視における前記加熱装置の配置位置を介して対向する位置に配置される、
請求項4記載の調味液の温度測定装置。
【請求項6】
前記筐体における前記加熱装置の前記配置位置は、前記第1取付箇所と前記第2取付箇所とを結ぶ仮想線上である、
請求項5記載の調味液の温度測定装置。
【請求項7】
前記温度センサが前記貯留槽の前記内部に配置されているとき、
前記保持部は、前記遮蔽板の上方に配置されて、
前記温度センサは、前記遮蔽板の下方に配置される、
請求項
1記載の調味液の温度測定装置。
【請求項8】
前記遮蔽板は、
前記貯留槽に補給される補給液が通過する漏斗が配置される孔、
を備える、
請求項
7記載の調味液の温度測定装置。
【請求項9】
飲食物に含まれる調味液を前記飲食物が収容される容器に供給する装置であって、
前記調味液が貯留される貯留槽から前記容器に前記調味液を送る送液部と、
前記貯留槽から前記容器に送られる前記調味液の流量を計測する流量センサと、
前記流量センサに計測された前記流量に基づいて、前記調味液の前記貯留槽から前記容器への供給を制御する供給制御部と、
前記貯留槽に貯留されている前記調味液を加熱する加熱装置と、
前記貯留槽に貯留されている前記調味液の温度を測定する温度測定装置と、
を有してなり、
前記温度測定装置は、請求項1記載の調味液の温度測定装置である、
ことを特徴とする調味液の供給装置。
【請求項10】
前記加熱装置は、
前記貯留槽に貯留されている前記調味液を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱出力を制御する加熱制御部と、
を備え、
前記加熱制御部は、前記温度測定装置により測定された前記温度の推移に基づいて、前記加熱出力を制御する、
請求項
9記載の調味液の供給装置。
【請求項11】
前記加熱装置は、
前記貯留槽に貯留されている前記調味液の目標温度を記憶する記憶部、
を備え、
前記目標温度は、前記調味液の沸点よりも低く、
前記加熱制御部は、前記温度測定装置により測定された前記温度が、前記目標温度に収束するように、前記加熱出力を制御する、
請求項
10記載の調味液の供給装置。
【請求項12】
前記加熱部は、前記貯留槽の底部の外側を加熱し、
前記温度センサの測温部の前記貯留槽の前記内部における高さ位置は、前記貯留槽の前記底部の内側の近傍である、
請求項
10記載の調味液の供給装置。
【請求項13】
前記貯留槽に貯留されている前記調味液が通過する配管、
を有してなり、
前記配管の一端は、前記貯留槽の前記内部に配置されて、
前記一端の前記内部における高さ位置は、前記温度センサの前記内部における高さ位置とほぼ等しい、
請求項
12記載の調味液の供給装置。
【請求項14】
前記配管は、
前記貯留槽側に配置される吸入管と、
前記容器側に配置される排出管と、
前記吸入管と前記排出管との間に配置される弁と、
を備え、
前記供給制御部は、前記弁の開閉を制御することで、前記調味液の前記貯留槽から前記容器への供給を制御する、
請求項
13記載の調味液の供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調味液の温度測定装置と、調味液の供給装置と、に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食物の調理や配膳などを行う調理ロボットは、労働人口の減少を背景にして、飲食店などにおいて、導入が進められている。本願の出願人は、ラーメンなどのスープを、スープが貯留されている寸胴から、来店客に配膳される丼ぶりに供給する装置に関する発明をした(特許文献1参照)。
【0003】
ラーメンは、麺などの具材とスープなどの調味液とで構成される。ラーメンの美味しさは、調味液の温度と量とに依存する。そのため、調味液が貯留されている寸胴から丼ぶりに調味液を供給する装置は、温度センサや流量センサなどを用いて、丼ぶりに供給される調味液の温度と量とを高精度に制御する必要がある。ここで、寸胴の内部の調味液が加熱されて気泡が発生してしまうと、流量センサによる流量の計測結果に狂いが生じてしまう。その結果、丼ぶりに供給される調味液の温度と量とが目標値から外れてしまい、ラーメンの味は、所望の味とはならない。
【0004】
これまでにも、温度センサを備えた加熱調理器に関する発明は、提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2022/102107号
【文献】特開2005-116348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、貯留槽に貯留されて加熱されている調味液を、適温かつ適量で、飲食物を収容する容器に供給できる、調味液の温度測定装置と供給装置とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る調味液の温度測定装置は、貯留槽に貯留されて加熱される調味液の温度を測定する装置であって、貯留槽の内部に配置されて、貯留槽に貯留されている調味液の温度を測定する温度センサと、温度センサを保持する保持部と、貯留槽に対する温度センサの位置を調整可能にする位置調整部と、を有してなる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、貯留槽に貯留されて加熱されている調味液を、適温かつ適量で、飲食物を収容する容器に供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る調味液の供給装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。
【
図2】上記供給装置による調味液の供給経路を示す模式図である。
【
図4】上記供給装置が備える温度センサと吸入管との貯留槽の内部における位置関係を示す模式図である。
【
図5】上記供給装置が備える遮蔽板の傾きを示す模式図である。
【
図6】上記供給装置が備える保持部が上方に移動した様子を示す斜視図である。
【
図7】上記供給装置の別の実施の形態を示す斜視図である。
【
図8】上記供給装置が備える筐体における位置調整部の取付位置を示す模式図である。
【
図9】上記供給装置のさらに別の実施の形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る、調味液の温度測定装置と、調味液の供給装置と、の実施の形態は、以下に図面と共に説明される。
【0011】
以下の説明は、寸胴に貯留されて加熱されているラーメンのスープの温度を測定する温度測定装置と、寸胴に貯留されているスープを寸胴からラーメンが収容される丼ぶりに供給する供給装置と、が用いられる。すなわち、温度測定装置と供給装置とは、ラーメン店の店内の厨房に設置される。ここで、ラーメンは、本発明における飲食物の例である。ラーメンのスープは、本発明における調味液の例である。寸胴は、本発明における調味液が貯留される貯留槽の例である。丼ぶりは、飲食物を収容する容器の例である。
【0012】
なお、本発明における調味液は、ラーメンのスープに限定されない。
【0013】
●調味液の供給装置と温度測定装置の構成(1)●
図1は、本発明に係る調味液の供給装置と温度測定装置との実施の形態を示す機能ブロック図である。
【0014】
供給装置100(以下「装置100」という。)は、本発明に係る調味液の供給装置の例である。装置100は、寸胴に貯留されているスープを、所定のタイミングで、所定の量だけ、丼ぶりに供給する。
【0015】
ここで、装置100は、ラーメン店の店内に設置されている制御システム(不図示)からの制御信号に基づいて、スープを寸胴から丼ぶりに供給する。すなわち、装置100がスープを丼ぶりに供給するタイミングは、制御システムに決定される。制御システムは、例えば、来店客からの注文情報を受け付けて、同注文情報に基づいて、装置100の動作を制御する。
【0016】
装置100は、温度測定装置1と、送液部2と、流量センサ3と、供給制御部4と、配管5と、加熱装置6と、を備える。
【0017】
装置100が備える温度測定装置1(以下「装置1」という。)は、本発明に係る調味液の温度測定装置の例である。
【0018】
装置1は、寸胴に貯留されて加熱されているスープの温度を測定する。測定された温度は、寸胴内のスープの加熱制御に用いられる。
【0019】
送液部2は、寸胴に貯留されているスープを、寸胴から丼ぶりに送る。送液部2は、チュービングポンプである。
【0020】
流量センサ3は、寸胴から丼ぶりに送られるスープの流量を計測する。流量センサ3は、コリオリ式流量計である。
【0021】
なお、本発明における流量センサは、超音波流量計でもよい。
【0022】
供給制御部4は、流量センサ3により計測された流量に基づいて、スープの寸胴から丼ぶりへの供給を制御する。供給制御部4は、流量センサ3により計測された流量に基づいて、後述される弁54の開閉を制御することで、スープの寸胴から丼ぶりへの供給を制御する。供給制御部4は、PLC(Programmable Logic Controller)で動作する制御プログラムにより実現される。
【0023】
なお、本発明における供給制御部は、PLCで動作する制御プログラムに限られない。すなわち、供給制御部は、後述される弁54の開閉の制御を実現できるものであればよく、例えば、マイクロコンピュータ(マイコン)やFPGA (Field Programmable Gate Array)で動作する制御プログラムにより実現されてもよい。
【0024】
配管5は、寸胴から丼ぶりに供給されるスープが通過する。配管5は、吸入管51と、排出管52と、返還管53と、弁54と、を備える。
【0025】
吸入管51は、送液部2により吸い上げられる寸胴内のスープが通過する管である。吸入管51の一端は、寸胴内に配置される。吸入管51の他端は、弁54に接続される。吸入管51を通過するスープの流量は、流量センサ3により計測される。
【0026】
排出管52は、弁54を通過したスープが通過する管である。排出管52の一端は、弁54に接続される。排出管52の他端は、丼ぶりの近傍に配置される。排出管52を通過したスープは、丼ぶりに供給される。
【0027】
返還管53は、吸入管51を通過したスープのうち、弁54を通過しないスープが通過する管である。返還管53の一端は、弁54に接続する。返還管53の他端は、寸胴内に配置される。返還管53を通過したスープは、寸胴に供給される(戻される)。
【0028】
弁54は、吸入管51と、排出管52または返還管53と、の間の接続を切替える。すなわち、弁54は、吸入管51と排出管52との接続、または、吸入管51と返還管53との接続、を切替える。弁54は、ピンチバルブである。
【0029】
加熱装置6は、寸胴に貯留されているスープを加熱する。加熱装置6は、IH(Induction Heating)ヒータである。加熱装置6は、加熱部61と、加熱制御部62と、記憶部63と、操作部64と、を備える。
【0030】
加熱部61は、寸胴に貯留されているスープを誘導加熱する。加熱部61は、磁性体である寸胴(金属製)の底面を加熱する加熱コイルを備える。すなわち、寸胴の底面が加熱コイルにより加熱されることで、寸胴に貯留されているスープは、加熱される。
【0031】
加熱制御部62は、寸胴に貯留されているスープの温度が、所定の温度(上限温度:例えば100℃)を超過することなく、所定の温度(目標温度:例えば95℃)に収束するように、加熱部61の加熱出力を制御する。すなわち、加熱制御部62は、加熱部61の加熱コイルへの電流の供給を制御(PID制御)する。つまり、加熱制御部62は、加熱コイルへの電流の供給のオン・オフや、供給される電流の電流値、などを決定する。加熱制御部62は、マイクロコンピュータで動作するコンピュータプログラムにより実現される。加熱制御部62は、装置1に測定された温度や、記憶部63に記憶されている目標温度や、PID制御の調整パラメータなどに基づいて、加熱部61の加熱出力を制御する。
【0032】
ここで、目標温度は、例えば、スープの沸点や、スープの種類や、寸胴に貯留されているスープの量や、装置100が設置される厨房内の室温の推移、などに基づいて、ユーザにより設定される。目標温度は、スープの沸点(上限温度)よりも低い。
【0033】
また、寸胴に貯留されているスープの温度は、加熱制御部62によるPID制御により、目標温度に収束する。寸胴に貯留されているスープの温度が目標温度に収束する態様は、例えば、目標温度を超えないように(いわゆるオーバーシュートしないように)目標温度に収束する態様や、たとえ目標温度を超えたとしても上限温度を超えないように目標温度に収束する態様である。
【0034】
記憶部63は、加熱装置6の動作に必要な情報を記憶する。記憶部63に記憶される情報は、目標温度と、加熱制御部62によるPID制御の調整パラメータと、を含む。
【0035】
なお、本発明における記憶部は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどの可搬記憶媒体その他の非一時的な記録媒体や、RAM(Random Access Memory)その他の一時的な記録媒体、などである。
【0036】
操作部64は、加熱装置6の動作に必要な操作情報を、装置100のユーザ(ラーメン店の店員)から受け付ける。ユーザは、操作部64を操作して、装置100を動作させる。ユーザは、例えば、記憶部63に記憶されている目標温度を変更したいとき、操作部64から変更後の目標温度を入力する。操作部64は、タッチパネルで構成される。
【0037】
●調味液の温度測定装置の構成
【0038】
装置1は、温度センサ11と、保持部12と、筐体13と、遮蔽板14と、位置調整部15と、を備える。
【0039】
温度センサ11は、寸胴の内部に配置されて、寸胴に貯留されているスープの温度を測定する。温度センサ11は、金属シース内に一対の熱電対線が収容されたシース熱電対(例えば、K型熱電対やT型熱電対)である。
【0040】
保持部12は、温度センサ11を保持する。保持部12の構成の詳細は、後述される。
【0041】
筐体13は、寸胴に貯留されているスープを加熱する加熱装置6を収容する。
【0042】
遮蔽板14は、寸胴の上方に配置される。遮蔽板14の詳細は、後述される。
【0043】
位置調整部15は、寸胴に対する温度センサ11の位置を調整可能にする。
位置調整部15は、レール部16と、位置固定部17と、ストッパ18と、を備える。
【0044】
レール部16(例えば、スガツネ工業株式会社製のアルミフレームFSL-L型)は、温度センサ11が貯留槽の内部と外部との間で進退可能となるように、保持部12を移動させる。
【0045】
位置固定部17(例えば、スガツネ工業株式会社製のフリースライドロックFSL-V36)は、レール部16に対する保持部12の位置を固定する。位置固定部17は、レール部16のレール内に配置されるスライド部と、スライド部のレール内での移動の規制を操作する規制操作部とを備える。ユーザが規制操作部を操作して、スライド部のレール内での移動が可能となると、位置固定部17は、レール部16のレールに沿って移動可能となる。ユーザが規制操作部を操作して、スライド部のレール内での移動が不可能となると、位置固定部17は、レール部16のレールに沿って移動不可能となる。
【0046】
ここで、位置固定部17は、保持部12と連結する。すなわち、位置固定部17の規制操作部が操作されて、位置固定部17がレール部16のレールに沿って移動すると、保持部もレール部16のレールに沿って移動する。
また、前述のとおり、保持部12は、温度センサ11を保持する。すなわち、位置固定部17の規制操作部が操作されて、位置固定部17がレール部16のレールに沿って移動すると、温度センサ11もレール部16のレールに沿って移動する。
【0047】
ストッパ18(例えば、スガツネ工業株式会社製のストッパFSL-S4)は、位置固定部17のスライド部が当接可能となるように、レール部16のレール内に配置される。ストッパ18は、レールの両端それぞれに配置される。すなわち、ストッパ18は、レールに沿って移動可能な位置固定部17の移動範囲を規定する。
【0048】
ここで、レール部16のレールに沿って移動可能な位置固定部17の移動方向は、垂直方向(後述される
図3の紙面上下方向)である。すなわち、レールの一端(上端)に配置されたストッパ18は、位置固定部17の上限位置を規定して、レールの他端(下端)に配置されたストッパ18は、位置固定部17の下限位置を規定する。つまり、ストッパ18は、位置固定部17に連結する温度センサ11や吸入管51の上限位置と下限位置とを規定する。換言すれば、ユーザは、位置固定部17がストッパ18に当接するまで位置固定部17を移動させることで、位置固定部17に連結する温度センサ11や吸入管51を、垂直方向の所定の位置に位置決めできる。
【0049】
なお、以下の説明において、レールの上端に配置されたストッパ18は、レールのエンドキャップ(例えば、スガツネ工業株式会社製のエンドキャップFSL-EC)である。
【0050】
●調味液の供給装置の供給経路●
図2は、装置100によるスープの供給経路を示す模式図である。
同図は、寸胴7に貯留されているスープが、送液部2に吸引されて、吸入管51と弁54と排出管52とを通過して、丼ぶり8に供給されることを示す。
【0051】
同図は、流量センサ3が吸引管51を通過するスープの流量を計測して、計測結果(流量を示す信号)が供給制御部4に出力されることを示す。同図は、供給制御部4が、流量センサ3に計測された流量に基づいて、弁54の開閉を制御することを示す。弁54が開くと、吸入管51からのスープは、排出管52を通過する。弁54が閉じると、吸入管51からのスープは、返還管53を通過して、寸胴7に戻る。
【0052】
同図は、温度センサ11に測定された寸胴7に貯留されているスープの温度の測定結果(温度を示す信号)が加熱制御部62に出力されることを示す。同図は、加熱制御部62が、温度センサ11からの測定結果や、記憶部63に記憶されている情報(上限温度や目標温度)などに基づいて、加熱部61の加熱出力を制御することを示す。同図は、加熱部61が寸胴7の底部(底面)の外側を加熱して、寸胴7の内部のスープを加熱することを示す。
【0053】
ここで、上限温度は、スープの沸点である。目標温度は、上限温度よりも低い温度であり、丼ぶりに収容されて来店客に提供されるラーメンが所望の味となる温度である。
【0054】
加熱制御部62は、記憶部63に記憶されている温度センサ11に測定された寸胴7内のスープの温度の推移に基づいて、寸胴7内のスープの温度が上限温度を超過しないように、加熱部61の加熱出力を制御する。ここで、後述のとおり、温度センサ11は、寸胴7内で最も高温となる位置の温度を測定する。すなわち、加熱制御部62は、寸胴7内のスープが沸騰して気泡が発生することのないように、寸胴7内のスープの加熱を実現する。その結果、流量センサ3は、正確な流量を計測できる。
【0055】
加熱制御部62は、記憶部63に記憶されている温度センサ11に測定された寸胴7内のスープの温度の推移に基づいて、寸胴7内のスープの温度が目標温度になるように、加熱部61の加熱出力を制御する。
すなわち、加熱制御部62は、温度センサ11に測定された温度が目標温度よりも低いとき、寸胴7内のスープの温度が上昇するように、加熱部61の加熱出力を上げる。
一方、加熱制御部62は、温度センサ11により測定された温度が目標温度よりも高いとき、あるいは、現在の加熱部61の加熱出力で加熱を継続すると温度センサ11により測定される温度が目標温度よりも高くなると予想されるとき、寸胴7内のスープの温度が下降、あるいは、上昇の速度が遅れるように、加熱部61の加熱出力を下げる。
【0056】
このように、加熱制御部62は、寸胴7が配置された厨房内の気温や寸胴7へのスープの補給など、寸胴7内のスープの温度を変動させる要因があったとしても、寸胴7内のスープの温度が上限温度を超過することなく、目標温度に収束するように、加熱部61の加熱出力を制御する。
【0057】
●調味液の供給装置の使用例●
図3は、装置100の斜視図である。
【0058】
同図は、筐体13に収容されている加熱装置6の加熱部61に、寸胴7が配置されていることを示す。筐体13は、加熱部61の表面を覆う不図示の耐熱ガラス(例えば、日本電気硝子株式会社製のフェアライト(登録商標))を備える。寸胴7の底面は、耐熱ガラスの表面に載置される。
【0059】
同図は、遮蔽板14が孔14hを備えることを示す。孔14hは、寸胴7を装置100に載置したままで、補給用のスープを寸胴7に補給可能とする孔である。
すなわち、ユーザは、寸胴7の開口を覆う蓋(2分割された蓋71と蓋72とのうち、蓋71)を寸胴7から取り外す。孔14hは、蓋71が取り外された寸胴7の開口の一部の上方に位置する。
次いで、ユーザは、孔14hに漏斗を挿入する。漏斗は、孔14hに配置される。
次いで、ユーザは、孔14hに挿入された漏斗の上方から、補給用のスープ(補給用の寸胴に貯留されている)を漏斗に流し込む。漏斗に流し込まれた補給用のスープは、漏斗と寸胴7の開口とを通過して、寸胴7の内部に供給される。
次いで、ユーザは、スープの補給が完了すると、寸胴7の開口を蓋71で覆い、漏斗を孔14hから取り外す。
【0060】
なお、本発明において、遮蔽板は、漏斗が挿入される孔を備えていなくてもよい。この場合、例えば、ユーザは、蓋71を寸胴7の開口から取り外して、補給用のスープを、蓋71で覆われていた寸胴7の開口の一部から、寸胴7の内部に、直接、流し込む。
【0061】
同図は、継手51Cと継手53Cとが遮蔽板14に配置されていることを示す。
継手51Cは、吸入管51の一部を構成する。寸胴7の内部に配置された吸入管51の一端は、継手51Cに接続する。保持部12に収容されている送液部2に連結する吸入管(不図示)の一端は、継手51Cに接続する。
継手53Cは、返還管53の一部を構成する。寸胴7の内部に配置された返還管53の一端は、継手53Cに接続する。弁54に接続されている返還管(不図示)の一端は、継手53Cに接続する。
【0062】
同図は、信号線11Lがレール部16の内部に挿通されていることを示す。
信号線11Lは、温度センサ11に測定された寸胴7に貯留されているスープの温度に応じた信号を、加熱制御部62に送信する。信号線11Lの一端は、寸胴7の内部に配置されている温度センサ11に接続する。信号線11Lの他端は、筐体13に収容されている加熱制御部62に接続する。すなわち、寸胴7の内部に貯留されたスープの温度は、寸胴7の内部に配置された信号線11Lの一端側の温度(T1)と、加熱制御部62に接続されている信号線11Lの他端側の温度(T2)と、の温度差(T1-T2)に応じて生ずる熱起電力の大きさに基づいて、測定される。
【0063】
同図は、筐体13の側面S1に取付箇所P1(図中の破線で囲まれた領域)が配置されていることを示す。
取付箇所P1は、レール部16が筐体13に取り付けられる箇所である。同図は、レール部16を筐体13に取り付けるボルト6個が、側面S1の取付箇所P1に配置されていることを示す。筐体13は、レール部16が取り付けられる箇所として、2箇所を備える。取付箇所P1は、本発明における第1取付箇所である。ユーザは、装置100が設置される厨房のレイアウト(厨房内の設備の向きや形状、厨房内の店員の動線、など含む)などに応じて、筐体13の2箇所(P1,P2)のいずれか一方を、レール部16が取り付けられる箇所として選択する。なお、同図は、レール部16が筐体13の第2取付箇所(
図8のP2)に取り付けられた場合を示す。
【0064】
図4は、温度センサ11の測温部と、吸入管51の吸入口と、の寸胴7の内部における位置関係を示す模式図である。
【0065】
同図は、温度センサ11と吸入管51それぞれの下端の高さ方向(紙面上下方向)の位置が、破線L1で示される位置で一致していることを示す。温度センサ11は、温度センサ11の下端の近傍で測温する。つまり、温度センサ11の測温部は、温度センサ11の下端に配置される。吸入管51は、吸入管51の下端からスープを吸引する。つまり、吸入管51の吸入口は、吸入管51の下端に配置される。
【0066】
寸胴7に貯留されているスープの温度は、加熱部61に近い寸胴7の底面7Bに近いスープほど高温である。すなわち、温度センサ11は、寸胴7に貯留されているスープのうち、吸入管51から吸引されて丼ぶりに供給されるスープの温度に近い温度を測定する。
【0067】
ここで、前述のとおり、温度センサ11や吸入管51の垂直方向(
図3の紙面上下方向)の位置は、ユーザによる位置調整部15の操作により、位置決め可能である。すなわち、ユーザは、丼ぶり8に供給できるように寸胴7に貯留されているスープが加熱されているとき、位置固定部17がレール部16の下端に配置されたストッパ18に当接するまで、位置固定部17を操作して、位置固定部17を下方に移動させて、レール部16に対する位置固定部17の位置を固定しておく。その結果、温度センサ11や吸入管51の下端は、寸胴7の内部で最も高温になる寸胴7の底面7Bの内面(寸胴7の内側の面)の近傍(例えば、底面7Bの内面から5mm上方)に位置決めされる。
【0068】
同図は、温度センサ11が有底円筒状の寸胴7の底面7Bの半径rの中間の位置(底面7Bの中心点からr/2の位置)に配置されていることを示す。温度センサ11の底面7Bの半径方向の位置は、前述の温度センサ11の垂直方向の位置と同様、位置調整部15により位置決めされる。換言すれば、温度センサ11は、底面7Bの半径方向の所定の位置に位置決めされるように、遮蔽板14に取り付けられている。
【0069】
ここで、底面7Bの半径rの中間の位置は、寸胴7の内部で最も高温になる位置である。底面7Bの半径方向における、寸胴7の内部で最も高温になる位置は、加熱部61の構成(コイルの配置など)や、寸胴7の加熱部61への載置位置などに基づいて、決まる。
【0070】
図5は、遮蔽板14の傾きを示す模式図である。
同図は、遮蔽板14が水平(図中の破線L2が示す方向)に対して斜めに配置されることを示す。遮蔽板14は、温度センサ11が寸胴7の内部に配置されているとき、寸胴7の上方に配置される。寸胴7に貯留されているスープの一部は、加熱部61に加熱されて蒸気となる。蒸気は、寸胴7の上方に昇り、遮蔽板14の裏面(紙面下側の面)に当たる。遮蔽板14に当たった蒸気は、結露水となる。結露水は、遮蔽板14が水平方向に対して斜めに配置されているため、遮蔽板14の下面に沿って(紙面右方向に)移動して、寸胴7の外側に落下する。
【0071】
このように、遮蔽板14は、寸胴7のスープの蒸気が遮蔽板14に当たって結露したとき、その結露水が寸胴7に混入させない。遮蔽板14の水平に対する傾きの角度や、遮蔽板14の大きさなどは、同結露水が寸胴7に混入しないように設定される。
【0072】
なお、遮蔽板14は、遮蔽板14の上方に配置される保持部12に収容されているモータ(後述の攪拌器を駆動させる)のオイルが保持部12から漏れ出て、寸胴7の内部への混入も防止する。つまり、遮蔽板14は、寸胴7の内部への異物の混入を防止する。
【0073】
図6は、装置100の斜視図である。
同図は、保持部12がレール部16に沿って上方に移動した様子を示す。
ユーザは、例えば、装置100で加熱していた寸胴7を交換する場合、寸胴7の内部に配置されている温度センサ11、吸入管51、返還管53、撹拌器SBを、寸胴7の外部に移動させた後に、筐体13にされている寸胴7を、装置100から取り出す。撹拌器SBは、寸胴7の内部に配置されて、寸胴7に貯留されているスープを攪拌するプロペラ羽を備える。プロペラ羽は、攪拌器SBの下端に配置される。
【0074】
ここで、前述のとおり、ユーザは、位置固定部17(不図示)がレール部16の上端に配置されたストッパ18(不図示)に当接するまで、位置固定部17を操作して、位置固定部17を上方に移動させて、レール部16に対する位置固定部17の位置を固定する。その結果、寸胴7の内部に配置されていた、温度センサ11や吸入管51や返還管53や攪拌器SBは、寸胴7の外部に退避される。その後、ユーザは、寸胴7を装置100から取り出しやすくなる。
【0075】
また、前述のとおり、ユーザは、新たな寸胴7を装置100に設置(筐体13に載置)する。その後、ユーザは、位置固定部17がレール部16の下端に配置されたストッパ18に当接するまで、位置固定部17を操作して、位置固定部17を下方に移動させて、レール部16に対する位置固定部17の位置を固定する。その結果、温度センサ11や吸入管51の下端は、寸胴7の内部の所定の位置に位置決めされる。
【0076】
図7は、本発明に係る供給装置の別の実施の形態を示す斜視図である。
同図は、前述のとおり、レール部16が筐体13の側面S1の第1取付位置(P1、
図3参照)に取り付けられていることを示す。
【0077】
図8は、筐体13におけるレール部16の取付位置を示す、筐体13の平面視の模式図である。
【0078】
同図は、筐体13が第1面S1と第2面S2とを備えること、第1取付箇所P1は第1面S1に配置されること、第2取付箇所P2は第2面S2に配置されること、を示す。同図は、第1取付箇所P1と第2取付箇所P2とが、筐体の平面視における加熱部61(加熱装置6)の配置を介して対向する位置に配置されることを示す。なお、同図において、第1取付箇所P1と第2取付箇所P2とは、説明の便宜上、黒丸で示されている。
【0079】
同図は、筐体における加熱部61(加熱装置6)の配置位置が、第1取付位置P1と第2取付位置P2とを結ぶ仮想線L3上であることを示す。
【0080】
●調味液の供給装置と温度測定装置の構成(2)●
図9は、本発明に係る調味液の供給装置と温度測定装置との別の実施の形態を示す供給装置の斜視図である。
【0081】
供給装置200(以下「装置200」という。)は、本発明に係る調味液の供給装置の別の実施の形態の例である。装置200は、温度測定装置を構成する保持部120が装置1を構成する保持部12と異なる点で、装置100と相違する。
【0082】
同図は、温度センサ11を保持する保持部120が位置固定部17に連結していることを示す。同図は、保持部120が、保持部12と異なり、板状であることを示す。同図は、保持部120が温度センサ11のみを保持している。換言すれば、保持部120は、前述の保持部12と異なり、配管の一部を構成する継手(
図3の継手51C,53C)や、攪拌器(
図6の攪拌器SB)を保持していない。
【0083】
このように、本発明に係る調味液の温度測定装置は、温度センサ11を寸胴7の内部と外部とを進退可能にする温度センサ11を保持する保持部と、寸胴7に対する温度センサ11の位置を調整可能にする位置調整部と、を備えていればよい。同保持部は、温度センサ11の他に、別の部材(例えば、前述の継手や攪拌器)を保持していてもよいし、保持しなくてもよい。
【0084】
●まとめ●
以上説明された実施の形態によれば、位置調整部15は、温度センサ11の測温部を、寸胴7内で最も高温となる位置に位置決めできる。温度センサ11の測温部は、位置固定部17がストッパ18に当接するまで、ユーザが位置固定部17を下方に移動させることで、所望の位置に位置決めされる。つまり、温度センサ11の位置決めは、容易に実現される。
【0085】
そのため、加熱制御部62は、寸胴7内のスープの温度が上限温度を超過することなく、目標温度に収束するように、寸胴7内のスープの加熱を実現する。その結果、流量センサ3は、正確な流量を計測できる。
また、温度センサ11の測温部は、寸胴7内において、吸入管51の吸入口と同じ高さ位置に配置される。すなわち、温度センサ11は、寸胴7に貯留されているスープのうち、吸入管51から吸引されて丼ぶりに供給されるスープの温度に近い温度を測定する。
よって、装置1や装置100・200は、寸胴7に貯留されて加熱されているスープを、適温かつ適量で、丼ぶりに供給できる。
【0086】
さらに、寸胴7の内部に配置される温度センサ11などは、位置固定部17がストッパ18に当接するまで、ユーザが位置固定部17を上方に移動させることで、所望の位置、つまり、寸胴7を交換するときに温度センサ11などが邪魔にならない位置に位置決めされる。
よって、装置1や装置100・200は、寸胴7の交換や、装置1や装置100・200の清掃など、ユーザによる使用を容易にする。
【0087】
さらにまた、温度センサ11は、寸胴7の外部ではなく、寸胴7の内部に配置される。温度センサ11が寸胴7の内部に配置されることで、温度センサ11は、寸胴7の内部に貯留されているスープの温度を、直接、測定できる。
ここで、仮に、温度センサ11が寸胴7の外部に配置されている場合、温度センサ11に測定される温度は、寸胴7の内部に貯留されているスープの温度と異なる。すなわち、寸胴7の内部に配置された温度センサ11によるスープの温度の測定の応答性は、寸胴7の外部に配置された温度センサ11によるスープの温度の測定の応答性より、良好である。換言すれば、寸胴7の内部に配置された温度センサ11を用いた加熱制御部62によるスープの温度制御の精度は、寸胴7の外部に配置された温度センサ11を用いた加熱制御部62によるスープの温度制御の精度よりも高い。
【0088】
●本測定装置と本供給装置との特徴●
これまでに説明された本発明に係る調味液の温度測定と供給装置との主な特徴は、以下にまとめて記載される。
【0089】
●調味液の温度測定装置の特徴
【0090】
本発明に係る調味液の温度測定装置は、
貯留槽(例えば、寸胴7)に貯留されて加熱される調味液(例えば、ラーメンのスープ)の温度を測定する装置(例えば、装置100・200)であって、
前記貯留槽の内部に配置されて、前記貯留槽に貯留されている前記調味液の温度を測定する温度センサ(例えば、温度センサ11)と、
前記温度センサを保持する保持部(例えば、保持部12・120)と、
前記貯留槽に対する前記温度センサの位置を調整可能にする位置調整部(例えば、位置調整部15)と、
を有してなる、
ことを特徴とする。
【0091】
本発明に係る調味液の温度測定装置において、
前記位置調整部は、
前記温度センサが前記貯留槽の前記内部と外部との間で進退可能となるように、前記保持部を移動させるレール部(例えば、レール部16)と、
前記レール部に対する前記保持部の位置を固定する位置固定部(例えば、位置固定部17)と、
を備えてもよい。
【0092】
本発明に係る調味液の温度測定装置において、
前記レール部は、
前記貯留槽に対する前記温度センサの位置を位置決めするストッパ(例えば、ストッパ18)、
を備えてもよい。
【0093】
本発明に係る調味液の温度測定装置は、
前記レール部が取り付けられる筐体(例えば、筐体13)、
を有してなり、
前記筐体は、前記レール部が取り付けられる取付箇所を備え、
前記取付箇所は、
第1取付箇所(例えば、第1取付箇所P1)と、
第2取付箇所(例えば、第2取付箇所P2)と、
を含んでもい。
【0094】
本発明に係る調味液の温度測定装置は、
前記筐体は、前記貯留槽の前記内部の前記調味液を加熱する加熱装置(例えば、加熱装置6)を収容し、
前記第1取付箇所と前記第2取付箇所とは、前記筐体の平面視における前記加熱装置の配置位置を介して対向する位置(例えば、第1面S1と第2面S2)に配置されてもよい。
【0095】
本発明に係る調味液の温度測定装置において、
前記筐体における前記加熱装置の前記配置位置は、前記第1取付箇所と前記第2取付箇所とを結ぶ仮想線(例えば、仮想線L3)上でもよい。
【0096】
本発明に係る調味液の温度測定装置は、
前記貯留槽の上方に配置される遮蔽板(例えば、遮蔽板14)、
を有してなり、
前記温度センサが前記貯留槽の前記内部に配置されているとき、前記遮蔽板は水平に対して斜めに配置されてもよい。
【0097】
本発明に係る調味液の温度測定装置において、
前記温度センサが前記貯留槽の前記内部に配置されているとき、
前記保持部は、前記遮蔽板の上方に配置されて、
前記温度センサは、前記遮蔽板の下方に配置されてもよい。
【0098】
本発明に係る調味液の温度測定装置において、
前記遮蔽板は、
前記貯留槽に補給される補給液が通過する漏斗が配置される孔(例えば、孔14h)、
を備えてもよい。
【0099】
●調味液の供給装置の特徴
【0100】
本発明に係る調味液の供給装置は、
飲食物(例えば、ラーメン)に含まれる調味液(例えば、スープ)を前記飲食物が収容される容器(例えば、丼ぶり8)に供給する装置であって、
前記調味液が貯留される貯留槽(例えば、寸胴7)から前記容器に前記調味液を送る送液部(例えば、送液部2)と、
前記貯留槽から前記容器に送られる前記調味料の流量を計測する流量センサ(例えば、流量センサ3)と、
前記流量センサに計測された前記流量に基づいて、前記調味液の前記貯留槽から前記容器への供給を制御する供給制御部(例えば、供給制御部4)と、
前記貯留槽に貯留されている前記調味液を加熱する加熱装置(例えば、加熱装置6)と、
前記貯留槽に貯留されている前記調味液の温度を測定する温度測定装置(例えば、装置1)と、
を有してなり、
前記温度測定装置は、本発明に係る調味液の温度測定装置である、
ことを特徴とする。
【0101】
本発明に係る調味液の供給装置において、
前記加熱装置は、
前記貯留槽に貯留されている前記調味液を加熱する加熱部(例えば、加熱部61)と、
前記加熱部の加熱出力を制御する加熱制御部(例えば、加熱制御部62)と、
を備え、
前記加熱制御部は、前記温度測定装置により測定された前記温度の推移に基づいて、前記加熱出力を制御してもよい。
【0102】
本発明に係る調味液の供給装置において、
前記加熱装置は、
前記貯留槽に貯留されている前記調味液の目標温度(例えば、95℃)を記憶する記憶部(例えば、記憶部63)、
を備え、
前記目標温度は、前記調味液の沸点よりも低く、
前記加熱制御部は、前記温度測定装置により測定された前記温度が、前記目標温度に収束するように、前記加熱出力を制御してもよい。
【0103】
本発明に係る調味液の供給装置において、
前記加熱部は、前記貯留槽の底部(例えば、寸胴7の底面7B)の外側を加熱し、
前記温度センサの測温部の前記貯留槽の前記内部における高さ位置は、前記貯留槽の前記底部の内側の近傍でもよい。
【0104】
本発明に係る調味液の供給装置において、
前記貯留槽に貯留されている前記調味液が通過する配管(例えば、配管5)、
を有してなり、
前記配管の一端は、前記貯留槽の前記内部に配置されて、
前記一端の前記内部における高さ位置は、前記温度センサの前記内部における高さ位置とほぼ等しくてもよい。
【0105】
本発明に係る調味液の供給装置において、
前記配管は、
前記貯留槽側に配置される吸入管(例えば、吸入管51)と、
前記容器側に配置される排出管(例えば、排出管52)と、
前記吸入管と前記排出管との間に配置される弁(例えば、弁54)と、
を備え、
前記供給制御部は、前記弁の開閉を制御することで、前記調味液の前記貯留槽から前記容器への供給を制御してもよい。
【符号の説明】
【0106】
1 調味液の温度測定装置
11 温度センサ
12 保持部
13 筐体
14 遮蔽板
15 位置調整部
16 レール部
17 位置固定部
18 ストッパ
2 送液部
3 流量センサ
4 供給制御部
5 配管
51 吸入管
52 排出管
53 返還管
54 弁
6 加熱装置
61 加熱部
62 加熱制御部
63 記憶部
64 操作部
7 貯留槽
8 容器
100 調味液の供給装置
200 調味液の供給装置