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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-02
(45)【発行日】2025-06-10
(54)【発明の名称】流動飲食品用キットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/00 20060101AFI20250603BHJP
   A23B 2/80 20250101ALI20250603BHJP
   A23L 2/02 20060101ALI20250603BHJP
   A23L 2/38 20210101ALI20250603BHJP
【FI】
A23L2/00 W
A23B2/80 A
A23L2/02 A
A23L2/02 E
A23L2/38 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023176371
(22)【出願日】2023-10-12
(65)【公開番号】P2025066857
(43)【公開日】2025-04-24
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】516366489
【氏名又は名称】プライムデリカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100110973
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 洋
(72)【発明者】
【氏名】池邉 祐臣
(72)【発明者】
【氏名】樫本 優香
【審査官】三須 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-017274(JP,A)
【文献】特開昭63-258570(JP,A)
【文献】特開昭61-012253(JP,A)
【文献】米国特許第04507326(US,A)
【文献】特表昭57-500962(JP,A)
【文献】特開平01-095758(JP,A)
【文献】「世界のウェブアーカイブ|お店で作る!スムージー|セブンイレブン~近くて便利~」, [online],2023年08月13日,[令和6年12月24日検索]、インターネット<URL: https://web.archive.org/web/20230813145915/https://www.sej.co.jp/products/smoothie.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A23B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍果実および冷凍野菜の内の少なくとも一種と、調味用組成物を冷凍した冷凍ブロック状成形体とを含む流動状飲食品用の複数種の冷凍物をカップに包含するキットを製造する方法であって、
冷蔵装置内で、液状の前記調味用組成物を第1の温度で冷却する冷却工程と、
前記冷却工程を経て固体と液体とが入り混じりシャーベット状となった前記調味用組成物を、成形装置内にて成形する成形工程と、
前記成形工程で得られた成形体を、カッターによってブロック状にカットするカット工程と、
冷凍装置内で、前記カット工程で得られたブロック状成形体を前記第1の温度より低い第2の温度で冷凍する冷凍工程と、
前記冷凍果実および冷凍野菜の内の少なくとも一種と、前記冷凍工程を経た前記冷凍ブロック状成形体とを前記カップ内に入れる投入工程と、
を含み、
前記第2の温度は、-100℃以上-60℃以下の範囲であり、
前記投入工程は、前記冷凍ブロック状成形体を先に前記カップに入れ、次に、前記冷凍果実および冷凍野菜の内の少なくとも一種を前記冷凍ブロック状成形体の上に入れる工程であり、
前記冷却工程の後、シャーベット状の前記調味用組成物を第1分配部に導き、前記第1分配部内の攪拌機による攪拌により、前記第1分配部に接続される複数のチューブへと強制的に分配輸送した後に前記成形工程を行うことを特徴とする流動飲食品用キットの製造方法。
【請求項2】
前記第1分配部からの前記複数のチューブに分配輸送されたシャーベット状の前記調味用組成物をそれぞれ第2分配部に導き、前記第2分配部内の攪拌機による攪拌により、前記第2分配部に接続される複数のチューブへと強制的に分配輸送した後に前記成形工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の流動飲食品用キットの製造方法。
【請求項3】
前記冷凍工程は、前記ブロック状成形体に液体窒素または液体窒素で冷された気体を吹きかけて硬度を増大させる工程であることを特徴とする請求項1または2に記載の流動飲食品用キットの製造方法。
【請求項4】
前記冷凍装置はトンネルを備え、
前記ブロック状成形体を前記トンネルの入口から出口に向けて移動する間に、前記トンネル内に前記液体窒素または前記液体窒素で冷された気体を導入して、前記冷凍工程を行うことを特徴とする請求項に記載の流動飲食品用キットの製造方法。
【請求項5】
前記カット工程は、前記成形工程で得られた前記成形体を立方体または直方体の形状にカットする工程であることを特徴とする請求項1または2に記載の流動飲食品用キットの製造方法。
【請求項6】
前記成形工程は、細長いレール状の前記成形体を連続成形する工程であり、
前記カット工程は、細長いレール状の前記成形体を連続してカットする工程であることを特徴とする請求項1または2に記載の流動飲食品用キットの製造方法。
【請求項7】
前記成形装置は間欠押出機を備え、
前記成形工程は、前記間欠押出機の動作により、カット位置に向けて、シャーベット状となった前記調味用組成物または細長いレール状の前記成形体を間欠的に押し出す工程とし、
前記カット工程は、間欠的に押し出す工程を経て作製された前記成形体をカットする工程であることを特徴とする請求項1または2に記載の流動飲食品用キットの製造方法。
【請求項8】
前記調味用組成物のBrix値は16%以上22%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の流動飲食品用キットの製造方法。
【請求項9】
前記調味用組成物は蜂蜜を含むことを特徴とする請求項に記載の流動飲食品用キットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動飲食品用の複数種の凍結物を封入した流動飲食品用キットに関する。
【背景技術】
【0002】
果実および/または野菜を手軽に飲食可能な食品の一つにスムージーと称する食品が知られている。スムージーは、咀嚼を必要とせずに短時間で飲用可能であることから、子供から高齢者まで様々な年代の消費者に人気の食品の一種である。スムージーの一つとして、例えば、カップ内のスムージーをそのまま凍結した冷凍スムージーと称するカップ製品が知られている。消費者は、当該カップ製品を電子レンジ等の加熱手段を使用して加熱してカップの内の冷凍スムージーを解凍後に、スムージーを飲むことができる(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
また、上記冷凍スムージー以外の形態を持つスムージーとして、果実および/野菜のブロック状凍結物と調味用組成物のブロック状凍結物をカップ内に封入した製品も知られている(例えば、特許文献2を参照。)。その製品を購入した消費者は、例えば、スムージーを作るための専用マシンを設置している店舗において、当該カップの蓋を開けて専用マシンにカップをセットすることにより、カップ内の上記複数種のブロック状凍結物を破砕してスムージーを作り、飲むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-202028号公報
【文献】特開2019-017274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来から公知の上述のスムージー様食品(以後、「流動飲食品」ということもある。)は、例えば家庭で果実および/野菜をカットしてミキサー内にそれらカット物を入れて破砕することで流動飲食品を作ることに比べて、より手軽に飲用可能とする点で優れた食品である。しかし、消費者の中には、さらなる改良を求める声もある。第1の改良点は、冷たいスムージー様食品を確実に作ることである。冷凍スムージー様食品を電子レンジ等で加熱する場合には、加熱する時間や温度等の条件を誤ると、部分的または全体的に少し温まった状態のスムージー様食品が出来上がる。専用マシンによってブロック状凍結物を破砕してスムージー様食品を作る場合には、温まったスムージー様食品が出来上がるという問題は解消できる。
【0006】
しかし、本発明者らは、複数種のブロック状凍結物を封入したカップ製品を製造して納品する過程において第2の改良点を見出した。当該カップ製品の流通過程で、調味用組成物のブロック状凍結物がわずかに解凍して液状化し、その後、再凍結することがある。このような状況が発生すると、店舗のアイスボックス内に配置されたカップ製品の底に調味用組成物が再凍結して塊となった状態になり、商品としての見栄えが悪くなる。加えて、専用マシンを使用して各種ブロック状凍結物を破砕する際、カップの底に溜まった再凍結物を十分に破砕できずに、スムージー様食品の食感および味の両方の低下を招く虞がある。
【0007】
本発明は、上記の改良点を考慮して完成したものであり、冷たい流動飲食品を容易に作ることができ、商品としての見栄え、流動飲食品の食感および味を共に高めることのできる流動飲食品用キットの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成するために、調味用組成物のブロック状凍結物の製造工程に着目した。その結果、当該ブロック状凍結物の製造工程において、調味用組成物を比較的低硬度に凍結させてカットして成形する工程と、カットされて見栄えの良い成形物をそのまま高硬度に凍結させる工程とを行うことで、上記目的を達成できるという知見を得て本発明を完成した。具体的な手段は、以下の通りである。
【0009】
(1)上記目的を達成するための一実施形態に係る流動飲食品用キットの製造方法は、
冷凍果実および冷凍野菜の内の少なくとも一種と、調味用組成物を冷凍した冷凍ブロック状成形体とを含む流動状飲食品用の複数種の冷凍物をカップに包含するキットを製造する方法であって、
冷蔵装置内で、液状の前記調味用組成物を第1の温度で冷却する冷却工程と、
前記冷却工程を経て固体と液体とが入り混じりシャーベット状となった前記調味用組成物を、成形装置内にて成形する成形工程と、
前記成形工程で得られた成形体を、カッターによってブロック状にカットするカット工程と、
冷凍装置内で、前記カット工程で得られたブロック状成形体を前記第1の温度より低い第2の温度で冷凍する冷凍工程と、
前記冷凍果実および冷凍野菜の内の少なくとも一種と、前記冷凍工程を経た前記冷凍ブロック状成形体とを前記カップ内に入れる投入工程と、
を含む。
(2)別の実施形態に係る流動飲食品用キットの製造方法において、好ましくは、前記冷凍工程は、前記ブロック状成形体に液体窒素または液体窒素で冷された気体を吹きかけて硬度を増大させる工程であってもよい。
(3)別の実施形態に係る流動飲食品用キットの製造方法において、好ましくは、前記冷凍装置はトンネルを備え、前記ブロック状成形体を前記トンネルの入口から出口に向けて移動する間に、前記トンネル内に前記液体窒素または前記液体窒素で冷された気体を導入して、前記冷凍工程を行うようにしてもよい。
(4)別の実施形態に係る流動飲食品用キットの製造方法において、好ましくは、前記カット工程は、前記成形工程で得られた前記成形体を立方体または直方体の形状にカットする工程であってもよい。
(5)別の実施形態に係る流動飲食品用キットの製造方法において、好ましくは、前記成形工程は、細長いレール状の前記成形体を連続成形する工程であり、前記カット工程は、細長いレール状の前記成形体を連続してカットする工程であってもよい。
(6)別の実施形態に係る流動飲食品用キットの製造方法において、好ましくは、前記成形装置は間欠押出機を備え、前記成形工程は、前記間欠押出機の動作により、カット位置に向けて、シャーベット状となった前記調味用組成物または細長いレール状の前記成形体を間欠的に押し出す工程とし、前記カット工程は、間欠的に押し出す工程を経て作製された前記成形体をカットする工程であってもよい。
(7)別の実施形態に係る流動飲食品用キットの製造方法において、好ましくは、前記調味用組成物のBrix値は16%以上22%以下であってもよい。
(8)別の実施形態に係る流動飲食品用キットの製造方法において、好ましくは、前記調味用組成物は蜂蜜を含むものでもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、冷たい流動飲食品を容易に作ることができ、商品としての見栄え、流動飲食品の食感および味を共に高めることのできる流動飲食品用キットの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、流動飲食品用キットの外観斜視図を示す。
図2図2は、一実施形態に係る流動飲食品用キットの製造方法の主な工程のフローを示す。
図3図3は、図1のキット内の冷凍ブロック状成形体を製造するためのシステムの概略を示す。
図4図4は、図3の成形装置の一部の構造をより詳細に示す。
図5図5は、図3の筒部から成形体が出てくる状況を模式的に示す。
図6図6は、図3の切断機器を用いて成形体をカットする前後を、成形体の下流側から見た状況を示す。
図7図7は、図6の切断機器を用いてカットされたブロック状成形体が成形装置から冷凍装置へと送られる様子の平面図を示す。
図8図8は、図3の凍結装置を用いてブロック状成形体を凍結する状況を当該ブロック状成形体の下流側から示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
1.流動飲食品用キット
図1は、流動飲食品用キットの外観斜視図を示す。
【0014】
図1の流動飲食品用キット(以後、単に「キット」ともいう。)1は、冷凍果実および冷凍野菜の内の少なくとも一種(以後、「冷凍果実等」ともいう。)12,13,14と、調味用組成物を冷凍した冷凍ブロック状成形体11と、を含む流動状飲食品用の複数種の冷凍物をカップ2に包含するキットである。キット1は、好ましくは、カップ2内の底部に冷凍ブロック状成形体11を入れ、その上に冷凍果実等12,13,14を載せた形態のキットである。ただし、カップ2内の状態は、冷凍ブロック状成形体11の一部と、冷凍果実等12,13,14の一部とが相互に入り混じった状態であってもよい。また、キット1は、カップ2内の底部に冷凍果実等12,13,14を入れ、その上に冷凍ブロック状成形体11を載せた形態のキットでもよい。
【0015】
キット1は、流動飲食品(例えば、スムージー)を作る前の状態の商品である。カップ2は、好ましくは、透明であって複数種の冷凍物をカップ2の外から複数種の冷凍物を視認可能な容器である。キット1の購入者またはキット1の販売店舗の店員は、流動飲食品作製用の機器にキット1をセットして、流動飲食品をつくることができる。なお、キット1の購入者は、当該販売店舗外(例えば、購入者の自宅)で、ミキサー等の機器を用いて流動飲食品をつくってもよい。
【0016】
(冷凍果実等)
冷凍果実等12,13,14の種類は、この実施形態では3種類である。しかし、冷凍果実等12,13,14の種類を1種類、2種類または4種類以上としてもよい。冷凍果実等12,13,14については、冷凍対象の果実および野菜の種類に制約はない。冷凍果実等12,13,14の内の冷凍果実としては、パイナップル、レモン、バナナ、苺、マンゴー、パパイヤ、柚子、グレープフルーツ、桃、リンゴ、キウイ、ブルーベリー、クランベリー、ラズベリー、ブラックベリー、グアバ、パッションフルーツ、ドラゴンフルーツ、ライチ、オレンジ(みかんも含む)、アセロラ、梨、葡萄、西瓜、杏子、スモモ、メロン、プルーン、シークワーサー、ライムおよび/またはさくらんぼの冷凍物を例示できる。
【0017】
また、冷凍果実等12,13,14の内の冷凍野菜としては、人参、ゴーヤ、きゅうり、ブロッコリー、カリフラワー、コマツナ、ケール、モロヘイヤ、キャベツ、レタス、ハクサイ、ホウレンソウ、アスパラガス、セロリ、チンゲンサイ、シュンギク、ニラ、ミツバ、パセリ、ネギ、ゴボウ、タマネギ、タケノコ、レンコン、カブ、ダイコン、ラッキョウ、ニンニク、ショウガ、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、トマト、ナス、カボチャ、ピーマン、トウガン、オクラ、エダマメ、サヤエンドウ、サヤインゲン、ソラマメおよび/またはトウモロコシの冷凍物を例示できる。
【0018】
冷凍果実等12,13,14としては、糖度の高めのものの方が好ましい。具体的には、冷凍果実等12,13,14のBrix値は、好ましくは12%以上26%以下、より好ましくは16%以上26%以下、さらに好ましくは18%以上26%以下である。Brix値は、屈折率の測定によってあらわしたショ糖の濃度(%)をいう。
【0019】
冷凍果実等12,13,14の大きさについては、カップ2に入る限り制約はない。冷凍果実等12,13,14の大きさについて例示するなら、当該大きさは、好ましくは、球換算による直径で、3mm以上50mm以下、より好ましくは5mm以上40mm以下、さらにより好ましくは10mm以上35mm以下である。ここで、「球換算による直径」とは、1個の冷凍果実等12,13,14の個々の体積と同体積の球を想定したときの当該球の直径をいう。
【0020】
冷凍果実等12,13,14をカップ2に入れるまで冷凍保存しておく温度は、好ましくは-25℃以上-10℃以下、より好ましくは-22℃以上-15℃以下である。
【0021】
(調味用組成物)
冷凍ブロック状成形体11の対象物である調味用組成物は、流動飲食品の味および/または香りを調整するためのものである。調味用組成物は、例えば、果実および/または野菜の液状物、天然または人工の糖類、乳成分、豆類由来材料、酸味成分、香料などを含む。
【0022】
果実および/または野菜の液状物は、好ましくは、先に例示した冷凍果実等12,13,14の範囲の果実および/または野菜の液状物や抽出物である。調味用組成物中の果実および/または野菜の液状物は、冷凍果実等12,13,14の範囲の果実および/または野菜と全く同じ種類の液状物でもよいが、好ましくは冷凍果実等12,13,14の範囲の果実および/または野菜と少なくとも一部が異なる種類の液状物である。例えば、冷凍果実等12,13,14をバナナ、パイナップルおよび苺の3種類の冷凍物とすると、調味用組成物中の果実および/または野菜を苺のみとするのが好ましい。
【0023】
天然または人工の糖類は、糖質系甘味料と、非糖質系甘味料とに大別される。糖質系甘味料としては、特に制約はないが、一例を挙げると、蜂蜜、オリゴ糖、ショ糖、スクロース、乳糖、果糖、ブドウ糖、マルトース、水飴、還元水飴、異性化糖、果糖ブドウ糖液糖、マンニトール、マルチトール、キシリトール、パラチノース、エリスリトール、ラクチトール、ソルビトールの内の1種または2種以上を用いることができる。また、非糖質系甘味料としては、特に制約はないが、一例を挙げると、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、アドバンテーム、ネオテーム、ステビア、ソーマチン、サッカリン、サッカリン塩、モネリン、甘草、羅漢果、グリチルリチン、グリチルリチン酸塩、ジヒドロカルコンの内の1種または2種以上を用いることができる。
【0024】
乳成分としては、生乳以外に、生乳由来の脱脂粉乳、全脂粉乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳など、さらには加工乳製品を挙げることができる。加工乳製品としては、ヨーグルト、乳酸菌飲料、バター、チーズなどを例示できる。
【0025】
豆類由来材料としては、例えば、大豆、あずき、大納言、ささげ、金時豆、大福豆、手亡、虎豆、うずらまめ、花豆、えんどうまめ、そらまめ、ひよこまめ、レンズまめおよび/または落花生由来の固体(粉末)であるか液体であるかを問わない材料である。豆類由来材料は、好ましくは、豆乳またはきな粉である。
【0026】
酸味成分としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸、コハク酸、アスコルビン酸、酒石酸、グルコン酸、リン酸、酢酸、乳酸等を例示できる。
【0027】
香料としては、例えば、マスティック油、パセリ油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、メントール油、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、コリアンダー油、オレンジ油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローレル油、カモミール油、カルダモン油、キャラウェイ油、ベイ油、レモングラス油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー、シトラス油、ミックスフルーツ油、ストロベリー油、シナモン油、クローブ油、グレープ油等の天然香料のほか、カルボン、アネトール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルアンスラニレート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチノンアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルフェイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料を例示できる。
【0028】
調味用組成物中の上記以外の成分としては、以下のような成分を含めても良い。当該成分としては、ビタミンA・ビタミンC等の各種ビタミン、マグネシウム・カルシウム等の各種ミネラル成分、コラーゲン等の各種プロテイン、グルコサミン等の各種アミノ糖を例示できる。
【0029】
調味用組成物のBrix値は、冷凍果実等12,13,14の甘味を極端に低下させずかつ必要以上に甘くしないように流動飲食品をつくることができる値であり、好ましくは16%以上22%以下、より好ましくは17%以上21%以下であり、さらにより好ましくは18%以上20%以下である。
【0030】
(調味用組成物の冷凍ブロック状成形体)
冷凍ブロック状成形体11は、調味用組成物をブロック状に成形したものの冷凍物である。冷凍ブロック状成形体11の形状は、好ましくは立方体または直方体であるが、正四面体、正十二面体などでもよい。この実施形態において、立方体または直方体は、数学上の正確な立方体または直方体に限定されず、球体やたまご型と区別できる多面体であって、一見して互いに略平行な面のセット数が3つある6面体と広義に解釈される。冷凍ブロック状成形体11がカップ2内に入る限り、冷凍ブロック状成形体11の大きさに制約はない。例えば、冷凍ブロック状成形体11を構成する立方体の一辺の長さまたは直方体の短辺の長さは、好ましくは8mm以上20mm以下、より好ましくは10mm以上16mm以下、さらにより好ましくは11mm以上15mm以下である。
【0031】
冷凍ブロック状成形体11は、複数段階、例えば2段階で冷却されて完成する。最初の冷却は、液体の状態にある調味用組成物を第1の温度下におき、シャーベット状(固体と液体とが混在する状態)にするために行われる。第1の温度は、好ましくは-8℃以上-1℃以下、さらに好ましくは-4℃以上-1.5℃以下である。最後の冷却は、成形後にカットされたブロック状成形体を第2の温度下(第1の温度より低い温度)におき、冷凍状態で、より高硬度の冷凍ブロック状成形体11とするために行われる。第2の温度は、好ましくは-100℃以上-60℃以下、さらに好ましくは-90℃以上-70℃以下である。
【0032】
(冷凍果実等と冷凍ブロック状成形体の質量比)
冷凍果実等12,13,14:冷凍ブロック状成形体11の質量比は、好ましくは100:10~100、より好ましくは100:20~60、さらにより好ましくは100:30~50である。
【0033】
2.流動飲食品用キットの製造方法
図2は、一実施形態に係る流動飲食品用キットの製造方法の主な工程のフローを示す。
【0034】
一実施形態に係る流動飲食品用キットの製造方法では、調味用組成物の製造工程(S110)、冷却工程(S120)、成形工程(S130)、カット工程(S140)、冷凍工程(S150)、投入工程(S160)の順に各工程が進行する。
【0035】
(1)調味用組成物の製造工程(S110)
この工程は、複数の調味用の材料を混合等行い、調味用組成物を製造する工程である。この工程では、例えば、果実および/または野菜の液状物、天然または人工の糖類、乳成分、大豆由来材料、酸味成分、香料などを混合して、必要に応じてpH調整、加熱もしくは冷却を行って、調味用組成物を製造する。調味用組成物のBrix値は、好ましくは16%以上22%以下である。また、調味用組成物は、好ましくは蜂蜜を含む。この工程は、後述する混合装置を用いて行う工程以外に、人手によって混ぜる工程でもよい。
【0036】
(2)冷却工程(S120)
この工程は、冷蔵装置内で、液状の調味用組成物を第1の温度で冷却する工程である。第1の温度は、前述したとおり、調味用組成物をシャーベット状にするのに適した温度である。この工程を実行する際、調味用組成物の製造工程(S110)を経た調味用組成物を送液ポンプ等により自動で冷蔵装置内に送ってもよく、または当該調味用組成物を人手により冷蔵装置に運んでもよい。
【0037】
(3)成形工程(S130)
この工程は、冷却工程を経て固体と液体とが入り混じりシャーベット状となった調味用組成物を、成形装置内にて成形する工程である。この工程を実行する際、シャーベット状となった調味用組成物をポンプ等により自動で成形装置に送ってもよく、またはシャーベット状となった調味用組成物を人手によって成形装置に運んでもよい。
【0038】
(4)カット工程(S140)
この工程は、成形工程で得られた成形体を、カッターによってブロック状にカットする工程である。カット工程は、好ましくは、成形工程で得られた成形体を立方体または直方体の形状にカットする工程である。成形工程で得られた成形体は、冷凍前の状態にあるため、比較的柔らかく、容易にカット可能である。
【0039】
(5)冷凍工程(S150)
この工程は、冷凍装置内で、カット工程で得られたブロック状成形体を第1の温度より低い第2の温度で冷凍する工程である。第2の温度は、前述したとおり、ブロック状成形体を冷凍状態として、より高硬度の冷凍ブロック状成形体11とするのに適した温度である。冷凍工程は、好ましくは、ブロック状成形体に液体窒素または液体窒素で冷された気体を吹きかけて硬度を増大させる工程である。また、冷凍装置はトンネルを備えてもよい。その場合、ブロック状成形体をトンネルの入口から出口に向けて移動する間に、トンネル内に液体窒素または液体窒素で冷された気体を導入して、冷凍工程を行うようにしてもよい。この工程を経た冷凍ブロック状成形体11は、好ましくは液体窒素等を用いて極低温で冷凍されている。このため、例えば、室温(20~25℃)近くの温度下で短時間(例えば1~3分間)に限りキット1を放置したとしても、冷凍ブロック状成形体11はその形状を維持可能である。この工程を実行する際、ブロック状成形体を輸送機器によって自動的に冷凍装置へ輸送してもよく、または当該ブロック状成形体を人手により冷凍装置に運んでもよい。
【0040】
(6)投入工程(S160)
この工程は、冷凍果実等12,13,14と、冷凍工程を経た冷凍ブロック状成形体11とをカップ2内に入れる工程である。この工程は、専用機器を用いた投入でもよく、または人手による投入でもよい。
【0041】
なお、成形工程(S130)とカット工程(S140)は、以下のような各工程としてもよい。すなわち、成形工程を、細長いレール状の成形体を連続成形する工程とし、カット工程を、細長いレール状の成形体を連続してカットする工程としてもよい。また、成形装置に間欠押出機を備え、成形工程を、当該間欠押出機の動作により、カット位置に向けて、シャーベット状となった調味用組成物または細長いレール状の成形体を間欠的に押し出す工程としてもよい。その場合、カット工程を、間欠的に押し出す工程を経て作製された成形体をカットする工程としてもよい。
【0042】
次に、冷凍ブロック状成形体の製造方法の具体的な方法の一例について説明する。
【0043】
図3は、図1のキット内の冷凍ブロック状成形体を製造するためのシステムの概略を示す。
【0044】
図3に示すシステム20は、混合装置30と、冷蔵装置40と、成形装置50と、冷凍装置60と、を備える。冷凍装置60は、液体窒素を貯蔵するタンク70と接続されている。
【0045】
混合装置30は、調味用組成物に含まれる複数種の原料Mを入れて混合する装置である。前述の調味用組成物の製造工程(S110)は、混合装置30を用いて行われる。
【0046】
冷蔵装置40は、好ましくは、混合装置30と配管35によって接続されている。配管35は、その経路中に、好ましくは、バルブ36および送液用のポンプ37を備える。かかる構成により、調味用組成物を、混合装置30からポンプ37を使って冷蔵装置40へと容易に送ることができる(矢印F1)。冷蔵装置40は、液状の調味用組成物を、第1の温度下でシャーベット状にするための装置である。前述の冷却工程(S120)は、冷蔵装置40を用いて行われる。
【0047】
成形装置50は、好ましくは、冷蔵装置40と配管45によって接続されている。配管45は、その経路中に、好ましくは、バルブ46と、シャーベット状の固液混合物を送るためのポンプ47と、を備える。かかる構成により、シャーベット状態の調味用組成物を、冷蔵装置40からポンプ47を使って成形装置50へと容易に送ることができる(矢印F2)。成形装置50は、シャーベット状態の調味用組成物を成形する成形工程(S130)と、当該成形工程で得られた成形体をブロック状にカットするカット工程(S140)と、を行うための装置である。
【0048】
成形装置50は、カット工程(S140)を実行するための切断機器51を備える。また、成形装置50は、冷蔵装置40経由のシャーベット状態の調味用組成物を貯蔵すると共に複数に分配可能な第1分配部52と、第1分配部52から分配されるシャーベット状態の調味用組成物を送るための複数のチューブ53と、各チューブ53を通じてシャーベット状態の調味用組成物を受け取った後にさらに複数に分配可能な第2分配部54と、第2分配部54から分配されるシャーベット状態の調味用組成物を送るための複数のチューブ55と、各チューブ55を流れるシャーベット状態の調味用組成物を間欠的に送る間欠押出機56と、シャーベット状態の調味用組成物を成形可能な筒部57と、を備える。筒部57から送られてきた成形体11a(矢印F3)は、切断機器51の動作(矢印C)によりブロック状に切断される。
【0049】
システム20は、好ましくは、成形装置50から冷凍装置60にかけて、ベルト駆動装置80を備える。ベルト駆動装置80は、駆動されるベルト上にブロック状成形体11bを載せて冷凍装置60へと運ぶ機能を有する(矢印F4)。
【0050】
冷凍装置60は、タンク70と配管65によって接続されている。配管65は、好ましくは、その経路中に、バルブ66と、液体窒素を送るポンプ67と、を備える。タンク70内の液体窒素は、配管65を通じて冷凍装置60内に供給可能である(矢印N1)。冷凍装置60は、好ましくは、駆動されるベルトの方向に開口するトンネル68を備える。ブロック状成形体11bは、トンネル68の入口から出口に向けて移動する間に(矢印F5)、トンネル68内に供給される液体窒素により冷凍され(矢印N2)、より高硬度の状態で容易に解凍しにくい冷凍ブロック状成形体11になる。成形装置50を用いた成形工程(S140)およびカット工程(S140)については、次に、詳述する。
【0051】
図4は、図3の成形装置の一部の構造をより詳細に示す。
【0052】
第1分配部52は、攪拌機521を備える容器である。第1分配部52は、例えば3本のチューブ53と接続されている。攪拌機521のモータ522の軸に接続される攪拌羽根523の回転(矢印R1)によって、第1分配部52のタンク内に入ってきたシャーベット状の調味用組成物は、3本のチューブ53へと強制的に分配輸送される(矢印f0)。
【0053】
第2分配部54は、攪拌機541を備える容器である。第2分配部54は、それぞれ、例えば4本のチューブ55と接続されている。攪拌機541のモータ542の軸に接続される攪拌羽根543の回転(矢印R2)によって、第2分配部54のタンク内に入ってきたシャーベット状の調味用組成物は、4本のチューブ55へと強制的に分配輸送される(矢印f1)。
【0054】
合計12本のチューブ55は、それぞれ、間欠押出機56に接続されている。間欠押出機56は、間欠的、すなわち、所定時間(例えば0.1秒)おきに駆動して押し出す動作を行うことのできる器具であれば、特に制約はない。間欠押出機56としては、例えば、内部の羽根の回転動作によって間欠的に内容物を送り出すことのできるロータリーバルブ、または間欠的なエアー圧の供給によって間欠的に内容物を送り出すことのできるエアーバルブを挙げることができる。間欠押出機56を経由してきたシャーベット状の調味用組成物は、筒部57に入って成形される。
【0055】
図5は、図3の筒部から成形体が出てくる状況を模式的に示す。
【0056】
成形装置50は、合計12本の筒部57を備える。各筒部57は、1本のチューブ55と接続されている。各チューブ55から間欠押出機56を経由して送られてきたシャーベット状の調味用組成物は、筒部57に入る(矢印f1)。筒部57は、調味用組成物を送る上流側から下流側に向かって、第1筒部571、第2筒部572、第3筒部573を連接して構成されている。第3筒部573は、成形体11aの出口側に位置する最も開口面積の小さな筒である。第3筒部573は、開口面が正方形または長方形の形状を有する細長い成形体11aを成形可能な角筒形状を有する。第1筒部571の開口面積は、第3筒部573の開口面積より大きい。第2筒部572は、第1筒部571から第3筒部573に向かって窄まる形状を有する。このため、シャーベット状の調味用組成物は、第1筒部571から第2筒部572を経て(矢印f2)、第3筒部573に至る間に押し固められて成形体11aとなって、第3筒部573から出てくる(矢印F3)。
【0057】
この実施形態では、成形体11aは、第3筒部573から、間欠的に押し出されてくる細長いレール状の成形体である。変形例として、成形体11aは、第3筒部573から、連続的、すなわち、非間欠的に出てきてもよい。その場合、成形装置50は、間欠押出機56を備える必要はない。また、別の変形例として、間欠押出機56を、筒部57の経路中、例えば、第3筒部573の経路中、または第2筒部572の経路中に備えても良い。その場合、間欠押出機56は、シャーベット状の調味用組成物ではなく、成形体11aを間欠的に押し出すことになる。
【0058】
図6は、図3の切断機器を用いて成形体をカットする前後を、成形体の下流側から見た状況を示す。図6では、筒部57は省略されている。
【0059】
切断機器51は、好ましくは、細線状のカッター511と、支持体512と、駆動装置513と、を備える。カッター511は、支持体512に固定されている。支持体512は、それを上下に駆動可能な駆動装置513に接続されている。カッター511は、好ましくは、整列状態で筒部57から出てくる合計12本の成形体11aを一度に切断できる長さを有する。
【0060】
成形体11aのカット前には、図6(6A)に示すように、駆動装置513は、カッター511を上方に位置するようにしている(矢印C1)。成形体11aをカットする際には、図6(6B)に示すように、駆動装置513は、カッター511を下ろして、合計12本の成形体11aを一度にカットする。この結果、一度に、12個のブロック状成形体11bが出来上がる。
【0061】
図7は、図6の切断機器を用いてカットされたブロック状成形体が成形装置から冷凍装置へと送られる様子の平面図を示す。
【0062】
図7に示すように、切断機器51は、所定時間ごとに上下動を行って、第3筒部573から間欠的または連続して出てくる成形体11aをカットする。このため、ブロック状成形体11bは、12列×A行(A:1以上の整数)に整列された状態で冷凍装置60のトンネル68へと運ばれて、液体窒素にて冷凍処理に供される。
【0063】
図8は、図3の凍結装置を用いてブロック状成形体を凍結する状況を当該ブロック状成形体の下流側から示す。
【0064】
凍結装置60は、配管65を通じて送られてきた液体窒素(矢印N1)を、トンネル68の内壁から内部に吹き込むことを可能とする(矢印N2)。ブロック状成形体11bは、ベルト駆動装置80のベルト上にて、液体窒素を吹きかけられて、より高硬度の冷凍ブロック状成形体11となる。なお、ブロック状成形体11bに、液体窒素を直接吹きかける以外に、液体窒素で冷された気体(例えば、空気)を吹きかけてもよい。また、液体窒素または液体窒素で冷された気体は、上方と左右の三方向からトンネル68の内部に供給される以外に、トンネル68の上方のみから、またはトンネル68の上下左右の四方向からトンネル68の内部に供給されてもよい。
【0065】
3.その他の形態
本発明は、上記の実施形態に限定されず、種々変形を施して実施可能である。
【0066】
例えば、上記の実施形態では、成形装置50内にて成形工程(S130)およびカット工程(S140)を行うようにしたが、カット工程(S140)を成形装置50以外の専用装置にて行ってもよい。また、システム20は、混合装置30と、冷蔵装置40と、成形装置50と、冷凍装置60と、を全て接続している。しかし、これらの装置30,40,50,60の内の一部を配管等で接続していなくともよい。例えば、システム20に配管35を設けずに、混合装置30によって調味用組成物を製造した後、当該調味用組成物を人手により冷蔵装置40に運んでもよい。また、システム20に配管45を設けずに、冷蔵装置40にて冷された調味用組成物を人手により成形装置50に運んでもよい。
【0067】
成形装置50内に、第2分配部54を設けずに、第1分配部52のみから合計12本のチューブ55にシャーベット状の調味用組成物を分配してもよい。また、上記実施形態では、成形装置50は、第1分配部52から3本のチューブ53に、各チューブ53に接続された第2分配部54からそれぞれ4本のチューブ55にシャーベット状の調味用組成物を分けて送る構造を有している。この結果、合計12本のチューブ55から12本の筒部57にシャーベット状の調味用組成物が送られている。しかし、チューブ55の数および筒部57の数は12本に限定されない。成形装置50は、1~11本または13本以上のチューブ55および筒部57を備えてもよい。また、筒部57は、第2筒部572を備えず、第1筒部571と第3筒部573とを直結した構造を有していてもよい。また、別の変形例として、筒部57は、第1筒部571を備えず、第2筒部572と第3筒部573とを直結しても、または第3筒部573のみとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、流動飲食品、例えばスムージーに利用可能である。
【符号の説明】
【0069】
1・・・キット(流動飲食品用キット)、2・・・カップ、11・・・冷凍ブロック状成形体、11a・・・成形体、11b・・・ブロック状成形体、12,13,14・・・冷凍果実等(冷凍果実および冷凍野菜の内の少なくとも一種)、40・・・冷蔵装置、50・・・成形装置、56・・・間欠押出機(例えば、ロータリーバルブ、エアーバルブ)、60・・・冷凍装置、68・・・トンネル、511・・・カッター。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8