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特許7690675ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法、システム、装置、電子デバイス及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-02
(45)【発行日】2025-06-10
(54)【発明の名称】ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法、システム、装置、電子デバイス及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20250603BHJP
   G05D 1/46 20240101ALI20250603BHJP
   G05D 1/229 20240101ALI20250603BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20250603BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05D1/46
G05D1/229
H04Q9/00 301C
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2024211195
(22)【出願日】2024-12-04
【審査請求日】2024-12-04
(31)【優先権主張番号】202311677612.X
(32)【優先日】2023-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523443995
【氏名又は名称】チョーチアン ヘンイー ペトロケミカル カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャンタオ ポン
(72)【発明者】
【氏名】ポン ワン
(72)【発明者】
【氏名】イーポー チウ
(72)【発明者】
【氏名】ターコー リー
(72)【発明者】
【氏名】フォン シュイ
(72)【発明者】
【氏名】チュンリャン チン
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-144760(JP,A)
【文献】特開2023-126813(JP,A)
【文献】特開2021-056692(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第115223075(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第115249134(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H04Q 9/00- 9/16
G05D 1/00- 1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御システムに適用される制御方法であって、前記制御システムは制御装置と第1のドローンとを含み、前記制御方法は、
前記制御装置が、対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンであって、前記化学工業生産工場エリアの前記プリセット巡回検査タスクを担当する第1のドローンを確定することと、
前記対象シーンにおいて前記第1のドローンにより収集された対象オブジェクトのデータを取得することと、
前記対象オブジェクトの前記データに基づいて、前記対象シーンにおける前記対象オブジェクトの状態を確定することと、
前記状態が、前記対象オブジェクトが前記対象シーンにおける予め設定された状態にあることを表す場合、前記対象シーンにおいて前記予め設定された状態とマッチングする提示情報を出力することと、を実行することを含み、
前記プリセット巡回検査タスクについて、
前記対象シーンが能動的巡回検査シーンに属し、且つ前記対象オブジェクトが機器である場合、前記プリセット巡回検査タスクは、内容が予め設定された定例巡回検査タスク、又は、内容がランダムに生成されたサンプリング巡回検査タスクであり、
前記対象シーンが能動的巡回検査シーンに属し、且つ前記対象オブジェクトが人である場合、前記プリセット巡回検査タスクは、定例巡回検査タスク又はサンプリング巡回検査タスクであり、
前記対象シーンが受動的巡回検査シーンに属し、且つ前記対象オブジェクトが機器である場合、前記プリセット巡回検査タスクは、機器の属性に基づいて設定された第1の専門巡回検査タスクであり、
前記対象シーンが受動的巡回検査シーンに属し、且つ前記対象オブジェクトが人である場合、前記プリセット巡回検査タスクは、スタッフの要求に基づいて生成された第2の専門巡回検査タスクである、ことを特徴とする制御方法。
【請求項2】
前記対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンを確定することは、
ドローンによって転送された追従指令を受信したことに応答して、前記追従指令を転送したドローンを前記第1のドローンとして確定することを含み、
前記追従指令は、巡回検査スタッフが前記ドローンに発した指令であり、前記巡回検査スタッフに追従して動作するように前記ドローンに指示するために用いられ、
前記追従指令は、前記プリセット巡回検査タスクを表す情報を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンを確定することは、
端末から送信された作業要求を受信したことに応答して、前記作業要求及び候補ドローンの状態情報に基づいて、前記候補ドローンから前記端末に対して前記対象シーンにおいて前記プリセット巡回検査タスクを実行するための前記第1のドローンを確定することを含み、
前記作業要求は、前記プリセット巡回検査タスクを表す情報を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項4】
前記対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンを確定することは、
候補ドローンの状態情報に基づいて、巡回検査の周期と合わせて、前記候補ドローンから前記対象シーンにおいて前記プリセット巡回検査タスクを実行するための前記第1のドローンを確定することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項5】
前記予め設定された状態は機器異常状態を含み、前記対象オブジェクトは対象機器を含み、
前記状態が、前記対象オブジェクトが前記対象シーンにおける予め設定された状態にあることを表す場合、前記対象シーンにおいて前記予め設定された状態とマッチングする提示情報を出力することは、
前記状態が、前記対象機器が前記対象シーンにおける機器異常状態にあることを表す場合、前記対象シーンにおいて前記機器異常状態とマッチングする提示情報を出力することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項6】
前記予め設定された状態はスタッフ異常状態を含み、前記対象オブジェクトは対象スタッフを含み、
前記状態が、前記対象オブジェクトが前記対象シーンにおける予め設定された状態にあることを表す場合、前記対象シーンにおいて前記予め設定された状態とマッチングする提示情報を出力することは、
前記状態が、前記対象スタッフが前記対象シーンにおけるスタッフ異常状態にあることを表す場合、前記対象シーンにおいて前記スタッフ異常状態とマッチングする提示情報を出力することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項7】
前記対象オブジェクトの前記データに基づいて、前記対象シーンにおける前記対象オブジェクトの状態を確定することは、
少なくとも前記対象オブジェクトの各状態と対応する区間データとの間の関係を含む既知の対応関係を取得することと、
前記既知の対応関係に基づいて、前記対象シーンにおける前記対象オブジェクトの前記データに対応する前記状態を分析することと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項8】
前記対象オブジェクトの前記データに基づいて、前記対象シーンにおける前記対象オブジェクトの状態を確定することは、
前記対象シーンにおける前記対象オブジェクトの前記データを、既知の対応関係に基づいて訓練して得られ、前記対象シーンにおける前記対象オブジェクトの前記状態を予測するための状態分析モデルに入力することと、
前記状態分析モデルから出力された前記対象シーンにおける前記対象オブジェクトの前記状態を取得することと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項9】
前記制御方法は、
前記制御装置が、
前記対象シーンにおける前記対象オブジェクトの前記データと前記対象オブジェクトの前記状態との間の対応関係を確立することと、
前記対応関係に基づいて前記既知の対応関係を更新することと、を実行することをさらに含む、ことを特徴とする請求項7に記載の制御方法。
【請求項10】
前記制御方法は、
前記制御装置が、
前記第1のドローンから送信された物品要求を受信することと、
第2のドローンが前記物品要求に基づいて対象物品を前記第1のドローンに対応する巡回検査スタッフに搬送するように、前記物品要求に基づいて前記第1のドローンに対して前記第2のドローンをスケジューリングすることと、を実行することをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項11】
前記第1のドローンには第1の音声認識モデルが設けられており、前記対象オブジェクトは巡回検査スタッフを含み、
前記制御方法は、
前記制御装置が、前記第1のドローンが検査巡回検査スタッフの音声を受信した時、前記第1の音声認識モデルにより前記検査巡回検査スタッフの前記物品要求が認識された場合、システムのバックグラウンドに前記物品要求を送信することを実行することをさらに含む、ことを特徴とする請求項10に記載の制御方法。
【請求項12】
前記第1のドローンには第2の音声認識モデルが設けられており、前記対象オブジェクトは対象機器を含み、
前記制御方法は、
前記制御装置が、前記第1のドローンによる前記プリセット巡回検査タスクの実行中に、収集された対象機器の音を前記第2の音声認識モデルに入力し、前記第2の音声認識モデルにより前記対象機器の故障とマッチングする前記物品要求を分析して得た場合、システムのバックグラウンドに前記物品要求を送信することとを実行することをさらに含む、ことを特徴とする請求項10に記載の制御方法。
【請求項13】
前記制御方法は、
前記制御装置が、
前記第1のドローンが前記プリセット巡回検査タスクを実行するための巡回検査ルートを確定することと、
前記第1のドローンが前記巡回検査ルートに基づいて前記プリセット巡回検査タスクを実行するように、前記巡回検査ルートを前記第1のドローンに送信することと、を実行することをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項14】
前記対象オブジェクトが巡回検査スタッフを含み、
前記制御方法は、
前記制御装置が、
前記第1のドローンから送信された前記巡回検査スタッフの制御指令及び前記制御指令に対する前記第1のドローンの実行状況記録を受信することと、
前記巡回検査スタッフの前記制御指令及び前記制御指令に対する前記実行状況記録を記憶することと、を実行することをさらに含み、
ここで、前記制御指令は、前記第1のドローンによる前記プリセット巡回検査タスクの実行中に受信されたものであり、
前記第1のドローンは、前記巡回検査スタッフが前記制御指令を発する制御権限を有することを識別できている、ことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項15】
ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御システムであって、
対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンであって、前記化学工業生産工場エリアの前記プリセット巡回検査タスクを担当する第1のドローンを確定し、前記対象シーンにおいて前記第1のドローンによって収集された対象オブジェクトのデータを取得し、前記対象オブジェクトの前記データに基づいて前記対象シーンにおける前記対象オブジェクトの状態を確定し、前記状態が、前記対象オブジェクトが前記対象シーンにおける予め設定された状態にあることを表す場合、前記対象シーンにおいて前記予め設定された状態とマッチングする提示情報を出力する制御装置と、
前記プリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンと、を含み、
前記プリセット巡回検査タスクについて、
前記対象シーンが能動的巡回検査シーンに属し、且つ前記対象オブジェクトが機器である場合、前記プリセット巡回検査タスクは、内容が予め設定された定例巡回検査タスク、又は、内容がランダムに生成されたサンプリング巡回検査タスクであり、
前記対象シーンが能動的巡回検査シーンに属し、且つ前記対象オブジェクトが人である場合、前記プリセット巡回検査タスクは、定例巡回検査タスク又はサンプリング巡回検査タスクであり、
前記対象シーンが受動的巡回検査シーンに属し、且つ前記対象オブジェクトが機器である場合、前記プリセット巡回検査タスクは、機器の属性に基づいて設定された第1の専門巡回検査タスクであり、
前記対象シーンが受動的巡回検査シーンに属し、且つ前記対象オブジェクトが人である場合、前記プリセット巡回検査タスクは、スタッフの要求に基づいて生成された第2の専門巡回検査タスクである、ことを特徴とする制御システム。
【請求項16】
前記制御システムは、
前記制御装置のスケジューリング指令を受信し、前記スケジューリング指令に基づいて、対象物品を前記第1のドローンに対応する巡回検査スタッフに搬送するための第2のドローンをさらに含み、
前記スケジューリング指令は、前記制御装置により前記第1のドローンから送信された物品要求に基づいて確定されたものである、ことを特徴とする請求項15に記載の制御システム。
【請求項17】
ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御装置であって、
対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンであって、前記化学工業生産工場エリアの前記プリセット巡回検査タスクを担当する第1のドローンを確定するための第1の確定モジュールと、
前記対象シーンにおいて前記第1のドローンにより収集された対象オブジェクトのデータを取得するための取得モジュールと、
前記対象オブジェクトの前記データに基づいて、前記対象シーンにおける前記対象オブジェクトの状態を確定するための第2の確定モジュールと、
前記状態が、前記対象オブジェクトが前記対象シーンにおける予め設定された状態にあることを表す場合、前記対象シーンにおいて前記予め設定された状態とマッチングする提示情報を出力するための出力モジュールと、を含み、
前記プリセット巡回検査タスクについて、
前記対象シーンが能動的巡回検査シーンに属し、且つ前記対象オブジェクトが機器である場合、前記プリセット巡回検査タスクは、内容が予め設定された定例巡回検査タスク、又は、内容がランダムに生成されたサンプリング巡回検査タスクであり、
前記対象シーンが能動的巡回検査シーンに属し、且つ前記対象オブジェクトが人である場合、前記プリセット巡回検査タスクは、定例巡回検査タスク又はサンプリング巡回検査タスクであり、
前記対象シーンが受動的巡回検査シーンに属し、且つ前記対象オブジェクトが機器である場合、前記プリセット巡回検査タスクは、機器の属性に基づいて設定された第1の専門巡回検査タスクであり、
前記対象シーンが受動的巡回検査シーンに属し、且つ前記対象オブジェクトが人である場合、前記プリセット巡回検査タスクは、スタッフの要求に基づいて生成された第2の専門巡回検査タスクである、ことを特徴とする制御装置。
【請求項18】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されたメモリと、を含み、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な指令が記憶されており、前記指令は、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1~14のいずれか1項に記載の方法を実行させるように、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される、ことを特徴とする電子機器。
【請求項19】
コンピュータに請求項1~14のいずれか1項に記載の方法を実行させるために用いられるコンピュータ指令が記憶されている、コンピュータ可読非一時的記憶媒体。
【請求項20】
ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御システムに適用されるプログラムであって、
コンピュータに、
対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンであって、前記化学工業生産工場エリアの前記プリセット巡回検査タスクを担当する第1のドローンを確定することと、
前記対象シーンにおいて前記第1のドローンにより収集された対象オブジェクトのデータを取得することと、
前記対象オブジェクトの前記データに基づいて、前記対象シーンにおける前記対象オブジェクトの状態を確定することと、
前記状態が、前記対象オブジェクトが前記対象シーンにおける予め設定された状態にあることを表す場合、前記対象シーンにおいて前記予め設定された状態とマッチングする提示情報を出力することと、を実行させるためのプログラムであり、
前記プリセット巡回検査タスクについて、
前記対象シーンが能動的巡回検査シーンに属し、且つ前記対象オブジェクトが機器である場合、前記プリセット巡回検査タスクは、内容が予め設定された定例巡回検査タスク、又は、内容がランダムに生成されたサンプリング巡回検査タスクであり、
前記対象シーンが能動的巡回検査シーンに属し、且つ前記対象オブジェクトが人である場合、前記プリセット巡回検査タスクは、定例巡回検査タスク又はサンプリング巡回検査タスクであり、
前記対象シーンが受動的巡回検査シーンに属し、且つ前記対象オブジェクトが機器である場合、前記プリセット巡回検査タスクは、機器の属性に基づいて設定された第1の専門巡回検査タスクであり、
前記対象シーンが受動的巡回検査シーンに属し、且つ前記対象オブジェクトが人である場合、前記プリセット巡回検査タスクは、スタッフの要求に基づいて生成された第2の専門巡回検査タスクである、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学繊維工業のインテリジェント化の技術分野に関し、特にドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学工業生産工場エリアには多種の大型機器と多種の小型機器が配置され、通常、工場エリアの正常な作業を維持するために、工場エリア内の多種の大型機器と多種の小型機器を巡回検査する必要がある。しかし、従来の巡回検査方式は天気、スペース及び機器の高さなどに影響されやすいので、巡回検査の効率が低くなったり、巡回検査を行うことができなくなったりしまう。そこで、如何に効率的な巡回検査を実現して工場エリアの安全性を向上させるかは、解決すべき技術的課題となっている。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法、システム、装置、電子デバイス及び記憶媒体を提供する。
本開示の第1の態様によれば、ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法であって、
対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンであって、化学工業生産工場エリアのプリセット巡回検査タスクを担当する第1のドローンを確定することと、
対象シーンにおいて第1のドローンにより収集された対象オブジェクトのデータを取得することと、
対象オブジェクトのデータに基づいて、対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を確定することと、
状態が、対象オブジェクトが対象シーンにおける予め設定された状態にあることを表す場合、対象シーンにおいて予め設定された状態とマッチングする提示情報を出力することとを含み、
プリセット巡回検査タスクについて、
対象シーンが能動的巡回検査シーンに属し、且つ対象オブジェクトが機器である場合、プリセット巡回検査タスクは、定例巡回検査タスク又はサンプリング巡回検査タスクであり、
対象シーンが能動的巡回検査シーンに属し、且つ対象オブジェクトが人である場合、プリセット巡回検査タスクは、定例巡回検査タスク又はサンプリング巡回検査タスクであり、
対象シーンが受動的巡回検査シーンに属し、且つ対象オブジェクトが機器である場合、プリセット巡回検査タスクは、専ら対象オブジェクトに対する第1の専門巡回検査タスクであり、
対象シーンが受動的巡回検査シーンに属し、且つ対象オブジェクトが人である場合、プリセット巡回検査タスクは、対象オブジェクトの要求に基づいて作成された第2の専門巡回検査タスクである、制御方法を提供する。
【0004】
本開示の第2の態様によれば、ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御システムであって、
対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンであって、化学工業生産工場エリアのプリセット巡回検査タスクを担当する第1のドローンを確定し、対象シーンにおいて第1のドローンによって収集された対象オブジェクトのデータを取得し、対象オブジェクトのデータに基づいて対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を確定し、状態が、対象オブジェクトが対象シーンにける予め設定された状態にあることを表す場合、対象シーンにおいて予め設定された状態とマッチングする提示情報を出力する制御装置と、
プリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンと、を含む、制御システムを提供する。
【0005】
本開示の第3の態様によれば、ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御装置であって、
対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンであって、化学工業生産工場エリアのプリセット巡回検査タスクを担当する第1のドローンを確定する第1の確定モジュールと、
対象シーンにおいて第1のドローンが収集した対象オブジェクトのデータを取得する取得モジュールと、
対象オブジェクトのデータに基づいて対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を確定する第2の確定モジュールと、
状態が、対象オブジェクトが対象シーンにおける予め設定された状態にあることを表す場合、対象シーンにおいて予め設定された状態とマッチングする提示情報を出力する出力モジュールとを含む、制御装置を提供する。
【0006】
ここで、プリセット巡回検査タスクについて、
対象シーンが能動的巡回検査シーンに属し、且つ対象オブジェクトが機器である場合、プリセット巡回検査タスクは、定例巡回検査タスク又はサンプリング巡回検査タスクであり、
対象シーンが能動的巡回検査シーンに属し、且つ対象オブジェクトが人である場合、プリセット巡回検査タスクは、定例巡回検査タスク又はサンプリング巡回検査タスクであり、
対象シーンが受動的巡回検査シーンに属し、且つ対象オブジェクトが機器である場合、プリセット巡回検査タスクは、専ら対象オブジェクトに対する第1の専門巡回検査タスクであり、
対象シーンが受動的巡回検査シーンに属し、対象オブジェクトが人である場合、プリセット巡回検査タスクは、対象オブジェクトの要求に基づいて作成された第2の専門巡回検査タスクである。
【0007】
本開示の第4の態様によれば、電子機器であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
該少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されたメモリと、を含み、
該メモリには、該少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な指令が記憶されており、該指令は、該少なくとも1つのプロセッサに本開示の実施例におけるいずれかの方法を実行させるように、該少なくとも1つのプロセッサによって実行される、電子機器を提供する。
【0008】
本開示の第5の態様によれば、コンピュータに本開示の実施例におけるいずれかの方法を実行させるためのコンピュータ指令が記憶されている、コンピュータ可読非一時的記憶媒体を提供する。
本開示の技術によれば、まず、対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンを確定し、次に、第1のドローンにより対象オブジェクトのデータを収集し、次に、対象オブジェクトのデータに基づいて対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を確定し、状態が、対象オブジェクトが対象シーンにおける予め設定された状態にあることを表す場合、対象シーンにおいて予め設定された状態とマッチングする提示情報を出力する。このように、人手による巡回検査を必要とせず、地面上の巡回検査機器も必要とせず、ドローンにより化学工業生産工場エリアに対する効果的な巡回検査を完了することができ、巡回検査の効率を向上させ、巡回検査の自由度を向上させ、化学工業生産工場エリアにおける対象オブジェクトの状態を把握しやすく、対象オブジェクトの状態が異常状態である場合に対応する解決策を取ることにより、化学工業生産工場エリアの正常な運転と化学工業生産工場エリアの安全を保証することができる。
【0009】
発明の概要の欄に記載した内容は、本開示の実施例のキーポイント又は重要な特徴を限定するものではなく、本開示の範囲を限定するものでもないと理解すべきである。本開示の他の特徴は、以下の説明により容易に理解される。
【0010】
本開示の各実施例の上記及びその他の特徴、利点及び側面は、添付図面及び以下の詳細な説明を参照することにより、より明らかになる。図面において、同一又は類似の符号は、同一又は類似の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施例のドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法のフローチャートである。
図2】本開示の実施例の第1のドローンの模式図である。
図3】本開示の実施例の第2のドローンの模式図である。
図4】本開示の実施例の第1のドローンと第2のドローンとの協調動作の模式図である。
図5】本開示の実施例のドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御システム500の概略ブロック図である。
図6】本開示の実施例のドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御装置の構造模式図である。
図7】本開示の実施例のドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法を実現するための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本開示の例示的な実施例を説明する。理解を容易にするために本開示の実施例の各種の詳細を含んでいるが、それらは例示的なものに過ぎないと理解すべきである。このため、当業者は、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、ここで記載された実施例に対して様々な変更及び修正を行うことができると認識すべきである。同様に、明確かつ簡潔にするために、以下の説明において公知の機能及び構造に対する説明を省略する。
【0013】
本開示の明細書の実施例、請求の範囲及び上記図面における「第1」、「第2」及び「第3」という用語等は、類似する対象を区別するためのものであり、特定の順序又は前後の順序を説明するものではない。また、「含む」及び「有する」という用語並びにそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意味し、例えば、一連のステップ又はユニットを含むことを意図するものである。方法、システム、製品又は機器は、明確に列挙されたステップ又はユニットに限定されず、明確に列挙されていないステップ又はユニット、或いはこれらの過程、方法、製品又は機器に固有の他のステップ又はユニットを含むことができる。
【0014】
関連技術において、化学工業生産工場エリアの面積が大きいため、人手による巡回検査ルートが長く、効率が不安定であり、悪天候での巡回検査が困難である。また、化学工業生産工場エリアには、多種の大型機器及び多種の小型機器が配置されており、一部の大型機器は、高さが高く、スペースが制限され、ノイズが大きいため、人手による巡回検査により機器状態及び機器データを取得することが困難であり、機器に対して「受動的な状態」になる。従来の巡回検査方法には、時間間隔が長く、巡回検査に死角があり、主観性が強いという欠陥が存在し、且つ人手による巡回検査は巡回検査スタッフの技能に対する要求が高く、化学工業生産工場エリアにノイズ、有毒ガスなどの危害要素が存在することによって、巡回検査スタッフの安全性が低い。
【0015】
関連技術において、化学工業生産工場エリアにおける一部の重要な機器について、機器状態の確定及びメンテナンス周期内の安全運行のためには、主に作業班のスタッフにより定期的に巡回検査し、又はデータ収集及び監視制御システム(Supervisory Control And Data Acquisition、SCADA)により監視するため、巡回検査の効率が低い。また、スタッフが高所で作業する必要がある場合、スタッフの作業時の安全を確保するようにスタッフの作業状態をリアルタイムに監視する必要がある。しかし、カメラを配置する方式は制限が多く、自由度が低く、全てのスタッフの状態をリアルタイムに監視することができない。
【0016】
本開示は、上記問題及び他の潜在的な問題のうちの1つ又は複数の問題を少なくとも部分的に解決するために、ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法、システム及び装置を提供する。ドローンによって化学工業生産工場エリアを巡回検査することにより、巡回検査の効率を向上させることができるので、化学工業生産工場エリアの正常な運転及び化学工業生産工場エリアの安全を保証する。
【0017】
本開示の実施例は、ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法を提供する。図1は、本開示の実施例に係るドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法のフローチャートであり、該ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法は、ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御装置に適用されることができる。該ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御装置は、電子機器に取り付けられる。該電子機器は、固定機器及び/又は移動機器を含んでいるが、これらに限定されない。例えば、固定装置は、サーバを含んでいるが、これに限定されない。サーバは、クラウドサーバ又は一般的なサーバであってもよい。例えば、移動機器は、携帯電話、タブレットコンピュータなどを含んでいるが、これらに限定されない。いくつかの可能な実施形態では、該ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法は、プロセッサがメモリに記憶されたコンピュータ可読指令を呼び出すことにより実現されてもよい。図1に示すように、該ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法は、以下のことを含む。
S101:対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンを確定し、第1のドローンは、化学工業生産工場エリアでのプリセット巡回検査タスクを担当する。
S102:対象シーンにおいて第1のドローンによって収集された対象オブジェクトのデータを取得する。
S103:対象オブジェクトのデータに基づいて、対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を確定する。
S104:状態が、対象オブジェクトが対象シーンにおける予め設定された状態にあることを表す場合、対象シーンにおいて予め設定された状態とマッチングする提示情報を出力する。
【0018】
本開示の実施例において、該対象シーンは、限られたスペース内での作業シーン、高所での作業シーン、ある特殊作業シーン、生産検出シーン、包装検出シーンなどを含んでいるが、これらに限定されない。あるマテリアルを生産する化学工業生産工場エリアである場合、該対象シーンは、あるマテリアルを生産するための化学工業生産工場エリアの分布に基づいて複数のシーンに分けられてもよく、あるマテリアルを生産するための化学工業生産工場エリアの包装フローに基づいて、複数のシーンに分けられてもよく、制御装置によりあるマテリアルを生産するための化学工業生産工場エリアを複数のシーンにインテリジェントに区別してもよい。本開示は、該マテリアルの種類を限定しない。本開示の実施例において、該プリセット巡回検査タスクは、制御装置が対象シーンに基づいて生成されたタスクであってもよく、手動で入力された指令に基づいて生成されたタスクであってもよい。以上は例示的な説明に過ぎず、プリセット巡回検査タスクの全ての可能な取得方式を限定するものではなく、ここでは網羅的に列挙しない。
【0019】
例示的に、制御装置は工場エリアのマップに基づいて、化学繊維の生産に用いられる化学工業生産工場エリアを、工場の建物外部に係るシーン1及び工場の建物内部に係るシーン2という複数のシーンに区分する。該制御装置がシーン1に基づいて生成された巡回検査タスクは、工場の建物外部の機器に対する巡回検査タスク、工場の建物外部の安全に対する巡回検査タスク及び工場の建物外部の異常に対する巡回検査タスクである。該制御装置がシーン2に基づいて生成された巡回検査タスクは、工場の建物内部の機器に対する巡回検査タスク、工場の建物内部の安全に対する巡回検査タスク及び工場の建物内部の異常に対する巡回検査タスクである。ここで、プリセット巡回検査タスクは巡回検査タスクの名称、巡回検査タスクの内容及び巡回検査タスクのルートなどを含むことができる。ここで、巡回検査タスクルートは、制御装置のデータソースに記憶された化学工業生産工場エリアのレイアウトマップに基づいて得られるものである。
【0020】
図2は第1のドローンの模式図を示す。図2に示すように、該第1のドローンは軽荷重ドローンであってもよく、該軽荷重ドローンは軽荷重を携帯することができるドローンであり、該軽荷重ドローンの荷重は、通常、数グラム~数百グラムであり、該軽荷重ドローンにはハイビジョンカメラ、スピーカー等が搭載されている。具体的には、該軽荷重ドローンは、プリセット巡回検査タスクに基づいて温度センサ、マイク、ガス検出センサ、高度センサ及び速度センサなどのようなセンサを搭載してもよく、プリセット巡回検査タスクに基づいてレーザスキャナ、全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)などの他の機器を搭載してもよい。該軽荷重ドローンは前期でデータ収集器としてモデル訓練に訓練データを提供し、その後、リアルタイム監視の入力として用いられることができる。具体的には、第1のドローンが収集した、画像データ、音声データ及びビデオデータのうちの少なくとも1種である訓練データを取得し、訓練データを訓練すべきモデルに入力して訓練を行い、対象モデルを得る。
【0021】
本開示の実施例において、該化学工業生産工場エリアには、多種の大型機器、多種の小型機器及び多種の特殊機器が配置されている。
【0022】
本開示の実施例において、対象オブジェクトは、機器、スタッフ、動物、空気中の浮遊物などを含んでいるが、これらに限定されない。ここで、該対象オブジェクトは、制御装置に予め設定されてもよく、例えば対象オブジェクトをスタッフとする場合、第1のドローンは、スタッフに関連するデータのみを収集する。
【0023】
いくつかの実施例において、該対象オブジェクトのデータは、画像データ、音声データ、ビデオデータ、センサデータ及び位置データなどを含むことができる。ここで、該第1のドローンが収集した対象オブジェクトのデータは、第1のドローンのデータソースに直接記憶されてもよく、制御装置に直接アップロードされてもよい。
【0024】
いくつかの実施例において、該提示情報は、第1のドローンが対象オブジェクト及び対象シーンに基づいて得られたものである。該提示情報は、対象オブジェクトの現在状態を示すためのものである。例示的に、対象オブジェクトが巡回検査スタッフである場合、緊急救助に関する提示情報を出力し、該提示情報は、要救助者、緊急電話、医療室位置などの情報を含むことができる。対象オブジェクトが機器である場合、ある機器が異常音を発し点検が必要である場合、点検に関する提示情報を出力し、該提示情報は、推奨点検員、点検ツール、点検案などの情報を含むことができる。対象オブジェクトが作業場の湿度である場合、作業場の湿度が所定値よりも低いと、作業場の湿度提示情報を出力し、該提示情報は、現在の作業場の湿度、理想的な作業場の湿度、加湿エリア及び加湿量などの情報を含むことができる。対象オブジェクトが異常物品である場合、倉庫保管エリアの上方にビニール袋類の浮遊物があることが検出された場合、清掃に関する提示情報を出力し、該提示情報は、異常物品の種類、異常物品の工場エリア安全に対する影響指数、清掃者リスト、清掃緊急度などの情報を含むことができる。
【0025】
いくつかの実施例において、対象シーンにおいて予め設定された状態とマッチングする提示情報を出力する。これは、対象オブジェクトの近くの機器に提示情報を送信すること、又は、制御システムに提示情報を送信すること、又は、実行可能な機器又はスタッフに提示情報を送信することを含む。該提示情報は、音声提示、警報提示、ライト提示などの異なる提示状態を設定することができる。ここで、該提示情報は、対象オブジェクトの正常動作状態提示情報であってもよく、異常動作状態提示情報であってもよい。具体的には、提示情報が対象オブジェクトの正常動作状態提示情報である場合、該提示情報はバックグラウンドで表示することができ、提示情報が対象オブジェクトの異常動作状態提示情報である場合、該提示情報はフロントエンドのページに直接表示するとともに、他の提示状態を付加することができる。
【0026】
このように、まず、対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンを確定し、次に、第1のドローンによって対象オブジェクトのデータを収集し、その後、対象オブジェクトのデータに基づいて対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を確定し、状態が、対象オブジェクトが対象シーンにおける予め設定された状態にあることを表す場合、対象シーンにおいて予め設定された状態とマッチングする提示情報を出力する。このように、人手による巡回検査が必要されず、地上の巡回検査機器も必要されず、ドローンによって化学工業生産工場エリアに対する効果的な巡回検査を遂行することができ、巡回検査の効率を向上させ、巡回検査の自由度を向上させ、化学工業生産工場エリアにおける対象オブジェクトの状態を把握しやすく、対象オブジェクトの状態が異常状態である時に対応する解決策を取りやすく、化学工業生産工場エリアの正常な運転と化学工業生産工場エリアの安全を保証することができる。
【0027】
いくつかの実施例において、該追従指令は、巡回検査スタッフがドローンに発した音声指令又は動作指令であってもよい。
【0028】
いくつかの実施例において、対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンを確定することは、ドローンから送信された追従指令を受信したことに応答して、追従指令を送信したドローンを第1のドローンとして確定することを含む。該追従指令は、巡回検査スタッフが該追従指令を送信したドローンに発した指令であり、巡回検査スタッフに追従して作動することをドローンに指示するためのものであり、該追従指令は、プリセット巡回検査タスクを表す情報を含む。
【0029】
いくつかの実施例において、該追従指令は、制御システムが巡回検査タスクに基づいて生成された指令であってもよい。該追従指令は、追従対象、追従ルート、巡回検査対象などの情報を含むことができる。追従対象情報は1つ又は複数であってもよい。追従対象が複数である場合、複数の追従対象に優先度を設定してもよく、該ドローンは優先度の高い追従対象を優先的に追従する。ここで、追従対象を確定することは、追従対象の画像を取得し、追従対象の画像に基づいて目標追従対象を確定すること、又は追従対象の特徴を取得し、追従対象の特徴に基づいて目標追従対象を確定することを含むことができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、該追従指令は、巡回検査スタッフが近くのアイドル状態にあるドローンを直接呼び出すことによって生成される指令であってもよい。ドローンは、該追従指令を直接受信し、追従状態および追従対象をシステムに報告ことができる。具体的に、該ドローンは、該巡回検査スタッフの画像を収集する必要があり、該画像を識別し、識別結果を取得し、該識別結果を分析して該巡回検査スタッフが権限を有するか否かを確定し、該巡回検査スタッフが権限を有する場合、該追従指令を受信してシステムに報告し、現在の動作状態をアイドル状態から動作状態に更新し、運動軌跡をリアルタイムにアップロードし、又は、該ドローンは、該巡回検査スタッフの追従指令を制御システムにアップロードし、制御システムが該追従指令に基づいて返信した追従許可指令を受信した後、該巡回検査スタッフに追従して作業を行う。
【0031】
このように、ドローンから送信された追従指令を受信したことに応答して、追従指令を送信したドローンを第1のドローンとして確定する。ドローンに巡回検査タスクを柔軟に割り当てることができ、ドローン巡回検査の利用率を向上させることで、巡回検査効率を向上させる。
【0032】
いくつかの実施例において、該対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンを確定することは、端末から送信された作業要求を受信したことに応答して、作業要求及び候補ドローンの状態情報に基づいて、候補ドローンから、端末に対して対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンを確定することを含み、作業要求は、プリセット巡回検査タスクを表す情報を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、該端末は、携帯電話、ノートパソコン、またはパーソナルコンピュータなどの機器であってもよい。該端末は、ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御システム内の専用端末機器であってもよく、ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御システムに関連する端末機器であってもよい。
【0034】
いくつかの実施例において、該作業要求は、手動で情報を入力して生成された作業要求であってもよく、制御装置が現在の各機器の動作データに基づいて生成された作業要求であってもよく、ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御システムが予め設定した作業要求であってもよい。該作業要求は、必要なドローンの数、必要なドローンの型番、作業時点、作業時間及びドローン搭載機器などの情報を含むことができる。
【0035】
いくつかの実施例において、該ドローンの状態情報は、ドローン動作状態情報、ドローン搭載機器情報などを含むことができる。該ドローンの動作状態情報は、「動作中」、「待機中」、「メンテナンス中」、「充電中」などを含むことができ、該ドローン搭載機器情報は、ドローンに搭載された機器のタイプ、ドローンに搭載された機器の型番、ドローンに搭載された機器の数などを含むことができる。
【0036】
いくつかの実施例において、該候補ドローンは、化学工業生産現場でスケジューリング可能な全てのドローンであってもよく、化学工業生産現場でアイドル状態にある全てのドローン又は一部のドローンであってもよく、化学工業生産現場でアイドル状態にある一種のドローン、例えば軽荷重ドローンであってもよい。
【0037】
このように、端末から送信された作業要求を受信したことに応答して、作業要求及び候補ドローンの状態情報に基づいて第1のドローンを確定する。ドローンに巡回検査タスクを柔軟に割り当てることができ、ドローンの巡回検査の利用率を向上させることで、巡回検査効率を向上させる。
【0038】
いくつかの実施例において、該対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンを確定することは、候補ドローンの状態情報に基づいて、巡回検査の周期と合わせて、候補ドローンから対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンを確定することを含む。
【0039】
いくつかの実施例において、該巡回検査の周期は、ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御システムによって化学工業生産作業状況に基づいて決定されてもよい。ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御システムが化学工業生産作業状況に基づいて異なるプリセット巡回検査タスクを決定してもよい。
【0040】
ここで、第1のドローンの数は限定されない。N台の第1のドローンをN人のスタッフに追従させてもよく、M台の第1のドローンを1人のスタッフに追従させてもよい。該M台の第1のドローンはそれぞれスタッフの周囲に位置し、異なる巡回検査タスクのデータ収集を実行することができる。
【0041】
このように、候補ドローンの状態情報に基づいて、巡回検査の周期と合わせて、候補ドローンから対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンを確定する。ドローンが巡回検査タスクを実行する効率を向上させることで、化学工業生産工場エリアの安全を保証することができる。
【0042】
いくつかの実施例において、該プリセット巡回検査タスクは、工場の建物外に対する巡回検査、工場の建物内に対する巡回検査、生産安全性に対する巡回検査、及びスタッフ作業に対する巡回検査を含むことができる。
【0043】
いくつかの実施例において、該プリセット巡回検査タスクは、以下のうちの少なくとも1つを含む。
対象シーンが能動的巡回検査シーンに属し、且つ対象オブジェクトが機器である場合、該プリセット巡回検査タスクは定例巡回検査タスク又はサンプリング巡回検査タスクであり、対象シーンが能動的巡回検査シーンに属し、且つ対象オブジェクトが人である場合、該プリセット巡回検査タスクは定例巡回検査タスク又はサンプリング巡回検査タスクであり、対象シーンが受動的巡回検査シーンに属し、且つ対象オブジェクトが機器である場合、該プリセット巡回検査タスクは専ら対象オブジェクトに対する第1の専門巡回検査タスクであり、対象シーンが受動的巡回検査シーンに属し、且つ対象オブジェクトが人である場合、該プリセット巡回検査タスクは対象オブジェクトの要求に基づいて策定される第2の専門巡回検査タスクである。
【0044】
いくつかの実施例において、該能動的巡回検査シーンは、定例巡回検査タスク及びサンプリング巡回検査タスクを含むことができる。該能動的巡回検査シーンの対象オブジェクトは、スタッフ又は機器であってもよい。該定例巡回検査タスクは、ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御システムが実際の状況に応じて予め設定したタスクであり、即ち、定例巡回検査タスクのトリガ条件を満たすことを検出した場合、定例巡回検査タスクを配信する。該トリガ条件は、所定時間内に定例巡回検査タスクをトリガすること、固定時刻で定例巡回検査タスクをトリガすることなどを含むことができる。該サンプリング巡回検査タスクは、ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御システムが実際の状況に応じてランダムに配信するタスクである。該定例巡回検査タスクの内容は予め設定されたものであり、該サンプリング巡回検査タスクの内容はランダムに生成されたものである。
【0045】
いくつかの実施形態において、受動的巡回検査シーンは、機器Aから送信された警告情報を受信したこと、巡回検査スタッフaからの主動的な呼び出しを受信したことなどを含むことができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、受動的巡回検査シーンは、第1の専門巡回検査タスクおよび第2の専門巡回検査タスクを含むことができる。該第1の巡回検査タスクは、専ら対象オブジェクトに対する巡回検査タスクである。具体的には、対象オブジェクトが機器である場合、第1の専門巡回検査タスクは、機器の属性に基づいて設定されたタスクであり、例えば、機器の温度検出に対して設定された巡回検査タスクである。該第2の専門巡回検査タスクは、対象オブジェクトの要求に基づいて生成される巡回検査タスクである。具体的には、対象オブジェクトが人である場合、該第2の専門巡回検査タスクはスタッフの要求に基づいて生成されたタスクであり、例えば、スタッフが発した「L台の機器に対して圧力検出を行ってください」という巡回検査タスクである。
【0047】
いくつかの実施例において、該専門巡回検査タスクは、ドローンが巡回検査スタッフを案内すること、又はドローンが巡回検査スタッフからの指令を実行して撮影、録画、データ分析などのタスクを実行することを含むことができる。
【0048】
いくつかの実施例において、該予め設定された状態は機器異常状態を含み、対象オブジェクトは対象機器を含む。状態が、対象オブジェクトが対象シーンにおける予め設定された状態にあることを表す場合、対象シーンにおいて予め設定された状態とマッチングする提示情報を出力することは、状態が、対象機器が対象シーンにおける機器異常状態にあることを表す場合、対象シーンにおいて機器異常状態とマッチングする提示情報を出力することを含む。
【0049】
いくつかの実施例において、該機器異常状態は、機器の運転停止、機器の運転エラー、機器の一部の部品落下、機器の音異常及び機器の振動異常などを含むことができる。
【0050】
いくつかの実施例において、該対象シーンは、スペースの要素に制約されるシーンであってもよく、高さの要素に制約されるシーンであってもよく、特殊環境に制約されるシーンであってもよい。例示的に、該対象シーンは豪雨天気であり、対象オブジェクトは工場の建物外部の大型機器であり、該対象シーンと対象オブジェクトに基づいてサンプリング巡回検査タスクを生成し、対象シーンにおいて該サンプリング巡回検査タスクを実行するための第1のドローンを確定し、ドローンによって収集された対象オブジェクトのデータを取得し、対象オブジェクトのデータに基づいて対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を確定し、状態が、対象オブジェクトが対象シーンにおける機器異常状態にあることを表す場合、システムに警告提示情報をアップロードし、状態が、対象オブジェクトが対象シーンにおける機器正常状態にあることを表す場合、タスクを実行し続ける。
【0051】
このように、状態が、対象機器が対象シーンにおける機器異常状態にあることを表す場合、対象シーンにおいて機器異常状態とマッチングする提示情報を出力する。複雑なシーンで対象オブジェクトの状態情報を正確に取得することができ、化学工業生産工場エリアの作業効率の向上に寄与する。
【0052】
本開示の実施例において、該予め設定された状態はスタッフ異常状態を含み、対象オブジェクトは対象スタッフを含む。状態が、対象オブジェクトが対象シーンにおける予め設定された状態にあることを表す場合、対象シーンにおいて予め設定された状態とマッチングする提示情報を出力することは、状態が、対象スタッフが対象シーンにけるスタッフ異常状態にあることを表す場合、対象シーンにおいてスタッフ異常状態とマッチングする提示情報を出力することを含む。
【0053】
いくつかの実施例において、該スタッフ異常状態は、スタッフが危険環境にいること、スタッフの行動が異常であること、スタッフが装着した安全保護具が緩んでいること、及びスタッフが安全保護具を装着していないことなどを含むことができる。
【0054】
いくつかの実施例において、該対象スタッフは、本工場エリアのスタッフであってもよく、本工場エリアのスタッフ以外の人、例えば工場エリアに侵入した人などであってもよい。
【0055】
いくつかの実施例において、該対象シーンは、スペースの要素に制約されるシーンであってもよく、高さの要素に制約されるシーンであってもよく、特殊環境に制約されるシーンであってもよい。例示的には、該対象シーンが高塔であり、対象オブジェクトが工場の建物外部の高塔で作業するスタッフである。該対象シーンと対象オブジェクトに基づいて定例巡回検査タスクを生成し、対象シーンにおいて該定例巡回検査タスクを実行するための第1のドローンを確定し、ドローンによって収集された対象オブジェクトのデータを取得し、対象オブジェクトのデータに基づいて対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を確定し、状態が、対象オブジェクトが対象シーンにおけるスタッフ異常状態にあることを表す場合、システムに警告提示情報をアップロードし、状態が、対象オブジェクが対象シーンにおけるスタッフ正常状態にあることを表す場合、タスクを実行し続ける。
【0056】
このように、状態が、対象スタッフが対象シーンにおけるスタッフ異常状態にあることを表す場合、対象シーンにおいてスタッフ異常状態とマッチングする提示情報を出力する。複雑なシーンで対象オブジェクトの状態情報を正確に得ることができ、化学工業生産工場エリアにおけるスタッフの安全性を向上させることに寄与する。
【0057】
本開示の実施例において、対象オブジェクトのデータに基づいて対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を確定することは、少なくとも対象オブジェクトの各状態と対応する区間データとの間の関係を含む既知の対応関係を取得することと、該既知の対応関係に基づいて、対象シーンにおける対象オブジェクトのデータに対応する状態を分析することと、を含む。ここで、状態は、異常状態を含むことができるし、正常状態を含むことができる。
【0058】
いくつかの実施例において、該既知の対応関係は、対象オブジェクトの各状態におけるデータ情報を記録するために用いられる。該データ情報は、固定値であってもよく、1つの数値区間であってもよく、複数の数値区間であってもよい。既知の対応関係の形式は、テーブルの形式で示されてもよい。該既知の対応関係は、通常、ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御システムのデータソースに記憶される。ここで、該既知の対応関係は、追加、削除、修正及び更新を行うことが可能である。
【0059】
このように、該既知の対応関係は、対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を確定するためにデータサポートを提供することができ、対象シーンにおける対象オブジェクトを決定する正確性の向上に寄与する。
【0060】
本開示の実施例において、該対象オブジェクトのデータに基づいて対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を確定することは、対象シーンにおける対象オブジェクトのデータを状態分析モデルに入力することと、該状態分析モデルから出力された対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を取得することと、を含む。状態分析モデルは既知の対応関係に基づいて訓練されて得られ、対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を予測するためのものである。
【0061】
いくつかの実施例において、該状態分析モデルの訓練過程は、既知の対応関係である訓練データを取得することと、訓練データを訓練すべきモデルに入力して訓練し、状態分析モデルを得ることと、を含む。該状態分析モデルは、対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を予測するためのものである。
【0062】
いくつかの実施例において、該対象シーンにおける対象オブジェクトのデータはドローンによって収集されたものである。該対象シーンにおける対象オブジェクトのデータは、画像データ、オーディオデータ、テキストデータ及びビデオデータのうちの任意のデータであってもよい。例示的に、該ドローンによって収集された対象オブジェクトのデータは、機器部品が脱落したことを表した1枚の画像であり、該対象オブジェクトデータを状態分析モデルに入力して、該機器が異常状態にあるという分析結果を得る。
【0063】
このように、状態分析モデルによりドローンが収集した対象オブジェクトのデータに基づいて対象オブジェクトの状態を予測することができ、異常処理の効率を向上させることができる。
【0064】
本開示の実施例において、該ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法は、対象シーンにおける対象オブジェクトのデータと対象オブジェクトの状態との間の対応関係を確立することと、対応関係に基づいて既知の対応関係を更新することと、をさらに含む。
【0065】
いくつかの実施例において、該対象シーンにおける対象オブジェクトのデータと対象オブジェクトの状態との間の対応関係を確立することは、ドローンにより作業過程を監視して記録することにより実現され得る。該ドローンは、作業過程を監視して記録し、対象シーンにおける対象オブジェクトの作業経験知識を取得し、該作業経験知識を経験ライブラリに記憶する。該経験ライブラリは、ドローンが化学工業生産工場エリアを巡回検査するための制御システムの端末に位置する。
【0066】
いくつかの実施例において、ドローンにより対象シーンにおける対象オブジェクトのデータを収集し、該データは画像データ、ビデオデータ、オーディオデータのうちの任意のデータであってもよく、対象オブジェクトのデータを分析し、対象オブジェクトの状態を取得し、既知の対応関係を取得し、既知の対応関係に基づいて対象オブジェクトのデータ及び状態と比較し、比較結果を取得し、該比較結果に基づいて既知の対応関係を更新する。
【0067】
このように、ドローンが収集した対象シーンにおける対象オブジェクトのデータをリアルタイムに更新することにより、対象オブジェクトの状態を確定する正確性を向上させることができる。
【0068】
本開示の実施例において、該ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法は、第1のドローンから送信された物品要求を受信することと、物品要求に基づいて第1のドローンに対して第2のドローンをスケジューリングし、第2のドローンが物品要求に基づいて第1のドローンに対応する巡回検査スタッフに対象物品を搬送することと、をさらに含む。
ここで、対象物品は、物品要求に指示される物品である。
【0069】
いくつかの実施例において、該物品要求は、必要な物品の型番、必要な物品の数及び必要な物品の位置を含むことができる。図3は第2のドローンの模式図を示し、図3に示すように、該第2のドローンは運搬ドローンである。該第2のドローンは、巡回検査スタッフに必要な物品を運搬するためのものである。
【0070】
実際の応用において、第2のドローンは第1のドローンと直接通信することができる。第2のドローンは、第1のドローンから送信された物品要求を直接受信し、前記物品要求に基づいて対象物品の所在位置を確定し、前記対象物品を準備することを出荷スタッフに通知し、前記第1のドローンへ飛行するときの最短ルート又は最も安全なルートである最適ルートを決定する。前記対象物品が前記第2のドローンに積載されたことが検出された場合、前記最適ルートに基づいて前記対象物品を第1のドローンに対応する巡回検査スタッフに搬送する。しかも、第2のドローンは、システムのバックグラウンドが前記第2のドローンの状態をリアルタイムに記録するように、自身の状態情報をシステムのバックグラウンドにリアルタイムに報告することができる。ここで、第2のドローンは、収集された音声データに基づいて、対象物品が該第2のドローンに積載されたか否かを確定することができる。例えば、出荷者は、対象物品を第2のドローンの載置台に積載したら、「〇〇物品が既に積載されたので、出発してもいいよ」と言い、第2のドローンは、該音声データを認識した後、対象物品が該第2のドローンに積載されたと確定する。ここで、第2のドローンは、第2のドローンに配置される重量センサに基づいて、対象物品が該第2のドローンに積載されたか否かを確定し得る。例えば、第2のドローンは、重量センサによって第1時刻と第2時刻の重量を検出し、重量の変化量が対象物品の重量とマッチングする場合、対象物品が既に該第2のドローンに積載されたと確定し得る。また、第2のドローンは、カメラにより第2のドローンの載置台上の画像データを収集し、画像データに基づいて対象物品を認識した場合、対象物品が既に該第2のドローンに搭載されたと確定し得る。
【0071】
図4は、第1のドローンと第2のドローンとの協調作業の模式図を示し、図4に示すように、対象シーンは高所作業であり、対象オブジェクトは巡回検査スタッフであり、該巡回検査スタッフは、持っている工具が足りないことに気付き、第1のドローンを呼び出し、「A型のレンチ1個、B型のレンチ2個、W型のネジ8個が必要です」という音声指令を発し、第1のドローンは、受話器を介して巡回検査スタッフのオーディオを収集し、該オーディオを指令テキストに変換し、該指令テキストを第2のドローンに送信し、該第2のドローンは、第1のドローンから送信された指令テキストを受信し、該指令テキストに基づいてタスクを実行する。具体的には、第2のドローンは、該指令テキストに基づいて物品の所在位置を確定し、その後、物品収納エリアに飛行し、その後、必要な物品に関するメッセージを放送し、出荷スタッフは、その放送音声に基づいて物品を準備し、必要な物品を第2のドローンに積載する。ここで、該指令テキストは、第1のドローンの位置、タスクルートなどの情報をさらに含むことができる。第1のドローンと第2のドローンは通信することができる。本開示は、第1ドローンと第2のドローンの通信方式を限定しない。
【0072】
いくつかの実施例において、該第2のドローンも音声認識機能を有し、巡回検査スタッフを認識し、巡回検査スタッフから発された指令を認識することができる。例示的に、第2のドローンが必要な物品を積載しておき、巡回検査スタッフの近くに到着した場合、巡回検査スタッフは「低く飛んでください」という音声指令を発することができる。
【0073】
このように、第1のドローンと第2のドローンとを組み合わせて使用する技術案により、ドローンが化学工業生産工場エリアを巡回検査するインテリジェント化を向上させることで、ドローンが化学工業生産工場エリアを巡回検査する効率を向上させることができる。
【0074】
本開示の実施例において、該第1のドローンに第1の音声認識モデルが設けられており、対象オブジェクトは巡回検査スタッフを含む。該ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法は、第1のドローンが巡回検査スタッフの音声を受信した場合、第1の音声認識モデルにより巡回検査スタッフの物品要求が認識されると、システムのバックグラウンドに物品要求を送信することをさらに含む。
【0075】
いくつかの実施例において、第1のドローンが巡回検査スタッフの音声を受信した場合、第1の音声認識モデルにより巡回検査スタッフの物品要求が認識されると、システムのバックグラウンドに物品要求を送信する。また、第1のドローンの位置と巡回検査スタッフの標識を送信してもよい。
【0076】
ここで、該第1の音声認識モデルは、スタッフのオーディオを抽出して認識することができ、該認識オーディオは、異なる地域のスタッフの音声であってもよいし、他の言語の音声であってもよい。
【0077】
このように、第1のドローンが巡回検査スタッフの音声を受信した場合、第1の音声認識モデルによって巡回検査スタッフの物品要求が認識されると、物品要求をシステムのバックグラウンドに送信する。巡回検査スタッフの指令をリアルタイムに収集することができ、ドローンが巡回検査タスクの実行効率を向上させることに寄与する。
【0078】
本開示の実施例において、該第1のドローンには第2の音声認識モデルが設けられている。対象オブジェクトは対象機器を含む。該ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法は、第1のドローンによるプリセット巡回検査タスクの実行中において、収集された対象機器の音を第2の音声認識モデルに入力し、第2の音声認識モデルにより対象機器の故障とマッチングする物品要求を分析して得た場合、システムのバックグラウンドに物品要求を送信することをさらに含む。
【0079】
いくつかの実施例において、第1のドローンが巡回検査スタッフの音声を受信した時、第2の音声認識モデルによって対象機器の故障と合わせる物品要求を分析して得た場合、システムのバックグラウンドに物品要求を送信する。まは、第1のドローンの位置及び巡回検査スタッフの標識を送信してもよい。
【0080】
いくつかの実施例において、該第2の音声認識モデルは、機器のオーディオを抽出し、機器のオーディオを分析して、対象シーンにおける機器の状態を確定することができる。具体的には、該第2の音声認識モデルは、機器のオーディオにおけるノイズを除去することもできる。
【0081】
ここで、機器のオーディオを分析することは、機器の運転音の強さを分析することと、機器運転の周波数を分析することと、機器運転の変動を分析することを含むことができる。ある特殊な機器は、異なる動作状態における運転音の強さ、周波数及び変動が異なる。また、機器が異常状態にあるときには、機器の音、周波数、および変動も異なる。機器のオーディオを分析することにより、必要なメンテナンスツール及び破損部材などの情報を得ることができる。
【0082】
このように、第1のドローンによるプリセット巡回検査タスクの実行中に、収集された対象機器の音を第2の音声認識モデルに入力し、第2の音声認識モデルにより対象機器の故障とマッチングする物品要求を分析し、システムのバックグラウンドに物品要求を送信することにより、機器状態を確定するためにデータサポートを提供することができ、巡回検査スタッフの作業効率の向上に寄与する。
【0083】
本開示の実施例において、該ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法は、第1のドローンがプリセット巡回検査タスクを実行するための巡回検査ルートを確定することと、第1のドローンが巡回検査ルートに基づいてプリセット巡回検査タスクを実行するように、第1のドローンに巡回検査ルートを送信することと、をさらに含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、巡回検査ルートは、巡回検査すべき機器名称、巡回検査シーケンス、および滞在時間を含む。
【0085】
ここで、該巡回検査ルートは、第1のドローンに対して作成された最適な巡回検査ルートであり、ルート計画モデルによって得ることができる。ルート計画モデルは、各ドローンの状態情報、既知の他のドローンから返信された巡回検査結果及び巡回検査要求に基づいて、第1のドローンの巡回検査ルートを生成する。
【0086】
このように、第1のドローンがプリセット巡回検査タスクを実行する巡回検査ルートを確定し、第1のドローンが巡回検査ルートに基づいてプリセット巡回検査タスクを実行するように、第1のドローンに巡回検査ルートを送信する。これにより、ドローン巡回検査の効率を高めることができる。
【0087】
本開示の実施例において、該対象オブジェクトは巡回検査スタッフを含む。該ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法は、第1のドローンから送信された巡回検査スタッフの制御指令及び制御指令に対する第1のドローンの実行状況記録を受信することであって、ここで、制御指令は、第1のドローンによるプリセット巡回検査タスクの実行中に受信されたものであり、且つ、第1のドローンは、巡回検査スタッフが制御指令を発する制御権限を有することを識別できていることと、巡回検査スタッフの制御指令及び制御指令に対応する実行状況記録を記憶することと、をさらに含む。
【0088】
いくつかの実施例において、該実行状況記録は、スタッフの作業過程、作業時間及び作業結果を記録することができる。
【0089】
いくつかの実施例において、巡回検査スタッフがドローンを制御する権限を有する場合、ドローンは巡回検査スタッフの指令を実行する。例えば、巡回検査スタッフAがドローンを制御する権限を有する場合、巡回検査スタッフAは、「〇〇機器を点検している上面図を1枚撮ってください」、「〇〇機器を点検している正面図を1枚撮ってください」、「〇〇機器の側面図を1枚撮ってください」、「〇〇機器の音声を10秒記録してください」、「〇〇機器を修理しているビデオを録画してください」という指令を出すことができる。
【0090】
このように、第1のドローンから送信された巡回検査スタッフの制御指令及び制御指令に対する第1のドローンの実行状況記録を受信することにより、巡回検査スタッフの作業状況を記録することができ、巡回検査スタッフの作業仕様を記録し、後続の作業に経験データを提供することに寄与する。
【0091】
本開示の実施例は、上記ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法を実行可能な、ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御システムをさらに提供する。図5は、本開示の実施例に係るドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御システム500の概略ブロック図である。図5に示すように、該ドローンによる化学化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御システム500は、対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローン520であって、前記化学工業生産工場エリアの前記プリセット巡回検査タスクを担当する第1のドローン520を確定し、対象シーンにおいて第1のドローン520によって収集された対象オブジェクトのデータを取得し、対象オブジェクトのデータに基づいて対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を確定し、状態が、対象オブジェクトが対象シーンにおける予め設定された状態にあることを表す場合、対象シーンにおいて予め設定された状態とマッチングする提示情報を出力するための制御装置510と、プリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローン520とを含む。
【0092】
このように、ドローンが化学工業生産工場エリアを巡回検査することにより、巡回検査の効率を向上させることができることで、化学工業生産工場エリアの正常運転および化学工業生産工場エリアの安全を保証する。
【0093】
本開示の実施例において、図5に示すように、該ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御システムは、制御装置510のスケジューリング指令を受信し、スケジューリング指令に基づいて対象物品を第1のドローン520に対応する巡回検査スタッフに搬送するための第2のドローン530をさらに含む。スケジューリング指令は、制御装置510が第1のドローン520から送信された物品要求に基づいて決定されるものである。
【0094】
ここで、該巡回検査スタッフは、該第1ドローンが追従するスタッフである。
このように、第1のドローンと第2のドローン同士の協調作業を実現することができ、ドローンが化学工業生産工場エリアを巡回検査するインテリジェント化を向上させることで、ドローンの化学工業生産工場エリアに対する巡回検査効率を向上させる。
【0095】
なお、図2図5に示すフローチャートは例示的なものに過ぎず、限定的なものではなく、上記フローは作業要求に応じて適応的に調整又は変更することができ、ここでは説明を省略する。当業者は、図2図5の例に基づいて様々な明らかな変更及び/又は置換を行うことができ、それによる技術案は依然として本開示の実施例の開示範囲に属する。
【0096】
本開示の実施例は、ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御装置を提供する。図6に示すように、該ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御装置は、
対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンであって、化学工業生産工場エリアのプリセット巡回検査タスクを担当する第1のドローンを確定する第1の確定モジュール610と、
対象シーンにおいて第1のドローンが収集した対象オブジェクトのデータを取得する取得モジュール620と、
対象オブジェクトのデータに基づいて、対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を確定する第2の確定モジュール630と、
状態が、対象オブジェクトが対象シーンにおける予め設定された状態にあることを表す場合、対象シーンにおいて予め設定された状態とマッチングする提示情報を出力する出力モジュール640とを含むことができる。
プリセット巡回検査タスクについては、
対象シーンが能動的巡回検査シーンに属し、且つ対象オブジェクトが機器である場合、プリセット巡回検査タスクは、定例巡回検査タスク又はサンプリング巡回検査タスクであり、
対象シーンが能動的巡回検査シーンに属し、且つ対象オブジェクトが人である場合、プリセット巡回検査タスクは、定例巡回検査タスク又はサンプリング巡回検査タスクであり、
対象シーンが受動的巡回検査シーンに属し、且つ対象オブジェクトが機器である場合、プリセット巡回検査タスクは、専ら対象オブジェクトに対する第1の専門巡回検査タスクであり、
対象シーンが受動的巡回検査シーンに属し、対象オブジェクトが人である場合、プリセット巡回検査タスクは、対象オブジェクトの要求に基づいて生成された第2の専門巡回検査タスクである。
【0097】
いくつかの実施例において、該第1の確定モジュール610は、ドローンから送信された追従指令に応答して、追従指令を送信したドローンを第1のドローンとして確定するための第1の確定サブモジュールを含む。追従指令は巡回検査スタッフが追従指令を送信するドローンに発した指令であり、巡回検査スタッフに追従して動作することをドローンに指示するためのものである。追従指令は、プリセット巡回検査タスクを表す情報を含む。
【0098】
いくつかの実施例において、該第1の確定モジュール610は、端末から送信された作業要求を受信したことに応答して、作業要求及び候補ドローンの状態情報に基づいて、候補ドローンから、端末に対して対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンを確定するための第2の確定サブモジュールを含む。作業要求は、プリセット巡回検査タスクを表す情報を含む。
【0099】
いくつかの実施例において、該第1の確定モジュール610は、候補ドローンの状態情報に基づいて、巡回検査周期に応じて候補ドローンから対象シーンにおいてプリセット巡回検査タスクを実行するための第1のドローンを確定するための第3の確定サブモジュールを含む。
【0100】
いくつかの実施例において、該プリセット巡回検査タスクは、以下のうちの少なくとも一方を含む。対象シーンが能動的巡回検査シーンに属し、且つ対象オブジェクトが機器である場合、プリセット巡回検査タスクは、定例巡回検査タスク又はサンプリング巡回検査タスクであり、対象シーンが能動的巡回検査シーンに属し、且つ対象オブジェクトが人である場合、プリセット巡回検査タスクは、定例巡回検査タスク又はサンプリング巡回検査タスクであり、対象シーンが受動的巡回検査シーンに属し、且つ対象オブジェクトが機器である場合、プリセット巡回検査タスクは、専ら対象オブジェクトに対する第1の専門巡回検査タスクであり、対象シーンが受動的巡回検査シーンに属し、且つ対象オブジェクトが人である場合、プリセット巡回検査タスクは、対象オブジェクトの要求に基づいて生成された第2の専門巡回検査タスクである。
【0101】
いくつかの実施例において、予め設定された状態は機器異常状態を含み、対象オブジェクトは対象機器を含む。該出力モジュール640は、状態が、対象機器が対象シーンにおける機器異常状態にあることを表す場合、対象シーンにおいて機器異常状態とマッチングする提示情報を出力するための第1の出力サブモジュールを含む。
【0102】
いくつかの実施例において、予め設定された状態はスタッフ異常状態を含み、対象オブジェクトは対象スタッフを含む。該出力モジュール640は、状態が、対象スタッフが対象シーンにおけるスタッフ異常状態にあることを表す場合、対象シーンにおいてスタッフ異常状態とマッチングする提示情報を出力するための第2の出力サブモジュールを含む。
【0103】
いくつかの実施例において、該第2の確定モジュール630は、を少なくとも対象オブジェクトの各状態と対応する区間データとの間の関係含む既知の対応関係を取得するための第1の取得サブモジュールと、既知の対応関係に基づいて、対象シーンにおける対象オブジェクトのデータに対応する状態を分析するための分析サブモジュールと、を含む。
【0104】
いくつかの実施例において、該第2の確定モジュール630は、対象シーンにおける対象オブジェクトのデータを状態分析モデルに入力するための入力サブモジュールと、状態分析モデルにから出力された対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を取得するための第2の取得サブモジュールと、を含む。ここで、状態分析モデルは、既知の対応関係に基づいて訓練して得られ、対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を予測するためのものである。
【0105】
いくつかの実施例において、該ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御装置は、対象シーンにおける対象オブジェクトのデータと対象オブジェクトの状態との間の対応関係を確立するための確立モジュール(図6に図示せず)と、対応関係に基づいて既知の対応関係を更新するための更新モジュール(図6に図示せず)と、をさらに含む。
【0106】
いくつかの実施例において、該ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御装置は、第1のドローンから送信された物品要求を受信するための第1の受信モジュール(図6に図示せず)と、第2のドローンが物品要求に基づいて対象物品を第1のドローンに対応する巡回検査スタッフに搬送するように、物品要求に基づいて第1のドローンに対して第2のドローンをスケジューリングするスケジューリングモジュール(図6に図示せず)と、をさらに含む。
【0107】
いくつかの実施例において、第1のドローンには第1の音声認識モデルが設けられており、対象オブジェクトは巡回検査スタッフを含み、該ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御装置は、第1のドローンが巡回検査スタッフの音声を受信した時、第1の音声認識モデルにより巡回検査スタッフの物品要求が認識された場合、システムのバックグラウンドに物品要求を送信するための第1の送信モジュール(図6に図示せず)をさらに含む。
【0108】
いくつかの実施例において、該ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御装置は、第1のドローンによるプリセット巡回検査タスクの実行中に、収集された対象機器の音を第2の音声認識モデルに入力し、第2の音声認識モデルにより対象機器の故障とマッチングする物品要求を分析して得た場合、システムのバックグラウンドに物品要求を送信するための第2の送信モジュール(図6に図示せず)をさらに含む。
【0109】
いくつかの実施例において、該ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御装置は、第1のドローンがプリセット巡回検査タスクを実行するための巡回検査ルートを確定するための第3の確定モジュール(図6に図示せず)と、第1のドローンが巡回検査ルートに基づいてプリセット巡回検査タスクを実行するように、第1のドローンに巡回検査ルートを送信するための第3の送信モジュール(図6に図示せず)と、をさらに含む。
【0110】
いくつかの実施例において、対象オブジェクトは巡回検査スタッフを含む。該ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御装置は、第1のドローンから送信された巡回検査スタッフの制御指令及び制御指令に対応する第1のドローンの実行状況記録を受信するための第2の受信モジュール(図6に図示せず)と、巡回検査スタッフの制御指令及び制御指令に対応する実行状況記録を記憶するための記憶モジュール(図6に図示せず)をさらに含む。ここで、制御指令は、第1のドローンによるプリセット巡回検査タスクの実行中に受信されたものであり、また、第1のドローンは、巡回検査スタッフが制御指令を送信する制御権限を有することを識別できている。
【0111】
当業者であれば、本開示の実施例に係るドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御装置における各処理モジュールの機能について、前述したドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法の関連説明を参照して理解できることと、本開示の実施例に係るドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御装置における各処理モジュールが、本開示の実施例に係る機能を実現するアナログ回路によって実現されてもよいし、本開示の実施例に係る機能を実行するためのソフトウェアを電子機器で実行して実現されてもよいことを理解すべきである。
【0112】
本開示の実施例のドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御装置は、ドローンが化学工業生産工場エリアを巡回検査することにより、巡回検査の効率を向上させ、巡回検査の自由度を向上させることができることで、化学工業生産工場エリアの正常運転及び化学工業生産工場エリアの安全を保証する。
【0113】
本開示の実施例によれば、本開示は、電子機器及び可読記憶媒体をさらに提供する。
【0114】
図7は本開示の一実施例による電子機器の構成ブロック図である。図7に示すように、該電子機器は、メモリ710及びプロセッサ720を含む。メモリ710には、プロセッサ720で実行可能なコンピュータプログラムが記憶されている。メモリ710及びプロセッサ720の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。メモリ710は、1つ又は複数のコンピュータプログラムを記憶してもよい。該1つ又は複数のコンピュータプログラムが該電子機器によって実行されると、該電子機器に上記方法実施例に係る方法を実行させることができる。該電子機器は、外部機器と通信し、データの交換伝送を行うための通信インターフェース730をさらに含むことができる。
【0115】
メモリ710、プロセッサ720、および通信インターフェース730が分体であれば、メモリ710、プロセッサ720、および通信インターフェース730は、バスを介して互いに接続され、互いに通信することができる。該バスは、ISA(Industry Standard Architecture、)バス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス、EISA(Extended Industry Standard Architecture)バスなどであってもよい。該バスは、アドレスバス、データバス、制御バスなどに分けることができる。便宜上、図7では、1つの太線のみで示しているが、1本のバスまたは1種のタイプのバスしか存在しないことを意味することではない。
【0116】
選択的に、具体的に実現する場合、メモリ710、プロセッサ720、および通信インターフェース730が1つのチップに集積される場合、メモリ710、プロセッサ720、および通信インターフェース730は、内部インターフェースを介して互いに通信することができる。
【0117】
前記プロセッサは、中央処理装置(Central Processing Unit,CPU)であってもよく、他の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processing,DSP)、専用集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート、トランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントなどであってもよいと理解されたい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ又は任意の通常のプロセッサなどであってもよい。なお、プロセッサは、高度な縮小命令セットマシン(Advanced RISC Machine,ARM)アーキテクチャに対応することができるプロセッサであってもよい。
【0118】
さらに、選択的に、前記メモリは、リードオンリメモリおよびランダムアクセスメモリを含むことができ、不揮発性ランダムアクセスメモリをさらに含むことができる。該メモリは、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよく、又は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの両方を含むことができる。不揮発性メモリは、ROM(Read-Only Memory)、プログラマブルリードオンリメモリ(Programmable ROM,PROM)、EPROM(Erasable PROM),EEPROM(Electrically EPROM)、又はフラッシュメモリを含むことができる。揮発性メモリは、外部キャッシュとして使用されるランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)を含むことができる。上記の説明は例示に過ぎず、制約的ではない。多くの形態のRAMが使用可能である。例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(Static RAM,SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory,DRAM)、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(Synchronous DRAM,SDRAM)、ダブルデータレートシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(Double Data Date SDRAM,DDR SDRAM)、エンハンスドシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(Enhanced SDRAM,ESDRAM)、シンクリンクダイナミックランダムアクセスメモリ(Synchlink DRAM,SLDRAM)及びダイレクトメモリバスランダムアクセスメモリ(Direct RAM BUS RAM,DR RAM)を使用してもよい。
【0119】
上記実施例において、全部又は一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はその任意の組み合わせによって実現されてもよい。ソフトウェアを用いて実現する場合、全部又は一部をコンピュータプログラム製品の形態で実現することができる。前記コンピュータプログラム製品は、1つ以上のコンピュータ指令を含む。コンピュータで前記コンピュータ指令をロードして実行する場合、本開示の実施例に記載のフロー又は機能を全部又は部分的に生成する。前記コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または他のプログラマブル装置であってもよい。前記コンピュータ指令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、又は、1つのコンピュータ可読記憶媒体から他のコンピュータ可読記憶媒体に伝送されてもよい。例えば、前記コンピュータ指令は、一方のウェブサイト、コンピュータ、サーバ又はデータセンターから有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、デジタル加入者線(Digital Subscriber Line, DSL))または無線(例えば、赤外線、ブルートゥース(登録商標)、マイクロ波など)を介して、他方のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンターに伝送されてもよい。前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってもよく、もしくは、1つ以上の利用可能な媒体を含んで集積されたサーバ、データセンターなどのデータ記憶機器であってもよい。前記利用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、または磁気テープ)、光媒体(例えば、デジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disc,DVD))、半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスク(Solid State Disk,SSD))などであってもよい。なお、本開示に係るコンピュータ可読記憶媒体は、不揮発性記憶媒体であってもよく、言い換えれば、非一時的な記憶媒体であってもよい。
【0120】
当業者であれば、上記実施例を実現するステップの全部又は一部がハードウェアによって完成されてもよく、プログラムによって関連するハードウェアに対して指令して完成されてもよく、前記プログラムがコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、上記記憶媒体がリードオンリメモリ、磁気ディスク又は光ディスクなどであってもよいことを理解できる。
【0121】
本開示の実施例の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示」、「具体的な例示」、又は「いくつかの例示」という用語に対する説明は、該実施例又は例示に関連して説明された具体的な特徴、構造、材料又は特点が本開示の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれることを意味する。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特点は、いずれか1つ又は複数の実施例又は例示において、適切な方式で組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない限り、当業者は、本明細書に記載された異なる実施例又は例示及び異なる実施例又は例示における特徴を組み合わることができる。
【0122】
本開示の実施例の説明において、特に断らない限り、「/」は「又は」を意味し、例えば、「A/B」は「A」又は「B」を表すことができる。本明細書における「及び/又は」は、関連対象を記述する関連関係に過ぎず、3つの関係が存在する可能性を意味し、例えば、「A及び/又はB」は、「A」が単独で存在し、「A」と「B」が同時に存在し、「B」が単独で存在するという3つの状況を示すことができる。
【0123】
本開示の実施例の説明において、「第1」、「第2」という用語は、説明だけであり、相対的な重要性を指示又は暗示するか、又は指示された構成要件の数を暗示すると理解されるべきではない。これにより、「第1」、「第2」が限定された特徴は、1つ又は複数の該特徴を明示的又は暗示的に含むことができる。本開示の実施例の説明において、特に断らない限り、「複数」の意味は2つ以上である。
【0124】
以上は、本開示の例示的な実施例に過ぎず、本開示を限定するものではなく、本開示の趣旨及び原則で行われるいかなる修正や均等置換や改良などは、いずれも本開示の請求範囲内に含まれるべきである。
【要約】      (修正有)
【課題】工場の巡回検査方式は天気、スペース及び機器の高さなどに影響されやすい。巡回検査の効率を向上させ、巡回検査の自由度を向上させる制御方法、制御システム、制御装置及び電子器を提供する。
【解決手段】ドローンによる化学工業生産工場エリアの巡回検査のための制御方法であって、対象シーンにおいて巡回検査タスクを実行するため第1のドローン第1のドローンを確定し、第1のドローンによって収集された対象オブジェクトのデータを取得し、データに基づいて対象シーンにおける対象オブジェクトの状態を確定し、状態が対象オブジェクトが対象シーンにおける予め設定された状態にあることを表す場合、対象シーンにおいて予め設定された状態とマッチングする提示情報を出力する。これにより巡回検査の効率を向上させ、巡回検査の自由度を向上させることができ、化学工業生産工場エリアの正常運転及び化学工業生産工場エリアの安全を保証する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7