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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-03
(45)【発行日】2025-06-11
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 85/00 20060101AFI20250604BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20250604BHJP
   B65H 11/00 20060101ALI20250604BHJP
   B65H 3/44 20060101ALI20250604BHJP
   B65H 3/52 20060101ALI20250604BHJP
   B65H 3/06 20060101ALI20250604BHJP
   B41J 13/00 20060101ALI20250604BHJP
【FI】
B65H85/00
B41J2/01 103
B41J2/01 305
B65H11/00 Z
B65H3/44 Z
B65H3/52 330E
B65H3/06 A
B41J13/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021072728
(22)【出願日】2021-04-22
(65)【公開番号】P2022167139
(43)【公開日】2022-11-04
【審査請求日】2024-03-13
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(72)【発明者】
【氏名】土橋 祥兼
(72)【発明者】
【氏名】和木 信悟
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-189385(JP,A)
【文献】特開2001-139207(JP,A)
【文献】特開2009-227395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 85/00
B41J 2/01
B65H 11/00
B65H 3/44
B65H 3/52
B65H 3/06
B41J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を収容する少なくとも1つの媒体収容部と、
装置高さ方向において前記媒体収容部より上方に位置し、前記媒体収容部から搬送経路に沿って搬送される前記媒体に記録を行う記録部と、
前記装置高さ方向の下方に向けて凸状となる湾曲経路を含む反転路であって、前記搬送経路における前記記録部に対する上流の部位及び下流の部位に接続される前記反転路を有し、前記記録部によって記録された前記媒体の表裏を反転させる反転部と、
前記搬送経路における前記記録部に対する上流の部位に接続される給送路を有し、前記給送路から前記搬送経路へ前記媒体を給送する給送部と、
前記記録部、前記反転部、及び前記給送部を備える本体ユニットの外郭を構成する筐体と、
を備え、
前記反転路は、全体が前記本体ユニットの前記筐体内に形成され、
前記装置高さ方向において前記反転部の最下部は、前記装置高さ方向の下方に向けて凸状となる前記湾曲経路の最下部で構成され、
前記媒体収容部は、
前記装置高さ方向と交差する装置幅方向に第1長さを有する第1収容部と、
前記装置高さ方向において前記第1収容部より下方に位置し、前記装置幅方向に前記第1長さより長い第2長さを有する第2収容部と、
を備え、
前記給送部は、前記媒体を前記搬送経路へ給送する給送ローラーを備え、
前記湾曲経路の前記最下部と、前記給送ローラーの少なくとも一部とが、前記装置幅方向における前記第1収容部に対する外側且つ前記装置高さ方向における前記第2収容部に対する上側の領域内に位置し、
前記装置幅方向から見た場合、前記給送ローラーの少なくとも一部と、前記湾曲経路の前記最下部と、前記第1収容部の少なくとも一部とが、前記装置高さ方向にそれぞれ重なり、
前記反転部は、前記媒体の搬送方向における前記湾曲経路より上流に位置する上流経路を更に有し、
前記上流経路は、前記装置高さ方向と交差する交差方向に沿って傾斜された傾斜部を有し、
前記装置高さ方向から見た場合、前記傾斜部の少なくとも一部と前記給送ローラーの少なくとも一部とが前記装置幅方向に重な
前記傾斜部と水平方向との成す角度が、60°以上90°未満であり、
前記給送部は、
複数の前記媒体が載置可能な給送トレイと、
前記給送ローラーと対向配置されるローラーであって、前記給送トレイに載置された複数の前記媒体から1枚の前記媒体を分離する分離ローラーと、
を備え、
前記装置高さ方向から見た場合、前記傾斜部の少なくとも一部と前記分離ローラーの少なくとも一部とが前記装置幅方向に重なり、
前記記録部と対向する前記搬送経路は、回転する搬送ベルトによって形成されているとともに、前記傾斜部と同じ方向に傾斜しており、
前記搬送ベルトは、前記交差方向において前記記録部と対向する前記搬送経路と前記上流経路との間の領域に配置される、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置において、
前記本体ユニットの下部に対して着脱可能な増設ユニットを備え、
前記第1収容部は、前記本体ユニットに設けられ、
前記第2収容部は、前記増設ユニットに設けられる、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の記録装置において、
前記第2収容部から前記湾曲経路へ延びる経路を供給路として、
前記給送路及び前記供給路は、合流した後に前記湾曲経路に共に繋がる、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項に記載の記録装置において、
前記給送路と前記供給路とが合流する合流部は、前記装置幅方向から見た場合、前記第1収容部の一部と前記装置高さ方向に重なる、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の記録装置において、
前記装置幅方向から見た場合、前記給送ローラーの前記装置高さ方向の全体が、前記第1収容部と前記装置高さ方向に重なる、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項6】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記給送部は、
複数の前記媒体が載置可能な給送トレイと、
前記給送トレイに載置された複数の前記媒体から1枚の前記媒体を分離する分離ローラーと、を備え、
前記装置幅方向から見た場合、前記分離ローラーと前記第1収容部の少なくとも一部とが前記装置高さ方向に重なる、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項7】
請求項1から請求項の何れか1項に記載の記録装置において、
前記湾曲経路は、前記媒体を搬送する搬送ローラー対を備え、
前記装置幅方向から見た場合、前記給送部の少なくとも一部と前記搬送ローラー対の少なくとも一部とが、前記装置高さ方向に重なる、
ことを特徴とする記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の画像形成装置は、第2搬送路、第3搬送路と再搬送通路との合流部、給紙カセットが装置高さ方向において異なる位置にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-52585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、給送部としての第2搬送路、反転部としての再搬送通路及び媒体収容部としての給紙カセットが、装置高さ方向において異なる位置にある。このため、画像形成装置が装置高さ方向に大型化していた。
このように、媒体収容部と、反転部と、給送部とを有する記録装置では、記録装置が装置高さ方向に大型化する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為の、本発明に係る記録装置は、媒体を収容する少なくとも1つの媒体収容部と、装置高さ方向において前記媒体収容部より上方に位置し、前記媒体収容部から搬送経路に沿って搬送される前記媒体に記録を行う記録部と、前記装置高さ方向の下方に向けて凸状となる湾曲経路を含む反転路であって、前記搬送経路における前記記録部に対する上流の部位及び下流の部位に接続される前記反転路を有し、前記記録部によって記録された前記媒体の表裏を反転させる反転部と、前記搬送経路における前記記録部に対する上流の部位に接続される給送路を有し、前記給送路から前記搬送経路へ前記媒体を給送する給送部と、を備え、前記装置高さ方向と交差する装置幅方向から見た場合、前記給送部の少なくとも一部と、前記湾曲経路の少なくとも一部と、前記媒体収容部の少なくとも一部とが、前記装置高さ方向にそれぞれ重なることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係るプリンターの全体構成を示す図。
図2】実施形態に係るプリンターの一部を拡大した図。
図3】実施形態に係るプリンターの一部を拡大した図。
図4】実施形態に係るプリンターの一部を拡大した図。
図5】実施形態に係るプリンターの第1カセット及び給送ローラーを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明について概略的に説明する。
第1の態様に係る記録装置は、媒体を収容する少なくとも1つの媒体収容部と、装置高さ方向において前記媒体収容部より上方に位置し、前記媒体収容部から搬送経路に沿って搬送される前記媒体に記録を行う記録部と、前記装置高さ方向の下方に向けて凸状となる湾曲経路を含む反転路であって、前記搬送経路における前記記録部に対する上流の部位及び下流の部位に接続される前記反転路を有し、前記記録部によって記録された前記媒体の表裏を反転させる反転部と、前記搬送経路における前記記録部に対する上流の部位に接続される給送路を有し、前記給送路から前記搬送経路へ前記媒体を給送する給送部と、を備え、前記装置高さ方向と交差する装置幅方向から見た場合、前記給送部の少なくとも一部と、前記湾曲経路の少なくとも一部と、前記媒体収容部の少なくとも一部とが、前記装置高さ方向にそれぞれ重なることを特徴とする。
本態様によれば、前記装置幅方向から見た場合、前記給送部の少なくとも一部と、前記湾曲経路の少なくとも一部と、前記媒体収容部の少なくとも一部とが、前記装置高さ方向にそれぞれ重なる。これにより、前記装置高さ方向において、前記給送部、前記湾曲経路及び前記媒体収容部の配置に必要な空間が、前記給送部、前記湾曲経路及び前記媒体収容部が重ならない構成の空間に比べて小さくなるので、前記記録装置の高さを低くできる。
【0008】
第2の態様に係る記録装置は、第1の態様において、前記媒体収容部は、前記装置幅方向に第1長さを有する第1収容部と、前記装置高さ方向において前記第1収容部より下方に位置し、前記装置幅方向に前記第1長さより長い第2長さを有する第2収容部と、を備え、前記湾曲経路の少なくとも一部及び前記給送部の少なくとも一部のうち、少なくとも一方は、前記装置幅方向における前記第1収容部に対する外側且つ前記装置高さ方向における前記第2収容部に対する上側の領域内に位置することを特徴とする。
本態様によれば、前記湾曲経路の少なくとも一部又は前記給送部の少なくとも一部が、前記装置幅方向における前記第1収容部に対する外側且つ前記装置高さ方向における前記第2収容部に対する上側の前記領域内に位置しない構成に比べて、前記給送部又は前記湾曲経路の配置に必要な空間が小さくて済むので、前記記録装置の高さを低くできる。
【0009】
第3の態様に係る記録装置は、第2の態様において、前記第2収容部から前記湾曲経路へ延びる経路を供給路として、前記給送路及び前記供給路は、合流した後に前記湾曲経路に共に繋がることを特徴とする。
本態様によれば、前記給送路の一部及び前記供給路の一部が共通化されるので、前記湾曲経路に対して前記給送路と前記供給路とが別々に繋がる構成に比べて、前記媒体が搬送される前記搬送経路に設けられる部材の数を減らすことができる。
【0010】
第4の態様に係る記録装置は、第3の態様において、前記給送路と前記供給路とが合流する合流部は、前記装置幅方向から見た場合、前記第1収容部の一部と前記装置高さ方向に重なることを特徴とする。
本態様によれば、前記装置高さ方向において、前記合流部及び前記第1収容部の配置に必要な空間が、前記合流部と前記第1収容部とが重ならない構成の空間に比べて小さくなるので、前記記録装置の高さを低くできる。
【0011】
第5の態様に係る記録装置は、第1の態様から第4の態様のいずれか1つにおいて、前記給送部は、前記媒体を前記搬送経路へ給送する給送ローラーを備え、前記装置幅方向から見た場合、前記給送ローラーの少なくとも一部と、前記湾曲経路の少なくとも一部と、前記媒体収容部の少なくとも一部とが、前記装置高さ方向にそれぞれ重なることを特徴とする。
本態様によれば、前記装置幅方向から見た場合、前記給送ローラーの少なくとも一部と、前記湾曲経路の少なくとも一部と、前記媒体収容部の少なくとも一部とが、前記装置高さ方向にそれぞれ重なる。これにより、前記装置高さ方向において、前記給送ローラー、前記湾曲経路及び前記媒体収容部の配置に必要な空間が、前記給送ローラー、前記湾曲経路及び前記媒体収容部が重ならない構成の空間に比べて小さくなるので、前記記録装置の高さを低くできる。
【0012】
第6の態様に係る記録装置は、第5の態様において、前記装置幅方向から見た場合、前記給送ローラーの前記装置高さ方向の全体が、前記媒体収容部と前記装置高さ方向に重なることを特徴とする。
本態様によれば、前記装置幅方向から見た場合に前記給送ローラーと前記媒体収容部とが前記装置高さ方向に重ならない構成に比べて、前記記録装置の高さを低くできる。
【0013】
第7の態様に係る記録装置は、第1の態様から第6の態様のいずれか1つにおいて、前記給送部は、複数の前記媒体が載置可能な給送トレイと、前記給送トレイに載置された複数の前記媒体から1枚の前記媒体を分離する分離ローラーと、を備え、前記装置幅方向から見た場合、前記分離ローラーと前記媒体収容部の少なくとも一部とが前記装置高さ方向に重なることを特徴とする。
本態様によれば、前記装置幅方向から見た場合、前記分離ローラーと前記媒体収容部の少なくとも一部とが前記装置高さ方向に重なる。これにより、前記装置高さ方向において、前記分離ローラー及び前記媒体収容部の配置に必要な空間が、前記分離ローラー及び前記媒体収容部が重ならない構成の空間に比べて小さくなるので、前記記録装置の高さを低くできる。
【0014】
第8の態様に係る記録装置は、第1の態様から第7の態様のいずれか1つにおいて、前記反転部は、前記媒体の搬送方向における前記湾曲経路より上流に位置する上流経路を更に有し、前記上流経路は、前記装置高さ方向と交差する交差方向に沿って傾斜された傾斜部を有し、前記装置高さ方向から見た場合、前記傾斜部の少なくとも一部と前記給送部の少なくとも一部とが前記装置幅方向に重なることを特徴とする。
本態様によれば、前記上流経路が傾斜部を有することで確保された空間に、前記給送部の少なくとも一部が配置されるので、前記上流経路の一部が前記装置幅方向に延びる構成に比べて、前記記録装置の幅を小さくできる。
【0015】
第9の態様に係る記録装置は、第1の態様から第8の態様のいずれか1つにおいて、前記湾曲経路は、前記媒体を搬送する搬送ローラー対を備え、前記装置幅方向から見た場合、前記給送部の少なくとも一部と前記搬送ローラー対の少なくとも一部とが、前記装置高さ方向に重なることを特徴とする。
本態様によれば、前記湾曲経路が、前記媒体を搬送する搬送ローラー対を備えるので、前記搬送ローラー対を有さない構成と比べて、前記媒体を前記湾曲経路に沿って適切に搬送できる。更に、前記装置幅方向から見た場合、前記給送部の少なくとも一部と前記搬送ローラー対の少なくとも一部とが前記装置高さ方向に重なるので、前記記録装置の高さを低くできる。
【0016】
以下、本発明に係る記録装置の一例としてのプリンター10を具体的に説明する。
図1に示されるように、プリンター10は、用紙Pに対してインクQを吐出することで記録を行う記録装置の一例として構成される。なお、各図において表すX-Y-Z座標系は直交座標系である。用紙Pは、媒体の一例である。インクQは、液体の一例である。
【0017】
X方向は、水平方向である。X方向を示す矢印の基端側を-X方向、X方向を示す矢印の先端側を+X方向とする。また、X方向は、用紙Pの幅方向である。
Y方向は、装置幅方向の一例であり、プリンター10の奥行き方向且つ水平方向である。Y方向を示す矢印の先端側を+Y方向、Y方向を示す矢印の基端側を-Y方向とする。
Z方向は、装置高さ方向の一例であり、X方向及びY方向の両方と直交する方向である。Z方向を示す矢印の先端側を+Z方向、Z方向を示す矢印の基端側を-Z方向とする。以後の説明では、+Z方向を上方、-Z方向を下方と称する場合がある。
【0018】
A方向は、X方向から見た場合、Y方向と交差する方向であり、-Y方向の位置が+Y方向の位置に対して-Z方向に下がる斜め方向である。A方向を示す矢印の先端側を+A方向、A方向を示す矢印の基端側を-A方向とする。+A方向は、後述するラインヘッド40が搬送ベルト31に近づく方向である。-A方向は、ラインヘッド40が搬送ベルト31から退避する方向である。
B方向は、X方向から見た場合、A方向と直交する方向である。B方向を示す矢印の先端側を+B方向、B方向を示す矢印の基端側を-B方向とする。+B方向は、ラインヘッド40と搬送ベルト31との間の記録領域における用紙Pの搬送方向である。
【0019】
プリンター10において、用紙Pは、破線で表す搬送経路Tを通って搬送される。なお、用紙Pが搬送される搬送方向は、搬送経路Tに沿った方向であるため、搬送経路Tの各部において異なる。用紙Pが搬送されていく方向を「下流」と言い、その反対方向を「上流」と言う場合がある。なお、プリンター10では、用紙Pの例として、搬送方向の長さが異なる用紙PA、用紙PBを用いることが可能である。用紙PAの搬送方向の長さは、用紙PBの搬送方向の長さより短い。
【0020】
プリンター10は、一例として、本体ユニット12と、本体ユニット12に対する下方に配置された増設ユニット13とを有する。具体的には、プリンター10は、用紙カセット部16と、ラインヘッド40と、反転部50と、給送部60とを備える。更に、プリンター10は、インク供給部30と、キャップユニット32と、ワイパーユニット34と、廃液タンク38と、不図示の制御部とを備える。
【0021】
本体ユニット12は、外郭となる筐体が含まれる。本体ユニット12のZ方向の中央より+Z方向の部位には、排出トレイ17が設けられる。本体ユニット12及び増設ユニット13には、用紙カセット部16が設けられる。本体ユニット12の-Y方向の端部には、Y方向に開口する開口部14が形成される。後述する搬送経路Tは、開口部14の開放状態において露出可能である。
【0022】
増設ユニット13は、外郭となる筐体が含まれる。増設ユニット13は、本体ユニット12に対して着脱可能である。増設ユニット13における+Z方向の上端部と本体ユニット12における-Z方向の下端部とは繋がる。これにより、増設ユニット13から本体ユニット12への用紙Pの搬送が可能である。
排出トレイ17は、ラインヘッド40によって記録された用紙Pが排出される部位である。排出トレイ17は、一例として、A方向に沿って延びている。排出トレイ17では、載置された複数の用紙Pの+A方向の端部がB方向に沿って整列される。
【0023】
用紙カセット部16は、用紙Pを収容する少なくとも1つの媒体収容部の一例である。用紙カセット部16は、一例として、本体ユニット12に設けられた第1カセット22と、増設ユニット13に設けられた第2カセット24及び第3カセット26とを有する。
第1カセット22は、用紙PAを収容する第1収容部の一例である。第1カセット22は、+Z方向に開口する直方体の箱状に形成される。第1カセット22は、Y方向に第1長さL1〔mm〕を有する。第1カセット22に収容された用紙Pは、ピックアップローラー19A及びローラー対19Bが回転されることで、搬送経路Tへ送り込まれる。
【0024】
第2カセット24は、用紙PBを収容する第2収容部の一例である。第2カセット24は、Z方向において第1カセット22より下方に位置する。第2カセット24は、+Z方向に開口する直方体の箱状に形成される。第2カセット24は、Y方向に第2長さL2〔mm〕を有する。第2長さL2は、第1長さL1より長い。なお、第2カセット24のX方向の長さは、第1カセット22のX方向の長さより長い。第2カセット24に収容された用紙Pは、ピックアップローラー19A及びローラー対19Bが回転されることで、経路T2を通って搬送経路Tへ送り込まれる。
第3カセット26は、増設ユニット13内において、第2カセット24よりZ方向の下方に位置する。なお、第3カセット26は、一例として、第2カセット24と同様の構成とされており、配置のみが異なる。このため、第3カセット26の説明を省略する。
【0025】
インク供給部30は、後述するラインヘッド40にインクQを供給する。
キャップユニット32は、-A方向に開口する箱状に構成されている。キャップユニット32は、不図示の駆動機構部によって駆動されることで、B方向に沿った往復移動が可能である。キャップユニット32は、ラインヘッド40のメンテナンスを行う場合、+B方向に移動されることで、後述する吐出部42を覆い、インクQの吸引を行う。キャップユニット32は、ラインヘッド40による記録が行われる場合、-B方向に退避する。
【0026】
ワイパーユニット34は、インクQを収容可能なユニット本体36と、ユニット本体36に設けられ、吐出部42に付着したインクQを拭き取るワイパーブレード37とを有する。ワイパーユニット34は、不図示の駆動機構部によって駆動されることで、X方向に沿った往復移動が可能である。ワイパーユニット34は、ラインヘッド40のメンテナンスを行う場合、+X方向に移動されながら吐出部42の表面を拭き取ることで、インクQを回収する。ワイパーユニット34は、ラインヘッド40による記録が行われる場合、-X方向のホームポジションに退避する。
【0027】
廃液タンク38は、本体ユニット12のY方向及びZ方向のほぼ中央部に交換可能に設けられる。廃液タンク38は、キャップユニット32において回収されたインクQと、ワイパーユニット34において回収されたインクQとを収容する。
不図示の制御部は、不図示のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びストレージを含んで構成され、プリンター10における用紙Pの搬送や、ラインヘッド40を含む各部の動作を制御する。
【0028】
ラインヘッド40は、動作前のホームポジションに位置する状態において、Z方向における用紙カセット部16及び廃液タンク38より上方に位置する。ラインヘッド40は、用紙カセット部16から後述する搬送経路Tに沿って搬送される用紙Pに記録を行う記録部の一例である。ラインヘッド40は、後述する移動機構部44によって駆動されることで、+A方向及び-A方向への移動が可能である。
ラインヘッド40は、具体的には、移動機構部44によって駆動されるキャリッジ41と、キャリッジ41に支持される吐出部42とを備える。
吐出部42は、インク供給部30から供給されたインクQを用紙Pに向けて吐出する。
【0029】
移動機構部44は、一例として、ラック部46と、ピニオン48と、不図示のモーターとを含んで構成される。
ラック部46は、キャリッジ41の-Z方向の底部に取り付けられる。ラック部46は、不図示の複数の歯部を有する。
ピニオン48は、モーターによって正方向又は逆方向に回転される。ピニオン48の外周部には、ラック部46の複数の歯部と噛み合う不図示の複数の歯部が形成される。
【0030】
搬送経路Tは、用紙カセット部16から排出トレイ17まで延びており、用紙Pが搬送される経路である。搬送経路Tには、ピックアップローラー19A、ローラー対19B、受入ローラー対21、ローラー対23、25、搬送ベルト31、駆動ローラー33、従動ローラー35、ローラー対27及び排出ローラー対29が配置される。各ローラー対は、X方向に沿った軸の回りに回転される。駆動ローラー33及び従動ローラー35は、B方向に間隔をあけて配置され、X方向に沿った軸の回りに回転可能である。
【0031】
受入ローラー対21は、本体ユニット12におけるZ方向の下端部に回転可能に設けられる。受入ローラー対21は、増設ユニット13から搬送される用紙Pを受け入れる受入部材の一例である。Y方向から見た場合、受入ローラー対21の一部と第1カセット22の一部とがZ方向に重なる。受入ローラー対21の一部と第1カセット22の一部とが重なる範囲は、Z方向の範囲H7〔mm〕(図3)である。範囲H7は、一例として、後述する範囲H1(図4)より広く、範囲H4(図3)より狭い。
【0032】
搬送ベルト31は、筒状に形成されており、駆動ローラー33及び従動ローラー35に巻き掛けられている。また、搬送ベルト31は、ラインヘッド40に対する+A方向に位置する。搬送ベルト31は、駆動ローラー33が不図示のモーターによって回転されることで周回移動される。用紙Pは、搬送ベルト31の外周面と接触した状態において、搬送ベルト31が周回移動されることで、+B方向に搬送される。
【0033】
具体的には、搬送経路Tは、一例として、経路T1、経路T2、経路T3、経路T4及び経路T5を有する。
経路T1は、第3カセット26における-Y方向の端部位置からローラー対23におけるニップ中央位置N1まで延びる。
経路T2は、第2カセット24における-Y方向の端部位置から後述する湾曲経路R4へ向けて延びる供給路の一例であり、経路T1における受入ローラー対21より上流の位置に合流する。
【0034】
経路T3は、ニップ中央位置N1からローラー対25におけるニップ中央位置N2まで延びる。なお、経路T3における搬送方向の中央の位置を位置B(図2)とする。
経路T4は、第1カセット22における-Y方向の端部位置から延び経路T3に合流する。
経路T5は、ニップ中央位置N2から搬送ベルト31及びローラー対27を経由して排出ローラー対29におけるニップ中央位置N3まで延びる。
【0035】
反転部50は、一例として、反転路Rと、4つのローラー対52と、不図示のモーターとを有する。そして、反転部50は、ラインヘッド40によって記録された用紙Pの表裏を反転させてから、用紙Pを搬送経路Tに再び送り込む。
反転路Rは、湾曲経路R4を含み且つ搬送経路Tにおけるラインヘッド40に対する上流の部位及び下流の部位に接続された経路である。反転路Rは、一例として、分岐経路R1、スイッチバック経路R2、上流経路R3及び湾曲経路R4を有する。
分岐経路R1は、ローラー対27に対する+Z方向の位置において経路T5から分岐され、-Y方向且つ+Z方向の位置に向けて延びる。
スイッチバック経路R2は、分岐経路R1の+Z方向の端部から+Y方向且つ+Z方向の位置に向けて延びる。
【0036】
上流経路R3は、用紙Pの搬送方向において、後述する湾曲経路R4より上流且つスイッチバック経路R2より下流に位置する。上流経路R3は、一例として、縦経路部R3Aと、傾斜部R3Bとを有する。
縦経路部R3Aは、分岐経路R1とスイッチバック経路R2との合流位置から、-Z方向に直線状に延びる。
【0037】
図2に示されるように、傾斜部R3Bは、縦経路部R3Aにおける-Z方向の端部の位置である位置Eから、+Y方向且つ-Z方向の位置に向けて直線状に延びる。換言すると、傾斜部R3Bは、Z方向と交差する交差方向に沿って傾斜されている。なお、図2において、交差方向は矢印Dで示される。
X方向から見た場合、傾斜部R3BとY方向とが成す鋭角を角度θ〔°〕とする。角度θは、一例として、75°とされている。角度θは、60°以上90°未満で設定されることが好ましい。なお、本体ユニット12内において反転路Rに対する-Y方向に位置する空間は、傾斜部R3Bが形成された部分において、Y方向に拡幅されている。
【0038】
湾曲経路R4は、用紙Pの搬送方向において、上流経路R3より下流に位置する。具体的には、湾曲経路R4の上流端は、傾斜部R3Bの-Z方向の下端に繋がる。傾斜部R3Bと湾曲経路R4とが繋がる位置を位置Aとする。
湾曲経路R4は、X方向から見た場合、Z方向の下方に向けて凸状となるように湾曲された経路である。また、湾曲経路R4は、ローラー対23のニップ中央位置N1において経路T3に合流する。なお、本実施形態では、一例として、経路T3のうち、ニップ中央位置N1から位置Bまでの部分を湾曲経路R4に含める。
ローラー対23は、湾曲経路R4が備える搬送ローラー対の一例である。ローラー対23は、回転に伴って用紙Pを搬送する。
【0039】
図3に示されるように、給送部60は、一例として、給送トレイ62と、給送ローラー64と、分離ローラー66とを備える。このように、給送部60は、給送ローラー64及び分離ローラー66が配置された給送路Kを有する。そして、給送部60は、給送トレイ62から給送路Kを介して搬送経路Tへ用紙Pを給送する。
給送路Kは、給送トレイ62から搬送経路Tへ延びると共に、搬送経路Tにおけるラインヘッド40(図1)に対する上流の部位に接続され、用紙Pが給送される経路である。
【0040】
給送トレイ62は、本体ユニット12の-Y方向の側部において、Z方向の中央より下方の部位に回転可能に設けられる。給送トレイ62は、本体ユニット12に対して傾倒された状態において、複数の用紙Pを載置可能となる。また、給送トレイ62は、本体ユニット12に収納可能である。なお、給送トレイ62と分離ローラー66との間には、用紙Pを上方に押し上げる不図示のリフトアップ機構部が設けられている。
【0041】
給送ローラー64は、給送路Kにおける用紙Pの給送方向において給送トレイ62より下流であり且つ給送路Kに対する上方に配置される。給送ローラー64は、不図示のモーターによって回転されることで、回転しながら用紙Pを搬送経路Tへ給送する。
分離ローラー66は、給送路Kにおける用紙Pの給送方向において給送トレイ62より下流であり且つ給送路Kに対する下方に配置される。分離ローラー66は、不図示のモーターによって給送ローラー64とは逆方向に回転される。これにより、給送トレイ62に載置された複数の用紙Pから、1枚の用紙Pが分離されると共に給送される。
【0042】
図4に示されるように、Y方向における第1カセット22に対する-Y方向の外側、且つZ方向における第2カセット24に対する上側の領域を配置領域Sとする。ここで、湾曲経路R4の一部は、配置領域S内に位置している。
給送路K及び経路T2は、用紙Pの搬送方向における湾曲経路R4より上流の位置Cにおいて、合流すると共に湾曲経路R4に繋がっている。換言すると、給送路K及び経路T2は、合流した後に湾曲経路R4に共に繋がる。
【0043】
搬送経路Tの一部であり、給送路Kと経路T2とが合流する部位を合流部TAとする。合流部TAは、位置Cの周辺部を含む経路部である。ここで、Y方向から見た場合、合流部TAは、第1カセット22の一部とZ方向に重なっている。合流部TAと第1カセット22の一部とがZ方向に重なる範囲は、一例として、Z方向の範囲H1〔mm〕である。なお、第1カセット22の一部は、用紙カセット部16の一部を意味する。
【0044】
図5に示されるように、Y方向から見た場合、給送ローラー64のZ方向の全体が、第1カセット22の一部とZ方向に重なる。給送ローラー64と第1カセット22の一部とが重なる範囲は、Z方向の範囲H2〔mm〕である。範囲H2は、一例として、範囲H1(図4)より広い。
なお、本実施形態において、Y方向から見た場合とは、プリンター10に対する+Y方向の位置において-Y方向を向いた状態で、対象物をY方向に見た場合を意味する。また、Y方向から見た場合とは、+Y方向から-Y方向に向かって、もしくは-Y方向から+Y方向に向かって、プリンター10を側面から見た場合、すなわち側面視した場合ということもできる。
【0045】
図3に示されるように、Y方向から見た場合、給送ローラー64の一部と、湾曲経路R4の一部と、第1カセット22の一部とが、Z方向にそれぞれ重なる。給送ローラー64の一部と、湾曲経路R4の一部と、第1カセット22の一部とが重なる範囲は、Z方向の範囲H3〔mm〕である。範囲H3は、一例として、範囲H1(図4)より広く、範囲H2(図5)より狭い。
【0046】
Y方向から見た場合、分離ローラー66と第1カセット22の一部とが、Z方向に重なる。分離ローラー66と第1カセット22の一部とが重なる範囲は、Z方向の範囲H4〔mm〕である。範囲H4は、一例として、範囲H1(図4)より広く、範囲H3より狭い。
【0047】
図2に示されるように、Z方向から見た場合、傾斜部R3Bと、給送部60の一部である給送ローラー64とが、Y方向に重なる。傾斜部R3Bと給送ローラー64とが重なる範囲は、Y方向の範囲W1〔mm〕である。
本実施形態において、Z方向から見た場合とは、プリンター10に対する+Z方向の位置において-Z方向を向いた状態で、対象物をZ方向に見た場合を意味する。また、Z方向から見た場合とは、+Z方向から-Z方向に向かって、プリンター10を上面から見た場合、すなわち上面視した場合ということもできる。
【0048】
Y方向から見た場合、給送部60の一部である給送ローラー64の一部及び分離ローラー66の一部と、ローラー対23とが、Z方向に重なる。給送ローラー64の一部及び分離ローラー66の一部と、ローラー対23とが重なる範囲は、Z方向の範囲H5〔mm〕である。範囲H5は、範囲H2(図5)より広い。
【0049】
図3に示されるように、Y方向から見た場合、給送部60の一部と、湾曲経路R4の一部と、第1カセット22の一部とが、Z方向にそれぞれ重なる。給送部60の一部と、湾曲経路R4の一部と、第1カセット22の一部とが重なる範囲は、Z方向の範囲H6〔mm〕である。範囲H6は、範囲H5(図2)より広い。
【0050】
次に、プリンター10の作用について説明する。なお、プリンター10の各部の構成については、図1から図5までを参照することとし、個別の図番の記載を省略する。
プリンター10によれば、Y方向から見た場合、給送部60の一部と、湾曲経路R4の一部と、用紙カセット部16の一部とが、Z方向にそれぞれ重なる。これにより、Z方向において、給送部60、湾曲経路R4及び用紙カセット部16の配置に必要な空間が、給送部60、湾曲経路R4及び用紙カセット部16が重ならない構成の空間に比べて小さくなるので、プリンター10のZ方向の高さを低くできる。
【0051】
プリンター10によれば、湾曲経路R4の一部が、Y方向における第1カセット22に対する外側且つZ方向における第2カセット24に対する上側の配置領域S内に位置しない構成に比べて、湾曲経路R4の配置に必要な空間が小さくて済むので、プリンター10のZ方向の高さを低くできる。
プリンター10によれば、給送路Kの一部及び経路T2の一部が共通化されるので、湾曲経路R4に対して給送路Kと経路T2とが別々に繋がる構成に比べて、用紙Pが搬送される搬送経路Tに設けられる部材の数を減らすことができる。
【0052】
プリンター10によれば、Z方向において、合流部TA及び第1カセット22の配置に必要な空間が、合流部TAと第1カセット22とが重ならない構成の空間に比べて小さくなるので、プリンター10のZ方向の高さを低くできる。
プリンター10によれば、Y方向から見た場合、給送ローラー64の一部と、湾曲経路R4の一部と、用紙カセット部16の一部とが、Z方向にそれぞれ重なる。これにより、Z方向において、給送ローラー64、湾曲経路R4及び用紙カセット部16の配置に必要な空間が、給送ローラー64、湾曲経路R4及び用紙カセット部16が重ならない構成の空間に比べて小さくなるので、プリンター10のZ方向の高さを低くできる。
【0053】
プリンター10によれば、Y方向から見た場合に給送ローラー64と用紙カセット部16とがZ方向に重ならない構成に比べて、プリンター10のZ方向の高さを低くできる。
プリンター10によれば、Y方向から見た場合、分離ローラー66と用紙カセット部16の一部とがZ方向に重なる。これにより、Z方向において、分離ローラー66及び用紙カセット部16の配置に必要な空間が、分離ローラー66及び用紙カセット部16が重ならない構成の空間に比べて小さくなるので、プリンター10のZ方向の高さを低くできる。
【0054】
プリンター10によれば、上流経路R3が傾斜部R3Bを有することで確保された空間に、給送部60の一部が配置されるので、上流経路R3の一部がY方向に延びる構成に比べて、プリンター10のY方向の幅を小さくできる。
プリンター10によれば、湾曲経路R4が、用紙Pを搬送するローラー対23を備えるので、ローラー対23を有さない構成と比べて、用紙Pを湾曲経路R4に沿って適切に搬送できる。更に、Y方向から見た場合、給送部60の一部とローラー対23とがZ方向に重なるので、プリンター10のZ方向の高さを低くできる。
【0055】
本発明の実施形態に係るプリンター10は、以上のべたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略などを行うことも勿論可能である。
【0056】
プリンター10において、Y方向から見た場合、給送部60の全体と、湾曲経路R4の全体と、用紙カセット部16の全体とが、Z方向にそれぞれ重なってもよい。
配置領域S内に位置するのは、湾曲経路R4の一部に限らず、湾曲経路R4の全体であってもよい。また、配置領域S内に位置するのは、給送部60の少なくとも一部であってもよい。更に、配置領域S内に位置するのは、湾曲経路R4の少なくとも一部及び給送部60の少なくとも一部であってもよい。
【0057】
プリンター10において、給送路K及び経路T2は、別々に湾曲経路R4に繋がってもよい。合流部TAは、Y方向から見た場合、第1カセット22とZ方向に重ならなくてもよい。
Y方向から見た場合、給送ローラー64の少なくとも一部と、湾曲経路R4の少なくとも一部と、用紙カセット部16の少なくとも一部とが、Z方向にそれぞれ重なっていてもよい。また、給送ローラー64は、湾曲経路R4の少なくとも一部及び用紙カセット部16の少なくとも一部と、Z方向に重なっていなくてもよい。Y方向から見た場合、給送ローラー64のZ方向の一部のみが用紙カセット部16の一部とZ方向に重なっていてもよい。
【0058】
プリンター10において、給送部60は、給送トレイ62及び分離ローラー66を有していなくてもよい。例えば、プリンター10の外部から搬送された用紙Pが、給送路Kにおいて給送ローラー64の回転によって、搬送経路Tへ給送されてもよい。
上流経路R3は、傾斜部R3Bを有していなくてもよい。また、Z方向から見た場合、傾斜部R3Bの一部と給送部60の少なくとも一部とがY方向に重なってもよい。
湾曲経路R4は、ローラー対23を備えていなくてもよい。例えば、湾曲されたガイド部材を設けて、該ガイド部材と用紙Pとの接触により、用紙Pを案内してもよい。また、Y方向から見た場合、給送部60の少なくとも一部と、ローラー対23の全体とが、Z方向に重なってもよい。
【0059】
プリンター10において、ラインヘッド40の移動方向は、A方向に限らず、Y方向に沿っていてもよい。
用紙カセット部16の構成は、第1カセット22のみを有する構成、または第3カセット26が無い構成であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
10…プリンター、12…本体ユニット、13…増設ユニット、14…開口部、
16…用紙カセット部、17…排出トレイ、19A…ピックアップローラー、
19B…ローラー対、21…受入ローラー対、22…第1カセット、23…ローラー対、
24…第2カセット、25…ローラー対、26…第3カセット、27…ローラー対、
29…排出ローラー対、30…インク供給部、31…搬送ベルト、
32…キャップユニット、33…駆動ローラー、34…ワイパーユニット、
35…従動ローラー、36…ユニット本体、37…ワイパーブレード、
38…廃液タンク、40…ラインヘッド、41…キャリッジ、42…吐出部、
44…移動機構部、46…ラック部、48…ピニオン、50…反転部、
52…ローラー対、60…給送部、62…給送トレイ、64…給送ローラー、
66…分離ローラー、A…位置、B…位置、C…位置、E…位置、H1…範囲、
H2…範囲、H3…範囲、H4…範囲、H5…範囲、H6…範囲、H7…範囲、
K…給送路、L1…第1長さ、L2…第2長さ、N1…ニップ中央位置、
N2…ニップ中央位置、N3…ニップ中央位置、P…用紙、PA…用紙、PB…用紙、
R1…分岐経路、R2…スイッチバック経路、R3…上流経路、R3A…縦経路部、
R3B…傾斜部、R4…湾曲経路、S…配置領域、T…搬送経路、T1…経路、
T2…経路、T3…経路、T4…経路、T5…経路、W1…範囲、θ…角度
図1
図2
図3
図4
図5