(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-03
(45)【発行日】2025-06-11
(54)【発明の名称】生体判定装置、生体判定方法、及び、記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20250604BHJP
G06V 40/16 20220101ALI20250604BHJP
【FI】
G06T7/00 660A
G06V40/16 Z
(21)【出願番号】P 2023567416
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 JP2021046442
(87)【国際公開番号】W WO2023112237
(87)【国際公開日】2023-06-22
【審査請求日】2024-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】今井 陽稀
(72)【発明者】
【氏名】李 嘉碧
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特許第6956986(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
G06V 40/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像内の対象者の顔を含む顔領域の少なくとも一部の領域が遮蔽されているか否かを判定する遮蔽領域判定手段と、
前記顔領域が遮蔽されていない場合、前記画像
が入力された場合に前記対象者が生体であるか否かの判定結果を出力可能な、マスクを着用していない顔の顔画像を用いて機械学習をした第1判定器を用いた第1判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定する第1判定手段と、
前記顔領域が遮蔽されている場合、前記画像
が入力された場合に前記対象者が生体であるか否かの判定結果を出力可能な、マスクを着用した顔の顔画像を用いて機械学習をした第2判定器を用い
た第2判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定する第2判定手段と
、
前記画像に基づいて前記対象者を認証する認証手段と
を備え
、
前記第1判定手段は、前記認証手段が前記対象者を認証するために用いる前記顔に含まれる両眉尻部、両目尻部、及び顎部を含む画像部分の大きさよりも大きくなるように、前記画像部分を包含し前記画像のうちの前記顔領域を含む第1画像部分を前記画像から抽出する
生体判定装置。
【請求項2】
前記第1判定方法は、前
記第1画像部分を
前記第1判定器に入力して前記対象者が生体であるか否かを判定する方法であり、
前記第2判定方法は、前記第1画像部分から遮蔽されている領域が除かれた第2画像部分を
前記第2判定器に入力して前記対象者が生体であるか否かを判定する方法である
請求項1に記載の生体判定装置。
【請求項3】
前記顔に含まれる両目の間の距離に基づいて前記第2画像部分
の大きさを決定する決定手段を備える
請求項2に記載の生体判定装置。
【請求項4】
前記顔に含まれる両目の間の
中央部が前記第2画像部分の中心部となるように前記第2画像部分の位置を決定する決定手段を備える
請求項
2又は3に記載の生体判定装置。
【請求項5】
前記顔に含まれる鼻背の下部の両側部
を前記第2画像部分の下限部
に決定する決定手段を備える
請求項
2又は3に記載の生体判定装置。
【請求項6】
前記第1画像部分
が入力された場合に前記対象者が生体であるか否かの判定結果を出力可能な第3判定器を用いた第3判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定する第1の生体判定手段と、
前記顔領域が遮蔽されていない場合に前記第1判定方法によって前記対象者が生体であるか否かを判定し、前記顔領域が遮蔽されている場合
に前記第2判定方法によって前記対象者が生体であるか否かを判定する第2の生体判定手段とを更に備え
る
請求項2
又は3に記載の生体判定装置。
【請求項7】
コンピューターが実行する生体判定方法であって、
画像内の対象者の顔を含む顔領域の少なくとも一部の領域が遮蔽されているか否かを判定
することと、
前記顔領域が遮蔽されていない場合、前記画像
が入力された場合に前記対象者が生体であるか否かの判定結果を出力可能な、マスクを着用していない顔の顔画像を用いて機械学習をした第1判定器を用いた第1判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定
することと、
前記顔領域が遮蔽されている場合、前記画像
が入力された場合に前記対象者が生体であるか否かの判定結果を出力可能な、マスクを着用した顔の顔画像を用いて機械学習をした第2判定器を用い
た第2判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定する
ことと、
前記画像に基づいて前記対象者を認証することと、
を含み、
前記第1判定方法によって判定することは、前記対象者を認証するために用いる前記顔に含まれる両眉尻部、両目尻部、及び顎部を含む画像部分の大きさよりも大きくなるように、前記画像部分を包含し前記画像のうちの前記顔領域を含む第1画像部分を前記画像から抽出する
生体判定方法。
【請求項8】
コンピュータに、
画像内の対象者の顔を含む顔領域の少なくとも一部の領域が遮蔽されているか否かを判定
することと、
前記顔領域が遮蔽されていない場合、前記画像
が入力された場合に前記対象者が生体であるか否かの判定結果を出力可能な、マスクを着用していない顔の顔画像を用いて機械学習をした第1判定器を用いた第1判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定
することと、
前記顔領域が遮蔽されている場合、前記画像
が入力された場合に前記対象者が生体であるか否かの判定結果を出力可能な、マスクを着用した顔の顔画像を用いて機械学習をした第2判定器を用い
た第2判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定する
ことと、
前記画像に基づいて前記対象者を認証することと、
を含み、
前記第1判定方法によって判定することは、が前記対象者を認証するために用いる前記顔に含まれる両眉尻部、両目尻部、及び顎部を含む画像部分の大きさよりも大きくなるように、前記画像部分を包含し前記画像のうちの前記顔領域を含む第1画像部分を前記画像から抽出する
生体判定方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、生体判定装置、生体判定方法、及び、記録媒体の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
顔認識を行う利用者が、特徴量を抽出する対象となる顔の部位を自分で選択することにより、マスクや眼帯を着けていたり、髪型が変わったりした場合であっても、選択した部位の特徴量を重視して他の部位の特徴量を軽減して、適切に顔認識を行う技術が特許文献1に記載されている。撮像して得られた画像が表す対象物について、マスクを装着した対象物の画像およびマスクを装着していない対象物の画像に反応するように学習した機械学習システムを用いて対象物らしさを示す尤度値p1を算出し、マスクを装着した対象物の画像に反応するように学習した機械学習システムを用いてマスクを装着した対象物らしさを示す尤度値p2を算出し、マスクを装着していない対象物の画像に反応するように学習した機械学習システムを用いてマスクを装着していない対象物らしさを示す尤度値p3を算出し、該算出された3つの尤度値p1、p2、p3に基づいて、撮像されて得られた画像が表す対象物がマスクを装着しているか否かを判定する技術が特許文献2に記載されている。入力の顔が示された入力映像から顔領域を検出するステップと、マスキング領域に基づいて顔映像と基準映像を合成することによって合成映像を生成するステップと、顔映像と合成映像に基づいて入力の顔に対応する顔特徴を決定するステップと、決定された顔特徴に基づいて認証の成否を決定するステップとを含む技術が特許文献3に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-257221号公報
【文献】特開2010-003116号公報
【文献】特開2018-165980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この開示は、先行技術文献に記載された技術の改良を目的とする生体判定装置、生体判定方法、及び、記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
生体判定装置の一の態様は、画像内の対象者の顔を含む顔領域の少なくとも一部の領域が遮蔽されているか否かを判定する遮蔽領域判定手段と、前記顔領域が遮蔽されていない場合、前記画像を用いた第1判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定する第1判定手段と、前記顔領域が遮蔽されている場合、前記画像を用い且つ前記第1判定方法とは異なる第2判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定する第2判定手段とを備える。
【0006】
生体判定方法の一の態様は、画像内の対象者の顔を含む顔領域の少なくとも一部の領域が遮蔽されているか否かを判定し、前記顔領域が遮蔽されていない場合、前記画像を用いた第1判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定し、前記顔領域が遮蔽されている場合、前記画像を用い且つ前記第1判定方法とは異なる第2判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定する。
【0007】
記録媒体の一の態様は、コンピュータに、画像内の対象者の顔を含む顔領域の少なくとも一部の領域が遮蔽されているか否かを判定し、前記顔領域が遮蔽されていない場合、前記画像を用いた第1判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定し、前記顔領域が遮蔽されている場合、前記画像を用い且つ前記第1判定方法とは異なる第2判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定する生体判定方法を実行させるためのコンピュータプログラムが記録されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態における生体判定装置1の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第2実施形態における生体判定システム2の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第2実施形態における生体判定装置20が行う生体判定動作の流れを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第2実施形態における顔情報検出の概念図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態における画像部分の概念図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態における第2画像部分の概念図である。
【
図7】
図7は、第3実施形態における発光制御の概念図である。
【
図8】
図8は、第4実施形態における認証システム4の構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、第4実施形態における認証装置40が行う生体判定動作、及び生体認証動作の流れを示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、第4実施形態における画像部分の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、生体判定装置、生体判定方法、及び、記録媒体の実施形態について説明する。
[1:第1実施形態]
【0010】
はじめに、生体判定装置、生体判定方法、及び記録媒体の第1実施形態について説明する。以下では、生体判定装置、生体判定方法、及び記録媒体の第1実施形態が適用された生体判定装置1を用いて、生体判定装置、生体判定方法、及び記録媒体の第1実施形態について説明する。
[1-1:生体判定装置1の構成]
【0011】
図1は、第1実施形態における生体判定装置1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、生体判定装置1は、遮蔽領域判定部11と、第1判定部12と、第2判定部13とを備えている。生体判定装置1は、対象者を撮像することで生成される画像に写り込む当該対象者の顔を含む顔領域から取得できる情報を用いて生体判定を行ってもよい。生体判定装置1は、顔領域から取得できる情報を用いて、対象者が生体であるか、対象者がなりすましている別の人物の偽造物かを判定してもよい。別の人物の偽造物は、別の人物が写り込んだ写真、別の人物が表示されているディスプレイ等の平面的形状の物体、及び、別の人物を模倣した人形、シリコン等のフェースマスク等の立体的形状の物体等を含んでいてもよい。生体判定装置1が実施する生体判定は、本人が実際に撮像されているかを判定するライブネス判定であってもよい。
【0012】
遮蔽領域判定部11は、対象者を撮像することで生成される画像に写り込む当該対象者の顔を含む顔領域が、当該顔の少なくとも一部の領域を遮蔽する遮蔽領域を含むか否かを判定する。
【0013】
第1判定部12は、顔領域が遮蔽領域を含まないと遮蔽領域判定部11が判定した場合、画像を用いた第1判定方法によって、対象者が生体であるか否かを判定する。第1判定方法は、顔領域が遮蔽領域を含まない場合に、対象者が生体であるか否かの判定に適した方法であってもよい。
【0014】
第2判定部13は、顔領域が遮蔽領域を含むと遮蔽領域判定部11が判定した場合、画像を用い且つ第1判定方法とは異なる第2判定方法によって、対象者が生体であるか否かを判定する。第2判定方法は、顔領域が遮蔽領域を含む場合に、対象者が生体であるか否かの判定に適した方法であってもよい。
【0015】
顔領域における、顔の少なくとも一部の領域を遮蔽する遮蔽領域は、生体判定には使えない場合がある。したがって、顔領域が遮蔽領域を含む場合は、遮蔽領域を含まない場合と比較して、顔領域から取得できる情報量が少なくなる場合がある。そこで、第1実施形態における生体判定装置1は、顔領域が遮蔽領域を含まない場合と顔領域が遮蔽領域を含む場合とで、異なる判定方法によって、対象者が生体であるか否かを判定する。
[1-2:生体判定装置1の技術的効果]
【0016】
第1実施形態における生体判定装置1は、顔領域が遮蔽領域を含まない場合と顔領域が遮蔽領域を含む場合とで、異なる判定方法によって、対象者が生体であるか否かを判定するので、顔領域が遮蔽領域を含まない場合、及び顔領域が遮蔽領域を含む場合の双方で、精度よく生体判定をすることができる。
[2:第2実施形態]
【0017】
続いて、生体判定装置、生体判定方法、及び記録媒体の第2実施形態について説明する。以下では、生体判定装置、生体判定方法、及び記録媒体の第2実施形態が適用された生体判定装置20を含む生体判定システム2を用いて、生体判定装置、生体判定方法、及び記録媒体の第2実施形態について説明する。
[2-1:生体判定システム2の構成]
【0018】
図2を参照しながら、第2実施形態における生体判定システム2の構成について説明する。
図2は、第2実施形態における生体判定システム2の構成を示すブロック図である。第2実施形態における生体判定システム2は、例えば、ゲート認証時の生体判定、ウォークスルー認証時の生体判定等に適用してもよい。
【0019】
図2に示すように、生体判定システム2は、生体判定装置20と、画像生成装置100とを含んでいる。生体判定システム2は、単一の画像生成装置100を含んでいてもよいし、複数の画像生成装置100を含んでいてもよい。生体判定装置20と画像生成装置100とは、通信ネットワークを介して互いに通信可能である。通信ネットワークは、有線の通信ネットワークを含んでいてもよい。通信ネットワークは、無線の通信ネットワークを含んでいてもよい。画像生成装置100は、画像生成装置100の撮像対象範囲に位置する対象者を撮像可能な撮像装置である。対象者は人物であり、生体である。画像生成装置100は、対象者を撮像することで、画像生成装置100が撮像した対象者が写り込んだ画像IMGを生成する。特に、画像生成装置100は、対象者の顔を撮像することで、対象者の顔が写り込んだ画像IMGを生成する。画像生成装置100は、生成した画像IMGを、生体判定装置20に出力する。具体的には、画像生成装置100は、生成した画像IMGを、通信ネットワークを介して、生体判定装置20に送信する。
【0020】
画像生成装置100は、対象者を撮像することで、画像生成装置100が撮像した対象者の体表温分布を示す情報を含む画像IMGを生成してもよい。この場合、画像IMGは、対象者の体表温分布を色又は階調によって示す画像であってもよい。または、画像生成装置100は、対象者を撮像することで、画像生成装置100から対象者とまでの距離を示す情報を含む画像IMGを生成してもよい。この場合、画像IMGは、画像生成装置100から対象者とまでの距離情報分布を色又は階調によって示す画像であってもよい。画像IMGは、赤外線画像、サーマル画像、デプス画像等の画像であってもよい。第2実施形態においては、画像生成装置100が対象者の体表温分布を示す情報を含む画像IMGを生成する場合を例に挙げて説明を行う。
【0021】
尚、画像IMGは、画像生成装置100に対象者を撮像してほしいという意思を有していない対象者を画像生成装置100が撮像することで生成される画像を含んでいてもよい。画像IMGは、画像生成装置100に対象者を撮像してほしいという意思を有している対象者を画像生成装置100が撮像することで生成される画像を含んでいてもよい。
【0022】
生体判定装置20は、受信した画像IMGに基づいて、画像生成装置100の前にいる対象者が、生体か、対象者がなりすましている別の人物の偽造物かを判定する。これにより、生体判定装置20は、対象者が、対象者とは異なる別の人物になりすましているか否かを判定可能である。別の人物の偽造物は、別の人物が写り込んだ写真、別の人物が表示されているディスプレイ等の平面的形状の物体、及び、別の人物を模倣した人形、シリコン等のフェースマスク等の立体的形状の物体等を含んでいてもよい。
【0023】
図2に示すように、生体判定装置20は、演算装置21と、記憶装置22とを備えている。更に、生体判定装置20は、通信装置23と、入力装置24と、出力装置25とを備えていてもよい。但し、生体判定装置20は、通信装置23、入力装置24及び出力装置25のうちの少なくとも1つを備えていなくてもよい。演算装置21と、記憶装置22と、通信装置23と、入力装置24と、出力装置25とは、データバス26を介して接続されていてもよい。
【0024】
演算装置21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Proecssing Unit)及びFPGA(Field Programmable Gate Array)のうちの少なくとも1つを含む。演算装置21は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、演算装置21は、記憶装置22が記憶しているコンピュータプログラムを読み込んでもよい。例えば、演算装置21は、コンピュータで読み取り可能であって且つ一時的でない記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、生体判定装置20が備える図示しない記録媒体読み取り装置(例えば、後述する入力装置24)を用いて読み込んでもよい。演算装置21は、通信装置23(或いは、その他の通信装置)を介して、生体判定装置20の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、ダウンロードしてもよい又は読み込んでもよい)。演算装置21は、読み込んだコンピュータプログラムを実行する。その結果、演算装置21内には、生体判定装置20が行うべき動作を実行するための論理的な機能ブロックが実現される。つまり、演算装置21は、生体判定装置20が行うべき動作(言い換えれば、処理)を実行するための論理的な機能ブロックを実現するためのコントローラとして機能可能である。
【0025】
図2には、生体判定動作を実行するために演算装置21内に実現される論理的な機能ブロックの一例が示されている。
図2に示すように、演算装置21内には、「遮蔽領域判定手段」の一具体例であるマスク領域判定部211と、「第1判定手段」の一具体例である第1判定部212と、「第2判定手段」の一具体例である第2判定部213と、画像取得部214と、顔検出部215と、顔情報検出部216とが実現される。
【0026】
尚、マスク領域判定部211、第1判定部212、第2判定部213、画像取得部214、顔検出部215、及び顔情報検出部216の夫々の動作の詳細については、
図3~
図6を参照しながら後に説明する。
【0027】
記憶装置22は、所望のデータを記憶可能である。例えば、記憶装置22は、演算装置21が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶していてもよい。記憶装置22は、演算装置21がコンピュータプログラムを実行している場合に演算装置21が一時的に使用するデータを一時的に記憶してもよい。記憶装置22は、生体判定装置20が長期的に保存するデータを記憶してもよい。尚、記憶装置22は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。つまり、記憶装置22は、一時的でない記録媒体を含んでいてもよい。
【0028】
記憶装置22は、第1判定部212が領域決定動作に用いる第1決定器2121、第1判定部212がなりすまし判定動作に用いる第1判定器2122、第2判定部213が領域決定動作に用いる第2決定器2131、及び第2判定部213がなりすまし判定動作に用いる第2判定器2132を記憶していてもよい。
【0029】
第1決定器2121は、画像IMGのうちの顔領域FRの少なくとも一部を含む第1画像部分R1を決定する決定器であってもよい。第2決定器2131は、第1画像部分R1からマスク領域MRの少なくとも一部が除かれた第2画像部分R2を決定する決定器であってもよい。第2決定器2131は、顔に含まれる両目の間の距離に基づいて、抽出する第2画像部分R2の大きさ、及び第2画像部分R2の位置を決定する決定器であってもよい。また、第2決定器2131は、顔に含まれる鼻背の下部の両側部に基づいて、抽出する第2画像部分R2の下限部を決定する決定器であってもよい。第1判定器2122は、マスクを着用していない対象者が生体か否かを判定する判定器であってもよい。第1判定器2122は、マスクを着用していない顔の顔画像を用いて、対象者が生体か否かの判定を機械学習して構築された判定器であってもよい。また、第2判定器2132は、マスクを着用した対象者が生体か否かを判定する判定器であってもよい。第2判定器2132は、マスクを着用した顔の顔画像を用いて、対象者が生体か否かの判定を機械学習して構築された判定器であってもよい。すなわち、マスクを着用していない顔の顔画像を用いて機械学習をした第1判定器2122、及びマスクを着用した顔の顔画像を用いて機械学習をした第2判定器2132の2つの判定器が用意されていてもよい。
【0030】
通信装置23は、不図示の通信ネットワークを介して、生体判定装置20の外部の装置と通信可能である。通信装置23は、通信ネットワークを介して、生体判定動作に用いる画像IMGを取得してもよい。
【0031】
入力装置24は、生体判定装置20の外部からの生体判定装置20に対する情報の入力を受け付ける装置である。例えば、入力装置24は、生体判定装置20のオペレータが操作可能な操作装置(例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも1つ)を含んでいてもよい。例えば、入力装置24は生体判定装置20に対して外付け可能な記録媒体にデータとして記録されている情報を読み取り可能な読取装置を含んでいてもよい。
【0032】
出力装置25は、生体判定装置20の外部に対して情報を出力する装置である。例えば、出力装置25は、情報を画像として出力してもよい。つまり、出力装置25は、出力したい情報を示す画像を表示可能な表示装置(いわゆる、ディスプレイ)を含んでいてもよい。例えば、出力装置25は、情報を音声として出力してもよい。つまり、出力装置25は、音声を出力可能な音声装置(いわゆる、スピーカ)を含んでいてもよい。例えば、出力装置25は、紙面に情報を出力してもよい。つまり、出力装置25は、紙面に所望の情報を印刷可能な印刷装置(いわゆる、プリンタ)を含んでいてもよい。
[2-2:生体判定装置20が行う生体判定動作]
【0033】
続いて、
図3~
図6を参照しながら、第2実施形態における生体判定装置20が行う生体判定動作について説明する。
【0034】
図3を参照して、第2実施形態における生体判定装置20が行う生体判定動作の流れを説明する。
図3は、第2実施形態における生体判定装置20が行う生体判定動作の流れを示すフローチャートである。また、
図4は、第2実施形態における顔情報検出の概念図であり、
図5は、第2実施形態における画像部分の概念図である。
【0035】
図3に示すように、画像取得部214は、通信装置23、及び通信ネットワークを介して、画像生成装置100から画像IMGを取得する(ステップS20)。
【0036】
顔検出部215は、対象者を撮像することで生成される画像IMGに写り込む当該対象者の顔を含む顔領域FRを検出する(ステップS21)。顔検出部215は、例えば、
図4(a)に例示される対象者の顔を含む顔領域FRを検出してもよい。
【0037】
顔情報検出部216は、対象者の顔を含む顔領域FRから特徴点を検出する(ステップS22)。顔情報検出部216は、顔領域FRから、例えば、
図4(b)及び
図4(c)に例示される黒丸で示す特徴点を検出してもよい。
図4(b)及び
図4(c)に例示される黒丸は、顔特徴点であってもよい。顔特徴点は、瞳中心、鼻翼、口端、顔の輪郭、頭髪の端等に対応する点の少なくとも何れかであってもよい。
【0038】
マスク領域判定部211は、顔領域FRが、当該顔の少なくとも一部の領域を遮蔽する遮蔽領域を含むか否かを判定する(ステップS23)。遮蔽領域は、顔が着用しているマスクによって遮蔽されているマスク領域MRであってもよい。マスク領域判定部211は、顔領域FRが、顔が着用しているマスクによって遮蔽されているマスク領域MRを含むか否かを判定してもよい。マスク領域判定部211は、例えば、
図4(b)に例示されるように、顔領域FRから鼻翼及び口端等の特徴点が検出された場合、マスク領域MRを含まないと判定してもよい。また、マスク領域判定部211は、例えば、
図4(c)に例示されるように、顔領域FRから鼻翼及び口端等の特徴点が検出されない場合、マスク領域MRを含むと判定してもよい。第2実施形態において、マスクで隠れるマスク領域MRは、鼻翼、口端等を含む所定の領域であってよく、生体判定装置20は、目の周囲はマスクでは隠れないという前提のもと生体判定動作を行ってもよい。第1判定器2122は、第1画像部分R1内の温度分布に基づいて、対象者が生体であるか否かを判定してもよい。
【0039】
第2実施形態における生体判定装置20は、対象者がマスクを着用しているか否かを検知して、画像部分の決定動作、及びなりすまし判定動作を切り替えてもよい。すなわち、生体判定装置20は、対象者がマスクを着用しているか否かに応じて、第1決定器2121及び第1判定器2122による動作、又は第2決定器2131及び第2判定器2132による動作を適切に切り替える機構を備えていてもよい。
【0040】
マスク領域判定部211が顔領域FRは遮蔽領域を含まないと判定した場合(ステップS23:No)、第1判定部212は、第1決定器2121を用いて領域を決定し(ステップS24)、第1判定器2122を用いて、画像IMGを用いた第1判定方法によって、対象者が生体であるか否かを判定する(ステップS25)。第1判定方法は、画像IMGのうちの顔領域FRの少なくとも一部を含む第1画像部分を用いて、対象者が生体であるか否かを判定する方法であってもよい。第1判定方法は、画像IMGが入力された場合に対象者が生体であるか否かの判定結果を出力可能な第1決定器2121を用いて、対象者が生体であるか否かを判定する方法であってもよい。第1決定器2121は、第1判定器2122へ入力する第1画像部分R1を決定してもよい。第1判定部212は、例えば
図5(a)に例示する、特徴点を含む領域を含む破線で囲まれる領域を第1画像部分R1として決定してもよい。
【0041】
マスク領域判定部211が顔領域FRは遮蔽領域を含むと判定した場合(ステップS23:Yes)、第2判定部213は、第2決定器2131を用いて第2画像部分R2を決定し(ステップS26)、第2判定器2132を用いて、画像IMGを用い且つ第1判定方法とは異なる第2判定方法によって、対象者が生体であるか否かを判定する(ステップS27)。第2決定器2131は、例えば
図5(b)に例示する、特徴点を含む領域を含む破線で囲まれる領域を第2画像部分R2として決定してもよい。
【0042】
例えば、第2決定器2131は、画像IMG内の肌にあたる部分の内,鼻と判定された領域よりも上の領域を第2画像部分R2として決定してもよい。第2決定器2131は、顔情報を用いて、髪より下かつ鼻よりも上の領域を決定し、第2判定器2132への入力する第2画像部分R2としてもよい。
[2-3:第2決定器2131が行う第2画像部分R2の決定動作]
【0043】
第2決定器2131は、顔に含まれる両目の間の距離に基づいて、顔領域FRから、第2画像部分R2を抽出してもよい。また、第2決定器2131は、顔に含まれる鼻背の下部の両側部に基づいて、顔領域FRから、第2画像部分R2を抽出してもよい。対象者がマスクを着用していた場合の、具体的な第2画像部分R2の決定方法を、
図6を参照して例示する。
図6は、目、及び鼻に関する顔特徴点を用いた第2画像部分R2決定方法を例示している。
【0044】
図6(a)に示すように、まず、目中心の座標(u
1座標、及びu
2座標)、並びに鼻特徴点の座標(v
1座標、及びv
2座標)を決定する。鼻特徴点としては、マスクに遮蔽されない領域の下限部である鼻背の下部の両側部を検出してもよい。
【0045】
図6(b)に示すように、目中心の座標(u
1座標、及びu
2座標)から、注視領域の中心(u座標)を算出する。
図6(c)に示すように、鼻特徴点の座標(v
1座標、及びv
2座標)から、注視領域の下限(v座標)を算出する。
図6(d)に示すように、目間距離(d)を算出する。算出した注視領域の中心(u座標)、注視領域の下限(v座標)、及び目間距離(d)を用いて、上下方向の距離が、「d×r」であり、左右方向の距離が、「2×d×r」である領域を第2画像部分R2とする。「r」は、領域のサイズを制御するパラメータである。
【0046】
第2判定方法は、第1画像部分R1から遮蔽領域の少なくとも一部が除かれた第2画像部分R2を用いて、対象者が生体であるか否かを判定する方法であってもよい。第2判定方法は、画像IMGが入力された場合に、対象者が生体であるか否かの判定結果を出力可能な第2判定器2132を用いて、対象者が生体であるか否かを判定する方法であってもよい。第2判定器2132は、第2画像部分R2内の温度分布に基づいて、対象者が生体であるか否かを判定してもよい。
【0047】
尚、注視領域決定方法としては、顔特徴点を用いる手法以外にも、例えばセグメンテーション情報を用いる手法を採用してもよい。顔セグメンテーション情報とは、目、鼻等が存在する画素の位置を示す情報である。
【0048】
また、第1決定器2121と第1判定器2122とは、別々の機構でなく、一体であってもよい。また、第2決定器2131と第2判定器2132とは、別々の機構でなく、一体であってもよい。
[2-5:生体判定装置20の技術的効果]
【0049】
第2実施形態における生体判定装置20は、生体の画像が示す特徴と、生体ではない偽造物の画像が示す特徴とが異なるという特性を利用することで、対象者が生体か否かを判定する。しかしながら、顔の少なくとも一部の領域を遮蔽する遮蔽領域における画像が示す特徴は、生体の画像が示す特徴を示さず、生体ではない偽造物の画像が示す特徴に類似する場合もある。このため、遮蔽領域の画像部分を生体判定に用いると、誤判定が生じるおそれがある。
【0050】
そこで、第2実施形態における生体判定装置20は、顔領域FRが遮蔽領域を含む場合、画像IMGのうちの顔領域FRの少なくとも一部を含む画像部分から遮蔽領域の少なくとも一部が除かれた第2画像部分R2を用いて、対象者が生体であるか否かを判定する。これにより、顔領域FRが遮蔽領域を含む場合でも、精度よく生体か否かを判定することができる。
【0051】
昨今、マスクを着用したままの状態での、生体判定、及び生体認証の実現が求められている。顔が着用しているマスクによって遮蔽されているマスク領域MRは、顔の少なくとも一部の領域を遮蔽する遮蔽領域に該当する。第2実施形態における生体判定システム2は、顔が着用しているマスクによって遮蔽されているマスク領域MRが有った場合にも、精度のよい生体判定を実現することができる。
【0052】
画像IMGからマスク領域MRの少なくとも一部が除かれた第2画像部分R2を用いて、対象者が生体であるか否かを判定する場合、顔に含まれる両目の間の距離に基づいて、画像IMGから、第2画像部分R2を抽出してもよい。これにより、生体判定に用いるのに適切な画像部分を用いて、対象者が生体であるか否かを判定することができる。
(生体の画像が示す特徴)
【0053】
一方で、顔領域FRがマスク領域MRを含まない場合に、マスクの着用により顔を遮断されない目周辺の画像部分を用いた生体判定をすると、顔領域FRを画像部分を用いた生体判定と比較して、使用可能な情報量が減少するので、生体判定の精度が悪化する可能性もある。第2実施形態における生体判定装置20は、顔領域FRがマスク領域MRを含まない場合は、画像IMGのうちの顔領域FRの少なくとも一部を含む第1画像部分R1を用いて、対象者が生体であるか否かを判定するので、精度よく生体か否かを判定することができる。
【0054】
また、用いる画像によって、好ましい生体判定動作が異なることが考えられる。そこで
、第2実施形態における生体判定装置20は、顔を遮蔽する遮蔽領域を含まない場合に用いる第1判定器と、顔を遮蔽する遮蔽領域を含む場合に用いる第2判定器とを用意する。遮蔽領域を含むか否かに応じて使用する判定器を切り替えて、生体判定動作を異ならせることで、精度よく生体判定をすることができる。
【0055】
このように、第2実施形態における生体判定装置20は、精度よく生体判定をすることができ、高精度ななりすまし検知を実現することができるので、顔認証技術の安全性を担保することができる。
[3:第3実施形態]
【0056】
続いて、生体判定装置、生体判定方法、及び記録媒体の第3実施形態について説明する。以下では、生体判定装置、生体判定方法、及び記録媒体の第3実施形態が適用された生体判定装置30を含む生体判定システム3を用いて、生体判定装置、生体判定方法、及び記録媒体の第3実施形態について説明する。
[3-1:生体判定システム3の構成]
【0057】
第3実施形態における生体判定システム3は、上述した第2実施形態の生体判定システム2と同一の構成を有していてもよい。第3実施形態における生体判定システム3は、第2実施形態における生体判定システム2と比較して、生体判定動作に用いる顔画像が異なる。具体的には、第3実施形態における生体判定システム3が用いる顔画像の取得方法が異なる。より具体的には、画像生成装置100による照明制御が異なる。第3実施形態における画像生成装置100は、照明装置、及びカメラを備える装置であってもよい。
[3-2:照明装置が行う発光動作]
【0058】
照明装置は、照明光で対象者を照明可能である。照明装置は、照明条件を変更可能である。照明条件は、例えば、照明光の発光の有無に関する条件を含んでいてもよい。照明条件は、照明光の強度を含んでいてもよい。照明条件は、照明光の照明方向(つまり、対象者に対して照明光が照射される方向であり、対象者から見た照明光の発光源の方向)を含んでいてもよい。
【0059】
例えば、ディスプレイは、画像(尚、画像は、静止画及び動画の少なくとも一方を意味していてもよい)を表示する用途で光を発するが、このディスプレイが発する光が、対象者を照明する照明光として用いられてもよい。この場合、対象者が保有するスマートフォン又はタブレット端末のディスプレイDが、照明装置として用いられてもよい。画像生成装置100は、対象者が保有するスマートフォン又はタブレット端末であってもよい。
【0060】
ディスプレイDが照明装置として用いられる場合には、照明条件(特に、照明光の発光の有無に関する条件)は、ディスプレイDのオン・オフに関する条件を含んでいてもよい。照明条件(特に、照明光の強度に関する条件)は、ディスプレイDの表示面の明るさ(つまり、輝度)に関する条件を含んでいてもよい。照明条件(特に、照明光の強度に関する条件)は、ディスプレイDの表示面の明るさ(つまり、輝度)の変化に関する条件を含んでいてもよい。
【0061】
照明条件は、ディスプレイDの表示面を複数の表示領域に分割した場合の各表示領域の表示態様に関する条件を含んでいてもよい。表示領域の表示態様は、表示領域の明るさ(つまり、輝度)を含んでいてもよい。表示領域の表示態様は、表示領域の明るさ(つまり、輝度)の変化を含んでいてもよい。尚、複数の表示領域の表示態様が全て同じになるように、照明条件が設定されてもよい。或いは、複数の表示領域のうちの少なくとも二つの表示態様が互いに異なるものとなるように、照明条件が設定されてもよい。
【0062】
照明装置として用いられるディスプレイDは、照明条件を、ディスプレイDが光を発しない(つまり、ディスプレイがオフ状態になる)OFF条件と、ディスプレイDが光を発する(つまり、ディスプレイがオン状態になる)ON条件との間で変更してもよい。照明装置として用いられるディスプレイDは、照明条件を、ディスプレイDの表示面の色が第1の色となる(つまり、ディスプレイDの表示面から、第1の色を呈する波長の光が出射する)条件と、ディスプレイDの表示面の色が第1の色とは異なる第2の色となる(つまり、ディスプレイDの表示面から、第2の色を呈する波長の光が出射する)条件との間で変更してもよい。また、ディスプレイDの色を、例えばオレンジから青を変えて、おでこや頬等の特定の顔領域の色の変化を検出し、検出結果に応じて、顔領域の凹凸状態、皮膚、又はシリコン等の素材等を検知し、ライブネス判定を実施してもよい。色の変化は、R,G,Bの少なくとも1つの変化であってもよい。
【0063】
また、ディスプレイDの表示面を複数の表示領域に分割した場合の各表示領域の表示態様に関する条件が照明条件として用いられる場合には、照明装置として用いられるディスプレイDは、照明条件を、複数の表示領域の表示態様の組み合わせが第1の組み合わせに設定される第1表示条件と複数の表示領域の表示態様の組み合わせが第1の組み合わせとは異なる第2の組み合わせに設定される第2表示条件との間で変更してもよい。例えば、照明装置として用いられるディスプレイDは、照明条件を、複数の表示領域の一部(例えば、ディスプレイDの表示面の右半分)の輝度が第1輝度に設定され且つ複数の表示領域の他の一部(例えば、ディスプレイDの表示面の右半分)の輝度が第1輝度よりも暗い第2輝度に設定される第1表示条件と、複数の表示領域の一部(例えば、ディスプレイDの表示面の右半分)の輝度が第2輝度に設定され且つ複数の表示領域の他の一部(例えば、ディスプレイDの表示面の右半分)の輝度が第1輝度に設定される第2表示条件との間で変更してもよい。
【0064】
一具体例として、
図7(a)~
図7(d)は、ディスプレイDの表示面を表示面の横方向(左右方向)に並ぶ二つの表示領域L及びRに分割した場合の照明条件を示している。
図7(a)は、二つの表示領域L及びRが共に光を発する(或いは、二つの表示領域L及びRの双方の輝度が相対的に明るい輝度に設定される)照明条件を示している。
図7(b)は、二つの表示領域L及びRが共に光を発しない(或いは、二つの表示領域L及びRの双方の輝度が相対的に暗い輝度に設定される)照明条件を示している。
図7(c)は、表示領域Lが光を発する(或いは、表示領域Lの輝度が相対的に明るい輝度に設定される)一方で、表示領域Rが光を発しない(或いは、表示領域Rの輝度が相対的に暗い輝度に設定される)照明条件を示している。
図7(d)は、表示領域Rが光を発する(或いは、表示領域Rの輝度が相対的に明るい輝度に設定される)一方で、表示領域Lが光を発しない(或いは、表示領域Lの輝度が相対的に暗い第2輝度に設定される)照明条件を示している。
[3-3:画像部分の決定動作]
【0065】
画像取得部214は、複数の異なる照明条件を用いて対象者を撮像することで夫々生成される複数の人物画像を取得する。マスク領域判定部211は、当該複数の人物画像のうちの少なくとも一つの人物画像に写り込む対象者の顔を含む顔領域が、顔の少なくとも一部の領域を遮蔽する遮蔽領域を含むか否かを判定する。第3実施形態における生体判定装置30による画像部分の決定動作は、
図3に示す第2実施形態における生体判定装置20による画像部分の決定動作と同様であってもよい。
[3-4:生体判定装置30が行う生体判定動作]
【0066】
第3実施形態では、生体判定装置30は、対象者が、対象者がなりすましている別の人物の偽造物をカメラに撮像させることで、対象者が生体か否かを判定可能である。この場合、生体判定装置30は、立体的な生体からの反射光(例えば、照明光及び環境光の少なくとも一方の反射光、以下同じ)の特性と、生体ではない偽造物からの反射光の特性とが異なるという拡散反射の特性を利用することで、対象者が生体か否かを判定してもよい。
【0067】
例えば、生体判定装置30は、画像IMGに基づいて、画像IMGに写り込んだ被撮像者の顔の立体的形状を反映した特徴量を算出してもよい。対象者が生体の場合には、カメラが対象者を撮像するがゆえに、画像IMGには、生体が写り込んでいる。このため、この場合には、生体判定装置30は、生体が写り込んでいる画像IMGから、立体的形状に対応する特徴量(例えば、立体的な特徴を表す特徴量)を算出することになる。一方で、対象者が写真、ディスプレイ等の偽造物で別の人物になりすましている場合には、カメラが偽造物を撮像するがゆえに、画像IMGには、偽造物が写り込んでいる。このため、この場合には、生体判定装置30は、偽造物が写り込んだ画像IMGから、例えば平面的形状に対応する特徴量(例えば、平面的な特徴を表す特徴量)を算出することになる。このように、生体判定装置30は、算出した特徴量に基づいて、対象者が別の人物になりすましているか否かを判定してもよい。
【0068】
尚、生体判定システム3は、生体判定装置30と画像生成装置100とをそれぞれ別々の装置として備えていてもよい。或いは、生体判定システム3は、生体判定装置30と画像生成装置100とを含む単一の装置として備えていてもよい。例えば、生体判定システム3は、生体判定装置30と画像生成装置100とを含むスマートフォン又はタブレット端末を備えていてもよい。
[3-5:生体判定装置30の技術的効果]
【0069】
第3実施形態における生体判定装置30は、複数の異なる照明条件を用いて対象者を撮像することで夫々生成される複数の人物画像IMGを用いて、対象者が生体であるか否かを判定する。すなわち、第3実施形態における生体判定装置30は、立体的な生体からの反射光の特性と、生体ではない偽造物からの反射光の特性とが異なるという拡散反射の特性を利用することで、対象者が生体か否かを判定する。一方、マスク領域MRからの反射光の特性は、生体からの反射光の特性よりも、生体ではない偽造物からの反射光の特性に類似する場合がある。このため、マスク領域MRからの反射光に基づく画像部分をを生体判定に用いることは好ましくない。第3実施形態における生体判定装置30は、複数の異なる照明条件を用いて対象者を撮像することで夫々生成される複数の人物画像IMGを用いる場合においても、顔領域FRがマスク領域MRを含むか否かに応じて判定動作を変えるので、精度よく対象者が生体であるか否かを判定することができる。
[4:第4実施形態]
【0070】
続いて、生体判定装置、生体判定方法、及び記録媒体の第4実施形態について説明する。以下では、生体判定装置、生体判定方法、及び記録媒体の第4実施形態が適用された認証装置40を含む認証システム4を用いて、生体判定装置、生体判定方法、及び記録媒体の第4実施形態について説明する。
【0071】
認証システム4は、例えば、制限エリアに対する対象者の入退場を管理するために用いられてもよい。具体的には、制限エリアは、所定の入場条件を満たす対象者の入場が許可される一方で、所定の入場条件を満たさない対象者の入場が許可されない(つまり、禁止される)エリアである。この場合、認証装置40は、画像IMGに写り込んでいる対象者が、制限エリアへの入場が許可された人物(例えば、入場条件を満たす人物として予め登録された人物)と同一であるか否かを判定することで対象者を認証してもよい。この場合、対象者が制限エリアへの入場が許可された人物と同一であると判定された場合(つまり、認証が成功した場合)には、認証装置40は、対象者の制限エリアへの入場を許可してもよい。一例として、認証装置40は、対象者の通過を制限可能な入退場制限装置(例えば、ゲート装置又はドア装置)の状態を、対象者が入退場制限装置を通過可能な開状態に設定してもよい。一方で、対象者が制限エリアへの入場が許可された人物と同一でないと判定された場合(つまり、認証が失敗した場合)には、認証装置40は、対象者の制限エリアへの入場を禁止してもよい。一例として、認証装置40は、入退場制限装置の状態を、対象者が入退場制限装置を通過不可能な閉状態に設定してもよい。更に、対象者の認証が成功した場合であっても、画像IMGに写り込んでいる対象者が生体でないと判定された場合には、認証システム4は、対象者の制限エリアへの入場を禁止してもよい。
【0072】
認証システム4が制限エリアに対する対象者の入退場を管理するために用いられる場合には、画像生成装置100は、制限エリアに入場しようとしている対象者を撮像してもよい。一例として、画像生成装置100は、入退場制限装置の近傍に配置され、制限エリアに入場するために入退場制限装置の近傍に位置する対象者を撮像してもよい。この場合、画像生成装置100は、入退場制限装置に向かって移動している対象者を撮像してもよい。画像生成装置100は、入退場制限装置の近傍に配置される画像生成装置100に向かって移動している対象者を撮像してもよい。或いは、画像生成装置100は、入退場制限装置の前で静止している対象者を撮像してもよい。画像生成装置100は、入退場制限装置の近傍に配置される画像生成装置100の前で静止している対象者を撮像してもよい。
[4-1:認証装置40の構成]
【0073】
図8に示すように、第4実施形態における認証装置40は、第2実施形態における生体判定装置20と比較して(或いは、第3実施形態における生体判定装置30と比較して)、演算装置21が認証部417を備える点、記憶装置22が第3決定器4171、第1認証器4172、及び第2認証器4173を記憶している点で異なる。認証部417は、画像に基づいて対象者を認証する。第3決定器4171は、画像IMGのうちの認証部417が対象者を認証するために用いる第3画像部分R3を決定する決定器であってよい。第1認証器4172は、マスクを着用していない対象者を認証する認証器であってよい。第1認証器4172は、マスクを着用していない顔の顔画像を用いて、対象者の認証を機械学習して構築された認証器であってもよい。また、第2認証器4173は、マスクを着用した対象者を認証する認証器であってよい。第2認証器4173は、マスクを着用した顔の顔画像を用いて、対象者の認証を機械学習して構築された認証器であってもよい。すなわち、マスクを着用していない顔の顔画像を用いて機械学習をした第1認証器4172、及びマスクを着用した顔の顔画像を用いて機械学習をした第2認証器4173の2つの認証器が用意されていてもよい。認証装置40のその他の特徴は、生体判定装置20(或いは、生体判定装置30)のその他の特徴と同一であってもよい。
【0074】
例えば、第1判定部212、又は第2判定部213が、可視光カメラで撮像された画像を用いた生体判定を実施する場合、画像生成装置100は、可視光カメラを備えていてもよい。この場合、第1判定部212、又は第2判定部213は、可視光カメラで撮像された画像に基づいて生体判定をしてもよく、認証部417も、可視光カメラで撮像された画像に基づいて対象者を認証してもよい。また、可視光カメラで撮像された画像を用いた生体判定を、輝度差分ライブネスとよんでもよい。
【0075】
一方、例えば、第1判定部212、又は第2判定部213が、赤外線画像を用いた生体判定を実施する場合、画像生成装置100は、赤外線カメラと可視光カメラとを備えていてもよい。この場合、第1判定部212、又は第2判定部213は、赤外線カメラが撮像した赤外線画像に基づいて生体判定をしてもよく、認証部417は、可視光カメラで撮像された画像に基づいて対象者を認証してもよい。また、赤外線画像を用いた生体判定を、赤外画像ライブネスとよんでもよい。
[4-2:認証装置40が行う生体判定動作、及び生体認証動作]
【0076】
以下、
図9を参照しながら、第4施形態における生体判定動作、及び生体認証動作の流れについて説明する。
図9は、第4形態における生体判定動作、及び生体認証動作の流れを示すフローチャートである。以下、第1判定部212、又は第2判定部213が輝度差分ライブネスを実施する場合を例に挙げて説明する。
【0077】
ステップS20~ステップS27の動作は、
図3に示す第2実施形態、又は第3実施形態のステップS20~ステップS27の動作と同様であってもよい。すなわち、第4実施形態においても、第2実施形態及び第3実施形態の少なくとも一方に記載のなりすまし判定を行ってもよい。
【0078】
マスク領域判定部211が顔領域FRは遮蔽領域を含まないと判定した場合(ステップS23:No)、ステップS24、及びステップS25の動作と並行して、ステップS41、及びステップS42の動作を実行する。すなわち、認証部417は、第3決定器4171を用いて第3画像部分R3を決定し(ステップS41)、第1認証器4172を用いて、第1認証方法によって、対象者を認証する(ステップS42)。
【0079】
また、マスク領域判定部211が顔領域FRは遮蔽領域を含むと判定した場合(ステップS23:Yes)、ステップS26、及びステップS27の動作と並行して、ステップS43、及びステップS44の動作を実行する。すなわち、認証部417は、第3決定器4171を用いて第3画像部分R3を決定し(ステップS43)、第2認証器4173を用いて、第2認証方法によって、対象者を認証する(ステップS44)。第4実施形態においては、マスクが着用されているか否かに関わらず、認証に用いる第3画像部分R3は、同じであってよい。
【0080】
ステップS25でのなりすまし判定において生体と判定され、かつ、ステップS42での認証動作が成功した場合、又は、ステップS27でのなりすまし判定において生体と判定され、かつ、ステップS44での認証動作が成功した場合、対象者の認証は成功したと判定する(ステップS45)。すなわち、いずれか一方の動作が失敗だった場合は、対象者の認証は失敗したと判定する。
【0081】
尚、上記実施形態では、なりすまし判定動作と認証動作とを並行して実行する場合について説明したが、例えば、ステップS24、ステップS25、ステップS41、ステップS42の順、又は、ステップS26、ステップS27、ステップS43、ステップS44の順で動作してもよい。
【0082】
また、例えば、ステップS23の判定の前に、認証部417による第1認証、又は第2認証を実施してもよい。この場合、認証部417による第1認証、又は第2認証が完了した場合に、ステップ23の判定並びに、ステップS24及びステップS25の動作、又はステップS26及びステップS27の動作を実施していもよい。または、例えば、認証部417による第1認証、又は第2認証が完了した場合に、ステップS24及びステップS25の動作、又はステップS26及びステップS27の動作を実施していもよい。認証部417による第1認証、又は第2認証が完了した場合にのみ、他の動作に移行するので、無駄な処理を低減することができる。
【0083】
また、例えば、ステップS23の判定の前に、第1判定部212又は第2判定部213による生体判定を実施してもよい。この場合、第1判定部212又は第2判定部213による生体判定が完了した場合に、ステップ23の判定並びに、ステップS41及びステップS42の動作、又はステップS43及びステップS44の動作を実施していもよい。または、例えば、第1判定部212又は第2判定部213による生体判定が完了した場合に、ステップS41及びステップS42の動作、又はステップS43及びステップS44の動作を実施していもよい。第1判定部212又は第2判定部213による生体判定が完了した場合にのみ、他の動作に移行するので、無駄な処理を低減することができる。
【0084】
尚、マスク領域判定部211によるマスク領域判定と認証部417による顔認証とは、1枚の同じ画像に基づいて実施してもよい。この場合、生体判定動作に先んじて、マスク領域判定動作及び顔認証動作を実施してもよい。第1判定部212、又は第2判定部213による生体判定動作は、所定の枚数の画像を取得したときに開始してもよい。
【0085】
また、第1判定部212、又は第2判定部213が赤外画像ライブネスを実施した場合、ライブネス判定動作に用いた画像を撮像したカメラと、顔認証に用いた画像を撮像したカメラが異なるので、ライブネス判定動作と顔認証動作とを開始するタイミング、及び各々の動作が完了するタイミングが異なっていてもよい。
[4-3:画像部分の概念図]
【0086】
第4実施形態において、画像のうちの第1判定部212が対象者が生体であるか否かを判定するために用いる画像部分の大きさは、画像のうちの認証部417が対象者を認証するために用いる画像部分の大きさよりも大きくてもよい。第1判定部212は、認証部417が対象者を認証するために用いる画像部分の大きさよりも大きくなるように、顔領域FRから、第1画像部分R1を抽出してもよい。
【0087】
図10は、第4実施形態における画像部分の概念図である。
図10において、2点鎖線で囲んだ領域R1は、画像IMGのうちの顔領域FRの少なくとも一部を含む第1画像部分を示し、マスクを着用していない対象者のなりすまし判定動作に用いる画像部分を例示している。顔領域FRにおける皮膚が遮蔽されていない部分を大きく抽出した方が生体判定に用いることのできる情報量が多くなるので、生体判定に用いる画像部分は大きい方が好ましい。また、髪に覆われ易い部分も、遮蔽領域と考えることができるので、画像部分からは排除してもよい。
【0088】
破線で囲んだ領域R3は、画像IMGのうちの認証部417が対象者を認証するために用いる第3画像部分を示し、認証動作に用いる画像部分を例示している。
すなわち、第1画像部分R1は、第3画像部分R3に加え、顔領域FRの別の画像部分を含んでもよい。これにより、生体判定で用いることのできる画像部分を大きくすることができ、生体判定の精度を向上させることができる。
【0089】
また、ライブネス判定の一例として、連続して撮像された複数の画像の画像同士の差分に基づき、脈拍を推定し、生体であるか否かを判定する手法を挙げることができる。この手法を採用する場合にも、用いることのできる画像部分を大きくすることにより、生体判定の精度を向上させることができる。
【0090】
また、2点鎖線で囲んだ領域R2は、第1画像部分R1からマスク領域MRの少なくとも一部が除かれた第2画像部分を示し、マスクを着用した顔画像のなりすまし判定動作に用いる画像部分を例示している。
[4-3:認証装置40の技術的効果]
【0091】
第4実施形態における認証装置40は、第2実施形態及び第3実施形態の少なくとも一方に記載の生体判定を行うので、対象者が生体であるか否かをより高精度に判定することができ、かつ、精度よく生体である対象者を本人と認証することができる。
また、第4実施形態における認証装置40は、画像のうちの第1判定部212が対象者が生体であるか否かを判定するために用いる画像部分の大きさを、画像のうちの認証部417が対象者を認証するために用いる画像部分の大きさよりも大きくするので、生体判定の精度を向上させることができる。
【0092】
尚、上記各実施形態では、遮蔽領域が、顔が着用しているマスクによって遮蔽されているマスク領域である場合について説明したが、マスク以外によって遮蔽されている遮蔽領域がある場合においても、上記各実施形態を適用することができる。
【0093】
また、上記各実施形態では、生体判定装置が一種類の生体判定の定機構を搭載し、一種類の生体判定を実施する場合について説明したが、生体判定装置は、複数種類の生体判定の機構を搭載し、複数種類の生体判定を実施し、複数の判定結果に基づいて生体か否かを判定してもよい。
【0094】
複数種類の生体判定は、顔領域の少なくとも一部の領域が遮蔽されているか否かに応じて、生体判定に用いる画像部分、及び生体判定に用いる判定器の少なくとも一方を切り替えない第1の生体判定、並びに、生体判定に用いる画像部分、及び生体判定に用いる判定器の少なくとも一方を切り替える第2の生体判定の少なくとも一方を含んでいてもよい。すなわち、第1の生体判定を実施する場合は、顔領域の少なくとも一部の領域が遮蔽されているか否かに応じて、生体判定に用いる画像部分、及び生体判定に用いる判定器の少なくとも一方を切り替えなくてもよい。一方で、第2の生体判定を実施する場合は、顔領域の少なくとも一部の領域が遮蔽されているか否かに応じて、生体判定に用いる画像部分、及び生体判定に用いる判定器の少なくとも一方を切り替えてもよい。
【0095】
つまり、生体判定装置は、顔領域が遮蔽されている場合、第1画像部分R1を用いて、対象者が生体であるか否かを判定する第1の生体判定手段と、顔領域が遮蔽されている場合、第2画像部分R2を用いて、対象者が生体であるか否かを判定する第2の生体判定手段とを備えていてもよい。この場合、第2の生体判定手段は、第1判定部212、及び第2判定部213を含む。
【0096】
第1の生体判定としては、対象者に首振りなどの動作を指示し、対象者の動作の検出する手法、対象者の視線の変化を検出する手法、対象者の目の虹彩の反射の変化を検出する手法等を挙げることができる。第2の生体判定としては、画像部分内の温度分布に基づく生体判定、輝度差分ライブネス、赤外画像ライブネス等を挙げることができる。
【0097】
第2の生体判定を実施する場合であって顔領域の少なくとも一部の領域が遮蔽されていないとき、及び第1の生体判定をする場合には、例えば
図10に示す第1画像部分R1を用いて生体判定をしてもよい。一方、第2の生体判定を実施する場合であって顔領域の少なくとも一部の領域が遮蔽されているときには、例えば
図10に示す第2画像部分R2を用いて生体判定をしてもよい。
また、生体判定装置が用いる画像は、実施する生体判定の種類に応じて異なるので、画像生成装置は、赤外線カメラ、及び可視光カメラを搭載していてもよい。
[5:付記]
【0098】
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
[付記1]
対象者を撮像することで生成される画像に写り込む当該対象者の顔を含む顔領域が、当該顔の少なくとも一部の領域を遮蔽する遮蔽領域を含むか否かを判定する遮蔽領域判定手段と、
前記顔領域が前記遮蔽領域を含まないと前記遮蔽領域判定手段が判定した場合、前記画像を用いた第1判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定する第1判定手段と、
前記顔領域が前記遮蔽領域を含むと前記遮蔽領域判定手段が判定した場合、前記画像を用い且つ前記第1判定方法とは異なる第2判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定する第2判定手段と
を備える生体判定装置。
[付記2]
前記第1判定方法は、前記画像のうちの前記顔領域の少なくとも一部を含む第1画像部分を用いて、前記対象者が生体であるか否かを判定する方法であり、
前記第2判定方法は、前記第1画像部分から前記遮蔽領域の少なくとも一部が除かれた第2画像部分を用いて、前記対象者が生体であるか否かを判定する方法である
付記1に記載の生体判定装置。
[付記3]
前記第2判定手段は、前記顔に含まれる両目の間の距離に基づいて、前記画像から、前記第2画像部分を抽出する
付記2に記載の生体判定装置。
[付記4]
前記顔に含まれる両目の間の距離に基づいて、抽出する前記第2画像部分の大きさ、及び前記第2画像部分の位置を決定する決定手段を更に備える
付記3に記載の生体判定装置。
[付記5]
前記第2判定手段は、前記顔に含まれる鼻背の下部の両側部に基づいて、前記画像から、前記第2画像部分を抽出する
付記2から4のいずれか一項に記載の生体判定装置。
[付記6]
前記顔に含まれる鼻背の下部の両側部に基づいて、抽出する前記第2画像部分の下限部を決定する決定手段を更に備える
付記5に記載の生体判定装置。
[付記7]
前記画像に基づいて前記対象者を認証する認証手段を更に備え、
前記第1判定手段は、前記認証手段が前記対象者を認証するために用いる画像部分の大きさよりも大きくなるように、前記画像から、前記第1画像部分を抽出する
付記2から6のいずれか一項に記載の生体判定装置。
[付記8]
前記顔領域が遮蔽されている場合、前記第1画像部分を用いて、前記対象者が生体であるか否かを判定する第1の生体判定手段と、
前記顔領域が遮蔽されている場合、前記第2画像部分を用いて、前記対象者が生体であるか否かを判定する第2の生体判定手段とを更に備え、
前記第2の生体判定手段は、前記第1判定手段、及び前記第2判定手段を含む
付記2から7のいずれか一項に記載の生体判定装置。
[付記9]
前記画像は、赤外線画像である
付記1から8のいずれか一項に記載の生体判定装置。
[付記10]
前記第1判定方法は、前記画像が入力された場合に前記対象者が生体であるか否かの判定結果を出力可能な第1判定器を用いて、前記対象者が生体であるか否かを判定する方法であり、
前記第2判定方法は、前記画像が入力された場合に前記対象者が生体であるか否かの判定結果を出力可能であって且つ前記第1判定器とは異なる第2判定器を用いて、前記対象者が生体であるか否かを判定する方法である
付記1から9のいずれか一項に記載の生体判定装置。
[付記11]
前記遮蔽領域は、前記顔が着用しているマスクによって遮蔽されているマスク領域である
付記1から10のいずれか一項に記載の生体判定装置。
[付記12]
複数の異なる照明条件を用いて対象者を撮像することで夫々生成される複数の人物画像を取得する画像取得手段を更に備え、
前記画像は、前記複数の人物画像のうちの少なくとも一つの人物画像である
付記1から11のいずれか一項に記載の生体判定装置。
[付記13]
前記画像に基づいて前記対象者を認証する認証手段を更に備え、
前記画像のうちの前記第1判定手段が前記対象者が生体であるか否かを判定するために用いる画像部分の大きさは、前記画像のうちの前記認証手段が前記対象者を認証するために用いる画像部分の大きさよりも大きい
付記1から12のいずれか一項に記載の生体判定装置。
[付記14]
対象者を撮像することで生成される画像に写り込む当該対象者の顔を含む顔領域が、当該顔の少なくとも一部の領域を遮蔽する遮蔽領域を含むか否かを判定し、
前記顔領域が前記遮蔽領域を含まないと判定した場合、前記画像を用いた第1判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定し、
前記顔領域が前記遮蔽領域を含むと判定した場合、前記画像を用い且つ前記第1判定方法とは異なる第2判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定する
生体判定方法。
[付記15]
コンピュータに、
対象者を撮像することで生成される画像に写り込む当該対象者の顔を含む顔領域が、当該顔の少なくとも一部の領域を遮蔽する遮蔽領域を含むか否かを判定し、
前記顔領域が前記遮蔽領域を含まないと判定した場合、前記画像を用いた第1判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定し、
前記顔領域が前記遮蔽領域を含むと判定した場合、前記画像を用い且つ前記第1判定方法とは異なる第2判定方法によって、前記対象者が生体であるか否かを判定する
生体判定方法を実行させるためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体。
【0099】
上述の各実施形態の構成要件の少なくとも一部は、上述の各実施形態の構成要件の少なくとも他の一部と適宜組み合わせることができる。上述の各実施形態の構成要件のうちの一部が用いられなくてもよい。また、法令で許容される限りにおいて、上述のこの開示で引用した全ての文献(例えば、公開公報)の開示を援用してこの開示の記載の一部とする。
【0100】
この開示は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる技術的思想に反しない範囲で適宜変更可能である。そのような変更を伴う生体判定装置、生体判定方法、及び、記録媒体もまた、この開示の技術的思想に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
1 生体判定装置
11 遮蔽領域判定部
12 第1判定部
13 第2判定部
2 生体判定システム
20 生体判定装置
100 画像生成装置
211 マスク領域判定部
212 第1判定部
2121 第1決定器
2122 第1判定器
213 第2判定部
2131 第2決定器
2132 第2判定器
214 画像取得部
215 顔検出部
216 顔情報検出部
4 認証システム
40 認証装置
417 認証部
4171 第3決定器
4172 第1認証器
4173 第2認証器
IMG 画像
FR 顔領域
MR マスク領域
R1 第1画像部分
R2 第2画像部分
R3 第3画像部分
D ディスプレイ