(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-03
(45)【発行日】2025-06-11
(54)【発明の名称】固体撮像装置、形状測定装置および形状測定方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/25 20060101AFI20250604BHJP
【FI】
G01B11/25 H
(21)【出願番号】P 2021206787
(22)【出願日】2021-12-21
【審査請求日】2024-06-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【氏名又は名称】柴山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100110582
【氏名又は名称】柴田 昌聰
(72)【発明者】
【氏名】宅見 宗則
(72)【発明者】
【氏名】内田 圭祐
【審査官】櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/059236(WO,A1)
【文献】米国特許第5567976(US,A)
【文献】特開昭61-140827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G01C 3/06
H01L 31/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って複数の画素対が配列されている第1受光部と、
前記第1方向と交差する第2方向に沿って各々受光量に応じた量の電荷を発生させる複数の画素が配列されている第2受光部と、
を備え、
前記第1受光部の前記複数の画素対それぞれは、前記第1方向に沿って並んで配置されている第1画素および第2画素を含み、
前記第1方向に延在するライン状の光が前記第1受光部に入射したときに、その光入射位置が前記第2方向の一方側から他方側へ向かうのに従って、前記第1画素が発生させる電荷の量が次第に減少していき、前記第2画素が発生させる電荷の量が次第に増加していく、
固体撮像装置。
【請求項2】
前記第2受光部は、前記第1受光部に対し前記第1方向の一方側に設けられている、
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記第2受光部は、前記第1受光部に対し前記第1方向の両側に設けられている、
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記第1受光部は、前記第1方向の一方側の第1領域と他方側の第2領域とに区分され、
前記第2受光部は、前記第1領域と前記第2領域との間に設けられている、
請求項1~3の何れか1項に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記第2方向の一方側から他方側へ向かって、前記第1画素の前記第1方向の幅が次第に狭くなり、前記第2画素の前記第1方向の幅が次第に広くなる、
請求項1~4の何れか1項に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記第1受光部の前記複数の画素対それぞれは、前記第1画素を覆って設けられた第1フィルタと、前記第2画素を覆って設けられた第2フィルタと、を含み、
前記第2方向の一方側から他方側へ向かって、前記第1フィルタの光透過率が次第に小さくなり、前記第2フィルタの光透過率が次第に大きくなる、
請求項1~4の何れか1項に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記第1受光部の前記複数の画素対それぞれは、前記第1画素の一部を覆って設けられた第1遮光膜と、前記第2画素の一部を覆って設けられた第2遮光膜と、を含み、
前記第2方向の一方側から他方側へ向かって、前記第1画素のうち前記第1遮光膜で覆われていない部分の前記第1方向の幅が次第に狭くなり、前記第2画素のうち前記第2遮光膜で覆われていない部分の前記第1方向の幅が次第に広くなる、
請求項1~4の何れか1項に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記第1受光部の前記複数の画素対の前記第1画素および前記第2画素それぞれで発生した電荷の量に応じたデータ列の第1電気信号を出力し、前記第2受光部の前記複数の画素それぞれで発生した電荷の量に応じたデータ列の第2電気信号を出力する信号処理部を更に備える、
請求項1~7の何れか1項に記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記第1電気信号に基づいて前記第1受光部における前記第1方向の各位置において前記第2方向の光入射位置を求め、前記第2電気信号に基づいて前記第2受光部における前記第2方向の光入射強度分布を求める演算部を更に備える、
請求項8に記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記第1電気信号に基づいて求められる前記第2方向の光入射位置を補正するための補正式を記憶する記憶部を更に備え、
前記演算部は、前記第1電気信号に基づいて前記第1受光部における前記第1方向の各位置において前記第2方向の光入射位置を求める際に、前記記憶部に記憶されている前記補正式に基づいて補正を行う、
請求項9に記載の固体撮像装置。
【請求項11】
光切断法により対象物の形状を測定する装置であって、
前記対象物に対して所定ライン上の各位置に光を照射する光照射部と、
前記光照射部による前記対象物への光照射により生じた反射光を入力して結像する結像光学系と、
前記結像光学系を経た前記反射光を受光する請求項9または10に記載の固体撮像装置と、
を備え、
前記固体撮像装置の前記演算部は、
前記固体撮像装置の前記信号処理部から出力される前記第1電気信号に基づいて、前記第1受光部における前記第1方向の各位置において前記第2方向の光入射位置を求めて、前記対象物の形状を測定し、
前記固体撮像装置の前記信号処理部から出力される前記第2電気信号に基づいて、前記第2受光部における前記第2方向の光入射強度分布を求めて、前記光照射部、前記結像光学系または前記固体撮像装置の光学的設定状態を評価する、
形状測定装置。
【請求項12】
前記演算部による評価の結果に基づいて、前記光照射部、前記結像光学系または前記固体撮像装置の光学的設定状態を調整する調整部を更に備える、
請求項11に記載の形状測定装置。
【請求項13】
対象物に対して所定ライン上の各位置に光を照射する光照射部と、
前記光照射部による前記対象物への光照射により生じた反射光を入力して結像する結像光学系と、
前記結像光学系を経た前記反射光を受光する請求項9または10に記載の固体撮像装置と、
を用いて、光切断法により前記対象物の形状を測定する方法であって、
前記固体撮像装置の前記信号処理部から出力される前記第1電気信号に基づいて、前記第1受光部における前記第1方向の各位置において前記第2方向の光入射位置を求めて、前記対象物の形状を測定する測定ステップと、
前記固体撮像装置の前記信号処理部から出力される前記第2電気信号に基づいて、前記第2受光部における前記第2方向の光入射強度分布を求めて、前記光照射部、前記結像光学系または前記固体撮像装置の光学的設定状態を評価する評価ステップと、
を備える形状測定方法。
【請求項14】
前記評価ステップにおける評価の結果に基づいて、前記光照射部、前記結像光学系または前記固体撮像装置の光学的設定状態を調整する調整ステップを更に備える、
請求項13に記載の形状測定方法。
【請求項15】
前記第2方向の各位置において、請求項8~10の何れか1項に記載の固体撮像装置に対し前記第1方向に延在する所定ライン上の各位置に光を入射させ、前記固体撮像装置の前記信号処理部から出力される前記第1電気信号および前記第2電気信号それぞれに基づいて求められる前記第2方向の光入射位置の比較に基づいて、前記第1電気信号に基づいて求められる前記第2方向の光入射位置を補正する、
補正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置、形状測定装置および形状測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2には、第1方向に沿って第1画素と第2画素とが交互に配列された受光部を備える固体撮像装置の発明が開示されている。この固体撮像装置の一つの構成例では、上記第1方向と交差する第2方向の一方側から他方側に向かって、第1画素の第1方向の幅が次第に狭くなり、第2画素の第1方向の幅が次第に広くなっている。また、これらの文献には、この固体撮像装置を用いて光切断法により対象物の形状を測定することができる旨が記載されている。
【0003】
光切断法による形状測定において、複数の画素が2次元配列された受光部を備える固体撮像装置(エリアセンサ)を用いることもできる。この場合には、画素数が多いので、各画素において受光量に応じた信号を読み出すのに長時間を要する。これに対して、光切断法による形状測定において、特許文献1,2に記載された固体撮像装置を用いれば、エリアセンサと比べて画素数が少ないので、各画素から信号を読み出す時間を短縮することができ、形状測定の高速化および高解像度化が可能である。
【0004】
特許文献1,2に記載された固体撮像装置は、受光部において複数の画素(第1画素、第2画素)が1次元配列されている点でリニアセンサと同じであるので、エリアセンサを用いる場合と比べると、各画素から信号を読み出す時間を短縮することができる。また、特許文献1,2に記載された固体撮像装置は、受光部において第1画素および第2画素それぞれが特徴的な構造を有することにより、これらの画素が配列されている第1方向の各位置において、この第1方向と交差する第2方向についての光入射位置を演算により求めることができる。すなわち、特許文献1,2に記載された固体撮像装置は、光切断法による形状測定においてエリアセンサに替えて用いることができ、エリアセンサを用いる場合と比べると形状測定の高速化および高解像度化が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2019/058897号
【文献】国際公開第2019/059236号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、特許文献1,2に記載された固体撮像装置を用いて光切断法による形状測定技術の研究開発を行う過程で、この固体撮像装置が次のような問題点を有していることを見出した。すなわち、特許文献1,2に記載された固体撮像装置は、受光部において第1方向と交差する第2方向についての光入射位置を演算により求めることができるものの、受光部における入射光の2次元強度分布を検出することができないことから、光学的設定状態が適正であるか否かを判断することができない。
【0007】
例えば、光照射部により対象物に照射される光は、所定方向に延在する幅狭のライン状であることが望まれる。対象物と固体撮像装置との間に設けられた結像光学系により、対象物における光照射領域と固体撮像装置の受光部とは、互いに光学的に共役な位置関係であることが望まれる。また、光切断法により形状測定において対象物が平坦である場合には、対象物から結像光学系を経て固体撮像装置の受光部に入射する反射光は、受光部において第1方向に平行なライン状であることが望まれる。これらを実現するには光学的設定状態が適正であることが必要である。
【0008】
しかし、光学的設定状態の評価は、受光部における入射光の2次元強度分布を検出することができるエリアセンサを用いる場合には可能であるものの、特許文献1,2に記載された固体撮像装置を用いる場合には困難である。光学的設定状態が適正でない場合に光切断法により対象物の形状を測定すると、固体撮像装置からの出力信号の精度が悪くなって、形状測定の精度も悪くなる場合がある。また、光学的設定状態の評価が困難であることから、光学的設定状態を調整して適正化することも困難である。
【0009】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、光切断法による形状測定に用いられる場合に光学的設定状態の評価および調整が可能な固体撮像装置を提供することを目的とする。また、本発明は、上記のような固体撮像装置を用いて光切断法により対象物の形状を高速・高解像度で測定することができる装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の固体撮像装置は、第1方向に沿って複数の画素対が配列されている第1受光部と、第1方向と交差する第2方向に沿って各々受光量に応じた量の電荷を発生させる複数の画素が配列されている第2受光部と、を備える。第1受光部の複数の画素対それぞれは、第1方向に沿って並んで配置されている第1画素および第2画素を含む。第1方向に延在するライン状の光が第1受光部に入射したときに、その光入射位置が第2方向の一方側から他方側へ向かうのに従って、第1画素が発生させる電荷の量が次第に減少していき、第2画素が発生させる電荷の量が次第に増加していく。
【0011】
本発明の一側面において、第2受光部は、第1受光部に対し第1方向の一方側に設けられているのが好適である。第2受光部は、第1受光部に対し第1方向の両側に設けられているのも好適である。また、第1受光部は、第1方向の一方側の第1領域と他方側の第2領域とに区分されていてもよく、この場合、第2受光部は、第1領域と第2領域との間に設けられているのも好適である。
【0012】
本発明の一側面において、第2方向の一方側から他方側へ向かって、第1画素の第1方向の幅が次第に狭くなり、第2画素の第1方向の幅が次第に広くなるのが好適である、第1受光部の複数の画素対それぞれは、第1画素を覆って設けられた第1フィルタと、第2画素を覆って設けられた第2フィルタと、を含み、第2方向の一方側から他方側へ向かって、第1フィルタの光透過率が次第に小さくなり、第2フィルタの光透過率が次第に大きくなるのも好適である。また、第1受光部の複数の画素対それぞれは、第1画素の一部を覆って設けられた第1遮光膜と、第2画素の一部を覆って設けられた第2遮光膜と、を含み、第2方向の一方側から他方側へ向かって、第1画素のうち第1遮光膜で覆われていない部分の第1方向の幅が次第に狭くなり、第2画素のうち第2遮光膜で覆われていない部分の第1方向の幅が次第に広くなるのも好適である。
【0013】
本発明の一側面において、固体撮像装置は、第1受光部の複数の画素対の第1画素および第2画素それぞれで発生した電荷の量に応じたデータ列の第1電気信号を出力し、第2受光部の複数の画素それぞれで発生した電荷の量に応じたデータ列の第2電気信号を出力する信号処理部を更に備えるのが好適である。固体撮像装置は、第1電気信号に基づいて第1受光部における第1方向の各位置において第2方向の光入射位置を求め、第2電気信号に基づいて第2受光部における第2方向の光入射強度分布を求める演算部を更に備えるのも好適である。また、固体撮像装置は、第1電気信号に基づいて求められる第2方向の光入射位置を補正するための補正式を記憶する記憶部を更に備え、演算部は、第1電気信号に基づいて第1受光部における第1方向の各位置において第2方向の光入射位置を求める際に、記憶部に記憶されている補正式に基づいて補正を行うのも好適である。
【0014】
本発明の形状測定装置は、光切断法により対象物の形状を測定する装置であって、対象物に対して所定ライン上の各位置に光を照射する光照射部と、光照射部による対象物への光照射により生じた反射光を入力して結像する結像光学系と、結像光学系を経た反射光を受光する上記の本発明の固体撮像装置と、を備える。固体撮像装置の演算部は、固体撮像装置の信号処理部から出力される第1電気信号に基づいて、第1受光部における第1方向の各位置において第2方向の光入射位置を求めて、対象物の形状を測定し、固体撮像装置の信号処理部から出力される第2電気信号に基づいて、第2受光部における第2方向の光入射強度分布を求めて、光照射部、結像光学系または固体撮像装置の光学的設定状態を評価する。形状測定装置は、演算部による評価の結果に基づいて、光照射部、結像光学系または固体撮像装置の光学的設定状態を調整する調整部を更に備えるのが好適である。
【0015】
本発明の形状測定方法は、対象物に対して所定ライン上の各位置に光を照射する光照射部と、光照射部による対象物への光照射により生じた反射光を入力して結像する結像光学系と、結像光学系を経た反射光を受光する上記の本発明の固体撮像装置とを用いて、光切断法により対象物の形状を測定する方法である。形状測定方法は、固体撮像装置の信号処理部から出力される第1電気信号に基づいて、第1受光部における第1方向の各位置において第2方向の光入射位置を求めて、対象物の形状を測定する測定ステップと、固体撮像装置の信号処理部から出力される第2電気信号に基づいて、第2受光部における第2方向の光入射強度分布を求めて、光照射部、結像光学系または固体撮像装置の光学的設定状態を評価する評価ステップと、を備える。形状測定方法は、評価ステップにおける評価の結果に基づいて、光照射部、結像光学系または固体撮像装置の光学的設定状態を調整する調整ステップを更に備えるのが好適である。
【0016】
本発明の補正方法は、第2方向の各位置において、上記の本発明の固体撮像装置に対し第1方向に延在する所定ライン上の各位置に光を入射させ、固体撮像装置の信号処理部から出力される第1電気信号および第2電気信号それぞれに基づいて求められる第2方向の光入射位置の比較に基づいて、第1電気信号に基づいて求められる第2方向の光入射位置を補正する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、光切断法による形状測定に用いられる場合に光学的設定状態の評価および調整が可能な固体撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、形状測定装置1の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、固体撮像装置5の第1構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1信号処理部30の回路構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、固体撮像装置5の第2構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、固体撮像装置5の第3構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、固体撮像装置5の第4構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1構成例の固体撮像装置5A(
図2)の第1受光部10等に入射したライン状の光の強度分布の例を濃淡で示す図である。
【
図8】
図8は、第1構成例の固体撮像装置5A(
図2)の第1受光部10等に入射したライン状の光の強度分布の例を濃淡で示す図である。
【
図9】
図9は、第1構成例の固体撮像装置5A(
図2)の第1受光部10等に入射したライン状の光の強度分布の例を濃淡で示す図である。
【
図10】
図10は、第4構成例の固体撮像装置5D(
図6)の第1受光部10等に入射したライン状の光の強度分布の例を濃淡で示す図である。
【
図11】
図11は、第1構成例の固体撮像装置5A(
図2)において第1電気信号に基づいて求められるy方向の光入射位置を補正する方法について説明する図である。
【
図12】
図12(a)は、形状測定装置1において対象物2の高さを変化させたときに、固体撮像装置5の第1受光部10の或る1つの画素対11の第1画素12および第2画素13それぞれにおける第1電気信号の値、ならびに、この第1電気信号の値から求められた対象物2の高さ換算値の変化を示すグラフである。
図12(b)は、第1電気信号から求められた対象物2の高さ換算値と真の高さとの差を示すグラフである。
【
図13】
図13は、第1画素12および第2画素13を含む画素対11の他の構成例を示す図である。
【
図14】
図14は、第1受光部10において複数の画素対11Aがx方向に沿って配列される例を示す図である。
【
図15】
図15は、第1画素12および第2画素13を含む画素対11の更に他の構成例を示す図である。
【
図16】
図16は、第1画素12および第2画素13を含む画素対11の更に他の構成例を示す図である。
【
図17】
図17は、第1画素12および第2画素13を含む画素対11の更に他の構成例を示す図である。
【
図18】
図18は、第1画素12および第2画素13を含む画素対11の更に他の構成例を示す図である。
【
図19】
図19は、第1画素12および第2画素13を含む画素対11の更に他の構成例を示す図である。
【
図20】
図20は、第1画素12および第2画素13を含む画素対11の更に他の構成例を示す図である。
図20(a)は平面図であり、
図20(b)は断面図である。
【
図21】
図21は、第1画素12および第2画素13を含む画素対11の更に他の構成例を示す図である。
図21(a)は平面図であり、
図21(b)は断面図である。
【
図22】
図22は、第1画素12および第2画素13を含む画素対11の更に他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0020】
図1は、形状測定装置1の構成を示す図である。形状測定装置1は、光切断法により対象物2の表面形状を測定するものであって、光照射部3、結像光学系4、固体撮像装置5および調整部6を備える。結像光学系4および固体撮像装置5は、対象物2の表面を撮像する撮像カメラを構成している。
【0021】
対象物2は、方向D1に移動する移動ステージの載置面S上に置かれており、移動ステージの移動に伴い方向D1に移動する。この移動速度は例えば1m/sである。載置面Sは、方向D1および方向D2の双方に平行な面である。方向D2は方向D1と交差(例えば直交)している。対象物2は、この図では方向D1を長手方向とする直方体状の外観を有しているが、これに限られない。
【0022】
光照射部3は、対象物2の表面2aに対して所定ライン上の各位置に光を照射する。光照射部3は、光源及び照射光学系を含む。光照射部3はレーザ光を出力するのが好適である。光照射部3は、方向D1および方向D2の双方と交差(例えば直交)する方向D3において対象物2の表面2aと対向する位置に配置されている。光照射部3は、方向D2に沿って延在するライン状の光を照射してもよく、この場合、例えば、光L1を出力する光源と、その光源から出力された光L1をライン状領域MLに集光照射する照射光学系としてのシリンドリカルレンズと、を含む。光L1は、方向D3に沿って進行してシリンドリカルレンズを通過した後、方向D2に拡がった状態で対象物2の表面2aのライン状領域ML上の各位置に同時に照射される。また、光照射部3は、スポット光をライン状領域MLに沿って走査してもよく、この場合、例えば、光を出力する光源と、その光源から出力された光をライン状領域MLに走査するための走査手段と、を含む。
【0023】
結像光学系4は、光照射部3による対象物2への光L1の照射により生じた反射光L2を入力して結像する。固体撮像装置5は、結像光学系4を経た反射光L2を受光する。結像光学系4および固体撮像装置5は、光照射部3による対象物2への光L1の照射により生じた反射光L2を入力して対象物2の表面を撮像する撮像カメラを構成している。撮像カメラは、ライン状領域MLへの光L1の照射方向Daに対して、ライン状領域MLを起点として傾斜した傾斜方向Dbに設けられている。
【0024】
固体撮像装置5は、方向D1に沿った各位置について、対象物2の表面2aのライン状領域MLで生じた反射光L2を所定のフレームレートで順次重厚して撮像し、その撮像によって取得したデータ列からなる電気信号を出力する。固体撮像装置5は、ライン状領域MLで生じた反射光L2が入力される受光部と、その反射光L2の入射に応じて受光部から出力される信号を処理する信号処理部とを有する。
【0025】
対象物2は、移動ステージの方向D1への移動に伴って、光照射部3および撮像カメラに対して方向D1に沿って相対移動する。これにより、方向D1に沿った各位置について、光照射部3によるライン状領域MLへの光L1の照射、および、固体撮像装置5による反射光L2に基づくライン状領域MLの撮像が、順次に行われる。これによって対象物2の表面2aの三次元形状を計測することができる。
【0026】
調整部6は、固体撮像装置5から出力される信号に基づいて、光照射部3、結像光学系4または固体撮像装置5の光学的設定状態を調整する。調整部6は、例えばCPU等の処理部とRAM、HDD、SSD等の記憶部とを備えるコンピュータであってもよい。この調整の詳細については後述する。
【0027】
図2は、固体撮像装置5の第1構成例を示す図である。この図に示される第1構成例の固体撮像装置5Aは、第1受光部10、第2受光部20A,20B、第1信号処理部30、第2信号処理部40A,40B、演算部50および記憶部60を備える。
【0028】
これらは1つの半導体基板上に形成されていてもよい。或いは、第1受光部10および第2受光部20A,20Bが1つの半導体基板上に形成されていて、第1信号処理部30、第2信号処理部40A,40B、演算部50および記憶部60が他の1つの半導体基板上に形成されていてもよく、この場合、これら2つの半導体基板がバンプにより電気的に接続されていてもよい。演算部50および記憶部60は、コンピュータ又は、マイコンやFPGA等を有する組み込みシステムであってもよい。
【0029】
第1受光部10は、第1方向(x方向)に沿って複数の画素対11が配列されている。第2受光部20A,20Bそれぞれは、第1方向と交差する第2方向に沿って各々受光量に応じた量の電荷を発生させる複数の画素21が配列されている。第2方向は、x方向に直交するy方向であってもよい。
【0030】
第1受光部10の複数の画素対11それぞれは、第1画素12および第2画素13を含む。x方向に延在するライン状の光が第1受光部10に入射したときに、その光入射位置がy方向の一方側から他方側へ向かうのに従って、第1画素12が発生させる電荷の量が次第に減少していき、第2画素13が発生させる電荷の量が次第に増加していく。
【0031】
このようなy方向の光入射位置と電荷発生量との間の関係を有する第1画素12および第2画素13は、様々な態様の構成があり得るが、この図に示される構成では各画素の形状に特徴を有する。すなわち、第1画素12の形状は、y方向の一方側から他方側へ向かってx方向の幅が次第に狭くなる三角形であり、第2画素13の形状は、y方向の一方側から他方側へ向かってx方向の幅が次第に広くなる三角形である。例えば、この三角形は、二等辺三角形であり、底辺の幅が10μm程度であり、高さが数mm程度である。第1画素12および第2画素13それぞれのx方向の幅とは、各々の画素において光入射に応じて電荷を発生し得る領域(光感応領域)のx方向の幅である。
【0032】
第2受光部20Aは、第1受光部10に対しx方向の一方側に設けられている。第2受光部20Bは、第1受光部10に対しx方向の他方側に設けられている。第2受光部20Aに含まれる画素21と、第2受光部20Aに含まれる画素21とは、同数であるのが好ましく、y方向の同じ位置に設けられているのが好ましい。第2受光部20Aおよび第2受光部20Bそれぞれに含まれる画素21は、同一構成であってよい。
【0033】
第1信号処理部30は、第1受光部10の複数の画素対11の第1画素12および第2画素13それぞれと電気的に接続されており、これらの第1画素12および第2画素13それぞれで発生した電荷の量に応じたデータ列の第1電気信号を出力する。第2信号処理部40Aは、第2受光部20Aの複数の画素21それぞれと電気的に接続されており、これらの画素21で発生した電荷の量に応じたデータ列の第2電気信号を出力する。第2信号処理部40Bは、第2受光部20Bの複数の画素21それぞれと電気的に接続されており、これらの画素21で発生した電荷の量に応じたデータ列の第2電気信号を出力する。
【0034】
演算部50は、第1信号処理部30と電気的に接続されている。演算部50は、第1信号処理部30から出力された第1電気信号に基づいて、第1受光部10におけるx方向の各位置においてy方向の光入射位置を求めて、対象物2の形状を測定する(測定ステップ)。具体的には、演算部50は、複数の画素対11それぞれについて(すなわち、第1受光部10におけるx方向の各位置について)、第1電気信号に基づいて第1画素12のデータD12および第2画素13のデータD13を求め、これら2つのデータD12,D13の比に基づいてy方向の光入射位置を求めることができる。
【0035】
演算部50は、第2信号処理部40A,40Bとも電気的に接続されている。演算部50は、第2信号処理部40Aから出力された第2電気信号に基づいて、第2受光部20Aにおけるy方向の光入射強度分布を求めて、光照射部3、結像光学系4または固体撮像装置5の光学的設定状態を評価する(評価ステップ)。演算部50は、第2信号処理部40Bから出力された第2電気信号に基づいて、第2受光部20Bにおけるy方向の光入射強度分布を求める。光入射強度分布は、光強度ピーク位置の情報および当該分布の幅(例えば半値全幅)の情報を含む。
【0036】
記憶部60が設けられているのが好ましい。記憶部60は、第1電気信号に基づいて求められるy方向の光入射位置を補正するための補正式を記憶する。記憶部60が設けられている場合、演算部50は、第1電気信号に基づいて第1受光部10におけるx方向の各位置においてy方向の光入射位置を求める際に、記憶部60に記憶されている補正式に基づいて補正を行う。この補正の詳細については後述する。
【0037】
図3は、第1信号処理部30の回路構成例を示す図である。この図では、第1画素12および第2画素13はフォトダイオードの回路記号で示されている。第1信号処理部30は、第1画素12および第2画素13の総数と同じ個数のNMOSトランジスタ31、シフトレジスタ32、チャージアンプ33およびAD変換回路34を含む。
【0038】
第1画素12および第2画素13それぞれは、対応するNMOSトランジスタ31を介して電気的にチャージアンプ33の入力端に接続されている。NMOSトランジスタ31は、スイッチとして用いられるものであり、シフトレジスタ32から出力されてゲートに与えられる制御信号の値に応じてオン状態およびオフ状態の何れかに設定される。シフトレジスタ32は、複数のNMOSトランジスタ31それぞれのゲートに制御信号を与えることにより、複数のNMOSトランジスタ31を順次にオン状態とする。
【0039】
チャージアンプ33は、第1画素12または第2画素13からNMOSトランジスタ31を介して電荷を入力し、その電荷の量に応じた電圧値を入力する。AD変換回路34は、チャージアンプ33と電気的に接続されている。AD変換回路34は、チャージアンプ33から出力された電圧値(アナログ値)を入力して、その電圧値に応じたデジタル値を出力する。
【0040】
複数のNMOSトランジスタ31が順次に1つずつオン状態とされると、そのオン状態とされたNMOSトランジスタ31と接続されている第1画素12または第2画素13において受光によって発生した電荷がチャージアンプ33に入力され、その電荷の量に応じた電圧値がチャージアンプ33から出力され、さらに、チャージアンプ33から出力された電圧量に応じたデジタル値がAD変換回路34から出力される。複数のNMOSトランジスタ31が順次に1つずつオン状態とされることで、複数の画素対11の第1画素12および第2画素13それぞれで発生した電荷の量に応じたデータ列の第1電気信号がAD変換回路34から出力される。
【0041】
第2信号処理部40A,40Bも、第1信号処理部30と同様の構成とすることができる。第2信号処理部40A,40Bは共通の期間に信号を出力してもよく、この場合、第2信号処理部40A,40Bにおいてシフトレジスタは共通に設けられてもよい。第1信号処理部30および第2信号処理部40A,40Bは共通の期間に信号を出力してもよく、この場合、第1信号処理部30および第2信号処理部40A,40Bにおいてシフトレジスタは共通に設けられてもよい。第1信号処理部30および第2信号処理部40A,40Bは互いに異なる期間に信号を出力してもよく、この場合には、第1信号処理部30および第2信号処理部40A,40Bを別個に設けてもよいし、共通の信号処理部により第1信号の出力および第2信号の出力を互いに異なる期間に行ってもよい。
【0042】
図3に示される信号処理部はPPS(Passive Pixel Sensor)の構成であったが、信号処理部はAPS(Active Pixel Sensor)の構成であってもよい。また、
図3に示される信号処理部は各画素の信号を順次に読み出すローリングシャッタ方式の構成であったが、信号処理部は各画素の信号を同時に読み出すグローバルシャッタ方式の構成であってもよい。
【0043】
次に、固体撮像装置5の他の構成例について、
図4~
図6を用いて説明する。
図4は、固体撮像装置5の第2構成例を示す図である。この図に示される第2構成例の固体撮像装置5Bは、第1受光部10、第2受光部20A、第1信号処理部30、第2信号処理部40A、演算部50および記憶部60を備える。第1構成例の固体撮像装置5A(
図2)では第1受光部10に対しx方向の一方側に第2受光部20Aが設けられるとともに他方側に第2受光部20Bが設けられていたのに対し、第2構成例の固体撮像装置5B(
図4)では第1受光部10に対しx方向の一方側のみに第2受光部20Aが設けられている。
【0044】
図5は、固体撮像装置5の第3構成例を示す図である。この図に示される第3構成例の固体撮像装置5Cは、第1受光部10および第2受光部20Cを備える他、信号処理部、演算部および記憶部を備える。なお、信号処理部、演算部および記憶部は、図示されていない。第3構成例の固体撮像装置5Cでは、第1受光部10がx方向の一方側の第1領域10Aと他方側の第2領域10Bとに区分され、第1領域10Aと第2領域10Bとの間に第2受光部20Cが設けられている。第2受光部20Cは、第1構成例の固体撮像装置5A(
図2)の第2受光部20A,20Bと同様の構成を有する。
【0045】
図6は、固体撮像装置5の第4構成例を示す図である。この図に示される第4構成例の固体撮像装置5Dは、第1受光部10および第2受光部20A,20B,20Cを備える他、信号処理部、演算部および記憶部を備える。なお、信号処理部、演算部および記憶部は、図示されていない。第4構成例の固体撮像装置5Dでは、第1受光部10に対しx方向の一方側に第2受光部20Aが設けられるとともに他方側に第2受光部20Bが設けられている。また、第1受光部10がx方向の一方側の第1領域10Aと他方側の第2領域10Bとに区分され、第1領域10Aと第2領域10Bとの間に第2受光部20Cが設けられている。
【0046】
なお、第3構成例の固体撮像装置5C(
図5)および第4構成例の固体撮像装置5D(
図6)それぞれにおいて、第1受光部10の第1領域10Aと第2領域10Bとの間に設けられた第2受光部20Cの各画素21のx方向の幅は数μmにすることができる。第2受光部20Cの電荷を読み出すためのシフトレジスタは、第1受光部10に対しx方向の何れか一方側に設けることができる。したがって、第1受光部10の第1領域10Aと第2領域10Bとの間の間隙は、光切断法による形状測定の際に大きな問題とならない程度に狭くすることができる。
【0047】
また、第1受光部10および第2受光部20C等へ入射する光を、これらが形成されている半導体基板の表面に対し反対側の裏面から入射させれば、第2受光部20Cの各画素21とシフトレジスタとの間の配線が光入射を遮ることはない。第1受光部10および第2受光部20C等が1つの半導体基板上に形成され、信号処理部等が他の半導体基板上に形成されていて、これら2つの半導体基板がバンプにより電気的に接続される構成とするのも好ましく、この場合も、第1受光部10の第1領域10Aと第2領域10Bとの間の間隙を狭くすることができ、また、第2受光部20Cの各画素21とシフトレジスタとの間の配線が光入射を遮ることがないようにすることができる。
【0048】
次に、形状測定装置1において各構成例の固体撮像装置5(5A~5D)を用いた場合の作用効果について、
図7~
図10を用いて説明する。
図7~
図9は、第1構成例の固体撮像装置5A(
図2)の第1受光部10等に入射したライン状の光の強度分布の例を濃淡で示す図である。
図10は、第4構成例の固体撮像装置5D(
図6)の第1受光部10等に入射したライン状の光の強度分布の例を濃淡で示す図である。
【0049】
図7に示される例では、第1受光部10および第2受光部20A,20Bにおいて、光Lは、x方向に平行な方向に延在しy方向の幅が狭い領域に入射している。これは、形状測定装置1において光照射部3、結像光学系4および固体撮像装置5の光学的設定が適正な状態である。このとき、第2信号処理部40A,40Bから出力される第2電気信号は、第2受光部20A,20Bそれぞれにおけるy方向の光入射強度分布においてy方向の光強度ピーク位置が互いに等しく且つ当該分布の幅が狭いことを示す。すなわち、第2信号処理部40A,40Bから出力される第2電気信号に基づいて、第1受光部10においてx方向に平行な方向に延在しy方向の幅が狭い領域に光Lが入射していることを検知することができ、さらに、形状測定装置1において光照射部3、結像光学系4および固体撮像装置5の光学的設定が適正な状態であることを検知することができる。
【0050】
図8に示される例では、第1受光部10および第2受光部20A,20Bにおいて、光Lは、x方向に平行な方向に延在しy方向の幅が広い領域に入射している。これは、形状測定装置1において、光照射部3の光学的設定が適正でない状態(対象物2の表面において幅の広い範囲に光を照射している状態)であるか、または、結像光学系4の光学的設定が適正でない状態(撮像のピントが適正でない状態)である。このとき、第2信号処理部40A,40Bから出力される第2電気信号は、第2受光部20A,20Bそれぞれにおけるy方向の光入射強度分布においてy方向の光強度ピーク位置が互いに等しく且つ当該分布の幅が広いことを示す。すなわち、第2信号処理部40A,40Bから出力される第2電気信号に基づいて、第1受光部10においてx方向に平行な方向に延在しy方向の幅が広い領域に光Lが入射していることを検知することができ、さらに、形状測定装置1において光照射部3または結像光学系4の光学的設定が適正な状態でないことを検知することができる。
【0051】
図9に示される例では、第1受光部10および第2受光部20A,20Bにおいて、光Lは、x方向に対し傾斜した方向に延在しy方向の幅が狭い領域に入射している。これは、形状測定装置1において、光照射部3の光学的設定が適正でない状態(対象物2の表面において方向D2に対し傾斜したライン状領域MLに光を照射している状態)であるか、または、固体撮像装置5の光学的設定が適正でない状態(光軸の周りの方位が適正でない状態)である。このとき、第2信号処理部40A,40Bから出力される第2電気信号は、第2受光部20A,20Bそれぞれにおけるy方向の光入射強度分布においてy方向の光強度ピーク位置が互いに異なり且つ当該分布の幅が狭いことを示す。すなわち、第2信号処理部40A,40Bから出力される第2電気信号に基づいて、第1受光部10においてx方向に対し傾斜した方向に延在しy方向の幅が狭い領域に光Lが入射していることを検知することができ、さらに、形状測定装置1において光照射部3または固体撮像装置5の光学的設定が適正な状態でないことを検知することができる。
【0052】
なお、第1受光部10に入射する光のy方向の幅の検知は、第1構成例の固体撮像装置5A(
図2)だけでなく、第2構成例の固体撮像装置5B(
図4)、第3構成例の固体撮像装置5C(
図5)および第4構成例の固体撮像装置5D(
図6)でも可能である。また、第1受光部10に入射する光の傾斜の程度の検知は、第1構成例の固体撮像装置5A(
図2)だけでなく、第4構成例の固体撮像装置5D(
図6)でも可能である。
【0053】
図10に示される例では、第1受光部10および第2受光部20A,20B,20Cにおいて、光Lは、x方向に対し傾斜した方向に延在する領域に入射している。これは、
図9の場合と同様に、光照射部3の光学的設定が適正でない状態(対象物2の表面において方向D2に対し傾斜したライン状領域MLに光を照射している状態)であるか、または、固体撮像装置5の光学的設定が適正でない状態(光軸の周りの方位が適正でない状態)である。また、この例では、光Lの入射領域は、中央付近においてy方向の幅が狭く、両端においてy方向の幅が広い。これは、光Lの入射領域の中央付近においては結像光学系4の光学的設定が適正である(撮像のピントが適正である)ものの、両端では結像光学系4の光学的設定が適正でない(撮像のピントが適正でない)状態である。
【0054】
図10に示される例では、第2信号処理部から出力される第2電気信号は、第2受光部20A,20B,20Cそれぞれにおけるy方向の光入射強度分布においてy方向の光強度ピーク位置が互いに異なることを示す。また、第2信号処理部から出力される第2電気信号は、中央に設けられた第2受光部20Cにおけるy方向の光入射強度分布の幅が狭いことを示す一方で、両端に設けられた第2受光部20A,20Bにおけるy方向の光入射強度分布の幅が広いことを示す。すなわち、第2信号処理部から出力される第2電気信号に基づいて、第1受光部10においてx方向に対し傾斜した方向に延在する領域に光Lが入射していることを検知することができ、また、中央付近ではピントが適正であるものの両端ではピントが適正でないことを検知することができて、さらに、形状測定装置1において光照射部3、結像光学系4または固体撮像装置5の光学的設定が適正な状態でないことを検知することができる。
【0055】
固体撮像装置5(5A~5D)の演算部50は、第2信号処理部から出力される第2電気信号に基づいて、第2受光部におけるy方向の光入射強度分布を求める。そして、演算部50は、第2受光部におけるy方向の光入射強度分布に基づいて、
図7~
図10を用いて説明したように、光照射部3、結像光学系4または固体撮像装置5の光学的設定状態を評価することができる(評価ステップ)。
【0056】
形状測定装置1の調整部6は、固体撮像装置5の演算部50による評価の結果に基づいて、光照射部3、結像光学系4または固体撮像装置5の光学的設定状態を調整することができる(調整ステップ)。光照射部3の光学的設定状態とは、例えば、対象物2に対する相対的な位置や方位、および、光源と対象物2との間の光学系の状態である。結像光学系4の光学的設定状態とは、例えば、ピント調整の状態である。固体撮像装置5の光学的設定状態とは、例えば、対象物2に対する相対的な位置や方位である。
【0057】
次に、固体撮像装置5(5A~5D)において第1電気信号に基づいて求められるy方向の光入射位置を補正する方法について、
図11を用いて説明する。第1電気信号に基づいて求められるy方向の光入射位置が正確でない場合、次に説明するような補正をして、真のy方向の光入射位置を求めるのが好適である。
図11は、第1構成例の固体撮像装置5A(
図2)において第1電気信号に基づいて求められるy方向の光入射位置を補正する方法について説明する図である。
【0058】
この補正に際しては、先ず、y方向の各位置において、固体撮像装置5Aに対しx方向に延在する所定ライン上の各位置に光を入射させる。このとき、y方向の各位置において、x方向に延在するライン状の光を入射させてもよいし、
図11に示されるようにx方向に沿ってスポット光Lsの入射位置を走査してもよい。信号処理部から出力される第1信号に基づいて、第1受光部10のx方向の各位置においてy方向の光入射位置を求め、また、信号処理部から出力される第2信号に基づいて、第2受光部20A,20Bにおけるy方向の光入射位置を求める。そして、y方向の各位置において、第1電気信号および第2電気信号それぞれに基づいて求められるy方向の光入射位置の比較に基づいて、第1電気信号に基づいて求められるy方向の光入射位置を補正する。
【0059】
記憶部60は、第1電気信号に基づいて求められるy方向の光入射位置を補正するための補正式を記憶する。補正式は、x方向の各位置について求められる。補正式は、第1電気信号に基づいて求められたy方向の光入射位置を、第2電気信号に基づいて求められたy方向の光入射位置(真のy方向の光入射位置)へ変換するための変換式である。記憶部60は、補正式を或る関数式で表したときに当該関数式の係数を記憶してもよい。また、記憶部60はルックアップテーブルであってもよく、この場合、第1電気信号に基づいて求められたy方向の光入射位置をルックアップテーブルのアドレスとして、そのアドレスにあるデータを真のy方向の光入射位置とする。
【0060】
演算部50は、第1電気信号に基づいて第1受光部10におけるx方向の各位置においてy方向の光入射位置を求める際に、記憶部60に記憶されている補正式に基づいて補正を行う。第1電気信号に基づいて求められるy方向の光入射位置が正確でない場合であっても、このような補正を行うことにより、正確なy方向の光入射位置を求めることができる。
【0061】
以上に説明した補正は、第1構成例の固体撮像装置5A(
図2)だけでなく、第2構成例の固体撮像装置5B(
図4)、第3構成例の固体撮像装置5C(
図5)および第4構成例の固体撮像装置5D(
図6)でも可能である。
【0062】
図12(a)は、形状測定装置1において対象物2の高さを変化させたときに、固体撮像装置5の第1受光部10の或る1つの画素対11の第1画素12および第2画素13それぞれにおける第1電気信号の値、ならびに、この第1電気信号の値から求められた対象物2の高さ換算値の変化を示すグラフである。このグラフの横軸は、対象物2を載置したZステージの高さを1mmずつ変えることにより設定した対象物2の実際の高さである。このグラフに示されるように、対象物2の高さを変化させたとき、第1画素12および第2画素13それぞれにおける第1電気信号の値の増減は、互いに逆の傾向を有している。したがって、第1電気信号に基づいて第1画素12のデータD12および第2画素13のデータD13を求め、これら2つのデータD12,D13の比に基づいてy方向の光入射位置(高さ換算値)を求めることができる。
【0063】
図12(b)は、形状測定装置1において対象物2の高さを変化させたときに、第1電気信号から求められた対象物2の高さ換算値と真の高さとの差を示すグラフである。この差は、理想的には0(または非常に小さい値)であるが、実際には0でない有意の値となる。このような誤差があると、対象物2の形状の測定精度が低下する。そこで、上述したような補正を行うことにより、第1受光部10におけるy方向の光入射位置を正確に求めることができ、対象物2の形状を正確に測定することができる。
【0064】
次に、第1受光部10の複数の画素対11それぞれの第1画素12および第2画素13の他の構成例について説明する。x方向に延在するライン状の光が第1受光部10に入射したときに、その光入射位置がy方向の一方側から他方側へ向かうのに従って、第1画素12が発生させる電荷の量が次第に減少していき、第2画素13が発生させる電荷の量が次第に増加していく。このようなy方向の光入射位置と電荷発生量との間の関係を有する第1画素12および第2画素13は、様々な態様の構成があり得る。これまでに説明した構成例では、第1画素12および第2画素13は形状に特徴を有し、その形状は二等辺三角形であった。第1画素12および第2画素13は、これに限られず、
図13~
図22に示されるような構成例であってもよい。
【0065】
図13は、第1画素12および第2画素13を含む画素対11の他の構成例を示す図である。この図に示される構成例の各画素対11Aは、第1画素12Aおよび第2画素13Aを含む。第1画素12Aの形状は、y方向の一方側から他方側へ向かってx方向の幅が次第に狭くなる直角三角形であり、第2画素13Aの形状は、y方向の一方側から他方側へ向かってx方向の幅が次第に広くなる直角三角形である。各々の画素対11Aにおいて、第1画素12Aと第2画素13Aとは、各々の直角三角形の3辺のうちの斜辺が互いに対向して配置される。各々の画素対11Aの全体としての形状は概略長方形とすることができる。
【0066】
図13に示される構成例では、複数の画素対11Aがx方向に沿って配列された第1受光部10において、第1画素12Aと第2画素13Aとは交互に配列されてもよいし、
図14に示されるように配列されていてもよい。
図14に示される配列では、或る1つの画素対11Aの第1画素12Aと、隣にある画素対11Aの第1画素12Aとは、各々の直角三角形の3辺のうちのy方向に平行な辺が互いに対向しており、また、或る1つの画素対11Aの第2画素13Aと、隣にある画素対11Aの第2画素13Aとは、各々の直角三角形の3辺のうちのy方向に平行な辺が互いに対向していている。
【0067】
図15は、第1画素12および第2画素13を含む画素対11の更に他の構成例を示す図である。この図に示される構成例の各画素対11Bは、第1画素12Bおよび第2画素13Bを含む。第1画素12Bの形状は、y方向の一方側から他方側へ向かってx方向の幅が次第に狭くなる台形であり、第2画素13Bの形状は、y方向の一方側から他方側へ向かってx方向の幅が次第に広くなる台形である。各々の画素対11Bの全体としての形状は、この図に示されるように概略平行四辺形とすることができ、また、概略長方形とすることもできる。
【0068】
図16は、第1画素12および第2画素13を含む画素対11の更に他の構成例を示す図である。これまでに説明した構成例では、第1画素12および第2画素13それぞれにおいて、y方向の一方側から他方側へ向かってx方向の幅が連続的に変化していた。これに対して、この図に示される構成例の各画素対11Cは、第1画素12Cおよび第2画素13Cを含む。第1画素12Cの形状は、y方向の一方側から他方側へ向かってx方向の幅が段階的に狭くなり、第2画素13Cの形状は、y方向の一方側から他方側へ向かってx方向の幅が段階的に広くなる。例えば、第1画素12Cおよび第2画素13Cそれぞれにおいて、x方向の最大幅W1は10μm程度であり、x方向の最小幅W2は1μm以下であり、y方向の長さは数mmであり、y方向の一定間隔H(例えば10μm~20μm)毎にx方向の幅が一定値(例えば0.05μm~0.10μm)だけ段階的に増加または減少する。複数の画素対11Cがx方向に沿って配列された第1受光部10に入射するライン状の光のy方向の幅またはスポット状の光の径は、第1画素12Cおよび第2画素13Cそれぞれにおいてx方向の幅が変化するy方向の間隔Hより大きくなるように、例えば20μm程度に設定される。
【0069】
図17は、第1画素12および第2画素13を含む画素対11の更に他の構成例を示す図である。この図に示される構成例の各画素対11Dは、第1画素12Dおよび第2画素13Dを含む。第1画素12Dの形状は、y方向の一方側から他方側へ向かってx方向の幅が段階的に狭くなり、第2画素13Dの形状は、y方向の一方側から他方側へ向かってx方向の幅が段階的に広くなる。このとき、第1受光部10に入射するライン状またはスポット状の光のy方向位置は各画素対の信号変化で検出するので、第1画素12Dおよび第2画素13Dそれぞれにおいて、段階の位置をy方向に変更することで検出分解能を向上させることができる。例えば、第1画素12Dおよび第2画素13Dそれぞれにおいて、x方向の最大幅W1は10μm程度であり、x方向の最小幅W2は1μm以下であり、y方向の長さは数mmであり、y方向の一定間隔H(例えば10μm~20μm)毎にx方向の幅が一定値(例えば0.05μm~0.10μm)だけ段階的に増加または減少する。このとき、各画素においてx方向で一方の段階の位置を他方の段階の位置に対しH/2だけy方向に移動させる。複数の画素対11Dがx方向に沿って配列された第1受光部10に入射するライン状の光のy方向の幅またはスポット状の光の径は、第1画素12Dおよび第2画素13Dそれぞれにおいてx方向の幅が変化するy方向の間隔Hより大きくなるように、例えば10μm程度に設定される。
【0070】
図18は、第1画素12および第2画素13を含む画素対11の更に他の構成例を示す図である。この図に示される構成例の各画素対11Eは、第1画素12Eおよび第2画素13Eを含む。第1画素12Eの形状は、y方向の一方側から他方側へ向かってx方向の幅が増減を繰り返しながらも次第に狭くなり、第2画素13Eの形状は、y方向の一方側から他方側へ向かってx方向の幅が増減を繰り返しながらも次第に広くなる。第1画素12Eおよび第2画素13Eそれぞれの形状は、y方向に沿って配置された複数の四角形が順に結合されたものであってもよい。
【0071】
図19は、第1画素12および第2画素13を含む画素対11の更に他の構成例を示す図である。この図に示される構成例の各画素対11Fは、第1画素12Fおよび第2画素13Fを含む。第1画素12Fは、y方向に沿って離散的に設けられた複数のコンタクト18により配線35と電気的に接続され、これら複数のコンタクト18および配線35により第1信号処理部30と電気的に接続されている。第2画素13Fは、y方向に沿って離散的に設けられた複数のコンタクト19により配線36と電気的に接続され、これら複数のコンタクト19および配線36により第1信号処理部30と電気的に接続されている。
図19に示される構成例では、第1画素12Fと第1信号処理部30との間のインピーダンスを小さくすることができ、第1画素12Fのうち第1信号処理部30から遠い箇所で発生した電荷であっても第1信号処理部30に到達する時間を短くすることができるので、電荷読み出し速度を向上させることができる。第2画素13Fについても同様である。配線35,36それぞれのx方向の幅は、第1画素12Fおよび第2画素13Fそれぞれの受光に影響がない程度に狭くすることができる。また、第1受光部10等へ入射する光を、これらが形成されている半導体基板の表面に対し反対側の裏面から入射させれば、配線が光入射を遮ることはない。
【0072】
これまでに説明した構成例では、各画素対11の第1画素12および第2画素13は形状に特徴を有するものであった。以降に説明する構成例では、各画素対11は、第1画素12および第2画素13に加えて、光透過フィルタまたは遮光膜を更に含む。
【0073】
図20は、第1画素12および第2画素13を含む画素対11の更に他の構成例を示す図である。
図20(a)は平面図であり、
図20(b)は断面図である。この図に示される構成例の各画素対11Gは、第1画素12Gおよび第2画素13Gに加えて、第1フィルタ14および第2フィルタ15を更に含む。第1画素12Gおよび第2画素13Gそれぞれの形状は、x方向またはy方向に平行な4辺を有する長方形であってよい。第1フィルタ14は、第1画素12Gの全領域を覆って設けられており、光透過率に応じて第1画素12Gに入射する光の強度を減衰させる。第2フィルタ15は、第2画素13Gの全領域を覆って設けられており、光透過率に応じて第2画素13Gに入射する光の強度を減衰させる。
【0074】
図20に示される構成例では、y方向の一方側から他方側へ向かって、第1フィルタ14の光透過率は次第に小さくなり、第2フィルタ15の光透過率は次第に大きくなる。
図20(a)は、第1フィルタ14および第2フィルタ15それぞれの光透過率の大きさを濃淡で示している。x方向に延在するライン状の光が第1受光部10に入射したときに、その光入射位置がy方向の一方側から他方側へ向かうのに従って、第1フィルタ14の光透過率が次第に小さくなるので第1画素12Gが発生させる電荷の量が次第に減少していき、一方で、第2フィルタ15の光透過率が次第に大きくなるので第2画素13Gが発生させる電荷の量が次第に増加していく。
【0075】
図21は、第1画素12および第2画素13を含む画素対11の更に他の構成例を示す図である。
図21(a)は平面図であり、
図21(b)は断面図である。この図に示される構成例の各画素対11Hは、第1画素12Hおよび第2画素13Hに加えて、第1遮光膜16および第2遮光膜17を更に含む。第1画素12Hおよび第2画素13Hそれぞれの形状は、x方向またはy方向に平行な4辺を有する長方形であってよい。第1遮光膜16は、第1画素12Hの一部を覆って設けられており、第1画素12Hの一部への光入射を制限する。第2遮光膜17は、第2画素13Hの一部を覆って設けられており、第2画素13Hの一部への光入射を制限する。
【0076】
図21に示される構成例では、y方向の一方側から他方側へ向かって、第1画素12Hのうち第1遮光膜16で覆われていない部分のx方向の幅が次第に狭くなり、第2画素13Hのうち第2遮光膜17で覆われていない部分のx方向の幅が次第に広くなる。この図に示される例では、第1画素12Hのうち第1遮光膜16で覆われていない部分の形状は、y方向の一方側から他方側へ向かってx方向の幅が次第に狭くなる二等辺三角形であり、第2画素13Hのうち第2遮光膜17で覆われていない部分の形状は、y方向の一方側から他方側へ向かってx方向の幅が次第に広くなる二等辺三角形である。この構成例においても、x方向に延在するライン状の光が第1受光部10に入射したときに、その光入射位置がy方向の一方側から他方側へ向かうのに従って、第1画素12Hが発生させる電荷の量が次第に減少していき、第2画素13Hが発生させる電荷の量が次第に増加していく。
【0077】
図22は、第1画素12および第2画素13を含む画素対11の更に他の構成例を示す図である。この図に示される構成例の各画素対11Jは、第1画素12Jおよび第2画素13Jに加えて、第1フィルタ14および第2フィルタ15を更に含む。
図20に示された構成例と比較すると、この
図22に示される構成例では、第1画素12Jおよび第2画素13Jそれぞれが2つの領域に分割されている点で相違する。第1画素12Jは、y方向の一方側の第1領域12Jaと他方側の第2領域12Jbとに分割されている。第2画素13Jは、y方向の一方側の第1領域13Jaと他方側の第2領域13Jbとに分割されている。
【0078】
図22に示される構成例では、第1受光部10の各画素から信号を読み出す第1信号処理部は、第1受光部10に対しy方向の一方側に設けられた第1回路と、第1受光部10に対しy方向の他方側に設けられた第2回路と、第1回路および第2回路それぞれから出力された信号のうち同一の画素(第1画素12Jまたは第2画素13J)についてのデータを加算する加算回路と、を含むのが好適である。第1回路は、各画素対11Jの第1画素12Jの第1領域12Jaおよび第2画素13Jの第1領域13Jaそれぞれから信号を読み出す。第2回路は、各画素対11Jの第1画素12Jの第2領域12Jbおよび第2画素13Jの第2領域13Jbそれぞれから信号を読み出す。加算回路から出力される第1電気信号は、複数の画素対11Jの第1画素12Jおよび第2画素13Jそれぞれで発生した電荷の量に応じたデータ列である。
【0079】
図22に示される構成例では、第1画素12Jおよび第2画素13Jそれぞれがy方向の一方側の領域と他方側の領域とに分割されていることから、第1画素12Jの第1領域12Jaおよび第2画素13Jの第1領域13Jaと第1回路との間の信号線を短くすることができ、第1画素12Jの第2領域12Jbおよび第2画素13Jの第2領域13Jbと第2回路との間の信号線を短くすることができる。
【0080】
固体撮像装置および形状測定装置は、上述した構成例に限られるものではなく、様々な変形が可能であり、例えば、上述した構成例のうちの2以上のものを組み合わせた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1…形状測定装置、2…対象物、3…光照射部、4…結像光学系、5,5A~5D…固体撮像装置、6…調整部、10…第1受光部、10A…第1領域、10B…第2領域、11,11A~11J…画素対、12,12A~12J…第1画素、13,13A~13J…第2画素、14…第1フィルタ、15…第2フィルタ、16…第1遮光膜、17…第2遮光膜、20A,20B,20C…第2受光部、21…画素、30…第1信号処理部、31…NMOSトランジスタ、32…シフトレジスタ、33…チャージアンプ、34…AD変換回路、40A,40B…第2信号処理部、50…演算部、60…記憶部。