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特許7691444集積III族窒化物デバイスのためのモジュール構成
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-03
(45)【発行日】2025-06-11
(54)【発明の名称】集積III族窒化物デバイスのためのモジュール構成
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20250604BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20250604BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20250604BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20250604BHJP
   H10D 30/47 20250101ALI20250604BHJP
   H10D 30/87 20250101ALI20250604BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L21/90 D
H10D30/47 201
H10D30/87 E
H10D30/87 F
H10D30/87 U
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2022577253
(86)(22)【出願日】2021-05-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-14
(86)【国際出願番号】 US2021032710
(87)【国際公開番号】W WO2021257222
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2024-03-13
(31)【優先権主張番号】63/039,853
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/308,366
(32)【優先日】2021-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510219556
【氏名又は名称】トランスフォーム テクノロジー,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローズ,デビッド マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ウー,イーフェン
(72)【発明者】
【氏名】イェ,スン ヘ
(72)【発明者】
【氏名】パリク,プリミット
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/102732(WO,A1)
【文献】特表2015-506102(JP,A)
【文献】特開2020-004929(JP,A)
【文献】特開2017-220627(JP,A)
【文献】特開2013-197590(JP,A)
【文献】特開2017-085062(JP,A)
【文献】特開2016-208029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
H10D 30/87
H10D 30/47
H01L 21/768
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1金属層と第2金属層との間の絶縁層を備えるベース基板であって、前記第1金属層は、第1部分、第2部分および第3部分を含み、前記第1金属層を通って形成される溝が、前記第1金属層の前記第1部分、前記第2部分および前記第3部分を互いに電気的に絶縁する、ベース基板と、
エンハンスメントモードトランジスタおよびデプリーションモードトランジスタを備える高位側スイッチであって、前記デプリーションモードトランジスタは、導電性基板上にIII-N材料構造を備える、高位側スイッチと、
低位側スイッチと、
を備える、電子モジュールであって、
前記デプリーションモードトランジスタのドレイン電極は、前記第1金属層の前記第1部分に電気的に接続され、
前記エンハンスメントモードトランジスタのソース電極は、前記第1金属層の前記第2部分に電気的に接続され、
前記エンハンスメントモードトランジスタのドレイン電極は、前記デプリーションモードトランジスタのソース電極に電気的に接続され、
前記デプリーションモードトランジスタのゲート電極は、前記導電性基板に電気的に接続され、
前記導電性基板は、前記第1金属層の前記第2部分に電気的に接続される、
電子モジュール。
【請求項2】
前記低位側スイッチは、第2エンハンスメントモードトランジスタおよび第2デプリーションモードトランジスタを備え、
前記第2デプリーションモードトランジスタは、第2導電性基板の上方に第2III-N材料構造を備え、
前記第2デプリーションモードトランジスタのドレイン電極は、前記第1金属層の前記第2部分に電気的に接続され、
前記第2エンハンスメントモードトランジスタのソース電極は、前記第1金属層の前記第3部分に接続され、
前記第2エンハンスメントモードトランジスタのドレイン電極は、前記第2デプリーションモードトランジスタのソース電極に電気的に接続され、
前記第2デプリーションモードトランジスタのゲート電極は、前記第2導電性基板に電気的に接続され、
前記第2導電性基板は、前記第1金属層の前記第3部分に電気的に接続される、
請求項1に記載の電子モジュール。
【請求項3】
前記高位側スイッチおよび前記低位側スイッチはハーフブリッジ回路を形成する、請求項2に記載の電子モジュール。
【請求項4】
前記デプリーションモードトランジスタは、
前記高位側スイッチがオフにバイアスされている間に少なくとも600Vをブロック可能であり、
前記高位側スイッチがオンにバイアスされている間に30Aより大きい電流を導通可能である
ように構成される、請求項2に記載の電子モジュール。
【請求項5】
さらにコンデンサを備え、
前記コンデンサの第1端子は、前記第1金属層の前記第1部分に電気的に接続され、
前記コンデンサの第2端子は、前記第1金属層の前記第3部分に電気的に接続される、請求項2に記載の電子モジュール。
【請求項6】
前記コンデンサは前記溝の上方に直交して延びる、請求項5に記載の電子モジュール。
【請求項7】
前記コンデンサは、抵抗性コンポーネントおよび容量性コンポーネントを直列に備えるハイブリッドコンデンサである、請求項5に記載の電子モジュール。
【請求項8】
前記抵抗性コンポーネントは0.1オームより大きく、前記容量性コンポーネントは0.1nFより大きい、請求項7に記載の電子モジュール。
【請求項9】
前記ゲート電極、前記ソース電極、および前記ドレイン電極は、前記III-N材料構造の、前記導電性基板とは反対側にあり、
前記III-N材料構造は、その内部に形成されるビアホールを備え、
前記ゲート電極は、前記ビアホールを介して前記導電性基板に電気的に接続される、
請求項1に記載の電子モジュール。
【請求項10】
さらにパッケージを備え、
前記ベース基板、前記高位側スイッチ、および前記低位側スイッチは、前記パッケージに入れられる、
請求項1に記載の電子モジュール。
【請求項11】
さらにパッケージを備え、
前記ベース基板、前記高位側スイッチ、および前記低位側スイッチは、前記パッケージに入れられ、
さらに、前記パッケージに入れられたゲートドライバを備え、
前記ゲートドライバの第1端子は、前記エンハンスメントモードトランジスタのゲート電極に接続され、
前記ゲートドライバの第2端子は、前記第2エンハンスメントモードトランジスタのゲート電極に接続される、
請求項に記載の電子モジュール。
【請求項12】
前記高位側スイッチと並列に接続される第2高位側スイッチと、
前記低位側スイッチと並列に接続される第2低位側スイッチと、
をさらに備える、請求項1に記載の電子モジュール。
【請求項13】
前記第1金属層の前記第2部分は、前記電子モジュールの出力ノードに接続される、請求項1に記載の電子モジュール。
【請求項14】
前記モジュールは、動作中、
前記第1金属層の前記第1部分がDC電圧供給に接続され、
前記第1金属層の前記第3部分がDCグランドに接続される
ように構成される、請求項13に記載の電子モジュール。
【請求項15】
ハーフブリッジ回路であって、前記ハーフブリッジ回路は、
それぞれ単一の電子パッケージに入れられる高位側スイッチおよび低位側スイッチであって、前記パッケージは、高電圧端子と、出力端子と、グランド端子とを備える、高位側スイッチおよび低位側スイッチと、
カスコード構成に配置される、第1エンハンスメントモードトランジスタおよび第1デプリーションモードIII-Nトランジスタを備える、前記高位側スイッチと、
カスコード構成に配置される、第2エンハンスメントモードトランジスタおよび第2デプリーションモードIII-Nトランジスタを備える、前記低位側スイッチと、
を備え、
前記第1デプリーションモードIII-Nトランジスタのドレイン電極は、前記高電圧端子に電気的に接続され、
前記第1デプリーションモードIII-Nトランジスタの導電性基板は、前記出力端子に電気的に接続され、
前記第2デプリーションモードIII-Nトランジスタのドレイン電極は、前記出力端子に電気的に接続され、
前記第2デプリーションモードIII-Nトランジスタの導電性基板は、前記グランド端子に電気的に接続される、
ハーフブリッジ回路。
【請求項16】
前記第1デプリーションモードIII-Nトランジスタのゲート電極は、前記第1デプリーションモードIII-Nトランジスタの前記基板に電気的に接続され、
前記第1エンハンスメントモードトランジスタのソース電極は、前記出力端子に電気的に接続される、
請求項15に記載の回路。
【請求項17】
前記第2デプリーションモードIII-Nトランジスタのゲート電極は、前記第2デプリーションモードIII-Nトランジスタの前記基板に電気的に接続され、
前記第2エンハンスメントモードトランジスタのソース電極は、前記グランド端子に電気的に接続される、
請求項16に記載の回路。
【請求項18】
前記パッケージは、さらに第1金属層を備えるDBC基板を備え、
前記第1金属層は、第1部分、第2部分および第3部分を含み、
前記第1金属層を通って形成される溝が、前記第1金属層の前記第1部分、前記第2部分および前記第3部分を互いに電気的に絶縁し、
前記第1デプリーションモードIII-Nトランジスタの前記基板は、前記第1金属層の前記第2部分に直接的に接触し、
前記第2デプリーションモードIII-Nトランジスタの前記基板は、前記第1金属層の前記第部分に直接的に接触し、
前記第2部分は、前記出力端子に接続され、
前記第3部分は、前記グランド端子に接続される、
請求項17に記載の回路。
【請求項19】
第1端子および第2端子を有するフェライトビーズをさらに備え、
前記フェライトビーズの前記第1端子は、前記第1金属層の前記第2部分に接続され、 前記第2端子は、前記出力端子に接続される、
請求項18に記載の回路。
【請求項20】
前記第1デプリーションモードIII-Nトランジスタの基板および前記第2デプリーションモードIII-Nトランジスタの基板は、ケイ素ドープp型であってホール濃度が1×1019ホール/cmより大きい、請求項15に記載回路。
【請求項21】
前記パッケージ内に入れられるゲートドライバをさらに備え、
前記ゲートドライバの第1端子は、前記第1エンハンスメントモードトランジスタのゲート電極に接続され、
前記ゲートドライバの第2端子は、前記第2エンハンスメントモードトランジスタのゲート電極に接続される、
請求項15に記載の回路。
【請求項22】
ハーフブリッジ回路であって、
前記ハーフブリッジ回路は、それぞれ単一の電子パッケージに入れられる高位側スイッチおよび低位側スイッチを備え、
前記高位側スイッチは高電圧ノードに接続され、
前記低位側スイッチはグランドノードに接続され、
前記高位側スイッチおよび前記低位側スイッチの間に構成される前記パッケージの出力端子に、インダクタが接続され、
前記低位側スイッチは、カスコード構成に配置される、低電圧エンハンスメントモードトランジスタおよび高電圧III-Nデプリーションモードトランジスタを備え、
前記ハーフブリッジ回路は、
第1動作モードにおいて、前記高位側スイッチがオンにバイアスされ、前記低位側スイッチがオフにバイアスされている間に、電流が前記高位側スイッチを第1方向に通り、前記インダクタを通って流れ、
第2動作モードにおいて、前記高位側スイッチがオフにバイアスされ、前記低位側スイッチがオフにバイアスされている間に、電流が前記低位側スイッチを第2方向に通り、前記インダクタを通って流れ、
第3動作モードにおいて、前記高位側スイッチがオフにバイアスされ、前記低位側スイッチがオンにバイアスされている間に、電流が前記低位側スイッチを前記第2方向とは反対の方向に通り、前記インダクタを通って流れる
ように構成され、
前記第2動作モードの間に、前記低位側スイッチは50Aより大きい逆DC電流を導通させるように構成され、
前記第3動作モードの間に、前記III-Nデプリーションモードトランジスタのオン抵抗の、前記第1動作モードに対する相対的な増加は5%未満である、
ハーフブリッジ回路。
【請求項23】
前記III-Nデプリーションモードトランジスタのゲート電極は、導電性基板に接続され、
前記導電性基板は、前記パッケージグランド端子に電気的に接続される、
請求項22に記載のハーフブリッジ回路。
【請求項24】
前記第1動作モードの間に、前記低位側スイッチは600Vより大きい電圧をブロックする、請求項23に記載のハーフブリッジ回路。
【請求項25】
前記高位側スイッチは、カスコード構成に配置される低電圧エンハンスメントモードトランジスタおよび高電圧III-Nデプリーションモードトランジスタを備える、請求項24に記載のハーフブリッジ回路。
【請求項26】
第2動作モードの間に、前記逆DC電流は、前記エンハンスメントモードトランジスタの寄生ボディダイオードを通り、前記III-Nデプリーションモードトランジスタのデバイスチャネルを通って流れる、請求項25に記載のハーフブリッジ回路。
【請求項27】
前記第3動作モードの間に、前記逆DC電流は、前記エンハンスメントモードトランジスタのチャネルを通り、前記III-Nデプリーションモードトランジスタのデバイスチャネルを通って流れる、請求項26に記載のハーフブリッジ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示技術は、向上した性能および信頼性を達成するために設計された半導体電子モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
[背景]
現在、典型的なパワー半導体(トランジスタ、ダイオード、パワーMOSFET、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等のデバイスを含む)は、ケイ素(Si)半導体材料で製造される。より最近では、ワイドバンドギャップ材料(SiC、III-N、III-O、ダイアモンド)が、それらの優れた特性によりパワーデバイスについて検討されている。III族窒化物またはIII-N半導体デバイス(窒化ガリウム(GaN)デバイス等)は、大電流を搬送し、高電圧をサポートし、高速なスイッチング時間で超低オン抵抗を提供するための魅力的な候補として出現しつつある。
【0003】
図1Aは、高位側スイッチングトランジスタ102および低位側スイッチングトランジスタ103を含むハーフブリッジ回路概略図100を示す。ハーフブリッジ回路は、高電位ノード111および低電位またはグランドノード113を有する。ハーフブリッジの出力ノード112(高位側トランジスタ102のソースと低位側トランジスタ103のドレインとの間)は、負荷モータ(誘導性コンポーネント104)に接続される。図1Aの回路の適切な動作を確実にするために、DC高電位ノード111は、ACグランドとして維持されなければならない。すなわち、ノード111は、コンデンサ106の端子の一つを高電位ノード111に、当該コンデンサの端子の他方をグランド113に、接続することにより、DCグランド113に容量結合され得る。したがって、トランジスタ102または103のいずれかがオンまたはオフに切り替えられた時に、コンデンサ106は、回路の高電位側および低電位側において実質的に定電圧に維持するために必要な電流を提供するよう、適宜充電または放電可能である。
【0004】
三相モータを駆動するよう構成される三相フルブリッジ回路120の回路概略を、図1Bに示す。回路120内の3つのハーフブリッジ122、124および126は、それぞれ2つのトランジスタ(141~146)を含む(図1Aのハーフブリッジ等)。3つのハーフブリッジはそれぞれ出力ノード137、138および139を有する。この回路内の各トランジスタは、第1方向の電圧をブロック可能であり、第1方向(または任意選択で双方向)に電流を導通させることができる。
【0005】
図1Aおよび1Bの回路で用いる場合に有望な利点を示すトランジスタの一種は、III-N高電子移動度トランジスタ(HEMT)である。これは、図1Aのハーフブリッジのトランジスタ102および/またはトランジスタ103、または図1Bのブリッジ回路内の任意のトランジスタ、等として用いることができる。最もありふれたIII-N HEMTおよび関連するトランジスタは、ノーマリオンであり(すなわち負の閾値電圧を有しており)、これはゼロのゲート電圧において電流を導通させるということを意味する。負の閾値電圧を有するこれらのデバイスは、デプリーションモード(Dモード)デバイスとして知られる。パワーエレクトロニクスでは、デバイスの偶発的ターンオン(当該デバイスまたは他の回路コンポーネントの損傷につながり得る)を防止するために、ソースに対してゲートにゼロボルトが印加された場合にオフ状態となるノーマリオフデバイス(すなわち正の閾値電圧を有するデバイス)を有することが好ましい。ノーマリオフデバイスは、一般的に、エンハンスメントモード(Eモード)デバイスと呼ばれる。
【0006】
これまで、高電圧III-N Eモードトランジスタの信頼性ある製造および動作は、非常に難しいということがわかっている。単一の高電圧Eモードトランジスタの代替の一つは、高電圧DモードIII-Nトランジスタと、低電圧シリコンEモードFETとをカスコード構成で組み合わせることである。図2に示すように、カスコード構成200は、パッケージ205に入れられた高電圧Dモードトランジスタ223と、低電圧Eモードトランジスタ222とを含む。トランジスタ223のソース電極234は、トランジスタ222のドレイン電極213に接続される。トランジスタ223のゲート電極235と、トランジスタ222のソース電極211とは、互いに接続され、パッケージ205のソースリード207に接続される。トランジスタ222のゲート電極212は、パッケージ205のゲートリード208に接続される。トランジスタ223のドレイン電極236は、パッケージ205のドレインリード209に接続される。EモードFETトランジスタ222は、ソース211とドレイン213との間に形成される内蔵ボディダイオード237を含む。図2のカスコード構成200に構成される各デバイスは、単一の高電圧Eモードトランジスタと同じ方法で動作可能であり、リード207、208および209が、それぞれデバイスのソース、ゲート、ドレインとして機能し、多くの場合に単一の高電圧Eモードトランジスタとしての同一のまたは同様の出力特性を実現可能である。
【0007】
図1Aおよび1Bの回路の動作の一般的な方法は、スイッチ(すなわちトランジスタまたはカスコードスイッチ)のハードスイッチングを含む。ハードスイッチング回路構成は、各スイッチがオンに切り替わるとすぐに当該スイッチを介して高電流(たとえば10Aより大きい)が流れ、それらがオフに切り替わるとすぐにそれらに高電圧が生じるというものである。これらの条件下でスイッチングされるスイッチは、「ハードスイッチング」されると言われる。代替的な回路構成は、スイッチが「ソフトスイッチング」されることを許容するために、追加の受動的および/または能動的コンポーネント(代替的には信号タイミング技術)を利用する。ソフトスイッチング回路構成は、スイッチがゼロ電流(またはゼロ近辺電流)条件の間にオンに切り替わり、ゼロ電圧(またはゼロ近辺電圧)条件の間にオフに切り替わるというものである。ソフトスイッチングの方法および構成は、ハードスイッチングされる回路(とくに高電流および/または高電圧用途)において観測される高レベルの電磁インタフェース(EMI)および関連するリンギングを解決するために発展してきた。ソフトスイッチングは、多くの場合にこれらの問題を回避できるが、ソフトスイッチングに必要な回路は、典型的には追加のコンポーネントを多く含み、結果として全体的なコストおよび複雑さを増大させる。ソフトスイッチングは、また、典型的には、回路がゼロ電流条件またはゼロ電圧条件が満たされる特定の時刻でのみスイッチングされるように構成する必要があり、多くの場合には、このため適用可能な制御信号が限定され、回路性能が低下する。したがって、十分に低いレベルのEMIを維持するとともに回路インダクタンスを低減しスイッチング速度安定性を向上させるために、ハードスイッチングされるパワースイッチ回路について代替的な構成および方法が望ましい。
【0008】
[サマリー]
本明細書において、集積III-Nデバイスのためのモジュール構成が記載される。このモジュール構成において、低電圧エンハンスメントモードデバイスおよび高電圧デプリーションモードIII-Nデバイスが単一の電子コンポーネントモジュールに集積されてハーフブリッジおよびフルブリッジパワースイッチング回路を形成する。「デバイス」という用語は、概して、互いに区別する必要がない場合には、任意のトランジスタまたはスイッチまたはダイオードについて用いられる。
【0009】
第1の態様では、電子モジュールが記載される。電子モジュールは、第1金属層と第2金属層との間に絶縁層を備えるベース基板を含み、第1金属層は第1部分、第2部分および第3部分を含み、第1金属層を通って形成される溝が、第1金属層の第1部分、第2部分および第3部分を互いに電気的に絶縁する。電子モジュールはさらに、エンハンスメントモードトランジスタおよびデプリーションモードトランジスタを備える高位側スイッチを含み、デプリーションモードトランジスタは導電性基板上にIII-N材料構造を備える。電子モジュールはさらに低位側スイッチを含む。デプリーションモードトランジスタのドレイン電極は、第1金属層の第1部分に電気的に接続され、エンハンスメントモードトランジスタのソース電極は、第1金属層の第2部分に電気的に接続され、エンハンスメントモードトランジスタのドレイン電極は、デプリーションモードトランジスタのソース電極に電気的に接続され、デプリーションモードトランジスタのゲート電極は導電性基板に電気的に接続され、導電性基板は第1金属層の第2部分に電気的に接続される。
【0010】
第2の態様では、ハーフブリッジ回路が記載される。ハーフブリッジ回路は、高位側スイッチおよび低位側スイッチを備え、これらはそれぞれ単一の電子的パッケージに入れられ、パッケージは高電圧端子、出力端子およびグランド端子を備える。高位側スイッチは、カスコード構成に配置される第1エンハンスメントモードトランジスタおよび第1デプリーションモードトランジスタを備える。低位側スイッチは、カスコード構成に配置される第2エンハンスメントモードトランジスタおよび第2デプリーションモードトランジスタを備える。第1III-Nトランジスタのドレイン電極は、高電圧端子に電気的に接続され、第1デプリーションモードIII-Nトランジスタの導電性基板は、出力端子に電気的に接続され、第2III-Nトランジスタのドレイン電極は、出力端子に電気的に接続され、第2デプリーションモードIII-Nトランジスタの導電性基板は、グランド端子に電気的に接続される。
【0011】
第3の態様では、ハーフブリッジ回路が記載される。ハーフブリッジ回路は、高位側スイッチおよび低位側スイッチを備え、これらはそれぞれ単一の電子的パッケージに入れられる。高位側スイッチは高電圧ノードに接続され、低位側スイッチはグランドノードに接続され、インダクタが、高位側スイッチと低位側スイッチとの間に構成されるパッケージの出力端子に接続される。低位側スイッチは、カスコード構成に配置される低電圧エンハンスメントモードトランジスタおよび高電圧III-Nデプリーションモードトランジスタを備える。ハーフブリッジ回路は、第1動作モードにおいて、高位側スイッチがオンにバイアスされ、低位側スイッチがオフにバイアスされている間に、電流が高位側スイッチを第1方向に通り、インダクタを通って流れるように構成される。第2動作モードにおいて、高位側スイッチがオフにバイアスされ、低位側スイッチがオフにバイアスされている間に、電流が低位側スイッチを第2方向に通り、インダクタを通って流れる。第3動作モードにおいて、高位側スイッチがオフにバイアスされ、低位側スイッチがオンにバイアスされている間に、電流が低位側スイッチを第2方向に通り、インダクタを通って流れる。第2動作モードの間に、低位側スイッチは50Aより大きい逆DC電流を導通させるよう構成され、第3動作モードの間に、第1モードに対するIII-Nデプリーションモードトランジスタのオン抵抗の増加は5%未満である。
【0012】
本明細書に記載される電子モジュールおよび/またはトランジスタのそれぞれは、以下の特徴の1つ以上を含むことができる。高位側スイッチおよび低位側スイッチは、ハーフブリッジ回路を構成することができる。デプリーションモードトランジスタは、高位側スイッチがオフにバイアスされている場合には少なくとも600Vをブロックし、高位側スイッチがオンにバイアスされている間に30Aより大きい電流を導通するよう構成可能である。電子モジュールはコンデンサを含むことができ、コンデンサの第1端子は第1金属層の第1部分に電気的に接続され、コンデンサの第2端子は第1金属層の第3部分に電気的に接続される。コンデンサは溝の上方に直交して形成可能である。コンデンサは、直列接続された抵抗性および容量性コンポーネントを備えるハイブリッドコンデンサであってもよい。抵抗性コンポーネントは、0.1オームより大きくてもよく、容量性コンポーネントは0.1nFより大きくてもよい。ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極は、導電性基板からIII-N材料構造の反対側にあってもよい。III-N材料構造は、基板を通って形成されるビアホールを含んでもよく、デプリーションモードトランジスタのゲート電極はこのビアホールを介して基板に電気的に接続される。電子モジュールはパッケージを含んでもよく、基板、高位側スイッチおよび低位側スイッチはパッケージ内に入れられる。電子モジュールはパッケージ内に入れられるゲートドライバを含んでもよく、ゲートドライバの第1端子は高位側スイッチのゲート電極に接続され、ゲートドライバの第2端子は低位側スイッチのゲート電極に接続される。ゲートドライバは、低位側スイッチおよび低位側スイッチの各Eモードトランジスタと集積されてもよい。第2高位側スイッチは、高位側スイッチと並列に接続されてもよく、第2低位側スイッチは低位側スイッチと並列に接続されてもよい。第1金属層の第2部分は、電子モジュールの出力ノードに接続される。モジュールは、動作中、第1金属層の第1部分がDC電圧源に接続され、第1金属層の第3部分がDCグランドに接続されるよう構成される。第1端子および第2端子を有するフェライトビーズであって、フェライトビーズの第1端子は第1金属層の第2部分に接続され、第2端子は出力端子に接続される。第1および/または第2デプリーションモードIII-Nトランジスタの各基板は、ケイ素ドープp型基板であってホール濃度が1×1019ホール/cmより大きい。第2動作モードの間に、逆DC電流がエンハンスメントモードトランジスタの寄生ボディダイオードを通り、III-Nデプリーションモードトランジスタのデバイスチャネルを通って流れる。第3動作モードの間に、逆DC電流がエンハンスメントモードトランジスタのチャネルを通り、III-Nデプリーションモードトランジスタのデバイスチャネルを通って流れる。
【0013】
本明細書において、「ハイブリッドエンハンスメントモード電子デバイスまたはコンポーネント」(または単に「ハイブリッドデバイスまたはコンポーネント」)は、デプリーションモードトランジスタおよびエンハンスメントモードトランジスタから形成される電子デバイスまたはコンポーネントであって、デプリーションモードトランジスタはエンハンスメントモードトランジスタと比較して高い動作電圧および/または降伏電圧が可能であり、ハイブリッドデバイスまたはコンポーネントは、デプリーションモードトランジスタの降伏電圧および/または動作電圧とほぼ同程度に高い降伏電圧および/または動作電圧を有する単一のエンハンスメントモードトランジスタと同様に動作するよう構成される。すなわち、ハイブリッドエンハンスメントモードデバイスまたはコンポーネントは、以下の特性を有する少なくとも3個のノードを含む。第1ノード(ソースノード)および第2ノード(ゲートノード)が同一電圧に維持されている場合、ハイブリッドエンハンスメントモードデバイスまたはコンポーネントは、ソースノードに対して第3ノード(ドレインノード)に印加される正の高電圧(すなわち、エンハンスメントモードトランジスタがブロック可能な最大電圧より大きい電圧)をブロックすることができる。ゲートノードがソースノードに対して十分な正電圧(すなわち、エンハンスメントモードトランジスタの閾値電圧より大きい電圧)に維持されている場合、電流はソースノードからドレインノードへと通過し、または、ソースノードに対して十分な正電圧がドレインノードに印加されている場合には、電流はドレインノードからソースノードへと通過する。エンハンスメントモードトランジスタが低電圧デバイスであり、デプリーションモードトランジスタが高電圧デバイスである場合、ハイブリッドコンポーネントは、単一の高電圧エンハンスメントモードトランジスタと同様に動作することができる。デプリーションモードトランジスタは、エンハンスメントモードトランジスタの降伏電圧および/または最大動作電圧の、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または少なくとも20倍の、降伏電圧および/または最大動作電圧を有してもよい。
【0014】
本明細書において、III族窒化物またはIII-N材料、層、デバイス、等の用語は、化学量論的式BAlInGaNに従う半導体複合材料からなる材料またはデバイスを指す。ただしw+x+y+zは約1であり、0≦w≦1,0≦x≦1,0≦y≦1,かつ0≦z≦1である。III-N材料、層、またはデバイスは、適切な基板上に直接的に成長させること(たとえば有機金属化学気相成長法)によって、または、適切な基板上に成長させ、元の基板から分離させ、他の基板に接着させることによって、形成または準備することができる。
【0015】
本明細書において、2以上の接点または他の要素(導電性のチャネルまたはコンポーネント等)が「電気的に接続される」とは、いかなるバイアス条件下においても常に、当該各接点または当該各要素の電位が同一となるよう意図される(たとえばほぼ同一となる)ことを確実にするためにそれらが十分な導電性の材料によって接続されていることをいう。
【0016】
本明細書において、「電圧をブロックする」とは、トランジスタ、デバイスまたはコンポーネントに電圧が印加された場合に、当該トランジスタ、デバイス、またはコンポーネントを通って実質的な電流(たとえば通常導電中の動作電流の0.001倍より大きい電流)が流れることを防止する、当該トランジスタ、デバイスまたはコンポーネントの能力を指す。言い換えると、トランジスタ、デバイスまたはコンポーネントが、当該トランジスタ、デバイスまたはコンポーネントに印加された電圧をブロックしている間は、当該トランジスタ、デバイスまたはコンポーネントを通過する総電流は、通常導電中の動作電流の0.001倍より大きくならない。この値より大きいオフ状態電流を有するデバイスは、高い損失および低い効率を示し、典型的には多くの用途(とくにパワースイッチング用途)に不向きである。
【0017】
本明細書において、「高電圧デバイス」(たとえば高電圧スイッチングトランジスタ、HEMT、双方向スイッチ、または四象限スイッチ(FQS))は、高電圧用途に最適化された電子デバイスである。すなわち、デバイスがオフである場合には高電圧(たとえば約300V以上、約600V以上、または約1200V以上)をブロックすることができ、デバイスがオンである場合には、それが用いられる用途について十分に低いオン抵抗(RON)を有する(たとえば、当該デバイスを実質的な電流が通過する際に経験する導電損失が十分に低い)。高電圧デバイスは、少なくとも、それが用いられる回路内の高電圧供給または最大電圧に等しい電圧をブロックすることができる。高電圧デバイスは、300V、600V、1200V、1700V、2500V、または用途が要求する他の適切なブロック電圧をブロック可能であってもよい。言い換えると、高電圧デバイスは、0VからVmaxまでのすべての電圧をブロックすることができ、ただしVmaxは回路または電源供給によって供給され得る最大の電圧であり、Vmaxはたとえば300V、600V、1200V、1700V、2500V、または用途が要求する他の適切なブロック電圧であってもよい。双方向スイッチまたは四象限スイッチについて、スイッチがオフである場合には、ブロックされる電圧は、特定の最大値未満の任意の極性であってもよく(±300Vまたは±600V、±1200V、等の±Vmax)、スイッチがオンである場合には、電流は任意の方向であってもよい。
【0018】
本明細書において、「III-Nデバイス」は、III-N材料内に形成された導電チャネルを有するデバイスである。III-Nデバイスは、トランジスタまたはスイッチ(デバイスの状態が、ゲート端子によって制御される)または2端子デバイス(ゲート端子なしで電流の通過を一方向にブロックし別の方向に導通させる)として動作するよう設計することができる。III-Nデバイスは、高電圧用途に適した高電圧デバイスであってもよい。そのような高電圧デバイスにおいて、デバイスがオフにバイアスされている場合(たとえばソースに対するゲートの電圧がデバイス閾値電圧未満である場合)、そのデバイスは、そのデバイスが用いられる用途の高電圧以下のすべてのソース・ドレイン電圧(たとえば100V、300V、600V、1200V、1700V、2500V、またはより高い)を少なくともサポート可能である。高電圧デバイスがオンにバイアスされている場合(たとえばソースまたは関連する電力端子に対するゲートの電圧がデバイス閾値電圧より大きい場合)、そのデバイスは、低いオン電圧(すなわち、ソース・ドレイン間または両電力端子間の低電圧)で実質的な電流を導電させることができる。許容可能な最大電圧は、そのデバイスが用いられる用途において維持可能な最大のオン状態電圧である。
【0019】
本明細書において、「上方(over)」、「下方(under)」、「間(between)」および「上(on)」という用語は、ある層の別の層に対する相対的位置を指す。したがってたとえば、別の層の上方または下方に配置された層は、その別の層と直接的に接触してもよいし、1つ以上の層が間に介在してもよい。さらに、2つの層の間に配置された層は、それら2つの層に直接的に接触してもよいし、1つ以上の層が間に介在してもよい。これに対して、第2層「上」の第1層は、第2層と接触する。さらに、ある層の、他の各層に対する相対的位置は、基板の絶対的配向を考慮することなく、基板に対して操作が実行されることを想定して提供される。
【0020】
高電圧スイッチングトランジスタが用いられる典型的なパワースイッチング用途では、大部分の時間の間、トランジスタは2つの状態のうち一方にある。第1状態(一般的に「オン状態」と呼ばれる)では、ソース電極に対するゲート電極の電圧は、トランジスタ閾値電圧より高く、トランジスタを通って実質的な電流が流れる。この状態では、ソース・ドレイン間の電圧差は典型的には低く、通常は数ボルト以下(たとえば約0.1~5ボルト)である。第2状態(一般的に「オフ状態」と呼ばれる)では、ソース電極に対するゲート電極の電圧は、トランジスタ閾値電圧より低く、トランジスタを通って実質的な電流は流れない(オフ状態漏れ電流を除く)。この第2状態では、ソース・ドレイン間の電圧差は、約0Vから回路高電圧供給の値まで任意に変動し得る(場合によっては100V、300V、600V、1200V、1700Vまたはより高いが、トランジスタの降伏電圧より低くすることができる)。一部の用途では、回路内の誘導性要素がソース・ドレイン間の電圧を回路の高電圧供給よりさらに高くする場合がある。加えて、ゲートがオンまたはオフにスイッチされた直後に、トランジスタが上述の2状態の間の遷移モードにある短い時間が存在する。トランジスタがオフ状態にある場合、それはソース・ドレイン間の「電圧をブロックしている」と言われる。本明細書では、「電圧をブロックする」とは、トランジスタ、デバイスまたはコンポーネントに電圧が印加された場合に、当該トランジスタ、デバイス、またはコンポーネントを通って実質的な電流(たとえば通常のオン状態導電中の平均動作電流の0.001倍より大きい電流)が流れることを防止する、当該トランジスタ、デバイスまたはコンポーネントの能力を指す。言い換えると、トランジスタ、デバイスまたはコンポーネントが、当該トランジスタ、デバイスまたはコンポーネントに印加された電圧をブロックしている間は、当該トランジスタ、デバイスまたはコンポーネントを通過する総電流は、通常のオン状態導電中の平均動作電流の0.001倍より大きくならない。
【0021】
添付の図面および以下の説明において、本明細書に記載される対象の、1つ以上の開示される実装の詳細が明らかにされる。追加の特徴および変形もまた、実装に含まれてもよい。他の特徴、態様、および利点は、当該説明、図面および特許請求の範囲から明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】ハーフブリッジ回路の回路概略。
図1B】三相ブリッジ回路の回路概略。
図2】カスコード構成に配置されたハイブリッドノーマリオフデバイスの概略図。
図3A】ハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図。
図3B図3Aの電子モジュールの一部に沿った断面図。
図4A】カスコードスイッチを形成するために高電圧デプリーションモードIII-Nトランジスタに結合された低電圧エンハンスメントモードトランジスタの平面図。
図4B図4Aのカスコードスイッチの一部に沿った断面図。
図5A】ハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図。
図5B図5Aの電子モジュールの一部の断面図。
図6】カスコードスイッチを形成するために高電圧デプリーションモードIII-Nトランジスタに結合された低電圧エンハンスメントモードトランジスタの平面図。
図7A】ハーフブリッジの動作モードの回路概略。
図7B】ハーフブリッジの動作モードの回路概略。
図7C】ハーフブリッジの動作モードの回路概略。
図7D】ハーフブリッジの動作モードの回路概略。
図7E】ハーフブリッジの動作モードの回路概略。
図8】ハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図。
図9】SMPTタイプのパッケージにおけるハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図。
図10】SMPTタイプのパッケージにおけるハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図。
図11】SMPTタイプのパッケージにおけるハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図。
図12】SMPTタイプのパッケージにおけるハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図。
図13A】カプセル化されたSMPDタイプのパッケージの側面図。
図13B】カプセル化されたSMPDタイプのパッケージの上面図。
図14】並列に構成された2つのハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図。
図15】三相ブリッジ回路を特徴とする電子モジュールの平面図。
図16】集積されたゲートドライバを有するハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図。
図17】集積されたゲートドライバを有するハーフブリッジを特徴とする電子モジュールの平面図。
【0023】
様々な図面において、同様の参照符号は同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書において、低レベルのEMIを維持するのに適した電子モジュールおよびその動作方法が記載され、これによって、高い回路安定性および改善された性能が可能となる。モジュールの設計(モジュール内で用いられるスイッチの設計と結合される)は、結果としてインダクタンスおよび他の寄生要素を低減でき、これによって、上述の性能改善につながる。電子モジュールはまた、縮小されたサイズを有することができ、従来のモジュールより組み立てが容易であり、これによってより低い製造コストが可能となる。
【0025】
図3Aおよび3Bは、それぞれ電子モジュール300の平面図および断面図を示す。モジュール300は、図1に示すハーフブリッジ構成に接続されたカスコードスイッチ382および383を含む。スイッチ382および383のそれぞれについて使用可能なカスコードスイッチ400の平面図および断面図を、それぞれ図4Aおよび図4Bに示す(カスコードスイッチ400に代えて、他のカスコード構成を代替的に用いてもよい)。
【0026】
図4Aおよび4Bを参照して、カスコードスイッチ400は、高電圧Dモードトランジスタ423のソースパッド434に直接的に取り付けられた低電圧Eモードトランジスタ422を含み、Eモードトランジスタ422のドレインパッド453は、Dモードトランジスタ423のソース電極434に直接的に接着される。Eモードトランジスタ422はたとえばケイ素FETであってもよく、DモードトランジスタはたとえばIII-N HEMTであってもよい。カスコードスイッチ400は、単一の高電圧EモードIII-Nトランジスタと同じように動作可能であり、多くの場合において、単一の高電圧EモードIII-Nトランジスタと同一または同様の出力特性を実現する。Dモードトランジスタ423は、Eモードトランジスタ422より大きい降伏電圧を有する(たとえば少なくとも3倍大きい)。カスコードスイッチ400がオフ状態にバイアスされている間にブロック可能な最大電圧は、少なくとも、Dモードトランジスタ423の最大ブロック電圧または降伏電圧と同じ大きさである。
【0027】
Eモードトランジスタ422は、半導体本体層455を含む。トランジスタ422は、さらに、半導体本体層455の第1側にFETソース電極451およびFETゲート電極452を含み、半導体本体層455の第2側(FETソース電極451と反対側)にFETドレイン電極453を含む。
【0028】
Dモードトランジスタ423は、適切な基板411上に成長したIII-N材料構造418(たとえばGaNおよびAlGaNの組み合わせ)を含み、これは、導電性の半導体(たとえばケイ素(たとえばp型またはn型Si)、GaN(たとえばp型またはn型GaN))、または他の任意の十分に導電性の基板、または絶縁性の(たとえばサファイア)基板、または半絶縁性基板(たとえば半絶縁性炭化ケイ素)であってもよい。
【0029】
III-N材料構造418は、基板411上に成長したIII-Nバッファ層412(たとえばGaNまたはAlGaN)を含み得る。バッファ層412は、絶縁性に、または、意図しないn型キャリアを実質的に含まずに、レンダリングすることができる。バッファ層412は、全体が実質的に均一な組成を有してもよく、組成が変化してもよい。バッファ層412の厚さおよび組成は、高電圧用途に対して最適化されてもよい。すなわち、バッファ層は、それが使用される回路における最大電圧または高電圧供給に等しい電圧をブロックできる。たとえば、バッファ層412は600Vより大きい電圧または900Vより大きい電圧をブロック可能であってもよい。バッファ層412の厚さは2μmより大きくすることができる。たとえばIII-Nバッファ層は5μmと10μmとの間の厚さを有してもよい。
【0030】
III-N材料構造は、さらに、III-Nバッファ層412の上方にIII-Nチャネル層413(たとえばGaN)を含んでもよく、III-Nチャネル層413の上方にIII-N障壁層414(たとえばAlGaN、AlInNまたはAlGaInN)を含んでもよい。III-N障壁層414のバンドギャップは、III-Nチャネル層413のバンドギャップより大きい。III-Nチャネル層413は、III-N障壁層414とは異なる組成を有し、III-N障壁層414の厚さおよび組成は、III-Nチャネル層413に、層414および413の界面に隣接して2次元電子ガス(2DEG)チャネル419(図4Bに破線により示す)が誘導されるように選択される。
【0031】
典型的には、III-N高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、リアクター内で有機金属化学気相成長法(MOCVD)または分子ビームエピタキシー(MBE)によって成長したエピタキシャル(すなわちエピ)III-N材料構造から形成される。図4Bに示すように、III-N材料構造は、III族極性(たとえばGa極性)配向(たとえば[0 0 0 1](C面)配向)で成長してもよい。代替的に、III-N HEMTは、N極性(すなわちN面)配向(たとえば[0 0 0 -1]配向(図示しない)等)で成長したIII-N材料構造上に形成されてもよい。N極性デバイスにおいて、III-N障壁層は、III-Nバッファ層の上方にあってもよく、III-Nチャネル層はIII-N障壁層の上方にあってもよい。N極性III-N材料は、III族極性III-N材料とは反対方向に分極場を有し、したがって、III族極性構造を用いては形成できないIII-Nデバイス構造の実施を可能にする。
【0032】
絶縁層415(たとえば誘電層)は、III-N材料構造418の上表面の上方に成長または堆積される。絶縁層415は、たとえば酸化アルミニウム(Al)、二酸化ケイ素(SiO)、Si、Al1-xSiN、Al1-xSiO、Al1-xSiONまたは他の任意のワイドバンドギャップ絶縁体から形成されてもよく、またはこれらを含んでもよい。絶縁体115は単一層として図示されるが、代替的に、単一の合成絶縁層を形成するために様々な処理工程の間に堆積されるいくつかの層および/または材料からなるよう形成されてもよい。
【0033】
ソース電極434およびドレイン電極436は、デバイス423がラテラルIII-Nデバイスとして特徴づけられるように、Dモードトランジスタ423の基板と反対側上に形成される(すなわち、ソースおよびドレインはデバイスの同じ側上にあり、電流はソース434とドレイン436との間でデバイスを通って横方向に流れる)。ソース電極434およびドレイン電極436はオーミック接触し、層413内に形成されるデバイス2DEGチャネル419に電気的に接続される。ソースおよびドレイン電極434,436は、それぞれ複数の金属層からなるスタックから形成されてもよい。各金属スタックは、たとえばTi/Al/Ni/Au、Ti/Al、または他の適切な金属層のスタックであってもよい。
【0034】
Dモードトランジスタ423はさらにゲート電極435を含む。ゲート電極435は、図4Bに示すように、絶縁層415がゲート電極435とIII-N材料構造418との間に延びてこれらを分離するように形成することができる。代替的に、ゲート電極435は、III-N材料構造418と接触するよう形成してもよい(図示せず)。ゲート電極435は、金属スタック等の適切な導電性材料から形成されてもよい(たとえばチタン/アルミニウム(Ti/Al)またはニッケル/金(Ni/Au))。代替的に、ゲート電極435は、大きな仕事関数を有する半導体材料(たとえばp型ポリシリコン、酸化インジウムスズ、窒化タングステン、窒化インジウム、または窒化チタン)のような、大きな仕事関数を有する1つ以上の材料を含む別の導電性材料または材料スタックであってもよい。
【0035】
低電圧Eモードデバイス422は、高電圧DモードIII-Nデバイス423に電気的に接続されてカスコードスイッチ400を形成する。これはハイブリッドIII-Nデバイスであってもよい。ここで、Eモードトランジスタ422のドレイン電極453は、III-Nトランジスタ423のソース電極434に直接的に接触して(たとえば取り付けられて)電気的に接続される。Eモードトランジスタ422のドレイン電極453は、Dモードトランジスタ423のソース電極434に接続されてもよい(たとえば、はんだ、はんだペースト、導電性エポキシ、導電性テープ、または、FETドレイン電極453およびDモードトランジスタのソース電極434の間の高品質の機械的、熱的、および電気的接続を可能にする他の適切な取付方法によって)。Eモードトランジスタ422は、図4Bに示すように2DEGチャネル419の上方に取り付けられてもよいし、または、デバイス422は、FET422が2DEGチャネル層の上方に来ないように、部分的または全体的にデバイスの活性領域の外側の領域に取り付けられてもよい。カスコードスイッチ400のゲートノードは、Eモードデバイス422のゲート電極452に接続されてもよい。従来のカスコードスイッチのDモードトランジスタおよびEモードトランジスタは、典型的にはセラミック絶縁性基板(AlNシム等)に隣り合って一緒にパックされ、カスコード構成で必要となるFETドレインからHEMTソースへの接続を行うためには外部のワイヤコネクタが必要となる。しかしながら、図4Aおよび4Bに示すように、Eモードデバイス422をDモードデバイス423上に直接的に取り付けることにより、外部のワイヤコネクタおよびセラミック基板が不要となる。これによって、回路の寄生インダクタンスが劇的に低減でき、より高い定格電流およびより速いスイッチ速度が可能となる。
【0036】
Dモードトランジスタ423のゲート電極435は、図4Aまたは4Bには示さないが、Eモードトランジスタ422のソース電極451に接続されるべきであり(カスコードスイッチが適切に動作するために必要)、これら2つの電極は、実際、カスコードスイッチ400が図3Aおよび3Bのモジュール300に取り付けられると、電気的に接続される(これらの電極は双方が共通の金属層に接着されるからである)。これは図3Aおよび3Bからわかり、以下により詳細に説明する。
【0037】
図3Aおよび3Bに戻り、モジュール300は、モジュールのベース基板となり得る直接接着銅(DBC)基板310(図3Bに最もよく示される)を含む。DBC基板は、セラミック絶縁体(AlNまたはAl等)に対する純粋な銅の高温溶融拡散処理における直接接着によって形成される。DBC基板310は、絶縁性(たとえばセラミックまたはAlN)基板315を含み、これに、上部金属層(たとえば銅またはニッケル)が、少なくとも、高電圧プレートとして機能する第1部分311と、出力プレートとして機能する第2部分312と、グランドプレートとして機能する第3部分313とにパターン化されている。各部分311、312および313は、金属層を通って形成される溝314によって互いに電気的に絶縁される。図3Bに示すように、DBC基板は、上部金属層(311/312/313)に対して絶縁基板315の反対側に裏側金属層316(たとえば銅またはニッケル)を含んでもよい。任意選択で、グランドプレート313は、絶縁性基板315を通って金属ビアホール317を形成することにより、裏側金属層316に電気的に接続されてもよい。高位側スイッチ382および低位側スイッチ383は、それぞれ図4Aおよび4Bに示すカスコードスイッチである。高位側スイッチ382は、出力プレート312上に直接的に取り付けられ、低位側スイッチ383はグランドプレート313上に直接的に取り付けられる。
【0038】
高位側スイッチ382について、Dモードトランジスタのドレイン電極436は、コネクタ341を介して高電圧プレート311に電気的に接続され、Dモードトランジスタのゲート電極435およびEモードトランジスタのソース電極451は、それぞれワイヤコネクタ340および342を介して、いずれも出力プレート312に電気的に接続される。低位側スイッチ383について、Dモードトランジスタのドレイン電極436’は、コネクタ343を介して出力プレート312に電気的に接続され、Dモードトランジスタのゲート電極435’およびEモードトランジスタのソース電極451’は、それぞれワイヤコネクタ346および348を介して、いずれもグランドプレート313に電気的に接続される。
【0039】
任意選択で、電子モジュール300は、電子コンポーネントが入れられたパッケージを含み、パッケージは、第1入力リード372、第2入力リード373、高電圧リード391、グランドリード383および出力リード392を含む。第1入力リード372は、高位側スイッチ382のEモードトランジスタのゲート電極452に接続され、第2入力リード373は低位側スイッチ383のEモードトランジスタのゲート電極452’に接続され、高電圧リード391は高電圧プレート311に接続され、グランドリード393はグランドプレート313に接続され、出力リード392は出力プレート312に接続される。
【0040】
図3Aおよび3Bの電子モジュール300によって形成されるハーフブリッジ回路の適切な動作を確実にするために、高電圧ノード391はACグランドに維持されるべきである。すなわち、コンデンサ375の第1端子を高電圧プレート311に接続し、コンデンサ375の第2端子をグランドプレート393に接続することによって、ノード391はDCグランドノード393に容量結合可能である。図3Aに示すように、コンデンサ375はビア314の一部の上方に直接的に配置可能である。スイッチ382または383のいずれかがオンまたはオフに切り替わると、回路の高位側および低位側における電圧を実質的に一定に維持するために必要な電流を提供するために、コンデンサ375は適宜充放電可能である。さらに、コンデンサ375は、容量性コンポーネントおよび抵抗性コンポーネントを含むハイブリッドコンデンサであってもよい。たとえば、コンデンサ375は、直列接続のコンデンサおよび抵抗として構成されてもよい。高電流動作に必要な大きいdi/dtのため、高位側スイッチまたは低位側スイッチのターンオフの間に、リンギングおよび電圧スパイクが発生し得る。典型的には、リンギング周波数は100mHzの範囲内で観測可能である。このリンギングは、単なる結合解除コンデンサではなく、直列接続の抵抗およびコンデンサで減衰させるのが効果的である。30A周辺の動作電流では、容量値は.01nFから100nFの範囲内となる可能性があり、抵抗値は0.1オームから100オームの範囲内となる可能性がある。設計者は、減衰が弱い条件に向けてバイアスするために、より高い抵抗値および容量値を選んでもよい。
【0041】
モジュール300に比べ、改善された性能および信頼性と、低減された複雑さを提供可能な、別の電子モジュール500の平面図および断面図を、それぞれ図5Aおよび5Bに示す。モジュール500は、その高位側スイッチおよび/または低位側スイッチ(582および583)について、それぞれ図6に示すカスコードスイッチ600を利用する。以下により詳細に説明するように、スイッチ582および583に用いるカスコードスイッチ600の設計により、モジュール500において特定の外部コネクタを省略でき、結果として、モジュール500の、低減された複雑さと、改善された性能および信頼性の双方が得られる。
【0042】
図6に示すように、モジュール500で用いるカスコードスイッチ600は、モジュール300で用いるカスコードスイッチ400に類似するが、新たな特徴が追加される。まず、III-N材料構造618が形成される基板611は、導電性基板(たとえば、p型ケイ素、n型ケイ素、p型GaN、n型GaN、またはn型SiCから形成される)であり、基板は、基板が取り付けられるモジュール500の上部金属層に電気的に接続される(すなわち短絡される)。
【0043】
加えて、高電圧Dモードトランジスタ623のゲート電極635は、III-N材料構造618の一部を通って形成されるビアホール638(たとえば貫通エピビアまたはTEV)によって導電性基板611に電気的に接続される。ビアホール638は、図6において破線領域638によって示すように、III-N材料構造618の厚さ全体を通って形成され基板611までずっと延びることができる。ゲート電極635の金属は、少なくとも部分的にビアホール638内に形成され、導電性基板611とオーミック接触し、これによって、III-Nトランジスタ623のゲート電極635が導電性基板611に電気的に接続される。図6の破線領域は、2DEGチャネル619を通過するビアホール638を示すが、ビアホール638は、2DEGチャネル619がDモードデバイスのソースおよびドレイン電極634および636との間で連続するような方法で形成される(たとえばビアホールはIII-Nトランジスタの活性領域の外側となるIII-N材料の部分内に形成されてもよい)。
【0044】
最後に、裏側金属層617(たとえばTi/Ni/Ag)は、任意選択で、導電性基板611の、III-N材料構造618とは反対側すなわち裏側に形成されてもよい。裏側金属層617は、はんだ、はんだペースト、導電性エポキシ、導電性テープ、または、デバイス基板611の金属層に対する高品質の機械的、熱的、および電気的接続を可能にする他の適切な取付方法によって、基板611がモジュール500内の基礎となる金属プレートに取り付けられるようにする、接着層として用いられ得る。
【0045】
図5Aおよび5Bに戻り、ハーフブリッジモジュール500を形成するために、第1カスコードスイッチ(スイッチ600等)が出力プレート512に直接的に取り付けられて高位側スイッチ582を形成し、第2カスコードスイッチ(スイッチ600等)がグランドプレート513に直接的に取り付けられて低位側スイッチ583を形成する。高位側スイッチ582について、Dモードトランジスタのゲート電極635はビアホール638によって導電性基板611に電気的に接続され、導電性基板は出力プレート512に直接的に取り付けられているので、外部コネクタ(図3Aおよび3Bのコネクタ340等)の必要なく、ゲート電極635は出力プレート512に電気的に取り付けられる。同様に、低位側スイッチ583について、Dモードトランジスタのゲート電極635’はビアホールによって導電性基板に電気的に接続され、導電性基板はグランドプレート513に直接的に取り付けられているので、外部コネクタ(図3Aおよび3Bのコネクタ346等)の必要なく、ゲート電極635’はグランドプレート513に電気的に取り付けられる。結果として、モジュール500の組み立てが簡素化され、回路インダクタンスが低減し、スイッチングノイズおよびEMIが低減する。
【0046】
完全のため、モジュール500と、モジュール500において用いられるカスコードスイッチ600との、他の態様および特徴は以下の通りである。図6を参照して、カスコードスイッチ600は、高電圧Dモードトランジスタ623のソースパッド634上に直接的に取り付けられる低電圧Eモードトランジスタ622を含み、Eモードトランジスタ622のドレインパッド653は、Dモードトランジスタ623のソース電極634に直接的に接着される。Eモードトランジスタ622は、たとえばケイ素FETであり、Dモードトランジスタは、たとえばIII-N HEMTである。カスコードスイッチ600は、単一の高電圧EモードIII-Nトランジスタと同様に動作可能であり、多くの場合において、単一の高電圧EモードIII-Nトランジスタと同一または同様の出力特性を実現する。Dモードトランジスタ623は、Eモードトランジスタ622より大きい降伏電圧を有する(たとえば少なくとも3倍大きい)。カスコードスイッチ600がオフ状態にバイアスされている間にブロック可能な最大電圧は、少なくとも、Dモードトランジスタ623の最大ブロック電圧または降伏電圧と同じ大きさとすることができる。
【0047】
Eモードトランジスタ622は、半導体本体層655を含む。トランジスタ622は、さらに、半導体本体層655の第1側にFETソース電極651およびFETゲート電極652を含み、半導体本体層655の第2側(FETソース電極651と反対側)にFETドレイン電極653を含む。
【0048】
Dモードトランジスタ623は、導電性基板611上に成長したIII-N材料構造618(たとえばGaNおよびAlGaNの組み合わせ)を含み、これはたとえば、ケイ素(たとえばp型またはn型Si)、GaN(たとえばp型またはn型GaN)、n型SiC、または他の任意の十分に導電性の基板であってもよい。
【0049】
III-N材料構造618は、基板611上に成長したIII-Nバッファ層612(たとえばGaNまたはAlGaN)を含み得る。バッファ層612は、絶縁性に、または、意図しないn型キャリアを実質的に含まずに、レンダリングすることができる。バッファ層612は、全体が実質的に均一な組成を有してもよく、組成が変化してもよい。バッファ層612の厚さおよび組成は、高電圧用途に対して最適化されてもよい。すなわち、バッファ層は、それが使用される回路における最大電圧または高電圧供給に等しい電圧をブロックできる。たとえば、バッファ層612は600Vより大きい電圧または900Vより大きい電圧をブロック可能であってもよい。バッファ層612の厚さは2μmより大きくすることができる。たとえばIII-Nバッファ層は5μmと10μmとの間の厚さを有してもよい。
【0050】
III-N材料構造は、さらに、III-Nバッファ層612の上方にIII-Nチャネル層613(たとえばGaN)を含んでもよく、III-Nチャネル層613の上方にIII-N障壁層614(たとえばAlGaN、AlInNまたはAlGaInN)を含んでもよい。III-N障壁層614のバンドギャップは、III-Nチャネル層613のバンドギャップより大きい。III-Nチャネル層613は、III-N障壁層614とは異なる組成を有し、III-N障壁層614の厚さおよび組成は、III-Nチャネル層613に、層614および613の界面に隣接して2次元電子ガス(2DEG)チャネル619(図6に破線により示す)が誘導されるように選択される。
【0051】
典型的には、III-N高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、リアクター内で有機金属化学気相成長法(MOCVD)または分子ビームエピタキシー(MBE)によって成長したエピタキシャル(すなわちエピ)III-N材料構造から形成される。図6に示すデバイスのように、III-N材料構造は、III族極性(たとえばGa極性)配向(たとえば[0 0 0 1](C面)配向)で成長してもよい。代替的に、III-N HEMTは、N極性(すなわちN面)配向(たとえば[0 0 0 -1]配向(図示しない)等)で成長したIII-N材料構造上に形成されてもよい。N極性デバイスにおいて、III-N障壁層は、III-Nバッファ層の上方にあってもよく、III-Nチャネル層はIII-N障壁層の上方にあってもよい。N極性III-N材料は、III族極性III-N材料とは反対方向に分極場を有し、したがって、III族極性構造を用いては形成できないIII-Nデバイス構造の実施を可能にする。
【0052】
絶縁層615(たとえば誘電層)は、III-N材料構造618の上表面の上方に成長または堆積される。絶縁層615は、たとえば酸化アルミニウム(Al)、二酸化ケイ素(SiO)、Si、Al1-xSiN、Al1-xSiO、Al1-xSiONまたは他の任意のワイドバンドギャップ絶縁体から形成されてもよく、またはこれらを含んでもよい。絶縁層115は単一層として図示されるが、代替的に、単一の合成絶縁層を形成するために様々な処理工程の間に堆積されるいくつかの層および/または材料からなるよう形成されてもよい。絶縁層18は、全体が一定であってもよいし、種類が変化する絶縁材料から形成されてもよい。
【0053】
ソース電極634およびドレイン電極636は、デバイス623がラテラルIII-Nデバイスとして特徴づけられるように、Dモードトランジスタ623の基板と反対側上に形成される(すなわち、ソースおよびドレインはデバイスの同じ側上にあり、電流はソース634とドレイン636との間でデバイスを通って横方向に流れる)。ソースおよびドレイン電極634,636は、それぞれ複数の金属層からなるスタックから形成されてもよい。各金属スタックは、たとえばTi/Al/Ni/Au、Ti/Al、または他の適切な金属層のスタックであってもよい。
【0054】
Dモードトランジスタ623はさらにゲート電極635を含む。図6に示すように、ゲート電極635は、絶縁層615が少なくとも部分的にゲート電極およびIII-N材料構造618の間にあるように形成され得る。ゲート電極435は、金属スタック等の適切な導電性材料から形成されてもよい(たとえばチタン/アルミニウム(Ti/Al)またはニッケル/金(Ni/Au))。
【0055】
低電圧Eモードデバイス622は、高電圧DモードIII-Nデバイス623に電気的に接続されてカスコードスイッチ600を形成する。ここで、Eモードトランジスタ622のドレイン電極653は、III-Nトランジスタ623のソース電極634に直接的に接触して(たとえば取り付けられて)電気的に接続される。Eモードトランジスタ622のドレイン電極653は、Dモードトランジスタ623のソース電極634に接続されてもよい(たとえば、はんだ、はんだペースト、導電性エポキシ、導電性テープ、または、FETドレイン電極653およびDモードトランジスタのソース電極634の間の高品質の機械的、熱的、および電気的接続を可能にする他の適切な取付方法によって)。Eモードトランジスタ622は、図6に示すように2DEGチャネル619の上方に取り付けられてもよいし、または、デバイス622は、FET622が2DEGチャネル層の上方に来ないように、部分的または全体的にデバイスの活性領域の外側の領域に取り付けられてもよい。
【0056】
図5Aおよび5Bに戻り、モジュール500は、モジュールのベース基板となり得る直接接着銅(DBC)基板510(図5Bに最もよく示される)を含む。DBC基板510は、絶縁性(たとえばセラミック)基板515を含み、これに、上部金属層(たとえば銅)が、少なくとも、高電圧プレートとして機能する第1部分511と、出力プレートとして機能する第2部分512と、グランドプレートとして機能する第3部分513とにパターン化されている。各部分511、512および513は、上部金属層を通って形成される溝514によって互いに電気的に絶縁される。DBC基板510は、任意選択で、上部金属層(511/512/513)に対して絶縁基板515の反対側に裏側金属層516を含んでもよい。任意選択で、グランドプレート513は、絶縁性基板515を通って金属ビアホール517を形成することにより、裏側金属層516に電気的に接続されてもよい。高位側スイッチ582および低位側スイッチ583は、それぞれ図6に示すカスコードスイッチである。高位側スイッチ582は、出力プレート512上に直接的に取り付けられ、低位側スイッチ583はグランドプレート513上に直接的に取り付けられる。
【0057】
高位側スイッチ582について、Dモードトランジスタのドレイン電極636は、コネクタ541を介して高電圧プレート511に電気的に接続され、Eモードトランジスタのソース電極651は、ワイヤコネクタ542を介して、出力プレート512に電気的に接続される。低位側スイッチ583について、Dモードトランジスタのドレイン電極636’は、コネクタ543を介して出力プレート512に電気的に接続され、Eモードトランジスタのソース電極651’は、ワイヤコネクタ544を介して、グランドプレート513に電気的に接続される。コネクタ541~544は、単一のワイヤボンディング(図示)、複数の並列のワイヤボンディング、リボン、導電性金属クリップ、または導電材料(たとえばアルミニウム(Al)、金(Au)、銅(Cu)、または他の適切な材料)を含む他のコネクタを備えてもよい。
【0058】
任意選択で、電子モジュール500は、電子コンポーネントが入れられたパッケージを含み、パッケージは、第1入力リード572、第2入力リード573、高電圧リード591、グランドリード593および出力リード592を含む。第1入力リード572は、高位側スイッチ582のEモードトランジスタのゲート電極652に接続され、第2入力リード573は低位側スイッチ583のEモードトランジスタのゲート電極652’に接続され、高電圧リード591は高電圧プレート511に接続され、グランドリード593はグランドプレート513に接続され、出力リード592は出力プレート512に接続される。
【0059】
図5Aおよび5Bの電子モジュール500によって形成されるハーフブリッジ回路の適切な動作を確実にするために、高電圧ノード591はACグランドに維持されるべきである。すなわち、コンデンサ575の第1端子を高電圧プレート511に接続し、コンデンサ575の第2端子をグランドプレート593に接続することによって、ノード591はDCグランドノード593に容量結合可能である。図5Aに示すように、コンデンサ575はビア514の一部の上方に直接的に配置可能である。スイッチ582または583のいずれかがオンまたはオフに切り替わると、回路の高位側および低位側における電圧を実質的に一定に維持するために必要な電流を提供するために、コンデンサ575は適宜充放電可能である。さらに、コンデンサ575は、容量性コンポーネントおよび抵抗性コンポーネントを含むハイブリッドコンデンサであってもよい。たとえば、コンデンサ575は、直列接続のコンデンサおよび抵抗を含む単一のコンポーネントとして構成されてもよい。高電流動作に必要な大きいdi/dtのため、高位側スイッチまたは低位側スイッチのターンオフの間に、リンギングおよび電圧スパイクが発生し得る。典型的には、リンギング周波数は100mHzの範囲内で観測可能である。このリンギングは、単なる結合解除コンデンサではなく、直列接続の抵抗およびコンデンサで減衰させるのが効果的である。30A周辺の動作電流では、容量値は0.1nFより大きい可能性があり、たとえば0.1nFから100nFの範囲内となる可能性があり、抵抗値は0.1オームより大きい可能性があり、たとえば0.1オームから100オームの範囲内となる可能性がある。設計者は、減衰が弱い条件に向けてバイアスするために、より高い抵抗値および容量値を選んでもよい。
【0060】
図7A、7Bおよび7Cは、図1Aのハーフブリッジと同様のハーフブリッジ降圧コンバータ回路を動作させるための3つの異なるモードを示す。ハーフブリッジ回路は、高電圧ノード111に接続された高位側スイッチ102と、グランドノード113に接続された低位側スイッチ103とを含む。インダクタ104が、ノード112(低位側スイッチ103と高位側スイッチ102との間にある)と、回路の出力ノードVOUTとの間に接続される。第1コンデンサ106が、高電圧ノード111とDCグランド113との間に接続される。第2コンデンサ107が、回路の出力ノードVOUTと、DCグランド113との間に接続される。低位側スイッチ103および高位側スイッチ102は、降圧コンバータ回路の効率を改善する特性を有するよう選択される。具体的には、スイッチ102および103は、低いオン抵抗(RDS(ON))および低いスイッチング損失を有するべきである。スイッチ102および/または103は、たとえば図2のカスコードスイッチ200を伴って形成されてもよい。または、スイッチ102および/または103は、図5Aのハーフブリッジモジュール500内に組み立てられた図6のカスコードスイッチ600として実装されてもよい。
【0061】
図7A~7Cの降圧コンバータハーフブリッジは、以下のように動作可能である。図7Aを参照して、第1動作モードにおいて、高位側スイッチ102のゲートがオンにバイアスされ(すなわちVGS102>VTH)、低位側スイッチ103のゲートがオフにバイアスされる(すなわちVGS103<VTH)。電流97は、高電圧ノード111から順方向に高位側スイッチ102を通ってノード112へと流れる。この電流は低位側スイッチ103によってブロックされ、電流経路97によって示すようにインダクタ104を通って流れる。デバイスが第1動作モードにおいて動作している間に、高位側スイッチ102のゲート・ソース電圧が低またはオフに切り替えられ(すなわちVGS102<VTH)、スイッチ102および103の双方のゲートがオフにバイアスされた場合には、ハーフブリッジは図7Bに示す第2動作モードに切り替わる。電流はインダクタ104を通って流れ続けなければならない。
【0062】
図7Dおよび7Eは、カスコードスイッチ(図2のカスコードスイッチ200等)の回路概略を示し、また、カスコード構成に内在する様々な寄生インダクタンスおよび容量も示す。DモードIII-Nトランジスタ223の寄生ゲート・ドレイン容量(CGD)を、コンデンサ57として示す。EモードFET222の内蔵ボディダイオードをダイオード237によって示す。EモードFET222のソース接続の寄生インダクタンスをインダクタ54として示し、DモードIII-Nトランジスタ223のゲート接続の寄生インダクタンスをインダクタ53として示す。図7Dおよび7Eの回路がハーフブリッジモジュール(図3Aのモジュール300と同様)内の低位側スイッチ383として実装される場合には、インダクタ54はEモードトランジスタのソース451’からグランドプレート313へと接続するワイヤ(たとえば図3Aのワイヤ348)のインダクタンスを表す。スイッチ383のDモードトランジスタのゲート電極435’をスイッチ383のEモードトランジスタのソース電極451’に接続するために、Dモードトランジスタのゲート電極435’をグランドプレート313に接続するために、外部ゲートワイヤコネクタ346が用いられる。このゲートワイヤコネクタ346の結果として、Dモードトランジスタのゲート電極435とグランドプレート313との間に実質的なインダクタンス(図7Dのインダクタ53によって表す)が生じる。寄生インダクタンス53および54は、モジュールのターンオン時間およびターンオフ時間を低下させ、スイッチング損を増加させ、これによって回路の性能を劣化させる可能性がある。
【0063】
図7Dは、図7Aおよび図7Bに示す第1動作モードと第2動作モードとの間の遷移時間T中の、低位側スイッチ103のカスコード構成を通る詳細な電流経路を示す。遷移時間T中に、ノード112の電圧(図7A図7Bに示す)が負になるまで低下し、図7Dの電流経路IACによって示されるように、変位電流がDモードIII-Nトランジスタ223の寄生ゲート・ドレインコンデンサ57を通って流れる。ノード112の電圧が十分に負になると、低位側スイッチ102のゲートはオフにバイアスされているが(すなわちVGS<VTH)、EモードFETトランジスタ222の内蔵ボディダイオード237はオンに切り替わり、スイッチ103はオフから逆導通状態となる。これは逆導通モード(すなわちフリーホイールダイオードモード)と呼ばれる。遷移時間Tの終了時点において、スイッチ103はオフから逆導通に遷移し、電流は、Dモードトランジスタ223のゲート・ドレインコンデンサ57を通る変位電流(図7Dに示す)から、Eモードトランジスタ222の内蔵ボディダイオード237およびDモードトランジスタ223のチャネルを通って流れる逆DC電流(図7Eの電流経路IDCによって示す)へと、急激に遷移する。
【0064】
インダクタ104を通る動作電流が高い場合には、電流経路遷移はDモードトランジスタ223のゲートにわたって電圧スパイクおよびリンギングを起こす場合がある。この電圧スパイクは、Dモードトランジスタのゲート誘電体(たとえば絶縁層415または615)に電荷を注入し、Dモードトランジスタのチャネルオン抵抗(RON)の増加につながり、これによってカスコードスイッチ383のオン抵抗を増加させる。インダクタ104内の電流は連続的でなければならないので、スイッチ103のゲートがオフにバイアスされている場合でも、図7Bの回路にはスイッチ103の逆導通は発生する。
【0065】
図7Cに戻り、図7Bに示すように高位側102のゲートがオフに切り替わった後、低位側スイッチ103がオンに切り替わり(すなわちVGS>VTH)、降圧コンバータを第3動作モードで動作させ、電流98は第2モードと逆方向低位側スイッチ103を通って流れ続け、ただし低位側スイッチ103はオンにバイアスされる。第3動作モードの間に低位側スイッチをオンにバイアスすることにより、Eモードトランジスタ222にかかる逆方向の電圧降下は、第2動作モードに比べて低減され、第2動作モードに比べて高い効率が可能となる。高電圧ノード111が偶発的にグランドノード113に短絡することを防止するために、高位側スイッチ102をオフにする時刻と低位側スイッチ103をオンにする時刻との間に十分な不感時間が用いられる。
【0066】
低位側スイッチ103の、逆導通モード中の性能を決定するために、カスコードスイッチおよび関連するモジュールの設計は重要な要因になり得る。デバイス600をハーフブリッジモジュール500内に低位側デバイス103として実装することによって、また、これによってスイッチ583のDモードトランジスタとモジュール500内のグランドプレート513との間の外部ゲートワイヤ接続(図3Aのワイヤ346等)を不要とすることによって(Dモードトランジスタのゲートはビアホール638を通してグランドプレート513に接続されているので)、ハーフブリッジモジュール内の寄生インダクタンス(図7Dのインダクタ53によって示す)が低減される。これによって、第1動作モードと第2動作モードとの間の電流経路遷移中にスイッチ583のDモードトランジスタのゲートが受ける電圧スパイクおよびリンギングが低減される。驚くべきことに、非常に高い逆DC電流で動作する場合に、外部ゲートワイヤを有する従来のモジュールに比べ、スイッチのチャネルオン抵抗の劣化(すなわち増加)が実質的に低減されるということが示された。この結果は予想外であった。デプリーションモードトランジスタからモジュールスイッチング性能へのゲートワイヤインダクタンスの寄与は、この経路を流れるDC電流が存在せず、低位側スイッチのデプリーションモードトランジスタのゲート電圧は通常グランドにピンされることから、本発明者らには無視可能であると考えられた。オン抵抗におけるこの劣化は、一般的には電流コラプスまたは分散と呼ばれ、ハーフブリッジ回路におけるIII-Nデバイスの実装にとって大きな懸念事項である。カスコードスイッチ600がハーフブリッジモジュール500に低位側スイッチ583として実装されると、スイッチ583は第2動作モードおよび第3動作モードの間に50A(さらには70A)より大きい逆DC電流で動作可能でありつつ、オン抵抗の増加をほとんど示さない。たとえば、オン抵抗の増加は、第1動作モードに比べて5%未満となり得る。外部ゲートワイヤ接続を有する従来のモジュールは、逆DC電流が30A以下で動作していても、典型的にはオン抵抗の30%以上の増加を示す可能性がある。低位側スイッチ583は、第1動作モードの間に、600Vより大きい電圧をブロック可能である。
【0067】
加えて、高位側スイッチ582は、特定のスイッチング手順の間に、逆導通モードで動作可能である。ここで、カスコードスイッチ582のDモードIII-Nトランジスタと出力プレート512とのゲート接続は、ビアホール638を通って接続され、電子モジュールの寄生インダクタンスはさらに低減される。これによって、逆導通モードに切り替わる際の電流経路遷移中にカスコードスイッチ582が受ける電圧スパイクおよびリンギングがさらに低減される。
【0068】
図8は、図5Aのモジュール500に比べ、高電圧プレート811、出力プレート812およびグランドプレート813のよりコンパクトな配置を可能にする代替的なDBC810レイアウトを有する図5Aの集積電子ハーフブリッジモジュール500と同様のハーフブリッジ回路を形成する集積電子モジュール800の上面図である。これにより、電子モジュールサイズおよびフットプリントが低減され、コストが低減される。また、モジュール800は、高位側ソース検知ノード896と、低位側ソース検知ノード897とを含む。図5Aには示さないが、モジュール500も検知ノード896および897を含んでもよい。高位側ソース検知ノード896は出力プレート812に接続され、低位側ソース検知ノード897はグランドプレート813に接続される。第1入力リード872、高位側ソース検知ノード896、第2入力リード873、および低位側ソース検知ノード897(集合的にゲートノード)は、モジュール800の第1側から延びており、すべてのゲートノードがモジュールの同じ側から延びて外部のゲートドライバに接続されるよう構成される。いくつかの例では、高位側ゲートノードは高位側ゲートドライバに接続されてもよく、低位側ゲートノードは低位側ゲートドライバに接続されてもよい。高電圧ノード891、グランドノード893および出力ノード892は、モジュール800の、第1側とは反対側の第2側から延びて、高電圧ノード891は回路高電圧供給に接続されるよう構成され、グランドノード893は回路グランドに接続されるよう構成され、出力ノード892は誘導性要素または回路負荷に接続されるよう構成される。高位側スイッチ882は、モジュール800の低位側スイッチ883に比べて90°の回転をもって配置されて、モジュールコンポーネントのよりコンパクトな配置を可能にし、また、DBC810へのより短いワイヤボンド接続を可能にする。とくに、高位側スイッチ882において、ソース電極634およびドレイン電極634は第1軸に沿って配置され、一方で、低位側スイッチ883において、ソース電極634’およびドレイン電極634’は第1軸と直交する第2軸に沿って配置される。
【0069】
図9は、表面取り付けパワーデバイス(すなわちSMPD)タイプのパッケージに集積されるハーフブリッジ回路を形成する集積電子モジュール900の上面図である。電子モジュール600内に構成されるハーフブリッジ回路は、図5Aのモジュール500と類似するが、DBC910上の追加の金属ルーティング層と、ソース検知ピンおよびゲート接続フェライトビーズを収容するコネクタリードとを含む。電子モジュール900は、高位側スイッチ582と、低位側スイッチ583とを含み、これは図5Aのモジュール500と同一であってもよい。モジュール900は、高電圧プレート911と、出力プレート912と、グランドプレート913とを含むDBC910を含み、各プレートは、DBC910の上部金属層に形成された溝914によって分離される。DBC910は、図5Aおよび図5BのDBC510と同様の態様で構築可能であるが、溝914からの分離パターンの結果として、代替的な上部金属層構成を生じる。電子モジュール900はさらに、高電圧プレート911に接続される高電圧リード991と、出力プレート912に接続される出力リード992と、グランドプレート913に接続されるグランドリード993とを含む。電子モジュール900はさらに、第1入力リード961(これは複数のリードであってもよい)、高位側ソース検知リード962、第2入力リード963(これは複数のリードであってもよい)、および低位側ソース検知リード964を含む。モジュール900は、図5Aのモジュール500と同様に、高電圧プレート911とグランドプレート913との間に接続されるハイブリッドコンデンサ575を含む。
【0070】
図9は、さらに、任意選択の高位側フェライトビーズ68および任意選択の低位側フェライトビーズ69を含む。高位側フェライトビーズ68は、第1入力リード961に電気的に結合された第1端子と、高位側ゲートコネクタ65の第1側に電気的に結合された第2端子とを含む。高位側ゲートコネクタ65は、カスコードスイッチ582のEモードトランジスタのゲート電極に接続された第2側を含む。低位側フェライトビーズ69は、第2入力リード963に電気的に結合された第1端子と、低位側ゲートコネクタ67の第1側に電気的に結合された第2端子とを含む。低位側ゲートコネクタ67は、カスコードスイッチ583のEモードトランジスタのゲート電極に接続された第2側を含む。電子モジュール900は、さらに、高位側ソース検知ノード962に電気的に接続された第1側と、出力プレート912に電気的に接続された第2側とを有するソース検知コネクタ66を含む。コネクタ66は、グランドプレート913をブリッジし、高位側ソース検知ノード962が高位側スイッチ582のソースと同じ電位になるようにするために用いられる。コネクタ65、66および67は、単一のワイヤボンディング(図示)、複数の並列のワイヤボンディング、リボン、導電性金属クリップ、または導電材料(たとえばアルミニウム(Al)、金(Au)、銅(Cu)、または他の適切な材料)を含む他のコネクタを備えてもよい。
【0071】
図9に示すように、高位側スイッチ582は、出力プレート912に直接的に取り付けられており、結果として、外部ワイヤコネクタを用いることなく、カスコードスイッチ582のDモードIII-Nトランジスタのゲートが、カスコードスイッチ582の基板を介して、出力プレート912に直接的に電気的に接続される。また、低位側スイッチ583は、グランドプレート913に直接的に取り付けられており、結果として、外部ワイヤコネクタを用いることなく、カスコードスイッチ583のDモードIII-Nトランジスタのゲートが、スイッチ583の基板を介して、グランドプレート912に電気的に接続される。ハイブリッドコンデンサ575が、第1入力リード931と高位側スイッチ582との間で、モジュール900の入力側に接続される。SMPDタイプのパッケージにカスコードスイッチ582および583を集積することにより、産業基準パワーデバイスパッケージへの、ハーフブリッジ回路の簡素化された効率的な集積が可能となる。
【0072】
図10は、集積された電子モジュール1000の上面図であり、図9の電子モジュール900と類似するが、図9に示すモジュールの入力側と比較すると、モジュール1000は、モジュール1000の出力側のグランドプレート1013および高電圧プレート1011の間にハイブリッドコンデンサ1075を接続する。モジュール1000は、高電圧プレート1011と、出力プレート1012と、グランドプレート1013とを含むDBC1010を含み、各プレートは、DBC1010の上部金属層内に形成される溝1014によって分離される。DBC1010は、図5Aおよび図5BのDBC510と同様の態様で構築可能であるが、溝1014からの分離パターンの結果として、代替的な上部金属層構成を生じる。ここで、高位側スイッチ582およびソース検知リード962は、いずれも第1出力プレート1012に直接的に接続され、図6のコネクタ66は省略される。モジュール1000のコネクタ66’は、出力プレート1012に接続される第1側と、出力プレート1012’に接続される第2側とを有する。出力ノード992は第2出力プレート1012’に直接的に接触し、これによって、出力ノード992とカスコードスイッチ582のソースとが同じ電位となる。
【0073】
図11は、集積電子モジュール1100の上面図であり、図10の電子モジュール1000に類似するが、モジュール1100は、高電圧プレート1111とグランドプレート1113に接続するために、直列に接続された2つの別々のコンポーネントとして、コンデンサ1174および抵抗器1175を含み(単一のハイブリッドコンポーネント1075を用いるモジュール1000とは異なる)、これによって、高電圧プレート1111をDBC1110のACグランドに維持する。2つの別々のコンポーネントを用いることにより、パッケージの性能を変更するために、回路設計者によって用いられる追加のコンポーネントの選択が可能となる。加えて、コンデンサ1174および抵抗器1175の相対的な順序は交換可能である。
【0074】
図12は、集積電子モジュール1200の上面図であり、図10の電子モジュール1000に類似するが、モジュール1200は、ソースフェライトビーズ1266(高位側スイッチ582のソース電圧に電気的に結合される第1端子と、出力リード992に電気的に結合される第2端子とを有する)を用いて実装される。ソースフェライトビーズ1266は、当該フェライトビーズが、図10のコネクタ66’と同様に高電圧プレート1011をブリッジするよう実装可能である。コネクタ66’の使用に代えてソースフェライトビーズ1266でモジュール1200を実装することにより、出力ノードにおいて電圧リンギングおよび他のノイズを抑制することに寄与し、これによって、ハーフブリッジモジュールの動作がさらに改善可能である。
【0075】
図13Aおよび図13Bは、モジュール900~1200について使用可能な、完全にカプセル化されたSMPDタイプのパッケージの外部レンダリングの、それぞれ側面図および上面図を示す。カプセル化されたパッケージは、モールド化合物1311(プラスチック、エポキシ、金属または集積電子モジュールの各コンポーネントを気密にシールし電気的にカプセル化するための他の適切な材料)を含む。
【0076】
集積電子モジュール900、1000、1100および1200は、表面取り付けパワーデバイス(SMPD)パッケージタイプを示すが、クアッドフラットノーリード(quad flat no-lead)(QFN)または無損失パッケージ(loss-free package)(LFPAK)、または、高位側582および低位側スイッチ583を適切に収容してハーフブリッジ回路を形成可能な他のタイプの適切なモジュールパッケージ、等の代替的なモジュールパッケージも使用可能である。モジュール900~1200の各コンポーネントは、設計者およびパッケージタイプのニーズに最もよく適合する態様で配置または配列可能である。
【0077】
図14は、集積電子モジュール1400の上面図であり、図5Aの電子モジュール500に類似するが、モジュール1400は、並列に接続された2つの高位側スイッチ(582および582a)と、並列に接続された2つの低位側スイッチ(583および583a)とを用いて実装される。コネクタ41aが、高電圧プレート11を、高位側スイッチ582aの各Dモードトランジスタのドレイン電極36aに接続する。コネクタ42aが、高位側スイッチ582aのEモードトランジスタのソース電極51aを、出力プレート12に接続する。コネクタ43aが、出力プレート12を低位側スイッチ583aのDモードトランジスタのドレイン電極36a’に接続し、コネクタ44aが、低位側スイッチ583aのEモードトランジスタのソース電極51a’を、グランドプレート13に接続する。第1入力リード572は、高位側スイッチ582および582aそれぞれのEモードトランジスタのゲート電極に接続され、第2入力リード573は、低位側スイッチ583および583aそれぞれのEモードトランジスタのゲート電極に接続される。ここで、第1高位側スイッチ582の基板および第2高位側スイッチ582aの基板は、いずれも、出力プレート12を形成するDBC1410の上部金属層の同じ部分に接触して電気的に接続される。また、第1低位側スイッチ583の基板および第2低位側スイッチ583aの基板は、いずれも、グランドプレート13を形成するDBC1410の上部金属層の同じ部分に接触して電気的に接続される。並列に接続された複数のスイッチを、上部金属層の同じ部分に取り付けてモジュール1400を構成することにより、モジュールの動作性能が改善され、全体的な定格パワーをはるかに高くできる。
【0078】
モジュール1400の動作中、第1入力リード572がオンまたはオフに切り替わると、スイッチ582および582aの双方が同時にオンまたはオフに切り替わる。同様に、第2入力リード573がオンまたはオフに切り替わると、スイッチ583および583aの双方が同時にオンまたはオフに切り替わる。典型的には、複数の分散コンポーネントを用いてハーフブリッジ回路を並列化すると、高速でスイッチングされる場合に回路整合問題を起こし得る外部ルーティングワイヤが用いられる。これらのスイッチングトランジスタを同じ電子モジュールに集積することにより、スイッチング不整合問題が緩和され、全体的な回路性能が改善され得る。図14には2つの高位側スイッチおよび2つの低位側スイッチを示すが、たとえば3つまたは4つの高位側スイッチおよび低位側スイッチを並列に接続してもよい。理論的には、このようにして並列化可能なスイッチの数に制限はない。
【0079】
図1Bに戻り、三相フルブリッジ回路120の回路概略が示されている。回路120内の3つのハーフブリッジ122、124および126はそれぞれ、集積電子モジュール(たとえば本明細書で説明する電子モジュール300~1400)を用いて実装可能である。
【0080】
図15は、集積三相フルブリッジ回路(たとえば図1Bの回路120)を単一パッケージ内に含む電子モジュール1500の上面図である。第1相ハーフブリッジ回路は、高位側スイッチ82および低位側スイッチ83を含む。第2相ハーフブリッジ回路は、高位側スイッチ82’および低位側スイッチ83’を含む。第3相ハーフブリッジ回路は、高位側スイッチ82’’および低位側スイッチ83’’を含む。高位側スイッチおよび低位側スイッチは、すべて図6のカスコードスイッチ600を用いて実装可能である。モジュール1500はDBC層1510を含み、DBC1510の上部金属層は、DBC1510の上部金属層を通って形成される溝1514によって分離される少なくとも5つの部分にパターン化される。第1部分は、高電圧プレート14として機能し、これは高電圧リード91を介してDC高電圧に接続されるよう構成される。第2部分は、出力プレート15として機能し、これは第1相の出力ノード92に接続される。第3部分は、出力プレート16として機能し、これは第2相の出力ノード92’に接続される。第4部分は、出力プレート17として機能し、これは第3相の出力ノード92’’に接続される。第5部分は、グランドプレート18として機能し、これはグランドリード93を介してDCグランドに接続されるよう構成される。
【0081】
高位側スイッチ82、82’および82’’の基板は、それぞれ、出力プレート15、16および17に接触して電気的に接続される。低位側スイッチ83、83’および83’’の基板は、グランドプレート18に接触して電気的に接続され、すべての低位側スイッチが、DBC1510の同じ金属部分に接触して電気的に接続される。高位側スイッチ82、82’および82’’の各基板は互いに電気的に絶縁される。高位側スイッチ82のDモードトランジスタノードのドレイン電極36は、コネクタ41で高電圧プレート14に接続され、高位側スイッチ82’のDモードトランジスタのドレイン電極36’は、コネクタ41’で高電圧プレート14に接続され、高位側スイッチ82’’のDモードトランジスタのドレイン電極36’’は、コネクタ41’’で高電圧プレート14に接続される。高位側スイッチ82のEモードトランジスタノードのソース電極34は、コネクタ42で出力プレート15に接続され、高位側スイッチ82’のEモードトランジスタのソース電極34’は、コネクタ42’で出力プレート16に接続され、高位側スイッチ82’’のEモードトランジスタのソース電極34’’は、コネクタ42’’で出力プレート17に接続される。低位側スイッチ83のDモードトランジスタのドレイン電極56は、コネクタ43で第1相出力プレート15に接続され、低位側スイッチ83’のDモードトランジスタのドレイン電極56’は、コネクタ43’で第2相出力プレート16に接続され、低位側スイッチ83’’のDモードトランジスタのドレイン電極56’’は、コネクタ43’’で第3相出力プレート17に接続される。低位側スイッチ83のEモードトランジスタノードのソース電極54は、コネクタ44でグランドプレート18に接続され、低位側スイッチ83’のEモードトランジスタのソース電極54’は、コネクタ44’でグランドプレート18に接続され、低位側スイッチ83’’のEモードトランジスタのソース電極54’’は、コネクタ44’’でグランドプレート18に接続される。
【0082】
ゲートドライバは、各高位側スイッチを動作させるための3つの独立ゲート信号と、各低位側スイッチを動作させるための3つの独立ゲート信号とを用いて、モジュール1500を動作させる。ゲートドライバからの各独立高位側ゲート信号は、ゲート入力ノード94、94’および94’’に接続可能であり、ゲートドライバからの各低位側ゲート信号は、ゲート入力ノード95、95’および95’’に接続可能である。図1Bの三相フルブリッジ回路120を単一の集積電子デバイスモジュール1500に集積することにより、スイッチング効率を大きく改善し、同時に回路の複雑さを低減させることができる。簡潔のため図示しないが、モジュール1500は、モジュール1500のコンポーネントとして同じパッケージ内に入れられた集積ゲートドライバを含んでもよい。ゲートドライバは、図16に関して以下に説明するのと同様の態様で構成可能である。
【0083】
図16は、図5Aの集積電子ハーフブリッジモジュール500と同様のハーフブリッジ回路を形成する集積電子モジュール1600の上面図である。しかしながら、モジュール1600は、高位側スイッチ582および低位側スイッチ583と同じモジュールパッケージ内に集積されるゲートドライバ1620も含む。類似の番号が付されたコンポーネントは、モジュール500におけるものと同じまたは同様の特徴を含む。モジュール1600はDBC1610を含む。DBC1610は、高電圧プレート511、出力プレート512およびグランドプレート513を含み、任意選択でドライバプレート515を含み、これらはすべて溝516によって分離される。ゲートドライバ1620は、ドライバプレート515に取り付けられてもよく、または代替的に、ゲートドライバ1620はモジュールの構成的パッケージベース(たとえば銅またはNiリードフレーム(図示せず))に直接的に取り付けられてもよい。ドライバプレート515は、ゲートドライバ1620から延びまたはこれに接続される複数のリードを収容し取り付けるために、複数の部分に構成されてもよい。ゲートドライバ1620は、少なくとも、高位側スイッチ582のEモードトランジスタのゲート電極652に接続する第1端子1622(VIN582)を含む。ゲートドライバ1620は、高位側ソース電流検知ノードである第2端子1623を含み、これは出力プレート512に接続され、または任意選択で、高位側スイッチ582のEモードトランジスタのソース電極651に直接的に接続される(図示せず)。ゲートドライバ1620は、低位側スイッチ583のEモードトランジスタのゲート電極652’に接続する第3端子1624(VIN583)を含む。ゲートドライバ1620は、低位側ソース電流検知ノードである第4端子1626を含み、これはグランドプレート513に接続され、または任意選択で、高位側スイッチ583のEモードトランジスタのソース電極651’に直接的に接続される(図示せず)。ゲートドライバ1620をモジュール1600に集積することにより、モジュール500に比べてコストおよび複雑さは増加するが、モジュール1600の全体的な性能は、外部ゲートドライバで動作するモジュール500より良くなる可能性がある。加えて、モジュール1600が組み込まれ得る電子回路コンポーネントの全体的なサイズは低減可能であり、結果としてコスト節約および他の利点につながる。図示しないが、ゲートドライバ1620は、2つの個別のゲートドライバであってもよく、これによって、第1ゲートドライバは高位側スイッチに接続され、第2ゲートドライバは低位側スイッチに接続される。
【0084】
図17は、図16の集積電子ハーフブリッジモジュール1600に類似したハーフブリッジ回路を形成する集積電子モジュール1700の上面図である。しかしながら、モジュール1700は、ゲートドライバ1720内に高位側スイッチ582のEモードトランジスタと低位側スイッチ583のEモードトランジスタとが集積されたゲートドライバ1720を含む。高位側DモードIII-Nトランジスタ1782は、出力プレート512に取り付けられ、低位側DモードIII-Nトランジスタ1783は、グランドプレート513に取り付けられる。ゲートドライバ1720は、少なくとも、高位側スイッチの集積Eモードトランジスタのソースを出力プレート512に接続する第1端子1721を含む。この接続は、Eモードトランジスタのソースを、出力端子592と、高位側DモードIII-Nトランジスタ1782の導電性基板とに結合する。ゲートドライバ1722は、高位側スイッチの集積Eモードトランジスタのドレインを高位側DモードIII-Nトランジスタ1782のソース電極634に接続する第2端子1722を含む。ゲートドライバ1720は、低位側スイッチの集積Eモードトランジスタのソースをグランドプレート513に接続する第3端子1724を含む。この接続は、Eモードトランジスタのソースを、グランド端子593と、低位側DモードIII-Nトランジスタ1783の導電性基板とに結合する。ゲートドライバ1722は、低位側スイッチの集積Eモードトランジスタのドレインを、低位側DモードIII-Nトランジスタ1783のソース電極634’に接続する第4端子1725を含む。高位側スイッチおよび低位側スイッチのEモードトランジスタをゲートドライバ1720に集積することにより、モジュール1600に比べてモジュール1700の複雑さを低減でき、全体的な組み立てコストを低減できる。図示しないが、ゲートドライバ1720は、代替的に、2つの個別のゲートドライバであってもよく、第1ゲートドライバは高位側スイッチに接続され、第2ゲートドライバは低位側スイッチに接続される。
【0085】
いくつかの実施形態を説明した。しかしながら、本明細書に記載される技術およびデバイスの精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正を施すことができるということが理解される。したがって、他の実装も添付の特許請求の範囲内である。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17