(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-04
(45)【発行日】2025-06-12
(54)【発明の名称】浴室センサシステム、及び浴室センサシステムの制御方法。
(51)【国際特許分類】
F24H 15/196 20220101AFI20250605BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20250605BHJP
A61B 5/022 20060101ALI20250605BHJP
A61B 5/0245 20060101ALI20250605BHJP
A61B 5/08 20060101ALI20250605BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20250605BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20250605BHJP
【FI】
F24H15/196 301Y
A61B5/02 310Z
A61B5/022 400L
A61B5/0245 100A
A61B5/08
F24H15/196 301V
F24H15/196 301X
F24H15/196 301Z
G08B21/02
G08B25/04 K
(21)【出願番号】P 2021196389
(22)【出願日】2021-12-02
【審査請求日】2024-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】神田 冬威
(72)【発明者】
【氏名】浅井 森介
(72)【発明者】
【氏名】国宗 清美
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-022678(JP,A)
【文献】特開2019-154930(JP,A)
【文献】特開2003-070756(JP,A)
【文献】特開2020-038449(JP,A)
【文献】特開2005-334394(JP,A)
【文献】特開2018-159488(JP,A)
【文献】特開2021-117882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00 - 15/493
G08B 21/00 - 25/14
A61B 5/00 - 5/398
A47K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーのリスクを管理する浴室センサシステムであって、
浴槽内のユーザーのバイタル情報を検出するバイタル検出部と、
検出された前記ユーザーの前記バイタル情報に基づいて、該ユーザーの体調変化に起因するリスク情報を提示する提示部と
、
前記バイタル情報が、前記ユーザーが安全に浴槽から出ることが可能なバイタルを示す基準バイタル情報と同じである、または前記基準バイタル情報よりも高リスクであるか否かを判定する第1判定を行う第1判定部と、
前記バイタル情報の変化が、前記ユーザーの身体に異常が生じない前記バイタル情報の変化基準を超えるか否かを判定する第2判定を行う第2判定部と、を備え、
前記第1判定部が、前記バイタル情報が前記基準バイタル情報と同じである、または前記基準バイタル情報よりも高リスクであると判定した場合に、前記第1判定の結果を前記リスク情報に含め、
前記第1判定部が前記第1判定を行う前に、前記第2判定部が、前記ユーザーの前記バイタル情報の変化が前記バイタル情報の変化基準を超えると判定した場合に、前記第2判定の結果を前記リスク情報に含める、
浴室センサシステム。
【請求項2】
前記変化基準は、過去の所定期間における、前記ユーザーの前記バイタル情報の変化率の平均値または中央値である、請求項
1に記載の浴室センサシステム。
【請求項3】
浴槽および前記浴槽周辺の温度を検出するサーマル検出部を備え、
前記第1判定部は、前記サーマル検出部が検出する前記浴槽および前記浴槽周辺の温度に基づき、前記ユーザーが前記浴槽内に位置するか否かをさらに判定する、
請求項
1または2に記載の浴室センサシステム。
【請求項4】
前記バイタル検出部は、前記浴槽への給湯開始時に前記バイタル情報の検出を開始する、
請求項
3に記載の浴室センサシステム。
【請求項5】
前記提示部は、前記リスク情報を表示する表示部、および前記リスク情報を音声または報知音によって出力する音出力部のうち少なくとも1つを備える、請求項1~
4のいずれか1項に記載の浴室センサシステム。
【請求項6】
浴室外の外部機器と通信可能な通信部をさらに備え、
前記通信部は、前記リスク情報を前記外部機器に送信し、前記外部機器からの信号を受信する、
請求項1~
5のいずれか1項に記載の浴室センサシステム。
【請求項7】
ユーザーのリスクを管理する浴室センサシステムの制御方法であって、
浴槽内のユーザーのバイタル情報を検出する検出ステップと、
前記バイタル情報の変化が、前記ユーザーの身体に異常が生じない前記バイタル情報の変化基準を超えるか否かを判定する第2判定を行う第2判定ステップ、と、
前記バイタル情報が、前記ユーザーが安全に浴槽から出ることが可能なバイタルを示す基準バイタル情報と同じである、または前記基準バイタル情報よりも高リスクであるか否かを判定する第1判定を行う第1判定ステップと、
検出された前記ユーザーの前記バイタル情報に基づいて、該ユーザーの体調変化に起因するリスク情報を提示する提示ステップと、を含
み、
前記第1判定ステップにおいて、前記バイタル情報が前記基準バイタル情報と同じである、または前記基準バイタル情報よりも高リスクであると判定した場合に、前記第1判定の結果を前記リスク情報に含め、
前記第1判定ステップにおいて前記第1判定を行う前に、前記第2判定ステップにおいて、前記ユーザーの前記バイタル情報の変化が前記バイタル情報の変化基準を超えると判定した場合に、前記第2判定の結果を前記リスク情報に含める、
浴室センサシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は浴室センサシステム、及び浴室センサシステムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入浴者の状態を検知し、入浴者の入浴中での事故を防止することが求められてきた。例えば、特許文献1には、浴槽内に入浴者の心拍数を計測する心拍電極などが設置され、心拍数に異常があると判別されたときに、台所リモコン、および浴室リモコンにおいて異常報知させる浴室システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の浴室システムは、入浴者の心拍数に異常が生じてから異常報知をする態様であった。
【0005】
本開示の一態様は、ユーザーのリスクを管理する浴室センサシステムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る浴室センサシステムは、ユーザーのリスクを管理する浴室センサシステムであって、浴槽内のユーザーのバイタル情報を検出するバイタル検出部と、検出された前記ユーザーの前記バイタル情報に基づいて、該ユーザーの体調変化に起因するリスク情報を提示する提示部とを備える。
【0007】
本開示の一態様に係る浴室センサシステムの制御方法は、ユーザーのリスクを管理する浴室センサシステムの制御方法であって、浴槽内のユーザーのバイタル情報を検出する検出ステップと、検出された前記ユーザーの前記バイタル情報に基づいて、該ユーザーの体調変化に起因するリスク情報を提示する提示ステップとを含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、ユーザーのリスクを管理する浴室センサシステムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1に係る浴室センサシステムの要部構成を示すブロック図である。
【
図2】サーマル検出部が取得する画像を説明するための図である。
【
図3】入浴時間と、バイタル情報との相関関係の一例を示す図である。
【
図5】浴室センサ装置の外観の一例を示す図である。
【
図6】浴室センサ装置の外観の一例を示す図である。
【
図7】実施形態1に係る浴室センサシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態2に係る浴室センサシステムの要部構成を示すブロック図である。
【
図9】実施形態2に係る浴室センサシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本開示の一実施形態について、詳細に説明する。
【0011】
<浴室センサシステムの概要>
図1は、本実施形態に係る浴室センサシステム1の要部構成を示すブロック図である。
【0012】
浴室センサシステム1は、入浴しているユーザーのバイタル情報を検出し、体調変化に起因するリスク情報を提示するシステムである。入浴しているユーザーとは、浴槽の湯に浸かっているユーザーである。本明細書においては、「入浴」とは、浴槽の湯に浸かっている状態のことを指す。バイタル情報は、ユーザーのバイタルに関する情報であってよく、例えば、心拍数、呼吸数、脈拍、体温、血圧などを含む。
【0013】
浴室センサシステム1は、リスク情報をユーザーに提示することにより、ユーザーに自身の身体の状態を自覚させ、ユーザーが自力で退浴できるためのきっかけを与えることができる。また、浴室センサシステム1は、外部機器50と通信可能に接続されていてよく、外部機器50にリスク情報を送信し、例えば、別居しているユーザーの家族にユーザーの身体の状態などを知らせることができる。
【0014】
<浴室センサシステムの構成の詳細>
続いて、
図1を参照して、浴室センサシステム1の要部構成の詳細について説明する。
図1に示すように、浴室センサシステム1は、浴室センサ装置10、及びモニター40を備える。また、浴室センサ装置10は、サーバ30を備えていてもよい。
【0015】
サーバ30は、後述する基準バイタル情報、ユーザーの過去のバイタル情報がユーザー毎に格納されていてよい。
【0016】
浴室センサ装置10は、浴室センサシステム1の全体を統合的に管理、制御する装置である。浴室センサ装置10は、サーマル検出部200、バイタル検出部100、制御部110、提示部120、通信部130、及び記憶部140を備える。
【0017】
サーマル検出部200は、浴槽および浴槽周辺の温度を検出する。サーマル検出部200は、一例として、熱分布画像を撮影する赤外線サーモグラフィカメラであってよい。サーマル検出部200が設置される位置は、浴槽および浴槽周辺の温度を検出できる場所であれば特に限定されないが、例えば、ユーザーと対面する位置に設置されてよい。サーマル検出部200が撮影する熱分布画像の画素は特に限定されないが、例えば、32×32であってもよく、16×16であってもよく、8×8であってもよい。
【0018】
図2は、サーマル検出部200が取得する熱分布画像を説明するための図である。画像P1は実際にユーザーが湯に浸かっている浴槽の状態を示す図、画像P2は画像P1の浴槽の状態をサーマル検出部200によって取得した熱分布画像である。また、画像P3はユーザーが不在で湯が入っている浴槽の状態を示す図、画像P4はP3の浴槽の状態をサーマル検出部200によって取得した熱分布画像である。一例として、画像P2およびP4において、黒い画素は、所定の温度以上である熱分布を示し、白い画素は、所定の温度未満である熱分布を示すものであってよい。
【0019】
サーマル検出部200が取得した熱分布画像によれば、浴槽に湯が入っているか、浴槽内に人が位置するのかを判定可能である。例えば、
図2の画像P2と、画像P4とを比較すると、互いに黒い画素の配置が異なる。具体的には、画像P2においては、ユーザーの肩および頭の部分に対応する、黒で示される特徴的な画素a~dが現れる。また、図示はしないが、浴槽に湯が入っていない場合は、熱分布画像に黒い画素が存在しない。
【0020】
また、サーマル検出部200は、後述する浴槽への給湯開始、及び給湯停止を検出してもよい。サーマル検出部200の給湯開始の検出をトリガーとして、後述するバイタル検出部100の検出処理が開始されてもよい。
【0021】
給湯停止後の、湯が入っている浴槽の状態をサーマル検出部200によって、予め検出しておくことによって、ユーザーが入浴する際の熱分布状態を精度高く検出可能である。例えば、浴槽に湯が入っている、
図2の画像P4の熱分布状態を検出しておくことにより、ユーザーが浴槽に入ったときの黒い画素の配置に基づいて、ユーザーの身体のどの部分が水面より上に位置しているかが容易に判別可能である。例えば、黒い画素の分布状態が検出されることにより、ユーザーの身体の頭部のみが水面より上に位置しているか、上半身が水面より上に位置しているかが判別可能である。すなわち、ユーザーが全身浴をしているか、または半身浴をしているかなどのユーザーの状態が判別可能である。
【0022】
また、サーマル検出部200が、湯が入っている浴槽の熱分布状態を予め検出しておき、検出した熱分布状態を記憶しておくことによって、ユーザーが溺水している虞を、例えば、後述する第1判定部111が判定してもよい。例えば、熱分布状態は、記憶部140、又はサーバ30に格納されてもよい。例えば、浴槽の湯の量が、給湯停止後の湯の量よりも増えているにもかかわらず、ユーザーの身体の一部が水面よりも上に出ていないことが熱分布画像から判定された場合は、ユーザーの身体が湯に沈んでいる可能性が高く、溺水している虞があると判定されてもよい。浴槽の湯の量は、例えば、水位計で検出されてもよく、サーマル検出部200が取得する熱分布画像によって検出されてもよい。
【0023】
バイタル検出部100は、浴槽内のユーザーのバイタル情報を検出する。バイタル検出部100は、一例として、非接触の心拍数検出器、非接触の呼吸数検出器であってよい。非接触の心拍数検出器、非接触の呼吸数検出器としては、既存の心拍数検出器、呼吸数検出器が利用できる。また、バイタル検出部100は、脈拍、体温、血圧を検出してもよい。バイタル検出部100は、所定時間毎にバイタル情報を検出してよく、例えば、数秒毎、数分毎にバイタル情報を検出してもよい。また、バイタル検出部100は、ユーザーのバイタル情報と共に、バイタル情報を検出する時の浴槽の湯温を検出してもよい。
【0024】
バイタル検出部100は、浴槽への給湯開始時にバイタル情報の検出を開始してもよい。給湯が開始されたか否かは、例えば、上述のサーマル検出部200によって、検出されてもよい。例えば、サーマル検出部200が、浴槽の温度の変化を検出した時点、すなわち浴槽の温度が高くなったことを検出した時点を給湯開始時としてもよい。
【0025】
上記の構成によれば、浴室センサシステム1は、浴槽への給湯開始時に、バイタル情報の検出を開始する。これにより、浴室センサシステム1は、給湯が開始された場合、すなわちユーザーがこれから浴槽に浸かる可能性が高い場合に、予めバイタルの検出を開始することができる。また、給湯が開始されたことをトリガーにバイタル情報の検出を開始することで、バイタル検出部100が常時検出処理を行う必要がなく、省電力化によりエネルギー効率が改善できる。これにより、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献できる。
【0026】
制御部110は、浴室センサ装置10の動作を統合的に制御し、第1判定部111及びリスク情報生成部113を備える。
【0027】
第1判定部111は、バイタル情報が、ユーザーが安全に浴槽から出ることが可能なバイタルを示す基準バイタル情報と同じである、または基準バイタル情報よりも高リスクであるか否かを判定する第1判定を行う。また、第1判定部111は、バイタル情報が、基準バイタル情報と同じである、または基準バイタル情報よりも高リスクであると判定した場合に、第1判定の結果をリスク情報に含める。
【0028】
ここで、基準バイタル情報は、例えば、ユーザーが過去に入浴したときの入浴時間と、該入浴時間に対応するユーザーのバイタル情報とから生成される情報であってよい。例えば、ユーザーが浴槽の湯に浸かった時点を入浴開始時間として、該入浴開始時間から連続して浴槽に浸かっている時間を入浴時間としてもよい。基準バイタル情報は、例えば、所定日数における、ユーザーの入浴時間に対応するバイタル情報の平均値または中央値であってよい。所定日数は、特に限定されないが、例えば、数日から数十日であってよい。
【0029】
また、基準バイタル情報は、入浴時間毎のバイタル情報の平均値または中央値であってよい。例えば、所定入浴時間毎の心拍数を10日間検出し、所定入浴時間毎の心拍数の10日間の平均値または中央値を基準バイタル情報とし、所定入浴時間毎に第1判定がされてもよい。所定入浴時間は特に限定されない。一例として、入浴時間数秒毎に第1判定がされてもよく、入浴時間数分毎に第1判定がされてもよい。
【0030】
バイタル情報が、基準バイタル情報と同じであると判定されるのは、例えば、第1判定が行われる所定時間が10分である場合、ユーザーの10分間入浴時の心拍数が、所定期間の10分間入浴時の心拍数の平均値または中央値と同じになった場合である。また、バイタル情報が基準バイタル情報よりも高リスクであると判定されるのは、例えば、ユーザーの10分間の入浴時の心拍数が、所定期間の10分間の入浴時の心拍数の平均値または中央値よりも高くなった場合である。
【0031】
図3は、入浴時間と、バイタル情報との相関関係の一例を示す図である。一例として、
図3では、バイタル情報は心拍数である。
図3のグラフには、横軸にユーザーの入浴時間、縦軸にユーザーの心拍数が示されている。通常、ユーザーの心拍数は、入浴時間に伴い上昇する傾向にある。一例として、入浴時間10分のユーザーの基準バイタル情報が、心拍数110bpmである場合(
図3の三角マークで示されるプロット)、実測のバイタル情報は基準バイタル情報よりも高い。この場合、第1判定部111は、バイタル情報が基準バイタル情報よりも高リスクであると判定してもよい。
【0032】
基準バイタル情報は、例えば、記憶部140に格納されていてもよく、浴室センサ装置10と接続されるサーバ30に格納されていてもよい。また、基準バイタル情報は、ユーザーの最新の入浴時のバイタル情報を加えることにより逐次更新されてもよい。
【0033】
バイタル情報は入浴するユーザーによって個人差があるため、入浴しているユーザー毎に基準バイタル情報が生成されてもよい。ユーザーの基準バイタル情報が存在しない場合、すなわち、ユーザーが浴室センサシステム1を備える浴室の浴槽に初めて入る場合は、予め登録された、一般的に入浴者が安全に浴槽から出ることが可能なバイタルを示すバイタル情報が基準バイタル情報として利用されてもよい。
【0034】
第1判定部111は、上述したサーマル検出部200が検出する浴槽および浴槽周辺の温度に基づき、ユーザーが浴槽内に位置するか否かを判定してもよい。
【0035】
リスク情報生成部113は、第1判定部111が判定した結果に基づいて、リスク情報を生成する。リスク情報生成部113は、ユーザーに提示されるためのリスク情報を生成してもよい。リスク情報は、バイタル情報自体を含んでもよく、バイタル情報に基づいて生成される情報を含んでもよい。バイタル情報自体とは、例えば、心拍数の値を示す数字であってよい。バイタル情報に基づいて生成される情報とは、例えば、心拍に合わせて動くハートのアニメーション、心拍を表すグラフ、心拍数の値によって変わる背景色などであってよい。また、リスク情報は、上述の第1判定の結果を含んでもよく、該結果を示すテキスト、音声、報知音などを出力するための情報であってもよい。リスク情報生成部113は、「心拍数が普段より高いようです。」、「体に負担がかかっている虞があります。」、「大丈夫ですか?」などのテキスト情報、または音声情報を生成してもよい。
【0036】
また、リスク情報生成部113は、提示部120に提示するためのリスク情報とは別に、外部機器50に送信されるためのリスク情報を生成してもよい。外部機器50は、予め登録されているスマートフォン、PC、タブレットPCなどの通信端末であってよい。具体的には、別居しているユーザーの家族が所有しているスマートフォンが想定される。外部機器50に送信されるためのリスク情報には、例えば、ユーザーに提示されるリスク情報の他に、ユーザーが入浴を開始したことの情報が含まれていてもよい。
図4は、外部機器50の表示画面510に表示されるリスク情報の一例を示す図である。リスク情報生成部113は、外部機器50の所有者に向けたテキスト情報を生成してもよい。テキスト情報としては、一例として、
図4の表示欄5101に表示されるように、「○○さんが現在入浴中です。普段より心拍数が高いようです。呼びかけますか?」のようなテキストであってよい。また、
図4の表示欄5102に表示されるように、入浴中のユーザーに呼びかけるか否かを選択するための選択肢が表示されてもよい。表示欄5102の選択肢において、「呼びかける」が選択された場合は、通信部130を介して、浴室内の提示部120に外部機器50から信号を受信したことが提示されてもよい。
【0037】
提示部120は、ユーザーのバイタル情報に基づいて、リスク情報生成部113が生成した、ユーザーの体調変化に起因するリスク情報を提示する。提示部120は、表示デバイスであってよい。
【0038】
図5は、浴室センサ装置10の外観の一例を示す図である。浴室センサ装置10は、提示部120を備えており、提示部120は、表示部121及び音出力部122のうち少なくとも1つを備えていてよい。表示部121は、リスク情報を画像、テキストなど、ユーザーが視認可能な視覚情報として表示する。表示部121は、一例として、液晶パネル、または有機ELパネルであってよい。また、音出力部122は、リスク情報を音声または報知音によって出力する。音出力部122は、例えばスピーカであってよい。これによれば、ユーザーが視覚及び聴覚の少なくとも1つによって、リスク情報を知ることができる。
【0039】
図5では、一例として、表示部121に心拍数の値を示す数字、心拍に合わせて動くハートのアニメーション、及び心拍をイメージする波線が表示されている。表示部121は、第1判定の結果を背景色で示してもよい。表示部121は、一例として、バイタル情報が基準のバイタル情報よりも低い場合は背景色を青色、バイタル情報が基準のバイタル情報と同じである場合は背景色を黄色、バイタル情報が基準のバイタル情報よりも高い場合は背景色を赤色としてもよい。
【0040】
音出力部122は、一例として、バイタル情報が基準のバイタル情報よりも低い場合は音楽、バイタル情報が基準のバイタル情報と同じである場合は報知音、バイタル情報が基準のバイタル情報よりも高い場合はユーザーに退浴を促す音声を出力してもよい。
【0041】
浴室センサ装置10は、表示部121及び音出力部122の他に、ユーザーが押下するためのプッシュボタン1201、及びプッシュボタン1202を備えていてもよい。これらのプッシュボタンは後述する通信部130と接続されていてよく、プッシュボタンが押下されることにより、通信部130を介して浴室外のモニター40または外部機器50に押下に基づく信号が送信されてもよい。また、プッシュボタンには、例えば、異常時に押下されうるプッシュボタン1201、及び異常がないことを外部に通知するために押下されうるプッシュボタン1202の2種類があってもよい。また、プッシュボタン1201が押下された場合には、後述する通信部130によって、外部機器50に浴室センサシステム1から異常時である旨の信号が送信されてもよい。
【0042】
通信部130は、浴室外の外部機器50と通信可能に接続され、リスク情報を外部機器50に送信し、外部機器50からの信号を受信してもよい。上述の通り、外部機器50は、予め登録されているスマートフォン、PC、タブレットPCなどの通信端末であってよく、具体的には、別居しているユーザーの家族が所有しているスマートフォンであってよい。
【0043】
外部機器50からの信号を受信した場合に、受信した旨のテキスト情報が提示部120に提示されてもよい。
図6は、浴室センサ装置10の外観の一例を示す図である。
図6に示すように、例えば、通信部130が、外部機器50からユーザーに呼びかける旨の信号を受信した場合に、表示部121に「△△さんが呼びかけています。」のようなテキスト情報を表示してもよい。また、表示部121の表示と共に、音出力部122から、「△△さんが呼びかけています。」という音声情報を出力してもよい。
【0044】
上記の構成によれば、浴室センサシステム1は、ユーザーのリスク情報を外部機器に送信し、外部機器からの信号を受信する。これにより、例えば、ユーザーの別居の家族などが通信端末を介して、入浴者のリスク情報を知ることができる。また、浴室センサシステム1は、家族からの呼びかけなどの信号を受信することができる。
【0045】
記憶部140は、上述したユーザー毎に基準バイタル情報が格納されていてよい。また、記憶部140は、過去に検出されたユーザー毎のバイタル情報が格納されていてもよく、第1判定部111によって判定した過去の結果が格納されていてもよい。
【0046】
モニター40は、浴室外に設置される提示部である。モニター40は、上述した提示部120と同じ提示がされてよく、提示部120に提示されるリスク情報が提示されてよい。モニター40は、ユーザーの同居の家族が浴室内のユーザーの状態を知るために利用されうるため、提示部120と同じく、リスク情報を視認可能な視覚情報として表示する表示部と、リスク情報を音声または報知音によって出力する音出力部とを備えていてよい。
【0047】
モニター40と、浴室センサ装置10とは、有線または無線で通信可能に接続されていてもよい。
【0048】
<浴室センサシステムの処理>
図7は、浴室センサシステム1aの処理を示すフローチャートである。以下、各ステップに従い順に説明する。
【0049】
ステップS1においては、バイタル検出部100がバイタル情報を検出する(検出ステップ)。
【0050】
ステップS2においては、第1判定部111が、ユーザーのバイタル情報が基準バイタル情報と同じであるか、または基準バイタル情報よりも高リスクであるかを判定する第1判定を行う。ユーザーのバイタル情報が基準バイタル情報と同じであると判定された場合、またはユーザーのバイタル情報が基準バイタル情報よりも高リスクであると判定された場合(YESの場合)は、ステップS3に進む。ユーザーのバイタル情報が基準バイタル情報と同じでないと判定され、かつユーザーのバイタル情報が基準バイタル情報よりも低リスクであると判定された場合(NOの場合)は、ステップS3に進む。
【0051】
ステップS3においては、サーマル検出部200の検出結果に基づき、第1判定部111によって、ユーザーが浴槽内に位置するか否かが判定される。ユーザーが浴槽内に位置すると判定された場合(YESの場合)は、ステップS2に戻り、ステップS3においてNOになるまで、ステップS2及びステップS3の処理が繰り返される。ユーザーが浴槽内に位置しないと判定された場合(NOの場合)は、処理を終了する。
【0052】
ステップS4においては、リスク情報生成部113がリスク情報を生成し、ステップS5に進む。
【0053】
ステップS5においては、リスク情報生成部113が生成したリスク情報を、提示部120が提示し(提示ステップ)、ステップS6に進む。
【0054】
ステップS6においては、通信部130がモニター40及び外部機器50にリスク情報を通知し、ステップS7に進む。
【0055】
ステップS7においては、第1判定部111が、提示部120による応答があったか否か、すなわちプッシュボタンによる押下を検知したか否かを判定する。応答があったと判定された場合、すなわちプッシュボタンによる押下を検知した場合(YESの場合)は、ステップS11に進む。応答がないと判定された場合、すなわちプッシュボタンによる押下が検知されない場合は、ステップS8に進む。
【0056】
ステップS8においては、サーマル検出部200の検出結果に基づき、第1判定部111によって、ユーザーが浴槽内に位置するか否かが判定される。ユーザーが浴槽内に位置しないと判定された場合、すなわち、ユーザーが浴槽から出たと想定される場合(NOの場合)は、処理を終了する。ユーザーが浴槽内に位置すると判定された場合、すなわち、ユーザーが浴槽の湯に浸り続けていると想定される場合は、ステップS9に進む。
【0057】
ステップS9においては、第1判定部111によって、ユーザーが溺水している虞があるか否かが判定される。ユーザーが溺水している虞があると判定された場合(YESの場合)は、ステップS10に進む。ユーザーが溺水している虞がないと判定された場合(NOの場合)は、ステップS2に戻る。
【0058】
ステップS10においては、制御部110が浴槽の排水機構(不図示)を制御し、浴槽の排水が行われ、処理が終了する。
【0059】
ステップS11においては、ユーザーにより押下された検出信号が、異常事態(SOS)を示す信号であるか否かが判定される。検出信号が、異常事態を示す信号であると判定された場合(YESの場合)は、ステップS12に進む。検出信号が、異常事態を示す信号ではないと判定された場合(NOの場合)は、ステップS2に戻る。
【0060】
ステップS12においては、異常事態を示す信号が検出されたことをモニター40及び外部機器50に通知して、処理を終了する。
【0061】
上記の構成によれば、浴室センサシステム1は、ユーザーのバイタル情報を検出し、バイタル情報に基づいてリスク情報を提示する。これにより、浴室センサシステム1はユーザーのリスクを管理することができる。よって、例えば、ユーザーが、自身に生じ得るリスクを認識し、身体の異変を自覚する前に安全に退浴することができる。
【0062】
また、浴室センサシステム1は、バイタル情報が、ユーザーが安全に浴槽から出ることが可能なバイタルを示す基準バイタル情報と同じである、または基準バイタル情報よりも高リスクであるか否かを判定する(第1判定)。また、浴室センサシステム1は、バイタル情報が、基準バイタル情報と同じである、または基準バイタルよりも高リスクであると判定した場合に、第1判定の結果を提示する。これにより、浴室センサシステム1は、ユーザーの現在のバイタル情報が、ユーザーが安全に浴槽から出ることが可能なバイタルを示す基準バイタル情報であるかを判定し、その結果を提示することができる。よって、例えば、ユーザーは、自身に適する退浴可能な基準に基づいて、自身に生じ得るリスクを認識することができる。
【0063】
また、浴室センサシステム1は、サーマル検出部200が検出する浴槽および浴槽周辺の温度に基づき、第1判定部111によってユーザーが浴槽に浸かっているか否かを判定する。これにより、浴室センサシステム1は、ユーザーが浴槽に浸かっていることを容易に検出することができる。また、浴室センサシステム1は、サーマル検出部200が検出する浴槽および浴槽周辺の温度に基づき、第1判定部111によってユーザーが溺水している虞があるか否かを判定する。これにより、浴室センサシステム1は、ユーザーが溺水している虞を検出することができる。
【0064】
〔実施形態2〕
本開示の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0065】
図8は、本実施形態に係る浴室センサシステム1aの要部構成を示すブロック図である。浴室センサシステム1aは、浴室センサシステム1と同じく、浴室センサ装置10a、モニター40、及びサーバ30を備えるが、浴室センサ装置10aが第2判定部112を備える点において、浴室センサシステム1とは異なる。
【0066】
第2判定部112は、バイタル情報の変化が、ユーザーの身体に異常が生じないバイタル情報の変化基準を超えるか否かを判定する第2判定を行ってもよい。また、第2判定部112は、第1判定部111が上述の第1判定を行う前に、ユーザーのバイタル情報の変化がバイタル情報の変化基準を超えると判定した場合に、第2判定の結果をリスク情報に含めてもよい。バイタル情報の変化とは、例えば、バイタル情報の変化率であってよく、所定の入浴時間に対するバイタル情報の変化量であってよい。
【0067】
第1判定において、バイタル情報が基準バイタル情報とは同じである、または基準バイタル情報よりも高リスクであると判定される前であっても、例えば、短時間にバイタル情報の大きな変化がある場合は、ユーザーの身体に負担がかかっている虞がある。例えば、入浴の所定時間におけるユーザーの心拍数の大きな上昇及び低下、呼吸数の大きな上昇及び低下などが想定される。このように、第2判定においては、入浴時間に対するバイタル情報の変化量に基づいて、ユーザーのリスクが判定される。
【0068】
変化基準は、過去の所定期間における、ユーザーのバイタル情報の変化率の平均値または中央値であってよい。変化率とは、例えば、所定の入浴時間に対するバイタル情報の変化量でありうる。変化基準は、例えば、ユーザーの所定入浴時間に対する心拍数、脈拍などの変化量であってよい。所定時間は特に限定されないが、例えば、数秒から数分であってよい。過去の所定期間は、特に限定されないが、例えば、数日から数十日であってよい。また、変化基準は、期間にかかわらず、過去のユーザーの入浴回数における、ユーザーのバイタル情報の変化率の平均値または中央値であってもよい。
【0069】
図3に戻り、第2判定部112が行う第2判定の具体例を説明する。例えば、ユーザーの心拍数の変化基準が、10bpm(10拍/分)である場合を想定する。
図3においては、例えば、入浴時間5分を所定期間の始点とした場合、98bpm(ラインN1)からラインN2で示す108bpmまでの変化率D1が変化基準である。また、第1判定で用いられる基準バイタルN3は110bpmであるとする。ユーザーの入浴時間5分から6分の間に、心拍数が98bpmから109bpmに変化した場合、基準バイタルN3(110bpm)よりも低いため、第1判定によってはリスクが高いとは判定されない。しかし、変化率が変化基準を超えるため、第2判定部112は、第2判定の結果をリスク情報に含める。
図3では、心拍数が急に上昇した場合について説明したが、心拍数が急に低下した場合であっても、その変化率が変化基準を超える場合は、第2判定部112は、第2判定の結果をリスク情報に含めてよい。
【0070】
リスク情報生成部113は、第2判定部112が判定した結果に基づいて、リスク情報を生成する。リスク情報生成部113は、第2判定部112が、変化率が変化基準を超えると判定した場合は、第1判定の結果に基づいて生成するリスク情報とは異なるリスク情報を生成してもよい。なぜなら、例えば、心拍の短時間における大きな変化は、ユーザーの身体に異常が生じている虞が高いためである。そのため、リスク情報生成部113は、第2判定の結果に基づくリスク情報を、第1判定の結果に基づくリスク情報よりもユーザーに浴槽から出ることを強く勧めるための情報として生成してもよい。具体的には、リスク情報生成部113は、「心拍数が急に上がりました。」、「大丈夫ですか?」、「ゆっくりお風呂から上がりましょう。」などのテキスト情報、または音声情報を生成してもよい。
【0071】
また、リスク情報生成部113は、提示部120に提示するためのリスク情報とは別に外部機器50に送信されるためのリスク情報を生成してもよい。
【0072】
<浴室センサシステムの処理>
図9は、浴室センサシステム1の処理を示すフローチャートである。以下、各ステップに従い順に説明する。
【0073】
ステップS101においては、バイタル検出部100がバイタル情報を検出する(検出ステップ)。
【0074】
ステップS102においては、第2判定部112がユーザーのバイタル情報の変化がバイタル情報の変化基準を超えるか否かを判定する第2判定を行う。ユーザーのバイタル情報の変化がバイタル情報の変化基準を超えると判定された場合(YESの場合)は、ステップS105に進む。ユーザーのバイタル情報の変化がバイタル情報の変化基準を超えないと判定された場合(NOの場合)は、ステップS103に進む。
【0075】
ステップS103においては、第1判定部111が、ユーザーのバイタル情報が基準バイタル情報と同じであるか、または基準バイタル情報よりも高リスクであるかを判定する第1判定を行う。ユーザーのバイタル情報が基準バイタル情報と同じであると判定された場合、またはユーザーのバイタル情報が基準バイタル情報よりも高リスクであると判定された場合(YESの場合)は、ステップS112に進む。ユーザーのバイタル情報が基準バイタル情報と同じでないと判定され、かつユーザーのバイタル情報が基準バイタル情報よりも低リスクであると判定された場合(NOの場合)は、ステップS104に進む。
【0076】
ステップS104においては、サーマル検出部200の検出結果に基づき、第1判定部111によって、ユーザーが浴槽内に位置するか否かが判定される。ユーザーが浴槽内に位置しないと判定された場合、すなわち、ユーザーが浴槽から出たと想定される場合(NOの場合)は、処理を終了する。ユーザーが浴槽内に位置すると判定された場合、すなわち、ユーザーが浴槽の湯に浸り続けていると想定される場合は、ステップS102に戻る。
【0077】
ステップS105においては、リスク情報生成部113がリスク情報を生成し、ステップS106に進む。
【0078】
ステップS106においては、リスク情報生成部113が生成したリスク情報を、提示部120が提示し(提示ステップ)、ステップS107に進む。
【0079】
ステップS107においては、通信部130がモニター40及び外部機器50にリスク情報を通知し、ステップS108に進む。
【0080】
ステップS108においては、第1判定部111が、提示部120による応答があったか否か、すなわちプッシュボタンによる押下を検知したか否かを判定する。応答があったと判定された場合、すなわちプッシュボタンによる押下を検知した場合(YESの場合)は、ステップS115に進む。応答がないと判定された場合、すなわちプッシュボタンによる押下が検知されない場合は、ステップS109に進む。
【0081】
ステップS109においては、サーマル検出部200の検出結果に基づき、第1判定部111によって、ユーザーが浴槽内に位置するか否かが判定される。ユーザーが浴槽内に位置しないと判定された場合、すなわち、ユーザーが浴槽から出たと想定される場合(NOの場合)は、処理を終了する。ユーザーが浴槽内に位置すると判定された場合、すなわち、ユーザーが浴槽の湯に浸り続けていると想定される場合は、ステップS110に進む。
【0082】
ステップS110においては、第1判定部111によって、ユーザーが溺水している虞があるか否かが判定される。ユーザーが溺水している虞があると判定された場合(YESの場合)は、ステップS111に進む。ユーザーが溺水している虞がないと判定された場合(NOの場合)は、ステップS102に戻る。
【0083】
ステップS111においては、制御部110aが浴槽の排水機構(不図示)を制御し、浴槽の排水が行われ、処理が終了する。
【0084】
ステップS112においては、リスク情報生成部113によってリスク情報が生成され、ステップS106に進む。ここで、生成されるリスク情報は、ステップS105において生成されるリスク情報と異なるものであってよい。
【0085】
ステップS113においては、提示部120にリスク情報が提示され(提示ステップ)、ステップS114に進む。
【0086】
ステップS114においては、通信部130がモニター40及び外部機器50にリスク情報を通知し、ステップS108に進む。
【0087】
ステップS115においては、ユーザーにより押下された検出信号が、異常事態(SOS)を示す信号であるか否かが判定される。検出信号が、異常事態を示す信号であると判定された場合(YESの場合)は、ステップS116に進む。検出信号が、異常事態を示す信号ではないと判定された場合(NOの場合)は、ステップS2に戻る。
【0088】
ステップS116においては、異常事態を示す信号が検出されたことをモニター40及び外部機器50に通知して、処理を終了する。
【0089】
上記の構成によれば、浴室センサシステム1aは、ユーザーのバイタル情報を検出し、バイタル情報に基づいてリスク情報を提示する。これにより、浴室センサシステム1はユーザーのリスクを管理することができる。よって、例えば、ユーザーが、自身に生じ得るリスクを認識し、身体の異変を自覚する前に安全に退浴することができる。
【0090】
また、浴室センサシステム1aは、第1判定を行う前に、入浴のバイタル情報の変化がバイタル情報の変化基準を超えると判定した場合に、第2判定の結果をリスク情報に含めて提示する。これにより、浴室センサシステムは、ユーザーのバイタル情報の急峻な変化を検出した場合に、判定の結果を提示することができる。よって、第1判定部111によって高リスクであると判定される前であっても、ユーザーの身体の変化があった場合には、生じ得るリスクをユーザーに認識させることができる。また、ユーザーが安全に浴槽から出ることができる可能性が高くなる。
【0091】
〔ソフトウェアによる実現例〕
浴室センサ装置(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部110に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0092】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0093】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0094】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本開示の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0095】
以上、本開示に係る発明について、諸図面および実施例に基づいて説明してきた。しかし、本開示に係る発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。すなわち、本開示に係る発明は本開示で示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示に係る発明の技術的範囲に含まれる。つまり、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正を行うことが容易であることに注意されたい。また、これらの変形または修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。
【符号の説明】
【0096】
1、1a 入浴センサシステム
10、10a 浴室センサ装置
100 バイタル検出部
111 第1判定部
112 第2判定部
120 提示部
121 表示部
122 音出力部
130 通信部
200 サーマル検出部