(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-04
(45)【発行日】2025-06-12
(54)【発明の名称】電池収容構造及び玩具
(51)【国際特許分類】
H01M 50/271 20210101AFI20250605BHJP
A63H 29/22 20060101ALI20250605BHJP
H01M 50/202 20210101ALI20250605BHJP
H01M 50/247 20210101ALI20250605BHJP
H01M 50/216 20210101ALI20250605BHJP
【FI】
H01M50/271 B
A63H29/22 G
H01M50/271 S
H01M50/202 501B
H01M50/247
H01M50/216
(21)【出願番号】P 2023180671
(22)【出願日】2023-10-20
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】仲野 剛史
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 航
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204792984(CN,U)
【文献】特開2023-102258(JP,A)
【文献】特表2015-527924(JP,A)
【文献】特開2008-010225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/00 - 50/298
A63H 29/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池を収容可能な電池収容部が形成された第一部材と、
前記電池収容部の解放口を覆う第二部材と、
前記第二部材を前記第一部材に固定するねじ部材と、
を備え、
前記第一部材は、前記第二部材と対向する領域に第1方向に貫通する貫通孔を有し、
前記第二部材は、前記貫通孔に挿通された前記ねじ部材の先端部と連結可能なねじ受け孔部を有
し、
前記ねじ受け孔部には、前記ねじ部材が螺合する保持部材が設けられ、前記保持部材の外周面に当接して前記保持部材を固定する保持部材嵌合凹部が設けられている、電池収容構造。
【請求項2】
請求項1に記載の電池収容構造であって、
前記第一部材の前記第二部材とは反対側の面から前記ねじ部材を前記貫通孔に挿通することで、前記第二部材を前記第一部材に固定する、電池収容構造。
【請求項3】
請求項2に記載の電池収容構造であって、
前記ねじ受け孔部は、前記第二部材における前記電池収容部側とは反対側の面に非露出となっている、電池収容構造。
【請求項4】
請求項3に記載の電池収容構造であって、
前記電池収容部の前記第1方向の厚みは、前記第一部材の前記第1方向の最大の厚みさと略同じに構成されている、
電池収容構造。
【請求項5】
請求項4に記載の電池収容構造であって、
前記ねじ受け孔部は、前記第二部材の平面視で略中央に設けられている、
電池収容構造。
【請求項6】
請求項5に記載の電池収容構造であって、
前記ねじ部材の基端面は、前記第一部材の前記第二部材側とは反対側の面よりも前記第二部材側に位置している、
電池収容構造。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の電池収容構造であって、
前記第一部材は、玩具の一部を構成しており、
前記第二部材は、前記玩具の表面の一部を構成する装飾部品である、
電池収容構造。
【請求項8】
請求項
1~6の何れか一項に記載の電池収容構造であって、
前記ねじ受け孔部には、前記保持部材よりも前記電池収容部側とは反対側に、前記保持部材のねじ穴径よりも大径の空間が設けられている、
電池収容構造。
【請求項9】
請求項
8に記載の電池収容構造であって、
前記第二部材は、少なくとも前記空間を形成する第1部分と第2部分を備えている、
電池収容構造。
【請求項10】
請求項
1~6の何れか一項に記載の電池収容構造であって、
前記保持部材は、ねじ回転方向及び前記保持部材の厚み方向の移動が規制されている、
電池収容構造。
【請求項11】
請求項
1~6の何れか一項に記載の電池収容構造であって、
前記第二部材は、前記保持部材を前記電池収容部側とは反対側から前記ねじ受け孔部内に位置規制する位置規制部を有する、
電池収容構造。
【請求項12】
請求項
11に記載の電池収容構造であって、
前記位置規制部は、円筒状であってその内部空間の内径が前記保持部材のねじ穴径よりも大径に構成されている、
電池収容構造。
【請求項13】
請求項1~6の何れか一項に記載の電池収容構造であって、
前記電池収容部には、ボタン型の電池を前記第1方向に沿って前記解放口側から装着可能である、
電池収容構造。
【請求項14】
請求項1~6の何れか一項に記載の電池収容構造であって、
前記第二部材は、その最大厚みが前記第一部材の最大厚みよりも大きく構成されている、
電池収容構造。
【請求項15】
請求項1~6のいずれか1項に記載の電池収容構造を有する玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池収容構造及び玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に、機器ケースに配置された電池収容部と、該電池収容部を覆うようにスライドして装着する電池蓋を有し、該電池蓋にねじ挿入孔を設け、このねじ挿入孔にねじ部材を挿入して機器ケースの下ケースに設けられたねじ孔に螺合させる電池蓋の取付構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池収容部の構成においては、電池収容部が設けられた機器ケースにねじ部材を螺合するねじ山が形成され、電池収容部を覆う電池蓋の表面側から挿入されたねじ部材を機器ケースに対して螺合するものが一般的であるが、従来の構造にとらわれない新しい電池収容部の構成が求められていた。
【0005】
本開示の技術は、電子機器における電池収容部に関する新規な構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の技術の一態様は、以下の通りである。
(1)電池収容部が形成された第一部材と、上記電池収容部の解放口を閉じる第二部材と、上記第二部材を上記第一部材に固定するねじ部材と、を備え、上記電池収容部は、上記第二部材と対向する領域に、上記電池収容部と上記第二部材の並ぶ第1方向に貫通する貫通孔を有し、上記第二部材は、上記貫通孔に挿通された上記ねじ部材の先端部と連結可能なねじ受け孔部を有する、電池収容構造。また、電池を収容可能な電池収容部が形成された第一部材と、前記電池収容部の解放口を覆う第二部材と、前記第二部材を前記第一部材に固定するねじ部材と、を備え、前記第一部材は、前記第二部材と対向する領域に第1方向に貫通する貫通孔を有し、前記第二部材は、前記貫通孔に挿通された前記ねじ部材の先端部と連結可能なねじ受け孔部を有し、前記ねじ受け孔部には、前記ねじ部材が螺合する保持部材が設けられ、前記保持部材の外周面に当接して前記保持部材を固定する保持部材嵌合凹部が設けられている、電池収容構造。
【0007】
(2)
(1)に記載の電池収容構造であって、
前記第一部材の前記第二部材とは反対側の面から前記ねじ部材を前記貫通孔に挿通することで、前記第二部材を前記第一部材に固定する、電池収容構造。
【0008】
(3)
(1)又は(2)に記載の電池収容構造であって、
上記ねじ受け孔部は、上記第二部材における上記電池収容部側とは反対側の面に非露出となっている、電池収容構造。
【0009】
(4)
(1)~(3)の何れかに記載の電池収容構造であって、
上記電池収容部の上記第1方向の厚みは、上記第一部材の上記第1方向の最大の厚みと略同じに構成されている、
電池収容構造。
【0010】
(5)
(1)~(4)の何れかに記載の電池収容構造であって、
上記ねじ受け孔部は、上記第二部材の平面視で略中央に設けられている、
電池収容構造。
【0011】
(6)
(1)~(5)の何れかに記載の電池収容構造であって、
上記ねじ部材の基端面は、上記第一部材の上記第二部材側とは反対側の面よりも上記第二部材側に位置している、
電池収容構造。
【0012】
(7)
(1)~(6)の何れかに記載の電池収容構造であって、
上記第一部材は、玩具の一部を構成しており、
上記第二部材は、上記玩具の表面の一部を構成する装飾部品である、
電池収容構造。
【0013】
(8)
(1)~(7)の何れかに記載の電池収容構造であって、
上記ねじ受け孔部には、上記ねじ部材が螺合する保持部材が設けられている、
電池収容構造。
【0014】
(9)
(8)に記載の電池収容構造であって、
上記ねじ受け孔部には、上記保持部材よりも上記電池収容部側とは反対側に、上記保持部材のねじ穴径よりも大径の空間が設けられている、
電池収容構造。
【0015】
(10)
(9)に記載の電池収容構造であって、
上記第二部材は、少なくとも上記空間を形成する第1部分と第2部分を備えている、
電池収容構造。
【0016】
(11)
(8)~(10)の何れかに記載の電池収容構造であって、
上記保持部材は、ねじ回転方向及び保持部材の厚み方向の移動が規制されている、
電池収容構造。
【0017】
(12)
(8)~(11)の何れかに記載の電池収容構造であって、
上記ねじ受け孔部には、上記保持部材の外周面に当接して上記保持部材を固定する保持部材嵌合凹部が設けられている、
電池収容構造。
【0018】
(13)
(8)~(12)の何れかに記載の電池収容構造であって、
上記第二部材は、上記保持部材を上記電池収容部側とは反対側から上記ねじ受け孔部内に位置規制する位置規制部を有する、
電池収容構造。
【0019】
(14)
(13)に記載の電池収容構造であって、
上記位置規制部は、円筒状であってその内部空間の内径が上記保持部材のねじ穴径よりも大径に構成されている、
電池収容構造。
【0020】
(15)
(1)~(14)の何れか一に記載の電池収容構造であって、
上記電池収容部には、ボタン型の電池を上記第1方向に沿って上記解放口側から装着可能である、
電池収容構造。
【0021】
(16)
(1)~(15)の何れに記載の電池収容構造であって、
上記第二部材は、その最大厚みが上記第一部材の最大厚みよりも大きく構成されている、
電池収容構造。
【0022】
(17)
(1)~(16)のいずれかに記載の電池収容構造を有する玩具。
【発明の効果】
【0023】
本開示の技術によれば、電子機器における電池収容部に関する新規な構成を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】電池収容構造を備えた玩具の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す玩具の蓋部材を取り外した状態を示す要部の斜視図である。
【
図4】
図1におけるA-A線に沿った部分の断面図である。
【
図5】蓋部材を取り外した状態における断面図である。
【
図6】蓋部材における第1部分の内側構造を示す分解斜視図である。
【
図7】蓋部材における第2部分の内側構造を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本開示の技術の一態様である電池収容構造について、図を参照して説明する。
図1は、電池収容構造を備えた玩具1の一例を示す斜視図である。
【0026】
図1に示す玩具1は、本開示の技術の一態様の電池収容構造を適用したもので、円盤状本体部10a、及び棒状把持部10bを備えた形状のもので、棒状把持部10bを手80で持って遊ぶものである。また、例えば、ヒーローのセリフや音響を発現し、更に、必要に応じて光を発現するなど、内部に電源や制御機能を備える薄型の玩具である。この玩具1の構成部品としては、大きく分けて、電池収容部14(
図2参照)や発光部や音声出力部の制御部等を含む制御系を備える第一部材である本体部材10と、本体部材10に対して着脱可能で電池収容部14を覆うことができる第二部材の蓋部材20と、を備えている。
【0027】
蓋部材20は、円盤形状でその中央部分が前面側に突出した外殻部材である第1部分21を備えており、第1部分21の前面先端部には球面形状を有する装飾部21bが設けられている。
【0028】
図2は、
図1に示す玩具1の蓋部材20を取り外した状態を示す要部の斜視図である。
蓋部材20は、
図2に示すように、第1部分21が円盤状本体部10aの前面側中央部分に形成された円形窪み部10cを閉じるように対応する。円形窪み部10cには、電池40を収容する一対の電池収容部14が上方寄りの位置に設けられている。また、中央部には、蓋部材20を固定するためのねじ部材30が本体部材10の厚み方向に貫通した貫通孔15に設けられている。このねじ部材30により、蓋部材20は、円形窪み部10cを閉じるように固定される。すなわち、蓋部材20の内側の中央には、ねじ部材30が螺合するねじ受け孔部20A(
図4参照)が設けられている。本実施形態では、ねじ部材30およびねじ受け孔部20Aにはそれぞれネジ山が形成されており、ねじ部材30に雄ねじ部が形成され、ねじ受け孔部20Aに雌ねじ部が形成されている。それにより、ねじ部材30をねじ受け孔部20Aに対して連結することが可能である。なお、貫通孔15の内側にも補助的にねじ部材30のネジ山を受けるネジ山が形成されていてもよい。
【0029】
電池収容部14は、ボタン型の電池40を収容する円筒型の凹形状を有しており、その内部には、接点部材14bが設けられている。例えば、電池収容部14内にボタン型の電池40を収容するときは、電池収容部14の解放口14a側から第1方向(本体部材10の厚み方向)に沿って挿入・装着する。この時、電池40は、接点部材14bによって解放口14a側に押されて若干浮いた状態になっている。そして、電池収容部14を閉じるように上から蓋部材20を被せ、ねじ部材30にて固定することで、電池40は、電池収容部14内に押され接点部材14bに当接し所定位置に固定される。
【0030】
蓋部材20は、第1部分21の一端側にはその径方向外側に突出するフック片21cを備え、フック片21cとは180度反対側に位置決め突起21dが設けられている。また、中央部から半径方向に延びる長方形状の一対の嵌合凹部20jが設けられ、更に、嵌合凹部20j間には、一対の電池押え用の環状突起20kが設けられている。一方、本体部材10の円形窪み部10cには、フック片受部10f、及び突起受け孔10dが設けられ、更に、嵌合凹部20jに嵌合する長方形状の嵌合突部10eが設けられている。したがって、蓋部材20を装着するときは、フック片21cをフック片受部10fに差し込むと共に突起受け孔10dに位置決め突起21dを嵌めるようにし、ねじ部材30にて取り付ける。これにより、電池40は、環状突起20kにより接点部材14bと確り接触するように電池収容部14の底側へ押圧される。
【0031】
また本実施形態では、蓋部材20は、表面に装飾や彩色等のデザインが施してあり、蓋部材20を本体部材10に固定することで、蓋部材20の表面と本体部材10の蓋部材20側の表面とによって一つのデザインが形成されるものである。このように蓋部材20の表面を本体部材10のデザイン(装飾等)の一部とすることで、蓋部材20を違和感なく配置することができる。
【0032】
図3は、
図1に示す玩具1の分解斜視図である。
本体部材10は、
図3に示すように、前後方向に分割される、例えば後方本体部11、及び前方本体部12を備えており、前後方向において薄く構成されている。この後方本体部11、及び前方本体部12は、その組合せ面10jに設けられた凹凸嵌合によって組み合わせて固定される。例えば、後方本体部11には、部材の輪郭部分に沿った凸条17が設けられ、更に、凸部18や凹部19が適宜分散配置されている。一方、前方本体部12には、図示しないが凸条17,凸部18、及び凹部19に対する凹凸構造が設けられてい る。
【0033】
本体部材10は、このような嵌合構造により組合せて組み立てられているが、必要に応じて接着剤などを用いて固定してもよい。また、本態様においては、ねじ部材30は、もっぱら、蓋部材20を取り付けるための部材であるが、蓋部材20を取り付けた状態においては、本体部材10の固定用として用いることができる。本体部材10は、このように締結ねじなどを使用することなく連結されていることで、本体部材10には、ねじ等の締結部材がその表面側、裏面側に露出せず、玩具1としての外観を綺麗に演出することができる。
【0034】
図4は、
図1におけるA-A線に沿った部分の断面図である。
図4に示すように、蓋部材20は、貫通孔15に挿通されたねじ部材30の先端部30aがねじ受け孔部20Aに螺合して固定されている。ねじ受け孔部20Aは、蓋部材20を平面視で見たときの略中央部分の内側に設けられている。蓋部材20は、前述のように、例えば、前方側が閉じられた第1部分21の内側に第2部分22が嵌合した構成となっている。すなわち、蓋部材20のねじ受け孔部20Aは、前面側は閉じられており、ねじ部材30の先端部30aが見えない構成である。また、ねじ部材30は、その基端部30bが貫通孔15内に埋没するように構成されており、その基端面30sが本体部材10の裏面11sの内側に位置するように取り付けられている。
【0035】
なお、本体部材10内には、制御部の基盤60が設けられている。この基盤60の裏面側には、例えばラバースイッチ61(押圧操作に対して復元性のあるスイッチ)等のスイッチが設けられており、ラバースイッチ61は、本体部材10の裏面側の押圧スイッチ11bを押すことで操作可能に構成されている。また、図示しないが、玩具1の演出モードを変更可能なモードスイッチ等も本体部材10の裏面側に設けられている。
【0036】
図5は、蓋部材20を取り外した状態における断面図である。
電池収容部14は、前述のように円筒型の凹部形状であるが、その深さである第1方向(矢印X方向)の大きさ(h1)は、後方本体部11の最大厚み(h2)とほぼ同じに構成されている。また、電池収容部14の深さ(h1)は、前方本体部12を含めた本体部材10の厚み(h3)に対しても本体部材10の肉厚差程度の違いしかなく略同等の大きさと言うことがでる。
【0037】
本実施形態では
図5に示すように、ねじ受け孔部20Aにねじ部材30の先端部30aが螺合する保持部材24(以下ナット24という)が内部に設けられている。例えば、蓋部材20を構成する第1部分21と第2部分22とにより形成された空間SP1内にナット24が収容されている。そして、ナット24は、空間SP1内において第1方向(矢印X方向(玩具1の厚み方向))においては、位置規制部21aの先端面21atと第2部分22の空間内壁面22wとによって位置規制されて動かないように保持される。また、その回転方向においても、動かないように保持されている(
図7参照)。なお本実施形態では、保持部材24を設ける構造としているが、これに限定されるものではなく、第1部分21や第2部分22にねじ部材30と螺合するネジ山が形成されていてもよい。また、保持部材24として、ナットを利用する例を説明しているが、ナット以外のものであっても良い。
【0038】
また、ねじ受け孔部20Aの空間SP1は、ナット24のねじ穴径(d1)よりも大径(d3)の空間として形成されており、位置規制部21aの内径(d2)もねじ穴径(d1)よりも大きく構成されている。この構成によれば、ねじ部材30の先端部30aが長い場合、すなわち、ねじ部材30がナット24から突出するような場合でも、先端部30aの進入を許容する。
【0039】
蓋部材20は、第1方向の最大厚み(d4)は、本体部材10の最大厚み(d3)よりも大きく構成されている。また、蓋部材20は、装飾部21bの囲むように球面状に前方側に膨らんだ膨らみ部21eを備えている。このように蓋部材20は、その厚みが大きく構成され且つ膨らみ部21eを備えた構成となっていることで、第1方向における剛性が強くなっている。
【0040】
ねじ部材30は、本態様においては、本体部材10から外れない構成となっている。例えば、ねじ部材30は、先端部30aと基端部30bとの間に、先端部30aよりも径が小さい小径部30cが設けられている。そして、この小径部30cが貫通孔15の狭窄部15bに対応する径に構成されていることで、ねじ部材30は、本体部材10から外れない構成とすることができる。なお、ねじ部材30は、本体部材10から外れる構成であっても良い。
【0041】
図6は、蓋部材20における第1部分21の内側構造を示す分解斜視図である。
図7は、蓋部材20における第2部分22の内側構造を示す分解斜視図である。
蓋部材20は、前述のように、二つの部分から構成されており、第1部分21は、
図6、及び
図7に示すように、その内側に空間SP1を形成する円筒形の凹部が形成されている。そして、その中心部に円筒形の位置規制部21aが第2部分22側に向かって突設されている。また、位置規制部21aの外周側には、例えば一対の嵌合軸部21p及び一対のリブ21vが位置規制部21aと同じ向きに突設されている。この嵌合軸部21pは、第2部分22の内側の突部22aに設けられた嵌合凹部22c(
図7参照)に嵌合し、リブ21vは、第2部分22を押し込むときの押込み位置を決める。また、蓋部材20の裏面側には、前述したように、フック片21c、位置決め突起21d、一対の環状突起20k、及び嵌合凹部20jが設けられている。
【0042】
ねじ受け孔部20A内には、
図7に示しように、六角形のナット嵌合凹部22bが設けられている。したがって、ナット24は、ナット24の外周面24b(六角形)がナット嵌合凹部22bの内周壁面に嵌るように組み込まれることで、回転しないように固定される。また、ナット24の嵌め込みは、例えば、ナット嵌合凹部22bに対して固い嵌め込み状態とすることで、ナット24の回転方向の係止だけでなく第1方向の係止も可能である。
【0043】
本態様の電池収容構造は、第二部材である蓋部材20にねじ受け孔部20Aが設けられるという新たな構造の電池収容構造である。また、第一部材である本体部材10側から挿入されたねじ部材によって、本体部材10と蓋部材20とを固定することができる。また、ねじ受け孔部20Aが外側から見えないように構成されることで、蓋部材20を装飾部品とすることができる。
【0044】
本態様の電池収容構造では、電池収容部14の収容深さが第1方向における最大厚みとほぼ同程度となるように構成されているので、第一部材である本体部材10の厚さを電池の厚みに近づけた薄型の部材とすることができる。
【0045】
本態様の電池収容構造では、ねじ受け孔部20Aが蓋部材20の中央部分に設けられていることで、蓋部材20を本体部材10に対して確実に固定することができる。また、ねじ受け孔部20Aが蓋部材20の中央部分に位置していることで、ねじ止めによる締め付け力を蓋部材20全体に均等にすることができる。
【0046】
本態様の電池収容構造では、蓋部材20を取り付けるねじ部材30は、蓋部材20の外面に露出することがなく、更に、本体部材10の裏面側においても、裏面11sよりも引っ込むように位置しているので、本体部材10の装飾演出において好ましい構造にできる。
【0047】
本態様の電池収容構造では、蓋部材20が玩具1においてねじ孔が露出しない装飾部品として構成されていることで、玩具1として好ましい演出ができる。
【0048】
本態様の電池収容構造では、電池収容部14を閉じる蓋部材20のねじ受け孔部20Aに(金属製の)ナット24がしっかりと動かないように取り付けられていることで、蓋部材20を長期にわたって安定した取り付けを行うことができる。
【0049】
また、本態様の電池収容構造によれば、ねじ受け孔部20Aにおいて、ナット24のねじ孔径よりも大きい空間(SP1、SP2)が設けられていることで、ねじの軸長がナット24を貫通するような場合でも、長軸のねじ部材の使用を許容する汎用性のある蓋部材20を提供できる。
【0050】
本態様の電池収容構造では、ねじ受け孔部20Aの空間SP1が第1部分21、第2部分22の組み合わせにより形成されるので、ナット24を蓋部材20内に容易に組み込むことができる。
【0051】
また、ねじ受け孔部20Aのナット24は、位置規制部21a、及びナット嵌合凹部22bによりしっかりと固定されているので、ねじ部材30の取り付けが容易であり且つ蓋部材20の締め付けを確実に行うことができる。また、蓋部材20の内側には、電池収容部14に対応して、電池40の一端側を押圧可能な環状突起20kが設けられていることで、蓋部材20を取り付けたときに、電池40を接点部材14bに押し付けるように確実に所定位置に保持することができる。また、玩具1の蓋部材20は、厚みが大きく高い剛性を備えるように構成されているので、全体的に薄型でありながら、剛性を高めることができる。また、蓋部材20の剛性を高くできるので本体部材10が薄型であっても、ボタン型の電池のように押圧が必要な電池40の場合でも確実な保持・収容を行うことができる。
【0052】
以上、本発明の一態様について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば上記態様においては、ナット24が位置規制部21aにより保持された構成としたが、この構成に限るものではなく、位置規制部21aがない構成であっても良い。
【符号の説明】
【0053】
1 玩具
10 本体部材(第一部材)
14 電池収容部
14a 解放口
15 貫通孔
20 蓋部材(第二部材)
20A ねじ受け孔部
21 第1部分
21a 位置規制部
22 第2部分
22b 保持部材嵌合凹部
24 保持部材
30 ねじ部材
30a ねじ部材の先端部
30s ねじ部材の基端面
40 電池
SP1 空間
SP2 空間
X 第1方向