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7692059電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-04
(45)【発行日】2025-06-12
(54)【発明の名称】電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0276 20160101AFI20250605BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20250605BHJP
   H01M 8/12 20160101ALI20250605BHJP
   H01M 8/2465 20160101ALI20250605BHJP
   H01M 8/2475 20160101ALI20250605BHJP
   C25B 13/02 20060101ALI20250605BHJP
   C25B 9/65 20210101ALN20250605BHJP
   C25B 9/77 20210101ALN20250605BHJP
   H01M 8/243 20160101ALN20250605BHJP
   H01M 8/2484 20160101ALN20250605BHJP
【FI】
H01M8/0276
H01M8/04 Z
H01M8/12 101
H01M8/12 102C
H01M8/2465
H01M8/2475
C25B13/02 302
C25B9/65
C25B9/77
H01M8/243
H01M8/2484
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023571021
(86)(22)【出願日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 JP2022047960
(87)【国際公開番号】W WO2023127813
(87)【国際公開日】2023-07-06
【審査請求日】2024-06-18
(31)【優先権主張番号】P 2021215302
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古内 史人
【審査官】山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-046365(JP,A)
【文献】特開2019-061910(JP,A)
【文献】特開2019-057492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00- 8/0297
H01M 8/08- 8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端を有し、前記第1端から第1方向に延びるセルと、
前記第1端を含む前記セルの一端部を支持する支持体と、
前記セルと前記支持体との間に位置し、前記第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に沿う前記セルの第1面と接触する固定材と
を備え、
前記第1面は、前記固定材と接触する接触領域および前記固定材と非接触の非接触領域を含み、
前記接触領域は、前記第1端側に位置する第2端を有し、
前記第2端から前記第1端と反対側の前記非接触領域までの前記第1方向の長さは、前記第2方向の端部に位置する第2部位の方が前記第2方向の中央部に位置する第1部位よりも大きい
電気化学セル装置。
【請求項2】
第1端を有し、前記第1端から第1方向に延びる第1セルと、
前記第1端を含む前記第1セルの一端部を支持する第1支持体と、
前記第1支持体を挟んで前記第1セルと隣り合う第2セルと、
前記第1セルの一端部と隣り合う前記第2セルの一端部を支持する第2支持体と、
前記第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に沿う前記第1セルの第1面と、前記第1方向および前記第2方向に沿う前記第2セルの第2面とにそれぞれ接触する固定材と
を備え、
前記第1面は、前記固定材と接触する接触領域および前記固定材と非接触の非接触領域を含み、
前記接触領域は、前記第1端側に位置する第2端を有し、
前記第2端から前記第1端と反対側の前記非接触領域までの前記第1方向の長さは、前記第2方向の端部に位置する第2部位の方が前記第2方向の中央部に位置する第1部位よりも大きく、
前記第2部位における前記第2端から前記第1端と反対側の前記非接触領域までの前記第1方向の長さは、前記第2セルに近い第2端部よりも前記第2セルから離れた第1端部の方が大きい
電気化学セル装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電気化学セル装置と、
前記電気化学セル装置を収納する収納容器と
を備えるモジュール。
【請求項4】
請求項3に記載のモジュールと、
前記モジュールの運転を行うための補機と、
前記モジュールおよび前記補機を収容する外装ケースと
を備えるモジュール収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、次世代エネルギーとして、燃料電池セルを複数有する燃料電池セルスタック装置が種々提案されている。燃料電池セルは、水素含有ガス等の燃料ガスと空気等の酸素含有ガスとを用いて電力を得ることができる電気化学セルの一種である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-35417号公報
【発明の概要】
【0004】
実施形態の一態様に係る電気化学セル装置は、セルと、支持体と、固定材とを備える。セルは、第1端を有し、前記第1端から第1方向に延びる。支持体は、前記第1端を含む前記セルの一端部を支持する。固定材は、前記セルと前記支持体との間に位置し、前記第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に沿う前記セルの第1面と接触する。前記第1面は、前記固定材と接触する接触領域および前記固定材と非接触の非接触領域を含む。前記接触領域は、前記第1端側に第2端を有する。前記第2端から前記第1端と反対側の前記非接触領域までの前記第1方向の長さは、前記第2方向の端部に位置する第2部位の方が前記第2方向の中央部に位置する第1部位よりも大きい。
【0005】
また、本開示の電気化学セル装置は、第1セルと、第1支持体と、第2セルと、第2支持体と、固定材とを備える。第1セルは、第1端を有し、前記第1端から第1方向に延びる。第1支持体は、前記第1端を含む前記第1セルの一端部を支持する。第2セルは、前記第1支持体を挟んで前記第1セルと隣り合う。第2支持体は、前記第1セルの一端部と隣り合う前記第2セルの一端部を支持する。固定材は、前記第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に沿う前記第1セルの第1面と、前記第1方向および前記第2方向に沿う前記第2セルの第2面とにそれぞれ接触する。前記第1面は、前記固定材と接触する接触領域および前記固定材と非接触の非接触領域を含む。前記接触領域は、前記第1端側に第2端を有する。前記第2端から前記第1端と反対側の前記非接触領域までの前記第1方向の長さは、前記第2方向の端部に位置する第2部位の方が前記第2方向の中央部に位置する第1部位よりも大きい。前記第2部位における前記第2端から前記第1端と反対側の非接触領域までの前記第1方向の長さは、前記第2セルに近い第2端部よりも前記第2セルから離れた第1端部の方が大きい。
【0006】
また、本開示のモジュールは、上記に記載の電気化学セル装置と、電気化学セル装置を収納する収納容器とを備える。
【0007】
また、本開示のモジュール収容装置は、上記に記載のモジュールと、モジュールの運転を行うための補機と、モジュールおよび補機を収容する外装ケースとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1Aは、第1の実施形態に係る電気化学セルの一例を示す横断面図である。
図1B図1Bは、第1の実施形態に係る電気化学セルの一例を空気極側からみた側面図である。
図1C図1Cは、第1の実施形態に係る電気化学セルの一例をインターコネクタ側からみた側面図である。
図2A図2Aは、第1の実施形態に係る電気化学セル装置の一例を示す斜視図である。
図2B図2Bは、図2Aに示すX-X線の断面図である。
図2C図2Cは、第1の実施形態に係る電気化学セル装置の一例を示す上面図である。
図3図3は、図2Cに示すY-Y線の断面図である。
図4図4は、第2の実施形態に係る電気化学セル装置における支持体と電気化学セルとの接合部を拡大した断面図である。
図5図5は、第3の実施形態に係る電気化学セル装置における支持体と電気化学セルとの接合部を拡大した断面図である。
図6図6は、第4の実施形態に係る電気化学セル装置を示す断面図である。
図7図7は、第5の実施形態に係る電気化学セル装置を示す断面図である。
図8図8は、実施形態に係るモジュールの一例を示す外観斜視図である。
図9図9は、実施形態に係るモジュール収容装置の一例を概略的に示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
燃料電池セルスタック装置では、たとえば、複数の燃料電池セルを支持する支持体を有している。かかる構造では、支持体と燃料電池セルとの接合部分の耐久性に改善の余地があった。
【0010】
そこで、耐久性が高い電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置の提供が期待されている。
【0011】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの開示が限定されるものではない。
【0012】
また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係、比率などが異なる部分が含まれている場合がある。
【0013】
[第1の実施形態]
<電気化学セルの構成>
まず、図1A図1Cを参照しながら、実施形態に係る電気化学セルとして、固体酸化物形の燃料電池セルの例を用いて説明する。電気化学セル装置は、複数の電気化学セルを有するセルスタックを備えていてもよい。複数の電気化学セルを有する電気化学セル装置を、単にセルスタック装置と称する。
【0014】
図1Aは、第1の実施形態に係る電気化学セルの一例を示す横断面図であり、図1Bは、第1の実施形態に係る電気化学セルの一例を空気極側からみた側面図であり、図1Cは、第1の実施形態に係る電気化学セルの一例をインターコネクタ側からみた側面図である。なお、図1A図1Cは、電気化学セルの各構成の一部を拡大して示している。以下、電気化学セルを単にセルという場合もある。
【0015】
図1A図1Cに示す例において、セル1は中空平板型で、細長い板状である。図1Bに示すように、セル1の全体を側面から見た形状は、たとえば、長さ方向Lの辺の長さが5cm~50cmで、この長さ方向Lに直交する幅方向Wの長さが、たとえば、1cm~10cmの長方形である。このセル1の全体の厚み方向Tの厚さは、たとえば、1mm~5mmである。長さ方向Lは、第1方向の一例である。幅方向Wは、第1方向に交差する第2方向の一例である。
【0016】
図1Aに示すように、セル1は、導電性の支持基板2と、素子部3と、インターコネクタ4とを備えている。支持基板2は、一対の対向する第1面n1、第2面n2、かかる第1面n1および第2面n2を接続する一対の円弧状の側面mを有する柱状である。
【0017】
素子部3は、支持基板2の第1面n1上に位置している。素子部3は、燃料極5と、固体電解質層6と、空気極8とを有している。また、図1Aに示す例では、セル1の第2面n2上にインターコネクタ4が位置している。なお、セル1は、固体電解質層6と空気極8との間に中間層7を備えていてもよい。
【0018】
また、図1Bに示すように、空気極8はセル1の下端まで延びていない。セル1の下端部では、固体電解質層6のみが第1面n1の表面に露出している。また、図1Cに示すように、インターコネクタ4がセル1の下端まで延びていてもよい。セル1の下端部では、インターコネクタ4および固体電解質層6が表面に露出している。なお、図1Aに示すように、セル1の一対の円弧状の側面mにおける表面では、固体電解質層6が露出している。インターコネクタ4は、セル1の下端まで延びていなくてもよい。
【0019】
以下、セル1を構成する各構成部材について説明する。
【0020】
支持基板2は、ガスが流れるガス流路2aを内部に有している。図1Aに示す支持基板2の例は、6つのガス流路2aを有している。支持基板2は、ガス透過性を有し、ガス流路2aに流れるガスを燃料極5まで透過させる。支持基板2は導電性を有していてもよい。導電性を有する支持基板2は、素子部で生じた電気をインターコネクタ4に集電する。
【0021】
支持基板2の材料は、たとえば、鉄族金属成分および無機酸化物を含む。鉄族金属成分は、たとえば、Ni(ニッケル)および/またはNiOであってもよい。無機酸化物は、たとえば、特定の希土類元素酸化物であってもよい。希土類元素酸化物は、たとえば、Sc、Y、La、Nd、Sm、Gd、DyおよびYbから選択される1以上の希土類元素を含んでよい。
【0022】
燃料極5の材料には、一般的に公知のものを使用することができる。燃料極5は、多孔質の導電性セラミックス、たとえば酸化カルシウム、酸化マグネシウム、または希土類元素酸化物が固溶しているZrOと、Niおよび/またはNiOとを含むセラミックスなどを用いてもよい。この希土類元素酸化物は、たとえば、Sc、Y、La、Nd、Sm、Gd、DyおよびYbから選択される複数の希土類元素を含んでもよい。酸化カルシウム、酸化マグネシウム、または希土類元素酸化物が固溶しているZrOを安定化ジルコニアと称する場合もある。安定化ジルコニアは、部分安定化ジルコニアを含んでもよい。
【0023】
固体電解質層6は、電解質であり、燃料極5と空気極8との間でイオンの受け渡しをする。同時に、固体電解質層6は、ガス遮断性を有し、燃料ガスと酸素含有ガスとのリークを生じにくくする。
【0024】
固体電解質層6の材料は、たとえば、3モル%~15モル%の希土類元素酸化物が固溶したZrOであってもよい。希土類元素酸化物は、たとえば、Sc、Y、La、Nd、Sm、Gd、DyおよびYbから選択される1以上の希土類元素を含んでよい。固体電解質層6は、たとえば、Yb、ScまたはGdが固溶したZrOを含んでもよく、La、NdまたはYbが固溶したCeOを含んでもよく、ScまたはYbが固溶したBaZrOを含んでもよく、ScまたはYbが固溶したBaCeOを含んでもよい。
【0025】
空気極8は、ガス透過性を有している。空気極8の開気孔率は、たとえば20%~50%、特に30%~50%の範囲であってもよい。空気極8の開気孔率を空気極8の空隙率と称する場合もある。
【0026】
空気極8の材料は、一般的に空気極に用いられるものであれば特に制限はない。空気極8の材料は、たとえば、いわゆるABO型のペロブスカイト型酸化物など導電性セラミックスでもよい。
【0027】
空気極8の材料は、たとえば、AサイトにSr(ストロンチウム)とLa(ランタン)が共存する複合酸化物であってもよい。このような複合酸化物の例としては、LaSr1-xCoFe1-y、LaSr1-xMnO、LaSr1-xFeO、LaSr1-xCoOなどが挙げられる。なお、xは0<x<1、yは0<y<1である。
【0028】
また、素子部3が中間層7を有する場合、中間層7は、拡散抑制層としての機能を有する。空気極8に含まれるSr(ストロンチウム)が固体電解質層6に拡散すると、かかる固体電解質層6にSrZrOの抵抗層が形成される。中間層7は、Srを拡散させにくくすることで、SrZrOが形成されにくくする。
【0029】
中間層7の材料は、一般的に空気極8と固体電解質層6との間の元素の拡散抑制層に用いられるものであれば特に制限はない。中間層7の材料は、たとえば、Ce(セリウム)を除く希土類元素が固溶した酸化セリウム(CeO)を含んでもよい。かかる希土類元素としては、たとえば、Gd(ガドリニウム)、Sm(サマリウム)などを用いてもよい。
【0030】
また、インターコネクタ4は、緻密質であり、支持基板2の内部に位置するガス流路2aを流通する燃料ガス、および支持基板2の外側を流通する酸素含有ガスのリークを生じにくくする。インターコネクタ4は、93%以上、特に95%以上の相対密度を有していてもよい。
【0031】
インターコネクタ4の材料には、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)、ランタンストロンチウムチタン系のペロブスカイト型酸化物(LaSrTiO系酸化物)などを用いてもよい。これらの材料は、導電性を有し、かつ水素含有ガスなどの燃料ガスおよび空気などの酸素含有ガスと接触しても還元も酸化もされにくい。
【0032】
<電気化学セル装置の構成>
次に、上述したセル1を用いた本実施形態に係る電気化学セル装置について、図2A図2Cを参照しながら説明する。図2Aは、第1の実施形態に係る電気化学セル装置の一例を示す斜視図であり、図2Bは、図2Aに示すX-X線の断面図であり、図2Cは、第1の実施形態に係る電気化学セル装置の一例を示す上面図である。
【0033】
図2Aに示すように、セルスタック装置10は、セル1の厚み方向T(図1A参照)に配列(積層)された複数のセル1を有するセルスタック11と、固定部材12とを備える。
【0034】
固定部材12は、固定材13と、支持部材14とを有する。支持部材14は、セル1を支持する。固定材13は、セル1を支持部材14に固定する。また、支持部材14は、支持体15と、ガスタンク16とを有する。支持部材14である支持体15およびガスタンク16は、金属製であり導電性を有している。
【0035】
図2Bに示すように、支持体15は、複数のセル1の下端部が挿入される挿入孔15aを有している。複数のセル1の下端部と挿入孔15aの内壁とは、固定材13で接合されている。
【0036】
ガスタンク16は、挿入孔15aを通じて複数のセル1に反応ガスを供給する開口部と、かかる開口部の周囲に位置する凹溝16aとを有する。支持体15の外周の端部は、ガスタンク16の凹溝16aに充填された接合材21によって、ガスタンク16と接合されている。
【0037】
図2Aに示す例では、支持部材14である支持体15とガスタンク16とで形成される内部空間22に燃料ガスが貯留される。ガスタンク16にはガス流通管20が接続されている。燃料ガスは、このガス流通管20を通してガスタンク16に供給され、ガスタンク16からセル1の内部のガス流路2a(図1A参照)に供給される。ガスタンク16に供給される燃料ガスは、後述する改質器102(図8参照)で生成される。
【0038】
水素リッチな燃料ガスは、原燃料を水蒸気改質などすることによって生成することができる。水蒸気改質により燃料ガスを生成する場合には、燃料ガスは水蒸気を含む。
【0039】
図2Aに示す例は、2列のセルスタック11、2つの支持体15、およびガスタンク16を備えている。2列のセルスタック11は、複数のセル1をそれぞれ有する。各セルスタック11は、各支持体15に固定されている。ガスタンク16は上面に2つの貫通孔を有している。各貫通孔には、各支持体15が配置されている。内部空間22は、1つのガスタンク16と、2つの支持体15とで形成される。
【0040】
挿入孔15aの形状は、たとえば、上面視で長円形状である。挿入孔15aは、たとえば、セル1の配列方向すなわち厚み方向Tの長さが、セルスタック11の両端に位置する2つの端部集電部材17の間の距離よりも大きくてもよい。挿入孔15aの幅は、たとえば、セル1の幅方向W(図1A参照)の長さよりも大きくてもよい。
【0041】
図2Bに示すように、挿入孔15aの内壁とセル1の下端部との接合部には、固定材13が充填され、固化されている。これにより、挿入孔15aの内壁と複数個のセル1の下端部とがそれぞれ接合・固定され、また、セル1の下端部同士が接合・固定されている。各セル1のガス流路2aは、下端部で支持部材14の内部空間22と連通している。
【0042】
固定材13および接合材21は、ガラスなどの導電性が低いものを用いることができる。固定材13および接合材21の具体的な材料としては、非晶質ガラスなどを用いてもよく、特に結晶化ガラスなどを用いてもよい。
【0043】
結晶化ガラスとしては、たとえば、SiO-CaO系、MgO-B系、La-B-MgO系、La-B-ZnO系、SiO-CaO-ZnO系などの材料のいずれかを用いてもよく、特にSiO-MgO系の材料を用いてもよい。
【0044】
また、図2Bに示すように、複数のセル1のうち隣接するセル1の間には、導電部材18が介在している。導電部材18は、隣接する一方のセル1の燃料極5と他方のセル1の空気極8とを電気的に直列に接続する。より具体的には、隣接する一方のセル1の燃料極5と電気的に接続されたインターコネクタ4と、他方のセル1の空気極8とを接続している。導電部材18は、固定材13と接触していてもよく、非接触であってもよい。
【0045】
また、図2Bに示すように、複数のセル1の配列方向における最も外側に位置するセル1に、端部集電部材17が電気的に接続されている。端部集電部材17は、セルスタック11の外側に突出する導電部19に接続されている。導電部19は、セル1の発電により生じた電気を集電して外部に引き出す。なお、図2Aでは、端部集電部材17の図示を省略している。
【0046】
また、図2Cに示すように、セルスタック装置10は、2つのセルスタック11A、11Bが直列に接続され、一つの電池として機能する。そのため、セルスタック装置10の導電部19は、正極端子19Aと、負極端子19Bと、接続端子19Cとに区別される。
【0047】
正極端子19Aは、セルスタック11が発電した電力を外部に出力する場合の正極であり、セルスタック11Aにおける正極側の端部集電部材17に電気的に接続される。負極端子19Bは、セルスタック11が発電した電力を外部に出力する場合の負極であり、セルスタック11Bにおける負極側の端部集電部材17に電気的に接続される。
【0048】
接続端子19Cは、セルスタック11Aにおける負極側の端部集電部材17と、セルスタック11Bにおける正極側の端部集電部材17とを電気的に接続する。
【0049】
<支持体と電気化学セルとの接合>
つづいて、支持体15と電気化学セルとの接合について、図2B図3を参照しながら説明する。図3は、図2Cに示すY-Y線の断面図である。
【0050】
図3に示すように、支持体15およびセル1は、固定材13を介して接合されている。固定材13は、セル1の長さ方向Lの下端である第1端1e側に位置しており、支持体15は、第1端1eを含むセル1の一端部を支持する。なお、図3では、セル1の形状および構造を単純化して図示している。
【0051】
また、固定材13は、図2Bに示すように、厚み方向T(図1A参照)に隣り合うセル1間に位置している。図3に示すように、固定材13は、長さ方向Lおよび幅方向Wに沿うセル1の第1面1bと接触するように位置している。第1面1bは、固定材13と接触する接触領域31と、固定材13と非接触の非接触領域32とを含む。接触領域31は、第1端1e側に第2端31eを有している。図3では、第2端31eは第1端1eと一致しているが、一致しなくてもよい。
【0052】
ところで、セルスタック装置10を構成するセル1は、幅方向Wに外力を受けることがある。かかる場合、セル1を固定する固定材13は、セル1が受ける外力に伴う応力集中によりクラックが発生し、セルスタック装置10の耐久性が低下するおそれがあった。
【0053】
そこで、実施形態では、応力の集中しやすさに応じて、セル1と接触する固定材13の厚みを変更し、固定材13に生じる応力を分散させる。実施形態では、接触領域31の第2端31eから非接触領域32までの長さ方向Lの長さは、幅方向Wの端部に位置する第2部位31bの方が、幅方向Wの中央部に位置する第1部位31aよりも大きい。
【0054】
セル1が幅方向Wに外力を受けると、幅方向Wの端部に位置する固定材13には、幅方向Wの中央部に位置する固定材13と比較して応力が集中しやすい。幅方向Wの端部に位置する第2部位31bにおける固定材13の厚みを、幅方向Wの中央部に位置する第1部位31aにおける固定材13の厚みよりも大きくすることにより、固定材13が受ける応力を分散させることができる。このため、固定材13の耐久性を高めることができることから、電気化学セル装置の耐久性を高めることができる。幅方向Wの中央部に位置する第1部位31aにおける固定材13の厚みは、接触領域31の第2端31eから非接触領域32までの長さL1である。幅方向Wの端部に位置する第2部位31bにおける固定材13の厚みは、接触領域31の第2端31eから非接触領域32までの長さL2である。
【0055】
幅方向Wの端部に位置する接触領域31の長さL2は、幅方向Wの中央部に位置する接触領域31の長さL1を基準に、たとえば1.1×L1≦L2≦2.5×L1、特に1.4×L1≦L2≦1.7×L1程度とすることができる。このように、長さL1、L2を規定することにより、セル1が幅方向Wに外力を受けた場合であっても、固定材13が受ける応力を分散させることができ、固定材13にクラックが発生しにくくなる。
【0056】
[第2~第5の実施形態]
第2~第5の実施形態に係る電気化学セル装置について、図4図7を参照しながら説明する。図4は、第2の実施形態に係る電気化学セル装置における支持体と電気化学セルとの接合部を拡大した断面図である。図4では、第2端31eは第1端1eと一致しているが、一致しなくてもよい。
【0057】
図4に示すように、セル1の第1面1bは、幅方向Wの端部に位置する第2部位31bが、セル1の幅方向Wの端面1c、1dよりも第1部位31a寄りに位置していてもよい。このように、第2部位31bは、第1面1bの幅方向Wの両端から離れて位置してもよい。
【0058】
また、幅方向Wの中央部に位置する第1部位31aは、第1面1bにおける幅方向Wの両端から等間隔の箇所に位置していてもよく、位置しなくてもよい。また、第1面1bの接触領域31に、固定材13が接触していない部分を有してもよい。
【0059】
また、セル1よりも幅方向Wの外側に位置する固定材13は、幅方向Wに沿うように平坦であってもよく、固定材13の厚みが段階的に異なるように固定材13の表面が幅方向Wに対して傾斜していてもよい。
【0060】
また、幅方向Wの両端部に位置する第2部位31bは、接触領域31の第2端31eから非接触領域32までの長さが同じであってもよく、異なってもよい。
【0061】
第1、第2の実施形態に係る電気化学セル装置は、たとえば上述の条件を満たすセル1を1つだけ有していてもよいし、2つ以上有していてもよい。第1、第2の実施形態に係る電気化学セル装置に含まれる全てのセル1が上述の条件を満たしていてもよい。このような電気化学セル装置は、上述の条件を満たすセル1を有さない電気化学セル装置に対して耐久性を高めることができる。
【0062】
図5は、第3の実施形態に係る電気化学セル装置における支持体と電気化学セルとの接合部を拡大した断面図である。図5に示すように、セル1の幅方向Wに並ぶ第1セル1Aおよび第2セル1Bを有する場合において、第1セル1Aの第2部位31bにおける接触領域31の第2端31Aeから非接触領域32までの長さ方向Lの長さは、第2セル1Bに近い第2端部31b2よりも第2セル1Bから離れた第1端部31b1の方が大きくてもよい。第2セル1Bから離れた第1端部31b1における接触領域31の第2端31Aeから非接触領域32までの長さを長さL3とし、第2セル1Bに近い第2端部31b2における接触領域31の第2端31Aeから非接触領域32までの長さを長さL4とする。
【0063】
たとえば、幅方向Wに並ぶ第1セル1Aおよび第2セル1Bを有するセルスタック装置10では、第1セル1Aは、第2セル1Bに近い部分よりも、第2セル1Bから離れた部分の方が、幅方向Wの外力を受けやすい。このため、第1セル1Aのうち、幅方向Wの外力を受けにくい部分に近い第2端部31b2における長さL4よりも、幅方向Wの外力を受けやすい部分に近い第1面1Abの第1端部31b1における長さL3を大きくすることで、固定材13が受ける応力を分散させることができる。これにより、第1セル1Aを固定する固定材13にクラックが発生しにくくなり、固定材13の耐久性を高めることができることから、セルスタック装置10の耐久性を高めることができる。
【0064】
同様に、第2セル1Bを固定する固定材13についても、第1面1Abに対応する第2面1Bbの第2部位31bにおける接触領域31の第2端31Beから非接触領域32までの長さ方向Lの長さを、第1セル1Aに近い第2端部において、第1セル1Aから離れた第1端部よりも大きくしてもよい。これにより、第2セル1Bを固定する固定材13が受ける応力を分散させることができ、固定材13にクラックが発生しにくくなる。このため、第2セル1Bを固定する固定材13の耐久性を高めることができることから、セルスタック装置10の耐久性を高めることができる。図5では、第2端31Aeは第1端1Aeと、第2端31Beは第1端1Beと、それぞれ一致しているが、一致しなくてもよい。
【0065】
第3の実施形態に係る電気化学セル装置は、たとえば上述の条件を満たす第1セル1Aまたは第2セル1Bを1つだけ有していてもよいし、2つ以上有していてもよい。第3の実施形態に係る電気化学セル装置に含まれる全ての第1セル1Aおよび第2セル1Bが上述の条件を満たしていてもよい。このような電気化学セル装置は、上述の条件を満たす第1セル1Aまたは第2セル1Bを有さない電気化学セル装置に対して、耐久性を高めることができる。
【0066】
図6は、第4の実施形態に係る電気化学セル装置を示す断面図である。図7は、第5の実施形態に係る電気化学セル装置を示す断面図である。
【0067】
図6図7に示すセルスタック装置10は、厚み方向Tに並ぶ複数のセル1を固定する固定材13の長さ方向Lに沿う長さが、端部集電部材17からの距離に応じて異なる点で図2Bに示すセルスタック装置10と相違する。
【0068】
図6に示すように、固定材13は、長さ方向Lに沿う長さが、端部集電部材17から離れるにつれて小さくなるように位置してもよい。また、固定材13は、長さ方向Lに沿う長さが、端部集電部材17に近い位置において、端部集電部材17から遠い位置、すなわちセルスタックの配列方向の中央部よりも大きくなるように位置してもよい。端部集電部材17に近いセル1は外力を受けやすいが、このように固定材13の長さ方向Lに沿う長さを異ならせることにより、たとえばセル1が厚み方向Tに外力を受けた場合であっても、セル1の厚み方向Tに位置する固定材13が受ける応力を分散させることができる。このため、固定材13の耐久性を高めることができることから、電気化学セル装置の耐久性を高めることができる。セル1の厚み方向Tに位置する固定材13とは、言い換えれば厚み方向Tに並んだセル1間、および厚み方向Tにおけるセルスタックの外側に位置する固定材13である。
【0069】
また、図7に示すように、固定材13は、長さ方向Lに沿う長さが、端部集電部材17から離れるにつれて大きくなるように位置してもよい。また、固定材13は、長さ方向Lに沿う長さが、端部集電部材17から遠い位置、すなわちセルスタックの配列方向の中央部において、端部集電部材17に近い位置よりも大きくなるように位置してもよい。このように長さ方向Lに沿う固定材13の長さを異ならせることにより、たとえばセルスタック装置10の駆動に伴うランダム振動に応じて支持体15および/またはガスタンク16にねじれが生じた場合であっても、その影響を受けやすいセルスタックの配列方向の中央部において、支持体15および/またはガスタンク16のひずみを低減させることができる。このため、固定材13の耐久性を高めることができることから、電気化学セル装置の耐久性を高めることができる。
【0070】
<モジュール>
次に、上述した各実施形態に係るセルスタック装置10を用いた本開示の実施形態に係るモジュール100について、図8を用いて説明する。図8は、実施形態に係るモジュールを示す外観斜視図である。図8では、収納容器101の一部である前面および後面を取り外し、内部に収納される燃料電池のセルスタック装置10を後方に取り出した状態を示している。
【0071】
図8に示すように、モジュール100は、収納容器101、および収納容器101内に収納されたセルスタック装置10を備えている。また、セルスタック装置10の上方には、改質器102が配置されている。
【0072】
かかる改質器102は、天然ガス、灯油などの原燃料を改質して燃料ガスを生成し、セル1に供給する。原燃料は、原燃料供給管103を通じて改質器102に供給される。なお、改質器102は、水を気化させる気化部102aと、改質部102bとを備えていてもよい。改質部102bは、図示しない改質触媒を備えており、原燃料を燃料ガスに改質する。このような改質器102は、効率の高い改質反応である水蒸気改質を行うことができる。
【0073】
そして、改質器102で生成された燃料ガスは、ガス流通管20、ガスタンク16、および支持部材14を通じて、セル1のガス流路2a(図1A参照)に供給される。
【0074】
また、上述の構成のモジュール100では、ガスの燃焼およびセル1の発電に伴い、通常発電時におけるモジュール100内の温度が500℃~1000℃程度となる。
【0075】
このようなモジュール100においては、上述したように、耐久性が高いセルスタック装置10を収納して構成されることにより、耐久性が高いモジュール100とすることができる。
【0076】
<モジュール収容装置>
図9は、実施形態に係るモジュール収容装置の一例を示す分解斜視図である。本実施形態に係るモジュール収容装置110は、外装ケース111と、図8で示したモジュール100と、図示しない補機と、を備えている。補機は、モジュール100の運転を行う。モジュール100および補機は、外装ケース111内に収容されている。なお、図9においては一部構成を省略して示している。
【0077】
図9に示すモジュール収容装置110の外装ケース111は、支柱112と外装板113とを有する。仕切板114は、外装ケース111内を上下に区画している。外装ケース111内の仕切板114より上側の空間は、モジュール100を収容するモジュール収容室115であり、外装ケース111内の仕切板114より下側の空間は、モジュール100を運転する補機を収容する補機収容室116である。なお、図9では、補機収容室116に収容する補機を省略して示している。
【0078】
また、仕切板114は、補機収容室116の空気をモジュール収容室115側に流すための空気流通口117を有している。モジュール収容室115を構成する外装板113は、モジュール収容室115内の空気を排気するための排気口118を有している。
【0079】
このようなモジュール収容装置110においては、上述したように、耐久性が高いモジュール100をモジュール収容室115に備えていることにより、耐久性が高いモジュール収容装置110とすることができる。
【0080】
なお、上述の実施形態では、中空平板型の支持基板を用いた場合を例示したが、円筒型の支持基板を用いた電気化学セル装置に適用することもできる。
【0081】
<その他の実施形態>
つづいて、その他の実施形態に係る電気化学セル装置について説明する。
【0082】
上述の各実施形態では、支持基板の表面に燃料極、固体電解質層および空気極を含む素子部が1つのみ設けられたいわゆる「縦縞型」の電気化学セル装置を例示したが、支持基板の表面の互いに離れた複数個所にて素子部がそれぞれ設けられ、隣り合う素子部の間が電気的に接続されたいわゆる「横縞型」の電気化学セルを配列した横縞型電気化学セル装置に適用することができる。
【0083】
また、上述の各実施形態では、「電気化学セル」、「電気化学セル装置」、「モジュール」および「モジュール収容装置」の一例として燃料電池セル、燃料電池セルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置を示したが、他の例としてはそれぞれ、電解セル、電解セルスタック装置、電解モジュールおよび電解装置であってもよい。電解セルは、第1電極層および第2電極層を有し、電力の供給により水蒸気を水素と酸素に分解する、または二酸化炭素を一酸化炭素と酸素に分解する。また、上記した各実施形態では電気化学セルの電解質材料の一例として酸化物イオン伝導体または水素イオン伝導体を示したが、水酸化物イオン伝導体であってもよい。このような電解セル、電解セルスタック装置、電解モジュールおよび電解装置によれば、耐久性を高めることができる。
【0084】
以上、本開示について詳細に説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
【0085】
以上のように、実施形態に係る電気化学セル装置は、セル1と、支持体15と、固定材13とを備える。セル1は、第1端1eを有し、第1端1eから第1方向に延びる。支持体15は、第1端1eを含むセルの一端部を支持する。固定材13は、セル1と支持体15との間に位置し、第1方向および第1方向に交差する第2方向に沿うセル1の第1面1bと接触する。第1面1bは、固定材13と接触する接触領域31および固定材13と非接触の非接触領域32を含む。接触領域31は、第1端1e側に第2端31eを有する。第2端31eから第1端1eと反対側の非接触領域32までの第1方向の長さは、第2方向の端部に位置する第2部位31bの方が第2方向の中央部に位置する第1部位31aよりも大きい。これにより、固定材13の耐久性を高めることができることから、電気化学セル装置の耐久性を高めることができる。
【0086】
また、実施形態に係る電気化学セル装置は、第1セル1Aと、第1支持体と、第2セル1Bと、第2支持体と、固定材13とを備える。第1セル1Aは、第1端1Aeを有し、第1端1Aeから第1方向に延びる。第1支持体は、第1端1Aeを含む第1セル1Aの一端部を支持する。第2セル1Bは、第1支持体を挟んで第1セル1Aと隣り合う。第2支持体は、第1セル1Aの一端部と隣り合う第2セル1Bの一端部を支持する。固定材13は、第1方向および第1方向に交差する第2方向に沿う第1セル1Aの第1面1Abと、第1方向および第2方向に沿う第2セル1Bの第2面1Bbとにそれぞれ接触する。第1面1Abは、固定材13と接触する接触領域31および固定材13と非接触の非接触領域32を含む。接触領域31は、第1端1Ae側に第2端31Aeを有する。第2端31Aeから第1端1Aeと反対側の非接触領域32までの第1方向の長さは、第2方向の端部に位置する第2部位31bの方が第2方向の中央部に位置する第1部位31aよりも大きい。第2部位31bにおける第2端31Aeから第1端1Aeと反対側の非接触領域32までの第1方向の長さは、第2セル1Bに近い第2端部31b2よりも第2セル1Bから離れた第1端部31b1の方が大きい。これにより、固定材13の耐久性を高めることができることから、電気化学セル装置の耐久性を高めることができる。
【0087】
また、実施形態に係るモジュール100は、上記に記載の電気化学セル装置と、電気化学セル装置を収納する収納容器101とを備える。これにより、耐久性が高いモジュール100とすることができる。
【0088】
また、実施形態に係るモジュール収容装置110は、上記に記載のモジュール100と、モジュール100の運転を行うための補機と、モジュール100および補機を収容する外装ケースとを備える。これにより、耐久性が高いモジュール収容装置110とすることができる。
【0089】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 セル
3 素子部
5 燃料極
6 固体電解質層
7 中間層
8 空気極
10 セルスタック装置
11 セルスタック
12 固定部材
13 固定材
14 支持部材
15 支持体
16 ガスタンク
17 端部集電部材
18 導電部材
100 モジュール
110 モジュール収容装置
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9