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特許7692114静圧シャフト軸受と、隔てられたケース排出口とを有する液圧ギヤ・ポンプ、及び液圧ギヤ・ポンプを動作させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-04
(45)【発行日】2025-06-12
(54)【発明の名称】静圧シャフト軸受と、隔てられたケース排出口とを有する液圧ギヤ・ポンプ、及び液圧ギヤ・ポンプを動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   F04C 2/10 20060101AFI20250605BHJP
【FI】
F04C2/10 341F
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2024508963
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(86)【国際出願番号】 US2021064264
(87)【国際公開番号】W WO2023063967
(87)【国際公開日】2023-04-20
【審査請求日】2024-02-14
(31)【優先権主張番号】63/255,084
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513307933
【氏名又は名称】パーカー-ハネフィン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】PARKER-HANNIFIN CORPORATION
【住所又は居所原語表記】6035 Parkland Blvd. Cleveland, OH 44124 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンダーラーン,デール・イー
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ハオ
(72)【発明者】
【氏名】カリディンディ,サティシュ・クマール・ラジュ
【審査官】川上 佳
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第01773211(US,A)
【文献】英国特許出願公告第00719974(GB,A)
【文献】特開2009-115039(JP,A)
【文献】特開平03-290076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギヤ・ポンプであって、前記ギヤ・ポンプは、
ポンプ・リング・ギヤと、
ポンプ・シャフトと、
前記ポンプ・シャフトに組み付けられ、前記ポンプ・リング・ギヤ内に配設されるポンプ・ピニオンであって、前記ポンプ・ピニオンの外歯は、前記ポンプ・リング・ギヤの内歯と係合するようにし、前記ポンプ・シャフトは、前記ポンプ・ピニオンを回転させるように構成され、これにより、前記ポンプ・ピニオンと係合する前記ポンプ・リング・ギヤを回転させ、前記ギヤ・ポンプの入口チャンバから出口チャンバに流体を押しのける、ポンプ・ピニオンと、
1つ又は複数の交差穴及びポケットを備えるポンプ・カバーと、
前記ポンプ・シャフト回りに配設されるブッシュと、
前記ポンプ・カバーと前記ポンプ・リング・ギヤとの間に軸方向に介挿される推力受け板と、
を備え、前記ブッシュの外面は、前記ポンプ・カバーの内面と接続し、前記ポケットは、前記ブッシュの一部分の回りに形成され、前記ポンプ・カバーの1つ又は複数の交差穴は、前記出口チャンバを前記ポケットに流体連結し、これにより、前記ポケット内の流体は、支持力を前記ポンプ・シャフトに加え
前記推力受け板は、前記出口チャンバに流体連結される貫通孔を備え、前記ポンプ・カバーは、前記推力受け板の貫通孔からの流体を受け入れる止まり穴を備え、前記ポンプ・カバーの1つ又は複数の交差穴の1つの交差穴は、前記止まり穴に流体連結され、
前記1つ又は複数の交差穴は、
前記止まり穴に流体連結される第1の交差穴と、
前記第1の交差穴に流体連結される第2の交差穴と、
前記第2の交差穴を前記ポケットに流体連結する第3の交差穴と
を備える、ギヤ・ポンプ。
【請求項2】
ギヤ・ポンプであって、前記ギヤ・ポンプは、
ポンプ・リング・ギヤと、
ポンプ・シャフトと、
前記ポンプ・シャフトに組み付けられ、前記ポンプ・リング・ギヤ内に配設されるポンプ・ピニオンであって、前記ポンプ・ピニオンの外歯は、前記ポンプ・リング・ギヤの内歯と係合するようにし、前記ポンプ・シャフトは、前記ポンプ・ピニオンを回転させるように構成され、これにより、前記ポンプ・ピニオンと係合する前記ポンプ・リング・ギヤを回転させ、前記ギヤ・ポンプの入口チャンバから出口チャンバに流体を押しのける、ポンプ・ピニオンと、
1つ又は複数の交差穴及びポケットを備えるポンプ・カバーと、
前記ポンプ・シャフト回りに配設されるブッシュと、
排出ポート
を備え、前記ブッシュの外面は、前記ポンプ・カバーの内面と接続し、前記ポケットは、前記ブッシュの一部分の回りに形成され、前記ポンプ・カバーの1つ又は複数の交差穴は、前記出口チャンバを前記ポケットに流体連結し、これにより、前記ポケット内の流体は、支持力を前記ポンプ・シャフトに加え
前記排出ポートは、前記入口チャンバから隔離され、前記ポケットの下流に配設され、支持力を前記ポンプ・シャフトに加えている流体が前記排出ポートに流れるようにする、ギヤ・ポンプ。
【請求項3】
前記ブッシュは、交差穴を有し、前記交差穴は、前記ポケットに流体連結され、前記ポンプ・シャフトの外面と前記ブッシュの内面との間の境界面で前記ポケットから前記ブッシュ内に流体を連通させるように構成され、これにより、流体は、支持力を前記ポンプ・シャフトに加える、請求項1または2に記載のギヤ・ポンプ。
【請求項4】
前記ポケットは、前記ブッシュの下に形成される、請求項1または2に記載のギヤ・ポンプ。
【請求項5】
前記ブッシュは、前記ポンプ・リング・ギヤの遠位側に配設される第1のブッシュであり、前記ポンプ・カバーは、前記ポンプ・リング・ギヤの遠位側に配設される第1のポンプ・カバーであり、前記ギヤ・ポンプは、
前記ポンプ・リング・ギヤの近位側に配設され、1つ又は複数のそれぞれの交差穴及びそれぞれのポケットを備える第2のポンプ・カバーと、
前記ポンプ・リング・ギヤの近位側で前記ポンプ・シャフト回りに配設される第2のブッシュと
を更に備え、前記第2のブッシュの外面は、前記第2のポンプ・カバーの内面と接続し、それぞれの前記ポケットは、前記第2のブッシュの一部分の回りに形成され、前記ポンプ・カバーの1つ又は複数のそれぞれの交差穴は、前記出口チャンバを前記それぞれのポケットに流体連結するように構成され、これにより、それぞれの前記ポケット内の流体は、それぞれの支持力を前記ポンプ・シャフトに加える、請求項1または2に記載のギヤ・ポンプ。
【請求項6】
前記ポンプ・カバーに連結される端カバー
を更に備え、前記排出ポートは、前記端カバー内に形成される、請求項に記載のギヤ・ポンプ。
【請求項7】
方法であって、前記方法は、
ギヤ・ポンプのポンプ・シャフトを回転させることであって、ポンプ・ピニオンは、前記ポンプ・シャフトに組み付けられ、前記ギヤ・ポンプのポンプ・リング・ギヤ内に配設され、前記ポンプ・ピニオンの外歯は、前記ポンプ・リング・ギヤの内歯と係合するようにし、前記ポンプ・シャフトの回転により、前記ポンプ・ピニオンを回転させ、これにより、前記ポンプ・ピニオンと係合する前記ポンプ・リング・ギヤを回転させ、前記ギヤ・ポンプの入口チャンバから出口チャンバに流体を押しのける、回転させることと、
前記出口チャンバから、前記ポンプ・シャフト回りに配設されるブッシュの一部分の回りに形成されるポケットに流体を供給することと、
前記ポケット内の流体によって前記ポンプ・シャフトに支持力を加えることと、
前記支持力を加えている流体を、前記入口チャンバから隔てられる排出ポートに排出することと
を含む、方法。
【請求項8】
前記ギヤ・ポンプは、ポンプ・カバーを備え、前記ポンプ・カバーは、前記ポケットを備え、前記出口チャンバを前記ポケットに流体連結する1つ又は複数の交差穴を備え、前記出口チャンバから前記ポケットへの流体の供給は、
前記出口チャンバからの流体を、前記1つ又は複数の交差穴を介して前記ポケットに通すこと
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ又は複数の交差穴は、(i)前記出口チャンバに流体連結される第1の交差穴と、(ii)前記第1の交差穴に流体連結される第2の交差穴と、(iii)前記第2の交差穴を前記ポケットに流体連結する第3の交差穴とを備え、前記出口チャンバからの流体を前記1つ又は複数の交差穴を介して前記ポケットに通すことは、
前記出口チャンバからの流体を、前記第1の交差穴を介して前記第2の交差穴に通すことと、
前記第2の交差穴からの流体を前記第3の交差穴に通すことと、
前記第3の交差穴からの流体を前記ポケットに通すことと
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記ギヤ・ポンプは、前記ポンプ・カバーと前記ポンプ・リング・ギヤとの間に軸方向に介挿される推力受け板を更に備え、前記推力受け板は、前記出口チャンバに流体連結される貫通孔を備え、前記ポンプ・カバーは、前記推力受け板の貫通孔からの流体を受け入れる止まり穴を備え、前記ポンプ・カバーの前記第1の交差穴に流体連結され、前記出口チャンバからの流体を前記第1の交差穴を介して通すことは、
前記出口チャンバからの流体を、前記推力受け板の貫通孔を通じて前記止まり穴に通すことと、
前記止まり穴からの流体を、前記第1の交差穴を介して前記第2の交差穴に通すことと
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記ブッシュは、前記ポケットに流体連結される交差穴を有し、前記方法は、
前記ポンプ・シャフトの外面と前記ブッシュの内面との間の境界面で、前記ポケットからの流体を前記ブッシュの交差穴を介して前記ブッシュ内に通すこと
を更に含み、これにより、流体は、支持力を前記ポンプ・シャフトに加える、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記ブッシュは、前記ポンプ・リング・ギヤの遠位側に配設される第1のブッシュであり、前記ギヤ・ポンプは、前記ポンプ・リング・ギヤの近位側で前記ポンプ・シャフト回りに配設される第2のブッシュを更に備え、前記方法は、
前記出口チャンバからの流体を前記第2のブッシュの一部分の回りに形成されるそれぞれのポケットに供給すること
を更に含み、これにより、前記それぞれのポケット内の流体は、それぞれの支持力を前記ポンプ・シャフトに加える、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記ギヤ・ポンプは、端カバーを更に備え、前記排出ポートは、前記端カバー内に形成され、支持力を前記排出ポートに加えている流体を排出することは、
支持力を加えている流体を前記端カバー内に形成されるチャンバに通すこと
を含み、前記チャンバは、前記排出ポートに流体連結される、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月13日出願の米国仮出願第63/255,084号を主張し、当該出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ギヤ・ポンプは、押しのけ容積によって流体を押し出すためにギヤのかみあいを使用する。2つの主な変種:2つの外接スパー・ギヤを使用する外接ギヤ・ポンプ、並びに外接スパー・ギヤ(例えば、ピニオン)及び内接スパー・ギヤ(例えば、リング)を使用する内接ギヤ・ポンプがある。ギヤ・ポンプは、ポンプが各回転の間に一定量の流体を供給し得る固定押しのけ容積を有する。
【0003】
失速条件の間等のいくつかのケースでは、ギヤ・ポンプは、ポンプが、ゼロ排出流で定格圧力を維持する状態で動作し得る。言い換えれば、ポンプは、ポンプからの流体流を供給せずに、ポンプの出口ポートで高圧レベルを維持する。この条件では、ポンプのギヤは、高トルク負荷下、低速で回転する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような条件(例えば、失速条件)では、少量の流体をポンプから出し、ポンプの内部構成要素を冷却するようにポンプを構成し、ポンプ・シャフトの高負荷を支持するように低速で動作する低価格のシャフト軸受を有することが望ましい場合がある。本明細書で行う開示が提示するのは、これら及び他の考慮事項に対してである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、静圧シャフト軸受と、隔てられたケース排出口とを有する液圧ギヤ・ポンプに関する実装形態を説明する。
【0006】
第1の例示的実装形態では、本開示は、ギヤ・ポンプを説明する。ギヤ・ポンプは、ポンプ・リング・ギヤと、ポンプ・シャフトと、ポンプ・シャフトに組み付けられ、ポンプ・リング・ギヤ内に配設されるポンプ・ピニオンであって、ポンプ・ピニオンの外歯は、ポンプ・リング・ギヤの内歯に係合するようにし、ポンプ・シャフトは、ポンプ・ピニオンを回転するように構成され、これにより、ポンプ・ピニオンと係合するポンプ・リング・ギヤを回転させ、ギヤ・ポンプの入口チャンバから出口チャンバに流体を押しのける、ポンプ・ピニオンと、1つ又は複数の交差穴及びポケットを備えるポンプ・カバーと、ポンプ・シャフト回りに配設されるブッシュとを含み、ブッシュの外面は、ポンプ・カバーの内面と接続し、ポケットは、ブッシュの一部分の周りに形成され、ポンプ・カバーの1つ又は複数の交差穴は、出口チャンバをポケットに流体連結し、これにより、ポケット内の流体は、支持力をポンプ・シャフトに加える。
【0007】
第1の例示的実装形態では、本開示は、方法を説明する。方法は、ギヤ・ポンプのポンプ・シャフトを回転させることであって、ポンプ・ピニオンは、ポンプ・シャフトに組み付けられ、ギヤ・ポンプのポンプ・リング・ギヤ内に配設され、ポンプ・ピニオンの外歯はポンプ・リング・ギヤの内歯と係合するようにし、ポンプ・シャフトの回転により、ポンプ・ピニオンを回転させ、これにより、ポンプ・ピニオンと係合するポンプ・リング・ギヤを回転させ、ギヤ・ポンプの入口チャンバから出口チャンバに流体を押しのける、回転させることと、出口チャンバからの流体を、ポンプ・シャフト回りに配設されるブッシュの一部分の回りに形成されるポケットに供給することと、ポケット内の流体によって支持力をポンプ・シャフトに加えることと、支持力を加えている流体を入口チャンバから隔てられる排出ポートに排出することとを含む。
【0008】
上記の概要は、例示にすぎず、決して限定を意図するものではない。これらの例示的態様、実装形態、及び前述の特徴に加えて、更なる態様、実装形態及び特徴は、図面及び以下の詳細な説明を参照すれば明らかになるであろう。
【0009】
例示的な例に特徴的であると考えられる新規の特徴を添付の特許請求の範囲で示す。しかし、例示的な例及び好ましい使用モード、更なる目的及びそれらの説明は、添付の図面と共に読めば、本開示の例示的例に対する以下の詳細な説明への参照によって最良に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例示的実装形態によるギヤ・ポンプの斜視部分図である。
図2】例示的実装形態による図1のギヤ・ポンプの断面図である。
図3】例示的実装形態による図1のギヤ・ポンプの斜視分解図である。
図4】例示的実装形態による図1のギヤ・ポンプの部分正面断面図である。
図5】例示的実装形態による図1のギヤ・ポンプの部分正面図である。
図6】例示的実装形態による図1のギヤ・ポンプの別の断面図である。
図7】例示的実装形態によるギヤ・ポンプを動作させる方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、かなりの量の時間、ゼロ排出流及び高圧で動作し得るギヤ・ポンプに関する。ギヤ・ポンプは、動作中、多大なシャフト軸受負荷を発生させ得る。従来のジャーナル軸受を使用する、低速で長寿命を要求する適用には、問題がある。というのは、低速では、シャフトを十分に支持するのに必要な、必要とされる流体力学膜を生成できないためである。ローラ要素軸受を使用し得るが、費用がかかり、重量を余儀なくさせる。
【0012】
本明細書で開示するのは、静圧軸受と共に構成されるギヤ・ポンプであり、静圧軸受は、低価格で、低速で効果的であり、小型で、重量効率が高い。特に、静圧軸受を実装するため、開示するポンプは、液圧領域に向けられる高圧漏出流体を供給するように構成され、高圧漏出流体は、支持力をポンプ・シャフトに供給し得る。
【0013】
更に、開示するギヤ・ポンプは、静圧軸受内でシャフトを支持するために使用される流体を個別のケース排出口に供給し、ギヤ・ポンプの内部構成要素を冷却するように構成される。ケース排出口は、漏出流体が再循環しないように、入口から隔てられる。したがって、高圧漏出流体を使用して、静圧軸受構成を介してシャフトを支持し、高圧漏出流体が隔てられたケース排出口に供給される際にギヤ・ポンプを冷却する。
【0014】
図1は、一例示的実装形態によるギヤ・ポンプ100の斜視部分図を示し、図2は、一例示的実装形態によるギヤ・ポンプ100の断面図を示し、図3は、一例示的実装形態によるギヤ・ポンプ100の斜視分解図を示す。図1図3を一緒に説明する。
【0015】
ギヤ・ポンプ100は、ギヤ・ポンプ100の構成要素を収容するように構成されるポンプ筐体102を有する。ギヤ・ポンプ100は、ポンプ筐体102に連結される端カバー104を更に含む。例えば、締結器106及び締結器108等のいくつかの締結器を円形配列で配設でき、端カバー104をポンプ筐体102に連結するために使用する。
【0016】
一例では、ギヤ・ポンプ100は、ポンプ筐体102に連結され、端カバー104の反対側のポンプ筐体102の他端に組み付けられる別の端カバーを有し得る。別の例では、ギヤ・ポンプ100は、例えば、電気モータを含むより大型組立体の一部とし得る。この例では、電気モータは、ポンプ筐体102を介してギヤ・ポンプ100と接続し得る。
【0017】
図2図3に示すように、ギヤ・ポンプ100は、ポンプ筐体102内に配設されるポンプ・ピニオン110(例えば、外歯がその外周面内に形成されるスパー・ギヤ)と、ポンプ・リング・ギヤ112(例えば、内歯がその内周面内に形成されるリング・ギヤ)とを有する内接ギヤ・ポンプとして構成される。ポンプ・ピニオン110は、ポンプ・シャフト114の一体部分に組み付けられる、又はその一体部分であり、ポンプ・ピニオン110の歯は、ポンプ・リング・ギヤ112の歯と係合する。更に、ポンプ・ピニオン110は、ポンプ・リング・ギヤ112の中心に対して外れて組み付けられる。即ち、ポンプ・ピニオン110の回転中心は、ポンプ・リング・ギヤ112の回転中心に対して偏心する、又はポンプ・リング・ギヤ112の回転中心からずれている。例では、ポンプ・シャフト114は、ポンプ・シャフト114を介してポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112に回転運動をもたらすように、スプライン115を介してモータのギヤ・ボックス又はロータに回転可能に連結し得る。
【0018】
ギヤ・ポンプ100は、前端カバー内に形成される入口ポートを有することができ、前端カバーは、例えば、ポンプ筐体102に連結されるか、又はギヤ・ポンプ100を含む組立体に連結される。入口ポートは、図2に示されるように、ポンプ筐体102内に形成された入口通路116に流体をもたらす。ギヤ・ポンプ100は、ポンプ筐体102内に形成される出口ポート118も有し、出口ポート118を通じて、流体がギヤ・ポンプ100から液圧消費器、例えば液圧アクチュエータに排出される。ギヤ・ポンプ100は、端カバー104内に形成される排出ポート120を更に有する。排出ポート120は、ギヤ・ポンプ100の入口ポートとは別個であり、入口ポートから隔てられる。
【0019】
ポンプ・リング・ギヤ112及びポンプ・ピニオン110は、(i)ポンプ・リング・ギヤ112及びポンプ・ピニオン110の遠位側に配設される第1の推力受け板122、及び(ii)ポンプ・リング・ギヤ112及びポンプ・ピニオン110の近位側に配設される第2の推力受け板124を介して、ポンプ筐体102内で軸方向に支持されている。したがって、ポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112は、推力受け板122と124との間に介挿される又は挟まれている。
【0020】
推力受け板122、124は、図3に示されるように、インゲン豆形状であるように構成される。後述のように、推力受け板122、124は、ギヤ・ポンプ100内の漏出を低減し、ギヤ・ポンプ100の効率を改善し得る軸方向補償器として動作し得る。
【0021】
推力受け板122、124は、第1のポンプ・カバー126及び第2のポンプ・カバー128によって支持される。特に、図2に示すように、第1の推力受け板122は、ポンプ・リング・ギヤ112と第1のポンプ・カバー126との間で軸方向に介挿され、第1の推力受け板122は、境界面125で第1のポンプ・カバー126と接続する。第2の推力受け板124は、ポンプ・リング・ギヤ112と第2のポンプ・カバー128との間で軸方向に介挿され、第2の推力受け板124は、境界面127で第2のポンプ・カバー128と接続する。用語「境界面」とは、2つの構成要素が接触、相互作用する(例えば、推力受け板122、124がポンプ・カバー126、128のそれぞれと接触、相互作用する)点、平面又は空間(又は平面若しくは空間の一部分)を示すために本明細書で使用する。
【0022】
この構成の場合、ギヤ・ポンプ100の構成要素は、ポンプ・カバー126、128の間に介挿され、ポンプ・カバー126、128によって支持される。図2に示されるように、ポンプ・カバー126、128はそれぞれ、ポンプ・シャフト114を中に収容する中心貫通孔を含む。推力受け板122、124は、ポンプ・カバー126、128に締結されるのではなく、後述するように、軸方向に移動し得る浮動構成要素として構成され、軸方向の隙間があれば埋め合わせ、ギヤ・ポンプ100内の内部漏出を低減させる。
【0023】
更に、ギヤ・ポンプ100は、ポンプ・カバー126、128及び推力受け板122、124の外面と内面との間で、ポンプ・シャフト114回りに配設されるブッシュ130とブッシュ132とを含む。したがって、ブッシュ130は、少なくとも部分的に、ポンプ・カバー126内に配設され、ブッシュ132は、少なくとも部分的に、ポンプ・カバー128内に配設される。ブッシュ130、132は、ポンプ・シャフト114の回転を促進する軸受として構成され、ブッシュ軸受、スリーブ軸受又はジャーナル軸受と呼び得る。更に、以下でより詳細に説明するように、ブッシュ130、132は、ポンプ・シャフト114が低回転速度にある際、ポンプ・シャフト114を支持する静圧軸受として動作する。
【0024】
更に、図3に示すように、ギヤ・ポンプ100は、内側クレセント134と外側クレセント136とを含む。用語「内側」及び「外側」は、クレセントの径方向の配置を示し、内側クレセント134は、外側クレセント136に対して径方向内側に配設される。
【0025】
内側クレセント134及び外側クレセント136は、第2のポンプ・カバー128に連結される第1の位置決めピン138及び第1のポンプ・カバー126に連結される(図3では部分的に示される)第2の位置決めピン140によって、ポンプ・リング・ギヤ112とポンプ・ピニオン110との間の内部空間内で軸方向に支持されている。第1の位置決めピン138は、クレセント134、136の近位端部と軸方向に接続する。同様に、第2の位置決めピン140は、クレセント134、136の遠位端部と軸方向に接続する。この構成の場合、内側クレセント134及び外側クレセント136は、位置決めピン138、140によって軸方向に所定の位置で保持され、位置決めピン138、140は、クレセント134、136の向きも維持する。
【0026】
動作中、流体は、入口ポートを通り、次に、入口通路116を通り、図2に示す入口チャンバ142に供給される。ポンプ・シャフト114が回転するにつれて、ポンプ・ピニオン110が回転し、ポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112の歯の係合のために、ポンプ・リング・ギヤ112をポンプ・ピニオン110と共に回転させる。
【0027】
上述のように、ポンプ・ピニオン110の回転中心は、ポンプ・リング・ギヤ112の回転中心からずれている。したがって、ポンプ・ピニオン110のギヤ外歯及びポンプ・リング・ギヤ112のギヤ内歯が分離する又は外れると、拡張容積部(即ち、拡張チャンバ)をもたらす。拡張容積部は、集合的に、分離している歯の間に形成される複数のポケットを表す。拡張容積部は、入口チャンバ142に流体連結されるギヤ・ポンプ100の取入口側上で、分離している歯の間に形成される吸引空洞として動作し、入口チャンバ142は、入口通路116を介して入口ポートに流体連結される。
【0028】
図3に示すように、ポンプ・リング・ギヤ112は、ポンプ・リング・ギヤ112回りに周方向配列で配設される交差穴144等の複数の径方向交差穴を有する。入口チャンバ142からの流体は、ポンプ・リング・ギヤ112の遠位端部及び近位端部から流れるだけでなく、ポンプ・リング・ギヤ112の径方向交差穴を通じても流れ、歯の間の拡張容積部を充填する。
【0029】
図4は、例示的実装形態によるギヤ・ポンプ100の部分正面断面図を示す。ポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112が回転するにつれてポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112のギヤ歯がかみあうと、流体を押しのける。言い換えれば、ポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112の歯がギヤ・ポンプ100の排出側でかみあうにつれて、容積は低減し、流体は、圧力下、ポンプ・リング・ギヤ112の径方向交差穴を通じて、図4に示される出口チャンバ146に強制的に出され、次に出口ポート118に出される。
【0030】
ポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112の歯がかみあうと、これらの歯は、入口ポートから受け入れた低圧流体を有する拡張容積部と、かみあっている又はかみあおうとしている歯の間の、出口ポート118に連結されている容積部との間に封止部を形成する。歯のかみあいによって生成される封止部は、流体を排出ポートから強制的に出し、流体が逆に流れるのを防止する。
【0031】
更に、ポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112が回転するにつれて、クレセント134、136は、流体が低圧吸引拡張容積部から、出口ポート118に連結された出口チャンバ146に運ばれるように、流体を分割する。したがって、クレセント134、136は、低圧容積部と高圧容積部との間の封止部を形成し得る。
【0032】
特に、外側クレセント136の外面(即ち、径方向外側面)は、ポンプ・リング・ギヤ112の内歯と接続し、これらの間に封止部を生成する。外側クレセント136の外面とポンプ・リング・ギヤ112の内歯との間の効果的な封止部は、高圧容積部から低圧容積部への漏出を妨げ得る。用語、流体流を「妨げる」又は「阻止する」は、例えば、1分あたり数滴の最小流を除いて、流体流を実質的に防止することを示すために本明細書で使用される。
【0033】
同様に、内側クレセント134の内面(即ち、径方向内側面)は、ポンプ・ピニオン110の外歯と接続し、これらの間に封止部を生成する。内側クレセント134の内面とポンプ・ピニオン110の外歯との間の効果的な封止部により、高圧容積部から低圧容積部への漏出を妨げ得る。
【0034】
クレセント134、136の構成は、効果的な封止部をもたらし、クレセント134、136とギヤ歯の間の径方向の隙間を補償し、効果的な封止部を生成する。特に、外側クレセント136と内側クレセント134との間の境界面を通じてしみ出る拡張容積部又は高圧容積部のいずれかからの流体は、クレセント134、136を押して径方向に離し得る。特に、クレセント134、136の間の流体は、外側クレセント136をポンプ・リング・ギヤ112の内歯に向かって径方向外側に押すことができ、これにより、これらの間の径方向の空間又は隙間があればなくし、効果的な封止部を形成する。同様に、クレセント134、136の間の流体は、内側クレセント134をポンプ・ピニオン110の外歯に向かって径方向内側に押すことができ、これにより、これらの間の径方向の空間又は隙間があればなくし、効果的な封止部を形成する。
【0035】
図3に示すように、ポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112の遠位側上で、第1の推力受け板122は、貫通孔148等の貫通孔を有することができ、排出側における(例えば、出口チャンバ146からの)高圧流体の流体連通を可能にし、図2に示されるポンプ・カバー126内に形成される止まり穴150に流す。同様に、ポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112の近位側上で、第2の推力受け板124は、貫通孔152等の貫通孔を有することができ、排出側における(例えば、出口チャンバ146からの)高圧流体の流体連通を可能にし、図2に示されるポンプ端カバー126内に形成される止まり穴154に流す。したがって、出口チャンバ146(図4を参照)内の高圧流体は、推力受け板122、124内の貫通孔148、152を介して両方向で軸方向に通し得る。したがって、高圧流体は、推力受け板122、124とポンプ・カバー126、128との間のそれぞれの境界面125、127に到達する。
【0036】
第1の推力受け板122と第1のポンプ・カバー126との間の境界面125に閉じ込められた流体は、ポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112の遠位端面に向かって、第1の推力受け板122上に軸方向流体力を加える。こうして、第1の推力受け板122とポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112の遠位端面との間に金属-金属封止部が生成される。同様に、第2の推力受け板124と第2のポンプ・カバー128との間の境界面127に閉じ込められた流体は、ポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112の近位端面に向かって、第2の推力受け板124上に軸方向流体力を加える。こうして、第2の推力受け板124とポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112の近位端面との間に金属-金属封止部が生成される。
【0037】
ポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112に向かって推力受け板122、124に作用する流体力は、ポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112に対して推力受け板122、124を軸方向に押す又は押し進め、これにより、効果的な封止部を生成し、これらの間の軸方向の間隙があればなくす。したがって、推力受け板122、124は、軸方向補償器と呼び得る。というのは、推力受け板122、124は、推力受け板122、124と、これらの間に配設されるポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112との間に軸方向の間隙があれば補償でき、これにより、漏出を低減し、ギヤ・ポンプ100の効率を改善するためである。
【0038】
図3を参照すると、ギヤ・ポンプ100は、インゲン豆形状封止体156の第1のセットを含み、インゲン豆形状封止部156の第1のセットは、第1のポンプ・カバー126の近位側で外形の付いた空洞又は凹部内に配設でき、凹部は、インゲン豆形状封止体156の第1のセットの形状に一致する形状を有する。したがって、インゲン豆形状封止体156の第1のセットは、第1の推力受け板122に面する第1のポンプ・カバー126の近位側に置き得る。この構成の場合、インゲン豆形状封止体156の第1のセットは、入口通路116に供給される低圧流体から、境界面125に連通する(高圧容積部からの)高圧流体を隔てる又は封止する。したがって、インゲン豆形状封止体156の第1のセットは、高圧側から低圧側への交差流又は漏出を妨げ得る。
【0039】
同様に、ギヤ・ポンプ100は、インゲン豆形状封止体158の第2のセットを含むことができ、インゲン豆形状封止部158の第2のセットは、第2のポンプ・カバー128の遠位側で外形の付いた空洞又は凹部内に配設され、凹部は、インゲン豆形状封止体158の第2のセットの形状に一致する形状を有する。したがって、インゲン豆形状封止体158の第2のセットは、第2の推力受け板124に面する第2のポンプ・カバー128の遠位側に置かれる。インゲン豆形状封止体158の第2のセットは、低圧流体から、境界面127に連通する(高圧容積部からの)高圧流体を隔てる又は封止し得る。したがって、インゲン豆形状封止体158の第2のセットは、高圧側から低圧側への交差流又は漏出を妨げ得る。
【0040】
一例では、インゲン豆形状封止体156、158のセットはそれぞれ、主要封止体と予備封止体とを含み得る。別の例では、インゲン豆形状封止体156、158のセットはそれぞれ、主要封止体と封止体支持層とを含み得る。
【0041】
失速条件等のいくつかの動作条件下では、ギヤ・ポンプ100は、出口ポート118から流体を排出させない間、出口ポート118で定格圧力(例えば、平方インチごとに3000ポンド)を保持する必要がある場合がある。例えば、ギヤ・ポンプ100が液圧アクチュエータ(例えば、液圧シリンダ)に流体を供給しており、液圧アクチュエータが、液圧アクチュエータを動かさずにある負荷を保持する必要がある場合、ギヤ・ポンプ100は、流体流を供給せずにこの負荷を保持するのに十分な定格圧力保持する必要がある場合がある。
【0042】
そのような条件下では、ポンプ・シャフト114は、低速(例えば、50~200毎分回転数)で回転でき、相当な流体流を供給せずに定格圧力を維持するためには高トルク負荷を受ける。言い換えれば、ポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112(並びにポンプ・シャフト114)は、高トルク負荷下、低速で回転する。
【0043】
そのような条件下で出口ポート118から流体が排出されない間、ポンプ・シャフト114が低速で回転する際に定格圧力の保持を促進するため、ある漏出量の流体が生成される。ギヤ・ポンプ100は、そのような漏出流体を使用し、ポンプ・シャフト114上の負荷を支持し、入口ポートから隔てられる排出ポート120に流体を送り、熱を除去し、ギヤ・ポンプ100を冷却するように構成される。
【0044】
上記のように、止まり穴150、154は、高圧流体を境界面125、127に送り、ポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112に対して推力受け板122、124を押す。更に、ポンプ・カバー126、128は、交差穴をそれぞれ有し、交差穴は、止まり穴150、154内の高圧流体をそれぞれブッシュ130、132に送り、ブッシュ130、132の動作を促進する。というのは、静圧軸受は、ポンプ・シャフト114が低速で回転する際にポンプ・シャフト114上の負荷を支持可能であるためである。
【0045】
図5は、例示的実装形態によるギヤ・ポンプ100の部分正面図を示す。図示のように、第2のポンプ・カバー128は、交差穴を有し、交差穴は、止まり穴154内の高圧流体をブッシュ132の一部分の回り、例えば、ブッシュ132の下に形成された溝又はポケット500に送るように構成される。
【0046】
特に、第2のポンプ・カバー128は、高圧流体を止まり穴154からポケット500に通すように構成される1つ又は複数の交差穴を有する。例えば、ポンプ・カバー128は、止まり穴154に到達するように、第2のポンプ・カバー128内に交差穿孔された第1の交差穴502を含み得る。第2の交差穴504は、第1の交差穴502を第3の交差穴506に流体連結するため、第2のポンプ・カバー128内に交差穿孔され、第3の交差穴506も、第2のポンプ・カバー128内に交差穿孔される。
【0047】
用語「交差穴」とは、別の穴、空洞又は通路の経路に交差する、又はこれらに対して横断的に形成される任意の種類の開口(例えば、細穴、窓、穴等)を包含するように本明細書で使用される。交差穴502~506は、第2のポンプ・カバー128内に交差穿孔された後、プラグ508、プラグ510及びプラグ512を介してそれぞれ塞がれる。
【0048】
したがって、止まり穴154から受け入れた高圧流体は、第1の交差穴502及び第2の交差穴504を介して第3の交差穴506に通される。次に、第3の交差穴506は、高圧流体をポケット500に供給する。
【0049】
図6は、例示的実装形態によるギヤ・ポンプ100の別の断面図を示す。図6の断面図は、図2の断面図の平面とは異なる平面にわたり取られる。図6の断面図において、第3の交差穴506は、第2のポンプ・カバー128内に示される。
【0050】
図6に示されるように、ブッシュ132は、交差穴600と交差穴602とを有する。交差穴600は、封止されていない空間を通じてブッシュ132の外面に流れている、出口チャンバ146からの高圧流体を受け入れ得る。次に、流体は、ブッシュ132の内面とポンプ・シャフト114の外面との間の境界面でブッシュ132内に通される。この高圧流体は、一方の側(例えば、上側)からのポンプ・シャフト114を支持する。
【0051】
交差穴502~506は、高圧流体をブッシュ132の反対側に供給するように構成される。図5図6を一緒に参照すると、止まり穴154内の高圧流体は、第1の交差穴502を通り、次に、第2の交差穴504及び第3の交差穴506を通り、ポケット500に流れる。図6に示すように、ポケット500は、ブッシュ132の交差穴602と流体連結され、交差穴602と位置合わせされる。このように、高圧流体は、ブッシュ132の反対側(例えば、底側)でブッシュ132の内面とポンプ・シャフト114の外面との間の境界面に供給される。
【0052】
この構成の場合、ブッシュ132は、ポンプ・シャフト114が中に配設される静圧軸受として動作する。特に、ポンプ・シャフト114が低速で回転し、流体が出口ポート118から排出されない場合、ポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112の回転から得られる高圧流体は、漏出流体流とみなし得る。そのような漏出流体流は、実質的にブッシュ132の下に配設されるポケット500に供給され、次に、流体は、交差穴602を通り、ブッシュ132の内面とポンプ・シャフト114の外面との間の境界面でブッシュ132内に供給される。高圧流体は、径方向内側力をポンプ・シャフト114上に加え、この径方向内側力は、失速(低速)条件の間、ポンプ・シャフト114の重量に対して及びポンプ・シャフト114に加えられるあらゆるトルク負荷に対して、支持力を対抗させる又は支持力をもたらす。
【0053】
したがって、ブッシュ132は、静圧ジャーナル軸受のスリーブ又は外殻として動作し、ポンプ・シャフト114の長手方向軸604に直交する方向で作用する径方向負荷を支持する。径方向負荷は、ポンプ・シャフト114上の下方負荷、又はポンプ・シャフト114の重量によるものである。ブッシュ130は、ブッシュ132と同様に構成され、第1のポンプ・カバー126は、第2のポンプ・カバー128と同様に構成され、ブッシュ130が、ポンプ・シャフト114の長手方向軸604に沿ってブッシュ132から軸方向に離間するポンプ・シャフト114のための別の静圧軸受として動作するようにする。
【0054】
特に、第1のポンプ・カバー126は、図6に示される交差穴606を含む複数の交差穴を有し、止まり穴150(図2を参照)からの高圧流体をポケット500と同様のポケット608に供給し得る。ブッシュ130は、ブッシュ132の交差穴600、602とそれぞれ同様である交差穴610と交差穴612とを含む。したがって、ポケット608は、高圧流体を交差穴612に供給し、次に、ブッシュ130の内面とポンプ・シャフト114の外面との間の境界面に供給し、低回転速度でポンプ・シャフト114を支持する。
【0055】
ブッシュ130、132は、ポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112にまたがり、ポンプ・シャフト114の長さ部に沿って軸方向に離間して配設される。この構成は、ポンプ・シャフト114に支持の向上をもたらし得る。
【0056】
ポンプ・シャフト114を支持するためにポケット500、608に供給される漏出流体流が、入口ポートで受け入れた入口流体の合流を可能にする場合、流体は、ギヤ・ポンプ100に低温流体を進入させずに、再循環する。ギヤ・ポンプ100を通る再循環流体は、除かれる可能性がある熱量を制限し得る。更に、大規模な圧力降下は、ポンプ・ピニオン110及びポンプ・リング・ギヤ112によって排出される高圧レベルの流体、並びに低圧(例えば、大気圧)で流体を有する入口ポートに戻って供給される流体から生じる。そのような大規模な圧力降下は、ギヤ・ポンプ100から発生する熱の形態の力の損失を示す。言い換えれば、そのような漏出流体流は、流体がギヤ・ポンプ100から排出されない失速条件の間、ギヤ・ポンプ100の冷却に効果的ではない場合がある。
【0057】
この問題を緩和するため、ギヤ・ポンプ100は、漏出流体流を排出ポート120に供給するように構成され、排出ポート120は、入口ポートから隔てられ、ポケット500の下流に配設される。例えば、ポケット500から供給された流体は、交差穴602を通じてブッシュ132の内面とポンプ・シャフト114の外面との間の境界面に流れ、次に、端カバー104内に形成されるチャンバ614に押し進められる又は排出され、次に、排出ポート120に流れる。別の例示的実装形態では、流体は、ポンプ・シャフト114内の穴を通じて、次に、ポンプ・シャフト114を通る通路を通じてチャンバ614に誘導し得る。
【0058】
したがって、漏出流体を生成するために入口ポートから引き出される流体は、入口ポートに戻って再循環していない。更に、排出ポート120は、ギヤ・ポンプ100の入口ポートに供給される流体より高い圧力レベルを有することが可能である。このように、ポケット500に供給される高圧流体と排出ポート120に供給される高圧流体の間の圧力降下は、ポケット500に供給される流体と入口ポートに供給される流体との間の圧力降下と比較してより小さい。したがって、排出ポート120への漏出流体の供給は、失速、低速条件下、ギヤ・ポンプ100の冷却を向上し得る。
【0059】
上記の説明は、例示の一例として内接ギヤ・ポンプに関係するが、ポンプ・シャフトを支持するためにブッシュに高圧流体を供給し、隔てられたポートに流体を排出する実装形態を、外接ギヤ・ポンプに適用し得る。
【0060】
図7は、例示的実装形態によるギヤ・ポンプ100を動作させる方法700のフローチャートである。方法700は、ブロック702~708の1つ又は複数によって例示される1つ又は複数の動作、機能又は作用を含み得る。ブロックは連続的順序で示されるが、これらのブロックは、並行して及び/又は本明細書で説明される順序とは異なる順序で実施してもよい。また、様々なブロックは、所望の実装形態に基づき、より少ないブロックに組み合わせる、更なるブロックに分割する、及び/又は除去し得る。本明細書で開示するこの及び他の工程並びに方法のために、フローチャートは、本例の1つの可能な実装形態の機能及び動作を示すことを理解されたい。適度な当業者に理解されるように、代替実装形態は、本開示の例の範囲内に含まれており、機能は、関係する機能に応じて、実質的に同時又は逆順を含めて、示される又は説明した順から外れて実行し得る。
【0061】
ブロック702において、方法700は、ギヤ・ポンプ100のポンプ・シャフト114を回転させることを含み、ポンプ・ピニオン110は、ポンプ・シャフト114に組み付けられ、ギヤ・ポンプ100のポンプ・リング・ギヤ112内に配設され、ポンプ・ピニオン110の外歯は、ポンプ・リング・ギヤ112の内歯と係合するようにし、ポンプ・シャフト114の回転は、ポンプ・ピニオン110を回転させ、これにより、ポンプ・ピニオン110と係合するポンプ・リング・ギヤ112を回転させ、ギヤ・ポンプ100の入口チャンバ(例えば、入口チャンバ142)から出口チャンバ(例えば、出口チャンバ146)に流体を押しのける。
【0062】
ブロック704において、方法700は、出口チャンバから、ポンプ・シャフト114回りに配設されるブッシュ(例えば、ブッシュ130又はブッシュ132)の一部分の回りに形成されるポケット(例えば、ポケット500又はポケット608)に流体を供給することを含む。
【0063】
ブロック706において、方法700は、ポケット内の流体によってポンプ・シャフト114に支持力を加えることを含む。
【0064】
ブロック708において、方法は、支持力を加えている流体を、入口チャンバから隔てられる排出ポート120に排出することを含む。
【0065】
方法700は、本明細書全体にわたって説明する他のステップを更に含み得る。例えば、ギヤ・ポンプ100は、ポンプ・カバー(例えば、第1のポンプ・カバー126又は第2のポンプ・カバー128)を含むことができ、ポンプ・カバーは、ポケットを備え、出口チャンバをポケットに流体連結する1つ又は複数の交差穴(例えば、交差穴502~506)を備え、出口チャンバからポケットへの流体の供給は、出口チャンバからの流体を1つ又は複数の交差穴を介してポケットに通すことを含む。
【0066】
一例では、1つ又は複数の交差穴は、(i)出口チャンバに流体連結される第1の交差穴502と、(ii)第1の交差穴502に流体連結される第2の交差穴504と、(iii)第2の交差穴504をポケット500に流体連結する第3の交差穴506とを備え、出口チャンバからの流体を1つ又は複数の交差穴を介してポケットに通すことは、出口チャンバからの流体を第1の交差穴502を介して第2の交差穴504に通すことと、第2の交差穴504からの流体を第3の交差穴506に通すことと、第3の交差穴506からの流体をポケット500に通すこととを含む。
【0067】
ギヤ・ポンプは、ポンプ・カバーとポンプ・リング・ギヤとの間に軸方向に介挿される推力受け板(例えば、第1の推力受け板122又は第2の推力受け板124)を更に含み得る。推力受け板は、出口チャンバに流体連結される貫通孔(例えば、貫通孔148又は貫通孔152)を含むことができ、ポンプ・カバーは、止まり穴(例えば、止まり穴150又は止まり穴154)を備え、止まり穴は、推力受け板の貫通孔から流体を受け入れ、ポンプ・カバーの第1の交差穴502に流体連結される。出口チャンバからの流体を第1の交差穴を介して通すことは、出口チャンバからの流体を推力受け板の貫通孔を通じて止まり穴に通すことと、止まり穴からの流体を第1の交差穴を介して第2の交差穴に通すこととを含む。
【0068】
更に、ブッシュ(例えば、ブッシュ132)は、ポケットに流体連結される交差穴(例えば、交差穴602)を有する。方法は、ポンプ・シャフト114の外面とブッシュの内面との間の境界面で、ポケットからの流体をブッシュの交差穴を介してブッシュ内に通すことを更に含むことができ、これにより、流体は、支持力をポンプ・シャフト114に加える。
【0069】
第1のブッシュ(例えば、ブッシュ130)に加えて、ギヤ・ポンプ100は、ポンプ・リング・ギヤの近位側でポンプ・シャフト114回りに配設される第2のブッシュ(例えば、ブッシュ132)を更に含むことができ、方法は、出口チャンバからの流体を、第2のブッシュの一部分の回りに形成されるそれぞれのポケット(例えば、ポケット500)に供給することを更に含むことができ、これにより、それぞれのポケット内の流体は、それぞれの支持力をポンプ・シャフト114に加える。
【0070】
上述の詳細な説明は、添付の図面を参照しながら開示するシステムの様々な特徴及び動作を説明する。本明細書で説明する例示的実装形態は、限定を意味しない。開示するシステムのいくつかの態様は、多種多様な異なる構成で構成し、組み合わせ得る。これらの全てが本明細書で企図される。
【0071】
更に、文脈が別様に示唆しない限り、図面のそれぞれで示される特徴は、互いに組み合わせて使用し得る。したがって、図面は、概して、1つ又は複数の全体的実装形態の構成要素の態様として見るべきであり、全ての示される特徴が各実装形態に必要ではないことを理解されたい。
【0072】
更に、本明細書又は特許請求の範囲における要素、ブロック又はステップの任意の列挙は、明瞭にするためである。したがって、そのような列挙は、これらの要素、ブロック又はステップが特定の構成を固守すること、若しくは特定の順序で実行されることを必要とする又は暗示すると解釈すべきではない。
【0073】
更に、デバイス又はシステムは、図面で提示される機能を実施するために使用又は構成し得る。いくつかの例では、デバイス及び/又はシステムの構成要素は、いくつかの機能を実施するように構成することができ、これらの構成要素が、(ハードウェア及び/又はソフトウェアにより)実際に構成、構造化され、そのような実施を可能にするようにする。他の例では、デバイス及び/又はシステムの構成要素は、特定の様式で動作される等の際、機能の実施に適合する、機能の実施が可能である、又は機能の実施に好適であるように構成し得る。
【0074】
用語「実質的に」とは、挙げられた特性、パラメータ又は値を厳密に達成する必要はなく、例えば、公差、測定誤差、測定精度の限度、及び当業者に公知である他の要因を含む偏差又はばらつきは、特性が提供することを意図される効果を妨げない量で生じ得ることを意味する。
【0075】
本明細書で説明する構成は、単なる例にすぎない。したがって、当業者は、他の構成及び他の要素(例えば、機械、インターフェース、動作、順序及び順序のグループ化等)を代わりに使用でき、一部の要素は所望の結果により完全に省いてよいことを了解するであろう。更に、説明する要素の多数は、個別若しくは分散構成要素として、又は他の構成要素と共に、任意の適切な組合せ及び場所で実装し得る機能的実体である。
【0076】
様々な態様及び実装形態を本明細書で開示してきたが、他の態様及び実装形態が当業者に明らかであろう。本明細書で開示する様々な態様及び実装形態は、例示のためであり、限定を意図せず、真の範囲は、以下の特許請求の範囲によって、そのような特許請求の範囲が与えられる等価物の完全な範囲と共に示される。また、本明細書で使用する用語は、特定の実装形態を説明する目的にすぎず、限定を意図しない。
【0077】
したがって、本開示の実施形態は、以下に列挙される例示的実施形態(enumerated example embodiments、EEE)の1つに関し得る。
【0078】
EEE1は、ギヤ・ポンプであり、ギヤ・ポンプは、ポンプ・リング・ギヤと、ポンプ・シャフトと、ポンプ・シャフトに組み付けられ、ポンプ・リング・ギヤ内に配設されるポンプ・ピニオンであって、ポンプ・ピニオンの外歯は、ポンプ・リング・ギヤの内歯に係合するようにし、ポンプ・シャフトは、ポンプ・ピニオンを回転するように構成され、これにより、ポンプ・ピニオンと係合するポンプ・リング・ギヤを回転させ、入口チャンバからの流体をギヤ・ポンプの出口チャンバに押しのける、ポンプ・ピニオンと、1つ又は複数の交差穴及びポケットを備えるポンプ・カバーと、ポンプ・シャフト回りに配設されるブッシュとを備え、ブッシュの外面は、ポンプ・カバーの内面と接続し、ポケットは、ブッシュの一部分の回りに形成され、ポンプ・カバーの1つ又は複数の交差穴は、出口チャンバをポケットに流体連結し、これにより、ポケット内の流体は、支持力をポンプ・シャフトに加える。
【0079】
EEE2は、EEE1のギヤ・ポンプであり、ポンプ・カバーとポンプ・リング・ギヤとの間に軸方向に介挿される推力受け板を更に備え、推力受け板は、出口チャンバに流体連結される貫通孔を備え、ポンプ・カバーは、推力受け板の貫通孔からの流体を受け入れる止まり穴を備え、ポンプ・カバーの1つ又は複数の交差穴の1つの交差穴は、止まり穴に流体連結される。
【0080】
EEE3は、EEE2のギヤ・ポンプであり、1つ又は複数の交差穴は、止まり穴に流体連結される第1の交差穴と、第1の交差穴に流体連結される第2の交差穴と、第2の交差穴をポケットに流体連結する第3の交差穴とを備える。
【0081】
EEE4は、EEE1~3のいずれかのギヤ・ポンプであり、ブッシュは、交差穴を有し、交差穴は、ポケットに流体連結され、ポンプ・シャフトの外面とブッシュの内面との間の境界面でポケットからブッシュ内に流体を通すように構成され、これにより、流体は、支持力をポンプ・シャフトに加える。
【0082】
EEE5は、EEE1~4のいずれかのギヤ・ポンプであり、ポケットは、ブッシュの下に形成される。
【0083】
EEE6は、EEE1~5のいずれかのギヤ・ポンプであり、ブッシュは、ポンプ・リング・ギヤの遠位側に配設される第1のブッシュであり、ポンプ・カバーは、ポンプ・リング・ギヤの遠位側に配設される第1のポンプ・カバーであり、ギヤ・ポンプは、ポンプ・リング・ギヤの近位側に配設され、1つ又は複数のそれぞれの交差穴及びそれぞれのポケットを備える第2のポンプ・カバーと、ポンプ・リング・ギヤの近位側でポンプ・シャフト回りに配設される第2のブッシュとを更に備え、第2のブッシュの外面は、第2のポンプ・カバーの内面と接続し、それぞれのポケットは、第2のブッシュの一部分の回りに形成され、ポンプ・カバーの1つ又は複数のそれぞれの交差穴は、出口チャンバをそれぞれのポケットに流体連結するように構成され、これにより、それぞれのポケット内の流体は、それぞれの支持力をポンプ・シャフトに加える。
【0084】
EEE7は、EEE1~6のいずれかのギヤ・ポンプであり、排出ポートを更に備え、排出ポートは、入口チャンバから隔てられ、ポケットの下流に配設され、支持力をポンプ・シャフトに加えている流体が排出ポートに流れるようにする。
【0085】
EEE8は、EEE7のギヤ・ポンプであり、ポンプ・カバーに連結される端カバーを更に備え、排出ポートは、端カバー内に形成される。
【0086】
EEE9は、方法であり、方法は、ギヤ・ポンプのポンプ・シャフトを回転させることであって、ポンプ・ピニオンは、ギヤ・ポンプのポンプ・シャフトに組み付けられ、ポンプ・リング・ギヤ内に配設され、ポンプ・ピニオンの外歯は、ポンプ・リング・ギヤの内歯と係合するようにし、ポンプ・シャフトの回転により、ポンプ・ピニオンを回転させ、これにより、ポンプ・ピニオンと係合するポンプ・リング・ギヤを回転させ、ギヤ・ポンプの入口チャンバからの流体を出口チャンバに押しのける、回転させることと、出口チャンバからの流体を、ポンプ・シャフト回りに配設されるブッシュの一部分の回りに形成されるポケットに供給することと、ポケット内の流体によって支持力をポンプ・シャフトに加えることと、支持力を加えている流体を、入口チャンバから隔てられる排出ポートに排出することとを含む。
【0087】
EEE10は、EEE9の方法であり、ギヤ・ポンプは、ポンプ・カバーを更に備え、ポンプ・カバーは、ポケットを備え、出口チャンバをポケットに流体連結する1つ又は複数の交差穴を備え、出口チャンバからポケットへの流体の供給は、出口チャンバからの流体を1つ又は複数の交差穴を介してポケットに通すことを含む。
【0088】
EEE11は、EEE10の方法であり、1つ又は複数の交差穴は、(i)出口チャンバに流体連結される第1の交差穴と、(ii)第1の交差穴に流体連結される第2の交差穴と、(iii)第2の交差穴をポケットに流体連結する第3の交差穴とを備え、出口チャンバからの流体を1つ又は複数の交差穴を介してポケットに通すことは、出口チャンバからの流体を第1の交差穴を介して第2の交差穴に通すことと、第2の交差穴からの流体を第3の交差穴に通すことと、第3の交差穴からの流体をポケットに通すこととを含む。
【0089】
EEE12は、EEE11の方法であり、ギヤ・ポンプは、ポンプ・カバーとポンプ・リング・ギヤとの間に軸方向に介挿される推力受け板を更に備え、推力受け板は、出口チャンバに流体連結される貫通孔を備え、ポンプ・カバーは、推力受け板の貫通孔からの流体を受け入れる止まり穴を備え、ポンプ・カバーの第1の交差穴に流体連結され、出口チャンバからの流体を第1の交差穴を介して通すことは、出口チャンバからの流体を推力受け板の貫通孔を通じて止まり穴に通すことと、止まり穴からの流体を第1の交差穴を介して第2の交差穴に通すこととを含む。
【0090】
EEE13は、EEE9~12のいずれかの方法であり、ブッシュは、ポケットに流体連結される交差穴を有し、方法は、ポンプ・シャフトの外面とブッシュの内面との間の境界面で、ポケットからの流体をブッシュの交差穴を介してブッシュ内に通すことを更に含み、これにより、流体は、支持力をポンプ・シャフトに加える。
【0091】
EEE14は、EEE9~13のいずれかの方法であり、ブッシュは、ポンプ・リング・ギヤの遠位側に配設される第1のブッシュであり、ギヤ・ポンプは、ポンプ・リング・ギヤの近位側でポンプ・シャフト回りに配設される第2のブッシュを更に備え、方法は、出口チャンバからの流体を、第2のブッシュの一部分の回りに形成されるそれぞれのポケットに供給することを更に含み、これにより、それぞれのポケット内の流体は、それぞれの支持力をポンプ・シャフトに加える。
【0092】
EEE15は、EEE9の方法であり、ギヤ・ポンプは、端カバーを更に備え、排出ポートは、端カバー内に形成され、支持力を排出ポートに加えている流体を排出することは、支持力を加えている流体を、端カバー内に形成されるチャンバに通すことを含み、チャンバは、排出ポートに流体連結される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7