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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-05
(45)【発行日】2025-06-13
(54)【発明の名称】組織切除器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20250606BHJP
【FI】
A61B17/32 510
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021070149
(22)【出願日】2021-04-19
(65)【公開番号】P2021171647
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2024-03-28
(31)【優先権主張番号】16/852,752
(32)【優先日】2020-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】アラン ピー. ギャノン
(72)【発明者】
【氏名】ダリア ピー. レイボヴィッツ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター エフ. マーシャル
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-529053(JP,A)
【文献】特表2018-511426(JP,A)
【文献】国際公開第00/025682(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/32 - A61B 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織切除デバイスのエンドエフェクタアセンブリであって、前記エンドエフェクタアセンブリは、
近位端部分遠位端部分を画定する外側シャフトであって、前記外側シャフトの前記遠位端部分は、それを通る窓を画定する、外側シャフトと、
前記外側シャフトを通って延在する駆動ワイヤであって、前記駆動ワイヤは、円筒形本体と、半円筒形底面平面状上面を含む半円筒形の構成を画定する遠位端部分とを含む、駆動ワイヤと、
前記外側シャフト内に配置されている遠位切断先端であって、前記遠位切断先端は、前記窓と少なくとも部分的に重なり合い、前記遠位切断先端は、半円筒形底面開放上部によって画定されている半円筒形管腔を画定する、遠位切断先端
を含み、
前記駆動ワイヤの前記遠位端部分は、前記遠位切断先端の前記半円筒形管腔内に少なくとも部分的に受容され、かつ、前記遠位切断先端の前記半円筒形底面と実質的に嵌合し前記駆動ワイヤの前記遠位端部分の前記半円筒形底面に係合され、前記駆動ワイヤは、前記外側シャフトに対して前記遠位切断先端の回転または振動を駆動するように構成されており、
前記遠位切断先端は、その長さの一部分に沿って延在する複数の歯を含み、前記複数の歯は、前記半円筒形管腔の第1の側に配置されている第1の組の歯と、前記半円筒形管腔の第2の反対側に配置されている第2の組の歯とを含み、
前記駆動ワイヤの前記遠位端部分の遠位端は、前記第1の組の歯および前記第2の組の歯のそれぞれの第1の歯を超えて遠位方向に延在することはない、エンドエフェクタアセンブリ。
【請求項2】
前記駆動ワイヤの前記遠位端部分の遠位端は、前記複数の歯の近位に位置決めされている、請求項に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項3】
前記駆動ワイヤは、前記円筒形本体と前記遠位端部分との間に配置されている移行部分を含み、前記移行部分は、曲面を含む、請求項1に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項4】
半円筒形切り欠きが前記平面状上面内に画定されており、
前記半円筒形切り欠きは、前記駆動ワイヤの前記移行部分内に画定されている移行部分を含み、前記半円筒形切り欠きの前記移行部分は、湾曲底面によって画定されている、請求項に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項5】
前記駆動ワイヤの前記遠位端部分は、面取りされた遠位面を含む、請求項1に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項6】
前記駆動ワイヤは、前記平面状上面内に画定されている半円筒形切り欠きを含む、請求項1に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項7】
前記駆動ワイヤの前記遠位端部分の前記平面状上面は、前記遠位切断先端の前記開放上部に対して凹んでいる、請求項1に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項8】
前記駆動ワイヤが前記半円筒形管腔内に最初に受容された場所から前記駆動ワイヤの最遠位端まで測定された距離が、前記遠位切断先端の長さの20%以下である、請求項1に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項9】
前記駆動ワイヤが前記半円筒形管腔内に最初に受容された場所から前記駆動ワイヤの最遠位端まで測定された距離が、前記遠位切断先端の長さの15%以下である、請求項1に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項10】
前記駆動ワイヤは、溶接によって前記遠位切断先端内に係合される、請求項1に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項11】
組織切除デバイスであって、前記組織切除デバイスは、
ハンドピースと、
請求項1~10のいずれか一項に記載のエンドエフェクタアセンブリ
を含み
前記エンドエフェクタアセンブリは、前記ハンドピースに解放可能に係合するように構成されている、組織切除デバイス。
【請求項12】
前記エンドエフェクタアセンブリは、前記ハンドピース解放可能に係合するように構成されているハブアセンブリをさらに含み、前記エンドエフェクタアセンブリが前記ハンドピース解放可能に係合されると、前記外側シャフト前記ハンドピースに対して固定され、かつ、前記駆動ワイヤ前記ハンドピースのモータに動作可能に結合される、請求項11に記載の組織切除デバイス。
【請求項13】
前記ハブアセンブリは、前記ハブアセンブリの中にRFIDチップを含み、前記RFIDチップは、前記エンドエフェクタアセンブリの識別を可能にするために前記ハンドピースのRFIDリーダによって読み取られるように構成されている、請求項12に記載の組織切除デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、組織切除の分野に関する。特に、本開示は、内部手術部位、例えば、子宮からの組織の切除および除去を容易にするように構成された組織切除器具に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
組織切除は、内視鏡(または子宮鏡)を子宮に挿入し、組織切除器具を内視鏡(または子宮鏡)を通して子宮内に入れることによって、子宮などの器官内で内視鏡的に実行され得る。かかる内視鏡的組織切除処置に関して、流体、例えば、生理食塩水、ソルビトール、またはグリシンで子宮を膨張させることが、多くの場合に望ましい。処置中の流体の流入および流出は、子宮を膨張状態に維持し、組織およびその他の破片を子宮内から洗い流して、視認可能な作業スペースを維持する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書において使用される際、「遠位」という用語は、ユーザからより遠いと説明される部分を指し、一方で、「近位」という用語は、ユーザにより近いと説明される部分を指す。さらに、矛盾しない程度に、本明細書に記載の態様のいずれかまたはすべてが、本明細書に記載される他の態様のいずれかまたはすべてと併せて使用され得る。
【0004】
本開示の態様に従って提供されるのは、外側シャフト、駆動ワイヤ、遠位切断先端、ハブハウジング、およびドライバを含む組織切除デバイスのエンドエフェクタアセンブリである。外側シャフトは、近位端部分および遠位端部分を画定する。外側シャフトの遠位端部分は、それを通る窓を画定する。駆動ワイヤは、外側シャフトを通って延在し、近位端部分および遠位端部分を画定する。遠位切断先端は、外側シャフト内に配設され、駆動ワイヤの遠位端部分と係合する。遠位切断先端は、少なくとも部分的に窓と重なり合う。ハブハウジングは、外側シャフトの近位端部分と係合する。ドライバはハブハウジング内に配設され、駆動ワイヤの近位端部分と係合する。ドライバは、ハブハウジングに対して回転駆動されるように構成され、それによって、駆動ワイヤおよび遠位切断先端を、外側シャフト内で、およびそれに対して回転させる。ドライバは、内部管腔と、内部管腔と連通して配設された少なくとも1つの横方向開口部とを画定する。流出経路は、窓から外側シャフトおよび駆動ワイヤの周りを通り、ハブハウジングの内部に入り、少なくとも1つの横方向開口部を通って、内部管腔を通るように画定される。
【0005】
本開示の一態様では、外側シャフトは、窓を取り囲む切断縁部を含む。切断縁部は、複数の切断歯を画定する。
【0006】
本開示の別の態様では、遠位切断先端は、外側シャフトに対して遠位切断先端の少なくとも1つの回転方向において窓と連通する口部を画定する。そのような態様では、流出経路は、窓から口部を通って、外側シャフトおよび駆動ワイヤの周りを通り、ハブハウジングの内部に入り、少なくとも1つの横方向開口部を通って、内部管腔を通るようにさらに画定され得る。さらに、またはあるいは、遠位切断先端は、口部の両側に沿って配設された複数の歯を含み得る。
【0007】
本開示のさらに別の態様では、近位延在部は、ハブハウジングから近位方向に延在し、流出経路が内部管腔から内部近位延在部へとさらに画定されるように、内部管腔と流体連通する内部を画定する。そのような態様では、近位延在部は、流出開口部をさらに画定し、近位延在部の内部から流出開口部を通る流出経路をさらに画定することができる。
【0008】
本開示の態様に従って提供される組織切除デバイスの別のエンドエフェクタアセンブリは、外側シャフト、ドライバワイヤ、遠位切断先端、ハブハウジング、およびドライバを含む。外側シャフトは、そこを通る窓を画定する近位端部分および遠位端部分を画定する。駆動ワイヤは、外側シャフトを通って延在し、近位端部分および遠位端部分を画定する。駆動ワイヤの近位端部分は、長手方向に延在するセグメントと、長手方向に延在するセグメントに対してある角度で配設された指部とを含む。遠位切断先端は、外側シャフト内に配設され、駆動ワイヤの遠位端部分と係合し、少なくとも部分的に窓と重なり合う。ハブハウジングは、外側シャフトの近位端部分と係合する。ドライバは、ハブハウジング内に配設され、長手方向に延在するスロットと、それに対してある角度で長手方向に延在するスロットと連通して配設される横方向スロットとを画定する。長手方向に延在するスロットは、駆動ワイヤの長手方向に延在するセグメントを受容するように構成され、横方向スロットは、駆動ワイヤの指部を受容するように構成され、それによって、ドライバを駆動ワイヤの近位端部分と係合させる。ドライバは、ハブハウジングに対して回転駆動されるように構成され、それによって、駆動ワイヤおよび遠位切断先端を、外側シャフト内で、およびそれに対して回転させる。
【0009】
本開示の一態様では、指部は、長手方向に延在するセグメントに対して約90度の角度で配設され、横方向スロットは、長手方向に延在するスロットに対して約90度の角度で配設される。
【0010】
本開示の別の態様では、外側シャフトは、窓を取り囲む切断縁部を含む。切断縁部は、複数の切断歯を画定する。
【0011】
本開示のさらに別の態様では、遠位切断先端は、外側シャフトに対して遠位切断先端の少なくとも1つの回転方向において窓と連通する口部を画定する。そのような態様では、遠位切断先端は、口部の両側に沿って配設された複数の歯を含み得る。
【0012】
本開示のさらに別の態様では、長手方向に延在するスロットと長手方向に延在するセグメントまたは横方向スロットのうち少なくとも1つと、指部との間の接着剤が、駆動ワイヤの近位端部分とのドライバの係合をさらに固定する。
【0013】
本開示のさらに別の態様では、ドライバは、駆動ワイヤの近位端部分の周りに被覆成形され、それによって、長手方向に延在するセグメントを受容する長手方向に延在するスロットと、指部を受容する横方向スロットとを画定し、駆動ワイヤの近位端部分周りにドライバを係合させる。
【0014】
本開示の別の態様では、ドライバは、長手方向に延在するスロットのいずれかの側に第1および第2の横方向開口部を画定し、ドライバの内部管腔と連通するように配設される。
【0015】
本開示の態様に従って提供される組織切除デバイスの別のエンドエフェクタアセンブリは、外側シャフト、駆動ワイヤ、遠位切断先端、ハブハウジング、ドライバ、およびコネクタを含む。外側シャフトは、そこを通る窓を画定する近位端部分および遠位端部分を画定する。駆動ワイヤは、外側シャフトを通って延在し、近位端部分および遠位端部分を画定する。遠位切断先端は、外側シャフト内に配設され、駆動ワイヤの遠位端部分と係合し、少なくとも部分的に窓と重なり合う。ハブハウジングは、外側シャフトの近位端部分と係合する。ドライバは、ハブハウジング内に配設され、ハブハウジングに対して回転駆動されるように構成されている。コネクタは、駆動ワイヤの近位端部分をドライバと結合し、それによって、ハブハウジングに対するドライバの回転により、駆動ワイヤおよび遠位切断先端を外側シャフト内で、およびそれに対して回転させる。
【0016】
本開示の一態様では、外側シャフトは、窓を取り囲む切断縁部を含む。切断縁部は、複数の切断歯を画定する。
【0017】
本開示の別の態様では、遠位切断先端は、外側シャフトに対して遠位切断先端の少なくとも1つの回転方向において窓と連通する口部を画定する。そのような態様では、遠位切断先端は、口部の両側に沿って配設された複数の歯を含み得る。
【0018】
本開示のさらに別の態様では、コネクタは、第1の方法で駆動ワイヤの近位端部分と係合し、第2の異なる方法でドライバと係合する。
【0019】
また、本開示の態様に従って提供されるのは、外側シャフト、駆動ワイヤ、および遠位切断先端を含む組織切除デバイスのエンドエフェクタアセンブリである。外側シャフトは、そこを通る窓を画定する近位端部分および遠位端部分を有する。駆動ワイヤは、外側シャフトを通って延在し、円筒形本体と、半円筒形底面および平面状上面を含む半円筒形の構成を画定する遠位端部分とを含む。半円筒形切り欠きは、平面状上面内に画定される。遠位切断先端は、外側シャフト内に配設され、少なくとも部分的に窓と重なり合う。遠位切断先端は、半円筒形底面と開放上部によって画定される半円筒形管腔を有する。駆動ワイヤの遠位端部分は、遠位切断先端の半円筒形管腔内に少なくとも部分的に受容され、その中で、駆動ワイヤの遠位端部分の半円筒形底面が、遠位切断先端の半円筒形底面と実質的に嵌合した状態で係合する。駆動ワイヤは、外側シャフトに対する遠位切断先端の回転または振動を駆動するように構成されている。
【0020】
本開示の一態様では、遠位切断先端は、その長さの一部分に沿って延在する複数の歯を含む。複数の歯は、半円筒形管腔の第1の側に配設された第1の組の歯と、半円筒形管腔の反対の第2の側に配設された第2の組の歯とを含む。
【0021】
本開示の別の態様では、駆動ワイヤの遠位端部分の遠位端は、第1および第2の組の歯のそれぞれの第1の歯を超えて遠位方向に延在することはない。代替的にまたは付加的に、駆動ワイヤの遠位端部分の遠位端は、複数の歯の近位に位置決めされる。
【0022】
本開示のさらに別の態様では、駆動ワイヤは、円筒形本体と遠位端部分との間に配設された移行部分を含む。移行部分は曲面を含む。そのような態様では、半円筒形切り欠きは、駆動ワイヤの移行部分内に画定された移行部分を含み得る。半円筒形切り欠きの移行部分は、曲面状底面によって画定される。
【0023】
本開示のさらに別の態様では、駆動ワイヤの遠位端部分は、面取りされた遠位面を含む。
【0024】
本開示に従って提供される組織切除デバイスの別のエンドエフェクタアセンブリは、外側シャフト、駆動ワイヤ、および遠位切断先端を含む。外側シャフトは、そこを通る窓を画定する近位端部分および遠位端部分を画定する。駆動ワイヤは、外側シャフトを通って延在し、少なくとも部分的に円筒形の表面を含む。遠位切断先端は、外側シャフト内に配設され、少なくとも部分的に窓と重なり合う。遠位切断先端は、半円筒形底面と開放上部によって画定される半円筒形管腔を画定する。遠位切断先端は、半円筒形底面を通して画定されたスロットをさらに含む。駆動ワイヤの遠位端部分は、少なくとも部分的に、遠位切断先端の半円筒形管腔内に受容され、その中で係合される。少なくとも部分的に円筒形の表面は、少なくとも部分的にスロット内に延在する。駆動ワイヤは、外側シャフトに対する遠位切断先端の回転または振動を駆動するように構成されている。
【0025】
本開示の一態様では、駆動ワイヤは円筒形本体を含み、駆動ワイヤの遠位端部分は、半円筒形底面および平面状上面を含む半円筒形の構成を画定する。半円筒形底面は、少なくとも部分的にスロット内に延在する少なくとも部分的に円筒形の表面として機能する。
【0026】
本開示の別の態様では、駆動ワイヤは、円筒形本体と遠位端部分との間に配設された移行部分を含む。
【0027】
本開示のさらに別の態様では、駆動ワイヤの遠位端部分の平面状上面は、遠位切断先端の開放上部に対して凹んでいる。
【0028】
本開示のさらに別の態様では、遠位切断先端は、その長さの一部分に沿って延在する複数の歯を含む。複数の歯は、半円筒形管腔の第1の側に配設された第1の組の歯と、半円筒形管腔の反対の第2の側に配設された第2の組の歯とを含む。
【0029】
本開示の態様に従って提供される組織切除デバイスのさらに別のエンドエフェクタアセンブリは、外側シャフト、駆動ワイヤ、および遠位切断先端を含む。外側シャフトは、そこを通る窓を画定する近位端部分および遠位端部分を有する。駆動ワイヤは外側のシャフトを通って延在し、円筒形の構成を画定する。遠位切断先端は、外側シャフト内に配設され、少なくとも部分的に窓と重なり合う。遠位切断先端は、半円筒形底面と開放上部によって画定される半円筒形管腔を画定する。駆動ワイヤは、遠位切断先端の長さの20%以下の距離で遠位切断先端内に遠位方向に延在し、その中で係合される。駆動ワイヤは、外側シャフトに対する遠位切断先端の回転または振動を駆動するように構成されている。
【0030】
本開示の一態様では、駆動ワイヤは、遠位切断先端の長さの17%以下の距離で遠位切断先端内に遠位方向に延在する。別の態様では、駆動ワイヤは、遠位切断先端の長さの15%以下の距離で遠位切断先端内に遠位方向に延在する。
【0031】
本開示の別の態様では、遠位切断先端は、その長さの一部分に沿って延在する複数の歯を含む。複数の歯は、半円筒形の管腔の第1の側に配設された第1の組の歯と、半円筒形の管腔の反対の第2の側に配設された第2の組の歯とを含む。
【0032】
本開示のさらに別の態様では、駆動ワイヤの遠位端は、複数の歯から近位方向に離間されている。
【0033】
本開示のさらに別の態様では、駆動ワイヤは、重ね溶接または突合せ溶接によって切断先端内に係合される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目A1)
組織切除デバイスのエンドエフェクタアセンブリであって、
近位端部分および遠位端部分を画定する外側シャフトであって、前記外側シャフトの前記遠位端部分がそれを通る窓を画定する、外側シャフトと、
前記外側シャフトを通って延在し、円筒形本体と、半円筒形底面および平面状上面を含む半円筒形の構成を画定する遠位端部分とを含み、半円筒形切り欠きが、前記平面状上面内に画定されている、駆動ワイヤと、
前記外側シャフト内に配設され、前記窓と少なくとも部分的に重なり合う遠位切断先端であって、半円筒形底面および開放上部によって画定された半円筒形管腔を画定する、遠位切断先端と、を含み、
前記駆動ワイヤの前記遠位端部分が、前記遠位切断先端の前記半円筒形管腔内に少なくとも部分的に受容され、その中で、前記駆動ワイヤの前記遠位端部分の前記半円筒形底面が、前記遠位切断先端の前記半円筒形底面と実質的に嵌合した状態で係合し、前記駆動ワイヤが、前記外側シャフトに対して前記遠位切断先端の回転または振動を駆動するように構成されている、エンドエフェクタアセンブリ。
(項目A2)
前記遠位切断先端が、その長さの一部分に沿って延在する複数の歯を含み、前記複数の歯が、前記半円筒形管腔の第1の側に配設された第1の組の歯、および前記半円筒形管腔の第2の反対側に配設された第2の組の歯を含む、上記項目に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目A3)
前記駆動ワイヤの前記遠位端部分の遠位端が、前記第1および第2の組の歯のそれぞれの第1の歯を超えて遠位方向に延在することはない、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目A4)
前記駆動ワイヤの前記遠位端部分の遠位端が、前記複数の歯の近位に位置決めされている、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目A5)
前記駆動ワイヤが、前記円筒形本体と前記遠位端部分との間に配設された移行部分を含み、前記移行部分が曲面を含む、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目A6)
前記半円筒形切り欠きが、前記駆動ワイヤの前記移行部分内に画定された移行部分を含み、前記半円筒形切り欠きの前記移行部分が、湾曲底面によって画定されている、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目A7)
前記駆動ワイヤの前記遠位端部分が、面取りされた遠位面を含む、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目A8)
組織切除デバイスのエンドエフェクタアセンブリであって、
近位端部分および遠位端部分を画定する外側シャフトであって、前記外側シャフトの前記遠位端部分がそれを通る窓を画定する、外側シャフトと、
前記外側シャフトを通って延在する駆動ワイヤであって、少なくとも部分的に円筒形の表面を含む、駆動ワイヤと、
前記外側シャフト内に配設され、前記窓と少なくとも部分的に重なり合う遠位切断先端であって、半円筒形底面および開放上部によって画定された半円筒形管腔を画定し、前記遠位切断先端が、前記半円形底面を通して画定されているスロットをさらに含む、遠位切断先端と、を含み、
前記駆動ワイヤの遠位端部分が、前記遠位切断先端の前記半円筒形管腔内に少なくとも部分的に受容され、その中で、前記少なくとも部分的に円筒形の表面が、少なくとも部分的に前記スロット内に延在した状態で係合し、前記駆動ワイヤが、前記外側シャフトに対して前記遠位切断先端の回転または振動を駆動するように構成されている、エンドエフェクタアセンブリ。
(項目A9)
前記駆動ワイヤが円筒形本体を含み、前記駆動ワイヤの前記遠位端部分が、半円筒形底面および平面状上面を含む半円筒形の構成を画定し、前記半円筒形底面が、少なくとも部分的に前記スロット内に延在する前記少なくとも部分的に円筒形の表面である、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目A10)
前記駆動ワイヤが、前記円筒形本体と前記遠位端部分との間に配設された移行部分を含む、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目A11)
前記駆動ワイヤの前記遠位端部分の前記平面状上面が、前記遠位切断先端の前記開放上部に対して凹んでいる、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目A12)
前記遠位切断先端が、その長さの一部分に沿って延在する複数の歯を含み、前記複数の歯が、前記半円筒形管腔の第1の側に配設された第1の組の歯、および前記半円筒形管腔の第2の反対側に配設された第2の組の歯を含む、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目A13)
組織切除デバイスのエンドエフェクタアセンブリであって、
近位端部分および遠位端部分を画定する外側シャフトであって、前記外側シャフトの前記遠位端部分がそれを通る窓を画定する、外側シャフトと、
前記外側シャフトを通って延在する駆動ワイヤであって、円筒形の構成を画定する、駆動ワイヤと、
前記外側シャフト内に配設され、前記窓と少なくとも部分的に重なり合う遠位切断先端であって、半円筒形底面および開放上部によって画定された半円筒形管腔を画定する、遠位切断先端と、を含み、
前記駆動ワイヤが、前記遠位切断先端の長さの20%以下の距離で前記遠位切断先端内に遠位方向に延在し、その中で係合し、前記駆動ワイヤが、前記外側シャフトに対して前記遠位切断先端の回転または振動を駆動するように構成されている、エンドエフェクタアセンブリ。
(項目A14)
前記駆動ワイヤが、前記遠位切断先端の前記長さの17%以下の距離で前記遠位切断先端内に遠位方向に延在する、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目A15)
前記駆動ワイヤが、前記遠位切断先端の前記長さの15%以下の距離で前記遠位切断先端内に遠位方向に延在する、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目A16)
前記遠位切断先端が、その長さの一部分に沿って延在する複数の歯を含み、前記複数の歯が、前記半円筒形管腔の第1の側に配設された第1の組の歯、および前記半円筒形管腔の第2の反対側に配設された第2の組の歯を含む、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目A17)
前記駆動ワイヤの遠位端が、前記複数の歯から近位方向に離間されている、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目A18)
前記駆動ワイヤが、重ね溶接または突合せ溶接によって前記切断先端内に係合される、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目B1)
組織切除デバイスのエンドエフェクタアセンブリであって、
近位端部分および遠位端部分を画定する外側シャフトであって、前記外側シャフトの前記遠位端部分がそれを通る窓を画定する、外側シャフトと、
前記外側シャフトを通って延在し、円筒形本体と、半円筒形底面および平面状上面を含む半円筒形の構成を画定する遠位端部分とを含む、駆動ワイヤと、
前記外側シャフト内に配設され、前記窓と少なくとも部分的に重なり合う遠位切断先端であって、前記遠位切断先端が、半円筒形底面および開放上部によって画定された半円筒形管腔を画定する、遠位切断先端と、を含み、
前記駆動ワイヤの前記遠位端部分が、前記遠位切断先端の前記半円筒形管腔内に少なくとも部分的に受容され、その中で、前記駆動ワイヤの前記遠位端部分の前記半円筒形底面が、前記遠位切断先端の前記半円筒形底面と実質的に嵌合した状態で係合し、前記駆動ワイヤが、前記外側シャフトに対して前記遠位切断先端の回転または振動を駆動するように構成されている、エンドエフェクタアセンブリ。
(項目B2)
前記遠位切断先端が、その長さの一部分に沿って延在する複数の歯を含み、前記複数の歯が、前記半円筒形管腔の第1の側に配設された第1の組の歯、および前記半円筒形管腔の第2の反対側に配設された第2の組の歯を含む、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目B3)
前記駆動ワイヤの前記遠位端部分の遠位端が、前記第1および第2の組の歯のそれぞれの第1の歯を超えて遠位方向に延在することはない、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目B4)
前記駆動ワイヤの前記遠位端部分の遠位端が、前記複数の歯の近位に位置決めされている、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目B5)
前記駆動ワイヤが、前記円筒形本体と前記遠位端部分との間に配設された移行部分を含み、前記移行部分が曲面を含む、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目B6)
前記半円筒形切り欠きが、前記駆動ワイヤの前記移行部分内に画定された移行部分を含み、前記半円筒形切り欠きの前記移行部分が、湾曲底面によって画定されている、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目B7)
前記駆動ワイヤの前記遠位端部分が、面取りされた遠位面を含む、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目B8)
前記駆動ワイヤが、前記平面状上面内に画定された半円筒形切り欠きを含む、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目B9)
前記駆動ワイヤの前記遠位端部分の前記平面状上面が、前記遠位切断先端の前記開放上部に対して凹んでいる、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目B10)
前記駆動ワイヤが、前記遠位切断先端の長さの20%以下の距離で前記遠位切断先端内に遠位方向に延在する、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目B11)
前記駆動ワイヤが、前記遠位切断先端の長さの15%以下の距離で前記遠位切断先端内に遠位方向に延在する、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目B12)
前記駆動ワイヤが、溶接によって前記切断先端内に係合される、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目B13)
組織切除デバイスであって、
ハンドピースと、
上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタアセンブリと、を含み、前記エンドエフェクタアセンブリが、前記ハンドピースに解放可能に係合するように構成されている、組織切除デバイス。
(項目B14)
前記エンドエフェクタアセンブリが、前記ハンドピースと解放可能に係合するように構成されているハブアセンブリをさらに含み、前記エンドエフェクタアセンブリが前記ハンドピースと解放可能に係合されると、前記外側シャフトが、前記ハンドピースに対して固定され、前記駆動ワイヤが、前記ハンドピースのモータに動作可能に結合される、上記項目のいずれかに記載の組織切除デバイス。
(項目B15)
前記ハブアセンブリが、その中にRFIDチップを含み、前記RFICチップは、前記エンドエフェクタアセンブリの識別を可能にするために前記ハンドピースのRFIDリーダによって読み取られるように構成されている、上記項目のいずれかに記載の組織切除デバイス。
(摘要)
組織切除デバイスのエンドエフェクタアセンブリは、窓を画定する外側シャフトと、外側シャフトを通って延在する駆動ワイヤと、外側シャフト内に配設された遠位切断先端とを含む。駆動ワイヤは、円筒形本体と、半円筒形の構成を画定する遠位端部分とを含み、半円筒形の構成は、半円筒形底面と、中に半円筒形切り欠きが画定されている平面状上面とを含む。遠位切断先端は、少なくとも部分的に窓と重なり合い、半円筒形底面および開放上部によって画定された半円筒形管腔を有する。駆動ワイヤの遠位端部分は、少なくとも部分的に受容され、半円筒形管腔内で、半円筒形表面と実質的に嵌合している。駆動ワイヤは、外側シャフトに対する遠位切断先端の回転または振動を駆動するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
以下、本開示の様々な態様および特徴が図面を参照して説明され、いくつかの図の各々において、同様の参照符号は、同一または対応する要素を示す。
図1】本開示の態様に従って提供される組織切除器具のエンドエフェクタアセンブリの斜視図である。
図2図1のエンドエフェクタアセンブリの近位端部分の拡大斜視図である。
図3図2の切断線「3,4-3,4」で切断された部分縦断面図である。
図4図2の切断線「3,4-3,4」で切断された縦断面図である。
図5図1のエンドエフェクタアセンブリの分解斜視図である。
図6図5において「6」として示された細部領域の拡大斜視図である。
図7図1のエンドエフェクタアセンブリの駆動ワイヤ、切断先端、および駆動アセンブリの一部分を示す分解斜視図である。
図8図5において「8」として示された細部領域の拡大斜視図である。
図9図1のエンドエフェクタアセンブリの外側シャフトおよびハブアセンブリの一部分を示す分解斜視図である。
図10】外側シャフト内での、およびそれに対する切断先端の回転を示す、図1に「10」として示される細部領域の拡大斜視図である。
図11】外側シャフト内での、およびそれに対する切断先端の回転を示す、図1に「10」として示される細部領域の拡大斜視図である。
図12】外側シャフト内での、およびそれに対する切断先端の回転を示す、図1に「10」として示される細部領域の拡大斜視図である。
図13図10の切断線「13-13」で切断された縦断面図である。
図14図1のエンドエフェクタアセンブリの遠位端部分の別の構成の拡大斜視図である。
図15図14の切断線「15-15」で切断された縦断面図である。
図16図1のエンドエフェクタアセンブリの遠位端部分のさらに別の構成の拡大斜視図である。
図17図16の切断線「17-17」で切断された縦断面図である。
図18】本開示の態様に従って提供される別のエンドエフェクタアセンブリの遠位端部分の拡大斜視図である。
図19】本開示の態様に従って提供されるさらに別のエンドエフェクタアセンブリの遠位端部分の拡大斜視図である。
図20図19の切断線「20-20」で切断された縦断面図である。
図21図20の切断線「21-21」で切断された縦断面図である。
図22】駆動ワイヤを図1のエンドエフェクタアセンブリの遠位ドライバと係合させるための別の構成の縦断面図である。
図23】ハンドピースアセンブリと係合した図1のエンドエフェクタアセンブリを含む、本開示の態様に従って提供される組織切除器具の斜視図である。
図24】外側シャフトを仮想線で示す、図1のエンドエフェクタアセンブリの遠位端部分のさらに別の構成の拡大斜視図である。
図25図24の切断線「25-25」で切断された縦断面図である。
図26図25の切断線「26-26」で切断された横断面図である。
図27】外側シャフトを仮想線で示す、図1のエンドエフェクタアセンブリの遠位端部分のさらに別の構成の拡大斜視図である。
図28図27の切断線「28-28」で切断された縦断面図である。
図29図28の切断線「29-29」で切断された横断面図である。
図30】外側シャフトを仮想線で示す、図1のエンドエフェクタアセンブリの遠位端部分のさらに別の構成の拡大上面斜視図である。
図31図30に示すようなエンドエフェクタアセンブリの遠位端部分の構成の拡大底面斜視図である。
図32図30の切断線「32-32」で切断された縦断面図である。
図33】外側シャフトを仮想線で示す、図1のエンドエフェクタアセンブリの遠位端部分の別の構成の拡大斜視図である。
図34図33の切断線「34-34」で切断された縦断面図である。
図35図34の切断線「35-35」で切断された横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
概して、図1および図23を参照すると、本開示に従って提供され、組織を切除するように構成された組織切除器具10は、エンドエフェクタアセンブリ100およびハンドピースアセンブリ200を含む。組織切除器具10は、ケーブル300を介して制御ユニット(図示せず)に接続して、組織切除器具10に電力および制御機能を提供するように適合されるが、組織切除器具10は、代替的または付加的に、電源、例えば、電池、および/またはハンドピースアセンブリ200内に配設された制御ユニットを含み得る。組織切除器具10は、組織切除器具10を介して手術部位から流体、組織、および破片を除去するために吸引を適用するための流出ポート400に接続された流出チューブ(図示せず)を介して流体管理システム(図示せず)に接続するようにさらに適合される。制御ユニットおよび流体管理システムは、互いに一体であるか、互いに結合されているか、または互いに分離されていてもよい。
【0036】
組織切除器具10は、使用後に廃棄されるか、もしくは再処理のために製造業者に送られる使い切りデバイス、エンドユーザによる繰り返し使用のために洗浄および/もしくは滅菌することが可能な、再利用可能デバイス、または部分的に使い切り、部分的に再利用可能デバイスとして構成され得る。部分的に使い切り、部分的に再利用可能な構成に関して、ハンドピースアセンブリ200は、洗浄可能/滅菌可能、再利用可能な構成要素として構成され得、一方、エンドエフェクタアセンブリ100は、使い切り、廃棄可能/再処理可能な構成要素として構成される。上記の構成のいずれかにおいて、エンドエフェクタアセンブリ100は、ハンドピースアセンブリ200と解放可能に係合して、任意の使い切り構成要素の廃棄/再処理、ならびに任意の再利用可能な構成要素の洗浄および/または滅菌を容易にするように構成される。さらに、エンドエフェクタアセンブリ100とハンドピースアセンブリ200との解放可能な係合を可能にすることにより、異なるエンドエフェクタアセンブリ、例えば、異なる長さ、構成などのエンドエフェクタアセンブリとハンドピースアセンブリ200との交換可能な使用が可能になる。
【0037】
続けて図1を参照すると、エンドエフェクタアセンブリ100は、外側シャフト120、駆動ワイヤ140、ハブアセンブリ160、駆動アセンブリ180(図5)、およびRFIDチップ190(図5)を含む。図2図5図8、および図9も参照すると、外側シャフト120は、近位端部分122と、少なくとも部分的に閉じた遠位端126および少なくとも部分的に閉じた遠位端126に隣接して配設された横方向窓128を画定する遠位端部分124と、を含む。窓128は、その側壁を通って横方向に外側シャフト120の内部へのアクセスを提供し、窓128を通過して外側シャフト120に入る組織の切断を容易にするために、窓128の外周の少なくとも一部分の周りに延在する切断縁部129aによって囲まれていてもよい。切断縁部129aは、切断窓128の長手方向側面に沿って延在する複数の切断歯129bを含む鋸歯状の構成を画定することができ、または任意の他の好適な構成を画定することができる。実施形態では、切断歯129bは、外側シャフト120の管状形状に一致するように構成が弧状である。
【0038】
外側シャフト120は、単一のモノリシック材料片として形成され得るか、または別々に形成され、続いて互いに結合される複数片から形成され得る。例えば、外側シャフト120は、レーザ溶接またはいずれかの他の適切な方法で互いに結合された細長い円筒形本体部分121aおよび遠位先端部分121b(少なくとも部分的に閉じられた遠位端126、窓128、および切断縁部129aを含む)を含み得る。外側シャフト120は、ステンレス鋼または他の適切な材料から形成することができる。外側シャフト120は、実施形態では、約0.085インチ以下、他の実施形態では、約0.075インチ以下、さらに他の実施形態では、約0.065インチ以下の外径を画定することができる。外側シャフト120は、実施形態では、約0.070インチ以下、他の実施形態では、約0.060インチ以下、さらに他の実施形態では、約0.050インチ以下の内径を画定することができる。本明細書で使用される「約」は、材料、製造、環境、使用、および測定の公差を含むがこれらに限定されない、この分野で一般に受け入れられる公差および変動を考慮に入れている。
【0039】
図1図7を参照すると、駆動ワイヤ140は、外側シャフト120内に回転可能に配設され、本体142(図7)および遠位端部分144を含む。駆動ワイヤ140の本体142の近位端部分143aは、以下に詳述するように、ドライブアセンブリ180の遠位ドライバ184内の駆動ワイヤ140の近位端部分143aの係合を容易にする指部143bを画定するように曲げられるが、他の係合構成も企図されている。駆動ワイヤ140の遠位端部分144は、少なくとも部分的に、遠位切断先端150内に受容され、それと係合する。
【0040】
図6および図7を参照すると、駆動ワイヤ140の本体142は、実施形態では、約0.045インチ以下、他の実施形態では、約0.035インチ以下、さらに他の実施形態では、約0.025インチ以下の外径を有する実質的に円形の断面を有する円筒形の構成を画定する。円形の断面構成を画定するのではなく、遠位端部分144が、半円筒形(断面が半円形)底面145aおよび平面状上面145bを有する半円形の断面構成を画定するように、材料は、駆動ワイヤ140の遠位端部分144から除去される。角度の付いた移行面146bを画定する移行セクション146aは、本体142と駆動ワイヤ140の遠位端部分144との間に配設され、本体142の円弧状外面と遠位端部分144の平面状上面145bとの間のテーパ状移行を画定する。駆動ワイヤ140は、他の適切な材料および/または構成も企図されているが、材料、例えば、ステンレス鋼の中実ロッドとして形成することができる。
【0041】
続けて図6および図7を参照すると、上記のように、駆動ワイヤ140の遠位端部分144は、少なくとも部分的に遠位切断先端150内に受容され、それと係合される。遠位切断先端150は、半円筒形管腔154を画定する半円筒形本体152を含む。遠位切断先端150は、いずれかの適切な材料、例えば、ステンレス鋼から形成することができ、機械加工または他の方法で形成することができる。半円筒形本体152は、半円筒形底面155a、平面状上面155b、開放近位端155c、および少なくとも部分的に閉じた遠位端155dを画定する。平面状上面155bは、その長さに沿って半円筒形管腔154へのアクセスを提供する細長い口部157を画定するために、互いに間隔を置いて配置された第1および第2の側壁156によって画定される。開放近位端155cは、同様に、半円筒形管腔154へのアクセスを提供する。
【0042】
第1および第2の側壁156は、平面状上面155bから突出し(および/またはそれらの間に凹んでいる谷を画定し)、第1および第2の側壁156の長さの部分に沿って延在する複数の切断歯158を画定し得る。図10を一時的に参照すると、切断歯158は、外側シャフト120内の切断先端150の1つの方向において、切断歯158と切断歯129bによって画定される表面が互いに完全に整列して、例えば、一組の歯に見えるように、切断歯129bと相補的であり得る。実施形態では、切断歯129bと同様に、切断歯158は、外側シャフト120の管状形状に一致するように構成が弧状である(切断歯158が切断歯129bの半径方向内側に配設されるので、切断歯158によって画定される半径は、切断歯129bによって画定される半径よりも小さい)。
【0043】
図6および図7に戻ると、切断先端150は、実施形態では、約0.070インチ以下、他の実施形態では、約0.060インチ以下、さらに他の実施形態では、約0.050インチ以下の(例えば、半円筒形本体152の)外径を画定することができる。切断先端150の(例えば、半円筒形管腔154の)内径は、実施形態では、約0.055インチ以下、他の実施形態では、約0.045インチ以下、さらに他の実施形態では、約0.035インチ以下であり得る。図10図12も参照すると、切断先端150の外径と外側シャフト120の内径との間に画定される環状クリアランスは、実施形態では、約0.001インチ~約0.006インチ、他の実施形態では、約0.003~約0.004インチであり得る。
【0044】
再び図6および図7を参照すると、上記のように、駆動ワイヤ140の遠位端部分144は、遠位切断先端150内に少なくとも部分的に受容され、それと係合される。より具体的には、駆動ワイヤ140の遠位端部分144は、駆動ワイヤ140の遠位端部分144の外側の半円筒形底面145aが、相補的に、半円筒形管腔154の半円筒形底部を画定する切断先端150の半円筒形内面と嵌合するように、半円筒形管腔154内に受容される。この位置では、駆動ワイヤ140の遠位端部分144の平面状上面145bは、切断先端150の(側壁156によって画定される)上面155bと同一平面上にあり得る。駆動ワイヤ140の遠位端部分144をこの位置における遠位切断先端150内に固定するために、平面状上面145bおよび(側壁156によって画定される)上面155bの当接する縁部を、(例えば、レーザ溶接によって)溶接することができるか、または、他の方法でその両側で互いに取り付けることができる。取り付け、例えば、溶接の場所は、切断歯129b、158および/またはいずれかの他の適切な場所(複数可)の近位であり得る。
【0045】
さらに図10図12を参照すると、駆動ワイヤ140は、内側シャフト120内で、およびそれに対して回転または振動するように構成されており、それによって、窓128に対して遠位切断先端150を回転または振動させる。より具体的には、内側シャフト140は、第1の開放位置(図10)、第2の部分的閉鎖位置(図11)、および第3の閉鎖位置(図12)の間で回転または振動するように構成されている。第1の位置では、図10に示されるように、切断歯129b、158は互いに整列され、細長い口部157は、それらの間で最大の流体連通を可能にするように、窓128と整列される。第2の位置では、図11に示されるように、切断歯129b、158は互いにずれており(遠位切断先端150の片側の歯158のみが露出している)、細長い口部157は、それらの間で部分的な流体連通のみを可能にするように、窓128とはずれている。第3の位置では、図12に示されるように、切断歯129b、158は、互いに対して約180度オフセットされているか、または切断歯158が露出しないようないずれかの他の適切な位置にある。同様に、細長い口部157および窓128は、互いに対して約180度オフセットされているか、またはそれらの間の流体連通が実質的に阻止されるようないずれかの他の適切な位置にある。回転の実施形態に関して、駆動ワイヤ140は、第1の位置から第2の位置、第3の位置へ、そして第1の位置に戻る単一方向に回転することができる(そして同じことを繰り返すために連続的に回転することができる)。振動の実施形態に関して、駆動ワイヤ140は、第1の位置から第2の位置、第3の位置へと第1の方向に、次に、第3の位置から第2の位置、第1の位置に戻る第2の逆の方向に回転することができる(その後、同様に第1の方向に戻ることができるか、または第1の位置に戻る前に第2の方向で第3の位置に続行し、同じことを繰り返すことができる)。他の振動パターンおよび/または回転と振動の組み合わせ(例えば、方向を切り替える前に複数の回転が実行される場合)も企図される。
【0046】
図10および図13図15に目を向けると、実施形態では、窓128の長手方向境界を画定する外側シャフト120の近位および遠位面128a、128bのいずれかまたは両方が、外側シャフト120の長手方向軸に対して垂直に延在する平面「P2」に対して(図13に示される向きで垂直に)角度「α」で配設された平面「P1」を画定し得る。近位および/または遠位面128a、128bによって画定される平面「P1」は、窓128から長手方向に離れて角度を付けられ得る(例えば、近位面128aは、半径方向外向き方向に窓128から近位に離れて角度を付けられ、および/または遠位面128bは半径方向外向き方向に窓128から遠位に離れて角度を付けられる)。角度「α」は、実施形態では、約25度~約55度、他の実施形態では、約30度~約50度、そして、他の実施形態では、約35度~約45度であってもよい。あるいは、図16および図17に示されるように、外側シャフト120の近位および遠位面128a、128bのいずれかまたは両方は、外側シャフト120の長手方向軸に対して垂直に延在する平面を画定し得る。上記の実施形態のいずれかにおいて、遠位切断先端150は、窓128を超えて遠位方向に延在し、外側シャフト120内に遠位切断先端150を拘束することを容易にすることができる。付加的または代替的に、遠位切断先端150の最も近位の切断歯158のうちの1つ以上は、窓128の近位に少なくとも部分的に配設され得る。
【0047】
図10および図13図15の実施形態では、外側シャフト120の遠位端126は、遠位端126が約180度完全に延在するのではなく、むしろ180度マイナス「α」度延在するという点で部分的に閉じている。一方、図16および図17の実施形態では、外側シャフト120の遠位端126は、それが約180度完全に延在するという点で完全に閉じている(例えば、「α」は約0度に等しい)。
【0048】
図18に目を向けると、実施形態では、歯を提供するのではなく、外側シャフト1120および遠位切断先端1150の両方が、それぞれ、ほぼ平面状の切断縁部1129、1158を画定し得る。そのような実施形態では、外側シャフト1120および遠位切断先端1150それぞれの遠位端1126、1155dは、部分的にのみ閉じられ、その中に画定されたそれぞれのU字形の開口部1121、1151を含み得る。切断縁部1129、1158は、U字形の開口部1121、1151の周りに延在することができるか、またはU字形の開口部1121、1151は、鈍い表面によって画定され得る。
【0049】
図19に示されるように、他の実施形態では、両方が歯を含むのではなく、外側シャフト2120および遠位切断先端2150の一方、例えば、遠位切断先端2150は、ほぼ平面状の切断縁部2158を画定し得、一方では外側シャフト2120および遠位切断先端2150の他方、例えば、外側シャフト2120は、歯2129を画定する。逆の構成も企図される。
【0050】
図1図5を参照すると、上記のように、エンドエフェクタアセンブリ100は、外側シャフト120、駆動ワイヤ140、ハブアセンブリ160、および駆動アセンブリ180を含む。エンドエフェクタアセンブリ100は、以下に詳述するように、ハブアセンブリ160の保持キャップ170とハブアセンブリ160のハブハウジング161の近位延在部分164との間に捕捉されたRFIDチップ190をさらに含む。
【0051】
ハブアセンブリ160は、例えば、スナップ嵌めまたは他の好適な係合を介して、互いに係合するように構成される遠位本体部分162および近位延在部分164を有するハブハウジング161を含む。さらに一時的に図23を参照すると、エンドエフェクタアセンブリ100がハンドピースアセンブリ200と係合した状態で、ハブハウジング161の近位延在部分164は、ハンドピースアセンブリ200内に延在し、一方で遠位本体部分162は、ハンドピースアセンブリ200に実質的に当接し、そこから遠位に延在する。ハブハウジング161の近位延在部分164は、エンドエフェクタアセンブリ100がそれと係合したとき、ハンドピースアセンブリ200のハンドルハウジング210の内部ボア(図示せず)と流体連通するように構成されている、その側壁を通る流出開口部165をさらに画定する。
【0052】
図1図5、および図9に戻ると、ハブハウジング161の遠位本体部分162は、外側シャフト120の近位端部分122の周りに固定的に配設され、外側シャフト120はそこから遠位に延在する。駆動ワイヤ140は、上記のように、外側シャフト120を通って延在し、ハブハウジング161の遠位本体部分162を通ってハブハウジング161の近位延在部分164内に近位に延在し、駆動アセンブリ180は、駆動ワイヤ140の本体142の近位端部分143aの指部143bに動作可能に結合される。
【0053】
ハブアセンブリ160は、流出開口部165の遠位にあるハブハウジング161の近位延在部分164の周りに係合するように構成されたOリング166をさらに含む(図20を参照)。Oリング166は、エンドエフェクタアセンブリ100が、それと係合して、流体が流出開口部165を出た後に遠位に移動することを阻止するとき、ハンドピースアセンブリ200(図23を参照)のハンドルハウジング210の内部に抗して液密シールを確立するように構成されている。
【0054】
ハブアセンブリ160は、ハブハウジング161の遠位本体部分162周りで位置決めし、例えば、スナップ嵌め係合、またはいずれかの他の適切な方法で、それと係合するように構成されている外側シェル168をさらに含む。カンチレバー係合指部169は、外側シェル168がその周囲と係合するとき、ハブハウジング161の外側シェル168から近位に、およびハブハウジング161の遠位本体部分162から近位に延在する。係合指部169は、ハンドピースアセンブリ200(図23を参照)のハンドルハウジング210内に画定された、対応する開口218(図示せず)内で係合するように構成されており、エンドエフェクタアセンブリ100とハンドピースアセンブリ200(図23)との解放可能な係合を可能にする。
【0055】
続けて図1図5を参照すると、ハブアセンブリ160の保持キャップ170は、近位延在部分164近位端部分とのスナップ嵌め、または他の適切な係合のために構成される。保持キャップ170は、保持キャップ170を通って延在する長手方向管腔174を画定する。保持キャップ170は、その中にRFIDチップ190を受容するように構成されているポケット178をさらに画定する。保持キャップ170が、例えば、スナップ嵌めによって近位延在部分164と係合するとき、ポケット178の開放端は、近位延在部分164の近位面によってブロックされ、それによって、内部にRFIDチップ190が捕捉される。
【0056】
駆動アセンブリ180は、ハンドピースアセンブリ200(図23を参照)の駆動ロータ(図示せず)を駆動ワイヤ140と動作可能に結合するように構成されており、それにより、駆動ロータの回転が駆動ワイヤ140の回転および/または振動を駆動し、それによって外側シャフト120内で、およびそれに対する遠位切断先端150の回転および/または振動が駆動される。駆動アセンブリ180は、具体的には、近位ドライバ182、遠位ドライバ184、および付勢ばね186、例えば、コイル圧縮ばねを含む。さらに、駆動アセンブリ180は、ハンドピースアセンブリ200(図23)の駆動ロータから受信した入力回転に対して、駆動ワイヤ140の出力回転を増幅または減衰させるように構成されているギアリング(図示せず)を含んでもよい。
【0057】
図7を参照すると、駆動アセンブリ180の遠位ドライバ184は、近位本体部分185a、遠位本体部分185b、およびそれぞれ近位および遠位本体部分185a、185bの間に配設されたカラー185cを含む。シール189は、カラー185cの周りに環状に係合することができる。シール189は、遠位ドライバ184とハブハウジング161の遠位本体部分162との間の環状ギャップを横切って液密シールを確立して、シール189を超えて近位に環状ギャップ内の流体の流れを阻止するように構成されている(図20を参照)。遠位ドライヤ184は、部分的にそれを通って延在する管腔185dをさらに含む。遠位ドライバ184の近位本体部分185aは、そこから近位に延在する近位脚部185eをさらに含む。近位脚部184eの少なくとも一部分は、非円形の断面構成、例えば、半円形、長方形、または他の多角形の構成を画定する。さらに、管腔185dは、近位脚部185eにおいて開放されており、例えば、近位脚部185eは、管腔185dと連通している開放部分を画定している。
【0058】
図21も参照すると、駆動アセンブリ180の遠位ドライバ184の遠位本体部分185bは、駆動ワイヤ140の本体142の近位端部分143aの指部143bを受容し、それと係合するように構成されている。より具体的には、遠位本体部分185bは、横方向スロット185gと連通する長手方向に延在するスロット185fを画定する。横方向スロット185gは、指部143bを受容するように構成されており、一方、長手方向に延在するスロット185fは、指部143bから遠位に延在する駆動ワイヤ140の本体142の一部を受容するように構成されている。指部143bは、本体142に対してほぼ直角に、またはいずれかの他の適切な角度で配設することができ、したがって、横方向スロット185gは、長手方向に延在するスロット185fに対してほぼ直角に、またはいずれかの他の適切な角度で配設することができる。この直角係合は、トルク伝達を容易にし、遠位ドライバ184と駆動ワイヤ140との間の軸方向の固定を提供する。さらに、横方向スロット185gおよび/または縦方向に延在するスロット185f内(ならびに/または指部143bおよび/もしくは本体142上)に配設された接着剤(例えば、エポキシ)を利用して、遠位ドライバ184と駆動ワイヤ140との間の係合を容易にすることができる。上記の詳細な横方向指部(および接着剤)の係合の代わりに、またはそれに加えて、実施形態では、遠位ドライバ184は、駆動ワイヤ140の本体142の近位部分143aの周りに被覆成形されて、遠位ドライバ184および駆動ワイヤ140を互いに固定する。
【0059】
図22に示されるように、駆動ワイヤ140を遠位ドライバ184と直接係合する代わりに、コネクタ3143を提供して、駆動ワイヤ140を遠位ドライバ184と係合させることができる。駆動ワイヤ140は、スナップ嵌め係合、接着剤(上記で詳述したように横方向指部の係合の有無にかかわらず)、圧入係合、熱かしめ、それらの組み合わせ、またはいずれかの他の適切な方法によって、コネクタ3143に接続することができる。次に、コネクタ3143は、スピン溶接、被覆成形、熱かしめ、それらの組み合わせ、またはいずれかの他の適切な方法によって、遠位ドライブ184に接続され得る。コネクタ3143は、金属、例えば、ステンレス鋼、プラスチックから形成され得るか、またはプラスチックおよび金属部分の両方を含み得る。
【0060】
図20を参照すると、遠位ドライバ184は、それを通る流路を画定する。より具体的には、遠位ドライバ184の遠位本体部分185bは、遠位ドライバ184の管腔185dと連通する、その両側に対向する横方向開口部185hを画定する。このようにして、窓128(図10図12)を通して、および(駆動ワイヤ140周りに)外側シャフト120を通して近位方向にハブハウジング161の遠位本体部分162に吸引される流体、組織、および破片は、横方向開口部185hを通してさらに管腔185dに吸引される。
【0061】
図4図5図20、および図21を参照すると、駆動アセンブリ180の近位ドライバ182は、近位本体部分183aおよび遠位本体部分183bを含む。近位本体部分183aは、その周囲に環状に配設された外部カラー183cを含む。近位本体部分183aは、その少なくとも一部分が非円形の断面構成、例えば、8点星または他の多角形の構成を有する近位対向空洞183dをさらに含み、これは固定された回転方向でハンドピースアセンブリ200(図23)の駆動ロータを少なくとも部分的に受容するように構成されている。遠位本体部分183bは、その少なくとも一部が、非円形の断面構成、例えば、半円形、長方形、または他の多角形の構成を有する遠位対向空洞183eを画定する。遠位本体部分183bの側壁を通して画定された長手方向に延在するスロット183f(図21)は、遠位対向空洞183eと連通する。近位ドライバ182の遠位本体部分183bの遠位対向空洞183eは、その非円形の、かつ少なくとも部分的に相補的な構成のために、固定された回転方向で、遠位ドライバ184の近位脚部185eを摺動可能に受容するように構成されている。
【0062】
図20および図21に示されるように、近位ドライバ182の長手方向に延在するスロット183fは、遠位ドライバ184の管腔185dと流体連通して配設されており、それによって、ハブハウジング164に対する近位および遠位ドライバ182、184それぞれの少なくともいくつかの回転方向において、流体、組織、および破片が、管腔18dから、長手方向に延在するスロット183fを通って、さらにハブハウジング161の近位延在部分164の流出開口部165を通って吸引され得る。ハブハウジング161の近位延在部分164の流出開口部165を通して吸引された流体、組織、および破片は、さらに、ハンドピースアセンブリ200のハンドルハウジング210(図23)を通して画定される流出経路を通して、最終的には、流出ポート400(図23)および流出チューブ(図示せず)を通して収集容器(図示せず)に吸引され得る。理解されるように、吸引はまた、上記で画定された流出経路を通して提供され得る。より具体的には、流出チューブ(図示せず)は、流出ポート400に接続し、それによって流出ポート400を流体管理システム(図示せず)に接続するように構成されている。流体管理システムは、組織切除器具10を通して吸引を確立するための真空源、ならびに手術部位からの流体、組織、および破片の除去を容易にするための流出チューブを含み、また除去された液体、組織、および破片の収集のための、収集リザーバ、例えば、収集キャニスタも含み得る。組織切除器具10および流出チューブを通して吸引を確立する真空源の代わりに、またはそれに加えて、手術部位と流出経路との間の圧力差を介し、それを通して真空を作り出してもよい。
【0063】
図4図5図20、および図21を再び参照すると、付勢ばね186は、遠位ドライバ184の近位本体部分185a周りに配設され、遠位ドライバ184のカラー185cに当接する遠位端を含む。付勢ばね186は、近位端を含み、これは近位ドライバ182の遠位本体部分183bの遠位端に当接するように構成される。このようにして、付勢ばね186は、遠位ドライバ184に対して近位ドライバ182を近位方向に付勢する。近位ドライバ182および保持キャップ170上の相補的特徴は、近位ドライバ182のこのさらに近位の位置で嵌合して、近位および遠位ドライバ182、184を保持キャップ170およびハブハウジング161に対して回転可能にロックし、その結果、駆動ワイヤ140を外側シャフト120に対してこの位置で回転可能に固定することができる。エンドエフェクタアセンブリ100がハンドピースアセンブリ200と係合すると(図23)、ハンドピースアセンブリ200の駆動ロータ(図示せず、または他の部分)は、例えば、その少なくとも部分的に相補的な構成により、近位ドライバ182の近位本体部分183aの近位対向空洞183d内に、その固定された回転方向において受容される。ドライバロータが近位対向空洞183d内に挿入され、その中で底に達すると、エンドエフェクタアセンブリ100のさらなる挿入は、付勢ばね186の付勢に抗して、近位ドライバ182を、保持キャップ170を通して、かつそれに対して遠位に付勢し、それによって近位ドライバ182を保持キャップ170に対して遠位に変位させ、相補的な特徴を変位させ、それによって近位および遠位ドライバ182、184を保持キャップ170およびハブハウジング161から回転可能にロック解除する。したがって、エンドエフェクタアセンブリ100がハンドピースアセンブリ200と係合すると、駆動ワイヤ140は、外側シャフト120からロック解除され、それに対して回転することが許可される。
【0064】
図21および図23を参照すると、エンドエフェクタアセンブリ100が上で詳述したようにハンドピースアセンブリ200と係合した状態で、エンドエフェクタアセンブリ100のRFIDチップ190は、ハンドピースアセンブリ200のRFIDトランシーバ(図示せず)と垂直に位置合わせされて配設され、RFIDトランシーバがRFIDチップ190から/へデータを読み出し/書き込み、および/または例えば、ケーブル300を介して制御ユニットから/へデータを読み出し/書き込むことを可能にする。
【0065】
エンドエフェクタアセンブリ100のRFIDチップ190に格納されているデータは、アイテム番号、例えば、SKU番号、製造日、製造場所、例えば、場所コード、シリアル番号、使用回数(RFIDトランシーバ290からRFIDチップ190にデータを書き込むことによって更新され得る)、駆動ワイヤ140のホーム/初期位置、回転タイプ(回転対振動)、RPM設定(デフォルト、高、中、低)、最大RPM、圧力設定情報、真空設定情報、流出設定情報、校正情報、および/または暗号化キー(複数可)を含んでもよい。付加的な、または代替的なデータもまた企図される。
【0066】
図1図5図10図12図20図21、および図23を大まかに参照すると、エンドエフェクタアセンブリ100が上で詳述されたようにハンドピースアセンブリ200と係合している状態で、組織切除器具10は、使用の準備ができている。使用中、ハンドピースアセンブリ200のモータ(図示せず)は、駆動ロータの回転を駆動するために作動される。モータの作動時に、モータの作動に対してヘッドスタートでも遅延でも、またはそれとは無関係に、吸引が、例えば、流体管理システムの真空源を作動させることによって、組織切除器具10を通して確立される。
【0067】
モータを回転または振動のいずれかの方法で作動させると、駆動ロータの回転が駆動され、これにより、近位ドライバ182の回転が駆動され、さらに、遠位ドライバ184の回転が駆動され、それにより、駆動ワイヤ140、ひいては遠位切断先端150が外側シャフト120に対して回転または振動される。外側シャフト120に対する遠位切断先端150の回転または振動は、外側シャフト120を通して適用される吸引とともに、組織が切断窓128を通して引き込まれ、遠位切断先端150および/または切断縁部129aによって切断され、流体および破片とともに、(駆動ワイヤ140周りで)外側シャフト120、駆動アセンブリ180を通して、ハブハウジング161の近位延在部分164の出力開口部165を通して、ハンドピースアセンブリ200の流出経路を通して流出ポート400に近位に吸引され、流体管理システムの収集リザーバに出力されることを可能にする。
【0068】
図23を参照すると、使用中の手動把持および操作用に構成されたハンドピースアセンブリ200の代替として、組織切除器具10が、代替的に、ロボット外科用システムでの使用のために構成され得、ここでハンドルハウジング210が、ロボット外科用システムのロボットアームと係合するように構成されている。ロボット外科用システムは、外科医を補助し、かつ遠隔操作(または部分的遠隔操作)を可能にするために様々なロボット要素を用いることができる。より具体的には、様々なロボットアーム、歯車、カム、プーリ、電気モータおよび機械モータなどが、この目的のために用いられ得、手術または治療の過程で外科医を補助するようにロボット外科用システムとともに設計され得る。ロボット外科用システムは、遠隔操縦可能システム、自動自在外科用システム、遠隔自在外科用システム、遠隔関節運動外科用システム、無線外科用システム、モジュール式または選択的に構成可能な遠隔操作外科用システムなどを含み得る。
【0069】
ロボット外科用システムは、手術室に隣接するか、または遠隔場所に位置する1つ以上のコンソールとともに用いられ得る。この場合、外科医または看護師の1つのチームが、外科手術のために患者の準備をし、別の外科医(または外科医のグループ)が、ロボット外科用システムを介して外科用デバイスを遠隔的に制御しながら、本明細書で開示される外科用デバイスを用いるロボット外科用システムを構成し得る。理解され得るように、高度に熟練した外科医は、自身の遠隔コンソールを離れずに複数の場所で複数の操作を行うことができ、これは、経済的に有利であり得、患者または一連の患者にとっても有益であり得る。
【0070】
ロボット外科用システムのロボットアームは、典型的には、コントローラによって一対のマスターハンドルに結合される。ハンドルは、本明細書で説明される組織切除デバイスの使用を補完し得る、任意のタイプの外科用器具(例えば、エンドエフェクタ、把持器、ナイフ、はさみ、カメラ、流体送達デバイスなど)の作業端の対応する動きを生成するように、外科医によって動かされ得る。マスターハンドルの動きは、作業端部が、外科医の操作する手によって行われる動きとは異なるか、より小さいか、またはより大きい対応する動きを有するように、スケーリングされ得る。スケール因子またはギア比は、操作者が外科用器具(複数可)の作業端の分解能を制御できるように調節可能であり得る。
【0071】
図24図26に目を向けると、駆動ワイヤ3140の遠位端部分3144、遠位切断先端3150、およびそれらの間の係合の別の構成が示されている。以下で特に区別される場合を除いて、駆動ワイヤ3140の遠位端部分3144、遠位切断先端3150、およびそれらの間の係合は、上記で詳述された態様のいずれかと同様であり得る。駆動ワイヤ3140の遠位端部分3144は、円形の外周を画定するのではなく、遠位端部分3144が半円筒形(断面が半円形)底面3145aおよび平面状上面3145bを画定するように、そこから材料が除去されている。湾曲した移行面3146bを画定する移行セクション3146aは、駆動ワイヤ3140の本体3142と駆動ワイヤ3140の遠位端部分3144との間に配設され、本体3142の円弧状外面と遠位端部分3144の平面状上面3145bとの間の滑らかな移行を画定する。
【0072】
駆動ワイヤ3140の遠位端部分3144は、その中で画定され、かつ駆動ワイヤ3140の遠位端部分3144の遠位端と平面状上面3145bの両方に開放されている半円筒形切り欠き3145cをさらに含んでおり、それによって、平面状上面3145bが半円筒形切り欠き3145cの両側の表面部分に分岐している。半円筒形切り欠き3145cは、遠位端部分3144に沿って実質的に一定の直径を画定し、さらに、遠位から近位方向に深さが(曲面状底面に沿って)徐々に減る移行部分を含み、半円筒切り欠き3145c内から駆動ワイヤ3140の本体3142の外部への滑らかな移行を画定している。
【0073】
駆動ワイヤ3140の遠位端部分3144は、少なくとも部分的に、遠位切断先端3150内に受容され、それと係合する。より具体的には、駆動ワイヤ3140の遠位端部分3144は、駆動ワイヤ3140の遠位端部分3144の外側の半円筒形底面3145aが、相補的に、半円筒形管腔3154の半円筒形底部を画定する切断先端3150の半円筒形内面と嵌合するように、半円筒形管腔3154の近位部分内に受容される。さらに、駆動ワイヤ3140の遠位端部分3144の遠位端面、例えば、面取りされた表面3148の少なくとも一部は、遠位切断先端3150の切断歯3158の近位にあり、および/または駆動ワイヤ3140の遠位端部分3144の遠位端面は、遠位切断先端3150の両側の最も近位の歯3158を超えて遠位に延在することはない。駆動ワイヤ3140の遠位端部分3144の分岐した平面状上面3145bは、切断先端3150の(側壁3156によって画定される)上面3155と同一平面上にあり得る。
【0074】
切断先端3150に対する駆動ワイヤ3140の遠位端部分3144のさらに近位の位置決めにより、切断歯3158の下の半円筒形管腔3154の部分内の開放体積が最大化され、そこに受容できる組織、流体、および破片の量が増加する。切断歯3158の下にある半円筒形管腔3154の部分から近位方向に延在する半円筒形切り欠き3145cは、駆動ワイヤ3140の遠位端部分3144周りで外側シャフト3120を通して近位方向に組織、流体、および破片の流れを容易にするために追加の開放体積を提供する。さらに、駆動ワイヤ3140の遠位端部分3144の遠位端は、半円筒形管腔3154から半円筒形切り欠き3145cへの、および/または駆動ワイヤ3140の遠位端部分3144周りでの組織、流体、および破片の近位方向の流れを容易にするために、面取りされた表面3148を画定してもよい。
【0075】
図27図29を参照すると、駆動ワイヤ4140の遠位端部分4144、遠位切断先端4150、およびそれらの間の係合の別の構成が示されている。以下で特に区別される場合を除いて、駆動ワイヤ4140の遠位端部分4144、遠位切断先端4150、およびそれらの間の係合は、上記で詳述された態様のいずれかと同様であり得る。駆動ワイヤ4140の遠位端部分4144は、遠位端部分4144が半円筒形切り欠きを含まないことを除いて、駆動ワイヤ3140の遠位端部分3144(図24図26)と同様である。駆動ワイヤ4140の遠位端部分4144は、駆動ワイヤ4140の遠位端部分4144の外側の半円筒形底面4145が、相補的に、半円筒形管腔4154の半円筒形底部を画定する切断先端4150の半円筒形内面と嵌合するように、切断先端4150の半円筒形管腔4154の近位部分内に受容される。さらに、駆動ワイヤ4140の遠位端部分4144の遠位端表面、例えば、面取りされた表面4148の少なくとも一部は、遠位切断先端4150の切断歯4158の近位にあり、および/または駆動ワイヤ4140の遠位端部分4144の遠位端表面は、遠位切断先端4150の両側の最も近位の歯4158を超えて遠位に延在することはない。
【0076】
図30図32を参照すると、駆動ワイヤ5140の遠位端部分5144、遠位切断先端5150、およびそれらの間の係合の別の構成が示されている。以下で特に区別される場合を除いて、駆動ワイヤ5140の遠位端部分5144、遠位切断先端5150、およびそれらの間の係合は、上記で詳述された態様のいずれかと同様であり得る。
【0077】
遠位切断先端5150は、半円筒形管腔5154を画定する半円筒形本体5152を含む。半円筒形本体5152は、半円筒形底面5155aと、半円筒形管腔5154へのアクセスを提供する細長い口部5157を画定するために互いに間隔を置いて配置された第1および第2の側壁5156によって画定される平面状上面5155bと、開放近位端5155cと、少なくとも部分的に閉じた遠位端5155dとを画定する。遠位切断先端5150はさらに、細長い口部5157の反対側の半円筒形底面5155aを通る長手方向に延在するスロット5159を画定する。スロット5159は、遠位切断先端5150の近位端において開放近位端を有する。
【0078】
駆動ワイヤ5140の遠位端部分5144は、少なくとも部分的に、遠位切断先端5150内に受容され、それと係合する。より具体的には、駆動ワイヤ5140の遠位端部分5144は、駆動ワイヤ5140の遠位端部分5144の半円筒底面5145aの少なくとも一部が、遠位切断先端5150のスロット5159内に延在するように、半円筒管腔5154内に受容される。このようにして、駆動ワイヤ5140の遠位端部分5144は、遠位切断先端5150内にさらに着座されることが許可され、それにより、駆動ワイヤ5140の遠位端部分5144の平面状上面5145bが切断先端5150の(側壁5156によって画定される)上面5155bと同一平面上になるのではなく、平面状上面5145bが上面5155bに対して凹んだ状態になる。したがって、半円筒形管腔5154内の開放体積が増加し、それにより、そこに受容され得る組織、流体、および破片の量が増加する。
【0079】
図33図35に目を向けると、駆動ワイヤ6140、遠位切断先端6150、およびそれらの間の係合の別の構成が示されている。以下で特に区別される場合を除いて、駆動ワイヤ6140、遠位切断先端6150、およびそれらの間の係合は、上記で詳述された態様のいずれかと同様であり得る。
【0080】
駆動ワイヤ6140は、材料が除去された遠位端部分を含まず、むしろ、その遠位端に対して円筒形の構成を画定する。駆動ワイヤ6140の外径は、概して、遠位切断先端6150の半円筒形管腔6154の内径に近似する(例えば、10%以内である)。駆動ワイヤ6140の遠位端は、遠位切断先端6150の半円筒形管腔6154まで、または最小限に延在し、例えば、遠位切断先端6150の切断歯6158から近位方向に離間する位置において溶接(例えば、重ね溶接または突合せ溶接)によって、遠位切断先端6150と係合する。より具体的には、実施形態では、駆動ワイヤ6140の遠位端は、遠位切断先端6150の半円筒形管腔6154内に、遠位切断先端6150の長さの20%以下の距離、他の実施形態では、遠位切断先端6150の長さの17%以下の距離、さらに他の実施形態では、遠位切断先端6150の長さの15%以下の距離で延在している。したがって、遠位切断先端6150の半円筒形内腔6154内の開放体積が最大化される。
【0081】
本開示のいくつかの実施形態が図面に示されているが、本開示は当該技術分野が許容するのと同程度に広範であるべきであり、かつ本明細書は同様に読み取られるべきであると意図されているので、本開示はこれらの実施形態に限定されることを意図しない。したがって、上記の説明は、限定的であるとして解釈されるべきではなく、特定の実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付されている特許請求の範囲の範囲および趣旨内での他の修正を想定するであろう。
【0082】
前述の開示は、例示および例としてある程度詳細に説明されているが、明確化または理解の目的で、特定の変更および修正が添付の特許請求の範囲の範囲内で実施され得ることは明らかであろう。
図1
図2
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図5
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図11
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