(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-05
(45)【発行日】2025-06-13
(54)【発明の名称】インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況を監視するためのセンサー・イネーブルド・システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01L 5/00 20060101AFI20250606BHJP
G16Y 10/80 20200101ALI20250606BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20250606BHJP
G16Y 40/40 20200101ALI20250606BHJP
【FI】
G01L5/00 Z
G16Y10/80
G16Y20/20
G16Y40/40
(21)【出願番号】P 2022546379
(86)(22)【出願日】2021-02-01
(86)【国際出願番号】 US2021016061
(87)【国際公開番号】W WO2021155358
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2023-11-13
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522301474
【氏名又は名称】テンサー インターナショナル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キャヴァノー、ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ハモンド、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレス、ジョン
【審査官】松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109458924(CN,A)
【文献】特表2014-519596(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0368339(US,A1)
【文献】国際公開第2019/014725(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/189514(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/233531(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 5/00-5/28
G01L 1/00-1/26
G01P 15/00-15/18
G01K 1/00-19/00
G16Y 10/00-40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インフラストラクチャ監視のための
ジオグリッド・システムであって、
センサー・イネーブルド・ジオグリッドであって、
少なくともひずみゲージ及び加速度計を備えるジオグリッド
であって、前記ひずみゲージ及び前記加速度計が、前記ジオグリッドの構造部材に対して動作可能に構成された、
ジオグリッドを備える、前記センサー・イネーブルド・ジオグリッドと、
保護筐体を有するセンサー・ポッドと、
前記センサー・ポッド内に構成されたマイクロコントローラであって、
前記ひずみゲージ及び前記加速度計から
有線又は無線の通信を介して信号を受信
し、前記信号をゲートウェイ・デバイスに送信するように構成され
、前記ゲートウェイ・デバイスは、有線又は無線で、前記センサー・ポッド内のマイクロコントローラと通信する、前記マイクロコントローラと
、
前記マイクロコントローラからデータを受信
し、少なくとも前記ひずみゲージからのベースひずみゲージ測定値のパラメータ及び前記加速度計からの加速度の測定値のパラメータを含む前記信号をインフラストラクチャ処理エンジンで処理するように装備され
、前記加速度の測定値のパラメータは、前記ひずみゲージから誤ったひずみをフィルタで除去するために使用される、コンピューティング・ネットワークと
を備える、
ジオグリッド・システム。
【請求項2】
前記ジオグリッドが、多軸ジオグリッドである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ジオグリッドが、ポリマー材料からなる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記センサー・イネーブルド・ジオグリッドが、複数のセンサー・ポッドとともに構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ジオグリッドの構造部材に対して動作可能に構成された曲がりセンサーを
さらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ジオグリッドの構造部材に対して動作可能に構成された水分センサーを
さらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記ジオグリッドの構造部材に対して動作可能に構成された温度センサーを
さらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
ユーザ・インターフェースをさらに備え、前記ユーザ・インターフェースが、前記センサー・イネーブルド・ジオグリッドから取得された信号の閲覧を可能にするために、前記コンピューティング・ネットワークに対して構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
保護筐体と、
マイクロコントローラと、
電源と、
有線又は無線通信のために構成された通信アダプタと
を備える、センサー・ポッドと、
ジオグリッドに取り付けられ、前記センサー・ポッドに対して
有線又は無線で構成されたひずみゲージと
、
前記ジオグリッドに取り付けられ、前記センサー・ポッドに対して
有線又は無線で構成された
加速度計と
、
コンピュータ・ネットワーク上で実行され、少なくともベースひずみゲージ測定値のパラメータ及び加速度計の測定値のパラメータを含む、インフラストラクチャ処理エンジンであって、前記加速度計の測定値のパラメータは、前記ひずみゲージから誤ったひずみをフィルタで除去するために使用される、インフラストラクチャ処理エンジンと
を備える、インフラストラクチャ監視のための
ジオグリッドの装置。
【請求項10】
前記センサー・ポッドが、曲がりセンサーに対してさらに構成された、請求項
9に記載の装置。
【請求項11】
前記ひずみゲージが、多軸ジオグリッドに取り付けられた、請求項
9に記載の装置。
【請求項12】
前記センサー・ポッドが、多軸ジオグリッドに取り付けられた、請求項
9に記載の装置。
【請求項13】
前記通信アダプタが、ゲートウェイ・デバイスに対して構成された、請求項
9に記載の装置。
【請求項14】
ジオグリッド支持インフラストラクチャの状況を監視するための方法であって、
インフラストラクチャ内にセンサー・イネーブルド・ジオグリッドを分散させることと、
保護筐体を有するセンサー・ポッド内のマイクロコントローラによって、前記インフラストラクチャ内の前記センサー・イネーブルド・ジオグリッドから信号を受信することと、
前記マイクロコントローラによって処理することであって、処理が、前記インフラストラクチャ内の前記センサー・イネーブルド・ジオグリッドからの前記信号から時系列データを生
じ、該時系列データは、少なくともベースひずみゲージ測定値のパラメータ、加速度計の測定値のパラメータ、及び前記センサー・イネーブルド・ジオグリッドの引張強度に基づく最大ひずみ量を含む、前記マイクロコントローラによって処理することと、
前記マイクロコントローラに対して構成された通信アダプタによって、コンピューティング・ネットワークに前記時系列データを送信することと
を備える、方法。
【請求項15】
インフラストラクチャ内に前記センサー・イネーブルド・ジオグリッドを分散させることが、道床基板の下にセンサー・イネーブルド・グリッドを配置する、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記マイクロコントローラによる処理が、前記インフラストラクチャ内の前記センサー・イネーブルド・ジオグリッドからの信号の変化に基づいて状況通知を生成することをさらに備える、請求項
14に記載の方法。
【請求項17】
前記時系列データを送信することが、前記マイクロコントローラによって受信された前記信号のロケーションの座標を送信することをさらに備える、請求項
14に記載の方法。
【請求項18】
前記マイクロコントローラによって、前記信号をフィルタ処理することをさらに備え、ここにおいて、フィルタ処理が、パラメータのセット内での前記信号のサンプリングを提供する、請求項
14に記載の方法。
【請求項19】
フィードバック・ループを有する前記マイクロコントローラによって、処理することをさらに備え、前記フィードバック・ループが、前の時系列データを処理する、請求項
14に記載の方法。
【請求項20】
前記マイクロコントローラによって受信することが、ひずみゲージから信号を受信する、請求項
14に記載の方法。
【請求項21】
前記マイクロコントローラによって受信することが、曲がりセンサーから信号を受信する、請求項
14に記載の方法。
【請求項22】
前記マイクロコントローラによって受信することが、水分センサーから信号を受信する、請求項
14に記載の方法。
【請求項23】
前記マイクロコントローラによって受信することが、温度センサーから信号を受信する、請求項
14に記載の方法。
【請求項24】
前記マイクロコントローラによって受信することが、加速度計から信号を受信する、請求項
14に記載の方法。
【請求項25】
ジオグリッドをサポートするインフラストラクチャの
状況を監視するための方法であって、
インフラストラクチャにセンサー・イネーブルド・ジオグリッドを設置することと、
センサー・ポッド及びゲートウェイ・デバイスを介して、前記センサー・イネーブルド・ジオグリッドからコンピューティング・ネットワークへの通信リンクを提供することと、
前記センサー・イネーブルド・ジオグリッドから送信された情報
であって、少なくともベースひずみゲージ測定値のパラメータ、加速度計の測定値のパラメータ、及び前記センサー・イネーブルド・ジオグリッドの引張強度に基づく最大ひずみ量のパラメータを含む情報を監視することと、
前記センサー・イネーブルド・ジオグリッドからの前記情報を分析することであって、分析することが、インフラストラクチャ処理エンジンを用いて前記情報を処理する、前記情報を分析することと、
前記コンピューティング・ネットワークによって、
前記ベースひずみゲージ測定値のパラメータ、及び、いつ前記最大ひずみ量のパラメータを超えるかを識別することと
を備える、方法。
【請求項26】
センサー・イネーブルド・ジオグリッドを設置することが、前記
センサー・イネーブルド・ジオグリッド上のひずみを検出するために、
前記センサー・イネーブルド・ジオグリッ
ドの表面上にひずみゲージを配置する、請求項
25に記載の方法。
【請求項27】
センサー・イネーブルド・ジオグリッドを設置することが、前記
センサー・イネーブルド・ジオグリッド上の曲がりを検出するために、
前記センサー・イネーブルド・ジオグリッ
ドの表面上に曲がりセンサーを配置する、請求項
25に記載の方法。
【請求項28】
情報を監視することが、
前記最大ひずみ量のパラメータを超えた情報を検出することによって実施される、請求項
25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、それらの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、「SENSOR-ENABLED GEOGRID SYSTEM FOR AND METHOD OF MONITORING THE HEALTH, CONDITION, AND/OR STATUS OF INFRASTRUCTURE」と題する、2020年1月30日に出願された米国仮特許出願第62/967733号、並びに「SENSOR-ENABLED GEOGRID SYSTEM FOR AND METHOD OF MONITORING THE HEALTH, CONDITION, AND/OR STATUS OF RAIL TRACK INFRASTRUCTURE」と題する、2020年1月30日に出願された米国仮出願第62/967736号、及び「SENSOR-ENABLED SYSTEM FOR AND METHOD OF MONITORING THE HEALTH, CONDITION, AND/OR STATUS OF PAVEMENT AND VEHICULAR INFRASTRUCTURE」と題する、2020年5月27日に出願された米国仮出願第63/030485号の利益及び優先権を主張する。
【0002】
本開示は、一般に構造健全性(health)監視に関し、より詳細には、インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況を監視するためのセンサー・イネーブルド・ジオグリッド及び/又はプラットフォームに関する。
【背景技術】
【0003】
インフラストラクチャの状態又は健全性を評価するためのデータを提供する検知テクノロジーが、橋、トンネル、及び建築物などの適用例において共通して使われている。これらの適用例は、共通して、構造健全性監視(SHM:Structural Health Monitoring)と呼ばれる。道路、レール、駐車場、掘削基地、建築物、壁及びスロープなど、他のインフラストラクチャ、並びに海洋適用例も、それらの状態を評価するために使用され得るデータを提供するセンサーを利用することから恩恵を受けることができる。しかしながら、これらの適用例にセンサーを追加することは、旧来、存在する材料を取り除き、有意味なデータを提供するためにセンサーの正確な配置を保証する必要性により、困難であった。これらの問題は、設置されたインフラストラクチャのロケーション及び規模、並びにしばしば容赦ない周囲環境によってさらに悪化させられる。
【0004】
それゆえに、様々なインフラストラクチャ適用例は、構造に影響を及ぼす状態を査定するために利用され得る正確なセンサー・データが利用可能である場合、SHMから恩恵を受けることができる。たとえば、レール適用例では、軌道道床の下の水分建築物(moisture building)が、道床構造及び道床の下の土壌を弱め、レール軌道(rail track)の劣化及び移動並びに修復の最終的な必要性を生じ得る、知られている問題である。いくつかの場合には、軌道(track)は弱められ得、それにより、列車のスピードは低減されなければならず、さもないと(極端な場合)脱線が起こり得る。道路及び舗道適用例では、交通量(traffic count)及び/又は荷重が増加するにつれて、或いは浸食が(たとえば、流失(washout)による)支持土壌偏位(supporting soils shifting)により起こった場合、舗道のわだち掘れ(rutting)及び他の移動が、ジオグリッド及び凝集体(aggregate)の下で起こり、クラックを道路の表面に現れさせ、最終的に(極端な状態では)道路の崩壊を引き起こし得る。さらに、建築物及び他のインフラストラクチャでは、下地(underlying)土壌の弱まりは、構造の著しい損傷を引き起こし、コストがかかる広範囲の修復を必要とすることがある。
【0005】
現在、インフラストラクチャの健全性及び/又は状態及び状況は、一般的に、外観検査によって査定される。外観検査には、地面の上にあるもののみが見ることが可能であるという問題がある。追加として、外観検査は、時間がかかり、人員が検査を実施するために現場にいることを必要とし、状態のひどさの判断に関する主観性を受ける。多くの場合、問題が外観検査によって発見されると、損傷はすでに下部構造(substructure)(土壌、凝集体、道床、補助道床、路床など)まで起こっており、大掛かりな修復作業が(しばしば、緊急の様式で、及び増加したコストで)必要とされ得る。システマティックな監視を通してインフラストラクチャ保守を巡る条件、健全性、及び状態を改善するという長い間求められてきたニーズがある。本明細書の開示は、人的過誤を取り除き、外観検査の労働集約的タスクを取り除くことを試みる。本開示は、チーム及び組織に、インフラストラクチャ健全性及び状態の有意味なフィードバック及び理解を提供しようとする。そうする際に、本明細書のシステム及び方法は、プロアクティブな保守プログラム(proactive maintenance program)を提供し、しばしばリアクティブな措置(reactive measure)に取って代わる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【0007】
インフラストラクチャの構造健全性、完全性、及び状態を監視するためのセンサー・イネーブルド・システム及び方法の態様が、開示される。インフラストラクチャは、本明細書では、舗道インフラストラクチャ、レール・インフラストラクチャ、建築物インフラストラクチャ、作業プラットフォーム、並びにジオグリッド、ジオファブリック、又は他のジオシンセティックスが使用される他の土木及び地質工学エンジニアリング関連インフラストラクチャ(civil and geotechnical engineering-related infrastructure)など、種々の実施例と呼ばれる。
【0008】
一態様では、インフラストラクチャ監視のためのシステムが、開示される。インフラストラクチャ監視のシステムは、センサー・イネーブルド・ジオグリッドを備える。センサー・イネーブルド・ジオグリッドは、1つ又は複数のセンサーを装備するか、或いは1つ又は複数のセンサーとともに構成される。センサー・イネーブルド・ジオグリッドは、マイクロコントローラに対してさらに構成される。マイクロコントローラは、コンピューティング・ネットワークと通信しており、ここにおいて、受信されたデータは、分析及び監視される。監視されるデータは、分析されているとき、インフラストラクチャの健全性及び/又は状態を決定するために使用される。
【0009】
別の態様では、インフラストラクチャ監視のための装置が、開示される。装置は、センサー・ポッドを備える。センサー・ポッドは、マイクロコントローラ、電源、及び通信アダプタを備える。センサー・ポッド及びマイクロコントローラは、さらに、ひずみゲージ、曲がりセンサー(flex sensor)、水分センサー(moisture sensor)、及び温度センサーに対して構成される。
【0010】
一態様では、複数のセンサーが、センサー・イネーブルド・ジオグリッドを形成するために、ジオグリッドに対して装備され、ジオグリッドとともに構成される。センサー・イネーブルド・ジオグリッドは、インフラストラクチャの状況及び健全性及び/又は状態を含む、インフラストラクチャの知能(intelligence)及び理解を提供する。そのような知能は、一連の通信及びコンピューティング・ネットワークに沿って送信され、このタイプのシステムは、しばしば、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)プラットフォームと呼ばれる。IoTプラットフォームでは、物理的オブジェクトが、インターネットを介してシステムに接続し、データを交換することを可能にする、センサー、ソフトウェア、及びテクノロジーとともに埋め込まれる。
【0011】
一実施例では、インフラストラクチャの状態及び/又は健全性を監視するための方法が、開示される。方法は、基板材料中にセンサー・イネーブルド・ジオグリッドを設置することを含む。次に、センサー・イネーブルド・ジオグリッドからコンピューティング・ネットワークへの通信リンクを提供すること。次いで、センサー・イネーブルド・ジオグリッドから送信された情報を監視すること。監視において、情報は、インフラストラクチャ処理エンジンを用いて分析及び処理され、ここにおいて、エンジンは、情報中で、インフラストラクチャの健全性及び/又は状態の変化を識別する。
【0012】
いくつかの実施例では、本開示の主題は、インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況を監視するためのセンサーイネーブルド・ジオグリッド・システム及び方法を提供する。センサーイネーブルド・ジオグリッド・システムは、センサー・イネーブルド・ジオグリッドと、インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況に関する情報及び/又はデータを収集するための通信手段又はネットワークとを含む。さらに、本実施例では、コンピューティング・ネットワークは、プラットフォームと、状況を報告し、センサーから受信された情報に関するリアル・タイム更新を提供するユーザ対面アプリケーション(user facing application)とを含む。
【0013】
いくつかの実施例では、本開示のセンサーイネーブルド・ジオグリッド・システム及び方法は、インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況を監視するために使用され得るセンサー「キャリア」としてジオグリッドを含む。類似の実施例では、センサー・イネーブルド・ジオグリッドは、いくつかの構成を挙げれば、単軸、二軸、三軸、及び六角形など、構成における多軸ジオグリッドであり得る。他の実施例では、センサー・キャリアは、ジオファブリック、或いはジオシンセティックス、ジオネット、ジオメッシュ、又はジオコンポジットなどの材料を保持する他の下地土壌であり得る。
【0014】
いくつかの実施例では、本開示のセンサーイネーブルド・ジオグリッド・システム及び方法は、設置しやすく、インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況を監視するための容易な機構を提供する、センサー・イネーブルド・ジオグリッドを提供する。システムは、プラグ・アンド・プレイ態様が可能であり、新しいインフラストラクチャ事業内に統合すること、又は現在の存在するインフラストラクチャに補修ベースで設置されることが可能である。設置の容易さは、一面のカバレッジ(a blanket of coverage)を形成するために、センサー・イネーブルド・ジオグリッドの隣接セクションにわたる(run)能力を含み、ここにおいて、複数のセンサー・イネーブルド・ジオグリッド上の複数のセンサーは、調和して作動し、設置されたエリア全体の状況に関するリアル・タイム・フィードバックを送信する。
【0015】
いくつかの実施例では、本開示のセンサーイネーブルド・ジオグリッド・システム及び方法は、限定はされないが、状態ベースの保守、ライフサイクル・コスト最適化、残寿命推定、及び資金計画(capital planning)など、多くの適用例において有用であり得る、インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況に関する情報及び/又はデータを提供する。さらに、本明細書で開示されるシステム及び方法は、他のIoTプラットフォームの態様を備え得、他のシステムと組み合わせられ、インフラストラクチャのより完全なパッケージを形成するために統合され得、たとえば、建築事業及び建築管理ソフトウェアが、インフラストラクチャを設置又は更新するときのプログラムの態様として本明細書の開示を含み得る。
【0016】
いくつかの実施例では、本開示のセンサーイネーブルド・ジオグリッド・システム及び方法は、インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況に関する「表面の下の」情報及び/又はデータを提供するために、センサー・イネーブルド・ジオグリッドを使用し、ここにおいて、「表面の下の」情報は、さもなければ、外観検査によってなど、従来の手段によって達成可能ではないことがある。
【0017】
上述の実施例は、本明細書で開示されるシステム、装置、及び方法の構成のほんのいくつかの実例である。実例の実施例のさらなる理解及び詳細な範囲が以下で説明される。
【0018】
本開示の多くの態様は、以下の図面を参照すると、より良く理解されよう。図面中の構成要素は、必ずしも一定の縮尺であるとは限らず、代わりに、強調がなされ、本開示の原理を明確に図示する。その上、図面中で、同様の参照番号は、数個の図全体にわたって対応する部分を指定する。これらの実装形態及び実施例は、本開示の原理の例証にすぎないことが認識されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況を監視するためのセンサーイネーブルド・ジオグリッド・システムの実例のブロック図である。
【
図2】インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況を監視するためのセンサーイネーブルド・ジオグリッド・インフラストラクチャの実例を図示する図である。
【
図3】ジオグリッド上のセンサーに対して構成された実例のセンサー・ポッドを図示する図である。
【
図4A】示された内部構成要素をもつジオグリッドの上に構成されたセンサー・ポッドの実例を図示する図である。
【
図4B】ジオグリッドの上に構成されたセンサー・ポッドの実例を図示する図である。
【
図5】センサーを埋め込まれたジオファブリックの実例を図示する図である。
【
図6】センサー・ポッドの内部構成要素の実例を図示する図である。
【
図7】センサー・イネーブルド・ジオグリッドのために構成された実例のマイクロコントローラの構成要素図である。
【
図8】センサー・イネーブルド・ジオグリッドのIoTインフラストラクチャの図示である。
【
図9A】実例の曲がりゲージ(flex gauge)の図示である。
【
図10】インフラストラクチャの状態及び/又は健全性を監視するための方法の実例のフロー図である。
【
図11】インフラストラクチャの状態及び/又は健全性を監視するための方法の実例のフロー図である。
【
図12】インフラストラクチャの状態及び/又は健全性を監視するための方法の実例のシーケンス図である。
【
図13A】レール軌道インフラストラクチャの実例の図示である。
【
図13B】レール軌道インフラストラクチャの状態及び/又は健全性の変化をもつレール軌道インフラストラクチャの実例の図示である。
【
図14A】路床の上に設置されたセンサー・イネーブルド・ジオグリッドをもつレール軌道インフラストラクチャの実例の図示である。
【
図14B】補助道床の上に設置されたセンサー・イネーブルド・ジオグリッドをもつレール軌道インフラストラクチャの実例の図示である。
【
図15A】設置されたセンサー・イネーブルド・ジオグリッドをもつレール軌道インフラストラクチャの実例、並びに路床中のレール軌道インフラストラクチャの状態及び/又は健全性の変化の図示である。
【
図15B】設置されたセンサー・イネーブルド・ジオグリッドをもつレール軌道インフラストラクチャの実例、並びに補助道床中のレール軌道インフラストラクチャの状態及び/又は健全性の変化の図示である。
【
図16A】設置されたセンサー・イネーブルド・ジオグリッドをもつレール軌道インフラストラクチャの実例、並びに補助道床中のレール軌道インフラストラクチャの状態及び/又は健全性の変化の図示である。
【
図16B】設置されたセンサー・イネーブルド・ジオグリッドをもつレール軌道インフラストラクチャの実例、並びに道床中のレール軌道インフラストラクチャの状態及び/又は健全性の変化の図示である。
【
図17A】レール軌道インフラストラクチャの複数のレイヤに設置されたセンサー・イネーブルド・ジオグリッドをもつレール軌道インフラストラクチャの実例の図示である。
【
図17B】レール・タイ、センサー・ポッド、及びゲートウェイ上のセンサーをもつレール軌道インフラストラクチャの実例の図示である。
【
図18A】レール・タイ、センサー・ポッド、及びゲートウェイ上のセンサーをもつレール軌道インフラストラクチャの実例の別の構成の図示である。
【
図18B】レール軌道インフラストラクチャ上のセンサー・イネーブルド・ジオグリッド上のセンサー構成の立面図の図示である。
【
図19】レール軌道インフラストラクチャの状態及び/又は健全性を監視するための方法の実例のフロー図である。
【
図20】舗道インフラストラクチャにかかる実例の力の図示である。
【
図21A】実例の舗道インフラストラクチャの図示である。
【
図21B】舗道インフラストラクチャの状態及び/又は健全性の実例の変化の図示である。
【
図22A】実例のセンサー・イネーブルド舗道インフラストラクチャの図示である。
【
図22B】システムの状態及び/又は健全性の変化を受ける実例のセンサー・イネーブルド舗道インフラストラクチャの図示である。
【
図23】舗道インフラストラクチャの状態及び/又は健全性を監視するための方法の実例のフロー図である。
【
図24】センサー・イネーブルド・インフラストラクチャのシステムを表示するコンピューティング・ネットワークからのユーザ・インターフェースの実例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本開示の主題は、本開示の主題のすべてではないがいくつかの実施例が示されている添付の図面を参照しながら、以下でより十分に説明される。同様の番号は、全体にわたって同様の要素を指す。本開示の主題は、多くの異なる形態において実施され得、本明細書で記載される実施例に限定されると解釈されるべきではなく、そうではなく、これらの実施例は、本開示が、適用可能な法的要件を満たすように提供される。実際に、本明細書で記載される本開示の主題の多くの変更形態及び他の実施例を、本開示の主題が関係し、上記の説明及び関連する図面において提示された教示の利益を有する技術分野の当業者は思いつくであろう。それゆえ、本開示の主題は、開示される特定の実施例に限定されるべきではないこと、並びに変更形態及び他の実施例が、添付の特許請求の範囲内に含まれるものとすることを理解されたい。
【0021】
本開示の大部分は、舗道及びレール軌道インフラストラクチャの支持体を含む、インフラストラクチャ支持体中で利用される数個の基本メトリックの理解に依拠する。1つのそのようなメトリック又は式は、Giroud-Han(G-H)設計方法であり、ここにおいて、
【数1】
である。ここにおいて、hは、厚さmをもつ(砂利又は他の凝集体材料(aggregate material)など)必要とされる締め固められた凝集体である。CFは、設計において使用されるジオシンセティックス/ジオファブリック/ジオグリッドのための較正係数である。Reは、締め固められた凝集体と路床土壌との限られた係数比である(最大値=5.0)。rは、等価タイヤ接触エリア(equivalent tire contact area)の半径である。本明細書の開示アルゴリズムにとって重要な、s値は、最大許容わだち深度である。Fsは、基準わだち深度である。Ncは、支持力係数である(非安定化道路(unstabilized road)の場合、Nc=3.14であり、ジオテキスタイル安定化道路(stabilized road)の場合、Nc=5.14であり、ジオグリッド安定化道路の場合、Nc=5.71である)。
【0022】
別の式は、ひずみゲージを利用するひずみの定義である。ひずみは、正(引張ひずみ)又は負(圧縮ひずみ)であり得る。ひずみは、次元を検出するための様式で構成されない限り、無次元であり、実際問題として、ひずみの大きさは小さく、しばしばマイクロひずみ(μ∈)単位で測定される。それゆえ、ひずみは、加えられた力による本体の変形の量である。より具体的には、ひずみ(∈)は、以下の式、すなわち、
【数2】
を用いて長さの分数変化(fractional change)として定義される。ひずみゲージの別の態様は、ひずみに対するパラメータ又は感度を明確に定義及び理解することである。この感度は、しばしば、ゲージ係数又はGFとして定量的に表現される。以下の式、すなわち、
【数3】
を使用してゲージ係数を決定することができる。ここにおいて、ゲージ係数GFは、電気抵抗の分数変化と長さの分数変化(ひずみ)との比によって定義される。
【0023】
フェノール基板樹脂、導電性インク、及びセグメント化された導体から構成された曲がりセンサーの場合、それらは、曲げられたときに生成される抵抗の理解を必要とする。一実例では、平坦な曲がりセンサーは25KΩを測定し、45度に曲げられたとき、曲がりセンサーは62.5KΩを測定し、90度曲げられたとき、曲がりセンサーは100KΩを測定する。曲がりセンサー及びそれの仕様に応じて、生成される抵抗は異なることになり、これにより、本明細書で説明又は構成されるとき、変動性がデバイスにわたって予想される。
【0024】
追加の概念は、インフラストラクチャ・サポート及び管理において利用される材料の理解を必要とする。以下に提供される表は、ジオシンセティックス材料の差異をハイライトする。本明細書の実施例は、任意の1つのタイプのジオシンセティックス材料に限定されず、開示されるように、実施例は、基板及び/又は下地土壌自体を含む、多数の材料に対して構成されるか、取り付けられるか、又は適応され得ることに留意することが重要である。その上、材料の組合せが、センサー・イネーブルド・ファブリックをもつセンサー・イネーブルド・ジオグリッドを層化することの実例を含む、本明細書の開示を完成するために利用され得る。
【表1】
【0025】
ジオファブリックとしても知られるジオテキスタイルは、本明細書の開示がそれとともに構成され得る、上記の表中でハイライトされた1つの概念である。ジオテキスタイルが製造され得る3つのやり方があり、それらは、編まれる、織られる、織られない、のいずれかであるか、又はそれらの任意の組合せである。織られると織られないとの間の区別は、織ジオテキスタイル(woven geotextile)が、経糸と緯糸の交錯によって製作されることである。これらの糸は、紡ぎ出された、多繊維である、フィブリル化された、又はスリット・フィルムのものであるのいずれかであり得る。不織ジオテキスタイルは、繊維/フィラメントを機械的に連結するか又は熱的に接合することによって製造される。機械的連結は、ニードルパンチングを通して達成される。
【0026】
ジオテキスタイルの機能に関して、それらは、数個の別個の機能で動作し、ジオグリッド及びジオシンセティックスとの類似性をもつ。第1は分離であり、ここにおいて、ジオテキスタイルは、粒子の分離を提供し、基板及び/又は下地土壌の混合を防ぐ。2つのそのような問題点は、微粒状の土壌が凝集基体(aggregate base)の空隙に入ること、及び凝集体が微粒状の土壌の中にパンチングすることである。第1の問題点は、それが、十分な排水を回避し、凝集体レイヤの強度を大幅に低減し、これがインフラストラクチャ破壊/浸食を早めるので、懸念される。第2の問題点は、それが凝集体レイヤの実効的な厚さを減少させ、これも道路破壊を早め、及び/又はインフラストラクチャ保守を増加させるので、懸念される。ジオテキスタイルの第2の顕著な機能は、安定化である。ジオテキスタイル安定化の有効性は、2つの要因から生じる。第1に、凝集体が、ジオテキスタイルの上で締め固められ、個々の石が構成され、これは、路床及びジオテキスタイル中にインプリントを配置する。構成されたとき、凝集体は、ある位置にフィックスされ、これは、凝集基体レイヤを安定させる。ジオテキスタイルによる路床土壌の安定化は、土壌破壊モード(soil failure mode)を局所せん断から全般せん断に変更することができる。せん断のこの変化により、追加の負荷が、土壌強度が上回られる前に許容され、これは、低減された凝集基体レイヤを可能にする。ジオファブリックの第3の利益は、補強である。補強の利益は、所与のシステムにおいて許容可能な変形の程度に依存する。フィルタ処理は追加の機能であり、ここにおいて、土壌粒子を保持するジオテキスタイル中の定義された開口は、流体移動及び流れをも可能にし、許容する。この態様におけるフィルタ処理は、土壌をフィルタで除去し、流体が流れ出ることを許容しながら、土壌を所定の位置に保持する。
【0027】
ジオグリッドは、直交又は非直交リブのオープン・アパーチャ及びグリッド状の構成を用いて形成されたジオシンセティックスである。ジオグリッドは、しばしば、周囲の土壌、石、又は他の地質工学材料(geotechnical material)の滲み通り(strike-through)を可能にするのに十分なサイズのアパーチャをもつ引張リブの接続された平行セットからなるジオシンセティックス材料として定義される。ジオグリッドを製作するための数個の方法が存在する。たとえば、1つ又は2つ又はさらには3つ又はそれ以上の方向にポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)プラスチックのシートを押し出す(extrude)こと及び引き出すこと、或いはポリエステル(PET)リブを織ること及び編むこと。ジオグリッドは、主に、道路、レール、建築物、地盤浸食などを含む、様々なインフラストラクチャのための補強機能を満たすように設計されるが、材料コスト削減などの補助的利益が適用可能である。
【0028】
ジオグリッドの構造に関して、ジオグリッドのリブは、長手方向又は横断方向のいずれかとして定義される。ジオグリッドが機械的織機(mechanical loom)上で作製される方向に平行である方向は、ロール長さ方向、機械方向(MD:Machine Direction)、又は長手方向として知られる。一方、ジオグリッドの面中で機械的織機及びMDに垂直である方向は、横断方向(TD:Transverse Direction)又は機械横方向として知られる。言い換えれば、長手方向リブは、製造される方向(別名、機械方向)に平行であり、横断方向リブは、機械方向に垂直である。引張係数及び引張強度など、ジオグリッドのいくつかの機械的性質は、ジオグリッドがテストされる方向に依存する。ジオグリッドでは、長手方向リブと横断方向リブの交差部は、接合部として知られる。接合部は、織ること又は編むことを含む数個のやり方で作成され得る。
【0029】
ジオグリッドの製作に関して、ジオグリッドは、材料をともに溶接すること、押し出すこと、及び/又は織ることのいずれかによって製作される。押し出されたジオグリッドは、1つ又は複数のやり方のいずれかでパンチングされ、引き出されたポリマー・プレートから製作される。様々なアパーチャ・タイプが、ポリマー・シートが引き出されるやり方に基づいて整形される。1つ、2つ又は3つ又はそれ以上の方向に引き出すことは、単軸、二軸、三軸、及び様々な他の多軸ジオグリッドの製作をもたらす。ポリプロピレン(PP)又はポリエステル(PET)繊維は、一般に、織ジオグリッド(woven geogrid)を製作するために使用される。たいていの場合、これらの繊維は、製作されたジオグリッドの耐摩耗性を増加させるために被覆される。溶接されたジオグリッドの製造工程は、押し出されたポリマー織部分(extruded polymer woven piece)の継ぎ目を溶接することによるものである。ジオグリッドはまた、それらの剛性に基づいて2つの主要なグループにカテゴリー分類される。ポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)繊維から作られたジオグリッドは、通常、硬質で硬く、それらは、1,000g-cmを超える曲げ強さを有する。柔軟なジオグリッドは、しばしば、織布工程(textile weaving process)を使用することによってポリエステル(PET)繊維から作られる。それらは、通常、1,000g-cm未満の曲げ強さを有する。
【0030】
ジオテキスタイルは、分離、排水及びフィルタ処理、又は補強のために使用され得るが、ジオグリッドは、主に、補強及び/又は安定化適用例のために使用される。ジオグリッドは、閉込め及び部分的な分離を提供することもできる。閉込めは、基層凝集体粒子とジオグリッド開口との間の連結機構を通して発現される。連結効率は、基層凝集体粒子分布及びジオグリッド開口サイズ及びアパーチャに依存する。最良の連結相互作用を実現するために、D50を超える最小アパーチャ・サイズの比は、3よりも大きいべきである。連結の有効性は、ジオグリッドの面内スチフネス、並びにジオグリッド・リブ及び接合部の安定性に依存する。ジオグリッド基礎強化インフラストラクチャ・セクション(geogrid base reinforced infrastructure section)中の補強機構は、横方向拘束(lateral restraint)(閉込め)、増加された支持力及び張力膜効果(tension membrane effect)を含む。凝集基体レイヤ横方向拘束は、ジオグリッド強化インフラストラクチャのための基本的な機構である。たとえば、インフラストラクチャの表面上に加えられた鉛直負荷は、凝集体基材の横方向拡散動き(lateral spreading motion)を引き起こす。荷重がインフラストラクチャの表面上に加えられると、引張横方向ひずみが、ベース・レイヤ中で生成され、凝集体が荷重から離れる方向に出ることを引き起こす。インフラストラクチャ・セクションのジオグリッド補強は、これらの横方向の移動を拘束し、これは、横方向拘束として知られる。そうする際に、ジオグリッド補強は、より弱い路床土壌からより強い凝集体レイヤに「破壊ロケーション」を変える。
【0031】
次に、一連の実施例を考察すること。いくつかの実施例では、本開示のセンサーイネーブルド・ジオグリッド・システム及び方法は、レール軌道インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況に関する「表面の下の」情報及び/又はデータを提供するために、センサー・イネーブルド・ジオグリッドを使用し、ここにおいて、「表面の下の」情報は、さもなければ、外観検査によってなど、従来の手段によって達成可能ではないことがある。さらに、地中探知レーダーなどの表面下調査機器(below the surface investigative equipment)、及び他の器具は、機器が、機会ごとに現場に搬送され、適用され、並びに変動するレール軌道設置とともに作動するように適合及び設計されることを必要とする。
【0032】
いくつかの実施例では、インフラストラクチャの健全性及び/又は状態を監視するための本開示のセンサーイネーブルド・ジオグリッド・システム及び方法は、センサー・イネーブルド・ジオグリッドを装備し、ここにおいて、センサーは、ジオグリッド・メッシュ、ジオファブリック、又は他のジオグリッド構造上に搭載又はさもなければ設置される。他の実施例では、本開示のセンサーイネーブルド・ジオグリッド・システム及び方法は、センサー・イネーブルド・ジオグリッドを提供し、ここにおいて、センサーは、ジオグリッドを形成する構造部材中に直接的に埋め込まれる。センサー及び/或いはセンサーのアセンブリ又は構造は、ジオグリッドとともに押し出され得るか、又はファブリックの場合、ジオグリッド自体が1つの大きいセンサーになるように、織られるか又はさもなければ構造と統合され得る。さらなる実施例では、センサーは、インフラストラクチャ自体内に分散され、ジオグリッドとともに構成されないが、鉄筋、凝集体など、構造内の剛性部材に対して構成され得る。さらなる実施例では、センサーは、インフラストラクチャ内に戦略的に配置され得、たとえば、水分センサーは、水分示度がより良く理解又は取得され得るエリア中に配置され得る。
【0033】
他の態様では、センサーイネーブルド・ジオグリッド・システムが開示され、ここにおいて、IoTネットワーク中のエッジ・デバイスとリモート・コンピューティングとの間の相互接続及びネットワークは、建築物、舗道、及びレール軌道を含む、インフラストラクチャの状況、状態及び/又は健全性を提供するのを助ける。そのような有益な特徴は、限定はしないが、(1)センサー・イネーブルド・ジオグリッドの1つ又は複数のセンサーを使用して下部構造中に直接的検知要素を提供することと、(2)ジオグリッド上の曲がり(flex)及び/又はひずみを測定及び使用する能力を提供し、グリッド性能に関するパラメータ(たとえば、ジオグリッド・リブ上の応力及び/又はひずみ)を下部構造状態(たとえば、わだち掘れ)に関する情報に翻訳することと、(3)温度、湿気、わだち掘れなど、表面の下の状態を検出する能力を提供することとを含む。
【0034】
追加の態様では、複数のセンサーは、1つのインフラストラクチャの下の、又は1つのインフラストラクチャを取り囲む基板及び/又は下地土壌中に装備される。他の態様では、複数のセンサーは、ジオファブリックに対して装備される。複数のセンサーは、一実施例では、センサー・ポッドに接続される。一態様では、センサー・ポッドは、複数のセンサーから生成されたデータを読み取っているマイクロコントローラに要素保護を提供する保護筐体である。別の実施例では、ただ1つのセンサーが、マイクロコントローラによって読み取られ、他の実施例では、複数のセンサーの任意の組合せが、センサー・サイトの近くのマイクロコントローラに信号を送信するために、インターフェース及び装備され得る。
【0035】
いくつかの態様では、典型的なマイクロコントローラが利用され得るか、或いは他の場合には、汎用又は専用コンピューティング・デバイスが利用され得る。一態様では、マイクロコントローラは、処理ユニット、キャッシュ・メモリ、RAM、揮発性又は不揮発性ストレージ・システムとともに構成され、ネットワーク・アダプタ及びI/Oインターフェースを装備する。他の実施例では、マイクロコントローラは、ビルト・イン・センサー、及び/又はタイマー、加速度計など、特徴のアレイを有し得る。マイクロコントローラは、数個の別個の利点を所有し、第1に、それらは、一般的に、低電力要件を有する。第2に、それらは、使いやすく、耐久性があり、広範な適用例を備える。第3に、全体的なコスト及び組成が低い。第4に、相互運用性が高く、データRAM、不揮発性ROM、及びI/Oポートの標準的な特徴セットは、複数の入力デバイスへのアクセスを可能にする。マイクロコントローラ、及び本明細書の開示へのそれらのコントローラの適応の追加の利益は、当業者には公知であろう。
【0036】
一態様では、センサー・ポッドは、ゲートウェイにデータ・ケーブルを介して通信するように構成される。ゲートウェイは、前の態様では、センサー・ポッドからデータを受信するように構成された汎用コンピュータ又はマイクロコントローラであり、ここにおいて、ゲートウェイは、データに対して計算行為を実施し、及び/或いはコンピューティング・ネットワークに通信ネットワークを通して、照合された又は累積されたデータをフォワーディングするために装備される。前の態様では、電気通信ネットワークは、限定はされないが、エッジ、3G、4G、5G、LTE、衛星送信、無線周波数(RF:radio frequency)、マイクロ波送信、及びミリメートル波送信を含む、セルラー及び高度(advanced)通信規格など、任意の通信経路であり得る。さらに、電気通信ネットワークは、ワイヤレス態様の、WiFi、ワイド・エリア・ネットワーク、Bluetooth、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)、及びWiFi5、WiFi6、WiFi6e、Bluetooth2.0、3.0、4.0、5.0などのそれに関連する様々な規格、及び本分野における進歩から変わる又は起こるであろう他のそのような規格からなり得る。さらに、ネットワーク通信は、ツイスト・ペア、同軸、ファイバー・オプティクス、或いは本明細書で提供される他のそのようなネットワーク・インフラストラクチャ及び/又はスペクトルなど、ワイヤード接続をも含み得る。一態様では、ゲートウェイは、Bluetooth及びNFC並びにWiFi及びセルラーCDMA/GSM規格を装備する。通信ネットワークは、他のIoTプラットフォームにおいて共通なように、しばしば、データとの対話のためのインターフェースを処理及び/又は提供するために装備されたコンピューティング・ネットワークに到達する前に、一連のステップ又はインターフェースを通って進む。
【0037】
一態様では、ゲートウェイは、センサー・ポッドにプログラマブル命令を送信する。別の態様では、ゲートウェイは、電気通信ネットワークを通してコンピューティング・ネットワークからプログラマブル命令を受信し、ここにおいて、命令は、ゲートウェイに更新及び/又は構成を提供する。一態様では、センサー・ポッドからゲートウェイへの及びコンピュータ・ネットワークへの通信経路は、双方向である。別の態様では、それは、センサー・ポッドからコンピューティング・ネットワークへの単方向である。また別の態様では、ネットワークの部分のみが双方向であり、たとえば、ゲートウェイ及びコンピュータ・ネットワークは双方向通信にあり得、ゲートウェイ及びセンサー・ポッドは単方向構成にある。センサー・ポッドのいくらかの態様は、ハードウェアの単方向性及び簡略化から恩恵を受け得る。他の態様では、ゲートウェイは、センサー・ポッドの中に組み込まれ得、ここにおいて、センサー・ポッドは、ゲートウェイ及びセンサー・ポッドの役割を果たす。
【0038】
一態様では、複数のセンサーうちの1つ又は複数からの信号は、センサー・ポッドによって受信され、ここにおいて、センサー・ポッドは、それをゲートウェイに送信し、ゲートウェイは、コンピューティング・ネットワーク及び/或いはクラウド・サーバ又はアプリケーションによって生成されたユーザ・インターフェースに警報を送る。たとえば、ひずみゲージは、ひずみレベルが特定のジオグリッド・ロケーションにおいてしきい値パラメータを越えて増加したことを指し示し得る。信号は、問題を識別するためにゲートウェイにおいて処理され、ここにおいて、ゲートウェイは、周囲近傍(surrounding vicinity)における周囲温度、湿気、任意の移動又は加速度など、(所与のセンサーが装備された場合)複数の特徴とともに、影響を受けたセンサーのロケーションに関するデータを送信し、それらのうちのすべては、システムの原理調査者(principle investigator)、ユーザ、又は操作者が、所与のインフラストラクチャの健全性、状態及び/又は状況に関する問題点又は問題を識別するのを助ける。
【0039】
追加の実施例では、本開示のセンサーイネーブルド・ジオグリッド・システム及び方法は、レール軌道インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況に関する「表面の下の」情報及び/又はデータを提供するために、センサー・イネーブルド・ジオグリッドを使用し、ここにおいて、「表面の下の」情報は、さもなければ、外観検査によってなど、従来の手段によって達成可能ではないことがある。さらに、地中探知レーダーなどの表面下調査機器、及び他の器具は、機器が、機会ごとに現場に搬送され、適用され、並びに変動するレール軌道設置とともに作動するように適合及び設計されることを必要とする。
【0040】
いくつかの実施例では、インフラストラクチャの健全性及び/又は状態を監視するための本開示のセンサーイネーブルド・ジオグリッド・システム及び方法は、センサー・イネーブルド・ジオグリッドを装備し、ここにおいて、センサーは、ジオグリッド・メッシュ、ジオファブリック、又は他のジオグリッド構造上に搭載又はさもなければ設置される。他の実施例では、本開示のセンサーイネーブルド・ジオグリッド・システム及び方法は、センサー・イネーブルド・ジオグリッドを提供し、ここにおいて、センサーは、ジオグリッドを形成する構造部材中に直接的に埋め込まれる。センサー及び/或いはセンサーのアセンブリ又は構造は、ジオグリッドとともに押し出され得るか、又はファブリックの場合、ジオグリッド自体が1つの大きいセンサーになるように、織られるか又はさもなければ構造と統合され得る。
【0041】
追加の態様では、複数のセンサーは、1つのインフラストラクチャの下の、又は1つのインフラストラクチャを取り囲む基板及び/又は下地土壌中に装備される。他の態様では、複数のセンサーは、ジオファブリックに対して装備される。複数のセンサーは、一実施例では、センサー・ポッドに接続される。一態様では、センサー・ポッドは、複数のセンサーから生成されたデータを読み取っているマイクロコントローラに要素保護を提供する保護筐体である。別の実施例では、ただ1つのセンサーが、マイクロコントローラによって読み取られ、他の実施例では、複数のセンサーの任意の組合せが、センサー・サイトの近くのマイクロコントローラに信号を送信するために、インターフェース及び装備され得る。
【0042】
典型的なマイクロコントローラが利用され得るか、或いは他の場合には、汎用又は専用コンピューティング・デバイスが利用され得る。一態様では、マイクロコントローラは、処理ユニット、キャッシュ・メモリ、RAM、揮発性又は不揮発性ストレージ・システムとともに構成され、ネットワーク・アダプタ及びI/Oインターフェースを装備する。他の実施例では、マイクロコントローラは、ビルト・イン・センサー、及び/又はタイマー、加速度計など、特徴のアレイを有し得る。マイクロコントローラは、数個の別個の利点を所有し、第1に、それらは、一般的に、低電力要件を有する。第2に、それらは、使いやすく、耐久性があり、広範な適用例を備える。第3に、全体的なコスト及び組成が低い。第4に、相互運用性が高く、データRAM、不揮発性ROM、及びI/Oポートの標準的な特徴セットは、複数の入力デバイスへのアクセスを可能にする。マイクロコントローラ、及び本明細書の開示へのそれらのコントローラの適応の追加の利益は、当業者には公知であろう。
【0043】
一態様では、センサー・ポッドは、ゲートウェイにデータ・ケーブルを介して通信するように構成される。ゲートウェイは、前の態様では、センサー・ポッドからデータを受信するように構成された汎用コンピュータ又はマイクロコントローラであり、ここにおいて、ゲートウェイは、データに対して計算行為を実施し、及び/或いはコンピューティング・ネットワークに通信ネットワークを通して、照合された又は累積されたデータをフォワーディングするために装備される。前の態様では、電気通信ネットワークは、限定はされないが、エッジ、3G、4G、5G、LTE、衛星送信、無線周波数(RF)、マイクロ波送信、及びミリメートル波送信を含む、セルラー及び高度通信規格など、任意の通信経路であり得る。さらに、電気通信ネットワークは、ワイヤレス態様の、WiFi、ワイド・エリア・ネットワーク、Bluetooth、近距離無線通信(NFC)、及びWiFi5、WiFi6、WiFi6e、Bluetooth2.0、3.0、4.0、5.0などのそれに関連する様々な規格、及び本分野における進歩から変わる又は起こるであろう他のそのような規格からなり得る。さらに、ネットワーク通信は、ツイスト・ペア、同軸、ファイバー・オプティクス、或いは本明細書で提供される他のそのようなネットワーク・インフラストラクチャ及び/又はスペクトルなど、ワイヤード接続をも含み得る。一態様では、ゲートウェイは、Bluetooth及びNFC並びにWiFi及びセルラーCDMA/GSM規格を装備する。通信ネットワークは、他のIoTプラットフォームにおいて共通なように、しばしば、データとの対話のためのインターフェースを処理及び/又は提供するために装備されたコンピューティング・ネットワークに到達する前に、一連のステップ又はインターフェースを通って進む。
【0044】
一態様では、ゲートウェイは、センサー・ポッドにプログラマブル命令を送信する。別の態様では、ゲートウェイは、電気通信ネットワークを通してコンピューティング・ネットワークからプログラマブル命令を受信し、ここにおいて、命令は、ゲートウェイに更新及び/又は構成を提供する。一態様では、センサー・ポッドからゲートウェイへの及びコンピュータ・ネットワークへの通信経路は、双方向である。別の態様では、それは、センサー・ポッドからコンピューティング・ネットワークへの単方向である。また別の態様では、ネットワークの部分のみが双方向であり、たとえば、ゲートウェイ及びコンピュータ・ネットワークは双方向通信にあり得、ゲートウェイ及びセンサー・ポッドは単方向構成にある。センサー・ポッドのいくらかの態様は、ハードウェアの簡略化とともに単方向通信経路から恩恵を受け得る。他の態様では、ゲートウェイは、センサー・ポッドの中に組み込まれ得、ここにおいて、センサー・ポッドは、ゲートウェイ及びセンサー・ポッドの役割を果たす。又は、他の態様では、センサー・ポッドは、ゲートウェイに包括される。
【0045】
一態様では、複数のセンサーうちの1つ又は複数からの信号は、センサー・ポッドによって受信され、ここにおいて、センサー・ポッドは、それをゲートウェイに送信し、ゲートウェイは、コンピューティング・ネットワーク及び/或いはクラウド・サーバ又はアプリケーションによって生成されたユーザ・インターフェースに警報を送る。たとえば、ひずみゲージは、ひずみレベルが特定のジオグリッド・ロケーションにおいてしきい値パラメータを越えて増加したことを指し示し得る。信号は、問題を識別するためにゲートウェイにおいて処理され、ここにおいて、ゲートウェイは、周囲近傍における周囲温度、湿気、任意の移動又は加速度など、(所与のセンサーが装備された場合)複数の特徴とともに、影響を受けたセンサーのロケーションに関するデータを送信し、それらのうちのすべては、システムの原理調査者、ユーザ、又は操作者が、所与のインフラストラクチャの健全性、状態及び/又は状況に関する問題点又は問題を識別するのを助ける。
【0046】
いくつかの実施例では、本開示の主題は、レール軌道インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況を監視するためのセンサーイネーブルド・ジオグリッド・システム及び方法を提供する。本センサーイネーブルド・ジオグリッド・システムは、センサー・イネーブルド・ジオグリッドと、レール軌道インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況に関する情報及び/又はデータを収集するための通信手段又はネットワークとを含む。追加の実施例では、センサー・イネーブルド・ジオグリッドは、センサーイネーブルド・ジオファブリック、或いは基板及び/又は下地土壌レイヤにおいて共通して使用される実装形態の構成において利用される他の複合物である。センサー・イネーブルド・レイヤは、センサー・ポッドと通信しており、ここにおいて、センサー・ポッドは、センサーからのアナログ信号を変換すること、及び/又はセンサーからのデジタル信号を送信可能なデータにコンパイルすることが可能なマイクロコントローラとともに構成される。そのような実施例では、センサー・ポッドは、ゲートウェイ・デバイスと通信し得、ここにおいて、ゲートウェイ・デバイスは、信号を処理し、及び/又はユーザがセンサー・データの検査のためにポータル又はウェブ・アプリケーションにアクセスし得るコンピューティング環境に通信ネットワークを通して信号を送信するように装備される。
【0047】
他の実施例では、本開示のセンサーイネーブルド・ジオグリッド・システム及び方法は、レール軌道インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況を監視するために使用され得るセンサー「キャリア」としてジオグリッドを含む。類似の実施例では、センサー・イネーブルド・ジオグリッドは、いくつかの例を挙げれば、二軸、三軸、又は六角形などの構成における多軸ジオグリッドであり得る。他の実施例では、センサー・キャリアは、ジオファブリック或いは他の基板及び/又は下地土壌保持材料であり得る。
【0048】
いくつかの実施例では、本開示のセンサーイネーブルド・ジオグリッド・システム及び方法は、限定はされないが、状態ベースの保守、ライフサイクル・コスト最適化、残寿命推定、及び資金計画など、多くの適用例において有用であり得る、レール軌道インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況に関する情報及び/又はデータを提供する。さらに、そのような実施例では、センサーイネーブルド・ジオグリッド・システム及び方法は、センサーから導出された入力、並びにセンサー・ポッド、ゲートウェイにおいて及び/又はコンピュータ・ネットワークにおいて適用されるパラメータを介した予測アルゴリズムを提供する。実例では、予測アルゴリズムは、早期警戒システム、又はレール軌道インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況に関する潜在的問題点を識別するシステムを作成するために使用され得る。
【0049】
次に
図1を参照すると、インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況を監視するための本開示のセンサー・イネーブルド・ジオグリッド・システム(100)の実例のブロック図。この実例では、センサー・イネーブルド・ジオグリッド・システム(100)は、たとえば、接続性及び分析ツールを提供するモノのインターネット(IoT)プラットフォームを使用して構築される。IoTプラットフォームは、IoTユニバース内の接続されたデバイスの簡単なプロビジョニング、管理、及び自動化を可能にするマルチレイヤ・テクノロジーである。IoTプラットフォームは、柔軟な接続性オプション、企業グレードの(enterprise-grade)セキュリティ機構、及びブロード・データ処理能力(broad data processing capability)を使用することによってクラウドにハードウェア・デバイス/システムを接続するために使用され得る。
【0050】
たとえば、センサー・イネーブルド・ジオグリッド・システム(100)は、たとえば、基板レイヤ中に設置された少なくとも1つのセンサー・イネーブルド・ジオグリッド(120)を含み得る。基板レイヤは、下地土壌レイヤとしても知られる。適用例に応じて、インフラストラクチャ基板レイヤは、異なる用語及びレイヤからなる。たとえば、舗道インフラストラクチャでは、基板又はレイヤは、表面に最も近いものから下向きの順の以下の構成要素、すなわち、表層、結合層、基層、路盤層、締め固められた路床、及び自然路床のうちのいずれかからなり得る。この実例では、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(120)は、舗道又は道路インフラストラクチャに関して地下に設置される。すなわち、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(120)は、地面(110)(たとえば、路面)の下に、及び任意の種類のサブレイヤ(112)(たとえば、土壌、凝集体、表層、基層、路盤層、道床、補助道床、路床)の下に地下に設置される。
【0051】
センサー・イネーブルド・ジオグリッド(120)は、1つ又は複数のセンサー(124)の配列を保持しているジオグリッド(122)を含む。ジオグリッド(122)は、この実例の実施例では、インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況を監視するために使用され得るセンサー「キャリア」として働くジオグリッド又はジオファブリックである。一実例では、ジオグリッド(122)は、Tensar International Corporation(Alpharetta、GA)から入手可能で、2006年2月21日に発行された「Geogrid or mesh structure」と題する米国特許第7,001,112号を参照しながら説明される、TriAx(登録商標)ジオグリッドである。別の実例では、二軸ジオグリッドが、センサー・キャリアとして利用される。他の態様では、六角形ジオグリッドが、センサー・キャリアとして利用される。さらに他の態様では、ジオファブリックが、センサーを埋め込まれ、センサー・キャリアを形成する。
【0052】
図1の実例では、ジオグリッド(122)に搭載された様々なセンサー(124)は、本質的に、ジオグリッド(122)を「センサー融合点(sensor fusion point)」にする。センサー(124)の数、ロケーション、及び/又はタイプは、使用の適用例に基づいて変動し得る。センサー(124)の実例のタイプは、限定はしないが、温度センサー、水分センサー、湿度センサー、力センサー、曲がりセンサー、ひずみゲージ、加速度計、傾斜計、慣性測定ユニット(IMU:inertial measurement unit)、ソナー・デバイス、画像キャプチャ・デバイス、オーディオ・キャプチャ・デバイス、並びに特定の適用例のための他のセンサー・タイプを含む。
【0053】
センサー・イネーブルド・ジオグリッド(120)の1つ又は複数のセンサー(124)から情報及び/又はデータを収集するために、センサー・イネーブルド・ジオグリッド・システム(100)は、ゲートウェイ又はゲートウェイ・ノードとしても知られる1つ又は複数の受信側ノード(130)を含み得る。ゲートウェイは、データ・ラインを通して、又はセンサー(124)に対して構成されたワイヤレス通信アセンブリからのいずれかでセンサー・イネーブルド・ジオグリッド(120)から情報を受信する。実例の実施例では、センサー・ポッド(105)は、マイクロコントローラを収容するように構成され、ここにおいて、マイクロコントローラは、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(120)から信号を受信するように構成される。
【0054】
いくつかの態様では、センサー・ポッド(105)は、システムのエッジに計算能力をもたらすことと、計算器具を保護することと、環境保護を提供することと、電源を提供することと、通信アセンブリを提供することとによってIoTプラットフォームの一体部分を形成し、より多くの特徴が、本明細書で説明される。他の態様では、センサー・ポッド(105)は、ゲートウェイ受信側ノードとしても知られるゲートウェイ(130)の中に完全に組み込まれる。そのような実例では、ゲートウェイは、ジオグリッド(122)から信号及び情報を受信するために、物理的にデータ・ケーブルを通して、又はセンサー・イネーブルド・ジオグリッド(120)に取り付けられた通信アダプタを通してのいずれかで接続される。
【0055】
図1の実例では、ゲートウェイ(130)は、センサー(124)からの信号及び情報を処理し、1つ又は複数の通信ノード(132)にわたって、1つ又は複数のコンピューティング・ネットワーク・システム(134)に沿って、1つ又は複数のフロントエンド・インターフェース(136)を通してユーザにその信号及び情報を送信する。ゲートウェイ(130)は、一般的に、柱、電信柱、電柱、塔、建築物、電気ボックスなどのインフラストラクチャ、或いはワイヤレス又はワイヤード・レシーバ及び電気通信アダプタを装備したゲートウェイを保持することが可能で、複数のセンサー・イネーブルド・ジオグリッドに対して構成されることも可能である他のインフラストラクチャに取り付けられたセンサー・イネーブルド・ジオグリッド(120)に沿って開設される。
【0056】
ゲートウェイ(130)は、センサー(124)から、センサー・ポッド(105)から、又はセンサー・イネーブルド・ジオグリッド(120)から通信を受信し得る。区別構造(distinguishing structure)は、センサー(124)が、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(120)に対して構成され、センサー・ポッド(105)に直接的に結線されるようにともに束ねられ得、そこにおいて、センサー・ポッド(105)は、ゲートウェイ(130)に結線される。他の態様では、それらは、束ねられず、各々、別個の一体部分を形成し得、たとえば、センサーは、ゲートウェイに結線され得、ここにおいて、ゲートウェイ(130)は、センサー・ポッド(105)の機能を実施する。他の実例では、ゲートウェイ(130)は、たとえば、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(120)の1つ又は複数のセンサー(124)と直接的に通信しているローカル・サブネットワーク・ノードであり得る。
【0057】
通信ネットワーク(132)としても知られる通信ノードは、たとえば、ローカル・サブネットワーク(たとえば、ゲートウェイ130)と、コア・ネットワークとの間の中間リンクであり得、コア・ネットワークは、次いで、コンピューティング・システム(134)に接続される。フロントエンド・インターフェース(136)又はユーザ・インターフェースは、たとえば、任意のユーザ・デバイスの任意のユーザ・インターフェースであり得る。ユーザ・デバイスは、たとえば、任意のコンピューティング・デバイス(たとえば、サーバ、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、タブレット・デバイス、スマートフォン、スマート・ウォッチ、クラウド・コンピューティング・デバイスなど)であり得る。さらに、本明細書のユーザ・デバイスは、インフラストラクチャの状態及び/又は健全性を描くことが可能なソフトウェア・プラットフォームを閲覧及び/又は表示することを可能にされる。
【0058】
センサー・イネーブルド・ジオグリッド・システム(100)における通信は、情報が、ネットワークに接続された他のデバイスとそれによって交換され得るネットワークを形成するための任意のワイヤード及び/又はワイヤレス通信手段によるものであり得る。センサー・イネーブルド・ジオグリッド・システム(100)を介して収集及び/又は交換される情報及び/又はデータは、
図1中に示されている道路又は舗道の下の下部構造(112)など、インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況を監視及び/又は決定するのに有用であり得る、1つ又は複数のセンサー(124)からの任意の情報及び/又はデータであり得る。
【0059】
図2は、インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況を監視するためのセンサーイネーブルド・ジオグリッド・インフラストラクチャの実例を図示する。この実例では、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(210)の1つ又は複数のセンサー(202)からの情報及び/又はデータは、エッジ・データ収集及び接続性(205)を供給し、エッジ・データ収集及び接続性(205)は、次いで、通信ネットワーク(240)を供給し、通信ネットワーク(240)は、次いで、ユーザ・インターフェース及びデータAPIに対して構成されたコンピューティング・ネットワーク(250)を供給する。コンピューティング・ネットワーク(250)は、次いで、分析及び洞察、並びにいくらかのインフラストラクチャの特定の適用例(たとえば、レール、舗道、波止場)を供給する。
【0060】
実例では、センサー・ポッド(220)は、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(210)の横に配置されるか、又はセンサー・イネーブルド・ジオグリッド(210)の上に構成され得る、エッジ・データ収集及び接続性(205)デバイスである。センサー・ポッドは、マイクロコントローラ(224)とともに構成され、ここにおいて、マイクロコントローラは、限定はされないが、ひずみゲージ、曲がりセンサー、水分センサー、加速度計、及び温度センサーを含む、複数のセンサーとともに構成するための入力出力(I/O:input output)インターフェースを装備する。本明細書の開示の適用例に応じて、特定のセンサーが利用され、それは、所与のセンサーのための適切な適用例当業者には公知であろう。たとえば、温度センサーは、相対的に穏やかな気候中の建築物インフラストラクチャの下のなど、制御された気候(controlled climate)をもつ適用例中に存在する可能性はない。加えて、曲がりゲージは、ひずみゲージが材料コスト及び規模の効率(efficiency of scale)にとって十分であるとき、使用されないことがある。特定の知覚デバイスが設置されるか否かは、所与の適用例に高度に関連し、そのような実例のいくつかがより詳細に説明されるが、本明細書で開示されるセンサーの任意の組合せが、ジオグリッドから情報を取得するタスクを完成するために使用され得る。
【0061】
センサー・ポッド(220)の内側に収容されたマイクロコントローラ(224)は、さらに、電源及び通信アダプタ(222)に対して構成される。実例では、電源はバッテリーであり、他の実施例では、バッテリーは、充電源を提供するためにソーラー・インフラストラクチャに接続されるか、又はさもなければパワー・グリッドに接続され得る。通信アダプタ(222)は、マイクロコントローラ又はインターフェースされたモジュールの部分であり得、さらに、システムの規模及び成長に伴って、様々な通信アダプタが、システムのニーズに適するように構成され得る。センサー・ポッド(220)における通信アダプタ(222)は、ゲートウェイ・ノード又はゲートウェイ・レシーバ(230)における通信アダプタ(232)に配線接続され得る。
【0062】
他の態様では、センサー・ポッド(220)上のマイクロコントローラ(224)は、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(210)上の複数のセンサー(202)からの受信された信号を送信するために、通信アダプタ(222)とともに構成する。センサー・ポッド・マイクロコントローラ(224)は、受信された信号をゲートウェイ(230)に送信し、ここにおいて、ゲートウェイ通信アダプタ(232)は、信号を受信し、インフラストラクチャ処理エンジンを利用してゲートウェイ・マイクロコントローラ(234)上で処理ルーチンを始める。インフラストラクチャ処理エンジンの1つの態様は、パラメータのセットを利用し、たとえば、処理エンジンは、ベースひずみ(base strain)ゲージ測定値を取得し、特定のジオグリッドの引張強度の量に等しい最大ひずみ量を構成する。この点において、ひずみゲージ処理エンジンは、エンド・ユーザ・インターフェースにおけるユーザが、統計を提示され、修復のためのセンサー・ロケーションについてクルーに警報を出すことができるように、通信ネットワーク(240)を通してコンピューティング・ネットワーク(250)に警報を送り得る。他の態様では、インフラストラクチャ処理エンジンは、マイクロコントローラ上で実行していることがあり、ここにおいて、フィードバック・ループが、入来信号をフィルタ処理するために作成される。フィードバック・ループは、前の信号を取り、登録された異常が、ロギングされ、さらなる処理又は通知のためにコンピューティング・ネットワークに送られるように、信号をキャンセルし得る。しばしば、ユーザ・インターフェースは、いくつかの例を挙げれば、Amazonウェブ・サービス(登録商標)、グーグル・クラウド・サービス(登録商標)、又はマイクロソフトAzureクラウド・サービス(登録商標)など、コンピューティング・ネットワーク上で走るアプリケーションを介して提示される。マイクロソフトAzureサービス(登録商標)を備えるコンピューティング・ネットワークの実例では、サーバは、ゲートウェイ(230)から、又はいくつかの場合には通信ネットワーク(240)を通してセンサー・ポッド(220)から情報を受信し、ここにおいて、ウェブ・サービスは、アプリケーション・モジュールを走らせており、インフラストラクチャ・エンジン、或いは警報エンジン又は健全性及び/若しくは状態エンジンなどの他のエンジンを実行していることもある。別の実例では、ゲートウェイは、含水量に関する信号を受信し、ここにおいて、インフラストラクチャ処理エンジンは、マルチパラメータ・アルゴリズムとともに構成され、たとえば、季節的に調整された期間にわたる平均含水量が、基板レイヤの浸食又は流失について調査されるべきであるエリアを指し示すために、温度及びひずみと連携して使用され得る。これらの実例は、センサー・イネーブルド・ジオグリッドの使用によってインフラストラクチャの状態及び/又は健全性を査定することが可能なアルゴリズムのうちのほんのいくつかである。
【0063】
図3は、水分センサー(340)、ひずみゲージ(342)、及び温度センサー(344)の配列を保持するジオグリッド(310)を含むセンサー・イネーブルド・ジオグリッド(300)の実例の図示である。この実例では、センサーは、ジオグリッド(310)のメッシュ又は表面構造上に搭載されるか又はさもなければ設置される。ジオグリッド(310)は、三軸ジオグリッドであるが、他の実施例では、二軸ジオグリッド、又は六角形ジオグリッド、又はジオコンポジット、又はジオファブリックが、表面上にセンサーを保持するために使用され得る。ジオファブリックの場合、より正確な示度を発現させるために、ひずみゲージ又は曲がりセンサーがそれに付着され得る剛性部材が、追加され得る。
【0064】
図3の実例では、センサー・ポッド(320)は、1つ又は複数のセンサーに直接的に結線され、センサー・ポッド(320)は、1つ又は複数のセンサーに電源を提供する。さらに、電力及びデータ通信は、しばしば、1つ又は複数のセンサーまで同じケーブル又はライン中を進み、しばしば、1つ又は複数のセンサーは、センサーにわたって電圧の変化を検出することによって動作させられる。たとえば、ひずみゲージ(342)では、ひずみゲージは、電気リード線、はんだパッド、抵抗箔、及びゲージ・バッキングから構成される。ここにおいて、ひずみゲージは、ゲージのひずみに関連する抵抗の、しばしば微小な、変化を測定する。実例では、複数のひずみゲージが、電気抵抗の変化を測定するために、分割されたブリッジ回路中で使用され得る。これは、しばしば、ホイートストン・ブリッジ構成と呼ばれ、そこにおいて、励起電圧が回路にわたって印加され、出力電圧がブリッジの中央の2点にわたって測定される。ブリッジに作用する負荷がないとき、均衡していると言え、出力電圧はゼロである。ひずみゲージ(342)の下の材料の小さい変化は、ゲージ材料が変形するので、抵抗の変化を生じる。抵抗の変化は、しばしば、小さいので、増幅器が、信号変化を増強するために追加され得る。しかしながら、そのような増幅は、増加されたノイズを導入することがあり、そこにおいて、センサー・ポッド(320)に搭載されたマイクロコントローラは、フィルタで除去するように構成され得るか、又はそこにおいて、コンピューティング・ネットワークは、信号ノイズを適切に取り扱うためのアルゴリズムを採用し得る。
【0065】
別の実例(図示せず)では、設置された1つ又は複数のセンサーは、ジオグリッド(310)を形成する構造部材中に直接的に埋め込まれる。この実例では、完全に統合されたセンサーの、ジオグリッド自体が、必要とされるセンサーとともに押し出され、他の実例又は実施例では、センサーは、クランプなどの物理的接着、或いはエポキシ又は糊接着剤などの化学接着を通して表面に付着される。さらに、電力が、限定はしないが、(1)グリッドから離れて位置決めされた(たとえば、エッジ・デバイス中にあり得る)電源からの配線、(2)センサー・ポッド(320)の中に埋め込まれるか若しくは配置されるか、又はセンサー・イネーブルド・ジオグリッド(300)の横に構成され得る(限られた寿命アプリケーション(すなわち、数年)のためのものである可能性がある)バッテリー・システム、或いは(3)機械的振動から電力を生成するための方法(たとえば、圧電タイプ・システム)、或いは(4)センサー・ポッド(320)の内側に又はセンサー・イネーブルド・ジオグリッド(300)の横に収容されたバッテリーに直接的に給電される、ソーラー・パワー・アレイなどの電源を含む様々な方法によって、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(300)に供給される。
【0066】
センサー・イネーブルド・ジオグリッド(300)は、センサーを保持するためにジオグリッド(310)を利用することに限定されない。他の実施例では、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(300)は、センサーを保持するために任意のタイプのジオシンセティックス及び/又はジオファブリックを含み得る。さらに、他の実施例では、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(300)は、様々なセンサーがインフラストラクチャのレイヤ中に配置されるので、支持体として働き得る。
【0067】
図4Aは、ジオグリッドの上に構成されたセンサー・ポッドの実例を図示し、ここにおいて、センサー・ポッド上部ケーシングが、内部マイクロコントローラを示すために取り除かれている。センサー・ポッドの内部構成要素の追加の画像が、
図6中で見られ得る。
図4Aの実例では、センサー・ポッドは、マイクロコントローラと、1つ又は複数のセンサーとの接続を受け付け、1つ又は複数のセンサーと通信するための複数のリード線とを含んでいる。さらに、この態様では、センサー・ポッドは、それが、所定の位置に止着され、ジオグリッドの表面に取り付けられるので、ジオグリッドと完全に統合されることが分かる。他の態様では、センサー・ポッドは、ジオグリッドの横に配置され得るか、又はなおもさらなる態様では、センサー・ポッドは、ジオグリッドのそばを走る外側筐体中に配置され得る。そのような離れた態様(remote aspect)では、センサー・ポッドは、ゲートウェイ・ノード又はゲートウェイ・レシーバの開示される属性をも取り得、そこにおいて、センサー・ポッドは、セルラー又はネットワーク通信を用いて、1つ又は複数のセンサーからの情報及び/又は信号を送信することを可能にされる。
【0068】
図4Bは、ジオグリッドの上に構成されたセンサー・ポッドの実例を図示し、ここにおいて、センサー・ポッドは、外部シェル中に完全に入れられる。外部シェルは、一般的に、低コストであり、環境要因に耐えるのに十分に耐久性がある金属又は複合物で作られる。この実例の実施例では、センサー・ポッドは、センサー・ポッドが、オフサイトで組み立てられ、所定の位置までジオグリッドを転がすことによって典型的な仕方でインフラストラクチャの中に配置され得るようなやり方で、ジオグリッドに完全に統合される。他の実施例では、センサー・ポッドは、ジオグリッドがインフラストラクチャの中に配置されるとき、フィールド中に設置される。この態様では、センサー・ポッドは、ジオグリッドの外側表面の上に保持するためのファスナーとともに構成される。他の態様では、センサー・ポッドは、ジオグリッドの横に配置されるか、又は所定の位置に締結されないことがある。この態様では、リード線は、より長いか、或いは巻かれるか、或いは定着(settling)又はセンサー・ポッドから分離されることがないわずかな移動を可能にする材料で作られ得る。
【0069】
図5は、センサー・イネーブルド・ジオファブリック(500)の実例を図示する。ここにおいて、複数のセンサー(510)が、ジオファブリックとともに構成される。前に考察されたように、ジオファブリックは、織られる又は編まれる、のいずれかであるか、或いはその両方の組合せである。この実例では、センサーは、接着剤を使用してファブリックにセンサーを付着させることによって、ファブリックに統合される。他の実施例では、センサーは、センサーを編むこと又は織ることによって、ファブリックに統合され得る。なおもさらなる実施例では、ファブリック自体が、ジオファブリック中に埋め込まれた検知のための器具類をもつセンサーであり得る。
図5の本実例では、センサー・イネーブルド・ジオファブリック(510)は、ひずみゲージ又は曲がりセンサーをそれの上に搭載するべきリブ又は他の器具とともに構成され得る。他の実施例では、ジオファブリックの厚さは、様々なセンサー及びゲージを使用する測定を可能にするように増加され得る。
【0070】
次に
図6を参照すること。センサー・ポッド(600)の実例が、上部保護カバーが取り除かれた状態で図示されている。プリント回路板(PCB:printed circuit board)(610)が、様々なセンサーについて信号収集マイクロコントローラとして働く様々なマイクロコントローラ(620)とともに視認できる。実例の実施例では、温度センサー入力リード線(612)が、図の左上に位置決めされ、温度センサーへの入力として働く。水分リード線(614)、及び曲がりセンサー・リード線(616)、並びにひずみゲージ・リード線(618)も、実例の実施例において視認できる。他の実例では、ただ1つのセンサーが利用可能であり得、他のものでは、1つ又は複数のセンサーが利用可能であり得、さらなる実例では、センサーは、適用例のための特殊構成において構成される。たとえば、水分及びひずみゲージが、一態様では利用可能であり得、水分及び温度センサーが、別の態様では利用可能であり得る。
【0071】
前に考察されたように、様々なセンサー及びゲージは、情報又は知覚データを提供するために動作し、そこにおいて、マイクロコントローラ(620)は、ゲートウェイ・ノード又はレシーバにワイヤード又はワイヤレス・プロトコルのいずれかを介して通信アダプタを通して処理及び送信し、そこにおいて、情報は、次いで、エンド・ユーザが、センサーからの情報をリアル・タイムで閲覧するためのユーザ・インターフェースへのアクセスを有するコンピューティング・ネットワークに通信ネットワークを通して送信される。しばしば、コンピューティング・ネットワークは、前に開示されたウェブ・サービス・プラットフォームからなる。様々なステップに沿って、この実例の実施例では、異なるアルゴリズムが、場合によっては、複数の信号から受信された情報を構造化するか、フィルタ処理するか、ソートするか、警報を出すか、準備をするか、パッケージングするか、又はさもなければ計算処理のための命令に変換するために適用され得る。
【0072】
図6の代替実施例では、センサー・ポッド(600)は、ゲートウェイ・ノード又はゲートウェイ・レシーバの特徴をも備え得る。ここにおいて、センサー・ポッドは、一般的に、1つ又は複数のセンサーから受信された情報又は信号を送信するためのセルラー接続である、ワイヤード又はワイヤレス接続とともに構成される。さらに、マイクロコントローラは、インフラストラクチャの状態及び/又は健全性を計算するために装備され得、コンピューティング・ネットワークに通信ネットワークを通して信号又は警報を送り得、ここにおいて、エンド・ユーザは、信号を受信し、センサーがインフラストラクチャの状態及び/又は健全性の変化を検出したロケーションを調査及び/又は修復するためにクルー又は要員を送り得る。
【0073】
図7は、センサー・イネーブルド・ジオグリッドのためのマイクロコントローラの実例の実施例の構成要素図である。様々なマイクロコントローラなど、本明細書の組込み型システムは、汎用コンピューティングとともに構成されてもよく、その逆も同様であることに留意することが重要である。当業者は、様々な態様のためのマイクロコントローラの重要性、並びに他の態様のためのマイクロコントローラの汎用コンピュータとの取り替えを認識するであろう。
【0074】
図7の実例の実施例では、マイクロコントローラ(700)が、数個の固有のI/O特徴とともに数個の標準的な構成要素から構成される。他の実施例におけるマイクロコントローラは、汎用コンピューティング・デバイス、又は専用コンピューティング・デバイス、又は本明細書の開示を実施することが可能な任意のコンピューティング・デバイスであり得る。マイクロコントローラは、システム・クロック又は外部のネットワーク化されたクロックと同期している動作サイクルを維持することによって組込み型システムにおいて重要な役割を果たす、タイマー(712)を装備する。さらに、タイマーは、バッテリー節約のために時間遅延を生成するための、又はサンプリング・レートを制御するためのなどの適用例など、適用例において使用され得る。マイクロコントローラ(700)は、ソリッドステート・ドライブ・テクノロジーから構成されるか、又は計算情報の記憶のための揮発性及び不揮発性メモリを含む他のハード・ドライブ・テクノロジーを装備してもよい、ストレージ・システム(702)を含んでいるメモリ(710)を装備する。たとえば、インフラストラクチャ処理エンジンは、リレーショナル・データベース中に又は長期ストレージ(702)内の非構造化データベース中にデータ・テーブル又は情報をホストし得る。マイクロコントローラ(700)の実例の実施例のメモリ(710)は、処理ユニット(750)への命令の流れをバッファするためのキャッシュ(708)とともに、プログラム命令を保持するランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)(706)をも含んでいる。いくつかの態様では、インフラストラクチャ処理エンジン、又は複数のセンサーからの信号取得のためのエンジンなどの他のエンジンは、命令が処理ユニット(750)によって実行されるので、RAM(706)中にある。よって、データRAMは、処理ユニット(750)による通常のプログラム実行中にマイクロコントローラ(700)によって使用される一定値及び変動値を記憶するために、一時的に使用されるデータ空間である。データRAMに類似して、特殊機能レジスタが、マイクロコントローラ(700)上に存在し得、そのような特殊機能レジスタは、読取り及び書込みの両方を可能にするRAMレジスタに類似して動作する。特殊機能レジスタが異なるところは、それらが、処理ユニット(750)の外のオンチップ・ハードウェアを制御することに専用であり得ることである。
【0075】
図7の実例中にさらに描かれているように、アプリケーション・モジュール(704)は、それがマイクロコントローラ(700)のメモリ(710)の中にロードされるものとして図示されている。典型的なアプリケーション・モジュールの実例は、玩具、カメラ、アプライアンスなどを含む、多くのコンシューマー・エレクトロニクスにおいて見つけられ得る。本実例では、アプリケーション・モジュール(704)は、ジオグリッドに取り付けられた1つ又は複数のセンサーに対して構成されたセンサー・システム(722)から信号を取得するために、センサー・ポッド内に検知エンジン又は検出エンジンをロードする。さらに、センサー・ポッド・マイクロコントローラ(700)は、リレーショナル・データベース又は非構造化データベースなど、データベースの中にセンサー情報をコンパイルするためのエンジンをロードし得る。同様に、この実例内で開示されるマイクロコントローラ(700)は、ゲートウェイ・ノード又はノード・レシーバに位置決めされ得、類似の又は追加の機能を実施し得る。なおもさらに、センサー・ポッド構成は、セルラー・データ・サービス及び追加の処理エンジンなど、ハードウェアのゲートウェイ構成をも含み得るか、又はその逆も同様である。
【0076】
図7の実例では、処理ユニット(750)は、システムの中に及び処理ユニットにデータを急速に移動するためのデジタル信号の経路を提供するシステム・バス(716)に対して構成される。典型的なシステム・バス(716)は、3つの内部バス又は経路、換言すれば、データ・バス、アドレス・バス、及び制御バスを介して制御を維持する。I/Oインターフェース・モジュール(718)は、プログラムされたI/O、ダイレクト・メモリ・アクセス、及びチャネルI/Oを含む、任意の数の汎用的な(generic)I/Oであり得る。さらに、プログラムされたI/O内で、それは、ポート・マッピングされたI/O、又はメモリ・マッピングされたI/O、又は1つ又は複数のセンサーからの着信情報又は信号を効率的に扱うことができる任意の他のプロトコルのいずれかであり得る。外部のデバイス(720)が、I/Oインターフェース・モジュール(718)に対して構成され、ここにおいて、そのようなデバイスは、ファームウェア、BIOS、又はソフトウェア・アップデートなど、診断及び情報入力のためにマイクロコントローラを用いてプラグ・アンド・プレイし得る、PDA、タブレット・コンピュータ、スマートフォン、又はラップトップなど、入力デバイス(744)であり得る。さらに、この実例におけるセンサー・システム(722)は、曲がりセンサー(724)、加速度計(726)、ひずみゲージ(728)、温度センサー(730)、及び水分センサー(736)を含む。他の実施例では、センサーのうちの1つのみが存在し得、なおもさらなる実施例では、センサーのうちの1つ又は複数が存在し得る。追加として、I/Oインターフェースは、ユニバーサル・シリアル・バス(USB:universal serial bus)、又は(ネットワーク・アダプタの一部分であってもよい)コントローラ・エリア・ネットワークなどの他のタイプのI/Oインターフェースとインターフェースすることが可能である。
【0077】
本実例の実施例におけるマイクロコントローラ(700)は、ネットワーク・アダプタ(714)とともにされに構成され、そこにおいて、ネットワーク・アダプタは、ワイヤード又はワイヤレス接続をサポートし得る。ネットワーキング・アダプタは、様々な送信レート、及びイーサネット又はワイヤレス接続がもたらす中核の機能性のうちのいくつかをサポートする。本明細書のネットワーク・アダプタは、ワイヤード・イーサネット並びにワイヤレス又はWiFiモジュールの両方を備える。さらに、他の態様では、イーサネット・モジュールのみが、ネットワーク・アダプタ(714)の部分である。なおもさらなる態様では、ネットワーク・アダプタ(714)は、WiFiモジュールのみを備え得る。ネットワーク・アダプタ(714)は、ゲートウェイ・ノード又はゲートウェイ・レシーバにおいて開始し、プログラム及びユーザ・インターフェースに起因するコンピューティング・ネットワークに到達するまで数個の通信経路に沿って続き得る、通信ネットワーク(734)と通信するように構成され、ここにおいて、エンド・ユーザは、インフラストラクチャの現在の状況、状態、及び/又は健全性を閲覧するか又はさもなければ可視化し得る。いくつかの使用事例を挙げれば、限定はしないが、建築物インフラストラクチャ、都市インフラストラクチャ、道路及び舗道インフラストラクチャ、並びにレール及び軌道インフラストラクチャを含むこと。
【0078】
次に
図8を参照すると、ここにおいて、センサー・イネーブルド・ジオグリッドのIoTインフラストラクチャ・システム(800)の実例の図示が、開示される。この実例におけるIoTインフラストラクチャ・システム(800)は、センサー・イネーブルド・ジオグリッドから情報を取得し、コンピューティング・ネットワークに通信ネットワーク内の一連の通信経路に沿ってその情報を伝送するように設計され、ここにおいて、エンド・ユーザは、センサー・イネーブルド・ジオグリッドから発信したデータにアクセスし、操作し、符号化し、利用することが可能である。エッジ(825)において
図8の本考察を始め、ここにおいて、エッジ(825)は、センサー・ポッド(810)及びゲートウェイ(820)を含んでいるエッジ・ネットワークである。センサー・ポッド(810)は、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(図示せず)に対して構成され、ゲートウェイ・ノード又はゲートウェイ・レシーバとしても知られるゲートウェイ(820)と通信している。ゲートウェイ(820)は、通信ネットワーク(830)へのワイヤード又はワイヤレス手段を通して通信するように構成される。セル・サイト又はセルラー基地局としても知られるセル・タワー・サイト(832)など、典型的な通信ネットワーク(830)機器が、図示されている。セル・タワー・サイト(832)は、アンテナ及び電子通信機器が、一般的に、無線マスト、塔、又は他の隆起した構造(raised structure)などのアイテム上に配置された、セルラー・イネーブルド・モバイル・デバイス・サイトである。セル・タワー・サイト(832)の隆起した構造は、一般的に、安全性及び機器を保護するためのクラッディングとともに、送信機/受信機、デジタル信号プロセッサ、制御電子回路、マイクロコントローラ、GPSレシーバ、及びバックアップ電源の1つ又は複数のセットを含む。
図8の実例では、ゲートウェイ(820)は、セル・タワー・サイト(832)にセルラー信号を送信し、ここにおいて、セル・タワー・サイト(832)は、コンピューティング・ネットワーク(840)に、及び最終的にエンド・ユーザ又はユーザ・インターフェースに信号をさらに送信する。アプリケーションが、受信された信号から健全性及び/又は状態を表示するためにコンピュータ・ネットワーク上で走っていることがあるか、或いはコンピューティング・ネットワークから情報を受信し、エンド・ユーザのために情報を表示するか又は情報を処理するローカル汎用コンピューティング・デバイスがあり得る。
【0079】
図8の実例において続けると、通信ネットワーク(830)は、スモール・セル(834)をも備え得、ここにおいて、スモール・セルは、認可及び無認可スペクトルの両方で動作し、10メートルから数キロメートルの範囲を有することができる低電力(low powered)セルラー無線アクセス・ノードである。スモール・セルは、セル・タワー(832)までの距離が遠いことがあるいくらかのエッジ(825)アプリケーションに関して重要である。さらに、スモール・セルは、信号密度が増加するにつれて、セルラー帯域幅について特に重要になり、無認可スペクトルは、負荷を低減し、ネットワーク化されたエリア内の効率を提供し得る。さらに、本実例の実施例では、分散アンテナ・システム(DAS:distributed antenna system)(836)が、通信ネットワーク(830)の一部分であり得る。DASでは、空間的に分離されたアンテナ・ノードのネットワークが、サンプル地理的エリア又は構造内にワイヤレス・サービスを伝送するために共通ソースに接続される。DASは、本開示の実施例において利用され得、ここにおいて、建築物インフラストラクチャ又は都市インフラストラクチャが関係する。
図8は、IoTプラットフォーム又は通信ネットワーク(840)の包括的な図ではなく、ワイヤード、同軸、又は光ファイバー送信など、多くの他のテクノロジーが利用され得る。さらに、衛星及びマイクロ波送信などの実施例が、標準的なRFとともに、当業者に公知であるように、本開示のいかなる態様をも備え得る。
【0080】
次に
図9を参照すると、ここにおいて、本開示に適用可能である複数のセンサーの実例がハイライトされている。本明細書の実例のセンサーに加えて、圧力センサー、湿度センサー、UV放射線センサー、及び雷検出器などの他のセンサーも、適用可能である。
図9A中に、曲がりセンサーの実例が図示されている。曲がりセンサー又は曲げセンサーは、たわみ又は曲げ(bending)の量を測定するように設計される。典型的な曲がりセンサーは、曲がると抵抗の量を変動させる可変抵抗器に似ている。曲がりセンサーの構成は、しばしば、それの上に導電性インクが配置され、セグメント化された半導体が導電性インク経路に沿って配置される、フェノール樹脂基板を含む。曲がりセンサーの追加の実施例が存在し、原理は同じままである。
図9B中に、加速度計の実例が開示されている。加速度計は、それ自体の瞬時静止フレーム(instantaneous rest frame)において本体の速度の変化率を測定するツールである。このタイプの加速度は、固定座標系における指向性加速度とは異なる。本明細書の開示は、互いとの協調のための、及び互いの間で差異を測定する際の複数の加速度計の使用を含む。たとえば、1つの加速度計が、1つのレール軌道上に配置され得、反対側のレール軌道上に、追加の加速度計が配置され得る。同様に、IoTシステム内で、加速度計は、システム全体の「マップ」又は様子を形成するために、センサー・イネーブルド・ジオグリッドにわたって協調され、システムに沿った移動を追尾するのを助けさえもし得る。
図9C中に、温度センサーの実例が開示されている。実例では、抵抗温度計が開示されており、ここにおいて、ある長さの細いワイヤが、セラミック・コア又はガラスの周りに巻きつけられ、ワイヤは、抵抗/温度関係を測定する。赤外線、水銀、デジタルなどを含む、他の温度センサーが、適用可能である。
図9D中に、水分センサーの実例が図示されている。実例の図示では、2つの露出されたパッドが、プローブとして働き、可変抵抗器として働く。基板、レイヤ、又は土壌内の水が多いほど、2つのパッドの間の導電率は良くなり、これにより、抵抗を低下させる。水分センサーの追加の実施例が利用可能であり、本開示は、市販購入で入手可能な極めて多くの水分センサーのうちの1つのサンプルにすぎない。
図9E中に、ひずみゲージの実例が図示されている。前に考察されたように、ひずみゲージは、材料上の応力又はひずみを測定する。力が、ひずみゲージの本体に加えられたとき、本体は変形し、この変形がひずみと呼ばれる。より具体的には、ひずみ(∈)は、以下の式、すなわち、
【数4】
を用いて長さの分数変化として定義される。別のタイプのひずみは、せん断ひずみであり、これは、角度ディストーション(angular distortion)の測度である。せん断ひずみは、ポアソンひずみとして知られる現象によって直接的に測定可能である。
【数5】
さらに、2つのタイプの応力、すなわち、材料及び負荷を担持するそれの能力に加えられる通常応力又は荷重と、通常応力の面に平行であるせん断応力とがある。両方の構成が、本開示において利用可能であり、実例の実施例では、複数の面中のひずみ及びせん断を検出するために使用される1つ又は複数のひずみゲージの組合せを検討する。
【0081】
次に
図10を参照すると、ここにおいて、インフラストラクチャの状態及び/又は健全性を監視するための方法の実例のフロー図が、提供されている。実例の方法では、一般的に、センサー・イネーブルド・ジオグリッド、ジオファブリック(又は他のジオコンポジット)中にセンサーを分散させる(1000)ことによって始めるが、ジオグリッドに取り付けられないインフラストラクチャ・レイヤ内のセンサーを分散させることなど、追加の実施例も開示される。さらに、センサーのタイプ及び数は、特定の使用例に依存する。1つの実例では、1つ又は複数のセンサーが、同じタイプのセンサー(たとえば、複数のひずみゲージ)であっても、所与のインフラストラクチャについて可能な最も正確な示度を提供するアレイ中で利用される。続けて、本実例では、一般的に、IoTネットワークのエッジにあり、通信経路に沿って信号又は情報を送信する前の収集及びストレージ・デバイスとして働くセンサー・ポッド又はゲートウェイによって、分散されたセンサーから信号を受信する(1002)。次に、一実施例では、センサーからの信号又は情報を処理する(1004)。一実施例では、これは、センサー・ポッドにおいて行われ、別の実施例では、これは、ゲートウェイ・ノード又はゲートウェイ・レシーバにおいて行われ、別の実施例では、これは、エンド・ユーザの近くのコンピューティング・ネットワーク又は汎用コンピュータにおいて行われる。信号を処理する(1004)動作は、述べられたように、システム内の任意の計算態様において、又はシステム内の複数の地点において行われ得る。一態様では、センサー・ポッドは、信号を処理し(1004)、フィルタを適用し(1006)得、ここにおいて、フィルタは、1つ又は複数のセンサーから受信されたノイズ又は無関係の情報を取り除く。別の態様では、センサー・ポッドは、信号を処理し(1004)、フィルタを適用する(1006)ためにゲートウェイ・ノード又はコンピューティング・ネットワークに信号をフォワーディングし得る。他の実施例では、独立成分分析が、信号を隔離するために行われ得、他の実施例では、原理成分分析(principle components analysis)が、信号をさらに洗練するために行われ得る。多くのアルゴリズムが、信号をフィルタ処理し、及び/又はセンサーから受信されたデータをクリーン・アップするために使用され、この実例では、いくつかのよく知られている方法を考察するが、理解できる示度及び情報をセンサーが生じることを可能にする他の方法が適用可能であることに留意することが重要である。次に、信号を処理する(1004)こととともに、センサー・ポッド、ゲートウェイ、又はコンピューティング・ネットワークは、1つ又は複数のセンサーから受信されたデータにインフラストラクチャ処理エンジン(1008)を適用し得る。インフラストラクチャ処理エンジンは、この実例では、センサーから受信されたデータを処理し、エンド・ユーザがそれに作用することができる情報を生じる。これは、警報、メッセージ、通知の形態であるか、或いはさもなければ1つ又は複数のセンサーが特定のしきい値を超えたかどうかの指示を生じるデータを処理し得る。たとえば、水分センサーが、平均導電率よりも高く表示し、ひずみゲージが、ひずみゲージの移動日平均(moving day average)を上回る増加するひずみ又は電気抵抗を示している場合。さらに、加速度計など、他のセンサーが、データの正確度を検証するために使用され得、たとえば、軌道上を通過する列車又は舗道上の車は、ひずみゲージが、通常抵抗に戻る前に一時的に増加することを引き起こし得、軌道上に搭載された加速度計は、通過する列車を検出し、フィルタ処理するのを又は処理エンジンがデータを解釈するのを助け得る。
【0082】
図10の実例のインフラストラクチャ処理エンジン(1008)のステップ及び方法の具陳とともに考察を続けること。ここにおいて、インフラストラクチャ処理エンジン(1008)は、1つ又は複数のセンサーを通して、道床又は補助道床中に過度の移動があるかどうかを決定する(1010)。次に、第2のパラメータが、インフラストラクチャ処理エンジン(1008)によって取得され、ここにおいて、それは、過度の水分が、インフラストラクチャの道床及び/又は補助道床中にあるかどうかを決定する(1012)。最後に、インフラストラクチャ処理エンジン(1008)は、路床変形の大きさを決定し(1014)、インフラストラクチャの状態及び/又は健全性が調査されるべきであるか否か(1020)を決定するために、最初の2つのパラメータを使用する。次に、信号の処理(1004)に続いて、処理された信号は、コンピューティング・ネットワークに電気通信ネットワークを通して送信され(1016)、ここにおいて、コンピューティング・ネットワークは、信号を受信し(1018)、追加の処理を実施するか、或いはセンサーから受信された情報にインフラストラクチャ処理エンジン(1008)又は他の類似のエンジンを適用し得る。他の態様では、信号をフィルタ処理すること及びインフラストラクチャ処理の適用が、IoTプラットフォームのエッジから離れたコンピューティング・ネットワークにおいて行われる。他の態様では、フィルタ処理及び処理は、ゲートウェイ・ノードにおいて、又はセンサー・ポッド自体内で行われる。様々な実例全体にわたって、結果は、フィールド・エージェントを必要としない、又はインフラストラクチャを物理的に検査する必要がない、インフラストラクチャの健全性及び/又は状態或いは様々なインフラストラクチャの状況に関する情報である。本明細書の開示は、システム全体にわたって知能を提供し、センサー・イネーブルド・グリッドが、行為可能な情報(actionable information)に基づいてインフラストラクチャの特定の部分に対して行為を取ることができるエンド・ユーザに、行為可能な情報を通信することを可能にする。
【0083】
次に
図11を参照すると、インフラストラクチャの状態及び/又は健全性を監視するための方法の実例のフロー図。この実例では、最初に、センサー・イネーブルド・ジオグリッドが、インフラストラクチャの下部構造中に設置される(1100)。下部構造は、表層など、主面構造の下にあるインフラストラクチャの任意の構造であり得る。下部構造の実例は、限定はしないが、道床、補助道床、結合剤、基層、路盤層、締め固められた路床、及び自然路床を含む。設置に続いて、センサー・イネーブルド・ジオグリッドをコンピューティング・ネットワークにリンクするネットワーク通信が、開設される(1110)。これは、センサー・イネーブルド・ジオグリッドに取り付けられた又はセンサー・イネーブルド・ジオグリッドに対して構成されたセンサー・ポッドを通して、或いはジオグリッドに取り付けられ、さらに通信ネットワークへのワイヤード又はワイヤレス手段を通して構成されたゲートウェイ又はゲートウェイ・ノード/レシーバを通して行われ得る。次に、センサー・イネーブルド・グリッドからの情報又はデータが、コンピューティング・ネットワークによって監視される(1120)。監視は、インフラストラクチャの、また、下部構造の特定のエリア中の健全性、状態及び/又は状況を決定するために、センサー・イネーブルド・ジオグリッドからの情報及び/又はデータを分析する(1130)ことを含む。最後に、センサー・イネーブルド・ジオグリッドから集められた情報から、それぞれの下部構造に予防及び/又は修正措置又は行為を適用する(1140)こと。
【0084】
図12中に、インフラストラクチャの状態及び/又は健全性を監視するための方法の実例のシーケンス図(1200)が、図示されている。センサーは、線形的な仕方でサンプリングすることによって信号(1202)、しばしば時系列データ・フォーマット(1214)を生成し、他の実施例では、データは、ランダムに又はアルゴリズム手段によってサンプリングされ得る。次に、センサー・ポッドは、信号を受信し、アナログ・デジタル変換が必要である場合には信号を変換/解釈する(1204)こともし得る。次に、センサー・ポッドは、ゲートウェイに信号情報又はデータを送信し、そこにおいて、ゲートウェイは、通信ネットワーク(1206)に沿って情報を送信する。通信ネットワーク(1206)は、センサーから及びゲートウェイからコンピューティング・ネットワーク(1208)に情報及び/又はデータを送信する。ここにおいて、コンピューティング・ネットワークは、情報又はデータを分析し(1210)、ユーザ・インターフェース上に情報又はデータを表示する。実例の実施例では、ユーザ・コンピュータ上の入力デバイス又はコンピューティング・ネットワークに接続されたユーザ・インターフェースからゲートウェイ又はセンサー・ポッドにプログラマブル命令を送信する(1216)ための開示が、開示される。そのような実施例では、ユーザは、ソフトウェア又はアプリケーションに対する更新を提供し得、実例は、ファームウェア又はセンサー更新、或いは様々なエッジ・ハードウェア・デバイス(センサー、センサー・ポッド、ゲートウェイ)への通信ネットワークを介した処理エンジンに対する更新を含む。
【0085】
図12を続けると、信号がセンサーから受信されなかった(1212)場合には、センサー・ポッドは、信号をキャプチャすることを試み続ける(1220)。同様に、ゲートウェイが信号を受信しなかった(1222)場合には、ゲートウェイは、センサー・ポッド及び/又はセンサーが調査され得るように、コンピューティング・ネットワークに警報を出し得る。追加として、ゲートウェイが、センサー・ポッド又は通信ネットワークのいずれからも通信を受信していない場合、それは、通信が再開する(1224)まで、データをキャッシュするか又はさもなければデータを記憶し得る。同様に、センサー・ポッドは、それがゲートウェイへの接続を失った場合、同じ手順を経ることもあり、それは、1つ又は複数のセンサーからの信号情報をキャッシュするか又はさもなければ記憶し得る。実例の実施例では、チーム又はクルーが、通信の喪失がサービス又は情報の喪失を生じ得る、鍵となるエリアにおいて警報を提供するシステム内のビルト・イン手順及びプロトコルに基づいて、ゲートウェイ(1230)、又はセンサー・ポッド(1232)、又はセンサー(1234)を調査するために投入(dispense)され得る。
【0086】
レール軌道及びインフラストラクチャ実施例に焦点を移すこと。
図13A中に、レール軌道インフラストラクチャの実例の実施例が、図示されている。本明細書で定義される様々なレイヤ又は基板は、実例のためのものであり、実際問題として、レイヤは、異なって定義されるか、又は決定することが困難であり得る。レール軌道インフラストラクチャの追加の要素は、道床肩、まくら木、被覆(blanket)、並びに他のレイヤ及び/又は要素を含んでいることがある。さらに、レイヤのうちの多くは、繰り返され、及び/又は様々な追加の要素を備え得、焦点は、センサー・イネーブルド・ジオグリッドを通して基板を監視することにとどまり、ここでの実例は、本開示によって包含されるほんのいくつかの構成である。レール軌道インフラストラクチャ(1300)は、レール軌道(1310)並びに道床レイヤ(1320)、補助道床レイヤ(1330)、及び路床レイヤ(1340)を図示する。ともに、レイヤは、良好な健全性及び状態にあるレール軌道インフラストラクチャ(1300)を図示する、レール軌道インフラストラクチャの一実施例を形成する。
図13B中に、レール軌道インフラストラクチャにおける流失状態又は浸食又は損傷(1350)の実例が、図示されている(1302)。より詳細には、レール軌道インフラストラクチャに対する流失状態又は浸食又は損傷は、路床(1340)中に起こっている。浸食又は流失は、一般的に、しばしば激しい豪雨、鉄砲水、又は洪水水域(flooding body of water)中に、柔らかい土壌又は他のレイヤが水又は機械的力により崩れたときに起こる。山岳領域、及び堆積物を堅固にするための植生がない領域は、追加の流失又は浸食状態を受け得る。レール及び軌道インフラストラクチャにおける流失状態は、位置を特定することが困難であり得、レールが地面の上で吊されたままにさえし、潜在的事故の可能性を増加させ得る。それゆえ、センサー・イネーブルド・ジオグリッドは、本明細書で開示されるように、レール軌道インフラストラクチャにおけるささいな変化、外観検査によっては知られないことがある変化でさえも検出し、ライフサイクル保守、修復、及び/又は仲介のためにそれらの変化を分析するために装備される。
【0087】
図14A~
図14B中に、センサー・イネーブルド・ジオグリッドをもつレール軌道インフラストラクチャの実例が、図示されている(1400、1402)。
図14A中で、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(1440)は、路床レベル(1450)の上に配置される。
図14B中で、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(1440)は、補助道床レベル(1430)の上に配置される。インフラストラクチャ内でのセンサー・イネーブルド・ジオグリッド(1440)の配置は、レール及び軌道インフラストラクチャの構造並びに特定の適用例に依存する。他の態様では、数個のセンサー・イネーブルド・ジオグリッド、又はセンサー・イネーブルド・ジオグリッド及びセンサー・イネーブルド・ジオファブリック、又はさらに他の場合では通常のジオグリッド及びセンサー・イネーブルド・ジオファブリックが、ジオグリッド又はジオファブリック上の1つ又は複数のセンサーが、レール軌道インフラストラクチャに関する情報を受信し、さらなる処理及び監視のためにIoTエッジから離れたコンピューティング・ネットワークにその情報を送信する、「検知レイヤ」を形成するために組み合わせられる。前の図に類似して、レール軌道(1410)は、道床材料(1420)上に配置される。道床材料(1420)は、所定の位置に軌道を保持し、一般的に、砕石からなるが、焼き粘土などの他のあまり好適ではない材料が、使用され得る。レール軌道道床の適切な厚さは、タイ(図示せず)のサイズ及び間隔、交通の量、並びにジオグリッド支持インフラストラクチャ(geogrid supported infrastructure)又はサブレイヤなどの様々な他の要因に依存する。補助道床(1430)は、一般的に、道床(1420)のものよりも小さい砕石であり、道床(1420)を支持し、下地支持構造からの水の進入を低減するように設計される。水分センサー及びひずみゲージ及び/又は曲がりゲージを装備した、この実例におけるセンサー・イネーブルド・ジオグリッド(1440)は、下部構造における水進入からの汚損(fouling)を予期し得る。水分センサーは、時系列ベースで検知するために装備され得、ここにおいて、コンピューティング・ネットワーク及びアプリケーション・モジュールは、季節平均又は揺動(seasonal average or swing)を有し、レール軌道インフラストラクチャの特定の領域及び/又はロケーションのためのモデルを構築するか又は開発するために、前の情報を使用し得る。
【0088】
図15A~
図15B中に、流失状態をもつセンサー・イネーブルド・ジオグリッド・レール軌道インフラストラクチャが、図示されている。
図15A中で、流失状態又は浸食又は損傷が、路床レイヤ(1550)内で起こっている。路床(1550)は、一般的に、天然(native)材料であり、ここにおいて、インフラストラクチャは配置される。路床(1550)は、天然材料が適用例を支持することが可能でない場合、堅固にするために、圧縮されるか又は他の凝集体と混合され得る。
図15B中で、浸食又は流失又は損傷が、補助道床レイヤ(1530)において起こっている。浸食が起こるところのロケーションは、センサー・イネーブルド・ジオグリッドが1つ又は複数のセンサーを使用してどのように実施するかの一実例である。たとえば、
図15Aの実施例では、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(1540)は、消失した路床レイヤ(1560)からのひずみを受け得、ここにおいて、ひずみゲージ・センサーは、追加された抵抗をハイライトし、さらに、曲がりセンサーを装備する場合、曲がりセンサーも、流失状態によるジオグリッド上の増加された曲がりを検証し得る。一実例における
図15A中の流失は、路床の喪失によりジオグリッド中の凹曲げ(concave bend)を生じ得、凹曲げは、曲がりセンサー上の示度を増加させ、レール軌道インフラストラクチャの健全性及び/又は状態の変化の警報を出す信号を生じる。他の実施例では、
図15A中の凹曲げは、ひずみゲージ中の抵抗を生じ、センサー・イネーブルド・ジオグリッド上のひずみを描く信号を生じ得る。当業者は、レール軌道インフラストラクチャに知能を付与すること、さらに、コスト削減及び犠牲者回避の利益が、本明細書で開示されるような適用例に対するニーズを増加させることを直ちに認識するであろう。
図15B中で、流失状態又は浸食又は損傷(1560)は、ジオグリッドの上部の圧力又は力を取り除き得、それは、凸曲げを引き起こしさえし得、ここにおいて、ひずみゲージ及び曲がりセンサーは、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(1540)上のそのような力について警報を出し得る。追加として、水分センサーは、流失による水分の増加を指し示し、さらに、レール軌道インフラストラクチャの健全性及び/又は状態を指し示し得る。
【0089】
同様に、
図16A~
図16B中に、センサー・イネーブルド・レール軌道(1630)に対する追加の流失又は浸食又は損傷(1660)が、図示されている。レール軌道(1610)は、道床(1620)によって所定の位置に保持され、それによって、
図16Aの実例では、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(1630)が配置される。この実施例では、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(1630)は、補助道床の上に配置され、レール及び軌道インフラストラクチャにおける複数のロケーションにあるセンサー・イネーブルド・ジオグリッドである、「検知レイヤ」を利用することの使用を描く。
図15A~
図15Bに類似して、流失状態又は浸食又は損傷は、レール軌道インフラストラクチャにわたって様々な地点において起こり得る。ジオグリッド半剛性構造は、センサーが浸食の地点に直接的に配置されないにもかかわらず、それらがそれでもインフラストラクチャの変化を検出又は検知するように、「ウェブ」様の仕方で全体にわたって力及び変化が感知されることを可能にする。
図16A中で、流失(1660)は、補助道床レイヤにおいて起こり、センサー・イネーブルド・ジオグリッドにかかる力の凹形成を引き起こす。これらの力は、1つ又は複数のセンサーによって検出され、エッジ・ハードウェアからコンピューティング・ネットワークに送信され得、ここにおいて、(ソフトウェア・アプリケーション又はプラットフォームを介した)エンド・ユーザは、レール軌道インフラストラクチャの健全性及び状態の変化に対して予防又は補修措置を講じるか又は警報を出し得る。
【0090】
図17A中で、複数のセンサー・イネーブルド・ジオグリッド(1730)が、レール軌道インフラストラクチャ中に配置される。レール軌道レール(1710)は、道床(1720)によって保持され、ここにおいて、第1のセンサー・イネーブルド・ジオグリッド(1730)は配置され、補助道床(1740)、及び路床の上に配置された第2のセンサー・イネーブルド・ジオグリッド(1730)が続く。この実例では、複数のセンサー・イネーブルド・ジオグリッドが、示度の感度を増加させ、追加のデータ及び冗長性を可能にする。さらに、そのような配列は、増加された及び反復的な応力がより急速にインフラストラクチャを疲労させ得るレール軌道局(rail track station)にあるなど、非常に重要なエリアにとって有益であり得る。
【0091】
図17B中に、レール及び軌道インフラストラクチャ(1702)におけるセンサー・イネーブルド・ジオグリッドのためのエッジ・インフラストラクチャの実例が、図示されている。レール軌道レール(1710)は道床(1720)の上部に配置され、ここにおいて、実例の実施例は、センサー・ポッド(1760)の複数のロケーションを描く。センサー・ポッド(1760)は、アクセス及び通信が容易なように枕木(railroad tie)又は上側インフラストラクチャに載っていることがある。さらに、本明細書の他の実施例及び開示において見られるように(
図4)、センサー・ポッド(1760)は、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(1740)自体に対して構成されてもよい。センサー・ポッド(1760)のロケーションは、レール軌道設置とともに変動するが、追加の実例では、センサー・イネーブルド・ジオグリッドは、迅速な設置を可能にするために、センサー及びセンサー・ポッドとともに作製される。ゲートウェイ・ノード(1770)又はゲートウェイ・レシーバは、センサー・ポッドへのイーサネット又はデータ・ケーブル又は同軸ケーブルなど、直接接続とともに構成される。ゲートウェイ・ノード(1770)又はゲートウェイ・レシーバは、通信ネットワーク(1780)にワイヤードで又はワイヤレスに、の両方で送信するために装備され、ここにおいて、センサー情報は、さらなる監視及び分析のためにコンピューティング・ネットワークにフォワーディングされる。
【0092】
図18A中に、センサー・ポッド(1850)が、ゲートウェイ・ノード(1860)によって取り替えられるものとして描かれており、ここにおいて、ゲートウェイ・ノード(1860)は、入力並びにセンサーから情報を受信するためのリード線及び構成の保護を提供する。この実例では、ゲートウェイ及びセンサー・ポッドは、組み合わせられることが可能であり、ここにおいて、センサー・ポッドは、ゲートウェイの属性を有し得、これにより、センサー・ポッドは、通信ネットワークにセルラー送信を介して通信するように装備され得る。エッジ・システムも、さらなる成分(constituent)に分解され得る。追加の実例では、ゲートウェイ・レシーバは、センサー・ポッドからの1つのワイヤード・レシーバと、ワイヤード・レシーバからのワイヤレス受信機とを有し得る。前の実例では、ゲートウェイ・レシーバのデイジー・チェーンが、通信ネットワークへのセンサーからの情報の送信を提供するために造られ得る。
【0093】
図18B中に、センサー・イネーブルド・レール軌道インフラストラクチャの立面図が、図示されている。センサー(1830)は、軌道上の振動の検出を可能にする加速度計をレール軌道タイ(rail track tie)上に含み得、ここにおいて、振動の検出は、列車が通過するとき、フィルタ処理を可能にし、それゆえ、誤ったひずみ又は曲がりをフィルタで除去し得る。この実施例では、システムは、互いに相互参照し得、インフラストラクチャ処理エンジンの部分は、あるセンサーを、別のセンサーのデータをクリーン・アップ又はフィルタ処理するために使用し得る。センサー・ポッド(1820)は、道床の上部に描かれており、アップグレード及び機器検証のための筐体へのアクセスを容易にする。さらに、本実施例では、センサー・ポッドの上部は、センサー・ポッド(1820)中に装備されたセンサー及びマイクロコントローラに電力供給する充電式バッテリーに電力供給するためのソーラー・インフラストラクチャを装備し得る。追加の実施例では、レール軌道中の機械的力又は振動は、センサー・ポッド・マイクロコントローラ及びセンサーに電力供給するバッテリーに電荷を提供する圧電電荷を提供し得る。追加の態様では、たとえば電気駆動式列車及びレール上で、センサー・ポッドは、電力を受けるためにグリッドに直接的にタップし得る。さらなる態様では、バッテリーは、センサー・ポッド・ユニットの寿命を持続させるように装備され、ここにおいて、取り替え時は、ユニット全体を取り替える。さらに、
図18B中で、センサー・ポッド(1820)は、通信ネットワーク(1830)への送信を可能にするセルラー通信を装備し、ここにおいて、センサーからのデータは、コンピューティング・ネットワークに送られる。
【0094】
図19中で、フロー図は、レール軌道インフラストラクチャの状態及び/又は健全性を監視するための方法の実例を図示する。一態様では、センサー・イネーブルド・ジオグリッドの設置は、レール軌道インフラストラクチャ内に配置される(1900)。レール軌道インフラストラクチャの一部分としてのセンサー・イネーブルド・ジオグリッドは、1つ又は複数のセンサーと、1つ又は複数のセンサーから生じた信号を受信するためのセンサー・ポッド又はゲートウェイとの形態で知能を付与される。次に、レール軌道インフラストラクチャにおけるセンサー・イネーブルド・ジオグリッドとバックエンド・コンピューティング・ネットワークとの間の通信リンクが、提供される(1910)。次に、ユーザ及び本明細書のシステムは、センサー・イネーブルド・ジオグリッドから受信された情報を監視する(1920)。監視する際に、プログラム又はユーザは、センサー・イネーブルド・ジオグリッドからの情報及び/又はデータを分析し、レール軌道インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況を決定する(1930)。時々、さらなる発見が必要とされ、分析工程は、追加情報集めに向かい得る。最後に、正当な理由があれば、流失又は浸食状態を補修することを含む、予防及び/又は修正行為が、レール軌道インフラストラクチャに対して行われ(1940)得る。さらに、追加の実施例では、レール軌道インフラストラクチャのライフサイクル保守は、センサー・イネーブルド・ジオグリッドからの情報によって案内されるか又はその情報によって指図され得る。
【0095】
舗道及び道路インフラストラクチャのためのセンサー・イネーブルド・ジオグリッドのものに焦点をシフトすること。
図20は、舗道又は道路インフラストラクチャにかかる実例の力の図示である。力並びに方向性力(directional force)の分布は、舗道及び道路インフラストラクチャ上の一定の消耗である。多くの設置は、現代の経済にとって重大であり、舗道及び道路インフラストラクチャの信頼できる検出及び保守に対する長い間求められてきたニーズがある。舗道インフラストラクチャ内のセンサー・イネーブルド・ジオグリッドは、複数のセンサーが、表面に穴をあけるか又は入りこむことなど、さらなる劣化を引き起こし得る特殊な機器及び/又は措置を使用する必要なしに、舗道インフラストラクチャの状況、健全性、及び/又は状態を監視することを可能にする。
【0096】
図21~
図23は、舗道及び道路インフラストラクチャにおけるセンサー・イネーブルド・ジオグリッドのシステム及び方法の実施例を開示する。
図21A中に、舗道インフラストラクチャのサンプルが、図示されている。表層(2110)は、トラフィック負荷及び力と接触している最上レイヤである。表層(2110)の特性は、摩擦、平滑度、ノイズ制御、耐わだち性(rut resistance)、及び排水を含む。さらに、表層(2110)は、一般的に、浸食及び流失を制御するために、より下側の層への排水を防ぐように設計される。表層は、ほとんどの場合、アスファルト、又はアスファルト材料と混合された鉱物凝集体など、結合剤と混合された凝集体を備える。基層(2120)は、表層(2110)のすぐ下のレイヤであり、それは、一般的に、力の分布を提供し、排水を支援する。基層(2120)は、一般的に、砕石、破砕されたスラグ、破砕された又はリサイクルされた砂利、及び砂、或いはこれらの材料の組合せを含む。しばしば、結合層などの遷移層が、表層(2110)と基層(2120)との間に存在し得る。路盤層(2130)は、構造的支持体として主に機能し、しばしば、最も低い品質の材料を含む。路盤層(2130)は、しばしば、現地土壌又は現場土壌及び環境から作られる。本明細書の実例は、網羅的ではなく、道路及び舗道インフラストラクチャに対する多くの様々なレイヤ及びコーティングが、可能であり、当業者には公知であろう。
【0097】
図21Bは、舗道インフラストラクチャ(2102)上のタイヤ(2140)からの力の図示である。実例では、タイヤからの力は、レイヤに衝撃を与え、応力及びひずみから生じる劣化(2150)を示す。最終的に、沈下が、路盤層(2130)の喪失により、或いは表層(2110)又は基層(2120)の不適切な排水を通して起こったとき、流失が起こり得るか、又はわだちを生じる他の損傷、及び車両へのリスク及び損傷を増加させるチャネル。さらに、交通量及び/又は荷重は、反復的な応力及び力による支持土壌偏位(supporting soil shifting)により、浸食を増加させることがある。これは、しばしば、クラックが起こることを引き起こし、時々、表面下水分(本開示の検出可能な態様)を増加させ、並びにセンサー・イネーブルド・ジオグリッド上のひずみ及び/又は曲がりを増加させる。なおもさらに、舗道インフラストラクチャ内の水の温度、凍結及び解凍サイクルが、浸食及びセンサー・イネーブルド・ジオグリッドにかかる力をさらに増加させ得る。
【0098】
図22A~
図22B中に、センサー・イネーブルド舗道及び車両インフラストラクチャの実例の実施例の図示が、開示されている。
図22A中で、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(2220)が、路床層(2240)内に構成される。追加の実施例では、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(2220)は、基層(2120)中にあり得る。追加の実施例では、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(2220)は、凝集体又は材料によって明確に定義されないことがある、層の混合物中にあり得る。一態様では、センサー・イネーブルド・ジオグリッド(2220)は、ひずみゲージ及び曲がりセンサーが、入力を提供するためにその中で構成され得る、剛性部材とともに構成される。他の態様では、舗道の状況及び健全性及び/又は状態は、センサー・イネーブルド・ジオグリッドのパラメータに対して構成され、それにより、舗道インフラストラクチャ内のセンサーから取得された情報に関するリアル・タイム・データを提供する。
【0099】
図22B中に、舗道インフラストラクチャに力を加えるタイヤ(2250)の実例、ここにおいて、継続的な力が、流失、又は舗道の弱まり及び崩れ並びにセンサー・イネーブルド・ジオグリッド(2220)にかかる結果として生じる力を示す、他の変形を引き起こしている。実例では、力は、凹曲げを引き起こし、そこにおいて、センサー・イネーブルド・ジオグリッドは、そのような力を検出し、舗道インフラストラクチャ上のひずみ又は曲がりを報告し得る。この実例における監視及び分析は、舗道インフラストラクチャのさらなる被害を防ぐために行われ得るか、又は舗道インフラストラクチャのルーチン保守の部分として完了され得る。これらの図示は、ほんのいくつかの実例であり、どのように力が、センサー・イネーブルド・ジオグリッドを変形し、舗道及び道路インフラストラクチャの健全性及び/又は状態の変化の検出を可能にし得るかの典型例である。
【0100】
図23は、舗道インフラストラクチャの状態及び/又は健全性を監視するための方法の実例のフロー図である。最初に、
図23の実例では、センサー・イネーブルド・ジオシンセティックス・レイヤが、舗道インフラストラクチャ中に設置される(2300)。このジオシンセティックス・レイヤは、ジオグリッド、ジオファブリック、又は他のジオコンポジット/ジオポリマーであり得る。さらに、ジオグリッドは、多軸であり得、剛性部材が、ひずみゲージ及び曲がりセンサーなど、様々なセンサーの配置のために使用され得る。本実例において続けると、通信リンクが、舗道インフラストラクチャ内のセンサー・イネーブルド・ジオグリッドとコンピューティング・ネットワークとの間に提供され(2310)、ここにおいて、コンピューティング・ネットワークは、クラウド・コンピューティング環境又はローカル・コンピューティング環境中にあり得る。さらに、コンピューティング・ネットワークは、アプリケーション、ウェブ・アプリケーション、動的サーバ・アプレット、或いはリレーショナル又は非構造化データベースからの情報をレンダリングする際の任意の他のアプリケーションをホストすることが可能である。舗道インフラストラクチャ内のセンサー・イネーブルド・ジオグリッドからの情報は、舗道インフラストラクチャの健全性、状態、及び/又は状況を決定するために、監視され(2320)、分析される(2330)。最後に、正当な理由があれば、予防措置及び/又は修正行為が、舗道インフラストラクチャに関して取られ得る。修正行為は、舗道インフラストラクチャのセクションを修復すること及び取り替えること、並びにインフラストラクチャを矯正(remediate)すること及び復元することを含み得る。さらに、追加の実例では、ライフサイクル監視及び分析が、収集され、値インデックス(value index)などのものを作成すること、優先的品位及び摩耗(preferential grade and wear)を決定すること、また、路床の強度並びに他の属性及び特性について異なる領域を格付けすることを含む、設置された舗道に対する追加の監視を実施するために使用される。
【0101】
次に
図24を参照すること。
図24中に、コンピューティング・ネットワークからのユーザ・インターフェースの実例の実施例が、図示されている。ユーザ・インターフェースは、一般的に、センサー情報、概略図、図、警報、メッセージ、並びにセンサー・イネーブルド・グリッド及び本明細書の開示を装備したインフラストラクチャの状況、状態及び/又は健全性に関係する他の情報でポピュレートする。ユーザ・インターフェースは、予防及び/又は修正行為が、対象とする下部構造に関して取られ得るところである。たとえば、コンピューティング・ネットワーク及びエンド・ユーザによって実施された分析の結果に基づいて、下部構造のいくらかの予防保守、いくらかの修復、及び/又はいくらかの取り替えが行われ得る。ライフサイクル分析(すなわち、どのくらいの寿命が、設計寿命仮定に基づいて構造に残されているか)など、他の分析パラメータが監視され得ることも企図される。これらのタイプの分析は、資金計画において有用であり得、よって、本システムは、保守ツールとして想定されるだけではなく、一般に、資金及び運用計画ツールとしても使用され得る。
【0102】
長年にわたる特許法慣例に従い、「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」という用語は、特許請求の範囲を含んで、本出願において使用されるとき、「1つ又は複数」を指す。これにより、たとえば、「対象(subject)」への言及は、コンテキストが明確にそれとは反対(たとえば、複数の対象)でない限り、複数の対象を含み、以下同様である。
【0103】
本明細書及び特許請求の範囲全体にわたって、「を備える(comprise)」、「を備える(comprises)」、及び「を備えること(comprising)」という用語は、コンテキストが別段に必要とする場合を除いて、非排他的意味で使用される。同じように、「を含む(include)」という用語及びそれの文法的変形態は、非限定的なものであり、それにより、リスト中のアイテムの具陳は、置き換えられるか又は列挙されたアイテムに加えられ得る他の同様のアイテムを除外するものではない。
【0104】
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的で、別段に示されていない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用される量、サイズ、寸法、比例、形状、公式化、パラメータ、割合、分量、特性、及び他の数値を表現するすべての数は、「約」という用語が値、量又は範囲とともに明確に現れないことがあるにもかかわらず、「約」という用語によってすべての事例において修飾されるものとして理解されるべきである。それゆえに、そうでないことが示されない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に示されている数値パラメータは、厳密ではなく、厳密である必要がなく、必要に応じて近似及び/或いはより大きい又はより小さいことがあり、公差、変換係数、四捨五入、測定誤差などを反映し得、所望の性質に応じて当業者に知られている他の要因が、本開示の主題によって得られようとする。たとえば、「約」という用語は、値を指すとき、指定された量からの、いくつかの実施例では±100%、いくつかの実施例では±50%、いくつかの実施例では±20%、いくつかの実施例では±10%、いくつかの実施例では±5%、いくつかの実施例では±1%、いくつかの実施例では±0.5%、及びいくつかの実施例では±0.1%の変形形態を、そのような変形形態は、開示される方法を実施する又は開示される組成を採用するのに適切であるので、包含するものであり得る。
【0105】
さらに、「約」という用語は、1つ又は複数の数又は数値範囲に関連して使用されるとき、範囲中のすべての数を含む、すべてのそのような数を指すと理解されるべきであり、記載される数値の上及び下の境界を延長することによってその範囲を修正する。終了点による数値範囲の具陳は、その範囲内に包括されるすべての数、たとえば、それらの小数を含む、全整数を含み(たとえば、1から5の具陳は、1、2、3、4、及び5、並びにそれらの小数、たとえば、1.5、2.25、3.75、4.1などを含む)、その範囲内の任意の範囲を含む。
【0106】
上記の主題は、理解を明確にするために図示及び実例を介してある程度詳細に説明されたが、いくらかの変更及び修正が添付の特許請求の範囲内で実践され得ることが当業者には理解されよう。