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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-05
(45)【発行日】2025-06-13
(54)【発明の名称】方向入力装置およびコントローラ
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0338 20130101AFI20250606BHJP
【FI】
G06F3/0338 411
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023541196
(86)(22)【出願日】2021-08-13
(86)【国際出願番号】 JP2021029814
(87)【国際公開番号】W WO2023017615
(87)【国際公開日】2023-02-16
【審査請求日】2024-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】古池 裕智
【審査官】桐山 愛世
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-233435(JP,A)
【文献】特開2001-290593(JP,A)
【文献】国際公開第2020/090535(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0338
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被操作部と、前記被操作部から下方に延びる軸とを備える入力部と、
前記入力部が初期位置から第1方向へ傾動するのに応じて前記第1方向に摺動し、且つ、前記軸が通り且つ前記第1方向に対して垂直な第2方向に延びる第1孔が設けられた第1摺動部と、
前記入力部が前記初期位置から前記第2方向へ傾動するのに応じて前記第2方向に摺動し、且つ、前記軸が通り且つ前記第1方向に延びる第2孔が設けられた第2摺動部と、
前記第1方向に延び、上方に凸となる曲面形状であり、前記第1摺動部が下方から当接して摺動する第1被摺動面と、
前記第2方向に延び、上方に凸となる曲面形状であり、前記第2摺動部が下方から当接して摺動する第2被摺動面と、
前記第1摺動部および前記第2摺動部の下方に設けられ、前記第1摺動部を前記第1被摺動面に押し当てるように下方から上方に付勢し、且つ、前記第2摺動部を前記第2被摺動面に押し当てるように下方から上方に付勢する摺動付勢部と、を備える、方向入力装置。
【請求項2】
前記摺動付勢部は、前記軸と同一の軸線を中心軸とするバネである、請求項1に記載の方向入力装置。
【請求項3】
前記バネは、円錐コイルばねである、請求項2に記載の方向入力装置。
【請求項4】
前記円錐コイルばねの径は、下方から上方に向かうにつれて大きくなっている、請求項3に記載の方向入力装置。
【請求項5】
前記摺動付勢部に囲まれる空間に設けられ、前記軸の下端が摺動する台座をさらに備える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の方向入力装置。
【請求項6】
前記台座の下方に設けられ、前記入力部が下方へ押し込まれることによって入力されるスイッチをさらに備える、請求項5に記載の方向入力装置。
【請求項7】
前記台座を上方へ付勢する台座付勢部をさらに備える、請求項5または請求項6に記載の方向入力装置。
【請求項8】
前記第2方向に見て、前記第1方向における前記第1摺動部の下面の幅は、上方から下方に向かうにつれて小さくなっている、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方向入力装置。
【請求項9】
前記第1摺動部は、前記第1摺動部の側面から前記第1方向に突出し、且つ、前記第1摺動部の下面の一部を構成する突出部を備える、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方向入力装置。
【請求項10】
前記第2方向に見て、前記第1摺動部の下面は、中央領域と、前記中央領域の上方であって且つ前記中央領域の外側に設けられた外側領域と、前記中央領域と前記外側領域との間に位置する接続領域とにより構成されており、
前記接続領域は、前記中央領域に対して上方に傾斜し、
前記外側領域は、前記外側領域と前記接続領域との境界において前記接続領域に対して下方に傾斜している、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方向入力装置。
【請求項11】
前記第1摺動部と接する支持板をさらに備え、
前記第1摺動部が初期角度から所定角度まで傾倒する間においては、前記第1摺動部と前記支持板とが接する領域の中で最も外側に位置する接点は、同じ位置にあるか或いは連続的に移動し、
前記第1摺動部が前記所定角度を超えて傾倒すると、前記接点は外側に不連続に移動する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方向入力装置。
【請求項12】
前記第1摺動部の摺動に応じて直線運動する第1スライダと、
前記第2摺動部の摺動に応じて直線運動する第2スライダと、
前記第1スライダおよび前記第2スライダの各々の動きに伴って変化する電気抵抗を検出するセンサと、をさらに備える、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の方向入力装置。
【請求項13】
前記第1摺動部の摺動に応じて厚みが変化する第1弾性体と、
前記第2摺動部の摺動に応じて厚みが変化する第2弾性体と、
前記第1弾性体の厚み方向において前記第1弾性体の両側に設けられた一対の第1電極と、
前記第2弾性体の厚み方向において前記第2弾性体の両側に設けられた一対の第2電極と、をさらに備える、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の方向入力装置。
【請求項14】
前記第1摺動部は、前記第1被摺動面から離間した第1上面と、前記第1上面に設けられ且つ前記第1被摺動面に当接する第1凸部と、を備え、
前記第2摺動部は、前記第2被摺動面から離間した第2上面と、前記第2上面に設けられ且つ前記第2被摺動面に当接する第2凸部と、を備える、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の方向入力装置。
【請求項15】
前記第1摺動部と、前記第2摺動部と、前記摺動付勢部とが内部に配置されたモジュールハウジングをさらに備え、
前記第1被摺動面および前記第2被摺動面の各々は、前記モジュールハウジングの裏面に形成されている、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の方向入力装置。
【請求項16】
前記第1摺動部と、前記第2摺動部と、前記摺動付勢部とが内部に配置されたモジュールハウジングをさらに備え、
前記第2被摺動面は、前記モジュールハウジングの裏面に形成されており、且つ、前記第1被摺動面は、前記第2摺動部の下面に形成されている、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の方向入力装置。
【請求項17】
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の方向入力装置と、
前記方向入力装置が設けられたコントローラハウジングと、を備え、
前記第2被摺動面は、前記入力部が仮想中心に対して傾動するように形成された部分球面形状であり、
前記仮想中心は、前記コントローラハウジングの外部に位置する、コントローラ。
【請求項18】
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の方向入力装置と、
前記方向入力装置が設けられたコントローラハウジングと、を備え、
前記第2被摺動面は、前記入力部が仮想中心に対して傾動するように形成された部分球面形状であり、
前記仮想中心は、前記方向入力装置の外部であって、前記コントローラハウジングの内部に位置する、コントローラ。
【請求項19】
前記第1被摺動面および前記第2被摺動面の各々は、前記コントローラハウジングの裏面に形成されている、請求項17または請求項18に記載のコントローラ。
【請求項20】
前記第2被摺動面は、前記コントローラハウジングの裏面に形成されており、且つ、前記第1被摺動面は、前記第2摺動部の下面に形成されている、請求項17または請求項18に記載のコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、方向入力装置およびコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2001-22462号公報(特許文献1)は、レバー部材の傾動量に対応した検出信号が取り出される多方向入力装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-22462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の構造は、軸方向における小型化について改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る方向入力装置は、入力部と、第1摺動部と、第2摺動部と、第1被摺動面と、第2被摺動面と、摺動付勢部とを備える。入力部は、被操作部と、被操作部から下方に延びる軸とを備える。第1摺動部は、入力部が初期位置から第1方向へ傾動するのに応じて第1方向に摺動する。第1摺動部には、軸が通り且つ第1方向に対して垂直な第2方向に延びる第1孔が設けられている。第2摺動部は、入力部が初期位置から第2方向へ傾動するのに応じて第2方向に摺動する。第2摺動部には、軸が通り且つ第1方向に延びる第2孔が設けられている。第1被摺動面は、第1方向に延び、上方に凸となる曲面形状であり、第1摺動部が下方から当接して摺動する。第2被摺動面は、第2方向に延び、上方に凸となる曲面形状であり、第2摺動部が下方から当接して摺動する。摺動付勢部は、第1摺動部および第2摺動部の下方に設けられ、第1摺動部を第1被摺動面に押し当てるように下方から上方に付勢し、且つ、第2摺動部を第2被摺動面に押し当てるように下方から上方に付勢する。
【0006】
本開示に係る方向入力装置によれば、第1摺動部および第2摺動部は、物理的な回転軸を持たず、それぞれ第1被摺動面および第2被摺動面を摺動する。そのため、入力部の軸方向において、方向入力装置の長さを短くすることができる。また、自由度のある傾動軌道を設計することができる。さらに摺動付勢部は、第1摺動部および第2摺動部の下方に設けられ、第1摺動部を第1被摺動面に押し当てるように下方から上方に付勢し、且つ、第2摺動部を第2被摺動面に押し当てるように下方から上方に付勢する。そのため、第1摺動部および第2摺動部の各々が摺動するときのガタツキを抑制しつつ、同時に入力部が傾動したときに入力部を初期位置へ復帰させることができる。
【0007】
上記に係る方向入力装置によれば、摺動付勢部は、軸と同一の軸線を中心軸とするバネであってもよい。これにより、方向入力装置内のスペースを有効に活用することができる。
【0008】
上記に係る方向入力装置によれば、バネは、円錐コイルばねであってもよい。バネが通常のコイルばねの場合には、軸方向に圧縮した際に、コイルばねが軸方向に重なる。一方、円錐コイルばねは径方向に広がっているため、軸方向に圧縮した際、円錐コイルばねが軸方向に重なることを抑制することができる。そのため、円錐コイルばねの場合には、ある高さの空間において荷重の調整の自由度が向上する。方向入力装置の径方向に広いスペースがある場合には、摺動付勢部を円錐コイルばねとすることにより、荷重の調整の自由度を向上することができる。
【0009】
上記に係る方向入力装置によれば、円錐コイルばねの径は、下方から上方に向かうにつれて大きくなっていてもよい。これにより、径方向に広がる第1摺動部および径方向に広がる第2摺動部の各々を安定的に下支えすることができる。
【0010】
上記に係る方向入力装置によれば、摺動付勢部に囲まれる空間に設けられ、軸の下端が摺動する台座をさらに備えていてもよい。これにより、方向入力装置内のスペースを有効に活用することができる。
【0011】
上記に係る方向入力装置によれば、台座の下方に設けられ、入力部が下方へ押し込まれることによって入力されるスイッチをさらに備えていてもよい。これにより、摺動付勢部9からの反発力を受けることなく押し込み入力が可能になる。
【0012】
上記に係る方向入力装置によれば、台座を上方へ付勢する台座付勢部をさらに備えていてもよい。これにより、入力部と台座とのガタツキを防止することができる。
【0013】
上記に係る方向入力装置によれば、第2方向に見て、第1方向における第1摺動部の下面の幅は、上方から下方に向かうにつれて小さくなっていてもよい。
【0014】
上記に係る方向入力装置によれば、第1摺動部は、第1摺動部の側面から第1方向に突出し、且つ、第1摺動部の下面の一部を構成する突出部を備えていてもよい。これにより、入力部を傾倒した場合における傾倒角あたりの上下方向の変位が大きくなる。そのため、入力部を初期位置に復帰させる力を大きくすることができる。
【0015】
上記に係る方向入力装置によれば、第2方向に見て、第1摺動部の下面は、中央領域と、中央領域の上方であって且つ中央領域の外側に設けられた外側領域と、中央領域と外側領域との間に位置する接続領域とにより構成されていてもよい。接続領域は、中央領域に対して上方に傾斜していてもよい。外側領域は、外側領域と接続領域との境界において接続領域に対して下方に傾斜していてもよい。
【0016】
上記に係る方向入力装置によれば、第1摺動部と接する支持板をさらに備えていてもよい。第1摺動部が初期角度から所定角度まで傾倒する間においては、第1摺動部と支持板とが接する領域の中で最も外側に位置する接点は、同じ位置にあるか或いは連続的に移動してもよい。第1摺動部が所定角度を超えて傾倒すると、接点は外側に不連続に移動してもよい。
【0017】
上記に係る方向入力装置によれば、第1摺動部の摺動に応じて直線運動する第1スライダと、第2摺動部の摺動に応じて直線運動する第2スライダと、第1スライダおよび第2スライダの各々の動きに伴って変化する電気抵抗を検出するセンサと、をさらに備えていてもよい。
【0018】
上記に係る方向入力装置によれば、第1摺動部の摺動に応じて厚みが変化する第1弾性体と、第2摺動部の摺動に応じて厚みが変化する第2弾性体と、第1弾性体の厚み方向において第1弾性体の両側に設けられた一対の第1電極と、第2弾性体の厚み方向において第2弾性体の両側に設けられた一対の第2電極と、をさらに備えていてもよい。
【0019】
上記に係る方向入力装置によれば、第1摺動部は、第1被摺動面から離間した第1上面と、第1上面に設けられ且つ第1被摺動面に当接する第1凸部と、を備え、第2摺動部は、第2被摺動面から離間した第2上面と、第2上面に設けられ且つ第2被摺動面に当接する第2凸部と、を備えていてもよい。これにより、第1摺動部と第1被摺動面との接触面積を低減し、かつ、第2摺動部と第2被摺動面との接触面積を低減することができる。結果として、第1摺動部と第1被摺動面との摺動抵抗を低減し、かつ、第2摺動部と第2被摺動面との摺動抵抗を低減することができる。
【0020】
上記に係る方向入力装置によれば、第1摺動部と、第2摺動部と、摺動付勢部とが内部に配置されたモジュールハウジングをさらに備えてもよい。第1被摺動面および第2被摺動面の各々は、モジュールハウジングの裏面に形成されていてもよい。
【0021】
上記に係る方向入力装置によれば、第1摺動部と、第2摺動部と、摺動付勢部とが内部に配置されたモジュールハウジングをさらに備えてもよい。第2被摺動面は、モジュールハウジングの裏面に形成されており、且つ、第1被摺動面は、第2摺動部の下面に形成されていてもよい。
【0022】
本開示に係るコントローラは、上記に記載の方向入力装置と、方向入力装置が設けられたコントローラハウジングと、を備えていてもよい。第2被摺動面は、入力部が仮想中心に対して傾動するように形成された部分球面形状であってもよい。仮想中心は、コントローラハウジングの外部に位置していてもよい。
【0023】
本開示に係るコントローラによれば、コントローラの形状に対して入力部の回転半径を大きくすることができる。結果として、コントローラの操作性を向上することができる。
【0024】
本開示に係るコントローラは、上記に記載の方向入力装置と、方向入力装置が設けられたコントローラハウジングと、を備えていてもよい。第2被摺動面は、入力部が仮想中心に対して傾動するように形成された部分球面形状であってもよい。仮想中心は、方向入力装置の外部であって、コントローラハウジングの内部に位置していてもよい。
【0025】
本開示に係るコントローラによれば、方向入力装置の大きさに関わらず入力部の回転半径を大きくしつつ、仮想中心はコントローラの内部に位置するため入力部を操作する時の違和感を抑制することができる。
【0026】
本開示に係るコントローラによれば、第1被摺動面および第2被摺動面の各々は、コントローラハウジングの裏面に形成されていてもよい。
【0027】
本開示に係るコントローラによれば、第2被摺動面は、コントローラハウジングの裏面に形成されており、且つ、第1被摺動面は、第2摺動部の下面に形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本開示によれば、入力部の軸方向において方向入力装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】第1実施形態に係る方向入力装置の構成を示す第1斜視模式図である。
図2】第1実施形態に係る方向入力装置の第1断面模式図である。
図3】第1実施形態に係る方向入力装置の第2断面模式図である。
図4】第1実施形態に係る方向入力装置の構成を示す第2斜視模式図である。
図5】第1摺動部の動きを説明する断面模式図である。
図6】第2摺動部の動きを説明する断面模式図である。
図7】第2実施形態に係る方向入力装置の構成を示す斜視模式図である。
図8A】第3実施形態に係る方向入力装置の構成を示す断面模式図である。
図8B】第3実施形態に係る方向入力装置の第2センサの構成を示す平面模式図である。
図9】第4実施形態に係る方向入力装置の構成を示す断面模式図である。
図10】第5実施形態に係る方向入力装置の構成を示す断面模式図である。
図11】第6実施形態に係る方向入力装置の構成を示す側面模式図である。
図12】第7実施形態に係る方向入力装置の構成を示す側面模式図である。
図13】第8実施形態に係る方向入力装置の構成を示す側面模式図である。
図14】第8実施形態に係る方向入力装置の第1摺動部が第1角度(例えば2°)傾倒した状態を示す側面模式図である。
図15】第8実施形態に係る方向入力装置の第1摺動部が第1角度よりも大きい第2角度(例えば4°)傾倒した状態を示す側面模式図である。
図16】第8実施形態に係る方向入力装置の第1摺動部が第2角度よりも大きい第3角度(例えば6°)傾倒した状態を示す側面模式図である。
図17】本開示に係るコントローラの構成を示す平面模式図である。
図18図17のXVIII-XVIII線に沿った断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[A.方向入力装置]
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る方向入力装置100の構成の概要について説明する。
【0031】
図1は、第1実施形態に係る方向入力装置100の構成を示す第1斜視模式図である。図1に示されるように、第1実施形態に係る方向入力装置100は、入力部1と、第1摺動部10と、第2摺動部20と、摺動付勢部9と、支持板95と、下ハウジング部80とを主に有している。入力部1は、例えばスティックである。入力部1は、被操作部41と、軸42とを主に有している。被操作部41は、ユーザにより操作される部分である。軸42は、被操作部41に連なっている。軸42は、被操作部41から下方に延びている。
【0032】
本明細書においては、軸42から被操作部41に向かう方向を上方とする。反対に、被操作部41から軸42に向かう方向を下方とする。軸42から被操作部41に向かう方向に平行な方向を上下方向Z(図2参照)とする。上下方向Zは、軸方向とも称する。第1方向Xは、上下方向Zに対して垂直な方向とする。第1方向Xは、例えばピッチ方向である。第2方向Yは、第1方向Xおよび上下方向Zの各々に対して垂直な方向とする。第2方向Yは、例えばロール方向である。
【0033】
第1摺動部10には、第2方向Yに延びる第1孔19が設けられている。第1孔19は、貫通孔である。第1孔19には軸42が通っている。第1摺動部10は、第1上面16と、第1下面12と、第1側面13と、第3側面17と、第1凸部14とを有している。第1上面16は、第1上部領域11と、第2上部領域15とを有している。第2方向Yにおいて、第2上部領域15は、第1上部領域11の両側に位置している。第1上部領域11は、第2上部領域15に挟まれている。
【0034】
第1孔19は、第1上部領域11に設けられている。第1下面12は、第1上面16の反対側に位置している。第1孔19は、第1上部領域11および第1下面12の各々に開口している。第1側面13は、第1上面16および第1下面12の各々に連なっている。第1側面13は、第2方向Yにおける第1摺動部10の端面である。第1側面13は、第2上部領域15に連なっている。第1側面13は、第1上部領域11から離間している。第3側面17は、第1方向Xにおける第1摺動部10の端面である。第3側面17は、第1上部領域11および第2上部領域15の各々に連なっている。第1凸部14は、第2上部領域15に設けられている。第1凸部14は、第1方向Xに沿って延びている。第2方向Yにおいて、第1凸部14は、第1孔19の両側に設けられている。
【0035】
第2摺動部20には、第1方向Xに延びる第2孔29が設けられている。第2方向Yは、第1方向Xに対して垂直である。第2孔29は、貫通孔である。第2孔29には軸42が通っている。第2摺動部20は、第2上面21と、第2下面22と、第2側面23と、第2凸部24とを有している。第2下面22は、第1下部領域26と、第2下部領域27とを有している。第1方向Xにおいて、第2下部領域27は、第1下部領域26の両側に位置している。第1下部領域26は、第2下部領域27に挟まれている。
【0036】
第2孔29は、第1下部領域26に設けられている。第2下面22は、第2上面21の反対側に位置している。第2孔29は、第1下部領域26および第2上面21の各々に開口している。第2側面23は、第2上面21および第2下面22の各々に連なっている。第2側面23は、第1方向Xにおける第2摺動部20の端面である。第2側面23は、第2下部領域27に連なっている。第2側面23は、第1下部領域26から離間している。第2凸部24は、第2上面21に設けられている。第2凸部24は、第2方向Yに沿って延びている。第1方向Xにおいて、第2凸部24は、第2孔29の両側に設けられている。
【0037】
摺動付勢部9は、下ハウジング部80上に設けられている。摺動付勢部9は、例えばバネである。支持板95は、摺動付勢部9上に設けられえている。支持板95は、例えば円環状である。第1摺動部10は、支持板95上に設けられている。第1摺動部10の第1下面12は、支持板95に接している。第2摺動部20は、支持板95上に設けられている。第2摺動部20の第2下部領域27は、支持板95に接している。第2摺動部20の第1下部領域26は、支持板95から離間していてもよい。摺動付勢部9は、バネに限定されない。摺動付勢部9は、例えばゴム等の復元力を有する弾性体であってもよい。
【0038】
図2は、第1実施形態に係る方向入力装置100の第1断面模式図である。第1断面模式図は、第1方向Xに沿っている。図2に示されるように、第1実施形態に係る方向入力装置100は、上ハウジング部70と、台座50と、スイッチ4とをさらに有している。上ハウジング部70と、下ハウジング部80とは、モジュールハウジング85を構成している。上ハウジング部70には、軸貫通孔76が設けられている。軸貫通孔76には、軸42が挿入されている。上ハウジング部70は、下ハウジング部80と組み合わされている。第1摺動部10と、第2摺動部20と、摺動付勢部9と、支持板95と、台座50と、スイッチ4とは、モジュールハウジング85の内部に配置されている。
【0039】
上ハウジング部70は、第2被摺動面72と、第1内側側面73と、第3上面74と、第1外側側面75と、第3下面77とを有している。第2被摺動面72は、第2方向Yに延びている。第2被摺動面72は、上方に凸となる曲面形状である。第2方向Yおよび上下方向Zの各々に平行な断面において、第2被摺動面72は、例えば円弧形状であってもよいし、楕円弧形状であってもよい。第2被摺動面72は、部分球面形状であってもよい。第2被摺動面72は、第2摺動部20が下方から当接して摺動する面である。第2被摺動面72は、上ハウジング部70の裏面に形成されている。
【0040】
第2摺動部20の第2凸部24は、第2被摺動面72に当接している。第2上面21は、第2被摺動面72から離間していてもよい。第3上面74は、第2被摺動面72の反対側に位置している。第1内側側面73は、第3上面74および第2被摺動面72の各々に連なっている。第1内側側面73は、軸貫通孔76を構成している。第3下面77は、第1外側側面75に連なっている。上下方向Zにおいて、第1外側側面75は、第3上面74と第3下面77との間に位置している。第3上面74は、上方に凸となる曲面形状となる部分を備える。なお、第2摺動部20は、第2凸部24を有していなくてもよい。この場合、第2摺動部20の第2上面21(図1参照)は、第2被摺動面72に当接する。
【0041】
下ハウジング部80は、第4上面81と、第4下面82と、第2外側側面83と、取付部84とを有している。第4上面81は、第2被摺動面72に対向している。摺動付勢部9と、スイッチ4部と、台座50とは、第4上面81上に設けられている。取付部84は、第4上面81上に位置している。取付部84は、第4上面81から上方に突出している。台座50は、取付部84に取り付けられていてもよい。第2外側側面83は、第1外側側面75に沿って設けられている。上ハウジング部70の第3下面77の外側部分と、下ハウジング部80の第4上面81の外側部分とが当接することによって、モジュールハウジング85の内部に空間が形成される。
【0042】
入力部1の被操作部41は、モジュールハウジング85の外部に配置されている。軸42は、中央部43と、抜け止め部44とを有している。中央部43は、被操作部41に連なっている。抜け止め部44は、中央部43に連なっている。抜け止め部44は、中央部43の下方に位置している。中央部43は、被操作部41と抜け止め部44との間に位置している。
【0043】
台座50は、入力部1の下方に設けられている。台座50は、軸42の下端が摺動する部材である。台座50は、第5上面53と、第5下面54と、外側突起部56と、中央突起部55とを有している。第5上面53は、上方に凸となる曲面形状である。軸42の下端は、第5上面53に沿って摺動する。軸42の下端は、台座50の第5上面53の形状に沿って構成されている。具体的には、軸42の下端は、上方に凹となる曲面形状である。第5下面54は、第5上面53の反対側にある。
【0044】
外側突起部56および中央突起部55の各々は、第5下面54に設けられている。外側突起部56は、中央突起部55の外側に位置している。本実施形態では、外側突起部56の内周面と取付部84の外周面とが対向するように、台座50は取付部84に取り付けられている。中央突起部55は、中央部43に沿った直線上に位置している。台座50は、摺動付勢部9に囲まれる空間に設けられている。摺動付勢部9は、軸42と同一の軸線Aを中心軸とするバネであってもよい。具体的には、摺動付勢部9は、軸線Aを取り囲む螺旋状のコイルバネであってもよい。軸線Aは、被操作部41と、軸42と、中央突起部55と、スイッチ4とを通っていてもよい。軸線Aは、上下方向Zと平行である。
【0045】
スイッチ4は、台座50の下方に設けられている。スイッチ4は、台座50の中央突起部55と対向する位置に配置されている。スイッチ4は、入力部1が下方へ押し込まれることによって入力される。具体的には、入力部1が下方へ押し込まれることにより、台座50の中央突起部55が下方に移動し、スイッチ4が押し込まれてもよい。中央突起部55がスイッチ4を下方へ押し込んだ後、スイッチ4の復元力により中央突起部55が上方へ押し戻されてもよい。
【0046】
図3は、第1実施形態に係る方向入力装置100の第2断面模式図である。第2断面模式図は、第2方向Yに沿っている。図3に示されるように、上ハウジング部70は、第1被摺動面71を有している。第1被摺動面71は、第1方向Xに延びている。第1被摺動面71は、上方に凸となる曲面形状である。第1方向Xおよび上下方向Zの各々に平行な断面において、第1被摺動面71は、例えば円弧形状であってもよいし、楕円弧形状であってもよい。第1被摺動面71は、部分球面形状であってもよい。第1被摺動面71は、第1摺動部10が下方から当接して摺動する面である。第1被摺動面71は、上モジュールハウジング70の裏面に形成されていてもよいし、第2摺動部20の第2下面22に形成されてもよい。
【0047】
第1摺動部10の第1凸部14は、第1被摺動面71に当接する。第1上部領域11は、第1被摺動面71から離間している。第3上面74は、第1被摺動面71の反対側に位置している。第1内側側面73は、第3上面74および第1被摺動面71の各々に連なっている。なお、第1摺動部10は、第1凸部14を有していなくてもよい。この場合、第1摺動部10の第2上部領域15(図1参照)が、第1被摺動面71に当接する。
【0048】
摺動付勢部9は、第1摺動部10および第2摺動部20の下方に設けられている。摺動付勢部9は、第1摺動部10を第1被摺動面71に押し当てるように下方から上方に付勢している。第1摺動部10は第1被摺動面71に沿って初期位置に復帰する。摺動付勢部9は、第2摺動部20を第2被摺動面72に押し当てるように下方から上方に付勢している。第2摺動部20は第2被摺動面72に沿って初期位置に復帰する。そのため、高い精度で入力部1を初期位置へ復帰させることができる。摺動付勢部9は、第1摺動部10を付勢する第1付勢部(図示せず)と、第2摺動部20を付勢する第2付勢部(図示せず)とに分けられていてもよい。例えば、第1付勢部としてバネを2つ備え、第2付勢部として別のバネを2つ備えてもよい。
【0049】
図4は、第1実施形態に係る方向入力装置100の構成を示す第2斜視模式図である。図4においては、入力部1と、台座50と、下ハウジング部80とが示されており、他の部材は省略されている。図4に示されるように、抜け止め部44は、中央部43と台座50との間に位置している。第1方向Xにおいて、抜け止め部44の長さは、中央部43の長さよりも大きくてもよい。第2方向Yにおいて、抜け止め部44の長さは、中央部43の長さと実質的に同じである。第1方向Xにおける抜け止め部44の長さは、第2方向Yにおける抜け止め部44の長さよりも大きくてもよい。
【0050】
次に、入力部1を第2摺動部20および第1摺動部10に取り付ける方法について説明する。入力部1の軸42は、第1孔19および第2孔29の各々を貫通可能であってもよい。この場合、入力部1を分割することなく、第1孔19を有する第1摺動部10および第2孔29を有する第2摺動部20の各々に入力部1を取り付けることができる。具体的には、まず、第2摺動部20の第2孔29(図1参照)に入力部1の軸42を挿入した後、軸42を90°回転させる。これにより、入力部1の抜け止め部44が第2孔29から抜けることを防止することができる。次に、第1摺動部10の第1孔19(図1参照)に入力部1の軸42を挿入した後、軸42をさらに90°回転させる。これにより、入力部1の抜け止め部44が第1孔19から抜けることを防止することができる。この場合、第1孔19にのみ抜け止めがされており、第2孔29に対しては抜け止めがされていない。なお、第2孔29にのみ抜け止めがされており、第1孔19に対しては抜け止めされておらず、第1孔19内に抜け止め部44が位置することで、結果的に入力部1が第1摺動部10と第2摺動部20とを同様に動かしつつ入力部1の抜けが防止される態様でも良い。
【0051】
被操作部41と中央部43と抜け止め部44とは、一体として構成されていてもよいし、別々に構成されていてもよい。被操作部41と中央部43と抜け止め部44とが一体として構成されている場合は、別々の分割部品として構成されている場合と比べて、部品点数を削減することができる。
【0052】
次に、第1摺動部10の動きについて説明する。図5は、第1摺動部10の動きを説明する断面模式図である。図5に示される断面模式図は、第1方向Xに沿っている。図5に示されるように、入力部1の軸42が第1方向Xに傾動すると、入力部1の動きに伴って第1摺動部10は移動する。具体的には、第1摺動部10は、入力部1が初期位置から第1方向Xへ傾動するのに応じて第1方向Xに摺動する。第1摺動部10の第1凸部14(図3参照)は、上ハウジング部70の第1被摺動面71と当接しながら、第1被摺動面71上を摺動する。入力部1の軸42の下端は、台座50の第5上面53上を摺動する。この際、第2摺動部20は、実質的に動かない。
【0053】
図5に示されるように、ユーザが入力部1の軸42を右側に倒すと、第1摺動部10の第1下面12は支持板95を介して摺動付勢部9を下方へ圧縮する。この際、支持板95の右端は下方へ移動する。入力部1の軸42が第1方向Xに傾動する際、入力部1の軸42は、上ハウジング部70の第1内側側面73に当接可能である。言い換えれば、入力部1の軸42が第1方向Xに傾動する際、入力部1の軸42の動きは、上ハウジング部70の第1内側側面73によって規制される。ユーザが入力部1を離すと、摺動付勢部9の復元力により支持板95の右端が上方に押し上げられる。第1摺動部10が中央位置に移動することにより、入力部1の軸42が初期位置(図2参照)に戻る。
【0054】
次に、第2摺動部20の動きについて説明する。図6は、第2摺動部20の動きを説明する断面模式図である。図6に示される断面模式図は、第2方向Yに沿っている。図6に示されるように、入力部1の軸42が第2方向Yに傾動すると、入力部1の動きに伴って第2摺動部20は移動する。具体的には、第2摺動部20は、入力部1が初期位置から第2方向Yへ傾動するのに応じて第2方向Yに摺動する。第2摺動部20の第2凸部24(図2参照)は、上ハウジング部70の第2被摺動面72と当接しながら、第2被摺動面72上を摺動する。入力部1の軸42の下端は、台座50の第5上面53上を摺動する。この際、第1摺動部10は、実質的に動かない。
【0055】
図6に示されるように、ユーザが入力部1の軸42を右側に倒すと、第2摺動部20の第2下面22は支持板95を介して摺動付勢部9を下方へ圧縮する。この際、支持板95の右端は下方へ移動する。入力部1の軸42が第2方向Yに傾動する際、入力部1の軸42は、上ハウジング部70の第1内側側面73に当接可能である。言い換えれば、入力部1の軸42が第2方向Yに傾動する際、入力部1の軸42の動きは、上ハウジング部70の第1内側側面73によって規制される。ユーザが入力部1を離すと、摺動付勢部9の復元力により支持板95の右端が上方に押し上げられる。第2摺動部20が中央位置に移動することにより、入力部1の軸42が初期位置(図3参照)に戻る。
【0056】
なお上下方向に見た場合、入力部1の軸42は、第1方向Xに傾動することもできるし、第2方向Yに傾動することもできるし、第1方向Xおよび第2方向Yの各々に対して傾斜した方向に傾動することもできる。
【0057】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る方向入力装置100の構成の概要について説明する。第2実施形態に係る方向入力装置100は、主に、第1センサ60と、第1スライダ91と、第2スライダ92とを有している構成において、第1実施形態に係る方向入力装置100と異なっており、その他の構成については、第1実施形態に係る方向入力装置100と同様である。以下、第1実施形態に係る方向入力装置100と異なる構成を中心に説明する。
【0058】
図7は、第2実施形態に係る方向入力装置100の構成を示す斜視模式図である。図7に示されるように、第2実施形態に係る方向入力装置100は、第1センサ60と、第1スライダ91と、第2スライダ92とをさらに有している。図7においては、モジュールハウジング85は省略されている。図7に示されるように、第1センサ60は、第1接点61と、第2接点62と、第3接点63とを有している。上下方向に見て、第3接点63の形状は、例えばL字型であってもよい。第1接点61および第2接点62の各々の形状は、例えば長方形である。
【0059】
第1摺動部10は、第1突起部18を有している。第1突起部18は、第1側面13に設けられている。第1突起部18は、第2方向Yに沿って突出している。同様に、第2摺動部20は、第2突起部28を有している。第2突起部28は、第2側面23に設けられている。第2突起部28は、第1方向Xに沿って突出している。
【0060】
図7に示されるように、第1スライダ91には、第1凹部93が設けられている。第1突起部18は、第1凹部93に配置されている。第1スライダ91は、第1摺動部10の摺動に応じて直線運動する。第1突起部18は、第1摺動部10の移動に伴って第1スライダ91を動かす。具体的には、第1摺動部10の移動に伴って第1突起部18が動くと、第1突起部18の動きに伴って第1スライダ91が動かされる。第1スライダ91は、第1方向Xに移動する。上下方向に見て、第1スライダ91の移動方向は、第1突起部18の移動方向と同じである。
【0061】
第1スライダ91は、第1スライド部材91aと、第2スライド部材91bと、第1接続部材91cと、図示しない金属製の導通部材を有している。第1接続部材91cは、第1スライド部材91aと第2スライド部材91bとを繋いでいる。導通部材の一端は、第1スライド部材91aに位置している。導通部材の他端は、第2スライド部材91bに位置している。第1スライド部材91aは、例えば第1接点61と接触している。第2スライド部材91bは、例えば第3接点63と接触している。第1スライダ91が移動すると、第1接点61と第3接点63との間の電気抵抗が変化してもよい。これにより、第1センサ60は、第1スライダ91の動きに伴って変化する電気抵抗を検出してもよい。
【0062】
図7に示されるように、第2スライダ92には、第2凹部94が設けられている。第2突起部28は、第2凹部94に配置される。第2スライダ92は、第2摺動部20の摺動に応じて直線運動する。第2突起部28は、第2摺動部20の移動に伴って第2スライダ92を動かす。具体的には、第2摺動部20の移動に伴って第2突起部28が動くと、第2突起部28の動きに伴って第2スライダ92が動かされる。第2スライダ92は、第2方向Yに移動する。上下方向に見て、第2スライダ92の移動方向は、第2突起部28の移動方向と同じである。
【0063】
第2スライダ92は、第3スライド部材92aと、第4スライド部材92bと、第2接続部材92cと、図示しない金属製の導通部材とを有している。第2接続部材92cは、第3スライド部材92aと第4スライド部材92bとを繋いでいる。導通部材の一端は、第3スライド部材92aに位置している。導通部材の他端は、第4スライド部材92bに位置している。第3スライド部材92aは、例えば第3接点63と接触している。第4スライド部材92bは、例えば第2接点62と接触している。第2スライダ92が移動すると、第3接点63と第2接点62との間の電気抵抗が変化してもよい。これにより、第1センサ60は、第2スライダ92の動きに伴って変化する電気抵抗を検出してもよい。
【0064】
第2実施形態に係る方向入力装置100によれば、第1摺動部10および第2摺動部20が検出機構を兼ねることができる。そのため、方向入力装置100が検出機構を別部品として備える場合に比べて、スペースや部品点数の削減が可能である。
【0065】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る方向入力装置100の構成の概要について説明する。第3実施形態に係る方向入力装置100は、主に、第2センサ68を有している構成において、第1実施形態に係る方向入力装置100と異なっており、その他の構成については、第1実施形態に係る方向入力装置100と同様である。以下、第1実施形態に係る方向入力装置100と異なる構成を中心に説明する。
【0066】
図8Aは、第3実施形態に係る方向入力装置100の構成を示す断面模式図である。図8Aに示される断面模式図は、第1方向Xに沿っている。図8Aに示されるように、第3実施形態に係る方向入力装置100は、第2センサ68をさらに有している。第2センサ68は、例えば静電容量センサである。第2センサ68は、第1摺動部用センサ68aと、第2摺動部用センサ68bとを有している。第1摺動部用センサ68aは、一対の第1電極35と、第1弾性体36とを有している。第2摺動部用センサ68bは、一対の第2電極69と、第2弾性体67とを有している。一対の第1電極35は、第1弾性体36の厚み方向において第1弾性体36の両側に設けられている。一対の第2電極69は、第2弾性体67の厚み方向において第2弾性体67の両側に設けられている。第1弾性体36および第2弾性体67は非導電体であってもよい。第3実施形態に係る方向入力装置100においては、摺動付勢部9に代えて第1弾性体36と第2弾性体67とが設けられている。
【0067】
図8Bは、第3実施形態に係る方向入力装置100の第2センサ68の構成を示す平面模式図である。図8Bに示されるように、上下方向Zに見て、第1摺動部用センサ68aおよび第2摺動部用センサ68bは、円弧に沿った形状を有している。第2摺動部用センサ68bは、軸線Aを中心とする仮想円に沿って第1摺動部用センサ68aを90°回転させた位置に配置されている。具体的には、2つの第1摺動部用センサ68aの一方は、0°の位置に設けられ、他方は180°の位置に設けられている。2つの第2摺動部用センサ68bの一方は、90°の位置に設けられ、他方は270°の位置に設けられている。
【0068】
図8Aに示されるように、第1弾性体36は、一対の第1電極35の間に位置している。一対の第1電極35の一方は、下ハウジング部80上に位置している。第1摺動部10は、一対の第1電極35の他方の上に位置している。第1弾性体36は、第1摺動部10の摺動に応じて厚みが変化する。これにより、一対の第1電極35の間の静電容量が変化する。一対の第1電極35の間の静電容量またはその変化に基づいて、入力部1の傾倒角に対応するパラメータが算出されてもよい。なお、入力部1の傾倒角に代えて、または加えて、第1摺動部10にかかる荷重に対応するパラメータが算出されてもよい。
【0069】
第2弾性体67は、一対の第2電極69の間に位置している。一対の第2電極69の一方は、下ハウジング部80上に位置している。第2摺動部20は、一対の第2電極69の他方の上に位置している。第2弾性体67は、第2摺動部20の摺動に応じて厚みが変化する。これにより、一対の第2電極69の間の静電容量が変化する。一対の第2電極69の間の静電容量またはその変化に基づいて、入力部1の傾倒角に対応するパラメータが算出されてもよい。なお、入力部1の傾倒角に代えて、または加えて、第2摺動部20にかかる荷重に対応するパラメータが算出されてもよい。
【0070】
コントローラまたはゲーム装置側のプロセッサ(図示せず)は、検出した静電容量またはその変化に応じてリニアまたは段階的に、ある制御を実行してもよい。コントローラまたはゲーム装置側のプロセッサは、検出した静電容量またはその変化がある閾値を超えたことに応じて、ある制御を実行してもよい。上記においては、第2センサ68が静電容量センサである場合について説明したが、第2センサ68は静電容量センサに限定されない。第2センサ68は、例えば歪みゲージであってもよいし、磁気センサであってもよいし、圧力センサであってもよい。
【0071】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る方向入力装置100の構成の概要について説明する。第4実施形態に係る方向入力装置100は、主に、リブ86と台座付勢部87とを有している構成において、第1実施形態に係る方向入力装置100と異なっており、その他の構成については、第1実施形態に係る方向入力装置100と同様である。以下、第1実施形態に係る方向入力装置100と異なる構成を中心に説明する。
【0072】
図9は、第4実施形態に係る方向入力装置100の構成を示す断面模式図である。図9に示される断面模式図は、第1方向Xに沿っている。図9に示されるように、第4実施形態に係る方向入力装置100は、リブ86をさらに有している。リブ86は、摺動付勢部9の外側に配置されている。リブ86は、モジュールハウジング85の内部に設けられている。リブ86は、下ハウジング部80上に設けられている。リブ86は、上ハウジング部70に接していてもよい。リブ86の上端は、支持板95に対向している。入力部1が傾倒することにより支持板95が傾倒した際、支持板95がリブ86の上端に接触してもよい。別の観点から言えば、支持板95の傾倒がリブ86によって規制されてもよい。
【0073】
図9に示されるように、第4実施形態に係る方向入力装置100は、台座付勢部87を有していてもよい。台座付勢部87は、台座50の外側突起部56と下ハウジング部80の第4上面81との間に設けられていてもよい。台座付勢部87は、例えばコイルバネである。台座付勢部87は、台座50を上方へ付勢する。入力部1が下方へ押し込まれることにより台座50の中央突起部55がスイッチ4を押した際、スイッチ4に加えてまたは代えて台座付勢部87が台座50を上方へ押し戻してもよい。なお、第4実施形態に係る方向入力装置100は、リブ86および台座付勢部87の一方のみを備え、リブ86および台座付勢部87の他方は備えていなくてもよい。
【0074】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態に係る方向入力装置100の構成の概要について説明する。第5実施形態に係る方向入力装置100は、主に、摺動付勢部9が円錐コイルばねである構成において、第1実施形態に係る方向入力装置100と異なっており、その他の構成については、第1実施形態に係る方向入力装置100と同様である。以下、第1実施形態に係る方向入力装置100と異なる構成を中心に説明する。
【0075】
図10は、第5実施形態に係る方向入力装置100の構成を示す断面模式図である。図10に示される断面模式図は、第2方向Yに沿っている。図10に示されるように、第5実施形態に係る方向入力装置100の摺動付勢部9は、円錐コイルばねであってもよい。円錐コイルばねの径は、下方から上方に向かうにつれて大きくなっていてもよい。円錐コイルばねの下端は、スイッチ4を取り囲んでいてもよい。円錐コイルばねの上端は、台座50の第5上面53を取り囲んでいてもよい。
【0076】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態に係る方向入力装置100の構成の概要について説明する。第6実施形態に係る方向入力装置100は、主に、第1摺動部10および第2摺動部20の各々の下面の幅が上方から下方に向かうにつれて小さくなっている構成において、第5実施形態に係る方向入力装置100と異なっており、その他の構成については、第5実施形態に係る方向入力装置100と同様である。以下、第5実施形態に係る方向入力装置100と異なる構成を中心に説明する。
【0077】
図11は、第6実施形態に係る方向入力装置100の構成を示す側面模式図である。図11に示される側面模式図は、第2方向Yに見ている。図11に示されるように、第2方向Yに見て、第1方向Xにおける第1摺動部10の下面(第1下面12)の幅は、上方から下方に向かうにつれて小さくなっていてもよい。第1下面12は、第1下端領域12aと、第2下端領域12bとを有している。第2下端領域12bは、第1下端領域12aに連なっている。第1下端領域12aは、支持板95に接している。第2下端領域12bは、支持板95から離間している。図11に示されるように、第2方向Yに見て、第2下端領域12bは、第1下端領域12aに対して上側に傾斜している。第2下端領域12bは、第3側面17に連なっていてもよい。なお、第6実施形態に係る方向入力装置100において、第1摺動部10のみが上記のような下面構造となっていてもよいし、第2摺動部20のみが上記のような下面構造となっていてもよい。
【0078】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態に係る方向入力装置100の構成の概要について説明する。第7実施形態に係る方向入力装置100は、主に、第1摺動部10および第2摺動部20の各々が第1突出部6を有している構成において、第5実施形態に係る方向入力装置100と異なっており、その他の構成については、第5実施形態に係る方向入力装置100と同様である。以下、第5実施形態に係る方向入力装置100と異なる構成を中心に説明する。
【0079】
図12は、第7実施形態に係る方向入力装置100の構成を示す側面模式図である。図12に示される側面模式図は、第2方向Yに見ている。図12に示されるように、第1摺動部10は、第1突出部6を有していてもよい。第1突出部6は、第3側面17から第1方向Xに突出している。第1突出部6は、第1下面12の一部を構成している。第1突出部6は、支持板95に接している。第1突出部6は、外側に凸となる曲面形状を有していてもよい。第1突出部6は、第1上面16から離間している。第1突出部6は、第1側面13に連なっている。第1突出部6がある場合は、第1突出部6が無い場合と比較して、同じ傾倒角でも支持板95の押し下げ量が大きくなるため、相対的に復帰力が大きくなる。なお、第7実施形態に係る方向入力装置100において、第1摺動部10のみが第1突出部6を有していてもよいし、第2摺動部20のみが第1突出部6を有していてもよい。
【0080】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態に係る方向入力装置100の構成の概要について説明する。第8実施形態に係る方向入力装置100は、主に、第1摺動部10および第2摺動部20の各々の下面の外側領域12eは中央領域12cよりも上方にある構成において、第7実施形態に係る方向入力装置100と異なっており、その他の構成については、第7実施形態に係る方向入力装置100と同様である。以下、第7実施形態に係る方向入力装置100と異なる構成を中心に説明する。
【0081】
図13は、第8実施形態に係る方向入力装置100の構成を示す側面模式図である。図13に示される側面模式図は、第2方向Yに見ている。図13に示されるように、第1摺動部10の第1下面12は、中央領域12cと、接続領域12dと、外側領域12eとを有している。第1方向Xにおいて、外側領域12eは、中央領域12cの外側に設けられている。外側領域12eは、中央領域12cの上方に設けられている。接続領域12dは、中央領域12cと外側領域12eとの間に位置している。接続領域12dは、中央領域12cと外側領域12eとを繋いでいる。接続領域12dは、中央領域12cに対して上方に傾斜している。外側領域12eは、外側領域12eと接続領域12dとの境界において接続領域12dに対して下方に傾斜している。外側領域12eは、第1突出部6の下面の一部を構成している。第1突出部6は、支持板95から離間している。
【0082】
図13に示されるように、第1方向Xにおいて、中央領域12cの幅は、第1凸部14の幅よりも小さくてもよい。中央領域12cは、少なくとも入力部1が初期位置のときには支持板95に接している。外側領域12eおよび接続領域12dは、支持板95から離間している。第2方向Yに見て、接続領域12dは、中央領域12cおよび外側領域12eの各々に対して傾斜している。第1方向Xにおける接続領域12dの幅は、上方に向かうにつれて大きくなっている。なお、第8実施形態に係る方向入力装置100において、第1摺動部10のみが上記のような構造となっていてもよいし、第2摺動部20のみが上記のような構造となっていてもよい。
【0083】
次に、第8実施形態に係る方向入力装置100の第1摺動部10の復帰力について説明する。
【0084】
図14は、第8実施形態に係る方向入力装置100の第1摺動部10が第1角度(例えば2°)傾倒した状態を示す側面模式図である。図14に示されるように、第1摺動部10の第1下面12と支持板95との接触点は、第1位置A1である。第1位置A1は、中央領域12cに位置している。傾倒角度が2°の場合、第1摺動部10の傾倒に伴う第1摺動部10と支持板95との干渉は小さい。そのため、第1摺動部10の復帰力は小さい。
【0085】
図15は、第8実施形態に係る方向入力装置100の第1摺動部10が第1角度よりも大きい第2角度(例えば4°)傾倒した状態を示す側面模式図である。傾倒角度が4°の場合における第1摺動部10の復帰力は、傾倒角度が2°の場合における第1摺動部10の復帰力よりも大きくなる。図15に示されるように、第1摺動部10の第1下面12と支持板95との接触点は、第1位置A1と第2位置A2になる。第2位置A2は、外側領域12eに位置している。
【0086】
図16は、第8実施形態に係る方向入力装置100の第1摺動部10が第2角度よりも大きい第3角度(例えば6°)傾倒した状態を示す側面模式図である。入力部1が初期位置から傾倒したときの第2位置A2における支持板95の上下変位は、第1位置A1における支持板95の上下変位よりも大きい。そのため、第1摺動部10の第1下面12と支持板95との接触点が第1位置A1と第2位置A2になった後、傾倒角あたりの上下変位の変化量が大きくなり、傾倒角あたりの復帰力の増分(傾き)が大きくなる。
【0087】
つまり、第1摺動部10が初期角度(例えば0°)から所定角度(例えば4°)まで傾倒する間においては、第1摺動部10と支持板95とが接する領域の中で最も外側に位置(例えば第1位置A1)する接点は、同じ位置にあるか或いは連続的に移動する。第1摺動部10が所定角度(例えば4°)を超えて傾倒すると、最も外側に位置する接点は第1位置A1から第2位置A2へ不連続に移動する。そのため、第8実施形態に係る方向入力装置100は、2段階で傾倒角あたりの復帰力の増分(傾き)を切り替えることにより、入力部1の感触の変化をコントロールすることができる。
[B.コントローラ]
次に、本開示に係るコントローラ110の構成について説明する。本開示に係るコントローラ110は、方向入力装置100と、コントローラハウジング3とを主に有している。方向入力装置100は、コントローラハウジング3に設けられている。
【0088】
図17は、本開示に係るコントローラ110の構成を示す平面模式図である。図17に示されるように、コントローラハウジング3は、例えば略直方体の形状を有している。コントローラハウジング3には、第1貫通孔65が設けられている。入力部1は、第1貫通孔65に配置されている。入力部1の一部は、コントローラハウジング3の外部に位置している。
【0089】
コントローラハウジング3には、第2貫通孔66が設けられている。ボタン2は、第2貫通孔66に配置されている。ボタン2の一部は、コントローラハウジング3の外部に位置している。ボタンは、ユーザにより操作される。コントローラハウジング3は、例えば第1方向Xに沿って延びている。第1方向Xは、例えばコントローラハウジング3の長手方向である。第2方向Yは、例えばコントローラハウジング3の短手方向である。平面視において、入力部1とボタン2とは、第1方向Xに沿って並んでいてもよい。
【0090】
図18は、図17のXVIII-XVIII線に沿った断面模式図である。図18に示される断面は、第1方向Xに平行である。図18に示されるように、コントローラ110は、基板30と、支持部材99とを有している。基板30および支持部材99は、コントローラハウジング3の内部に配置されている。基板30は、表面31と、裏面32とを有している。裏面32は、表面31の反対側にある。コントローラハウジング3は、表面側ハウジング部3aと、裏面側ハウジング部3bとにより構成されている。表面側ハウジング部3aは、裏面側ハウジング部3bと組み合わされる。基板30は、表面側ハウジング部3aと、支持部材99との間に位置している。表面側ハウジング部3aは、基板30に対向する裏面3cを有している。支持部材99は、基板30と、裏面側ハウジング部3bとの間に位置している。
【0091】
入力部1は、スカート45を有していてもよい。スカート45は、例えば軸42に連なっている。スカート45は、軸42の周囲を取り囲むように配置されている。スカート45は、軸42の傾動に伴って傾動する。スカート45の一部は、第1貫通孔65に配置されている。スカート45は、被操作部41の下方に配置されている。被操作部41から離れるに従って、スカート45の内径は大きくなっていてもよい。別の観点から言えば、被操作部41から基板30に近づくに従って、スカート45の内径は大きくなっていてもよい。
【0092】
コントローラ110は、例えば、補強板7aと、第1電極層8aと、クッション材7bと、第2電極層8bとを有していてもよい。第2電極層8bは、基板30に設けられている。クッション材7bは、第2電極層8b上に設けられている。第1電極層8aは、クッション材7b上に設けられている。クッション材7bは、第1電極層8aと第2電極層8bとに挟まれている。補強板7aは、第1電極層8a上に設けられている。
【0093】
スカート45は、補強板7aの上方に配置されている。ユーザが入力部1を傾動させると、スカート45が傾斜して補強板7aと接触する。スカート45が補強板7aに接触することで、補強板7aに荷重が印加される。補強板7aに荷重が印加されると、クッション材7bが圧縮され、第1電極層8aと第2電極層8bとの間の静電容量が変化する。荷重が解除されると、クッション材7bの厚みが荷重印加前の厚みに戻る。
【0094】
入力部1の傾動範囲は、スカート45によって規制されてもよい。静電容量変化の検出は、スライダによる傾動角度の検出に加えてあるいは代えて行ってもよい。スライダ等による傾動角度の検出に加えて静電容量変化を検出する場合は、それぞれの検出量に対する実行制御の内容を異ならせてもよい。
【0095】
第1実施形態から第8実施形態のいずれかに係る方向入力装置100の入力部1がスカート45を有していてもよい。上述した静電容量変化の検出機構は、方向入力装置100に組み込まれていてもよい。
【0096】
図18に示されるように、ボタン2は、例えば、押し部材51と、第4接点52とを有している。押し部材51は、ユーザによって押される部材である。押し部材51は、第2貫通孔66に配置されている。第4接点52は、基板30の表面31に設けられている。第4接点52は、押し部材51の底面に対向している。ユーザが押し部材51を基板30の表面31に向かって押し込むと、押し部材51は第4接点52と接触する。これにより、コントローラ110は、ユーザからの入力を検出する。ユーザが押し部材51を離すと、図示しない押し戻し機構によって押し部材51は第4接点52から離間する。
【0097】
摺動付勢部9は、複数のコイルバネを有していてもよい。コイルバネの数は、特に限定されないが、例えば4個である。摺動付勢部9は、基板30を貫通していてもよい。基板30には、第3貫通孔33が設けられている。摺動付勢部9は、第3貫通孔33に配置されている。摺動付勢部9の下端は、支持部材99に接している。摺動付勢部9の上端は、支持板95に接している。摺動付勢部9の上端は、支持板95の取付突出部96に取り付けられている。台座50の外側突起部56は、基板30を貫通していてもよい。基板30には、第4貫通孔34が設けられている。外側突起部56は、第4貫通孔34に配置されている。
【0098】
入力部1は、傾動方向Sに沿って傾動可能である。第2被摺動面72は、入力部1が仮想中心に対して傾動するように形成された部分球面形状であってもよい。仮想中心は、方向入力装置100の外部であって、コントローラハウジング3の内部に位置していてもよい。具体的には、仮想中心は、基板30の下側にある第1中心B1に位置している。仮想中心は、基板30と裏面側ハウジング部3bとの間にある第1中心B1に位置していてもよい。仮想中心は、支持部材99にある第1中心B1に位置していてもよい。第2被摺動面72と同様に、第1被摺動面71は、入力部1が仮想中心に対して傾動するように形成された部分球面形状であってもよい。
【0099】
なお、仮想中心は、コントローラハウジング3の外部に位置していてもよい。具体的には、仮想中心は、裏面側ハウジング部3bの下側にある第2中心B2に位置していてもよい。基板30は、第2中心B2と入力部1との間に位置していてもよい。裏面側ハウジング部3bは、第2中心B2と、支持部材99との間に位置していてもよい。
【0100】
上述の通り、第1被摺動面71および第2被摺動面72の各々は、上方に凸となる曲面形状であればよく、部分球面形状に限定されない。第1被摺動面71および第2被摺動面72の各々が部分球面形状以外の形状である場合、入力部1の動きは円運動とならない。この場合、入力部1は、仮想中心を有していなくてもよい。第1被摺動面71および第2被摺動面72の各々は、コントローラハウジング3の裏面3cに形成されていてもよい。代替的に、第2被摺動面72は、コントローラハウジング3の裏面3cに形成されており、且つ、第1被摺動面71は、第2摺動部20の第1下部領域26に形成されていてもよい。
【0101】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0102】
1 入力部、2 ボタン、3 コントローラハウジング、3a 表面側ハウジング部、3b 裏面側ハウジング部、3c 裏面、4 スイッチ、6 第1突出部、7a 補強板、7b クッション材、8a 第1電極層、8b 第2電極層、9 摺動付勢部、10 第1摺動部、11 第1上部領域、12 第1下面(下面)、12a 第1下端領域、12b 第2下端領域、12c 中央領域、12d 接続領域、12e 外側領域、13 第1側面、14 第1凸部、15 第2上部領域、16 第1上面(上面)、17 第3側面(側面)、18 第1突起部、19 第1孔、20 第2摺動部、21 第2上面、22 第2下面(下面)、23 第2側面、24 第2凸部、26 第1下部領域、27 第2下部領域、28 第2突起部、29 第2孔、30 基板、31 表面、32 裏面、33 第3貫通孔、34 第4貫通孔、35 第1電極、36 第1弾性体、41 被操作部、42 軸、43 中央部、44 止め部、45 スカート、50 台座、51 押し部材、52 第4接点、53 第5上面、54 第5下面、55 中央突起部、56 外側突起部、60 第1センサ(センサ)、61 第1接点、62 第2接点、63 第3接点、65 第1貫通孔、66 第2貫通孔、67 第2弾性体、68 第2センサ、68a 第1摺動部用センサ、68b 第2摺動部用センサ、69 第2電極、70 上ハウジング部、71 第1被摺動面、72 第2被摺動面、73 第1内側側面、74 第3上面、75 第1外側側面、76 軸貫通孔、77 第3下面、80 下ハウジング部、81 第4上面、82 第4下面、83 第2外側側面、84 取付部、85 モジュールハウジング、86 リブ、87 台座付勢部、91 第1スライダ、91a 第1スライド部材、91b 第2スライド部材、91c 第1接続部材、92 第2スライダ、92a 第3スライド部材、92b 第4スライド部材、92c 第2接続部材、93 第1凹部、94 第2凹部、95 支持板、96 取付突出部、99 支持部材、100 方向入力装置、110 コントローラ、A 軸線、A1 第1位置、A2 第2位置、B1 第1中心、B2 第2中心、S 傾動方向、X 第1方向、Y 第2方向、Z 上下方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
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図16
図17
図18