(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-06
(45)【発行日】2025-06-16
(54)【発明の名称】接着型医療用照射器、医療機器および接着型医療用照射器を用いる医療システム、並びに、接着型医療用照射器を用いた光照射方法
(51)【国際特許分類】
A61N 5/06 20060101AFI20250609BHJP
A61H 39/00 20060101ALI20250609BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
A61H39/00 E
(21)【出願番号】P 2023197041
(22)【出願日】2023-11-20
【審査請求日】2023-11-23
(73)【特許権者】
【識別番号】523439792
【氏名又は名称】齊藤 雅俊
(74)【代理人】
【識別番号】100182198
【氏名又は名称】藤田 貴男
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 雅俊
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第212395612(CN,U)
【文献】特表2017-522935(JP,A)
【文献】特表2017-512583(JP,A)
【文献】特開2001-112844(JP,A)
【文献】米国特許第05968033(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体に光を照射して治療するときに使用
し、患者に接触して用いられるものである接着型医療用照射器であって、
前記光を発光する光源部と、
前記光源部が発光した前記光を前記身体に照射する照射熱伝導部と、
前記光源部を手で持ち運びや移動が容易にできる円筒の内部に配置し、かつ、前記照射熱伝導部を円錐の内部に配置し、前記円錐の先端から前記光を照射する開口を有する、前記円筒と前記円錐から成る筐体と
を有し、
前記光源部は、複数の照射光をそれぞれ発光する複数の発光部材と、前記発光部材が発光した複数の前記照射光を所望の方向に集光する光学素子部材と、を備え、
前記照射熱伝導部は、前記光源部の前記光学素子部材が集光した前記照射光を透過して生成された前記光を前記身体に照射する押圧照射部材と、前記光学素子部材が集光した前記照射光を反射して前記押圧照射部材に投光する
中空円錐体の形状の反射熱源部材と、前記押圧照射部材を照射方向に移動可能に支持する
一本の発条部材と、を備え、
前記押圧照射部材は、球状のレンズであり、
前記発条部材は、
円錐コイルばねであり、前記円錐コイルばねの円錐回転軸の方向は前記光学素子部材が集光した前記照射光の前記所望の方向と同じであり、前記所望の方向に伸縮可能であり、該発条部材の伸縮により前記押圧照射部材を照射方向に移動可能に支持し、かつ、該発条部材の押圧力により前記押圧照射部材を回転可能に保持し、
前記身体に前記光を照射するときに、前記押圧照射部材を該身体に押さえ付けて、前記発条部材を用いて該押圧照射部材を該身体の表面で回転させながら、該光を照射
し、
前記反射熱源部材は、
人工鉱石であり、該反射熱源部材の
中空円錐体内面の曲面で前記照射光を反射
し、
前記反射熱源部材は、前記照射光を反射する際に該照射光により発熱し、
前記発条部材は、前記反射熱源部材が発する熱を前記押圧照射部材に伝達し、
前記押圧照射部材は、前記発条部材が伝達した前記熱を前記身体に伝える、
ことを特徴とする接着型医療用照射器。
【請求項2】
複数の前記発光部材は、複数のLEDであり、
円板の基板の両面に複数個、配置される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の接着型医療用照射器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体に光を照射して治療するときに使用する接着型医療用照射器、接着型医療用照射器を含む医療機器および接着型医療用照射器を用いる医療システム、並びに、接着型医療用照射器を用いた光照射方法に関する。
【背景技術】
【0002】
身体に光(たとえばレーザ光ビーム)を照射して治療するための医療器具が知られている。特許文献1では、レーザシステムポートアダプタであって、レーザ源と結合するための第1のポートアームであって、光の電磁スペクトルの2つの狭帯域の少なくとも一方内に含まれる波長を有するレーザ光ビームをコリメートするための光学素子を含む第1のポートアームと、照明システムと結合するための第2のポートアームと、レーザプローブの光ファイバケーブルと結合するための第3のポートアームと、前記第1のポートアーム、前記第2のポートアーム及び前記第3のポートアームが交差する多重交差領域であって、コリメートされたレーザ光ビームを前記光学素子から受け、且つレーザ光ビームのマルチスポットレーザパターンを生成するように構成される回折光学素子(DOE)と、前記光の電磁スペクトルの前記少なくとも2つの狭帯域を反射し、前記レーザ光ビームのマルチスポットパターンを受け、前記レーザ光ビームのマルチスポットレーザパターンを前記第3のポートアームに向けて反射し、前記照明システムから照明ビームを受け、且つ前記電磁スペクトルの前記少なくとも2つの狭帯域内に含まれていない前記照明ビームの一部を前記第3のポートアームに向けて透過するように構成されるビームスプリッタとを含む多重交差領域とを含み、前記第2のポートアーム及び前記第3のポートアームは、前記交差領域にわたって略同一線上にあり、前記第1のポートアームは、前記多重交差領域において前記第2のポートアーム及び前記第3のポートアームに略直交する、レーザシステムポートアダプタに関する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
身体に光(たとえばレーザ光ビーム)を照射して治療するときに、大型の装置で高額な医療機器が必要な場合が一般的である。操作が容易で安全性が高く、小型化され、より低額の医療機器が求められている。また、治療効果を高めるために、光を照射すると同時に、身体の表面を押圧したり、身体に熱を与えたりすることができる医療機器や方法が求められる。
【0005】
特許文献1には、光を照射すると同時に、身体の表面を押圧し、身体に熱を与える方法に関する記載がない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、身体に光を照射して治療するときに、操作が容易で安全性が高く、小型化され、より低額の照射器を用いることができ、かつ、光を照射すると同時に、身体の表面を押圧したり、身体に熱を与えたりすることができる接着型医療用照射器、医療機器若しくは接着型医療用照射器を用いる医療システム又は接着型医療用照射器を用いた光照射方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の一の実施形態は、身体に光を照射して治療するときに使用し、患者に接触して用いられるものである接着型医療用照射器であって、前記光を発光する光源部と、前記光源部が発光した前記光を前記身体に照射する照射熱伝導部と、前記光源部を手で持ち運びや移動が容易にできる円筒の内部に配置し、かつ、前記照射熱伝導部を円錐の内部に配置し、前記円錐の先端から前記光を照射する開口を有する、前記円筒と前記円錐から成る筐体とを有し、前記光源部は、複数の照射光をそれぞれ発光する複数の発光部材と、前記発光部材が発光した複数の前記照射光を所望の方向に集光する光学素子部材と、を備え、前記照射熱伝導部は、前記光源部の前記光学素子部材が集光した前記照射光を透過して生成された前記光を前記身体に照射する押圧照射部材と、前記光学素子部材が集光した前記照射光を反射して前記押圧照射部材に投光する中空円錐体の形状の反射熱源部材と、前記押圧照射部材を照射方向に移動可能に支持する一本の発条部材と、を備え、前記押圧照射部材は、球状のレンズであり、前記発条部材は、円錐コイルばねであり、前記円錐コイルばねの円錐回転軸の方向は前記光学素子部材が集光した前記照射光の前記所望の方向と同じであり、前記所望の方向に伸縮可能であり、該発条部材の伸縮により前記押圧照射部材を照射方向に移動可能に支持し、かつ、該発条部材の押圧力により前記押圧照射部材を回転可能に保持し、前記身体に前記光を照射するときに、前記押圧照射部材を該身体に押さえ付けて、前記発条部材を用いて該押圧照射部材を該身体の表面で回転させながら、該光を照射し、前記反射熱源部材は、人工鉱石であり、該反射熱源部材の中空円錐体内面の曲面で前記照射光を反射し、前記反射熱源部材は、前記照射光を反射する際に該照射光により発熱し、前記発条部材は、前記反射熱源部材が発する熱を前記押圧照射部材に伝達し、前記押圧照射部材は、前記発条部材が伝達した前記熱を前記身体に伝える、ことを特徴とする接着型医療用照射器を提供する。
【0008】
また、本発明の他の実施形態は、上記の前記接着型医療用照射器であって、複数の前記発光部材は、複数のLEDであり、円板の基板の両面に複数個、配置される、ことを特徴とする接着型医療用照射器であってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る接着型医療用照射器、医療機器若しくは接着型医療用照射器を用いる医療システム又は接着型医療用照射器を用いた光照射方法によれば、身体に光を照射して治療するときに、操作が容易で安全性が高く、小型化され、より低額の照射器を用いることができ、かつ、光を照射すると同時に、身体の表面を押圧したり、身体に熱を与えたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る接着型医療用照射器を用いる医療システム、医療機器(接着型医療用照射器を用いた医療機器)および接着型医療用照射器の一例を説明する説明図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る接着型医療用照射器を用いる医療システム、医療機器(接着型医療用照射器を用いた医療機器)および接着型医療用照射器の一例を説明する概略断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る発光部材の一例を説明する説明図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る接着型医療用照射器を用いる医療システム、医療機器(接着型医療用照射器を用いた医療機器)および接着型医療用照射器の光の光路の例を説明する説明図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る接着型医療用照射器を用いた光照射方法の一例を説明するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態に係る接着型医療用照射器、医療機器若しくは接着型医療用照射器を用いる医療システム又は接着型医療用照射器を用いた光照射方法の一例を用いて、本発明を説明する。なお、本発明は、以後に説明する接着型医療用照射器等以外でも、身体に光を照射して治療するときに使用するもの(器具、装置、部品、システムなど)であれば、いずれのものにも用いることができる。なお、光を照射して治療する疾病や怪我、外傷などは、特に限定されない。
【0012】
下記に示す順序で、本発明を説明する。
1.接着型医療用照射器の構成
2.医療機器の構成
3.接着型医療用照射器を用いる医療システム
4.接着型医療用照射器を用いた光照射方法
【0013】
(1.接着型医療用照射器の構成)
図1乃至
図4を用いて、本発明の実施形態に係る接着型医療用照射器の構成を説明する。ここで、
図1は、本発明の実施形態に係る接着型医療用照射器100を用いる医療システム100S、医療機器100M(接着型医療用照射器100を用いた医療機器)および接着型医療用照射器100の一例を説明する説明図である。
図2は、本発明の実施形態に係る接着型医療用照射器100の一例を説明する概略断面図(発条部材は断面ではない)である。
図3は、本発明の実施形態に係る発光部材11Aの一例を説明する拡大説明図である。
図4(a)は、本発明の実施形態に係る接着型医療用照射器100の光の光路の例(発光ステップ)を説明する説明図である。
図4(b)は、本発明の実施形態に係る接着型医療用照射器100の光の光路の例(集光ステップ・投光ステップ)を説明する説明図である。
図4(c)は、本発明の実施形態に係る接着型医療用照射器100の光の光路の例(照射ステップ)を説明する説明図である。なお、
図1等に示す接着型医療用照射器の構成等は一例であり、本発明は
図1等に示す接着型医療用照射器等に限定されるものではない。
【0014】
図1乃至
図4に示すように、本発明に係る接着型医療用照射器100は、身体に光を照射して治療するときに使用するものである。接着型医療用照射器100は、本実施形態では、
図1および
図2に示すように、身体に照射する光を発光する光源部11と、光源部11が発光した光を身体に照射する照射熱伝導部12と、を有する。接着型医療用照射器100は、本実施形態では、
図1および
図2に示すように、光源部11は手で持ち運びや移動が容易にできる略円筒形状の内部に配置し、照射熱伝導部12は略円錐形状の内部に配置し、先端(後述する球状の押圧照射部材12A)から光を照射する(後述する
図4のLB)。なお、筐体の形状は、設計、実験、計算などで予め定められる形状とすることができる。
【0015】
光源部11は、
図1および
図2に示すように、複数の照射光をそれぞれ発光する複数の発光部材11Aと、発光部材11Aが発光した複数の照射光を所望の方向に集光する光学素子部材11Bと、複数の照射光を反射する複数の反射面部材13と、を備える。
【0016】
図2および
図3に示すように、複数の発光部材11Aは、複数の照射光をそれぞれ発光するものである。複数の発光部材11Aは、
図2および
図3に示すように、取付部材11ASで取り付けられた制御基板(略円板の基板)の両面に配置される構成であってもよい。複数の発光部材11A(制御基板)は、
図2に示すように、照射方向(光軸方向)にスライドして移動可能な取り付けであってもよい。本発明に係る発光部材は、1つ又は2つ以上であってもよい。これにより、本発明に係る光源部11は、より多くの光源をコンパクトに配置することができ、集光した光(照射する光)の強度を向上することができる。また、複数の発光部材11Aは、
図3に示すように、複数のLEDを用いてもよい。また、複数の発光部材11Aは、
図3に示すように、LEDを配置してもよい。これにより、本発明に係る光源部11は、より多くの光源をコンパクトに配置することができ、消費電力を低減することができ、集光した光(照射する光)の強度を向上することができる。なお、本発明において、発光部材11A(光源部11)については特に限定されるものではなく、公知の技術を用いることができる。また、発光部材11Aの形状や配置、材質は、設計、実験、計算などで予め定められる形状、配置および材質とすることができる。
【0017】
図2および
図4に示すように、光学素子部材11Bは、発光部材11Aが発光した複数の照射光を所望の方向に集光するものである。光学素子部材11Bは、
図2および
図4に示すように、複数の照射光を所望の方向に集光するために、光路(照射方向)を中心軸(光軸)に配置される。光学素子部材11Bは、光学レンズなどを用いることができる。具体的には、光学素子部材11Bは、先ず
図4(a)に示すように発光部材11Aが発光した複数の照射光L1を反射面部材13で反射し、次に
図4(b)に示すように反射光L2を制御基板と筐体内壁の間から通過させ、反射光L2および照射光L1を透過して集光し、次いで
図4(c)に示すように集光した照射光を照射熱伝導部12(後述する押圧照射部材12A)に投光して、照射方向LBに光を照射する。これにより、本発明に係る光学素子部材11Bは、複数の光源から集光した光(照射する光)の強度を向上し、身体に照射することができる。なお、本発明において、光学素子部材11B(光源部11)については特に限定されるものではなく、光学素子部材11Bの形状や配置、材質は、設計、実験、計算などで予め定められる形状、配置および材質とすることができる。
【0018】
照射熱伝導部12は、
図1および
図2に示すように、光源部11が発光した光を身体に照射するものである。照射熱伝導部12は、光源部11の光学素子部材11Bが集光した照射光を透過して生成された光を身体に照射する押圧照射部材12Aと、光学素子部材11Bが集光した照射光を反射して押圧照射部材12Aに投光する反射熱源部材12Bと、押圧照射部材12Aを照射方向に移動可能に支持する発条部材12Cと、を備える。
【0019】
図2に示すように、押圧照射部材12Aは、球状のレンズである。押圧照射部材12Aは、身体に光を照射するときに、身体に押さえ付けられて、発条部材12Cの伸縮により照射方向(光軸方向)に移動可能に支持され、かつ、発条部材12Cの押圧力(伸長力、復元力)により回転可能に保持される。これにより、押圧照射部材12Aは、身体に光を照射しているときに、押圧照射部材12Aを身体に押さえ付けて、かつ、押圧照射部材12Aを身体の表面で回転させながら、光を照射することができる。なお、本発明において、押圧照射部材12A(照射熱伝導部12)については特に限定されるものではなく、押圧照射部材12Aの形状や配置、材質は、設計、実験、計算などで予め定められる形状、配置および材質とすることができる。
【0020】
図2に示すように、反射熱源部材12Bは、光学素子部材11Bが集光した照射光を反射して押圧照射部材12Aに投光するものである。反射熱源部材11Bの表面は、
中空円錐体内面の曲面であり、照射光を反射する。反射熱源部材12Bは、
人工鉱石を用いることができる。また、反射熱源部材12Bは、テラヘルツ鉱石を用いることができる。これにより、反射熱源部材12B (照射熱伝導部12)は、照射光を反射する際に、鉱石の発熱作用により照射光で発熱することができる。なお、本発明において、反射熱源部材12B (照射熱伝導部12)については特に限定されるものではなく、反射熱源部材12Bの形状や配置、材質は、設計、実験、計算などで予め定められる形状、配置および材質とすることができる。
【0021】
図2に示すように、発条部材12Cは、押圧照射部材12Aを照射方向に移動可能に支持するものである。発条部材12Cは、本実施形態では、略ばね形状である。発条部材12Cは、発条部材12Cの伸縮により押圧照射部材12Aを照射方向に移動可能に支持し、かつ、発条部材12Cの押圧力(伸長力、復元力)により押圧照射部材12Aを回転可能に保持する。これにより、発条部材12C(照射熱伝導部12)は、身体に光を照射するときに、押圧照射部材12Aを身体に押さえ付けて、押圧照射部材12Aを身体の表面で(摩擦により)回転させながら、光を照射することができる。また、発条部材12Cは、球状の押圧照射部材12Aを全方向に回転させることができるのでより強い圧を身体表面にかけることもでき、指圧での痛みや刺激を軽減することができる。また、発条部材12Cは、反射熱源部材12Bが発する熱および光源部11(発光部材11A、光学素子部材11B)が発する熱を押圧照射部材12Aに伝達する。これにより、押圧照射部材12A(照射熱伝導部12)は、発条部材12Cが伝達した熱を身体に伝えることができるので、身体に光を照射して治療するときに、操作が容易で安全性が高く、小型化され、かつ、光を照射すると同時に、身体の表面を押圧したり、身体に熱を与えたりすることができ、治療効果を向上することができる。なお、本発明において、発条部材12C(照射熱伝導部12)については特に限定されるものではなく、発条部材12Cの形状や配置、材質は、設計、実験、計算などで予め定められる形状、配置および材質とすることができる。
【0022】
以上のとおり、本発明に係る接着型医療用照射器100によれば、身体に光を照射して治療するときに、操作が容易で安全性が高く、小型化され、より低額の照射器を用いることができ、かつ、光を照射すると同時に、身体の表面を押圧したり、身体に熱を与えたりすることができ、治療効果を向上することができる。
【0023】
(2.医療機器の構成)
図1を用いて、本発明の実施形態に係る医療機器100Mの構成を説明する。なお、
図1に示す医療機器100M等は一例であり、本発明は
図1に示す医療機器100M等に限定されるものではない。
図1に示すように、本発明に係る医療機器100Mは、上記の(1.接着型医療用照射器の構成)の接着型医療用照射器100を含むものである。このため、以下の説明では、(1.接着型医療用照射器の構成)と異なる部分を主に説明する。
【0024】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る医療機器100Mは、上記の(1.接着型医療用照射器の構成)に記載の接着型医療用照射器100と、光源部11および照射熱伝導部12をそれぞれ駆動する駆動手段21と、照射熱伝導部12を身体に押圧する押圧手段22と、駆動手段21及び押圧手段22を制御する治療制御部20と、を備える。ここで、駆動手段21は、光源部11の発光動作(点灯等)を制御し、照射熱伝導部12の位置(光を照射する位置等)を制御する。なお、治療制御部20は、例えばCPU及びメモリで構成される演算装置を用いることができる。
【0025】
駆動手段21は、光源部11および照射熱伝導部12をそれぞれ駆動するものである。なお、本発明において、駆動手段21については特に限定されるものではなく、公知の技術を用いることができる。また、駆動手段21の制御方法や配置は、設計、実験、計算などで予め定められる方法および配置とすることができる。
【0026】
押圧手段22は、照射熱伝導部12を身体に押圧するものである。なお、本発明において、押圧手段22については特に限定されるものではなく、公知の技術を用いることができる。また、押圧手段22の制御方法や配置は、設計、実験、計算などで予め定められる方法および配置とすることができる。
【0027】
以上のとおり、本発明に係る医療機器100Mは、前記(1.接着型医療用照射器の構成)の接着型医療用照射器100(
図1乃至
図4)と同様の効果を得ることができる。また、本発明に係る医療機器100Mは、手作業による実行者の技術の差によるばらつきを低減し、治療ミスを防止することができる。
【0028】
(3.接着型医療用照射器を用いる医療システム)
図1を用いて、本発明の実施形態に係る医療システム100Sの構成を説明する。なお、
図1に示す医療システム100S等は一例であり、本発明は
図1に示す医療システム100S等に限定されるものではない。
図1に示すように、本発明に係る医療システム100Sは、上記の(2.医療機器の構成)の医療機器100Mを含むものである。このため、以下の説明では、(2.医療機器の構成)と異なる部分を主に説明する。
【0029】
図1に示すように、本発明に係る医療システム100Sは、医療機器100Mと、通信回線を介して医療機器100Mと接続された情報端末30と、各構成に動作を制御する制御手段10と、を含むシステムである。ここで、制御手段10は、各構成に動作を指示し、その動作を制御する手段である。制御手段10は、例えばCPU及びメモリで構成される演算装置を用いることができる。また、制御手段10は、各構成に予め搭載されている演算装置、コントローラ又はその他制御手段を利用する構成であってもよい。なお、本発明に係る医療システム100Sは、他の機能や手段を含むシステムであってもよい。
【0030】
情報端末30は、本実施形態では、少なくとも操作に関する情報を含む入力情報を入力される入力手段31と、医療機器100Mから出力された少なくとも治療に関する情報を含む出力情報を出力する出力手段32と、少なくとも入力情報および出力情報を記録する記録通信手段33と、を備える。情報端末30は、たとえば通信手段(LAN、無線LAN、インターネットなど)を介して、情報の入出力を行う端末であってもよい。情報端末30は、例えばタブレット、スマートフォン、携帯端末、ノートPC、PCなどであってもよい。
【0031】
入力手段31は、医療システム100S外部から情報を入力される手段である。入力手段31は、記録通信手段33を介して、少なくとも操作に関する情報を入力される。なお、入力手段31は、情報端末(タブレットなど)に予め搭載されている機能(タッチパネル、キーボード、マウスなど)を利用する構成であってもよい。
【0032】
出力手段32は、医療システム100S外部に情報を出力する手段である。出力手段32は、記録通信手段33を介して、医療機器100Mから出力された少なくとも治療に関する情報を含む出力情報を出力する。なお、出力手段32は、情報端末(タブレットなど)に予め搭載されている機能(無線通信機能、有線通信機能など)を利用する構成であってもよい。また、出力手段32は、情報端末(タブレットなど)に予め搭載されている機能(液晶、有機EL、タッチパネルなど)を利用して、出力情報を表示するものであってもよい。
【0033】
以上のとおり、本発明に係る医療システム100Sによれば、上記の(2.医療機器の構成)と同様の効果を得ることができる。
【0034】
(4.接着型医療用照射器を用いた光照射方法)
図1および
図5を用いて、本発明に係る接着型医療用照射器100を用いた光照射方法を説明する。ここで、
図5は、本発明の実施形態に係る接着型医療用照射器を用いた光照射方法の一例を説明するフローチャート図である。なお、
図5に示す接着型医療用照射器を用いた光照射方法は一例であり、本発明は
図5に示す接着型医療用照射器を用いた光照射方法に限定されるものではない。本発明に係る接着型医療用照射器100を用いた光照射方法は、上記の(1.接着型医療用照射器の構成)の接着型医療用照射器100を含むものである。このため、以下の説明では、(1.接着型医療用照射器の構成)と異なる部分を主に説明する。
【0035】
図5に示すように、本発明の実施形態に係る接着型医療用照射器を用いた光照射方法は、ステップS501において、先ず、光を照射する動作を開始する。本発明に係る光照射方法は、例えば使用者の都合のよいタイミングで、光を照射する動作を開始することができる。その後、本発明に係る接着型医療用照射器を用いた光照射方法は、ステップS502に進む。
【0036】
次に、本発明に係る接着型医療用照射器を用いた光照射方法は、ステップS502において、例えば使用者によって、複数の発光部材11Aを用いて、複数の照射光をそれぞれ発光する(発光ステップ)(たとえば
図4(a))。その後、本発明に係る接着型医療用照射器を用いた光照射方法は、ステップS503に進む。
【0037】
次いで、本発明に係る接着型医療用照射器を用いた光照射方法は、ステップS503において、光学素子部材11Bを用いて、発光部材11Aが発光した複数の照射光を所望の方向に集光する(集光ステップ)(たとえば
図4(b))。その後、本発明に係る接着型医療用照射器を用いた光照射方法は、ステップS504に進む。
【0038】
ステップS504において、本発明に係る接着型医療用照射器を用いた光照射方法は、反射熱源部材12Bを用いて、光学素子部材11Bが集光した照射光を反射して押圧照射部材12Aに投光する(投光ステップ)(たとえば
図4(c))。その後、本発明に係る接着型医療用照射器を用いた光照射方法は、ステップS505に進む。ここで、本発明に係る接着型医療用照射器を用いた光照射方法は、反射熱源部材12Bが照射光を反射する際に照射光により発熱し、発条部材12Cを用いて反射熱源部材12Bが発する熱を押圧照射部材12Aに伝達してもよい。
【0039】
ステップS505において、接着型医療用照射器を用いた光照射方法は、押圧照射部材12Aを用いて、反射熱源部材12Bから投光された照射光を透過して生成される光を身体に照射する(照射ステップ)(たとえば
図4(c))。その後、本発明に係る接着型医療用照射器を用いた光照射方法は、ステップS506に進む。ここで、本発明に係る接着型医療用照射器を用いた光照射方法は、治療効果を向上するために、発条部材12Cから伝達された熱を身体に伝達して、治療に利用してもよい。
【0040】
ステップS506において、接着型医療用照射器を用いた光照射方法は、発条部材12Cを用いて、身体に光を照射しているときに、押圧照射部材12Aを身体に押さえ付けて、かつ、押圧照射部材12Aを身体の表面で回転させながら、光を照射する(押圧ステップ)。その後、本発明に係る接着型医療用照射器を用いた光照射方法は、ステップS507に進む。ここで、本発明に係る接着型医療用照射器を用いた光照射方法は、治療効果を向上するために、発条部材12Cから伝達された熱を身体に伝達して、治療に利用してもよい。
【0041】
ステップS507において、本発明に係る接着型医療用照射器を用いた光照射方法は、光を照射する動作を繰り返すか否かを判断する。これにより、本発明に係る接着型医療用照射器を用いた光照射方法は、所望の時間の間で光を照射することができる。その後、光を照射する動作を繰り返すと判断した場合には、本発明に係る細胞播種方法は、ステップS502に戻る。光を照射する動作を終了すると判断した場合には、本発明に係る接着型医療用照射器を用いた光照射方法は、図中の「END」に進み、動作を終了する。
【0042】
以上のとおり、本発明に係る細胞提供方法によれば、前記(1.接着型医療用照射器の構成)の接着型医療用照射器100と同様の効果を得ることができる。
【0043】
本発明に係る細胞提供方法のプログラムは、
図5のステップ501からステップ507の方法を実行する。上記のプログラムによれば、前記(1.接着型医療用照射器の構成)と同等の効果が得られる。また、本発明は、上記のプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体としてもよい。記録媒体には、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD、及び、メモリーカード等、コンピュータ読み取り可能な媒体を利用することができる。更に、本発明は、プログラムをインターネット等のネットワークを介して送信することが可能な伝送可能媒体であってもよい。上記の記録媒体によれば、前記(1.接着型医療用照射器の構成)と同等の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、身体に光を照射して治療するときに利用することができる。本発明は、光を照射することを利活用する遺伝子治療、免疫療法、再生医療、抗体医薬生産、美容分野(化粧品など)、食品分野などにおいて好適に利用することが可能である。
【0045】
以上のとおり、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明は、請求の範囲に記載の内容に基づいて、様々に変形、変更又はその他任意に改変され得る。
【符号の説明】
【0046】
100 : 接着型医療用照射器
100M: 医療機器(接着型医療用照射器を用いた医療機器)
100S: 接着型医療用照射器を用いる医療システム
10 : 制御手段
11 : 光源部
11A: 発光部材
11AS:取付部材
11B: 光学素子部材
12 : 照射熱伝導部
12A: 押圧照射部材
12B: 反射熱源部材
12C: 発条部材
13 : 反射面部材
20 : 治療制御部
21 : 駆動手段
22 : 押圧手段
30 : 情報端末
31 : 入力手段
32 : 出力手段
33 : 記録通信手段
L1,L2,L3: 光の屈折方向(進行方向)
LB : 照射光
MS : 可動方向