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特許7692709入場監視装置、入場監視システムおよび入場監視プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-06
(45)【発行日】2025-06-16
(54)【発明の名称】入場監視装置、入場監視システムおよび入場監視プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07C 9/27 20200101AFI20250609BHJP
   G07C 9/28 20200101ALI20250609BHJP
   G07C 9/37 20200101ALI20250609BHJP
   G07C 9/38 20200101ALI20250609BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20250609BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20250609BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20250609BHJP
【FI】
G07C9/27
G07C9/28
G07C9/37
G07C9/38
G08B25/04 F
G08B25/00 510M
G06T7/00 660A
G06T7/00 660Z
G06T7/00 350B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021037706
(22)【出願日】2021-03-09
(65)【公開番号】P2022137959
(43)【公開日】2022-09-22
【審査請求日】2024-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】畔 英之
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-257497(JP,A)
【文献】特開2015-060550(JP,A)
【文献】特開2007-257122(JP,A)
【文献】特開2018-173914(JP,A)
【文献】特開2000-231646(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 9/27
G07C 9/28
G07C 9/37
G07C 9/38
G08B 25/04
G08B 25/00
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ定められた登録情報によって入場を許可される人が管理されるとともに一度に入口を通過して立ち入る人数が作業計画によりあらかじめ定められる管理領域への入場を監視する入場監視装置であって、
前記作業計画および前記登録情報を記憶する事前情報記憶部と、
前記入口に設けられて認証情報を読み取る認証情報読取装置から受信した前記認証情報と前記登録情報に含まれる認証情報とが一致するか否かに基づいて認証成功か否かを判断する認証部と、
前記認証部により認証成功と判断された場合に、前記入口前の定められた領域に存在する人の人数を検出する検出処理を行う人数確認部と、
を備え、
前記作業計画は、定められた単位時間ごとの、前記管理領域へ立ち入ることが予定される人数である入場予定人数を示す情報を含み、
前記人数確認部は、前記検出処理によって検出した前記人数が、前記作業計画における、現在時刻に対応する前記入場予定人数と一致する場合に、前記入口を開けるよう制御し、前記検出処理によって検出した前記人数が、前記作業計画における、現在時刻に対応する前記入場予定人数より多い場合に、前記入口を閉じるよう制御し、
前記登録情報は、前記管理領域への入場が許可された全ての人にそれぞれ対応する認証情報を含み、
前記認証情報読取装置は、人ごとの前記認証情報を取得し、
前記認証部は、一定時間内に前記認証情報読取装置から受信した前記認証情報が全て前記登録情報に含まれる前記認証情報と一致する場合に、認証成功と判断することを特徴とする入場監視装置。
【請求項2】
前記人数確認部は、前記定められた領域を撮像するカメラにより撮像された画像を用いて前記定められた領域に存在する人の人数を検出することを特徴とする請求項1に記載の入場監視装置。
【請求項3】
前記登録情報は、一度に前記入口を通過して前記管理領域へ入場する複数の人で構成されるグループごとの認証情報を含み、
前記認証部は、前記認証情報読取装置から受信した前記認証情報と前記登録情報に含まれる前記グループごとの前記認証情報とが一致するか否かに基づいて認証成功か否かを判断することを特徴とする請求項1または2に記載の入場監視装置。
【請求項4】
前記認証情報読取装置は、磁気カードまたは集積回路を備えるカードから前記認証情報を読み取る装置であり、
前記認証部は、前記認証情報読取装置から受信した前記認証情報の値が前記登録情報に含まれる前記認証情報と一致するか否かに基づいて認証成功か否かを判断することを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の入場監視装置。
【請求項5】
前記認証情報読取装置は、画像を撮像するカメラであり、
前記認証部は、前記認証情報読取装置から受信した前記画像を用いた顔認証により認証成功か否かを判断することを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の入場監視装置。
【請求項6】
前記認証情報読取装置は、指紋を読み取る装置であり、
前記認証部は、前記認証情報読取装置から受信した前記指紋を示すデータを用いた指紋認証により認証成功か否かを判断することを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の入場監視装置。
【請求項7】
前記管理領域への入場が許可された人により携帯される端末から受信した前記端末の位置を示す位置情報を用いて、前記定められた領域内に存在する人の人数を算出する位置判定部、
を備え、
前記人数確認部は、前記検出処理によって検出した前記人数と、前記位置判定部により算出された人数とが一致し、かつ検出した前記人数が、前記作業計画における、現在時刻に対応する前記入場予定人数と一致する場合に前記入口を開けるよう制御することを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の入場監視装置。
【請求項8】
前記人数確認部によって検出した前記人数が前記作業計画において計画された人数より多いと判断された場合に、警報を発出する警報部、
を備えることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の入場監視装置。
【請求項9】
前記定められた領域を撮像するカメラにより撮像された画像を用いて異常の有無を判定する異常判定部、
を備え、
前記警報部は、異常判定部により異常が有ると判定された場合に警報を発出することを特徴とする請求項に記載の入場監視装置。
【請求項10】
前記異常判定部は、不審行動の有無を画像から判定するための機械学習によって生成された学習済みモデルを用いて異常の有無を判定することを特徴とする請求項に記載の入場監視装置。
【請求項11】
あらかじめ定められた登録情報によって入場を許可される人が管理されるとともに一度に入口を通過して立ち入る人数が作業計画によりあらかじめ定められる管理領域への入場を監視する入場監視システムであって、
入場監視装置と、
前記入口に設けられて認証情報を読み取り、前記入場監視装置へ送信する認証情報読取装置と、
を備え、
前記入場監視装置は、
前記作業計画および前記登録情報を記憶する事前情報記憶部と、
前記認証情報読取装置から受信した前記認証情報と前記登録情報に含まれる認証情報とが一致するか否かに基づいて認証成功か否かを判断する認証部と、
前記認証部により認証成功と判断された場合に、前記入口前の定められた領域に存在する人の人数を検出する検出処理を行う人数確認部と、
を備え、
前記作業計画は、定められた単位時間ごとの、前記管理領域へ立ち入ることが予定される人数である入場予定人数を示す情報を含み、
前記人数確認部は、前記検出処理によって検出した前記人数が、前記作業計画における、現在時刻に対応する前記入場予定人数と一致する場合に、前記入口を開けるよう制御し、前記検出処理によって検出した前記人数が、前記作業計画における、現在時刻に対応する前記入場予定人数より多い場合に、前記入口を閉じるよう制御し、
前記登録情報は、前記管理領域への入場が許可された全ての人にそれぞれ対応する認証情報を含み、
前記認証情報読取装置は、人ごとの前記認証情報を取得し、
前記認証部は、一定時間内に前記認証情報読取装置から受信した前記認証情報が全て前記登録情報に含まれる前記認証情報と一致する場合に、認証成功と判断することを特徴とする入場監視システム。
【請求項12】
前記定められた領域を撮像し、撮像した画像を前記入場監視装置へ送信するカメラ、
を備え、
前記人数確認部は、前記カメラから受信した前記画像を用いて前記定められた領域に存在する人の人数を検出することを特徴とする請求項1に記載の入場監視システム。
【請求項13】
前記管理領域への入場が許可された人によりそれぞれ携帯され、自身の位置を求め、求めた位置を示す位置情報を前記入場監視装置へ送信する複数の端末、
を備え、
前記入場監視装置は、
前記端末から受信した前記位置を用いて、前記定められた領域内に存在する人の人数を算出する位置判定部、
を備え、
前記人数確認部は、前記検出処理によって検出した前記人数と、前記位置判定部により算出された人数とが一致し、かつ検出した前記人数が、前記作業計画における、現在時刻に対応する前記入場予定人数と一致する場合に前記入口を開けるよう制御することを特徴とする請求項1または1に記載の入場監視システム。
【請求項14】
あらかじめ定められた登録情報によって入場を許可される人が管理されるとともに一度に入口を通過して立ち入る人数が作業計画によりあらかじめ定められる管理領域への入場を監視する入場監視装置に、
前記作業計画および前記登録情報を事前情報記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記入口に設けられて認証情報を読み取る認証情報読取装置から受信した前記認証情報と前記登録情報に含まれる認証情報とが一致するか否かに基づいて認証成功か否かを判断する認証ステップと、
前記認証ステップにより認証成功と判断された場合に、前記入口前の定められた領域に存在する人の人数を検出する検出処理を行う人数確認ステップと、
前記入口を制御する制御処理を行う制御ステップと、
を実行させ、
前記作業計画は、定められた単位時間ごとの、前記管理領域へ立ち入ることが予定される人数である入場予定人数を示す情報を含み、
前記制御処理は、前記検出処理によって検出した前記人数が、前記作業計画における、現在時刻に対応する前記入場予定人数と一致する場合に、前記入口を開けるよう制御し、前記検出処理によって検出した前記人数が、前記作業計画における、現在時刻に対応する前記入場予定人数より多い場合に、前記入口を閉じるよう制御する処理であり、
前記登録情報は、前記管理領域への入場が許可された全ての人にそれぞれ対応する認証情報を含み、
前記認証情報読取装置は、人ごとの前記認証情報を取得し、
前記認証ステップでは、一定時間内に前記認証情報読取装置から受信した前記認証情報が全て前記登録情報に含まれる前記認証情報と一致する場合に、認証成功と判断されることを特徴とする入場監視プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、セキュリティエリアへの入場を監視する入場監視装置、入場監視システムおよび入場監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
あらかじめ定められている人だけが入場できる領域であるセキュリティエリアへの入場を監視する方法として、ID(IDentifier)カードを用いる方法がある。この方法では、セキュリティエリアの入口のドア付近に設けられたカードリーダによってIDカードから読み取られた情報があらかじめ登録されている情報と一致した場合にドアの電子錠が解錠される。
【0003】
IDカードを用いると、セキュリティエリアへの入場が認められている人すなわちあらかじめ情報が登録されているIDカードを保持している人だけがドアを解錠することができる。特許文献1には、IDカードを用いてドアの解錠を管理するとともに、セキュリティエリアである室内を撮像し室内の撮像画像を解析して不審な行動を検出した場合に警報を報知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-96179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、室内の不審な行動を検出することができるが、セキュリティエリアへの入場が認められている人以外の人である部外者がセキュリティエリアへ入場することを抑制することはできない。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、部外者がセキュリティエリアへ入場することを抑制することができる入場監視装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる入場監視装置は、あらかじめ定められた登録情報によって入場を許可される人が管理されるとともに一度に入口を通過して立ち入る人数が作業計画によりあらかじめ定められる管理領域への入場を監視する入場監視装置であって、作業計画および登録情報を記憶する事前情報記憶部と、入口に設けられて認証情報を読み取る認証情報読取装置から受信した認証情報と登録情報に含まれる認証情報とが一致するか否かに基づいて認証成功か否かを判断する認証部と、を備える。入場監視装置は、さらに、認証部により認証成功と判断された場合に、入口前の定められた領域に存在する人の人数を検出する検出処理を行う人数確認部、を備える。作業計画は、定められた単位時間ごとの、管理領域へ立ち入ることが予定される人数である入場予定人数を示す情報を含み、人数確認部は、検出処理によって検出した人数が、作業計画における、現在時刻に対応する入場予定人数と一致する場合に、入口を開けるよう制御し、検出処理によって検出した人数が、作業計画における、現在時刻に対応する入場予定人数より多い場合に、入口を閉じるよう制御し、登録情報は、管理領域への入場が許可された全ての人にそれぞれ対応する認証情報を含み、認証情報読取装置は、人ごとの認証情報を取得し、認証部は、一定時間内に認証情報読取装置から受信した認証情報が全て登録情報に含まれる認証情報と一致する場合に、認証成功と判断する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、部外者がセキュリティエリアへ入場することを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1にかかる入場監視システムの構成例を示す図
図2】実施の形態1のカードリーダおよびカメラの設置例を示す模式図
図3】実施の形態1のIDカード情報の一例を示す図
図4】実施の形態1の作業計画の一例を示す図
図5】実施の形態1の入場監視装置における入場監視処理手順の一例を示すフローチャート
図6】実施の形態1の入場監視装置を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図
図7】実施の形態1の変形例にかかる入場監視処理手順の一例を示すフローチャート
図8】実施の形態2にかかる入場監視システムの構成例を示す図
図9】実施の形態2の端末情報の一例を示す図
図10】実施の形態2のカードリーダ、カメラおよび端末の設置例を示す模式図
図11】実施の形態2の入場監視装置における入場監視処理手順の一例を示すフローチャート
図12】実施の形態3にかかる入場監視システムの構成例を示す図
図13】実施の形態3の異常判定処理手順の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施の形態にかかる入場監視装置、入場監視システムおよび入場監視プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる入場監視システムの構成例を示す図である。本実施の形態の入場監視システムは、入場監視装置1と、カードリーダ2と、カメラ3と、開閉制御装置4とを備える。本実施の形態の入場監視システムは、セキュリティエリアへの入場を監視する。本実施の形態のセキュリティエリアは、重大な結果を招くおそれのある操作を伴う作業を行うエリア、機密情報が保管されているエリアなど、同時に入場する人数に条件が定められているエリアであり、あらかじめ定められた登録情報によって入場を許可される人が管理されるとともに一度に入口を通過して立ち入る人数が作業計画によりあらかじめ定められる管理領域である。例えば、本実施の形態のセキュリティエリアは、原子力発電所であるが、本実施の形態のセキュリティエリアはこれに限定されない。
【0012】
カードリーダ2は、セキュリティエリアの入口であるドア、ゲートなどの近傍に設けられ、IDカードに書き込まれている識別情報を読み取り、読み取った識別情報を入場監視装置1へ送信する。ここでは、カードリーダ2はドアなどに設けられてもよい。以下では、入口に設けられると記載する場合には、入口となるドア、ゲートなど自体に設置される場合とこれらの近傍に設置される場合とを含む。カードリーダ2は、認証情報を読み取る認証情報読取装置の一例である。IDカードは、磁気カード、接触型または非接触型の集積回路を備えるカード(IC(Integrated Circuit)カード)などであり、セキュリティエリアへの入場が許可されている人に対応付けられた識別情報が書き込まれている。開閉制御装置4は、ドア、ゲートなどのセキュリティエリアの入口に設けられた仕切りの開閉を制御する。カメラ3は、セキュリティエリアの入口であるドア、ゲートなどの前の定められた領域を撮像できる位置に設置され、入口前の定められた領域を撮像し、撮像した画像を入場監視装置1へ送信する。カメラ3は複数台設けられていてもよい。入場監視装置1は、例えば、管理センターなどに設定され、カードリーダ2から受信した識別情報およびカメラ3から受信した画像に基づいて、開閉制御装置4へ制御信号を送信することでセキュリティエリアの入口であるドア、ゲートなどの開閉を制御する。
【0013】
本実施の形態のセキュリティエリアは、入場する際に、複数の作業者で構成されるグループ単位で入場することが定められている。グループの構成員はあらかじめ定められている。グループ単位でIDカードが割当てられている。したがって、登録情報の一例であるIDカード情報は、一度に入口を通過してセキュリティエリアへ入場する複数の人で構成されるグループごとのID番号を含む。
【0014】
図2は、本実施の形態のカードリーダ2およびカメラ3の設置例を示す模式図である。図2に示した例では、セキュリティエリアの入口であるドア6の近傍にカードリーダ2が設けられており、ドア6の手前の領域を撮像できるように上方にカメラ3が設置されている。図2に示した例では、作業者7-1~7-3がセキュリティエリアに入場するところであり、作業者7-1が保持しているIDカード5をカードリーダ2にかざそうとしている。なお、図2は、一例であり、セキュリティエリアの入口に設けられる仕切りの構造、カードリーダ2の配置位置およびカメラ3の配置位置は図2に示した例に限定されない。以下では、一例としてセキュリティエリアの入口にドア6が設けられている例を説明する。
【0015】
図1の説明に戻る。図1に示すように、本実施の形態の入場監視装置1は、通信部11、認証部12、人数確認部13、警報部14および事前情報記憶部15を備える。
【0016】
事前情報記憶部15は、あらかじめ定められた各種の事前情報を記憶する。事前情報は、IDカードに書き込まれている識別情報であるID番号と作業者との対応を示すIDカード情報、および作業計画を含む。ID番号は、認証に用いられる認証情報の一例であり、IDカード情報は、認証情報を含む登録情報の一例である。事前情報は、図1では図示を省略した入力手段により入場監視装置1に管理者などにより設定されて事前情報記憶部15に格納されてもよいし、他の装置から入場監視装置1へ送信されて、通信部11を介して事前情報記憶部15に格納されてもよい。
【0017】
図3は、本実施の形態のIDカード情報の一例を示す図である。上述したように、本実施の形態では、IDカードはグループごとに割当てられている。各グループには、それぞれ1つ以上のIDカードが割り当てられる。図3に示すように、IDカード情報には、IDカードに書き込まれている識別情報であるID番号と、各グループのリーダーの識別情報である作業者名とが対応づけられて格納されている。なお、ここでは、IDカード情報において、ID番号とグループのリーダーの識別情報とが対応付けられている例を示したが、ID番号と各グループを構成する作業者全員の作業者名とが対応づけられていてもよい。また、作業者の識別情報は作業者名に限らず、従業員番号、社員番号など別の識別情報であってもよい。
【0018】
図4は、本実施の形態の作業計画の一例を示す図である。作業計画は、図4に示すように、日付と各時刻においてセキュリティエリアに入場することが予定されている作業者の数である入場予定人数と、作業を行うグループ(グループの識別情報)とが対応づけられて格納されている。図4において入場予定人数が「-」と記載されている時刻は入場予定の作業者がいないことを示す。図4に示した作業計画は30分ごとに記載されており、例えば、8時から8時30分までの間にグループAの3人が入場予定であることを示し、8時30分から9時までの間は入場予定の作業者がいないことを示している。なお、図4では、時刻が30分単位で示されているがより細かく設定されていてもよい。
【0019】
また、図4に示した例では、作業計画に作業を行うグループが含まれているが、本実施の形態の入場監視処理のためには、作業計画に入場予定人数を示す情報が格納されていればよい。このため、作業計画に入場予定人数が含まれていればグループの識別情報は含まれていなくてもよい。また、作業計画には、入場予定人数の代わりに入場予定人数を示す別の情報が格納されていてもよい。例えば、入場を予定している作業者全員の名前または識別情報が時刻と対応づけられていてもよい。この場合、名前の数または識別情報の数が作業者の数を示すことになる。また、作業計画において時刻とグループとが対応付けられ、かつ、図示しないグループの構成員を示すグループ情報を事前情報記憶部15に格納しておくことで、作業計画およびグループ情報を用いて入場予定人数が把握できるようにしてもよい。
【0020】
図1の説明に戻る。通信部11は、カードリーダ2、カメラ3、開閉制御装置4をはじめとした他の装置と通信を行う。詳細には、通信部11は、カードリーダ2から当該カードリーダ2が読み取ったID番号を受信すると、ID番号を認証部12へ出力する。また、通信部11は、カメラ3から当該カメラ3が撮像した画像を受信すると、画像を人数確認部13へ出力する。また、通信部11は、認証部12から開閉制御装置4へ送信する制御信号を受け取ると、当該制御信号を開閉制御装置4へ送信する。
【0021】
認証部12は、入口に設けられて認証情報を読み取るカードリーダ2から受信した認証情報であるID番号とIDカード情報に含まれる登録されているID番号とが一致するか否かに基づいて認証成功か否かを判断する。詳細には、認証部12は、通信部11からカードリーダ2が読み取ったID番号を受け取ると、受け取ったID番号がIDカード情報に格納されているID番号であるか否かを判断することで認証処理を行う。認証処理は、カードリーダ2が読み取ったID番号が登録されているID番号であるかすなわちIDカード情報に含まれるID番号であるかを判定する処理である。認証部12は、受け取ったID番号がIDカード情報に格納されているID番号である場合、認証成功と判断し、受け取ったID番号がIDカード情報に格納されているID番号でない場合、認証失敗と判断する。認証部12は、認証成功と判断した場合、その旨を人数確認部13へ通知する。また、認証部12は、認証失敗と判断した場合、警報部14へその旨を通知する。
【0022】
人数確認部13は、認証部12により認証成功と判断された場合に、入口前の定められた領域に存在する人の人数を検出し、検出した人数が作業計画と一致する場合に入口を開けるよう制御し、検出した人数が作業計画において計画された人数より多い場合に入口を閉じるよう制御する。
【0023】
詳細には、人数確認部13は、認証部12から認証成功と判断したことを通知されると、通信部11から受け取った画像を画像処理することで画像内の人を検出し、検出された人の数を求める。画像内の人を検出する方法は、どのような方法を用いてもよく、例えば、パターン識別、機械学習などを用いることができる。人数確認部13は、画像から求めた人の数が作業計画と一致しているか否かを判断する。詳細には、人数確認部13は画像から求めた人の数が、作業計画において現在時刻に対応する時刻の入場予定人数と一致するか否かを判断する。人数確認部13は、画像から求めた人の数が作業計画と一致していると判断した場合、正しい作業者であると判断し、通信部11を介して開閉制御装置4へドア6を開くことを指示する制御信号を送信する。人数確認部13は、画像から求めた人の数が作業計画と一致していないと判断した場合、警報部14へその旨を通知し、ドア6を開くことを指示する制御信号を送信しない。ドア6は、初期状態では閉じられているため、画像から求めた人の数が作業計画と一致していないと判断した場合、ドア6は閉じたままとなる。
【0024】
なお、人数確認部13は、作業計画において現在時刻に対応する時刻の入場予定人数と一致すると判断した場合、同じ時間帯の入場予定者はゼロとして扱う。例えば、作業計画が図4に示した作業計画である場合に、8時2分に、人数確認部13が通信部11から画像を受け取り、画像から検出された人の数が3であった場合、作業計画と一致するため、正しい作業者と判断する。その後は、8時から8時30分までの時間帯の入場予定者はゼロとして扱う。このため、8時15分に、人数確認部13は、通信部11から画像を受け取り当該画像から検出された人の数が3であっても、作業計画と一致していないと判断する。また、人数確認部13は、検出された人の数が作業計画と一定していない場合は、検出された人の数が作業計画より多いか少ないかについても警報部14へ通知する。
【0025】
警報部14は、認証部12から認証失敗したことが通知された場合、および人数確認部13から検出された人の数が作業計画と一致していないと判断されたことが通知された場合、警報を発出する。警報の発出は、例えば、音声、ブザーの鳴動などにより行われる。また、警報部14は、警報を図示しない表示部へ表示してもよい。また、警報部14は、通信部11を介して監視員の保持する図示しない端末へ警報を示す信号を送信し、端末から音声により警報が発せられるように端末を制御してもよい。また、警報部14は、検出された人の数が作業計画より多い場合と少ない場合とで警報の内容を変えてもよい。例えば、検出された人の数が作業計画より多い場合は、緊急度が高いことを示す警報を発出し、検出された人の数が作業計画より少ない場合には、注意を促す警報を発出する。
【0026】
次に、本実施の形態の動作について説明する。図5は、本実施の形態の入場監視装置1における入場監視処理手順の一例を示すフローチャートである。図5に示すように、入場監視装置1は、ID番号を受信したか否かを判断する(ステップS1)。詳細には、認証部12が、通信部11を介してカードリーダ2からID番号を受信した否かを判断する。
【0027】
ID番号を受信していない場合(ステップS1 No)、入場監視装置1はステップS1を繰り返す。ID番号を受信した場合(ステップS1 Yes)、入場監視装置1は、ID番号の登録が有るか否かを判断する(ステップS2)。詳細には、認証部12は、事前情報記憶部15に格納されているIDカード情報に、カードリーダ2から受信したID番号が含まれているか否かにより認証成功か失敗かを判断し、認証結果を人数確認部13へ通知する。
【0028】
ID番号の登録が有る場合(ステップS2 Yes)、入場監視装置1は、入口前の人数を検出する(ステップS3)。詳細には、人数確認部13が、認証部12から認証成功の通知を受けると、通信部11から受け取った画像を画像処理することで画像内の人を検出し、検出された人の数を求める。
【0029】
次に、入場監視装置1は、検出された人数が計画された人数と一致するか否かを判断する(ステップS4)。詳細には、人数確認部13が、検出された人数が事前情報記憶部15に格納されている作業計画において現在時刻に対応する時間帯の作業予定人数と一致するか否かを判断する。
【0030】
検出された人数が計画された人数と一致すると判断した場合(ステップS4 Yes)、入場監視装置1は、入口のドア6を開放し(ステップS5)、処理を終了する。処理の終了後は、再び図5に示した処理を実施する。
【0031】
ID番号の登録が無い場合(ステップS2 No)、入場監視装置1は、ドア6を閉じ警報を発出し(ステップS7)、処理を終了する。詳細には、認証部12は、ID番号の登録が無い場合、警報部14へ認証失敗を通知し、警報部14が警報を発出する。なお、上述したように、ドア6は初期状態では閉じているため、ステップS2でNoと判定した場合、認証部12は、開閉制御装置4へ制御信号を送信しなくてもよいし、ドア6を閉じることを示す制御信号を送信してもよい。
【0032】
検出された人数が計画された人数と一致しない場合(ステップS4 No)、入場監視装置1は、検出された人数が計画された人数より多いか否かを判断する(ステップS6)。詳細には、ステップS6では、人数確認部13が、検出された人数が事前情報記憶部15に格納されている作業計画において現在時刻に対応する時間帯の作業予定人数より多いか否かを判断する。
【0033】
検出された人数が計画された人数より多い場合(ステップS6 Yes)、処理はステップS7へ進む。検出された人数が計画された人数より多くない場合すなわち検出された人数が計画された人数より少ない場合(ステップS6 No)、入場監視装置1は、警報を発出し(ステップS8)、処理をステップS5へ進める。詳細には、ステップS8では、人数確認部13が、警報部14に検出された人数が作業計画より少ないことを通知し警報部14は注意を促す警報を発出する。なお、人数の下限値を定めておき、人数確認部13は、検出された人数が計画された人数の下限値を下回る場合は、処理をステップS7へ進めてもよい。下限値は例えば2人であるがこれに限定されない。
【0034】
以上の処理により、入場監視装置1は、カードリーダ2によって読み取られたID番号が登録されたID番号と一致しかつカメラ3の画像から検出された人数が計画された人数以下である場合に、ドア6を開ける。一方、入場監視装置1は、カードリーダ2によって読み取られたID番号が登録されたID番号と一致しない場合、およびカードリーダ2によって読み取られたID番号が登録されたID番号と一致しかつカメラ3の画像から検出された人数が計画された人数より多い場合に、ドア6を開けずに閉めたままとし警報を発出する。これにより、部外者がセキュリティエリアへ入場することを抑制することができる。なお、以上説明した例では、カードリーダ2によって読み取られたID番号が登録されたID番号と一致しかつカメラ3の画像から検出された人数が計画された人数より多い場合に、ドア6を閉めたままとし、かつ警報を発出するようにしたが、これに限らず、ドア6を開けるように制御して警報を発出してもよい。
【0035】
なお、上述した例では、入場監視装置1は、IDカードから読み取ったID番号で認証処理を行うようにしたが、これに限らず、顔認証、指紋認証など別の認証方法を用いてもよい。顔認証を用いる場合には、カードリーダ2の代わりにカメラが設けられ、事前情報記憶部15にはセキュリティエリアに入場することが許可されている作業者の顔の画像データが登録情報としてあらかじめ記憶される。カードリーダ2の代わりに指紋を読み取る指紋認証リーダが設けられ、事前情報記憶部15にはセキュリティエリアに入場することが許可されている作業者の指紋データが登録情報としてあらかじめ記憶される。このように、ID番号情報は、認証のために事前に登録される登録情報の一例であり、認証情報読取装置は、カメラ、指紋認証リーダなどであってもよく、登録情報および認証方法はID番号を用いた例に限定されない。
【0036】
ここで、入場監視装置1のハードウェア構成について説明する。本実施の形態の入場監視装置1は、コンピュータシステム上で、入場監視装置1における処理が記述されたプログラムである入場監視プログラムが実行されることにより、コンピュータシステムが入場監視装置1として機能する。図6は、本実施の形態の入場監視装置1を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図である。図6に示すように、このコンピュータシステムは、制御部101と入力部102と記憶部103と表示部104と通信部105と出力部106とを備え、これらはシステムバス107を介して接続されている。
【0037】
図6において、制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、本実施の形態の入場監視装置1における処理が記述された入場監視プログラムを実行する。入力部102は、たとえばキーボード、マウスなどで構成され、コンピュータシステムの使用者が、各種情報の入力を行うために使用する。記憶部103は、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)などの各種メモリおよびハードディスクなどのストレージデバイスを含み、上記制御部101が実行すべきプログラム、処理の過程で得られた必要なデータ、などを記憶する。また、記憶部103は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。表示部104は、ディスプレイ、LCD(液晶表示パネル)などで構成され、コンピュータシステムの使用者に対して各種画面を表示する。通信部105は、通信処理を実施する受信機および送信機である。出力部106は、スピーカなどである。なお、図6は、一例であり、コンピュータシステムの構成は図6の例に限定されない。
【0038】
ここで、本実施の形態の入場監視プログラムが実行可能な状態になるまでのコンピュータシステムの動作例について説明する。上述した構成をとるコンピュータシステムには、たとえば、図示しないCD(Compact Disc)-ROMドライブまたはDVD(Digital Versatile Disc)-ROMドライブにセットされたCD-ROMまたはDVD-ROMから、入場監視プログラムが記憶部103にインストールされる。そして、入場監視プログラムの実行時に、記憶部103から読み出された入場監視プログラムが記憶部103に格納される。この状態で、制御部101は、記憶部103に格納されたプログラムに従って、本実施の形態の入場監視装置1としての処理を実行する。
【0039】
なお、上記の説明においては、CD-ROMまたはDVD-ROMを記録媒体として、入場監視装置1における処理を記述したプログラムを提供しているが、これに限らず、コンピュータシステムの構成、提供するプログラムの容量などに応じて、たとえば、通信部105を経由してインターネットなどの伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
【0040】
図1に示した認証部12および人数確認部13は、図6に示した記憶部103に記憶された入場監視プログラムが図6に示した制御部101により実行されることにより実現される。図1に示した警報部14は、出力部106により実現されてもよいし、コンピュータシステムに接続された音声発生装置により実現されてもよい。また、警報部14が、警報を表示する場合には、警報部14の実現には表示部104も用いられる。図1に示した事前情報記憶部15は、図6に示した記憶部103の一部である。図1に示した通信部11は、図6に示した通信部105により実現される。入場監視装置1は複数のコンピュータシステムにより実現されてもよい。例えば、入場監視装置1は、クラウドコンピュータシステムにより実現されてもよい。
【0041】
例えば、本実施の形態の入場監視プログラムは、入場監視装置1に、入口に設けられて認証情報を読み取る認証情報読取装置から受信した認証情報と登録情報に含まれる認証情報とが一致するか否かに基づいて認証成功か否かを判断する認証ステップを実行させる。また、入場監視プログラムは、認証ステップにより認証成功と判断された場合に、入口前の定められた領域に存在する人の人数を検出し、検出した人数が作業計画と一致する場合に入口を開けるよう制御し、検出した人数が作業計画において計画された人数より多い場合に入口を閉じるよう制御する人数確認ステップ、を入場監視装置1に実行させる。
【0042】
以上のように、本実施の形態の入場監視装置1は、IDカードによる認証に成功した場合に、カメラ3により取得された画像を用いて入口前の人の数を検出し、検出された数と作業計画において計画されている計画人数とが一致した場合にドア6を開け、検出された数とが計画人数より多い場合に警報を発出するようにした。これにより、部外者がセキュリティエリアへ入場することを抑制することができる。
【0043】
<変形例>
なお、上記の例では、IDカードがグループ単位で割当てられる例を示したが、この例に限定されず、IDカードを作業者全員が保持していてもよい。この場合、IDカード情報には、セキュリティエリアに入場が許可された全ての人すなわちセキュリティエリアに入場可能な作業者全員にそれぞれ対応するID番号が含まれている。図7は、本実施の形態の変形例にかかる入場監視処理手順の一例を示すフローチャートである。図7に示すステップS1は図5に示したステップS1と同様である。
【0044】
ただし、セキュリティエリアに入場する作業者全員がカードリーダ2にIDカードをかざすため、カードリーダ2は連続して複数のID番号を入場監視装置1へ送信する。ステップS1の後、入場監視装置1は、全員のIDカード番号の登録が有るか否かを判断する(ステップS2a)。詳細には、認証部12は、通信部11を介してIDカード番号を受信すると一定時間の間の次のIDカード番号の受信を待機する。一定時間はグループの構成員全員がIDカードをかざすために要する時間に相当し、例えば10秒~数十秒程度であるが、これに限らずグループの構成員の最大人数によって適宜設定されればよい。認証部12は、一定時間以内に受信したIDカード番号がそれぞれ事前情報記憶部15に格納されているID番号情報に含まれているか否かを判断する。認証部12は、一定時間内に受信したIDカード番号の全てがID番号情報に含まれている場合、ステップS2aでYesと判断し、一定時間内に受信したIDカード番号のうち少なくとも1つがID番号情報に含まれていない場合、ステップS2aでNoと判断する。
【0045】
ステップS3以降は、図5に示した例と同様である。なお、ステップS2aでYesの場合、認証部12は、受信したIDカード番号の数を人数確認部13へ通知し、人数確認部13は、ステップS3の後に、受信したIDカード番号の数と計画人数を比較し、IDカード番号の数と計画人数が一致した場合にはステップS5へ進み、IDカード番号の数が計画人数より多い場合はステップS7へ進み、IDカード番号の数が計画人数より少ない場合、ステップS8へ進んでもよい。
【0046】
実施の形態2.
図8は、実施の形態2にかかる入場監視システムの構成例を示す図である。本実施の形態の入場監視システムは、実施の形態1の入場監視システムに端末8-1~8-n(nは2以上の整数)が追加され、入場監視装置1の代わりに入場監視装置1aを備える。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
【0047】
本実施の形態では、セキュリティエリアに入場することが許可されている作業者の全員が端末8-1~8-nのうちそれぞれに対応する1つの端末を保持している。端末8-1~8-nは、自身の位置を検出することが可能な位置測位デバイスであり、セキュリティエリアへの入場が許可された人により携帯される。位置測位の方法は、例えばビーコンを用いた方法、複数の無線基地局を用いて電波強度により位置を求める方法などが例示できるが、これらに限らずどのような方法が用いられてもよい。また、端末8-1~8-nは、入場監視システムの専用の端末であってもよいし、他の目的のために導入されている端末であってもよいし、スマートフォンのような汎用端末に本実施の形態の処理を実現するためのアプリケーションソフトウェアをインストールしたものであってもよい。端末8-1~8-nは、例えば、定期的に自身の位置を示す位置情報を入場監視装置1aへ送信する。以下、端末8-1~8-nを個別に区別せずに示すときは端末8とも記載する。
【0048】
入場監視装置1aは、実施の形態1の入場監視装置1に位置判定部16が追加され、人数確認部13の代わりに人数確認部13aを備える。また、入場監視装置1aの事前情報記憶部15には、事前情報として、IDカード情報および作業計画に加えてさらに端末情報が格納されている。
【0049】
図9は、本実施の形態の端末情報の一例を示す図である。図9に示すように、端末情報は、端末8-1~8-nのそれぞれの識別情報である端末識別情報と対応する作業者の識別情報の一例である作業者名とを含む。なお、端末情報には、端末識別情報が含まれていればよく作業者名は含まれていなくてもよい。
【0050】
図10は、本実施の形態のカードリーダ2、カメラ3および端末8-1~8-3の設置例を示す模式図である。図10に示した例では、図2に示した例と同様に、ドア6の近傍にカードリーダ2が設けられ、グループ単位で割当てられているIDカード5をグループの代表者などが保持している。また、作業者7-1~7-3のそれぞれは端末8-1~8-3を携帯している。これにより、端末8-1~8-3の位置がわかれば、作業者7-1~7-3の位置がわかることになる。
【0051】
本実施の形態では、図8に示した位置判定部16が、人数確認部13aから位置検出の指示があった場合に、通信部11を介して端末8-1~8-nから受信した位置情報のうち最新の位置情報を保持しており、最新の位置情報を用いて各作業者の位置を特定する。詳細には、位置判定部16は、入口であるドア6の前の定められた領域を示す入口位置情報を保持しており、人数確認部13aから位置検出の指示があった場合、保持している端末8-1~8-nから受信した位置情報を用いて上記定められた領域に存在する端末8-1~8-nの数を求め、求めた数を人数確認部13aへ通知する。人数確認部13aは、自身が検出した人数と、位置判定部16により算出された人数とが一致し、かつ検出した検出した人数が作業計画と一致する場合にドア6を開けるよう制御する。
【0052】
図11は、本実施の形態の入場監視装置1aにおける入場監視処理手順の一例を示すフローチャートである。ステップS1~S3は、図5に示した例と同様である。ステップS3の後、入場監視装置1aは、端末8の位置情報と検出された人数は整合しているか否かを判断する(ステップS11)。詳細には、人数確認部13aは、ステップS3の後、位置判定部16へ位置検出を指示する。位置判定部16は、人数確認部13aから位置検出の指示があった場合、保持している端末8-1~8-nから受信した位置情報を用いて入口の周辺に存在する端末8-1~8-nの数を求め、求めた数を人数確認部13aへ通知する。そして、人数確認部13aは、画像から検出された人数と位置判定部16から通知された人数とが一致している場合に、端末8の位置情報と検出された人数は整合していると判断する。
【0053】
入場監視装置1aは、端末8の位置情報と検出された人数は整合すると判断した場合(ステップS11 Yes)、ステップS4の処理へ進む。ステップS4以降の処理は実施の形態1と同様である。入場監視装置1aは、端末8の位置情報と検出された人数が整合しないと判断した場合(ステップS11 No)、ステップS7の処理へ進む。以上述べた以外の本実施の形態の動作は、実施の形態1と同様である。
【0054】
本実施の形態の入場監視装置1aのハードウェア構成は実施の形態1の入場監視装置1のハードウェア構成と同様であり、入場監視装置1aは、例えば図6に示したコンピュータシステムにより実現される。位置判定部16は、図6に示した記憶部103に記憶された入場監視プログラムが図6に示した制御部101により実行されることにより実現される。
【0055】
なお、上述した例では、位置情報を用いて算出された入口付近の人数と、画像から検出された人数とを比較して整合を確認したが、これに限らず、作業計画で計画されている作業者が入口の周辺に存在するか否かを判定することで作業計画と整合しているかを確認してもよい。この場合、上述したように、端末情報に作業者名を含めておく。なお、実施の形態1で述べたように作業者名の代わりに作業者を識別する別の情報が用いられてもよい。また、作業計画において各時刻に入場予定の作業者名を全て記載しておく。または、作業計画には図3に示したようにグループの識別情報が含まれ、各グループの構成員を示すグループ情報が事前情報記憶部15に保持されていてもよい。そして、図11に示したステップS11の代わりに、位置判定部16は、作業計画において現在時刻に入場が予定されている全ての作業者が入口付近に存在するかの判断を行う。詳細には、位置判定部16は、作業計画において現在時刻に入場が予定されている作業者名を抽出し、抽出した作業者名に対応する端末識別情報を端末情報から取得する。そして、位置判定部16は、取得した端末識別情報に対応する最新の位置情報を抽出し、抽出した位置情報と入口位置情報とを用いて、作業計画で現在時刻に入場が予定されている作業者に対応する端末8が入口の周辺に存在するか否かを判断することで、作業計画において現在時刻に入場が予定されている全ての作業者が入口付近に存在するか否かを判断する。この判断でYesの場合、処理はステップS4へ進み、この判断でNoの場合、処理はステップS7へ進む。
【0056】
以上のように、本実施の形態では、実施の形態1と同様に、IDカードによる認証に成功した場合に、カメラ3により取得された画像を用いて入口前の人の数を検出するとともに、検出した人の数が、作業者が携帯する端末8の位置情報と整合しているかを判断するようにした。これにより、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、端末8の位置情報から算出される入口前の人数と画像から検出された人数とが一致するかを判定できるため、画像に撮像された人のなかに端末8を保持していない部外者がいる場合に警報を発出することができる。
【0057】
実施の形態3.
図12は、実施の形態3にかかる入場監視システムの構成例を示す図である。本実施の形態の入場監視システムは、実施の形態2の入場監視装置1aの代わりに入場監視装置1bを備える。実施の形態1,2と同様の機能を有する構成要素は実施の形態2と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1,2と異なる点を主に説明する。
【0058】
入場監視装置1bは、実施の形態2の入場監視装置1aに異常判定部17が追加されている。異常判定部17は、通信部11を介してカメラ3から受信した画像を画像処理することで、不審行動などの異常の有無を検出する。入場監視装置1bは、異常判定部17により異常と判定された場合に、警報を発出する。不審行動は、例えば、きょろきょろ見回す動作、急な走り出し、危険物などの所持または持ち去りなどである。なお、本実施の形態では、カメラ3は入口前の定められた領域を撮像する。カメラ3は、複数の箇所に設置されて、上記定められた領域だけでなく複数の箇所を撮像し、複数の箇所のいずれかで不審行動が検出された場合に、警報が発出されてもよい。
【0059】
本実施の形態の異常判定部17による異常判定処理は、入場監視装置1bが、IDカード番号を受信したときに、図7に示したステップS2a以降の処理と並行して実施される。また、IDカード番号を受信したとき以外にも、定期的に行われてもよい。
【0060】
画像から不審行動を検出する方法は、どのような方法が用いられてもよいが、例えば、機械学習を用いることができる。機械学習としては、ニューラルネットワークを用いた教師ありの学習などであってもよいし、これ以外の方法であってもよい。異常判定部17は、あらかじめ多数の画像と撮像された人物の行動とを学習しておき不審行動があるか否かを判定するための学習済みモデルを生成しておき、学習済みモデルを保持する。そして、異常判定部17は、通信部11を介してカメラ3から受信した画像であるカメラ画像を学習済みモデルへ入力することで不審行動の有無を判定する。すなわち、異常判定部17は、不審行動の有無を画像から判定するための機械学習によって生成された学習済みモデルを用いて異常の有無を判定する。なお、一般には時間的な変化を用いて不審行動が検出されるため、異常判定部17は過去の一定期間のカメラ画像を保持しておき、ある程度の期間のカメラ画像を用いて異常の判定を実施する。
【0061】
なお、不審行動の有無を判定するかわりに、段階的に異常の程度を示す異常度スコアが算出されてもよい。この場合、学習済みモデルを生成する際に、異常度スコアと画像とを対応づけて学習しておく。これにより、学習済みモデルに画像を入力することで異常度スコアを求めることができる。異常度スコアはどのように定められてもよいが、例えば、異常度の低い順に0,1,2,3の4段階などに分類しておき、異常度スコア0を不審な行動が検出されない場合に対応付け、異常度スコア1にはきょろきょろ見回す動作などを対応付け、異常度スコア2には急な走りだしなどを対応付け、異常度スコア3には危険物などの所持または持ち去りを対応づける。入場監視装置1bは、異常度スコアごとに警報の内容を変えることで、監視員が緊急度を把握することができる。
【0062】
図13は、本実施の形態の異常判定処理手順の一例を示すフローチャートである。図13に示すように、異常判定部17は、カメラ画像を受信したか否かを判断する(ステップS21)。カメラ画像を受信していない場合(ステップS21 No)、異常判定部17は、ステップS21を繰り返す。カメラ画像を受信した場合(ステップS21 Yes)、異常判定部17は異常判定処理を行う(ステップS22)。異常判定処理は、上述したように例えば学習済みモデルを用いて行われる。
【0063】
異常判定部17は、異常判定処理により異常有りと判定した場合(ステップS23 Yes)、警報部14にその旨を通知して警報部14が警報を発出し(ステップS24)、処理を終了する。なお、上述したとおり、異常度スコアが算出される場合には異常度スコアに応じて警報を変えてもよい。異常判定部17は、異常判定処理により異常無しと判定した場合(ステップS23 No)、処理を終了する。以上述べた以外の本実施の形態の動作は実施の形態2と同様である。
【0064】
異常判定処理が、入場監視装置1bがIDカード番号を受信したことにより、ステップS2a以降の処理と並行して実施される場合は、入場監視装置1bは、図11に示した各判定と異常判定処理とを組み合わせて警報およびドア6の開閉を制御してもよい。例えば、異常判定処理で異常度スコア1の異常が検出された場合、入場監視装置1bは、ステップS2,S11,S4のいずれもNoと判定された場合警報を発出する。一方、異常判定処理で異常度スコア2以上の異常が検出された場合はステップS2,S11,S4のいずれもYesと判定された場合でも入場監視装置1bは警報を発出する。
【0065】
本実施の形態の入場監視装置1bのハードウェア構成は実施の形態1の入場監視装置1のハードウェア構成と同様であり、入場監視装置1bは、例えば図6に示したコンピュータシステムにより実現される。異常判定部17は、図6に示した記憶部103に記憶された入場監視プログラムが図6に示した制御部101により実行されることにより実現される。また、異常判定部17は、記憶部103を用いて過去のカメラ画像を保持する。
【0066】
なお、上記の例では、実施の形態2の入場監視装置1aに異常判定部17を追加する例を説明したが、実施の形態1の図1に示した入場監視装置1または変形例の入場監視装置1に異常判定部17を追加して同様に異常判定処理を行ってもよい。
【0067】
以上のように、本実施の形態では、実施の形態2の動作に加えて、カメラ画像を用いて不審行動を検出することで、実施の形態2と同様の効果が得られるとともに、不審者を検出できる可能性を高めることができる。
【0068】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0069】
1,1a,1b 入場監視装置、2 カードリーダ、3 カメラ、4 開閉制御装置、8-1~8-n 端末、11 通信部、12 認証部、13,13a 人数確認部、14 警報部、15 事前情報記憶部、16 位置判定部、17 異常判定部。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13