(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-06
(45)【発行日】2025-06-16
(54)【発明の名称】制御装置、制御システム、機器制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20250609BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20250609BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H04M11/00 301
(21)【出願番号】P 2021088870
(22)【出願日】2021-05-27
【審査請求日】2024-05-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】大瀧 尚厳
(72)【発明者】
【氏名】石原 正裕
【審査官】小松崎 里沙
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-019251(JP,A)
【文献】特開2020-195026(JP,A)
【文献】特開2002-095072(JP,A)
【文献】特開2017-028586(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0041586(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03J 9/00- 9/06
H04Q 9/00- 9/16
G06F13/00
H04L12/28
H04M 3/00
3/16- 3/20
3/38- 3/58
7/00- 7/16
11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の拠点それぞれに対応する、少なくとも1つの機器それぞれの状態に対して予め設定された機器状態条件の中から予め選択された少なくとも1つに対応する前記少なくとも1つの機器の制御内容を示す制御内容情報と、前記機器状態条件の中から予め選択された少なくとも1つを示す制御条件情報と、の組み合わせを、前記複数の拠点それぞれを識別する拠点識別情報に対応づけて記憶する制御設定記憶部と、
前記少なくとも1つの機器それぞれの状態を示す機器状態情報を取得する機器状態取得部と、
前記機器状態情報が示す前記少なくとも1つの機器それぞれの状態が、前記
制御条件情報が示す前記機器状態条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記機器状態情報が示す前記少なくとも1つの機器それぞれの状態が
、前記
制御条件情報が示す前記機器状態条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすと判定されると、少なくとも1つの機器を制御する制御情報を新たに生成する機器制御部と、
前記少なくとも1つの機器の利用者が所持する端末装置から送信される更新要求情報に応じて、前記複数の拠点のうちのいずれか1つの拠点における前記制御内容情報と前記制御条件情報との組み合わせを、他の拠点における前記制御内容情報と前記制御条件情報との組み合わせを用いて更新する制御設定部と、を備える、
制御装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの機器の利用者が所持する端末装置の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部を更に備え、
前記判定部は、前記機器状態情報が示す前記少なくとも1つの機器それぞれの状態および前記位置情報が示す前記端末装置の位置が、前記少なくとも1つの機器それぞれの状態について予め設定された機器状態条件および前記端末装置の位置について予め設定された位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすか否かを判定し、
前記機器制御部は、前記判定部により前記機器状態情報が示す前記少なくとも1つの機器それぞれの状態および前記位置情報が示す前記端末装置の位置が前記機器状態条件および前記位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすと判定されると、少なくとも1つの機器を制御する制御情報を新たに生成する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記機器制御部が新たに生成する前記制御情報により制御される機器は、前記機器状態取得部が取得する機器状態情報に対応する少なくとも1つの機器に含まれる、
請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
複数の拠点それぞれに対応する、少なくとも1つの機器の利用者が所持する端末装置の位置について予め設定された位置条件の中から予め選択された少なくとも1つに対応する前記少なくとも1つの機器の制御内容を示す制御内容情報と、前記位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを示す制御条件情報と、の組み合わせを、前記複数の拠点それぞれを識別する拠点識別情報に対応づけて記憶する制御設定記憶部と、
前記端末装置の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報が示す前記端末装置の位置が、前記
制御条件情報が示す前記位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記位置情報が示す前記端末装置の位置が前記位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすと判定されると、少なくとも1つの機器を制御する制御情報を新たに生成する機器制御部と、
前記端末装置から送信される更新要求情報に応じて、前記複数の拠点のうちのいずれか1つの拠点における前記制御内容情報と前記制御条件情報との組み合わせを、他の拠点における前記制御内容情報と前記制御条件情報との組み合わせを用いて更新する制御設定部と、を備える、
制御装置。
【請求項5】
予め設定された位置における天候を示す気象情報を取得する気象情報取得部を更に備え、
前記判定部は、更に、前記気象情報が示す天候が、前記天候について予め設定された気象条件の中から予め設定された少なくとも1つを満たすか否かを判定し、
前記機器制御部は、前記判定部により前記気象情報が示す天候が、前記気象条件の中から予め設定された少なくとも1つを満たすと判定されると、前記少なくとも1つの機器を制御する制御情報を新たに生成する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記位置条件の中から予め選択された少なくとも1つに対応する前記少なくとも1つの機器の制御内容を示す制御内容情報を、対応する前記位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを示す制御条件情報に対応づけて記憶する制御設定記憶部と、
前記端末装置から送信される、前記制御内容情報と対応する前記制御条件情報とを含む制御設定情報を取得し、取得した制御設定情報に基づいて、前記制御設定記憶部が記憶する前記制御内容情報と前記制御条件情報との組み合わせを更新する制御設定部と、を更に備える、
請求項
2に記載の制御装置。
【請求項7】
少なくとも1つの機器の利用者が所持する端末装置と、
複数の拠点それぞれに対応する、少なくとも1つの機器の利用者が所持する端末装置の位置について予め設定された位置条件の中から予め選択された少なくとも1つに対応する前記少なくとも1つの機器の制御内容を示す制御内容情報と、前記位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを示す制御条件情報と、の組み合わせを、前記複数の拠点それぞれを識別する拠点識別情報に対応づけて記憶する制御設定記憶部と、
前記端末装置の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報が示す前記端末装置の位置が、前記
制御条件情報が示す前記位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記位置情報が示す前記端末装置の位置が前記位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすと判定されると、少なくとも1つの機器を制御する制御情報を新たに生成する機器制御部と、
前記端末装置から送信される更新要求情報に応じて、前記複数の拠点のうちのいずれか1つの拠点における前記制御内容情報と前記制御条件情報との組み合わせを、他の拠点における前記制御内容情報と前記制御条件情報との組み合わせを用いて更新する制御設定部と、を備える、
制御システム。
【請求項8】
制御装置が、少なくとも1つの機器それぞれの状態を示す機器状態情報を取得するステップと、
前記制御装置が、前記機器状態情報が示す前記少なくとも1つの機器それぞれの状態が、
複数の拠点それぞれに対応する、前記
少なくとも1つの機器それぞれの状態に対して予め設定された機器状態条件の中から予め選択された少なくとも1つに対応する前記少なくとも1つの機器の制御内容を示す制御内容情報と、前記機器状態条件の中から予め選択された少なくとも1つを示す制御条件情報と、の組み合わせを、前記複数の拠点それぞれを識別する拠点識別情報に対応づけて記憶する制御設定記憶部が記憶する前記制御条件情報が示す前記機器状態条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすか否かを判定するステップと、
前記制御装置が、前記機器状態情報が示す前記少なくとも1つの機器それぞれの状態が
、前記
制御条件情報が示す前記機器状態条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすと判定
すると、少なくとも1つの機器を制御する制御情報を新たに生成するステップと、
前記制御装置が、前記少なくとも1つの機器の利用者が所持する端末装置から送信される更新要求情報に応じて、前記複数の拠点のうちのいずれか1つの拠点における前記制御内容情報と前記制御条件情報との組み合わせを、他の拠点における前記制御内容情報と前記制御条件情報との組み合わせを用いて更新するステップと、を含む、
機器制御方法。
【請求項9】
制御装置が、少なくとも1つの機器の利用者が所持する端末装置の位置を示す位置情報を取得するステップと、
前記制御装置が、前記位置情報が示す前記端末装置の位置が、
複数の拠点それぞれに対応する、前記
少なくとも1つの機器の利用者が所持する端末装置の位置について予め設定された位置条件の中から予め選択された少なくとも1つに対応する前記少なくとも1つの機器の制御内容を示す制御内容情報と、前記位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを示す制御条件情報と、の組み合わせを、前記複数の拠点それぞれを識別する拠点識別情報に対応づけて記憶する制御設定記憶部が記憶する前記制御条件情報が示す前記位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすか否かを判定するステップと、
前記制御装置が、前記位置情報が示す前記端末装置の位置が前記位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすと判定
すると、少なくとも1つの機器を制御する制御情報を新たに生成するステップと、
前記制御装置が、前記端末装置から送信される更新要求情報に応じて、前記複数の拠点のうちのいずれか1つの拠点における前記制御内容情報と前記制御条件情報との組み合わせを、他の拠点における前記制御内容情報と前記制御条件情報との組み合わせを用いて更新するステップと、を含む、
機器制御方法。
【請求項10】
コンピュータを、
複数の拠点それぞれに対応する、少なくとも1つの機器それぞれの状態に対して予め設定された機器状態条件の中から予め選択された少なくとも1つに対応する前記少なくとも1つの機器の制御内容を示す制御内容情報と、前記機器状態条件の中から予め選択された少なくとも1つを示す制御条件情報と、の組み合わせを、前記複数の拠点それぞれを識別する拠点識別情報に対応づけて記憶する制御設定記憶部、
前記少なくとも1つの機器それぞれの状態を示す機器状態情報を取得する機器状態取得部、
前記機器状態情報が示す前記少なくとも1つの機器それぞれの状態が、前記
制御条件情報が示す前記機器状態条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすか否かを判定する判定部、
前記判定部により前記機器状態情報が示す前記少なくとも1つの機器それぞれの状態が
、前記
制御条件情報が示す前記機器状態条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすと判定されると、少なくとも1つの機器を制御する制御情報を新たに生成する機器制御部、
前記少なくとも1つの機器の利用者が所持する端末装置から送信される更新要求情報に応じて、前記複数の拠点のうちのいずれか1つの拠点における前記制御内容情報と前記制御条件情報との組み合わせを、他の拠点における前記制御内容情報と前記制御条件情報との組み合わせを用いて更新する制御設定部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータを、
複数の拠点それぞれに対応する、少なくとも1つの機器の利用者が所持する端末装置の位置について予め設定された位置条件の中から予め選択された少なくとも1つに対応する前記少なくとも1つの機器の制御内容を示す制御内容情報と、前記位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを示す制御条件情報と、の組み合わせを、前記複数の拠点それぞれを識別する拠点識別情報に対応づけて記憶する制御設定記憶部、
前記端末装置の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部、
前記位置情報が示す前記端末装置の位置が、前記
制御条件情報が示す前記位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすか否かを判定する判定部、
前記判定部により前記位置情報が示す前記端末装置の位置が前記位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすと判定されると、少なくとも1つの機器を制御する制御情報を新たに生成する機器制御部、
前記端末装置から送信される更新要求情報に応じて、前記複数の拠点のうちのいずれか1つの拠点における前記制御内容情報と前記制御条件情報との組み合わせを、他の拠点における前記制御内容情報と前記制御条件情報との組み合わせを用いて更新する制御設定部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、制御システム、機器制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
予め設定された検出動作の結果を示す検出信号を送信する少なくとも1つのリスナー機器と、送信される制御命令に応じた動作を行う少なくとも1つのアクター機器と、サーバ装置と、通信可能なゲートウェイ装置であって、リスナー機器から検出信号を受信すると、受信した検出信号に対応する検出動作に応じた予め設定されたシナリオに従って制御命令を生成してアクター機器へ送信することによりリスナー機器とアクター機器とを連携して動作させるゲートウェイ装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の複数の機器を備えるシステムにおいては、複数の機器の利用者の生活スタイルによりきめ細かく対応できるようにすべく機器同士の連携動作を開始させる条件を多様化することにより利用者の利便性を高めることが要請されつつある。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされたものであり、利用者の利便性を高めることができる制御装置、制御システム、機器制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る制御装置は、
複数の拠点それぞれに対応する、少なくとも1つの機器それぞれの状態に対して予め設定された機器状態条件の中から予め選択された少なくとも1つに対応する前記少なくとも1つの機器の制御内容を示す制御内容情報と、前記機器状態条件の中から予め選択された少なくとも1つを示す制御条件情報と、の組み合わせを、前記複数の拠点それぞれを識別する拠点識別情報に対応づけて記憶する制御設定記憶部と、
前記少なくとも1つの機器それぞれの状態を示す機器状態情報を取得する機器状態取得部と、
前記機器状態情報が示す前記少なくとも1つの機器それぞれの状態が、前記制御条件情報が示す前記機器状態条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記機器状態情報が示す前記少なくとも1つの機器それぞれの状態が、前記制御条件情報が示す前記機器状態条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすと判定されると、少なくとも1つの機器を制御する制御情報を新たに生成する機器制御部と、
前記少なくとも1つの機器の利用者が所持する端末装置から送信される更新要求情報に応じて、前記複数の拠点のうちのいずれか1つの拠点における前記制御内容情報と前記制御条件情報との組み合わせを、他の拠点における前記制御内容情報と前記制御条件情報との組み合わせを用いて更新する制御設定部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、機器制御部が、判定部により機器状態情報が示す少なくとも1つの機器それぞれの状態が、制御条件情報が示す機器状態条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすと判定されると、少なくとも1つの機器を制御する制御情報を新たに生成する。これにより、少なくとも1つの機器の制御情報を生成するための条件として機器状態条件および位置条件の複数種類の組み合わせの中から選択することができるので、少なくとも1つの機器を制御するための条件を利用者の生活スタイルにきめ細かく適応したものとすることができ、利用者の利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施の形態に係る制御システムの概略構成図
【
図2】実施の形態に係るクラウドサーバのブロック図
【
図3】実施の形態に係るクラウドサーバの機能構成図
【
図4】実施の形態に係る制御設定記憶部が記憶する情報の一例を示す図
【
図5】実施の形態に係る機器状態記憶部が記憶する情報の一例を示す図
【
図6】(A)は実施の形態に係る端末位置記憶部が記憶する情報の一例を示す図、(B)は実施の形態に係る気象情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図
【
図7】実施の形態に係る制御システムの動作を示すシーケンス図
【
図8】実施の形態に係る制御システムの動作を示すシーケンス図
【
図9】実施の形態に係るクラウドサーバが実行する機器制御処理の流れの一例を示すフローチャート
【
図10】実施の形態に係るクラウドサーバが実行する制御要否判定処理の流れの一例を示すフローチャート
【
図11】実施の形態に係るクラウドサーバが実行する機器制御処理の流れの一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態に係る制御装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る制御装置は、少なくとも1つの機器それぞれの状態を示す機器状態情報を取得する機器状態取得部と、少なくとも1つの機器の利用者が所持する端末装置の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、機器状態情報が示す少なくとも1つの機器それぞれの状態および位置情報が示す端末装置の位置が、少なくとも1つの機器それぞれの状態について予め設定された機器状態条件および端末装置の位置について予め設定された位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすか否かを判定する判定部と、判定部により機器状態情報が示す少なくとも1つの機器それぞれの状態および位置情報が示す端末装置の位置が機器状態条件および位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすと判定されると、少なくとも1つの機器を制御する制御情報を生成する機器制御部と、を備える。
【0010】
本実施の形態に係る制御システムは、
図1に示すように、建物Hに設置された複数(
図1では2つ)の機器9と、クラウドサーバ1と、気象サーバ2と、端末装置5と、を備える。建物Hには、建物H内に構築された局所ネットワークNW2に接続されたルータ82と、ルータ82および広域ネットワークNW1に接続されたデータ回線終端装置81と、が設置されている。広域ネットワークNW1は、例えばインターネットである。また、局所ネットワークNW2は、例えば有線LAN(Local Area Network)または無線LANである。データ回線終端装置81は、ONU(Optical Network Unit)、モデム、ゲートウェイ等である。
【0011】
機器9は、給湯機9A、浴室暖房機9B等を含み、局所ネットワークNW2、広域ネットワークNW1を介してクラウドサーバ1と通信可能である。機器9は、クラウドサーバ1から取得した制御情報に基づいて動作する。また、機器9は、クラウドサーバ1から機器9に対して機器9の状態を示す機器状態要求情報を取得すると、機器9の状態を示す機器状態情報を生成し、生成した機器状態情報をクラウドサーバ1へ送信する。ここで、機器状態情報には、機器9の各種動作状態を示す状態情報と、機器9の機種を示す機種情報と、機器9を識別する機器識別情報と、が含まれている。機器識別情報は、機器9を識別するための一意の識別子であり例えば機器9のMACアドレスが採用される。
【0012】
端末装置5は、例えばスマートフォンであり、人工衛星から放射されるGNSS信号を受信し、GNSS信号に基づいて人工衛星の位置を示す基準位置情報、時刻情報等を生成し、生成した基準位置情報、時刻情報等に基づいて自装置の位置を計測する。そして、端末装置5は、自装置の位置を示す位置情報を生成し、生成した位置情報を、例えば位置管理サーバ(図示せず)を介してクラウドサーバ1へ送信する。ここで、位置情報には、端末装置5の位置の座標、即ち、緯度および経度を示す座標情報と、端末装置5を識別する端末識別情報と、が含まれている。また、利用者が端末装置5に対して例えば利用者が居住する拠点における後述の制御内容情報および制御条件情報を他の拠点で使用されている制御内容情報および制御条件情報に置き換える形で制御設定を更新するための制御設定更新操作を行ったとする。この場合、端末装置5は、制御設定更新操作の内容に基づいて、少なくとも他の拠点を識別する拠点識別情報を含む更新要求情報を生成し、生成した更新要求情報をクラウドサーバ1へ送信する。なお、端末装置5としては、利用者が携帯するスマートフォンのような携帯端末に限定されるものではなく、例えばパーソナルコンピュータのような広域ネットワークNW1を介してクラウドサーバ1との間で情報を送受信できる端末装置であれば他の機器であってもよい。
【0013】
気象サーバ2は、地球上の各場所における気象条件を示す気象情報を、その場所の位置情報に対応づけて管理している。気象サーバ2は、クラウドサーバ1から利用者が居住する拠点の位置情報を含む、気象サーバ2に対して気象情報の送信を要求する気象情報要求情報を取得すると、取得した気象情報要求情報に含まれる位置情報に対応する気象情報を選出してクラウドサーバ1へ送信する。ここで、拠点の位置情報は、例えば拠点の郵便番号を示す郵便番号情報である。この場合、気象サーバ2は、各場所における気象情報を、各場所の郵便番号情報に対応づけて管理するようにすればよい。
【0014】
クラウドサーバ1は、複数の機器9を制御する制御装置として機能するものであり、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、広域通信部106と、計時部107と、これらを相互に接続するバス109と、を備える。CPU101は、例えばマルチコアプロセッサである。主記憶部102は、揮発性メモリから構成され、CPU101の作業領域として用いられる。補助記憶部103は、大容量の不揮発性メモリから構成され、クラウドサーバ1の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。広域通信部106は、広域ネットワークNW1に接続されている。計時部107は、例えばリアルタイムクロックであり、時刻を示す時刻情報を出力する。
【0015】
CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、制御設定部111、機器状態取得部112、位置情報取得部113、気象情報取得部114、判定部115、機器制御部116および日時情報生成部117として機能する。また、補助記憶部103は、制御設定記憶部131と、機器状態記憶部132と、端末位置記憶部133と、気象情報記憶部134と、を有する。
【0016】
制御設定記憶部131は、複数の機器9それぞれを制御の内容を示す制御内容情報を、その制御内容を実行するための条件の組合せを示す制御条件情報に対応づけて記憶する。ここで、制御条件情報は、機器9を新たに生成される制御情報に基づいて起動するための前提となる起動条件を示す情報と、機器9を新たに生成される制御情報に基づいて起動するための条件として前述の起動条件に追加されている少なくとも1つの追加条件を示す情報と、から構成される。そして、まず、起動条件を満たすか否かが判定され、起動条件を満たす場合に、これに付随する少なくとも1つの追加条件を全て満たすか否かが判定され、少なくとも1つの追加条件を全て満たす場合に、対応する制御内容情報が示す機器9を制御するための制御情報が新たに生成される。起動条件と少なくとも1つの追加条件との組合せは、複数の機器9それぞれの状態について予め設定された機器状態条件、端末装置5の位置について予め設定された位置条件、天候について予め設定された気象条件および曜日、日付等について予め設定された日時条件の中から選択される少なくとも1つの条件の組み合わせから構成される。制御設定記憶部131は、例えば
図4に示すように、制御対象となる機器9とその機器9に対する操作内容とを示す制御内容情報と、その制御内容情報により制御を行うための起動条件と少なくとも1つの追加条件との組合せを示す制御条件情報と、を、制御内容情報と制御条件情報との組合せを識別する制御設定識別情報に対応づけて記憶する。例えば制御設定識別情報IDM[0]で識別される制御設定情報は、機器9A(給湯機)の機器状態情報が「湯張り」を開始した状態であるという起動条件を満たすことを前提として、機器9A(給湯機)の連携動作が可能な状態であるという追加条件と、機器9B(浴室暖房機)の機器状態情報が温度センサによる検出温度が20℃以下であるという追加条件と、の両方を満たす場合、機器9Bの運転を開始するための制御情報が新たに生成されることを示している。また、制御設定識別情報IDM[1]で識別される制御設定情報は、位置情報が端末装置5の位置が利用者の居住する拠点から200m以内の位置に存在するであるという起動条件を満たすことを前提として、気象情報が郵便番号「100-0000」で表される利用者が居住する拠点の天候が雨であるという追加条件と、日時情報が現時点の曜日が「月」から「金」のうちのいずれかの曜日であるという追加条件と、の両方を満たす場合、機器9Aによる湯張り動作を開始するための制御情報が新たに生成されることを示している。また、制御設定記憶部131は、複数の拠点それぞれに対応する制御内容情報と制御条件情報とを、複数の拠点それぞれを識別する拠点識別情報に対応づけて記憶している。
【0017】
機器状態記憶部132は、例えば
図5に示すように、機器9の状態を示す状態情報を、機器9の機種を示す機種情報および機器9を識別する機器識別情報に対応づけて記憶する。
図5に示す例では、機器識別情報「001122AABBCC」で識別される機器9Aについて、その種別が「給湯機」であり、湯張り動作は行っておらず連携動作可能であり残湯量が100Lであることを示している。機器識別情報「001122AABBDD」で識別される機器9Bについて、その種別が「浴室暖房機」であり、停止中であり温度センサで検出される検出温度が19℃であることを示している。
【0018】
端末位置記憶部133は、例えば
図6(A)に示すように、端末装置5の位置を緯度と経度との組合せで示す位置情報を、その端末装置5を識別する端末識別情報に対応づけて記憶する。気象情報記憶部134は、例えば
図6(B)に示すように、日時と天候との組合せを示す気象情報を、対応する地域を識別する地域識別情報に対応づけて記憶する。ここで、地域識別情報は、例えば各地域の郵便番号を示す情報である。
【0019】
図3に戻って、制御設定部111は、端末装置5から送信される制御設定情報を取得し、取得した制御設定情報に基づいて、制御設定記憶部131が記憶する制御内容情報および制御条件情報を更新する。ここで、制御設定情報は、機器の状態、端末装置5の位置、拠点における天候、曜日等についての条件の組み合わせを示す制御条件情報と、制御条件情報に対応する機器9を制御するための制御情報と、を含む。
【0020】
機器状態取得部112は、複数の機器9それぞれの状態を示す機器状態情報を取得する。なお、機器状態取得部112が機器状態情報を取得する取得先の機器9が機器に相当する。ここで、機器状態取得部112は、計時部107から入力される時刻情報に基づいて予め設定された機器状態取得時期が到来したと判定すると、複数の機器9それぞれに対して機器状態情報の送信を要求する機器状態要求情報を複数の機器9それぞれへ送信する。ここで、機器状態取得時期は、例えば数msecから数min毎に到来するように設定される。そして、機器状態取得部112は、送信した機器状態要求情報に応じて複数の機器9それぞれから送信される機器状態情報を取得する。また、機器状態取得部112は、取得した機器状態情報から、前述の状態情報と機種情報と機器識別情報とを抽出し、抽出した状態情報と機種情報と機器識別情報とを互いに対応づけて機器状態記憶部132に記憶させる。
【0021】
位置情報取得部113は、複数の機器9の利用者が所持する端末装置5の位置を示す位置情報を取得する。ここで、位置情報取得部113は、計時部107から入力される時刻情報に基づいて予め設定された位置情報取得時期が到来したと判定すると、端末装置5に対して位置情報の送信を要求する位置情報要求情報を端末装置5へ送信する。ここで、位置情報取得時期は、例えば数msecから数min毎に到来するように設定される。そして、位置情報取得部113は、送信した位置情報要求情報に応じて端末装置5から送信される位置情報を取得する。また、位置情報取得部113は、取得した機器状態情報から、前述の座標情報と端末識別情報とを抽出し、抽出した座標情報と端末識別情報とを互いに対応づけて端末位置記憶部133に記憶させる。
【0022】
気象情報取得部114は、例えば利用者が居住する拠点のような予め設定された位置における気象条件を示す気象情報を取得する。ここで、気象情報取得部114は、計時部107から入力される時刻情報に基づいて予め設定された気象情報取得時期が到来したと判定すると、前述の気象情報要求情報を気象サーバ2へ送信することにより、気象サーバ2から気象情報を取得する。ここで、気象情報取得時期は、例えば数時間毎に到来するように設定される。また、気象情報取得部114は、取得した気象情報を、対応する地域識別情報に対応づけて気象情報記憶部134に記憶させる。
【0023】
日時情報生成部117は、計時部107から入力される時刻情報に基づいて、時刻情報が入力された時点における曜日、日付等を示す日時情報を生成する。そして、日時情報生成部117は、生成した日時情報を判定部115に通知する。
【0024】
判定部115は、機器状態記憶部132が記憶する機器状態情報が示す複数の機器9それぞれの状態、端末位置記憶部133が記憶する位置情報が示す端末装置の位置、気象情報記憶部134が記憶する気象情報が示す天候および日時情報生成部117から通知される日時情報が示す曜日、日付等が、前述の機器状態条件、位置条件、気象条件および日時条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすか否かを判定する。ここで、判定部115は、まず、前述の起動条件として設定されている機器状態条件、位置条件、気象条件または日時条件を満たすか否かを判定する。ここで、判定部115は、起動条件を満たす場合、この起動条件に付随する少なくとも1つの追加条件として設定されている機器状態条件、位置条件、気象条件または日時条件を全て満たすか否かを判定する。
【0025】
機器制御部116は、判定部115により機器状態情報が示す複数の機器9それぞれの状態、位置情報が示す端末装置5の位置、気象情報が示す天候および日時情報が示す曜日、日付等が前述の機器状態条件、位置条件、気象条件および日時条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすと判定されると、複数の機器9のうちの1つの機器9を制御する制御情報を新たに生成する。より詳細には、機器制御部116は、判定部115により前述の起動条件が満たされ且つこの起動条件に付随する少なくとも1つの追加条件の全てが満たされると判定されると、機器9を制御する制御情報を新たに生成する。
そして、機器制御部116は、生成した制御情報を対応する機器9へ送信する。
【0026】
次に、本実施の形態に係る制御システムの動作について
図7および
図8を参照しながら説明する。まず、
図7に示すように、利用者が端末装置5に対して複数の機器9同士を連携して制御するための制御設定を決めるための制御設定操作を行ったとする。この場合、端末装置5は、制御設定操作の内容に基づいて制御設定情報を生成する(ステップS1)。次に、生成された制御設定情報が、端末装置5からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS2)。一方、クラウドサーバ1は、制御設定情報を取得すると、取得した制御設定情報に基づいて、制御設定記憶部131が記憶する制御内容情報および制御条件情報を更新する(ステップS3)。
【0027】
続いて、予め設定された機器情報取得時期が到来すると、複数の機器9それぞれに対して機器状態情報の送信を要求する機器状態要求情報が、クラウドサーバ1から機器9へ送信される(ステップS4)。一方、機器9は、機器状態要求情報を取得すると、前述の機器9の状態を示す機器状態情報を生成する(ステップS5)。その後、生成された機器状態情報が、機器9からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS6)。一方、クラウドサーバ1は、機器状態情報を取得すると、取得した機器状態情報を機器状態記憶部132に記憶させる。ここで、クラウドサーバ1が、機器状態記憶部132が記憶する機器状態情報が示す複数の機器9それぞれの状態が前述の機器状態条件を満たさない場合、機器9の制御は不要と判定する(ステップS7)。
【0028】
次に、予め設定された位置情報取得時期が到来すると、端末装置5に対して位置情報の送信を要求する位置情報要求情報が、クラウドサーバ1から端末装置5へ送信される(ステップS8)。一方、端末装置5は、位置情報要求情報を取得すると、端末装置5の位置を示す位置情報を生成する(ステップS9)。続いて、生成された位置情報が、端末装置5からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS10)。一方、クラウドサーバ1は、位置情報を取得すると、取得した位置情報から座標情報と端末識別情報とを抽出して端末位置記憶部133に記憶させる。ここで、クラウドサーバ1が、端末位置記憶部133が記憶する座標情報が示す端末装置5の位置が前述の位置条件を満たさない場合、機器9の制御は不要と判定する(ステップS11)。
【0029】
その後、予め設定された気象情報取得時期が到来すると、気象サーバ2に対して気象情報の送信を要求する気象情報要求情報が、クラウドサーバ1から気象サーバ2へ送信される(ステップS12)。一方、気象サーバ2は、
図8に示すように、気象情報要求情報を取得すると、気象情報要求情報に含まれる地域識別情報に対応する気象情報を選出する(ステップS13)。次に、生成された気象情報が、気象サーバ2からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS14)。一方、クラウドサーバ1は、気象情報を取得すると、取得した気象情報を対応する地域識別情報に対応づけて気象情報記憶部134に記憶させる。ここで、クラウドサーバ1が、機器状態記憶部132が記憶する複数の機器9それぞれの状態が前述の機器状態条件を満たし且つ端末位置記憶部133が記憶する座標情報が示す端末装置5の位置が前述の位置条件を満すとともに、気象情報記憶部134が記憶する気象情報が示す天候が前述の気象条件を満たす場合、機器9の制御を要すると判定する(ステップS15)。
【0030】
この場合、クラウドサーバ1は、制御設定記憶部131が記憶する制御内容情報を参照して、制御対象となる機器9とその機器9に対する操作内容を示す制御内容情報を特定する(ステップS16)。続いて、クラウドサーバ1は、特定した制御内容情報に基づいて、特定した機器9を制御するための制御情報を生成する(ステップS17)。その後、生成された制御情報が、クラウドサーバ1から特定した機器9へ送信される(ステップS18)。一方、機器9は、制御情報を取得すると、取得した制御情報に基づいて動作する(ステップS19)。
【0031】
また、利用者が端末装置5に対して例えば利用者が居住する拠点における制御設定を他の拠点で使用されている制御設定に置き換える形で制御設定を更新するための制御設定更新操作を行ったとする。この場合、端末装置5は、制御設定更新操作の内容に基づいて、少なくとも他の拠点の拠点識別情報を含む更新要求情報を生成する(ステップS20)。次に、生成された更新要求情報が、端末装置5からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS21)。一方、クラウドサーバ1は、更新要求情報を取得すると、取得した更新要求情報に含まれる拠点識別情報に基づいて、制御設定記憶部131が記憶する他の拠点における制御内容情報および制御条件情報を特定し、利用者の拠点識別情報に対応づけられた制御条件情報および制御内容情報を、特定した制御内容情報および制御条件情報に置き換える形で制御内容情報および制御条件情報を更新する(ステップS22)。
【0032】
次に、本実施の形態に係るクラウドサーバ1が実行する機器制御処理について
図9から
図11を参照しながら説明する。この機器制御処理は、例えばクラウドサーバ1において機器制御処理を実行するためのプログラムが起動したことを契機として開始される。まず、制御設定部111は、
図9に示すように、端末装置5から制御設定情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、制御設定部111が、制御設定情報を取得していないと判定すると(ステップS101:No)、後述するステップS103の処理が実行される。一方、制御設定部111は、制御設定情報を取得したと判定したとする(ステップS101:Yes)、取得した制御設定情報に基づいて、制御設定記憶部131が記憶する制御内容情報および制御条件情報を更新する(ステップS102)。
【0033】
次に、機器状態取得部112は、前述の機器状態取得時期が到来したか否かを判定する(ステップS103)。ここで、機器状態取得部112が、未だ機器状態取得時期が到来していないと判定すると(ステップS103:No)、後述のステップS107の処理が実行される。一方、機器状態取得部112は、機器状態取得時期が到来したと判定すると(ステップS103:Yes)、前述の機器状態要求情報を複数の機器9へ送信することにより(ステップS104)、機器9から機器状態情報を取得する(ステップS105)。次に、機器状態取得部112は、取得した機器状態情報から、前述の状態情報と機種情報と機器識別情報とを抽出し、抽出した状態情報と機種情報と機器識別情報とを互いに対応づけて機器状態記憶部132に記憶させる(ステップS106)。
【0034】
続いて、位置情報取得部113は、前述の位置情報取得時期が到来したか否かを判定する(ステップS107)。ここで、位置情報取得部113が、未だ位置情報取得時期が到来していないと判定すると(ステップS107:No)、後述のステップS111の処理が実行される。一方、位置情報取得部113は、位置情報取得時期が到来したと判定すると(ステップS107:Yes)、前述の位置情報要求情報を端末装置5へ送信することにより(ステップS108)、端末装置5から位置情報を取得する(ステップS109)。その後、位置情報取得部113は、取得した機器状態情報から、前述の座標情報と端末識別情報とを抽出し、抽出した座標情報と端末識別情報とを互いに対応づけて端末位置記憶部133に記憶させる(ステップS110)。
【0035】
次に、気象情報取得部114は、前述の気象情報取得時期が到来したか否かを判定する(ステップS111)。ここで、気象情報取得部114が、未だ気象情報取得時期が到来していないと判定すると(ステップS111:No)、後述のステップS114の処理が実行される。一方、気象情報取得部114は、気象情報取得時期が到来したと判定すると(ステップS111:Yes)、前述の気象情報要求情報を気象サーバ2へ送信することにより(ステップS112)、気象サーバ2から気象情報を取得して地域識別情報に対応づけて気象情報記憶部134に記憶させる(ステップS113)。
【0036】
続いて、判定部115は、制御設定記憶部131が記憶する制御条件情報の中から制御要否を判定するための少なくとも1つの制御条件情報を特定する(ステップS114)。その後、制御要否判定処理が実行される(ステップS115)。
【0037】
ここで、本実施の形態に係るクラウドサーバ1が実行する制御要否判定処理の詳細について
図10を参照しながら説明する。まず、判定部115は、特定した制御条件情報を参照して、機器状態記憶部132が記憶する機器状態情報が示す機器の状態、端末位置記憶部133が記憶する座標情報が示す端末装置5の位置、現時点の曜日、或いは、気象情報記憶部134が記憶する気象情報が示す天候が前述の起動条件を満たすか否かを判定する(ステップS201)。具体的には、判定部115は、機器状態情報が示す機器の状態が、特定した制御条件情報が示す起動条件として設定されている機器状態条件を満たすか否か、座標情報が示す端末装置5の位置が、特定した制御条件情報が示す起動条件として設定されている位置条件を満たすか否かを判定する。或いは、判定部115は、現時点の曜日が、特定した制御条件情報が示す起動条件として設定されている日時条件を満たすか否か、気象情報が示す天候が、特定した制御条件情報が示す起動条件として設定されている気象条件を満たすか否かを判定する。
【0038】
ここで、判定部115が、機器状態情報が示す機器の状態、座標情報が示す端末装置5の位置、現時点の曜日、或いは、気象情報が示す天候が前述の起動条件を満たさないと判定すると(ステップS201:No)、後述のステップS204の処理が実行される。一方、判定部115は、機器状態情報が示す機器の状態、座標情報が示す端末装置5の位置、現時点の曜日、或いは、気象情報が示す天候が前述の起動条件を満たすと判定したとする(ステップS201:Yes)。この場合、判定部115は、特定した制御条件情報を参照して、少なくとも1つの追加条件が有るか否かを判定する(ステップS202)。ここで、判定部115が、追加条件が無いと判定すると(ステップS202:No)、後述のステップS205の処理が実行される。
【0039】
一方、判定部115が、少なくとも追加条件が有ると判定すると(ステップS202:Yes)、機器状態情報が示す機器の状態、座標情報が示す端末装置5の位置、現時点の曜日、気象情報が示す天候が少なくとも1つの追加条件を全て満たすか否かを判定する(ステップS203)。具体的には、判定部115は、機器状態情報が示す機器の状態が、特定した制御条件情報が示す追加条件として設定されている機器状態条件を満たすか否か、座標情報が示す端末装置5の位置が、特定した制御条件情報が示す起動条件として設定されている位置条件を満たすか否かを判定する。また、判定部115は、現時点の曜日が、特定した制御条件情報が示す起動条件として設定されている日時条件を満たすか否か、気象情報が示す天候が、特定した制御条件情報が示す起動条件として設定されている気象条件を満たすか否かを判定する。ここで、判定部115が、機器状態情報が示す機器の状態、座標情報が示す端末装置5の位置、現時点の曜日、気象情報が示す天候のうちの少なくとも1つが追加条件を満たさないと判定すると(ステップS203:No)、機器9の制御は不要と判定し(ステップS204)、制御要否判定処理が終了する。
【0040】
一方、判定部115が、機器状態情報が示す機器の状態、座標情報が示す端末装置5の位置、現時点の曜日、気象情報が示す天候が少なくとも1つの追加条件を全て満たすと判定したとする(ステップS203:Yes)。この場合、判定部115は、機器9の制御を要すると判定し(ステップS205)、制御要否判定処理が終了する。
【0041】
次に、
図11に示すように、判定部115は、制御要否判定処理を行うことにより機器9の制御を要すると判定したか否かを判定する(ステップS116)。ここで、判定部115が、機器9の制御が不要と判定した場合(ステップS116:No)、後述のステップS119の処理が実行される。一方、判定部115が、機器9の制御を要すると判定したとする(ステップS116:Yes)。この場合、機器制御部116は、制御設定記憶部131が記憶する制御内容情報を参照して、制御対象となる機器9とその機器9に対する操作内容を特定する(ステップS117)。続いて、機器制御部116は、特定した機器9とその機器9に対する操作内容とに基づいて、特定した機器9を制御するための制御情報を新たに生成して機器9へ送信する(ステップS118)。
【0042】
その後、制御設定部111は、端末装置5から前述の更新要求情報を取得したか否かを判定する(ステップS119)。ここで、制御設定部111は、更新要求情報を取得していないと判定する(ステップS119:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、制御設定部111は、更新要求情報を取得したと判定すると(ステップS119:Yes)、取得した更新要求情報に含まれる他の拠点の拠点識別情報に基づいて、制御設定記憶部131が記憶する他の拠点における制御内容情報および制御条件情報を特定する(ステップS120)。次に、制御設定部111は、利用者の拠点識別情報に対応づけられた制御条件情報および制御内容情報を、特定した制御内容情報および制御条件情報に置き換える形で制御内容情報および制御条件情報を更新する(ステップS121)。続いて、再びステップS101の処理が実行される。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態に係るクラウドサーバ1によれば、機器制御部116が、判定部115により機器状態情報が示す複数の機器9それぞれの状態および位置情報が示す端末装置5の位置が機器状態条件および位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを満たすと判定されると、複数の機器9のうちの1つの機器を制御する制御情報を生成する。これにより、機器9の制御情報を生成するための条件として機器状態条件および位置条件の複数種類の組み合わせの中から選択することができるので、機器9を制御するための条件を利用者の生活スタイルにきめ細かく適応したものとすることができ、利用者の利便性を高めることができる。
【0044】
また、利用者自身の居住する拠点周辺の天候と利用者の行動状況に基づいて、機器9を制御するため、例えば夏場のように拠点に設けられた浴室の温度が比較的高い場合、浴室暖房機である機器9Bを停止させることにより無駄な電力消費を抑制できる。更に、例えば利用者が休日の晴天時に外出した場合、外出先から拠点に帰宅した時であっても入浴を急ぐ理由がないため、この場合、湯張りを行うタイミングを遅らせるように制御条件を設定することができる。これにより、湯張りを利用者が入浴するタイミングよりも必要以上に早いタイミングで行ったことによる湯冷めを抑制できる。従って、給湯機である機器9Aに対して、湯の追い炊き或いは高温のお湯を追加するといった追加動作の発生頻度を低減することができるので、その分、機器9Aで使用される消費電力を低減することができる。
【0045】
また、本実施の形態に係るクラウドサーバ1は、利用者が居住する拠点における天候を示す気象情報を取得する気象情報取得部114を備える。また、判定部115は、機器状態情報が示す複数の機器9それぞれの状態、位置情報が示す端末装置5の位置および気象情報が示す天候が、機器状態条件、位置条件および天候について予め設定された気象条件の中から予め設定された少なくとも1つを満たすか否かを判定する。そして、機器制御部116は、判定部115により機器状態情報が示す少なくとも1つの機器9それぞれの状態、位置情報が示す端末装置5の位置および気象情報が示す天候が、機器状態条件、位置条件および気象条件の中から予め設定された少なくとも1つを満たすと判定されると、複数の機器9のうちの1つの機器9を制御する制御情報を生成する。これにより、利用者が居住する拠点の天候に適応した形で機器9を動作させることができるので、利用者に対して居住する拠点の天候に応じた快適な居住空間を提供することができる。
【0046】
更に、本実施の形態に係る機器制御部116が制御情報を生成する対象となる機器9は、機器状態情報を取得する対象となる複数の機器9の中に含まれている。これにより、機器制御部116は、制御情報を生成する対象となる機器9の状態に応じて適切に生成することができる。
【0047】
また、本実施の形態に係る制御設定記憶部131は、機器状態条件および位置条件の中から予め選択された少なくとも1つに対応する機器9の制御内容を示す制御内容情報を、対応する機器状態条件および位置条件の中から予め選択された少なくとも1つを示す制御条件情報に対応づけて記憶する。そして、制御設定部111は、端末装置5から送信される、制御内容情報と対応する制御条件情報とを含む制御設定情報を取得し、取得した制御設定情報に基づいて、制御設定記憶部131が記憶する制御内容情報と制御条件情報との組み合わせを更新する。これにより、利用者は端末装置5を介して機器9についての制御内容情報と対応する制御条件情報とを自由に設定することができるので、利用者の利便性を高めることができる。
【0048】
更に、本実施の形態に係る制御設定記憶部131は、複数の拠点それぞれに対応する制御内容情報と制御条件情報との組み合わせを、複数の拠点それぞれを識別する拠点識別情報に対応づけて記憶している。そして、制御設定部111は、端末装置5から送信される更新要求情報に応じて、複数の拠点のうちのいずれか1つの拠点における制御内容情報と制御条件情報との組み合わせを、他の拠点における制御内容情報と制御条件情報との組み合わせを用いて更新する。これにより、利用者が、例えば自身が居住する拠点における機器9の制御内容および制御条件を、自身の居住する拠点とは異なる拠点における制御内容および制御条件と同様の設定としたい場合に利用者の設定負担を軽減することができる。
【0049】
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示は前述の実施の形態によって限定されるものではない。例えば、気象サーバ2から取得する気象情報を使用せずに制御要否の判定を行うものであってもよい。
【0050】
実施の形態において、判定部115が、端末装置5の位置を示す位置情報を使用せずに、機器状態情報が示す少なくとも1つの機器それぞれの状態が、少なくとも1つの機器それぞれの状態に基づいて制御要否を判定するものであってもよい。或いは、判定部115が、機器9の状態を示す機器状態情報を使用せずに、位置情報が示す端末装置5の位置に基づいて制御要否を判定するものであってもよい。
【0051】
実施の形態では、クラウドサーバ1が複数の機器9を制御する例について説明したが、これに限定されるのではなく、例えば利用者が居住する拠点に設置された制御装置により複数の機器9を制御するものであってもよい。この場合、制御装置は、端末装置5から端末装置5の位置情報を取得するとともに気象サーバ2から気象情報を取得する機能を有するものとしてもよい。
【0052】
また、本開示に係るクラウドサーバ1の各種機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。この場合、ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、プログラムを、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)およびMO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータに読み込んでインストールすることにより、前述の各機能を実現することができるコンピュータを構成してもよい。そして、各機能をOS(Operating System)とアプリケーションとの分担、またはOSとアプリケーションとの協同により実現する場合等には、OS以外の部分のみを記録媒体に格納してもよい。
【0053】
さらに、搬送波に各プログラムを重畳し、ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、ネットワーク上の掲示板(BBS,Bulletin Board System)に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前述の処理を実行できるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本開示は、機器同士を連携して動作させる制御システムに好適である。
【符号の説明】
【0055】
1 クラウドサーバ、2 気象サーバ、5 端末装置、9 機器、81 データ回線終端装置、82 ルータ、101 CPU、102 主記憶部、103 補助記憶部、106 広域通信部、107 計時部、109 バス、111 制御設定部、112 機器状態取得部、113 位置情報取得部、114 気象情報取得部、115 判定部、116 機器制御部、117 日時情報生成部、131 制御設定記憶部、132 機器状態記憶部、133 端末位置記憶部、134 気象情報記憶部、NW1 広域ネットワーク、NW2 局所ネットワーク