(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-06
(45)【発行日】2025-06-16
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
G06G 7/60 20060101AFI20250609BHJP
G06F 7/50 20060101ALI20250609BHJP
G06F 7/523 20060101ALI20250609BHJP
G06N 3/063 20230101ALI20250609BHJP
【FI】
G06G7/60
G06F7/50
G06F7/523
G06N3/063
(21)【出願番号】P 2021153848
(22)【出願日】2021-09-22
【審査請求日】2024-09-18
(31)【優先権主張番号】P 2020158034
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021016799
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】大下 智
(72)【発明者】
【氏名】黒川 義元
(72)【発明者】
【氏名】郷戸 宏充
(72)【発明者】
【氏名】津田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】力丸 英史
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-047046(JP,A)
【文献】特表2021-500646(JP,A)
【文献】特開2004-157756(JP,A)
【文献】特開2016-063374(JP,A)
【文献】特開2019-212793(JP,A)
【文献】特開2009-164710(JP,A)
【文献】国際公開第2015/001697(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06G 7/60
G06F 7/523
G06F 7/50
G06N 3/063
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル・アナログ変換回路を有する半導体装置であって、
前記デジタル・アナログ変換回路は、可変抵抗素子として機能する強誘電体素子を有し、
前記デジタル・アナログ変換回路は、アナログの電流信号を出力する機能を有し、
前記アナログの電流信号によって設定される重み値と、入力値と、の積和演算を行う機能を有する、
半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記デジタル・アナログ変換回路は、複数の回路と、カレントミラー回路と、を有し、
前記複数の回路のそれぞれは、スイッチと、第1の端子が前記スイッチの第1の端子と電気的に接続される前記可変抵抗素子と、を有し、
前記複数の回路のそれぞれが有する前記スイッチの第2の端子は、第1の電源電位が与えられる第1の配線と電気的に接続され、
前記複数の回路のそれぞれが有する前記可変抵抗素子の第2の端子は、前記カレントミラー回路の入力端子と電気的に接続され、
前記カレントミラー回路は、前記アナログの電流信号を出力する機能を有する、
半導体装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記複数の回路のそれぞれが有する前記スイッチは、前記デジタル・アナログ変換回路に入力されるデジタル信号の各ビットに一対一で対応しており、
前記複数の回路のそれぞれが有する前記スイッチは、対応するビットの値に応じて導通状態が制御され、
前記複数の回路のそれぞれが有する前記スイッチは、導通状態のときに流れる電流値が前記ビットに応じて重みづけされている、
半導体装置。
【請求項4】
請求項1
乃至請求項
3のいずれか一において、
前記強誘電体素子は、強誘電体トンネル接合を有す
る、
半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
前記強誘電体素子は、強誘電性を有する材料としてハフニウム及びジルコニウムの
いずれか一方、又は双方を含む酸化物を有する、
半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、半導体装置に関する。また、本明細書等で開示する発明の技術分野は、物、駆動方法、または、製造方法に関するものである。
【0002】
より具体的には、本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野として、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、蓄電装置、撮像装置、記憶装置、信号処理装置、プロセッサ、電子機器、システム、それらの駆動方法、それらの製造方法、またはそれらの検査方法を一例として挙げることができる。
【背景技術】
【0003】
現在、人間の脳の仕組みを模した集積回路の開発が盛んに進められている。当該集積回路は、脳の仕組みが電子回路として組み込まれており、人間の脳の「ニューロン」と「シナプス」に相当する回路を有する。そのため、そのような集積回路を、「ニューロモーフィック」、「ブレインモーフィック」、又は「ブレインインスパイア」と呼ぶこともある。当該集積回路は、非ノイマン型アーキテクチャを有し、処理速度の増加に伴って消費電力が大きくなるノイマン型アーキテクチャと比較して、極めて少ない消費電力で並列処理を行えると期待されている。
【0004】
「ニューロン」と「シナプス」とを有する神経回路網を模した情報処理のモデルは、人工ニューラルネットワーク(ANN)と呼ばれる。人工ニューラルネットワークを用いることで、人間並み、もしくは、人間を超える精度での推論も可能である。ニューラルネットワークでは、ニューロン出力の重み付け和の演算、すなわち、積和演算が主要な演算である。
【0005】
非特許文献1には、不揮発性メモリ素子を用いた積和演算回路が提案されている。当該積和演算回路では、各メモリ素子において、チャネル形成領域にシリコンを有するトランジスタのサブスレッショルド領域での動作を利用して、各メモリ素子に格納した乗数に対応したデータと被乗数に対応した入力データとの乗算に対応した電流を出力する。また、各列のメモリ素子が出力する電流の和により、積和演算に対応したデータを取得する。当該積和演算回路は、内部にメモリ素子を有しているため、乗算、加算において外部のメモリからのデータ読み出し及び書き込みを行わなくすることができる。このため、読み出し及び書き込みなどに起因するデータ転送の回数を少なくすることができるため、消費電力を低くできると期待されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】X.Guo et al.,“Fast, Energy-Efficient, Robust, and Reproducible Mixed-Signal Neuromorphic Classifier Based on Embedded NOR Flash Memory Technology” IEDM2017, pp.151-154.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
積和演算をデジタル回路で実行する場合、乗数となるデジタルデータ(乗数データ)と被乗数となるデジタルデータ(被乗数データ)の乗算をデジタル乗算回路にて実行し、当該乗算で得られたデジタルデータ(積データ)の加算をデジタル加算回路にて実行し、当積和演算の結果としてデジタルデータ(積和データ)を取得する。デジタル乗算回路、及びデジタル加算回路は、多ビットの演算を取り扱える仕様であることが好ましいが、この場合、デジタル乗算回路、及びデジタル加算回路のそれぞれの回路規模を大きくする必要があるため、回路面積が増大し、また、消費電力も大きくなる恐れがある。
【0008】
本発明の一態様は、積和演算が可能な半導体装置を提供することを課題の一とする。又は、本発明の一態様は、消費電力が低い半導体装置を提供することを課題の一とする。又は、本発明の一態様は、回路面積が低減された半導体装置を提供することを課題の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、アナログの電流信号によって設定される重み値と、入力値と、の積和演算を行う機能を有する半導体装置(人工ニューラルネットワーク)である。
【0010】
なお、入力値の書き込みにおいても、アナログの電流信号を用いることができる。
【0011】
本発明の一態様は、アナログの電流信号を用いてデータを入力する半導体装置(アナログメモリ)である。
【0012】
本発明の一態様は、デジタル信号をアナログの電流信号に変換する、電流出力型のデジタル・アナログ変換回路(電流出力型のDAC(Digital to Analog Converter))である。
【0013】
本発明の一態様は、ゲートにバイアス電位が入力されるトランジスタとスイッチとが直列に電気的に接続された第1の回路を有し、第1の回路が複数並列に電気的に接続された第2の回路を有する、デジタル・アナログ変換回路である。第2の回路を流れる電流の総和をアナログの電流信号として出力することができる。第1の回路において、スイッチのオン状態またはオフ状態は、デジタル信号の各ビットに対応する信号によって制御することができる。トランジスタのゲートには、トランジスタを流れる電流の電流値を設定するためのバイアス電位が入力される。各トランジスタを流れる電流の大きさは、デジタル信号の各ビットに対応する重みづけがされた電流値となるように設定することができる。
【0014】
本発明の一態様は、可変抵抗素子とスイッチとが直列に電気的に接続された第1の回路を有し、第1の回路が複数並列に電気的に接続された第2の回路を有する、デジタル・アナログ変換回路である。第2の回路を流れる電流の総和をアナログの電流信号として出力することができる。第1の回路において、スイッチのオン状態またはオフ状態は、デジタル信号の各ビットに対応する信号によって制御することができる。可変抵抗素子を流れる電流の大きさは、デジタル信号の各ビットに対応する重みづけがされた電流値となるように設定することができる。
【0015】
可変抵抗素子として、強誘電性を有する材料を用いた構成とすることができる。
【0016】
例えば、強誘電性を有する材料を用いた素子(強誘電体素子)を用いることができる。一例として、FTJ(強誘電体トンネル接合)素子を用いることができる。また一例として、強誘電性を有する材料をゲート絶縁層として含むトランジスタ(FeFET素子)を用いることができる。
【0017】
強誘電性を有する材料としては、ハフニウム及びジルコニウムの一方、又は双方を含む酸化物を用いた構成とすることができる。
【0018】
本発明の一態様は、強誘電体素子を可変抵抗素子として用いたデジタル・アナログ変換回路である。
【0019】
また、第2の回路の出力電流をカレントミラー回路の入力電流とし、カレントミラー回路の出力電流をアナログの電流信号として用いることができる。
【0020】
第2の回路の出力電流をカレントミラー回路の入力電流とし、電流値を増幅した出力電流をアナログの電流信号として用いることができる。カレントミラー回路における電流の増幅率は、デジタル信号に応じて複数段階に設定することができる。
【0021】
なお、本発明の一態様のデジタル・アナログ変換回路は、人工ニューラルネットワーク、又はアナログメモリに用いるものに限定されない。例えば、表示装置の映像信号入力等といった様々な用途に用いることが可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様によって、占有面積が低減された半導体装置を提供することができる。多ビットのデジタル信号に対応した半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様によって、消費電力が低減された半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様によって、動作速度が向上された半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様によって、新規な半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1(A)乃至
図1(C)は、DACの構成例を説明する図である。
【
図2】
図2(A)乃至
図2(C)は、DACの構成例を説明する図である。
【
図3】
図3は、人工ニューラルネットワークの演算回路の構成例を説明する図である。
【
図4】
図4は、人工ニューラルネットワークの演算回路の構成例を説明する図である。
【
図5】
図5は、人工ニューラルネットワークの演算回路の構成例を説明する図である。
【
図6】
図6は、実際に作製した演算回路の上面写真である。
【
図7】
図7は、実際に作製した演算回路に含まれるDACの構成を示す回路図である。
【
図8】
図8は、DACの入出力特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施の形態1)
本発明の一態様に係るDAC100について図面を用いて説明する。
【0025】
<DAC100の構成例>
図1(A)乃至
図1(C)にn(nは2以上の自然数)ビットのデジタル信号をアナログの電流信号に変換するDAC100の構成例を示す。
【0026】
図1(A)において、DAC100は、ゲートにバイアス電位が入力されるトランジスタ102-k(kは1以上n以下の自然数)とスイッチ101-kとが直列に電気的に接続された回路110-kを有し、回路110-1から回路110-nが並列に電気的に接続された回路120を有する構成とすることができる。なお、トランジスタ102-k、スイッチ101-k、及び回路110-kは、
図1(A)に図示されていない。回路120を流れる電流の総和(電流Iinに対応)をアナログの電流信号として出力することができる。
【0027】
なお、電流Iinは、電源電位V1が与えられる配線と、電源電位V1と電位差を有する電源電位V2が与えられる配線との間を流れる。例えば、電源電位V1は電源電位V2よりも低い電位とすることができる。
【0028】
回路110-kにおいて、スイッチ101-kのオン状態またはオフ状態は、デジタル信号の各ビットに対応する信号wd[k]によって制御することができる。信号wd[k]は、デジタルの電圧信号とすることができる。
【0029】
トランジスタ102-kのゲートには、トランジスタ102-kを流れる電流の電流値を設定するためのバイアス電位BIASが入力される。トランジスタ102-kを流れる電流の大きさは、デジタル信号の対応するビットに応じて重みづけがされた電流値となるように設定することができる。
【0030】
トランジスタ102-kを流れる電流の大きさを、デジタル信号の対応するビットに応じて重みづけがされた電流値となるように設定する場合、例えば、トランジスタ102-kのチャネル幅を、トランジスタ102-1の2k-1倍とすればよい。また、トランジスタ102-kを、トランジスタ102-1と構成が同じトランジスタを2k-1個並列に電気的に接続された構成としてもよい。
【0031】
回路120から出力される電流Iinをカレントミラー回路130の入力電流とし、カレントミラー回路130の出力電流Ioutをアナログの電流信号として出力する。
【0032】
なお、電流IinをDAC100の出力電流とすることも可能である。
【0033】
図1(B)は、
図1(A)においてカレントミラー回路130を複数のトランジスタを用いて構成した例である。接続関係は
図1(B)の回路図に示されたとおりである。なお、
図1(B)ではカレントミラー回路130をpチャネル型のトランジスタを用いて構成しているがこれに限定されない。nチャネル型のトランジスタを用いて構成してもよい。また、回路を構成するトランジスタの極性に応じて、電源電位V1と電源電位V2の大小関係を変更することができる。
【0034】
図1(C)に、
図1(B)とは別のカレントミラー回路130の構成例である。
図1(C)の構成では、カレントミラー回路130において、電流Iinに対して出力電流Ioutの増幅率を変更することができる。例えば、デジタル信号d1乃至dm(mは2以上の自然数)の制御により、出力電流Ioutの電流値を、電流Iinの電流値の0倍から2
m-1倍の電流値の中から選択して出力することができる。例えば、mが8のとき、0倍乃至255倍の電流値(255段階の電流値)から選択して出力することができる。
【0035】
この場合、デジタル信号d1が入力されるスイッチに流れる電流をIinとしたとき、デジタル信号dmが入力されるスイッチに流れる電流が2m-1×Iinとなるように、カレントミラー回路130内のトランジスタを設計すればよい。
【0036】
こうして、より多ビットのデジタル信号に対応した回路を提供することができる。
【0037】
本実施の形態は、本明細書などに示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0038】
(実施の形態2)
本発明の一態様に係るDAC100について図面を用いて説明する。
【0039】
<DAC100の構成例>
図2(A)乃至
図2(C)にn(nは2以上の自然数)ビットのデジタル信号をアナログの電流信号に変換するDAC100の別の構成例を示す。なお、
図1(A)乃至
図1(C)と同じ部分は同じ構成を示し、説明は省略する。
【0040】
図2(A)において、DAC100は、可変抵抗素子202-k(kは1以上n以下の自然数)とスイッチ101-kとが直列に電気的に接続された回路110-kを有する。なお、可変抵抗素子202-kは、
図2(A)に図示されていない。
【0041】
可変抵抗素子202-kを流れる電流の大きさは、デジタル信号の対応するビットに応じて重みづけがされた電流値となるように設定することができる。
【0042】
図2(B)は、
図2(A)においてカレントミラー回路130を複数のトランジスタを用いて構成した例である。なお、
図2(B)のカレントミラー回路130については、実施の形態1の
図1(B)の説明を参酌する。
【0043】
図2(C)に、
図2(B)とは別のカレントミラー回路130の構成例である。なお、
図2(C)のカレントミラー回路130については、実施の形態1の
図1(C)の説明を参酌する。
【0044】
可変抵抗素子202-kとして、強誘電性を有する材料を用いた素子(強誘電体素子)を用いることができる。一例として、FTJ(強誘電体トンネル接合)素子を用いることができる。また一例として、強誘電性を有する材料をトランジスタのゲート絶縁層として有する、FeFET素子を用いることができる。
【0045】
強誘電性を有しうる材料としては、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウムハフニウム(HfZrOX(Xは0よりも大きい実数とする)と記載する場合がある)、酸化ハフニウムに元素J1(ここでの元素J1は、ジルコニウム(Zr)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)など。)を添加した材料、酸化ジルコニウムに元素J2(ここでの元素J2は、ハフニウム(Hf)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)など。)を添加した材料、などが挙げられる。また、強誘電性を有しうる材料として、チタン酸鉛(PbTiOXと記載する場合がある)、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、タンタル酸ビスマス酸ストロンチウム(SBT)、ビスマスフェライト(BFO)、チタン酸バリウム、などのペロブスカイト構造を有する圧電性セラミックを用いてもよい。また、強誘電性を有しうる材料としては、例えば、上記に列挙した材料から選ばれた複数の材料からなる混合物または化合物を用いることができる。ところで、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウムハフニウム、および酸化ハフニウムに元素J1を添加した材料などは、成膜条件だけでなく、各種プロセスなどによっても結晶構造(特性)が変わり得るため、本明細書等では強誘電性を発現する材料のみを強誘電体と呼ぶのではなく、強誘電性を有しうる材料と呼んでいる。
【0046】
中でも強誘電性を有しうる材料として、酸化ハフニウム、あるいは酸化ハフニウムおよび酸化ジルコニウムを有する材料は、数nmといった薄膜に加工しても強誘電性を有しうることができるため、好ましい。なお、本明細書等において、強誘電性を有しうる材料を層状にしたものを指して、強誘電体層または金属酸化物膜と呼ぶ場合がある。
【0047】
また、強誘電性を有しうる材料として酸化ハフニウムジルコニウムを用いる場合、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法、特に熱ALD法を用いて成膜することが好ましい。また、熱ALD法を用いて、強誘電性を有しうる材料を成膜する場合、プリカーサとして炭化水素(Hydro Carbon、HCともいう)を含まない材料を用いると好適である。強誘電性を有しうる材料中に、水素、及び炭素のいずれか一方または双方が含まれる場合、強誘電性を有しうる材料の結晶化を阻害する場合がある。このため、上記のように、炭化水素を含まないプリカーサを用いることで、強誘電性を有しうる材料中の、水素、及び炭素のいずれか一方または双方の濃度を低減することが好ましい。例えば、炭化水素を含まないプリカーサとしては、塩素系材料があげられる。なお、強誘電性を有しうる材料として、酸化ハフニウムおよび酸化ジルコニウムを有する材料(酸化ハフニウムジルコニウム)を用いる場合、プリカーサとしては、HfCl4、及び/またはZrCl4を用いればよい。
【0048】
なお、強誘電性を有しうる材料を用いた膜を成膜する場合、膜中の不純物、ここでは水素、炭化水素、及び炭素の少なくとも一以上を徹底的に排除することで、高純度真性な強誘電性を有する膜を形成することができる。なお、高純度真性な強誘電性を有する膜と、後述する実施の形態に示す高純度真性な酸化物半導体とは、製造プロセスの整合性が非常に高い。よって、生産性が高い半導体装置の作製方法を提供することができる。
【0049】
また、強誘電性を有しうる材料として酸化ハフニウムジルコニウムを用いる場合、熱ALD法を用いて酸化ハフニウムと酸化ジルコニウムとを1:1の組成になるように交互に成膜すると好ましい。
【0050】
また、熱ALD法を用いて、強誘電性を有しうる材料を成膜する場合、酸化剤はH2OまたはO3を用いることができる。ただし、熱ALD法の酸化剤としては、これに限定されない。例えば、熱ALD法の酸化剤としては、O2、O3、N2O、NO2、H2O、及びH2O2の中から選ばれるいずれか一または複数を含んでもよい。
【0051】
また、強誘電性を有しうる材料の結晶構造は、特に限定されない。例えば、強誘電性を有しうる材料の結晶構造としては、立方晶系、正方晶系、直方晶系、及び単斜晶系の中から選ばれるいずれか一または複数とすればよい。特に強誘電性を有しうる材料としては、直方晶系の結晶構造を有すると、強誘電性が発現するため好ましい。または、強誘電性を有しうる材料として、アモルファス構造と、結晶構造とを有する複合構造としてもよい。
【0052】
本実施の形態は、本明細書などに示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0053】
(実施の形態3)
本発明の一態様に係る半導体装置は、例えば、人工ニューラルネットワークの演算回路に用いることができる。
【0054】
図3に示す演算回路350は、一例として、アレイ部ALPと、回路ILDと、回路WLDと、回路XLDと、回路AFPと、回路TW[1]乃至回路TW[n](ここでのnは1以上の整数とする)と、を有する。
【0055】
回路ILDと回路AFPは、回路TW[1]乃至回路TW[n]を介して、配線OL[1]乃至配線OL[n]と、配線OLB[1]乃至配線OLB[n]と、に電気的に接続される。
【0056】
回路TW[1]乃至回路TW[n]は切り替え回路として機能する。回路TW[1]乃至回路TW[n]それぞれにおいて、配線OL[1]乃至配線OL[n]及び配線OLB[1]乃至配線OLB[n]の出力信号を回路AFPへ入力する場合と、回路ILDの出力信号を配線OL[1]乃至配線OL[n]及び配線OLB[1]乃至配線OLB[n]へ入力する場合とを切り替えることができる。
【0057】
回路WLDは、配線WL[1]乃至配線WL[m](mは1以上の整数とする)と、配線WX1L[1]乃至配線WX1L[m]に電気的に接続される。回路XLDは、配線WX1L[1]乃至配線WX1L[m]に電気的に接続されている。
【0058】
図3に示す演算回路350は、アレイ部ALPがm×n個のマトリクス状に配置された回路MPを有している。なお、
図3では、i行j列(ここでのiは1以上m以下の整数であって、jは1以上n以下の整数である。)に位置する回路MPを、回路MP[i,j]と表記している。但し、
図3では、回路MP[1,1]、回路MP[1,m]、回路MP[i,j]、回路MP[n,1]、回路MP[n,m]のみ図示しており、それ以外の回路MPについては図示を省略している。
【0059】
回路MP[i,j]は、配線WL[i]と、配線WXL1[i]と、配線OL[j]と、配線OLB[j]と、に電気的に接続されている。
【0060】
回路MP[i,j]は、一例として、重み係数(第1データともいう。)を保持する機能を有する。重み係数は、重み値ともいう場合がある。具体的には、回路MP[i,j]は、配線OL[j]および配線OLB[j]から入力される、重み係数に応じた情報の保持を行う。
【0061】
回路ILDは、配線OL[1]乃至配線OL[n]と、配線OLB[1]乃至配線OLB[n]とに、重み係数である第1データに対応する情報を出力する機能を有する。
【0062】
重み係数に対応する情報としては、例えば、電位、抵抗値、又は電流値を用いることができる。重み係数に対応する情報として電流値を用いる場合、実施の形態1、及び実施の形態2で説明した構成のDACを用いて入力する電流を生成することができる。つまり、回路ILDとして、実施の形態1、及び実施の形態2で説明した構成のDACを用いることができる。
【0063】
また、回路MP[i,j]は、配線WX1L[i]から入力される入力値(第2データともいう。)と重み係数(第1データ)との積を出力する機能を有する。具体的な例としては、回路MP[i,j]は、WX1L[i]から第2データが入力されることで、第1データと第2データとの積に応じた電流を配線OL[j]および配線OLB[j]に出力する。なお、
図3では、配線OL[j]および配線OLB[j]が配置されている場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。配線OL[j]および配線OLB[j]のいずれか一方のみが配置されていてもよい。
【0064】
回路XLDは、配線WXLS[1]乃至配線WXLS[m]に入力値である第2データを供給する機能を有する。
【0065】
入力値に対応する情報は、例えば、電位、電流値などとすることができる。入力値に対応する情報として電流値を用いる場合、実施の形態1、及び実施の形態2で説明した構成のDACを用いて入力する電流を生成することができる。つまり、回路XLDとして、実施の形態1、及び実施の形態2で説明した構成のDACを用いることができる。
【0066】
回路MP[1,j]乃至回路MP[m,j]から出力された第1データと第2データとの積に応じた電流が足しあわされて配線OL[j]および配線OLB[j]に出力される。こうして、演算回路は、重み係数と入力値の積和演算を行うことができる。
【0067】
また、回路XLD及び回路WLDは、回路ILDから入力される第1データに応じた情報の書き込む先となる回路MPを選択する機能を有する。例えば、アレイ部ALPのi行目に位置する回路MP[i,1]乃至回路MP[i,n]に情報の書き込みを行う場合、回路XLDは、例えば、回路MP[i,1]乃至回路MP[i,n]に含まれる書き込み用スイッチング素子1をオン状態またはオフ状態にするための信号を配線WXLS[i]に供給し、i行目以外の回路MPに含まれる書き込み用スイッチング素子1をオフ状態にする電位を配線WXLSに供給する。また、回路WLDは、例えば、回路MP[i,1]乃至回路MP[i,n]に含まれる書き込み用スイッチング素子2をオン状態またはオフ状態にするための信号を配線WLS[i]に供給し、i行目以外の回路MPに含まれる書き込み用スイッチング素子2をオフ状態にする電位を配線WLSに供給する。
【0068】
回路AFPは、回路ACTF[1]乃至回路ACTF[n]を有する。回路ACTF[j]は、切り替え機能を有する回路TW[j]を介して配線OL[j]と、配線OLB[j]と、のそれぞれに電気的に接続されている。回路ACTF[j]は、配線OL[j]と配線OLB[j]から入力される積和演算の結果に対応した情報(例えば、電位、電流値など)に応じた信号を生成し、z1
(k)乃至zn
(k)として出力することができる。回路AFPは、配線OL[j]と配線OLB[j]から入力される積和演算の結果に対応した情報(例えば、電位、電流値など)を比較し、その比較結果に応じた信号を生成し、z1
(k)乃至zn
(k)として出力することができる。
【0069】
<回路MP>
回路MP[i,j]に適用できる回路構成例を
図4に示す。トランジスタM1乃至M3と、容量C1と、を有する。なお、例えば、トランジスタM2と、容量C1とによって、保持部HCが構成されている。
【0070】
図4の回路MPにおいて、回路MCrは、回路MCとほぼ同様の回路構成となっている。そのため、回路MCrの有する回路素子などには、回路MCの有する回路素子などと区別をするため、符号に「r」を付している。
【0071】
図4に図示しているトランジスタM1乃至トランジスタM3は、一例としては、チャネルの上下にゲートを有するマルチゲート構造のnチャネル型トランジスタとしており、トランジスタM1乃至トランジスタM3のそれぞれは第1ゲートと第2ゲートとを有する。
【0072】
また、本発明の一態様の半導体装置は、トランジスタのバックゲートの接続構成に依らない。
図4に図示されているトランジスタM1乃至トランジスタM3には、バックゲートが図示され、当該バックゲートの接続構成については図示されていないが、当該バックゲートの電気的な接続先は、設計の段階で決めることができる。例えば、バックゲートを有するトランジスタにおいて、そのトランジスタのオン電流を高めるために、ゲートとバックゲートとを電気的に接続してもよい。つまり、例えば、トランジスタM2のゲートとバックゲートとを電気的に接続してもよい。また、例えば、バックゲートを有するトランジスタにおいて、そのトランジスタのしきい値電圧を変動させるため、または、そのトランジスタのオフ電流を小さくするために、外部回路などと電気的に接続されている配線を設けて、当該外部回路などによってトランジスタのバックゲートに電位を与えてもよい。なお、これについては、
図4だけでなく、明細書の他の箇所に記載されているトランジスタ、又は他の図面に図示されているトランジスタについても同様である。
【0073】
また、本発明の一態様の半導体装置は、当該半導体装置に含まれるトランジスタの構造に依らない。シングルゲート構造のトランジスタとしてもよい。また、一部のトランジスタはバックゲートを有している構成であり、別の一部のトランジスタは、バックゲートを有さない構成であってもよい。なお、これについては、
図4に示す回路図だけでなく、明細書の他の箇所に記載されているトランジスタ、又は他の図面に図示されているトランジスタについても同様である。
【0074】
また、本明細書等において、トランジスタとして、様々な構造のトランジスタを用いることが出来る。よって、用いるトランジスタの種類に限定はない。トランジスタの一例としては、単結晶シリコンを有するトランジスタ、または、非晶質シリコン、多結晶シリコン、微結晶(マイクロクリスタル、ナノクリスタル、セミアモルファスとも言う)シリコンなどに代表される非単結晶半導体膜を有するトランジスタなどを用いることが出来る。または、それらの半導体を薄膜化した薄膜トランジスタ(TFT)などを用いることが出来る。TFTを用いる場合、様々なメリットがある。例えば、単結晶シリコンの場合よりも低い温度で製造できるため、製造コストの削減、又は製造装置の大型化を図ることができる。
【0075】
なお、トランジスタの一例としては、化合物半導体(例えば、SiGe、GaAsなど)、又は酸化物半導体(例えば、Zn-O、In-Ga-Zn-O、In-Zn-O、In-Sn-O(ITO)、Sn-O、Ti-O、Al-Zn-Sn-O(AZTO)、In-Sn-Zn-Oなど)などを有するトランジスタを用いることが出来る。または、これらの化合物半導体、又は、これらの酸化物半導体を薄膜化した薄膜トランジスタなどを用いることが出来る。これらの化合物半導体又は酸化物半導体を、トランジスタのチャネル部分に用いるだけでなく、それ以外の用途で用いることも出来る。例えば、これらの化合物半導体又は酸化物半導体を配線、抵抗素子、画素電極、又は透光性を有する電極などとして用いることができる。それらをトランジスタと同時に成膜又は形成することが可能なため、コストを低減できる。
【0076】
なお、トランジスタの一例としては、インクジェット法又は印刷法を用いて形成したトランジスタなどを用いることが出来る。これらにより、室温で製造、低真空度で製造、又は大型基板上に製造することができる。よって、マスク(レチクル)を用いなくても製造することが可能となるため、トランジスタのレイアウトを容易に変更することが出来る。または、レジストを用いらずに製造することが可能なので、材料費が安くなり、工程数を削減できる。または、必要な部分にのみ膜を付けることが可能なので、全面に成膜した後でエッチングする、という製法よりも、材料が無駄にならず、低コストにできる。
【0077】
なお、トランジスタの一例としては、有機半導体、又はカーボンナノチューブを有するトランジスタ等を用いることができる。これらにより、曲げることが可能な基板上にトランジスタを形成することができる。有機半導体、又はカーボンナノチューブを有するトランジスタを用いた装置は、衝撃に強くすることができる。
【0078】
図4の回路MPにおいて、トランジスタM1の第1端子は、配線VEに電気的に接続されている。トランジスタM1の第2端子は、トランジスタM3の第1端子に電気的に接続されている。トランジスタM1のゲートは、容量C1の第1端子と、トランジスタM2の第1端子と、に電気的に接続されている。容量C1の第2端子は、配線VEに電気的に接続されている。トランジスタM2の第2端子は、配線OLに電気的に接続されている。トランジスタM2のゲートは配線WLに電気的に接続されている。トランジスタM3の第2端子は配線OLに電気的に接続され、トランジスタM3のゲートは、配線WX1Lに電気的に接続されている。
【0079】
回路MCrにおいて、回路MCと異なる接続構成について説明する。トランジスタM3rの第2端子は、配線OLでなく、配線OLBに電気的に接続されている。トランジスタM1rの第1端子と、容量C1rの第1端子と、は、配線VErに電気的に接続されている。
【0080】
なお、
図4に示す保持部HCにおいて、トランジスタM1のゲートと、容量C1の第1端子と、トランジスタM2の第1端子と、の電気的接続点をノードn1としている。
【0081】
保持部HCは、重み係数(第1データ)に応じた電位を保持する機能を有する。
図4の回路MCに含まれている保持部HCへの当該電位の保持は、トランジスタM2、及びトランジスタM3をオン状態としたときに、配線OLから所定の電流値の電流を入力して、容量C1に書き込み、その後にトランジスタM2をオフ状態にすることで行うことができる。これによって、ノードn1の電位を、重み係数(第1データ)に応じた電位として保持することができる。このとき、配線OLから電流を入力し、その電流の大きさに応じた大きさの電位を容量C1に保持することができる。そのため、第1データの入力において、トランジスタM1の電流特性(しきい値電圧等)のばらつきの影響を低減することができる。
【0082】
配線OLに入力する電流を、実施の形態1、又は実施の形態2で説明した構成のDACを用いて入生成することができる。
【0083】
また、トランジスタM1は、ノードn1の電位を長時間保持するため、オフ電流が少ないトランジスタを適用するのが好ましい。オフ電流が少ないトランジスタとしては、例えば、OSトランジスタを用いることができる。また、トランジスタM1として、バックゲートを有するトランジスタを適用し、バックゲートに低レベル電位を印加して、閾値電圧をプラス側にシフトさせて、オフ電流を小さくする構成としてもよい。
【0084】
こうして信頼性の高い演算回路が提供される。
【0085】
本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することが可能ある。
【0086】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置である、積和演算が可能な回路の別の一例について説明する。
【0087】
図5は、正、又は“0”の第1データと、正、又は“0”の第2データと、の積和演算を行う演算回路の構成例を示している。
図5に示す演算回路MAC1は、各セルに保持した電位に応じた第1データと、入力された第2データと、の積和演算を行い、かつ当該積和演算の結果を用いて活性化関数の演算を行う回路である。なお、第1データ、及び第2データは、一例としては、アナログデータ、又は多値のデータ(離散的なデータ)とすることができる。
【0088】
本演算回路は、第1データを保持するメモリとしての機能も有するため、メモリと呼ぶこともできる。特に、第1データとしてアナログデータを用いる場合、アナログメモリと呼ぶことができる。
【0089】
演算回路MAC1は、回路WCSと、回路XCSと、回路WSDと、回路SWS1と、回路SWS2と、セルアレイCAと、変換回路ITRZ[1]乃至変換回路ITRZ[n]と、を有する。
【0090】
セルアレイCAは、セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n](ここでのmは1以上の整数であり、また、ここでのnは1以上の整数である。)と、セルIMref[1]乃至セルIMref[m]と、を有する。セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]のそれぞれは、第1データに応じた電流量に相当する電位を保持する機能を有し、セルIMref[1]乃至セルIMref[m]は、保持した電位と積和演算を行うために必要になる第2データに応じた電位を信号線XCL[1]乃至信号線XCL[m]に供給する機能を有する。
【0091】
なお、
図5のセルアレイCAは、セルが行方向にn+1個、列方向にm個、マトリクス状に配置されているが、セルアレイCAは、セルが行方向に2個以上、列方向に1個以上、マトリクス状に配置されている構成としてもよい。
【0092】
セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]のそれぞれは、一例として、トランジスタF1と、トランジスタF2と、容量C5と、を有し、セルIMref[1]乃至セルIMref[m]のそれぞれは、一例として、トランジスタF1mと、トランジスタF2mと、容量C5mと、を有する。
【0093】
特に、セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]のそれぞれに含まれているトランジスタF1のサイズ(例えば、チャネル長、チャネル幅、及びトランジスタの構成)は互いに等しいことが好ましく、また、セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]のそれぞれに含まれているトランジスタF2のサイズは互いに等しいことが好ましい。また、セルIMref[1]乃至セルIMref[m]のそれぞれに含まれているトランジスタF1mのサイズは互いに等しいことが好ましく、セルIMref[1]乃至セルIMref[m]のそれぞれに含まれているトランジスタF2mのサイズは互いに等しいことが好ましい。また、トランジスタF1とトランジスタF1mのサイズは互いに等しいことが好ましく、トランジスタF2とトランジスタF2mのサイズは互いに等しいことが好ましい。
【0094】
なお、トランジスタF1及びトランジスタF1mは、特に断りの無い場合は、オン状態の場合は最終的に線形領域で動作する場合を含むものとする。すなわち、上述したそれぞれのトランジスタのゲート電圧、ソース電圧、及びドレイン電圧は、線形領域で動作する範囲での電圧に適切にバイアスされている場合を含むものとする。ただし、本発明の一態様は、これに限定されない。例えば、トランジスタF1、トランジスタF1mは、オン状態のときは飽和領域で動作してもよく、また、線形領域で動作する場合と飽和領域で動作する場合とが混在してもよい。
【0095】
また、トランジスタF2及びトランジスタF2mは、特に断りの無い場合は、サブスレッショルド領域で動作する場合(つまり、トランジスタF2又はトランジスタF2mにおいて、ゲート-ソース間電圧がしきい値電圧よりも低い場合、より好ましくは、ドレイン電流がゲート-ソース間電圧に対して指数関数的に増大する場合)を含むものとする。すなわち、上述したそれぞれのトランジスタのゲート電圧、ソース電圧、及びドレイン電圧は、サブスレッショルド領域で動作する範囲での電圧に適切にバイアスされている場合を含むものとする。このため、トランジスタF2及びトランジスタF2mは、ソース-ドレイン間にオフ電流が流れるように動作する場合を含む。
【0096】
また、トランジスタF1、及び/又はトランジスタF1mは、一例として、OSトランジスタであることが好ましい。加えて、トランジスタF1、及び/又はトランジスタF1mのチャネル形成領域は、インジウム、元素M(元素Mとしては、例えば、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種などが挙げられる。)、亜鉛の少なくとも一を含む酸化物であることがより好ましい。
【0097】
トランジスタF1、及び/又はトランジスタF1mとして、OSトランジスタを用いることにより、トランジスタF1、及び/又はトランジスタF1mのリーク電流を抑えることができるため、演算回路の消費電力を低減することができる。具体的には、トランジスタF1、及び/又はトランジスタF1mが非導通状態における、保持ノードから書き込みワード線へのリーク電流を非常に小さくすることができるため、保持ノードの電位のリフレッシュ動作を少なくすることができるため、積和演算回路の消費電力を低減することができる。また、保持ノードから書き込みワード線へのリーク電流を非常に小さくすることによって、セルは保持ノードの電位を長い時間保持できるため、演算回路の演算精度を高くすることができる。
【0098】
また、トランジスタF2、及び/又はトランジスタF2mに対しても、OSトランジスタを用いることにより、サブスレッショルド領域の広い電流範囲で動作させることができるため、消費電流を低減することができる。また、トランジスタF2、及び/又はトランジスタF2mに対しても、OSトランジスタを用いることで、トランジスタF1、トランジスタF1mと同時に作製することができるため、積和演算回路の作製工程を短縮することができる場合がある。また、トランジスタF2、及び/又はトランジスタF2mは、OSトランジスタ以外としては、チャネル形成領域にシリコンを含むトランジスタ(以下、Siトランジスタと呼称する)とすることができる。シリコンとしては、例えば、非晶質シリコン(水素化アモルファスシリコンと呼ぶ場合がある)、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどを用いることができる。
【0099】
ところで、半導体装置などをチップなどに高集積化した場合、当該チップには、回路の駆動による熱が発生する場合がある。この発熱により、トランジスタの温度が上がることで、当該トランジスタの特性が変化して、電界効果移動度の変化、又は動作周波数の低下が起こることがある。OSトランジスタは、Siトランジスタよりも熱耐性が高いため、温度変化による電界効果移動度が変化しにくく、また動作周波数の低下も起こりにくい。さらに、OSトランジスタは、温度が高くなっても、ドレイン電流がゲート-ソース間電圧に対して指数関数的に増大する特性を維持しやすい。そのため、OSトランジスタを用いることにより、高い温度環境下でも、後述する積和演算を実施しやすい。そのため、駆動による発熱に強い半導体装置を構成する場合、トランジスタとしては、OSトランジスタを適用するのが好ましい。
【0100】
セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]のそれぞれにおいて、トランジスタF1の第1端子は、トランジスタF2のゲートと電気的に接続されている。トランジスタF2の第1端子は、配線VEと電気的に接続されている。容量C5の第1端子は、トランジスタF2のゲートと電気的に接続されている。
【0101】
また、セルIMref[1]乃至セルIMref[m]のそれぞれにおいて、トランジスタF1mの第1端子は、トランジスタF2mのゲートと電気的に接続されている。トランジスタF2mの第1端子は、配線VEと電気的に接続されている。容量C5mの第1端子は、トランジスタF2mのゲートと電気的に接続されている。
【0102】
また、本発明の一態様の半導体装置は、当該半導体装置に含まれるトランジスタの極性に依らない。例えば、
図5に図示しているトランジスタF1、及びトランジスタF2はnチャネル型トランジスタとしているが、一部、又は全部のトランジスタをpチャネル型トランジスタに置き換えてもよい。
【0103】
なお、上記のトランジスタの構造、極性に関する変更例は、トランジスタF1、及びトランジスタF2だけに限定されない。例えば、トランジスタF1m、トランジスタF2m、後述するトランジスタF3[1]乃至トランジスタF3[n]、トランジスタF4[1]乃至トランジスタF4[n]、更に、明細書の他の箇所に記載されているトランジスタ、又は他の図面に図示されているトランジスタについても同様である。
【0104】
配線VEは、セルIM[1,1]、セルIM[m,1]、セルIM[1,n]、及びセルIM[m,n]のそれぞれのトランジスタF2の第1端子-第2端子間に電流を流すための配線であって、また、セルIMref[1]、及びセルIMref[m]のそれぞれのトランジスタF2の第1端子-第2端子間に電流を流すための配線として機能する。一例としては、配線VEは、定電圧を供給する配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、低レベル電位、接地電位などとすることができる。
【0105】
セルIM[1,1]において、トランジスタF1の第2端子は、配線WCL[1]と電気的に接続され、トランジスタF1のゲートは、配線WSL[1]と電気的に接続されている。トランジスタF2の第2端子は、配線WCL[1]と電気的に接続され、容量C5の第2端子は、配線XCL[1]と電気的に接続されている。なお、
図5では、セルIM[1,1]において、トランジスタF1の第1端子と、トランジスタF2のゲートと、容量C5の第1端子と、の接続箇所をノードNN[1,1]としている。
【0106】
セルIM[m,1]において、トランジスタF1の第2端子は、配線WCL[1]と電気的に接続され、トランジスタF1のゲートは、配線WSL[m]と電気的に接続されている。トランジスタF2の第2端子は、配線WCL[1]と電気的に接続され、容量C5の第2端子は、配線XCL[m]と電気的に接続されている。なお、
図5では、セルIM[m,1]において、トランジスタF1の第1端子と、トランジスタF2のゲートと、容量C5の第1端子と、の接続箇所をノードNN[m,1]としている。
【0107】
セルIM[1,n]において、トランジスタF1の第2端子は、配線WCL[n]と電気的に接続され、トランジスタF1のゲートは、配線WSL[1]と電気的に接続されている。トランジスタF2の第2端子は、配線WCL[n]と電気的に接続され、容量C5の第2端子は、配線XCL[1]と電気的に接続されている。なお、
図5では、セルIM[1,n]において、トランジスタF1の第1端子と、トランジスタF2のゲートと、容量C5の第1端子と、の接続箇所をノードNN[1,n]としている。
【0108】
セルIM[m,n]において、トランジスタF1の第2端子は、配線WCL[n]と電気的に接続され、トランジスタF1のゲートは、配線WSL[m]と電気的に接続されている。トランジスタF2の第2端子は、配線WCL[n]と電気的に接続され、容量C5の第2端子は、配線XCL[m]と電気的に接続されている。なお、
図5では、セルIM[m,n]において、トランジスタF1の第1端子と、トランジスタF2のゲートと、容量C5の第1端子と、の接続箇所をノードNN[m,n]としている。
【0109】
セルIMref[1]において、トランジスタF1mの第2端子は、配線XCL[1]と電気的に接続され、トランジスタF1mのゲートは、配線WSL[1]と電気的に接続されている。トランジスタF2mの第2端子は、配線XCL[1]と電気的に接続され、容量C5の第2端子は、配線XCL[1]と電気的に接続されている。なお、
図5では、セルIMref[1]において、トランジスタF1mの第1端子と、トランジスタF2mのゲートと、容量C5の第1端子と、の接続箇所をノードNNref[1]としている。
【0110】
セルIMref[m]において、トランジスタF1mの第2端子は、配線XCL[m]と電気的に接続され、トランジスタF1mのゲートは、配線WSL[m]と電気的に接続されている。トランジスタF2mの第2端子は、配線XCL[m]と電気的に接続され、容量C5の第2端子は、配線XCL[m]と電気的に接続されている。なお、
図5では、セルIMref[m]において、トランジスタF1mの第1端子と、トランジスタF2mのゲートと、容量C5の第1端子と、の接続箇所をノードNNref[m]としている。
【0111】
上述したノードNN[1,1]、ノードNN[m,1]、ノードNN[1,n]、ノードNN[m,n]、ノードNNref[1]、及びノードNMref[m]は、それぞれのセルの保持ノードとして機能する。
【0112】
セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]において、例えば、トランジスタF1がオン状態となっているとき、トランジスタF2はダイオード接続の構成となる。配線VEが与える定電圧を接地電位(GND)として、トランジスタF1がオン状態で、かつ配線WCLからトランジスタF2の第2端子に電流量Iの電流が流れた時、トランジスタF2のゲート(ノードNN)の電位は、電流量Iに応じて決まる。なお、トランジスタF2の第2端子の電位は、トランジスタF1がオン状態であるため、理想的には、トランジスタF2のゲート(ノードNN)と等しくなる。ここで、トランジスタF1をオフ状態にすることによって、トランジスタF2のゲート(ノードNN)の電位は保持される。これにより、トランジスタF2は、トランジスタF2の第1端子の接地電位と、トランジスタF2のゲート(ノードNN)の電位に応じた電流量Iの電流をトランジスタF2のソース-ドレイン間に流すことができる。本明細書等では、このような動作を「トランジスタF2は、トランジスタF2のソース-ドレイン間に流れる電流量をIにプログラミングされた」などと呼称する。
【0113】
回路SWS1は、一例として、トランジスタF3[1]乃至トランジスタF3[n]を有する。トランジスタF3[1]の第1端子は、配線WCL[1]に電気的に接続され、トランジスタF3[1]の第2端子は、回路WCSに電気的に接続され、トランジスタF3[1]のゲートは、配線SWL1に電気的に接続されている。トランジスタF3[n]の第1端子は、配線WCL[n]に電気的に接続され、トランジスタF3[n]の第2端子は、回路WCSに電気的に接続され、トランジスタF3[n]のゲートは、配線SWL1に電気的に接続されている。
【0114】
トランジスタF3[1]乃至トランジスタF3[n]は、例えば、トランジスタF1、及び/又はトランジスタF2に適用できるOSトランジスタであることが好ましい。
【0115】
回路SWS1は、回路WCSと、配線WCL[1]乃至配線WCL[n]のそれぞれと、の間を、導通状態又は非導通状態にする回路として機能する。
【0116】
回路SWS2は、一例として、トランジスタF4[1]乃至トランジスタF4[n]を有する。トランジスタF4[1]の第1端子は、配線WCL[1]に電気的に接続され、トランジスタF4[1]の第2端子は、変換回路ITRZ[1]の入力端子に電気的に接続され、トランジスタF4[1]のゲートは、配線SWL2に電気的に接続されている。トランジスタF4[n]の第1端子は、配線WCL[n]に電気的に接続され、トランジスタF4[n]の第2端子は、変換回路ITRZ[n]の入力端子に電気的に接続され、トランジスタF4[n]のゲートは、配線SWL2に電気的に接続されている。
【0117】
トランジスタF4[1]乃至トランジスタF4[n]は、例えば、トランジスタF1、及び/又はトランジスタF2に適用できるOSトランジスタであることが好ましい。
【0118】
回路SWS2は、配線WCL[1]と変換回路ITRZ[1]との間、及び配線WCL[n]と変換回路ITRZ[n]との間を、導通状態又は非導通状態にする回路として機能する。
【0119】
回路WCSは、セルアレイCAが有するそれぞれのセルに格納するためのデータを供給する機能を有する。
【0120】
回路XCSは、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に電気的に接続されている。回路XCSは、セルアレイCAが有するセルIMref[1]乃至セルIMref[m]のそれぞれに対して、参照データに応じた電流、又は第2データに応じた電流を流す機能を有する。
【0121】
回路WSDは、配線WSL[1]乃至配線WSL[m]に電気的に接続されている。回路WSDは、セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]に第1データを書き込む際に、配線WSL[1]乃至配線WSL[m]に所定の信号を供給することによって、第1データの書き込み先となるセルアレイCAの行を選択する機能を有する。
【0122】
また、回路WSDは、一例として、配線SWL1と、配線SWL2と、に電気的に接続されている。回路WSDは、配線SWL1に所定の信号を供給することによって、回路WCSとセルアレイCAとの間を導通状態又は非導通状態にする機能と、配線SWL2に所定の信号を供給することによって、変換回路ITRZ[1]乃至変換回路ITRZ[m]とセルアレイCAとの間を導通状態又は非導通状態にする機能と、を有する。
【0123】
変換回路ITRZ[1]乃至変換回路ITRZ[m]のそれぞれは、一例として、入力端子と、出力端子と、を有する。例えば、変換回路ITRZ[1]の出力端子は、配線OL[1]に電気的に接続され、変換回路ITRZ[n]の出力端子は、配線OL[n]に電気的に接続されている。
【0124】
変換回路ITRZ[1]乃至変換回路ITRZ[m]のそれぞれは、入力端子に入力された電流に応じた電圧に変換して、出力端子から出力する機能を有する。当該電圧としては、例えば、アナログ電圧、デジタル電圧などとすることができる。また、変換回路ITRZ[1]乃至変換回路ITRZ[m]のそれぞれは、関数系の演算回路を有してもよい。この場合、例えば、変換された電圧を用いて、当該演算回路によって関数の演算を行って、演算の結果を配線OL[1]乃至配線OL[n]に出力してもよい。
【0125】
特に、階層型の人工ニューラルネットワークの演算を行う場合、上述した関数としては、例えば、シグモイド関数、tanh関数、ソフトマックス関数、ReLU関数、しきい値関数などを用いることができる。
【0126】
図5に記載の回路WCSとして、実施の形態1、又は実施の形態2に記載したDACを用いることができる。また、
図5に記載のXCSとして、実施の形態1、又は実施の形態2に記載したDACを用いることができる。
【0127】
本実施の形態は、本明細書などに示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0128】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置を有する電子機器の一例について説明する。
【0129】
様々な電子機器において、例えば、音響情報、撮像情報、照度情報、温度情報などの様々なデジタル情報をアナログ情報に変換するDA変換が行われる場合がある。電子機器に本発明の一態様に係る半導体装置を用いることで、消費電力の増大を抑えたDA変換を行うことができる。すなわち、電子機器に本発明の一態様に係る半導体装置を用いることで、消費電力を低減できる。また、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることで、精度の高いDA変換が実現できる。また、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることで、高速なDA変換が実現できる。
【0130】
本実施の形態は、本明細書などに示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【実施例1】
【0131】
本明細書等で説明したDACを搭載した演算回路を実際に試作して、当該DACの動作確認を行った。本実施例では、実際に試作したDACと、動作確認の結果と、について説明する。
【0132】
図6は、実際に作製した演算回路を含むダイ(チップ)の上面写真である。なお、ダイの1辺は4mmである。
図6に示すダイは、シリコンを材料とする半導体基板上にSiトランジスタが形成され、その上方にOSトランジスタが形成された構成となっている。具体的には、当該半導体基板上には、Siトランジスタのプロセスによって、後述する回路WD、回路XD、回路RD、及び回路GDが形成され、OSトランジスタのプロセスによって、後述する回路MCAが形成されている。
【0133】
回路WDは、実施の形態4で説明した回路WCSに相当し、回路XDは、実施の形態4で説明した回路XCSに相当し、回路GDは、実施の形態4で説明した回路WSDに相当し、回路RDは、実施の形態4で説明した変換回路ITRZ[1]乃至変換回路ITRZ[n]に相当する。また、回路MCAは、実施の形態4で説明したセルアレイCAに相当する。
【0134】
特に、DACは、回路WDと、回路XDと、のそれぞれに含まれている。
【0135】
また、実際に試作した演算回路に含まれているDACの回路構成は、
図7のとおりとなる。
図7に示すDACは、
図1(B)の構成を参酌したものであり、
図1(B)において、nを8とした構成となっている。また、トランジスタ102-kは、2
k-1個の同じサイズのトランジスタが並列に電気的に接続された構成となっている。つまり、トランジスタ102-2は、2個のトランジスタが並列に電気的に接続された構成となっており、トランジスタ102-8は、128個のトランジスタが並列に電気的に接続された構成となっている。なお、トランジスタ102-1は、1個のトランジスタが含まれている構成となっており、2個以上のトランジスタが並列に電気的に接続されている構成となっていない。
【0136】
ここで、配線wd[1]乃至配線wd[8]に0乃至255のデジタル信号を入力することで、カレントミラー回路130から得られる出力電流Ioutの計測を行った。
【0137】
図8は、実際に作製した演算回路に設けられている、DACの入出力特性を示したグラフである。
図8の入出力特性は、横軸にデジタルの入力値(IN(digital))を示し、縦軸に出力電流Iout[nA]を示している。
図8に示すとおり、配線wd[1]乃至配線wd[8]に0乃至255のデジタル信号を入力することで、出力電流Ioutが、デジタル信号の値に比例して増加している結果となった。これにより、実際に作製された演算回路に含まれるDACが正常に動作することが確認できた。
【符号の説明】
【0138】
100:DAC、101-k:スイッチ、102-k:トランジスタ、110-k:回路、110-n:回路、110-1:回路、120:回路、130:カレントミラー回路、202-k:可変抵抗素子、350:演算回路