(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-06
(45)【発行日】2025-06-16
(54)【発明の名称】効果的車両制御のためのレーダーの適応的な傾斜
(51)【国際特許分類】
G01S 13/931 20200101AFI20250609BHJP
G01S 7/40 20060101ALI20250609BHJP
【FI】
G01S13/931
G01S7/40 126
(21)【出願番号】P 2022539270
(86)(22)【出願日】2020-12-23
(86)【国際出願番号】 US2020066805
(87)【国際公開番号】W WO2021133892
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2023-12-25
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521411231
【氏名又は名称】ウーブン バイ トヨタ,ユーエス,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(72)【発明者】
【氏名】ジャマレディン イザディアン
(72)【発明者】
【氏名】モハンマド エマディ
【審査官】梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0003938(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0361114(US,A1)
【文献】特許第6141540(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0022109(US,A1)
【文献】特開2006-276023(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0274231(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0080450(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0088946(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 - 7/64
G01S 13/00 - 17/95
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、車両の計算システムにより、
前記車両の1つ以上のセンサにより生成されたセンサデータにアクセスすることと、
前記センサデータに基づいて、前記車両のレーダーの第1ビーム角は、前記レーダーの視野が現在の道路の
対象物を検出することが所望されている領域を取り込んでいるかどうかに関連する1つ以上の基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定すること
であって、前記1つ以上の基準は道路上に反射物があるかどうかを含むことと、
前記不十分なレーダー視認性を解決するために、前記レーダーの前記第1ビーム角を調整するために必要な調整の量を決定することと、
前記決定された調整の量に基づいて、前記レーダーの前記第1ビーム角を第2ビーム角に調整すること
であって、前記レーダーの前記第1ビーム角を前記第2ビーム角に調整することは、前記反射物がある場合に前記レーダーの前記第1ビーム角を上方に調整することを含むことと、
前記レーダーの前記第2ビーム角に基づいて、1つ以上の対象物を検出することを備えている、方法。
【請求項2】
前記1つ以上の基準は、
上り傾斜の検出、
下り傾斜の検出、
前記レーダーの仰角、
前記レーダーの反射された信号数、
前記レーダーと関連付けられている信号範囲、または
前記第1ビーム角に基づく、前記レーダーによる目標物の誤検出の確率の1つ以上を備えている、請求項1の方法。
【請求項3】
前記車両の前記レーダーの前記第1ビーム角は、前記現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定することは、
前記レーダーにより、1つ以上の信号を送信することと、
1つ以上の対象物により反射された前記1つ以上の送信された信号の1つ以上の反射された信号を受信することと、
前記1つ以上の基準に従って、前記1つ以上の反射された信号を解析することを備えている、請求項1の方法。
【請求項4】
前記1つ以上のセンサは、1つ以上の慣性測定ユニット(IMU)を備え、
前記車両の前記レーダーの前記第1ビーム角は、前記現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定することは、前記IMUの1つ以上に基づいている、請求項1の方法。
【請求項5】
前記現在の道路状況は、
道路の傾斜、
前記道路のカーブ、または
前記道路上の
前記反射物の1つ以上を備えている、請求項1の方法。
【請求項6】
前記現在の道路状況は、上昇している地面に基づく前記道路の傾斜を備え、
前記レーダーの前記第1ビーム角を前記第2ビーム角に調整することは、前記レーダーの前記
第1ビーム角を上方に調整することを備えている、請求項5の方法。
【請求項7】
前記現在の道路状況は、下降している地面に基づく前記道路の傾斜を備え、
前記レーダーの前記第1ビーム角を前記第2ビーム角に調整することは、前記レーダーの前記
第1ビーム角を下方に調整することを備えている、請求項5の方法。
【請求項8】
前記車両と関連付けられている位置情報と1つ以上のマップに基づいて、前記現在の道路状況を決定することを更に備えている、請求項1の方法。
【請求項9】
シーン認識に基づく機械学習モデルによる前記センサデータの解析に基づいて、前記現在の道路状況を決定することを更に備えている、請求項1の方法。
【請求項10】
前記1つ以上のセンサは、1つ以上の慣性測定ユニット(IMU)を備え、
前記現在の道路状況を決定することは、前記IMUの1つ以上に基づいている、請求項1の方法。
【請求項11】
前記1つ以上のセンサは1つ以上のジャイロスコープを備え、
前記レーダーの前記第1ビーム角を調整するために必要な前記調整の量を決定することは、前記ジャイロスコープの1つ以上による前記センサデータを解析することを備えている、請求項1の方法。
【請求項12】
システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
前記プロセッサの1つ以上に結合されている1つ以上のコンピュータ読み取り可能非一時的格納媒体を備えており、
前記1つ以上のコンピュータ読み取り可能非一時的格納媒体は命令を備えており、前記命令は前記プロセッサの1つ以上により実行されると前記システムに、
車両の1つ以上のセンサにより生成されたセンサデータにアクセスさせ、
前記センサデータに基づいて、前記車両のレーダーの第1ビーム角は、前記レーダーの視野が現在の道路の
対象物を検出することが所望されている領域を取り込んでいるかどうかに関連する1つ以上の基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定させ、
前記1つ以上の基準は道路上に反射物があるかどうかを含み、
前記不十分なレーダー視認性を解決するために、前記レーダーの前記第1ビーム角を調整するために必要な調整の量を決定させ、
前記決定された調整の量に基づいて、前記レーダーの前記第1ビーム角を第2ビーム角に調整させ、
前記レーダーの前記第1ビーム角を前記第2ビーム角に調整させることは、前記反射物がある場合に前記レーダーの前記第1ビーム角を上方に調整させることを含み、
前記レーダーの前記第2ビーム角に基づいて、1つ以上の対象物を検出させるように動作可能である、システム。
【請求項13】
前記1つ以上の基準は、
上り傾斜の検出、
下り傾斜の検出、
前記レーダーの仰角、
前記レーダーの反射された信号数、
前記レーダーと関連付けられている信号範囲、または
前記第1ビーム角に基づく、前記レーダーによる目標物の誤検出の確率の1つ以上を備えている、請求項
12のシステム。
【請求項14】
前記車両の前記レーダーの前記第1ビーム角は、前記現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定することは、
前記レーダーにより、1つ以上の信号を送信することと、
1つ以上の対象物により反射された前記1つ以上の送信された信号の1つ以上の反射された信号を受信することと、
前記1つ以上の基準に従って、前記1つ以上の反射された信号を解析することを備えている、請求項
12のシステム。
【請求項15】
前記1つ以上のセンサは、1つ以上の慣性測定ユニット(IMU)を備え、
前記車両の前記レーダーの前記第1ビーム角は、前記現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定することは、前記IMUの1つ以上に基づいている、請求項
12のシステム。
【請求項16】
前記現在の道路状況は、
道路の傾斜、
前記道路のカーブ、または
前記道路上の反射物の1つ以上を備えている、請求項
12のシステム。
【請求項17】
前記現在の道路状況は、上昇している地面に基づく前記道路の傾斜を備え、
前記レーダーの前記第1ビーム角を前記第2ビーム角に調整することは、前記レーダーの前記
第1ビーム角を上方に調整することを備えている、請求項
16のシステム。
【請求項18】
前記現在の道路状況は、下降している地面に基づく前記道路の傾斜を備え、
前記レーダーの前記第1ビーム角を前記第2ビーム角に調整することは、前記レーダーの前記
第1ビーム角を下方に調整することを備えている、請求項
16のシステム。
【請求項19】
ソフトウェアを含んでいる1つ以上のコンピュータ読み取り可能非一時的格納媒体であって、前記ソフトウェアは実行されると、1つ以上のプロセッサに、
車両の1つ以上のセンサにより生成されたセンサデータにアクセスすることと、
前記センサデータに基づいて、前記車両のレーダーの第1ビーム角は、前記レーダーの視野が現在の道路の
対象物を検出することが所望されている領域を取り込んでいるかどうかに関連する1つ以上の基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定すること
であって、前記1つ以上の基準は道路上に反射物があるかどうかを含むことと、
前記不十分なレーダー視認性を解決するために、前記レーダーの前記第1ビーム角を調整するために必要な調整の量を決定することと、
前記決定された調整の量に基づいて、前記レーダーの前記第1ビーム角を第2ビーム角に調整すること
であって、前記レーダーの前記第1ビーム角を前記第2ビーム角に調整することは、前記反射物がある場合に前記レーダーの前記第1ビーム角を上方に調整することを含むことと、
前記レーダーの前記第2ビーム角に基づいて、1つ以上の対象物を検出することを備えている動作を実行させるように動作可能である、1つ以上のコンピュータ読み取り可能非一時的格納媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
輸送管理システムおよび/または自律運転システムは、車両および、車両が動作している地理的領域についての多様な情報を決定することが必要となる可能性がある。そのような情報は、車両の安全動作に対して重要であり得る。例えば、走行している車両の周囲の歩行者または他の車両を正確に検出することは、輸送管理システムおよび/または自律運転システムにおける車両制御のために重要である。その結果、車両の安全動作は、道路上の事故の危険を削減するだけでなく、燃料消費も相当に削減する。輸送管理システムおよび/または自律運転システムは、複雑なシナリオを解析して、多数の潜在的危険に正しく対応する必要があり得る。特に、レーダー(無線検出と測距)システムは、距離および深度認識における高い解像度を、歩行者、自転車、および他の車両などのような対象物の検出と組み合わせるので、安全且つ信頼性のある車両動作に対する重要なセンサ入力を提供できる。レーダーシステムは、車両の周囲の環境における歩行者、他の車両、ガードレールなどのような種々の関連する対象物の速度と方向を追尾すると共に、広い範囲の対象物と障害物の検出のために電波を使用する。これらのレーダーシステムが干渉なしに動作し、意図された領域をカバーし、設置の効果を示し、車両動作に対する制御システムに正確な入力を提供することを確実にするには、高度の技術の使用が要求される。
【0002】
レーダーが車両に設置されている車両の動作においては、レーダーは車両と共に動いている。結果として、レーダーシステムを使用して、車両の周囲の対象物を検出することは、据え付け式レーダーを使用して対象物を検出することよりも非常に複雑である。特に、車両が移動している地面は通常は平坦ではなく、そのため、車両の動きは、レーダーの望ましくない縦揺れを引き起こす可能性がある。そのような縦揺れが起こると、レーダーは、特に近い領域においては、多くの間違った目標物を検出する可能性があり、それは、車両動作の全体の性能に影響し得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1A】対象物の誤検出を引き起こす、道路の例としての変化を示している。
【0004】
【
図1B】対象物の誤検出を引き起こす、道路の他の例としての変化を示している。
【0005】
【
図1C】対象物の誤検出を引き起こす、道路の他の例としての変化を示している。
【0006】
【
図1D】対象物の誤検出を引き起こす、道路の他の例としての変化を示している。
【0007】
【
図1E】対象物の誤検出を引き起こす、道路の他の例としての変化を示している。
【0008】
【
図2A】
図1Aに対応する、レーダーのビーム角の例としての調整を示している。
【0009】
【
図2B】
図1Bに対応する、レーダーのビーム角の例としての調整を示している。
【0010】
【
図2C】
図1Cに対応する、レーダーの仰角の例としての調整を示している。
【0011】
【
図2D】
図1Dに対応する、レーダーのビーム角の例としての調整を示している。
【0012】
【
図2E】
図1Eに対応する、レーダーの放射方向の例としての調整を示している。
【0013】
【
図3】車両のレーダーを適応的に傾斜させるための、例としてのフロー図を示している。
【0014】
【
図4】レーダーの適応的な傾斜のための、例としての方法を示している。
【0015】
【発明を実施するための形態】
【0016】
下記の記述においては、種々の実施形態が記述される。説明の目的のために、特定の構成と詳細が、実施形態の完全な理解を提供するために記述される。しかし、この技術における技量を有する者には、実施形態は、特定の詳細なしで実践できるということも明白であろう。更に、記述されている実施形態を不明瞭にしないために、周知の特徴は省略または簡略化する可能性がある。追加的に、ここにおいて開示されている実施形態は例にすぎず、本開示の範囲はそれらに制限されない。特別な実施形態は、上記に開示されている実施形態の構成要素、要素、特徴、機能、動作、またはステップのすべて、または幾つかを含むことができ、または、それらの何れも含まないこともできる。発明に係わる実施形態は、方法、格納媒体、システム、およびコンピュータプログラム製品に向けられている添付の請求項において特に開示されており、1つの請求カテゴリにおいて言及されている何れの特徴、例えば、方法は、他の請求カテゴリ、例えば、システムにおいても請求できる。添付の請求項における従属項または、前に戻る参照は、形式的な理由のためのみに選択されている。しかし、何れの前の請求項(特には、複数の従属項)に戻る意図的な参照に起因する何れの主題もまた請求でき、そのため、それらの請求項の何れの組み合わせ、およびその特徴も開示され、添付の請求項において選択されている従属項に関係なく請求できる。請求できる主題は、添付の請求項において提示されている特徴の組み合わせだけでなく、請求項における特徴の何れの他の組み合わせも含んでおり、請求項において言及されている各特徴は、請求項における何れの他の特徴、または、他の特徴の何れの組み合わせとも組み合わせることができる。更に、ここにおいて記述または示されている実施形態と特徴の何れも、別個の請求項において請求でき、および/または、ここにおいて記述または示されている何れの実施形態または特徴との何れの組み合わせ、または、添付の請求項の特徴の何れとの組み合わせにおいても請求できる。
【0017】
輸送管理システムおよび/または自律運転システムは、他の車両との衝突などのような事故を回避するために車両の周囲を常に解析することが必要であり得る。そのような解析は、車両の周囲の対象物検出を含むことができる。システムは、車両の周囲のデータを収集して、対象物検出のために収集されたデータを解析するために、レーダーを使用している走行車両と通信できる。走行車両の動作中に、レーダーによる対象物検出の精度に影響を与える道路の突然の変化があり得る。道路の突然の変化は、レーダーの焦点が関心対象の領域から外れることを引き起こす可能性があり、関連する道路表面、経路などの上の対象物の最適でない検出ということになってしまう。例えば、下記の道路の突然の変化は、レーダーによる対象物検出に悪影響を与え得る。第1に、車両の前方の道路の傾斜(例えば、車両が道路の上り坂または下り坂部分に接近している)は、レーダー信号の範囲が対象物から外れることを引き起こし得る。第2に、道路にカーブがあり、車両がそこで方向を変えると、これは車両に対する横揺れ効果となり得、それは更に、車両に設置されているレーダーの仰角の変化を引き起こす。仰角のそのような変化は、レーダー信号の範囲が対象物から外れることを引き起こし得る。第3に、車両の前方の道路状況の突然の変化(例えば、道路が濡れてきて、ぬかるんでくる)は、レーダーシステムにおいてはクラッタとして知られる、不要な反射を相当に引き起こし得る。クラッタは、対象物検出の精度に悪影響を与え得る。
【0018】
道路の突然の変化による引き起こされる、信号の有効範囲に関する問題に対処するために、計算システムは、レーダー信号の範囲が依然として、対象物を検出することが所望されている領域をカバーしていることを確実にするためにレーダーのビーム角を調整することが必要となる可能性がある。例えば、車両が上り坂を走行しようしているときは、計算システムはレーダー信号を上方に調整できる。他の例として、クラッタを除去するために、計算システムは、不要な反射を受けることを回避するために、レーダー信号を上方に調整できる。ここにおいて開示されている実施形態は、レーダー信号の調整が必要かどうかを決定でき、レーダー信号の所望される範囲に従ってレーダーのビーム角を調整できる。特に、計算システムはまず、調整が必要かどうかを、車両と関連付けられているマップとセンサを含む、異なるアプローチに基づいて決定できる。計算システムは更に、道路の突然の変化により引き起こされる悪影響を相殺するためにレーダーの送信角を調整するために、マップとセンサからのデータを使用できる。特別な実施形態においては、道路の突然の変化を検出すると、計算システムは、そのような検出された変化をレーダーのコントローラに通信で送ることができ、コントローラに、レーダーの送信角を機械的に調整するように要求できる。代替の実施形態においては、計算システムは、そのような検出された変化をレーダーのアンテナに通信で送ることができ、アンテナに、レーダーのビーム角を変えるように要求できる。そしてアンテナは、機械的調整を必要とせずに、自動的にレーダーのビーム角を電気的に修正することができる。ビーム角の調整は、道路の突然の変化により引き起こされる悪影響を相殺でき、それにより、対象物検出の精度を向上できる。ここにおいて記述されている実施形態は幾つかの利点を有している。1つの利点は、動作している車両の近くの領域における対象物検出の精度を向上することである。この利点は、道路の検出された変化に基づいて、レーダーと関連付けられているレーダー信号の適応的な傾斜の結果と見なすことができる。
【0019】
特別な実施形態においては、車両の計算システムは、車両の1つ以上のセンサにより生成されたセンサデータにアクセスできる。そして計算システムは、センサデータに基づいて、車両のレーダーの第1ビーム角は、1つ以上の基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定できる。特別な実施形態においては、計算システムは、レーダーの第1ビーム角を調整するために必要な調整の量を決定できる。そして、計算システムは、決定された調整の量に基づいて、レーダーの第1ビーム角を第2ビーム角に調整できる。特別な実施形態においては、計算システムは更に、レーダーの第2ビーム角に基づいて、1つ以上の対象物を検出できる。
【0020】
指向性レーダーアンテナは、送信エネルギーを狭いセクタに集中させる。このセクタは、送信された電力が半分に削減される点により記述される。これらの半電力点内の領域は、レーダービームとして定義され、それは、送信されたエネルギー全体のほぼ80パーセントを含んでいる。それは通常は、球から切り取られた円錐形状であり、通常は鋭く焦点が合わせられている(ペンシルビーム)が、1つの次元においてより広いこともある(ファンビーム)。連続波レーダーでは、この幾何学的形状は送信された電力で完全に満たされる。非常に短い送信パルスでは、このセクションは、送信エネルギーで完全には満たされず、小さな容積においてのみしか満たされない。そして、レーダービームは、送信されたインパルスの走行を導く経路である。特別な実施形態においては、レーダービームは、車両が走行している道路表面に対してある角度を有することができる。
【0021】
特別な実施形態においては、車両と関連付けられている1つ以上のセンサは、1つ以上の慣性測定ユニット(IMU)を備えることができる。車両のレーダーの第1ビーム角は、現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定することは、IMUの1つ以上に基づくことができる。特別な実施形態においては、1つ以上の基準は、上り傾斜の検出、下り傾斜の検出、レーダーの仰角、レーダーと関連付けられている反射された信号の数、レーダーと関連付けられている信号範囲、または、第1ビーム角に基づく、レーダーによる目標物の誤検出の確率の1つ以上を含むことができる。特別な実施形態においては、目標物の誤検出の確率は、レーダーの視野にある目標物の検出に失敗する可能性を示すことができる。誤検出の確率は下記のようにして計算できる。レーダーの受信され且つ復調されたエコー信号は、閾値論理で処理できる。この閾値は、ある振幅の時点で、所望される信号は通過でき、ノイズは除去されるようにバランスを取ることができる。混合信号においては、小さな所望される信号の範囲にある高ノイズトップが存在しているので、最適化された閾値レベルは、妥協されたレベルとなる可能性がある。所望される信号は、一方では、最小振幅時点の表示に到達でき、他方では、偽警報率は増大しない可能性がある。誤検出の確率は、誤検出された目標物の、所与の方向におけるすべての可能な目標物の数に対する比であることができる。特別な実施形態においては、車両のレーダーの第1ビーム角は、1つ以上の基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定することは、下記のステップを備えることができる。計算システムはまず、レーダーにより1つ以上の信号を送信できる。そして、計算システムは、1つ以上の対象物により反射された、1つ以上の送信された信号の1つ以上の反射された信号を受信できる。計算システムは更に、1つ以上の基準に従って、1つ以上の反射された信号を解析できる。解析は、車両のレーダーの第1ビーム角が現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると計算システムが決定したことに基づいて、1つ以上の基準が満たされていることを明らかにすることができる。
【0022】
図1A~1Eは、道路の突然の変化が、対象物の誤検出を引き起こす可能性のある、例としてのシナリオを示している。
図1Aは、対象物の誤検出を引き起こす道路の例としての変化を示している。
図1Aにおいては、走行している車両100がある。レーダー102は、車両100の屋根に設置され、車両の動作のために使用される。特別な実施形態においては、レーダー102は、近くの対象物を検出するために使用できる。レーダー102は、ビーム角106で信号を放射することができる。車両100は上り坂の傾斜に接近している。他の車両108があり、その車両はすでに上り坂を走行している。
図1Aにより示されているように、放射された信号は、ビーム角106のために、車両108の検出に失敗する可能性がある。図から分かるように、所望されているビーム角110は、対象物、つまり車両108を検出するために必要とされているものである可能性がある。
図1Bは、対象物の誤検出を引き起こす道路の他の例としての変化を示している。
図1Bにおいて示されているように、車両100は下り坂の傾斜に接近している。レーダー102は、ビーム角112に信号を放射できる。他の車両114があり、その車両はすでに下り坂を走行している。
図1Bにおいて示されているように、放射された信号は、車両114の検出に失敗する可能性がある。図から分かるように、所望されているビーム角116は、より精度の高い対象物検出のために必要とされているものである可能性がある。
図1Cは、対象物の誤検出を引き起こす道路の他の例としての変化を示している。
図1Cにおいて示されているように、車両100は方向転換をしており、それは横揺れ効果に繋がる。横揺れ効果は、方位角と仰角118との間の相関関係を引き起こす可能性があり、それは、車両100に設置されたレーダー102による対象物の精度の高い検出に影響を与える可能性がある。これは、レーダーが3つの情報、つまり、方位角、仰角、およびレーダーから対象物までの距離を、対象物の位置を決定するために必要とする可能性があるからである。図から分かるように、所望される仰角120は、より精度の高い対象物検出のために必要とされているものである可能性がある。
図1Dは、対象物の誤検出を引き起こす道路の他の例としての変化を示している。
図1Dにおいて示されているように、車両100は、地面に水122がある道路のある部分に接近している。レーダー102は、ビーム角124で信号を放射できる。水122は、放射された信号に対する多くの不要な反射を引き起こす可能性があり、それは、対象物検出の精度に影響を与える可能性がある。図から分かるように、所望される仰角126は、より精度の高い対象物検出のために必要とされているものである可能性がある。
図1Eは、対象物の誤記検出を引き起こす道路の他の例としての変化を示している。
図1Eにおいて示されているように、車両100は、方向転換をしており、それは、偏揺れ効果に繋がる。レーダー102は信号放射方向128に信号を放射できる。車両の前方には他の車両130がある。偏揺れ効果は、放射された信号が、車両130の検出を失敗させる可能性がある。図から分かるように、所望される放射方向132は、より精度の高い対象物検出のために必要とされているものである可能性がある。
【0023】
図2A~2Eは、
図1A~1Eに対応するレーダー102のビーム角の例としての調整を示している。
図2Aは、
図1Aに対応するレーダー102のビーム角の例としての調整を示している。
図1Aにおける、道路の例としての変化が起こると、計算システムは、レーダー102の第1ビーム角は、1つ以上の基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定できる。制限的でない例として、
図1Aにおける状況に対する基準は、上り傾斜の検出であることができる。検出は、車両100と関連付けられているカメラにより取り込まれた画像およびビデオなどのようなセンサデータ、または任意の適切なセンサデータに基づくことができる。制限的でない他の例として、
図1Aにおける状況に対する基準は、レーダー102と関連付けられている信号範囲であることができる。
図1において示されているような状況に対しては、信号範囲は、上り傾斜のために減少する可能性がある。制限的でない更に他の例として、
図1Aにおける状況に対する基準は、レーダー102による目標物の誤検出の確率であることができる。
図1Aにおいて示されているような状況に対しては、目標物の誤検出の確率は、レーダー102で受信される反射された信号はほとんど上り傾斜からなので、増大する可能性がある。計算システムは更に、上り傾斜は、レーダー102の第1ビーム角に、前述の例としての基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供させる可能性があると決定できる。
図2Aにおいて示されているように、計算システムは、適応的にレーダー102を傾斜させることができ、その後は、放射された信号は、上り坂から対象物(つまり、車両108)を検出できる。追加的に、検出された上り傾斜に基づいて、計算システムは、レーダー102を上方に向けて傾斜させると決定できる。
図2Aにおいて示されているように、レーダーを傾斜させると、前のビーム角と比較して上方に向かう調整されたビーム角210という結果とすることができる。
【0024】
図2Bは、
図1Bに対応するレーダー102のビーム角の例としての調整を示している。
図1Bにおける、道路の例としての変化が起こると、計算システムは、レーダー102の第1ビーム角は、1つ以上の基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定できる。制限的でない例として、
図1Bにおける状況に対する基準は、下り傾斜の検出であることができる。検出は、車両100と関連付けられているカメラにより取り込まれた画像およびビデオなどのようなセンサデータ、または任意の適切なセンサデータに基づくことができる。制限的でない他の例として、
図1Bにおける状況に対する基準は、レーダー102と関連付けられている反射された信号の数であることができる。
図1Bにおいて示されているような状況に対しては、反射された信号の数は、下り傾斜のため減少する可能性があり、つまり、レーダー信号を反射する対象物がないので、反射された信号の数を減少させる(例えば、0)という結果になる。制限的でない更に他の例として、
図1Bにおける状況に対する基準は、レーダー102による目標物の誤検出の確率であることができる。
図1Bにおいて示されているような状況に対しては、目標物の誤検出の確率は、レーダー102において受信される反射された信号の数が相当に減少するので増大する可能性があり、それは更に、最適でない目標物検出、つまり、誤検出の増大した確率を引き起こす可能性がある。計算システムは更に、下り傾斜は、レーダー102の第1ビーム角に、前述の例としての基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供させる可能性があると決定できる。
図2Bにおいて示されているように、計算システムは、適応的にレーダー102を傾斜させることができ、その後は、放射された信号は、下り坂から対象物(つまり、車両114)を検出できる。追加的に、検出された下り傾斜に基づいて、計算システムは、レーダー102を下方に向けて傾斜させると決定できる。
図2Bにおいて示されているように、レーダー102を傾斜させると、前のビーム角と比較して下方に向かう調整されたビーム角216という結果とすることができる。
【0025】
図2Cは、
図1Cに対応するレーダー102の仰角の例としての調整を示している。
図1Cにおける、道路の例としての変化が起こると、計算システムは、レーダー102の仰角は、1つ以上の基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定できる。制限的でない例として、
図1Cにおける状況に対する基準は、レーダー102の仰角であることができる。
図1Cにおいて示されているような状況に対しては、レーダーの仰角は、閾値、例えば10度を超えて増大する可能性がある。制限的でない更に他の例として、
図1Cにおける状況に対する基準は、レーダー102による目標物の誤検出の確率であることができる。
図1Cにおいて示されているような状況に対しては、目標物の誤検出の確率は、レーダーの仰角が、視野における可能な目標物をその信号がカバーしないことに繋がる可能性があるので増大する可能性がある。計算システムは更に、仰角の増大は、レーダー102が、前述の例としての基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を有するようにさせることができると決定できる。そして、
図2Cにおいて示されているように、計算システムは、横揺れ効果を相殺するために適応的に仰角を調整できる。追加的に、増大された仰角に基づいて、計算システムは、仰角を減少すると決定できる。
図2Cにおいて示されているように、レーダー102を傾斜させると、調整された仰角220という結果とすることでき、それにより、対象物検出の精度を高めることができる。
【0026】
図2Dは、
図1Dに対応するレーダー102のビーム角の例としての調整を示している。
図1Dにおける、道路の例としての変化が起こると、計算システムは、レーダー102の第1ビーム角は、1つ以上の基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定できる。制限的でない例として、
図1Dにおける状況に対する基準は、レーダー102と関連付けられている反射された信号の数であることができる。
図1Dにおいて示されているような状況に対しては、反射された信号の数は、地面の水122のために増大する可能性がある。制限的でない他の例として、
図1Dにおける状況に対する基準は、レーダー102による目標物の誤検出の確率であることができる。
図1Dにおいて示されているような状況に対しては、目標物の誤検出の確率は、水122により反射された信号は、レーダー102に対してはノイズであるので増大する可能性がある。計算システムは更に、反射された信号の増大した数は、レーダー102の第1ビーム角に、前述の例としての基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供させる可能性があると決定できる。そして、
図2Dにおいて示されているように、計算システムは、適応的にレーダー102を傾斜させることができ、その後は、レーダー102は、地面の水122により反射された信号を受信することを回避できる。追加的に、増大された反射信号の角度に基づいて、計算システムは、レーダー102を上方に向けて傾斜させると決定できる。
図2Dにおいて示されているように、レーダー102を傾斜させると、前のビーム角124と比較して上方に向かう調整されたビーム角226という結果とすることができる。
【0027】
図2Eは、
図1Eに対応するレーダー102の放射方向の例としての調整を示している。
図1Eにおける、道路の例としての変化が起こると、計算システムは、レーダー102の放射方向は、1つ以上の基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定できる。制限的でない例として、
図1Eにおける状況に対する基準は、レーダー102と関連付けられている反射された信号の数であることができる。
図1Eにおいて示されているような状況に対しては、反射された信号の数は、目標物130がレーダー102の視野から外れてしまうので減少する可能性がある。制限的でない他の例として、
図1Eにおける状況に対する基準は、レーダー102による目標物の誤検出の確率であることができる。
図1Eにおいて示されているような状況に対しては、目標物の誤検出の確率は、レーダー102において受信される反射された信号が相当に減少し、それは、誤検出の確率に影響することができるので、増大する可能性がある。計算システムは更に、放射方向は、レーダー102が、前述の例としての基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を有するようにさせる可能性があると決定できる。そして、
図2Eにおいて示されているように、計算システムは、偏揺れ効果を相殺するために適応的に放射方向を調整できる。追加的に、道路のカーブに関しての放射方向の角度に基づいて、計算システムは、レーダー102を内側に向けて傾斜させると決定できる。
図2Eにおいて示されているように、レーダー102の調整は、調整された信号放射方向232という結果にすることができ、それにより、対象物の誤検出を回避できる。
【0028】
図3は、車両のレーダーを適応的に傾斜させるための、例としてのフロー図を示している。レーダー305はコントローラ306を備えることができ、コントローラ306は、レーダー305のビーム角を機械的に調整するために使用できる。レーダー305は自身のアンテナ307を介して、信号を放射および受信することができる。レーダー305は、受信した信号を計算システム330に送ることができる。計算システム330が、レーダー305のビーム角は、現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供するかどうかを決定する必要があるときは、計算システム330は、車両の1つ以上のセンサにより生成されたセンサデータにアクセスできる。
図3は、これらのセンサは、ジャイロスコープ310、IMU315、および他の適切なセンサ320を備えることができるということを例示している。制限的でない例として、センサ320は、カメラ、ライダー、GPS受信機などを備えることができる。追加的に、計算システム330はまた、サーバに格納されている異なるマップ325にアクセスできる。そして計算システム330は、レーダー信号、ジャイロスコープ310、IMU315、およびセンサ320からのセンサデータ、およびマップ325からの地理的情報を一緒に解析できる。そのような解析に基づいて、計算システム330は、レーダー305のビーム角は、1つ以上の基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定できる。計算システム330は更に、レーダー305のビーム角を調整するためにどの程度の調整が必要か、および、レーダー305のビーム角をどのように調整するかを決定できる。この決定はレーダー305に送り返すことができる。レーダー305のビーム角を調整するための2つの方法があり得る。第1の方法は、レーダー305のビーム角を機械的に調整することであってよく、それに対して、計算システム330は、決定をコントローラ306に送ることができる。この決定に基づいて、コントローラ306は更に、レーダー305のビーム角を調整できる。第2の方法は、ビーム角を電子的に調整することであってよく、それに対して、計算システム330は、決定をアンテナ307に送ることができる。そしてアンテナ307は、レーダー305のビーム角を電子的に調整できる。
【0029】
特別な実施形態においては、計算システムは、車両および1つ以上のマップと関連付けられている位置情報に基づいて、現在の道路状況を決定できる。制限的でない例として、位置情報は、車両は、サンフランシスコのロンバード街にいると示すことができる。マップは、ロンバード街は、8個のヘアピンカーブがある、傾斜の急な1つのブロック区域であることを示す情報を提供できる。従って、計算システムは、現在の道路状況を、急カーブのある下り坂として決定できる。特別な実施形態においては、計算システムは、機械学習モデルによるセンサデータの解析に基づいて現在の道路状況を決定できる。特別な実施形態においては、機械学習モデルは、シーン認識に基づくことができる。制限的でない例として、センサデータは、車両に設置されたカメラにより取り込まれた画像とビデオを含むことができる。計算システムは、例えば、上り坂の傾斜など、現在の道路状況を決定するために、画像とビデオに対してシーン認識を行うことができる。
【0030】
特別な実施形態においては、現在の道路状況は、道路の傾斜、道路のカーブ、または道路上の反射物の1つ以上を含むことができる。特別な実施形態においては、レーダーのビーム角をどのように調整するかは、現在の道路状況に依存する。特別な実施形態においては、現在の道路状況は、上昇している地面、例えば、道路の上り坂の部分に基づく道路の傾斜を含むことができる。従って、レーダーの第1ビーム角を第2ビーム角に調整することは、レーダーのビーム角を上方に調整することを含むことができる。特別な実施形態においては、現在の道路状況は、下降している地面、例えば、道路の下り坂の部分に基づく道路の傾斜を含むことができる。従って、レーダーの第1ビーム角を第2ビーム角に調整することは、レーダーのビーム角を下方に調整することを含むことができる。特別な実施形態においては、現在の道路状況は、道路上の反射物を含むことができる。制限的でない例として、道路上の反射物は、金属物を含んでいる車輪停止装置であることができる。従って、レーダーの第1ビーム角を第2ビーム角に調整することは、レーダーのビーム角を上方に調整することを含むことができる。
【0031】
特別な実施形態においては、車両の1つ以上のセンサは、1つ以上のジャイロスコープを備えることができる。ジャイロスコープは、向きと角速度を測定または維持するために使用される装置である。従って、レーダーの第1ビーム角を調整するために必要な調整の量を決定することは、ジャイロスコープの1つ以上によるセンサデータを解析することを含むことができる。特別な実施形態においては、1つ以上のセンサは、1つ以上のIMUを備えることができる。従って、レーダーの第1ビーム角を調整するために必要な調整の量を決定することは、IMUの1つ以上によるセンサデータを解析することを含むことができる。制限的でない例として、IMUは、車両の現在の傾斜の角度を車両に通信で送ることができる。そして計算システムは、現在の傾斜の角度を、前の傾斜の角度と比較することができ、従って、調整の量を決定できる。
【0032】
特別な実施形態においては、計算システムは、最終的な状況に到達するまで、ビーム角を連続的に調整できる。特別な実施形態においては、調整を終了すべきかどうかを決定することは、検出された対象物の閾値数に基づくことができる。計算システムは、車両の近くの領域における対象物を、レーダーの調整されたビーム角に基づいて検出できる。そして計算システムは、検出された対象物の数を閾値数と比較できる。計算システムは、検出された対象物の数が閾値数と等しくなるまで、レーダーのビーム角を連続的に調整できる。
【0033】
代替の実施形態においては、計算システムは2つのレーダーを使用でき、より精度の高い対象物検出のために、それぞれのレーダーを適応的に傾斜させることができる。各レーダーは、それぞれのビーム角と関連付けることができる。特別な実施形態においては、計算システムは、車両の両方のレーダーの両方のビーム角は、1つ以上の基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定できる。その後、計算システムは、それぞれのレーダーを異なるように傾斜させることができる。制限的でない例として、計算システムは、第1レーダーを所定の角度だけ上方に傾斜させ、第2レーダーを所定の角度だけ下方に傾斜させることができる。そして各レーダーは、それぞれの調整されたビーム角を使用して信号を放射することができ、その信号は、対象物により反射されて戻すことができる。反射された信号は、受信信号強度インディケータ(RSSI)と関連付けることができる。特別な実施形態においては、計算システムは更に、2つのレーダーの2つのRSSIを比較でき、従って、それぞれのレーダーに対する調整の量を決定できる。
【0034】
図4は、レーダーを適応的に傾斜させるための例としての方法400を示している。方法はステップ410において開始することができ、そのステップでは、計算システムは、車両の1つ以上のセンサにより生成されたセンサデータにアクセスできる。ステップ420において、計算システムは、慣性測定ユニットからのデータ、マップ、ジャイロスコープからのデータ、またはカメラからのデータの1つ以上を備えている、アクセスしたセンサデータを解析できる。ステップ430において、計算システムは、センサデータに基づいて、車両のレーダーの第1ビーム角は、1つ以上の基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供するかどうかを決定できる。車両のレーダーの第1ビーム角が、1つ以上の基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供する場合、計算システムはステップ440に進むことができ、そのステップで、計算システムは、どのくらいの量の調整が必要かを決定できる。車両のレーダーの第1ビーム角が、1つ以上の基準に従う現在の道路状況の十分なレーダー視認性を提供する場合、計算システムはステップ450に進むことができ、そのステップにおいて計算システムは、レーダーのビーム角に基づいて対象物を検出できる。ステップ4
50の後、計算システムはステップ460に進むことができ、そのステップにおいて計算システムは、現在の道路状況は第1ビーム角を上方または下方に調整することを要求としているかどうかを決定できる。ステップ460の後、計算システムは、要求に従って異なるステップを実行できる。現在の道路状況が第1ビーム角を上方に調整することを要求している場合、計算システムはステップ470に進むことができ、そのステップにおいて計算システムは、ビーム角を上方に調整できる。現在の道路状況が第1ビーム角を下方に調整することを要求している場合、計算システムはステップ480に進むことができ、そのステップにおいて計算システムは、レーダーのビーム角を下方に調整できる。ステップ490において、計算システムは更に、レーダーの調整されたビーム角に基づいて対象物を検出できる。特別な実施形態では、適切であれば、
図4の方法の1つ以上のステップを繰り返すことができる。本開示は、
図4の方法の特別なステップを、特別な順序で起こるものとして記述および例示しているが、本開示では、
図4の方法の任意の適切なステップが、任意の適切な順序で起こることも考慮している。更に本開示は、
図4の方法の特別なステップを含む、レーダーを適応的に傾斜させるための例としての方法を記述および例示しているが、本開示は、適切であれば、
図4の方法のステップのすべて、または幾つかを含むことができ、またはそれらのステップの何れも含まないことができる任意の適切なステップを含む、レーダーを適応的に傾斜させるための任意の適切な方法も考慮している。更に本開示は、
図4の方法の特別なステップを実行する特別な構成要素、装置、またはシステムを記述および例示しているが、本開示は、
図4の方法の任意の適切なステップを実行する任意の適切な構成要素、装置、またはシステムの任意の適切な組み合わせも考慮している。
【0035】
図5は、例としてのコンピュータシステム500を示している。特別な実施形態においては、1つ以上のコンピュータシステム500は、ここにおいて記述または例示されている1つ以上の方法の1つ以上のステップを実行する。特別な実施形態においては、1つ以上のコンピュータシステム500は、ここにおいて記述または例示されている機能を提供する。特別な実施形態においては、1つ以上のコンピュータシステム500上で作動しているソフトウェアは、ここにおいて記述または例示されている1つ以上の方法の1つ以上のステップを実行し、または、ここにおいて記述または例示されている機能を提供する。特別な実施形態は、1つ以上のコンピュータシステム500の1つ以上の部分を含んでいる。ここにおいて、コンピュータシステムへの言及は計算装置を含むことができ、適切であれば、逆も可能である。更に、コンピュータシステムへの言及は、適切であれば、1つ以上のコンピュータシステムを含むことができる。
【0036】
本開示は、任意の適切な数のコンピュータシステム500を考慮している。本開示は、任意の適切な物理的形状を取るコンピュータシステム500を考慮している。制限的でない例として、コンピュータシステム500は、埋め込まれたコンピュータシステム、システムオンチップ(SOC)、単一基板コンピュータシステム(SBC)(例えば、コンピュータオンモジュール(COM)またはシステムオンモジュール(SOM)などのような)、デスクトップコンピュータシステム、ラップトップまたはノートブックコンピュータシステム、インタラクティブキオスク、メインフレーム、コンピュータシステムのメッシュ、モバイルテレフォン、携帯情報端末(PDA)、サーバ、タブレットコンピュータシステム、拡張/仮想現実装置、またはこれらの2つ以上の組み合わせであることができる。適切であれば、コンピュータシステム500は1つ以上のコンピュータシステム500を含むことができ、一体型または分散型であることができ、複数の位置に広がることができ、複数のマシンにわたることができ、複数のデータセンタにわたることができ、または、1つ以上のネットワークにおいて1つ以上のクラウド構成要素を含むことができるクラウドに常駐できる。適切であれば、1つ以上のコンピュータシステム500は、実質的な空間的または時間的制限なしで、ここにおいて記述または例示されている1つ以上の方法の1つ以上のステップを実行できる。制限的でない例として、1つ以上のコンピュータシステム500は、ここにおいて記述または例示されている1つ以上の方法の1つ以上のステップをリアルタイムまたはバッチモードで実行できる。1つ以上のコンピュータシステム500は、適切であれば、ここにおいて記述または例示されている1つ以上の方法の1つ以上のステップを、異なる時間または異なる場所において実行できる。
【0037】
特別な実施形態においては、コンピュータシステム500は、プロセッサ502、メモリ504、格納装置506、入/出力(I/O)インタフェース508、通信インタフェース510、およびバス512を含んでいる。本開示は、特別な配置における特別な数の特別な構成要素を有している特別なコンピュータシステムを記述および例示しているが、本開示は、任意の適切な配置における任意の適切な数の任意の適切な構成要素を有している任意の適切なコンピュータシステムも考慮している。
【0038】
特別な実施形態においては、プロセッサ502は、コンピュータプログラムを構成する命令などのような命令を実行するためのハードウェアを含んでいる。制限的でない例として、命令を実行するために、プロセッサ502は、内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ504、または格納装置506から命令を取り出し(または、取得し)、その命令を復号して実行し、1つ以上の結果を、内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ504、または格納装置506に書き込むことができる。特別な実施形態においては、プロセッサ502は、データ、命令、またはアドレスのための1つ以上の内部キャッシュを含むことができる。本開示は、適切であれば、任意の適切な数の任意の適切な内部キャッシュを含んでいるプロセッサ502も考慮している。制限的でない例として、プロセッサ502は、1つ以上の命令キャッシュ、1つ以上のデータキャッシュ、および1つ以上のトランスレーションルックアサイドバッファ(TLB)を含むことができる。命令キャッシュにおける命令は、メモリ504または格納装置506における命令のコピーであってよく、命令キャッシュは、プロセッサ502によるそれらの命令の取り出し速度を上げることができる。データキャッシュにおけるデータは、コンピュータ命令により処理されるメモリ504または格納装置506におけるデータのコピー、または、後続の命令にアクセスでき、または、メモリ504または格納装置506への書き込みのための、プロセッサ502により実行された前の命令の結果、または、任意の他の適切なデータであることができる。データキャッシュは、プロセッサ502による読込み、または書込み動作の速度を上げることができる。TLBは、プロセッサ502に対する仮想アドレス変換の速度を上げることができる。特別な実施形態においては、プロセッサ502は、データ、命令、またはアドレスのための1つ以上の内部レジスタを含むことができる。本開示は、適切であれば、任意の適切な数の任意の適切な内部レジスタを含んでいるプロセッサ502も考慮している。適切であれば、プロセッサ502は、1つ以上の算術論理演算装置(ALU)を含むことができ、マルチコアプロセッサであることができ、または、1つ以上のプロセッサ502を含むことができる。本開示は特別なプロセッサを記述および例示しているが、本開示は任意の適切なプロセッサも考慮している。
【0039】
特別な実施形態においては、メモリ504は、プロセッサ502が実行する命令、またはプロセッサ502が処理するデータを格納するためのメインメモリを含んでいる。制限的でない例として、コンピュータシステム500は、格納装置506または他のソース(他のコンピュータシステム500などのような)からの命令をメモリ504にロードできる。そしてプロセッサ502は、メモリ504からの命令を、内部レジスタまたは内部キャッシュにロードできる。命令を実行するために、プロセッサ502は、内部レジスタまたは内部キャッシュから命令を取り出すことができ、それを復号できる。命令の実行の間または実行の後、プロセッサ502は、1つ以上の結果(中間または最終結果であってよい)を内部レジスタまたは内部キャッシュに書き込むことができる。そしてプロセッサ502は、これらの結果の1つ以上をメモリ504に書き込むことができる。特別な実施形態においては、プロセッサ502は、1つ以上の内部レジスタまたは内部キャッシュ、またはメモリ504における命令のみを実行し(格納装置506または他とは反対に)、1つ以上の内部レジスタまたは内部キャッシュ、またはメモリ504におけるデータのみを処理する(格納装置506または他とは反対に)。1つ以上のメモリバス(それぞれはアドレスバスとデータバスを含むことができる)は、プロセッサ502をメモリ504に結合できる。バス512は、下記により詳細に記述するように、1つ以上のメモリバスを含むことができる。特別な実施形態においては、1つ以上のメモリ管理ユニット(MMU)は、プロセッサ502とメモリ504との間に常駐し、プロセッサ502により要求されたメモリ504へのアクセスを容易にする。特別な実施形態においては、メモリ504はランダムアクセスメモリ(RAM)を含んでいる。このRAMは、適切であれば揮発性メモリであってよい。適切であれば、このRAMは、ダイナミックRAM(DRAM)またはスタティックRAM(SRAM)であってよい。更に、適切であれば、このRAMは、単一ポートまたはマルチポートRAMであってよい。本開示は、任意の適切なRAMを考慮している。メモリ504は、適切であれば、1つ以上のメモリ504を含むことができる。本開示は、特別なメモリを記述および例示しているが、本開示は、任意の適切なメモリも考慮している。
【0040】
特別な実施形態においては、格納装置506は、データまたは命令のための大容量格納装置を含んでいる。制限的でない例として、格納装置506は、ハードディスクドライブ(HDD)、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、またはユニバーサルシリアルバス(USB)ドライバまたはこれらの2つ以上の組み合わせを含むことができる。格納装置506は、適切であれば、リムーバブルまたは非リムーバブル(または固定)媒体を含むことができる。格納装置506は、適切であれば、コンピュータシステム500の内部または外部であることができる。特別な実施形態においては、格納装置506は不揮発性ソリッドステートメモリである。特別な実施形態においては、格納装置506はリードオンリメモリ(ROM)を含んでいる。適切であれば、このROMは、マスクプログラムROM、プログラマブルROM(PROM)、消去可能型PROM(EPROM)、電気的消去可能型PROM(EEPROM)、電気的変更可能型ROM(EAROM)、またはフラッシュメモリまたはこれらの2つ以上の組み合わせであることができる。本開示は、任意の適切な物理的形状を取る大容量格納装置506を考慮している。格納装置506は、適切であれば、プロセッサ502と格納装置506との間の通信を容易にする1つ以上の格納制御ユニットを含むことができる。適切であれば、格納装置506は、1つ以上の格納装置506を含むことができる。本開示は、特別な格納装置を記述および例示しているが、本開示は任意の適切な格納装置も考慮している。
【0041】
特別な実施形態においては、I/Oインタフェース508は、ハードウェア、ソフトウェア、またはその両者を含み、コンピュータシステム500と1つ以上のI/O装置との間の通信のための1つ以上のインタフェースを提供する。コンピュータシステム500は、適切であれば、これらのI/O装置の1つ以上を含むことができる。これらのI/O装置の1つ以上は、人間とコンピュータシステム500との間の通信を可能にできる。制限的でない例として、I/O装置は、キーボード、キーパッド、マイクロフォン、モニタ、マウス、プリンタ、スキャナ、スピーカ、スチールカメラ、スタイラス、タブレット、タッチスクリーン、トラックボール、ビデオカメラ、他の適切なI/O装置またはこれらの2つ以上の組み合わせを含むことができる。I/O装置は、1つ以上のセンサを含むことができる。本開示は、任意の適切なI/O装置および、それらに対する任意の適切なI/Oインタフェース508を考慮している。適切であれば、I/Oインタフェース508は、プロセッサ502がこれらのI/O装置の1つ以上を駆動することを可能にする、1つ以上の装置またはソフトウェアドライバを含むことができる。I/Oインタフェース508は、適切であれば、1つ以上のI/Oインタフェース508を含むことができる。本開示は、特別なI/Oインタフェースを記述および例示しているが、本開示は、任意の適切なI/Oインタフェースも考慮している。
【0042】
特別な実施形態においては、通信インタフェース510は、ハードウェア、ソフトウェア、またはその両者を含み、コンピュータシステム500と、1つ以上の他のコンピュータシステム500または1つ以上のネットワークとの間の通信(例えば、パケットに基づく通信などのような)に対する1つ以上のインタフェースを提供する。制限的でない例として、通信インタフェース510は、イーサネット(登録商標)または任意の他の有線ネットワークとの通信のためのネットワークインタフェースコントローラ(NIC)またはネットワークアダプタ、または、WI-FIネットワークなどのような無線ネットワークとの通信のための無線NIC(WNIC)または無線アダプタを含むことができる。本開示は、任意の適切なネットワークおよびそれに対する任意の適切な通信インタフェース510を考慮している。制限的でない例として、コンピュータシステム500は、アドホックネットワーク、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、または、インターネットの1つ以上の部分またはこれらの2つ以上の組み合わせと通信できる。これらのネットワークの1つ以上の1つ以上の部分は有線または無線であってよい。例として、コンピュータシステム500は、無線PAN(WPAN)(例えば、ブルートゥース(登録商標)WPANなどのような)、WI-FIネットワーク、WI-MAXネットワーク、セルラーテレフォンネットワーク(例えば、グローバル移動通信システム(GSM(登録商標))ネットワークなどのような)、または、任意の他の適切な無線ネットワークまたはこれらの2つ以上の組み合わせと通信できる。コンピュータシステム500は、適切であれば、これらのネットワークの何れにも対する任意の適切な通信インタフェース510を含むことができる。通信インタフェース510は、適切であれば、1つ以上の通信インタフェース510を含むことができる。本開示は、特別な通信インタフェースを記述および例示しえいるが、本開示は、任意の適切な通信インタフェースも考慮している。
【0043】
特別な実施形態においては、バス512は、ハードウェア、ソフトウェア、またはその両者を含み、コンピュータシステム500の構成要素を互いに結合する。制限的でない例として、バス512は、アクセラレーテッドグラフィックスポート(AGP)または任意の他のグラフィックスバス、EISA(エイサ)(Enhanced Industry Standard Architecture)バス、フロントサイドバス(FSB)、ハイパートランスポート(HT)相互接続、ISA(アイサ)(Industry Standard Architecture)バス、インフィニバンド相互接続、低ピンカウント(LPC)バス、メモリバス、MCA(マイクロチャネルアーキテクチャ)(Micro Channel Architecture)バス、PCI(ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(Peripheral Component Interconnect)バス、PCIエクスプレス(PCIe)バス、SATA(シリアルアドバンストテクノロジーアタッチメント)(Serial Advanced Technology Attachment)バス、VLB(ビデオエレクトロニクススタンダードアソシエーションンローカル(Video Electronics Standards Association local)バス、または他の適切なバスまたはこれらの2つ以上の組み合わせを含むことができる。バス512は、適切であれば、1つ以上のバス512を含むことができる。本開示は、特別なバスを記述および例示しているが、本開示は、任意の適切なバスまたは相互接続も考慮している。
【0044】
ここにおいて、コンピュータ読み取り可能非一時的格納媒体は、1つ以上の半導体に基づく、または他のタイプの集積回路(IC)(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向けIC(ASIC)などのような)、ハードディスクドライブ(HDD)、ハイブリッドハードドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピー(登録商標)ディスケット、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ(FDD)、磁気テープ、ソリッドステートドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュアデジタルカードまたはドライブ、任意の他の適切なコンピュータ読み取り可能非一時的格納媒体、または、適切であれば、これらの2つ以上の任意の適切な組み合わせを含むことができる。コンピュータ読み取り可能非一時的格納媒体は、揮発性、不揮発性、または、適切であれば、揮発性と不揮発性の組み合わせであることができる。
【0045】
ここにおいて、「または」とは、明確にそうでないと示されない限り、または、状況からそうでないと示されない限り、包括的であり、排他的ではない。従って、ここにおいて「AまたはB」は、明確にそうでないと示されない限り、または、状況からそうでないと示されない限り、「A、B、またはその両者」を意味する。更に「および」とは、明確にそうでないと示されない限り、または、状況からそうでないと示されない限り、一緒と別個の両者である。従って、ここにおいては、「AおよびB」は、明確にそうでないと示されない限り、または、状況からそうでないと示されない限り、「AおよびB一緒に、または別個に」を意味している。
【0046】
本開示の範囲は、ここにおいて記述または示されている例としての実施形態に対する、この技術における通常の技量を有する者が理解すると思われるすべての変更、置換、変形、改造、および修正を含んでいる。本開示の範囲は、ここにおいて記述または示されている例としての実施形態に制限されない。更に本開示は、ここにおいてそれぞれの実施形態を、特別な構成要素、要素、特徴、機能、動作、またはステップを含むとして記述および例示しているが、これらの実施形態の何れも、ここにおいて何れかの箇所で記述または例示されている構成要素、要素、特徴、機能、動作、またはステップの何れの、この技術における通常の技量を有する者が理解すると思われる何れの組み合わせまたは置換も含むことができる。更に、付随する請求項における、特別な機能を実行するように適合されている、配置されている、その機能を実行可能な、その機能を実行するように構成されている、その機能を実行することを可能とされている、その機能を実行するように動作可能な、またはその機能を実行するよう動作する装置またはシステム、または、装置またはシステムの構成要素への言及は、その装置、システム、または構成要素が、そのように適合され、配置され、そのように可能で、そのように構成され、そのように可能とされ、そのように動作可能で、またはそのように動作する限り、それ、またはその特別な機能が起動されているか否か、電源が入れられているか否か、または、開放されているか否かに無関係に、その装置、システム、構成要素を含んでいる。追加的に、本開示は、特別な実施形態を、特別な利点を提供するものとして記述または例示しているが、特別な実施形態は、これらの利点の何れも提供しなくてもよく、またはその幾つかを提供でき、またはすべてを提供できる。
本開示は以下の態様を含む。
例1. 方法であって、車両の計算システムにより、
前記車両の1つ以上のセンサにより生成されたセンサデータにアクセスすることと、
前記センサデータに基づいて、前記車両のレーダーの第1ビーム角は、1つ以上の基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定することと、
前記レーダーの前記第1ビーム角を調整するために必要な調整の量を決定することと、
前記決定された調整の量に基づいて、前記レーダーの前記第1ビーム角を第2ビーム角に調整することと、
前記レーダーの前記第2ビーム角に基づいて、1つ以上の対象物を検出することを備えている、方法。
例2. 前記1つ以上の基準は、
上り傾斜の検出、
下り傾斜の検出、
前記レーダーの仰角、
前記レーダーの反射された信号数、
前記レーダーと関連付けられている信号範囲、または
前記第1ビーム角に基づく、前記レーダーによる目標物の誤検出の確率の1つ以上を備えている、例1の方法。
例3. 前記車両の前記レーダーの前記第1ビーム角は、前記現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定することは、
前記レーダーにより、1つ以上の信号を送信することと、
1つ以上の対象物により反射された前記1つ以上の送信された信号の1つ以上の反射された信号を受信することと、
前記1つ以上の基準に従って、前記1つ以上の反射された信号を解析することを備えている、例1の方法。
例4. 前記1つ以上のセンサは、1つ以上の慣性測定ユニット(IMU)を備え、
前記車両の前記レーダーの前記第1ビーム角は、前記現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定することは、前記IMUの1つ以上に基づいている、例1の方法。
例5. 前記現在の道路状況は、
道路の傾斜、
前記道路のカーブ、または
前記道路上の反射物の1つ以上を備えている、例1の方法。
例6. 前記現在の道路状況は、上昇している地面に基づく前記道路の傾斜を備え、
前記レーダーの前記第1ビーム角を前記第2ビーム角に調整することは、前記レーダーの前記ビーム角を上方に調整することを備えている、例5の方法。
例7. 前記現在の道路状況は、下降している地面に基づく前記道路の傾斜を備え、
前記レーダーの前記第1ビーム角を前記第2ビーム角に調整することは、前記レーダーの前記ビーム角を下方に調整することを備えている、例5の方法。
例8. 前記現在の道路状況は、前記道路上の反射物を備え、
前記レーダーの前記第1ビーム角を前記第2ビーム角に調整することは、前記レーダーの前記ビーム角を上方に調整することを備えている、例5の方法。
例9. 前記車両と関連付けられている位置情報と1つ以上のマップに基づいて、前記現在の道路状況を決定することを更に備えている、例1の方法。
例10. シーン認識に基づく機械学習モデルによる前記センサデータの解析に基づいて、前記現在の道路状況を決定することを更に備えている、例1の方法。
例11. 前記1つ以上のセンサは、1つ以上の慣性測定ユニット(IMU)を備え、
前記現在の道路状況を決定することは、前記IMUの1つ以上に基づいている、例1の方法。
例12. 前記1つ以上のセンサは1つ以上のジャイロスコープを備え、
前記レーダーの前記第1ビーム角を調整するために必要な前記調整の量を決定することは、前記ジャイロスコープの1つ以上による前記センサデータを解析することを備えている、例1の方法。
例13. システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
前記プロセッサの1つ以上に結合されている1つ以上のコンピュータ読み取り可能非一時的格納媒体を備えており、
前記1つ以上のコンピュータ読み取り可能非一時的格納媒体は命令を備えており、前記命令は前記プロセッサの1つ以上により実行されると前記システムに、
車両の1つ以上のセンサにより生成されたセンサデータにアクセスさせ、
前記センサデータに基づいて、前記車両のレーダーの第1ビーム角は、1つ以上の基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定させ、
前記レーダーの前記第1ビーム角を調整するために必要な調整の量を決定させ、
前記決定された調整の量に基づいて、前記レーダーの前記第1ビーム角を第2ビーム角に調整させ、
前記レーダーの前記第2ビーム角に基づいて、1つ以上の対象物を検出させるように動作可能である、システム。
例14. 前記1つ以上の基準は、
上り傾斜の検出、
下り傾斜の検出、
前記レーダーの仰角、
前記レーダーの反射された信号数、
前記レーダーと関連付けられている信号範囲、または
前記第1ビーム角に基づく、前記レーダーによる目標物の誤検出の確率の1つ以上を備えている、例13のシステム。
例15. 前記車両の前記レーダーの前記第1ビーム角は、前記現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定することは、
前記レーダーにより、1つ以上の信号を送信することと、
1つ以上の対象物により反射された前記1つ以上の送信された信号の1つ以上の反射された信号を受信することと、
前記1つ以上の基準に従って、前記1つ以上の反射された信号を解析することを備えている、例13のシステム。
例16. 前記1つ以上のセンサは、1つ以上の慣性測定ユニット(IMU)を備え、
前記車両の前記レーダーの前記第1ビーム角は、前記現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定することは、前記IMUの1つ以上に基づいている、例13のシステム。
例17. 前記現在の道路状況は、
道路の傾斜、
前記道路のカーブ、または
前記道路上の反射物の1つ以上を備えている、例13のシステム。
例18. 前記現在の道路状況は、上昇している地面に基づく前記道路の傾斜を備え、
前記レーダーの前記第1ビーム角を前記第2ビーム角に調整することは、前記レーダーの前記ビーム角を上方に調整することを備えている、例17のシステム。
例19. 前記現在の道路状況は、下降している地面に基づく前記道路の傾斜を備え、
前記レーダーの前記第1ビーム角を前記第2ビーム角に調整することは、前記レーダーの前記ビーム角を下方に調整することを備えている、例17のシステム。
例20. ソフトウェアを含んでいる1つ以上のコンピュータ読み取り可能非一時的格納媒体であって、前記ソフトウェアは実行されると、1つ以上のプロセッサに、
車両の1つ以上のセンサにより生成されたセンサデータにアクセスすることと、
前記センサデータに基づいて、前記車両のレーダーの第1ビーム角は、1つ以上の基準に従う現在の道路状況の不十分なレーダー視認性を提供すると決定することと、
前記レーダーの前記第1ビーム角を調整するために必要な調整の量を決定することと、
前記決定された調整の量に基づいて、前記レーダーの前記第1ビーム角を第2ビーム角に調整することと、
前記レーダーの前記第2ビーム角に基づいて、1つ以上の対象物を検出することを備えている動作を実行させるように動作可能である、1つ以上のコンピュータ読み取り可能非一時的格納媒体。