(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-06
(45)【発行日】2025-06-16
(54)【発明の名称】プログラム及びゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/53 20140101AFI20250609BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20250609BHJP
A63F 13/20 20140101ALI20250609BHJP
A63F 13/95 20140101ALI20250609BHJP
A63F 13/80 20140101ALN20250609BHJP
【FI】
A63F13/53
A63F13/52
A63F13/20 A
A63F13/95 A
A63F13/80 B
(21)【出願番号】P 2024054742
(22)【出願日】2024-03-28
【審査請求日】2024-07-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武田 理志
(72)【発明者】
【氏名】松高 里奈
(72)【発明者】
【氏名】赤井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】中川 太志
(72)【発明者】
【氏名】衣川 航平
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-028321(JP,A)
【文献】特開2023-168328(JP,A)
【文献】特開2021-087677(JP,A)
【文献】特開2018-029774(JP,A)
【文献】特開2023-152751(JP,A)
【文献】特開2007-054413(JP,A)
【文献】特開2016-096991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に接続されたコンピュータに、
プレイヤと対戦相手とが対戦する対戦ゲームを実行する実行処理と、
前記対戦ゲームに係るゲーム画像を前記表示部に表示させる表示制御処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記対戦ゲームは、複数のラウンドを経て進行するラウンド制で構成され、当該対戦ゲームにおいて設けられた複数の対戦エリアの各々について、独立して進行が管理されるサブ対戦ゲームを含み、
前記表示制御処理は、前記複数の対戦エリアで実行される複数のサブ対戦ゲームに係る表示を、表示領域を分けて並行して前記表示部に表示させ、
前記プログラムは、
前記複数の対戦エリアのうちの、プレイヤまたは対戦相手が有利となる対戦エリアを前記対戦ゲームのラウンドごとに決定する決定処理と、
前記対戦ゲーム
の実行中に、前記決定処理において決定された前記有利となる対戦エリアを示すエリア情報を提示する提示処理と、
を前記コンピュータにさらに実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記提示処理による前記エリア情報の提示は、前記表示部に表示された該当の対戦エリアに係る表示領域内への情報表示により行われる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記提示処理による前記エリア情報の提示は、前記表示部に表示された該当の対戦エリアに係る表示領域内に、プレイヤまたは対戦相手のいずれが有利となることを示す文字列画像の表示により行われる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記表示制御処理は、第1対戦エリアに係る第1表示領域と第2対戦エリアに係る第2表示領域とを隣接させて前記表示部に表示させる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記表示制御処理は、前記第1表示領域と前記第2表示領域との境界部に、境界を示す画像要素をさらに表示させる、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータは、ゲーム媒体を載置可能な載置部をさらに備え、
前記載置部は、前記第1対戦エリアに対応付けられた第1載置領域と、前記第2対戦エリアに対応付けられた第2載置領域と、が設けられる、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項7】
前記ゲーム媒体にはキャラクターが対応付けられ、
前記実行処理は、
前記第1載置領域に載置された前記ゲーム媒体に対応付けられた第1キャラクターを、プレイヤに係るキャラクターとして前記第1対戦エリアに配置し、
前記第2載置領域に載置された前記ゲーム媒体に対応付けられた第2キャラクターを、プレイヤに係るキャラクターとして前記第2対戦エリアに配置し、
前記表示制御処理は、
前記第1キャラクターを前記第1表示領域に表示させ、
前記第2キャラクターを前記第2表示領域に表示させる、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記実行処理は、前記複数の対戦エリアのそれぞれについて、対戦相手に係る相手キャラクターを配置する、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記載置部は、載置された前記ゲーム媒体に対する操作を検出する検出手段を備え、
前記実行処理は、
前記第1載置領域に載置された前記ゲーム媒体に対する操作に応じて、前記第1対戦エリアに配置した前記第1キャラクターと第1相手キャラクターとを、当該第1対戦エリアに係るサブ対戦ゲームにおいて対戦させるよう制御し、
前記第2載置領域に載置された前記ゲーム媒体に対する操作に応じて、前記第2対戦エリアに配置した前記第2キャラクターと第2相手キャラクターとを、当該第2対戦エリアに係るサブ対戦ゲームにおいて対戦させるよう制御する、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記実行処理は、前記第1対戦エリアに係るサブ対戦ゲームの実行後に、前記第2対戦エリアに係るサブ対戦ゲームを実行するよう制御する、請求項4に記載のプログラム。
【請求項11】
前記プログラムは、前記複数の対戦エリアに係るサブ対戦ゲームの実行順を決定する決定処理を、前記コンピュータにさらに実行させ、
前記実行処理は、前記決定処理において決定された実行順に基づいて、前記第1対戦エリアに係るサブ対戦ゲームと前記第2対戦エリアに係るサブ対戦ゲームの実行時期を制御する、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項12】
前記決定処理は、前記複数の対戦エリアに係るサブ対戦ゲームの実行順を抽選処理により決定する、請求項
11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記プログラムは、前記複数の対戦エリアに係るサブ対戦ゲームの実行順を指定する実行順リクエストを受け付ける処理を、前記コンピュータにさらに実行させ、
前記決定処理は、プレイヤに係り受け付けられた前記実行順リクエストと対戦相手に係り受け付けられた前記実行順リクエストとに基づいて、前記複数の対戦エリアに係るサブ対戦ゲームの実行順を決定する、
請求項
11に記載のプログラム。
【請求項14】
前記実行処理は、前記複数の対戦エリアのそれぞれについてサブ対戦ゲームの対戦時間を管理し、
前記表示制御処理は、前記複数の対戦エリアのそれぞれについて対戦時間を表示させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項15】
表示部に接続されたゲーム装置であって、
プレイヤと対戦相手とが対戦する対戦ゲームを実行する実行手段と、
前記対戦ゲームに係るゲーム画像を前記表示部に表示させる表示制御手段と、
を備え、
前記対戦ゲームは、複数のラウンドを経て進行するラウンド制で構成され、当該対戦ゲームにおいて設けられた複数の対戦エリアの各々について、独立して進行が管理されるサブ対戦ゲームを含み、
前記表示制御手段は、前記複数の対戦エリアで実行される複数のサブ対戦ゲームに係る表示を、表示領域を分けて並行して前記表示部に表示させ、
前記ゲーム装置は、
前記複数の対戦エリアのうちの、プレイヤまたは対戦相手が有利となる対戦エリアを前記対戦ゲームのラウンドごとに決定する決定手段と、
前記対戦ゲーム
の実行中に、前記決定手段により決定された前記有利となる対戦エリアを示すエリア情報を提示する提示手段と、
をさらに備える、ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及びゲーム装置に関し、特に複数回の対戦ゲームを経て勝敗が決着する電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
予め定められた数のエリアの占有結果に応じて勝敗が決着するゲームがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のゲームでは、サブエリアを占有したチームがメインエリアにおいて有利な取り扱いを受ける制御が行われるが、このような制御はゲーム攻略を一辺倒にしがちであり、繰り返しゲームプレイが行われる過程において同様の展開が増加し、ゲームの興趣性が低下する可能性があった。
【0005】
本発明は、ゲームプレイの興趣性を向上させるプログラム及びゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様のプログラムは、表示部に接続されたコンピュータに、プレイヤと対戦相手とが対戦する対戦ゲームを実行する実行処理と、対戦ゲームに係るゲーム画像を表示部に表示させる表示制御処理と、を実行させるプログラムであって、対戦ゲームは、当該対戦ゲームにおいて設けられた複数の対戦エリアの各々について、独立して進行が管理されるサブ対戦ゲームを含み、表示制御処理は、複数の対戦エリアで実行される複数のサブ対戦ゲームに係る表示を、表示領域を分けて並行して表示部に表示させ、プログラムは、複数の対戦エリアのうちの、プレイヤまたは対戦相手が有利となる対戦エリアを決定する決定処理と、対戦ゲームの実行前または実行中に、決定処理において決定された有利となる対戦エリアを示すエリア情報を提示する提示処理と、をコンピュータにさらに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ゲームプレイの興趣性を向上させるプログラム及びゲーム装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100のハードウェア構成を例示したブロック図
【
図2】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の外観構成を例示した図
【
図3】本発明の実施形態及び変形例に係る載置部200に設けられる載置領域を説明するための図
【
図4】本発明の実施形態及び変形例に係る対戦ゲームのゲーム画面の表示態様を説明するための図
【
図5】本発明の実施形態及び変形例に係る対戦ゲームにおける有利エリアの提示態様を例示した図
【
図6】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100において実行される提示処理を例示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、表示部と、ゲーム媒体を載置可能な載置部とを備えるゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、表示部と載置部とを備える任意の機器に適用可能である。
【0011】
《ゲーム装置のハードウェア構成》
図1は、本実施形態に係るゲーム装置100のハードウェア構成を示したブロック図である。
【0012】
制御部101は、CPU等のプロセッサであり、ゲーム装置100が備える各ハードウェアの動作制御、及びゲームのプレイ体験の提供機能を含む各種機能の実現に係る制御を行う。具体的には制御部101は、例えば記憶装置102に記憶されている必要なプログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより該当の制御を行う。
【0013】
記憶装置102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的な情報記憶が可能な装置である。記憶装置102は、ゲーム装置100を動作させるためのオペレーティングシステムやプレイ体験を提供するゲームに係るプログラムに加え、各種制御の実現に必要となるパラメータの情報や、プレイ体験を提供するゲームに係る各種データを記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各プログラムの展開領域としてだけでなく、各種ハードウェアの動作や各種制御の過程で出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられるものであってよい。
【0014】
GPU104は、ゲームのプレイ体験の提供中に提示されるゲーム画面やその他の画面・画像の生成に係る、各種の描画処理を実行する描画装置である。GPU104は、不図示のGPUメモリを含み、記憶装置102から読み出された各種グラフィックスデータを展開し、所定の演算を行って画面をはじめとする各種の画像を生成する。GPU104により生成された画面や画像は、例えばゲーム装置100が具備する提示装置110が含む表示装置に表示されることで、プレイヤに提示される。
【0015】
提示装置110は、ゲーム装置100が備える情報提示機能を備えた装置である。1つの態様では、提示装置110は、GPU104により生成された画面を表示する、液晶ディスプレイ等の表示装置を含む。またゲーム装置100における情報提示の手段は、表示装置や照明装置のような視覚的な情報提示を実現するものに限られるものではなく、聴覚的な情報提示を実現するスピーカ等の音声出力装置、触覚的な情報提示を実現する力覚提示装置等、他の種類の情報提示手段を含むものであってよい。その場合、提示する情報は、例えば記憶装置102から読み出されたデータや、制御部101が随時構成したデータであってよい。
【0016】
操作I/F105は、ゲーム装置100が備える操作入力を受け付けるユーザインタフェースである。操作I/F105は、操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。1つの態様において、操作I/F105は、例えば決定入力用のボタンや選択入力用のボタン等の操作部材や各種センサ等を含む。また提示装置110がタッチ入力を検出可能な表示装置を含む態様では、操作I/F105は、当該表示装置に設けられた、タッチ入力検出センサを含む。
【0017】
通信I/F106は、ゲーム装置100が備える外部装置との通信インタフェースである。通信I/F106と外部装置との間の情報通信は、インターネット等の広域通信網(WAN)を介して行われるものであってもよいし、LAN等を介して行われるものであってもよい。通信I/F106が行う情報通信は、有線及び無線のいずれで行われるものであってもよく、後者の場合、例えば近距離無線通信や近接無線通信も含み得る。
【0018】
支払装置120は、ゲーム装置100の利用に係る代価の支払いを受け付ける装置である。代価は、例えば不図示の投入口に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決済処理が完了したこと等により支払われたものとして扱うことができる。支払装置120は、代価の支払いがなされたことを検出すると、その旨を示す制御信号を制御部101に出力する。以下の説明では特に断りのない限り、ゲーム装置100は、いずれのプレイヤにも利用されていない状態(スタンバイ状態)において代価の支払いが検出された場合に、その状態を、ゲームのプレイ体験を提供可能な状態に切り替え、プレイヤへのサービス提供を開始するものとする。
【0019】
リーダ130は、ゲーム装置100が備える実物品からの情報取得を行う装置である。リーダ130の情報取得方式は、例えば撮像装置により実物品の外観に付されたコードを読み取る方式を用いることができる。別の態様では、リーダ130の情報取得方式は、例えば実物品に内蔵された所定のチップから情報を読み出す方式や、ゲーム装置100に実物品を装着した際の装着部における所定のスイッチの入力態様や接続端子の導通態様等を監視する方式等、任意の情報取得方式を採用することもできる。リーダ130により取得された情報は、制御部101に伝送され、例えばゲームの進行やサービス提供内容を制御するために用いられる。
【0020】
提供装置140は、予め収容した実物品を提供する機能を具備した装置である。本実施形態のゲーム装置100は、例えばサービス提供の開始時等の所定の条件が満たされた場合に、制御部101による制御を受けて提供装置140が規定数の実物品を提供するよう構成される。1つの態様において、提供装置140は、内蔵するストッカに収容された実物品を、その収容順に提供することができる。また別の態様では、提供装置140は、収容された実物品に対して、所定の加工を施した上で提供することもできる。提供装置140により提供される実物品は、1つの態様では、リーダ130によって取得可能な情報が付された物品とすることもできる。
【0021】
本実施形態では、ゲーム装置100の筐体にこれらのハードウェア構成が内蔵されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、提示装置110、支払装置120、リーダ130及び提供装置140の少なくともいずれかは、ゲーム装置100の筐体外部に設けられ、ゲーム装置100と接続されることにより利用可能に構成されるものであってもよい。
【0022】
《ゲーム装置の外観構成》
図2に、本実施形態のゲーム装置100の外観構成を示す。図示されるように、本実施形態のゲーム装置100には、提示装置110として3枚の表示パネル111、112及び113を含んだ表示部300と、フラットパネル114を含んだ載置部200とが備えられる。即ち、表示パネル111、表示パネル112、表示パネル113及びフラットパネル114は、GPU104により生成された画像(画面)を表示可能に構成されており、例えばゲーム装置100の状態やゲームの進行に応じてその表示が変更可能に構成される。
【0023】
〈載置部の構成〉
載置部200は、ゲーム媒体が載置可能に構成された平面(載置面)を有して構成される。本実施形態のゲーム装置100では、プレイヤはゲームプレイにあたり、ゲーム媒体(実物品)を載置部200の載置面に載置して使用することができる。以下に示す例では、ゲームに使用可能なゲーム媒体はゲームカードであるものとして説明する。
【0024】
ゲームカードには、ゲームに登場可能なキャラクターのいずれかが対応付けられている。プレイヤは、使用を所望するゲームカードを載置部200に載置することで、当該ゲームカードに対応付けられたキャラクターをゲームに登場させ、使用することができる。即ち、本実施形態のゲーム装置100では、リーダ130は、載置部200の載置面に載置されたゲームカードから情報取得を可能に構成される。
【0025】
ゲーム装置100において使用可能なゲームカードは、オモテ面とウラ面が定められており、例えばウラ面にゲームカードに対応付けられたキャラクターに関する情報が二次元情報(コード)として付されてよい。この場合、プレイヤは、ウラ面が載置面と対向する態様でゲームカードを載置部200に載置することで、当該ゲームカードに付された情報をリーダ130に取得させることができる。リーダ130は、例えば載置面を裏面から撮像した画像からコードのパターンを検出することで、載置面上のゲームカードの位置情報、あるいは当該ゲームカードが載置されている領域の情報と、当該ゲームカードに対応付けられたキャラクターを特定する情報を取得することができる。またリーダ130は、連続してゲームカードの位置を検出することで、当該ゲームカードの移動操作を検出することができる。
【0026】
載置部200の載置面には、複数の載置領域が設けられる。一態様において、複数の載置領域は、フラットパネル114に表示される、
図3に示されるような表示画像310によって各載置領域の境界が示されることで、明示される。図示されるように表示画像310によれば、載置面上の領域320を、境界線311及び312によって複数の載置領域に分離して示すことができる。図の例では、境界線311及び312は、表示画像310中の扇状の領域320を3等分する位置に配置されており、載置領域321、載置領域322及び載置領域323を定義する。即ち、載置領域は、ゲーム装置100の稼働中に常に明示されるものである必要はなく、フラットパネル114の表示が変更されることにより、プレイヤが視認可能に構成されるものとすることができる。
【0027】
〈表示部の構成〉
上述したように、表示部300は3面の表示パネル111、112及び113により構成される。3面の表示パネルを用いる情報表示は、例えば制御部101がGPU104に行わせる描画処理を切り替えることにより、状態変更が可能に構成される。本実施形態のゲーム装置100では、表示部300の表示は、3つの表示パネルの全てを使用して1つのゲーム画面を表示する非分割状態と、3つの表示パネルが各々異なるゲーム画面を表示する分割状態とが選択可能である。
【0028】
非分割状態での違和感のない表示のために、各表示パネルは少なくとも隣り合う表示パネルとの境界部に、縁部材が設けられず、連結した表示が可能に構成されるものとする。即ち、表示パネル111と表示パネル112の境界部、表示パネル112と表示パネル113の境界部では、互いの表示領域は当接する態様に構成され、連結した画像表示が可能になっている。
【0029】
つまり、3面の表示パネルは、分割状態において各々異なる画面を表示することで、様々(最大3種類)なゲームの描写をプレイヤに提供できる。また3面の表示パネルは、非分割状態において1つの画面を形成して表示することで、没入感の高いプレイ体験を提供することもできる。故に、本実施形態のゲーム装置100において実行されるゲームでは、ゲームの進行に合わせて表示部300の動作を分割状態と非分割状態とで切り替えることで、効果的に興趣性を提供するよう構成される。
【0030】
3面の表示パネルは、各々載置部200に設けられた複数の載置領域と対応付けられる。より詳しくは、表示パネル111は
図3に示した載置領域321と対応付けられ、表示パネル112は載置領域322と対応付けられ、表示パネル113は載置領域323と対応付けられる。詳細は後述するが、このような対応付けにより、載置領域321に載置されたゲームカードに係るキャラクターは表示パネル111に表示されるゲーム画面に、載置領域322に載置されたゲームカードに係るキャラクターは表示パネル112に表示されるゲーム画面に、載置領域323に載置されたゲームカードに係るキャラクターは表示パネル113に表示されるゲーム画面に表れる。つまり、表示部300における各表示パネルの位置関係と、対応する載置領域の載置部200における位置関係は対応しており、プレイヤは直感的に、表示パネルと載置領域との関連性を理解することができる。
【0031】
また3面の表示パネルは、載置部200の載置面と直角を成すよう配置されており、結果、載置領域321と表示パネル111の表示面(表示領域)、載置領域322と表示パネル112の表示面(表示領域)、載置領域323と表示パネル113の表示面(表示領域)も、同様に直角を成す。
【0032】
《ゲームの概要》
以下、本実施形態のゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームの概要を説明する。
【0033】
本実施形態に係るゲームは、プレイヤと対戦相手とが対戦する対戦ゲームである。ここで、対戦相手は、不図示のネットワークを介して通信接続した他のゲーム装置100を利用する現実のプレイヤであってもよいし、仮想のプレイヤであってもよい。ここで、仮想のプレイヤは、例えば制御部101により実行された行動プログラムに基づいて行動が決定されるNPC(Non-Player Character)や人工知能(Artificial Intelligence:AI)等が該当する。
【0034】
対戦ゲームは、プレイヤに係るキャラクター(以下、プレイヤキャラクターとして言及)及び対戦相手に係るキャラクター(以下、相手キャラクターとして言及)が3つの地域(対戦エリア)に分かれて対戦するサブゲームを含んで構成される。各対戦エリアに係るサブゲームの進行は、独立して管理されており、プレイヤには3種類のサブゲームの内容が提示される。サブゲームの内容は、分割状態に制御された表示部300を用いてプレイヤに提示される。従って、表示パネル111、表示パネル112、表示パネル113の各々には異なる対戦エリアに係るサブゲームのゲーム画面が表示される。
【0035】
本実施形態の対戦ゲームは、複数のラウンドを経て進行するラウンド制で構成され、ラウンドごとに順次、各対戦エリアのサブゲームが進行していく。つまり、プレイヤには、各対戦エリアで行われるサブゲームについて、ラウンドごとに、当該ラウンドにおいて進行する分のプレイヤキャラクターと相手キャラクターによる対戦行動が、該当の表示パネルを用いて提示される。各ラウンドでは、各サブゲームは、当該ラウンド分の進行に係る制御を行った後、次のラウンドまで進行が停止する。
【0036】
〈ゲーム画面〉
基本的には、分割状態において各表示パネルに表示されるゲーム画面には、対応する載置領域に載置されたゲームカードに係るキャラクターが含まれる。即ち、載置部200に載置されたゲームカードに係るキャラクターは、当該ゲームカードが載置されている載置領域に対応付けられた対戦エリアに配置される(登場する)。つまり、分割状態において、対戦エリアごとのゲーム画面を表示する表示パネル111、表示パネル112及び表示パネル113のそれぞれには、各々異なるゲームカードに係るプレイヤキャラクターが表示される。また各表示パネルに表示されるゲーム画面には、
図4(a)に示されるように、対応する対戦エリアに配置された相手キャラクターも表示される。
【0037】
ここで、相手キャラクターの各対戦エリアへの配置は、対戦相手(現実のプレイヤあるいは仮想のプレイヤ)により決定される、あるいは、対戦エリアとの関連性により決定されるものであって、プレイヤが載置部200に載置したゲームカードに依らず決定されるものであることは言うまでもない。
【0038】
分割状態に係る3種類のゲーム画面は、ラウンドにおいて、並行して各表示パネルに表示される。このとき、同時に異なる対戦エリアのサブゲームが進行してしまうと、プレイヤが各サブゲームの進行状況を把握しにくくなるため、ラウンドにおける各サブゲームの進行は、対戦エリアごとに時期をずらして表示される。即ち、同ラウンドに係る各対戦エリアのサブゲームは、同時期に進行しないよう、実行時期がずれて設定される。
【0039】
本実施形態の対戦ゲームでは、各ラウンドにおいて、表示パネル111に対応する対戦エリア(以下、第1対戦エリアとして言及)のサブゲームの、同ラウンド分の進行が当該表示パネルを介してプレイヤに提示された後、表示パネル112に対応する対戦エリア(以下、第2対戦エリアとして言及)のサブゲームの、同ラウンド分の進行が当該表示パネル112を介してプレイヤに提示され、その後、表示パネル113に対応する対戦エリア(以下、第3対戦エリアとして言及)のサブゲームの、同ラウンド分の進行が当該表示パネル113を介してプレイヤに提示される。このとき、サブゲームの進行が提示されていない対戦エリアについては、サブゲームが進行せずに停止するよう制御され、またラウンド分の進行が完了した対戦エリアについては、サブゲームが次のラウンドまで進行せずに停止するよう制御される。つまり、対戦ゲームは、各ラウンドにおいて、第1対戦エリアのサブゲーム、第2対戦エリアのサブゲーム、第3対戦エリアのサブゲームの順に当該ラウンド分の進行が順次提示されるよう制御される。
【0040】
なお、分割状態での3面の表示パネルを用いた表示は、各々が異なるゲーム画面を表示していることを明示するために、表示パネル間の境界部に境界を示す画像要素を表示するよう、各ゲーム画面の描画処理を制御してもよい。
【0041】
対して、非分割状態は、対戦ゲームの進行において特定のイベントやシナリオを効果的にプレイヤに提示するために用いられる。故に、非分割状態において3面の表示パネルを用いて表示される1枚のゲーム画像は、載置部200におけるゲームカードの配置態様に依らず、
図4(b)に示されるように、表示対象のキャラクターが表示パネル111、表示パネル112及び表示パネル113の少なくともいずれかに表示される。
【0042】
ここで、非分割状態において表示される1つのゲーム画面におけるキャラクターの表示サイズは、分割状態において表示される1つのゲーム画面におけるキャラクターの表示サイズよりも大きくなるよう制御される。即ち、非分割状態は、単に分割状態の一部の対戦エリアのサブゲームを画角を拡げて表示するのではなく、当該サブゲームの内容をプレイヤが臨場感をもって観賞できるよう、拡張された表示領域(3面分)に合わせてキャラクターの表示サイズが大きくされている。
【0043】
〈カード操作〉
対戦ゲーム中、プレイヤは、載置部200に載置したゲームカードを操作することで、対応する対戦エリアにおいて相対しているプレイヤキャラクターと相手キャラクターとを対戦させることができる。ここで、対戦ゲームにおいてプレイヤの行うことができるカード操作は、例えばラウンド開始前にゲームカードを移動させて載置領域を変更することによって対応するプレイヤキャラクターを登場させる対戦エリアを異ならせる操作や、サブゲームの実行中において所定の対戦行動をプレイヤキャラクターに行わせるための操作を含むことができる。
【0044】
なお、サブゲームの実行中における、プレイヤキャラクターに対戦行動(攻撃行動)を行わせるための操作が受け付けられた場合、当該対戦行動は、ゲームカードに係るプレイヤキャラクターが配置された対戦エリアに配置された相手キャラクターに対して作用し、他の対戦エリアに配置された相手キャラクターには作用しないよう制御される。即ち、任意のプレイヤキャラクターの対戦行動は、当該キャラクターの配置された対戦エリアのサブゲームにおいてのみ有効で、他の対戦エリアのサブゲームには効果を生じない。
【0045】
〈有利エリア〉
ところで、対戦ゲームの興趣性を向上させるとの観点では、対戦エリアのサブゲームの進行は、当該対戦エリアに配置されるキャラクターの性能(パラメータ等)や相性によって支配的に制御されるのではなく、ランダム性を持たせることが好ましい。本実施形態の対戦ゲームでは、1回のゲームプレイについて、プレイヤまたは対戦相手が有利(あるいは他方が不利)になる対戦エリア(有利エリア)を設けるよう構成される。このため、制御部101は、例えば対戦ゲームの実行前に、プレイヤと対戦相手のそれぞれについて、3つの対戦エリアのうちの1つのエリアを有利エリアとして決定する処理を行う。
【0046】
ここで、プレイヤ(または対戦相手)についての有利エリアとは、当該エリアに登場するプレイヤキャラクター(または相手キャラクター)のパラメータが、当該エリアのサブゲームの進行を有利にせしめる状態に調整するエリアである。有利エリアに係る調整は、例えばキャラクターについて定められたパラメータに対し、所定の係数(1以上)を乗じることによって行われるものであってよい。このような有利エリアを設けることで、配置されたキャラクターのパラメータが変動するため、サブゲームの進行にランダム性が生じ、結果、対戦ゲームの興趣性が向上する。
【0047】
有利エリアは、例えば、対戦ゲームの実行前や、実行後の初回のラウンドの開始前等に、プレイヤ及び対戦相手に提示される。当該提示は、いずれかの表示装置への表示により行われるものであってもよいし、音声によって行われるものであってもよい。プレイヤは、提示された有利エリアの情報を知った上で、使用するゲームカードに係るプレイヤキャラクターをいずれの対戦エリアに配置するかを戦略的に決定することができる。
【0048】
有利エリアを表示する一態様では、例えば表示パネル112に、
図5に示されるような対戦エリア一覧の態様で行われるものであってよい。図の例では、一覧は、各列が対戦エリアを示し、上段の行が対戦相手、下段の行がプレイヤに対応している。ここで、一覧における対戦エリアの列配置は、表示パネルまたは載置領域の位置関係に対応している。即ち、図の例では、501の列が表示パネル111/載置領域321に対応する第1対戦エリアを示し、502の列が表示パネル112/載置領域322に対応する第2対戦エリアを示し、503の列が表示パネル113/載置領域323に対応する第3対戦エリアを示している。図示されるように、プレイヤと対戦相手の各々について設定された有利エリアには、「有利」の文字列画像が表示されており、プレイヤは、自身の使用するプレイヤキャラクターが有利になる対戦エリアと、自身の使用するプレイヤキャラクターが不利になるエリア(対戦エリアの使用する相手キャラクターが有利になる対戦エリア)を、当該一覧により確認することができる。図の例では、プレイヤの有利エリアは第2対戦エリアであり、対戦相手の有利エリアは第3対戦エリアである。
【0049】
なお、
図5の一覧では、有利エリアを「有利」の文字列画像で表示する態様を説明したが、一覧における有利エリアの提示方法がこれに限られるものではないことは容易に理解されよう。
【0050】
〈対戦結果の決定〉
このように複数のサブゲームを含んで実行される対戦ゲームの勝敗は、公平性を担保するため、全ての対戦エリアについてサブゲームの終了条件が満たされたことを条件として決定される。
【0051】
各対戦エリアのサブゲームの終了条件は、基本的には、当該対戦エリアに配置された全てのプレイヤキャラクターまたは全ての相手キャラクターが攻撃行動によって行動不能になった(例えば、攻撃行動により体力パラメータが0になった)場合に満たされる。このとき、全てのプレイヤキャラクターが行動不能になり、かつ、いずれかの相手キャラクターが行動可能な状態にある場合には、制御部101は、プレイヤが敗北したものとしてサブゲームの対戦結果を決定する。また、全ての相手キャラクターが行動不能になり、かつ、いずれかのプレイヤキャラクターが行動可能な状態にある場合には、制御部101は、プレイヤが勝利したものとしてサブゲームの対戦結果を決定する。また、全てのプレイヤキャラクターと相手キャラクターとが行動不能になった場合には、制御部101は、引き分けとしてサブゲームの対戦結果を決定する。
【0052】
この他、対戦エリアのサブゲームの終了条件は、所定数のラウンドが経過した場合や所定の対戦時間が経過した場合にも満たされる。この場合、制御部101は、プレイヤと対戦相手のいずれが優勢であるかに基づいてサブゲームの対戦結果を決定する。サブゲームの優勢判断は、例えば、終了条件が満たされた時点での当該対戦エリアに配置されたプレイヤキャラクターの体力パラメータの合計値と同相手キャラクターの体力パラメータの合計値とを比較し、多い方を優勢とするものであってよい。
【0053】
なお、サブゲームの進行は、当該対戦エリアに配置されたキャラクターや当該キャラクターがとった対戦行動、あるいは当該対戦エリアが有利エリアであるか否かに応じて変わり得るものであるため、サブゲームの対戦時間は対戦エリアごとに管理されるものとする。即ち、いずれの対戦エリアについての勝敗を重要視するかはプレイヤによって異なり得るものであり、1種類の対戦時間の経過をもって全ての対戦エリアの勝敗を確定する態様はプレイヤにとって酷であるため、制御部101は、サブゲームの対戦時間を対戦エリアごとに計測する。各対戦エリアのサブゲームの対戦時間は、例えば残り時間を当該対戦エリアに対応するゲーム画面に表示することにより、プレイヤに通知される。
【0054】
従って、本実施形態の対戦ゲームでは、3つの対戦エリアが設けられてそれぞれのサブゲームが実行されるため、制御部101は、最終的に、勝利したサブゲームの数が多い方のプレイヤを対戦ゲームの勝者として決定する。
【0055】
《提示処理》
このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置100において、今回プレイ体験が提供される対戦ゲームに係る有利エリアをプレイヤに提示する提示処理について、
図6のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本提示処理は、例えば対戦ゲームの初回のラウンドに係る処理が開始された際に、これに連動して開始されるものとして説明する。
【0056】
S601で、制御部101は、今回プレイ体験が提供される対戦ゲームについて、プレイヤに係る有利エリアを決定する。有利エリアの決定にあたり、制御部101は例えば3つの対戦エリアのうちからいずれか1つの対戦エリアを選択する抽選処理を行う。本実施形態では1人プレイにて対戦ゲームが利用する場合を想定して、プレイ体験が提供されるゲーム装置100の制御部101が有利エリアを決定するものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、外部のゲームサーバを介して他のゲーム装置100を利用する現実のプレイヤと対戦ゲームが行われる態様では、例えば当該ゲームサーバから有利エリアに関する情報を取得し、制御部101は当該情報に基づいて有利エリアとして表示すべき対戦エリアを選択することができる。
【0057】
S602で、制御部101は、今回プレイ体験が提供される対戦ゲームについて、対戦相手に係る有利エリアを決定する。
【0058】
S603で、制御部101は、S601及びS602において決定したプレイヤ及び対戦相手の有利エリアの情報に基づいて、有利エリアを提示装置110に提示させて本提示処理を完了する。ここで、有利エリアの提示は、表示パネル111~113及びフラットパネル114の少なくともいずれかに
図5に示したような対戦エリア一覧を表示することにより行われてもよいし、音声出力装置から該当の対戦エリアを通知する音声を出力することにより行われてもよい。
【0059】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置によれば、ゲームプレイごとに決定された有利エリアがプレイヤに提示されるため、より戦略性が高い対戦ゲームのプレイ体験が提供され、結果、ゲームプレイの興趣性を向上させることができる。
【0060】
[変形例1]
上述した実施形態では、対戦ゲームの各ラウンドのサブゲームの進行が、第1対戦エリア→第2対戦エリア→第3対戦エリアの順にプレイヤに表示される態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。対戦エリアのサブゲームの進行を表示する順序は、他の固定順序で行われるものであってもよいし、固定順序が定められず、抽選処理によって制御部101が毎回決定するものとしてもよい。この他、対戦エリアのサブゲームの進行を表示する順序は、プレイヤと対戦相手から実行順序を指定する実行順リクエストを受け付け、当該実行順リクエストに基づいて制御部101が決定してもよい。
【0061】
[変形例2]
上述した実施形態では、初回のラウンドの開始前に決定された有利エリアが、対戦ゲームにおいて通して使用される態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、有利エリアはラウンドごとに決定されてプレイヤに提示されるものとしてもよい。この場合、対戦ゲームは、ラウンドごとにゲームカードの載置領域を変更可能に構成されてよい。このようにすることで、ラウンドごとに決定される有利エリアに応じてプレイヤが都度戦略を立案することになるため、より豊富なバリエーションのプレイ体験を提供することができる。
【0062】
[変形例3]
上述した実施形態では、表示部300に3面の表示パネルが連結して設けられることで、没入感の高い非分割状態のゲーム画面の表示を実現する態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、折り曲げ可能な表示装置を採用する態様では、表示パネル111、112及び113は、1つの表示装置の表示を領域ごとに制御することで代用することもできる。即ち、分割状態に係る3種類のゲーム画面の表示は、これらのゲーム画面を連結した画像を当該1つの表示領域に表示する画像とすることで実現することができる。
【0063】
なお、本明細書では、
図2に示したように表示部300が3つの異なる平面を形成する表示装置として構成される態様を説明したが、分割状態において並行して表示されるゲーム画面数や、非分割状態の表示を構成するために使用される表示パネルの数がこれに限られるものでないことは言うまでもない。
【0064】
[変形例4]
上述した実施形態では、対戦ゲームに使用可能なゲーム媒体がゲームカードである態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。ゲーム媒体は、フィギュアや玩具等、現実世界に実体を有する物体であれば、任意の物品を採用することができる。
【0065】
[実施形態のまとめ]
上記実施形態は以下のプログラム及びゲーム装置を少なくとも開示する。
【0066】
(1) 表示部に接続されたコンピュータに、
プレイヤと対戦相手とが対戦する対戦ゲームを実行する実行処理と、
前記対戦ゲームに係るゲーム画像を前記表示部に表示させる表示制御処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記対戦ゲームは、当該対戦ゲームにおいて設けられた複数の対戦エリアの各々について、独立して進行が管理されるサブ対戦ゲームを含み、
前記表示制御処理は、前記複数の対戦エリアで実行される複数のサブ対戦ゲームに係る表示を、表示領域を分けて並行して前記表示部に表示させ、
前記プログラムは、
前記複数の対戦エリアのうちの、プレイヤまたは対戦相手が有利となる対戦エリアを決定する決定処理と、
前記対戦ゲームの実行前または実行中に、前記決定処理において決定された前記有利となる対戦エリアを示すエリア情報を提示する提示処理と、
を前記コンピュータにさらに実行させる、プログラム。
【0067】
(2) 前記提示処理による前記エリア情報の提示は、前記表示部に表示された該当の対戦エリアに係る表示領域内への情報表示により行われる、(1)に記載のプログラム。
【0068】
(3) 前記提示処理による前記エリア情報の提示は、前記表示部に表示された該当の対戦エリアに係る表示領域内に、プレイヤまたは対戦相手のいずれが有利となることを示す文字列画像の表示により行われる、(2)に記載のプログラム。
【0069】
(4) 前記表示制御処理は、第1対戦エリアに係る第1表示領域と第2対戦エリアに係る第2表示領域とを隣接させて前記表示部に表示させる、(1)乃至(3)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0070】
(5) 前記表示制御処理は、前記第1表示領域と前記第2表示領域との境界部に、境界を示す画像要素をさらに表示させる、(4)に記載のプログラム。
【0071】
(6) 前記コンピュータは、ゲーム媒体を載置可能な載置部をさらに備え、
前記載置部は、前記第1対戦エリアに対応付けられた第1載置領域と、前記第2対戦エリアに対応付けられた第2載置領域と、が設けられる、(4)または(5)に記載のプログラム。
【0072】
(7) 前記ゲーム媒体にはキャラクターが対応付けられ、
前記実行処理は、
前記第1載置領域に載置された前記ゲーム媒体に対応付けられた第1キャラクターを、プレイヤに係るキャラクターとして前記第1対戦エリアに配置し、
前記第2載置領域に載置された前記ゲーム媒体に対応付けられた第2キャラクターを、プレイヤに係るキャラクターとして前記第2対戦エリアに配置し、
前記表示制御処理は、
前記第1キャラクターを前記第1表示領域に表示させ、
前記第2キャラクターを前記第2表示領域に表示させる、(6)に記載のプログラム。
【0073】
(8) 前記実行処理は、前記複数の対戦エリアのそれぞれについて、対戦相手に係る相手キャラクターを配置する、(7)に記載のプログラム。
【0074】
(9) 前記載置部は、載置された前記ゲーム媒体に対する操作を検出する検出手段を備え、
前記実行処理は、
前記第1載置領域に載置された前記ゲーム媒体に対する操作に応じて、前記第1対戦エリアに配置した前記第1キャラクターと第1相手キャラクターとを、当該第1対戦エリアに係るサブ対戦ゲームにおいて対戦させるよう制御し、
前記第2載置領域に載置された前記ゲーム媒体に対する操作に応じて、前記第2対戦エリアに配置した前記第2キャラクターと第2相手キャラクターとを、当該第2対戦エリアに係るサブ対戦ゲームにおいて対戦させるよう制御する、(8)に記載のプログラム。
【0075】
(10) 前記実行処理は、
前記第1載置領域に載置された前記ゲーム媒体に対する操作に応じて、前記第1キャラクターと前記第2相手キャラクターとを、前記第1対戦エリアに係るサブ対戦ゲームにおいて対戦させないよう制御し、
前記第2載置領域に載置された前記ゲーム媒体に対する操作に応じて、前記第2キャラクターと前記第1相手キャラクターとを、前記第2対戦エリアに係るサブ対戦ゲームにおいて対戦させるよう制御する、(9)に記載のプログラム。
【0076】
(11) 前記実行処理は、前記第1対戦エリアに係るサブ対戦ゲームの実行後に、前記第2対戦エリアに係るサブ対戦ゲームを実行するよう制御する、(4)乃至(10)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0077】
(12) 前記プログラムは、前記複数の対戦エリアに係るサブ対戦ゲームの実行順を決定する決定処理を、前記コンピュータにさらに実行させ、
前記実行処理は、前記決定処理において決定された実行順に基づいて、前記第1対戦エリアに係るサブ対戦ゲームと前記第2対戦エリアに係るサブ対戦ゲームの実行時期を制御する、(4)乃至(10)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0078】
(13) 前記決定処理は、前記複数の対戦エリアに係るサブ対戦ゲームの実行順を抽選処理により決定する、(12)に記載のプログラム。
【0079】
(14) 前記プログラムは、前記複数の対戦エリアに係るサブ対戦ゲームの実行順を指定する実行順リクエストを受け付ける処理を、前記コンピュータにさらに実行させ、
前記決定処理は、プレイヤに係り受け付けられた前記実行順リクエストと対戦相手に係り受け付けられた前記実行順リクエストとに基づいて、前記複数の対戦エリアに係るサブ対戦ゲームの実行順を決定する、(12)に記載のプログラム。
【0080】
(15) 前記実行処理は、前記複数の対戦エリアのそれぞれについてサブ対戦ゲームの対戦時間を管理し、
前記表示制御処理は、前記複数の対戦エリアのそれぞれについて対戦時間を表示させる、(1)乃至(14)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0081】
(16) 表示部に接続されたゲーム装置であって、
プレイヤと対戦相手とが対戦する対戦ゲームを実行する実行手段と、
前記対戦ゲームに係るゲーム画像を前記表示部に表示させる表示制御手段と、
を備え、
前記対戦ゲームは、当該対戦ゲームにおいて設けられた複数の対戦エリアの各々について、独立して進行が管理されるサブ対戦ゲームを含み、
前記表示制御手段は、前記複数の対戦エリアで実行される複数のサブ対戦ゲームに係る表示を、表示領域を分けて並行して前記表示部に表示させ、
前記ゲーム装置は、
前記複数の対戦エリアのうちの、プレイヤまたは対戦相手が有利となる対戦エリアを決定する決定手段と、
前記対戦ゲームの実行前または実行中に、前記決定手段により決定された前記有利となる対戦エリアを示すエリア情報を提示する提示手段と、
をさらに備える、ゲーム装置。
【0082】
[その他の実施形態]
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0083】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記憶装置、103:メモリ、104:GPU、105:操作I/F、106:通信I/F、110:提示装置、111:表示パネル、112:表示パネル、113:表示パネル、114:フラットパネル、120:支払装置、130:リーダ、140:提供装置、200:載置部、300:表示部
【要約】
【課題】ゲームプレイの興趣性を向上させるプログラム及びゲーム装置を提供する。
【解決手段】プログラムは、表示部に接続されたコンピュータに、プレイヤと対戦相手とが対戦する対戦ゲームを実行する実行処理と、対戦ゲームに係るゲーム画像を表示部に表示させる表示制御処理と、を実行させるプログラムであって、対戦ゲームは、当該対戦ゲームにおいて設けられた複数の対戦エリアの各々について、独立して進行が管理されるサブ対戦ゲームを含み、表示制御処理は、複数の対戦エリアで実行される複数のサブ対戦ゲームに係る表示を、表示領域を分けて並行して表示部に表示させ、プログラムは、複数の対戦エリアのうちの、プレイヤまたは対戦相手が有利となる対戦エリアを決定する決定処理と、対戦ゲームの実行前または実行中に、決定処理において決定された有利となる対戦エリアを示すエリア情報を提示する提示処理と、をコンピュータにさらに実行させる。
【選択図】
図6